JP2009018966A - コンクリート混和剤及びコンクリート構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コンクリート中に形成された多様な漏水経路を適切に封鎖して、漏水を防止することが可能なコンクリート混和剤及びコンクリート構造物を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンクリート混和剤10は、カプセル14と、このカプセル14に内包される止水剤12とからなり、カプセル14は、コンクリートの硬化後に止水剤12を放出するようにコンクリート内部で溶解し、止水剤12は、硬化したコンクリートの内部に生じた空隙22〜28内の水と接触することにより、空隙22〜28の周囲のコンクリートにひび割れを生じさせない程度に膨張する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート混和剤及びコンクリート構造物に係り、特にコンクリートの水密性を向上させ、漏水を防止する技術に関する。
従来より、コンクリートに発生したひび割れ、骨材や鉄筋下面に停留したブリージング水によって生じた隙間、又は地中連続壁のエレメント間の継ぎ目等を経路とする漏水を防止するべく、止水剤を内包するカプセルをコンクリート材料に予め混和しておき、所定のタイミングで止水剤をカプセルから放出させることにより、かかる経路を封鎖して漏水を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1又は2)。
特許文献1には、カプセルに内包する止水剤として、セメント結晶を生成する化合物や、セメント結晶の生成を促進させる触媒を用いたコンクリート混和剤が開示されている。これは、カプセルから放出された止水剤によって、コンクリート中の空隙内でセメント結晶が生成され、空隙周辺のコンクリートと一体化することにより空隙を封鎖して、漏水を防止するものである。
また、特許文献2には、カプセルの材料として、コンクリートと良好な付着性を有し、ひび割れに追従して割れ易い軽量骨材等の保持体を使用することにより、コンクリート構造物内にひび割れが発生した際に、そのひび割れと一緒にカプセルが割れて、内部から流れ出た止水剤がひび割れを封鎖するコンクリート混和剤が開示されている。
特開2006−321685号公報 特開2000−145158号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるコンクリート混和剤では、例えば、空隙の体積以上にセメント結晶が生成されて空隙周辺のコンクリートを圧迫したり、セメント結晶の生成する際に発生する水和熱によって、空隙周辺のコンクリートが膨張したりすることにより、空隙周辺のコンクリートに逆にひび割れを発生させてしまったり、或いは空隙がひび割れによるものである場合にそのひび割れの成長を助長してしまったりして、漏水を悪化させてしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載されるコンクリート混和剤では、コンクリートの硬化後に発生するコンクリート構造物内のひび割れの発生にともなってカプセルが割れることにより、その内部から止水剤が流れ出して止水する構成となっているが、地中連続壁のエレメント間の継ぎ目、又はブリージング水による隙間等の漏水経路については、カプセルが割れることはないので内部の止水剤が放出されず、止水効果が得られない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、コンクリート中に形成された多様な漏水経路を適切に封鎖して、漏水を防止することが可能なコンクリート混和剤及びコンクリート構造物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、コンクリートの止水性を向上させるべく、前記コンクリートに混入して用いられるコンクリート混和剤であって、
カプセルと、このカプセルに内包される止水剤とからなり、
前記カプセルは、前記コンクリートの硬化後に前記止水剤を放出するように前記コンクリートの内部で溶解し、
前記止水剤は、硬化した前記コンクリートの内部に生じた空隙内の水と接触することにより、前記空隙の周囲のコンクリートにひび割れを生じさせない程度に膨張することを特徴とする(第1の発明)。
