JP2009023872A - 透明m:y2o3焼結体の製造方法 - Google Patents

透明m:y2o3焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】
固体レーザに適用可能な透明M:Y焼結体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
透明M:Y焼結体(Mは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、および、Niからなる群から少なくとも1つ選択される元素)を製造する方法は、Y(NOとMの硝酸塩(Mは、選択された元素)とからなる出発溶液を調製するステップと、出発溶液にNH水溶液を加えるステップと、上記ステップで得られた反応溶液に(NHSOをさらに加えるステップと、反応溶液から得られた粉末を仮焼するステップと、仮焼された粉末を成形するステップと、成形された粉末を焼結するステップとからなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明M:Y焼結体(Mは、特定の希土類元素REおよび特定の遷移元素TEである)の製造方法に関する。
固体レーザ媒質としてYAG、Yが知られている。中でもNd:YAGに匹敵する材料としてNd:Y多結晶セラミクスが注目されている(例えば、非特許文献1を参照)。
非特許文献1によれば、Nd:Y多結晶セラミクスにおいて、1074nmおよび1078nmの2つの主要な発振に加えて、1095nmの発振が確認されている。しかしながら、1095nmの発振ピークは極めて弱く、実用化するためには材料の透明度の向上が望まれている。
一方、RE:Y多結晶透明セラミクス(RE:希土類元素)の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、純度が99.8重量%以上、一次粒子の平均径0.01〜1μmの範囲、500kg/cmの圧力で静水圧成形後、1600℃で3時間常圧焼結したY粉末を、混練乾燥後、成形し、1800〜2300℃の温度範囲で3時間以上、酸素、水素または10−4Torr以下の真空下で焼結することによって、直線透過率70%以上のRE:Y多結晶透明セラミクス(RE=Nd)が得られることを開示している。
しかしながら、製造時の焼結温度が1800℃以上と高温であり、10時間以上の焼結時間を要するため、専用の高価な高温炉を必要とするだけでなく、長時間にわたる作業によりコスト高を招く。特許文献1は、HIP(熱間静水圧プレス)を採用することにより、焼結時間を3時間程度に短縮できることも開示されているが、HIPもまた高価な装置であり、コスト高となる。
また、ノンドープY多結晶透明セラミクスの製造方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によれば、硫酸イオンを含む水溶液で洗浄した炭酸イットリウムを仮焼することにより得られた酸化イットリウム粉末を成形し、その成形体を1000℃〜1300℃の範囲で予備焼成し、本焼成を1500℃〜1800℃で2.5時間行うことにより、直線透過率60%以上のY多結晶透明セラミクスが得られることを開示している。
しかしながら、特許文献2のように比較的低温かつ短時間で得られる、実用に値する透過率を有する希土類元素REもしくは遷移元素TEを添加したY多結晶透明セラミクスは得られていない。特許文献2のように比較的低温かつ短時間で、実用に値する透過率を有する希土類元素REまたは遷移元素TEを添加したY多結晶透明セラミクスが得られることが望ましい。
Luら、Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 40(2000)pp. L1277−L1279 特開平6−211573号公報 特開平11−278933号公報
したがって、本発明の目的は、固体レーザに適用可能な透明M:Y焼結体の製造方法を提供することである。
(発明1)透明M:Y焼結体(Mは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から少なくとも1つ選択される元素)を製造する方法であって、Y(NOとMの硝酸塩(Mは、前記選択された元素)とを混合分散する出発溶液の調製ステップと、前記出発溶液にNH水溶液を加えて反応溶液を得るステップと、前記反応溶液に(NHSOをさらに加えるステップと、前記ステップから得られた粉末を仮焼して仮焼粉末を得るステップと、前記仮焼粉末を所望の形状に成形するステップと、前記成形された仮焼粉末を焼結するステップとからなることを特徴とする、方法。
