JP2009016083A - 車両空調用ダイアル操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブラインド操作性に優れ、操作パネル上における各種操作部の占有面積を減じることに貢献できる車両空調用ダイアル操作装置を提供する。
【解決手段】 車両空調用ダイアル操作装置100であって、ダイアル操作部10と、各々が車両の運転席と助手席に対応する操作方向検出用補助操作部20D,20Pと、を備え、操作方向検出用補助操作部20D,20Pのいずれが操作されているかに応じてダイアル操作部10の入力による設定対象が切り替わる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両空調用ダイアル操作装置に関する。
特開2005−209422号公報
自動車等の車両においては、搭載される電子機器、例えば空調装置やカーオーディオシステム、さらにはカーナビゲーションシステムを操作するための操作ユニットが、例えば車両インパネ部分に設けられている。そして、この操作ユニットには、車両の搭乗者が必要に応じて操作するための操作部が設けられている。このうち、空調装置の風量調整操作部、温度調整操作部あるいは吹き出し口選択操作部や、カーオーディオシステムの音量操作部などにダイアル操作部が多く採用されている(例えば特許文献1)。このダイアル操作部は、装置前面に対し前方に突出して配置されるため、運転者によるブラインド操作に好適である。
また、近年の車両空調装置においては、各席(運転席や助手席等)に対応する空調出力を一括制御するだけではなく、それらを独立して制御する技術があり、その動作設定入力にダイアル操作部が用いられる場合がある。この場合、1つの操作部では、各席に対応する空調出力に対し設定入力を行うことができないので、操作部を各席毎に設ける必要がある。また、別ボタンを設けて、1つのダイアル操作部における動作設定入力の対象を各席に切り替える方式もある。
ところが、近年の車載電子機器は、その高機能化及び多機能化に伴い操作部の数が増加傾向にある一方で、操作パネル上における操作部の配置スペースには限りがあるので、各種操作部の配置自由度が低くなっている。ダイアル操作部は、ユーザーによる把持操作が容易となるよう一定半径以上を有した平面領域を占有するため、操作パネル上においてプッシュスイッチ等の通常の操作部よりも占有面積が大となり、配置スペース上の制約を多く受け易い。このため、上記のように、操作パネル上に各席に対応した数のダイアル操作部を設ける場合に自由度が低く、意匠上の制約等の些細な制約で配置が困難となってしまうことがある。
また、別ボタンを設けて、1つのダイアル操作部における動作設定入力の対象を各席に切り替える上記方式の場合も、別ボタンを設ける点で、操作パネル上の配置スペースを無駄に使うこととなり、その分だけ他の操作部を配置するスペースが減じられてしまう。また、別ボタンを設ける場合、そのブラインド操作性が低い点にも課題が残る。
本発明の課題は、ブラインド操作性に優れ、操作パネル上における各種操作部の占有面積を減じることに貢献できる車両空調用ダイアル操作装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の車両空調用ダイアル操作装置は、
車室内にて隣り合う座席から操作可能な位置に配置された車両空調用ダイアル操作装置であって、
装置前面を形成する筐体と、
装置前面から前方に突出した位置に設けられ、空調装置の動作設定入力を行うためのダイアル操作部と、
ダイアル操作部の回転軸線周りにおいて、ダイアル操作部に対する各座席の相対配設位置に個別に対応する形で、各々対応する座席からの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置された複数の操作方向検出用補助操作部と、
操作方向検出用補助操作部のいずれが操作されているかに応じてダイアル操作部による動作設定入力のモードを変更する動作設定入力モード変更手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記本発明の構成によると、ダイアル操作部による動作設定入力のモードを、複数の操作方向検出用補助操作部への操作に応じて変更することができる。具体的に言えば、このモード変更により、ダイアル操作部からの動作設定入力による設定対象や設定内容を変更することが可能となる。つまり、1つのダイアル操作装置で複数種の操作が可能となるから、装置前面(操作パネル面)に形成する操作部の数を減じることができる。
また、操作方向検出用補助操作部は、装置前面から突出したダイアル操作部と同じ軸線周りに設けられている。装置前面から突出するダイアル操作部は、その存在位置を手探りで容易に認識することができるためブラインド操作性に優れるが、操作方向検出用補助操作部は、このダイアル操作部と同じ軸線周りに形成されるで、その操作位置はダイアル操作部を基準にして容易に認識することができ、ブラインド操作性に優れる。さらに、この操作方向検出用補助操作部は、対応する座席からの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置されているので、その操作性は一層優れたものとなる。また、この操作方向検出用補助操作部が、ダイアル操作部と同じく、装置前面から前方に突出した位置に設けられていれば、ダイアル操作装置の装置前面(操作パネル面)には形成されず、装置前面(操作パネル面)上の配置スペースを占有しなくなる利点も得られる。
なお、上記のモードは、ダイアル操作部からの動作設定入力による設定対象を、各操作方向検出用補助操作部に対応する座席に特有の空調出力に対し設定するものであり、操作方向検出用補助操作部毎に設けることができる。この場合の動作設定入力モード変更手段は、ダイアル操作部からの動作設定入力による設定対象を、操作された操作方向検出用補助操作部に対応する座席に特有の空調出力に対し設定する、つまり、操作された操作方向検出用補助操作部に対応する空調出力に設定するように構成できる。操作方向検出用補助操作部は、対応する座席からの操作が容易な位置に設けられているので、その容易な操作により、ダイアル操作部の動作設定対象を、その座席に関する空調出力に設定することができる。
