JP2009018802A - 車輪状態判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの内部空気圧を積極的に最適な状態に調整することができる技術の開発が望まれている。
【解決手段】本発明の車輪14には、タイヤの内部空気圧を加圧、減圧、および加圧を制限するタイヤ空気圧調整装置が設けられている。タイヤ空気圧調整装置は、加圧ピストン46を収容する第1シリンダ40と、加圧制限ピストン58を収容する第2シリンダ42とを備えている。加圧ピストン46によって加圧された空気が、第1シリンダ40から第2シリンダ42を介してタイヤの内部に流入することにより、タイヤの内部空気圧が加圧される。タイヤの内部の空気が加圧制限ピストン58内を通って第2シリンダ42内に放出されることにより、タイヤの内部空気圧が加圧される。加圧制限ピストン58がタイヤの内部空気圧に応じて移動することによって、タイヤの内部空気圧の加圧が制限される。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の車輪14には、タイヤの内部空気圧を加圧、減圧、および加圧を制限するタイヤ空気圧調整装置が設けられている。タイヤ空気圧調整装置は、加圧ピストン46を収容する第1シリンダ40と、加圧制限ピストン58を収容する第2シリンダ42とを備えている。加圧ピストン46によって加圧された空気が、第1シリンダ40から第2シリンダ42を介してタイヤの内部に流入することにより、タイヤの内部空気圧が加圧される。タイヤの内部の空気が加圧制限ピストン58内を通って第2シリンダ42内に放出されることにより、タイヤの内部空気圧が加圧される。加圧制限ピストン58がタイヤの内部空気圧に応じて移動することによって、タイヤの内部空気圧の加圧が制限される。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤの内部空気圧を調整可能な車輪およびホイールと、タイヤの内部空気圧を調整可能な車輪の異常を検出可能な車輪状態判定装置と、に関する。
一般に、タイヤの内部に所定の圧力を有する空気が圧入され走行時の振動軽減等が図られており、タイヤ内部の空気は隙間なく密封され所定の空気圧を保持している。しかしながら、車体の重量、タイヤの材質、あるいは走行状態等によっては、タイヤ内部の空気が極微量ながら少しずつ時間をかけて外部に漏れだしてしまう「自然空気漏れ現象」が生じることがある。この自然空気漏れの影響を抑制するために、従来から様々な工夫がなされている。例えば、タイヤの内部空気圧を定期的に診断して必要に応じてタイヤに空気を圧入したり、タイヤ回転時の遠心力を利用してタイヤの内部空気圧を補填したり(例えば特許文献1参照)等の技術によって、タイヤの内部空気圧が補われている。
特表平9−508870号公報
車輪回転時に発生する遠心力を利用してタイヤの内部空気圧を補填する上記のような技術は、タイヤ内部の空気圧不足を走行に応じて半自動的に解消することができる点で優れているが、タイヤの内部空気圧を最適な状態に的確に調整することが難しい場合がある。例えば、車輪の回転状態によっては過大な遠心力を生じさせてしまい、必要以上の空気がタイヤの内部に圧入されてしまうことがあった。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤの内部空気圧を積極的に最適な状態に調整することができる技術、および、タイヤの内部空気圧を調整する機能を有する車輪の異常を検出する技術を提供することにある。
本発明のある態様は、タイヤ空気圧調整手段を有する車輪の異常を検出する車輪状態判定装置に関する。この車輪状態判定装置は、タイヤの内部空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果に基づいて、前記タイヤ空気圧調整手段の異常を検出する異常検出手段と、を備える。当該車輪状態判定装置によれば、異常検出手段によって、前記タイヤ空気圧調整手段の異常を検出することが可能である。ここでいう「タイヤ空気圧調整手段」は、タイヤの内部空気圧を調整する機能を有するもの全般を指し、例えばタイヤの内部空気圧を加圧したり減圧したりする装置類が含まれる。
前記タイヤ空気圧調整手段は、タイヤの内部空気圧を加圧する加圧手段を有し、前記異常検出手段は、前記加圧手段によるタイヤの内部空気圧の加圧状態を推定する加圧状態推定手段と、前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果および前記加圧状態推定手段の推定結果に基づいて、前記加圧手段の異常を検知する加圧異常検知手段と、を有していてもよい。この場合、加圧異常検知手段によって、前記加圧手段の異常を検知することが可能である。
前記タイヤ空気圧調整手段は、タイヤの内部空気圧を減圧する減圧手段を有し、前記異常検出手段は、前記減圧手段によるタイヤの内部空気圧の減圧状態を推定する減圧状態推定手段と、前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果および前記減圧状態推定手段の推定結果に基づいて、前記減圧手段の異常を検知する減圧異常検知手段と、を有していてもよい。この場合、減圧異常検知手段によって、前記減圧手段の異常を検知することが可能である。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明の車輪およびホイールによれば、加圧制限手段によって加圧手段の作動を制限した状態で、減圧手段によってタイヤの内部空気圧を減圧することができるので、タイヤの内部空気圧を効率的、確実に減圧することができる。これにより、タイヤの内部空気圧を積極的に最適な空気圧に調整することが可能となる。
また本発明の車輪状態判定装置によれば、タイヤの内部空気圧を調整する機能を有する車輪の異常を的確に検出することができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の車両10の全体構成を示す図である。車両10は、車両本体12と、車両本体12の前後左右に設けられた車輪14と、を備えている。
