JP2009010449A - 無線通信装置及びそのパケット送信方法 - Google Patents

無線通信装置及びそのパケット送信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線LAN等の通信において、パケット長が変わってもスループット差が大きくならないようにし、ノード間の公平性を向上することのできる無線通信装置及びそのパケット送信方法を提供すること。
【解決手段】パケットを送信する際、固定待ち時間とbackoff時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、送信パケット長を算出するパケット長算出手段11と、パケット長算出手段11で算出した送信パケット長に基づいて固定待ち時間を算出する固定待ち時間算出手段15と、パケット長算出手段11で算出した送信パケット長に基づいてbackoff時間を算出するbackoff算出手段14と、パケットを送信する際、固定待ち時間算出手段15で算出された固定待ち時間及びbackoff算出手段14で算出されたbackoff時間を使用して送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段20と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、自律分散的に無線通信を行う無線LAN等において、無線ノードや通信パケット間の公平性を考慮した通信を行う無線通信装置及びそのパケット送信方法に関する。
(非特許文献1)に示されるIEEE802.11の無線LANでは、各無線ノードが自律分散的かつ無線ノード間で公平に送信機会が得られるようにCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御を使って無線メディアをアクセスするよう決められている。
ここで、(非特許文献1)の(「9.2.5 DCF access procedure」P.76、「9.2.8 ACK procedure」P.83)を参考に、IEEE802.11で規定されるDCFを使用したCSMA/CAアクセス制御について図を用いて簡単に説明する。
図10は、従来のDCFアクセス制御における通信時間を示す図であり、802.11無線LANにおいてDCFと呼ばれるアクセス制御を使ってデータを送信するときの通信時間を簡易的に示したものである。
図10において、まず、通信を開始する前にDIFSと呼ばれる固定時間とbackoffと呼ばれるランダムな時間だけ送信待ちを行う。ここで(非特許文献1)の「9.2.4 Random backoff time」P.75によると、このbackoff時間は(数1)で算出される。
backoff時間=Random()×スロット時間・・・(数1)
スロット時間は物理層で決まる値
Random()=0以上CW以下の乱数値
ただし、CWは、CWminから始まりCWmaxまでの値で、
CWn=(CWmin+1)×2n−1
のように衝突回数nをパラメータとして増加される値で、
例えば、7、15、31、‥のような値
このように、backoffは乱数を用いることで送信時の衝突を防ぐとともに、衝突が増えるとbackoff時間を長くすることで増加する衝突に対応するようになっている。backoffの次に、実際の送信データである無線フレーム(図10ではDATAと表記)の送信時間があり、最後に正しくフレームが相手に届いたかどうかを送達確認するためにSIFSと呼ばれる時間と相手からのACK応答を待ち、このACK応答を受信する時間がある。これらの時間を要することで1つの無線フレームの送信が完了する。
図11は、従来の無線ノードの無線通信のタイミングチャートであり、2つの無線ノードである無線ノード1と無線ノード2が無線メディアを共有しながら同時にCSMA/CAアクセス制御を使って無線通信を行うときのタイミングチャートを示している。
図11において、まず、2つの無線ノードはDIFS時間待つ。次にそれぞれ乱数に基づく待ち時間backoff1とbackoff2だけ待つ。ただし、backoffは平均的にはある中央値を取るランダムな数値を用いることで送信機会の公平性を得ている。
ここでは、backoff1<backoff2であると仮定する。すると、無線ノード1は、backoff1だけ待った後、メディアビジーでないことを確認してからDATA1の通信を開始し、送信後無線フレームの送達確認のACKを待つ。このとき、無線ノード2は無線ノード1の送信によるメディアビジーを検知し、バックオフタイマーに”backoff2−backoff1”を記憶する。
無線ノード1の送信が完了すると無線ノード2は、再びDIFS時間待った後、バックオフタイマーに記憶した”backoff2−backoff1”だけ待ち、その後DATA2を送信する。