(発明2)発明1に記載の方法において、前記出発溶液の調製ステップは、Y(NOとMの硝酸塩(Mは、前記選択された元素)とを5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で、攪拌することを特徴とする、方法。
(発明3)発明1に記載の方法において、前記反応溶液を得るステップは、前記NH水溶液を15ml/分以下の滴下速度で加え、かつ、前記出発溶液を5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で攪拌することを特徴とする、方法。
(発明4)発明1から3のいずれかに記載の方法において、前記(NHSOをさらに加えるステップは、前記(NHSOを15ml/分以下の滴下速度で加え、かつ、前記反応溶液を5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で攪拌することを特徴とする、方法。
(発明5)発明1から4のいずれかに記載の方法において、前記(NHSOをさらに加えるステップは、前記反応溶液中のイットリウムイオンとアンモニウムイオンと硫酸イオンとの濃度比が、1:4:0.1を満たすように、(NHSOをさらに加えることを特徴とする、方法。
(発明6)発明1から5のいずれかに記載の方法において、前記仮焼粉末を得るステップは、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で10×10℃〜12×10℃の温度範囲まで昇温し、酸素雰囲気中、少なくとも4時間の間仮焼することを特徴とする、方法。
(発明7)発明1から6のいずれかに記載の方法において、前記成形するステップは、10MPa〜40MPaの圧力範囲で一軸成形した後、1×10MPa〜2×10MPaの圧力範囲で静水圧プレスすることを特徴とする、方法。
(発明8)発明1から7のいずれかに記載の方法において、前記焼結するステップは、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で17×10℃〜18×10℃の温度範囲まで昇温し、1×10−4torr〜1×10−5torrの範囲の真空度で、2時間〜3時間焼結することを特徴とする、方法。
本発明による透明M:Y焼結体(Mは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から少なくとも1つ選択される元素)を製造する方法であって、Y(NOとMの硝酸塩(Mは、選択された元素)とを用い、NH水溶液、さらに(NHSOを加える。これにより、出発溶液中にMイオンが溶解するので、Mイオンを均一に前駆体粉末中に分散させることができる。得られる前駆体粉末は、Mを含む薄片状の水酸化イットリウムが嵩高く集合した二次粒子となる。本発明の方法は、このような二次粒子を仮焼し、仮焼粉末を得る。このような二次粒子を用いることによって、固体レーザに適用可能な透過率を有するM:Y焼結体を得ることができる。また、焼結の際、従来のような高温・長時間は不要であるため、工業的に好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図中、同様の要素には同一の参照符号を付し、重複して説明するのを避ける。
図1は、本発明による透明M:Y焼結体を製造するステップを示すフローチャートである。
ステップごとに説明する。
ステップS110:Y(NOとMの硝酸塩とからなる出発溶液を調製する。ここで、Mは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niからなる群から少なくとも1つ選択される元素である。Mは、発光中心であり、発振波長に応じて適宜選択される。例えば、MとしてNdを選択した場合には、発振波長は1074±2nm、1077±2nmおよび1095±2nmとなる。
より詳細には、上記Mのうち、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYb(以降ではこれらをRE群と称する)は、希土類元素と呼ばれ、固体レーザの発光中心として知られている。上記RE群は陽イオンの状態で固体レーザ媒質中に存在する。REイオンは、不完全な4f電子軌道を有し、これにより発光中心としての特徴を発現できる。希土類元素の電子軌道配置は次のようになる。
(1s)(2s)(2p)(3s)(3p)(3d)10(4s)(4p)(4d)10(4f)(5s)(5p)(5d)(6s)=[Kr](4d)10(4f)(5s)(5p)(5d)(6s)
ここで[Kr]はクリプトンKr原子の電子配置を示し、nは4f軌道に入る電子数を表す(n:0〜14)。希土類元素は、結晶中で3価の陽イオンになることが多い。この場合、希土類元素は、(5d)(6s)の電子を失い、以下の電子配置を取る。
[Kr](4d)10(4f)(5s)(5p)
