JP2009013381A - 熱硬化性樹脂の製造方法、熱硬化性樹脂、それを含む熱硬化性組成物、成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器 - Google Patents

熱硬化性樹脂の製造方法、熱硬化性樹脂、それを含む熱硬化性組成物、成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器 Download PDF

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Kazuo Tsuchiyama
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂の提供を目的の一つとする。
【解決手段】本発明は、a)下記一般式(I)で示される単位を含むフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、c)アルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を含む熱硬化性樹脂の製造方法を提供する。
一般式(I)

【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂、該熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器に関する。
従来から、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂は、その熱硬化性という性質に基づき、耐水性、耐薬品性、耐熱性、機械強度、信頼性等が優れているので広い産業分野で使用されている。
しかし、フェノール樹脂及びメラミン樹脂は硬化時に揮発性の副生成物を発生する、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂は難燃性が劣る、ビスマレイミド樹脂は非常に高価である等の欠点がある。
これらの欠点を解消するために、ジヒドロベンゾキサジン環が開環重合反応し、問題となるような揮発分の発生を伴わずに熱硬化するジヒドロベンゾキサジン化合物(以下、ベンゾキサジン化合物と略することもある)が研究されてきた。ベンゾキサジン化合物は、上記のような熱硬化性樹脂が有する基本的な特徴に加え、保存性に優れており、溶融時には比較的低粘度であり、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂である。このようなベンゾキサジン化合物としては、例えば、特開昭49−47378号公報に開示されている(特許文献1)。
また、近年の電子機器・部品の高密度化(小型化)、及び伝達信号の高速化に対応すべく、誘電特性の改善(低誘電率化及び低誘電体損失化)による信号伝達速度や高周波特性の向上が求められている。
このような優れた誘電特性を有する熱硬化性樹脂の原料材料として、下記式(1)や下記式(2)で表されるジヒドロベンゾキサジン化合物が知られている(非特許文献1)。
式(1)
式(2)
かかるジヒドロベンゾキサジン化合物のベンゾキサジン環が開環重合して得られる樹脂は、熱硬化時に揮発成分の発生を伴うこともなく、また、難燃性や耐水性にも優れるものである。
しかし、上記従来のジヒドロベンゾキサジン化合物のベンゾキサジン環が開環重合して得られる樹脂は、上述の如く、熱硬化性樹脂のなかでは誘電特性に優れるものの、最近の更なる電子機器・部品の高性能化に応じて、例えば、メモリや論理プロセッサ等のICパッケージを構成する多層基板の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いる場合には、更に低い誘電率及び誘電体損失を有することが要求される。
また、誘電体損失は、通常、周波数と材料の誘電正接に比例する傾向にある一方で、電子機器・部品で用いられる周波数はますます高くなる傾向にあるため、誘電正接が低い材料への要求が更に高くなっている。
電気特性、耐熱性の向上や、強靭性、可とう性の付与といった要望に対して、特開2005−239827号公報では、微細加工への対応に関する技術が提案されている(特許文献2)。ただし、この技術では、フリーのOH基が存在するため、吸湿性、電気特性の面で不利である。
また、特開2003−64180号公報には、主鎖中にベンゾキサジン構造を有する耐熱性、機械特性に優れた熱硬化性樹脂が開示されている(特許文献3)。
該文献には、可とう性を付与するものとして長鎖芳香族ジアミンが開示されている。これは、架橋点となるベンゾオキサジン環の間の分子量を大きくするという点から有利であると考えられる。しかしながら、スルホン基等の極性の高い基を含むものは誘電特性の面から不利となる。
そして、特許文献4には、ポリブタジエン骨格を有するベンゾオキサジン樹脂について述べられており、可とう性、耐熱性等に優れるという記述があるが、本発明の熱硬化性樹脂を示唆するような記載はない。
特開昭49−47378号公報 特開2005−239827号公報 特開2003−64180号公報 特開2005−272743号公報 小西化学工業株式会社ホームページ[2005年11月24日検索]、インターネット<URL:http://www.konishi-chem.co.jp/cgi-data/jp/pdf/pdf_2.pdf>
そこで、本発明の目的は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器を提供することにある。
本発明者等は、重合体側鎖部分にジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂を製造することで、前記目的を達成し得ることの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。すなわち本発明の構成は以下の通りである。
1.a)下記一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
一般式(I)
2.一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体が、ブタジエン単位又はイソプレン単位の少なくとも一方と無水マレイン酸単位とを有する、数平均分子量1,000〜100,000のビニル系重合体と、
