JP2009022391A - プラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法 - Google Patents

プラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法に関し、大気圧の水蒸気流中にプラズマ流を生成し、そのプラズマ流により滅菌することができるようにする。
【解決手段】誘電体からなるとともに一端を大気開放され、滅菌の対象となる被滅菌物を内部に配置される管10と、管10の他端に接続され、管10の内部へ流通させるための水蒸気を発生させる水蒸気発生部30と、管10の中途に設けられ、管10の内部で誘電体バリア放電を起こす放電部20と、誘電体バリア放電に係る交流電圧を放電部20へ印加する電圧発生部40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に医療に用いて好適の、プラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法に関するものである。
近年、ノロウイルスやトリインフルエンザといった病原微生物による感染症が世界規模で拡大しており、深刻な社会問題となっている。このような感染症を予防するためには確実に滅菌・消毒処理を行う必要があり、特に免疫力の小さい高齢者や幼児にとって安全かつ容易に実現可能となる滅菌法の確立は非常に重要である。
滅菌法とは、すべての微生物を死滅させる処理方法である。医療現場で求められる滅菌後の微生物汚染の水準は10-6であり、これは1,000,000個の同一鉗子を滅菌した際に、そのうちの1個が微生物に汚染されているという水準である。これを無菌性保証レベル(SAL;sterility assurance level)という。
なお、滅菌法に対して、消毒法とは、一定の抗菌スペクトルを有した処理方法で、目的
とする微生物は死滅させるが、一消毒法の抗菌スペクトルからは必ずはみ出た微生物が存在し、すべての微生物に有効なわけではない。消毒薬を例に取るならば、一つの消毒薬には必ず抵抗性を示す微生物が存在し、場合によってはその消毒薬の中で増殖する場合もある。
滅菌法には、加熱法(高圧蒸気滅菌,乾熱滅菌),ガス法(酸化エチレンガス滅菌,過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌),照射法(放射線滅菌),濾過法の4つが存在する。これらの滅菌法のうち、最も広く用いられている方法が加熱法であり、高温の湿熱または空気,火炎などを用いて滅菌処理する方法を指す。
その中でも、とりわけ高圧蒸気滅菌が多用されている。高圧蒸気滅菌は飽和蒸気を用いて滅菌を行うものである。この方法が多用される理由は、(1)身近に大量に存在して安価である水を用いている、(2)気体である蒸気は熱を大量に保有・放出する、(3)蒸気は凝縮して水に戻るが無害で副作用の心配が無い、(4)水は科学的に安定した分子であり取り扱いが容易である、(5)蒸気は微細な空間にもよく浸透する、といった特長を有しているからである。特に、水は気体から液体に凝縮する際に大きな熱を放出し、そのエネルギーを滅菌に利用できるため、乾熱滅菌に比べ低温で滅菌でき効率的である。なお、高圧蒸気滅菌については、例えば、非特許文献1に記載されている。
小林寛伊(編),医療現場の滅菌,日本医科器械学会,2000.
しかしながら、高圧蒸気滅菌には、(1)高圧蒸気を発生させるための密閉容器が必要となる、(2)高圧化することで蒸気圧が上昇し、それに伴い蒸気温度も上昇するため低耐熱性の被滅菌物には使用することができない、といった問題も存在する。そこで、減圧や加圧の必要の無い大気圧の条件で、より低温での滅菌処理を可能とするような、低コスト且つ幅広く応用可能な滅菌技術が開発されることが望まれている。
本発明はこのような要望に鑑み案出されたもので、大気圧の水蒸気流中にプラズマ流を生成し、そのプラズマ流により滅菌することができるようにした、プラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、誘電体からなるとともに一端を大気開放され、滅菌の対象となる被滅菌物を内部に配置される管と、該管の他端に接続され、該管の内部へ流通させるための水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、該管の中途に設けられ、該管の内部で誘電体バリア放電を起こす放電部と、該誘電体バリア放電に係る交流電圧を該放電部へ印加する電圧発生部とを備えたことを特徴としている。
請求項2記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、請求項1記載のプラズマ滅菌装置において、該放電部が、該管の内部に挿入された第一電極と、該管の外周に配置され接地された第二電極とを有し、該電圧発生部が、該第一電極と該第二電極との間に該交流電圧を印加することを特徴としている。
