JP2009019519A - 流体圧縮機 - Google Patents

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久 堀内
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Abstract

【課題】逆流や漏れの影響による性能低下を防ぐ。
【解決手段】傾斜板8は、傾斜板8の下面8bと上面8dとの間を貫通しかつ吸入側空間16に連通する吸入口8eと、傾斜板8の下面8dと上面8dとの間を貫通しかつ排出側空間17に連通する排出口8fとを有している。傾斜板8の上面8dに摺接する傾斜ガイド4の接触面4aには、傾斜ガイド4の回転に伴って傾斜板8に形成された吸入口8eと排出口8fとに順次連通する流体移送空間18が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、傾斜板の動作によって液体、気体などの流体を圧縮、または移送させる圧縮機、ポンプ、真空ポンプなどの流体圧縮機に関する。
従来の技術としては、「斜板ポンプ」が開示されている(特許文献1参照)。この傾板ポンプは、図7および図8に示すように、球面26と円錐面21から形成される空間を有し、円錐面21に吸入口32および排出口27がそれぞれ形成されたハウジング20を備えている。また、この傾斜ポンプは、円錐面21に線接触する傾斜板22と、外部動力(不図示)によって回転させられ、球面26に沿った摺接運動を傾斜板22に与える傾斜ガイド23とを備えている。また、この傾斜ポンプは、円錐面21の割り溝に挿入され、傾斜板22の動作に従って摺接運動する、扇形の穴24を有する半円形の遮蔽板25を備えている。そして、この傾斜ポンプでは、傾斜ガイド23の回転による線接触部の移動に伴い、球面26、円錐面21、傾斜板22及び遮蔽板25で囲まれる空間の容積が減少する。この容積の減少に伴って、円錐面21に形成された吸入口32から入った流体が同じく円錐面21に形成された排出口27から吐き出される。
また、従来の流体圧縮機としては、「流体圧送装置」が開示されている(特許文献2参照)。この流体圧送装置は、図9に示すように、扇形の穴が設けられてない遮蔽板28が使用されており、扇形の遮蔽板28を複数枚に増やすことによって、球面26、円錐面21、傾斜板22および遮蔽板28で囲まれる空間が2室以上に構成されている。そして、空間ごとに、両端部に吸入口32および排出口27がそれぞれ形成され、各空間は、逆止弁29を介した流路30で連通されるように構成されている。
さらに、関連する従来技術が特許文献3,4に開示されている。
特公昭55−4956号公報 特開2000−87885号公報(図6) 特開2001−3876号公報 特開2004−162637号公報
圧縮機、ポンプ、真空ポンプといった流体圧縮機は、幅広い分野で用いられており、用途に応じた諸性能が必要とされている。例えば、基本的な性能として必要とされるものには、高圧縮比率や漏れが少なく安定した流量を供給できることなどが挙げられる。さらに、構造が簡単でコンパクトであることや、低騒音、低振動など周囲の環境に配慮した点も必要とされてきている。
上述した特許文献1に開示された「斜板ポンプ」の場合には、線接触部の移動に伴って、流体を取り込んだ空間容積が徐々に減少するため、吸入口や排出口に逆止弁を備えることで高い圧縮比率を得ることができる。しかし、流体を吸入して排出口へと吐き出す空間が1室のみである。そのため、例えば真空ポンプにおいては、各構成部品間にできる微少隙間から漏れた流体や排出口側から逆流した流体が、吸入口側に流れ込みやすくなるので、ポンプの到達圧力性能が低くなり、さらに、安定した性能を得られないことがある。