このようなアクセス制御を行うことで各無線ノードは自律分散的かつ公平な送信機会を得ながら送信処理を行う。しかしながら、無線ノード1が送信するフレームのフレーム長DATA1と無線ノード2送信するフレームのフレーム長DATA2において、DATA1=2×DATA2の関係があったとする。すると、各フレームの送信機会はbackoffにて公平性を保たれているため、単位時間当たり同じフレーム数だけ送信されることになり、無線ノード1は無線ノード2より2倍のデータ量を送信することになる。すなわち無線ノード1は無線ノード2の2倍のスループットで通信を行うことになる。したがって、IEEE802.11無線LANでは、各無線ノードのフレーム送信機会には公正性があるが、スループットを考えると公平性でない場合がある。
次に、図10に戻り、送信効率について考えてみる。この通信時間の中でデータのサイズにより時間が変わるのはデータ通信時間の部分(図10のDATA部分)だけである。言い換えると、送信するデータのサイズに関係なく常に「送信待ち時間+送達確認応答時間」だけ余分な時間が発生することになる。したがって、例えば1500バイト程度の長いデータを送信した場合に比べ256バイト程度の短いデータを送信した場合では、1フレーム通信時間に対する「送信待ち時間+送達確認時間」の割合が大きくなってしまう。このため、IEEE802.11の無線LANでは、フレーム長(あるいはフレームからフレームヘッダを取り除いたパケット長)が短いほど通信効率が低下することになる。
ここで、(非特許文献2)のP.100に記載されるスループットの計算式を使って実際に2つのパケット長に対応するスループットを算出してみる。ただし、無線メディアを他のノードと共有せず、占有して通信を行ったときのスループットとして算出している。
すると、IPパケット長が1500バイトのときは約31Mbps、IPパケット長が256バイトのときは約10Mbpsとなり、パケット長により3倍以上ものスループット差が発生することが分かる。このパケット長とスループットをグラフで表したものが図12である。
ところで、近年IPを使った電話サービス、いわゆるIP電話が普及してきており、その手軽さから無線LANでIP電話を行うケースも出てきている。このIP電話では音声パケットを通信データとして通信相手と交換することで会話を行うわけであるが、音声パケットは圧縮方式にもよるが一般にパケット長が短くなっている。例えば、G.711で使われるPCMで符号化したときの符号長は64Kbpsとなるが、G.711を使って音声パケットを大きな遅延が発生しないように20msごとにパケット化して送信した場合、音声部のデータ量は約160バイトとなる。
これにRTP、UDP、IPなどのヘッダを付加した場合でも約200バイト程度である(無線LANのフレームヘッダを付加しても約240バイト程度)。また、G.729などのより圧縮率の高い音声符号化を用いるとさらに音声部のデータ量は小さくなる。このような短いパケット長を持つ音声などのパケットが多く無線通信される無線ノードと、例えば、映像データのようなパケット長の長いデータが多く無線通信される無線ノードとでは、先に述べたようにスループットが大きく異なり、結果として無線ノード間でスループットの公平性がなくなってしまう。
公平な送信機会を与えることを目的としたものとして(特許文献1)がある。この文献ではあらかじめ各無線端末がそれぞれのコンテンションウィンドウ(backoff時間)を無線APへ送信し、コンテンションフリー期間で無線APによるポーリングに基づきコンテンションウィンドウが短い無線端末から送信を行うという方法が提案されている。
また、近年、無線LANにおいてQoS制御を行うためにIEEE802.11eと呼ばれる拡張規格が検討されている。(非特許文献2)のP.116に記載のとおり、この規格では、大きく2種類のQoS制御が提案されており、そのうちの1つは、送信パケットに優先度を設定し、送信時の優先度を上げるために優先度が高いパケットほどDIFS時間を短くしたり、backoff時間が短くなるよう制御することで、パケットの優先度に合った処理を行うようにしている。しかし、このQoSは公平性を確保するためのものではなく、あくまでも優先度に差をつけることでQoSを提供するものである。
特開2006−108966号公報 ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Edition Part 11:Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications 802.11高速無線LAN教科書,インプレスネットビジネスカンパニー,2003年3月29日
