JP2009011911A - ハニカム接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気中の粒子状物質(PM)の捕集効率が高く、初期圧力損失が小さいと共に、PMの捕集に伴う圧力損失の増大が抑制されたハニカム構造体を提供する。
【解決手段】ハニカム接合体は、多孔質セラミックスで構成され単一の方向に延びて列設された複数の隔壁により区画された複数のセル、及び、複数のセルが一方向に開放したセルと他方向に開放したセルとが交互となるように、それぞれのセルの一端を封止する封止部を備えたハニカム構造体が、接合層を介して複数接合されて形成され、水銀圧入法により測定された隔壁の気孔直径の平均値が1μm〜20μmであり、気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差が0.20以下であり、セルが延びる軸方向に略直交する断面において、接合層の面積のハニカム接合体の全面積に対する割合は5%〜20%とされている。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハニカム接合体に関するものであり、特に、ディーゼルエンジンの排気から粒子状物質を除去するために適したハニカム構造体を複数接合したハニカム接合体に関するものである。
ディーゼルエンジンから排出されるガスに含まれるスス等の粒子状物質(パティキュレートマター。以下、「PM」と称する)を捕集し、除去するフィルタとして、従来より、多孔質セラミックスで構成され単一の方向に延びて列設された複数の隔壁により区画された、複数のセルを備えるハニカム構造体が用いられている。このようなハニカム構造体では一般的に、一端が封止されたセルと他端が封止されたセルとが交互に配されており、ガスは一方向に開口したセルから流入し、多孔質の隔壁を通過してから、他方向に開口したセルから流出する。そして、ガスが隔壁を通過する際に、ガス中のPMが多孔質の隔壁の表面及び気孔内に捕集され、除去される。
そのため、気孔径が大きすぎる場合は、捕集されずに隔壁を通過してしまうPMが増加し、捕集効率が低下する。一方、気孔径が小さすぎる場合は、ガスの通過に対する抵抗により圧力損失が大きくなり、エンジンへの負荷が増大する。そこで、隔壁を構成する多孔質セラミックスの気孔径及び気孔径分布を制御することにより、相反する関係にある捕集効率と圧力損失との調和を図ったフィルタが提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
これらのフィルタは、隔壁の気孔径を限られた狭い範囲内となるように設定することにより、PMの捕集に適した気孔の相対数を多くすることを意図したものであり、水銀圧入法によって測定された気孔径の平均値を、前者(特許文献1)では1μm〜15μm、後者(特許文献2)では20μm〜60μmとし、気孔径を常用対数で表した場合の気孔径分布における標準偏差を、共に0.20以下としている。
特許3272746号公報 特開2002−242655号公報
ところで、大型のフィルタを作製する場合や、耐熱衝撃性を高める目的で衝撃吸収材を介在させる場合など、複数のハニカム構造体を接合層で接合し、ハニカム接合体として使用する場合がある。このような場合は、接合層の設け方によっても捕集効率や圧力損失が左右されてしまい、ハニカム構造体の気孔径や気孔径分布を制御したとしても、捕集効率が高く圧力損失の小さいハニカム接合体として不充分であるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、排気中の粒子状物質(PM)の捕集効率が高く、初期圧力損失が小さいと共に、PMの捕集に伴う圧力損失の増大が抑制されたハニカム接合体の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるハニカム接合体は、「多孔質セラミックスで構成され単一の方向に延びて列設された複数の隔壁により区画された複数のセル、及び、複数の前記セルが一方向に開放したセルと他方向に開放したセルとが交互となるように、それぞれの前記セルの一端を封止する封止部を備えたハニカム構造体が、接合層を介して複数接合されたハニカム接合体であって、水銀圧入法により測定された前記隔壁の気孔直径の平均値が1μm〜20μmであり、前記気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差が0.20以下であり、前記セルが延びる軸方向に略直交する断面において、前記接合層の面積のハニカム接合体の全面積に対する割合が5%〜20%である」ものである。
