JP2009021100A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】セル電圧測定端子の金属端子が、燃料電池スタックから微少に漏洩した反応ガスや循環水によって酸化・腐食し、セル電圧が正確に測定できなくなるのを防ぐ。
【解決手段】電極電解質接合体105と、電極電解質接合体105を挟持する一対のセパレータ107とから成る単セルを複数積層した燃料電池スタック30であって、セパレータ107と接触する、単セルの電圧を測定するためのセル電圧測定端子9を設けるとともに、セル電圧測定端子9の乾燥手段を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】電極電解質接合体105と、電極電解質接合体105を挟持する一対のセパレータ107とから成る単セルを複数積層した燃料電池スタック30であって、セパレータ107と接触する、単セルの電圧を測定するためのセル電圧測定端子9を設けるとともに、セル電圧測定端子9の乾燥手段を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源、定置型コージェネレーションシステム等に用いる固体高分子型燃料電池を構成する燃料電池スタックであって、そのセル電圧測定端子の乾燥手段を設けた燃料電池スタックに関するものである。
燃料電池システムに用いる燃料電池スタックは、水素などの燃料ガスと空気などの酸化ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発生させるものである。このような燃料電池スタックの基本的な単セルの構成を図8に示した。
なお、水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図では符号の後にaを付し、空気などの酸化ガスの関与する側をカソードと呼び、図では符号の後にcを付した。
図8に於いて、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜201の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層を密着して配置する。さらに触媒反応層の外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた一対の拡散層をこれに密着して配置する。この拡散層と触媒反応層により電極204a,204cを構成する。
電極電解質接合体205は(以降、MEAと称する)、電極204a,204cと高分子電解質膜201とで形成している。MEA205外側には、MEA205を機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極204a,204cに水蒸気を含む反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路206a,206cをMEA205に接する面に形成した導電性セパレータ207a,207cを配置する。
導電性セパレータ207aの、MEA205とは反対の面には、隣の単セルの導電性セパレータ207cが接する。隣り合う単セルのセパレータ207a,207cが接する側には循環水通路208が備えられ、ここに循環水が流れる。この循環水はセパレータ207a,207cを介してMEA205の温度を調整するように熱を移動させる。
MEA205と導電性セパレータ207a,207cとの間には反応ガスが所定のガス流路206a,206cの外に漏れ出すのを封止するMEAガスケット210a,210cが備えられ、隣接する単セルの導電性セパレータ207a,207cの間には循環水を封止するセパレータガスケット211が備えられている。
次に、基本動作を説明する。ガス流路206cに加湿した空気などの酸化ガスを流し、ガス流路206aに加湿した水素などの燃料ガスを流す。燃料ガス中の水素は拡散層を拡散し、触媒反応層に達する。触媒反応層で水素は水素イオンと電子に分けられる。
電子は外部回路を通じてカソード側に移動される。水素イオンは高分子電解質膜201を透過しカソード側に移動し反応触媒層に達する。空気などの酸化ガス中の酸素は拡散層を拡散し、反応触媒層に達する。触媒反応層では酸素が電子と反応し酸素イオンとなり、さらに酸素イオンは水素イオンと反応し水が生成される。
つまりMEA205の周囲で酸化ガスと燃料ガスが反応し水が生成され、電子が流れる。さらに反応時に熱が生成し、MEA205の温度が上昇する。そのため循環水経路208に水などを流すことにより反応で発生した熱を水で外部に運び出す。つまり、熱と電流(電気)が発生する。
