JP2009018600A - 騒音低減装置 - Google Patents

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佳史 麻尾
Hiroyuki Kano
裕之 狩野
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Abstract

【課題】航空機などに搭載する騒音低減装置において、効果的な騒音低減を実現しつつ、衝突などによる危険から使用者を守る安全な装置を提供する。
【解決手段】座席7における使用者3の着席の有無を検出する着席検知装置4と、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bと、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bを使用位置と収納位置との間を移動させる可動部と、可動部を制御する可動部制御装置5と、マイクロホン1a、1bにより検出した音を打ち消す信号をスピーカ2a、2bに送信する騒音制御装置6とを備え、可動部制御装置5は、少なくとも着席検知装置4が非着席を検知した場合には着席検知装置4の情報に基づいて可動部の制御を行いマイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bを収納位置に収納することにより、使用者3にとって快適で安全な騒音低減装置100を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、座席において使用される音響装置の騒音を低減する装置に関し、特に航空機や観光バスなどにおいて使用可能な騒音低減装置に関するものである。
騒音の大きい車両などにおいて座席に着席した使用者に対して音声サービスの提供を行う場合、座席における騒音が課題となる。従来、騒音の影響を効果的に低減するために、スピーカを使用者の耳の近傍に配置するなどの対策が必要であった。しかし、そのようなスピーカの配置は使用者に圧迫感を与えるだけでなく、使用者の移動時にスピーカと衝突するなど、安全上の課題があった。特に航空機内では気象の影響などによる予想外の揺れが起こる可能性があり、使用者の安全を確保することが求められる。
これに対して、近年、座席の周りに配置したスピーカとマイクロホンを用いて座席周辺の環境騒音を消音する騒音制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この事例では、使用者の耳の近傍の騒音をマイクロホンによって検出し、検出した音に関する信号を制御器に入力する。制御器ではマイクロホンから入力された信号に基づいて、入力された信号と逆位相で同振幅の制御信号をスピーカに出力し、使用者の耳の近傍の騒音を相殺する。これによって、座席に着席して音声サービスの提供を受ける使用者周辺の環境騒音を低減する。
特開平5−281980号公報
しかしながら、上記の方法で騒音を効果的に低減するためには、マイクロホンおよびスピーカを使用者の耳の近傍に配置する必要があり、音声サービスの利用環境および安全上の課題を解消することができない。マイクロホンおよびスピーカの配置は使用者に圧迫感を与えるだけでなく、使用者が移動時などにマイクロホンやスピーカと衝突する恐れがある。特に航空機などでは予想外の振動が起こる可能性が高く、特に離着陸時には怪我の元になる可能性があるなど、安全上の重要な問題点を有していた。
本発明は以上の課題を解決するものであり、使用者の安全を確保する効果的な騒音低減装置を提供することを目的とする。
上述したような目的を達成するために、本発明の騒音低減装置は、座席における使用者の着席の有無を検出する着席検知手段と、マイクロホンおよびスピーカと、マイクロホンおよびスピーカを使用位置と収納位置との間を移動させる可動手段と、可動手段を制御する可動部制御手段と、マイクロホンにより検出した音を打ち消す信号をスピーカに送信する騒音制御手段とを備え、可動部制御手段は、少なくとも着席検知手段が非着席を検知した場合には着席検知手段の情報に基づいて可動手段の制御を行いマイクロホンおよびスピーカを収納位置に収納することを特徴とする。マイクロホンおよびスピーカは非使用時に使用者の耳の近傍に設置されず、という作用を持つ。