しかしながら、上述したようにIEEE802.11無線LANの場合、パケット長にかかわらず公平に送信機会が与えられる仕組みを持っているため、パケット長が短いとスループットが低下するという不公平が発生している。したがって、本発明ではパケット長が変わってもスループット差が大きくならないようにすることで、ノード間の公平性を向上することを課題とする。
また、(特許文献1)のように無線APによる中央制御ではなく、アドホック通信などの自律分散的なアクセス制御においても公平性が保たれることを課題とする。
本発明は、無線LAN等の通信において、パケット長が変わってもスループット差が大きくならないようにし、ノード間の公平性を向上することのできる無線通信装置及びそのパケット送信方法を提供することを目的とする。
本発明は、パケットを送信する際、固定待ち時間とbackoff時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、送信パケット長を算出するパケット長算出手段と、パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいて固定待ち時間を算出する固定待ち時間算出手段と、パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいてbackoff時間を算出するbackoff時間算出手段と、パケットを送信する際、固定待ち時間算出手段で算出された固定待ち時間及びbackoff時間算出手段で算出されたbackoff時間を使用して送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段と、を有する構成とした。
この構成によれば、送信パケット長に基づいて送信待ち時間が設定されるようになるので、パケット長に対する待ち時間の割合を均等化することができる。
本発明によれば、従来とは異なり、パケット長に応じた送信待ち時間を設定することができるので、パケット長に対する待ち時間の割合が均等化され、結果としてパケット長が異なる場合でもスループットの差が小さくなる。
また、ロングパケットを多く送信する無線ノードよりショートパケットを多く送信する無線ノードの方がスループットが低いため、無線ノード間にスループットの公正性がなかったが、送信待ちの公正性が向上する。また、相対的に送信待ち時間の比率が長かったショートパケットの待ち時間が短縮し、ショートパケットの通信効率が向上する。
第1の発明は、パケットを送信する際、固定待ち時間とbackoff時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、送信パケット長を算出するパケット長算出手段と、パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいて固定待ち時間を算出する固定待ち時間算出手段と、パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいてbackoff時間を算出するbackoff時間算出手段と、パケットを送信する際、固定待ち時間算出手段で算出された固定待ち時間及びbackoff時間算出手段で算出されたbackoff時間を使用して送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段と、を有する構成とした。
これにより、例えば、IEEE802.11のCSMA/CAアクセス制御において、送信時の固定待ち時間であるDIFSはパケット長をパラメータとした固定待ち時間とし、さらに、ランダムな待ち時間であるbackoffについてもパケット長をパラメータとしたランダム待ち時間とすることができる。よって、パケット長に対する待ち時間の割合を均等化することができる。
第2の発明は、送信後の送達確認を行う送達確認手段と、送達確認手段で正常送信されなかった場合、送信エラーとして検知するエラー検知手段とを備え、送信制御手段は、エラー検知手段によるエラーの頻度が高い場合には、送信パケット長に基づく送信待ち時間を使用しない構成とした。
これにより、送信エラーの頻度が高い場合には、パケット長に基づく送信待ち時間ではなく、例えば従来の送信待ち時間を使用することで、パケット長が短いパケットが非常に多く通信されるような場合、スループットが低下することを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態において、パケットまたはIPパケットとは、OSI参照モデルにおけるネットワーク層(IP層)で用いられる送受信データの単位のことを示す。フレームまたは無線フレームとは、OSI参照モデルにおけるデータリンク層(データリンク層の一部であるMAC層と表記する場合もある)で用いられる送受信データの単位のことを示す。