ところで、操作方向検出用補助操作部に対応する複数の座席は車両の左座席及び右座席に定めることができる。このとき、上記のモードは、ダイアル操作部への動作設定入力による動作設定を、空調装置による左座席側の空調出力に対して行う左座席側モードと、同じく右座席側の空調出力に対して行う右座席側モードとを有するように定めることができる。また、この場合の動作設定入力モード変更手段は、左座席に対応する操作方向検出用補助操作部が操作された場合には左座席側モードに切り替え、右座席に対応する操作方向検出用補助操作部が操作された場合には右座席側モードに切り替えるものとできる。この構成によると、空調装置が空調出力を左右それぞれの座席毎に独立して制御する独立制御が可能な場合(例えば、いわゆるDUALモードを有する場合)に、左右の各座席に着座するユーザーが、自身の座席側の空調出力の動作設定をダイアル操作部により容易に変更可能となる。この場合、操作方向検出用補助操作部に対応する上記左座席及び上記右座席を、車両前席の運転席及び助手席に定めることができる。
また、操作方向検出用補助操作部は、左座席に対応するものをダイアル操作部の左側に設け、右座席に対応するものをダイアル操作部の右側に設けることができる。これにより、左右各座席から対応する操作方向検出用補助操作部の操作が容易となる。さらに言えば、ダイアル操作部を操作するために伸ばした手の親指位置に、対応する操作方向検出用補助操作部が位置する構成となるので、逆に小指側に位置する場合と比べて、操作が容易となる。
操作方向検出用補助操作部はそれぞれ、対応する座席の配設位置側からダイアル操作部の回転軸線側に向けて押圧操作可能な押圧操作部として構成することができる。これにより、簡易なプッシュ操作により操作方向検出用補助操作部を操作することができる。
操作方向検出用補助操作部が押圧操作部として構成される場合、本発明の車両空調用ダイアル操作装置には、車両左右方向に延出形成されるとともに、中央部が回転軸線方向にてダイアル操作部と重なる形で配置される、車両左右方向に進退移動可能なスライド部材を設けることができる。このとき、左座席及び右座席に対応する各操作方向検出用補助操作部は、スライド部材の左端部及び右端部に形成されており、当該スライド部材は、左右一方の端部が押圧操作された場合には、当該端部の主要部がダイアル操作部の内部に収納された収納状態となる一方で、これと連動して、他方の端部がダイアル操作部の外部に突出した突出状態となるように構成することができる。そして、このときの動作設定入力モード変更手段は、モードを、収納状態に操作されたスライド部材の端部をなす操作方向検出用補助操作部に対応するものに変更するものとできる。この構成によると、ユーザーは、スライド部材の左右いずれかの端部のうち、収納状態にある方を、操作方向検出用補助操作部が操作された状態(操作状態)と認識することができ、他方の突出状態にある方を、操作方向検出用補助操作部が操作されていない状態(非操作状態)と認識することができる。即ち、座席に着座するユーザーは、自身の座席に対応するスライド部材端部(操作方向検出用補助操作部)が、突出状態にあるか収納状態にあるかを、視覚ないし触覚にて容易に識別することができるので、収納状態(操作状態)にある場合には、特にこれを操作することなくダイアル操作部を操作すればよいと判断できるし、他方、突出状態(非操作状態)にある場合には、自身の操作によりこれを収納状態(操作状態)とした上で、ダイアル操作部を操作する必要があるといった判断を容易にすることができる。
また、スライド部材の端部(一方の操作方向検出用補助操作部)に、他方の端部(他方の操作方向検出用補助操作部)に対応する座席を特定する座席特定情報を表示することができる。この場合、その座席特定情報は、突出状態において視覚認識可能とされ、収納状態においてはダイアル操作部に隠されて見えないようにすることができる。これにより、突出したスライド部材端部に表示された座席特定情報を視認することで、操作された状態(操作状態)にある操作方向検出用補助操作部に対応する座席を容易に認識することができる。さらに、この座席特定情報の表示・非表示を行う機構は、スライド部材の進退移動を利用して実現されており、この座席特定情報を表示するために別機構を設ける必要が無く、簡易に実現できる。
このスライド部材の中央部には、ダイアル操作部の回転軸を貫通させつつ、該貫通状態を維持した状態での該スライド部材の車両左右方向の進退移動を許容する貫通孔を設けることができる。これにより、ダイアル操作部の回転操作と、スライド部材の車両左右方向の進退移動とを互いに非干渉とする構成を、スライド部材の中央部に貫通孔を設け、そこにダイアル操作部の回転軸を挿通するだけの極めて簡易な構成で実現することができる。
本発明の車両空調用ダイアル操作装置には、スイッチノブの位置切り替えに応じて、モードを切り替えるモード切替スイッチ部を設けることができる。このとき、スライド部材には、そのスイッチノブに対し車両左右方向の双方から係合するスイッチノブ係合部を設けることができ、そのスイッチノブ係合部が、スライド部材の車両左右方向における進退移動に応じてスイッチノブの位置切り替えを行うように構成することができる。そして、この場合の動作設定入力モード変更手段は、スイッチノブの位置切り替えに基づいて、モードを変更するものとできる。この構成によると、モード切替スイッチ部のスイッチノブの位置切り替え(スイッチング)を、操作方向検出用補助操作部への操作に応じて生じるスライド部材の進退移動を利用して簡易に実現できる。また、スイッチ素子1つにより実現できるという、コスト上のメリットもある。
他方、左座席及び右座席に対応する各操作方向検出用補助操作部は、上記のようなスライド部材を用いるものではなく、ダイアル操作部の車両左右方向の双方に独立設置された押圧スイッチとすることができる。この場合、動作設定入力モード変更手段は、直前に押圧操作された操作方向検出用補助操作部に対応するモードに変更するものとできる。この構成によると、2つの押圧スイッチを設けるというシンプルな構成で、操作方向検出用補助操作部を設けることができる。
