JP2009008882A - 液晶防眩ミラー - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶セルで生じたゆらぎやムラの影響を受け難い液晶防眩ミラーを提供する。
【解決手段】偏光板10aおよび反射型偏光板10cは、屈折率異方性を有する樹脂層によって形成されている。偏光板10aおよび反射型偏光板10cは、屈折率異方性によって、液晶セル10bから射出される透過光に含まれる常光線およびこの常光線と異なる進行方向の異常光線を分離して、常光線のみを反射光として運転者の瞳に導くように射出することが可能になる。つまり、液晶セル10bによって射出された透過光が、液晶分子の挙動の乱れ等に基づくゆらぎやムラによる異常光線を含んでいたとしても、異常光線を取り除いて常光線のみを反射光として射出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両のインナーミラーやアウターミラーに用いられる液晶防眩ミラーに関する。
従来の液晶防眩ミラーとしては、例えば、垂直配向された偏光板と液晶セルと水平配向された偏光板と反射鏡とを順に重ね合わせたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のものは、垂直配向された偏光板によって垂直振動する光を入射して、液晶セルへの印加によって防眩・非防眩を制御するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57−102602号公報
非印加の液晶セルでは液晶の挙動が乱れてしまうところ、前記特許文献1に記載の技術では、非印加のときを非防眩としているため、反射光にゆらぎやムラが生じてしまう虞があった。
そこで、本発明は、液晶セルで生じたゆらぎやムラの影響を受け難い液晶防眩ミラーを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の液晶防眩ミラーは、入射光の第一偏光成分を透過光として射出する第一偏光板と、入射光の第二偏光成分を透過光として射出する第二偏光板とを液晶セルを挟んで配置した液晶防眩ミラーであって、前記第一偏光板および前記第二偏光板の少なくとも一方を、入射光の入射方向に応じて異なる屈折率を示す屈折率異方性を備えた材料で形成した。
この請求項1に記載の液晶防眩ミラーは、第一偏光板および第二偏光板の少なくとも一方の屈折率異方性によって、液晶セルから射出される透過光に含まれる常光線およびこの常光線と異なる進行方向の異常光線を分離して、常光線のみを反射光として運転者の瞳に導くように射出する。つまり、液晶セルによって射出された透過光が、液晶分子の挙動の乱れ等に基づくゆらぎやムラによる異常光線を含んでいたとしても、液晶防眩ミラーは、異常光線を取り除いて常光線のみを反射光として射出する。そのため、この液晶防眩ミラーは、液晶セルで生じたゆらぎやムラの影響を受け難いという効果を奏する。
本発明の請求項2に記載の液晶防眩ミラーは、請求項1において、前記第二偏光板は、前記第二偏光成分の透過光に直交する第三偏光成分を反射する機能をさらに備えており、前記液晶セルは、非印加時に入射光に対して旋光性を発現し、印加時に入射光に対して発現していた旋光性を解消する液晶配列を備えており、前記第一偏光成分と前記第三偏光成分とが直交し、かつ、前記第一偏光成分と前記第二偏光成分とが平行となるように、前記第一偏光板と前記第二偏光板とを配置した。
この請求項2に記載の液晶防眩ミラーは、非防眩時には、第一偏光板を透過した第一偏光成分の透過光を、非印加の液晶セルによって、旋光して第三偏光成分の透過光として射出し、第二偏光板によって、液晶セルから射出された第三偏光成分の透過光を反射し、再び、液晶セルに入射させ、液晶セルによって第三偏光成分の入射光を旋光して第一偏光成分の透過光として第一偏光板に入射させ、第一偏光板から第一偏光成分の透過光を射出する。この液晶防眩ミラーは、非防眩時には、入射光が、第一偏光板および液晶セルをそれぞれ2回透過し、第三偏光板を1回反射することになるが、第三偏光板を透過させた後に、この第三偏光板に重ねて配置する反射鏡を用いる場合よりも通過する光学素子の数が少なくなるため、非防眩時の光損失を少なくすることができる。
一方、防眩時には、この液晶防眩ミラーは、第一偏光板を透過した第一偏光成分の透過光を、印加された液晶セルおよび第二偏光板の順にそのまま透過させる。このとき、液晶セルの電圧値を制御して液晶分子のプレチルト角を制御することで、第一偏光成分の入射光が旋光する光量を調節することによって、第二偏光板を反射する第三偏光成分の光量と第二偏光板を透過する第二偏光成分の光量とを制御し、液晶防眩ミラーとしての反射光量を調節することが可能になる。
本発明の請求項3に記載の液晶防眩ミラーは、請求項1または請求項2において、さらに、前記第二偏光板の前記液晶セルとの反対側に、前記第二偏光板を透過した前記第二偏光成分の透過光を吸収する光吸収部材を配置した。この請求項3に記載の発明によれば、光吸収部材によって、防眩時に、第二偏光板を透過した第二偏光成分の透過光を吸収するため、余分な光を反射させることもなくなり、高い防眩性を確保することができる。