図1は、本実施の形態の車両10の全体構成を示す図である。車両10は、車両本体12と、車両本体12の前後左右に設けられた車輪14と、を備えている。
車両本体12には、車両10を制御する電子制御装置(以下、電子制御装置を「ECU」と表記する)22と、ECU22に接続された車輪速センサ24、車両本体側通信機26、警告ランプ28、および警告ブザー30と、が設けられている。一方、各車輪14には、タイヤ16の内部空気圧を検出することができる直接式のTPMS(Tire Pressure Monitoring Systems )32と、TPMS32に接続された車輪側通信機34と、タイヤ16の内部空気圧を調整するタイヤ空気圧調整装置36と、が設けられている。
ECU22は、車両本体側通信機26、車輪速センサ24、あるいは図示しない電子機器類等から送られてくる情報に基づいて、車両10の走行など車両10の様々な状態を制御する。また、本実施の形態のECU22は、後述するように、TPMS32の検出結果に基づいてタイヤ空気圧調整装置36の異常を検出する異常検出手段としても機能する。
車輪速センサ24は、各車輪14に対応するようにして設けられており、対応する車輪14の車輪速を検出してECU22に送る。各車輪速センサ24は、対応する車輪14とともに回転するロータと、このロータの外周に所定ピッチで多数設けられたロータ歯と、ロータの回転に伴うロータ歯の移動を電磁的に検出する電磁ピックアップと、を含んで構成されている。
車両本体側通信機26は、各車輪側通信機34から送られてくるTPMS32の検出結果を受信して、ECU22に送る。
図2は、車輪14の断面の一部を示す図である。各車輪14は、内部に空気を密封するタイヤ16と、タイヤ16を支持するホイール18と、を含んで構成されている。
TPMS32は、ホイール18からタイヤ16の内部に突出するようにして設けられており、タイヤ16の内部空気圧を直接的に検出するセンサである。従って、TPMS32の検出結果からタイヤ16の内部空気圧の絶対値を容易に把握することが可能である。TPMS32は、検出結果を対応する車輪側通信機34に送る。
車輪側通信機34は、ホイール18に取り付けられており、対応するTPMS32から送られてくるタイヤ16の内部空気圧に関する検出結果を逐次、車両本体側通信機26に無線送信する。
タイヤ空気圧調整装置36は、タイヤ16の内部に面するホイール18の一部に設けられており、具体的には図3に示すような構成を有している。
図3は、タイヤ空気圧調整装置36の断面構成を図示したものである。タイヤ空気圧調整装置36は、ホイール18のスポーク18aに沿って設けられており、ホイール18の回転外周から回転中心に向かって配設された縦長構造を有している。このタイヤ空気圧調整装置36は、ホイール18の回転中心側に設けられた第1シリンダ40と、ホイール18の回転外周側に第1シリンダ40と隣接するようにして設けられた第2シリンダ42と、を有している。第1シリンダ40と第2シリンダ42の間には、両シリンダを連通する加圧空気連絡孔44が設けられている。
第1シリンダ40の内部は、隙間なく収容された加圧ピストン46によって、ホイール18の回転中心側に位置する加圧用空気供給室48と、ホイール18の回転外周側に位置する加圧室50と、に仕切られている。
加圧ピストン46は、車輪14の回転時にもたらされる遠心力を利用して、第1シリンダ40に沿ってホイール18の径方向へ可動となっている。加圧ピストン46の内部には、加圧用空気供給室48と加圧室50とを連通する加圧用空気供給路52が設けられており、加圧用空気供給路52の中間部分には加圧用空気供給路52を流れる空気量を調整可能な加圧用空気供給弁54が設けられている。
加圧用空気供給弁54は、加圧室50内の空気圧が加圧用空気供給室48内の空気圧よりも小さくなった場合に開いて、加圧用空気供給路52を介して加圧用空気供給室48から加圧室50に空気を供給するようになっている。一方、加圧室50内の空気圧が加圧用空気供給室48内の空気圧以上の場合には閉じて、加圧用空気供給室48から加圧室50への空気の供給を停止する。従って、加圧用空気供給室48から空気が供給されて加圧室50内の空気圧が大気圧に達すると加圧用空気供給弁54は閉じられる。そして、車輪14の回転時に生じる遠心力によって加圧制限ピストン58が加圧室50側へ移動して加圧室50内の空気が加圧されている間、加圧室50内の空気圧は大気圧よりも大きくなっているので、加圧用空気供給弁54は閉じられたままである。加圧室50からタイヤ16の内部に空気を供給した後、加圧ピストン46が加圧用空気供給室48側へ移動すると、加圧室50の空気圧は低下して大気圧よりも小さくなる。このとき加圧用空気供給弁54は開き、加圧用空気供給路52を介して加圧用空気供給室48から加圧室50に空気が供給される。そして、加圧室50内の空気圧が大気圧に達すると、再び加圧用空気供給弁54は閉じられる。
加圧用空気供給室48は、加圧用空気供給路52によって連通されている加圧室50に空気を供給するための部屋であり、一部が大気に開放されている。このため、車輪14の外部の空気は自由に加圧用空気供給室48内に流入することができ、加圧用空気供給室48内の空気圧は大気圧に保たれている。
加圧室50は、加圧用空気供給室48から供給された空気を加圧してタイヤ16の内部に送るための部屋であり、内部には加圧ピストン調整バネ56が設けられている。加圧ピストン調整バネ56は、後述するようにタイヤ空気圧調整装置36がタイヤ16の内部空気圧を加圧する加圧手段として機能する際に、タイヤ16の内部空気圧の加圧の程度を左右する要素の一つである。このため、加圧ピストン調整バネ56のバネ定数等の特性は、タイヤ空気圧調整装置36が加圧手段として機能する際にタイヤ16の内部空気圧が適切に加圧されるように、決定される。
第2シリンダ42の内部は、隙間なく収容された加圧制限ピストン58によって、大気に一部が開放され内部の空気圧が大気圧に保たれている大気圧室60と、タイヤ16の内部に連通し内部の空気圧がタイヤ16の内部空気圧と同一に保たれているタイヤ空気圧室62と、に仕切られている。