なお、本発明におけるダイアル操作部は、モードにより特定される座席に対応する空調出力に対し、その吹き出し設定温度を変更するものとできる。この構成によると、空調装置が、空調気流の吹き出し温度を左右それぞれの座席毎に独立して制御可能な場合(例えば、いわゆるDUALモードを有する場合)に、左右の各座席に着座するユーザーが、自身の座席側の空調出力部からの吹き出し設定温度をダイアル操作部により個別に変更可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一適用対象である車両空調用ダイアル操作装置(以下、ダイアル操作装置という)100を備える車両空調操作ユニット1が配置されている車両のインパネ部を正面視する外観図であり、図2は、ダイアル操作装置を備える車両空調操作ユニット1の正面外観図である。
車内操作ユニット1は、車載電子機器としての自動車(車両)用空調装置の操作を行うためのものであり、車両のインパネ部に設けられた図1の右座席用空調吹き出し口9Rと左座席用空調吹き出し口9Lとの各吹き出し制御を独立に行うことが可能である。空調操作ユニット1は、図2に示すように、樹脂製の支持基体3(操作パネルともいう)を有するとともに、支持基体3の前面部(車内操作ユニット100の前面3aを形成する操作パネル)には、その中央部に本発明の実施形態となるダイアル操作装置100が設けられている。本実施形態におけるダイアル操作装置100は、空調出力の吹き出し設定温度を変更する設定部として機能するものである。
他方、支持基体(操作パネル)3の前面3aには、図2に示すように、中央のダイアル操作部100の左右両側にそれぞれ複数の押圧操作スイッチ2a〜2iが設けられている。スイッチ2aはオート空調制御を設定するAUTOスイッチ、スイッチ2bは空調装置をオフするOFFスイッチ、スイッチ2cはフロントデフロスタスイッチ、スイッチ2dはリアデフロスタスイッチ、スイッチ2eは空調気流の吹き出し口を切り替え設定する吹き出し口切替スイッチ(MODEスイッチ)、スイッチ2fは吹出し風量を増減設定する切り替えスイッチ、スイッチ2gはコンプレッサやエバポレータを作動させるA/Cスイッチ、スイッチ2hは、内気吸気/外気吸気/AUTO吸気との間で切り替えを行う内外気切替スイッチ、スイッチ2iは運転席側と助手席側とで独立して空調制御する「独立制御(DUALモード)」とそれら双方を一括して空調制御する「一括制御」とを切替可能な独立/一括制御切替スイッチ(DUALスイッチ)としてそれぞれが機能する。
なお、本実施形態において、「前方」とは図2の手前側(正面側)のこと、「後方」は図2の奥側(背面側)のこととして使用するものとする。従って、支持基体(操作パネル)3の前面3aとは図2において視認される平面であり、支持基体3の後面(背面)側は、隠れて視認されない。
また、支持基体(操作パネル)3には、図2に示すように、ダイアル操作装置100の車両上方位置に液晶表示器からなる設定表示部4が設けられており、車両空調装置の所定機能に係る動作設定状態が視覚表示されている。本実施形態においては、右座席用空調吹き出し口9R及び左座席用空調吹き出し口9Lの各吹き出し設定温度(動作設定状態)と、吹き出し口設定風量(動作設定状態)と、吹き出し口の選択状態(動作設定状態)とが表示されている。
図3は、ダイアル操作装置100の正面外観図(図3の(a))、底面外観図(図3の(b))、右側面外観図である(図3の(c))。図3に示すように、ダイアル操作装置100は、支持基体(操作パネル)3の前面3aから前方に突出した位置にて、該前面3aと交差する予め定められた操作軸線(回転軸線)X周りに回転操作可能に設けられた、車両用空調装置の動作設定入力を行うための筒状のダイアル操作部(ダイアルノブ)10と、同じく支持基体3の前面3aから前方に突出した位置にて、ダイアル操作部10の回転軸線X周りに複数配置される押圧操作可能な補助押圧操作部(操作方向検出用補助操作部)20D、20Pと、それらダイアル操作部10及び補助押圧操作部20D、20Pを支持し、前面3aがパネル意匠面をなす支持基体3と、ダイアル操作部10からの動作設定入力を受けるとともに補助押圧操作部20D、20Pの操作状態を検出し、該補助押圧操作部20D、20Pのいずれが操作されているかに応じてダイアル操作部10による動作設定入力のモードを変更するマイコン5(図9)と、を備えて構成されている。
なお、ダイアル操作部10からの動作設定入力による設定対象(動作設定対象)は、本実施形態においては、車両左右の座席D,P側から出力される空調気流の吹き出し設定温度である。そして、上記モードとは、ダイアル操作部10の操作(動作設定入力)による動作設定の対象を、座席D,P側のいずれかの吹き出し設定温度に対し切り替えるものであり、本実施形態においては、座席D,Pに対応して定められた左座席側モードと右座席側モードがある。
また、本実施形態においては、補助押圧操作部20Dに車両の右座席Dが対応し、補助押圧操作部20Pに車両の左座席Pが対応しており、さらに言えば、その右座席D及び左座席Pは、車両前席の運転席及び助手席のいずれかに定められている。ここでは、図1に示すように、右座席Dが運転席であり、左座席Pが助手席である。
補助押圧操作部20D、20Pは、図3(b)及び図3(c)に示すように、支持基体3の前面3aから前方に突出する筒状のベース部30の外周壁面から突出可能な形で配置されている。具体的に言えば、ベース部30が、ダイアル操作部10の外周壁部10Aから隙間を介して続く形で、該ダイアル操作部10と同じ軸線Xを共有する筒状をなしており、補助押圧操作部20D、20Pは、そのベース部30の外周壁に設けられた開口(右側開口30R,左側開口30L)から突出可能な形で配置されている。このため、補助押圧操作部20D、20Pは、ダイアル操作部10が回転操作されても、連動して一体回転することは無い。
なお、ベース部30は、必ずしも支持基体3に一体形成されるものでなくともよく、少なくとも支持基体3の前面3aから前方に突出する筒状をなし、ダイアル操作部10の回転に対し非回転となるよう固定的に設けられたものであればよい。例えば、支持基体3の円形開口から突出する形で支持基体3に組み付けられたものであってもよい。
