JP2009022137A - 火力発電機出力配分計画自動策定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短期〜中期需給運用計画策定時に用いられる等λ法または増分燃料費比による計算方法を用いて、実際の火力発電機運用に近い出力配分を容易に実行可能にする。
【解決手段】演算装置が、自動的に、等λ法または増分燃料費比による計算方法を用いて各火力発電機G1,G2の設備最大出力を上限制約、設備最低出力を下限制約とした時間単位の出力配分を実施し、その出力配分結果における単位時間毎の各火力発電機出力値P1,P2が、各火力発電機G1,G2の機器制約として決められる、連動バンド、除外バンドのいずれに所属するか判別し、単位時間毎の各火力発電機G1,G2の出力バンドを決定し、その後に、連動除外バンド振分の結果を元に各火力発電機G1,G2の出力バンド上下限を上下限制約として設定し、再度等λ法または増分燃料費比による計算方法を用いて最終的な出力配分を行う。
【選択図】図1
【解決手段】演算装置が、自動的に、等λ法または増分燃料費比による計算方法を用いて各火力発電機G1,G2の設備最大出力を上限制約、設備最低出力を下限制約とした時間単位の出力配分を実施し、その出力配分結果における単位時間毎の各火力発電機出力値P1,P2が、各火力発電機G1,G2の機器制約として決められる、連動バンド、除外バンドのいずれに所属するか判別し、単位時間毎の各火力発電機G1,G2の出力バンドを決定し、その後に、連動除外バンド振分の結果を元に各火力発電機G1,G2の出力バンド上下限を上下限制約として設定し、再度等λ法または増分燃料費比による計算方法を用いて最終的な出力配分を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、給電運用・制御システムにおける短期〜中期需給運用計画を策定する装置に実装されて実行される火力発電機出力配分計画自動策定方法に関するものである。
需要電力(負荷)は原子力発電、火力発電、水力発電、他の各種発電により分担するが、この分担は需給運用計画により事前に策定され、火力発電で分担する必要のある負荷は火力分担負荷と言われている。
短期〜中期需給運用計画を策定する場合の、複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように最適化計算して最適配分(以下、「出力配分」と記載する)する従来の周知の手法としては、例えば、非特許文献1に記載される等増分燃料費法(「等λ法」とも言われる。以下、「等λ法」と記載する)等の単時刻断面の出力配分を実施する手法が知られている。
また、所定期間内に使用する燃料消費量が定められている火力発電機(「燃料制約付火力発電機」とも言われる。以下、「燃料制約付火力発電機」と記載する)を含む、複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、燃料制約および単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように最適化計算して最適配分(「燃料制約付出力配分」とも言われる。)する従来の手法としては、例えば、特許文献1に記載されている手法がある。この特許文献1に記載の手法は、増分燃料費比を変化させることにより、燃料制約付火力発電機の増分燃料費を修正し、収束計算を実施する方法(以下、「増分燃料費比による計算方法」と記載する)である。
短期〜中期需給運用計画を策定する場合の、複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように最適化計算して最適配分(以下、「出力配分」と記載する)する従来の周知の手法としては、例えば、非特許文献1に記載される等増分燃料費法(「等λ法」とも言われる。以下、「等λ法」と記載する)等の単時刻断面の出力配分を実施する手法が知られている。
また、所定期間内に使用する燃料消費量が定められている火力発電機(「燃料制約付火力発電機」とも言われる。以下、「燃料制約付火力発電機」と記載する)を含む、複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、燃料制約および単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように最適化計算して最適配分(「燃料制約付出力配分」とも言われる。)する従来の手法としては、例えば、特許文献1に記載されている手法がある。この特許文献1に記載の手法は、増分燃料費比を変化させることにより、燃料制約付火力発電機の増分燃料費を修正し、収束計算を実施する方法(以下、「増分燃料費比による計算方法」と記載する)である。
翌日などの至近の需給運用計画および、将来断面の予測を含む需給制御における出力配分手法としては、例えば特許文献2に記載の手法がある。この特許文献2に記載の手法は、出力バンド状態を順次発生させ、需給バランス、該出力バンドでの発電機出力上下限制約、出力変化速度制約、予備力制約、潮流制約を満たし、発電コストの総和が最小となるような各発電機出力を、非線形最適化手法を用いて求める手法である。
関根泰次著「電力系統工学」(電気書院)、昭和53年、pp.99-111
特開平8−163783号公報(図1及びその説明)
特開2000−60001号公報(図1,図2及びその説明)
火力発電機には、その発電機への燃料供給量制御に関する機器の特性により、その発電機設備の最大、最低出力付近の出力変化速度の比較的遅い出力帯と、それ以外の出力変化速度の比較的速い出力帯が存在し、出力変化速度の比較的速い出力帯は「連動バンド」、出力変化速度の比較的遅い出力帯は「除外バンド」と呼び、また、連動バンド、除外バンド等の出力帯を総称して「出力バンド」と呼ぶ。