本発明のコンクリート混和剤によれば、カプセルは、コンクリートの硬化後に止水剤を放出するようにコンクリート内部で溶解することにより、止水剤は硬化後のコンクリート内に必ず放出されるので、特許文献2に記載されるコンクリート混和剤のようなひび割れによる漏水経路を封鎖するだけでなく、地中連続壁のエレメント間の継ぎ目、又はブリージング水による隙間等の、ひび割れ以外の要因で形成される漏水経路についても、カプセルがその漏水経路に位置していれば、放出された止水剤により封鎖がなされるので、効果的に漏水を防止することができる。
また、止水剤は、硬化したコンクリートの内部に生じた空隙内の水と接触することにより、空隙の周囲のコンクリートにひび割れを生じさせない程度に膨張するので、漏水を悪化させることなく、適切に空隙の封鎖処置を行って漏水を防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記止水剤は、水と反応して発泡するウレタン系材料であることを特徴とする。
本発明のコンクリート混和剤によれば、ウレタン系材料は、コンクリート中の空隙内で、水と反応して発泡し、空隙周辺のコンクリートにひび割れを生じさせることなく膨張して、不透水性を有する物体となって空隙内を封鎖し、漏水を防止するので、第1の発明に記載の止水剤として、その機能が適う。その上、水と反応する際の水和熱も、空隙の周囲のコンクリートが熱膨張してひび割れを生じるほど発生しないので、漏水を悪化させることなく、適切に空隙の封鎖処置を行って漏水を防止することができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記カプセルは、アルカリ溶液との接触により溶解する分解性ポリマからなることを特徴とする。
本発明のコンクリート混和剤によれば、コンクリート材料であるセメントはアルカリ性を示すので、カプセルはコンクリート材料に混入されると、外側から徐々に溶解していき、厚み全体が溶解すると内部の止水剤が放出され、その際、カプセルの厚さ全体が溶解する時間は、カプセルの厚さが大きいほど長くなる。したがって、カプセルが、コンクリート材料に混入されてから止水剤を外部へ放出するまでの時間を、カプセルの厚みを変更することによって制御することができる。
第4の発明は、第3の発明において、前記分解性ポリマとして、ポリ乳酸、又はポリ乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマを用いたことを特徴とする。
第5の発明は、第3又は4の発明において、前記カプセルは、前記止水剤を放出する程度に溶解するタイミングが、前記コンクリートの硬化後となるような厚みを有することを特徴とする。
第6の発明は、第1〜5の発明うち何れかに記載のコンクリート混和剤が混入されたコンクリートにより構築されたことを特徴とする。
本発明によれば、コンクリート中に形成された多様な漏水経路を適切に封鎖して、漏水を防止することが可能なコンクリート混和剤及びコンクリート構造物を提供できる。
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るコンクリート混和剤10の拡大断面図である。
図1に示すように、コンクリート混和剤10は、止水剤12と、その止水剤12を内包するカプセル14とからなる。
止水剤12としては、例えば、一液型の発泡ウレタンを用いる。一液型の発泡ウレタンは、水と反応して発泡することにより体積が増加し、所定時間後に不透水性を有する硬化体となる。一液型の発泡ウレタンには、疎水性又は親水性があるが、硬化後の体積減少が少ない疎水性のものを使用することが好ましい。一液型の発泡ウレタンとしては、具体的には、茶谷産業株式会社が販売する「TAP−2001」(商品名)を用いることができる。
図2は、止水剤「TAP−2001」の性状表である。図2の表に示すように、止水剤「TAP−2001」は、有機イソシアネート系プレポリマ及びMDI(ジフェニルメタンイソシアネート)を主成分とし、水と反応することにより8〜14倍の発泡倍率で膨張し、6〜15分後に硬化する。また、この時の水和熱は、反応開始温度を20℃とした場合に40℃まで上昇する程度である。この程度の水和熱であれば、コンクリート内で発生しても周囲のコンクリートを熱膨張させてひび割れを生じさせることはない。
図3は、止水剤「TAP−2001」の水との反応における発泡圧の時間変化を示すグラフである。図3に示すように、止水剤「TAP−2001」の発泡圧は、反応開始から上昇していき、90分程度でその値はほぼ一定の値(約3.2kg/cm)になる。これに対し、例えば、地中連続壁に用いられるコンクリートの圧縮強度は、300kg/cm程度である。したがって、この程度の発泡圧であれば、コンクリート内で発泡が生じてもひび割れが生じることは少ない。また、硬化後の止水剤「TAP-2001」は粘弾性を有することから、硬化後に漏水経路がある程度変形してもその変形に追従することができるので、止水性を維持することができる。