また、補助押圧操作部20D、20Pはそれぞれ、図1〜図3に示すように、ダイアル操作部10の回転軸線X周りにおいて、該ダイアル操作部10に対する各座席D,Pの相対配設位置に個別に対応する形で、各々対応する座席D,Pからの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置されている。本実施形態においては、左座席Pに対応する補助押圧操作部20Pがダイアル操作部10の左側に設けられ、右座席Dに対応する補助押圧操作部20Dがダイアル操作部10の右側に設けられており、双方の補助押圧操作部20D、20Pが、それぞれに対応する座席D,Pの配設位置側からダイアル操作部10の回転軸線X側に向けて押圧操作可能な押圧操作部(プッシュスイッチ)として構成されている。
なお、本発明の補助押圧操作部20D、20Pは、ダイアル操作部10の回転軸線X周りにおいて、該ダイアル操作部10に対する各座席D,Pの相対配設位置に個別に対応する形で、各々対応する座席D,Pからの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置されていればよく、ダイアル操作部10の回転操作と連動してその位置が移動する構成であっても、その移動先の位置において、対応する座席からの操作が他の座席からの操作よりも容易であればよい。
図4は、補助押圧操作部20D、20Pのそれぞれの操作を示している。図4に示すように、補助押圧操作部20D、20Pは、対応する左右各座席D,Pに着座するユーザーが、ダイアル操作部10を操作するために伸ばした手の親指により操作可能な位置に設けられている。つまり、右座席Dに着座するユーザーが、ダイアル操作部10を操作するために左手を伸ばして、その左手がダイアル操作部10の操作位置にあるときの親指の位置に、右座席Dに対応する補助押圧操作部20Dが位置するように構成され、他方、左座席Pに着座するユーザーが、ダイアル操作部10を操作するため右手を伸ばして、その右手がダイアル操作部10の操作位置にあるときの親指の位置に、左座席Pに対応する補助押圧操作部20Pが位置する構成となっている。これにより、補助押圧操作部20D、20Pは、対応する座席D,Pに着座するユーザーの親指操作により容易に操作することが可能となっている。
また、本実施形態の補助押圧操作部20D、20Pは、車両左右方向に延出形成されるスライド部材20の右端部20R及び左端部20Lに形成されている。図5は、各補助押圧操作部20D、20Pが操作された状態におけるスライド部材20のポジションを説明するためのスライド部材20の正面図である。また、図6は、補助押圧操作部20Dが操作された状態におけるダイアル操作装置100の正面図及び部分断面図であり、図7は、補助押圧操作部20Pが操作された状態におけるダイアル操作装置100の正面図部分断面図である。なお、図6(b)及び図7(b)に示す部分断面図は、図6(b)及び図7(b)に示すダイアル操作装置100を上方より見た図であり、ダイアル操作装置100の内部構造が明らかになるよう、支持基体3及びベース部30のみを、スライド部材20の長手方向に切断して示している。また、図5〜図7のいずれの図も、ダイアル操作部10を破線で示している。
スライド部材20は、図5〜図7に示すように、車両左右方向に進退移動可能に設けられており、右端部20Rが押圧操作された場合には、当該端部20Rの主要部がダイアル操作部10の内部に収納された収納状態となる一方で、これと連動して、他方の左端部20Lがダイアル操作部10の外部に突出した突出状態となり、逆に、左端部20Lが押圧操作された場合には、当該端部20Lの主要部がダイアル操作部10の内部に収納された収納状態となる一方で、これと連動して、他方の右端部20Rがダイアル操作部10の外部に突出した突出状態となるように構成されている。つまり、一方の端部20R,20Lが操作された状態(操作状態:収納状態)となると、他方が連動して操作されていない状態(非操作状態:突出状態)となる。なお、この構成の場合、押圧操作可能な端部20R,20Lは突出状態にある側のみであり、収納状態にある端部20R,20Lを押圧操作することはできない。
また、スライド部材20の各端部20R,20Lの前面には、自身とは異なる他方の端部に対応する座席を特定するための座席特定情報が表示されている。該座席特定情報は、表示されている端部20R,20Lが突出状態にあるときに認識可能とされ、収納状態においてはダイアル操作部10に隠されるものであり、本実施形態においては、運転席Dに対応する端部20Rには助手席を示す座席特定情報として「P」が視覚表示され、スライド部材20の助手席P側の端部20Lが操作されたときに視認可能となり、他方、助手席Pに対応する端部20Lには運転席を示す座席特定情報として「D」が視覚表示され、スライド部材20の運転席D側の端部20Rが操作されたときに視認可能となっている。
また、スライド部材20の中央部20Cには、図5〜図7に示すように、ダイアル操作部10の回転軸10Xを軸線X方向に貫通させつつ、該貫通状態を維持した状態での該スライド部材20の左右進退移動を許容する貫通孔20Xが形成されている。本実施形態における回転軸10X用の貫通孔20Xは、正面視において左右両端に円形状を有し、スライド部材20の進退方向に長い形状、即ち上下方向よりも左右方向に長い形状で貫通形成されており、スライド部材20の左右進退移動においてダイアル操作部10の回転軸10Xに対し常に非接触となるように配置されている。
また、図6及び図7に示すように、ダイアル操作装置100には、上記したモード切り替えを行うモード切替スイッチ部(動作設定入力モード変更手段)40が設けられており、スライド部材20には、該モード切替スイッチ部40の切り替え用スイッチノブ41に対し、車両左右方向の双方から係合するスイッチノブ係合部21,21が設けられている。これらスイッチノブ係合部21,21は、スライド部材20の上端部にて上方側に突出する形で形成されており、スライド部材20の車両左右方向における進退移動に応じてスイッチノブ41の位置を、左右に切り替える(左右方向の距離dを隔てて位置する左接点位置(図9の接点(1))と右接点位置(図9の接点(2))との間で切り替える:図5)ように構成されている。この左右の位置切り替えに基づいて、図9に示すマイコン5において、ダイアル操作部10の動作設定入力のモードが切り替えられる。このモード切替スイッチ部40は配線基板50上に組み付けられている。