このような構成により、少なくとも着席検知手段が非着席を検知した場合にはマイクロホンおよびスピーカを収納位置に収納することが可能となる。したがって、マイクロホンおよびスピーカを収納することにより使用者の圧迫感を与えない使用環境を実現し、安全性に優れた騒音低減装置を提供することができる。
また、本発明の騒音低減装置は、可動部制御手段は、起動待機のステップを設けることにより可動手段の動作を制御する。このような構成により、可動部制御手段は、起動待機のステップを利用して可動手段の動作させることが可能となる。したがって、可動手段の動作の機能および性能を高めることができる。
また、本発明の騒音低減装置は、マイクロホンおよびスピーカの少なくともひとつが使用者と衝突したことを検出する衝突検出手段をさらに備え、可動部制御手段は、衝突検出手段の情報に基づいて可動手段の制御を行いマイクロホンおよびスピーカを収納位置に収納する。このような構成により、マイクロホンおよびスピーカの少なくともいずれかが使用者と衝突した場合には、マイクロホンおよびスピーカを収納位置に収納することが可能となる。したがって、使用者がマイクロホンやスピーカに衝突した場合にも使用者の安全を確保することができる。
また、本発明の騒音低減装置は、使用者の耳の位置を認識する耳位置認識手段をさらに備え、可動部制御手段は、耳位置認識手段の情報に基づいて可動手段の制御を行いマイクロホンおよびスピーカの使用位置を移動させる。このような構成により、使用者の耳の位置を認識して、マイクロホンおよびスピーカの使用位置を移動させることが可能となる。したがって、使用者の耳の移動とともにスピーカおよびマイクが移動することができる。これにより、利便性と安全性に優れた騒音低減装置を実現することができる。
また、本発明の騒音低減装置は、マイクロホンを移動させる第1の可動手段と、スピーカを移動させる第2の可動手段とを備える。このような構成により、マイクロホンおよびスピーカをそれぞれ別の可動手段により移動させることが可能となる。したがって、マイクロホンおよびスピーカの移動に関する機能と性能を高めることができる。
また、本発明の騒音低減装置は、可動手段は、さらに略C字状の保持部と保持部を略C字状に回動する機構とを備え、マイクロホンおよびスピーカが使用位置にあるとき座席が略カプセル構造を形成する。このような構成により、使用者は略カプセル構造となった座席で音声サービスの提供を受けることが可能となる。したがって、音声サービスの利便性と品質を高めることができる。
以上のように本発明による騒音低減装置は、マイクロホンおよびスピーカを使用位置と収納位置に区分して配置することにより、座席における使用者の着席の有無や使用状況により適切な使用環境を提供することができる。したがって、使用者に圧迫感を与えない、安全性に優れた騒音低減装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態における騒音低減装置100(以下、本騒音低減装置100と略記する)の基本構成を示すブロック図、図2(a),(b)は基本動作を示す平面図および正面図、図3(a),(b)は使用時の安全動作を示す平面図、図4(a),(b)は応用例の動作を示す平面図、図5は可動部制御手段の動作手順を示すフローチャートをそれぞれ示す。
まず、図1に示すように、本騒音低減装置100は、マイクロホン1a、1b、スピーカ2a、2b、着席検知手段としての着席検知装置4、可動部制御手段としての可動部制御装置5、騒音制御手段としての騒音制御装置6および座席7に配設された操作スイッチ8を備えている。マイクロホン1a、1bは使用者(図示せず)の耳の近傍の騒音の検出を行い、スピーカ2a、2bは使用者の耳の近傍の騒音を相殺する制御音を発する機能を備えている。また、着席検知装置4は座席7に使用者が着席しているか否かを検知する機能を有し、可動部制御装置5は可動手段としての可動部(図示せず)の制御を行いマイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bの位置を制御する機能を有している。さらに、騒音制御装置6はマイクロホン1a、1bで検出された騒音を打ち消すための信号を作成しスピーカ2a、2bに送信する機能を有し、操作スイッチ8は本騒音低減装置100のON/OFFその他の操作に関する機能を備えている。
つぎに、本騒音低減装置100の基本動作について、図2により説明する。