アミノフェノールとの反応により得られる、前記1に記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
3.ビニル系重合体が、さらにスチレン単位を有する、前記2に記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
4.芳香族モノアミン化合物が、下記一般式(II)で示される、前記1から3の何れかに記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
一般式(II)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
5.a)下記一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させる製造方法により製造するジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂。
一般式(I)
6.下記一般式(III)で示されるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂。
一般式(III)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
7.下記一般式(I)で示される単位及び下記一般式(III)で示される単位の割合が、モル比で(I):(III)=50:50〜0:100の範囲である前記5又は6に記載の熱硬化性樹脂。
一般式(I)
一般式(III)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
8.前記1から4の何れかに記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂又は前記5から7の何れかに記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。
9.分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物をさらに含む、前記8に記載の熱硬化性組成物。
10.前記1から4の何れかに記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂、前記5から7の何れかに記載の熱硬化性樹脂、又は前記8若しくは9に記載の熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、若しくは硬化させずに得られる成形体。
11.前記1から4の何れかに記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂、前記5から7の何れかに記載の熱硬化性樹脂、又は前記8若しくは9に記載の熱硬化性組成物より得られる硬化体。
12.前記10に記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。
13.前記10に記載の成形体、前記11に記載の硬化体、又は前記12に記載の硬化成形体を含む電子機器。
本発明によれば、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された熱硬化性樹脂を得ることのできる製造方法と、該製造方法により得られる熱硬化性樹脂、該樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器が提供される。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
〔熱硬化性樹脂の製造方法〕
本発明に係る熱硬化性樹脂の製造方法は、a)下記一般式(I)で示される単位を含むフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させることを特徴とする。そして、本発明の製造方法により、ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を得ることができる。得られる熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善されたものである。
一般式(I)
a)成分の一般式(I)で示される単位を含むフェノール性OH含有重合体は、無水マレイン酸単位を含む重合体とアミノフェノールとを反応させることにより、下記スキームに従って製造することができる。
このとき、活性水素を有さないような、この反応に対して不活性な溶媒を使用することができる。不活性な溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等が挙げられる。イミド環を完全に閉環させるためには、130〜230℃程度の温度で1〜10時間程反応させる。イミド環の閉環に伴い発生する水を反応系から除去して反応を行うことが好ましい。水を除去するためには、トルエン、キシレン等の水と共沸する溶媒を用いて反応を行ってもよいし、減圧下で反応を行って水を除去してもよい。
無水マレイン酸単位を有する重合体は、無水マレイン酸単位を有する重合体であれば、特に限定はされないが、無水マレイン酸単位とブタジエン単位又はイソプレン単位の少なくともいずれか一方とを有するビニル系重合体であるものが好ましい。また、さらにスチレン単位を含むビニル系重合体であるものも好ましい。このようなビニル系重合体としては、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ、その具体例としては、特に限定されるものではないが、サートマー製無水マレイン酸−ブタジエン共重合体「Ricon130」「Ricon131」、又はサートマー製無水マレイン酸−ブタジエン−スチレン共重合体「Ricon184」シリーズ等が挙げられる。また無水マレイン酸単位は、共重合体組成中の1/3以下のモル比であることが好ましい。共重合体組成中の無水マレイン酸単位のモル比が、これ以上であると、無水マレイン酸単位を有する重合体をイミド化した後のTgが高くなりすぎる。
無水マレイン酸単位を有する重合体は、数平均分子量が1,000〜100,000程度のものが好ましい。分子量がこれより小さいと強靭性が発現できず、これより大きいと反応させる際、粘度が非常に高くなり、作業性の点で好ましくない。
アミノフェノールとしては、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール等が挙げられる。