一方、ダイアル操作部10は、前面に意匠面を有するダイアル前面部10Dと、ダイアル前面部10Dの外周縁位置から後方に延出する形で回転軸線X周りに形成されたダイアル外周壁部10Aと、ダイアル前面部10Dの中心位置から後方に延出するダイアル操作部10の回転軸10Xとを有して構成されている。
また、図8に示すように、ダイアル操作部10の回転操作角度位置を検知する回転操作変位検知部60が、配線基板50上に組み付けられている。図8は、図6(a)ないし図7(a)に示すダイアル操作装置100を、軸線Xを含む上下方向にて切断した断面図である。本実施形態の回転操作変位検知部60はロータリーエンコーダであり、ダイアル操作部10の回転軸10Xには、周方向に一定間隔にて複数の被検知部(被検知部列)が設けられ、それら被検知部の通過に伴いパルス信号を出力する形で検知するように構成されている。検知結果は、図9に示すマイコン5に送信され、空調装置の制御に反映される。
なお、被検知部列は、少なくとも回転操作変位検知部60によるダイアル操作部10の回転操作角度位置の検知が可能であればよく、ダイアル操作部10の回転軸10Xではなく、ダイアル外周壁部10A(例えばその内面等)に設けられていてもよい。ただし、回転操作変位検知部60及び被検知部は、前方のユーザーから見えないよう、ダイアル操作部10又は支持基体3の前面3aにより隠された位置にあることが望ましい。
また、回転操作変位検知部60は、ダイアル操作部10の回転操作角度位置を検知することができればよく、他の構成ないし他の検知方法によるものであってもよい。例えば、被検知部列が複数の付勢凸部からなる付勢凸部列としてダイアル操作部10の周方向に形成され、回転操作変位検知部60が、該ダイアル操作部10への正逆各方向の回転操作に伴うそれら被検知部の通過を、通過方向を識別した形で検知(例えば、対応する向きへの付勢/解除によるパルス信号の検知)を断続的に繰り返すスイッチ素子(例えば、双方向パルススイッチ)であってもよい。また、ダイアル操作部10の回転操作変位の検知を、スライド抵抗等を利用して行うものであってもよい。
次に、ダイアル操作部10に動作設定入力がなされた場合の空調装置の制御について説明する。図9は、ダイアル操作装置100の電気的構成を示すブロック図である。ダイアル操作装置100は、ダイアル操作部10と、該ダイアル操作部10の回転操作に伴う回転操作変位を検知・出力する回転操作変位検知部60と、動作設定入力モード変更手段をなすモード切替スイッチ部40と、空調制御ECUとして機能するマイコン5と、を備えて構成されている。
図9の構成では、ダイアル操作部10が回転操作されると、回転操作変位検知部60にて、ダイアル操作部10の回転操作に伴うパルス信号が発生し、これが増幅されて、所定電圧レベルの制御信号として出力される。そして、この制御信号は、モード切替スイッチ部40のスイッチノブ41の位置切り替え状態(モード)に応じて、マイコン5の異なるポートに入力される。
この制御信号が入力されるマイコン5では、まず、モード切替スイッチ部40の切り替え状態により定められるモードを特定する。具体的には、図11に示すように、モード切替スイッチ部40において接点(1)に接続しているか、接点(2)に接続しているかを判定し(S11)、接点(1)に接続している場合は右座席側モード(運転席側モード)と特定し(S12)、接点(2)に接続している場合は左座席側モード(助手席側モード)と特定する(S13)。本実施形態においては、モード切替スイッチ部40においてどの接点に接続されているかは、マイコン5は、自身に入力された制御信号の入力ポートに基づいて特定できる。なお、本実施形態のモード切替スイッチ部40は、補助押圧操作部20Dが操作状態(収納状態)にある場合に接点(1)に接続し、補助押圧操作部20Pが操作状態(収納状態)にある場合に接点(2)に接続している。
モードが識別されると、マイコン5では、そのモードに対応する動作設定対象の特定がなされるとともに、入力された制御信号に基づいて、その動作設定対象に対する動作設定内容を特定する。そして、特定された動作設定対象に対し、同じく特定された動作設定内容に基づく制御を開始する。本実施形態の制御信号は、ダイアル操作部10の回転操作方向を特定可能なパルス信号であり、マイコン5にて、そのパルス数をカウントし、現在のモードに対応する座席側のカウント値を、回転操作方向に応じて加算又は減算している。そして、モードに対応する座席側のカウント値に基づいてダイアル操作部10の操作角度位置を特定し、特定された操作角度位置に応じた動作設定内容に基づいて空調制御を行う。
本実施形態における動作設定内容は吹き出し設定温度である。一方、本実施形態におけるモードは、吹き出し設定温度の動作設定対象を運転席D側とする右座席側モード(運転席側モード)、及び同じく助手席P側とする左座席側モード(助手席側モード)である。つまり、ダイアル操作部10により入力された吹き出し設定温度の設定値(動作設定入力)は、設定されているモードに応じた側の吹き出し口(動作設定対象)に対する設定入力として認識され、モードに応じた側の吹き出し口から出力される空調気流の温度が制御される。図10は、その具体的な制御の流れを説明するフローチャートであり、以下、これを用いてその吹き出し温度制御の処理を説明する。
この吹き出し温度制御は、車両のイグニッションオンに伴い実行されるものであり、イグニッション投入直後、まずはS1にて初期設定を行う。初期設定の内容は、前回のイグニッションオフ時に記憶した設定内容を読み出し、これを再設定する形で行なわれる。続いて、S2では、ダイアル操作部10への操作があったか否かを判定する。操作があった場合はS3に進み、なければS7にスキップする。なお、イグニッションのオン/オフは、空調制御ECUをなすマイコン5と通信可能に接続されるエンジンECUとの通信により認識できる。