「セラミックス」は特に限定されず、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト等を使用することができる。また、封止部を構成する材料も特に限定されないが、隔壁を構成するセラミックスと同一、あるいは、熱膨張率が近い材料であれば、熱膨張率の差異に起因する剥離や亀裂が生じ難く、好適である。
「水銀圧入法」は、圧力をかけて水銀を開気孔に浸入させ、圧力値とそのときに浸入した水銀の体積とを用いて、円柱状と仮定した気孔の径をWashburnの式から算出する方法であり、セラミックス成形体について規定されたJIS R1655を準用することができる。また、「水銀圧入法により測定された気孔直径の平均値」とは、累積気孔体積が全気孔体積の50%のときの直径(メディアン径)を指している。
「前記セルが延びる軸方向に略直交する断面」において「ハニカム接合体の全面積」とは、接合層の断面積、隔壁の断面積、及び、セル間の空隙を含んだ面積を指している。なお、後述するように、接合された複数のハニカム構造体の外表面を、軸方向に略直交する両端面を除いて被覆する被覆層を設ける場合、被覆層の面積は上記の「ハニカム接合体の全面積」に含まないものとする。
ハニカム接合体の全断面積に対する接合層の断面積の割合が大きい場合は、ガスの流入側で初期圧力損失が大きいものとなる。また、ガスを流通させるために有効な隔壁の面積が接合層で潰されて減少しているため、捕集効率も悪く、PMの捕集に伴って圧力損失が上昇する程度も大きなものとなる。一方、接合層の断面積の割合を小さいものとすれば、PMの捕集のための隔壁の面積を大きく確保することができるが、耐熱衝撃性を高める目的で接合層を設けたとしても、その作用を充分に発揮し得ない。また、ハニカム状に押出成形する際、隔壁に僅かながら反りが生ずることがあるが、そのような場合に接合層の断面積の割合が小さいと、ハニカム構造体同士の接合が不充分となり剥離や亀裂が生じるおそれがある。仮に、亀裂等が生じれば、隔壁を通過することなく亀裂等を介してガスが流通してしまい、隔壁の気孔径や気孔径分布をPMの捕集に適したものに制御したことも、無意味に帰すこととなる。
発明者は、検討の結果、軸方向に略直交する断面において、接合層の面積をハニカム接合体の全面積に対して2%〜20%の範囲に設定することにより、上記の相反する作用の調和を図ることができることを見出した。
従って、上記構成の本発明によれば、ハニカム構造体を複数接合してハニカム接合体を作製する際、隔壁の気孔径及び気孔径分布をPMの捕集に適した範囲に制御し、かつ、複数のハニカム構造体の接合が不充分とならない程度に接合層を薄くすることにより、初期圧力損失を小さなものとすると共に、ガスが通過可能な隔壁の面積を大きく確保することができる。これにより、PMの捕集を開始した後も、初期圧力損失の小ささを維持しつつ、高い捕集効率でPMを捕集することができる。なお、ハニカム接合体の全面積に対しする接合層の面積の割合は、15%以下であるとより望ましく、10%以下であれば更に望ましい。
本発明にかかるハニカム接合体は、「前記多孔質セラミックスは、炭化珪素である」ものとすることもできる。
上記構成の本発明によれば、多孔質セラミックスとして、高強度で耐熱性に優れる炭化珪素を用いることにより、ハニカム接合体を構成する個々のハニカム構造体が、高温の環境下で使用され、空隙の多い構造であるハニカム構造体として、より適したものとなる。また、優れた耐熱性を有することにより、堆積したPMを燃焼させるためにハニカム構造体を加熱する場合であっても、加熱による変形や溶損の生じ難いものとなる。
本発明にかかるハニカム接合体は、「前記接合層は、無機材料により構成されている」ものとすることができる。
接合層を構成する「無機材料」としては、セメント、SiC・アルミナ・ムライト等のセラミックス粉末をシリカゾル・アルミナゾル等の無機バインダーと混合したものを例示することができる。また、接合力を高めるために、アルミナ繊維等のセラミックスファイバーを添加することもできる。
上記構成の本発明によれば、接合層として、有機性高分子に例示される有機バインダーではなく、無機材料を用いることにより、ハニカム接合体の耐熱性を高めることができる。
本発明にかかるハニカム接合体は、「前記接合層は、固形分として50重量%以上が炭化珪素により構成されている」ものとすることができる。なお、炭化珪素以外の残部としては、上記の無機材料や有機バインダーを使用することができる。
上記構成の本発明によれば、接合層の主成分として、高強度で耐熱性に優れる炭化珪素を用いることにより、高強度で耐熱性に優れるハニカム接合体とすることができる。また、ハニカム構造体の隔壁が炭化珪素で構成されている場合は、ハニカム構造体と接合層との熱膨張率の差が小さいものとなるため、加熱と冷却が繰り返される環境下で使用されても、ハニカム構造体と接合層との間で剥離や亀裂の生じ難いものとなる。
