JP2009009907A - 電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い容量が実現できる電極の製造方法の提供。
【解決手段】製造した電極の空隙の内部に導電性高分子の単量体を浸漬させて電解重合することで高容量化を目指す際に、電極に用いる集電体の表面に導電体層を形成することで電解重合を均一に進行させて、その空隙内を重合により生成した導電性高分子により充填することが可能になり死容積が減少したことで高い容量を実現することが可能になった。特に、導電体層を形成する導電性材料としては、白金、金、炭素材料、チタンカーバイド、チタンナイトライド、酸化亜鉛及び酸化チタンのうちの少なくとも1つからなることが望ましい。これらの材料は薄膜基材を構成する材料として採用したアルミニウムなどの表面に形成される不動態皮膜よりも電気抵抗が小さく、電流の流れをより均一にすることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスに適用したときに容量を大きくできる電極を製造する方法に関する。
自動車のクリーンなエネルギー源として高性能な二次電池やキャパシタなどの高エネルギー密度、高出力な蓄電デバイスの開発が盛んであり、モータだけで走行可能な距離を伸ばすために、これら蓄電デバイスの容量向上が求められている。
これらの蓄電デバイスを構成する電極は、電極を貯蔵するリチウム複合酸化物や活性炭などからなる粉末乃至粒子状の活物質材料及びこれらを結着する結着材などから形成される電極合材層を集電体の表面上に形成することで得られる。電極合材層は、粉末乃至粒子状の活物質材料から形成されることから内部に空隙が存在する。空隙は容量に寄与しないので、空隙の体積を低減することを目的として電極合材層を形成した後、プレスすることで空隙の体積を減じて電極合材層の密度を高めているが、ある程度の空隙は残存している。
圧縮することにより空隙を減ずる以外に、生成した空隙中に容量を発現できる導電性高分子を形成する技術が開示されている(特許文献1)。この技術は電極合材層を形成後、導電性高分子の原料を含む高分子活物質単量体含有溶液中に電極合材層を浸漬し、空隙中にその溶液を浸透させた状態で電気化学的に重合反応を行うものである。この結果、空隙中に浸透した導電性高分子の原料が反応する。
特開2000−173598号公報
しかしながら、従来技術の手法によって空隙を導電性高分子で充填するには、均一な電解重合反応を行う必要がある。従来技術のように集電体として用いたアルミニウム箔の表面には不動態皮膜が存在するので、アルミニウム箔表面において電流を均一に流すことが困難になって電解重合を行っても均一な導電性高分子の形成がされず、導電性高分子を空隙中に均一に充填できないことがわかってきた。このため導電性高分子を空隙中に充填することにより期待される容量の向上が充分に認められなかった。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、蓄電デバイスに適用した場合に高い容量が実現できる電極の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは上記課題を解決する目的で鋭意検討を行い以下の発明を完成した。すなわち、本発明の電極の製造方法は、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金又はステンレスから形成される薄膜基材とその表面に形成され且つ導電性材料を含む導電体層とを有する集電体上に、外部に連通した空隙を内部にもち電極活物質を含む電極合材層を形成する工程と、
導電性高分子単量体及びラジカル高分子単量体のうちの少なくとも一方を含む高分子活物質単量体を含む溶液を前記電極合材層の前記空隙中に浸透させ且つ電位を印加することで前記高分子活物質単量体を電解重合させる重合工程と、を有することを特徴とする。
アルミニウムなどの表面に不動態を形成する材料から構成される薄膜基材を集電体として採用する場合に、特別な処理を行わない限りこの薄膜基材の表面には不動態皮膜が形成されていることが推測される。表面に不動態皮膜が形成されていることにより、前述したように、電流の流れが不均一になって、電解重合についても均一に進行させることが困難になる。本製造方法においては表面に導電体層を形成することによって、電流の流れの不均一さをできるだけ解消して電解重合の均一な進行が実現できた。