S3では、DUALスイッチ2iがオンとされているか否かを判定する。独立/一括制御切替スイッチ(以下、DUALスイッチという)2iがオフの場合はS4に進み、DUALモードを解除して、右座席用空調吹き出し口9Rと左座席用空調吹き出し口9Lとの双方の吹き出し設定温度が一括設定されるようにする。即ち、補助押圧操作部20D,20Pの操作状態に関わらず、ダイアル操作部10による吹き出し設定温度(動作設定入力)の入力設定対象を、運転席側と助手席側の双方に定める。そして、S5では、補助押圧操作部(図中の押しボタン)20D,20Pへの操作を受け付けないように設定し、S6に進む。
他方、S3にて、DUALスイッチ2iがオンの場合はS9及びS10に進み、DUALモードを設定して、右座席用空調吹き出し口9Rと左座席用空調吹き出し口9Lとの双方の吹き出し設定温度が独立設定するように定める。S9では、補助押圧操作部20D,20Pへの操作を受け付けるように設定し、S10では、図11のモード特定処理(ダイアル操作部10の制御対象設定処理)を実行し、ダイアル操作部10の操作による動作設定対象として、右座席用空調吹き出し口9Rと左座席用空調吹き出し口9Lのいずれかの吹き出し設定温度を設定し、S6に進む。
S6では、S4又はS10において設定された側の吹き出し設定温度(動作設定対象)に対し、その設定温度(動作設定内容)を、ダイアル操作部10の操作量に応じて変更し、変更した設定温度による制御を開始する。
続いてS7では、イグニッションオフとされたか否かを判定する。イグニッションがオフされていなければ再びS2に戻る。他方、イグニッションがオフされた場合には、S8に進み現在の設定状態をマイコン内のメモリに格納し、本処理を終了する。具体的には、DUALモードの設定状態(DUALスイッチのオン・オフ状態)、DUALモードの解除時のダイアル操作部10の設定対象、各座席の吹き出し設定温度、吹き出し設定風量、吹き出しモード(吹き出し口の選択状態)等を記憶する。これらは、次回実行されるS1の初期設定において読み出され、設定される。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態を第一実施形態とし、それとは異なる他の実施形態について説明する。
例えば、左座席及び右座席に対応する補助押圧操作部は、上記第一実施形態のように、左右に進退移動するスライド部材20の両端20D、20Pとして形成するのではなく、図12及び図13に示すように、ダイアル操作部10の車両左右方向側の双方にそれぞれ独立設置された押圧スイッチ80D(80R),80P(80L)としてもよい。
この第二実施形態における補助押圧操作部80D(80R),80P(80L)は、補助押圧操作部80Dに車両の右座席(運転席)Dが対応し、補助押圧操作部80Pに車両の左座席(助手席)Pが対応している。
また、補助押圧操作部80D,80Pは、上記第一実施形態と同様に、支持基体3の前面から前方に突出する筒状のベース部30の外周壁面から突出する形で配置され、かつダイアル操作部10の回転軸線X周りにおいて、該ダイアル操作部10に対する各座席D,Pの相対配設位置に個別に対応する形で、各々対応する座席D,Pからの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置されている。さらに言えば、この補助押圧操作部80D,80Pは、支持基体3の前面から前方に突出する筒状のベース部30の外周壁に設けられた、車両左右方向に貫通する開口(右側開口30R,左側開口30L)にそれぞれ配置されている。
また、補助押圧操作部80D、80Pは、図14に示すように、それぞれに対応する座席D,Pの配設位置側からダイアル操作部10の回転軸線X側に向けて押圧操作可能な押圧スイッチとして構成されている。これにより、上記第一実施形態と同様、左右各座席D,Pに着座するユーザーが、ダイアル操作部10を操作するために伸ばした手の親指位置に、対応する補助押圧操作部20D、20Pが位置する構成となるので、小指側に補助押圧操作部20D、20Pが位置する場合と比べて、操作し易い。
図15は、図13(a)に示すダイアル操作装置100を、軸線Xを含む図の左右方向にて切断した断面図であり、図16は、支持基体3の無い状態で、図15のダイアル操作装置100を底面から見た図である。本実施形態における補助押圧操作部80D,80Pは、図15及び図16に示すように、支持基体3に対し固定配置される回転ヒンジ部84R,84Lと、該回転ヒンジ部84R,84Lに組み付けられて該回転ヒンジ部84R,84Lを中心に弾性的に回転変位可能に構成され、外周面にてユーザーから内向きの押圧操作を受ける弾性部材83R,83Lと、該弾性部材83R,83Lの回転ヒンジ部84R,84Lとは逆側に設けられ、タクトスイッチ70R,70Lの押圧部71R,71L側に延出し、弾性部材83R,83Lへのユーザー操作に伴い該押圧部71R,71Lを押圧する押圧ピン82R,82Lと、を備えて構成されている。タクトスイッチ70R,70Lはモード切替スイッチ部として機能するものであり、配線基板90R,90Lに組み付けられている。
なお、ダイアル操作部10は、上記第一実施形態と同様の形態を有し、ダイアル操作部10の回転操作角度位置を検知する回転操作変位検知部60も、上記第一実施形態と同様、配線基板90上に組み付けられており、検知結果は、図17に示すマイコン5に送信され、空調装置の制御に反映される。
次に、第二実施形態におけるダイアル操作部10に動作設定入力がなされた場合の空調装置の制御について説明する。図17は、ダイアル操作装置100の電気的構成を示すブロック図である。ダイアル操作装置100は、ダイアル操作部10と、該ダイアル操作部10の回転操作に伴う回転操作変位を検知・出力する回転操作変位検知部60と、動作設定入力モード変更手段をなすモード切替スイッチ部70(70D,70P)と、空調制御ECUとして機能するマイコン5と、を備えて構成されている。