b)成分の芳香族モノアミン化合物は、アミノ基を1つ有する芳香族化合物であれば、特に限定されるものではない。
アミノ基を1つ有する芳香族モノアミン化合物としては、アリール環に結合するアミノ基を1つ有する、置換若しくは無置換のフェニル、ナフチル等のアリール、又はヘテロアリール環に結合するアミノ基を1つ有する、置換若しくは無置換の、1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を有する5員環若しくは6員環構造を有するヘテロアリール等が挙げられる。
ヘテロアリールとしては、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン等が挙げられる。
アミノ基を1つ有する芳香族化合物の置換基としては、特に限定されるものではないが、活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい基が挙げられる。
芳香族モノアミン化合物は、下記一般式(II)で示される化合物であることが好ましい。
一般式(II)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
一般式(II)で示される化合物のRの活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及び並びにフェニル等の置換又は無置換のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。
Rの有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
芳香族モノアミン化合物の具体例としては、特に限定されるものではないが、アニリン、トルイジン(o−、m−、p−)、アニシジン(o−、m−、p−)、フェネチジン(o−、m−、p−)、キシリジン(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−)、エチルアニリン(o−、m−、p−)、イソプロピルアニリン(o−、m−、p−)、ジエチルアニリン(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−)、ジイソプロピルアニリン(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−)等が挙げられる。
c)成分のアルデヒド化合物としては、特に限定されるものではないが、具体例として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド等が挙げられ、好ましくは、ホルムアルデヒドが用いられる。ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することができ、反応の進行が穏やかであることから、パラホルムアルデヒドを使用することが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、原料の溶解性が良好なものの方がジヒドロベンゾキサジン環の形成反応が進行しやすい。このような溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
また、上記溶媒にアルコールを添加して熱硬化性樹脂を製造することにより、各成分の上記溶媒への溶解性を調整することもできる。添加するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。
熱硬化性樹脂を製造する際の反応温度、反応時間についても特に限定されないが、通常、室温から160℃程度の温度で数十分から数時間反応させればよい。本発明においては、特に30〜140℃で、20分〜9時間反応させれば、本発明に係る熱硬化性樹脂としての機能を発現し得る重合体へと反応は進行するため好ましい。
また、反応時に生成する水を系外に取り除くのも反応を進行させる有効な手法である。水を除去するためには、トルエン、キシレン等の水と共沸する溶媒を用いて行ってもよいし、減圧下に水を除去してもよい。反応終了後に、反応溶液を乾燥することにより重合体を得ることができるが、反応溶液を濃縮することにより、重合体を析出させることもできる。また、反応後の溶液に、例えば多量のメタノール等の貧溶媒を加えることで重合体を析出させることができ、これを分離、乾燥することにより目的の重合体を得ることもできる。
本発明の熱硬化性樹脂の特性を損なわない範囲で、二官能以上の多官能アミン化合物を使用することもできる。多官能アミンを使用すると、分岐のある重合体が得られることになるため、多官能アミンが多すぎるとゲル化するおそれがある。このため多官能アミンの割合は、多官能アミンの官能基数や分子量にもよるが、30重量%以下が好ましい。
ジヒドロベンゾキサジン環の形成は、フェノール性OH含有重合体の全てのOHに対して行わなくてもよい。このように一部ベンゾキサジン環を形成していないフェノール性OH基が存在すると、硬化反応時の触媒として働くため、効率的に硬化させることができる。ベンゾキサジン環の形成は、実質的に硬化させることができる割合があればよく、一般的には全フェノール性OHの50mol%以上であればよい。
〔熱硬化性樹脂〕
本発明の熱硬化性樹脂は、前述した熱硬化性樹脂の製造方法により得られるものである。
本発明の熱硬化性樹脂は、a)下記一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させる製造方法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を含む熱硬化性樹脂である。
一般式(I)
本発明の熱硬化性樹脂におけるジヒドロベンゾキサジン環構造単位とは、下記式(3)で示される構造単位を意味する。
式(3)
[Xは芳香族モノアミン化合物の残基である]
ここで、芳香族モノアミン化合物の残基とは、芳香族モノアミン化合物のアミノ基以外の部分構造で示される基を意味する。
本発明の熱硬化性樹脂は、b)芳香族モノアミン化合物が、一般式(II)で示される化合物である製造方法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
一般式(II)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
