JP2009009697A - 追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、例えば青色レーザ光等の短波長レーザ光を使用し、高密度で十分に実用に適するレベルの性能をもって情報の記録再生を行なうことを可能とした追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法を提供することを目的としている。
【解決手段】同心円状またはスパイラル状のグルーブ(21)が形成された透明樹脂基板(20)と、透明樹脂基板(20)上のグルーブ(21)上に形成された記録膜(24)とを備え、グルーブ幅(Gw)がランド幅(Lw)に比べて広く設定されており、波長が405nm程度の短波長レーザ光の照射によって記録マークが形成されるもので、短波長レーザ光の照射前の光反射率よりも、短波長レーザ光の照射により形成される記録マーク部分の光反射率の方が高くなる追記型情報記録媒体(28)に、短波長レーザ光を照射して情報を記録する。
【選択図】 図6

Description

この発明は、例えば青色レーザ光等のような短波長レーザ光による情報の記録再生を可能とした追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法に関する。
周知のように、近年では、パーソナルコンピュータ等の普及に伴なって、デジタルデータを蓄積するメディアの重要性が高まっている。例えば、現在では、長時間の映像情報及び音声情報等をデジタル記録再生可能な情報記録媒体が普及している。また、携帯電話等のモバイル機器にも、デジタル記録再生用の情報記録媒体が使用されてきている。
ここで、この種の情報記録媒体としては、情報の記録容量が大きく、所望の記録情報を迅速に検索し得る高いランダムアクセス性能を有し、しかも、小型軽量で保存性及び可搬性に優れ、かつ、経済的にも安価である等の理由により、ディスク形状のものが多く利用されている。
そして、このようなディスク形状の情報記録媒体として、現状では、レーザ光を照射することにより非接触で情報の記録及び再生が可能な、いわゆる光ディスクが主流となっている。この光ディスクは、主として、CD(Compact Disk)規格またはDVD(Digital Versatile Disk)規格に準拠しており、両規格間で互換性も備えられている。
光ディスクには、CD−DA(Digital Audio)、CD−ROM(Read Only Memory)、DVD−V(Video)、DVD−ROM等のように情報の記録ができない再生専用型と、CD−R(Recordable)、DVD−R等のように1回だけ情報の書き込みができる追記(ライトワンス)型と、CD−RW(ReWritable)、DVD−RW等のように何回でも情報の書き替えができるリライタブル型との3種類がある。
このうち、記録が可能なものとしては、製造コストが低いことから、記録層に有機色素を用いた追記型光ディスクが最も普及している。これは、情報の記録容量が700MB(Mega Bytes)を超えると、記録情報を消去して新たな情報に書き替えるという用途がほとんどなく、事実上1回だけ記録することができれば十分であるからである。
記録層に有機色素を用いた追記型光ディスクでは、グルーブによって規定された記録領域(トラック)にレーザ光を照射して、樹脂基板をそのガラス転移点Tg以上に過熱すると、グルーブ内の有機色素膜が光化学反応を起こして負圧を生じさせる結果、グルーブ内で樹脂基板が変形することを利用して記録マークを形成している。
記録再生用レーザ光の波長が780nm程度であるCD−Rに使用される有機色素として代表的なものは、Ciba Speciality Chemicals製のIRGAPHOR Ultragreen MXのようなフタロシアニン系色素がある。また、記録再生用レーザ光の波長が650nm程度であるDVD−Rに使用される有機色素として代表的なものは、三菱化学メディア製のアゾ金属錯体系色素がある。
ところで、現状の光ディスクに比して、より一層の高密度かつ高性能な記録再生を実現する次世代の光ディスクでは、記録再生用レーザ光として波長が405nm程度の青色レーザ光が使用される。しかしながら、このような短波長の光を用いて、実用上十分な記録再生特性を得ることが可能な有機色素材料は、いまのところ開発されていない。
すなわち、赤外線レーザ光または赤色レーザ光を用いて記録再生を行なう現状の光ディスクでは、記録再生用レーザ光の波長(780nm,650nm)よりも短波長側に吸収極大を持つ有機色素材料が使用される。これにより、現状の光ディスクは、レーザ光を照射して形成した記録マーク部分の光反射率が、レーザ光照射前の光反射率よりも低くなるという、いわゆるH(High)to L(Low)の特性を実現している。
これに対し、青色レーザ光を用いて記録再生を行なう場合、記録再生用レーザ光の波長(405nm)よりも短波長側に吸収極大を持つ有機色素材料は、紫外線等に対する安定性及び保存耐久性が悪いばかりでなく、熱に対しての安定性も悪く、記録マークのコントラスト及び解像度が低いという問題を有している。
また、記録マークの滲みも大きくなりやすいため、隣接トラックにまで影響し、クロスライト特性の劣化が生じやすくなる。さらに、記録感度も低くなり、十分な再生信号SN(Signal to Noise)比及びビット誤り率が得られないという不都合も生じる。
なお、隣接トラックに情報が記録されていない条件では、一応の記録感度を得られる場合もあるが、隣接トラックに情報を記録してしまうと、隣接トラックへのクロスライトが大きいことから、再生信号SN比は低くなり、ビット誤り率は高くなって、実用に適するレベルに達しないものとなる。