火力発電機の実運転での火力発電機の出力制御では、発電機の機械的制約から、連動バンドから除外バンドへ移った後に除外バンドから連動バンドに移るといった連動バンドと除外バンドとの間の往復を頻繁にするような運用は実施されない。例えば、最大出力付近では出力変動の自由度はある程度あるが、最低出力付近では付帯機器の安定稼動などの機器制約のために、一定出力での運転を継続する必要があるという制約がある。例えば、最低出力付近で1時間程度の運転の継続、その後出力上昇させ連動バンド付近で30分の運転継続などを行う必要があるという制約がある。従って、火力発電機出力配分計画自動策定方法においては連動および除外の各バンドに、各バンド内で最低限必要な運転継続時間
の制約を与え、頻繁なバンド間往復を抑制するのが好ましい。この実運転での機器制約による発電機運転制約に対応した火力発電機出力配分計画自動策定方法における各バンド内での最低限必要な運転継続時間は、以後「制約最小運転継続時間」と言う。
ところが、従来の火力発電機出力配分計画自動策定方法においては、実際の発電機運転には機器制約として出力変化速度に制約があるのに対して、前記等λ法(非特許文献1)および前記増分燃料費比による計算方法(特許文献1)は単位時間断面毎の計算であり、前後の断面との連続性を考慮しないため、連続・除外バンド間の遷移を繰り返す等の、実際の発電機運用と乖離した出力配分結果となる場合がある。また、前記至近の需給運用計画および需給制御で用いられる手法(特許文献2)は、発生させた出力バンド状態毎に、各制約条件を課した非線形最適化計算を実行する必要があるため、短期〜中期需給運用計画に実装した場合には、計算時間に問題が生じる。
火力発電機の実運転での火力発電機の出力制御では、発電機の機械的制約から、連動バンドから除外バンドへ移った後に除外バンドから連動バンドに移るといった連動バンドと除外バンドとの間の往復を頻繁にするような運用は実施されない。例えば、最大出力付近では出力変動の自由度はある程度あるが、最低出力付近では付帯機器の安定稼動などの機器制約のために、一定出力での運転を継続する必要があるという制約がある。例えば、最低出力付近で1時間程度の運転の継続、その後出力上昇させ連動バンド付近で30分の運転継続などを行う必要があるという制約がある。従って、火力発電機出力配分計画自動策定方法においては連動および除外の各バンドに、各バンド内で最低限必要な運転継続時間
の制約を与え、頻繁なバンド間往復を抑制するのが好ましい。この実運転での機器制約による発電機運転制約に対応した火力発電機出力配分計画自動策定方法における各バンド内での最低限必要な運転継続時間は、以後「制約最小運転継続時間」と言う。
ところが、従来の火力発電機出力配分計画自動策定方法においては、実際の発電機運転には機器制約として出力変化速度に制約があるのに対して、前記等λ法(非特許文献1)および前記増分燃料費比による計算方法(特許文献1)は単位時間断面毎の計算であり、前後の断面との連続性を考慮しないため、連続・除外バンド間の遷移を繰り返す等の、実際の発電機運用と乖離した出力配分結果となる場合がある。また、前記至近の需給運用計画および需給制御で用いられる手法(特許文献2)は、発生させた出力バンド状態毎に、各制約条件を課した非線形最適化計算を実行する必要があるため、短期〜中期需給運用計画に実装した場合には、計算時間に問題が生じる。
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、短期〜中期需給運用計画策定時に用いられる前記等λ法または前記増分燃料費比による計算方法を用いて、実際の火力発電機運用に近い出力配分を短い計算時間で実行可能にすることを目的とするものである。
この発明にかかる火力発電機出力配分計画自動策定方法は、複数台の火力発電機を備えた火力発電設備における各火力発電機について従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により出力配分を行い、当該出力配分の結果を元に連動除外バンド振分を実施し、この連動除外バンド振分結果の各出力バンドの運転継続時間と実運転で制約される各出力バンドの制約最小運転継続時間とを比較して両者に差があれば差がなくなる方向にバンド振分結果を補正した後、各発電機出力の上限制約値の合計値および各発電機出力の下限制約値の合計値の各合計値と当該火力発電設備の火力分担負荷とを時間帯毎に比較して両者に差があれば差がなくなる方向にバンド振分結果を補正した後、再度従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により出力配分するものである。
この発明の火力発電機出力配分計画自動策定方法は、演算装置で、複数台の火力発電機を備えた火力発電設備における各火力発電機について従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により出力配分を行い、当該出力配分の結果を元に連動除外バンド振分を実施し、この連動除外バンド振分結果の各出力バンドの運転継続時間と実運転で制約される各出力バンドの制約最小運転継続時間とを比較して両者に差があれば差がなくなる方向にバンド振分結果を補正するので、演算装置で、実際の火力発電機運用に近い出力配分を行え、更に、演算装置で、前記補正後に、各発電機出力の上限制約値の合計値および各発電機出力の下限制約値の合計値の各合計値と当該火力発電設備の火力分担負荷とを時間帯毎に比較して両者に差があれば差がなくなる方向にバンド振分結果を補正して再度従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により出力配分するので、演算装置で、実際の火力発電機運用に更に近い出力配分を行える。また、演算装置は、等λ法による計算又は増分燃料費比による計算とバンド振分結果の補正をするだけであるので、特許文献2のように発生させた出力バンド状態毎に各制約条件を課した非線形最適化計算を実行する場合に比べ計算時間も短くなり出力配分を容易に実行可能となる。
実施の形態1.
