JP2009012264A - フィルムインサート成形品の製造方法及びフィルムインサート成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、洗面化粧台のミラーキャビネット、等に用いられるフィルムインサート成形品について、外観のバリエーションを容易に増やすことができ、フィルムの挿入面の一体感を維持しながら成形品の意匠性を高めることが可能な製造方法及びフィルムインサート成形品の提供を課題とする。
【解決手段】外観面21を複数の面21a〜21hで構成したフィルムインサート成形品1を製造する際、射出成形用の成形型110,120内へフィルム12を挿入する際に外観面21を構成する複数の面21a〜21hのうち一部の面のみに対して該面の全てを覆うようにフィルム12を挿入し、成形型110,120内へ樹脂成形材料11Aを射出してフィルムインサート成形品1を製造する。
【選択図】図3
【解決手段】外観面21を複数の面21a〜21hで構成したフィルムインサート成形品1を製造する際、射出成形用の成形型110,120内へフィルム12を挿入する際に外観面21を構成する複数の面21a〜21hのうち一部の面のみに対して該面の全てを覆うようにフィルム12を挿入し、成形型110,120内へ樹脂成形材料11Aを射出してフィルムインサート成形品1を製造する。
【選択図】図3
Description
本発明は、射出成形用の成形型内へフィルムを挿入して該成形型内へ樹脂成形材料を射出してフィルムインサート成形品を製造する方法、及び、フィルムインサート成形品に関する。
従来、浴室の棚や水栓カバーには、樹脂成形材料を射出して成形した射出成形品が多く用いられている。浴室や洗面化粧台のミラーキャビネットも、樹脂成形材料を射出して成形した射出成形品が用いられることがある。
また、射出成形品を加飾するため、射出成形用の金型内へフィルムを挿入して該金型内へ樹脂成形材料を射出してフィルムインサート成形品を製造することも行われている。
また、射出成形品を加飾するため、射出成形用の金型内へフィルムを挿入して該金型内へ樹脂成形材料を射出してフィルムインサート成形品を製造することも行われている。
上述した浴室用の成形品や洗面化粧台用の成形品を製造する技術ではないが、フィルムインサート成形品を製造する技術として、図7に示す技術が知られている。なお、同図(a)は特許文献1の図1に示されるフィルムインサート成形品の製造装置910、(b)は特許文献1の図4に示されるフィルムインサート成形品920、(c)は特許文献2の図8に示されるラベルインサート成形品の製造装置930、(d)は特許文献2の図9に示されるラベルインサート成形品940、を示している。
同図(b)に示すように、アクリル印刷インサートフィルム924は、アクリルフィルム921上に絵柄層922が形成され、この絵柄層の上に接着層923が形成されている。同図(a)に示すように、インサートフィルム924を可動型911とクランプ部材914とで押さえ、真空成形によりインサートフィルム924を可動型911の凹部に沿うように三次元形状に加工し、可動型911と固定型912とを型締めしてポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射出して成形すると、同図(b)に示すフィルムインサート成形品920が形成される。このフィルムインサート成形品920は、外観面が複数の面926,926で構成され、これらの面926,926の全てがインサートフィルム924で覆われている。
また、同図(d)に示すラベルインサート成形品940は、外観面が一つの側面943で構成されている。同図(c)に示すように、固定金型931内面のラベル保持部932にラベル941を吸着させ、キャビティ933に成形用樹脂939を射出して成形すると、同図(d)に示すラベルインサート成形品940が形成される。このラベルインサート成形品940は、側面943の一部にラベル941が挿入されている。
特開平11−245261号公報
特開平5−285981号公報
また、同図(d)に示すラベルインサート成形品940は、外観面が一つの側面943で構成されている。同図(c)に示すように、固定金型931内面のラベル保持部932にラベル941を吸着させ、キャビティ933に成形用樹脂939を射出して成形すると、同図(d)に示すラベルインサート成形品940が形成される。このラベルインサート成形品940は、側面943の一部にラベル941が挿入されている。
特許文献1記載の技術のように、射出成形品の外観面における複数の面の全てをフィルムで覆うと、外観が単調になってしまう問題がある。
特許文献2記載の技術のように、フィルムが射出成形品のある面の一部に挿入されると、フィルムが挿入されていることが強調され、一体感が損なわれてしまう問題がある。
