JP2009023040A - 原点位置設定装置、原点位置設定方法、リンク機構及び脚車輪型ロボット - Google Patents

原点位置設定装置、原点位置設定方法、リンク機構及び脚車輪型ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】関節部を介して回動自在に支持されたリンクの原点位置を安定的且つ高精度に設定するのに好適な原点位置設定装置、原点位置設定方法、リンク機構及び脚車輪型ロボットを提供する。
【解決手段】脚車輪型ロボットは、第1及び第2リンク17及び19と共に回動するドグ200と、第1及び第2リンク17及び19の基準回転角度位置へと回動したドグ200を検出する基準位置検出センサ210と、第1及び第2リンク17及び19の時計回り方向の限界回転角度位置の近傍へと回動したドグ200を検出する限界位置検出センサ220とを備え、第1及び第2リンク17及び19をその初期位置から最初に時計回り方向に回動させると共に、仮の原点位置を検出する際のドグ200の基準位置検出センサ210の検出位置への進入方向を揃え、更に、仮の原点位置と、その検出範囲と、エンコーダの発生するパルス信号とに基づき原点位置を設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、関節部を介して回動自在に支持されたリンクの原点位置を設定するのに好適な原点位置設定装置、原点位置設定方法及び脚車輪型ロボットに関する。
例えば、多関節ロボットに用いるモータは、通常、所望のトルクを得るために減速機を取り付けて使用する。そのため、関節軸(減速機出力軸)が1回転する間に、モータの軸は複数回回転することになり、モータに取り付けられた角度検出器の出力値をそのまま関節軸の出力角度として使用できないことが多い。従って、多関節ロボットの脚部などを構成する各リンクを正常に駆動するためには、最初に、各リンクの原点位置を設定する必要がある。
また、原点センサによる原点位置の設定においては、モータのバッククラッシュ、原点センサ自体のバラツキ及び制御系のバラツキなどが原因で、設定の度に原点位置がわずかに変化する現象が発生しうる。
上記のようなバラツキを考慮して原点位置を設定する方法としては、例えば、特許文献1に記載の位置決め装置などがある。
特許文献1の位置決め装置は、所定ピッチの送りねじを有するシャフト上に対象物体を移動させる対象物体送り装置、シャフトに直結されたモータを回転させる速度指令手段、モータに直結されたインクリメンタルエンコーダからのフィードバックパルスによりモータの回転位置を検出する回転位置検出手段、シャフトに直結されたポテンショメータの出力電圧に基づき対象物体の移動方向を決める対象物体位置読み取り手段、この対象物体位置読み取り手段が所定電圧を読み取った直後にインクリメンタルエンコーダから1回転に1回発するパルスφZにより基準点を決定する基準点決定手段およびパルスφZの立上がりまたは立下がりを利用するように基準点決定手段に与えるパルスを切り換えるパルス切換手段を備えている。
つまり、インクリメンタルエンコーダのZ相のパルス信号を利用して基準点を決定すると共に、対象物体の移動方向に応じてZ相パルス信号の立上がりまたは立下がりを利用して安定した原点位置の設定を行うようにしている。
特開平3−260709号
しかしながら、上記特許文献1の従来技術では、Z相のパルスを基準にして原点位置を設定しているため、所定電圧の読み取り位置と、該読み取り後に出力されるZ相パルスとの時間差が大きくなると、実際の原点位置からのズレが大きくなる。従って、精度を考慮した場合に、例えば、ポテンショメータ(原点センサ)の読み取り位置のバラツキが無視できる大きさの場合は、該読み取り位置を原点位置として設定するか、Z相パルス信号よりも分解能が高いパルス信号を用いて原点位置を設定することが望ましい。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであり、関節部を介して回動自在に支持されたリンクの原点位置を安定的且つ高精度に設定するのに好適な原点位置設定装置、原点位置設定方法、リンク機構及び脚車輪型ロボットを提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の原点位置設定装置は、関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダとを有するリンク機構における、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定装置であって、前記リンクの回動に連動して少なくとも該リンクと同じ回動範囲を、該リンクと共に又は該リンクに対して相対的に回動する被検出部と、前記リンクの原点位置の基準となる回転角度位置である基準回転角度位置へと回動した前記被検出部を検出する基準位置検出センサと、該基準位置検出センサが前記被検出部を検出したときのセンサ出力信号に基づき、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する仮原点位置信号検出手段と、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記仮原点位置信号検出手段で検出したセンサ出力信号と、前記ロータリエンコーダの発生するパルス信号とに基づき、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、アクチュエータによってリンクが回動すると、これと連動して被検出部がリンクと共に又はリンクに対して相対的に回動する。そして、被検出部が基準回転角度位置へと回動したときは、基準位置検出センサによって該被検出部が検出される。仮原点位置信号検出手段は、基準位置検出センサにおいて被検出部が検出されると、該検出結果に基づき仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する。一方、判定手段は、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲(時間幅)と、カウントパルス信号の1周期の幅とを比較し、検出範囲が前記1周期の範囲内に収まっているか否かを判定する。ここで、検出範囲は、例えば、過去に検出された位置情報(例えば、立上がり時の時間(カウントパルス数))のうち、最大値と最小値との差分値(時間幅)などとなる。判定処理が終了すると、原点位置設定手段は、判定結果と、仮原点位置信号検出手段で検出した原点を設定するためのセンサ出力信号と、ロータリエンコーダの発生する、例えば、カウントパルス信号、Z相パルス信号などの各種パルス信号とに基づき、リンクの原点位置を設定する。例えば、検出範囲が1周期の範囲内に収まっていれば、仮原点位置信号検出手段で検出されたセンサ出力信号で特定される回転角度位置や、センサ出力信号の検出直後のロータリエンコーダの発生するカウントパルスなどで特定される回転角度位置をリンクの原点位置として設定したり、1周期の範囲内に収まらないときは、センサ出力信号の検出直後のロータリエンコーダの発生するZ相パルス信号などで特定される回転角度位置をリンクの原点位置として設定したりする。
ここで、リンクに対して相対的に回動するとは、例えば、被検出部がリンクを回動する軸と同じ軸心を有し且つリンクの回動に対して静止している軸などに設けられ、リンクが回動することで、静止した被検出部の位置とリンクの位置(回転角度位置)とが相対的に変化し、被検出部がリンクの回動範囲を回動しているのと同等の動作が行われることを意味する。以下、発明10の原点位置設定方法において同じである。
また、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出は、例えば、基準位置検出センサのセンサ出力信号をそのまま検出したり、特定の方向にリンクを回動させたときの、基準位置検出センサから出力されるセンサ出力信号を検出したりするなど様々な方法が考えられるが、回動方向によるバラツキなどが除外された正確且つ安定した基準位置に対応するセンサ出力信号であることが望ましい。以下、発明10の原点位置設定方法において同じである。
また、リンク機構は、リンクが関節を介してロボットなどの基体に支持された構成、別のリンクに支持された構成(複数のリンクが関節を介して連結された構成)など、リンクが回動する構成を有したものであればどのような構成でも良い。以下、発明10の原点位置設定方法において同じである。
また、被検出部は、例えば、リンク、静止軸の軸周り、回転軸の軸周りなどに設けられ、例えば、基準位置検出センサが光学式センサなどの非接触式のセンサであれば、そこから射出される検出波を遮断する形状(例えば、突設された板状)に形成される。また、例えば、基準位置検出センサがマイクロスイッチなどの接触式のセンサであれば、その検出部(スイッチなど)を押下する形状(例えば、突状)に形成される。以下、発明10の原点位置設定方法において同じである。
〔発明2〕 更に、発明2の原点位置設定装置は、発明1に記載の原点位置設定装置において、前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記仮原点位置信号検出手段で検出したセンサ出力信号によって特定される回転角度位置を、前記リンクの原点位置として設定することを特徴とする。
このような構成であれば、判定手段において、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が、カウントパルスの1周期の範囲内に収まると判定されたときに、原点位置設定手段は、仮原点位置信号検出手段で検出された最新のセンサ出力信号によって特定される回転子の回転角度位置を、リンクの原点位置として設定する。
〔発明3〕 更に、発明3の原点位置設定装置は、発明1に記載の原点位置設定装置において、前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号によって特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
このような構成であれば、判定手段において、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が、カウントパルスの1周期の範囲内に収まると判定されたときに、原点位置設定手段は、基準位置検出センサで仮の原点位置を特定する最新のセンサ出力信号が検出後に、最初にロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号によって特定される回転子の回転角度位置(例えば、カウントパルス信号の立上がり位置に対応する回転角度位置)を、リンクの原点位置として設定する。