なお、4f電子を有しないLa3+、および、4f電子が完全に充填されているLu3+は、近紫外から近赤外まで発光に関するエネルギー準位を有しないので、固体レーザの発光中心として、一般的に知られる希土類元素から除外される。固体レーザの発光中心としての希土類元素はCe(原子番号58)からYb(原子番号70)までである。これらの元素が陽イオンになると、nは1から13までの数値を取り、4f軌道は不完全な電子配置(これを不完全4f軌道と呼ぶ)になる。
4f電子軌道が1個であるCe3+から13個であるYb3+までの希土類イオンをドープした固体レーザは、様々な発光特性を示す。ほとんどの希土類イオンレーザで発光をもたらすのは、(4f)電子軌道内の電子が別の(4f)軌道に遷移することが原因で起こる。すなわち、エネルギーレベルの低い(4f)軌道の電子が励起されて、よりエネルギーレベルの高い別の(4f)軌道に遷移する(例えば、後述する図2の励起状態3/2)。その後、電子が蓄えたエネルギーを放出してエネルギーの低い状態に遷移し(例えば、後述する図2のレーザ下準位11/2)、最終的にもとのエネルギーレベルに戻る(例えば、後述する図2の基底状態9/2)。これを4f−4f遷移と呼ぶ。
しかしながら、いくつかの例外がある。上述したように、希土類元素は通常3価の陽イオンになるが、母材料によっては2価の陽イオンになるときもある。そのような元素には、例えば、Sm2+、Eu2+、Yb2+がある。これらの元素は2価から本来の3価に戻ろうとする傾向がある、換言すれば4f電子を1個放出する傾向がある。4f軌道から放出された電子は、原子外に放出されることなく5d軌道に遷移する(励起状態)。5d軌道に遷移した電子が元の4f軌道に戻る(基底状態)際に発光が起こる(これを4f−5d遷移と呼ぶ)。このように2価の希土類イオンも、遷移する軌道が4f軌道間ではないという点を除けば、3価と同様に不完全4f軌道が原因となり発光に至る。
また、3価の陽イオンであるCe3+だけは、4f−4f遷移ではなく、4f−5d遷移で起こる。Ce3+の場合、4f電子が1つであり、励起エネルギー準位は1つである。さらにエネルギーレベルが発光するには小さい。このため、4f軌道間(4f−4f遷移)で電子が遷移するのではなく、4f軌道にある電子が5d軌道に遷移し(励起状態)、エネルギーを蓄え、元に戻り(基底状態)発光に至る。Ce3+イオンもまた、不完全4f軌道が原因で発光に及ぶことがわかっている。
さらに、上記Mのうち、上記RE群以外のTi、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNi(以降ではこれらをTE群と称する)は、遷移元素と呼ばれ、固体レーザの発光中心として知られている。これらの遷移元素による発光のメカニズムは、上述した希土類元素と同様に、電子の軌道間遷移の際のエネルギーの放出により発光する。上記TE群の場合、遷移する軌道が上記RE群とは異なる。上記TE群による発光は、不完全3d軌道(3d−3d)間の遷移により起こる。
Y(NOとMの硝酸塩との混合割合は、Yに対してMが、0.1〜3.0%の範囲である。Mが0.1%未満の場合、発光中心として機能するREが少ないため、発振が確認できない場合がある。Mが3.0%を超えると、濃度消光により発振効率の低下が生じる。
また、出発溶液は、Y(NOとMの硝酸塩とを5℃〜15℃の温度範囲で、800rpm〜1100rpmの攪拌速度で攪拌しながら調製される。このような温度条件および攪拌条件であれば、Y(NO水溶液中にMイオンが均一に分散した出発溶液となるので、好ましい。
ステップS120:ステップS110で得られた出発溶液にNH水溶液を加え、反応溶液を調製する。これにより、前駆体が形成される。前駆体は、沈殿物として目視できる。本願発明者らは、創意工夫の結果、出発溶液にNH水溶液を加えることにより、Mイオンが前駆体中に均一に分散することを発見した。このような前駆体を用いることにより、最終生成物である焼結体においてもMイオンが均一に分散するので、発振効率が向上する。
より好ましくは、15ml/分以下の滴下速度でNH水溶液を出発溶液に加え、5℃〜15℃の温度範囲で、800rpm〜1100rpmの攪拌速度で攪拌する。なお、攪拌は、NH水溶液の添加(滴下)中、ならびに、添加(滴下)後も引き続き行われる。このような温度条件および攪拌条件であれば、Mを含む薄片状の水酸化イットリウムが嵩高く集合した二次粒子からなる前駆体の生成を促進させることができるので好ましい。なお、ステップS120後に30分程度熟成させることで、前駆体を収率100%で得られる。