請求項3記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、請求項2記載のプラズマ滅菌装置において、該管が、円筒状に形成され、該第二電極が、円筒状をなして該管の外周に接着して配置され、該第一電極が、線状に形成され、第二電極の筒軸に対し偏心して配置されていることを特徴としている。
請求項4記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載のプラズマ滅菌装置において、該電圧発生部が、該放電部へ印加される該交流電圧が変動する前後の短時間にパルス状の放電電流が流れる所定電圧以上の交流電圧を該放電部へ印加することを特徴としている。すなわち、まず、最大値が略一定の放電電流が電圧印加の際(放電電圧値の変動の際)に短時間流れる放電状態を有するものであって、誘電体バリア放電特有の放電形態の一種をマイクロ放電と定義すれば、請求項4記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、このマイクロ放電の放電電流の最大値よりもはるかに大きな放電電流がパルス状に流れる大きさの交流電圧を、放電部へ印加することを特徴としている。
請求項5記載の本発明のプラズマ滅菌装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載のプラズマ滅菌装置において、該電圧発生部が、放電1回当たりのエネルギーが所定量以上となる所定範囲内の周波数の交流電圧を該放電部へ印加することを特徴としている。
請求項6記載の本発明のプラズマ滅菌方法は、誘電体からなり一端を大気開放された管の内部に、滅菌の対象となる被滅菌物を配置する第一工程と、該管の他端から該管の内部へ水蒸気を供給する第二工程と、電極間に交流電圧を印加し、該管の内部に誘電体バリア放電を起こして該水蒸気をプラズマ化する第三工程とを備えたことを特徴としている。
請求項7記載の本発明のプラズマ滅菌方法は、請求項6記載のプラズマ滅菌方法において、該第一工程において、該管の内部に第一電極を挿入し、且つ、接地された第二電極を該管の外周に配置し、該第三工程において、該第一電極と該第二電極との間に交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こすことを特徴としている。
請求項8記載の本発明のプラズマ滅菌方法は、請求項7記載のプラズマ滅菌方法において、該第一工程において、該管を円筒状に形成するとともに、該第二電極を円筒状に形成して該管の外周に接着して配置し、且つ、該第一電極を線状に形成して該第二電極の筒軸に対し偏心して配置することを特徴としている。
請求項9記載の本発明のプラズマ滅菌方法は、請求項6〜8の何れか1項に記載のプラズマ滅菌方法において、該第三工程において、該放電部へ印加される該交流電圧が変動する前後の短時間にパルス状の放電電流が流れる所定電圧以上の交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こすことを特徴としている。
請求項10記載の本発明のプラズマ滅菌方法は、請求項6〜9の何れか1項に記載のプラズマ滅菌方法において、該第三工程において、放電1回当たりのエネルギーが所定量以上となる、所定範囲内の周波数の交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こすことを特徴としている。
本発明のプラズマ滅菌装置及びプラズマ滅菌方法によれば、誘電体バリア放電により、大気圧下において管内の水蒸気がプラズマ化される。したがって、減圧や加圧の必要なく、水蒸気のプラズマ流により滅菌することができる。また、大気圧下のため、管内の雰囲気温度は100 ℃で一定となっており、例えば2気圧に加圧した高圧蒸気滅菌に比べ21 ℃低い温度で滅菌することができ、より多くの被滅菌物に対して滅菌処理を行うことができる。さらに、大気圧下の水蒸気を利用するので、密閉容器が不要であり、装置構成を安価且つ簡素にすることができる。
また、第一電極を第二電極に対して偏心して配置すれば、管の断面方向におけるプラズマの発生位置に偏りを生じさせて、管の断面方向に流れるプラズマ流を形成し、管内に満遍なくプラズマ化された水蒸気を行き渡らせることができる。したがって、滅菌効果をより高めることができる。
また、上述のように定義したマイクロ放電の放電電流の最大値よりも大きな電流がパルス状に流れる放電を起こす大きさの交流電圧を放電部へ印加すれば、滅菌効果をより高めることができる。さらに、放電1回当たりのエネルギーが所定量以上となる所定範囲内の周波数の交流電圧を放電部へ印加しても、滅菌効果をより高めることができる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ滅菌装置を示す模式的な構成図である。