一方、上述した特許文献2に開示された「流体圧送装置」の場合には、流体を取り込む空間を複数にすることで、隙間からの漏れや逆流による影響を抑えることが可能となる。しかしながら、各空間の両端部に吸入口と排出口とがそれぞれ形成されている構造であるため、傾斜板と円錐面とからなる線接触部が別空間に位置するときは、吸入口と排出口とがつながり、流体が逆流してしまう。このため、各空間をつなぐ流路に逆止弁を配置する必要があり、構造の複雑化や流量の制限を招き、さらには振動や騒音を増加させる原因となる。
また、上述の特許文献3に開示された構成では、傾斜板に設けられた流路が、傾斜板と円錐体との線接触部を通過する際に、吸入側と排出側とが瞬間的に連通されてしまう問題がある。特に、この問題は流体として気体が用いられた場合に顕著である。この問題の対策として、特許文献3の構成では、円錐体の表面に、傾斜板の流路に嵌合する突起部が設けられているが、吸入側と排出側との連通を遮断することが困難である。
また、この特許文献3の構成では、傾斜板を傾斜させた状態に保持する固定傾斜ガイドの下面に、吸入口および排出口が設けられているが、これら吸入口と排出口の距離が近く、同一の面上に位置している。このため、吸入口と排出口を個別に閉じて密封する、いわゆるシール性を保つことが困難である。
さらに、特許文献3の構成は、吸入および排出を行う、傾斜板の上面と固定傾斜ガイドの下面との接触面で、シール性を保つために互いに大きな押圧力で押圧する必要がある。また、これら傾斜板の上面と固定傾斜ガイドの下面は、面同士が接触された状態で比較的高速に回転されるので、接触面での発熱や、シール材の偏摩耗が生じる不都合がある。
また、上述の特許文献4には、円板軸(背面軸)とゲート部材の外周との隙間を確保するために、ゲート部材に設けられた吸入ゲートと吐出ゲートとの間をシールする構成として、例えば磁性流体シール(不図示)を用いる構成が挙げられる。しかしながら、現実的には、この部分に磁性流体シールを使用することは、製造コスト、実用性を考慮した場合にはかなり困難である。つまり、例えば真空ポンプにおいては、千から数千程度の回転数で動作させながら、真空中への気体の漏れ量を許容範囲内に抑えてシール性能を維持する必要があるので、使用できる磁性流体も制限されるためである。また、シールを用いずに、隙間だけで管理する場合には、吐出側から吸入側に対して漏れが多く発生する可能性が高い不都合がある。
そこで本発明は、逆流や漏れの影響による性能低下を防ぐことができる流体圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の流体圧縮機は、球状空間と、該球状空間の中心を頂点とする円錐面とを有し、流体を吸入する吸入用の流路と流体を排出する排出用の流路とがそれぞれ前記円錐面に開口したハウジングと、前記球状空間の球面に摺接する周壁と、前記円錐面に線接触する下面とを有する傾斜板と、回転駆動されることで、前記傾斜板の前記円錐面との線接触部を、前記円錐面の前記頂点を中心として前記円錐面の円周方向に移動させるように、前記傾斜板を前記球状空間の前記球面に沿って摺接させる傾斜ガイドと、前記円錐面に形成された割り溝の中に挿入され、前記ハウジング内の前記球面と前記円錐面と前記傾斜板の前記下面とで形成される空間を吸入側空間と排出側空間との2つの空間に仕切り、かつ前記傾斜板の回転を規制するとともに前記傾斜板が前記球面に沿って摺接可能となるように前記下面を支持する支持部を備えた遮蔽板と、を備えた流体圧縮機において、前記傾斜板は、前記傾斜板の前記下面と上面との間を貫通しかつ前記吸入側空間に連通する吸入口と、前記傾斜板の前記下面と上面との間を貫通しかつ前記排出側空間に連通する排出口とを有し、前記傾斜板の前記上面に摺接する前記傾斜ガイドの接触面には、前記傾斜ガイドの回転に伴って前記傾斜板に形成された前記吸入口と前記排出口とに順次連通する流体移送空間が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、逆流や漏れの影響による性能低下を防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施形態に係る流体圧縮機の断面図、図2は図1に示した流体圧縮機を中心軸周りに90°ずらした位置から見た断面図、図3は図1に示した流体圧縮機の分解概略図である。