本発明の請求項4に記載の液晶防眩ミラーは、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、さらに、車両の周囲の光量を検出する周囲光量検出手段と、車両の後方から到来する光量を検出する後方光量検出手段と、前記周囲光量検出手段によって検出された周囲の光量と、前記後方光量検出手段によって検出された車両の後方から到来する光量とを比較し、前記後方から到来する光量が前記周囲の光量よりも設定値だけ大きい場合に防眩制御とし、設定値よりも小さいときに非防眩制御とする液晶セル制御手段とを備える。
この請求項4に記載の液晶防眩ミラーによれば、周囲光の光量と後方光の光量との関係に応じて、第三偏光成分の反射光として第二偏光板を反射する光量と、第二偏光成分の透過光として第二偏光板を透過する光量とを調節することによって、防眩時の反射の状態をコントロールすることが可能になる。
本発明の請求項5に記載の液晶防眩ミラーは、請求項5において、さらに、前記周囲光量検出手段と前記後方光量検出手段との検出信号を前記液晶セル制御手段に入力するタイミングを遅延させる遅延手段を備えた。瞬断時に切り替わると、運転者に違和感を与えることになるが、この請求項5に記載の液晶防眩ミラーによれば、遅延手段によって、防眩と非防眩との切り替わりが設定時間だけ遅れるため、運転者に違和感を与えにくくなる。
本発明の請求項6に記載の液晶防眩ミラーは、請求項4または請求項5において、前記液晶セル制御手段は、前記液晶セルを制御する制御信号を発振する発振手段を有する。この請求項6に記載の液晶防眩ミラーによれば、発振手段によって、液晶セルに印加する電圧のオン・オフの切り替え動作を行うことが可能になる。
したがって、本発明によれば、液晶セルで生じたゆらぎやムラの影響を受け難い液晶防眩ミラーを提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1に基づいて、液晶防眩ミラー100の外観について説明する。図1は、本発明の実施形態の液晶防眩ミラーの外観を説明する図であり、図1の(a)は液晶防眩ミラーの分解斜視図、図1の(b)は液晶防眩ミラーの組み立てた状態を示す斜視図である。
液晶防眩ミラー100は、図1の(a)に示すように、ボディー1、サポート2、ブッシュ3、プレート4、スクリュー5、センサカバー6A、センサカバー6B、プレートサーキット7、ボタン8、スクリュータッピング9、ミラー本体10、リング11、バッテリーカバー12、シール13、バッテリー14、ステー15の各部品を主に備えて組み立てられている。
ボディー1は、ミラー本体10の外形に合わせた開口部1Aを形成した容器である。このボディー1には、サポート2を固定するねじ穴1a,1b,1c,1dと、プレートサーキット7を固定するねじ穴1e,1fとが形成されている。また、ボディー1には、開口部1Aに相対する底面側に、ステー15を挿通する取付穴1Bと、センサカバー6Aを介して後記周囲光センサ7Cをボディー1から覗かせる穴1cが形成されている。また、ボディー1には、バッテリー14を収納する収納部1Dが形成されている。
サポート2と、ブッシュ3と、プレート4とは、ステー15を取り付ける機構である。サポート2には、ねじ穴1a,1b,1c,1dに対応するねじ穴2a,2b,2c,2dが形成されている。4本のスクリュータッピング9を、ねじ穴2a,2b,2c,2dに挿入し、さらに、ねじ穴1a,1b,1c,1dに螺合することで、サポート2がボディー1に固定される。サポート2には、取付穴1Bに対応する取付穴2Aが形成されている。また、サポート2には、プレート4を固定するためのねじ穴2eが形成されている。
ブッシュ3は、図1中奥側に開口(不図示)を形成した略半球殻状体に形成されている。このブッシュ3の開口側には、切り欠き3aが形成されている。このブッシュ3は、その開口側が取付穴2Aの周縁に押し当てられた状態で、サポート2とプレート4との間に固定される。
プレート4には、突起4a,4bが形成され、サポート2に形成された図示しない切り欠きに嵌め込まれるようになっている。また、プレート4には、ねじ穴2eに対応する穴4cが形成されている。スクリュー5を穴4cに挿入し、さらに、ねじ穴2eに螺合することで、プレート4がブッシュ3を間に挟んだ状態でサポート2に固定される。このプレート4には、略半球殻状に盛り上がったブッシュ軸受け部4dが形成されている。
プレートサーキット7は、プリント基板上に各種電子部品を搭載して、液晶セル10b(図2参照)を制御する回路を形成している。このプレートサーキット7には、ねじ穴1e,1fに対応する穴7a,7bが形成されている。スクリュータッピング9を穴7a,7bに挿入し、さらに、ねじ穴1e,1fに螺合することで、プレートサーキット7がボディー1に固定される。このプレートサーキット7には、特に、図1中裏面側に設置される周囲光センサ(不図示)と、後方光センサ(後方光量検出手段)7Aと、ボタン8によって覆われる電源スイッチ7Bとが搭載されている。