特に、導電体層を形成する導電性材料としては、白金、金、炭素材料、チタンカーバイド、チタンナイトライド、酸化亜鉛及び酸化チタンのうちの少なくとも1つからなることが望ましい。これらの材料は薄膜基材を構成する材料として採用したアルミニウムなどの表面に形成される不動態皮膜よりも電気抵抗が小さく、電流の流れをより均一にすることが可能になる。
そして、本発明方法では表面に形成された不動態皮膜を除去すると共に、後に集電体の表面に不動態皮膜が形成されないように薄膜基材の表面に導電体層を形成することを目的として以下の工程を有することが望ましい。すなわち、前記集電体は、前記導電性材料から構成された導電性材料粉末を前記薄膜基材の表面に衝突させて前記導電体層を形成する工程により得られることが望ましい。
導電体層を構成する材料である導電性材料の微粉末を薄膜基材の表面に衝突させ、その衝突のエネルギーによって、薄膜基材表面に形成されている不動態皮膜を除去すると共に、表面に導電体層を形成することができる。表面に導電体層が形成されることで、表面に薄膜基材が露出しなくなって、不動態層の形成を防ぐこともできる。
更に、前記薄膜基材と前記導電体層との間には、前記薄膜基材の表面から前記導電性材料が内部に拡散して形成された接合層を有することが望ましい。薄膜基材を構成する材料と導電体層を構成する材料との間に両者の中間の組成をもつ接合層を介することによって、より強固な接合が実現できる。
本発明の電極の製造方法によれば、表面に不動態皮膜の代わりに導電体層を形成した部材を集電体として採用しているので、電解重合工程において集電体の表面から電流が均一に流れるようになって電解重合が均一に進行する。従って、空隙内においても電解重合が均一に進行するので、空隙内における導電性高分子の充填率が高い電極を得ることが可能になる効果を発揮できる。そして、集電体表面に導電性が高い導電体層を形成したことで集電体と電極合材層との間の界面における抵抗が低くなる付随的な効果が期待できる。
本発明の電極の製造方法について以下実施形態に基づき詳細に説明を行う。本発明の電極の製造方法において適用できる蓄電デバイスとしては薄膜状の集電体の表面に電極合材層が形成された電極を採用するデバイスであれば特に限定しない。例えば、リチウム二次電池や電気二重層キャパシタなどが挙げられる。
(蓄電デバイスの構成要素)
本発明の製造方法にて製造される電極が適用可能な蓄電デバイスは正負極の電極の他に、それら電極の間の絶縁を担保するセパレータ、電解液、ケース、電極端子などから構成される。電極は集電体とその表面に形成された電極合材層とをもつ。
・集電体
集電体は薄膜基材とその表面に形成された導電体層とをもつ。集電体はその表面に形成された電極合材層に対して電子を授受する部材であり、電極合材層を付着形成できる面積・電極形状を保持するために必要な強度・電流を流すために必要な断面積を確保することを条件にできるだけ体積が小さくなることが適用される蓄電デバイスの体積エネルギー密度向上の観点から望ましい。
薄膜基材は、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金又はステンレスから形成される薄膜状の部材である。材料の選択は蓄電デバイスに適用される電極の種類によって選択できる。これらの材料はバルクよりも電気伝導性の小さい不動態を表面に形成することが知られている。薄膜基材の大きさは、表面に形成する電極合材層の大きさ、流すことが想定される電流の大きさ、必要とされる強度などによって適宜、調節する。例えば、数μm〜数十μm程度(更には5μm〜50μm程度)の厚みをもつ。従来技術の蓄電デバイスにおいては、この薄膜基材のみにて集電体を形成することもできる部材である。
導電体層を構成する導電性材料は薄膜基材を構成する材料とは異なる材料により構成される。特に、空気中において薄膜基材を構成する材料(例えば、アルミニウム)の不動態よりも表面における電気抵抗を小さく保つことが可能であって、蓄電デバイス内の雰囲気においても物理的・化学的に安定な材料を採用することができる。例えば、白金、金、炭素材料、チタンカーバイド、チタンナイトライド、酸化亜鉛及び酸化チタンのうちの少なくとも1つからなる材料が挙げられる。
導電体層は薄膜基材表面の不動態皮膜を取り除いた後に形成することが望ましい。この形成法は特に限定しない。例えば、(a)導電性材料をから構成された導電性材料粉末を薄膜基材の表面に衝突させることで形成する方法、(b)非活性雰囲気下、薄膜基材表面の不動態皮膜をエッチングなどにより除去した後、導電性材料を気相成長させることで形成する方法が挙げられる。(b)の手法における気相成長の方法としては特に限定しないが、PVDなどの真空蒸着法、例えば、スパッタリング、電子ビーム蒸着、イオンめっき、イオンビームデポジションが挙げられる。