加圧制限ピストン58は、タイヤ空気圧室62の空気圧すなわちタイヤ16の内部空気圧に応じて、第2シリンダ42に沿ってホイール18の周方向へ可動となっている。加圧制限ピストン58の内部には、タイヤ16の内部および加圧室50を連通するための加圧用空気路64と、タイヤ16の内部および大気圧室60を連通する減圧用空気路66と、が設けられている。本実施の形態では加圧用空気路64の一部および減圧用空気路66の一部が同一路によって構成されており、この同一路は、第2シリンダ42に設けられた加減圧空気孔68を介してタイヤ16の内部に通じている。
加圧用空気路64は、加圧制限ピストン58が所定位置よりもタイヤ空気圧室62側に位置している場合には、加圧空気連絡孔44および加減圧空気孔68を介して加圧室50とタイヤ16の内部とを連通するが、加圧制限ピストン58が所定位置に移動した場合には、加圧空気連絡孔44から外れてしまうような位置に設けられている。このため、タイヤ16の内部空気圧が過剰となって所定の空気圧よりも大きくなってしまったような場合に、加圧制限ピストン58が、所定位置あるいは所定位置よりも大気圧室60側へ移動すると、加圧用空気路64は、第1シリンダ40と第2シリンダ42を仕切る壁によって遮られ、加圧室50とタイヤ16の内部とを連通しなくなる。なお、ここでいう「所定の空気圧」は、タイヤ16が正常に保持することができる内部空気圧の上限値以下であることが好ましく、本実施の形態では400kPa(キロパスカル)とする。また、「所定位置」は、タイヤ16の内部空気圧が「所定の空気圧」よりも大きくなってしまった場合に加圧制限ピストン58が移動する位置であり、「所定の空気圧」に応じて適宜決定される。この加圧用空気路64の中間部分には、加圧用空気路64を流れる空気量を調整可能な加圧調整弁70が設けられている。
加圧調整弁70は、加圧室50の空気の圧力がタイヤ16の内部空気圧よりも高くなった場合には開いて、加圧空気連絡孔44、加圧用空気路64、および加減圧空気孔68を介して加圧室50からタイヤ16の内部に空気を供給し、加圧室50の空気の圧力がタイヤ16の内部空気圧以下の場合には閉じて、加圧室50からタイヤ16の内部への空気の供給を停止するようになっている。
減圧用空気路66は、加圧制限ピストン58が第2シリンダ42内のいずれの箇所にある場合であっても、加減圧空気孔68を介してタイヤ16の内部に通じるような位置に設けられている。この減圧用空気路66の中間部分には、減圧用空気路66を流れる空気量を調整可能な減圧調整弁72が設けられている。
減圧調整弁72は、タイヤ16の内部空気圧が所定の空気圧よりも高くなった場合には開いて、タイヤ16の内部から大気圧室60に空気をリリーフ(解放)し、タイヤ16の内部空気圧が所定の空気圧以下となった場合には閉じて、タイヤ16の内部から大気圧室60への空気のリリーフを停止する。なお、ここでいう「所定の空気圧」とは、タイヤ16が正常に保持することができる内部空気圧の上限値であることが好ましく、本実施の形態では400kPaとする。この減圧調整弁72には、減圧調整弁72の開度を調節する減圧調整バネ74が取り付けられている。
減圧調整バネ74は、後述するようにタイヤ空気圧調整装置36がタイヤ16の内部空気圧を減圧する減圧手段として機能する際に、タイヤ16の内部空気圧の減圧の程度を左右する要素の一つである。このため、減圧調整バネ74のバネ定数等の特性は、タイヤ空気圧調整装置36が減圧手段として機能する際に、タイヤ16の内部空気圧が適切に減圧されるように決定される。
大気圧室60は、減圧用空気路66を介してタイヤ16の内部からリリーフされる空気が放出される部屋であり、放出された空気は車輪14の外部に流出自在となっている。この大気圧室60の内部には加圧制限ピストン調整バネ76が設けられている。
加圧制限ピストン調整バネ76は、後述するようにタイヤ空気圧調整装置36がタイヤ16の内部空気圧の加圧動作を制限する加圧制限手段として機能する際に、加圧動作の制限の程度を左右する要素の一つである。このため、加圧制限ピストン調整バネ76のバネ定数等の特性は、タイヤ空気圧調整装置36が加圧制限手段として機能する際にタイヤ16の内部空気圧の加圧動作が適切に制限されるように、決定される。
タイヤ空気圧室62は、タイヤ16の内部に一部が開放されているため、内部の空気圧が常にタイヤ16の内部空気圧と同一となっており、加圧制限ピストン58と隣接するようにして設けられている。このため、タイヤ空気圧室62内の空気圧すなわちタイヤ16の内部空気圧に応じて、加圧制限ピストン58は第2シリンダ42に沿って移動し、大気圧室60の空気圧による力および加圧制限ピストン調整バネ76による力の合力よりもタイヤ空気圧室62の空気圧による力が大きくなるような場合には、加圧制限ピストン58は大気圧室60側へと移動することとなる。
上述のような構成を有するタイヤ空気圧調整装置36は、以下のようにして、タイヤ16の内部空気圧を加圧する加圧手段、タイヤ16の内部空気圧を減圧する減圧手段、および加圧手段の作動を制限する加圧制限手段として機能する。
まず、タイヤ16の内部空気圧が不足状態にある場合に、タイヤ空気圧調整装置36が加圧手段として機能する場合について説明する。なお、本実施の形態では、タイヤ16の内部空気圧が200kPaよりも小さい場合を、タイヤ16の内部空気圧が不足状態であるとする。
この場合、加圧制限ピストン58は、加圧制限ピストン調整バネ76に押圧されてタイヤ空気圧室62側の限界位置まで移動し、タイヤ空気圧室62の容積は略0となっている。従って、加圧制限ピストン58内の加圧用空気路64は、加圧空気連絡孔44および加減圧空気孔68に対応する位置に配置されており、加圧室50とタイヤ16の内部とは、加圧空気連絡孔44、加圧用空気路64、および加減圧空気孔68によって連通された状態となっている。