ミラー本体10は、外光を取り入れて、周囲光と後方光との光量に応じて、非防眩・防眩を切り替えて、反射光量を調節可能にしたものであり、特に、入射光の特定の第一偏光成分を透過光として射出する第一偏光板(図1中不図示)と、入射光の特定の第二偏光成分を透過光として射出する第二偏光板(図1中不図示)等とを液晶セル(図1中不図示)を挟んで重ねて形成したものである。このミラー本体10には、その液晶セルに電力を供給するケーブル10Aが接続され、そのケーブル10Aの先端にソケット10Bが取り付けられている。なお、このミラー本体10の内部構造については、後に詳しく説明することとし、ここでは、図1の説明を続ける。
リング11は、ミラー本体10をボディー1に取り付けるための弾性体である。リング11の内周が、ミラー本体10の外周を嵌め込み、リング11の外周が、ボディー1の開口部1Aの内周面に嵌るようになっている。また、このリング11には、ボタン8を外に突出させる穴11Aと、センサカバー6Bを介して後方光センサ7Aを覗かせる穴11Bが形成されている。
バッテリーカバー12は、収納部1Dの開口側(不図示)を覆うものである。シール13は、バッテリー14を収納部1Dの空間内で動かないように補助するものである。バッテリー14には、端子に接続したケーブル14Aと、そのケーブル14Aの先端のソケット14Bとが取り付けられている。なお、ここでは、ソケット14Bとソケット10Bとは、プレートサーキット7に搭載された接続端子(不図示)にそれぞれを接続するものとするが、電気的に接続できるのであれば、配線についてはこれに限らない。
ステー15は、車両(不図示)の天井面等に液晶防眩ミラー100を取り付けるためのものである。ステー15には、その先端側に球状体の軸心部15aが形成されている。この軸心部15aは、取付穴1B、取付穴2Aに挿入され、ブッシュ3によって挟み込まれる。なお、ボディー1は、ブッシュ3の機能によって、ステー15に対して設定角度回転可能に取り付けられる。そして、このステー15の上面部15bが天井面やフロントウィンドウ等に密着させられて、接着剤等によって車両内に取り付けられる。
したがって、図1の(b)に示すように、液晶防眩ミラー100は、ミラー本体10をリング11によって取り付けたボディー1が、ステー15によって車両(不図示)に取り付けられる構造になっている。なお、運転者は、後記するように、防眩機能を活用する場合には、ボタン8を押下して使用する。
続いて、ミラー本体10の内部構造について説明する。図2は、図1に示すミラー本体の内部構造を示す断面図である。なお、図2では、ボディー1の内面側に位置する側を下側、ボディー1の開口部1Aから外に覗く側を上側に描いている。このミラー本体10は、図2中、上側から、偏光板10a、液晶セル10b、反射型偏光板(第二偏光板)10c、光吸収部材10dを重ねて貼付した構造になっている。
偏光板10aは、図2中上側から入射した入射光の特定の第一偏光成分を透過光として液晶セル10bに射出するものである。本実施形態では、第一偏光成分を、垂直偏光成分として説明する。また、偏光板10aは、液晶セル10bから入射する第一偏光成分の入射光をそのまま透過して透過光として、図2中上側に射出する。なお、運転者は、射出される透過光を網膜に結像することで、後方を確認できる。
液晶セル10bは、光の透過のシャッターとして機能するものであり、図示しない透明電極を配線したガラス基板10e,10f同士の間に形成された空間に液晶10hを封入した構造体になっている。なお、液晶10hは、TN(Twisted Nematic)液晶とする。つまり、ガラス基板10e,10fの図示しない透明電極間に電圧を印加しない(非印加)ときに、入射光に対して旋光性を発現し、その透明電極間に電圧を印加した(印加)ときに、発現していた旋光性が解消する液晶配列になっている。ガラス基板10e,10fの間には、シール材(スペーサ)10gが配置されている。
反射型偏光板10cは、入射光の特定の第二偏光成分を透過光として射出し、かつ、第二偏光成分の透過光に直交する第三偏光成分を反射光として射出するものである。なお、ここでは、第二偏光成分を垂直偏光成分とし、第三偏光成分を水平偏光成分とする。つまり、第一偏光成分(垂直偏光成分)と第三偏光成分(水平偏光成分)とが直交し、かつ、第一偏光成分(垂直偏光成分)と第二偏光成分(垂直偏光成分)とが平行になっている。
ここで、反射型偏光板10cの構造について説明する。図3は、図2に示す反射型偏光板の構造を示す斜視図である。この反射型偏光板10cは、樹脂層10c,10c,10c,…,10cn−3,10cn−2,10cn−1,10cの多層光学フィルム構造体によって形成されている。この反射型偏光板10cは、反射面に対し角度を持って反射した光が部分的に偏光することを利用し、多段階(各樹脂層10c)の反射を用いて直線偏光を作り出す。
また、この実施形態では、偏光板10aおよび反射型偏光板10cは、屈折率異方性を有する樹脂層によって形成されている。この屈折率異方性を有する樹脂層は、例えば、ポリビニルアルコール−ヨウ素系の材料を用いて形成される。例えば、ポリビニルアルコールを屈折率異方性が生じるように種々の方向に引き延ばして、そのポリビニルアルコールの分子のらせんが種々の方向に向くように並べた後、ヨウ素溶液に浸すことによって、そのらせん中にヨウ素を取り込ませて屈折率異方性と偏光性とを持たせて形成される。なお、さらに、セルロース系のプラスチックフィルムで挟んで耐久性と機械的強度を持たせることが望ましい。