特許文献2記載の技術のように、フィルムが射出成形品のある面の一部に挿入されると、フィルムが挿入されていることが強調され、一体感が損なわれてしまう問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、複数の面で外観面を構成したフィルムインサート成形品の製造方法において、外観のバリエーションを容易に増やすことができ、フィルムの挿入面の一体感を維持しながら成形品の意匠性を高めることが可能な製造方法及びフィルムインサート成形品の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の面で外観面を構成したフィルムインサート成形品の製造方法であって、射出成形用の成形型内へフィルムを挿入する際に前記外観面を構成する複数の面のうち一部の面のみに対して該面の全てを覆うように前記フィルムを挿入し、前記成形型内へ樹脂成形材料を射出してフィルムインサート成形品を製造することを特徴とする。
すなわち、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで成形品を異なる外観面とすることができ、外観のバリエーションを簡単に増やすことができる。また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感が維持される。
すなわち、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで成形品を異なる外観面とすることができ、外観のバリエーションを簡単に増やすことができる。また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感が維持される。
また、本発明は、浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、又は、洗面化粧台のミラーキャビネットに用いられ、射出成形用の成形型内へフィルムを挿入して該成形型内へ樹脂成形材料を射出して成形したフィルムインサート成形品であって、該フィルムインサート成形品の外観面が複数の面で構成され、該複数の面のうち一部の面のみについて該面の全てが前記フィルムで覆われていることを特徴とする。
すなわち、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで異なる外観面となり、また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高めることができる。
すなわち、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで異なる外観面となり、また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高めることができる。
なお、本発明にいう外観面は、フィルムインサート成形品の使用者の目に対して積極的に見せる意匠面とし、この意匠面に形成された凹部を含まないものとする。
請求項1に係る発明によれば、複数の面で外観面を構成したフィルムインサート成形品の製造方法において、外観のバリエーションを容易に増やすことができ、フィルムの挿入面の一体感を維持しながら成形品の意匠性を高めることが可能な製造方法を提供することができる。
請求項2に係る発明では、浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、又は、洗面化粧台のミラーキャビネットに用いられるフィルムインサート成形品について、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高めた新規のフィルムインサート成形品を提供することができる。
請求項2に係る発明では、浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、又は、洗面化粧台のミラーキャビネットに用いられるフィルムインサート成形品について、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高めた新規のフィルムインサート成形品を提供することができる。
(1)フィルムインサート成形品及びその製造方法の説明:
図1は本発明の一実施形態に係るフィルムインサート成形品1,2を壁Wに取り付ける様子を分解して示す図、図2はフィルムインサート成形品1A,1Bの外観を示す斜視図、図3はフィルムインサート成形品の製造装置100の要部を模式的に示す垂直断面図、図4は金型110にフィルムを挿入する様子を示す分解斜視図、である。図2では、フィルム12の挿入箇所にハッチングを付している。
図1は本発明の一実施形態に係るフィルムインサート成形品1,2を壁Wに取り付ける様子を分解して示す図、図2はフィルムインサート成形品1A,1Bの外観を示す斜視図、図3はフィルムインサート成形品の製造装置100の要部を模式的に示す垂直断面図、図4は金型110にフィルムを挿入する様子を示す分解斜視図、である。図2では、フィルム12の挿入箇所にハッチングを付している。