そして、車両10が走行して車輪14が回転すると、加圧ピストン46には、車輪14の回転速度に応じた遠心力が作用する。これにより、加圧ピストン46は、加圧ピストン調整バネ56による押圧および加圧室50内の空気圧に対抗するようにして加圧室50側へ移動し、作用する遠心力に応じて加圧室50内の空気を圧縮し加圧する。
このとき、加圧室50内の空気の圧力がタイヤ16の内部の空気の圧力よりも高くなると、加圧室50内の空気が、加圧空気連絡孔44、加圧用空気路64、および加減圧空気孔68を経てタイヤ16の内部に流入する。これにより、タイヤ16の内部空気圧は加圧され、タイヤ16の内部空気圧不足は解消されることとなる。
なお、タイヤ16の内部空気圧の加圧の程度は、加圧ピストン46に作用する遠心力の大きさ、加圧室50内の空気を押圧する加圧ピストン46の押圧断面積、加圧ピストン調整バネ56のバネ定数、等によって左右されるため、タイヤ16の内部空気圧が正常値に保持されるように、それらの状態を適宜調整する必要がある。例えば、約16インチのホイール18の外周部分にタイヤ空気圧調整装置36が取り付けられるような場合であって、約50gの重量の加圧ピストン46を用いて車速を50km/hに所定時間保った場合に、タイヤ16の内部空気圧が200kPa〜400kPaの範囲内まで加圧されるように、各種部品等を設計、調整することが好ましい。
次に、タイヤ16の内部空気圧が過剰状態にある場合に、タイヤ空気圧調整装置36が減圧手段および加圧制限手段として機能する場合について説明する。なお本実施の形態では、タイヤ16の内部空気圧が400kPaよりも大きい場合を、タイヤ16の内部空気圧が過剰状態であるとする。
この場合、加圧制限ピストン58は、タイヤ16の内部からタイヤ空気圧室62に流入する空気によって押圧され、所定位置あるいは所定位置よりも大気圧室60側へ移動することとなる。この加圧制限ピストン58の移動に伴って、加圧制限ピストン58内の加圧用空気路64は、加圧室50とタイヤ16の内部とを連通しなくなる。これにより、加圧室50からタイヤ16の内部への空気の供給路は断たれることとなり、タイヤ空気圧調整装置36は、タイヤ16の内部空気圧を加圧する加圧手段としての作動を制限する加圧制限手段として機能することとなる。従って、タイヤ16の内部空気圧が400kPaよりも大きくなり過剰な状態となってしまった場合には、車両10が高速度で走行して加圧ピストン46に大きな遠心力が作用し加圧室50内の空気の圧力がどんなに大きくなったとしても、加圧室50からタイヤ16の内部に空気が供給されることはなく、タイヤ16の内部空気圧が更に上昇してしまうことを効果的に防ぐことができる。
なお、このような加圧制限ピストン58によるタイヤ16の内部空気圧の加圧制限の程度は、車輪14の回転時加圧制限ピストン58に作用する力の大きさ、タイヤ16の内部空気によってタイヤ空気圧室62側から押圧される加圧制限ピストン58の断面積、加圧制限ピストン調整バネ76のバネ定数、等によって左右されるため、タイヤ16の内部空気圧が過剰となった場合に加圧制限ピストン58がタイヤ16の内部空気圧の加圧を適切に制限するように、それらの値を適宜調整する必要がある。
そして、タイヤ16の内部空気圧が過剰な状態となってしまった場合には、減圧調整弁72が開いて、タイヤ空気圧調整装置36は減圧手段として機能する。減圧調整弁72が開かれることによって、タイヤ16の内部の空気は、加減圧空気孔68および減圧用空気路66を経て大気圧室60内にリリーフされることとなる。これにより、タイヤ16の内部は減圧され、タイヤ16の内部空気圧の過剰な状態が解消される。
以上説明したように、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36によれば、タイヤ16の内部空気圧が不足している場合には加圧ピストン46の動作に応じてタイヤ16の内部空気圧が加圧され、タイヤ16の内部空気圧が過剰となっている場合には加圧制限ピストン58内の減圧調整弁72の開閉動作に応じてタイヤ16の内部空気圧が減圧されることとなる。特に、加圧制限ピストン58がタイヤ16の内部空気圧に応じて加圧制限手段としても機能するため、タイヤ16の内部空気圧が過剰な状態となった場合には、加圧ピストン46の動作は制限され、タイヤ16の内部空気圧が更に加圧されてしまうことを確実に防いで、タイヤ16の内部空気圧を効率的に減圧することができる。
このように、タイヤ16の内部空気圧が加圧あるいは減圧されて適圧な状態に積極的に調整されることにより、タイヤ16の内部空気圧が高くなりすぎたり低くなりすぎたりなってしまうことを迅速、確実に防ぐことができ、より安全で快適な車両10の走行が実現される。
また、加圧手段、減圧手段、および加圧制限手段は、比較的シンプルな機械的な構成によって実現されるとともに、一体的に設けられたタイヤ空気圧調整装置36によって実現されている。このため、電子制御等の煩雑な処理は不要であり、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36をタイヤ16に適宜搭載することのみによって、タイヤ16の内部空気圧は適圧状態に保たれることとなる。
次に、タイヤ空気圧調整装置36を具備する車輪14の異常を検出する車輪状態判定装置について説明する。
図4は、タイヤ空気圧調整装置36の異常の検出に関与するECU22の構成を示す図である。ECU22は、タイヤ16の内部空気圧の状態を判断するタイヤ空気圧状態判断部82と、タイヤ空気圧調整装置36によるタイヤ16の内部空気圧の加圧状態あるいは減圧状態を推定する加圧・減圧推定部84と、TPMS32の検出結果および加圧・減圧推定部84の推定結果に基づいてタイヤ空気圧調整装置36の異常を検知する異常検知部86と、を有している。
タイヤ空気圧状態判断部82は、各車輪側通信機34および車両本体側通信機26を介して送られてくるTPMS32の検出結果に基づいて、タイヤ16の内部空気圧が不足して低圧の状態なのか、過剰で高圧の状態なのか、あるいは正常な状態なのかを判断する。本実施の形態では、TPMS32の検出結果が200kPaよりも小さい場合にはタイヤ16の内部空気圧が不足しており、TPMS32の検出結果が400kPaよりも大きい場合にはタイヤ16の内部空気圧が過剰であり、TPMS32の検出結果が200kPa〜400kPaの範囲にある場合にはタイヤ16の内部空気圧が正常であると判断される。