ステップS130:ステップS120で得られた反応溶液に(NHSOをさらに加える。(NHSOを添加することによって、前駆体に付着した母塩を洗浄することができる。これにより、前駆体の配向凝集を防ぐとともに、ろ過しやすい粉末を得ることができる。ここでもやはり、15ml/分以下の滴下速度で(NHSOを反応溶液に加え、5℃〜15℃の温度範囲で、800rpm〜1100rpmの攪拌速度で攪拌する。このような温度条件および攪拌条件であれば、前駆体の洗浄を促進させることができるので好ましい。ここでもやはり、攪拌は、(NHSO水溶液の添加(滴下)中、ならびに、添加(滴下)後も引き続き行われる。また、好ましくは、(NHSOは、イットリウムイオンと、アンモニウムイオンと、硫酸イオンとの濃度比が、1:4:0.1となるように添加される。このような濃度比にすることにより、最終生成物である透明M:Y焼結体の歩留まりがよくなる。なお、ステップS130後に30分程度熟成させることで、前駆体の母塩洗浄を確実にする。前駆体は、ろ過された後、蒸留水で洗浄してもよい。このような洗浄は複数回繰り返すのが好ましい。得られた前駆体粉末は、Mを含む薄片状の水酸化イットリウムが嵩高く集合した二次粒子となることが分かった。なお、ステップS120およびS130で添加されるNH水溶液および(NHSOの滴下速度が15ml/分を超えると、前駆体粉末が薄片状にならず、透明な焼結体を得ることができない。
ステップS140:ステップS130で得られた前駆体粉末(単に粉末と呼ぶ場合もある)を仮焼する。仮焼は、具体的には、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で1050℃〜1150℃の温度範囲まで昇温し、酸素雰囲気中、少なくとも4時間行われる。これにより、残留する硝酸イオン、アンモニウムイオン、硫酸イオンが確実に除去されるとともに、Mイオンが、Yイオンサイトに位置したY粉末が得られる。
ステップS150:ステップS140で得られた仮焼粉末を成形する。成形の形状は、特に限定されないが、成形は、仮焼粉末を10MPa〜40MPaの圧力範囲で一軸成形する。次いで、100MPa〜200MPaの圧力範囲で静水圧プレス(CIP)する。このような成形条件により、仮焼粉末を等方的に圧粉した成形体となり、焼結時の焼加減が均一となるだけでなく、焼結を促進させることができる。
ステップS160:ステップS150で得られた成形体を焼結する。焼結は、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で1700℃〜1800℃の温度範囲まで昇温し、1×10−4Torr〜1×10−5Torrの範囲の真空度で2時間〜3時間行われる。
本発明によれは、出発溶液としてY(NOとMの硝酸塩とを用いることにより、HIP等の特別な装置を用いることなく、ならびに、不純物となり得る焼結助剤を用いることなく、焼結温度1700℃〜1800℃、焼結時間2時間〜3時間という比較的低温かつ短時間で直線透過率50%以上の透過率を有する透明M:Y焼結体が得られることが分かった。
図2は、本発明による透明M:Y焼結体の励起過程と発光過程とを示す模式的なエネルギー準位図である。
上述の方法によって得られる透明M:Y焼結体のレーザ発振についてエネルギー準位図を用いて説明する。ここでは、例示的に、MとしてNdを用いた場合を説明する。
Nd:Yは、4準位レーザである。Nd:Yは、図2に示すように最も低いエネルギー状態である基底状態9/2と、最も高いエネルギー状態である励起状態(またはレーザ上準位)3/2と、基底状態よりも高く励起状態よりも低いエネルギー状態であるレーザ下準位11/2とを有する。それぞれの準位は、結晶場によりシュタルク分裂している。例えば、基底状態9/2は5つの副準位、励起状態3/2は2つの副準位、レーザ下準位11/2は6つの副準位にシュタルク分裂している。レーザ発振は、分裂によるエネルギー差を利用する。
Ndイオンは、R1およびR2(880nm近辺)の2つの吸収帯によって励起される。その結果、基底状態9/2に位置する電子は、ポンプ光によってエネルギーを与えられ、励起状態3/2へ遷移する(ポンピングともいう)。この際、R1およびR2によって励起される電子は、励起状態3/2の副準位の異なる準位に遷移することになる。
その後、励起状態3/2に遷移した電子は、レーザ下準位11/2へと光子を誘導放出する。この際、Nd:Yは、R1によって励起された電子によって、L1およびL2の異なる光子を誘導放出する。また、Nd:Yは、R2によって励起された電子によって、(L1およびL2と異なる)L3の光子を誘導放出する。これらL1、L2およびL3が、レーザ発振波長1074±2nm、1077±2nmおよび1095±2nmとなる。
L1〜L3の光子を誘導放出した電子は、レーザ下準位11/2から基底状態9/2へと速やかに遷移する。その後基底状態9/2から励起状態3/2に速やかに励起することが出来るようになる。これにより、励起状態3/2とレーザ下準位11/2との間で反転分布状態が維持されるので、Nd:Yがレーザ媒質として好適とされる。