特許文献1には、記録層に含まれる有機色素化合物の吸収極大が書き込み光の波長よりも長波長にある光記録媒体が開示されている。しかしながら、この特許文献1には、例えば、レーザ光照射前後の光反射率の変化、再生信号SN比、ビット誤り率等、光ディスク自体の性能を高める構成については何らの記載もなされていないものである。
特開2002−74740号公報
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、例えば青色レーザ光等の短波長レーザ光を使用し、高密度で十分に実用に適するレベルの性能をもって情報の記録再生を行なうことを可能とした追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法を提供することを目的とする。
この発明に係る追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法は、同心円状またはスパイラル状のグルーブが形成された透明樹脂基板と、透明樹脂基板上のグルーブ上に形成された記録膜とを備え、グルーブの幅がランドの幅に比べて広く設定されており、波長が405nm程度の短波長レーザ光の照射によって記録マークが形成されるもので、短波長レーザ光の照射前の光反射率よりも、短波長レーザ光の照射により形成される記録マーク部分の光反射率の方が高くなる追記型情報記録媒体に、短波長レーザ光を照射して情報を記録するようにしたものである。
上記した発明によれば、グルーブの幅をランドの幅に比べて広く設定し、短波長レーザ光の照射前よりも、その照射により形成される記録マーク部分の光反射率が高くなる記録膜を備えた追記型情報記録媒体に、短波長レーザ光を照射して情報を記録するようにしたので、短波長レーザ光を使用しても、保存耐久性、再生信号SN比、ビット誤り率等の点で優れ、高密度で十分に実用に適するレベルの性能をもって情報の記録再生を行なうことを可能とすることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態で説明する追記型情報記録媒体は、例えばポリカーボネート等の合成樹脂材料で円盤状に形成された透明樹脂基板を備えている。この透明樹脂基板には、同心円状またはスパイラル状にグルーブが形成されている。この透明樹脂基板は、スタンパを用いて射出成形により製造することができる。
そして、この透明樹脂基板上に、そのグルーブを充填するように、有機色素を含む記録膜を形成する。この記録膜を形成する有機色素としては、その最大吸収波長領域が記録波長(405nm)よりも長波長側にシフトしているものが用いられる。また、記録波長領域において吸収が消滅しているものではなく、相当の光吸収を有するように設計されたものである。
これにより、情報記録前のトラック上を記録用レーザ光によりフォーカシングまたはトラッキングした場合は、低光反射率となる。レーザ光により色素の分解反応が生じ、光吸収率が低下することにより、記録マーク部分の光反射率が上昇する。このため、レーザ光を照射して形成した記録マーク部分の光反射率が、レーザ光照射前の光反射率よりも高くなるという、いわゆるL to Hの特性を実現している。
なお、発生する熱により、透明樹脂基板、特に、グルーブ底部に変形を伴なうこともある。この場合、反射光に位相差が生じることもある。
上記有機色素は、溶媒に溶かすことで液体とし、スピンコート法により透明樹脂基板面に容易に塗布することができる。この場合、溶媒による希釈率、スピン塗布時の回転数を制御することにより、膜厚を高精度に管理することができる。
有機色素は、色素部と対イオン(アニオン)部とからなる。色素部としては、シアニン色素、スチリル色素等を使用することができる。特に、シアニン色素、スチリル色素は、記録波長に対する吸収率の制御がしやすく好適である。
中でも、モノメチン鎖を有するモノメチンシアニン色素は、透明樹脂基板に塗布される記録膜を薄膜化することにより、極大吸収と記録波長域(400nm〜405nm)での吸光度を0.3〜0.5付近、好ましくは0.4付近に容易に調整することができる。このため、記録再生特性を良くすることが可能で、かつ、光反射率、記録感度を共に良好に設計することができる。
アニオン部としては、有機金属錯体とするのが光安定性の観点からも良好である。有機金属錯体は、コバルトまたはニッケルを中心金属とするものが、特に光安定性に優れている。
アゾ金属錯体が最も良好であり、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)を溶媒とした場合の溶解性も良好であって、スピンコート用の溶液を容易に作ることができる。また、スピンコート後のリサイクルが可能なので、光ディスク製造のコストダウンを図ることができる。
図1は、有機色素材料として、色素A〜Dの4つの例を示している。色素Aは、色素部(カチオン部)をスチリル色素、アニオン部をアゾ金属錯体1としたものである。色素Cは、色素部(カチオン部)をスチリル色素、アニオン部をアゾ金属錯体2としたものである。色素Dは、色素部(カチオン部)をモノメチンシアニン色素、アニオン部をアゾ金属錯体1としたものである。なお、有機金属錯体の単体も使用可能である。例えば、色素Bは、ニッケル錯体色素である。
そして、上記スピンコート後の有機色素薄膜の塗布されたディスク基板は、ホットプレートまたはクリーンオーブン等により80℃程度の温度で色素を乾燥した後、その薄膜上に、スパッタリングにより光反射膜となる金属薄膜を成膜する。この金属反射膜材料としては、例えばAu、Ag、Cu、Alまたはこれらの合金、アロイ等が用いられる。
その後、金属膜上に紫外線硬化型樹脂をスピン塗布して保護用ディスク基板を貼り合わせることにより、追記型情報記録媒体として追記型光ディスクが製造される。