図1〜図3に示すように、ハウジング1は、上部ハウジング2と下部ハウジング3とで構成されている。上部ハウジング2は、半球面2aと軸受14の収容部2bとが形成され、傾斜ガイド4の軸部13が通る円筒穴2cが貫通している。下部ハウジング3は、上部ハウジング2の半球面2aと同じ径の半球面3aと円錐面3bとが形成されている。円錐面3bには、半球3aと同じ半径で、かつ同じ球面の底部を有する割り溝10が形成され、さらに外部から流体を取り込む吸入用の流路5及び外部へ流体を吐き出す排出用の流路6が割り溝10を挟み込む位置に設けられている。なお、これらの流路5,6は、下部ハウジング3の半球面3a上に配置してもよい。上部ハウジング2と下部ハウジング3とを組み合わせることにより、半球面2a,3aと円錐面3bとによって球状空間が形成される。下部ハウジング3の円錐面3bの頂点は、この球状空間の中心7と一致するようになっている。上部ハウジング2と下部ハウジング3との接触面1aは、シール溝やシール面(不図示)などを設け、O−リングやガスケット(不図示)などのシール部材を挿入して締結部品(不図示)で締め付けてシール性を確保すればよい。
ハウジング1の球状空間には、傾斜板8が組み込まれている。傾斜板8の周壁8aは、ハウジング1の球状空間に摺接する球面であり、球空間のシール性を保つようになっている。また、傾斜板8の下面8bはハウジング1の球径と一致する円形に形成されており、下部ハウジング3の円錐面3bと線接触するようになっている。
さらに、傾斜板8の下面8bには傾斜板8の中心を通るR溝8cが形成されている。R溝8cは、遮蔽板9の上部の支持部であるR部9aに対して摺接可能に係合する。R部9aはR溝8cに係合して傾斜板8の下面8bを支持する。遮蔽板9は、下部ハウジング3の割り溝10の中に挿入される。遮蔽板9は、ハウジング内の球面と円錐面3b及び傾斜板8の下面8bとで形成される空間を吸入側空間16と排出側空間17との2つの空間に仕切る。遮蔽板9は、割り溝10の側面の平面10a及び割り溝10の底部の球面10bに摺接可能な板厚及び半径を有しており、取り込まれた流体がそれらの隙間から漏れることがないようになっている。なお、遮蔽板9の上部のR部9aは図3に示すように球状空間の中心7と一致する円形でもよく、この場合は、割り溝10の平面10aと円錐面3bとの境界部を円形部と干渉しないようにR面11にする必要がある。
あるいは、図4に示すように、遮蔽板9の上部のR部9aは単なる半円状でもよい。この場合は、傾斜板8のR溝8cと下面8bとの境界部を面取り形状12にするなどして、遮蔽板9の側面9bに対して傾斜板8が傾いた際に遮蔽板9の側面9bと上記境界部とが干渉しないようにする必要がある。
さらにシール性を向上させるために、図1に示すように、球状空間の中心7に球体31を配置してもよい。その場合は、球体31が中心7の位置を保持できるように、球体31の球面と一致する球面を傾斜板8の下面8b、円錐面3b及び遮蔽板9の上部のR部9aに形成する必要がある。なお、球体31に遮蔽板9の板厚に合わせた溝を形成してこれに遮蔽板9を挿入してもよく、あるいは、傾斜板8の下面8bの中心や遮蔽板9の上部のR部に球体31を一体構造にして設けてもよい。これにより、円錐面3b、傾斜板8及び遮蔽板9と球体31とが面接触することとなるため、傾斜板8及び遮蔽板9が摺動する際に発生する部品間の隙間を極力抑え、シール性を向上させることができる。