本発明の熱硬化性樹脂は、c)アルデヒド化合物が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド又はブチルアルデヒドである製造方法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。ホルムアルデヒドである場合が好ましく、特に、パラホルムアルデヒドを用いる製造法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(III)で示される環構造単位を有する熱硬化性樹脂であることがより好ましい。
一般式(III)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
一般式(III)で示される環構造単位において、Rの活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及び並びにフェニル等の置換又は無置換のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。
一般式(III)で示される環構造単位において、Rの有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
一般式(III)で示される環構造単位において、Rとしては、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノから選択される基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、一般式(III)で示される構造単位において、mが0である場合も好ましい。mが0であるとは、一般式(III)で示される構造単位において、RがHに該当する無置換のベンゼン環であることを意味する。
本発明の熱硬化性樹脂は、特に耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された特性を有するが、その他、耐水性、耐薬品性、機械強度、信頼性等に優れ、硬化時における揮発性副生成物やコストの面でも問題がなく、また保存性に優れており、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂であり、フィルムやシート等にも容易に加工することができる。
〔熱硬化性組成物〕
本発明の熱硬化性組成物は、前述した熱硬化性樹脂を少なくとも含むものである。本発明に係る熱硬化性組成物は、前記熱硬化性樹脂を好ましくは主成分として含むものであり、例えば、主成分として前記熱硬化性樹脂を含み、且つ、副成分として、他の熱硬化性樹脂を含むものが挙げられる。
副成分としての他の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、この組成物から形成される成形体の耐熱性をより向上させ得る観点から、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂がより好ましい。これらの他の熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明に係る熱硬化性組成物には、分子内に少なくとも1つ、好ましくは分子内に2つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物を副成分として用いてもよい。このような化合物は、分子内にフェノール性水酸基を有し、且つそのオルト位の一つがHであるような化合物と、分子内に1級アミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応により得ることができる。このとき、フェノール性水酸基を分子内に複数有する化合物を用いる場合には、1級アミノ基を分子内に一つのみ有する化合物を使用し、1級アミノ基を分子内に複数有する化合物を使用する場合には、フェノール性水酸基を分子内に一つのみ有する化合物を使用する。この分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物の具体例としては、限定されるものではないが、下記式(1)、下記式(2)及び下記式(4)のようなものが挙げられる。
式(1)
式(2)
式(4)
また、本発明に係る熱硬化性組成物は、必要に応じて、難燃剤、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を含有していてもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用して用いられてもよい。また本発明に係る熱硬化性組成物を調製する際に、反応性あるいは非反応性の溶剤を使用することもできる。
〔成形体〕
本発明に係る成形体は、前述した熱硬化性樹脂、又はそれを含む熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、若しくは硬化させずに得られるものである。本発明の成形体としては、前述した熱硬化性樹脂が硬化前にも成形性を有しているため、いったん硬化前に成形した後に熱をかけて硬化させたもの(硬化成形体)でも、成形と同時に硬化させたもの(硬化体)でもよい。また、その寸法や形状は特に制限されず、例えば、シート状(板状)、ブロック状等が挙げられ、さらに他の部位(例えば粘着層)を備えていてもよい。
その硬化方法としては、従来公知の任意の硬化方法を用いることができ、一般には120〜260℃程度で数時間加熱すればよいが、加熱温度がより低かったり、加熱時間が不足したりすると、場合によっては、硬化が不十分となって機械的強度が不足することがある。また、加熱温度がより高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、場合によっては、分解等の副反応が生じて機械的強度が不都合に低下することがある。よって、用いる熱硬化性化合物の特性に応じた適正な条件を選択することが好ましい。