〔発明4〕 更に、発明4の原点位置設定装置は、発明1乃至3のいずれか1に記載の原点位置設定装置において、前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生する前記原点位置を示すパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
このような構成であれば、判定手段において、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が、カウントパルスの1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、原点位置設定手段は、基準位置検出センサで仮の原点位置を特定する最新のセンサ出力信号が検出後に、最初にロータリエンコーダの発生する原点位置を示すパルス信号によって特定される回転子の回転角度位置(例えば、原点位置を示すパルス信号の立上がり位置に対応する回転角度位置)を、リンクの原点位置として設定する。
〔発明5〕 更に、発明5の原点位置設定装置は、発明1乃至3のいずれか1に記載の原点位置設定装置において、前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後で且つ最初に前記ロータリエンコーダが前記原点位置を示すパルス信号を発生後に、最初に該ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
このような構成であれば、判定手段において、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が、カウントパルスの1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、原点位置設定手段は、基準位置検出センサで仮の原点位置を特定する最新のセンサ出力信号が検出された後で且つ最初にロータリエンコーダが該ロータリエンコーダの原点位置を示すパルス信号を発生後に、最初に該ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転子の回転角度位置(例えば、カウントパルス信号の立上がり位置に対応する回転角度位置)を、リンクの原点位置として設定する。
〔発明6〕 更に、発明6の原点位置設定装置は、発明1乃至5のいずれか1に記載の原点位置設定装置において、前記仮原点位置信号検出手段で検出した前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出位置の情報を記憶する検出位置情報記憶手段と、該検出位置情報記憶手段に記憶された前記検出位置の情報に基づき、前記センサ出力信号の検出範囲を算出する検出範囲算出手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、検出位置情報記憶手段に記憶された、過去に仮原点位置信号検出手段で検出した前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出位置の情報を用いて、該センサ出力信号の検出範囲を算出することができる。ここで、検出範囲は、例えば、モータのバッククラッシュ、基準位置検出センサの特性のバラツキ、制御系のバラツキなどによって、センサによって検出される基準位置がばらつく場合の、そのバラツキの幅を示すものである。従って、正確な検出範囲を得るためには、できる限り多くの検出処理結果を用いて検出範囲を算出することが望ましい。
〔発明7〕 更に、発明7の原点位置設定装置は、発明1乃至6のいずれか1に記載の原点位置設定装置において、前記リンクの一方の回動方向の回動限界位置である限界回転角度位置又はその近傍へと回動した前記被検出部を検出する限界位置検出センサと、前記アクチュエータを制御して、前記リンクの初期位置からの最初の回動方向を前記リンクの一方の限界回転角度位置方向として、前記リンクを所定の回動パターンで回動させる回動制御手段と、を備え、前記仮原点位置信号検出手段は、前記リンクを前記所定の回動パターンで回動させたときの前記基準位置検出センサの検出結果に基づき、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出することを特徴とする。
このような構成であれば、回動制御手段がアクチュエータを制御し、リンクをその初期位置から該リンクの一方の限界回転角度方向に回動すると、これと連動して被検出部がリンクと共に又はリンクに対して相対的に回動する。そして、被検出部が基準回転角度位置へと回動したときは、基準位置検出センサによって該被検出部が検出される。一方、被検出部が限界回転角度位置又はその近傍へと回動したときは、限界位置検出センサによって該被検出部が検出される。仮原点位置信号検出手段は、基準位置検出センサにおいて被検出部が検出されると、該検出結果に基づき原点位置を検出する。
〔発明8〕 更に、発明8の原点位置設定装置は、発明7に記載の原点位置設定装置において、前記所定の回動パターンは、前記リンクをその初期位置から前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、最初に前記基準位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記リンクの回動を停止させる第1の回動パターンと、前記リンクをその初期位置から該リンクの前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、最初に前記限界位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記被検出部が前記基準位置検出センサの検出位置を所定回転角度分通り過ぎる位置まで、前記リンクを該リンクの他方の前記限界回転角度位置方向へと回動させ、しかる後、前記リンクを前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、前記基準位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記リンクの回動を停止させる第2の回動パターンとを含み、前記仮原点位置信号検出手段は、前記リンクが前記一方の限界回転角度位置方向に回動しているときに前記基準位置検出センサにおいて検出された前記被検出部の検出位置を前記仮の原点位置とし、該仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出することを特徴とする。
このような構成であれば、回動制御手段がアクチュエータを制御し、まず、リンクをその初期位置から該リンクの一方の限界回転角度位置方向へと回動する。この回動により、例えば、被検出部が、リンクの他方の限界回転角度位置と、基準回転角度位置との間に位置しているときは、最初に基準位置検出センサにおいて被検出部が検出され、リンクの回動が停止される(第1の回動パターン)。一方、被検出部が、例えば、基準回転角度位置と、リンクの一方の限界回転角度位置との間に位置しているときは、最初に限界位置検出センサにおいて被検出部が検出され、上記第2の回動制御が行われる。つまり、リンクは他の限界回転角度位置方向(初期の回動方向とは逆方向)へと回動し、これにより被検出部は、基準回転角度位置方向へと回動する。回動制御手段は、被検出部を基準位置検出センサの検出位置(基準回転角度位置)を所定回転角度分通過した位置まで回動し、該位置まで回動すると、次に、リンクを、一方の限界回転角度位置方向(初期の回動方向と同じ方向)へと回動する。これにより、被検出部は、他の限界回転角度位置方向から回動して、基準位置検出センサの検出部へと進入し、該基準位置検出センサにおいて被検出部が検出される。そして、被検出部が検出されると、回動制御手段は、リンクの回動を停止させる(第2の回動パターン)。一方、仮原点位置信号検出手段は、リンクが該リンクの一方の限界回転角度位置方向に回動しているときに基準位置検出センサにおいて検出された被検出部の検出位置を仮の原点位置とし、該仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する。
ここで、所定回転角度は、被検出部が、基準位置検出センサの検出位置(範囲)を通り過ぎる最小の回転角度が望ましく、少なくともリンク及び被検出部が他方の限界回転角度位置又はその近傍へは到達しない角度範囲である。
〔発明9〕 一方、上記目的を達成するために、発明9の原点位置設定方法は、関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、前記リンクの回動に連動して少なくとも該リンクと同じ回動範囲を、該リンクと共に又は該リンクに対して相対的に回動する被検出部と、前記リンクの原点位置の基準となる回転角度位置である基準回転角度位置へと回動した前記被検出部を検出する基準位置検出センサとを有するリンク機構における、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定方法であって、前記基準位置検出センサが前記被検出部を検出したときのセンサ出力信号に基づき、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する仮原点位置信号検出ステップと、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が前記ロータリエンコーダカウンタのカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップの判定結果と、前記仮原点位置信号検出ステップで検出したセンサ出力信号と、前記ロータリエンコーダの発生するパルス信号とに基づき、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定ステップと、を含むことを特徴とする。
〔発明10〕 更に、発明10の原点位置設定方法は、発明9に記載の原点位置設定方法において、前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記仮原点位置信号検出ステップで検出したセンサ出力信号によって特定される回転角度位置を、前記リンクの原点位置として設定することを特徴とする。
