JP2009026616A - 発光色変化蛍光ランプ - Google Patents

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幸二 野村
Kenji Ishibashi
健司 石橋
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Abstract

【課題】蛍光ランプを交換することなく、特別な専用機器を設置することなく蛍光ランプの発光色を変化させることができ、点灯した状態で異なる光源色が得られる発光色変化蛍光ランプを提供し、また、熱として消費されていた放電エネルギーを有効に利用し、蛍光ランプの温度あるいは周辺の雰囲気温度によって蛍光ランプの発光色を変化させ、異なる光源色が得られる発光色変化蛍光ランプを提供する。
【解決手段】ガラス管1の内表面に蛍光体層2を設けた蛍光ランプであって、ガラス管1の外表面には、管壁温度が上がると色を変化させる材料を含有した塗料3を塗布し、管壁温度が規定温度に到達したときに初期発光の光源色から異なる光源色へと色を変化させるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は照明用の蛍光ランプに関するもので、特に蛍光ランプの外表面に雰囲気温度によって発光色が変化する感熱塗料を塗布した発光色変化蛍光ランプに関する。
背景技術における蛍光ランプは、一旦点灯すると点灯中に発光色を変化させることはできず、一種類の発光色のみしか提供できない構造になっている。これは蛍光ランプのガラス管内表面に塗布される蛍光体の発光色や種類に起因するものであって、点灯させた場合、ある決まった光源色のみしか発することができないからである。
そのため、背景技術においては所望の発光色を得ようとすると、異なる種類の蛍光体をガラス管内表面に塗布した蛍光ランプを何種類か準備し、この中から所望のものを選び出してランプ交換を行うという手段に頼っていた。しかし、これでは点灯中に発光色を変化させるという問題の解決には至っていない。
そこで、蛍光ランプの点灯中に、水銀から放射される紫外線の発光強度を変更させることによって、紫外線により励起された蛍光体から発せられる可視光が変わり、これにより光の色が変化するという原理に基づいた提案がなされている(特許文献1)。
この提案は点灯中に発光色を変化させることはできるものの、紫外線の波長を185nmと254nmに変更するためのパルス点灯回路を搭載した専用機器を必要としており、設備費がかさむという問題がある。
また、特許文献2のように、室温センサ、光センサを有し、これらの信号に基づいて作動するパルス制御回路を内蔵した制御装置を備える可変色蛍光ランプが提案されている。しかし、この提案も特別な専用機器を必要としている点では特許文献1と同じ問題を抱えている。
さらに、背景技術における蛍光ランプは、放電エネルギーの一部が熱として発光管の温度を上昇させるのに消費され、この熱は蛍光ランプ本来の光出力にはほとんど寄与せず、使用電力の損失となるだけであるという問題も抱えている。
特開平06−076801号公報 特開平10−050135号公報
このように、背景技術の蛍光ランプは、一種類の発光色しか得られないものであり、異なる発光色を得ようとすれば蛍光ランプを交換するしかなく、また点灯中に発光色を変更しようとすると特別な専用機器を設置して可視光を変化させなければならない。
本発明は、蛍光ランプを交換することなく、また、特別な専用機器を設置することなく蛍光ランプの発光色を変化させることができ、点灯した状態で異なる光源色が得られる発光色変化蛍光ランプを提供することを目的とする。
また、本発明は、熱として消費されていた放電エネルギーを有効に利用し、蛍光ランプの温度又は周辺の雰囲気温度によって蛍光ランプの発光色を変化させ、異なる光源色が得られる発光色変化蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明は、ガラス管内表面に蛍光体層を設けた蛍光ランプであって、ガラス管外表面には、管壁温度が上がると色を変化させる材料を含有した塗料が塗布されており、管壁温度が規定温度に到達したときに初期発光の光源色から異なる光源色へと色が変化することを特徴とする発光色変化蛍光ランプである。
感熱感温色性色素材料を主材料とした塗料(感熱塗料)をガラス管外表面に塗布することによって、蛍光ランプから発せられる熱あるいは雰囲気温度の変化により一つの蛍光ランプで異なる発光色(光源色)を提供することができる。
次に本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の発光色変化蛍光ランプの断面図である。
図1に示すように、本発明に用いる蛍光ランプの構造は、ガラス管1の内表面には背景技術と同様蛍光体2を塗布し、ガラス管1の発光部位である外表面全体には、本発明の特徴である感熱感温色性色素材料を含有する塗料3を塗布した構成となっている。
ここで感熱感温色性色素材料含有塗料について説明する。この塗料は、温度が上がり規定温度に達したときに色を変化させる材料、すなわち感熱感温色性色素材料((株)松井色素化学工業所など)を含有させた水性又は油性の塗料である。
この塗料3を蛍光ランプのガラス管1の外表面全体に塗布し乾燥させる。そして、蛍光ランプを点灯させ、点灯後、管壁温度の上昇により感熱感温色性色素材料が色変化温度に到達すると、初期発光の光源色から異なる光源色へと変化し、照明雰囲気を変えることができる。管壁温度は室内温度の影響を受ける。よって、管壁温度は室内温度の変化により上昇し、光源色を変化させる。管壁温度の上昇により感熱感温色性色素材料が色変化温度に到達すると光源色が変化し、照明雰囲気を変えることができる。