ここで、傾斜板8の周壁8a及びR溝8c、遮蔽板9、割り溝10は、流体を封止状態で移動させるために互いに摺接してシール性を保つ必要がある。そのため、それらには平滑であり、耐磨耗性、耐熱性に優れる素材や表面処理を施したものを使用することが好ましい。
上部ハウジング2の円筒穴2cには傾斜ガイド4が挿入される。傾斜ガイド4は、傾斜板8の上面8dと面接触して、傾斜板8を円錐面3bに押し付ける役割をしている。このため、傾斜ガイド4の接触面4aの傾きは、下部ハウジング3の円錐面3bの傾きと一致するようになっている。また、図1〜図3に示す構成では、傾斜ガイド4と軸部13とが一体になっている。そして、ハウジング1内の球の中心7が軸の中心線13a上に位置し、軸部13と上部ケーシング2との間には軸受14が設置され、傾斜ガイド4が外部動力(不図示)によって中心線13aを中心として回転する構造になっている。
したがって、傾斜ガイド4が外部動力によって回転駆動されると、傾斜ガイド4の接触面4aの傾きに沿って傾斜板8が移動する。そのため、傾斜板8と下部ハウジング3の円錐面3bとの線接触部15(図5,6を参照)は、球の中心7を軸として回転運動とともに移動する。言い換えれば、線接触部15は、円錐面3bの頂点を中心として円錐面8bの円周方向に移動する。この時、傾斜板8は、遮蔽板の上部9aと係合しているため回転が規制されており、傾斜ガイド4の回転とともに回転することはなく、接触面4a,8dが摺接しながら傾斜板8の傾きのみが変化することとなる。また、傾斜板8の傾きの変化に伴って、遮蔽板9は、球の中心7を軸として割り溝10内を上下方向に摺接しながら揺動する。線接触部15と遮蔽板9とが同一線上に重なった時に、遮蔽板9の線接触部15側の部分は下死点に達して割り溝10内に入り込み、遮蔽板9の反対側の部分は上死点に達して遮蔽板9の側面9bの露出が最大となる。遮蔽板9が上死点あるいは下死点に達したとき、ハウジング1内の吸入側空間16と排出側空間17の2室は、下死点側の遮蔽板9と一致する線接触部15と、傾斜板8の下面8bと、上死点側の遮蔽板9の側面9bとに囲まれた空間となる。ここから軸13が回転を始めると、線接触部15が移動して、遮蔽板9の上死点側と下死点側とが逆転する方向に遮蔽板9が揺動させられ、上記空間の容積は徐々に減少して最終的にはゼロとなる。
ここで、図3に示すように、傾斜板8には、吸入側空間16に連通する吸入口8eと、排出側空間17に連通する排出口8fとが形成されている。吸入用の流路5から吸入側空間16に入った流体は、線接触部15の移動とともに、吸入空間側16に連通する傾斜板8の吸入口8e内に押し込まれていく。また、軸13とともに回転する傾斜ガイド4の接触面4aの部分には流体移送空間18が形成されている。流体移送空間18は、傾斜ガイド4の回転に伴って傾斜板8に形成された吸入口8eと排出口8fとに順次連通する。流体移送空間18は、線接触部15が吸入空間側16に連通する吸入口8eに近づいて流体が傾斜板8の吸入口8e内に押し込まれたところで、吸入口8eと連通するように配置されている。流体移送空間18が吸入口8eに連通する位置に達すると、流体は流体移送空間18内に流れ込み、その後、傾斜ガイド4が更に回転して吸入口8eと流体移送空間18との連通は遮断される。この時、線接触部15が遮蔽板9上に達するため、吸入側空間16の体積はゼロとなる。流体を受け取った流体移送空間18は、傾斜ガイド4の更なる回転に伴って、排出側空間17に連通する排出口8fに連通する。すると、流体移送空間18内の流体は排出口8fを通って排出側空間17へと流れる。流体移送空間18は、傾斜ガイド4の更なる回転に伴ってそのまま回転を続けて、排出側空間の排出口8fとの連通が遮断される。排出側空間17内に入った流体は、線接触部15の更なる移動によって再び押し込まれて、排出側空間17に形成された排出用流路6から押し出される。線接触部15が遮蔽板9上に達すると、排出側空間17の体積はゼロとなる。