無線LANでは、IPパケットに無線のフレームヘッダなどを付加して通信を行う。しかし、本実施の形態では、無線パケットと無線フレームのどちらを用いても発明の主旨に差は発生しない。無線ノードとは、無線でフレームの送受信を行う機器・装置のことを示す。例えば、無線AP、無線端末、無線ルータ、無線リピータなどがある。
図1及び図2は、実施の形態1における無線通信装置の外観斜視図であり、無線通信装置の一例として、無線AP機能を有するルータを示したものである。図1は前面側から、図2は背面側からそれぞれ見た状態を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態におけるルータ100は、筐体111を有しており、筐体111の前面には、LED(Light Emitting Diode)などの表示部112が設けられている。また、筐体111の背面には、図2に示すように、DC(Direct Current)電源コネクタ113、RJ45などLAN(Local Area Network)用モジュラージャック114、及びWAN(Wide Area Network)用モジュラージャック115が設けられている。
DC電源コネクタ113には、平行ケーブルなどの電力線116が接続される。モジュラージャック114、115には、LANケーブル117が接続される。なお、無線通信装置の一例としてルータを示したが、先に述べたように、ルータに限定されるものではない。
図3は、実施の形態1における無線通信装置のハードウェア・ブロック図であり、ルータ100のハードウェア構成を示している。
図3に示すように、ルータ100は、破線で示す筐体111内に、回路モジュール150を有している。回路モジュール150には、メインIC(Integrated Circuit)151と、無線LANコントローラ159と、無線モジュール160とが実装されている。
メインIC151は、CPU(Central Proccessing Unit)151aと、メインバス151fやローカルバス151gなどのバスと、バス上のデータの流れを制御するBCU(Bus Control Unit)151bと、Ethernet(登録商標)のMAC(Medium Access Control)層を制御するMACブロック(EMAC)151c、151dと、PCI(Periphheral Component Interconnect Unit)バスを制御するPCIU151eとを有している。
メインIC151内のCPU151a及びBCU151bは、メインバス151fを介して、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)154と、Flash ROM(Flash Read Only Memory)155とに接続されている。また、CPU151a及びBCU151bは、ローカルバス151gを介して、メインIC151にクロックを供給する発振器152と、LEDなどの表示部112と、メインIC151に初期化信号を出力するリセットIC153とに接続されている。
メインIC151内のMACブロック151c、151dはそれぞれ、Ethernet(登録商標)の物理層を制御するPHY(Physical Layer)・ICであるEPHY156、157に接続されており、EPHY156、157はそれぞれ、LAN用モジュラージャック114、WAN用モジュラージャック115に接続されている。また、メインIC151は、DC−DC(Direct Current to Direct Current)変換器158を介して、DC電源コネクタ113に接続されている。DC−DC変換器158は、DC電源コネクタ113から供給されるDC電圧をメインIC151で必要なDC電圧に変換する。
無線LANコントローラ159は、MAC層を制御するMACブロック159aと、物理層を制御するPHYブロック159bとを有している。メインIC151内のPCIU151eは、MACブロック159aを介して、PHYブロック159bに接続されている。
無線モジュール160は、メインIC151から送信または受信状態が設定され、送受信切り替えSW(Switch)160aと、受信信号を増幅するLNA(Low Noise Amplifier)160bと、送信信号を増幅するPA(Power Amplifier)160cと、無線信号への変調及び無線信号からの復調を行うRF(Radio Frequency)変復調器160dとを有している。
無線モジュール160は、無線モジュール160にクロックを供給する発振器161に接続され、無線モジュール160内のRF変復調器160dは、無線LANコントローラ159内のPHYブロック159bに接続されている。無線モジュール160内の送受信切り替えSW160aは、メインIC151から使用するアンテナを切り替えるアンテナ切り替えSW162を介して、アンテナ163、164に接続されている。