また、硬化を行う際に、適宜の硬化促進剤を添加してもよい。この硬化促進剤としては、ジヒドロベンゾキサジン化合物を開環重合する際に一般的に使用されている任意の硬化促進剤を使用でき、例えば、カテコール、ビスフェノールA等の多官能フェノール類、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等のスルホン酸類、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、アジピン酸等のカルボン酸類、コバルト(II)アセチルアセトネート、アルミニウム(III) アセチルアセトネート、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネート等の金属錯体、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化鉄等の金属酸化物、水酸化カルシウム、イミダゾール及びその誘導体、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等の第三級アミン及びこれらの塩、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン・ベンゾキノン誘導体、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のリン系化合物及びその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化促進剤の添加量は特に限定されないが、添加量が過多となると、成形体の誘電率や誘電正接が上昇して誘電特性が悪化したり、機械的物性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、一般に、前記熱硬化性樹脂100重量部に対し硬化促進剤を20重量部以下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下の割合で用いる。
前述の如く、こうして得られる、前記熱硬化性樹脂又は前記熱硬化性組成物より得られる本発明の成形体は、重合体構造中にベンゾキサジン構造を有するので、優れた誘電特性を実現することができる。
また、本発明の成形体は、前記熱硬化性樹脂又は前記熱硬化性組成物の有する熱硬化性という性質に基づいて信頼性、難燃性、成形性、美観性等に優れており、しかもガラス転移温度(Tg)が高いので、応力がかかる部位や可動部にも適用することが可能であり、且つ、重合時に揮発性の副生成物を発生しないので、そのような揮発性の副生成物が成形体中に残存せず衛生管理上も好ましい。
本発明の成形体は、電子部品・電子機器及びその材料として、特に優れた誘電特性が要求される多層基板、積層板、封止剤、接着剤等の用途に好適に用いることができる。
ここで、電子機器としては、具体的には、携帯電話、表示機器、車載機器、コンピュータ、通信機器等が挙げられる。
その他、航空機部材、自動車部材、建築部材、等の用途にも使用することがで きる。
以下に本発明における代表的な実施例を示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
〔合成例1〕フェノール性OH含有重合体の合成
無水マレイン酸単位を20重量%含有する、ブタジエンと無水マレイン酸の共重合体(サートマー製「Ricon131MA20」、GPCによる数平均分子量Mn=8,200、重量平均分子量Mw=13,100)13.56g(無水マレイン酸単位として0,027mol)、p−アミノフェノール2.42g(和光純薬製、0.022mol)、キシレン10ml、メチルイソブチルケトン1mlを混合し、130〜140℃で8時間反応させた。さらにp-アミノフェノール0.60g(0.005mol)を添加し、130〜135℃で4.5時間反応させた。反応後の溶液から減圧下で大部分の溶媒を除去した後、さらに180〜190℃の真空オーブン中で5時間乾燥し、溶媒の除去とイミド環の閉環を行った。得られた樹脂は15.43gであった。
得られた重合体について重アセトン中での1H−NMRスペクトル測定、及びFT−IRスペクトル測定をすることにより、目的のフェノール性OH含有重合体が得られていることを確認した。またGPC測定を行ったところ、数平均分子量Mn=8,300、重量平均分子量Mw=17,400であった。1H−NMRの積分値及びGPCによる数平均分子量より求めたフェノール性OH含有単位(I)の比率は、約10mol%であった。
〔GPCによる数平均分子量〕
島津製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、THFを展開媒として、カラム温度40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「RID−10A」を用い、カラムはShodex製「KF−804L」(排除限界分子量400,000)を2本直列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー製「TSKスタンダードポリスチレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、500のものを使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
〔ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成〕
合成例1のフェノール性OH含有重合体5.0g、p−アニシジン1.06g(0.0086mol)、n−ブタノール/キシレン=1/19の混合溶媒5mlを混合し、均一な溶液とした。そこへ92%パラホルムアルデヒド(三菱ガス化学製)0.56gを添加し、100〜110℃で1.5時間反応させた。反応終了後の溶液を70mlのメタノール中に投じて重合体を析出させ、さらにメタノールで洗浄後、60℃で減圧乾燥することにより、5.52gの樹脂を得た。
得られた樹脂について重クロロホルム中で1H−NMRを測定することにより、目的のジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が得られていることを確認した。またGPC測定を行ったところ、数平均分子量Mn=11,400、重量平均分子量Mw=24,900であった。1H−NMRの積分値及びGPCによる数平均分子量より求めたジヒドロベンゾキサジン環構造単位(III)の比率は、約10mol%であり、フェノール性OH基のほぼ全てがベンゾキサジン構造に変化したことを確認した。
実施例1で得られた重合体をトルエンに溶解させて50wt%の溶液とし、離型処理されたPETフィルム上にアプリケータを用いて塗工し、対流オーブン中80℃で30分乾燥させ、その後160℃で30分、180℃で3時間、220℃で30分、240℃で30分熱処理することにより、120μmtのシート状の硬化成形体を得た。得られた硬化体は褐色透明で均一なものであり、非常に屈曲性に優れる柔軟なものであった。