以下、この発明を等λ法に適用した場合の演算装置による火力発電機出力自動配分手順の事例を実施の形態1として図1〜図10により説明する。図1は火力発電機出力配分手順の一例を示す図、図2は出力配分対象の火力発電機が2台の場合を事例とした各火力発電機の接続事例を示す図、図3は事例として1発電機G1における設備最大最低出力、出
力バンドおよび24時間分の出力配分例を示す図、図4は図1の手順1における1発電機G1の設備出力上限下限内での24時間分の出力配分計算(等λ法又は等増分燃料費比による計算)結果の一例を示す図、図5は出力バンドの連動除外バンド振分の定義の事例を示す図、図6は図1の手順2における連動除外バンド振分結果の一例を1発電機G1について概念的に示す図、図7は図6に例示の振分結果を元にした上下限値設定の一例を示す図、図8は図1の手順における制約最小運転継続時間違反の場合の補正の一例を1発電機G1について示す図、図9は図1の手順における供給力過不足の場合の補正の一例を1発電機G1について示す図、図10は連動除外バンド振分結果を補正した結果を1発電機G1について概念的に示す図、図11は発電機の最大出力値および各出力バンドの最大最低出力値の例を1発電機G1について示す図、図12は発電機の時間帯毎出力値の例を各種状態について示す図、図13は図1の手順を実行するためのシステムの事例を示す図である。
以下、この発明を等λ法に適用した場合の演算装置による火力発電機出力自動配分手順の事例を実施の形態1として図1〜図10により説明する。図1は火力発電機出力配分手順の一例を示す図、図2は出力配分対象の火力発電機が2台の場合を事例とした各火力発電機の接続事例を示す図、図3は事例として1発電機G1における設備最大最低出力、出
力バンドおよび24時間分の出力配分例を示す図、図4は図1の手順1における1発電機G1の設備出力上限下限内での24時間分の出力配分計算(等λ法又は等増分燃料費比による計算)結果の一例を示す図、図5は出力バンドの連動除外バンド振分の定義の事例を示す図、図6は図1の手順2における連動除外バンド振分結果の一例を1発電機G1について概念的に示す図、図7は図6に例示の振分結果を元にした上下限値設定の一例を示す図、図8は図1の手順における制約最小運転継続時間違反の場合の補正の一例を1発電機G1について示す図、図9は図1の手順における供給力過不足の場合の補正の一例を1発電機G1について示す図、図10は連動除外バンド振分結果を補正した結果を1発電機G1について概念的に示す図、図11は発電機の最大出力値および各出力バンドの最大最低出力値の例を1発電機G1について示す図、図12は発電機の時間帯毎出力値の例を各種状態について示す図、図13は図1の手順を実行するためのシステムの事例を示す図である。
なお、実施の形態1の説明に先立って、実施の形態1の説明で使用する主要な用語の意味の説明を以下にしておく。
「連動バンド」「除外バンド」「出力バンド」の各々は、「発明が解決しようとする課題」で説明した「連動バンド」「除外バンド」「出力バンド」の各々を意味する。
「運転継続時間」は、発電機の出力が、「連動バンドに達した時点から、再び除外バンド内に入るまでの継続時間」、「除外バンドに達した時点から、再び連動バンド内に入るまでの継続時間」、または「或る除外バンド内に達した時点から、隣の除外バンド内に入るまでの継続時間」を意味する。
「制約最小運転継続時間」は、「発明が解決しようとする課題」での説明と同じく、「実運転で機器制約から制約される各バンド内での最低限必要な運転継続時間」を意味する。
「連動バンド」「除外バンド」「出力バンド」の各々は、「発明が解決しようとする課題」で説明した「連動バンド」「除外バンド」「出力バンド」の各々を意味する。
「運転継続時間」は、発電機の出力が、「連動バンドに達した時点から、再び除外バンド内に入るまでの継続時間」、「除外バンドに達した時点から、再び連動バンド内に入るまでの継続時間」、または「或る除外バンド内に達した時点から、隣の除外バンド内に入るまでの継続時間」を意味する。
「制約最小運転継続時間」は、「発明が解決しようとする課題」での説明と同じく、「実運転で機器制約から制約される各バンド内での最低限必要な運転継続時間」を意味する。
最初に、図2、図3、図11および図13によりこの発明の実施の形態1の概要を説明する。
この発明の実施の形態1では、初めに各火力発電機G1,G2の設備最大出力を上限制約、設備最低出力を下限制約とした時間単位の出力配分を実施し、その出力配分結果における単位時間毎の各発電機出力値P1,P2が、各発電機G1,G2の機器制約として決められる、連動バンド、除外バンドのいずれに所属するかを判定し、単位時間毎の各発電機G1,G2の出力バンドを決定する(以下、「連動除外バンド振分」と記載する)。その後に、連動除外バンド振分の結果を元に各発電機G1,G2の出力バンド上下限を上下限制約として設定し、最終的な出力配分計算を行う。
図3に発電機の最大出力および最低出力、出力バンドである最大除外バンド,連動バンド,除外バンド(1)〜(3)、および1発電機の24時間分の出力配分例を示してある。
なお、図3における発電機出力値および以下の具体的な説明に使用する図4〜図12における発電機出力値は、図11にも示してあるように、最大出力600MW、連動帯最大出力(即ち出力バンド最大出力)500MW、連動帯・除外境界値(即ち連動帯最低出力)250MW、除外
帯1最低出力(最低値=最大値と設定)210MW、除外帯2最低出力(最低値=最大値と設定)170MW、除外帯3最低出力(最低値=最大値と設定)(出力バンド最低出力でもある)125MWの
場合を例示してある。
図3に発電機の最大出力および最低出力、出力バンドである最大除外バンド,連動バンド,除外バンド(1)〜(3)、および1発電機の24時間分の出力配分例を示してある。
なお、図3における発電機出力値および以下の具体的な説明に使用する図4〜図12における発電機出力値は、図11にも示してあるように、最大出力600MW、連動帯最大出力(即ち出力バンド最大出力)500MW、連動帯・除外境界値(即ち連動帯最低出力)250MW、除外
