JP2009024902A - 流体加熱装置、及び流体加熱装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置、及び該流体加熱装置の製造方法を提供する。
【解決手段】内部に流体が流通可能な管体2と、該管体2の外周面を被覆する絶縁層3と、該絶縁層3のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層4と、を具備し、カーボン発熱体層4の両端部に給電端子5、5が取り付けられている流体加熱装置1とする。
【選択図】図1
【解決手段】内部に流体が流通可能な管体2と、該管体2の外周面を被覆する絶縁層3と、該絶縁層3のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層4と、を具備し、カーボン発熱体層4の両端部に給電端子5、5が取り付けられている流体加熱装置1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は発熱体、及び熱交換器を備える流体加熱装置に関し、さらに詳しくは、小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置、及び該流体加熱装置の製造方法に関する。
熱媒体などに利用される流体を加熱するための流体加熱装置には、熱を発する熱源と、熱源から発せられた熱を、熱交換を行うことによって流体に伝える熱交換器が備えられる。その熱源としては、ガス式のものや電気式のものが用いられる。それらのうち、従来の電気温水加熱装置は、例えば、特許文献1に開示されているように、加熱タンク内にニクロム線式シーズヒーター、若しくはセラミックヒーターを配置し、タンク内の液体を加熱する機構が一般的であった。
特開昭58−123045号公報
しかし、従来の電気温水加熱装置では、タンク内の流体を加熱し続けなければならず、加熱効率が悪いという問題があった。また、小型化することは困難であった。
そこで、本発明は、小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置、及び該流体加熱装置の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第一の本発明は、内部に流体が流通可能な管体(2)と、該管体の外周面を被覆する絶縁層(3)と、該絶縁層のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層(4)とを具備し、カーボン発熱体層の両端部に給電端子(5、5)が取り付けられている流体加熱装置(1)を提供することによって、上記課題を解決する。
ここに、「絶縁層」とは、管体に金属管を使用した場合に、短絡を防止する目的で設けられる層であって、当該目的を果たせて、使用中の環境に耐えられるものであれば、その形態は特に限定されない。また、「カーボン発熱体層の両端部に給電端子が取り付けられている」とは、カーボン発熱体層が連続した形態で管体に被覆されていれば良く、その両端部に給電端子が備えられることを意味する。さらに、「給電端子」とは、カーボン発熱体層に電気を供給する部材であって、加熱制御を行う加熱回路が接続される。この加熱回路には、流体の温度制御および沸騰防止回路が付加される。
上記第一の本発明にかかる流体加熱装置(1)において、管体(2)の端部が、外側に向かってR状に膨らんだビード加工(7)が施されていることが好ましい。
上記ビード加工は管体の一方の端のみに施されていても良く、両端に施されていても良い。
また、上記第一の本発明にかかる流体加熱装置(1)は床暖房システム用の熱源機に用いることができる。
第二の本発明は、内部に流体が流通可能な管体(2)と、該管体の外周面を被覆する絶縁層(3)と、該絶縁層のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層(4)とを具備し、カーボン発熱体層の両端部に給電端子(5、5)が取り付けられている流体加熱装置(1)の製造方法であって、管体を目的の形状に加工する、管体加工工程(S11)と、管体加工工程によって加工された管体の外周面側に絶縁塗布剤を塗布し、絶縁層を形成する、絶縁層形成工程(S12)と、絶縁層の外周面側にカーボン発熱塗料を塗布し、カーボン発熱体層を形成する、カーボン発熱体層形成工程(S13)と、カーボン発熱体層の両端部に給電端子を配する、給電端子配設工程(S14)と、を有することを特徴とする、流体加熱装置の製造方法によって、上記課題を解決できる流体加熱装置を提供する。