図2〜図28は、図1のプラズマ滅菌装置を用いて行った実験結果を示すものであって、図2〜図5は、印加電圧を変化させて水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフ、図6〜図9は印加電圧を変化させて空気中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフ、図10〜図13は印加周波数を変化させて水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフ、図14は図2〜図13の放電波形により算出された各条件における放電電流の最大値を示すグラフ、図15及び図16は図2〜図13の放電波形により算出された各条件における放電電力を示すグラフ、図17は印加電圧を変化させて水蒸気流中及び空気中にプラズマを発生させたときの放電電力を示すグラフ、図18〜図20は印加電圧を変化させて水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真、図21は空気中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真、図22〜図25は印加周波数を変化させて水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真、図26〜図28は水蒸気流中にプラズマを発生させたときの滅菌結果を示す表である。
[1. プラズマ滅菌装置]
図1に示すように、プラズマ滅菌装置1は、管10と、放電部20と、水蒸気発生部30と、電圧発生部40とを有している。また、プラズマ滅菌装置1は、放電部20における二次生成物を考慮して、図示しないドラフト内に設置されている。
管10は、石英ガラスにより円筒状に形成され、一端を大気開放されて、滅菌の対象となる被滅菌物が内部に配置されるようになっている。なお、管10の一端は、ここでは、シリコンチューブ11が接続され、シリコンチューブ11の先端がビーカー12に差し込まれた状態となっており、シリコンチューブ11を介して大気開放されている。
放電部20は、管10の内部に偏心して挿入された、線状のステンレス製のワイヤ電極(第一電極)21と、管10の外周に配置され、接地されたアルミ製の接地電極(第二電極)22とを備えている。接地電極22は、円筒状をなして、管10の外周に接着している。そして、管10が誘電体として機能し、管10の内部に誘電体バリア放電を形成し、大気圧非平衡プラズマを発生させるようになっている。なお、図1では、視認しやすいように、接地電極22にドットを付している。
ここで、誘電体バリア放電について簡単に説明すると、誘電体バリア放電は、二つの電極間に少なくとも一つの誘電体を挿入して放電させる方法であり、低電力で安定したプラズマを発生させることが可能となっている。
水蒸気発生部30は、管10の他端に接続されており、所定の容量のフラスコ31と、フラスコ31を加熱するヒーター32と、発生した水蒸気を放電部20へと供給するシリコンチューブ33とを備えている。つまり、管10の他端にシリコンチューブ33が接続されている。そして、純水を入れたフラスコ31をヒーター32で加熱することで水蒸気を発生させ、発生した水蒸気が、シリコンチューブ33を介して放電部20へと供給されるようになっている。
ここで、放電部20にてプラズマを生成した後、水滴を含む全ての水蒸気は大気へと放出される。したがって、水蒸気発生部30及び放電部20は大気圧となり、水蒸気温度は100 ℃で一定となる。
電圧発生部40は、図3に示すように、ファンクションジェネレータ41と、デジタルオシロスコープ42と、高電圧電力増幅器43とを備えている。そして、ファンクションジェネレータ41により交流電圧を発生させ、高電圧電力増幅器43によりその交流電圧を1000倍に増幅し、増幅された交流高電圧が、放電部20に印加されるようになっている。放電の際は、デジタルオシロスコープ42を用いて、印加電圧V,放電電圧及び放電電流を測定する。
[2. プラズマ滅菌装置による実験]
プラズマ滅菌装置1を用いた実験について説明する。この実験により、大気圧条件下で水蒸気プラズマ流を発生させ、印加電圧V及び印加周波数fを変化させることで、放電波形,放電電力P及び放電の様子がどのように変化するかを明らかにし、そのプラズマ特性および滅菌特性を明らかにする。
本実験において、プラズマ滅菌装置1は、管10には内径φ8 mm,外径φ10 mmのものを使用し、ステンレスワイヤ電極21にはφ0.28 mmのものを使用し、接地電極22には長さL=57 mm,電極面積S=4475 mm2のものと長さL=80 mm,電極面積S=6280 mm2のものとを使用している。
また、フラスコ31には容量500 mlのものを使用し、ヒーター32には定格出力が250 Wのマントルヒーター(AFR-5,大科電器株式会社)を使用し、シリコンチューブ33には内径φ10 mm,外径φ13 mmのものを使用している。
さらに、ファンクションジェネレータ41には、株式会社NF回路設計ブロック製のWAVE FACTORY WF1943Bを使用し、デジタルオシロスコープ42には、Le Croy社製のWave Surfer 434を使用するとともに波形に矩形波を使用し、高電圧電力増幅器43には、株式会社NF回路設計ブロック製の10kVA AC/DC増幅器 HVA 4321を使用している。
[2.1 プラズマ特性の検証方法]