図4は、実施の形態1における無線通信装置の外観斜視図であり、携帯可能な電話機等の通信端末102を示している。
図4に示すように、通信端末102は、筐体121を有しており、筐体121には、電話番号などを表示するLCD(Liquid Crystal Display)122と、電話番号を指定するためのボタンなどで構成されるキーマトリックス123と、マイク124と、電波を送受信する外部アンテナ125aと、話し相手からの音声を出力するスピーカ126とが設けられている。なお、通信端末102の一例として、電話機を示したが、特に電話機に限る必要はなく、通信端末は、アクセスポイントと接続可能な機能を備えた機器(例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器)であってもよい。
図5は、実施の形態1における無線通信装置のハードウェア・ブロック図であり、図4に示す通信端末102のハードウェア構成を示したものである。
図5において、通信端末102は、破線で示す筐体121内に、回路モジュール130を有している。回路モジュール130には、図4で説明したLCD122やキーマトリックス123の他、ベースバンドIC131と、無線モジュール143とが実装されている。
ベースバンドIC131は、CPU(Central Proccessing Unit)131aと、音声処理を行うVoIP(Voice over Internet Protocol)・ブロック131bと、無線LANのMAC層を制御する無線MAC・ブロック131cと、メインバス131dやローカルバス131eなどのバスとを有している。
ベースバンドIC131内のCPU131a、VoIP・ブロック131b、及び無線MAC・ブロック131cは、メインバス131dを介して、SDRAM132、及びFlash ROM133に接続されている。また、CPU131a、及びVoIP・ブロック131bは、ローカルバス131eを介して、LCD122、LCDの電源を制御するLCD電源制御IC134、必要なDC電圧に変換するDC−DC変換器136、及び、ベースバンドIC131に初期化信号を出力するリセットIC138に接続されている。DC−DC変換器136は、ダイオード139を介して電池135に接続され、リセットIC138、及び、LCD122に必要な電圧に昇圧するLCD電源用昇圧回路137は、電池135に接続されている。
また、CPU131a、及びVoIP・ブロック131bは、ローカルバス131eを介して、マイク124からの信号を増幅するアンプ140、及び、スピーカ126への信号を増幅するアンプ141に接続されている。アンプ140、141はそれぞれ、マイク124及びスピーカ126に接続されている。さらに、ベースバンドIC131は、キーマトリックス123、ベースバンドIC131にクロックを供給する発振器145、無線モジュール143、及び使用するアンテナをベースバンドIC131から切り替えるアンテナ切り替えSW142に接続されている。
無線モジュール143は、送受信切り替えSW143aと、受信信号を増幅するLNA(Low Noise Amplifier)143bと、送信信号を増幅するPA(Power Amplifier)143cと、無線信号への変調及び無線信号からの復調を行うRF(Radio Frequency)変復調器143dとを有している。また、無線モジュール143は、無線モジュール143にクロックを供給する発振器144、及びアンテナ切り替えSW142に接続されている。アンテナ切り替えSW142は、図4で説明した外部アンテナ125aと、内部アンテナ125bとに接続されている。
図6は、実施の形態1における無線通信装置の機能構成図であり、本実施の形態における無線通信装置のパケット送信機能について説明する。
図6において、送信待ち時間制御手段10は、パケットを送信するときの送信待ち時間の算出を制御する。送信待ち時間制御手段10は次の機能を有する。
パケット長算出手段11は、送信する無線パケットを解析し送信するパケットのパケット長を算出する。送信待ち制御手段12は、後述する衝突検知手段24の結果を受けて、パケット長をパラメータとした送信待ち制御を行うかどうかを設定する。すなわち、衝突検知手段24により衝突が頻発していると判断された場合はパケット長をパラメータとした送信待ち制御を行わず、通常の送信待ちを行うよう制御するものである。係数記憶手段13は、待ち時間算出時に利用する係数を記憶する。固定待ち時間算出手段15(第1の時間算出手段)は送信待ち制御手段12の指示を受けてIEEE802.11のDIFSに相当する待ち時間を、パケット長をパラメータとして算出する。従来の待ち時間を算出する場合はDIFSを固定待ち時間(第1の時間)として算出する。backoff算出手段(第2の時間算出手段)14は送信待ち制御手段12の指示を受けてIEEE802.11のbackoffに相当する待ち時間(第2の時間)を、パケット長をパラメータとして算出する。従来の待ち時間を算出する場合は、従来のbackoff算出方法に基づいて算出する。剰余backoff算出手段16は、送信待ちの途中で送信を中断したときに次回送信のための残りのbackoff時間を算出する。