また、偏光板10aおよび反射型偏光板10cは、屈折率異方性によって、液晶セル10bから射出される透過光に含まれる常光線およびこの常光線と異なる進行方向の異常光線を分離して、常光線のみを反射光として運転者の瞳に導くように射出することが可能になる。つまり、液晶セル10bによって射出された透過光が、液晶分子の挙動の乱れ等に基づくゆらぎやムラによる異常光線を含んでいたとしても、異常光線を取り除いて常光線のみを反射光として射出する。
図2に戻って、光吸収部材10dについて説明する。この光吸収部材10dは、黒色塗装を施した膜やフィルムとして形成される。なお、反射型偏光板10cが射出する透過光は、垂直偏光成分(第二偏光成分)なので、この垂直偏光成分を吸収する偏光子を光吸収部材として用いてもよい。
次に、前記構成の液晶防眩ミラー100の非防眩時の動作および防眩時の動作について説明する。なお、以下、垂直偏光成分に記号「⊥」の下添字を付し、水平偏光成分に記号「=」の下添字を付して説明する。
まず、非防眩時について説明する。図4は、実施形態の液晶防眩ミラーの非防眩時の動作を説明する図であり、図4の(a)は非防眩時の液晶防眩ミラーの正面図、図4の(b)は非防眩時のミラー本体内の光の伝播の様子を示す模式図である。
図4の(a)に示すように、液晶防眩ミラー100では、リング11によって囲われたミラー本体10の表面に、入射光の垂直偏光成分の略すべてが反射されている様子を示している。このとき、図4の(b)に示すように、スイッチS(電源スイッチ7B)がオフされているため、電源Eからの交流電圧は、液晶セル10bに印加されていない。したがって、液晶セル10bは、TN液晶なので、液晶分子xが、図4中、垂直方向(電極方向に対して水平方向)に向き、かつ、水平方向(電極方向に対して垂直方向)にらせん状に配置されて、旋光性を有している。なお、電極方向は、図示しない透明電極を配線したガラス基板10e,10f(図2参照)の方向である。以下、明細書中において同じ。
図4の(b)に示すように、光H(自然光(特に後方光))が偏光板10aに入射すると、偏光板10aは垂直偏光成分(第一偏光成分)を透過し、光H2⊥を射出する。その光H2⊥は、液晶セル10bに入射し、その旋光性によって、略90度回転させられて、水平偏光成分(第三偏光成分)として光(常光線)H3=を射出する。このとき、液晶セル10b内の液晶分子の挙動が乱れている場合には、ゆらぎやムラによる光(異常光線)Hが光H3=に混ざって射出される。なお、光Hは、ゆらぎ等で光H3=の進行方向が異なったものなので、光H3=と同じ水平偏光成分であると考えられる。ここでは旋光されない垂直偏光成分も含めて考える。
液晶セル10bから射出された光H3=は、反射型偏光板10cに入射するが、水平偏光成分(第三偏光成分)なので、光H5=として反射される。すると、その光H5=は、液晶セル10bに入射して旋光されて、再び垂直偏光成分の光H6⊥として液晶セル10bから射出され、さらに、偏光板10aから光H8⊥として射出される。なお、液晶セル10b内の液晶分子の挙動が乱れている場合には、ゆらぎやムラによる光(異常光線)Hが光H6⊥に混ざって射出される。また、光Hは、ゆらぎ等で光H6⊥の進行方向が異なったものなので、光H6⊥と同じ垂直偏光成分であると考えられるが、ここでは旋光されない水平偏光成分も含めて考える。
このとき、反射型偏光板10cでは、光Hの水平偏光成分の光H4=は、大きく曲げられて、光H5=の進行方向から外れ分離される。また、光Hの水平偏光成分の光H4⊥は、反射型偏光板10cを透過して、光吸収部材10dに吸収される。偏光板10aでは、光Hの水平偏光成分の光H7=は、大きく曲げられて、光H6⊥の進行方向から外れ分離される。また、光Hの水平偏光成分の光H7=は、偏光板10aに吸収され熱として放射される。
したがって、この液晶防眩ミラー100は、非防眩時に、液晶セル10bでゆらぎ等によって異常光線が生じたとしても、偏光板10aや反射型偏光板10cによって異常光線を取り除いて常光線のみを反射光として射出するため、液晶セル10bで生じたゆらぎやムラの影響を受け難くなる。
続いて、防眩時について説明する。図5は、実施形態の液晶防眩ミラーの防眩時の動作を説明する図であり、図5の(a)は防眩時の液晶防眩ミラーの正面図、図5の(b)は防眩時のミラー本体内の光の伝播の様子を示す模式図である。なお、防眩時には、液晶セル10bには電圧が印加されているため、ゆらぎが生じても直ぐに減衰すると考えられるが、ここではゆらぎが生じている場合について説明する。
液晶セル10bは、液晶分子xが、図5中、水平(平行)方向に向き、かつ、周囲光と後方光との光量の関係に基づいて、液晶セル10bに電圧が印加されて、電圧値に基づいて旋光性が一部解消される。つまり、液晶セル10bは、垂直偏光成分および水平偏光成分の両方を射出する。したがって、周囲光と後方光との比較によって偏光量が調節されるため、第二偏光板10cを反射して、再び、液晶セル10bを透過して偏光板10aが射出される光量を調節することができる。