プラズマ特性の解明にあたり、まず、管10内の水蒸気流の流量および流速を測定する。水蒸気発生部30より生じた水蒸気を管10内に流し、管10出口で冷却することで、水蒸気が凝縮して水滴を生じる。水が液体から気体へと変化すると体積が1700倍となるため、水滴の増加量を測定することで、管10内に流れる水蒸気の平均流量が求まる。さらに、求めた平均流量を管10の断面積で割ると、管内水蒸気流の平均流速が求まる。
上記の方法で計測を3回行い、その平均より管内平均流量及び平均流速を求める。
[2.1.1 放電波形の測定および放電電力の算出]
放電波形の測定はオシロスコープ42により行なう。放電部20の長さL,印加周波数f及び印加電圧Vを変化させ、それぞれの条件で任意の瞬間における放電波形を測定する。その際に得られた波形から、式(1)により放電電力Pの算出を行なう。
P = VI…(1)
なお、測定は各条件につき3回行い、放電電力Pはその平均値として算出する。
[2.1.2 放電部の観察]
放電部20の観察は管断面写真を撮影して行なう。印加周波数fを一定として印加電圧Vを変化させたとき、また印加電圧Vを一定として印加周波数fを変化させたときに放電の様子がどのように変化するかを観察する。なお、撮影にはデジタル一眼レフカメラ(D50,株式会社ニコン)を用いている。
[2.2 滅菌特性の検証方法]
滅菌実験は短時間判定用生物学的インジケータ(Attest 1291,住友スリーエム株式会社)を用いて行なう。本実験では、滅菌用サンプル(被滅菌物)としてジェオバシラス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus;ATCC 7933、以下芽胞菌という)を使用する。また、実験に使う器具はアルコール消毒してから使用する。
インジケータ内に芽胞菌が染み込んだ紙片が入っているので、これを取り出す。紙片は放電部20の管壁に沿うように設置し、各条件に対して3つ用いる。滅菌処理は、放電部20が十分に水蒸気で満たされ、且つ、放電部20の温度が一定となってから行なう。放電は、ステンレスワイヤ電極21がたるみが無いよう直線状に張られていることを確認してから開始する。放電の開始を滅菌処理の開始と見なし、紙片は設定した滅菌処理時間t分間だけプラズマに曝される。
滅菌処理が終わったらただちに放電を終了させ、放電部20より紙片を取り出す。この際、放電部20の温度は100 ℃まで上昇しているため、やけどしないよう十分に放熱してから作業を行うようにする。取り出した紙片は水分を大量に含んでしまっているため、インジケータに戻す前に紙ウエスに吸水させる。これは、紙片が水分を大量に含んでいると滅菌の判定に影響が出る恐れがあるためである。なお、紙ウエスには、日本製紙クレシア株式会社製のものを用いる。
滅菌処理の終わった紙片をインジケータの中に戻したら滅菌の判定を行う。判定には滅菌判定器(Attest Auto-Reader,住友スリーエム株式会社)50を用いる。
滅菌判定器50は、芽胞菌が成育する際に生じる酵素が蛍光反応を示し、その蛍光を読み取ることで滅菌の成否を判定するものである。判定にあたり、インジケータ内のガラスアンプルを圧搾する。アンプルの中には培養液が入っており、紙片が培養液に浸されることで芽胞菌が培養される。紙片が十分培養液に浸されたことを確認したら、インジケータを滅菌判定器50にかける。滅菌判定器50は、1時間の蛍光判定を行い、滅菌の成否を判定する。陽性(+)は滅菌の未完了を、陰性(−)は滅菌の完了を表す。この際、陽性コントロールとして滅菌処理を行っていないインジケータも同時に判定にかける。陽性コントロールが正しく陽性を示さない場合はインジケータの入っているインキュベータの保管状況を確認する。滅菌の判定が終わったインジケータはオートクレーブにより十分な滅菌処理を行ってから破棄するようにする。
以上の作業を、印加周波数f,印加電圧V及び滅菌処理時間tを変化させ、各条件に対する滅菌効果を検証する。
[3. 実験結果および考察]
[3.1 プラズマ特性]
本実験では、大気圧における水蒸気流中にプラズマ流を発生するにあたり、管内に流れる水蒸気流の流量および流速を測定した。この水蒸気流中に印加電圧V及び印加周波数fを変化させてプラズマ流を発生させることで、放電状態がどのように変化するかを明らかにする。以下にその結果および考察を示す。
[3.1.1 管内平均流量および平均流速の測定]
本実験で用いたマントルヒーター32の出力は250 Wであり、100 ℃における液体の水と気体の水とのエンタルピー差が2259 J/g であることから、マントルヒーター32による熱が理想的に水の蒸発のためだけに全て使われたと仮定すると、管内平均流量は11.3 l/min、平均流速は3.7 m/sとなる。しかし、熱損失が存在し一部の水蒸気が凝縮するため、実際の流速はこれよりも遅くなる。
実験では、3回の測定結果の平均より、管内平均流量8.1 l/minが得られた。これを流速に換算すると、管内平均流速は2.7 m/sとなる。すなわち、67 Wの熱損失が存在していると言える。
[3.1.2 放電波形の測定]
図2〜図5に、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm とし、印加電圧Vを11 kVpp〜14 kVppに変化させて、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示す。