送信制御手段20は、送信待ちと送信を制御する。送信制御手段20は次の機能を有する。
送信待ち手段21は、算出された送信待ち時間だけ送信待ちする処理を行う。送信待ち手段21による待ち時間が終了すると、送信手段30はパケットの送信を行う。送信監視手段22は、送信待ちのときに他のノードが送信を開始していないかチェックし、他のノードが送信開始していれば送信待ちを中断する。受信手段31は、送信後の送達確認応答である無線ACKの受信などの受信処理を行う。送達確認手段23は、規定時間内に無線ACKを受取ったかどうか判断する。衝突検知手段24は、送達確認手段23によりACKを受取らなかった場合、衝突が起きたと判断し衝突回数を計測する。
以上のように構成された無線通信装置について、以下にパケット送信動作について説明を行う。
無線ノードである無線通信装置が、他の無線ノードとの間で通信を行うときに、送信待ち制御手段12は、衝突検知手段24の結果を受けて通常の送信待ちを行うか、パケット長をパラメータとした送信待ちを行うかを決定する。例えば、単位時間当たりの衝突回数がある閾値以上である場合に通常の送信待ちを行うようにするが他の方法でも構わない。
通常の送信待ちをする場合、固定待ち時間算出手段15は従来のように固定待ち時間としてDIFSを算出し、backoff算出手段14は従来のようにbackoff時間を算出する。
パケット長をパラメータとして待ち時間を算出する場合は、まず、パケット長算出手段11は送信するパケットのパケット長を算出する。次に、固定待ち時間算出手段15はパケット長をパラメータとして(数2)を用いて固定待ち時間を算出する。
固定待ち時間=DIFSmin+(DIFSmax−DIFSmin)
×パケット長/最大パケット長・・・(数2)
ただし、DIFSmax>=DIFS>=DIFSmin>PIFS
ここで、DIFSminは固定待ち時間の最小値、DIFSmaxは固定待ち時間の最大値であり、係数記憶手段13に記憶される値であるが、条件を満たす値を任意に設定してよい。例えば、DIFSmax+DIFSmin/2=DIFSのように設定することができる。
(数2)を用いてDIFSに相当する固定待ち時間を算出することでパケット長に比例した待ち時間とすることができるが、この式により算出することに限定するものではない。例えば、図7に示すように、数種類の固定待ち時間をテーブルに記憶しておき、パケット長に応じてその種類の中から該当する待ち時間を算出するようにしてもよい。この場合、パケット長が256ならば待ち時間はDIFSminとなる。
次に、backoff算出手段14は、パケット長をパラメータとして(数3)を用いてbackoffスロットとbackoff時間を算出する。
backoffスロット数=CWnmin+(CWnmax−CWnmin)
×パケット長/最大パケット長・・・(数3)
backoff時間=backoffスロット数×乱数×1スロット時間
ただし、CWnmax>=CWn>=CWnmin
ここで、CWnminは、スロット数がCWnのときのランダム待ち時間スロット数の最小値、CWnmaxはスロット数がCWnのときのランダム待ち時間スロット数の最小値であり係数記憶手段13に記憶される値であるが、条件を満たす値を任意に設定してよい。例えば、CWnmax+CWnmin/2=CWnのように設定することができる。
また、IEEE802.11で規定されるようにCWnは再送回数が増えるごとに、CWn=(CWmin−1)×2n−1というように値が増加するものである。(数3)を用いてbackoff時間を算出することでパケット長に比例した待ち時間とすることができるが、この式ではなく他の式でも構わない。例えば、図8に示すように数種類のbackoffスロット数をテーブルに記憶しておき、パケット長に応じてその種類の中から該当するスロット数を算出するようにしてもよい。この場合、パケット長が256ならばスロット数はCWnminとなる。
このように算出された送信待ち時間に基づいて送信待ち手段21は送信待ちを行う。送信待ち手段21による送信待ちが終了し、他の無線ノードが送信していない場合、送信手段30によりパケットの送信を行う。