〔発明11〕 更に、発明11の原点位置設定方法は、発明9に記載の原点位置設定方法において、前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号によって特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
〔発明12〕 更に、発明12の原点位置設定方法は、発明9乃至11のいずれか1に記載の原点位置設定方法において、前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生する前記原点位置を示すパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
〔発明13〕 更に、発明13の原点位置設定方法は、発明9乃至11のいずれか1に記載の原点位置設定方法において、前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後で且つ最初に前記ロータリエンコーダが前記原点位置を示すパルス信号を発生後に、最初に該ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする。
〔発明14〕 また、上記目的を達成するために、発明14のリンク機構は、関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の原点位置設定装置と、を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、発明1〜発明8のいずれか1に記載の原点位置設定装置によって、リンクの原点位置を検出することができる。
〔発明15〕 また、上記目的を達成するために、発明15の脚車輪型ロボットは、基体と、前記基体に対して関節を介して支持された複数の脚部と、各脚部に回転自在に設けられた車輪と、前記各脚部及び前記車輪を駆動する動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、前記アクチュエータを制御する制御手段とを備え、環境に応じて前記脚部及び前記車輪の少なくとも一方を駆動することにより移動する脚車輪型ロボットであって、前記脚部は、複数のリンクを有すると共に、該複数のリンクが関節を介して回動自在に連結された構成を有し、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の原点位置設定装置を備え、前記原点位置設定装置によって、前記脚部を構成する各リンクの原点位置を設定することを特徴とする。
このような構成であれば、発明1〜発明8のいずれか1に記載の原点位置設定装置によって、脚車輪型ロボットの各脚部を構成する各リンクの原点位置を検出することができる。
以上説明したように、発明1〜5の原点位置設定装置、発明9〜13の原点位置設定方法、発明14のリンク機構、及び発明15の脚車輪型ロボットによれば、仮の原点位置を特定する基準位置検出センサのセンサ出力信号の検出範囲が、ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるときに、前記仮の原点位置をリンクの原点位置に設定するか、または、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の出力後に、最初にロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置をリンクの原点位置として設定するようにした。また、仮の原点位置を特定する基準位置検出センサのセンサ出力信号の検出範囲が、ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるときに、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の出力後に、最初にロータリエンコーダの発生するZ相のパルス信号で特定される回転角度位置をリンクの原点位置として設定するか、または、前記Z相パルスの発生後に最初にロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置をリンクの原点位置として設定するようにした。これにより、検出範囲に応じて、適切且つ安定した原点位置を設定することができるという効果が得られる。
また、発明6の原点位置設定装置、発明14のリンク機構、及び発明15の脚車輪型ロボットによれば、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出位置情報を記憶保持できると共に、この記憶された検出位置の情報を用いて、該センサ出力信号の検出範囲を算出することができるので、予め人手により検出範囲を算出しておく必要がなく、また、適用対象に応じて簡易に検出範囲を算出することができるという効果が得られる。また、検出結果を記憶保持できることから定期的に検出範囲を更新することができるので、経年劣化等による検出範囲の変化などに対応することができ、安定した精度で原点位置の設定を行うことができるという効果が得られる。
また、発明7の原点位置設定装置、発明14のリンク機構、及び発明15の脚車輪型ロボットによれば、既存のリンク機構に対して、基準位置検出センサ、限界位置検出センサ及び被検出部を設けるだけで、リンクの仮の原点位置を検出することができるので、従来と比較して、低コスト且つ簡単な部品構成で装置を構成することができるという効果が得られる。また、リンクを初期位置から最初に一方の限界回転角度位置方向へと回動させるようにしたので、リンクがどの位置にあっても、必ず基準位置検出センサ又は限界位置検出センサによって被検出部が検出されるため、安全に仮の原点位置のセンサ出力信号を検出することができるという効果も得られる。例えば、一方の限界回転角度位置方向へと回動後に、最初に限界位置検出センサにおいて被検出部が検出された場合に、そこからリンクを逆方向へと回動させても、必ず基準位置検出センサによって被検出部が検出されるので、他方の限界回転角度位置に回動した被検出部を検出するセンサを設けなくても、安全性を損なうことがない。
また、発明8の原点位置設定装置、発明14のリンク機構及び発明15の脚車輪型ロボットによれば、被検出部の初期位置がどのような位置であっても(一方の限界回転角度位置又はその近傍である場合を除く)、最初に、リンクを一方の限界回転角度位置方向(限界位置検出センサで被検出部が検出される方向)に回動させ、更に、被検出部が必ず一定の方向から基準位置検出センサの検出位置へと進入するようにリンクの回動を制御するので、回動方向の違いによる仮の原点位置の差が発生するのを回避することができるという効果が得られる。更に、基準位置検出センサの検出位置への進入方向を一定方向にする際にも、他方の限界回転角度位置方向には所定の回転角度分しか回動させないので、安全且つ確実に、被検出部を一定の方向から基準位置検出センサの検出位置へと進入させることができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図11は、本発明に係る原点位置設定装置、原点位置設定方法、リンク機構及び脚車輪型ロボットの実施の形態を示す図である。
まず、図1に基づき、本発明に係る脚車輪型ロボットの概略構成を説明する。
図1は、本発明に係る脚車輪型ロボット100の正面図である。また、図2は、本発明に係る脚車輪型ロボット100の側面図である。
脚車輪型ロボット100は、図1及び図2に示すように、基体10と、基体10に連結された4つの脚部12とを有して構成されている。
基体10の前方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。また、基体10の後方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。
回転関節14は、脚車輪型ロボット100の底面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、ヨー軸回りに回転する。
各脚部12には、2つの回転関節16、18が設けられており、回転関節16を介して第1リンク17が基体10に支持された回転関節14に対して回動自在に連結され、回転関節18を介して第2リンク19が第1リンク17に対して回動自在に連結されている。回転関節14は、下方を軸方向として回転し、回転関節16、18は、回転関節14が図1の状態であるときは、脚車輪型ロボット100の側面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、回転関節14が図1の状態であるときは、ピッチ軸回りに回転し、回転関節14が図1の状態から90度回転した状態であるときは、ロール軸回りに回転し、第1リンク及び第2リンクをその回転方向に回動させる。従って、脚部12は、それぞれ3自由度を有する。
各脚部12の先端には、回転関節16、18と軸方向を同一にして駆動輪20が回転自在に設けられている。
各脚部12の先端には、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体までの距離を測定する前方脚先センサ22と、接地面までの距離を測定する下方脚先センサ24とが設けられている。
一方、基体10の正面の上部中央には、水平面レーザ光を照射する水平レーザ26が設けられている。また、基体10の正面の中央左右には、垂直面レーザ光を照射する垂直レーザ28、30がそれぞれ設けられている。
基体10の正面の下部中央には、水平面レーザ光および垂直面レーザ光の反射光を含む画像を撮影するカメラ32が設けられている。
水平レーザ26は、カメラ32で水平面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように下方に所定角度傾けて設けられている。同様に、垂直レーザ28は、カメラ32で垂直面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように右方に所定角度傾けて設けられ、垂直レーザ30は、左方に所定角度傾けて設けられている。
カメラ32の左右には、障害物を検出する障害物センサ34、36がそれぞれ設けられている。障害物センサ34、36は、指向性の低い超音波測距センサを複数アレイ状に配列して構成することができる。また、指向性の高い赤外線測距センサを複数アレイ状に配列して構成することもできる。アレイ状に配列する構成に限らず、単体で構成してもよい。また、超音波測距センサまたは赤外線測距センサを複数平面上に配列したエリアセンサで構成してもよい。これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する障害物を大まかに検出することができる。