このように、この実施形態では、液晶セル10bに印加する電圧値を、周囲光と後方光との光量に応じた大きさに制御するものとするが、防眩時には、すべての液晶分子xが電極に対して略垂直に並ぶ程の大きさの電圧値を常に液晶セル10bに印加するようにしてもよい。液晶防眩ミラー100では、実際には、偏光板10aの表面が反射したり、偏光板10aの表面に重ねた保護膜(不図示)が反射したりするので、すべての入射光を光吸収部材10dで吸収させるように制御しても、運転者が後方光を目視することができるからである。なお、後方光の光量に応じて段階的に又は徐々に変化させて、眩しさを低減させるようにしてもよい。
図5の(a)に示すように、液晶防眩ミラー100では、リング11によって囲われたミラー本体10の表面に、入射光の垂直偏光成分の略すべてが反射されている様子を示している。このとき、図5の(b)に示すように、スイッチSがオンされているため、電源Eからの交流電圧は、液晶セル10bに印加されていない。したがって、液晶セル10bは、TN液晶なので、液晶分子xが、図5中、垂直方向に向き、かつ、水平方向にらせん状に配置されて、旋光性を有している。
図5の(b)に示すように、光H(自然光(特に後方光))が偏光板10aに入射すると、偏光板10aは垂直偏光成分(第一偏光成分)を透過し、光H2⊥を射出する。その光H2⊥は、液晶セル10bに入射し、その旋光性によって、その一部が、略90度回転させられて、水平偏光成分(第三偏光成分)として光(常光線)H9=を射出するとともに、残りの一部が、垂直偏光成分(第二偏光成分)として光(常光線)H10⊥を射出する。このとき、液晶セル10b内の液晶分子の挙動が乱れている場合には、ゆらぎやムラによる光(異常光線)H11が光H9=と光H10⊥とに混ざって射出される。なお、光H11は、ゆらぎ等で光H9=の進行方向が異なったものなので、光H9=と同じ水平偏光成分であると考えられるが、ここでは旋光されない垂直偏光成分も含めて考える。
液晶セル10bから射出された光H9=は、反射型偏光板10cに入射するが、水平偏光成分(第三偏光成分)なので、光H12=として反射される。すると、その光H12=は、液晶セル10bに入射して旋光されて、再び垂直偏光成分の光H13⊥として液晶セル10bから射出され偏光板10aに入射され、また、そのまま水平偏光成分の光H13=として射出され偏光板10aに入射される。偏光板10aでは、光H13⊥のみを透過して、光H15⊥として射出される。なお、液晶セル10b内の液晶分子の挙動が乱れている場合には、ゆらぎやムラによる光(異常光線)H14が光H13⊥と光H13=に混ざって射出される。光H14は、ゆらぎ等で光H13⊥の進行方向が異なったものなので、光H13⊥と同じ垂直偏光成分と考えられるが、ここでは旋光されない水平偏光成分も含めて考える。
このとき、反射型偏光板10cでは、光H11の水平偏光成分の光H11=は、大きく曲げられて、光H12=の進行方向から外れ分離される。また、光H11の水平偏光成分の光H11⊥は光H9⊥とともに、反射型偏光板10cを透過して、光吸収部材10dに吸収される。偏光板10aでは、光H14の水平偏光成分の光H14=は、大きく曲げられて、光H13⊥の進行方向から外れ分離される。また、光H14の水平偏光成分の光H14=は、光H13=とともに偏光板10aに吸収され熱として放射される。
したがって、この液晶防眩ミラー100は、防眩時に、液晶セル10bでゆらぎ等によって異常光線が生じたとしても、偏光板10aや反射型偏光板10cによって異常光線を取り除いて常光線のみを反射光として射出するため、液晶セル10bで生じたゆらぎやムラの影響を受け難くなる。
最後に、液晶セル10bを制御する液晶セル制御回路(手段)の例1,2について説明する。図6は、液晶セル制御回路の例1を説明する回路図である。図7は、液晶セル制御回路の例2を説明する回路図である。なお、液晶セル制御回路は、図1に示したプレートサーキット7に形成される。
[例1]
図6に示すように、一端をアースされたスイッチSが、直流の電源Eに直列に接続され、さらに、分岐点J,Jを介して、電源Eの正極が抵抗Rに接続されている。この抵抗Rには、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとが直列に接続されている。なお、後方光センサ7Aの他端はアースされている。また、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとの間の分岐点Jには、シュミットホールドインバータ回路(以下「回路SHI」と称する)SHIが接続されている。なお、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとは、受光量が増加すれば、出力電圧値が上昇するフォトダイオードとする。
分岐点Jと回路SHIの入力端子との間の配線には、分岐点Jから一端をアースされた抵抗Rが接続され、分岐点Jから一端をアースされたコンデンサCが接続されている。この抵抗RおよびコンデンサCは、分岐点Jの電圧変化による信号が、回路SHIの入力端子に入力するのを遅延させる遅延回路(手段)として機能する。回路SHIの出力端子側には、回路SHIの入力端子が接続されている。