なお、流体移送空間18が形成された傾斜ガイド4の接触面4aは、高速で回転する際に傾斜板8の接触面8dとの間でシール性を保つ必要がある。そのため、傾斜ガイド4の接触面4aは、耐磨耗性、耐熱性、シール性に優れた樹脂素材やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などによる表面処理を施すとよい。また、傾斜ガイド4と上部ハウジング2との間にバネ(不図示)などを組み込み、接触面4a,8dに常に一定の力が加わるようにしてシール性を保持してもよい。
上述した本実施形態の流体圧縮機の動作について、図5を参照して説明する。
図5(1)に示す状態では、傾斜板8と円錐面3bとの線接触部15が0°の位置にあり、遮蔽板9と同一線上に位置している。このとき、遮蔽板9の図示左側の部分が下死点に位置し、遮蔽板9の図示右側の部分が上死点に位置している。また、ハウジング1の吸入流路5は図の下側に位置する吸入側空間16に連通しており、流体が吸入流路5から吸入側空間16内に入り込んでいる。この状態から軸13が回転させられると、線接触部15が本図の場合では反時計回りに移動し始め、吸入側空間16内に入り込んだ流体を徐々に押し込んでいく。
図5(2)は、線接触部15が45°の位置に移動した状態を示している。このときには、傾斜板8の吸入側空間16の吸入口8eと傾斜ガイド4の流体移送空間18とはまだ連通していないので、流体は遮蔽板9の方向へとさらに押し込まれていく。
図5(3)は、線接触部15が90°の位置に移動した状態を示している。このとき、傾斜板8の吸入側空間16の吸入口8eと傾斜ガイド4の流体移送空間18とが連通し、押し込まれていた流体が吸入口8eを通って流体移送空間18に入っていく。
図5(4)は、線接触部15が135°の位置に移動した状態を示している。線接触部15の更なる移動に伴って、流体が流体移送空間18内にさらに流入する。
図5(5)は、線接触部15が180°の位置に移動した状態を示している。このとき線接触部15は再び遮蔽板9と同一線上に配置され、今度は、遮蔽板9の図示右側の部分が下死点に位置し、遮蔽板9の図示左側の部分が上死点に位置している。さらに、流体移送空間18は、排出側空間17に繋がる傾斜板8の排出口8fに連通し、流体移送空間18内の流体が排出口8fを通って排出側空間17に放出される。ここで、ハウジング1の排出流路6と流体移送空間18とが繋がった状態となるので、流体移送空間18への流体の逆流を防ぐためには、排出流路6に逆止弁を設けるとよい。
図5(6)は、線接触部15が225°の位置に移動した状態を示している。このとき、排出口8fを通じた流体移送空間18から排出側空間17への流体の放出は、引き続き行われている。
図5(7)は、線接触部15が270°の位置に移動した状態を示している。このとき、流体移送空間18と傾斜板8の排出口8fとの連通が遮断され、排出側空間17内に放出された流体は、排出流路6内へと押し込まれていく。
図5(8)に示すように線接触部15がさらに移動するのに伴って、排出側空間17内の流体は排出流路6内へとさらに押し込まれていく。
最後に、図5(9)に示すように線接触部15が0°の位置に戻ったところで、排出側空間17の容積はゼロとなる。
上述したように、本実施形態の流体圧縮機は、流体を取り込む空間を遮蔽板9によって吸入側空間16と排出側空間17との2室に分ける構成を有しており、この構成により、逆流や漏れによる性能低下を防ぐことが可能となっている。さらに、本実施形態では、回転運動により移動する傾斜ガイド4の下面に設けた流体移送空間18が、傾斜板8の吸入側空間16側に位置する流路3eと排出側空間17側に位置する排出口8fとの両方に同時接続されないように配置されている。これにより、吸入側空間16と排出側空間17との間に生じうる流体の逆流を、それらの室16,17の間に逆止弁を設置しなくても防ぐことが可能になっている。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る流体圧縮機の構成及び動作を示す図である。