タイヤ空気圧状態判断部82は、各車輪側通信機34および車両本体側通信機26を介して送られてくるTPMS32の検出結果に基づいて、タイヤ16の内部空気圧が不足して低圧の状態なのか、過剰で高圧の状態なのか、あるいは正常な状態なのかを判断する。本実施の形態では、TPMS32の検出結果が200kPaよりも小さい場合にはタイヤ16の内部空気圧が不足しており、TPMS32の検出結果が400kPaよりも大きい場合にはタイヤ16の内部空気圧が過剰であり、TPMS32の検出結果が200kPa〜400kPaの範囲にある場合にはタイヤ16の内部空気圧が正常であると判断される。
加圧・減圧推定部84は、タイヤ16の内部空気圧を正常な状態に戻すための条件をTPMS32の検出結果から求める適圧条件算出機能88と、適圧条件算出機能88によって求められた条件を実際に満たしたのか否かを判定する適圧条件判定機能90と、を有している。
適圧条件算出機能88は、まず、タイヤ空気圧状態判断部82の判断結果に応じて、タイヤ16の内部空気圧を「加圧」「減圧」「維持」することのうち、いずれが必要なのかを判断する。そして、「加圧」「減圧」のいずれかが必要とされる場合には、適圧条件算出機能88は、どのような条件を満たせばタイヤ16の内部空気圧の状態を正常な適圧状態まで「加圧」「減圧」することができるのかを算出する。例えば、タイヤ空気圧状態判断部82においてタイヤ16の内部空気圧が不足していると判断された場合には、TPMS32の検出結果に基づいて、「どの程度の車両速度」を「何回」「どのぐらいの時間」達成すればタイヤ16の内部空気圧が正常な状態まで加圧されるのかが算出される。同様に、タイヤ空気圧状態判断部82においてタイヤ16の内部空気圧が過剰であると判断された場合には、TPMS32の検出結果に基づいて、減圧調整弁72が「どのぐらいの時間」開いていればタイヤ16の内部空気圧が正常な状態まで減圧されるのかが算出される。
適圧条件判定機能90は、適圧条件算出機能88において算出された「タイヤ16の内部空気圧を正常な適圧状態に戻すための条件」を実際の状態が満たすか否かについて判定する。例えば、タイヤ空気圧状態判断部82においてタイヤ16の内部空気圧が不足していると判断された場合には、車輪速センサ24の検出結果に基づいて、実際に「どの程度の車両速度」を「何回」「どのぐらいの時間」行ったか等が判断され、実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が正常な適圧状態まで加圧される条件」を満たすか否かが判定される。また、タイヤ空気圧状態判断部82においてタイヤ16の内部空気圧が過剰であると判断された場合には、減圧調整弁72が実際に「どのぐらいの時間」開いているのか等が判断され、実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が正常な適圧状態まで減圧される条件」を満たすか否かが判定される。
異常検知部86は、加圧・減圧推定部84の適圧条件判定機能90によって車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧を正常な適圧状態に戻すための条件」を満たすと判定した場合に、TPMS32の検出結果に基づいて、タイヤ16の内部空気圧が実際に正常な適圧状態に戻されているか否かを検知する。タイヤ16の内部空気圧が実際には正常な適圧状態に戻っていないことが検知された場合には、タイヤ空気圧調整装置36が正常に機能していないことを示すので、異常検知部86は、タイヤ空気圧調整装置36に異常が生じていると判断し、警告ランプ28や警告ブザー30等を作動させることによって車両10のドライバー等の注意を喚起する。一方、タイヤ16の内部空気圧が実際に正常な適圧状態に戻っていることが検知された場合には、タイヤ空気圧調整装置36が正常に機能していることを示すので、異常検知部86は、タイヤ空気圧調整装置36には異常が生じていないと判断する。
次に、タイヤ空気圧調整装置36の異常検出の全体的な流れについて図5を参照して説明する。図5は、タイヤ空気圧調整装置36の異常検出の流れを示すフローチャートである。
まず、タイヤ16の内部空気圧Pが低圧状態にあるか否かが、ECU22のタイヤ空気圧状態判断部82において判断され(図5のS11)、具体的には以下の式(1)を満たすか否かに基づいて判断される。なお、以下の式においてTHp1は、タイヤ16の内部空気圧が低圧状態であると判断する際のしきい値であり、タイヤ16の内部空気圧の正常範囲を構成する最小値以下の値が好適に用いられる。本実施の形態では、THp1=200kPa、とする。
P < THp1 ・・・式(1)
P < THp1 ・・・式(1)
上記の式(1)を満たしてタイヤ16の内部空気圧が低圧状態であると判断される場合には(S11のYES)、タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで加圧される条件が、加圧・減圧推定部84の適圧条件算出機能88によって算出される(S12)。そして、実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで加圧される条件」を満たしたか否かが、加圧・減圧推定部84の適圧条件判定機能90によって判定される(S13)。実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで加圧される条件」を満たしていないと判定された場合には(S13のNO)、加圧・減圧推定部84の適圧条件判定機能90は、実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態に達する条件」を満たすまで判定を続ける。