ここで、一般式1は、上記色素A,Cの色素部となるスチリル色素の一般式を示し、一般式2は、色素A,Cのアニオン部となるアゾ金属錯体の一般式を示している。また、一般式3は、上記色素Dの色素部となるモノメチンシアニン色素の一般式を示し、一般式4は、色素Dのアニオン部となるアゾ金属錯体の一般式を示している。
Figure 2009009697
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Figure 2009009697
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上記スチリル色素の一般式において、Z3は芳香環を表わし、その芳香環は置換基を有していてもよい。Y31は炭素原子またはヘテロ原子を表わしている。R31,R32,R33は互いに同じか異なる脂肪族炭化水素基を表わし、それらの脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。R34,R35はそれぞれ独立に、水素原子または適宜の置換基を表わし、Y31がヘテロ原子である場合、R34,R35のいずれか一方または両方が存在しない。
また、上記モノメチンシアニン色素の一般式において、Z1,Z2は互いに同じか異なる芳香環を表わし、それらの芳香環は置換基を有していてもよい。Y11,Y12はそれぞれ独立に、炭素原子またはヘテロ原子を表わしている。R11,R12は脂肪族炭化水素基を表わし、それらの脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。R13,R14,R15,R16はそれぞれ独立に、水素原子または適宜の置換基を表わし、Y11,Y12がヘテロ原子である場合、R13,R14,R15,R16の一部または全部が存在しない。
この実施の形態で用いるモノメチンシアニン色素としては、置換基を1または複数有することのあるモノメチン鎖の両端に、置換基を1または複数有することのある、互いに同じか異なるイミダゾリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダソール環、α−ナフトイミダゾール環、β−ナフトイミダゾール環、インドール環、イソインドール環、インドレニン環、イソインドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピリジノインドレニン環、オキサゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ピリジノオキサゾール環、α−ナフトオキサゾール環、β−ナフトオキサゾール環、セレナゾリン環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、α−ナフトセレナゾール環、β−ナフトセレナゾール環、チアゾリン環、チアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、α−ナフトチアゾール環、β−ナフトチアゾール環、テルラゾリン環、テルラゾール環、ベンゾテルラゾール環、α−ナフトテルラゾール環、β−ナフトテルラゾール環、さらには、アクリジン環、アントラセン環、イソキノリン環、イソピロール環、イミダノキサリン環、インダンジオン環、インダゾール環、インダリン環、オキサジアゾール環、カルバゾール環、キサンテン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、クロマン環、シクロヘキサンジオン環、シクロペンタンジオン環、シンノリン環、チオジアゾール環、チオオキサゾリドン環、チオフェン環、チオナフテン環、チオバルビツール酸環、チオヒダントイン環、テトラゾール環、トリアジン環、ナフタレン環、ナフチリジン環、ピペラジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾロン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピリリウム環、ピロリジン環、ピロリン環、ピロール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントレン環、フェナントロリン環、フタラジン環、プテリジン環、フラザン環、フラン環、プリン環、ベンゼン環、ベンゾオキサジン環、ベンゾピラン環、モルホリン環、ロダニン環等の環状核が結合してなる色素を挙げることができる。
また、モノメチンシアニン色素及びスチリル色素の一般式を通じて、Z1〜Z3は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、キノキサリン環等の芳香環を表わし、それらの芳香環は置換基を1または複数有していてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基、ビフェニリル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基等の芳香族炭化水素基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエーテル基、メトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエステル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲン基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、フェニルチオ基等のチオ基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、プロピルスルファモイル基、ジプロピルスルファモイル基、ブチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基等のスルファモイル基、第一級アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジノ基等のアミノ基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基等のカルバモイル基、さらには、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルフィノ基、スルホ基、メシル基等が挙げられる。なお、一般式において、Z1及びZ2は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