更に、燃料電池スタックを構成する各単セルが正常な状態であるかを検知する手段として、各単セルの電圧測定が行われる。そしてセル電圧を測定する具体的な構成についてセパレータにセル電圧測定端子を接触させる方法が考案されている(例えば特許文献1参照)。
図9は単セルの電圧を測定する手段の一例の電圧測定部を示す斜視図である。一対のアノード側セパレータ207aとカソード側セパレータ207cとからなるセパレータ207には、重ね合わせ部に凹部を形成することにより外部と連通するスリット212が単セルの側面に設けられている。
そしてスリット212内面を形成するセパレータ207と接触するように導電面213a,213cを互いに外側に向け、両導電面213a,213cの間に絶縁体214を設けたセル電圧測定端子215を、スリット212に挿入してセル電圧を測定するものである。
特開2004−288426号公報
しかしながら、上記従来の燃料電池スタックでは、以下のような課題があることを本発明の発明者は新たに見出した。
すなわち、MEAガスケットおよびセパレータガスケットにおいては、水蒸気を含む反応ガスおよび冷却水が所定の領域(例えば反応ガスにおいては、拡散層を覆う範囲で、ガス流路が設けられた領域)から漏れ出さないように、十分考慮して設けられるが、実際には全ての反応ガスや水蒸気を封止するには、ガスケットを挟持する部材の締結圧を大きくする必要があり、材料強度や締結構造の大型化を招くといった点から全ての反応ガスや水蒸気の封止は現実的には非常に困難であり、極少量の反応ガスや冷却水からの水蒸気は、燃料電池スタック周辺に漏れている。
この水蒸気の漏れは、MEAガスケットを乗り越え、あるいはセパレータを形成する材料の内部に潜り込んで、所定の領域から漏れ出すものであると考えられる。
そして漏洩した水蒸気は、燃料電池スタックが断熱材で覆われているため、燃料電池スタック近傍に滞留し、一部がセル電圧測定端子に接触して凝縮し、長期の凝縮水への暴露によってセル電圧測定端子の導電面が腐食もしくは酸化する場合があり、その場合、セパレータとの接触抵抗が増加し、セル電圧が正確に測定できなくなるという課題があった。
本発明の燃料電池スタックは、前記従来の課題を解決するものであり、長期間セル電圧を安定して確実に測定することができる燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池スタックは、電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟持する一対のセパレータとから成る単セルを複数積層した燃料電池スタックであって、前記セパレータと接触する、前記単セルの電圧を測定するためのセル電圧測定端子を設けるとともに、前記セル電圧測定端子の乾燥手段を設けたものである。
これにより、燃料電池スタックのセル電圧測定端子を乾燥させて、燃料電池スタックから漏れ出す水蒸気が凝縮してセル電圧測定端子を腐食させることを抑制することができる。
本発明の燃料電池スタックは、セル電圧測定端子の長期信頼性を向上させるために、燃料電池スタックの材料強度や締結構造の大型化によってシール性を向上させた結果として発生する重量やコストを増大させること無く、長期間セル電圧を安定して確実に測定することができる燃料電池スタックを提供することができる。
請求項1に記載の発明は、電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟持する一対のセパレータとから成る単セルを複数積層した燃料電池スタックであって、前記セパレータと接触する、前記単セルの電圧を測定するためのセル電圧測定端子を設けるとともに、前記セル電圧測定端子の乾燥手段を設けたものであり、セル電圧測定端子の乾燥手段によって、セル電圧測定端子が燃料電池スタックから漏れ出た水蒸気の凝縮した凝縮水と長期間接触して酸化、腐食することを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乾燥手段が、前記燃料電池スタックの前記セパレータと前記セル電圧測定端子部とが接触する部分に空気を送る送風手段としたものであり、送風手段によってセル電圧測定端子の近傍の水蒸気を、セル電圧測定端子近傍から取り去ることにより、セル電圧測定端子の酸化、腐食することを抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の発明の燃料電池スタックの外装が断熱材で覆われているものであり、燃料電池スタックで発生した熱が放熱によって回収されずに逃げるのを抑制して、燃料電池システムの排熱回収効率を向上させると同時に、断熱材によって燃料電池スタック近傍に滞留を起こしやすい水蒸気が、セル電圧測定端子で凝縮するのを防止することができるため、セル電圧測定端子の酸化、腐食することを抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の乾燥手段が、前記セル電圧測定端子に設けたヒータとしたものであり、ヒータによってセル電圧測定端子を加温し、周囲よりも高温とすることによって、水蒸気がセル電圧測定端子部で凝縮するのを防ぎ、セル電圧測定端子の酸化、腐食することを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項の発明の乾燥手段を、燃料電池スタックの起動および/または停止動作のときに作動させることにより、燃料電池スタックおよびセル電圧測定端子と周囲との温度差によってセル電圧測定端子近傍の水蒸気が凝縮するのを防止し、それ以外の時には乾燥手段を動作させないため、乾燥手段の動作による電力の消費を極力削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、従来例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明による実施の形態1における燃料電池スタックを構成する単セルの分解図である。
(実施の形態1)
図1は本発明による実施の形態1における燃料電池スタックを構成する単セルの分解図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の単セルは、一対の電極104で高分子電解質膜101を挟んで構成したMEA105と、MEA105の外周を保持し、MEA105と一体化された電気的絶縁物である樹脂から形成された枠体1を、一対のアノード側セパレータ107aとカソード側セパレータ107cとからなるカーボン製のセパレータ107a,107cで挟み込んで構成されている。
アノード側セパレータ107aおよびカソード側セパレータ107cには、外部から水素を含む燃料ガスを導入するための燃料ガス入口マニホールド2と、発電に使用されなかった燃料ガスを外部に排出するための燃料ガス出口マニホールド3と、酸素を含む酸化剤ガスを外部から導入するための酸化剤ガス入口マニホールド4と、発電に使用されなかった酸化剤ガスを外部に排出するための酸化剤ガス出口マニホールド5とが各セパレータ107a,107cの外周近傍に貫通して設けられている。
また、アノード側セパレータ107aのMEA105と接する面には、燃料ガス入口マニホールド2と燃料ガス出口マニホールド3とを結び、電極104に燃料ガスを供給するためのガス流路106aが設けられている。同様にカソード側セパレータ107cのMEA105と接する面には、酸化剤ガス入口マニホールド4と酸化剤ガス出口マニホールド5とを結び、電極104に酸化剤ガスを供給するためのガス流路106cが設けられている。
ガス流路106a,106cは、電極104に対して可能な限り均一にガスを供給するために、複数本の流路を蛇行させて形成している。なお、単セルに供給する燃料ガスおよび酸化剤ガスは、高分子電解質膜101の水素イオン伝導性を発揮させるために加湿して常に高分子電解質膜101を湿潤状態に保つようにしているが、ガス中の水蒸気が凝縮して、あるいは発電に伴って生成した水がガス流路106a,106cにたまって流路を閉塞し、ガスの流れを阻害しないように上方から導入して下方から排出されるようにガス流路106a,106cを構成している。
また、アノード側セパレータ107aとカソード側セパレータ107cとには、発電とともに発生する熱を取り去るための循環水を、アノード側セパレータ107a及びカソード側セパレータ107cそれぞれのMEA105と接する面と反対の面に形成した循環水流路108に導入,排出するための循環水入口マニホールド6と循環水出口マニホールド7が、外周近傍に貫通して設けられている。
また、MEA105の枠体1には各マニホールド2〜7に対応する位置に穴が設けられている。
アノード側セパレータ107aのMEA105と接する側には、燃料ガスが燃料ガス入口マニホールド2と燃料ガス出口マニホールド3、およびガス流路106aで構成される燃料ガス供給手段の領域から外部に漏れず、かつ酸化剤ガスと循環水とがこの面に進入しないように考慮したシール部材であるアノード側のMEAガスケット110aが設けられている。
同様に、カソード側セパレータ107cのMEA105と接する側には、酸化剤ガスが酸化剤ガス入口マニホールド4と酸化剤ガス出口マニホールド5とガス流路106cから外部に漏れず、かつ燃料ガスと循環水がこの面に浸入しないように考慮したカソード側のMEAガスケット(図示せず)が設けられている。なお、このアノード側のMEAガスケット110aは導電性のアノード側セパレータ107aとカソード側セパレータ107cとが直接接触して短絡しないようにする絶縁の役割も果たしている。