本発明のフィルムインサート成形品は、浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、洗面化粧台のミラーキャビネット、等の製品に用いられる。図では、浴室の棚に用いられる載置用成形品1及び保持用成形品2を示している。載置用成形品1は、浴室内で使用する物を載置するための部材とされ、物の載置面21dを上面に有する基部1aと、この基部の後部から上方へ延出した延出部1bとを有する形状に成形されている。保持用成形品2は、載置用成形品1を保持するために設けられ、該載置用成形品の延出部1bを水平方向へスライドさせて挿入するための溝2aが前面部に形成されている。また、保持用成形品2の背面部には、浴室の壁Wに取り付けられた掛止具Lに保持用成形品2を引っ掛けるための凹部2bが形成されている。
従って、凹部2bに掛止具Lを挿入すると保持用成形品2が壁Wに取り付けられ、溝2aに延出部1bを挿入すると載置用成形品1が保持用成形品2を介して壁Wに取り付けられる。むろん、保持用成形品2を壁Wに取り付ける前に載置用成形品1を保持用成形品2に取り付け、一体化した成形品1,2を壁Wに取り付けてもよい。
従って、凹部2bに掛止具Lを挿入すると保持用成形品2が壁Wに取り付けられ、溝2aに延出部1bを挿入すると載置用成形品1が保持用成形品2を介して壁Wに取り付けられる。むろん、保持用成形品2を壁Wに取り付ける前に載置用成形品1を保持用成形品2に取り付け、一体化した成形品1,2を壁Wに取り付けてもよい。
本製造方法により形成されるフィルムインサート成形品1,2は、外観面21,22を複数の面21a〜21h,22a〜22eで構成している。上述したように、外観面は成形品1,2の使用者の目に対して積極的に見せる意匠面であるため、載置用成形品1の背面や底面は外観面に含まれず、保持用成形品2の背面24aや底面24bは外観面に含まれず、さらに、保持用成形品2の意匠面(22a,22b)から凹んだ溝(凹部)2aの面23a,23bは外観面に含まれない。
本実施形態に係る製造方法では、射出成形用の金型(成形型)110,120内へフィルム12を挿入する際に外観面21,22を構成する複数の面21a〜21h,22a〜22eのうち一部の面のみに対して該面の全てを覆うようにフィルム12を挿入し、金型110,120内へ樹脂成形材料11Aを射出してフィルムインサート成形品1,2を製造する。これにより、図2に示すように、樹脂成形材料部11の表面の一部をフィルム12が覆ったフィルムインサート成形品が形成される。なお、同図(a)に示す成形品1Aでは、樹脂成形材料部11に対して、外観面21を構成する複数の面21a〜21hのうち基部正面21aと基部左側面21bと基部右側面21cについてのみ全面をフィルム12が覆っている。同図(b)に示す成形品1Bでは、複数の面21a〜21hのうち延出部正面21eと延出部上面21fと延出部左側面21gと延出部右側面21hについてのみ全面をフィルム12が覆っている。
フィルムインサート成形品を成形するための樹脂成形材料11Aには、ポリプロピレンやポリエチレンやポリエチレンテレフタレートやアクリル樹脂やポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、これらの樹脂に充填材等の添加剤を添加した樹脂材料、等を用いることができる。
フィルム12には、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂のフィルム、熱硬化性樹脂のフィルム、これらの樹脂に充填材等の添加剤を添加したフィルム、等を用いることができる。フィルム及び樹脂成形材料が熱可塑性である場合、フィルムの融点は樹脂成形材料の融点よりも高いのが好ましい。フィルムを3次元形状に成形する場合、フィルム12に延伸フィルムを用いると容易にフィルム12を3次元形状に成形することができる。
フィルム12には、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂のフィルム、熱硬化性樹脂のフィルム、これらの樹脂に充填材等の添加剤を添加したフィルム、等を用いることができる。フィルム及び樹脂成形材料が熱可塑性である場合、フィルムの融点は樹脂成形材料の融点よりも高いのが好ましい。フィルムを3次元形状に成形する場合、フィルム12に延伸フィルムを用いると容易にフィルム12を3次元形状に成形することができる。
図3に示すフィルムインサート成形品の製造装置100は、フィルム保持機構114を有する可動金型110、ゲート124を有する固定金型120、可動金型110を往復駆動する可動型駆動機構130、ゲート124から樹脂成形材料11Aを射出する射出機構140、を備える射出成形装置とされている。金型110,120には、成形品の形状に合わせたキャビティ面112,122が設けられ、型締めしたときにキャビティ面112,122で囲まれる閉空間がキャビティとされる。
キャビティ面112には、負圧を作用させるための吸引孔114aが複数形成されている。吸引孔114aは図示しない真空ポンプに接続され、フィルム12の挿入箇所に存在する吸引孔114aに対して真空ポンプによる負圧が供給される。なお、吸引孔114a及び真空ポンプがフィルム保持機構114を構成する。このフィルム保持機構があることによりフィルムの位置ずれを防止することができるものの、外観面を構成する各面の全てを覆うようにフィルムが挿入されるため、フィルム保持機構がなくても本フィルムインサート成形品を形成可能である。