更に、各第1リンク17の回転関節14側の連結端には、第1リンク17の原点位置を設定するためのセンサが設けられ、各第2リンク19の第1リンク17との連結端には、第2リンク19の原点位置を設定するためのセンサが設けられている。
ここで、図3(a)及び(b)は、第1リンク17の回転関節14との連結部における、原点位置を設定するためのセンサの取付構成の一例を示す図である。また、図4(a)及び(b)は、第2リンク19及び第1リンク17の連結部における、原点位置を設定するためのセンサの取付構成の一例を示す図である。
脚車輪型ロボット100は、第1リンク17の原点位置を設定するために、各脚部12の第1リンク17の回転関節14側の連結部に、図3(a)及び(b)に示すように、ドグ(被検出部)200が第1リンク17と同じ回動範囲を回動するように設けられている。すなわち、図3(b)に示すように、第1リンク17が回動すると、これと連動してドグ200が同じ回動方向へと同じ回転角度を回動する。
また、図3(a)及び(b)に示すように、各回転関節14側における、第1リンク17との連結部で且つ第1リンク17の基準回転角度位置(第1リンク17の原点位置の基準となる回転角度位置)へと回動したドグ200と対向する位置に、ドグ200を検出する基準位置検出センサ210が設けられている。また、各回転関節14側における、第1リンク17との連結部で且つ第1リンク17の時計回り方向の限界回転角度位置の近傍へと回動したドグ200と対向する位置に、ドグ200を検出する限界位置検出センサ220が設けられている。
ここで、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220は、フォトインタラプタであり、発光部から射出された光線をドグ200が遮断したか否かを検出することにより、該ドグ200を検出する構成となっている。従って、ドグ200は、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220と対向したときに、その発光部から射出される光線を遮断できる形状及び位置関係を有して設けられている。
なお、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220は、フォトインタラプタに限らず、ドグ200からの反射波の有無を検出するフォトリフレクタ、超音波のドグ200からの反射の有無を検出する超音波センサ、検出部へのドグ200の接触の有無を検出するマイクロスイッチ、圧力センサなどを用いることも可能である。
また、第2リンク19の原点位置を設定するために、各脚部12における第2リンク19の第1リンク17との連結部に、図4(a)及び(b)に示すように、ドグ(被検出部)200が第2リンク19と同じ回動範囲を回動するように設けられている。すなわち、図4(b)に示すように、第2リンク19が回動すると、これと連動してドグ200が同じ回動方向へと同じ回動角度を回動する。
また、図4(a)及び(b)に示すように、第1リンク17の第2リンク19との連結部における、第2リンク19の基準回転角度位置(第2リンク19の原点位置の基準となる回転角度位置)へと回動したドグ200と対向する位置に、ドグ200を検出する基準位置検出センサ210が設けられている。また、第1リンク17の第2リンク19との連結部における、第2リンク19の時計回り方向の限界回転角度位置の近傍へと回動したドグ200と対向する位置に、第2リンク19の機械的な回動限界位置の近傍へと回動したドグ200を検出する限界位置検出センサ220が設けられている。
次に、脚車輪型ロボット100の駆動制御システムを説明する。
図5は、脚車輪型ロボット100の駆動制御システムを示すブロック図である。
各脚部12の回転関節14、16、18には、図5に示すように、回転関節14、16、18を回転駆動する関節モータ40がそれぞれ設けられている。各関節モータ40には、関節モータ40の回転角度位置を検出するエンコーダ42と、モータ指令信号およびエンコーダ42の出力信号に基づいて関節モータ40の駆動を制御するドライバ44が設けられている。
本実施の形態において、エンコーダ42は、インクリメンタルエンコーダであり、関節モータ40の回転に応じて、位相が90°異なるA相パルス信号及びB相パルス信号を出力すると共に、エンコーダの1回転毎にZ相(原点相)のパルス信号(以下、Z相パルス信号と称す)を出力する。更に、A相及びB相のパルス信号を4逓倍カウントするパルスカウンタを内蔵しており、4逓倍カウントパルス信号によって回転角度位置を検出する。
また、関節モータ40の出力軸には不図示の減速機が設けられており、所定の減速比でモータ40の回転速度を減速して、該減速されたモータの回転力(トルク)を回転関節14、16、18の各回転軸に伝えることで所望のトルクを得るようにしている。
各脚部12の車輪20の回転軸には、該車輪20を回転駆動する車輪モータ50がそれぞれ接続されている。各車輪モータ50には、車輪モータ50の回転角度位置を検出するエンコーダ52と、モータ指令信号およびエンコーダ52の出力信号に基づいて車輪モータ50の駆動を制御するドライバ54が設けられている。
脚車輪型ロボット100は、更に、CPU60と、脚車輪型ロボット100の姿勢を検出する3軸姿勢センサ70と、カメラ32の画像信号を処理するビジョンプロセッサ72と、外部のPC等と無線通信を行う無線通信部74と、ビジョンプロセッサ72および無線通信部74とCPU60の入出力を中継するハブ76と、警告音等を出力するスピーカ78とを有して構成される。
3軸姿勢センサ70は、ジャイロ若しくは加速度センサ、またはその両方を有し、地軸に対して脚車輪型ロボット100の姿勢の傾きを検出する。
CPU60は、モータ指令出力I/F61を介してドライバ44、54にモータ指令信号を出力し、角度取込I/F62を介してエンコーダ42、52の出力信号を入力する。また、センサ入力I/F63を介して、前方脚先センサ22、下方脚先センサ24、障害物センサ34、3軸姿勢センサ70、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220からそれぞれセンサ信号を入力する。また、通信I/F64を介してハブ76と信号の入出力を行い、サウンド出力I/F65を介してスピーカ78に音声信号を出力する。
次に、CPU60で実行される処理を説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、仮原点位置検出処理、原点位置設定処理、車輪走行制御処理、昇降制御処理などを実行する。
仮原点位置検出処理は、脚車輪型ロボット100の各脚部12を構成するリンクの原点位置を設定するための処理であって、基準位置検出センサ210の検出結果に基づき、各脚部12の第1リンク17及び第2リンク19の仮の原点位置を検出する処理である。
また、原点位置設定処理は、モータのバッククラッシュ、センサのバラツキ、制御のバラツキなどによる仮の原点位置のバラツキを補正し、該補正後の位置をリンクの原点位置として設定する処理である。具体的に、仮原点位置検出処理で検出された仮の原点位置と、仮の原点位置の検出範囲(バラツキの幅)と、エンコーダの発生する各種パルス信号とに基づき、仮の原点位置のバラツキを補正する。
なお、仮原点位置検出処理及び原点位置設定処理は、脚車輪型ロボット100の電源が投入される毎に実行するようにしても良いし、一度設定した原点位置を記憶保持しておき、初期の電源投入時以外は行わないようにしても良いし、センサなどの経年劣化等を考慮して、定期的に実行するようにしても良い。ここで、原点位置の情報を記憶保持する場合には、脚車輪型ロボット100を、データの書き換えが可能で且つ電源の供給無しでもデータを保持できるフラッシュメモリ等の記憶媒体を備えた構成とする。
また、不慮の事故などで原点位置の情報が消えてしまったり、該情報が壊れてしまったりした場合には、情報の有無や破壊の有無を自動で検知して仮原点位置検出処理及び原点位置設定処理を実行させるか、または、別途設定指令を発行して、これらの処理を実行させるようにする。
また、車輪走行制御処理は、車輪20を用いた移動を制御する処理であり、昇降制御処理は、脚部12を用いて段差等の障害物を昇降する移動を制御する処理である。なお、本発明は、脚部12を構成する各リンクの原点位置を設定する処理に特徴があり、また、車輪走行制御処理及び昇降制御処理については従来の脚車輪型ロボットと同様となるので、これらの処理については説明を省略する。
まず、図6に基づき、仮原点位置検出処理を説明する。
ここで、図6は、仮原点位置検出処理を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートは、1つのリンクに対する仮の原点位置を検出する処理を示すものであり、実際は同様の処理を全てのリンクに対して行うことになる。
CPU60において仮原点位置検出処理が実行されると、まず、図6に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、CPU60において、センサ入力I/F63を介して入力される限界位置検出センサ220のセンサ出力信号に基づき、該当するリンクの限界位置検出センサ220によって、ドグ200が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS116に移行する。
ステップS102に移行した場合は、CPU60において、モータ指令出力I/F61を介して、該当するリンクの関節モータ40のドライバ44に対して指令を与えて関節モータ40を駆動し、該リンクを、その初期位置から基準回転角度位置の方向(本実施の形態では反時計回り方向)に所定の回動速度で回動させて、ステップS104に移行する。つまり、リンクの初期位置が時計回り方向の限界回転角度位置の近傍であった場合は、それ以上、時計回り方向へと回動させるのは危険であるため、例外として、初期の回動方向を基準回転角度位置方向(反時計回り方向)とする。
ステップS104では、CPU60において、センサ入力I/F63を介して入力される基準位置検出センサ210のセンサ出力信号に基づき、該当するリンクの基準位置検出センサ210によって、ドグ200が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS110に移行する。