更に、セパレータ107a,107cおよび枠体1が積層された燃料電池スタックの主面を形成する端面8dには、後述のセル電圧測定端子9を挿入するための切り欠き10が設けられている。
図2は図1に示す単セルを複数積層して構成した燃料電池スタックの構成を示す斜視図であり、セル電圧測定端子および、燃料電池スタックを覆う断熱材を取外した図である。
図2に示すように、燃料電池スタック30は図1に示す単セルを複数枚積層し、両端に位置する単セルのセパレータ107a,107cと電気的に接続した集電板12を配置し、絶縁板13を介して一対のエンドプレート14で挟持したものである。
図2に示すように、燃料電池スタック30は図1に示す単セルを複数枚積層し、両端に位置する単セルのセパレータ107a,107cと電気的に接続した集電板12を配置し、絶縁板13を介して一対のエンドプレート14で挟持したものである。
なお、単セルの積層は、単セルを構成するアノード側セパレータ107aと、隣り合う単セルを構成するカソード側セパレータ107cとが電気的に接続されており、さらに、カソード側セパレータ107cに形成した循環水流路108から水が外部に漏れないように、かつ燃料ガスと酸化剤ガスとがこの循環水流路108が形成された面に侵入しないように考慮して形成したセパレータガスケット111が設けられている。
陰極側エンドプレート14aおよび陽極側エンドプレート14cには、燃料電池スタック30の陽極側となるカソード側セパレータ107cと電気的に接続された集電板12と絶縁板13を介して接する陽極側エンドプレート14cと、燃料電池スタック30の陰極側となるアノード側セパレータ107aと電気的に接続された集電板12と絶縁板13とを介して接する陰極側エンドプレート14aとがあり、陰極側エンドプレート14aには、燃料ガスを燃料電池スタック30に導入する燃料ガス入口15と、酸化剤ガスを燃料電池スタック30に導入する酸化剤ガス入口16と、冷却水を導入する循環水入口17が設けられ、それぞれ燃料ガス入口マニホールド2,酸化剤ガス入口マニホールド4,循環水入口マニホールド6と接続されている。
また、同様に、陽極側エンドプレート14cには、燃料ガスを燃料電池スタック30から排出する燃料ガス出口と、酸化剤ガスを燃料電池スタック30から排出する酸化剤ガス出口と、循環水を排出する循環水出口とが設けられ、それぞれ燃料ガス出口マニホールド3,酸化剤ガス出口マニホールド5,循環水出口マニホールド7と接続されている。
集電板12には、MEA105の中央に対応する位置に電力取り出し端子18が絶縁板13と陰極側エンドプレート14aとを貫通し、陰極側エンドプレート14aと電気的に絶縁された状態で陰極側エンドプレート14aから突出して設けられ、外部回路に接続されている。
また、陰極側エンドプレート14aと陽極側エンドプレート14cとは、締結ロッド(図示せず)によって締結され、積層した単セルのアノード側のMEAガスケット110a,カソード側のMEAガスケットおよびセパレータガスケット111に均一な締め付け圧力を与えている。
セパレータ107a,107cに設けた切り欠き10は、単セルを積層することによって溝19を形成している。そして、この溝19にはセル電圧測定端子9が挿入され、セパレータ107a,107cと接触して各単セルの電圧が測定される。なお、集電板12,絶縁板13,陰極側エンドプレート14aおよび陽極側エンドプレート14cにも、セパレータ107a,107cと同様に切り欠きが設けてある。
次に、セル電圧測定端子9について、図を用いてその構造を説明する。
図3にセル電圧測定端子の斜視図を、図4に断面図を、図5にセル電圧測定端子を燃料電池スタックに挿入した際の断面図を示す。
図3にセル電圧測定端子の斜視図を、図4に断面図を、図5にセル電圧測定端子を燃料電池スタックに挿入した際の断面図を示す。
図3,4に示すように、金属端子20はリード線21が接続された状態で、絶縁性材料で形成されたホルダー22に、外力で変形させることによって外側にバネ性を持つような形状に拘束して固定され、積層した複数の単セルの電圧を測定するのに必要な数だけ一体に積層されている。
図5に示すように、セル電圧測定端子9が燃料電池スタック30の溝19に挿入されると、金属端子20がセパレータ107a,107cに接触し、MEA105を挟む二枚のセパレータ107a,107c間の電圧差を測定することによってセル電圧を測定することができる。