本実施形態の流体圧縮機は、傾斜板8に形成された排出側空間17に連通する排出口8fの構成が第1の実施形態と相違し、その他の構成は図1〜図3等に示した第1の実施形態の流体圧縮機と同じである。
本実施形態では、排出口8fの入口19aが傾斜板8の上面8d側に開口し、排出口8fが傾斜板8の内部を通って、排出口8fの出口19bが傾斜板8の下面8b側に開口している。排出口8fの入口19aは、図6に示す方向から見たとき、排出流路6のほぼ真上に位置している。一方、排出口8fの出口19bは、遮蔽板9を間において、傾斜板8の吸入側空間への吸入口8eにほぼ隣接している。
本実施形態の流体圧縮機の動作について、図6を参照して説明する。
図6(1)〜(4)までは図5(1)〜(4)と同様に動作する。すなわち、吸入流路5から吸入側空間16内に入り込んだ流体は、軸13が回転させられて線接触部15が反時計回りに移動するのに伴って吸入側空間16内に徐々に押し込まれ、吸入口8eを通って流体移送空間18内に流入する。
図6(5)及び図6(6)は、それぞれ、線接触部15が180°,225°の位置に移動した状態を示している。流体移送空間18は、内部に流体を閉じ込めたままの状態で、傾斜板8上を移動していく。
図6(7)は、線接触部15が270°の位置に移動した状態を示している。このとき、流体移送空間18は傾斜板8の排出口8fに連通し、流体移送空間18内に閉じ込められていた流体は入口19aから排出口8f内に流入し、排出側空間17の線接触部15よりも図示右側の空間内に出口19bから放出される。本実施形態の構成では、このとき、傾斜板8の流路出口19bとハウジング1の排出流路6との間は線接触部15で仕切られる。そのため、流体移送空間18とハウジング1の排出流路6とが連通することがないので、排出流路6から流体移送空間18に流体が逆流することはない。したがって、本実施形態では、第1の実施形態では設置することが好ましいと述べた逆止弁を排出流路6に設置する必要はない。
図6(8)に示すように線接触部15がさらに移動するのに伴って、排出側空間17の線接触部15よりも図示右側の空間内へ流体がさらに流入する。
そして、図6(9)に示すように線接触部15が1周して、線接触部15が再び0°の位置に移動したところで、流体が流入した排気側空間17と排出流路6とが連通状態となる。
線接触部15は図6(9)〜(13)に示すように0°の位置から180°の位置へさらに移動するが、このときは、排出流路6内への流体の強制的な移動は行われない。
そして、線接触部15が図6(13)に示す180°の位置から図6(17)に示す0°の位置へ移動する際に、排気側空間17内の流体が排出流路6内へ強制的に押し込まれていく。線接触部15が図6(17)に示す0°の位置に戻ったところで、排出側空間17の容積はゼロとなり、排出側空間17からの流体の放出が完了する。
上述したように、本実施形態の流体圧縮機は、傾斜ガイド4の流体移送空間18が傾斜板8の排出側空間17への排出口8fの入口19aに連通したときに、線接触部15が排出口8fの出口19bとハウジング1の排出流路6との間に位置するようになっている。そのため、排出側空間17は線接触部15によって仕切られ、流体移送空間18が排出流路6に連通することはない。したがって、排出流路6から流体移送空間18へ流体が逆流してくることがないので、ハウジング1の排出流路6に逆止弁を設ける必要を無くすことができる。
なお、本実施形態の流体圧縮機も、流体を取り込む空間を遮蔽板9によって吸入側空間16と排出側空間17との2室に分ける構成を有しているので、逆流や漏れによる性能低下を防ぐことが可能である。