各条件において、電圧の立ち上がりの際に放電電流が大きくなっている。これはマイクロ放電と呼ばれる現象で、誘電体バリア放電の典型的な放電状態である。すなわち、ここでは、マイクロ放電を、最大値が略一定の放電電流が放電電圧の立ち上がりの際(電圧印加の際)に短時間流れる放電形態の一種と定義する。しかしながら、図4,図5に示すように、印加電圧V≧13 kVppでは、マイクロ放電が生じた後にさらに大きな電流が瞬間的に流れる特徴的な放電状態を確認することができる。すなわち、マイクロ放電の放電電流の最大値よりもはるかに大きな電流が、放電電圧の立ち上がりの際の短時間に、マイクロ放電の放電電流に続いて流れるという、パルス状の放電状態を確認することができる。このような放電状態は、低電圧のときには形成されず、印加電圧Vを増加させることで確認することができる。一方、図6〜図9に、同条件で作動気体を空気として放電させたときの波形を示すが、空気中ではこのような放電状態は形成されない。
図10〜図13に、印加電圧V=13 kVpp,放電部長さL=80 mm とし、印加周波数fを1,2,4,5 kHzに変化させて、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示す。
これら4つの条件のもの及び図4におけるf=3 kHz のものを比較すると、低周波に比べて高周波の場合の方が電流の最大値が大きいことが分かる。
以上の放電波形より得られた各条件における放電電流Iの最大値を図14に示す。印加電圧Vが12 kVpp以下では、各印加周波数fにおいて放電電流値I=2.8 mA 程度でほぼ一定となる。なお、作動気体を空気とした場合もこれとほぼ同程度の電流値となっている。ところが、印加電圧Vを13 kVpp以上にすると放電電流Iが増大する。増加する割合は低周波に比べて高周波の方が大きく、印加周波数fが3 kHz以上では、印加電圧Vが12 kVppから13 kVppに増加すると放電電流Iが倍近く増加し、およそI=6 mA となる。ただし、印加電圧Vが14 kVppになると印加周波数fによる違いはほとんど存在しない。
[3.1.3 放電電力の算出]
図15に、放電波形より算出した各条件における放電電力値Pを示す。前述のように、V=13 kVppになるとV=12 kVppの場合に比べて倍近い最大電流が流れることが明らかになったが、放電電力Pはそれほど顕著に増加していない。これは、大きな電流が流れる瞬間が一瞬であるために、放電電力値Pにさほど影響しなかったものと考えられる。
しかし、実際には、電流の増大にあわせて瞬間的に大きなエネルギーが放出されている。
f=3 kHzにおいて、印加電圧Vを11 kVppから14 kVppまで変化させると、放電電力Pは1.9,2.1,3.0,4.2 W と増加する。
図16に、同様の結果を用いて周波数fを横軸とした場合の放電電力値Pを示す。印加周波数fが増加すると放電回数も増加するので、それだけ放電電力Pも増加するものと推測できるが、印加電圧Vが14 kVppの場合を見ると、印加周波数fが3 kHz以上においては周波数fによる放電電力Pの違いはほとんど見受けられない。これは、f=5 kHzの場合に比べてf=3 kHzの場合の方が放電1回あたりのエネルギーが大きいことを表している。
図17に、印加周波数f=3 kHz,長さL=80 mmとして印加電圧Vを変化させたときの、水蒸気流中及び空気中での放電電力Pを示す。同条件においても、空気中で放電させた場合に比べて水蒸気流中で放電させた場合の方が放電電力Pが大きくなる。
[3.1.4 放電部の観察]
図18〜図20に、印加周波数fを3 kHzの一定値とし、印加電圧Vを16〜18 kVppに変化させて(f=3 kHz,V=16〜18 kVpp)、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部20の管断面写真をグレースケールで示す。水蒸気中にプラズマを発生させると、ぼんやりと白い放電領域を確認することができる。なお、図18〜図20の管断面写真はグレースケールで示されているが、これをカラースケールでみると、放電領域は青白く発光していることが確認できる。印加電圧Vが増加すると、放電領域は徐々に管壁へと拡大する。つまり、図18に示すV=16 kVppの場合ではワイヤ電極21の付近のみに観測された放電領域が、図20に示すV=18 kVppの場合では管10の管壁まで到達している。
また、図21に、印加周波数fを3 kHz,印加電圧Vを13 kVppとしたとき(f=3 kHz,V=13 kVpp)の、空気中で放電させたときの管断面写真をグレースケールで示す。空気中では、V=13 kVppでも放電が管壁に到達していることから、空気中に比べると水蒸気中の方が電離ポテンシャルが高いと言える。これは、空気では水蒸気より放電が容易な窒素が主成分であるためである。また、図21の管断面写真をカラースケールでみると、空気中では放電領域の色は紫となっている.これは、水蒸気の組成がH及びOのみであることに対し、空気中には様々な気体が含まれているので、それらの影響、特に窒素の有無による違いであると考えられる。