実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで加圧される条件」を満たすと判定された場合には(S13のYES)、タイヤ16の実際の内部空気圧Pが適圧状態となっているか否かが異常検知部86において判断され(S14)、具体的には以下の式(2)を満たすか否かに基づいて判断される。
P ≧ THp1 ・・・式(2)
上記の式(2)を満たしてタイヤ16の実際の内部空気圧が正常な状態であると判断される場合には(S14のYES)、タイヤ空気圧調整装置36が加圧手段として正常に作動しており、タイヤ16の内部空気圧が適切に加圧されていると判定することができる。そして、再びタイヤ空気圧調整装置36の異常検出が行われる(S11)。
上記の式(2)を満たさずにタイヤ16の実際の内部空気圧が不足した状態のままであると判断される場合には(S14のNO)、タイヤ空気圧調整装置36のうち加圧手段を構成する箇所に異常が生じており、タイヤ16の内部空気圧が適切に加圧されていないと判定することができる(S15)。この場合、異常検出部は警告ランプ28や警告ブザー30を作動させて、車両10のドライバー等にタイヤ空気圧調整装置36の加圧手段に異常が生じていることを通知する。
一方、上記の式(1)を満たさずにタイヤ16の内部空気圧が低圧状態ではないと判断される場合には(S11のNO)、タイヤ16の内部空気圧Pが高圧状態にあるか否かがタイヤ空気圧状態判断部82において判断され(S16)、具体的には以下の式(3)を満たすか否かに基づいて判断される。なお、以下の式においてTHp2は、タイヤ16の内部空気圧が高圧状態であると判断する際のしきい値であり、タイヤ16の内部空気圧の正常範囲を構成する最大値以上の値が好適に用いられる。本実施の形態では、THp2=400kPa、とする。
P > THp2 ・・・式(3)
上記の式(3)を満たさずにタイヤ16の内部空気圧が高圧状態ではないと判断される場合には(S16のNO)、タイヤ16の内部空気圧が正常な状態にあると判断され、タイヤ空気圧調整装置36の異常を検出することができない。このため、タイヤ16の内部空気圧が不足状態あるいは過剰状態になるまで、タイヤ16の内部空気圧の状態判断(S11およびS16)を繰り返し行う。
上記の式(3)を満たしてタイヤ16の内部空気圧が高圧状態であると判断される場合には(S16のYES)、「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで減圧される条件」が加圧・減圧推定部84の適圧条件算出機能88によって算出される(S17)。そして、実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで減圧される条件」を満たしたか否かが、加圧・減圧推定部84の適圧条件判定機能90によって判定される(S18)。実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで減圧される条件」を満たしていないと判定される場合には(S18のNO)、加圧・減圧推定部84の適圧条件判定機能90では、「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで減圧される条件」を満たすまで判定が続ける。
実際の車両10の状態が「タイヤ16の内部空気圧が適圧状態まで減圧される条件」を満たすと判定された場合には(S18のYES)、タイヤ16の実際の内部空気圧Pが適圧状態となっているか否かが異常検知部86において判断され(S19)、具体的には以下の式(4)を満たすか否かに基づき判断される。
P ≦ THp2 ・・・式(4)
上記の式(4)を満たしてタイヤ16の実際の内部空気圧が正常な状態であると判断される場合には(S19のYES)、タイヤ空気圧調整装置36が減圧手段、加圧制限手段として正常に作動しており、タイヤ16の内部空気圧が適切に減圧されていると判定することができる。そして、再びタイヤ空気圧調整装置36の異常検出が行われる(S11)。
上記の式(4)を満たさずにタイヤ16の実際の内部空気圧が不足した状態のままであると判断される場合には(S19のNO)、タイヤ空気圧調整装置36のうち減圧手段あるいは加圧制限手段を構成する箇所に異常が生じており、タイヤ16の内部空気圧が適切に加圧されていないと判定することができる(S20)。この場合、ECU22の異常検知部86は警告ランプ28や警告ブザー30を作動させて、車両10のドライバー等にタイヤ空気圧調整装置36の加圧手段に異常が生じていることを通知する。
上述のようにして実現される本実施の形態の車輪状態判定装置によれば、加圧手段、減圧手段、加圧制限手段として機能するタイヤ空気圧調整装置36の異常を、的確に検出して車両10のドライバー等に通知することができる。これにより、車両10の通常走行時にはタイヤ空気圧調整装置36が正常に作動していることが保証され、タイヤ16の内部空気圧は確実にタイヤ空気圧調整装置36によって適圧状態に保たれることとなる。
特に、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36は、機械的なハードのみの構成によって実現されているので、故障等の異常を迅速に検出することが難しい場合がある。しかしながら、上述の車輪状態判定装置を用いることによって、タイヤ空気圧調整装置36の異常を迅速に検出することが可能となり、車両10の走行の安全性を更に向上させることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36の断面構成を図示したものである。本実施の形態では、タイヤ空気圧調整装置36が、図6に示すようにホイール18の外周に沿うようにして配設された横長構造を有している。
このタイヤ空気圧調整装置36では、上述の第1シリンダ40が、ホイール18の回転方向後側に設けられており、上述の第2シリンダ42が、第1シリンダ40と隣接するようにしてホイール18の回転方向前側に設けられている。
第1シリンダ40の内部は、隙間なく収容された加圧ピストン46によって、ホイール18の回転方向後側に位置する加圧用空気供給室48と、ホイール18の回転方向前側に位置する加圧室50と、に仕切られている。加圧ピストン46は、車輪14の回転加速度に応じた「車輪14の周方向にもたらされる力」を利用して、第1シリンダ40に沿ってホイール18の周方向へ可動となっている。