図17の構成では、ダイアル操作部10が回転操作されると、回転操作変位検知部60にて第一実施形態と同様の制御信号が出力される。そして、この制御信号は、マイコン5に入力される。また、マイコン5には、各モード切替スイッチ部70D,70Pへの押圧操作に応じて、モード切替信号がそれぞれ異なるポートに入力される。
マイコン5では、それらポートに入力されるモード切替信号のエッジ検出により、切替スイッチ部70D,70Pへの押圧操作の有無を検出しており、その操作に基づいて、モードの切り替え設定を行っている。具体的には、図18に示すように、まずは、S21にて、モード切替スイッチ部70D,70Pへの押圧操作の有無を検出する。そして、右座席(運転席)Dに対応するモード切替スイッチ部70Dが押圧操作された場合にはS22に進む。S22では、マイコン5に設定されている現在のモードが右座席側モード(運転席側モード)であるか否かを判定し、右座席側モードであれば現在の設定を保持し(S23)、左座席側モード(助手席側モード)であれば現在の設定を右座席側モードに切り替える(S24)。他方、S21にて、右座席(運転席)Dに対応するモード切替スイッチ部70Dが押圧操作されていない場合にはS25に進む。S25では、マイコン5に設定されている現在のモードが左座席側モード(助手席側モード)であるか否かを判定し、左座席側モードであれば現在の設定を保持し(S27)、右座席側モード(運転席側モード)であれば現在の設定を右座席側モードに切り替える(S28)。なお、S21及びS25にて、モード切替スイッチ部70D,70Pのいずれも操作されなかった場合には、現在の設定をそのまま保持して本処理を終了する。
つまり、上記図18の処理では、マイコン5に現在設定されているモードと異なるモードに対応するモード切替スイッチ部70D,70Pが操作された場合に現在の設定を他方のモードに切り替え、現在設定されているモードと同じモードに対応するモード切替スイッチ部70D,70Pが操作された場合には現在の設定をそのまま保持するようにする。
そして、マイコン5では、ダイアル操作部10の操作に伴い上記制御信号が入力されると、現在設定されているモードに対応する動作設定対象に対し、入力された制御信号に基づく動作設定内容を特定し、特定された動作設定内容に基づく制御を開始する。本実施形態の制御信号も、ダイアル操作部10の回転操作方向を特定可能なパルス信号であり、マイコン5にて、そのパルス数をカウントし、現在のモードに対応する座席側のカウント値を、回転操作方向に応じて加算又は減算している。そして、モードに対応する座席側のカウント値に基づいてダイアル操作部10の操作角度位置を特定し、特定された操作角度位置に応じた動作設定内容に基づいて空調制御を行う。
本実施形態における動作設定内容は吹き出し設定温度である。一方、本実施形態におけるモードは、吹き出し設定温度の動作設定対象を運転席D側とする右座席側モード(運転席側モード)、及び同じく助手席P側とする左座席側モード(助手席側モード)である。つまり、ダイアル操作部10により入力された吹き出し設定温度の設定値(動作設定入力)は、設定されているモードに応じた側の吹き出し口(動作設定対象)に対する設定入力として認識され、モードに応じた側の吹き出し口から出力される空調気流の温度が制御される。図10は、その具体的な制御の流れを説明するフローチャートであり、以下、これを用いてその吹き出し温度制御の処理を説明する。なお、本実施形態における動作設定内容は、上記第一実施形態と同様、吹き出し設定温度である。一方、本実施形態におけるモードも、上記第一実施形態と同様、吹き出し設定温度の動作設定対象を運転席側とする右座席側モード(運転席側モード)、及び同じく助手席側とする左座席側モード(助手席側モード)である。本実施形態の空調気流の温度制御は、上記第一実施形態の図10の処理と同様であり、S10における処理が上記図18の処理に置き換わる形で実行される。
なお、上記第二実施形態においては、モード切替スイッチ部70(70D,70P)がタクトスイッチとして構成されているが、メタルコンタクトやラバーコンタクトによるプッシュスイッチ構造を有するものであってもよい。
本発明の第一実施形態である車両空調用ダイアル操作装置が組み込まれた車両の車室内外観図。 本発明の第一実施形態であるダイアル操作装置を備える車両空調操作ユニット1の正面外観図。 図2のダイアル操作装置の正面、底面、右側面を示す外観図。 第一実施形態における補助押圧操作部の操作を説明する図。 スライド部材の進退動作を説明する図。 右座席側の補助押圧操作部が操作された状態におけるダイアル操作装置の正面図及び部分断面図。 左座席側の補助押圧操作部が操作された状態におけるダイアル操作装置の正面図及び部分断面図。 軸線Xを含む車両上下方向にて第一実施形態のダイアル操作装置を切断した断面図。 第一実施形態のダイアル操作装置の電気的構成を示すブロック図。 空調装置の吹き出し温度制御の処理の流れを示すフローチャート。 第一実施形態におけるダイアル操作部の制御対象設定処理の流れを示すフローチャート。 本発明の第二実施形態である車両空調用ダイアル操作装置が組み込まれた車両の車室内外観図。 第二実施形態におけるダイアル操作装置の正面外観図及び斜視概観図。 第二実施形態における補助押圧操作部の操作を説明する図。 軸線Xを含む車両左右方向にて第二実施形態のダイアル操作装置を切断した断面図。 支持基体の無い状態で、図15のダイアル操作装置を底面から見た底面図。 第二実施形態のダイアル操作装置の電気的構成を示すブロック図。 第二実施形態におけるダイアル操作部の制御対象設定処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 車両空調操作ユニット
2a〜2h 押圧操作スイッチ
2i 独立/一括制御切替スイッチ(DUALスイッチ)
3 支持基体
5 マイコン
9R 右座席用空調吹き出し口
9L 左座席用空調吹き出し口
10 ダイアル操作部(ダイアルノブ)
20D、20P:80D,80P 補助押圧操作部(操作方向検出用補助操作部)
100 車両空調用ダイアル操作装置
X 回転軸線
D,P 座席
30 ベース部
20 スライド部材