しかし、送信待ちの途中で他の無線ノードが送信を開始する場合がある。送信監視手段22は、他の無線ノードが送信を開始していないかを監視し、もし、送信待ちの間に他の無線ノードが送信を開始した場合、送信待ちを中断し再び送信待ち時間を算出するよう制御する。
このとき、剰余backoff算出手段16は、送信待ちの間に経過した時間を元に残ったbackoff時間を算出し記憶しておく。送信手段30によりパケット送信が行われたら、送達確認手段23は、ある決められた時間だけ、送信先からの送達確認であるACK応答を受信手段31を使って待つ。送達確認手段23はある時間内にACK応答が返れば正常に送信されたとして送信完了とみなし、ACKが返らなければ送信失敗とみなし再送処理を行う。送信失敗の場合、衝突検知手段24は、衝突が発生したとみなし衝突回数を加算する。
このように、パケット長をパラメータとして、固定待ち時間とbackoff時間を算出するのであるが、パケット長が短いパケットが非常に多く通信された場合のことを考える。
IEEE802.11では、パケットの衝突が発生するとCWnについて「2のn乗−1」のnを増やすことでbackoff時間を増やし衝突が発生する確率を低下させる。しかし、大量のショートパケットが通信されるとパケットの送信待ち時間が短いため衝突が発生しやすくなる。このような状態では、スループットの公平性向上のために逆にスループットが低下するという弊害が発生してしまう。
したがって、本実施の形態では、送信時に衝突が発生するようになった場合、送信待ち制御手段12によりパケット長をパラメータとした待ち時間制御をオフにすることができる。このような動作であるためパケット数が増えたことによるスループットの低下を回避することができる。
図9は、実施の形態1における無線通信装置の動作フローチャートであり、パケットの送信動作について示している。
図9において、まず、ステップ1で、DIFSmin、DIFSmaxなどの初期値を設定する。
ステップ2では、パケット衝突の頻度が低いかどうかをチェックする。すなわち、多くのパケットが通信されことによる衝突の可能性が高くないかどうかをチェックする。
衝突の頻度が低い場合、ステップ3で送信パケットのパケット長を算出する。ステップ4では、パケット長をパラメータとして、backoff算出手段14を使ってbackoff時間を算出する。ステップ5では、パケット長をパラメータとして、固定待ち時間算出手段15を使って固定待ち時間を算出する。
一方、ステップ2において衝突の頻度が高い場合は、ステップ6において従来どおり固定待ち時間DIFSを算出し、ステップ7で、従来どおりbackoff時間を算出する。
ステップ8では、算出した待ち時間だけ送信待ちを行う。
次に、ステップ9では、送信待ちの間に他の無線ノードが送信を行っていないかどうかチェックし、他ノードによる送信が検知されたらbackoffの残り時間を算出し、ステップ5またはステップ7へ行く。
ステップ9で送信可能な場合、ステップ10でパケットを送信する。ステップ11では、送信完了ACKが返り正常送信が完了したかどうかをチェックする。正常送信しなかった場合衝突回数をカウントアップしステップ4またはステップ6へ戻る。
正常送信した場合はステップ12へ進み、処理を終了するかどうかチェックし、終了しない場合はステップ2へ戻る。なお、通常再送回数には上限が設定されているため、再送回数の上限チェックを行う必要があるがこのフローチャートでは省略している。
以上のように本実施の形態では、送信パケット長に応じて送信待ち時間を可変にするため、ショートパケットとロングパケットのスループット差が小さくなり、その結果、パケット間やノード間のスループットの公平性が向上する。
なお、本実施の形態では、固定待ち時間、backoff時間の両方に対し、送信パケット長に基づき算出する例を示したが、何れか一方に対して送信パケット長に基づく算出処理を行い、他方は従来の手法で求めて送信待ち時間として設定してもよいことは言うまでもない。
本発明に係る無線通信装置及びそのパケット送信方法は、例えば無線LANなど、無線通信を行う機器に適用可能である。特に、無線IP電話機では、音声データをベースとした通信であるため、ショートパケットを多用するので本発明を利用した場合はより効果的である。
実施の形態1における無線通信装置の外観斜視図 実施の形態1における無線通信装置の外観斜視図 実施の形態1における無線通信装置のハードウェア・ブロック図 実施の形態1における無線通信装置の外観斜視図 実施の形態1における無線通信装置のハードウェア・ブロック図 実施の形態1における無線通信装置の機能構成図 実施の形態1における固定待ち時間のテーブルでの算出例を示す図 実施の形態1におけるbackoff時間のテーブルでの算出例を示す図 実施の形態1における無線通信装置の動作フローチャート 従来のDCFアクセス制御における通信時間を示す図 従来の無線ノードの無線通信のタイミングチャート 従来のパケット長に対応するスループットの関係を示すグラフ