なお、回路SHI等は、ヒステリシス特性を有しているため、設定されている範囲の多少の電圧変動によっては動作状態を変更しない。つまり、回路SHIの負論理が、回路SHIで正論理に戻され、上下の電圧の変動分が、回路SHI,SHIのヒステリシス特性によって吸収されるようになっている。
また、回路SHIの出力端子は、ディジタルICのB入力端子に入力されている。このディジタルICは、ディジタルICとともに発振回路(手段)として機能する。ディジタルIC,ICは、A入力端子(負論理)(図1中、符号Aの上部には、記号「−」を付して表しているが、明細書中では、表記上省略する。)、B入力端子、Q出力端子(正論理)、Q出力端子(負論理)(同様に、記号「−」を、表記上省略する。)、CLR端子、C端子、R/C端子が備えられている。
また、回路SHIの出力端子と、ディジタルICのB入力端子との間の配線の分岐点Jには、抵抗Rが接続され、抵抗Rの他端側の分岐点Jには、一端をアースされたコンデンサCが接続されている。また、その分岐点Jには、分岐点Jへと続く配線が接続され、その分岐点Jが、ディジタルIC,ICのCLR端子のそれぞれに接続されている。そのため、抵抗RおよびコンデンサCは、CLR端子へ入力する信号を遅延させる。
また、回路SHIの出力端子と、ディジタルICのB入力端子との間の配線の分岐点Jには、ディジタルICのB入力端子が分岐点J10を介して接続されている。そのため、ディジタルIC,ICの各B入力端子には、回路SHIからの同じ出力が入力される。
ディジタルICのQ出力端子(正論理)は、ディジタルICのA入力端子(負論理)とに接続されている。また、ディジタルICのQ出力端子(負論理)は開放している。ディジタルICのQ出力端子(正論理)は、分岐点J11を介して、ディジタルICのA入力端子(負論理)に入力している。したがって、ディジタルIC,ICのB入力端子がH(high)のとき、ディジタルICのQ出力端子(正論理)がL(Low)であれば、ディジタルICのQ出力端子(負論理)がLになり、結局、ディジタルICはQ出力端子(正論理)をHとし、開放されたQ出力端子(負論理)をLとする。そして、R/C端子で設定された時定数に基づいたデューティー比に従って、ディジタルICのQ出力端子(正論理)がLになると、ディジタルICのA入力端子(負論理)がLになる。すると、ディジタルICのQ出力端子(正論理)がHになるとともに、Q出力端子(負論理)がLになる。以上を繰り返すことによって、B端子がHのとき、ディジタルIC,ICは、発振回路(手段)として機能する。
ところで、ディジタルICのC端子は、一端をアースとコンデンサCとの間の分岐点J12に接続されている。コンデンサCは、他端側に分岐点J13を介して、R/C端子に接続されている。分岐点J13には、分岐点J14,J15を介して、ディジタルICのR/C端子に接続されている。なお、ディジタルICのC端子は、アースされている。また、分岐点J14には、分岐点J14側を負極端子としたダイオードDが接続されている。分岐点J15には、抵抗Rが接続されている。
また、ダイオードDの正極側端子および抵抗Rの他端側は、分岐点J31に接続され、分岐点Jを介して電源Eの正極側に接続されている。そのため、コンデンサCは、スイッチSがオンされたときに、抵抗Rを介して充電されている。スイッチSがオフされたときに、放電が開始され、ディジタルICの端子Cの電位を上昇させる。これによって、ディジタルICが、急激に、オフしないように、遅延回路(手段)として機能する。なお、スイッチSがオンのときには、ディジタルIC,ICは、それぞれR/C端子から駆動電力を供給される。
また、分岐点J11は、論理回路NANDのA入力端子に接続されている。論理回路NANDのC出力端子は、論理回路NANDのA,B入力端子に接続されている。論理回路NANDのC出力端子は、液晶セル10bの一端側の端子に接続される。また、分岐点J16が、論理回路NANDのB入力端子と、論理回路NANDのB入力端子に接続されている。
論理回路NANDのA入力端子は、ディジタルICのQ出力端子(負論理)に接続されている。また、論理回路NANDのC出力端子は、論理回路NANDのA,B入力端子に接続されている。論理回路NANDのC出力端子は、液晶セル10bの他端側の端子に接続される。
そのため、液晶セル10bが非印加となるためには、論理回路NAND,論理回路NANDのC出力端子が、両方共にLである。一方、液晶セル10bが印加となるためには、論理回路NAND,論理回路NANDのいずれか一方のC出力端子がHで、他方のC出力端子がLとなる。
以上の例1の回路では、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとの間の分岐点Jの電圧値に基づいて、液晶セル10bのオン・オフが行われる。以下、非防眩時と防眩時とに分けて、作動状態について説明する。