ステップS106に移行した場合は、CPU60において、モータ指令出力I/F61を介して、該当するリンクの関節モータ40のドライバ44に対して指令を与えて関節モータ40の回転速度を減速し、該リンクを、引き続き同じ回動方向に所定回転角度分回動させて、ステップS108に移行する。本実施の形態において、この所定回転角度は、ドグ200が基準位置検出センサ210の検出範囲外に出るまでの角度である。
ステップS108では、CPU60において、CPU60において、モータ指令出力I/F61を介して、該当するリンクの関節モータ40のドライバ44に対して指令を与えて関節モータ40を駆動し、該リンクを、時計回り方向に回動させて、ステップS118に移行する。
ステップS118では、CPU60において、センサ入力I/F63を介して入力される基準位置検出センサ210のセンサ出力信号に基づき、該当するリンクの基準位置検出センサ210によって、ドグ200が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した場合(Yes)は、モータ指令出力I/F61を介して、該当するリンクの関節モータ40のドライバ44に対して指令を与えて関節モータ40の動作を停止して、ステップS120に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS124に移行する。
ステップS120に移行した場合は、CPU60において、ステップS110でドグ200が検出された位置(本実施の形態では、センサ出力信号の立上がり位置)を、仮の原点位置として検出して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、CPU60において、ステップS112で検出した仮の原点位置の情報を、RAM(不図示)に記憶すると共に、後述する検出範囲の算出用に、不図示のフラッシュメモリに記憶して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。ここで、本実施の形態においては、仮の原点位置に対して、該原点位置を検出後に(センサ出力信号の立上がりに対して)最初にエンコーダ42の発生する、カウントパルス信号、Z相パルス信号、該Z相パルス信号の検出後の最初のカウントパルス信号の各位置情報についてもRAMに記憶する。
また、ステップS118において、基準位置検出センサ210においてドグ200が検出されずに、ステップS124に移行した場合は、CPU60において、センサ入力I/F63を介して入力される限界位置検出センサ220のセンサ出力信号に基づき、該当するリンクの限界位置検出センサ220によって、ドグ200が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した場合(Yes)は、ステップS126に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS118に移行する。
次に、図7に基づき、原点位置設定処理を説明する。
ここで、図7は、原点位置設定処理を示すフローチャートである。なお、図7のフローチャートは、1つのリンクに対する仮の原点位置を検出する処理を示すものであり、実際は同様の処理を全てのリンクに対して行うことになる。
CPU60において原点位置設定処理が実行されると、まず、図7に示すように、ステップS200に移行する。
ステップS200では、CPU60において、不図示のフラッシュメモリから、仮の原点位置の検出範囲の情報を読み出し、ステップS202に移行する。
本実施の形態において、仮の原点位置の検出範囲については、原点位置設定処理の前に、上記仮原点位置検出処理を複数回行った結果を用いて算出し、RAMやフラッシュメモリなどに記憶保持しておく。具体的には、リンク毎に複数回検出された仮の原点位置(回転角度)のうち、最小値と最大値との差分値を算出する。この差分値が、仮の原点位置のバラツキの範囲である検出範囲となる。
ステップS202では、CPU60において、不図示のフラッシュメモリから、エンコーダ42の4逓倍カウントパルス信号のパルスの情報(1周期のパルスに対応する回転角度幅(分解能))を読み出し、ステップS204に移行する。なお、このパルスの情報も、予め不図示のフラッシュメモリに記憶保持しておく。
ステップS204では、CPU60において、ステップS200で読み出した検出範囲と、ステップS202で読み出したパルスの情報とを比較して、ステップS206に移行する。
ステップS206では、CPU60において、ステップS204の比較結果から、検出範囲(バラツキの幅)が、4逓倍カウントパルス信号の1周期のパルスに対応する回転角度幅の範囲内に収まっているか否かを判定し、且つ、仮の原点位置の情報の最小値、最大値ともカウントパルスの立ち上がりと次のパルスの立ち上がりとの間に存在するか否かを判定し、範囲内に収まると判定され且つ間に存在すると判定された(条件を満たしている)場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS214に移行する。
ステップS208に移行した場合は、CPU60において、同期モードが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された場合(Yes)は、ステップS210に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS212に移行する。ここで、同期モードとは、4逓倍カウントパルス信号と同期して原点位置を設定するモードである。この他にも、半同期モード及び非同期モードがある。半同期モードでは、エンコーダ42のZ相パルス信号と同期して原点位置を設定する。また、非同期モードでは、逓倍カウントパルス信号及びZ相パルス信号とは非同期に原点位置を設定する。本実施の形態においては、これらのモードを、例えば、外部のPC等を介して、ユーザが予め設定することができるようになっている。
ステップS210に移行した場合は、CPU60において、RAMに記憶された、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号(立上がり)の検出後に、最初にエンコーダ42の発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置で特定される回転角度位置を、該当するリンクの原点位置として設定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
一方、ステップS208において、非同期モードが設定されており、ステップS212に移行した場合は、CPU60において、RAMに記憶された、仮の原点位置を、該当するリンクの原点位置として設定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
また、ステップS206において、検出範囲が、4逓倍カウントパルス信号の1周期の回転角度範囲に収まってなく、ステップS214に移行した場合は、CPU60において、半同期モードが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS216に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS218に移行する。
ステップS216に移行した場合は、CPU60において、RAMに記憶された、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号(立上がり)の検出後における、最初にエンコーダ42の発生するZ相パルス信号の検出後で、且つ最初にエンコーダ42の発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置で特定される回転角度位置を、該当するリンクの原点位置として設定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
一方、ステップS218に移行した場合は、CPU60において、RAMに記憶された、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号(立上がり)の検出後に、最初にエンコーダ42の発生するZ相パルス信号の立上がり位置で特定される回転角度位置を、該当するリンクの原点位置として設定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰させる。
次に、図8〜図11に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図8(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の第2リンクの仮の原点位置を検出する際の第1の回動パターンを示す図である。また、図9(a)〜(d)は、脚車輪型ロボット100の第2リンクの仮の原点位置を検出する際の第2の回動パターンを示す図である。また、図10(a)及び(b)は、検出範囲が1周期の範囲内に収まるときの同期モード及び非同期モードにおける原点位置を示す図である。また、図11(a)及び(b)は、検出範囲が1周期の範囲内に収まらないときの半同期モード及び同期モードにおける原点位置を示す図である。
脚車輪型ロボット100は、電源が投入されると、まず、原点位置設定処理で用いる検出範囲の算出処理を実行する。検出範囲の算出処理が開始されると、CPU60は、まず、フラッシュメモリに記憶されている、過去に検出された仮の原点位置の情報を読み出す。ここで、工場出荷後に初めて電源が投入されたときなど、フラッシュメモリに過去の仮の原点位置の情報が記憶されていない場合は、まず、仮原点位置検出処理を複数回実行する。ここでは、フラッシュメモリに過去の複数回分の仮の原点位置の情報が記憶されているとして説明を行う。
CPU60は、複数の仮の原点位置の情報(回転角度)のうち、最小値と最大値を読み出し、これらの差分値を算出する。この差分値が検出範囲となる。検出範囲は、全てのリンクに対して算出し、各リンクに対して設定する。なお、検出範囲の算出処理は、仮原点位置検出処理が終了する毎に行っても良い。この場合は、仮の原点位置の最新の検出結果に基づき、原点位置の設定処理に用いる検出範囲を算出することができる。