20X 貫通孔
10X 回転軸
40:70D,70P モード切替スイッチ部(動作設定入力モード変更手段)

Claims (12)

  1. 車室内にて隣り合う座席から操作可能な位置に配置された車両空調用ダイアル操作装置であって、
    装置前面を形成する筐体と、
    前記装置前面から前方に突出した位置に設けられ、空調装置の動作設定入力を行うためのダイアル操作部と、
    前記ダイアル操作部の回転軸線周りにおいて、前記ダイアル操作部に対する各前記座席の相対配設位置に個別に対応する形で、各々対応する座席からの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に配置された複数の操作方向検出用補助操作部と、
    前記操作方向検出用補助操作部のいずれが操作されているかに応じて前記ダイアル操作部による前記動作設定入力のモードを変更する動作設定入力モード変更手段と、
    を備えたことを特徴とする車両空調用ダイアル操作装置。
  2. 前記モードは、前記ダイアル操作部からの前記動作設定入力による設定対象を、各前記操作方向検出用補助操作部に対応する前記座席に特有の空調出力に対し設定するものであり、前記操作方向検出用補助操作部毎に設けられている請求項1記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  3. 前記操作方向検出用補助操作部に対応する複数の座席が車両の左座席及び右座席に定められ、
    前記モードは、前記ダイアル操作部への前記動作設定入力による動作設定を、前記空調装置による左座席側の空調出力に対して行う左座席側モードと、同じく右座席側の空調出力に対して行う右座席側モードとを有し、
    前記動作設定入力モード変更手段は、前記左座席に対応する前記操作方向検出用補助操作部が操作された場合には前記左座席側モードに切り替え、前記右座席に対応する前記操作方向検出用補助操作部が操作された場合には前記右座席側モードに切り替えるものである請求項2記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  4. 前記操作方向検出用補助操作部に対応する前記左座席及び前記右座席が、車両前席の運転席及び助手席に定められてなる請求項3記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  5. 前記操作方向検出用補助操作部は、前記左座席に対応するものが前記ダイアル操作部の左側に設けられ、前記右座席に対応するものが前記ダイアル操作部の右側に設けられてなる請求項4記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  6. 前記操作方向検出用補助操作部はそれぞれ、対応する前記座席側から前記ダイアル操作部の前記回転軸線側に向けて押圧操作可能な押圧操作部として構成されてなる請求項5記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  7. 車両左右方向に延出形成されるとともに、中央部が前記回転軸線方向にて前記ダイアル操作部と重なる形で配置され、前記車両左右方向に進退移動可能なスライド部材を備え、
    前記左座席及び前記右座席に対応する各前記操作方向検出用補助操作部は、前記スライド部材の左端部及び右端部に形成されており、当該スライド部材は、左右一方の端部が押圧操作された場合には、当該端部の主要部が前記ダイアル操作部の内部に収納された収納状態となる一方で、これと連動して、他方の端部が前記ダイアル操作部の外部に突出した突出状態となるように構成されており、
    前記動作設定入力モード変更手段は、前記モードを、前記収納状態に操作された前記スライド部材の端部をなす前記操作方向検出用補助操作部に対応するものに変更する請求項6記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  8. 前記スライド部材の端部には、他方の端部に対応する座席を特定する座席特定情報が表示されるとともに、該座席特定情報は、前記突出状態において認識可能とされ、前記収納状態においては前記ダイアル操作部に隠される請求項7記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  9. 前記スライド部材の中央部には、前記ダイアル操作部の回転軸を貫通させつつ、該貫通状態を維持した状態での該スライド部材の前記進退移動を許容する貫通孔が形成されてなる請求項7又は請求項8に記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  10. スイッチノブの位置切り替えに応じて、前記モードを切り替えるモード切替スイッチ部を備え、
    前記スライド部材には、前記スイッチノブに対し前記車両左右方向の双方から係合するスイッチノブ係合部が設けられ、該スイッチノブ係合部が、前記スライド部材の前記車両左右方向における進退移動に応じて前記スイッチノブの位置切り替えを行うように構成されるとともに、
    前記動作設定入力モード変更手段は、前記スイッチノブの位置切り替えに基づいて、前記モードを変更する請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  11. 前記左座席及び前記右座席に対応する各前記操作方向検出用補助操作部は、前記ダイアル操作部の車両左右方向の双方に独立設置された押圧スイッチであり、
    前記動作設定入力モード変更手段は、直前に押圧操作された前記操作方向検出用補助操作部に対応する前記モードに変更する請求項6記載の車両空調用ダイアル操作装置。
  12. 前記ダイアル操作部は、前記モードにより特定される座席に対応する空調出力に対して、その吹き出し設定温度を変更するものである請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両空調用ダイアル操作装置。
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