モノメチンシアニン色素及びスチリル色素の一般式におけるY11,Y12,Y31は炭素原子またはヘテロ原子を表わしている。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子等の周期律表における第15族及び第16族の原子が挙げられる。なお、Y11,Y12,Y31における炭素原子は、例えば、エチレン基、ビニレン基等の2個の炭素原子を主体とする原子団であってもよい。また、モノメチンシアニン色素の一般式におけるY11,Y12は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
モノメチンシアニン色素及びスチリル色素の一般式におけるR11,R12,R13,R32,R33は脂肪族炭化水素基を表わしている。脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。この脂肪族炭化水素基は、Z1〜Z3におけるものと同様の置換基を1または複数有していてもよい。
なお、モノメチンシアニン色素の一般式におけるR11,R12と、スチリル色素の一般式におけるR13,R32,R33とは、それぞれ、互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
モノメチンシアニン色素及びスチリル色素の一般式におけるR13〜R16,R34,R35は、個々の一般式においてそれぞれ独立に、水素原子または適宜の置換基を表わしている。置換基としては、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエーテル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲン基、さらには、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。なお、モノメチンシアニン色素及びスチリル色素の一般式において、Y11,Y12,Y31がヘテロ原子である場合には、Z1及びZ2におけるR13〜R16の一部または全部、また、Z3におけるR34,R35の一方もしくは両方が存在しないこととなる。
また、上記アゾ金属錯体の一般式において、A及びA´は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれるヘテロ原子を1または複数含んでなる、互いに同じか異なる、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ピペリジノ基、ピペリジル基、キノリル基、イソオキサゾリル基等の五員環〜十員環の複素環基を表わしている。この複素環基は、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、メトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエステル基、フェニル基、ビフェニリル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、キシリル基、メシチル基、スチリル基、シンナモイル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、さらには、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等の置換基を1または複数有していてもよい。
なお、一般式で表わされるアゾ系有機金属錯体を構成するアゾ化合物は、常法にしたがって、一般式に対応するR21,R22か、または、R23,R24を有するジアゾニウム塩と、分子内に、カルボニル基に隣接する活性メチレン基を有する、例えば、イソオキサゾロン化合物、オキサゾロン化合物、チオナフテン化合物、ピラゾロン化合物、バルビツル酸化合物、ヒダントイン化合物、ロダニン化合物等の複素環式化合物とを反応させることによって得ることができる。Y21,Y22は、例えば、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子等の、周期律表における第16族の元素から選ばれる互いに同じか異なるヘテロ原子を表わしている。
一般式で表されるアゾ金属錯体は、通常、その1または複数が金属(中心原子)に配位してなる金属錯体の形態で用いられる。中心原子となる金属元素の例としては、例えば、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀等が挙げられ、特にコバルトが好ましい。
図2(a)は、上記色素Aにおいて、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。図2(b)は、上記色素Bにおいて、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。図2(c)は、上記色素Cにおいて、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。