検出範囲が算出されると、CPU60は、次に、原点位置の設定対象のリンクに対する仮原点位置検出処理を実行する。仮原点位置検出処理が実行されると、CPU60は、センサ入力I/F63を介して入力される、原点位置の設定対象である第1リンク17又は第2リンク19に対する限界位置検出センサ220のセンサ出力信号に基づき、設定対象のリンクに対するドグ200が限界位置検出センサ220において検出されたか否かを判定する(ステップS100)。
以下、第2リンク19を原点位置の設定対象として動作を説明する。第2リンク19の連結部に設けられたドグ200が、限界位置検出センサ220において検出されなかった場合(ステップS100の「No」の分岐)は、CPU60は、モータ指令出力I/F61を介して、第2リンク19の回転関節18を駆動する関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、第2リンク19を、限界位置検出センサ220によって位置検出が行われる限界回転角度位置の方向(本実施の形態では時計回り方向)に、所定の回動速度で回動させる(ステップS116)。この回動速度は、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220の検出速度及びCPU60の演算速度などを考慮し、例えば、仮原点位置検出処理及び原点位置設定処理を最速で完了することができる速度であることが望ましい。
ここで、ドグ200の初期位置が、図8(a)に示すように、基準位置検出センサ210よりも手前に位置する場合は、図8(b)に示すように、第2リンク19が時計回りに回動するのに連動して、ドグ200が時計回りに回動し、最初に基準位置検出センサ210の検出位置へと到達する。ドグ200が検出位置に到達すると、基準位置検出センサ210を構成するフォトインタラプタの発光部から射出された光線をドグ200が遮断し、これによって、光線が受光部へと到達しなくなるためセンサ出力信号が変化(ここではローレベルからハイレベルへと変化)する(ステップS118の「Yes」の分岐)。CPU60は、このセンサ出力信号の変化位置(信号の立上がり位置)によって特定される回転角度位置を、角度取込I/Fを介してエンコーダ42から取得し、該取得した回転角度位置を仮の原点位置とする(ステップS120)。更に、CPU60は、仮の原点位置が検出されると、モータ指令出力I/F61を介して、回転関節18の関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、第2リンク19の回動を停止する。また、CPU60は、検出した仮の原点位置の情報を、RAMに記憶すると共に、フラッシュメモリにも記憶する(ステップS122)。更に、CPU60は、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に、最初に発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に、最初に発生するZ相パルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に最初に発生するZ相パルス信号の立上がり後に、最初に発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置の情報をRAMに記憶する。
一方、ドグ200の初期位置が、図9(a)に示すように、基準位置検出センサ210と、限界位置検出センサ220との間に位置する場合は、図9(b)に示すように、第2リンク19が時計回りに回動することに連動して、ドグ200が時計回りに回動し、最初に限界位置検出センサ220の検出位置へと到達する。これにより、限界位置検出センサ220を構成するフォトインタラプタの発光部から射出された光線がドグ200に遮断され、センサ出力信号がローレベルからハイレベルへと変化する(ステップS124の「Yes」の分岐)。CPU60は、このセンサ出力信号の変化に応じて、モータ指令出力I/F61を介して、回転関節18の関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、図9(c)に示すように、第2リンク19を基準回転角度位置方向(半時計回り方向)に回動させる(ステップS126)。これにより、第2リンク19は、やがて基準位置検出センサ210の検出位置へと到達し、該センサ210のセンサ出力信号をローレベルからハイレベルへと変化させる(ステップS104の「Yes」の分岐)。CPU60は、このセンサ出力信号の変化に応じて、モータ指令出力I/F61を介して、回転関節18の関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、第2リンク19の回動速度を減速する。更に、図9(c)に示すように、基準位置検出センサ210の検出範囲からドグ200が出るまで(センサ出力信号がローレベルに変化するまで)、第2リンク19を同じ方向(半時計回り方向)に回動させる(ステップS106)。つまり、この回動分の回転角度が所定の回転角度となる。
ドグ200が所定の回転角度分、反時計回り方向に回動した位置にくると(センサ出力信号がローレベルに変化すると)、CPU60は、このセンサ出力信号の変化に応じて、モータ指令出力I/F61を介して、回転関節18の関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、図9(d)に示すように、第2リンク19を時計回り方向に回動させる(ステップS108)。これにより、第2リンク19は、再び基準位置検出センサ210の検出位置へと到達し、該センサ210のセンサ出力信号をローレベルからハイレベルへと変化させる(ステップS110の「Yes」の分岐)。CPU60は、このセンサ出力信号の変化位置(信号の立上がり位置)によって特定される回転角度位置を、角度取込I/Fを介してエンコーダ42から取得し、該取得した回転角度位置を仮の原点位置とする(ステップS112)。更に、CPU60は、仮の原点位置が検出されると、モータ指令出力I/F61を介して、回転関節18の関節モータ40のドライバ44に対して指令を与え、第2リンク19の回動を停止する。また、CPU60は、検出した仮の原点位置の情報を、RAMに記憶すると共に、フラッシュメモリにも記憶する(ステップS114)。更に、CPU60は、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に、最初に発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に、最初に発生するZ相パルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の立上がり後に最初に発生するZ相パルス信号の立上がり後に、最初に発生する4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置の情報をRAMに記憶する。
このようにして仮の原点位置が検出されると、CPU60は、次に、原点位置設定処理を実行する。原点位置設定処理が実行されると、上記算出した検出範囲の情報をRAMから読み出すと共に(ステップS200)、エンコーダ42の4逓倍カウントパルスのパルスの情報をROM又はフラッシュメモリから読み出す(ステップS202)。
次に、CPU60は、読み出した検出範囲(回転角度幅)とパルスの情報(パルスの1周期に対する回転角度幅)とを比較する(ステップS204)。
例えば、検出範囲が0.5[°]で、パルス周期が1.0[°]である場合は、検出範囲はパルスの1周期の角度範囲内に収まっているので、これに加えて、仮の原点位置の情報の最小値、最大値とも、カウントパルスの立ち上がりと次のカウントパルスの立ち上がりとの間に存在することが満たされれば(ステップS206の「Yes」の分岐)、CPU60は、次に、非同期モード及び同期モードのうち設定されたモードに応じて仮の原点位置を補正し、該補正した位置を該当する第2リンク19の原点位置として設定する。
非同期モードが設定されている場合(ステップS208の「No」の分岐)は、図10(a)に示すように、基準位置検出センサ210の検出位置(立上がり位置)によって特定される回転角度位置を、原点位置として設定する。つまり、検出範囲がエンコーダの分解能の範囲内である場合は、仮の原点位置のバラツキが無視できる大きさであるため、センサ出力信号によって特定される回転角度位置をそのまま原点位置として設定する(ステップS212)。つまり、この場合は無補正となる。
一方、同期モードが設定されている場合(ステップS208の「Yes」の分岐)は、図10(b)に示すように、仮の原点位置を示すセンサ出力信号の立上がり後、最初の4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置を、該当する第2リンク19の原点位置として設定する。つまり、検出範囲がエンコーダの分解能の範囲内である場合は、仮の原点位置のバラツキが無視できる大きさであるため、仮の原点位置を、4逓倍カウントパルス信号に同期させた位置に補正し、該補正した位置を原点位置として設定する(ステップS210)。
また、例えば、検出範囲が1.5[°]で、パルス周期が1.0[°]である場合は、検出範囲はパルスの1周期の角度範囲内に収まっていないので(ステップS206の「No」の分岐)、半同期モード及び同期モードのうち設定されたモードに応じて仮の原点位置を補正し、該補正した位置を該当する第2リンク19の原点位置として設定する。
同期モードが設定されている場合(ステップS214の「No」の分岐)は、図11(a)に示すように、仮の原点位置を示すセンサ出力信号の立上がり後、最初のZ相パルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置を、該当する第2リンク19の原点位置として設定する。つまり、検出範囲がエンコーダの分解能の範囲内に収まっていない場合は、仮の原点位置のバラツキが無視できない大きさのため、仮の原点位置を、Z相パルス信号に同期させた位置に補正し、該補正した位置を該当する第2リンク19の原点位置として設定する(ステップS218)。
一方、半同期モードが設定されている場合(ステップS214の「Yes」の分岐)は、図11(b)に示すように、仮の原点位置を示すセンサ出力信号の立上がり後の最初のZ相パルス信号の立上がり後で、且つ最初の4逓倍カウントパルス信号の立上がり位置によって特定される回転角度位置を、該当する第2リンク19の原点位置として設定する。つまり、検出範囲がエンコーダの分解能の範囲内に収まっていない場合は、仮の原点位置のバラツキが無視できない大きさのため、仮の原点位置を、Z相パルス信号の立上がり後における、4逓倍カウントパルス信号に同期させた位置に補正し、該補正した位置を該当する第2リンク19の原点位置として設定する(ステップS216)。