図2(a)および図2(b)は、本騒音低減装置100の動作を示す平面図および正面図をそれぞれ示す。本騒音低減装置100では、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bがそれぞれ可動部9a、9bおよび可動部10a、10bを介して、本体部11に保持されている。使用者3が座席7(図示せず)に着席している場合は、着席検知装置4(図1)が着席状態にあることを検知し、検知した情報を可動部制御装置5に送信する。可動部制御装置5は着席検知装置4から受信した情報に基づき、可動部9a、9bおよび可動部10a、10bを駆動制御することによりマイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bを収納位置から使用位置に移動させる。図2(a)および図2(b)において、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bは実線が使用位置、破線が収納位置をそれぞれ示しており、図2(a)の矢印A1、A2の方向にそれぞれ移動することができる。マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bは、使用時には使用者3の両耳の近傍に保持される。
つぎに、図3により、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bの安全管理措置について説明する。
図3(a)は使用者3がマイクロホン1aと衝突した場合の本騒音低減装置100の動作を示す平面図であり、図3(b)は使用者3がスピーカ2aと衝突した場合の本騒音低減装置100の動作を示す平面図である。破線は衝突前の位置(使用位置)を、実線は衝突後の位置(収納位置)をそれぞれ示している。使用者3がマイクロホン1a、スピーカ2aおよび可動部9aのいずれかを構成する部材に衝突した場合には、衝突した部材が使用者3の動きと同方向に移動し、可動部制御装置5は部材の移動を検知する移動検知手段(図示せず)からの情報に基づいて可動部9a、9b、10a、10bを駆動制御することにより、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bを収納位置に移動させ、本体部11に収納する(図2)。マイクロホン1b、スピーカ2bおよび可動部9bについても同様の動作を行う。これにより、使用者3がマイクロホン1(以下、マイクロホン1aとマイクロホン1bを区別しない場合にはまとめてマイクロホン1と呼ぶ)、スピーカ2(以下、スピーカ2aとスピーカ2bを区別しない場合にはまとめてスピーカ2と呼ぶ)および可動部9(以下、可動部9aと可動部9bを区別しない場合にはまとめて可動部9と呼ぶ)のいずれかに触れた場合は、マイクロホン1、スピーカ2および可動部9が無理なく退避動作を行い、本体部11に収納されて、使用者3の安全を確保することができる。
図4は、マイクロホン1a、1bおよびスピーカ2a、2bの安全管理措置に関する応用例を示す平面図であり、(a)は衝突前の位置を示す図、(b)は衝突後の位置を示す図である。図4(a),(b)に示すように、マイクロホン1aには衝撃検出手段としての衝撃検知装置12aが設けられている。使用者3がマイクロホン1aに衝突した場合には、衝撃検知装置12aが衝突を検出し、衝撃検知装置12aは衝突を示す信号を可動部制御装置5に伝える。可動部制御装置5では衝撃検知装置12aから受信した信号に基づいて可動部9aの位置を使用位置から収納位置に変更する。その後、可動部制御装置5は可動部9aを駆動制御することにより、マイクロホン1aおよびスピーカ2aを収納位置に移動させ、本体部11に収納する(図2)。同様に、マイクロホン1bにも衝撃検知装置12b(図示せず)が設けられており、同じ動作を行うことができる。これにより、使用者3に最も近接して保持されたマイクロホン1に使用者3が触れた場合は、マイクロホン1、スピーカ2が直ちに退避動作を行い、本体部11に収納されて、使用者3の安全を確保することができる。
つぎに、本騒音低減装置100における可動部制御装置5の動作について、図5により説明する。図5は、可動部制御装置5の動作を示すフローチャートである。