また、図3(a)は、上記色素Dにおいて、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。図3(b)は、上記色素Dのアニオン部において、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。
図2及び図3に示す特性から明らかなように、各色素A〜Dは、その最大吸収波長領域が記録波長(405nm)よりも長波長側にシフトしている。この実施の形態で説明する追記型光ディスクは、上記のような特性を有する有機色素を記録膜に含ませ、かつ、レーザ光照射前の光反射率よりもレーザ光照射後の光反射率が高くなる、いわゆるL to Hの特性を持たせるように構成することにより、青色レーザ光等のような短波長レーザ光を使用しても、保存耐久性、再生信号SN比、ビット誤り率等の点で優れ、高密度で十分に実用に適するレベルの性能をもって情報の記録再生を行なうことを可能としている。
すなわち、この追記型光ディスクは、有機色素を含む記録膜の極大吸収波長が記録用レーザ光の波長よりも長波長側にあるため、紫外線等の短波長の光の吸収を小さく抑えることができるので、光安定性に優れ、情報記録再生の信頼性が高くなる。
また、情報の記録時点では、光反射率が低いことから、反射拡散によるクロスライトが生じないため、隣接トラックに情報が記録されている状態であっても、再生信号SN比、ビット誤り率の劣化を少なくすることができる。さらに、熱に対しても、記録マークのコントラスト、解像度を高い品質で保持することができ、記録感度設計を容易に行なうことができる。
なお、良好なL to H特性を得るためには、記録波長(405nm)における吸光度が0.3以上であることが望ましい。さらに好ましくは0.4以上である。
ここで、追記型光ディスクの記録再生トラックとなるグルーブは、その形状が記録再生の特性に対して大きく影響する。この発明の発明者等が鋭意研究した結果、特に、グルーブの幅とランドの幅との関系が重要であることが見出された。
すなわち、グルーブ幅がランド幅と等しい、または、ランド幅よりも細いと、記録した情報の再生信号SN比、ビット誤り率が劣化する傾向にあることが判明した。つまり、グルーブ幅はランド幅よりも広い方が、良好な記録再生特性を得ることができることが判明した。
また、一般に、書き込み可能な光ディスクに情報を記録するためには、トラック番号、セクタ番号、セグメント番号、ECC(Error Checking and Correcting)ブロックアドレス番号等の各種のアドレス情報を、予め光ディスクに記録しておくことが必要である。
このようなアドレス情報を記録する手段としては、グルーブを光ディスクの径方向にウォブル(蛇行)させることにより実現することができる。すなわち、ウォブルによるアドレス情報の記録は、ウォブル周波数をアドレス情報に対応させて変調する手段、ウォブル振幅をアドレス情報に対応させて変調する手段、ウォブル位相をアドレス情報に対応させて変調する手段、ウォブルの極性反転間隔をアドレス情報に対応させて変調する手段等により実現可能である。また、ウォブルグルーブだけでなく、ランドの高さ変化をも併用する手段、つまり、ランドにプリピットを埋め込む手段も使用可能である。
そして、このようなグルーブのウォブル振幅、グルーブの深さ等も、記録再生の特性に対して大きく影響することも見出された。
以下、上記した実施の形態について、実施例に基づいて説明する。まず、以下の手順により、高密度Rディスク用のディスクスタンパを作成する。すなわち、図4(a)に示すように、直径が200mmで厚みが0.725mmの円盤状に形成された半導体製造用のシリコンウエハ11を用意する。
このシリコンウエハ11を、熱濃硫酸と過酸化水素水との混合液(液温100℃)に5分間浸漬する。次に、シリコンウエハ11を、超純水中に浸漬することによりリンスし、超音波洗浄した後、70℃の温超純水槽中に浸し、徐々に引き上げることによって乾燥させる。
その後、図4(b)に示すように、シリコンウエハ11の表面に電子線レジスト膜12を形成する。この電子線レジスト膜12は、シリコンウエハ11の表面に、アニソール溶媒(日本ゼオン製ZEP−A)重量100%に対して、電子線レジスト(日本ゼオン製ZEP520A7)を重量86.2%分混合して攪拌したレジスト液を、スピン塗布することによって形成される。
また、スピン塗布条件は、シリコンウエハ11をスピンテーブル上に真空チャックし、スピンテーブルの回転停止中にシリコンウエハ11の中心部にレジスト液12を0.1ミクロンフィルタを介して垂らした後、2500rpmでスピンテーブルを回転させる。
その後、図4(c)に示すように、電子線レジスト膜12にグルーブ13を形成する。これは、電子線レジスト膜12の塗布されたシリコンウエハ11を、電子ビームカッティングマシンの真空槽中に入れ、10−5Pa台まで排気した後、シリコンウエハ11を回転させ、電子銃14から電子線レジスト膜12に電子ビームを照射して、同心円状またはスパイラル状のグルーブパターンを電子線記録することにより実現される。
グルーブパターンの記録条件としては、電子線加速電圧が50kV、ビーム電流が120nA、ビーム径が110nm、記録線速度が1.1m/secである。また、グルーブ13の記録領域は、シリコンウエハ11の半径が23mm〜59mmの範囲である。
そして、グルーブ13が記録された後のシリコンウエハ11を、電子ビームカッティングマシンの真空槽中から取り出し、図4(d)に示すように、浸漬槽15内の有機現像液16に漬けてディップ現像を行なうことによって、グルーブ13のレジストパターンを形成する。
次いで、図4(e)に示すように、Ni膜のDCスパッタリングを行なうことにより、上記レジストパターン表面にNi薄膜17を成膜し導電化する。
その後、図5(a)に示すように、Ni薄膜17上にNi電鋳を行ない、厚みが247μmのNi鍍金層18を形成する。そして、図5(b)に示すように、Ni鍍金層18を剥離し、スピン洗浄した後、酸素RIEにより表面の残存レジストを剥離する。その後、図5(c)に示すように、Ni鍍金層18に保護膜を塗布し、裏面側を研磨し、内径及び外径を加工して、ディスクスタンパ19が作成される。
次に、このディスクスタンパ19を用いて追記型光ディスクを作成する。すなわち、図6(a)に示すように、ディスクスタンパ19を用いて、住友重機械工業製射出成形装置SD40にて射出成形することにより、図6(b)に示すように、厚みが0.6mmのポリカーボネートでなる透明なディスク基板20を複製する。このディスク基板20には、当然のことながら、グルーブ21が形成されている。
その後、図6(c)に示すように、21Gのノズル径を有するディスペンサ22を用いて、有機色素を溶媒に溶かした後述する有機色素溶液23を、ディスク基板20のグルーブ21が形成されている面に垂らす。次に、ディスク基板20を回転制御することによって、図6(d)に示すように、有機色素溶液23がグルーブ21を充填して記録膜24が形成される。
この記録膜24のスピンコート条件は、まず、ディスク基板20を停止状態から1秒間で300rpmまで回転駆動させ、この状態で8秒間保持する間に、ディスペンサ22により有機色素溶液23を塗布する。次に、ディスク基板20の回転数を2秒間で1800rpmまで高め、この状態で15秒間保持する。その後、ディスク基板20の回転数を2秒間で3000rpmまで高め、この状態で3秒間保持する。
第2段階における回転数を制御することにより、記録膜24の膜厚を制御することができる。すなわち、第2段階での回転数を低速にすれば、記録膜24の膜厚を厚くすることができる。
次に、記録膜24の塗布されたディスク基板20をクリーンオーブンにて80℃で30分間ベーキングし、図6(e)に示すように、記録膜24上に、100nmの金属膜25をスパッタリングする。この金属膜25としては、AgNDを1%、Cuを1%含むAg合金が使用されるが、純銀でも使用可能である。
その後、図6(f)に示すように、金属膜25上に、紫外線硬化型樹脂26をスピン塗布し、厚みが0.6mmのポリカーボネートでなるディスク基板27を貼り付けることにより、有機色素を記録膜24に含む追記型光ディスク(Rディスク)28が作成されることになる。
ここで、上記のように作成された追記型光ディスク28は、図8に示すように、ディスク基板20の記録膜24が塗布されている面と反対側の面から、光ヘッド29による記録再生用のレーザ光が入射される。
この場合、ディスク基板20に形成されたグルーブ21の底面21aと、隣接するグルーブ21間に挟まれたランド30とが、情報の記録トラックとなる。そして、グルーブ21の底面21aが構成する記録トラックをグルーブトラックGtと称し、ランド30が構成する記録トラックをランドトラックLtと称する。
また、ランドトラックLt面に対するグルーブトラックGt面の高さの差を、グルーブ深さGhと称する。さらに、グルーブ深さGhのほぼ1/2の高さでみたグルーブトラックGtの幅をグルーブ幅Gwと称し、グルーブ深さGhのほぼ1/2の高さでみたランドトラックLtの幅をランド幅Lwと称する。
また、上述したように、グルーブトラックGtは、各種のアドレス情報を記録するためにウォブルされている。図9(a)は、隣接するグルーブトラックGtが同相である場合を示し、図9(b)は、隣接するグルーブトラックGtが逆相である場合を示している。追記型光ディスク28の領域によっては、隣接するグルーブトラックGtは種々の位相差を持つことになる。
次に、上記した有機色素溶液23の生成について説明する。この有機色素溶液23は、重量%で1.2gの有機色素紛を100mlのTFPに溶かした、溶液濃度1.2%のものが使用される。溶媒への溶解条件は、溶媒に色素紛を入れて30分間、超音波をかけることである。
有機色素としては、前述した4種類の色素A〜Dの他に、これらの色素を2種以上混合した7種類の混合色素F〜Lを作成する。
混合色素Fは、色素Dに色素Bを5%添加したもの、つまり、1gの色素Dに対して色素Bを0.05gの割合で混合したものである。
混合色素Gは、色素Dに、色素Eとしてモノメチンシアニン色素(アニオン部アゾ金属錯体3)を7:3(=D:E)の割合で混合し、さらに色素Bを5%添加したもの、つまり、色素D,Eを7:3の割合で混合した色素1gに対して、色素Bを0.05gの割合で混合したものである。
混合色素Hは、色素Dに色素Aを1:1(=D:A)の割合で混合したものである。
混合色素Iは、色素Dに色素Bを10%添加したもの、つまり、1gの色素Dに対して色素Bを0.10gの割合で混合したものである。
混合色素Jは、色素Dに色素Bを15%添加したもの、つまり、1gの色素Dに対して色素Bを0.15gの割合で混合したものである。
混合色素Kは、色素Dにアニオン部のアゾ金属錯体1を添加し、色素部:アニオン部=1:1.5とアニオン比率を高め、さらに色素Bを15%添加したものである。
混合色素Lは、色素Dにアニオン部のアゾ金属錯体1を添加し、色素部:アニオン部=1:2.0とアニオン比率をさらに高め、さらに色素Bを15%添加したものである。
図10(a)〜(g)は、それぞれ、上記混合色素F〜Lにおいて、照射されたレーザ光の波長に対する吸光度の変化を示している。いずれの混合色素F〜Lにおいても、最大吸収波長領域が記録波長(405nm)よりも長波長側にシフトしており、記録波長(405nm)における吸光度がほぼ0.4近傍に存在している。