以上より、型開きした状態の金型110に対してフィルム12をキャビティ面112の所定の挿入箇所に挿入し、真空ポンプにより吸引孔114aに負圧を作用させると、フィルム12は挿入箇所のキャビティ面112に吸着されて保持される。なお、フィルムを金型内に挿入する際には、フィルムを手で持って挿入してもよいし、別途設けたクランプ機構によりフィルムをクランプして所定の挿入箇所に挿入してもよい。
以上より、型開きした状態の金型110に対してフィルム12をキャビティ面112の所定の挿入箇所に挿入し、真空ポンプにより吸引孔114aに負圧を作用させると、フィルム12は挿入箇所のキャビティ面112に吸着されて保持される。なお、フィルムを金型内に挿入する際には、フィルムを手で持って挿入してもよいし、別途設けたクランプ機構によりフィルムをクランプして所定の挿入箇所に挿入してもよい。
図4(a)は、図2で示したフィルムインサート成形品1Aを形成する場合に金型110へフィルムを挿入する様子を示している。まず、フィルムの挿入箇所(図2の挿入面21a,21b,21c)の形状に合わせてフィルムをプレカット(予め切断)する。図4に示すフィルム12Aは、プレカットされた状態とされている。次に、成形品1Aの基部左側面21bと基部右側面21cとなる部分を基部正面21aとなる部分に対して曲げ、この状態のフィルム12Bをキャビティ面112の所定の挿入箇所に挿入する。その後、フィルム保持機構114によりフィルム12Bの挿入箇所の吸引孔114aに負圧を作用させる。これにより、フィルム12Bがキャビティ面112における所定の挿入箇所に保持される。
また、図4(b)は、図2で示した成形品1Bを形成する場合に金型110へフィルムを挿入する様子を示している。まず、フィルムの挿入箇所(図2の挿入面21e,21f,21g,21h)の形状に合わせてフィルムをプレカットする。次に、プレカットされたフィルム12Cについて成形品1Bの延出部上面21fと延出部左側面21gと延出部右側面21hとなる部分12C2,12C3,12C4を延出部正面21eとなる部分12C1に対して曲げ、この状態のフィルム12Dをキャビティ面112の所定の挿入箇所に挿入する。その後、フィルム保持機構114によりフィルム12Dの挿入箇所の吸引孔114aに負圧を作用させると、フィルム12Dがキャビティ面112における所定の挿入箇所に保持される。
また、図4(b)は、図2で示した成形品1Bを形成する場合に金型110へフィルムを挿入する様子を示している。まず、フィルムの挿入箇所(図2の挿入面21e,21f,21g,21h)の形状に合わせてフィルムをプレカットする。次に、プレカットされたフィルム12Cについて成形品1Bの延出部上面21fと延出部左側面21gと延出部右側面21hとなる部分12C2,12C3,12C4を延出部正面21eとなる部分12C1に対して曲げ、この状態のフィルム12Dをキャビティ面112の所定の挿入箇所に挿入する。その後、フィルム保持機構114によりフィルム12Dの挿入箇所の吸引孔114aに負圧を作用させると、フィルム12Dがキャビティ面112における所定の挿入箇所に保持される。
キャビティ面112の所定の挿入箇所にフィルム12を保持させた後、可動型駆動機構130により可動金型110を移動させて型締めすると、フィルム12が挿入された状態でキャビティが形成される。この状態で射出機構140により液状の樹脂成形材料11Aをゲート124からキャビティ内に射出し、樹脂成形材料11Aを固化又は硬化させ、可動型駆動機構130により可動金型110を移動させて型開きすると、フィルムインサート成形品が形成される。なお、樹脂成形材料11Aが熱可塑性の材料である場合、射出機構140に設けた加熱機構により樹脂成形材料11Aを加熱して溶融させ、溶融状態の樹脂成形材料11Aをキャビティ内に射出し、金型110,120に設けた冷却機構によりキャビティ内を冷却して樹脂成形材料11Aを固化させるようにすればよい。
(2)フィルムインサート成形品及びその製造方法の作用、効果:
次に、本フィルムインサート成形品及びその製造方法の作用、効果を説明する。
上述した製造方法により製造されるフィルムインサート成形品は、外観面が複数の面で構成され、該複数の面のうち一部の面のみについて該面の全てがフィルムで覆われている。射出成形品の外観面を構成する複数の面の全てがフィルムで覆われると外観が単調になってしまうが、本製造方法では、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで製品を異なる外観面とすることができるので、簡単に製品外観のバリエーションを増やすことができる。
また、外観面を構成する複数の面のうち加飾する面にのみフィルムを挿入すればよいので、本製造方法により、フィルムの使用量を低減させることができる。
なお、射出成形品のある面の一部にフィルムが挿入されると、フィルムが挿入されていることが強調されて一体感が損なわれてしまうこととなる。本製造方法では、成形品のフィルム挿入面にフィルムが全面を覆うようにフィルムインサート成形品を製造するので、フィルム挿入面の一体感が維持され、製品を高級感のある外観にすることができる。