導電体層の厚みは蓄電デバイス内において導電性が十分確保できる厚みを選べばよく特に限定されない。例えば、体積エネルギー密度向上の観点からは体積の無駄がなるべく少ない0.1μmから5μm程度が望ましい。そして、導電体層は薄膜基材表面の全面に形成することが望ましいが、薄膜基材表面の一部に形成するものであっても良い。例えば、集電体の表面のうち、電極合材層が形成される部分にのみ導電体層を形成したり、電極合材層の形成部位にかかわらず、適正な部位に縞状、斑点状などの形状で導電体層を形成することができる。
・電極合材層
電極合材層は電極活物質を含み、必要に応じて、導電材(カーボンブラックなどの炭素材料が例示できる)や結着材(カルボキシメチルセルロースなどセルロース誘導体やポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物が例示できる)を含む。電極合材層は電極活物質などを適正な液体に溶解乃至分散させた電極合材ペーストとして集電体上に塗布し、乾燥させることで形成される。詳しくは後述する。
蓄電デバイスとしてのリチウム二次電池を例として説明すると、正極の活物質は、リチウムイオンを放出できるリチウム複合酸化物が採用できる。リチウム複合酸化物としてはニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、オリビン鉄等が例示できるがこれらに限定されるものではない。また、上記リチウム複合酸化物は、単独で用いるだけでなく、これらを複数種類混合して用いることもできる。中でもリチウム複合酸化物としてリチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物及びリチウムコバルト含有複合酸化物のうちの1種以上を採用することが好ましい。
また、蓄電デバイスとしての電気二重層キャパシタを例として説明すると、電極に電荷を貯蔵する正極の活物質としては、比表面積が大きい炭素材料が挙げられる。
(電極の製造方法)
電極は電極合材層形成工程と電解重合工程とを有する。
・電極合材層形成工程
電極合材層形成工程は粉末状の電極活物質、結着材、導電材等を水やNメチルピロリドン等の溶媒中で混合・分散した後、上述の集電体の表面に塗布・乾燥することで形成する。ここで、電極合材層の内部には溶媒の乾燥に伴い空隙が生じることになり、それら空隙のうちの一部乃至全部は外部に連通する。ここで、電極合材層はプレスなどにより圧縮することによって空隙の体積を減少させて嵩密度を大きくすることもできる。上記結着材としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等が例示できる。また導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素粉末が例示できる。
・電解重合工程
電解重合工程は高分子活物質単量体を含む高分子活物質単量体含有溶液を電極合材層中の空隙に浸透させた状態で電位を印加する工程である。電解重合工程は高分子活物質単量体を溶解させた高分子活物質単量体含有溶液に電極を接触させた状態で電位を印加することで高分子活物質単量体を重合させ、この重合によって空隙内に高分子活物質が充填される。
空隙中に高分子活物質単量体含有溶液を浸透させる方法としては高分子活物質単量体含有溶液に圧力を加えて圧入する方法や電極合材層を真空状態に保った状態で高分子活物質単量体含有溶液中に浸漬させた後に常圧に戻すことで大気圧により圧入する方法などが挙げられる。
電圧の印加方法は特に限定されないが、空隙をもつ電極合材層をもつ電極を作用極とした上で、その作用極に対して直接的に電圧を印加することで電極合材層の空隙内に重合して生成した高分子活物質が効果的に充填される。更に、最終的な蓄電デバイス内の電解液中などに高分子活物質単量体を溶解させた状態で蓄電デバイスに充放電を行うこと(エージング)により電解重合工程を行うこともできる。
電解重合工程は空隙を充填するのに必要な量の高分子活物質単量体を添加した高分子活物質単量体含有溶液を用い、その溶液中の高分子活物質単量体をすべて重合させることで終了することができる。重合が終了したか否かの正確な判断は重合工程において印加する電圧と電流との関係から判断できる。例えば、印加した電圧が電解重合が進行する電位を継続的に超えることをもって重合が完了したものと考えることができる。