以上に述べた11種類の有機色素A〜D,F〜Lを用いて、それぞれ上記した方法により追記型光ディスク28を作成し、それらのグルーブトラックGtに記録再生を行なうことにより評価試験を実施する。評価装置としては、パルステック製光ディスク評価装置を使用する。
試験条件は、光ヘッド29の対物レンズ開口率NAを0.65とし、記録再生用レーザ光の波長を405nmとし、記録及び再生時の線速度を6.61m/secとしている。記録信号は、8−12変調されたランダムデータであり、図11に示すような、一定の記録パワーと2種類のバイアスパワー1,2とで記録される波形である。
また、トラックピッチは400nmであり、ランド幅Lw“1”に対してグルーブ幅Gwを“1.1”とし、グルーブトラックGtのウォブル振幅を14nmとし、グルーブ深さGhを90nmとしている。なお、ウォブルによるアドレス情報の記録は、ウォブル位相変調が用いられている。
ここで、評価特性としては、再生信号のキャリア雑音比CNR、パーシャルレスポンス時のSN比PRSNR(パーシャルレスポンスシグナルトゥーノイズレイシオ)、予測ビット誤り率SbER(シミュレイテッドビットエラーレイト)の3種類を測定している。なお、PRSNRの定義及び測定法はDVDフォーマットロゴライセンシング(株)から購入可能なブックに記載されている。DVD Specifications for High Density Read-Only Disc PART 1 Physical Specifications Version 0.9のAnnex Hの部分である。PRSNRは15以上にすることが好ましい。SbERの定義及び測定法はDVDフォーマットロゴライセンシング(株)から購入可能なブックに記載されている。DVD Specifications for High Density Read-Only Disc PART 1 Physical Specifications Version 0.9のAnnex Hの部分である。SbERは5.0×10−5以下にすることが好ましい。なお、PRSNRとSbERとは、隣接するトラックにも情報を記録した状態で測定を行なっている。
図12は、色素A〜D,F〜Lを使用した各追記型光ディスク28の測定結果を示している。図12に示した測定結果から判断すると、色素B,Cを用いた各追記型光ディスク28は、CNR、PRSNR、SbERの測定結果が共に十分でなく、実用に適さないことがわかる。
これに対し、色素A,D,F,G,H,I,J,K,Lを用いた各追記型光ディスク28は、良好な測定結果が得られている。色素Aを用いた追記型光ディスク28の測定結果も良いが、特に、色素Dを用いた追記型光ディスク28は、測定結果が良好である。さらに、色素F,I,J,K,Lを用いた各追記型光ディスク28の測定結果は優秀である。
次に、測定結果が良好であった色素D,F,G,H,I,J,K,Lを使用した各追記型光ディスク28に対して、繰り返し再生による劣化具合を評価する試験を実施する。すなわち、0.8mWの再生用レーザパワーにて、10000回の再生を行ない、PRSNR及びSbERの劣化具合を測定する。
図13は、色素D,F,G,H,I,J,K,Lを使用した各追記型光ディスク28の測定結果を示している。色素Gを用いた追記型光ディスク28は、PRSNR、SbERの測定結果が共に良くないことがわかる。色素Dを用いた追記型光ディスク28の測定結果に比して、色素F,H,I,J,K,Lを用いた各追記型光ディスク28は、測定結果が良好である。
中でも、特に、色素J,K,Lを用いた各追記型光ディスク28の測定結果が良好であり、色素Lを用いた追記型光ディスク28の測定結果が最良である。
以上に述べたことから、記録膜24に使用する有機色素材料としては、色素部にスチリル色素またはモノメチンシアニン色素を有し、アニオン部にアゾ金属錯体を有するものが良好であることがわかる。
また、スチリル色素とモノメチンシアニン色素とを混合したものも良好であることがわかる。さらに、ニッケル金属錯体を添加したものが優秀であることがわかる。また、アニオン部のアゾ金属錯体の混合比率を高めたものが、再生光耐久性に優れていることがわかる。
次に、ランド幅Lw“1”に対してグルーブ幅Gwを“0.7〜1.8”までに変化させたディスクスタンパ19を作成し、このディスクスタンパ19を用いて色素Jを使用した追記型光ディスク28を作成し、そのグルーブトラックGtに記録再生を行なうことにより評価試験を実施する。
評価特性としては、光反射率、SbER、PRSNRの3種類を測定している。光反射率(Reflectivity)の定義及び測定法はDVDフォーマットロゴライセンシング(株)から購入可能なブックに記載されている。DVD Specifications for High Density Read-Only Disc PART 1 Physical Specifications Version 0.9のAnnex Dの部分である。反射率は16%以上、さらに好ましくは18%以上で、32%以下にすることが好ましい。
図14は、グルーブ幅Gwに対する光反射率の測定結果を示している。図15は、グルーブ幅Gwに対するSbERの測定結果を示している。図16は、グルーブ幅Gwに対するPRSNRの測定結果を示している。なお、図16に示すPRSNRの測定結果においては、実線が隣接トラックに情報が記録されている状態を示し、点線が隣接トラックに情報が記録されていない状態を示している。
ここで、光反射率については、ほぼ16.0%以上であることが望ましく、さらに好ましくは18.0%以上で、32.0%以下にすることが良いとされる。SbERについては、5.0×10−5以下にすることが良いとされる。PRSNRについては、15以上にすることが良いとされる。