次に、本フィルムインサート成形品及びその製造方法の作用、効果を説明する。
上述した製造方法により製造されるフィルムインサート成形品は、外観面が複数の面で構成され、該複数の面のうち一部の面のみについて該面の全てがフィルムで覆われている。射出成形品の外観面を構成する複数の面の全てがフィルムで覆われると外観が単調になってしまうが、本製造方法では、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで製品を異なる外観面とすることができるので、簡単に製品外観のバリエーションを増やすことができる。
また、外観面を構成する複数の面のうち加飾する面にのみフィルムを挿入すればよいので、本製造方法により、フィルムの使用量を低減させることができる。
なお、射出成形品のある面の一部にフィルムが挿入されると、フィルムが挿入されていることが強調されて一体感が損なわれてしまうこととなる。本製造方法では、成形品のフィルム挿入面にフィルムが全面を覆うようにフィルムインサート成形品を製造するので、フィルム挿入面の一体感が維持され、製品を高級感のある外観にすることができる。
以上より、本製造方法によれば、複数の面で外観面を構成したフィルムインサート成形品を製造する際、外観のバリエーションを容易に増やすことができ、フィルムの挿入面の一体感を維持しながら成形品の意匠性を高めることが可能となる。
また、本発明によれば、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで異なる外観面となり、また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高める新規なフィルムインサート成形品を提供することができる。
また、本発明によれば、フィルムを挿入した面と挿入していない面とで異なる外観面となり、また、フィルムの挿入面にはフィルムが全面を覆っているので、フィルムの挿入面の一体感を維持しつつ意匠性を高める新規なフィルムインサート成形品を提供することができる。
(3)変形例:
本発明は、様々な変形例が考えられる。
プレカットしたフィルムを金型内の所定の挿入箇所に保持させる方法は、吸引孔114aによる負圧の作用を利用する以外の方法でもよい。
例えば、プレカットしたフィルムの表面部を帯電させ、プレカットしたフィルムを静電気により金型内に保持するようにしてもよい。
本発明は、様々な変形例が考えられる。
プレカットしたフィルムを金型内の所定の挿入箇所に保持させる方法は、吸引孔114aによる負圧の作用を利用する以外の方法でもよい。
例えば、プレカットしたフィルムの表面部を帯電させ、プレカットしたフィルムを静電気により金型内に保持するようにしてもよい。
図5(a)は、変形例に係る製造方法を実施するための製造装置101の要部を模式的に示す垂直断面図である。同装置101は、成形型110,120、可動型駆動機構130、射出機構140、の他、フィルムインサート装置151と帯電装置152を備えている。フィルムインサート装置151は、負圧によりカットフィルム12を吸着して、帯電装置152の方へフィルム12を搬送したり、可動型110のキャビティ面112の方へフィルム12を搬送したりする。また、フィルムインサート装置151は、圧空を供給することによりフィルム12を解放可能である。帯電装置152は、近くまで搬送されたフィルム12に対してコロナ放電により帯電させ、静電気を付与する。
すなわち、カットフィルム12は、フィルムインサート装置151に吸着されて帯電装置152の近くまで搬送されると、帯電装置152により帯電し、キャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルムインサート装置151がフィルム12に対して圧空を供給すると、静電気によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。これにより、成形型内にフィルムを自動的に供給することができるとともに、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
すなわち、カットフィルム12は、フィルムインサート装置151に吸着されて帯電装置152の近くまで搬送されると、帯電装置152により帯電し、キャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルムインサート装置151がフィルム12に対して圧空を供給すると、静電気によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。これにより、成形型内にフィルムを自動的に供給することができるとともに、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