帯1最低出力(最低値=最大値と設定)210MW、除外帯2最低出力(最低値=最大値と設定)170MW、除外帯3最低出力(最低値=最大値と設定)(出力バンド最低出力でもある)125MWの
場合を例示してある。
次いで、処理手順を実行するためのシステムと関連付けて具体的に説明する。本実施の形態1では、まず単位時間ごとに各発電機G1,G2の設備最大出力が上限制約、設備最低出力が下限制約として、また、連動バンド、除外バンドの実運転での制約最小運転継続時間、及び各発電機G1,G2を備えた火力発電設備に割り当てられた火力分担負荷が、入出力装置IOD(図13参照)により記憶装置MのファイルAFA(図13参照)に設定さ
れ、上下限制約付の前記従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により演算装置ALUが出力配分を実施し、この出力配分の結果を元に連動除外バンド振分を
演算装置ALUが実施し、その結果を前記記憶装置MのファイルBFB(図13参照)に演算
装置ALUが自動設定する。演算装置ALUは、このファイルBFBに設定された連動除外バンド振分結果を元に、各発電機G1,G2の連動バンドの運転継続時間、除外バンドの運転継続時間が、各発電機G1,G2の連動バンドの制約最小運転継続時間、除外バンドの制約最小運転継続時間(前述のように何れの時間も記憶装置MのファイルAFAに設定されている)に対して不足が生じる場合は、各発電機G1,G2の単位時間ごとの出力バンドの補正(詳細は以下の配分手順の説明におけるステップST5を参照)を実施する。
演算装置ALUは、前述の連動除外バンド振分および補正を実施した結果を元に、単位時
間毎に各発電機G1,G2の出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として前記演算装置ALUが前記記憶装置MのファイルBFB(図13参照)に自動設定する。
演算装置ALUは、ファイルBFBに自動設定された全発電機G1,G2の各々の上限制約
の合計値を自動的に演算し、この演算による合計値と当該発電設備の火力分担負荷(前述のように記憶装置MのファイルAFAに設定されている)とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を上回る場合は、供給力不足と判定し、出力バンドを出力を上げる方向に補正し、この補正結果を、前記記憶装置MのファイルCFC(図13参照)に自動設定する。また、演算装置ALUは、全発電機G1,G2の各々の下限制約の合計値を自動的に演算し、
この演算による合計値と当該発電設備の火力分担負荷とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を下回る場合は、供給力余剰と判定し、出力バンドを出力を下げる方向に補正し、この補正結果を、前記記憶装置MのファイルCFCに自動設定する。
演算装置ALUは、前記ファイルCFCに設定された補正結果を元に、単位時間毎に各発電
機の出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として、上下限制約付の再度の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により、最終的な出力配分を実施する。
最終的な出力配分の結果は、演算装置ALUにより、各発電機G1,G2毎に前記記憶装
置MのファイルDFDに自動的に設定される。
れ、上下限制約付の前記従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により演算装置ALUが出力配分を実施し、この出力配分の結果を元に連動除外バンド振分を
演算装置ALUが実施し、その結果を前記記憶装置MのファイルBFB(図13参照)に演算
装置ALUが自動設定する。演算装置ALUは、このファイルBFBに設定された連動除外バンド振分結果を元に、各発電機G1,G2の連動バンドの運転継続時間、除外バンドの運転継続時間が、各発電機G1,G2の連動バンドの制約最小運転継続時間、除外バンドの制約最小運転継続時間(前述のように何れの時間も記憶装置MのファイルAFAに設定されている)に対して不足が生じる場合は、各発電機G1,G2の単位時間ごとの出力バンドの補正(詳細は以下の配分手順の説明におけるステップST5を参照)を実施する。
演算装置ALUは、前述の連動除外バンド振分および補正を実施した結果を元に、単位時
間毎に各発電機G1,G2の出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として前記演算装置ALUが前記記憶装置MのファイルBFB(図13参照)に自動設定する。
演算装置ALUは、ファイルBFBに自動設定された全発電機G1,G2の各々の上限制約
の合計値を自動的に演算し、この演算による合計値と当該発電設備の火力分担負荷(前述のように記憶装置MのファイルAFAに設定されている)とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を上回る場合は、供給力不足と判定し、出力バンドを出力を上げる方向に補正し、この補正結果を、前記記憶装置MのファイルCFC(図13参照)に自動設定する。また、演算装置ALUは、全発電機G1,G2の各々の下限制約の合計値を自動的に演算し、
この演算による合計値と当該発電設備の火力分担負荷とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を下回る場合は、供給力余剰と判定し、出力バンドを出力を下げる方向に補正し、この補正結果を、前記記憶装置MのファイルCFCに自動設定する。
演算装置ALUは、前記ファイルCFCに設定された補正結果を元に、単位時間毎に各発電
機の出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として、上下限制約付の再度の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により、最終的な出力配分を実施する。