カプセル14の材料としては、アルカリ溶液との接触により溶解する分解性ポリマが用いられる。分解性ポリマは、例えば、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、或いは3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸とのコポリマ、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−ε−カプロラクトン、または、これらのコポリマ等である。これらのうち、特に、分子量、粘度、流動性等のポリマ物性の制御が容易なポリ乳酸、または、ポリ乳酸と他のヒドロキシカルボン酸のコポリマ(以下、ポリ乳酸系ポリマという)を用いることが好ましい。ポリ乳酸系ポリマとして用いられるその他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシ吉草酸等があげられる。
ところで、一般にセメントはアルカリ性を示すので、上記材料で構成されるカプセル14はコンクリート材料に混入されると、外側から徐々に溶解していき、厚み全体が溶解すると、内部の止水剤12が放出される。その際、カプセル14の厚さ全体が溶解する時間は、カプセル14の厚さが大きいほど長くなる。したがって、カプセル14が止水剤12を外部に放出させるタイミングは、カプセル14の厚みを変更することによって制御することができる。本実施形態では、このタイミングがコンクリートの硬化後となるようにカプセル14の厚みを設定する。厚みの設定に際しては、コンクリート材料の種類によって硬化時間が異なったり、コンクリート材料のアルカリ度によってカプセル14の溶解速度が異なったりするので、これらの要因を勘案する。
また、カプセル14の大きさは、特に限定するものではないが、コンクリート構造物中に適度に分散されるように、例えば、直径1mm〜1.5cmのものを用いる。
なお、上記構成を有するカプセル14は、医薬品や食品等の製造分野におけるマイクロカプセルに関する一般的な技術(例えば、特開平7―32425に開示されるマイクロカプセルの製造方法)によって充分に製造可能であり、またカプセル14内への止水剤12の充填も容易に実施できることはいうまでもない。
次に、上記構成を有するコンクリート混和剤10を、例えば、地中連続壁のコンクリートに用いたときの、コンクリート混和剤10が漏水を防止する作用について説明する。
図4は、地中連続壁20の伸延方向に直交する縦断面図であり、コンクリート打設時の状態を示す。
図4に示すように、コンクリート打設時には、コンクリート混和剤10は、カプセル14が止水剤12を内包している状態(止水剤12は未放出の状態)でコンクリート材料内に分散している。カプセル14は、コンクリート材料が固まっていくのと並行して、コンクリート材料と接触する外側表面から徐々に溶解していく。
図5は、コンクリートが硬化した状態を示し、同図(a)は地中連続壁20の延伸方向の縦断面図、同図(b)は同図(a)のエレメント間の継ぎ目22を横切るA−A縦断面図、同図(c)は同図(a)の鉄筋32を横切るB−B縦断面図である。
図5に示すように、コンクリートが硬化した時点(例えば、コンクリート打設から3週間程度後)では、カプセル殻の一部又は全部が溶解により消失し、カプセル14に内包されていた止水剤12が放出される。この時、止水剤12は、その周囲の硬化したコンクリートに閉じ込められてその位置に留まるだけでなく、コンクリート混和剤10が、例えばエレメント間の継ぎ目22(同図(a)及び同図(b)参照)、コンクリート硬化後に生じたひび割れ28、又は鉄筋32下面に停留したブリージング水等によって生じた隙間26(同図(c)参照)などの空隙に存在する場合には、それらの空隙にも流入していく。
図6は、構築した地中連続壁20の片側地盤を根伐りした状態を示し、同図(a)は図5(a)のA−A縦断面図、同図(b)は図5(a)のB−B縦断面図である。
図6に示すように、地中連続壁20の片側地盤を根伐する時では、地中連続壁20に地山側から根伐側の方向に地下水圧が作用する。このため、地中連続壁20内に、上述したコンクリートの硬化過程で形成された空隙22〜28により、地山側から根伐側へ地下水の流通経路が形成されると、地中連続壁20に漏水が発生することになる。しかしながら、かかる経路に止水剤12が放出されていると、その地下水と止水剤12とが反応して、止水剤12が発泡し膨張してその経路を封鎖する。これにより、地中連続壁20に生じる漏水を防止することができる。