また、可動金型110を磁性体で形成し、磁性を有するフィルムを磁力により金型内に保持するようにしてもよい。この場合、図5(a)から帯電装置152を除いた製造装置でフィルムインサート成形品を製造することができる。すなわち、カットフィルム12は、フィルムインサート装置151に吸着されてキャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルムインサート装置151がフィルム12に対して圧空を供給すると、磁力によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。これにより、別途帯電装置のような吸着力をフィルムに付与する装置を設ける必要が無くなるとともに、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
なお、フィルム全体に磁性を付与するとキャビティ面に対してフィルムをより確実に保持させることができるものの、フィルムの端部のみに磁性を持たせる等、フィルムの一部のみに磁性を付与してもよい。また、磁性を有するインクでフィルムを印刷してフィルムに磁性を付与してもよい。
なお、フィルム全体に磁性を付与するとキャビティ面に対してフィルムをより確実に保持させることができるものの、フィルムの端部のみに磁性を持たせる等、フィルムの一部のみに磁性を付与してもよい。また、磁性を有するインクでフィルムを印刷してフィルムに磁性を付与してもよい。
さらに、プレカットしたフィルムに液滴を付与し、ファンデルワールス力の働きを利用してフィルムを金型内に保持するようにしてもよい。図5(b)に示す製造装置102は、成形型110,120、可動型駆動機構130、射出機構140、の他、フィルムインサート装置151と液供給装置153を備えている。液供給装置153は、近くまで搬送されたフィルム12に対して水等の液体を噴霧し、フィルム12に水滴等の液滴を付与する。
すなわち、カットフィルム12は、フィルムインサート装置151に吸着されて液供給装置153の近くまで搬送されると、液供給装置153により液滴が付着し、キャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルムインサート装置151がフィルム12に対して圧空を供給すると、ファンデルワールス力によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。なお、液体に水等の揮発性の液体を使用すると、射出成形後の成形品から液体が揮発して無くなってしまうので好適である。むろん、本変形例でも、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
なお、金型110の温度が水の沸点以上の場合には、さらに高い沸点を有する液体を使用すればよい。
すなわち、カットフィルム12は、フィルムインサート装置151に吸着されて液供給装置153の近くまで搬送されると、液供給装置153により液滴が付着し、キャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルムインサート装置151がフィルム12に対して圧空を供給すると、ファンデルワールス力によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。なお、液体に水等の揮発性の液体を使用すると、射出成形後の成形品から液体が揮発して無くなってしまうので好適である。むろん、本変形例でも、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
なお、金型110の温度が水の沸点以上の場合には、さらに高い沸点を有する液体を使用すればよい。
さらに、プレカットしたフィルムに対して必要最低限の部分へ接着剤を微量塗布し、接着剤によりフィルムを金型内に保持するようにしてもよい。この場合、図5(b)の液供給装置153を接着剤塗布装置に置き換えた製造装置でフィルムインサート成形品を製造することができる。すなわち、カットフィルム12は、接着剤塗布装置の近くまで搬送されると、該接着剤塗布装置により接着剤が付着し、キャビティ面112の所定の挿入箇所へ搬送される。ここで、フィルム12に対して圧空が供給されると、接着剤によりフィルム12がキャビティ面112の所定の挿入箇所に保持される。接着剤によりキャビティ面に対するフィルムの位置ずれを抑止することができるので、成形型内で保持されるフィルムの位置がより正確となる。
ところで、射出成形品には、ウェルドラインやフローマークが生じることがある。そこで、ウェルドライン等が生じやすい場所をフィルムで覆うようにしてもよい。
図6(a)は、フィルムインサート成形品1でウェルドラインやフローマークが生じやすい箇所の例を示している。図示の成形品1では、基部正面21aにウェルドラインWLが生じやすく、基部正面21aと基部左側面21bと基部右側面21cにフローマークFMが生じやすいことが示されている。そこで、ウェルドラインWLやフローマークFLが生じやすい面21a,21b,21cの全てを覆うようにフィルムを挿入してフィルムインサート成形品を形成すると、ウェルドラインWLやフローマークFLを隠蔽することができ、フィルムインサート成形品の意匠性を高めることができる。