図22〜図25に、印加電圧Vを18 kVppの一定値とし、印加周波数fを1〜5 kHzに変化させて(f=1〜5 kHz,V=18 kVpp)、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部20の管断面写真を示す。印加周波数fを増加させることで放電領域は管周方向に向かって拡散する。これは、印加周波数fが増加することで単位時間当たりの放電回数が増加したためである。
[3.2 滅菌特性]
滅菌実験を行うにあたり、本実験で用いた芽胞菌に対して100 ℃の水蒸気のみによる滅菌処理を行った。この芽胞菌は100 ℃の水蒸気では滅菌されないとされており、実際に100分間の滅菌処理を行ったところ滅菌は確認されなかった。
本実験では、印加電圧V,印加周波数f及び放電部20の長さLを変化させ、大気圧の水蒸気流中にプラズマ流を発生させて滅菌実験を行い、大気圧水蒸気プラズマ流を用いた滅菌システムの可能性を検討した。以下にその結果および考察を示す。
[3.2.1 印加電圧の影響]
図26に、印加周波数fを3 kHz,放電部20の長さLを57 mm とし、印加電圧Vを11〜15 kVpp に変化させたとき(f=3 kHz,L=57 mm,V=11〜15 kVpp)の大気圧水蒸気プラズマ流による滅菌結果を示す。印加電圧Vが12 kVpp の比較的小さい場合には、滅菌効果はほとんど確認されない。印加電圧Vが13 kVpp以上では、滅菌処理時間tを長くすることで滅菌効果が現れ始め、印加電圧Vが15 kVppのときには、滅菌処理時間tを20 分以上とすることで滅菌効果を確認することができる。
図27に、印加周波数fを3 kHz,放電部20の長さLを80 mmとし、印加電圧V を11〜14 kVppに変化させたとき(f=3 kHz,L=80 mm,V=11〜14 kVpp)の水蒸気プラズマ流による滅菌結果を示す。この場合、滅菌効果は印加電圧Vが12 kVpp以下では確認できず、印加電圧Vが13 kVpp 以上、且つ、滅菌処理時間tが30 分以上において確認することができる。
このように印加電圧値Vにより滅菌効果に明確な違いが生じたのは、13 kVpp以上において確認されるパルス状の大きな電流による影響であると考えられる。放電電流の増加とはすなわち放電電力Pの増加である。これに伴いプラズマ中の電子エネルギーも増加し、ラジカルの生成量や紫外線強度などが増加したことで12 kVpp以下では得られていない滅菌効果が13 kVpp 以上では得ることができたと考えられる。また、図27の結果は、各条件につき左から順に放電部20の上流、中央、下流に設置したサンプルの滅菌結果を表している。すなわち、[+−−]であれば、上流(+),中央(−),下流(−)を表している。この結果より、同じ放電部20内においても上流側よりも下流側の方が滅菌効果が大きいことが明らかとなった。これは、放電部20でプラズマにより生成されたラジカルが水蒸気流によって下流へと輸送されることで、芽胞菌に照射されるラジカルの量が、下流側では上流側よりも多くなるためであると考えられる。
[3.2.2 印加周波数の影響]
図28に、印加電圧Vを13 kVpp,放電部20の長さLを80 mmとし、印加周波数fを1〜5 kHzに変化させたとき(f=1〜5 kHz,L=80 mm,V=13 kVpp)の水蒸気プラズマ流による滅菌結果を示す。f=3 kHz及び4kHzにおいては滅菌効果を確認することができるが、その他の条件では滅菌効果を確認することができない。
この結果は、放電電力Pと少なからず関係していると思われる。
すなわち、V=13 kVppにおけるf=3 kHzの場合とf=5 kHzの場合とでは、放電電力Pはそれぞれ3.0 W,3.5 Wとなっており、放電1回あたりのエネルギーはf=3 kHzの場合の方が大きいと言える。これにより、プラズマ中の電子のエネルギーが増加し、f=5 kHzの場合に比べてf=3 kHzの場合の方が高い滅菌効果を得ることができたものと考えられる。
以上の結果より、大気圧水蒸気プラズマ流を用いて滅菌を行なう場合、適切な印加電圧V及び適切な印加周波数f、本実験の場合ではV=13kVpp以上、且つ、f=3 kHzにて放電を行なうことで、大気圧すなわち100℃の水蒸気中においても高い滅菌効果を得ることができることが分かった。
得られた結果を以下にまとめる。
(1)誘電体バリア放電により大気圧水蒸気プラズマ流を発生させると、空気中の放電では見られない大きな電流が瞬間的に流れる。本実験では印加電圧Vを13 kVpp以上とした場合にそのような放電状態が形成された。印加周波数f=3 kHzにおいて、印加電圧Vが12 kVppから13 kVppに増加すると最大放電電流Iが2.7 mAから6.2 mAに増加する。