また、この塗料は、消灯後には初期(常温または室内温度)の色温度に戻り、一定の温度範囲で色変化を可逆的に繰り返すことができる塗料であることが好ましい。
このように、本発明の蛍光ランプは、発光部位であるガラス管の外表面に、温度が上がると規定温度に達した時に色を変化させる部材が塗布されているので、一旦蛍光ランプを点灯させるだけで異なる光源色を供給することができる。
その結果、背景技術のように蛍光ランプを交換したり、特別な専用機器を設置したりしなくても、室内の温度または蛍光ランプ本体の温度により光源色を変化させることができる。
通常、点灯時の蛍光ランプの管壁温度は、フィラメントの近傍で60〜90℃、それ以外の部分では40〜60℃であり、温度に幅があるのは雰囲気温度や使用条件に左右されるためである。なお、温度範囲は、点灯による蛍光ランプ本体の温度変化に限らず、室内の温度変化(例えば10〜30℃)にも対応して光源色を変化させることもできる。
このような温度条件で使用される感熱塗料の色について説明すると、点灯前(常温状態)には、含有する感熱感温色性色素材料の種類によって赤、緑、青、茶、紫、黄などの有色を示しているが、温度の上昇により徐々に色が薄くなり、規定温度に到達すると透明となる。
例えば、常温状態では赤色であった蛍光ランプ外表面が、点灯による管壁の温度上昇によって徐々に赤色が薄くなり、最後は透明となって通常の蛍光ランプと同じ発光色(例えば白色光)となる。そして、消灯により温度が下がり始めると可逆的変化により徐々に赤味を増し、常温状態で初期の赤色に戻る。このように、同じ1個の蛍光ランプで赤色と白色を容易に実現できる。
また、感熱塗料の性質によって、温度と色との対応は変化する。例えば、40℃時点で赤、緑、青、茶、紫、黄などの有色を示すものもあれば透明になるものもある。また、逆に60℃まで色が変化せずに赤、緑、青、茶、紫、黄などのままのものもある。したがって、これらの条件を必要に応じて選択すればよい。また、これらの色を組み合わせることによって、任意の色変化を持たせることもできる。組み合わせる方法は重ね塗りによって行うことができる。
次に本発明の実施例について説明する。
まず、通常の白色蛍光ランプを準備し、この蛍光ランプの外表面に黒色の感熱感温色性色素材料を含有した塗料を塗布し乾燥させる。黒色の感熱塗料を塗布したことによって、
常温では黒色であったものが点灯して変色到達温度に達すると透明となり、通常の白色蛍光ランプの機能を発揮する。
つまり、点灯開始時は照度ゼロであった蛍光ランプが、温度上昇とともに徐々に照度を増して行くことができる。すなわち、ゆっくりと明るさが増して行くことが可能な蛍光ランプを提供することができる。
今までは主に直管型あるいはサークライン型蛍光ランプを対象に説明してきたが、直管型あるいはサークライン型に留まらず電球型やコンパクトタイプの蛍光ランプでもよく、形状や点灯方式の異なるあらゆるランプの種類にも適用が可能である。また、白熱電球やHID(高輝度放電ランプ)にも適用が可能である。
塗料に含有させる感熱感温色性色素材料については、すでに述べたように赤、緑、青、茶、紫、黄などの有色材料が開発されている。しかし、これらの原色以外の中間色を得たい場合には、原色材料を含有した色の異なる塗料を組み合わせることによって複数種類の光源色が得られ、何種類もの発光色を得ることができる。
例えば、橙色を得たい場合には、赤色材料を含有した塗料と黄色材料を含有した塗料とをランプ外表面に重ね塗りすることによって得られる。
本発明によれば、ランプを点灯し温度が上がり色変化温度に到達すると、初期発光の光源色から異なる光源色へと変化する蛍光ランプを提供できるので、室内などの照明空間の環境作りに貢献することができる。
本発明の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
1 ガラス管
2 蛍光体
3 感熱感温色性色素含有塗料

Claims (7)

  1. ガラス管内表面に蛍光体層を設けた蛍光ランプであって、ガラス管外表面には、管壁温度が上がると色を変化させる材料を含有した塗料が塗布されており、管壁温度が規定温度に到達したときに初期発光の光源色から異なる光源色へと色が変化することを特徴とする発光色変化蛍光ランプ。
  2. 前記塗料に含有される材料は、感熱感温色性色素材料であることを特徴とする請求項1記載の発光色変化蛍光ランプ。
  3. 前記管壁温度は蛍光ランプの点灯により上昇し、光源色を変化させることを特徴とする請求項1または2記載の発光色変化蛍光ランプ。
  4. 前記管壁温度は室内温度の変化により上昇し、光源色を変化させることを特徴とする請求項1または2記載の発光色変化蛍光ランプ。
  5. 前記初期発光の光源色が黒色である塗料を塗布し、温度上昇につれて照度を徐々に増加させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光色変化蛍光ランプ
  6. 色の異なる前記塗料を組み合わせることによって複数種類の光源色が得られることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光色変化蛍光ランプ。
  7. 前記塗料の組み合わせは重ね塗りであることを特徴とする請求項6記載の発光色変化蛍光ランプ。
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