本発明の一実施形態に係る流体圧縮機の断面図である。 図1に示した流体圧縮機を中心軸周りに90°ずらした位置から見た断面図である。 図1に示した流体圧縮機の分解概略図である。 遮蔽板の上部の半円状のR部と、傾斜板のR溝と下面との境界部に形成された面取り部とを拡大して示す図である。 第1の実施形態の流体圧縮機の動作を示す図である。 第2の実施形態の流体圧縮機の構成及び動作を示す図である。 従来の斜板ポンプを示す概略断面図である。 従来の斜板ポンプを、図7に示した方向に対して傾斜ガイドの軸周りに90度ずらした位置から見た断面図である。 従来の流体圧送装置を上方から見た概略図である。
符号の説明
1 ハウジング
1a,4a 接触面
2 上部ハウジング
2a,3a 半球面
2b 収容部
2c 円筒穴
3 下部ハウジング
3b 円錐面
4 傾斜ガイド
5 吸入用流路
6 排出用流路
7 球の中心
8 傾斜板
8a 周壁
8b 下面
8c R溝
8d 上面
8e 吸入口
8f 排出口
9 遮蔽板
9a R部
9b 側面
10 割り溝
10a 平面
10b 球面
11 R面
12 面取り部
13 軸部
13a 中心線
14 軸受
15 線接触部
16 吸入側空間
17 排出側空間
18 流体移送空間
19a 入口
19b 出口

Claims (4)

  1. 球状空間と、該球状空間の中心を頂点とする円錐面とを有し、流体を吸入する吸入用の流路と流体を排出する排出用の流路とがそれぞれ前記円錐面に開口したハウジングと、
    前記球状空間の球面に摺接する周壁と、前記円錐面に線接触する下面とを有する傾斜板と、
    回転駆動されることで、前記傾斜板の前記円錐面との線接触部を、前記円錐面の前記頂点を中心として前記円錐面の円周方向に移動させるように、前記傾斜板を前記球状空間の前記球面に沿って摺接させる傾斜ガイドと、
    前記円錐面に形成された割り溝の中に挿入され、前記ハウジング内の前記球面と前記円錐面と前記傾斜板の前記下面とで形成される空間を吸入側空間と排出側空間との2つの空間に仕切り、かつ前記傾斜板の回転を規制するとともに前記傾斜板が前記球面に沿って摺接可能となるように前記下面を支持する支持部を備えた遮蔽板と、
    を備えた流体圧縮機において、
    前記傾斜板は、前記傾斜板の前記下面と上面との間を貫通しかつ前記吸入側空間に連通する吸入口と、前記傾斜板の前記下面と上面との間を貫通しかつ前記排出側空間に連通する排出口とを有し、
    前記傾斜板の前記上面に摺接する前記傾斜ガイドの接触面には、前記傾斜ガイドの回転に伴って前記傾斜板に形成された前記吸入口と前記排出口とに順次連通する流体移送空間が形成されていることを特徴とする流体圧縮機。
  2. 前記傾斜板の前記下面に溝が形成されており、前記支持部は前記溝に係合している、請求項1に記載の流体圧縮機。
  3. 前記傾斜板の前記排出口は、前記傾斜板の前記上面に開口した入口と前記傾斜板の前記下面に開口した出口とを有しており、
    前記入口及び前記出口は、それぞれ、前記流体移送空間が前記入口に連通したときに、前記線接触部が前記出口と前記排出用の流路との間に位置するように配置されている、請求項1または2に記載の流体圧縮機。
  4. 前記球状空間の中心に球体が配置され、前記傾斜板、前記遮蔽板及び前記円錐面には前記球体の球面と一致する球面が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の流体圧縮機。
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WO2019001288A1 (zh) * 2017-06-30 2019-01-03 倪春堂 一种油气混输泵

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