上述の方法によって得られる透明Nd:Y焼結体は、(例えば、波長650nmにおける)直線透過率50%以上を有し、レーザ応用可能な透明度を有している。また、上述の方法によって得られる透明Nd:Y焼結体の誘導放出断面積は、発振波長L1およびL2について3.0×10−19cm−2〜3.2×10−19cm−2の範囲を有し、発振波長L3について9.9×10−18cm−2〜1.1×10−17cm−2の範囲を有する。これは、既存のYAGレーザの誘導放出断面積に匹敵するか、または、それよりも優れた値であり、本発明の方法によって得られたNd:Y焼結体が、L1、L2およびL3のレーザ発振の可能性を強く示唆している。
なお、Mは、所望の発振波長に応じて、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、および、Niからなる群から少なくとも1つ選択される。上述したように、MのうちCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbは、希土類元素(本明細書ではRE群と称する)として知られる。また、MのうちTi、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiは、遷移元素(本明細書ではTE群と称する)として知られる。図2ではNdの例を説明したが、MとしてEuを用いた場合には、4準位レーザとなり、その発振波長は611nmであることが知られている。
次に、具体的な実施例を用いて本発明の方法を説明するが、本発明を実施例に限定するものではないことを理解されたい。
0.3MのY(NOとNd(NOとを10℃で1000rpmの速度で攪拌し、出発溶液を調製した(図1のステップS110)。ここで、Ndは、Yに対して1mol%となるように調製した。次いで、1MのNH水溶液を10ml/分の滴下速度で滴下し、前駆体を合成した反応溶液を1000rpmの速度で攪拌しつつ10℃で30分間熟成した(図1のステップS120)。
熟成後、さらに、(NHSO水溶液を10ml/分の滴下速度で、ステップS120で得られた溶液に滴下した(図1のステップS130)。滴下中と滴下後も溶液(S130の溶液)は1000rpmの速度で攪拌しつつ10℃に保たれている。ここで、イットリウムイオンと、アンモニウムイオンと、硫酸イオンとの濃度比が、1:4:0.1となるように滴下した。滴下後、ステップS130で得られた溶液を10℃で30分間熟成し、析出物を目視にて確認した。得られた析出物を吸引ろ過および蒸留水による洗浄を4回繰り返し行った。得られた析出物を走査型電子顕微鏡SEM(S−5000, Hitachi)で観察した。観察結果を図3(A)に示し、後述する。
洗浄後の析出物を酸素雰囲気中1080℃で4時間仮焼した(図1のステップS140)。仮焼した粉末をアルミナ乳棒およびアルミナ乳鉢を用いて粉砕した。得られた仮焼粉末をSEMで観察した。
粉砕後の仮焼粉末を直径12mmのタングステン製成形容器に充填し、10MPaの圧力で一軸成形し、次いで、200MPaの圧力でCIPした(図1のステップS150)。得られた成形体(ペレット)を1700℃、1×10−4Torrで2時間焼結させた(図1のステップS160)。
得られた焼結体の透過率を分光計(V−570, JASCO CORPORATION)を用いて測定した。測定結果を図5に示し詳述する。
得られた焼結体の吸収発光特性を、分光器(SPEX1702)を用いて測定した。検出器として光電子増倍管(HTV R316)を、吸収測定用の光源として50Wハロゲンランプ、発光測定用の光源として150WのXe−Hg放電管を用いた。結果を図6〜図10および表2に示し、詳述する。また、これらの結果から誘導放出断面積を算出した。その結果を表3に示し、詳述する。
実施例1において仮焼温度を1080℃に替えて1100℃とした以外は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。仮焼、粉砕後の粉末をSEMで観察した。観察結果を図3(B)に示し後述する。実施例1と同様に、光透過スペクトルおよび吸収係数特性を測定した。結果を図5、図6および表2に示し後述する。これらの結果から誘導放出断面積を算出した。その結果を表3に示し、詳述する。
実施例1において焼結温度を1700℃に替えて1800℃とした以外は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。得られた焼結体を写真撮影した。外観写真を図4に示し後述する。
比較例1