最終的な出力配分の結果は、演算装置ALUにより、各発電機G1,G2毎に前記記憶装
置MのファイルDFDに自動的に設定される。
次に、本実施の形態1における前記演算装置ALUによる火力発電機出力配分計画自動策
定方法の実行手順をフローチャートで示す図1により、図4〜図12を参照しながら説明する。
定方法の実行手順をフローチャートで示す図1により、図4〜図12を参照しながら説明する。
第1の手順であるステップST1では、各発電機G1,G2の設備最大出力を上限制約、設備最低出力を下限制約とした事前設定に基づき、すなわち図4の範囲を上下限制約として前記従来の等λ法による計算方法又は増分燃料費比による計算方法により計算を実施し、図4に示すような出力配分結果を各発電機G1,G2毎に得る。
具体的事例として、発電機G1の場合は、図10(a)に例示のように、時間帯1〜6,21〜22は発電機停止、時間帯7〜9は発電機起動運転時の固定出力120MW,300MW,450MW、発電機停止運転時の固定出力300MW,130MW、連動除外バンド振分対象時間帯10〜20については発電機最大出力600MWおよび出力バンド最低出力125MW、の条件設定をした後、前記出力配分計算が行われる。
具体的事例として、発電機G1の場合は、図10(a)に例示のように、時間帯1〜6,21〜22は発電機停止、時間帯7〜9は発電機起動運転時の固定出力120MW,300MW,450MW、発電機停止運転時の固定出力300MW,130MW、連動除外バンド振分対象時間帯10〜20については発電機最大出力600MWおよび出力バンド最低出力125MW、の条件設定をした後、前記出力配分計算が行われる。
第2の手順であるステップST2では、図5に示すように連動除外境界値以上の出力帯を連動バンド、境界値以下の出力帯を除外バンド(1)〜(3)と定義したファイルAFA内の事前設定情報を参照して、前記第1の手順であるステップST1で得られた各発電機G1,G2の単位時間毎の出力値が連動バンドおよび除外バンドのいずれに所属するかを判定し、単位時間毎の各発電機G1,G2の連動除外バンド振分を実施する。
除外バンド(1)〜(3)は固定値且つ各除外バンドともに上限値=下限値として定義してあり、前述のステップST1における計算による出力配分結果が連動除外境界値未満の場合は、除外バンド(1)〜(3)のその値の直下の除外バンドに属するものとする。
1発電機G1に対する連動除外バンド振分結果の例を、図5、図6、および図12(b)に例示してある。
除外バンド(1)〜(3)は固定値且つ各除外バンドともに上限値=下限値として定義してあり、前述のステップST1における計算による出力配分結果が連動除外境界値未満の場合は、除外バンド(1)〜(3)のその値の直下の除外バンドに属するものとする。
1発電機G1に対する連動除外バンド振分結果の例を、図5、図6、および図12(b)に例示してある。
第3の手順であるステップST3では、図7に示すように、第2の手順であるステップST2で設定された各発電機G1,G2の単位時間ごとの出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として上下限制約を設定する。この際、除外バンド(1)〜(3)は固定値として定義されるため、除外バンド(1)〜(3)と判定された発電機、時間帯の上限制約と下限制約は同値となる。
なお、図7は1発電機G1について例示するものであり、図12(c)にも各時間帯毎に具体的出力値を例示してあるように、出力バンド上限値(連動バンド上限値)を500MW
が上限制約値として設定され、除外バンド(1)〜(3)では各除外バンド共に上限値=下限値であるので各々210MW,170MW,125MWとされる。
なお、図7は1発電機G1について例示するものであり、図12(c)にも各時間帯毎に具体的出力値を例示してあるように、出力バンド上限値(連動バンド上限値)を500MW
が上限制約値として設定され、除外バンド(1)〜(3)では各除外バンド共に上限値=下限値であるので各々210MW,170MW,125MWとされる。
ここで、等λ法等により各発電機の出力配分を行う場合、その結果は、下限制約から上限制約の間の任意の連続値をとり得る。連続値となった場合は、連動バンド内では、出力変動に自由度がある領域を連動バンドとしてあるので特段問題ないが、除外バンドには「連動バンドと除外バンドとの間を短時間に往復しない。」「除外バンドでは、保持できる出力が離散的である」などの制約条件がある。従って、前述のように、前記ステップST2のように連動・除外バンドに振り分け、前記ステップST3のように、振り分けた状態に応じた下限制約〜上限制約を与えることで、実運用に近い出力配分を求めるのである。
第4の手順であるステップST4では、第2の手順であるステップST2および第3の手順であるステップST3で設定した連動除外バンド振分結果が、各発電機G1,G2の機器制約である連動バンドの制約最小運転継続時間、除外バンドの制約最小運転継続時間に違反しないか判定を実施し、違反が発生する場合には以下の第5の手順であるステップST5、違反が発生しない場合は以下の第7の手順であるステップST7を実施する。
第5の手順であるステップST5では、連動バンドまたは除外バンドの運転継続時間が制約最小運転継続時間より不足する場合、図8に示す補正を実施する。
即ち、図8の時間帯11における1のように、連動バンドに近い除外バンド1の運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合は、矢印で示すように連動バンドへ補正(遷移)する。図12の例では、その(c)おける時間帯11の最大値(=最小値)210MWから、その(d)における時間帯11の最大値500MW、最低値250MWへ補正される。
図8の時間帯19における4のように、連動バンドから遠い除外バンド3の運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合は、矢印で示すように1つ上の除外バンドへ補正(遷移)する。図12の例では、その(c)おける時間帯19の最大値(=最小値)170MWから、その(d)における時間帯19の最大値(=最小値)210MWへ補正される。