まず、周囲が明るいときに、後方光が照射された場合を説明する。この場合、後方光が周囲光に紛れてしまって、運転者は眩しく感じないので、非防眩状態に制御する。つまり、この場合、周囲光センサ7Cの受光量が大きくて、その出力電圧が高く、後方光センサ7Aの受光量が大きくなっても、分岐点Jの電圧値が高くならないので、回路SHIの入力端子はL(Low)になる。このとき、回路SHIの出力がH(High)であり、結局、回路SHIの出力はLになる。そのため、ディジタルIC,ICの各B入力端子および各CLR端子はLである。また、論理回路NAND,論理回路NANDの各B入力端子がLなので、論理回路NAND,論理回路NANDの各C出力端子はHになり、論理回路NAND,論理回路NANDの各C出力端子はLになっている。つまり、液晶セル10bは非印加であって、液晶防眩ミラー100としては非防眩状態になっている。
また、周囲が暗いときに、後方光が照射された場合には、後方光が強調されて、運転者は眩しく感じるので、防眩状態に制御する。つまり、この場合、周囲光センサ7Cの受光量が小さくて出力電圧が小さく、かつ、後方光センサ7Aの受光量が大きくて出力電圧が大きくなるので、分岐点Jの電圧値が高くなる。そのため、回路SHIの入力端子がHになり、結局、回路SHIの出力電圧がHになる。すると、論理回路NAND,論理回路NANDの各B入力端子がHになる。また、ディジタルIC,ICの各B入力端子がHになるので、発振回路として作動を開始する。そのため、論理回路NAND,論理回路NANDがディジタルICの出力に基づいてオン・オフを繰り返し、論理回路NAND,論理回路NANDのオン・オフを介して、液晶セル10bに交流電圧が印加されるので印加状態になり、液晶防眩ミラー100としては防眩状態になる。
[例2]
図7に示すように、例2の場合も例1の場合と同様に、一端をアースされたスイッチSが、直流の電源Eに直列に接続され、さらに、分岐点Jを介して、電源Eの正極が抵抗Rに接続されている。この抵抗Rには、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとが直列に接続されている。なお、後方光センサ7Aの他端はアースされている。また、周囲光センサ7Cと後方光センサ7Aとの間の分岐点Jには、回路SHIが接続されている。
分岐点Jと回路SHIの入力端子との間の配線には、分岐点Jから一端をアースされた抵抗Rが接続され、分岐点Jから一端をアースされたコンデンサCが接続されている。この抵抗RおよびコンデンサCは、分岐点Jの電圧変化による信号が、回路SHIの入力端子に入力するのを遅延させる遅延回路(手段)として機能する。
回路SHIの出力端子側には、分岐点J17を介して、ダイオードDのアノードとダイオードDのアノードとが接続されている。ダイオードDのカソードには、分岐点J18を介して、一端をアースした抵抗Rが接続されている。この分岐点J18は、分岐点J19を介して、回路SHIの入力端子に接続されている。回路SHIの出力端子は、液晶セル10bの一方の端子に接続されている。
一方、ダイオードDのカソードには、分岐点J20を介して、一端をアースした抵抗Rが接続されている。分岐点J20には、また、分岐点J21を介して、回路SHIの入力端子が接続されている。回路SHIの出力端子は、液晶セル10bの他方の端子に接続されている。したがって、液晶セル10bが非印加のときは、回路SHI,回路SHIの両方の出力端子がLであり、印加のときは、回路SHI,回路SHIの各出力端子が交互にHとLとを繰り返すことになる。
また、分岐点J21と回路SHIとの間の分岐点J22には、回路SHIの入力端子が接続され、その出力端子がダイオードDを介して分岐点J19に接続されている。また、分岐点J21には、ダイオードDのカソードが接続され、そのアノードには回路SHIの出力端子が接続されている。そして、回路SHIの入力端子には、分岐点J23を介して、回路SHIの出力端子と、抵抗Rとが接続されている。また、回路SHIの入力端子と抵抗Rとが分岐点J24で接続され、この分岐点J24を介して、一端をアースされたコンデンサCに接続されている。
そのため、以上の回路では、非防眩時、つまり、分岐点JがLのときには、回路SHIの出力端子がHになるので、ダイオードDが導通して、分岐点J21側がHになる。そのため、ダイオードDには逆電圧が印加され、回路SHIの出力端子がLとなり、その入力端子側の分岐点J23の電位がHになる。ところで、コンデンサCと回路SHIと抵抗Rとは無安定マルチバイブレータ(発振回路(手段))を構成しているので、分岐点J23がHになると、抵抗Rを通して、コンデンサCが充電される。しかし、ダイオードDに逆電圧が印加されているときには、回路SHIのトリガ電圧を超えることはないので、分岐点J23はHのままで、コンデンサCは飽和された状態を維持する。
このとき、ダイオードDは順方向に導通しているので、回路SHIの入力端子がHとなり、その出力端子がLとなっている。また、ダイオードDが導通しているので、回路SHIの入力端子がHとなり、その出力端子がLとなっている。そのため、液晶セル10bは非印加であって、液晶防眩ミラー100としては非防眩状態になっている。なお、回路SHIの入力端子もHであって、その出力端子はLであり、かつ、分岐点J19がHなので、ダイオードDには順方向の電圧が印加されている。