電解重合の条件は特に限定しないが0V〜4.0Vの範囲で電圧を印加するものであることが望ましい。電解重合の条件は高分子活物質単量体の種類などの諸条件によって変化する。
高分子活物質単量体含有溶液中に含まれる高分子活物質単量体の濃度は、重合により空隙の内部に高分子活物質が生成する濃度であれば、限定されない。特に本明細書においては高分子活物質単量体が液状である場合には溶媒を含まない場合であっても本明細書中における「高分子活物質単量体含有溶液」に含まれるものとして記載している。
高分子活物質単量体の濃度の適正範囲は、高分子活物質単量体の種類、電解重合工程の内容によって変化するが、例えば、高分子活物質単量体含有溶液中の高分子活物質単量体の濃度としては、電解重合の進行のしやすさを考慮すると、電解液中に0.01mol/L〜1.0mol/L程度添加することが望ましく、0.01mol/L〜0.1 mol/L程度添加することがより望ましい。
これら高分子活物質単量体含有溶液中はテトラブチルアンモニウム、6フッ化リン酸リチウム、4フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムなどの何らかの支持塩を含み、導電性が確保されていることが望ましい。溶媒としては、アセトニトリル、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどが例示できる。更に、先に述べたように、蓄電デバイスの必須の要素である電解液中に高分子活物質単量体を溶解させて高分子活物質単量体含有溶液を調製することも可能である。電解液中に高分子活物質単量体を溶解させた場合にはいわゆるエージングの工程にて電解重合工程を行うことになる。
高分子活物質単量体は導電性高分子単量体及びラジカル高分子単量体のうちの少なくとも一方を含み、導電性高分子単量体及びラジカル高分子単量体は別々の分子である場合ばかりでなく、同一の分子が導電性高分子単量体及びラジカル高分子単量体の双方の性質を持つもの(導電性高分子単量体の分子構造中にラジカルを有するものなど)であることもできる。高分子活物質単量体として例を挙げると、ピロール、ピロール誘導体、チオフェン、チオフェン誘導体、アニリン、更には分子構造中にラジカルが導入されている単量体が挙げられる。具体的には、下記一般式(A)や一般式(B)で表される化合物が好ましい化合物として挙げることができる。
Figure 2009009907
(式(A)及び式(B)中、R〜Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して選択される。)
高分子活物質単量体としては特に前記一般式(A)で表される化合物を含むことが望ましい。一般式(A)で表される化合物はピロール及びその誘導体である。R〜Rとして採用できるアルキル基としては特にメチル基が望ましい。
更に、前記一般式(A)中、R〜Rのうちの少なくとも1つは下記式(1)〜(4)のいずれかであるラジカル化合物であるものが望ましい。
Figure 2009009907
(式(1)〜(4)は*の部分にて、前記式(A)におけるピロール環の炭素原子又は窒素原子に結合する。式(1)〜(4)中、RはH、OH、CH又はNHである。式(1)〜(4)中、Yは−(CH−(mは0〜10の整数)であり、mが1以上のときはYを構成するメチレン基の1つ以上が、−O−、−NH−、−S−、
Figure 2009009907
で置換されてもよい。)
これらの基は電池反応に寄与できるラジカルを有するので電池容量の向上や内部抵抗の低下に寄与する。従って、これら式(1)〜(4)の基はすべての高分子活物質単量体が有することが望ましい。
また、前記高分子活物質単量体としては下記一般式(C)で表される化合物を含むことができる。
Figure 2009009907
(式(C)中、mは1〜10の整数)
また、高分子活物質単量体としては前記一般式(C)で表される化合物が特に望ましい。ここで、一般式(C)及び式(1)〜(4)中におけるmの値としては1〜3程度にすることが望ましい。
特に、R〜Rが水素であるピロールや上記一般式(C)で表される化合物のうちmが3である下記化合物eを採用することが望ましい。
Figure 2009009907