使用者3が座席7に着席していない場合は可動部制御装置5は収納位置を選択する。収納位置が選択されている間は、操作スイッチ8のON/OFFにかかわらず可動部9は動作せず、マイクロホン1およびスピーカ2は収納位置に保持される(ステップS1)。使用者3が座席7に着席すると、着席検知装置4が使用者3を感知し、可動部制御装置5に使用者3が着席している旨の情報を送信する(ステップS2)。これにより、可動部制御装置5は起動待機の状態に移行する(ステップS3)。つぎに、操作スイッチ8のON/OFFを判定し(ステップS4)、操作スイッチ8がOFFのときは、使用者3が操作スイッチ8を作動する(スイッチをONにする)と、可動部制御装置5は動作状態に移行し(ステップS5)、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を使用者3の耳の近傍である使用位置に移動させる(ステップS6)。マイクロホン1は、使用者3の耳近傍に伝わってくる騒音を検出し、検出した信号を騒音制御装置6に伝える。騒音制御装置6は、マイクロホン1から入力された信号に基づき使用者3の耳の近傍の騒音の特性を分析し、スピーカ2から騒音と逆位相で同振幅の音を発生する制御信号を作成する。この制御信号は、騒音制御装置6からスピーカ2に出力され、スピーカ2は騒音と逆位相で同振幅の制御信号を使用者3に対して発する。これにより、使用者3の耳近傍の騒音を相殺し、低減することができる。つぎに、可動部制御装置5は座席における使用者3の離席、使用者3とマイクロホン1、スピーカ2および可動部9のいずれかとの接触や衝突、航空機の場合は離着陸などの非常時の検出を行う(ステップS7)。使用者3が離席した場合は、着席検知装置4は離席の信号を可動部制御装置5に送信し、可動部制御装置5は受信した信号に基づき収納位置を選択し、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を収納位置に移動させ、ステップ1に戻る。可動部制御装置5が使用者3とマイクロホン1、スピーカ2および可動部9のいずれかとの接触や衝突、航空機の場合の離着陸などを検出した場合も、同様の動作を行う。
以上のように本騒音低減装置100では、使用者の着席時にのみマイクロホンおよびスピーカを使用者の耳近傍に設置することができ、使用者の安全を確保することが可能である。
なお、本騒音低減装置100では操作スイッチ8を設けているが、操作スイッチ8を設けず、着席検知装置4が使用者3が座席7に着席していることを検知し、可動部制御装置5が収納位置から直接、使用位置を選択し、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を移動してもよい。
また、マイクロホン1およびスピーカ2を保持し移動する可動部9、10の構成としては、回転式や伸縮式、またそれらの複合式など、どのような手段を用いることによっても同様の効果を得ることができる。
また、本騒音低減装置100では着席検知装置4を座席7の上部に設けているが、着席検知装置4は着席の有無を判定可能であれば座席の内外のどの位置に設けてもよいことは言うまでもない。
また、本騒音低減装置100では使用者3の衝突という事態を取り上げたが、衝突するのは使用者3以外の場合であってもよい。また、衝突以外の事態でも力が加われば収納状態に戻る構成とすることもできる。例えば、ある程度以上の力が加われば収納状態に戻るようにしておけば、使用者3が可動部9を押すことにより、操作スイッチ8をOFFにするのと同様の効果が得ることができる。
(第2の実施の形態)
以下、図6により、本発明の第2の実施の形態における騒音低減装置200(以下、本騒音低減装置200と略記する)について説明する。図6(a),(b)は、本騒音低減装置200の基本動作を示す正面図である。図6(a),(b)に示すように、本騒音低減装置200では、着席検知装置4に代えて、使用者3の耳の位置を認識する耳位置判定手段としての耳位置判定装置13を設けた構成としている。その他の構成は、第1の実施の形態と略同じであり、同じ符号を用い説明を省略する。
図6(a)は、使用者3が座席7の通常の位置に着席した場合の状態を示し、図6(b)は、着席位置で使用者3が頭の位置を座席7の中心位置から矢印方向にBだけ移動した場合の状態を示す。