さらに、溝19すなわち切り欠き10は、セル電圧測定端子9の金属端子20が、挿入した際にバネ性で少し変形する(本実施の形態1では、図5中に示す金属端子20の形状を、二点鎖線から実線まで変形させた)程度の大きさに構成することによって、金属端子20とセパレータ107a,107cとの接触信頼性を向上させることが可能である。この構成によって、セル電圧測定端子9は燃料電池スタック30の外形内に収まり、燃料電池スタック30が大型化することを抑制できる。
なお、MEA105を挟む二枚のセパレータ間を電気的に短絡させないように十分に配慮した金属端子20の幅の設計等が必要である。
さらに、燃料電池スタック30の単セルの積層方向と平行な四側面は、断熱材23で覆われているが、溝19のセル電圧測定端子9との隙間および電圧測定端子9のホルダー22のリード線21を通す部分には、図示しない送風機によって燃料電池スタック30外の空気を、一方の陰極側エンドプレート14aから他方の陽極側エンドプレート14cに向けて送れるようになっている。
以上のように構成した燃料電池スタックについて、以下その動作、作用について説明する。
燃料電池スタック30の発電時には、燃料ガス入口15から燃料電池スタック30に供給された燃料ガスは燃料ガス入口マニホールド2を介して各単セルのアノード側セパレータ107aのガス流路106aを通って電極104を構成するアノード側電極に供給される。
一方、酸化剤ガス入口16から燃料電池スタック30に供給された酸化剤ガスは酸化剤入口マニホールド4を介して、各単セルのカソード側セパレータ107cのガス流路106cを通って電極104を構成するカソード側電極に供給され、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素が電気化学反応を起こして電気と熱が発生する。
発電に伴って発生した熱は、循環水を循環水入口17から循環水入口マニホールド6を介してカソード側セパレータ107cの循環水流路108に供給し、循環水出口マニホールド7を介して循環水出口から燃料電池スタック30の外へ排出することにより、セパレータ107a,107cを介して搬出する。
アノード側のMEAガスケット110a,カソード側のMEAガスケット、およびセパレータガスケット111は、陽極側エンドプレート14cと陰極側エンドプレート14aとを締結する締結ロッドの締め付け圧力により、燃料ガスと酸化剤ガス、および循環水がそれぞれ所定の経路以外に漏れ出さないようにシール性能を発揮することができるが、完全に漏れ出るのを防ぐには、比較的強い締結力とその締結力に耐えうるエンドプレート14をはじめとする構成部材の強度、寸法の正確性などが必要となり、比較的簡素な構造と低コスト、軽重量で実現するのは困難であり、現実には極微量の漏洩が発生する。
この漏洩は、燃料ガスと酸化剤ガス、あるいは循環水が、アノード側のMEAガスケット110a,カソード側のMEAガスケットおよびセパレータガスケット111のシール面を乗り越えて発生するものと、セパレータ107a,107cやMEA105の内部を浸透して発生するものとがあると考えられる。
そしてこの漏洩した燃料ガスや酸化剤ガス中の水蒸気、あるいは循環水は、セル電圧測定端子9の金属端子20に付着すると、金属端子20を酸化させ、酸化皮膜の形成によって導電性を低下させることがある。特に燃料電池スタック30を発電させるために温度を上昇させているとき(以下、起動時と呼ぶ)、または、発電を停止させるとき(以下、停止時と呼ぶ)には、セパレータ107a,107cと金属端子20との温度差、さらには周囲の水蒸気リッチな雰囲気の露点との差によって、温度が低い個所で水蒸気が凝縮して付着しやすい。
しかしながら、本実施の形態の燃料電池スタック30では、燃料電池スタック30の発電の起動時および/または停止時に、送風機によって、紙面上左側から右側に記載した矢印で示すように、溝19に断熱材23の外部の空気を送風することによって、燃料電池スタック30の周辺で特にセル電圧測定端子9近傍の水蒸気は、燃料電池スタック30の外に排出され、セル電圧測定端子9近傍は比較的ドライな状態になるため、セル電圧測定端子9の金属端子20が酸化して導電性が低下し、セル電圧の測定が出来なくなることを抑制することが可能である。
よって、本発明の実施の形態1の燃料電池スタックでは、長期間に亘ってセル電圧測定端子が腐食や酸化することが無く、安定してセル電圧を監視することが可能である。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における燃料電池スタックのセル電圧測定端子の斜視図であり、図7は同セル電圧測定端子の断面図である。
図6は本発明の実施の形態2における燃料電池スタックのセル電圧測定端子の斜視図であり、図7は同セル電圧測定端子の断面図である。