水酸化イットリウム粉末と酸化ネオジウムとをエタノール中で混合し、ネオジウムを含有する水酸化イットリウム前駆体を合成した。前駆体を1100℃で仮焼した後、成形体を作製し、1700℃で2時間焼結した。得られた焼結体を目視にて観察したところ、不透明であった。
以上の実施例1〜実施例3および比較例1の実験条件を表1に示す。
図3は、実施例1〜3の前駆体粉末(A)および実施例2の仮焼粉末(B)のSEM写真を示す図である。
図3(A)によれば、本発明の方法によって得られる前駆体(Ndを含有する水酸化イットリウム)は、薄片状であり、たまねぎの皮の様態であった。これは、特許文献2で記載される「カードハウス構造」とは異なる構造であった。また、図3(B)によれば、仮焼粉末は均一な球状であった。
図4は、実施例3による焼結体の外観写真を示す図である。
図4によれば、本発明の方法によって得られた焼結体は、有色(紺色)であるが透明であることが分かる。また、図示しないが、実施例1および実施例2で得られた焼結体も同様に透明であることを確認した。
図5は、実施例1および実施例2による光透過スペクトルを示す図である。
図5によれば、複数の吸収が確認された。これらは、発光中心であるNdに起因する吸収である。実施例1および2による焼結体は、650nmにおける直線透過率が50%以上であり、レーザ応用可能な透明度を有していることが分かった。
図6は、実施例1および実施例2の吸収係数の波長依存性を示す図である。
図6は、領域IR1(870nm〜900nm)における吸収係数を示す。なお、図6では、Y単結晶について算出された屈折率を用いて、フレネル損失補正を行っている。図6によれば、R1およびR2と示される明確な吸収係数のピークが見られた。これらのピークは、Ndイオンの多重項に相当する。詳細には、Ndイオンの電子が、基底状態9/2(図2)から励起状態3/2(図2)に遷移したことを示す。この結果は、Nd:YAG単結晶のそれと良好な一致をすることが分かった。R1およびR2のピーク波長が、図2を参照して説明したR1およびR2励起部分に相当する。
図7は、実施例1の吸収係数の分解の波数依存性を示す図である。
図7は、領域IR1における吸収係数の分解の結果であり、実験結果(+印)と合わせて、理論曲線(フィッティング曲線)も示す。実験結果と理論曲線とは良好な一致を示した。図示しないが、実施例2の焼結体においても同様の結果が得られた。
図8は、実施例1の3/29/2遷移の吸収スペクトルの波数依存性を示す図である。
図8は、領域IR1における3/29/2遷移の吸収スペクトルの分解であり、実験結果(+印)と合わせて、理論曲線(フィッティング曲線)も示す。図示しないが、実施例2の焼結体においても同様の結果が得られた。
図9は、実施例1の3/211/2遷移の発光スペクトルの波数依存性を示す図である。
図9は、領域IR2(1040nm〜1150nm)における3/211/2遷移の発光スペクトルの分解であり、ここでもやはり、実験結果(+印)と合わせて、理論曲線(フィッティング曲線)も示す。領域IR2では、L1、L2およびL3と示される明確なピークが得られた。L1、L2およびL3のピーク波長が、図2を参照して説明したレーザ発振波長L1、L2およびL3に相当する。注目すべき点は、L3のピーク強度がL1およびL2のそれに比べて極めて高いことである。このことは、実施例1の焼結体が、L1発振およびL2発振よりもL3発振の可能性を強く示唆しているためである。したがって、本発明の方法によれば、非特許文献1で報告されているL3に相当する発光(1095nm)が弱いことに反し、レーザ媒質として極めて可能性の高い焼結体が得られたことが示唆される。なお、図示しないが、実施例2の焼結体においても同様の結果が得られた。
また、図7〜図9に示す結果は、吸収及び発光スペクトルをローレンツ型線形関数によって分解したものである。これらの結果から、NdイオンがYサイトと置換していることを示唆している。
図10は、実施例1のシュタルク分裂の模式図を示す。
図7〜図9および表2の結果を用いて、実施例1のNd3+のシュタルク分裂を完成させた。参考のため、括弧内の数字は、4.2Kにおける単結晶Nd:Y(Chang, J. Chem. Phys., 44, 4044(1966))のエネルギーを示す。図2を参照して説明したレーザ発振モデルに加えて、実施例1の図7〜図9から得られた結果と、括弧内の数字とは良好な一致を示した。
また、実施例1および実施例2の焼結体において、Ndイオンのまわりの結晶場が均一であると仮定し、図6〜図9および実施例2の焼結体の結果(図示せず)を用いてR吸収およびL発光の各パラメータを求めた。
次に、表2を用いて、実施例1の焼結体のレーザ発振の誘導放出断面積を算出した。誘導放出断面積とは、入射光の強さに比例して増幅する光の放出を誘導放出と呼び、それを引き起こす強さを表すパラメータである。具体的には、この値が大きいほど、M:Y焼結体は、誘導放出、すなわちレーザ発振を起こしやすいことを意味する。