本実施の形態において、上記した仮の原点位置の補正処理は、予めRAMに記憶されている上記各モードに対応した回転角度位置情報を用いて行う。つまり、RAMには、各モードに対応した補正後の回転角度位置の情報が記憶されているので、モードに応じた回転角度位置を選択して、該選択した回転角度位置を原点位置として設定する。
上記の仮原点位置検出処理及び原点位置設定処理を、脚車輪型ロボット100の各脚部12の第1リンク17及び第2リンク19に対して行うことで、各リンクの原点位置の設定が完了する。
以上、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、回転関節16、18を介して回動自在に連結された第1リンク17及び第2リンク19の連結部にドグ200を、これらリンクと同じ回動範囲を回動するように設けた構成を有する。更に、回転関節14側の第1リンク17との連結部及び第1リンク17の第2リンク19との連結部に、基準回転角度位置に回動したドグ200を検出する基準位置検出センサ210を設けた構成を有すると共に、時計回り方向の限界回転角度位置の近傍に回動したドグ200を検出する限界位置検出センサ220を設けた構成を有する。
また、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、ドグ200をその初期位置から最初に時計回り方向に回動させ、最初に基準位置検出センサ210でドグ200が検出された場合は、その検出位置を仮の原点位置とすることが可能である。また、ドグ200をその初期位置から最初に時計回り方向に回動させ、最初に限界位置検出センサ220でドグ200が検出された場合は、基準位置検出センサ210の検出位置を所定回転角度分通過するまで反時計回りにリンク及びドグ200を回動し、再び時計回りにリンク及びドグ200を回動させ、これにより、基準位置検出センサ210でドグ200が検出された場合は、その検出位置を仮の原点位置とすることが可能である。
以上より、各リンクに対して、2つのセンサ及びドグ(被検出部)を設けた簡単な構成で安全に仮の原点位置を検出することができる。また、必ず時計回り方向に回動するドグ200が基準位置検出センサ210で検出されたときに、その検出位置を仮の原点位置とするので、仮原点位置検出処理において、毎回、基準位置検出センサ210の検出位置へのドグ200の進入方向を揃えることができ、進入方向の違いによる仮の原点位置のズレを防止することができる。
更に、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、仮の原点位置を検出後に、該仮の原点位置の検出範囲、エンコーダ42の4逓倍カウントパルス信号の1周期のパルスの情報、及びエンコーダ42の発生する各種パルス信号に基づき、仮の原点位置を補正し、該補正後の位置を原点位置として設定することが可能である。
これにより、モータのバッククラッシュ、センサのバラツキ、制御のバラツキなどによる仮の原点位置のバラツキを補正することができるので、安定した原点位置の設定を行うことができる。
また、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、過去に行われた複数回の仮原点位置検出処理の検出結果を用いて、仮の原点位置の検出範囲を算出することが可能である。
これにより、過去の最新の検出結果の反映された検出範囲に基づき、原点位置設定処理を実行することができるので、適切な原点位置の設定を行うことができる。また、検出範囲の算出を行うことができるので、複数回分の新たな仮の原点位置の検出結果を用いて、定期的に検出範囲を更新することで、センサや制御系の経年劣化に対応することができる。
上記実施の形態において、脚車輪型ロボット100は、発明15の脚車輪型ロボットに対応し、脚部12は、発明14のリンク機構又は発明15の脚部に対応する。
また、上記実施の形態において、関節モータ40は、発明1、7、9、14及び15のいずれか1のアクチュエータに対応し、車輪モータ50は、発明15のアクチュエータに対応する。
また、上記実施の形態において、ステップS100〜S110、S116〜S120、S124、S126は、発明7の回動制御手段に対応し、ステップS112、S114、S120、S122、並びにステップS200〜S218は、発明1乃至5のいずれか1の原点位置設定手段、又は発明9乃至13のいずれか1の原点位置設定ステップに対応する。
なお、上記実施の形態においては、第1リンク17の仮原点位置を検出するために、ドグ200を第1リンク17の回転関節14との連結部に設け、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220を回転関節14側の第1リンク17との連結部に設ける構成としたが、これに限らず、ドグ200を回転関節14側の第1リンク17との連結部に設け、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220を第1リンク17の回転関節14との連結部に設ける構成としても良い。この場合は、第1リンク17の回動位置(回転角度)と、静止した状態のドグ200の位置とが相対的に変化し、ドグ200が第1リンク17の回動範囲を回動しているのと同等の動作が行われるように、ドグ200を適切な位置に設ける必要がある。例えば、ドグ200を、第1リンク17の基準回転角度位置に設ける。
また、上記実施の形態においては、第2リンク19の仮原点位置を検出するために、ドグ200を第2リンク19の第1リンク17との連結部に設け、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220を第1リンク17の第2リンク19との連結部に設ける構成としたが、これに限らず、ドグ200を第1リンク17の第2リンク19との連結部に設け、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220を第2リンク19の第1リンク17との連結部に設ける構成としても良い。この場合は、第2リンク19の回動位置(回転角度)と、静止した状態のドグ200の位置とが相対的に変化し、ドグ200が第2リンク19の回動範囲を回動しているのと同等の動作が行われるように、ドグ200を適切な位置に設ける必要がある。例えば、ドグ200を、第2リンク19の基準回転角度位置に設ける。
また、上記実施の形態においては、時計回り方向の限界回転角度位置の近傍に回動したドグ200を検出するように、限界位置検出センサ220を設ける構成としたが、これに限らず、反時計回り方向の限界回転角度位置の近傍に回動したドグ200を検出するように、限界位置検出センサ220を設ける構成としても良い。
また、上記実施の形態においては、検出範囲がパルスの1周期の回転角度幅の範囲内に収まるか否かの判定処理を、原点位置設定処理を行う毎に実行する構成としたが、これに限らず、例えば、検出範囲の情報が定期的に更新されるような場合は、その周期に対して1度だけ処理を行い、その処理結果をフラッシュメモリ等に記憶保持する構成など、他の構成としても良い。
また、上記実施の形態においては、エンコーダ42を、4逓倍カウントでカウントするパルスカウンタを有する構成としたが、これに限らず、逓倍なし、2逓倍、8逓倍など他のカウント方法でカウントするパルスカウンタを有する構成としても良い。
また、上記実施の形態においては、仮の原点位置を検出する際に、ドグ200の基準位置検出センサ210の検出位置への進入方向を揃える構成としたが、これに限らず、進入方向に関係なく、基準位置検出センサ210の検出結果を仮の原点位置として検出する構成としても良い。
また、上記実施の形態においては、ドグ200と、基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220とを、第1リンク17及び第2リンク19の関節部を構成する側の端部で且つその外側表面に取り付ける構成としたが、これに限らず、例えば、内側の表面に取り付ける構成や、第1リンク17を駆動する回転関節16の回転軸及びその軸受のいずれか一方に、ドグ200又は基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220のいずれか一方を取付け、回転軸及び軸受のいずれか他方に、ドグ200又は基準位置検出センサ210及び限界位置検出センサ220のいずれか一方を取付ける構成など、他の構成としても良い。
本発明に係る脚車輪型ロボット100の正面図である。 本発明に係る脚車輪型ロボット100の側面図である。 (a)及び(b)は、第1リンク17の回転関節14との連結部における、原点位置を設定するためのセンサの取付構成の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、第2リンク19及び第1リンク17の連結部における、原点位置を設定するためのセンサの取付構成の一例を示す図である。 脚車輪型ロボット100の駆動制御システムを示すブロック図である。 仮原点位置検出処理を示すフローチャートである。 原点位置設定処理を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の第2リンクの仮の原点位置を検出する際の第1の回動パターンを示す図である。 (a)〜(d)は、脚車輪型ロボット100の第2リンクの仮の原点位置を検出する際の第2の回動パターンを示す図である。 (a)及び(b)は、検出範囲が1周期の範囲内に収まるときの同期モード及び非同期モードにおける原点位置を示す図である。 (a)及び(b)は、検出範囲が1周期の範囲内に収まらないときの半同期モード及び同期モードにおける原点位置を示す図である。
符号の説明
100 脚車輪型ロボット
200 ドグ
210 基準位置検出センサ
220 限界位置検出センサ
10 基体
12 脚部
14、16、18 回転関節
17 第1リンク
19 第2リンク
20 車輪
22、24 脚先センサ
26 水平レーザ
28、30 垂直レーザ
32 カメラ
34、36 障害物センサ
40 関節モータ
50 車輪モータ
42、52 エンコーダ
44、54 ドライバ
60 CPU
62 角度取込I/F
64 通信I/F
70 3軸姿勢センサ
76 ハブ

Claims (15)