図6(a)は、フィルムインサート成形品1でウェルドラインやフローマークが生じやすい箇所の例を示している。図示の成形品1では、基部正面21aにウェルドラインWLが生じやすく、基部正面21aと基部左側面21bと基部右側面21cにフローマークFMが生じやすいことが示されている。そこで、ウェルドラインWLやフローマークFLが生じやすい面21a,21b,21cの全てを覆うようにフィルムを挿入してフィルムインサート成形品を形成すると、ウェルドラインWLやフローマークFLを隠蔽することができ、フィルムインサート成形品の意匠性を高めることができる。
また、透明性を有する樹脂成形材料でフィルムインサート成形品を形成する場合、取り付けねじ部など隠蔽したい部分にフィルムをインサートしてもよい。
図6(b)は、浴室や洗面化粧台の壁等に設けられるフィルムインサート成形品3の外観を示している。本成形品3は、透明性を有する樹脂成形材料で射出成形され、物の載置面を上面に有する基部3aと、この基部の後部から上方へ延出した延出部3bとを有する形状とされている。延出部3bの背面部には、壁等に固定される支持部材に成形品3をねじ止めするためのねじ孔3cが形成されている。樹脂成形材料が透明性を有すると、背面部にあるねじ孔3cが延出部正面23eから透けて見えることになる。そこで、延出部正面23eの全てを覆うようにフィルムを挿入してフィルムインサート成形品を形成すると、ねじ孔3cを隠蔽することができ、フィルムインサート成形品の意匠性を高めることができる。
図6(b)は、浴室や洗面化粧台の壁等に設けられるフィルムインサート成形品3の外観を示している。本成形品3は、透明性を有する樹脂成形材料で射出成形され、物の載置面を上面に有する基部3aと、この基部の後部から上方へ延出した延出部3bとを有する形状とされている。延出部3bの背面部には、壁等に固定される支持部材に成形品3をねじ止めするためのねじ孔3cが形成されている。樹脂成形材料が透明性を有すると、背面部にあるねじ孔3cが延出部正面23eから透けて見えることになる。そこで、延出部正面23eの全てを覆うようにフィルムを挿入してフィルムインサート成形品を形成すると、ねじ孔3cを隠蔽することができ、フィルムインサート成形品の意匠性を高めることができる。
さらに、フィルムに樹脂成形材料よりも耐摩耗性の高いフィルムを用いると、フィルムインサート成形品を継続して使用したときにフィルム部分が摩耗しにくいので、フィルムインサート成形品を効果的に高機能化することができる。また、フィルムに樹脂成形材料よりも耐薬品性の高いフィルムを用いると、フィルムインサート成形品を継続して使用したときにフィルム部分が劣化しにくいので、フィルムインサート成形品を効果的に高機能化することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1,2…フィルムインサート成形品、
11…樹脂成形材料部、11A…樹脂成形材料、12…フィルム、
21,22…外観面、
100…フィルムインサート成形品の製造装置、
110…可動金型、112…キャビティ面、114…フィルム保持機構、
120…固定金型、122…キャビティ面、124…ゲート、
11…樹脂成形材料部、11A…樹脂成形材料、12…フィルム、
21,22…外観面、
100…フィルムインサート成形品の製造装置、
110…可動金型、112…キャビティ面、114…フィルム保持機構、
120…固定金型、122…キャビティ面、124…ゲート、
Claims (2)
- 複数の面で外観面を構成したフィルムインサート成形品の製造方法であって、
射出成形用の成形型内へフィルムを挿入する際に前記外観面を構成する複数の面のうち一部の面のみに対して該面の全てを覆うように前記フィルムを挿入し、前記成形型内へ樹脂成形材料を射出してフィルムインサート成形品を製造することを特徴とするフィルムインサート成形品の製造方法。 - 浴室の棚、浴室の水栓カバー、浴室のミラーキャビネット、又は、洗面化粧台のミラーキャビネットに用いられ、射出成形用の成形型内へフィルムを挿入して該成形型内へ樹脂成形材料を射出して成形したフィルムインサート成形品であって、
該フィルムインサート成形品の外観面が複数の面で構成され、該複数の面のうち一部の面のみについて該面の全てが前記フィルムで覆われていることを特徴とするフィルムインサート成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007175498A JP2009012264A (ja) | 2007-07-03 | 2007-07-03 | フィルムインサート成形品の製造方法及びフィルムインサート成形品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019041835A (ja) * | 2017-08-30 | 2019-03-22 | 株式会社Lixil | カウンター |
-
2007
- 2007-07-03 JP JP2007175498A patent/JP2009012264A/ja active Pending
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