以下、本騒音低減装置200の動作について、図7により説明する。図7は本騒音低減装置200における可動部制御手段の動作手順を示すフローチャートである。使用者3が座席7に着席していない場合は可動部制御装置5は収納位置を選択する。収納位置が選択されている間は、操作スイッチ8のON/OFFにかかわらず可動部9は動作せず、マイクロホン1およびスピーカ2は収納位置に保持される(ステップS1)。耳位置判定装置13が使用者3の耳を制御可能位置内に感知した場合に、可動部制御装置5に使用者3の耳位置に関する情報を送信する(ステップS8)。これにより、可動部制御装置5は起動待機の状態に移行する(ステップS3)。つぎに、操作スイッチ8のON/OFFを判定し(ステップS4)、操作スイッチ8がOFFのときは使用者3が操作スイッチ8を作動する(操作スイッチ8をONにする)と、可動部制御装置5は動作状態に移行し(ステップS5)、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を使用者3の耳の近傍である使用位置に移動させる(ステップS6)。マイクロホン1は、使用者3の耳近傍に伝わってくる騒音を検出し、検出した信号を騒音制御装置6に伝える。騒音制御装置6は、マイクロホン1から入力された信号に基づき使用者3の耳の近傍の騒音の特性を分析し、スピーカ2から騒音と逆位相で同振幅の音を発生する制御信号を作成する。この制御信号は、騒音制御装置6からスピーカ2に出力され、スピーカ2は騒音と逆位相で同振幅の制御信号を使用者3に対して発する。これにより、使用者3の耳近傍の騒音を相殺し、低減することができる。つぎに、可動部制御装置5は座席における使用者3の頭の位置が移動したか否かを検出し(ステップS9)、頭の位置が移動した場合、使用者3の耳が制御可能位置にあると判定した場合には、耳の位置の移動量に応じてマイクロホン1およびスピーカ2の使用位置を移動させ、使用者3の耳との相互の位置関係を一定に維持する(ステップS10)。また、使用者3の耳の位置が制御可能位置からはずれたことを耳位置判定装置13が検知し判定した場合や、ステップS7で、使用者3とマイクロホン1、スピーカ2および可動部9のいずれかとの接触や衝突、航空機の場合は離着陸などの非常時の検出をした場合には、耳位置判定装置13はその信号を可動部制御装置5に送信する。可動部制御装置5は受信した信号に基づき収納位置を選択し、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を収納位置に移動させ、ステップS1に戻る。可動部制御装置5が使用者3とマイクロホン1、スピーカ2および可動部9のいずれかとの接触や衝突、航空機の場合の離着陸などの非常時を検出した場合も、同様の動作を行う。
以上のように、本実施の形態によれば、使用者の存在する場合にのみマイクロホンおよびスピーカを使用者の耳近傍に設置し、かつ、使用者の移動とともにマイクロホン1およびスピーカ2を移動できるため、離着席時その他の状況における使用者3の圧迫感を軽減し、使用者3の安全を確保することができる。
なお、本騒音低減装置200では耳位置判定手段として耳位置判定装置13を設けているが、直接、耳の位置を判定せず、頭部の位置を判定し、頭部と耳との位置関係から耳の位置を判定する構成であってもよい。その他、耳の位置を判定する手段は、これに限るものではない。
また、本騒音低減装置200では操作スイッチ8を設けているが、操作スイッチ8を設けず、耳位置判定装置13が使用者3の耳が制御可能位置にあることを検知し、可動部制御装置5が収納位置から直接、使用位置を選択し、可動部9を駆動制御することによりマイクロホン1およびスピーカ2を移動してもよい。
また、マイクロホン1およびスピーカ2を保持し移動する可動部9、10の構成としては、回転式や伸縮式、またそれらの複合式など、どのような手段を用いることによっても同様の効果を得ることができる。
また、本騒音低減装置200では耳位置判定装置13を座席7の上部に設けているが、耳位置判定装置13は耳位置を判定可能であれば座席の内外のどの位置に設けてもよいことは言うまでもない。
(第3の実施の形態)
以下、図8により、本発明の第3の実施の形態における騒音低減装置300(以下、本騒音低減装置300と略記する)について説明する。図8は、本騒音低減装置300の基本構成および動作を説明する図であり、(a)は収納時の状態を示す図、(b)は動作時の状態を示す図である。図8に示すように、本騒音低減装置300では、可動手段としての可動部は、さらに略C字状の保持部31と保持部31を略C字状に回動する機構(図示せず)とを備え、本体部32には複数のスピーカ33が配列されており、図8(b)に示すように、略C字状の保持部31が使用位置にあるとき、座席7に着席した使用者3の頭部の周辺の空間Sが略カプセル構造を形成する構成としている。このような構成により、使用者3は略カプセル構造となった座席7の空間Sで音声サービスの提供を受けることが可能となる。したがって、音声サービスの利便性と品質を高めることができる。