第一の本発明によれば、管体が熱交換器として機能し、管体の外側に被覆されたカーボン発熱体から発せられる熱を、熱交換によって管体内を流通する熱媒体に伝えることが可能な流体加熱装置を提供することができる。したがって、本発明によれば、小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置を提供することができる。
また、管体の端部にビード加工を施すことで、本発明にかかる加熱装置と他の配管とを容易に接続することができる。
さらに、第一の本発明にかかる流体加熱装置は小型化することができるので、床暖房システム用の熱源機に用いた際に、熱源機を小型化することができ、その熱源機を放熱器近傍に設置することが可能となる。
第二の本発明にかかる流体加熱装置の製造方法によれば、小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置の製造方法を提供することができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明するが、以下に説明するものは本発明の実施形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り以下の説明になんら限定されるものではない。
図1は本発明にかかる流体加熱装置の実施例を概略的に示した図である。(a)は側面図であり、紙面左右方向が流体加熱装置の長手方向である。(b)は(a)にx−x´で示した箇所の断面図であり、紙面奥/手前方向が流体加熱装置の長手方向である。(c)は(a)にy−y´で示した箇所の断面図であり、紙面奥/手前方向が流体加熱装置の長手方向である。
図1に示すように、本発明にかかる流体加熱装置1(以下、単に「加熱装置1」という。)は、管体2の外周面を絶縁層3に被覆され、さらに絶縁層3の外周面側をカーボン発熱体層4によって被覆され、そのカーボン発熱体層4の両端に給電端子5、5が電気的に接続されている。また、管体2の両端にはビード加工7、7が施されており、他の配管などとの連結が容易に行えるようになっている。
管体2は、熱交換器としての役割を果たすので、内部を流通する熱媒体と効率良く熱交換を行うためには、熱伝導率が高い金属管などを用いるのが好ましい。また、後に説明するカーボン発熱体層4の形成時に管体2が高温になるという観点から樹脂管は好ましくない。管体2として用いることができるものの具体例として、例えば、銅管など挙げることができる。アルミニウム管を用いる場合には、電蝕の虞があるため、内周面側に耐熱性を考慮した樹脂でコーティングすることが好ましいが、樹脂でコーティングすることによって、熱交換能力が低下する。また、管体2の内側に何らかのコーティングをするなどの手段によって管体2の内周面の表面粗さを低下させた場合、管体2内を流れる流体が層流になりやすくなり、伝熱効果が低下する。
絶縁層3は、管体2に金属管を用いた場合に短絡を防止できるものであれば、その形態は特に限定されない。すなわち、管体2とカーボン発熱体層4との間において、絶縁材料からなる層を形成できれば良い。絶縁層3に用いることができる絶縁材料として、具体的には、例えば、酸化金属やガラスのような化学的に安定した材料を挙げることができる。絶縁層3を形成する際には、材料を選定し、焼付け処理などするのが好ましい。絶縁層3の厚さは0.1mm〜0.2mm程度が好ましい。絶縁層3の厚さが薄すぎれば短絡の虞があり、厚すぎれば加熱効率が低下する。
カーボン発熱体層4は、純粋なカーボン(不可避不純物含む。)からなる層であって、一方の給電端子5と他方の給電端子5との間で連続的に形成されていれば良い。すなわち、一方の給電端子5から他方の給電端子5までを略一直線に、又は螺旋状に形成されていても良い。しかし、加熱効率を向上させる観点からは、一方の給電端子5から他方の給電端子5までの間で管体2の外周面側全体を均一に被覆することが好ましい。カーボン発熱体層4は厚くすれば、電気抵抗値が下がり、電流値が上がるため、発熱温度が高くなる。カーボン発熱塗料の塗布量、すなわちカーボン発熱体層4の面積、及び厚さは要求される温度、及び熱交換能力から決定される。カーボン発熱塗料の塗布量の算出方法の詳細は後述する。
給電端子5、5に、交流、又は直流電圧を加えることによって、カーボン発熱体層4が発熱し、管体2が加熱され、管体2と管体2内を流れる熱媒体とが熱交換を行う。給電端子5、5は電気抵抗の低い材質、構造であり、例えば銅製のバンドで構成される。
加熱装置1には、上述した構成要素の他に、より加熱効率を向上させる観点からは、カーボン発熱体層4の外周面側を保温材(不図示)で覆うことが好ましい。
また、安全性を図る観点から、加熱された熱媒体の温度や、カーボン発熱体層4近傍の温度を管理するための温度センサ(不図示)を備えることも好ましい。