表2において、αは、基底状態9/2から励起状態3/2への遷移の吸収係数である。Iは、ピーク強度であり、νはローレンツ型の中心エネルギーであり、λは波長である。300Kにおけるボルツマン分布を仮定すると、実施例1の基底状態のNd3+イオンの割合は、0.467(図10)であると算出された。セルパラメータからNd3+イオン濃度は、1.41×1020cm−3であると算出された。したがって、実施例1の基底状態のNd3+イオン濃度は、6.58×1019cm−3であると分かった。
吸収は、式(1)のランベルト−ベールの法則で表すことができる。
I=I(1−β)exp(−αt) (1)
ここで、tは試料の厚さであり、βは反射率またはフレネル損失である。式(1)は、イオン濃度を用いて式(2)のように表される。
I=I(1−β)exp{−σ(N−N)t} (2)
ここで、Nは、基底状態のNd3+イオン濃度であり、Nは、励起状態のNd3+イオン濃度であり、σは誘導放出断面積である。通常の条件下において、励起状態のNd3+イオン濃度はほぼ0である。したがって、式(2)は式(3)となる。
I=I(1−β)exp{−σNt} (3)
Kushidaら(Phys. Rev., 167, 289(1968))によれば、アインシュタイン定数Aによる基準線(R遷移)とレーザ遷移(L遷移)との強度比は、式(4)として算出される。
I(R)/I(L)=[n(R)/n(L)][ν(R)/ν(L)][σ(R)/σ(L)] (4)
ここで、nは屈折率である。式(4)の項[n(R)/n(L)]は、屈折率の波長依存性が極めて小さいために、1と見積もることができる。式(1)〜式(3)から、R遷移の誘導放出断面積は、吸収係数およびNd3+イオン濃度を用いて式(5)で表すことができる。
σ(R)=α/N (5)
なお、式(4)におけるI(R)、I(L)、n(R)、ν(L)およびσ(R)(ただし、誘導放出断面積σ(L)を除く)は、表2に示される測定から得られた値を用いた。
実施例1のR1励起およびL2発光の誘導放出断面積σ(L2)は、式(4)から式(6)のように表される。
σ(L2)=(ν(R1)/ν(L2))(I(L2)/I(R1))(α(R1)/N) (6)
式(6)に表2の数値を代入すると、
σ(L2)=7.46×10−21cm (7)
となる。次いで、発光強度のスペクトル応答を補正した。具体的には、補正には、色温度2856Kで検出される標準ランプを用い、黒体放射のエネルギー分布を仮定して、測定系のスペクトル応答を補正した。表2に標準ランプを用いた場合の乗数因子を示す。I(L2)/I(R1)については強度補正因子76.2を式(7)に乗算するので、
σ(L2)=5.68×10−19cm (8)
となる。
さらに、より正確に誘導放出断面積を算出するために、再吸収による寄与を考慮した。吸収Rが基底状態からの吸収であるため、一度励起された電子が励起状態3/2から基底状態9/2に戻り、放出されたエネルギーが基底状態において別のNdイオンによって再吸収される。Ndイオンが試料の表面(I)に対して垂直に均一に励起されると仮定し、表面から試料厚さtにおける見かけの強度(dIobs)は、dIobs=I{exp(−αt)−exp{−α(t+dt)}}と表される。したがって、再吸収補正は、吸収係数αおよび試料の厚さtによって式(9)で与えられる。
I(R)=I(R)obs/{1−α(R)t/2} (9)
以上から、式(8)に{1−α(R)t/2}を乗算することによって、再吸収を考慮した誘導放出断面積σ(L2)を得ることができる。ここで、式(9)の分母に表2のα(R1)およびtの値を代入すると、{1−α(R)t/2}=0.56992となる。最終的な誘導放出断面積σ(L2)は、
σ(L2)=5.68×10−19cm×0.56992=3.2×10−19cm−2 (10)
となる。
同様にして、実施例1の焼結体のR1吸収によるL1発光の誘導放出断面積σ(L1)、R2吸収によるL3発光の誘導放出断面積σ(L3)、および、実施例2の焼結体のR1吸収によるL1発光の誘導放出断面積σ(L1)、L2発光の誘導放出断面積σ(L2)、R2吸収によるL3発光の誘導放出断面積σ(L3)を求めた。結果を表3に示す。
本発明の方法によって得られたNd:Y焼結体のL1発光およびL2発光の誘導放出断面積は、3.0×10−19cm−2〜3.2×10−19cm−2の範囲であり、周知のNd:YAGのそれ(2.7×10−19cm−2〜8.8×10−19cm−2)と同等、または、それより優れており、L1発振およびL2発振を目的としたNd:Y焼結体のレーザ媒質応用を強く示唆する。