得られた成形体について、誘電率測定装置(ヒューレットパッカード社製、商品名「8510C」)を用いて空洞共振法により、23℃、5.8GHzにおける誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。実施例2の硬化成形体は、誘電率、誘電正接ともに良好な特性を示した。
また得られたシートを島津製作所製、商品名「DTG−60」を用いてTGA法により、10℃/minの昇温速度でアルゴン雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価した。実施例2の硬化成形体はTd5が340℃と良好な値を示した。
実施例1において、p−アニシジンの代わりにアニリン0.80g(0.0086mol)を使用した以外は、実施例1と同様にして合成し、4.85gの樹脂を得た。
得られた樹脂について重クロロホルム中で1H−NMRを測定することにより、目的のジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が得られていることを確認した。またGPC測定を行ったところ、数平均分子量Mn=9,400、重量平均分子量Mw=23,600であった。1H−NMRの積分値及びGPCによる数平均分子量より求めたジヒドロベンゾキサジン環構造単位(III)の比率は、約10mol%であり、フェノール性OH基のほぼ全てがベンゾキサジン構造に変化したことを確認した。
実施例3で得られた熱硬化性樹脂を使用した以外は、実施例2と同様にして、シート状の硬化成形体を得た。得られた硬化体の厚みは100μmtであった。シートは褐色透明で均一なものであり、非常に屈曲性に優れるものであった。このシート状の硬化成形体を実施例2と同様にして評価した。結果をまとめて表2に示す。実施例4の硬化成形体は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した
本発明は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂、該熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (13)

  1. a)下記一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
    一般式(I)
  2. 一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体が、ブタジエン単位又はイソプレン単位の少なくとも一方と無水マレイン酸単位とを有する、数平均分子量1,000〜100,000のビニル系重合体と、
    アミノフェノールとの反応により得られる、請求項1に記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
  3. ビニル系重合体が、さらにスチレン単位を有する、請求項2に記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
  4. 芳香族モノアミン化合物が、下記一般式(II)で示される、請求項1から3のいずれか1項に記載のジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
    一般式(II)
    〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
  5. a)下記一般式(I)で示される単位を有するフェノール性OH含有重合体、b)芳香族モノアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させる製造方法により製造するジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂。
    一般式(I)
  6. 下記一般式(III)で示されるジヒドロベンゾキサジン環構造単位を有する熱硬化性樹脂。
    一般式(III)
    〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
  7. 下記一般式(I)で示される単位及び下記一般式(III)で示される単位の割合が、モル比で(I):(III)=50:50〜0:100の範囲である、請求項5又は6に記載の熱硬化性樹脂。
    一般式(I)
    一般式(III)
    〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。〕
  8. 請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂又は請求項5から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。
  9. 分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物をさらに含む、請求項8に記載の熱硬化性組成物。
  10. 請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂、請求項5から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂、又は請求項8若しくは9に記載の熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、若しくは硬化させずに得られる成形体。
  11. 請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法により製造される熱硬化性樹脂、請求項5から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂、又は請求項8若しくは9に記載の熱硬化性組成物より得られる硬化体。
  12. 請求項10に記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。
  13. 請求項10に記載の成形体、請求項11に記載の硬化体、又は請求項12に記載の硬化成形体を含む電子機器。
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