以上説明したように本実施形態のコンクリート混和剤10によれば、カプセル14と、このカプセル14に内包される止水剤12とからなり、カプセル14は、コンクリートの硬化後に止水剤12を放出するようにコンクリート内部で溶解することにより、止水剤12は硬化後のコンクリート内に必ず放出されるので、上述した特許文献2に記載されるコンクリート混和剤のようなひび割れ28による漏水経路を封鎖するだけでなく、地中連続壁の20エレメント間の継ぎ目22、又はブリージング水等によって生じた隙間26等の、ひび割れ28以外の要因で形成される空隙22〜26についても、カプセル14がその空隙22〜26に位置していれば、放出された止水剤12により封鎖がなされるので、効果的に漏水を防止することができる。
また、止水剤12は、一液型の発泡ウレタンであることにより、硬化したコンクリートの内部に生じた空隙22〜28内の水と接触して、空隙22〜28の周囲のコンクリートにひび割れを生じさせない程度に膨張して、不透水性を有する物体となるので、漏水を悪化させることなく、適切に空隙22〜28内の封鎖処置を行い、漏水を防止することができる。
また、水と反応する際の水和熱も、空隙の周囲のコンクリートが熱膨張してひび割れを生じるほど発生しないので、同様に漏水を悪化させることはない。
また、本実施形態の地中連続壁20によれば、漏水対策がなされていることから、従来施工されてきたような地中連続壁20に重ね合わせて別途本体を構築する必要はなく、地中連続壁20を本体構造物の壁等として利用できるので、施工の手間及びコストを軽減できる。
なお、本実施形態では、コンクリート混和剤10を構成する止水剤12として、一液型の発泡ウレタンを用いることとしたが、これに限らず、二液型を用いてもよい。この場合、例えば、内部に互いに隔離された2つの部屋を有するカプセル14を使用し、発泡ウレタンの原料である二液を夫々の部屋に充填する。このようなコンクリート混和剤10を用いることにより、硬化したコンクリート内にてカプセル14が溶解後、これら二液が漏水経路である空隙22〜28に放出され、混合することにより発泡反応がなされ、漏水経路が封鎖されて漏水の補修がなされる。また、止水剤12としては、発泡ウレタンに限らず、水を吸収後膨潤してゲル状となり、漏水経路を封鎖するような高分子吸収体を用いてもよい。
また、本実施形態に係るコンクリート混和剤10では、カプセル14の構成材料として、アルカリ溶液との接触により溶解する分解性ポリマを用いたが、これに限らず、コンクリート材料が硬化後に、水との接触又は熱によって溶解若しくは消失する素材を用いてもよい。
また、本実施形態では、コンクリート混和剤10を地中連続壁20に適用したが、これに限らず、漏水発生の可能性のあるコンクリート構造物であれば、どのようなコンクリート構造物に適用してもよい。
次に、本実施形態のコンクリート混和剤10を配合することで、コンクリート内に生じたき裂等による漏水を防止することが可能であるかどうかの数値的検討を行ったので、以下に説明する。
図7は、数値的検討に用いたコンクリートモデルの斜視図である。なお、同図は、奥手側が地山、手前側が根伐りした状態となる地中連続壁20を想定したものであり、縦横方向に広がりを有する連続壁のうち、100cm×100cmの範囲を抜粋したものである。
図7に示すように、コンクリートモデル30は、100cmの壁厚を有し、その内部には根伐側から地山側の方へ鉄筋32が、所定の間隔(30cm)で格子状に配設され、各鉄筋32の下方にはブリージング水等によって直径3mmの漏水経路34が鉄筋32に沿って形成されているものとする。
先ず、図7に示す単位コンクリートにおける止水剤12の配合可能な量を設定した。通常、配合可能なコンクリート混和剤の量は、コンクリートの体積1mに対して、2kg/mとされる。この量には、止水剤12以外にコンクリートの強度を保持させるための混和剤(例えば、高炉スラグやフライアッシュ)等も含まれるので、止水剤12を配合する割合は、2kg/mの50%の量、すなわち1kg/mとした。
なお、この時の止水剤12の体積Vwは、例えば上記で説明した「TAP−2001」を用いたとすると、比重が1.17であることから以下の値となる。
Vw=(1kg/m)/1.17=0.855L/m
一方、1つの漏水経路34の容積を算出すると、漏水経路34はその直径が3mm、長さが100cmなので、その容積Vは以下の値となる。
V=0.3cm×0.3cm×π/4×100cm=7.07cm