図6および図7に示すように、本実施の形態の燃料電池スタックに用いたセル電圧測定端子は、実施の形態1で示した燃料電池スタックのセル電圧測定端子に対し、ホルダー22を貫通して絶縁材料で被服されたヒータ24が金属端子20と接するように配置されている点で異なる。
本実施の形態の燃料電池スタックでは、燃料電池スタックの起動時、および/または停止時に、ヒータ24に通電することによって金属端子20を加熱し、セル電圧測定端子9およびセパレータ107a,107cのセル電圧測定端子9が接触している近傍の温度を、周囲よりも高温にすることによって水蒸気が付着して凝縮するのを抑制することが可能である。
以上のように、本発明にかかる燃料電池スタックは、ポータブル電源、電気自動車用電源、定置型コージェネレーションシステム等に用いる燃料電池を構成する燃料電池スタックの用途に適用できる。
1 枠体
2 燃料ガス入口マニホールド
3 燃料ガス出口マニホールド
4 酸化剤ガス入口マニホールド
5 酸化剤ガス出口マニホールド
6 循環水入口マニホールド
7 循環水出口マニホールド
8d,23d,23e,23f 端面
9 セル電圧測定端子
10 切り欠き
12 集電板
13 絶縁板
14a 陰極側エンドプレート
14c 陽極側エンドプレート
15 燃料ガス入口
16 酸化剤ガス入口
17 循環水入口
18 電力取り出し端子
19 溝
20 金属端子
21 リード線
22 ホルダー
23 断熱材
24 ヒータ
30 燃料電池スタック
101 高分子電解質膜
104 電極
105 電極電解質接合体(MEA)
106a,106c ガス流路
107a,107c セパレータ
108 循環水流路
110a アノード側のMEAガスケット
111 セパレータガスケット
2 燃料ガス入口マニホールド
3 燃料ガス出口マニホールド
4 酸化剤ガス入口マニホールド
5 酸化剤ガス出口マニホールド
6 循環水入口マニホールド
7 循環水出口マニホールド
8d,23d,23e,23f 端面
9 セル電圧測定端子
10 切り欠き
12 集電板
13 絶縁板
14a 陰極側エンドプレート
14c 陽極側エンドプレート
15 燃料ガス入口
16 酸化剤ガス入口
17 循環水入口
18 電力取り出し端子
19 溝
20 金属端子
21 リード線
22 ホルダー
23 断熱材
24 ヒータ
30 燃料電池スタック
101 高分子電解質膜
104 電極
105 電極電解質接合体(MEA)
106a,106c ガス流路
107a,107c セパレータ
108 循環水流路
110a アノード側のMEAガスケット
111 セパレータガスケット
Claims (5)
- 電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟持する一対のセパレータとから成る単セルを複数積層した燃料電池スタックであって、前記セパレータと接触する、前記単セルの電圧を測定するためのセル電圧測定端子を設けるとともに、前記セル電圧測定端子の乾燥手段を設けた燃料電池スタック。
- 前記乾燥手段は、前記セパレータと前記セル電圧測定端子部とが接触する部分に空気を送る送風手段であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 外装が断熱材で覆われている請求項1または2に記載の燃料電池スタック。
- 前記乾燥手段は、前記セル電圧測定端子に設けたヒータであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記乾燥手段は、前記燃料電池スタックの発電の起動および/または停止動作のときに作動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
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JP2007182925A JP2009021100A (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 燃料電池スタック |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010010011A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池スタック |
-
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- 2007-07-12 JP JP2007182925A patent/JP2009021100A/ja active Pending
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