以下、実施例に基づき本発明の電極の製造方法について更に詳しく説明する。実施例の試験電極は図1に示す工程に概ね従い製造し、比較例の試験電極は図2に示す工程に概ね従い製造した。
(1)集電体
薄膜基材としてのアルミニウム箔(厚み15μm、1N30、H材、日本製箔製)の表面をドライボックス中で研磨し、不動態皮膜を取り除いた後、大気に触れないようにしながら白金をスパッターコーティングして、表面に白金からなる導電体層を形成して集電体を製造した。
(2)正極の形成
製造した集電体の表面にニッケル酸リチウム、ケッチェンブラック、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びポリエチレンオキサイド(PEO)を水で分散した電極合材ペーストを塗布、乾燥した後、プレスして集電体の表面に電極合材層を形成した(電極合材層形成工程)。
高分子活物質単量体含有溶媒としては、溶媒としてのアセトニトリル、支持塩としてのテトラブチルアンモニウム塩を用いた溶液中に重合させる高分子活物質単量体としての一般式(A)で表されるピロール(R1〜3はすべて水素)を溶解させたものを調製した。この高分子活物質単量体含有溶液を用いて電解重合工程を行い、得られた電極を本実施例の試験電極とした。このとき作用極を上記電極とし、対極に白金、参照極に銀/塩化銀を用いた3極式セルで、走引速度100mV/s、挿引電圧範囲を0Vから1.6Vとして電極の空隙内に導電性高分子を充填した。
重合させる高分子活物質単量体としての一般式(A)の化合物に代えて化合物eを用いた高分子活物質単量体含有溶液を採用した以外は実施例1と同様の条件にて電極を製造して本実施例の試験電極とした。
・化合物eの製造
化合物eは以下に示す方法にて合成した。
Figure 2009009907
・ステップ1:化合物b(3−アミノ−1−プロパノール:18mL、0.24mol)を酢酸33mL中に氷浴で冷却しながら加えた後、化合物a(2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン:9mL、0.07mol)を一気に加え、その後、2時間還流した。
室温まで放冷後、水120mLを加え、ジクロロメタン50mLで3回抽出操作を行った。得られた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。メタノール60mLと20質量%NaOH水溶液60mLとを残留物に加え、室温で2.5時間撹拌した。
その後、飽和NaCl水溶液100mLを加え、ジクロロメタン50mLで3回抽出操作を行った。得られた有機層をNaSOで乾燥した後、溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン1:1)で精製を行い化合物f(1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロール)を得た。収量4.77g、収率54%であった。
・ステップ2:窒素雰囲気下、氷浴で冷却しながら、化合物c(3.5g、0.28mol)とトリエチルアミン(4.16mL、0.30mol)とをジクロロメタン25mL中に加えた後、メタンスルホン酸クロライド(2.45mL、0.30mol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。水60mLを加え、ジクロロメタン60mLで抽出操作を行った。
得られた有機層を5質量%NaHCO水溶液60mLで洗浄した後、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。その後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製を行い化合物d(1−(3’−MsO−プロピル)−1H−ピロール)を得た。収量5.45g、収率96%であった。
・ステップ3:窒素雰囲気下、ヘキサンで洗浄したNaH(60%in Oil、0.81g、0.203mol)と4−ヒドロキシ−TEMPO(3.5g、0.203mol)をDMF30mL中に加え、0℃で1時間撹拌した。
その後、化合物d(5g、0.246mol)を滴下し、室温で15時間撹拌した。水60mLを加え、ヘキサン150mLで抽出操作を行った。得られた有機層を水25mLで6回洗浄した後、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。その後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン1:3)で精製を行い化合物eを得た。収量3.28g、収率58%であった。