本発明にかかるハニカム接合体は、上記構成に加え、「前記接合層を介して接合された複数の前記ハニカム構造体の外表面を、前記軸方向に略直交する両端面を除いて被覆する被覆層を」具備するものとすることができる。
上記構成の本発明によれば、接合された複数のハニカム構造体の外表面が被覆層よって被覆されていることにより、ハニカム構造体同士の接合状態が安定し、ハニカム接合体全体の機械的強度も大きなものとなる。また、複数のハニカム構造体が被覆層によって強固に一体化されるため、例えば、フィルタとして自動車に取り付ける場合等、ハニカム接合体のハンドリングがし易いものとなる。
本発明にかかるハニカム接合体は、「前記被覆層は、無機材料により構成されている」ものとすることができる。ここで、「無機材料」としては、上記に例示したものを使用することができる。また、接合層及び被覆層が共に無機材料で構成される場合、両層に用いられる無機材料の種類・組成は、同一であっても異なっていても構わない。
上記構成の本発明によれば、被覆層として無機材料を用いることにより、ハニカム接合体の耐熱性を高めることができる。また、接合層及び被覆層を共に無機材料で構成させることとすれば、ハニカム接合体の耐熱性をより高めることができる。
本発明にかかるハニカム接合体は、「前記被覆層は、固形分として50重量%以上が炭化珪素により構成されている」ものとすることができる。なお、炭化珪素以外の残部としては、上記の無機材料や有機バインダーを使用することができる。
上記構成の本発明によれば、被覆層の主成分として、高強度で耐熱性に優れる炭化珪素を用いることにより、高強度で耐熱性に優れるハニカム接合体とすることができる。また、ハニカム構造体の隔壁が炭化珪素で構成されている場合は、ハニカム構造体と被覆層との熱膨張率の差が小さいものとなり、また、接合層の主成分が炭化珪素である場合は、接合層と被覆層との熱膨張率の差が小さいものとなるため、加熱と冷却が繰り返される環境下で使用されても、それぞれの層間で剥離や亀裂が生じ難いものとなる。
以上のように、本発明の効果として、排気中のPMの捕集効率が高く、初期圧力損失が小さいと共に、PMの捕集に伴う圧力損失の増大が抑制されたハニカム構造体を提供することができる。
以下、本発明の最良の一実施形態であるハニカム接合体、及び、該ハニカム接合体を構成するハニカム構造体について、図1乃至図5に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のハニカム接合体の構成を模式的に示す横断面図であり、図2は本実施形態のハニカム構造体の構成及びガスの流れを模式的に示す側断面図であり、図3は平均気孔直径と初期圧力損失との関係を示すグラフであり、図4は平均気孔直径と圧縮強度との関係を示すグラフであり、図5は本実施形態のハニカム接合体についてPM堆積量の増加に伴う圧力損失の変化を比較例と対比して示すグラフである。なお、本実施形態では、本発明のハニカム接合体を、ディーゼルエンジンの排気からPMを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPF」と称する)として適用する場合を例示する。
本実施形態のハニカム接合体20は、図1に示すように、複数のハニカム構造体10が接合層15により接合され、更に、軸方向に略直交する両端面を除いた外表面が、被覆層19によって被覆されている。ここで、軸方向に略直交する断面において、接合層の面積はハニカム接合体の全面積に対して2%〜20%の範囲に設定されている。なお、図1は、本実施形態のハニカム接合体について、軸方向に略直交する断面を示している。
また、図2に示すように、個々のハニカム構造体10は、多孔質セラミックスで構成され単一の方向に延びて列設された複数の隔壁2により区画された複数のセル3と、複数のセル3が一方向に開放したセル3aと他方向に開放したセル3bとが交互となるように、それぞれのセル3a,3bの一端を封止する封止部6とを備え、水銀圧入法により測定された隔壁2の気孔直径の平均値が1μm〜20μmであり、気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差が0.20以下とされている。
加えて、本実施形態では、隔壁2を構成する多孔質セラミックス、及び、封止部6を構成する材料は、共に炭化珪素であり、接合層15及び被覆層19は共に炭化珪素を主成分として構成されている。
上記の構成のハニカム構造体10では、図2に一点鎖線で示したように、PMを含むディーゼル排気をセル3aの開端から流入させると、ガスは多孔質の隔壁2を通過してから、他方向に開口したセル3bの開端から流出する。そして、ガスが隔壁2を通過する際に、隔壁2の表面及び気孔内にPMが捕集される。