また、本発明の方法によって得られたNd:Y焼結体のL3発光の誘導放出断面積は、9.9×10−18cm−2〜1.1×10−17cm−2の範囲であり、L1発光およびL2発光のそれよりも一桁大きな値であった。このことは、図9を参照して説明したように、Nd:Y焼結体において、L3発光が、L1発光およびL2発光よりも強く生じることを示唆している。
以上説明してきたように、本発明による方法は、比較的低温かつ短時間で、特殊な装置を用いることなくレーザ媒質に適用可能なM:Y焼結体を得ることができる。このような焼結体は、通常の固体レーザだけでなく、マイクロチップレーザ、レーザ加工・溶接、医療用レーザの光源、レーザ核融合等にも適用可能である。
本発明による透明M:Y焼結体を製造するステップを示すフローチャート 本発明によるNd:Y焼結体の励起過程と発光過程とを示す模式的なエネルギー準位図 実施例1〜3の前駆体粉末(A)および実施例2の仮焼粉末(B)のSEM写真を示す図 実施例3による焼結体の外観写真を示す図 実施例1および実施例2による光透過スペクトルを示す図 実施例1および実施例2の吸収係数の波長依存性を示す図 実施例1の吸収係数の分解の波数依存性を示す図 実施例1の3/29/2遷移の吸収スペクトルの波数依存性を示す図 実施例1の3/211/2遷移の発光スペクトルの波数依存性を示す図 実施例1のシュタルク分裂の模式図

Claims (8)

  1. 透明M:Y焼結体(Mは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から少なくとも1つ選択される元素)を製造する方法であって、
    Y(NOとMの硝酸塩(Mは、前記選択された元素)とを混合分散する出発溶液の調製するステップと、
    前記出発溶液にNH水溶液を加えて反応溶液を得るステップと、
    前記反応溶液に(NHSOをさらに加えるステップと、
    前記ステップから得られた粉末を仮焼して仮焼粉末を得るステップと、
    前記仮焼粉末を所望の形状に成形するステップと、
    前記成形された仮焼粉末を焼結するステップと
    からなることを特徴とする、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記出発溶液の調製するステップは、Y(NOとMの硝酸塩(Mは、前記選択された元素)とを5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で、攪拌することを特徴とする、方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記反応溶液を得るステップは、前記NH水溶液を15ml/分以下の滴下速度で加え、かつ、前記出発溶液を5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で攪拌することを特徴とする、方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の方法において、前記(NHSOをさらに加えるステップは、前記(NHSOを15ml/分以下の滴下速度で加え、かつ、前記反応溶液を5℃〜15℃の温度範囲で、8×10rpm〜11×10rpmの攪拌速度で攪拌することを特徴とする、方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の方法において、前記(NHSOをさらに加えるステップは、前記反応溶液中のイットリウムイオンとアンモニウムイオンと硫酸イオンとの濃度比が、1:4:0.1を満たすように、(NHSOをさらに加えることを特徴とする、方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法において、前記仮焼粉末を得るステップは、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で10×10℃〜12×10℃の温度範囲まで昇温し、酸素雰囲気中、少なくとも4時間の間仮焼することを特徴とする、方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の方法において、前記成形するステップは、10MPa〜40MPaの圧力範囲で一軸成形した後、1×10MPa〜2×10MPaの圧力範囲で静水圧プレスすることを特徴とする、方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の方法において、前記焼結するステップは、5℃/分〜15℃/分の昇温速度で17×10℃〜18×10℃の温度範囲まで昇温し、1×10−4torr〜1×10−5torrの範囲の真空度で、2時間〜3時間焼結することを特徴とする、方法。
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