符号の説明
10 送信待ち時間制御手段
11 パケット長算出手段
12 送信待ち制御手段
13 係数記憶手段
14 backoff算出手段
15 固定待ち時間算出手段
16 剰余backoff算出手段
20 送信制御手段
21 送信待ち手段
22 送信監視手段
23 送達確認手段
24 衝突検知手段
30 送信手段
31 受信手段
100 ルータ
102 通信端末

Claims (7)

  1. パケットを送信する際、第1の時間と第2の時間からなる送信待ち時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、
    送信パケット長を算出するパケット長算出手段と、
    前記パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づく第1の時間を算出する第1の時間算出手段と、
    前記第1の時間算出手段で算出された第1の時間を使用して送信待ち時間を設定し、送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段と、を有することを特徴とする無線通信装置。
  2. パケットを送信する際、第1の時間と第2の時間からなる送信待ち時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、
    送信パケット長を算出するパケット長算出手段と、
    前記パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいて第2の時間を算出する第2の時間算出手段と、
    前記第2の時間算出手段で算出された第2の時間を使用して送信待ち時間を設定し、送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段と、を有することを特徴とする無線通信装置。
  3. パケットを送信する際、第1の時間と第2の時間からなる送信待ち時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置であって、
    送信パケット長を算出するパケット長算出手段と、
    前記パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいて第1の時間を算出する第1の時間算出手段と、
    前記パケット長算出手段で算出した送信パケット長に基づいて第2の時間を算出する第2の時間算出手段と、
    前記第1の時間算出手段で算出された第1の時間、及び前記第2の時間算出手段で算出された第2の時間を使用して送信待ち時間を設定し、送信待ちをした後、パケットを送信する送信制御手段と、を有することを特徴とする無線通信装置。
  4. 送信後の送達確認を行う送達確認手段と、前記送達確認手段で正常送信されなかった場合、送信エラーとして検知するエラー検知手段とを備え、
    前記送信制御手段は、前記エラー検知手段によるエラーの頻度が高い場合には、送信パケット長に基づく送信待ち時間を使用しない、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の時間は、固定待ち時間であり、前記第2の時間はbackoff時間である、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の無線通信装置。
  6. パケットを送信する際、第1の時間と第2の時間からなる送信待ち時間を設定して送信待ちを行う無線通信装置のパケット送信方法であって、
    送信パケット長を算出するパケット長算出ステップと、
    前記算出した送信パケット長に基づいて第1の時間を算出する第1の時間算出ステップと、
    前記算出した送信パケット長に基づいて第2の時間を算出する第2の時間算出ステップと、
    パケットを送信する際、前記算出した第1の時間及び第2の時間を使用して送信待ち時間を設定し、送信待ちをした後、パケットを送信する送信ステップと、を有することを特徴とする無線通信装置のパケット送信方法。
  7. 送信後の送達確認を行う送達確認ステップと、前記送達確認で正常送信されなかった場合、送信エラーとして検知するエラー検知ステップとを備え、
    エラーの頻度が高い場合には、送信パケット長に基づく送信待ち時間を使用しない、ことを特徴とする請求項6記載の無線通信装置のパケット送信方法。
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