本発明による騒音低減装置は、マイクロホンおよびスピーカを使用位置と収納位置に区分して配置することにより、座席における使用者の着席の有無や使用状況により適切な使用環境を提供することができる。したがって、使用者に圧迫感を与えない、安全性に優れた騒音低減装置を提供することができ、航空機や列車、車など騒音を有する空間内での騒音低減装置として有用である。
本発明の第1の実施の形態における騒音低減装置の基本構成を示すブロック図 (a)は同騒音低減装置の基本動作を示す平面図、(b)は同正面図 同騒音低減装置の使用時の安全動作を示す平面図であり、(a)は使用者がマイクロホンと衝突した場合を示す平面図、(b)は使用者がスピーカと衝突した場合を示す平面図 同騒音低減装置の応用例の動作を示す平面図であり、(a)は衝突前の位置を示す図、(b)は衝突後の位置を示す図 同騒音低減装置における可動部制御手段の動作手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態における騒音低減装置の基本動作を示す正面図であり、(a)は使用者が通常の位置に着席した場合の状態を示す図、(b)は使用者の頭の位置が移動した場合の状態を示す図 同騒音低減装置における可動部制御手段の動作手順を示すフローチャート 本発明の第3の実施の形態における騒音低減装置の構成および動作を説明する図であり、(a)は収納時の状態を示す図、(b)は動作時の状態を示す図
符号の説明
1,1a,1b マイクロホン
2,2a,2b,33 スピーカ
3 使用者
4 着席検知装置
5 可動部制御装置
6 騒音制御装置
7 座席
8 操作スイッチ
9,9a,9b,10,10a,10b 可動部
11,32 本体部
12a 衝撃検知装置
13 耳位置判定装置
31 保持部
100,200,300 騒音低減装置
S 空間

Claims (6)

  1. 座席における使用者の着席の有無を検出する着席検知手段と、マイクロホンおよびスピーカと、前記マイクロホンおよびスピーカを使用位置と収納位置との間を移動させる可動手段と、前記可動手段を制御する可動部制御手段と、前記マイクロホンにより検出した音を打ち消す信号を前記スピーカに送信する騒音制御手段とを備え、前記可動部制御手段は、少なくとも前記着席検知手段が非着席を検知した場合には前記着席検知手段の情報に基づいて前記可動手段の制御を行い前記マイクロホンおよびスピーカを前記収納位置に収納することを特徴とする騒音低減装置。
  2. 前記可動部制御手段は、起動待機のステップを設けることにより前記可動手段の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の騒音低減装置。
  3. 前記マイクロホンおよびスピーカの少なくともひとつが前記使用者と衝突したことを検出する衝突検出手段をさらに備え、前記可動部制御手段は、前記衝突検出手段の情報に基づいて前記可動手段の制御を行い前記マイクロホンおよびスピーカを収納位置に収納することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の騒音低減装置。
  4. 使用者の耳の位置を認識する耳位置認識手段をさらに備え、前記可動部制御手段は、前記耳位置認識手段の情報に基づいて前記可動手段の制御を行い前記マイクロホンおよびスピーカの使用位置を移動させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の騒音低減装置。
  5. 前記マイクロホンを移動させる第1の可動手段と、前記スピーカを移動させる第2の可動手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の騒音低減装置。
  6. 前記可動手段は、さらに略C字状の保持部と前記保持部を略C字状に回動する機構とを備え、前記マイクロホンおよびスピーカが使用位置にあるとき前記座席が略カプセル構造を形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の騒音低減装置。
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