(2)放電電力Pは印加電圧Vと共に増加するが、印加周波数fを変化させた場合にはそれほど大きな変化は見られない。特に印加電圧V=14 kVppの場合、印加周波数fが3 kHz以上においては印加周波数fによる違いはほとんど見られない。すなわち、5 kHzに比べて3 kHzの場合の方が放電1回あたりのエネルギーが大きいことを表している。f=3 kHz,V=14 kVpp,L=80 mmとして大気圧水蒸気プラズマ流を発生させたときの放電電力Pは3.0 Wである。
(3)大気圧水蒸気プラズマ流を用いて滅菌を行なう場合、f=3 kHz,L=80 mmの条件では、印加電圧Vが13 kVpp以上、且つ、滅菌処理時間tが30分以上において滅菌効果が得られる。滅菌効果は印加周波数fに影響され、f=3 kHz,4 kHz以外の周波数では滅菌効果を確認することができない。 また、水蒸気流中では同じ放電部20内においても上流側よりも下流側の方が滅菌効果が大きい。
[その他]
以上、本発明のプラズマ滅菌装置の一実施形態とその実験方法及び実験結果とについて説明したが、本発明のプラズマ滅菌装置は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上記実施形態では、管10は石英ガラスから形成されたが、誘電体として機能しさえすれば、石英ガラス以外の材料により形成されていても良い。例えば、管10は、PFAやFEP等のフッ素樹脂,ポリイミド樹脂等の絶縁性ポリマー,DLCやチタン酸バリウム等の絶縁性無機物であっても良い。
また、上記実施形態では、接地電極22は円筒状に形成されて管10の全外周に接着されたが、例えば断面が半円状に形成されて、管10の全外周のうちの一部に対して接着されていても良い。
本発明の一実施形態に係るプラズマ滅菌装置を示す模式的な構成図である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=11 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=12 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=14 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=11 kVppとして、空気中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=12 kVppとして、空気中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、空気中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=14 kVppとして、空気中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=1 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=2 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=4 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=5 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電波形を示すグラフである。 図2〜図13の放電波形により算出された、各条件における放電電流Iの最大値を示すグラフである。 図2〜図13の放電波形により算出された、各条件における放電電力Pを、横軸に印加電圧Vをとって示すグラフである。 図2〜図13の放電波形により算出された、各条件における放電電力Pを、横軸に印加周波数fをとって示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=11 kVpp〜14 kVppとして、水蒸気流中及び空気中にプラズマを発生させたときの放電電力Pを示すグラフである。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,印加電圧V=16 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,印加電圧V=17 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,印加電圧V=18 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,印加電圧V=13 kVppとして、空気中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=1 kHz,印加電圧V=18 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=2 kHz,印加電圧V=18 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=4 kHz,印加電圧V=18 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=5 kHz,印加電圧V=18 