この状態で、防眩時、つまり、分岐点JがHになると、回路SHIの出力端子がLになるので、ダイオードDには逆電圧が掛かり、分岐点J21側は抵抗Rを通してLになっていく。一方、ダイオードDの逆電圧によって回路SHIの出力端子に掛かっていたLの電圧が低下するので、回路SHIのトリガ電圧と回路SHIのトリガ電圧のバランスによって、コンデンサCの放電が始まり、コンデンサCと回路SHIと抵抗Rとによって発振が開始される。この発振はダイオードDを通して分岐点J22側に伝わるので、回路SHIの出力端子がHとLとの反転を繰り返し、かつ、回路SHIと回路SHIとによって回路SHIの反転同期してその反転とは逆のLとHとの反転を繰り返すことになる。そのため、液晶セル10bが印加状態になり、液晶防眩ミラー100としては防眩状態になる。
[変形例1]
この実施形態では、周囲光センサ7Cおよび後方光センサ7Aの両方を設けた場合を説明したが、その一方を備えているようにしてもよい。
[変形例2]
この実施形態では、光の透過シャッターとして、TN液晶の場合を説明したが、シャッター機能を備えるものであれば、TN液晶に限らない。
[変形例3]
この実施形態では、光透過シャッターとして、液晶を示したが、シャッター機能素子としては、磁界を付与することで旋光性を発現する、いわゆるファラデー効果を利用したファラデー回転子を用いてもよい。
本発明の実施形態の液晶防眩ミラーの外観を説明する図であり、(a)は液晶防眩ミラーの分解斜視図であり、(b)は液晶防眩ミラーの組み立てた状態を示す斜視図である。 図1に示すミラー本体の内部構造を示す断面図である。 図2に示す反射型偏光板の構造を示す斜視図である。 実施形態の液晶防眩ミラーの非防眩時の動作を説明する図であり、(a)は非防眩時の液晶防眩ミラーの正面図、(b)は非防眩時のミラー本体内の光の伝播の様子を示す模式図である。 実施形態の液晶防眩ミラーの防眩時の動作を説明する図であり、(a)は防眩時の液晶防眩ミラーの正面図、(b)は防眩時のミラー本体内の光の伝播の様子を示す模式図である。 液晶セル制御回路の例1を説明する回路図である。 液晶セル制御回路の例2を説明する回路図である。
符号の説明
7 プレートサーキット(液晶セル制御手段)
7A 後方光センサ(後方光量検出手段)
7C 周囲光センサ(周囲光量検出手段)
10 ミラー本体
10a 偏光板(第一偏光板)
10b 液晶セル
10c 反射型偏光板(第二偏光板)
10d 光吸収部材
10e,10fガラス基板
10h 液晶
100 液晶防眩ミラー

Claims (6)

  1. 入射光の第一偏光成分を透過光として射出する第一偏光板と、入射光の第二偏光成分を透過光として射出する第二偏光板とを液晶セルを挟んで配置した液晶防眩ミラーであって、
    前記第一偏光板および前記第二偏光板の少なくとも一方を、入射光の入射方向に応じて異なる屈折率を示す屈折率異方性を備えた材料で形成したことを特徴とする液晶防眩ミラー。
  2. 前記第二偏光板は、前記第二偏光成分の透過光に直交する第三偏光成分を反射する機能をさらに備えており、
    前記液晶セルは、非印加時に入射光に対して旋光性を発現し、印加時に入射光に対して発現していた旋光性を解消する液晶配列を備えており、
    前記第一偏光成分と前記第三偏光成分とが直交し、かつ、前記第一偏光成分と前記第二偏光成分とが平行となるように、前記第一偏光板と前記第二偏光板とを配置したことを特徴とする請求項1に記載の液晶防眩ミラー。
  3. さらに、前記第二偏光板の前記液晶セルとの反対側に、前記第二偏光板を透過した前記第二偏光成分の透過光を吸収する光吸収部材を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶防眩ミラー。
  4. さらに、車両の周囲の光量を検出する周囲光量検出手段と、
    車両の後方から到来する光量を検出する後方光量検出手段と、
    前記周囲光量検出手段によって検出された周囲の光量と、前記後方光量検出手段によって検出された車両の後方から到来する光量とを比較し、前記後方から到来する光量が前記周囲の光量よりも設定値だけ大きい場合に防眩制御とし、設定値よりも小さいときに非防眩制御とする液晶セル制御手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液晶防眩ミラー。
  5. さらに、前記周囲光量検出手段と前記後方光量検出手段との検出信号を前記液晶セル制御手段に入力するタイミングを遅延させる遅延手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の液晶防眩ミラー。
  6. 前記液晶セル制御手段は、
    前記液晶セルを制御する制御信号を発振する発振手段を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液晶防眩ミラー。
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