第2シリンダ42の内部は、隙間なく収容された加圧制限ピストン58によって、ホイール18の回転外周側に位置するタイヤ空気圧室62と、ホイール18の回転中心側に位置する大気圧室60と、に仕切られている。加圧制限ピストン58は、タイヤ空気圧室62の空気圧すなわちタイヤ16の内部空気圧に応じて、第2シリンダ42に沿ってホイール18の径方向へ可動となっている。
なお、本実施の形態では、タイヤ16の内部およびタイヤ空気圧室62を連通する部分と、加減圧空気孔68と、が同一箇所に形成されている。
他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。
本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36も、第1の実施の形態と同様にして、加圧手段、減圧手段、および加圧制限手段として機能する。
タイヤ16の内部空気圧が不足状態にある場合には、加圧制限ピストン58は加圧制限ピストン調整バネ76に押圧されてタイヤ空気圧室62側の限界位置まで移動しており、加圧制限ピストン58内の加圧用空気路64は、加圧空気連絡孔44および加減圧空気孔68に対応する位置に配置されている。従って、加圧室50とタイヤ16の内部とは、加圧空気連絡孔44、加圧用空気路64、および加減圧空気孔68によって連通された状態となっている。そして、車両10が走行して車輪14が回転すると、加圧ピストン46は、車輪14の回転加速度に応じた「車輪14の周方向への力」が作用して、加圧室50側へ移動したり加圧用空気供給室48側へ移動したりする。例えば、車両前進時に図6の右側から左側に向かって車輪14が回転するような場合には、車両減速時、すなわち車輪14の前進方向の回転速度に対して減速加速度が作用する時に、加圧ピストン46は、加圧ピストン調整バネ56による押圧および加圧室50内の空気圧に対抗するようにして加圧室50側へ移動する。そして、加圧ピストン46は、作用する「車輪14の周方向への力」に応じて、加圧室50内の空気を圧縮し加圧する。加圧室50内の空気の圧力がタイヤ16の内部の空気の圧力よりも高くなると、加圧室50内の空気が、加圧空気連絡孔44、加圧用空気路64、および加減圧空気孔68を経てタイヤ16の内部に流入し、タイヤ16の内部空気圧は加圧される。このように、車両前進時に車輪14が図6の右側から左側に向かって回転する場合、加圧ピストン46は、加圧室50側へ移動するような「車輪14の周方向への力」が車両減速時に作用してタイヤ16の内部空気圧を加圧し、また、加圧用空気供給室48側へ移動するような「車輪14の周方向への力」が車両加速時に作用することとなる。なお、車両前進時に車輪14が図6の左側から右側に向かって回転する場合には、加圧ピストン46は、車両加速時に加圧室50側に移動してタイヤ16の内部空気圧を加圧し、車両減速時に加圧用空気供給室48側に移動することとなる。
一方、タイヤ16の内部空気圧が過剰状態にある場合には、加圧制限ピストン58はタイヤ16の内部からタイヤ空気圧室62に流入する空気によって押圧され、所定位置あるいは所定位置よりも大気圧室60側へ移動し、加圧制限ピストン58内の加圧用空気路64は、加圧室50とタイヤ16の内部とを連通しなくなる。これにより、加圧室50からタイヤ16の内部への空気の供給路は断たれることとなり、タイヤ空気圧調整装置36は、タイヤ16の内部空気圧を加圧する加圧手段としての作動を制限する加圧制限手段として機能することとなる。そして、減圧調整弁72が開いて、タイヤ16の内部から加減圧空気孔68および減圧用空気路66を経て大気圧室60に空気がリリーフされ、タイヤ16の内部空気圧は減圧される。これにより、タイヤ16の内部空気圧の過剰な状態が防がれ、タイヤ16の内部空気圧は積極的に減圧されることとなる。
以上説明したように、本実施の形態においても、タイヤ16の内部空気圧が不足している場合には加圧ピストン46の動作に応じてタイヤ16の内部空気圧が加圧され、タイヤ16の内部空気圧が過剰となっている場合には加圧制限ピストン58内の減圧調整弁72の開閉動作に応じてタイヤ16の内部空気圧が減圧され、加圧制限ピストン58がタイヤ16の内部空気圧に応じて加圧制限手段として機能する。従って、タイヤ16の内部空気圧は適圧な状態に積極的に調整され、より安全で快適な車両10の走行が実現される。
特に、本実施の形態では、車輪14の回転加速度に応じた「車輪14の周方向にもたらされる力」によって加圧ピストン46が駆動されているので、車輪14の回転に加速度あるいは減速度が加えられる車両10の加減速の頻度に応じてタイヤ16の内部空気圧は加圧される。従って、車両10のドライバーが頻繁に車両10の加減速を行うほど、タイヤ16の内部空気圧も迅速に加圧されることとなる。
なお、一般的に、車輪14の回転加速度に応じて加圧ピストン46に作用する「車輪14の周方向にもたらされる力」は、車輪14の回転時に加圧ピストン46に作用する「遠心力」よりも小さい。このため、上述の第1の実施の形態の場合と同じ程度に、加圧室50内の空気圧およびタイヤ16内の空気圧を加圧するためには、例えば、第1シリンダ40のうち加圧室50を構成する部分の内径を、第1の実施の形態における場合よりも小さくすることによって対応することが可能である。
(第3の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7は、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36の断面構成を図示したものである。本実施の形態では、加圧用空気路64と減圧用空気路66が別個の空気路として設けられており、その一部分においても同一路によっては構成されていない。