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの放電部の管断面写真である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=57 mm,印加電圧V=11 kVpp〜15 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの滅菌結果を示す表である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=3 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=11 kVpp〜14 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの滅菌結果を示す表である。 図1に示すプラズマ滅菌装置において、印加周波数f=1 kHz〜5 kHz,放電部長さL=80 mm,印加電圧V=13 kVppとして、水蒸気流中にプラズマを発生させたときの滅菌結果を示す表である。
符号の説明
1 プラズマ滅菌装置
10 管
11 シリコンチューブ
12 ビーカー
20 放電部
21 ワイヤ電極(第一電極)
22 接地電極(第二電極)
30 水蒸気発生部
31 フラスコ
32 ヒーター
33 シリコンチューブ
40 電圧発生部
41 ファンクションジェネレータ
42 デジタルオシロスコープ
43 高電圧電力増幅器
50 Auto-Reader(滅菌判定器)


Claims (10)

  1. 誘電体からなるとともに一端を大気開放され、滅菌の対象となる被滅菌物を内部に配置される管と、
    該管の他端に接続され、該管の内部へ流通させるための水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
    該管の中途に設けられ、該管の内部で誘電体バリア放電を起こす放電部と、
    該誘電体バリア放電に係る交流電圧を該放電部へ印加する電圧発生部とを備えた
    ことを特徴とする、プラズマ滅菌装置。
  2. 該放電部が、該管の内部に挿入された第一電極と、該管の外周に配置され接地された第二電極とを有し、
    該電圧発生部が、該第一電極と該第二電極との間に該交流電圧を印加する
    ことを特徴とする、請求項1記載のプラズマ滅菌装置。
  3. 該管が、円筒状に形成され、
    該第二電極が、円筒状をなして該管の外周に接着して配置され、
    該第一電極が、線状に形成され、第二電極の筒軸に対し偏心して配置されている
    ことを特徴とする、請求項2記載のプラズマ滅菌装置。
  4. 該電圧発生部が、該放電部へ印加される該交流電圧が変動する前後の短時間にパルス状の放電電流が流れる所定電圧以上の交流電圧を該放電部へ印加する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のプラズマ滅菌装置。
  5. 該電圧発生部が、放電1回当たりのエネルギーが所定量以上となる所定範囲内の周波数の交流電圧を該放電部へ印加する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のプラズマ滅菌装置。
  6. 誘電体からなり一端を大気開放された管の内部に、滅菌の対象となる被滅菌物を配置する第一工程と、
    該管の他端から該管の内部へ水蒸気を供給する第二工程と、
    電極間に交流電圧を印加し、該管の内部に誘電体バリア放電を起こして該水蒸気をプラズマ化する第三工程とを備えた
    ことを特徴とする、プラズマ滅菌方法。
  7. 該第一工程において、該管の内部に第一電極を挿入し、且つ、接地された第二電極を該管の外周に配置し、
    該第三工程において、該第一電極と該第二電極との間に交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こす
    ことを特徴とする、請求項6記載のプラズマ滅菌方法。
  8. 該第一工程において、該管を円筒状に形成するとともに、該第二電極を円筒状に形成して該管の外周に接着して配置し、且つ、該第一電極を線状に形成して該第二電極の筒軸に対し偏心して配置する
    ことを特徴とする、請求項7記載のプラズマ滅菌方法。
  9. 該第三工程において、該放電部へ印加される該交流電圧が変動する前後の短時間にパルス状の放電電流が流れる所定電圧以上の交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こす
    ことを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載のプラズマ滅菌方法。
  10. 該第三工程において、放電1回当たりのエネルギーが所定量以上となる、所定範囲内の周波数の交流電圧を印加し、該誘電体バリア放電を起こす
    ことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載のプラズマ滅菌方法。
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