次に、気孔径と初期圧力損失、及び気孔径と圧縮強度との関係について検討した結果を示す。検討には、平均気孔直径以外は上記の構成であり、気孔率約57%、セル密度169セル/平方インチ(2.62セル/10−3)であるハニカム構造体について、平均気孔径(直径)の異なるものを複数作製して使用した。また、初期圧力損失は、サイズが直径約100mm,長さ約140mmの円柱状のハニカム構造体を、PMを全く捕集させていない状態でガス流路に設置し、流量5Nm/minの空気を流通させ、流入側と流出側の差圧を測定して求めた。なお、平均気孔径は、島津製作所製ポアサイザ9310を使用して水銀圧入法により測定した気孔径分布からメディアン径として求めた。また、気孔率は、アルキメデス法により求めた。
その結果、図3に示すように、平均気孔直径が約25μm以上の範囲では、初期圧力損失はほぼ一定で6kPa未満と小さいが、平均気孔径が十数μmより小さくなると、初期圧力損失は急激に増大した。
一方、上記の複数のハニカム構造体について、ガスを流通させる方向(A axis)及びこれに直交する方向(B axis)の圧縮強度を、自動車技術会規格JASO M505−87に基づいてクロスヘッドスピード1mm/minで測定し、気孔径と圧縮強度との関係について調べた。その結果を、図4に示す。一般的に、機械的強度と気孔径とは相反する関係にあるが、図4においてもその傾向は顕著であり、20μm前後を境として、それより気孔直径が大きくなると、圧縮強度は大きく低下した。
以上の結果より、気孔径が大きいほど初期圧力損失を小さくすることができるが、機械的強度をある程度維持しつつ、気孔直径を大きくすることができる限度は、20μm程度であると考えられた。従って、上記のように、気孔直径の平均値が1μm〜20μmに設定された本実施形態のハニカム構造体によれば、機械的強度をある程度維持しつつ、初期圧力損失を小さく抑えることができる。
以下、本実施形態の具体的な実施例について、比較例と対比しつつ説明する。実施例及び比較例1,2のハニカム構造体は、何れも平均粒径(直径)12μmのSiC粉末75重量%、平均粒径(直径)10μmのSi粉末20重量%、及び、平均粒径(直径)15μmのC粉末5重量%の混合粉末を原料とし、この原料混合粉末を有機バインダー(メチルセルロース)、水、界面活性剤と混合、混練し、次いで、混練物を押出成形によりハニカム状に成形した。その後、上記と同一の混練物で各セルの一端を封止し、非酸化性雰囲気下で2300℃,10分間焼成することにより、それぞれのハニカム構造体を作製した。なお、得られた実施例及び比較例1,2のハニカム構造体は、それぞれセル密度200セル/平方インチ(3.10セル/10−3)、隔壁の厚さ0.4mmで、一辺が34mm,長さ150mmの四角柱状であった。
得られたハニカム構造体について、上記の装置を用いて、水銀圧入法により気孔径分布を測定し、累積気孔径分布より平均気孔直径(メディアン径)を求め、更に、水銀圧入法により測定された気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差を求めたところ、平均気孔径は8μm、標準偏差は0.16であった。
実施例及び比較例1,2のハニカム構造体は、それぞれ4×4個を接合層によって接合し、乾燥処理後、研削加工して円柱状のハニカム接合体とした。接合層の厚さは、実施例では1.5mm、比較例1では5.0mm、比較例2では0.4mmとした。更に、実施例及び比較例1,2ともに、円柱状の両端面を除く外周面を、厚さ1.5mmの被覆層で被覆した。ハニカム接合体のサイズは、被覆層で被覆された状態で直径約143.8mm,長さ約152.4mmとした。実施例及び比較例1,2について、接合層の厚さ、及び軸方向に略直交する断面におけるハニカム接合体の全面積に対する接合層の面積の割合を、表1に示す。
Figure 2009011911
ここで、本実施形態の接合層及び被覆層には、同一の材料を使用し、平均粒径(直径)28μmのSiC粉末50重量%に、補助骨材として平均粒径(直径)1.2μmの球状シリカ30重量%を混合し、有機バインダー(メチルセルロース)、結合剤(コロイダルシリカ)、分散剤(界面活性剤)を添加して調製した。
次に、実施例及び比較例1,2のハニカム接合体について、圧力損失の評価を行った結果を、図5を用いて説明する。圧力損失の評価は、ガス流路に設置したハニカム接合体に、PMを含むガスを流量5Nm/minで流通させ、PMの堆積量の増加に伴う圧力損失の変化を測定することにより行った。