すなわち、1つの漏水経路34を完全に封鎖するのに必要な止水剤12の体積Vpは、止水剤12(TAP−2001)の発泡倍率Mを10倍と仮定(図2の表では8〜14倍)した場合、以下の値となる。
Vp=V(7.07cm)/M(10)=0.707cm
また、算出された体積Vpの量の止水剤12を球形のカプセル14に内包したときのその直径Dは、以下の値となる。
球の体積の式:Vp(0.707cm)=4/3×π×{D/2}から
D≒1.1cm
そして、地中連続壁1m当たりに配合される前述の球形のカプセル14の個数Nを算出すると、地中連続壁1mに配合する止水剤12の割合がVw(0.855L/m)、1個のカプセル14に内包する止水剤12の体積がVp(0.707cm)であることから、以下の値となる。
N=Vw(0.855L/m)/Vp(0.707cm)=1209個
さらに、これらの個数Nのカプセル14が、図7に示す単位コンクリートの壁面方向に均一に分散していると仮定すると、1個のカプセル14が占める面積は、
100cm×100cm/N(1209個)=8.3cm/個
となり、すなわち、約2.9×2.9(≒8.3)cm当りに1個のカプセル14が存在することになる(約3cm格子に1個)。
これに対して、地中連続壁20内に配設される鉄筋32は格子状に間隔30cmで配設されるので、これら格子内の領域30cm×30cmに、カプセル14は100個(30cm×30cm/(3cm×3cm))存在することになり、また、カプセル14の直径Dが1.1cm程度であることから、このカプセル14の位置が漏水経路34に相当する確率は充分に高いことが考えられる。すなわち、本数値的検討において、本実施形態のコンクリート混和剤10を配合することで、コンクリートに生じた漏水を防水することが可能であることが確認できた。
本実施形態に係るコンクリート混和剤の拡大断面図である。 止水剤「TAP−2001」の性状表である。 止水剤「TAP−2001」の水との反応における発泡圧の時間変化を示すグラフである。 コンクリート打設時の状態を示し、地中連続壁20の伸延方向に直交する縦断面図である。 コンクリートが硬化した状態を示し、同図(a)は地中連続壁20の延伸方向の縦断面図、同図(b)は同図(a)のエレメント間の継ぎ目22を横切るA−A縦断面図、同図(c)は同図(a)の鉄筋32を横切るB−B縦断面図である。 構築した地中連続壁20の片側地盤を根伐りした状態を示し、同図(a)は図5(a)のA−A縦断面図、同図(b)は図5(a)のB−B縦断面図である。 数値的検討に用いたコンクリートモデルの斜視図である。
符号の説明
10 コンクリート混和剤
12 止水剤
14 カプセル
20 地中連続壁
22 エレメント間の継ぎ目
26 ブリージング水等によって生じた隙間
28 ひび割れ
30 コンクリートモデル
32 鉄筋
34 漏水経路

Claims (6)

  1. コンクリートの止水性を向上させるべく、前記コンクリートに混入して用いられるコンクリート混和剤であって、
    カプセルと、このカプセルに内包される止水剤とからなり、
    前記カプセルは、前記コンクリートの硬化後に前記止水剤を放出するように前記コンクリートの内部で溶解し、
    前記止水剤は、硬化した前記コンクリートの内部に生じた空隙内の水と接触することにより、前記空隙の周囲のコンクリートにひび割れを生じさせない程度に膨張することを特徴とするコンクリート混和剤。
  2. 前記止水剤は、水と反応して発泡するウレタン系材料であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート混和剤。
  3. 前記カプセルは、アルカリ溶液との接触により溶解する分解性ポリマからなることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のコンクリート混和剤。
  4. 前記分解性ポリマとして、ポリ乳酸、又はポリ乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマを用いたことを特徴とする請求項3に記載のコンクリート混和剤。
  5. 前記カプセルは、前記止水剤を放出する程度に溶解するタイミングが、前記コンクリートの硬化後となるような厚みを有することを特徴とする請求項3又は4に記載のコンクリート混和剤。
  6. 請求項1〜5のうち何れかに記載のコンクリート混和剤が混入されたコンクリートにより構築されたことを特徴とするコンクリート構造物。
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