実施例1と同じアルミニウム箔を薄膜基材として用い、その表面に、平均粒径1μmのチタンカーバイド粉末を高速で噴きつけることで、平均厚み0.5μmのチタンカーバイドからなる導電体層を形成して集電体とした。
この集電体を用いた以外は実施例2と同様の条件にて電極を製造して本実施例の試験電極とした。
比較例1
(1)集電体
各実施例において採用した薄膜基材をそのまま集電体とした。
(2)正極形成
上記集電体の表面に、ニッケル酸リチウム、ケッチェンブラック、PTFE、CMC、PEOを水で分散した電極合材ペーストを上記集電体に塗布、乾燥した後、プレスし正極を作製し、本比較例の試験電極とした。
比較例2
比較例1の試験電極を高分子活物質単量体含有溶液中に浸漬して電解重合を行い作成した電極を本比較例の試験電極とした。高分子活物質単量体含有溶液は実施例1で採用したものをそのまま用いた。そして、電解重合工程は実施例1と同様の条件にて行った。
比較例3
比較例1の試験電極を高分子活物質単量体含有溶液中に浸漬して電解重合を行い作成した電極を本比較例の試験電極とした。高分子活物質単量体含有溶液は実施例2で採用したものをそのまま用いた。そして、電解重合工程は実施例1と同様の条件にて行った。
(容量の測定)
実施例1〜3及び比較例1〜3の電極の容量を測定した。正極としてそれぞれの試験電極を採用し、負極として金属リチウムを採用し、電解液として1molのLiBFをエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートの混合溶液に溶解した溶液を採用し、セパレータとして微多孔性PEからなる薄膜を採用してコイン型電池を作成して、それぞれ各実施例及び比較例の試験電池とした。
それぞれの試験電池について、いずれも4.1Vまで定電流定電圧で充電を行ったときの容量を測定した。その結果、比較例1の試験電池を基準として、比較例2の試験電池で1%、比較例3の試験電池で2%の容量増加がみられた。一方、実施例1の試験電池では5%、実施例2の試験電池では12%、実施例3の試験電池では12%の容量増加が確認できた。
このように実施例の試験電池は、比較例の試験電池に比べて容量が大きく、高分子活物質が効果的に電極内に導入できたことが分かった。特に化合物eを採用した実施例2の試験電池の容量増加効果は顕著であり、ラジカルをもつ高分子活物質が容量増加に効果的であることが分かった。各試験電池の試験電極の断面を模式的に示すと、実施例の試験電極(図3)は、比較例の試験電極(図4)に比べて、より高密度に導電性高分子が電極合材層の空隙中に充填されているものと推測される。
実施例の電極製造工程を示すフローチャートである。 従来(比較例)の電極製造工程を示すフローチャートである。 実施例の試験電極の断面模式図である。 従来(比較例)の試験電極の断面模式図である。

Claims (4)

  1. アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金又はステンレスから形成される薄膜基材とその表面に形成され且つ導電性材料を含む導電体層とを有する集電体上に、外部に連通した空隙を内部にもち電極活物質を含む電極合材層を形成する工程と、
    導電性高分子単量体及びラジカル高分子単量体のうちの少なくとも一方を含む高分子活物質単量体を含む溶液を前記電極合材層の前記空隙中に浸透させ且つ電位を印加することで前記高分子活物質単量体を電解重合させる重合工程と、を有することを特徴とする電極の製造方法。
  2. 前記導電性材料は白金、金、炭素材料、チタンカーバイド、チタンナイトライド、酸化亜鉛及び酸化チタンのうちの少なくとも1つからなる請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記集電体は、前記導電性材料から構成された導電性材料粉末を前記薄膜基材の表面に衝突させて前記導電体層を形成する工程により得られる請求項1又は2に記載の電極の製造方法。
  4. 前記薄膜基材と前記導電体層との間には、前記薄膜基材の表面から前記導電性材料が内部に拡散して形成された接合層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の電極の製造方法。
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