このように、本発明では、内部に流体を流通させる管体2が熱交換器として機能し、その外周面側に薄く絶縁層3及びカーボン発熱体層4を形成することで流体加熱装置1を構成している。かかる形態とすることによって、従来のニクロム線を用いた加熱装置よりも小型化が可能であり、かつ高い加熱効率を得ることができる。また、カーボン発熱体層によって加熱する形態とすることによって、従来のニクロム線のように、酸化して局所的に細くなり、部分的に加熱効率が低下するということはない。
これまでの説明では、管体2の両端部にビード加工7、7が施される形態について説明したが、本発明はかかる形態に限定されるものではない。例えば、上記ビード加工は管体の一端にのみ施されていても良い。また、ビード加工を施さず、タケノコプラグや、いわゆるワンタッチジョイントなどを接続加工しても良い。
図2は加熱装置1を床暖房用システムの熱源機に用いた例を概略的に示す図である。図2において、図1と同様の構成を採るものには図1にて使用した符号と同符号を付し、説明を適宜省略する。図中の矢印は、熱媒体の流れる方向を示している。
図2に示すように、加熱装置1を床暖房用システムの熱源機に用いる場合は、加熱装置1の一端を循環ポンプP側に接続し、他端を膨張タンクT側に接続して用いる。さらに、給電端子5、5にはカーボン発熱体4の加熱制御を行う加熱回路6が接続されている。この加熱回路6には、流体の温度制御、及び沸騰防止回路が付加されている。
加熱装置1を小型化させるという観点からは、管体2は、内径5mm〜6mm程度、外径7mm〜8mm程度の銅管を用いるのが好ましい。また、この管体2の曲げ半径は、外径の5倍以上とするのが好ましい。管体2の長さは、後述するカーボン発熱塗料の塗布量の算出方法によって、カーボン発熱体層4で被覆しなければならない範囲を求めることで決めることができる。
本発明にかかる加熱装置1を上述したように床暖房用システムの熱源機に用いた場合、加熱装置1は小型化が可能であるため、床暖房用システムの熱源機を構成する他の要素である循環ポンプP、及び膨張タンクTなども小型化することによって、温水マットと同程度の厚さの熱源機や、壁掛け型の熱源機を提供することができる。
本発明にかかる流体加熱装置を床暖房用システムの熱源機に用いた例について説明したが、本発明の用途はかかる用途に限定されるものではない。本発明にかかる流体加熱装置は、小型化が容易であり、加熱仕様や使用形態に応じて様々な形状にすることができるため、設計の自由度が高く、装置としての意匠性を高めることが可能であるという利点がある。これらの利点を活かすことで、熱媒体を加熱する様々な場所で使用することができる。具体的には、例えば、温水洗浄便座において、洗浄水の加熱や、加熱した温水によって便座を暖めたりするのに用いることができる。
図3は加熱装置1の製造方法のフローチャートを概略的に示した図である。以下、図1、及び図3を用いて加熱装置1の製造方法について説明する。
加熱装置1の製造方法は、管体2を目的の形状に加工する、管体加工工程S11と、管体加工工程S11によって加工された管体2の外周面側に絶縁塗布剤を塗布し、絶縁層3を形成する、絶縁層形成工程S12と、絶縁層3の外周面側にカーボン発熱塗料を塗布し、カーボン発熱体層4を形成する、カーボン発熱体形成工程S13と、カーボン発熱体層4の両端部に給電端子5、5を配する、給電端子配設工程S14と、を有している。
(管体加工工程S11)
管体加工工程S11は、管体2を目的の形状に加工する工程である。後述する絶縁層3やカーボン発熱体層4を形成させた後に加熱装置1の形状を変更することは困難であるため、それらの層を形成させる前に管体2の形状を、加熱装置1の使用箇所に応じた形状に加工しておく必要がある。例えば、内径5mm〜6mm、外径7mm〜8mmの銅管を曲げて用いる場合、曲げ半径は外径の5倍以上が好ましい。
管体加工工程S11は、管体2を目的の形状に加工する工程である。後述する絶縁層3やカーボン発熱体層4を形成させた後に加熱装置1の形状を変更することは困難であるため、それらの層を形成させる前に管体2の形状を、加熱装置1の使用箇所に応じた形状に加工しておく必要がある。例えば、内径5mm〜6mm、外径7mm〜8mmの銅管を曲げて用いる場合、曲げ半径は外径の5倍以上が好ましい。
(絶縁層形成工程S12)
絶縁層形成工程S12は、管体2の外周面側に絶縁塗布剤を塗布し、絶縁層3を形成する工程である。酸化金属やガラスなどのような化学的に安定した材料からなる絶縁塗布剤を塗布し、乾燥させることで、絶縁層3を形成する。この絶縁層3は、少なくとも後述するカーボン発熱体層4、及び給電端子5、5と管体2が接触して短絡しない程度の範囲に形成させる必要がある。絶縁層3の厚さは、0.1mm〜0.2mm程度が好ましい。絶縁層3の厚さが薄すぎれば短絡の虞があり、厚すぎれば加熱効率が低下する。