また、図8の時間帯17における2のように、連動バンドの運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合、その時間帯の前後の除外バンドで運転継続時間に余裕のある方を連動バンドへ補正(遷移)する。図8の例では、時間帯14〜16に亘る除外バンド2のうち、3のように、時間帯17の直前の時間帯16における除外バンド2を連動バンドへ補正(遷移)する例を示してある。図12の例では、その(c)おける時間帯16の最大値(=最小値)170MWから、その(d)における時間帯16の最大値500MW、最小値250MWへ補正される。
このように、制約最小運転継続時間の制約を与え、前述の補正をすることにより、実運用における制約最小運転継続時間に違反しない、いわゆる実運用により近い出力配分結果を得ることができる。
即ち、図8の時間帯11における1のように、連動バンドに近い除外バンド1の運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合は、矢印で示すように連動バンドへ補正(遷移)する。図12の例では、その(c)おける時間帯11の最大値(=最小値)210MWから、その(d)における時間帯11の最大値500MW、最低値250MWへ補正される。
図8の時間帯19における4のように、連動バンドから遠い除外バンド3の運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合は、矢印で示すように1つ上の除外バンドへ補正(遷移)する。図12の例では、その(c)おける時間帯19の最大値(=最小値)170MWから、その(d)における時間帯19の最大値(=最小値)210MWへ補正される。
また、図8の時間帯17における2のように、連動バンドの運転継続時間がその制約最小運転継続時間より不足する場合、その時間帯の前後の除外バンドで運転継続時間に余裕のある方を連動バンドへ補正(遷移)する。図8の例では、時間帯14〜16に亘る除外バンド2のうち、3のように、時間帯17の直前の時間帯16における除外バンド2を連動バンドへ補正(遷移)する例を示してある。図12の例では、その(c)おける時間帯16の最大値(=最小値)170MWから、その(d)における時間帯16の最大値500MW、最小値250MWへ補正される。
このように、制約最小運転継続時間の制約を与え、前述の補正をすることにより、実運用における制約最小運転継続時間に違反しない、いわゆる実運用により近い出力配分結果を得ることができる。
ここで、第5の手順のようなバンドとすることの具体的な技術的理由を説明する。制約
最小運転継続時間を満足しない場合、次の2つの補正方法が考えられる。
(a)制約最小運転継続時間を満足しない時間帯の出力をそのバンドから1つ上のバンドへと補正(遷移)する。
(b)制約最小運転継続時間を満足しない時間帯の両脇のバンドの出力を1つ下のバンドへと補正(遷移)する。
前記(a)の場合は、確実に制約最小運転継続時間を満足することになるが、(b)の場合は、両脇の時間帯の「どちらを」「どの程度の時間帯」について上げるという判断要素が必要になる。また(b)を実施した結果により、両脇に時間帯の制約最小運転継続時間が満足可能であるか検証する必要がある。このため、本実施の形態では確実に制約最小運転継続時間を満足可能な前記(a)の方法を採用している。
最小運転継続時間を満足しない場合、次の2つの補正方法が考えられる。
(a)制約最小運転継続時間を満足しない時間帯の出力をそのバンドから1つ上のバンドへと補正(遷移)する。
(b)制約最小運転継続時間を満足しない時間帯の両脇のバンドの出力を1つ下のバンドへと補正(遷移)する。
前記(a)の場合は、確実に制約最小運転継続時間を満足することになるが、(b)の場合は、両脇の時間帯の「どちらを」「どの程度の時間帯」について上げるという判断要素が必要になる。また(b)を実施した結果により、両脇に時間帯の制約最小運転継続時間が満足可能であるか検証する必要がある。このため、本実施の形態では確実に制約最小運転継続時間を満足可能な前記(a)の方法を採用している。
第6の手順であるステップST6では、第5の手順であるステップST5で設定された各発電機G1,G2の単位時間ごとの出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として上下限制約を自動設定する。この際、除外バンド(1)〜(3)は固定値且つ各除外バンドともに上限値=下限値としてとして定義されるため、除外バンド(1)〜(3)と判定された時間帯における上限制約と下限制約とは同値となる。
第7の手順であるステップST7では、第3の手順であるステップST3または第6の手順であるステップST6で設定した各発電機G1,G2の単位時間ごとの上下限制約に対して、供給力過不足を判定する。つまり、単位時間ごとに全発電機の出力の上限制約値の合計値と火力分担負荷とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を上回る場合は、発電機の電力供給力不足と判定し、第8の手順であるステップST8を実施する。さらに、全発電機の出力の下限制約値の合計値と火力分担負荷とを比較し、当該火力分担負荷が当該合計値を下回る場合は、発電機の電力供給力余剰と判定し、第9の手順であるステップST8を実施する。発電機の出力電力に過不足が発生しない場合には第11の手順であるステップST10を実施する。
ステップST8では、電力供給力過不足が発生する場合、図9に示す補正を実施する。即ち、供給力が不足する時間帯については、図9の1のように除外バンド設定の発電機のうち連動除外境界値出力での発電コストが安価なものから不足解消されるまで順に連動バンドに補正する(第8の手順)。
電力供給力余剰が発生する時間帯については、図9の2のように連動バンド設定の発電機のうち連動除外境界値出力での発電コストが高価な発電機から余剰解消されるまで順に除外バンドに補正する(第9の手順)。