減圧用空気路66は、加圧制限ピストン58が所定位置よりも大気圧室60側に位置している場合には、加減圧空気孔68を介して大気圧室60とタイヤ16の内部とを連通するが、加圧制限ピストン58が所定位置に移動した場合には、加減圧空気孔68から外れてしまうような位置に設けられている。このため、タイヤ16の内部空気圧が不足して所定の空気圧よりも小さくなってしまったような場合に、加圧制限ピストン58が所定位置あるいは所定位置よりもタイヤ空気圧室62側へ移動すると、減圧用空気路66は、タイヤ16の内部と第2シリンダ42とを仕切る壁によって遮られ、タイヤ16の内部と大気圧室60とを連通しなくなる。
なお、ここでいう「所定の空気圧」は、タイヤ16が正常に保持することができる内部空気圧の下限値以下であることが好ましく、本実施の形態では200kPaとする。また、「所定位置」は、タイヤ16の内部空気圧が「所定の空気圧」よりも小さくなってしまった場合に加圧制限ピストン58が移動する位置であり、「所定の空気圧」に応じて適宜決定される。
他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。
本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36は、第1の実施の形態の場合と同様にして、加圧手段、減圧手段、および加圧制限手段として機能する他に、タイヤ16の内部空気圧に基づいて減圧手段の作動を制限する減圧制限手段としても機能する。
すなわち、タイヤ16の内部空気圧が不足状態となった場合に、加圧制限ピストン58が大気圧および加圧制限ピストン調整バネ76によって押圧され所定位置あるいは所定位置よりもタイヤ空気圧室62側へ移動してしまうと、加圧制限ピストン58内の減圧用空気路66は、大気圧室60とタイヤ16の内部とを連通しなくなる。これにより、タイヤ16の内部から大気圧室60への空気のリリーフ路は断たれることとなり、タイヤ空気圧調整装置36は、タイヤ16の内部空気圧を減圧する減圧手段の作動を制限する減圧制限手段として機能することとなる。従って、タイヤ16の内部空気圧が不足状態となってしまった場合には、タイヤ16の内部から大気圧室60に空気が放出されることはなく、タイヤ16の内部空気圧が更に低下してしまうことを効果的に防ぐことができる。
以上説明したように、本実施の形態のタイヤ空気圧調整装置36によれば、加圧制限ピストン58がタイヤ16の内部空気圧に応じて移動し減圧制限手段としても機能する。このため、タイヤ16の内部空気圧が不足状態となった場合には、タイヤ16の内部空気圧が更に減圧されてしまうことを確実に防いで、タイヤ16の内部空気圧を効率的に加圧することができる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態では、タイヤ16の内部空気圧を調整する加圧手段、減圧手段、加圧制限手段を「ピストン−シリンダ構造」によって実現しているが、他の機器類、構成を適宜採用することも可能である。
また、タイヤ空気圧調整装置36は、ホイール18だけでなく、外部からタイヤ16の内部に空気を補給するために設けられたエアーバルブ部分(図示せず)など、車輪14の周辺箇所に適宜配設することも可能である。
また、タイヤ16の内部空気圧を検出する手段としてTPMS32を用いた場合について説明したが、タイヤ16の内部空気圧を直接的、間接的に求めることのできる他のセンサ類を用いることも可能である。この場合、タイヤ16の内部空気圧の絶対値を求めることができるセンサ類を本発明のタイヤ空気圧検出手段として好適に用いることができる。
10 車両、 12 車両本体、 14 車輪、 16 タイヤ、 18 ホイール、 22 ECU、 24 車輪速センサ、 32 TPMS、 36 タイヤ空気圧調整装置、 40 第1シリンダ、 42 第2シリンダ、 46 加圧ピストン、 48 加圧用空気供給室、 50 加圧室、 58 加圧制限ピストン、 60 大気圧室、 62 タイヤ空気圧室、 82 タイヤ空気圧状態判断部、 84 加圧・減圧推定部、 86 異常検知部、 88 適圧条件算出機能、 90 適圧条件判定機能
Claims (3)
- タイヤ空気圧調整手段を有する車輪の異常を検出する車輪状態判定装置であって、
タイヤの内部空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、
前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果に基づいて、前記タイヤ空気圧調整手段の異常を検出する異常検出手段と、
を備えることを特徴とする車輪状態判定装置。 - 前記タイヤ空気圧調整手段は、タイヤの内部空気圧を加圧する加圧手段を有し、
前記異常検出手段は、
前記加圧手段によるタイヤの内部空気圧の加圧状態を推定する加圧状態推定手段と、
前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果および前記加圧状態推定手段の推定結果に基づいて、前記加圧手段の異常を検知する加圧異常検知手段と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の車輪状態判定装置。 - 前記タイヤ空気圧調整手段は、タイヤの内部空気圧を減圧する減圧手段を有し、
前記異常検出手段は、
前記減圧手段によるタイヤの内部空気圧の減圧状態を推定する減圧状態推定手段と、
前記タイヤ空気圧検出手段の検出結果および前記減圧状態推定手段の推定結果に基づいて、前記減圧手段の異常を検知する減圧異常検知手段と、を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車輪状態判定装置。
Priority Applications (1)
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Related Parent Applications (1)
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Legal Events
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