絶縁層形成工程S12は、管体2の外周面側に絶縁塗布剤を塗布し、絶縁層3を形成する工程である。酸化金属やガラスなどのような化学的に安定した材料からなる絶縁塗布剤を塗布し、乾燥させることで、絶縁層3を形成する。この絶縁層3は、少なくとも後述するカーボン発熱体層4、及び給電端子5、5と管体2が接触して短絡しない程度の範囲に形成させる必要がある。絶縁層3の厚さは、0.1mm〜0.2mm程度が好ましい。絶縁層3の厚さが薄すぎれば短絡の虞があり、厚すぎれば加熱効率が低下する。
(カーボン発熱体形成工程S13)
カーボン発熱体形成工程S13は、絶縁層3の外周面側にカーボン発熱塗料を塗布し、カーボン発熱体層4を形成する工程である。カーボン発熱体層4は、純粋なカーボン(不可避不純物含む。)及びバインダからなるカーボン発熱塗料を、厚さが均一になるように焼き付けることで形成する。この焼き付けの際に、カーボン発熱塗料に含まれるバインダは蒸発する。カーボン発熱体層4は、一方の給電端子5と他方の給電端子5との間で連続的に形成されていれば良い。すなわち、一方の給電端子5から他方の給電端子5までを略一直線に、又は螺旋状に形成されていても良い。しかし、加熱効率を向上させる観点からは、一方の給電端子5から他方の給電端子5までの間で管体2の外周面側全体を被覆することが好ましい。カーボン発熱体層4は厚くすれば、電気抵抗値が下がり、電流値が上がるため、発熱温度が高くなる。カーボン発熱塗料の塗布量、すなわちカーボン発熱塗料の塗布面積、及び厚さは、要求される温度、及び熱交換能力から決定される。カーボン発熱塗料の塗布量の算出方法を以下に説明する。
カーボン発熱体形成工程S13は、絶縁層3の外周面側にカーボン発熱塗料を塗布し、カーボン発熱体層4を形成する工程である。カーボン発熱体層4は、純粋なカーボン(不可避不純物含む。)及びバインダからなるカーボン発熱塗料を、厚さが均一になるように焼き付けることで形成する。この焼き付けの際に、カーボン発熱塗料に含まれるバインダは蒸発する。カーボン発熱体層4は、一方の給電端子5と他方の給電端子5との間で連続的に形成されていれば良い。すなわち、一方の給電端子5から他方の給電端子5までを略一直線に、又は螺旋状に形成されていても良い。しかし、加熱効率を向上させる観点からは、一方の給電端子5から他方の給電端子5までの間で管体2の外周面側全体を被覆することが好ましい。カーボン発熱体層4は厚くすれば、電気抵抗値が下がり、電流値が上がるため、発熱温度が高くなる。カーボン発熱塗料の塗布量、すなわちカーボン発熱塗料の塗布面積、及び厚さは、要求される温度、及び熱交換能力から決定される。カーボン発熱塗料の塗布量の算出方法を以下に説明する。
(カーボン発熱塗料の塗布量の算出方法)
まず、カーボン発熱体層4と管体2内を流通する流体との熱交換量を考える。カーボン発熱体層4と、管体2のうちカーボン発熱体層4で被覆される部分x内を流通する流体yとの熱交換量qは、部分xの内径をd、流体yの比重量をγ、流体yの平均流速をUm、流体yの定圧比熱をCp、部分xの入口と出口での流体yの温度差をΔtとすると、
q=(d/2)2・π・γ・Um・Cp・Δt (1)
という式で表すことができる。
また、熱交換量qは、熱伝達率をαm、部分xの管長をL、対数平均温度差をΔtmとすると、
q=αm・L・d・π・Δtm (2)
で表すこともできる。
ここで、対数平均温度差をΔtmは、管体2の菅壁温度twと、部分xの入口での流体yの温度t1、及び出口での流体yの温度t2から求めることができる。また、熱伝達率αmは、流体yのレイノルズ数Re、熱伝導率λ、及びプラントル定数Prと、内径dとから求めることができ、レイノルズ数Reは、内径dと、流体yの平均流速Um、及び動粘度係数νから求めることができる。すなわち、流体yと流体yの平均流速Umを決めれば、熱伝達率αmを求めることができる。
したがって、目標とする菅壁温度tw、入口温度t1、出口温度t2、及び平均流速Umを定めることによって、管長Lを求めることができる。すなわち、カーボン発熱体層4を形成させる部分xを決めることができる。
次に、上述した方法にて求めたカーボン発熱体層4を形成させる部分xに、加熱能力1000W〜1500W程度のカーボン発熱体層4が、厚さがほぼ均一に形成されると考えて、カーボン発熱体層4の厚さを決定することができる。すなわち、カーボン発熱塗料の塗布量を算出することができる。
まず、カーボン発熱体層4と管体2内を流通する流体との熱交換量を考える。カーボン発熱体層4と、管体2のうちカーボン発熱体層4で被覆される部分x内を流通する流体yとの熱交換量qは、部分xの内径をd、流体yの比重量をγ、流体yの平均流速をUm、流体yの定圧比熱をCp、部分xの入口と出口での流体yの温度差をΔtとすると、