電力供給力余剰が発生する時間帯については、図9の2のように連動バンド設定の発電機のうち連動除外境界値出力での発電コストが高価な発電機から余剰解消されるまで順に除外バンドに補正する(第9の手順)。
ここで、前述のステップST7及びステップST8における前述の第7〜第9の手順のようなバンドに補正することの理由を以下に説明する。
a.「前記火力分担負荷>前記各火力発電機の上限制約値の合計値」の場合は、火力発電機の出力が不足していることになり、当該不足が生じないようにその時間帯の上限制約値を上げる。すなわち、1つ上の出力バンドへ補正(遷移)する必要がある。
b.1つ上の出力バンドへ補正(遷移)する場合、その付近での発電コストが最も安価な発電機を選定するのが経済的である。
c.「前記火力分担負荷<前記各火力発電機の上限制約値の合計値」の場合は、火力発電機の出力が余剰であることになり、その時間帯の上限制約値を下げる。すなわち、1つ下の出力バンドへ補正(遷移)する必要がある。
d.1つ下の出力バンドへ補正(遷移)する場合、その付近での発電コストが最も高価な発電機を選定するのが経済的である。
a.「前記火力分担負荷>前記各火力発電機の上限制約値の合計値」の場合は、火力発電機の出力が不足していることになり、当該不足が生じないようにその時間帯の上限制約値を上げる。すなわち、1つ上の出力バンドへ補正(遷移)する必要がある。
b.1つ上の出力バンドへ補正(遷移)する場合、その付近での発電コストが最も安価な発電機を選定するのが経済的である。
c.「前記火力分担負荷<前記各火力発電機の上限制約値の合計値」の場合は、火力発電機の出力が余剰であることになり、その時間帯の上限制約値を下げる。すなわち、1つ下の出力バンドへ補正(遷移)する必要がある。
d.1つ下の出力バンドへ補正(遷移)する場合、その付近での発電コストが最も高価な発電機を選定するのが経済的である。
第10の手順であるステップST9では、ステップST8で補正され設定された各発電機G1,G2の単位時間ごとの出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約と
して上下限制約を設定する。出力バンドのうち除外バンド(1)〜(3)については前述の通り、何れも上限値=下限値である。
して上下限制約を設定する。出力バンドのうち除外バンド(1)〜(3)については前述の通り、何れも上限値=下限値である。
第11の手順であるステップST10では、第3の手順であるステップST3または第6の手順であるステップST6または第10の手順であるステップST9で設定された各発電機の単位時間ごとの上下限制約を制約条件として、つまり、制約最小運転継続時間に違反せず且つ電力供給力過不足が発生しないように補正した上下限制約を制約条件として、再度の等λ法による最終的な出力配分を実施し、火力分担負荷に符合するように各発電機の各時間帯毎の出力が決定される。例えば、或る時間帯の火力分担負荷が530MWである
場合、その時間帯については例えば発電機G1の出力は210MW、発電機G2の出力は320MWとされ、他の時間帯についても同様にそれら時間帯の火力分担負荷に符合するように各発電機の出力が決まる。
場合、その時間帯については例えば発電機G1の出力は210MW、発電機G2の出力は320MWとされ、他の時間帯についても同様にそれら時間帯の火力分担負荷に符合するように各発電機の出力が決まる。
本実施の形態1は、前述のように、複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように最適化計算により最適配分する火力発電機出力配分計画自動策定方法において、非特許文献1等で知られている等増分燃料費法(等λ法)による出力配分結果を元に、単位時間毎の各発電機の出力バンドを設定し、設定した出力バンドが、発電機の機器制約である出力バンド制約最小運転継続時間に違反する場合、各設定バンドの補正を実施し、補正後の出力バンド上下限を上下限制約として設定し、上下限制約を設定する事により火力分担負荷に対して供給力過不足が発生する場合には各設定バンドの補正を実施し、補正後の出力バンド上下限を上下限制約として設定して、つまり、制約最小運転継続時間に違反せず且つ電力供給力過不足が発生しないように補正した上下限制約を制約条件として、再度の等λ法を実施し最終的な各発電機の出力配分を行う火力発電機出力配分計画自動策定方法であり、前述のように制約最小運転継続時間違反、電力供給力過不足発生、連動・除外バンド間の遷移の繰り返しの何れも生じなくなる。つまり、短期〜中期需給運用計画策定時に用いられる前記従来の等λ法等だけによる火力発電機出力配分計画自動策定方法のように短時間に頻繁にバンド切替えが発生するなどの実際の発電機運用と乖離した計算結果が生じることを回避でき、実際の発電機運用に即した出力配分を可能にすることができる。このことは、シミュレーションの結果でも確認できた。
また、演算装置は、等λ法による計算又は増分燃料費比による計算とバンド振分結果の補正をするだけであるので、特許文献2のように発生させた出力バンド状態毎に各制約条件を課した非線形最適化計算を実行する場合に比べ計算時間も短くなる。例えば、特許文献2の場合、本実施の形態と同様に4バンドを持つ発電機が、例えば30台あれば、最大430通りの組み合わせ分の演算、つまり430回の出力配分計算が必要であるが、本実施の形態では、2回だけの出力配分計算(ステップST1およびステップST10での出力配分計算)で済む。
また、演算装置は、等λ法による計算又は増分燃料費比による計算とバンド振分結果の補正をするだけであるので、特許文献2のように発生させた出力バンド状態毎に各制約条件を課した非線形最適化計算を実行する場合に比べ計算時間も短くなる。例えば、特許文献2の場合、本実施の形態と同様に4バンドを持つ発電機が、例えば30台あれば、最大430通りの組み合わせ分の演算、つまり430回の出力配分計算が必要であるが、本実施の形態では、2回だけの出力配分計算(ステップST1およびステップST10での出力配分計算)で済む。
なお、図1〜図11において、同一符合は同一または相当部分を示す。
G1,G2 火力発電機、
P1 火力発電機G1の出力、
P2 火力発電機G2の出力、