このため、これらの条件を、図14〜図16に当てはめると、グルーブ幅Gwは、ランド幅Lwを“1”とした場合に“1.05〜1.5”の範囲とすることが良好な特性を得られることがわかる。
また、図14〜図16は、色素Jを使用した追記型光ディスク28について、グルーブ幅Gwを変化させた場合の各特性について示しているが、他の色素D,F,G,H,I,K,Lを使用した各追記型光ディスク28についても、グルーブ幅Gwを変化させた場合の光反射率、SbER、PRSNRを測定した結果は、いずれも、ランド幅Lw“1”に対してグルーブ幅Gwが“1.05〜1.5”の範囲が良好な結果が得られている。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
また、ディスクのある部分に、例えば最内周領域に管理情報(システムリードイン)を挿入する場合に、このLow-to-High記録ディスクは最大の効果を発揮することができる。管理情報はディスク基板上にROMディスク基板と同じようなピット列を形成するものである。そのディスクが再生専用型なのか追記型なのか書き換え型なのか、記録再生波長は何なのか、Low-to-HighなのかHigh-to-Lowなのか、記録データ容量は何なのか等の管理情報がピット列として記録される。記録データ領域のグルーブのトラックピッチは400nmもしくは320〜300nmに選ばれるが、この管理情報領域のピット列のトラックピッチは、それよりも広く形成し、ピットのデータビットピッチも記録データ領域のそれよりも大きくした方が再生が容易になり管理情報の判別が容易に出来るので良い。図17(a),(b)にはHigh-to-Low記録ディスクのシステムリードイン領域の再生信号波形と記録データ領域(グルーブが形成されている領域)にデータを記録した後の再生信号波形と、Low-to-High記録ディスクのシステムリードイン領域の再生信号波形と記録データ領域(グルーブが形成されている領域)にデータを記録した後の再生信号波形の比較を示している。この図から明らかに、Low-to-Highディスクの方がシステムリードイン領域とデータ領域との信号レベル位置が揃っており、ドライブでの再生がしやすいことがわかる。
この発明の実施の形態を示すもので、記録膜に含ませる有機色素材料の4つの例を説明するために示す図。 同有機色素材料のうちの3つについて、レーザ光の波長に対する吸光度の変化を説明するために示す特性図。 同有機色素材料のうちの残る1つについて、レーザ光の波長に対する吸光度の変化を説明するために示す特性図。 同実施の形態における追記型光ディスクを作成するためのディスクスタンパの作成方法の一部を説明するために示す図。 同ディスクスタンパの作成方法の残部を説明するために示す図。 同追記型光ディスクの作成方法を説明するために示す図。 同追記型光ディスクの作成方法における有機色素溶液のスピン塗布条件を説明するために示す図。 同追記型光ディスクにおけるグルーブとランドとの関系を説明するために示す図。 同追記型光ディスクにおけるグルーブトラックのウォブルを説明するために示す図。 同記録膜に含ませる他の有機色素材料の7つの例について、レーザ光の波長に対する吸光度の変化を説明するために示す特性図。 同追記型光ディスクに記録再生評価の評価試験を行なうために記録する信号の一例を示す波形図。 同有機色素材料の11の例について追記型光ディスクの評価試験を行なった測定結果を説明するために示す図。 同有機色素材料の8つの例について追記型光ディスクの再生耐久試験を行なった測定結果を説明するために示す図。 同追記型光ディスクのグルーブ幅と光反射率との関系を説明するために示す特性図。 同追記型光ディスクのグルーブ幅と予測ビット誤り率との関系を説明するために示す特性図。 同追記型光ディスクのグルーブ幅とパーシャルレスポンス時のSN比との関系を説明するために示す特性図。 High-to-LowディスクとLow-to-Highディスクとの再生信号波形を説明するために示す図。
符号の説明
11…シリコンウエハ、12…電子線レジスト膜、13…グルーブ、14…電子銃、15…浸漬槽、16…有機現像液、17…Ni薄膜、18…Ni鍍金層、19…ディスクスタンパ、20…ディスク基板、21…グルーブ、22…ディスペンサ、23…有機色素溶液、24…記録膜、25…金属膜、26…紫外線硬化型樹脂、27…ディスク基板、28…追記型光ディスク、29…光ヘッド、30…ランド。

Claims (3)

  1. 同心円状またはスパイラル状のグルーブが形成された透明樹脂基板と、前記透明樹脂基板上の前記グルーブ上に形成された記録膜とを備え、前記グルーブの幅がランドの幅に比べて広く設定されており、波長が405nm程度の短波長レーザ光の照射によって記録マークが形成されるもので、前記短波長レーザ光の照射前の光反射率よりも、前記短波長レーザ光の照射により形成される前記記録マーク部分の光反射率の方が高くなる追記型情報記録媒体に、前記短波長レーザ光を照射して情報を記録することを特徴とする追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法。
  2. 前記短波長レーザ光は青色レーザ光であり、
    前記グルーブの幅は、前記ランドの幅を“1”とした場合に“1.05〜1.5”の範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法。
  3. 光反射率が16%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の追記型情報記録媒体を用いた情報記録方法。
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