図5に示されるように、実施例は初期圧力損失も小さく、PMの捕集に伴う圧力損失の上昇も緩やかであった。一方、比較例1は、初期圧力損失も実施例より大きく、PMの捕集に伴う圧力損失の上昇も、実施例より大きなものであった。これは、比較例1では、接合層を厚く設けることによって、ガスを流通させるために有効な隔壁の面積が減少し、ガスの通過抵抗にPMの堆積がより大きく影響したものと考えられた。
比較例2では、接着層と隔壁との間に一部剥離が生じ、剥離した部分をガスが流通してしまうことにより、PMの捕集を行うことができなかった。また、圧力損失の評価も正しく行うことができなかった。
以上のように、ハニカム接合体を構成するハニカム構造体の隔壁において、「水銀圧入法により測定された気孔直径の平均値が1μm〜20μm」「気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差が0.20以下」の二要件に加え、接合層の厚さが適切に設定されることにより、実用的なDPFとして適したハニカム接合体となると考えられた。そして、軸方向に略直交する断面において、接合層の面積がハニカム接合体の全面積に対して2%〜20%の範囲となる設定とすることにより、ハニカム構造体同士を安定的に接合できる程度に、接合層を薄くすることができ、初期圧力損失を小さなものとすると共に、ガスが通過可能な隔壁の面積を大きく確保して、初期圧力損失の小ささを維持しつつ、高い捕集効率でPMを捕集することができると考えられた。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、多孔質セラミックスとして炭化珪素を用いた場合を例示したが、これに限定されず、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト等を使用することができる。また、熱膨張率が小さく耐熱衝撃性に優れたチタン酸アルミニウム等を使用することもできる。
また、本発明のハニカム接合体をDPFとして適用する場合を例示したが、これに限定されず、例えば、ガソリンエンジンやボイラー等の内燃機関から排出されるガスを浄化するフィルタとして、広く適用することができる。
本実施形態のハニカム接合体の構成を模式的に示す横断面図である。 本実施形態のハニカム構造体の構成及びガスの流れを模式的に示す側断面図である。 平均気孔直径と初期圧力損失との関係を示すグラフである。 平均気孔直径と圧縮強度との関係を示すグラフである。 本実施形態のハニカム接合体についてPM堆積量の増加に伴う圧力損失の変化を比較例と対比して示すグラフである。
符号の説明
2 隔壁
3,3a,3b セル
6 封止部
10 ハニカム構造体
15 接合層
19 被覆層
20 ハニカム接合体

Claims (7)

  1. 多孔質セラミックスで構成され単一の方向に延びて列設された複数の隔壁により区画された複数のセル、及び、複数の前記セルが一方向に開放したセルと他方向に開放したセルとが交互となるように、それぞれの前記セルの一端を封止する封止部を備えたハニカム構造体が、接合層を介して複数接合されたハニカム接合体であって、
    水銀圧入法により測定された前記隔壁の気孔直径の平均値が1μm〜20μmであり、
    前記気孔直径を常用対数で表した場合の気孔径分布の標準偏差が0.20以下であり、
    前記セルが延びる軸方向に略直交する断面において、前記接合層の面積のハニカム接合体の全面積に対する割合が2%〜20%である
    ことを特徴とするハニカム接合体。
  2. 前記多孔質セラミックスは、炭化珪素であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム接合体。
  3. 前記接合層は、無機材料により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハニカム接合体。
  4. 前記接合層は、固形分として50重量%以上が炭化珪素により構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のハニカム接合体。
  5. 前記接合層を介して接合された複数の前記ハニカム構造体の外表面を、前記軸方向に略直交する両端面を除いて被覆する被覆層を、更に具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載のハニカム接合体。
  6. 前記被覆層は、無機材料により構成されていることを特徴とする請求項5に記載のハニカム接合体。
  7. 前記被覆層は、固形分として50重量%以上が炭化珪素により構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のハニカム接合体。
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