  1. 関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダとを有するリンク機構における、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定装置であって、
    前記リンクの回動に連動して少なくとも該リンクと同じ回動範囲を、該リンクと共に又は該リンクに対して相対的に回動する被検出部と、前記リンクの原点位置の基準となる回転角度位置である基準回転角度位置へと回動した前記被検出部を検出する基準位置検出センサと、該基準位置検出センサが前記被検出部を検出したときのセンサ出力信号に基づき、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する仮原点位置信号検出手段と、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記仮原点位置信号検出手段で検出したセンサ出力信号と、前記ロータリエンコーダの発生するパルス信号とに基づき、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定手段と、を備えることを特徴とする原点位置設定装置。
  2. 前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記仮原点位置信号検出手段で検出したセンサ出力信号によって特定される回転角度位置を、前記リンクの原点位置として設定することを特徴とする請求項1に記載の原点位置設定装置。
  3. 前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号によって特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項1に記載の原点位置設定装置。
  4. 前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、
    前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生する前記原点位置を示すパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原点位置設定装置。
  5. 前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、
    前記原点位置設定手段は、前記判定手段において、前記検出範囲算出手段で算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後で且つ最初に前記ロータリエンコーダが前記原点位置を示すパルス信号を発生後に、最初に該ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原点位置設定装置。
  6. 前記仮原点位置信号検出手段で検出した前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出位置の情報を記憶する検出位置情報記憶手段と、該検出位置情報記憶手段に記憶された前記検出位置の情報に基づき、前記センサ出力信号の検出範囲を算出する検出範囲算出手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の原点位置設定装置。
  7. 前記リンクの一方の回動方向の回動限界位置である限界回転角度位置又はその近傍へと回動した前記被検出部を検出する限界位置検出センサと、前記アクチュエータを制御して、前記リンクの初期位置からの最初の回動方向を前記リンクの一方の限界回転角度位置方向として、前記リンクを所定の回動パターンで回動させる回動制御手段と、を備え、
    前記仮原点位置信号検出手段は、前記リンクを前記所定の回動パターンで回動させたときの前記基準位置検出センサの検出結果に基づき、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の原点位置設定装置。
  8. 前記所定の回動パターンは、前記リンクをその初期位置から前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、最初に前記基準位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記リンクの回動を停止させる第1の回動パターンと、前記リンクをその初期位置から該リンクの前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、最初に前記限界位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記被検出部が前記基準位置検出センサの検出位置を所定回転角度分通り過ぎる位置まで、前記リンクを該リンクの他方の前記限界回転角度位置方向へと回動させ、しかる後、前記リンクを前記一方の限界回転角度位置方向へと回動させ、この回動により、前記基準位置検出センサにおいて前記被検出部が検出されると、前記リンクの回動を停止させる第2の回動パターンとを含み、
    前記仮原点位置信号検出手段は、前記リンクが前記一方の限界回転角度位置方向に回動しているときに前記基準位置検出センサにおいて検出された前記被検出部の検出位置を前記仮の原点位置とし、該仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出することを特徴とする請求項7に記載の原点位置設定装置。
  9. 関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、前記リンクの回動に連動して少なくとも該リンクと同じ回動範囲を、該リンクと共に又は該リンクに対して相対的に回動する被検出部と、前記リンクの原点位置の基準となる回転角度位置である基準回転角度位置へと回動した前記被検出部を検出する基準位置検出センサとを有するリンク機構における、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定方法であって、
    前記基準位置検出センサが前記被検出部を検出したときのセンサ出力信号に基づき、仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を検出する仮原点位置信号検出ステップと、前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号の検出範囲が前記ロータリエンコーダカウンタのカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まるか否かを判定する判定ステップと、該判定ステップの判定結果と、前記仮原点位置信号検出ステップで検出したセンサ出力信号と、前記ロータリエンコーダの発生するパルス信号とに基づき、前記リンクの原点位置を設定する原点位置設定ステップと、を含むことを特徴とする原点位置設定方法。
  10. 前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記仮原点位置信号検出ステップで検出したセンサ出力信号によって特定される回転角度位置を、前記リンクの原点位置として設定することを特徴とする請求項9に記載の原点位置設定方法。
  11. 前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まると判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号によって特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項9に記載の原点位置設定方法。
  12. 前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、
    前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後に、最初に前記ロータリエンコーダの発生する前記原点位置を示すパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の原点位置設定方法。
  13. 前記ロータリーエンコーダは、該ロータリエンコーダの1回転につき1回、原点位置を示すパルス信号を発生するインクリメンタルエンコーダであり、
    前記原点位置設定ステップは、前記判定ステップにおいて、前記検出範囲算出ステップで算出した検出範囲が前記ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号の1周期の範囲内に収まらないと判定されたときに、前記基準位置検出センサが前記仮の原点位置を特定するセンサ出力信号を出力後で且つ最初に前記ロータリエンコーダが前記原点位置を示すパルス信号を発生後に、最初に該ロータリエンコーダの発生するカウントパルス信号で特定される回転角度位置を、前記原点位置として設定することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の原点位置設定方法。
  14. 関節部を介して回動自在に支持されたリンクと、該リンクを回動させる動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の原点位置設定装置と、を備えることを特徴とするリンク機構。
  15. 基体と、前記基体に対して関節を介して支持された複数の脚部と、各脚部に回転自在に設けられた車輪と、前記各脚部及び前記車輪を駆動する動力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータの回転子の回転角度位置を検出するロータリエンコーダと、前記アクチュエータを制御する制御手段とを備え、環境に応じて前記脚部及び前記車輪の少なくとも一方を駆動することにより移動する脚車輪型ロボットであって、
    前記脚部は、複数のリンクを有すると共に、該複数のリンクが関節を介して回動自在に連結された構成を有し、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の原点位置設定装置を備え、
    前記原点位置設定装置によって、前記脚部を構成する各リンクの原点位置を設定することを特徴とする脚車輪型ロボット。
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