q=(d/2)2・π・γ・Um・Cp・Δt (1)
という式で表すことができる。
また、熱交換量qは、熱伝達率をαm、部分xの管長をL、対数平均温度差をΔtmとすると、
q=αm・L・d・π・Δtm (2)
で表すこともできる。
ここで、対数平均温度差をΔtmは、管体2の菅壁温度twと、部分xの入口での流体yの温度t1、及び出口での流体yの温度t2から求めることができる。また、熱伝達率αmは、流体yのレイノルズ数Re、熱伝導率λ、及びプラントル定数Prと、内径dとから求めることができ、レイノルズ数Reは、内径dと、流体yの平均流速Um、及び動粘度係数νから求めることができる。すなわち、流体yと流体yの平均流速Umを決めれば、熱伝達率αmを求めることができる。
したがって、目標とする菅壁温度tw、入口温度t1、出口温度t2、及び平均流速Umを定めることによって、管長Lを求めることができる。すなわち、カーボン発熱体層4を形成させる部分xを決めることができる。
次に、上述した方法にて求めたカーボン発熱体層4を形成させる部分xに、加熱能力1000W〜1500W程度のカーボン発熱体層4が、厚さがほぼ均一に形成されると考えて、カーボン発熱体層4の厚さを決定することができる。すなわち、カーボン発熱塗料の塗布量を算出することができる。
(給電端子配設工程S14)
給電端子配設工程S14は、カーボン発熱体層4の両端部に給電端子5、5を配する工程である。給電端子5、5は電気抵抗の低い材質、構造であり、例えば銅製のバンドで構成される。この給電端子5、5に、交流、又は直流電圧を加えることによって、カーボン発熱体層4が発熱し、管体2が加熱され、管体2と管体2内を流れる熱媒体とが熱交換を行う。
給電端子配設工程S14は、カーボン発熱体層4の両端部に給電端子5、5を配する工程である。給電端子5、5は電気抵抗の低い材質、構造であり、例えば銅製のバンドで構成される。この給電端子5、5に、交流、又は直流電圧を加えることによって、カーボン発熱体層4が発熱し、管体2が加熱され、管体2と管体2内を流れる熱媒体とが熱交換を行う。
上述したような方法で製造される加熱装置1は、管体2が熱交換器として機能し、管体2の外側に被覆されたカーボン発熱体4から発せられる熱を、熱交換によって管体2内を流通する熱媒体に伝えることが可能である。したがって、本発明によれば、小型化が可能であり、発熱体、及び熱交換器が一体となった、加熱効率が高い流体加熱装置の製造方法を提供することができる。
以上、現時点において、最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う流体加熱装置、及び流体加熱装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 流体加熱装置
2 管体
3 絶縁層
4 カーボン発熱体層
5 給電端子
6 加熱回路
P 循環ポンプ
T 膨張タンク
2 管体
3 絶縁層
4 カーボン発熱体層
5 給電端子
6 加熱回路
P 循環ポンプ
T 膨張タンク
Claims (4)
- 内部に流体が流通可能な管体と、該管体の外周面を被覆する絶縁層と、該絶縁層のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層と、を具備し、
前記カーボン発熱体層の両端部に給電端子が取り付けられている、流体加熱装置。 - 前記管体の端部が、外側に向かってR状に膨らんだビード加工が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の流体加熱装置。
- 床暖房システム用の熱源機に用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体加熱装置。
- 内部に流体が流通可能な管体と、該管体の外周面を被覆する絶縁層と、該絶縁層のさらに外周面を被覆するカーボン発熱体層と、を具備し、
前記カーボン発熱体層の両端部に給電端子が取り付けられている流体加熱装置の製造方法であって、
前記管体を目的の形状に加工する、管体加工工程と、
前記管体加工工程によって加工された前記管体の外周面側に絶縁塗布剤を塗布し、絶縁層を形成する、絶縁層形成工程と、
前記絶縁層の外周面側にカーボン発熱塗料を塗布し、カーボン発熱体層を形成する、カーボン発熱体形成工程と、
前記カーボン発熱体層の両端部に給電端子を配する、給電端子配設工程と、
を有することを特徴とする、流体加熱装置の製造方法。
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