PR 火力発電機G1の出力P1と火力発電機G2の出力P2と合計出力、
IOD 入出力装置、
ALU 演算装置、
M 記憶装置、
FA 記憶装置MのファイルA、
FB 記憶装置MのファイルB、
FC 記憶装置MのファイルB、
FD 記憶装置MのファイルD、
S1〜S20:演算装置における火力発電機出力配分計画策定方法の実行手順。
P1 火力発電機G1の出力、
P2 火力発電機G2の出力、
PR 火力発電機G1の出力P1と火力発電機G2の出力P2と合計出力、
IOD 入出力装置、
ALU 演算装置、
M 記憶装置、
FA 記憶装置MのファイルA、
FB 記憶装置MのファイルB、
FC 記憶装置MのファイルB、
FD 記憶装置MのファイルD、
S1〜S20:演算装置における火力発電機出力配分計画策定方法の実行手順。
Claims (1)
- 火力発電設備における複数台の火力発電機の単位時間ごとの出力を、演算装置が、単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように等λ法によって、又は燃料制約および単位時間ごとの火力分担負荷を満たすように増分燃料費比による計算方法によって、各火力発電機ごとに配分する火力発電機出力配分計画自動策定方法において、前記演算装置が、以下の第1の手順〜第11の手順の処理を該第1の手順〜第11の手順の順に実行することにより前記各発電機の出力配分を自動的に行うことを特徴とする火力発電機出力配分計画自動策定方法。
第1の手順:各発電機の設備最大出力を上限制約、設備最低出力を下限制約とした事前設定に基づき、前記等λ法又は前記増分燃料費比による計算方法により出力配分結果を得る。
第2の手順:連動除外境界値以上の1つの出力バンドを連動バンド、上限値と下限値とが同じであり出力レベルが前記連動除外境界値より小さく異なる固定値である3つの出力バンドを除外バンド(1)〜(3)と定義した記憶装置内の事前設定情報を参照して、前記第1の手順で得られた各発電機の単位時間毎の出力値が前記1つの連動バンドおよび前記除外バンド(1)〜(3)のいずれに所属するか自動的に判別することにより単位時間毎の前記各発電機の連動除外バンド振分を実行する。
第3の手順:第2の手順における前記各発電機の単位時間ごとの出力バンド上限を上限制約、出力バンド下限を下限制約として上下限制約を設定する。
第4の手順:前記第2の手順および前記第3の手順で設定した連動除外バンド振分結果における各発電機出力の当該出力が所属する連動、除外の各バンド内での運転継続時間と、記憶装置に設定されている、実運転で機器制約から制約される連動、除外の各バンド内での最低限必要な運転継続時間である制約最小運転継続時間とを比較し、前記第2の手順および前記第3の手順で設定した連動除外バンド振分結果における各発電機出力の当該出力が所属する連動、除外の各バンド内での運転継続時間が、前記各発電機の連動バンドの制約最小運転継続時間、除外バンドの制約最小運転継続時間に対する違反が発生していないかどうか自動的に判別し、違反発生を自動判別すれば以下の第5の手順の処理を自動的に実行し、違反発生がないと自動判別すれば以下の第7の手順の処理を自動的に実行する。
第5の手順:連動バンドに近い除外バンドでの発電機運転継続時間が制約最小運転継続時間より不足すると自動判別すれば発電機出力を連動バンドに遷移して当該連動バンドに設定し、連動バンドから遠い除外バンドでの発電機運転継続時間が制約最小運転継続時間より不足すると自動判別すれば発電機出力を1つ上の除外バンドに遷移して当該1つ上の除外バンドに設定する。
第6の手順:前記第5の手順で設定された各発電機の単位時間ごとの出力バンド上限値を上限制約値、出力バンド下限を下限制約値として各発電機の単位時間ごとの上下限制約値を設定する。
第7の手順:前記第3の手順または前記第6の手順で設定した前記各発電機出力の単位時間ごとの上下限制約値について、単位時間ごとに全前記発電機の出力の上限制約値の合計値と前記火力発電設備が分担する火力分担負荷とを比較してその結果、当該火力分担負荷が当該合計値を、上回っていれば前記発電機の電力供給力不足と自動的に判定して以下の第8の手順の処理を自動的に実行し、単位時間ごとに全前記発電機の下限制約値の合計値と火力分担負荷とを比較してその結果、当該火力分担負荷が当該合計値を下回っていれば発電機の電力供給力余剰と自動的に判定して以下の第9の手順の処理を自動的に実行し、過不足が発生していなければ以下の第11の手順の処理を自動的に実行する。
第8の手順:出力が除外バンドに設定された前記発電機のうち連動除外境界値出力での発電コストが安価な発電機から前記電力供給力不足の解消まで順に除外バンドから連動バンドに遷移する補正を自動的に実行する。
第9の手順:出力が連動バンドに設定された前記発電機のうち連動除外境界値出力での
発電コストが高価な発電機から前記電力供給力余剰の解消まで順に連動バンドから除外バンドに遷移する補正を自動的に実行する。
第10の手順:前記第8の手順および第9の手順で補正され設定された前記各発電機の単位時間ごとの出力バンド上限値を上限制約値、出力バンド下限値を下限制約値として前記各発電機の上下限制約値を自動的に設定する。
第11の手順:前記第3の手順または前記第6の手順または前記第10の手順の処理で設定された各発電機の単位時間ごとの上下限制約値を制約条件として、再度の前記等λ法又は前記増分燃料費比による計算方法による最終的な出力配分を実行する。
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---|---|---|---|
JP2007184571A JP2009022137A (ja) | 2007-07-13 | 2007-07-13 | 火力発電機出力配分計画自動策定方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-07-13 JP JP2007184571A patent/JP2009022137A/ja active Pending
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