JP2009006322A - 光増感型触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 暗所において触媒活性を有し、太陽光の乏しい屋内においては高い触媒活性を有し、紫外光のもとでは従来の光触媒よりも極めて高活性の触媒を安価に提供すること。
【解決手段】 {二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄を接合部を除き各成分の構造を維持したまま一体化する。

Description

本発明は暗所において触媒作用を有し、白色蛍光灯のもとで高活性な触媒作用を示し、さらに紫外光のもとで顕著な触媒作用を示す高活性触媒に関する。すなわち、白色蛍光灯の光や紫外光に応答して触媒作用を強める性質を有する触媒に関する。
本発明の触媒は、暗所において酸化触媒としての作用を有し、白色蛍光灯のもとでは酸化触媒としての作用が増大し、紫外光のもとではアナターゼ型微粒子二酸化チタン以上の酸化触媒活性を示す。
従来の可視光応答型光触媒や紫外光応答型光触媒は暗所では触媒作用を示さないが、本発明の触媒は暗所において触媒作用を有し、かつ白色蛍光灯や紫外光のもとで触媒作用が著しく増大する点で従来の可視光応答型光触媒や紫外光に応答する一般の光触媒と異なり、また、白色蛍光灯や紫外光のもとで触媒作用が著しく増大する点で一般の酸化触媒とも異なっている。
したがって、光の無い状態では作用しない光触媒の欠点を補い、かつ白色蛍光灯や紫外光のもとで高活性な酸化触媒として作用する点で従来に無い有用な触媒を提供するものである。
酸化鉄粉には酸化還元作用があることが知られており、有機物合成用の触媒として用いられている(非特許文献1)。また優れた吸着性を有している。
二酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物半導体は光触媒作用を有しており、例えば、有機物の分解などに太陽エネルギーを利用できることが知られている。その内でも二酸化チタンは大気中での汚染物質の浄化、水質浄化などの分野においてその光触媒作用を実用化するため活発な技術開発がなされ、建築用外装タイル表面の汚染防止などの分野において実用化されている。しかし、これらの成果は主に紫外線を含む太陽光を利用できる屋外分野での成果であり、太陽光が遮断される屋内で使用できる光触媒は期待されたほど実用化が進んでいない。また、光触媒は光のない状態では触媒活性が無いので夜間または暗所では触媒機能を発現しない。
そこで、紫外光の乏しい白色蛍光灯の波長、さらに紫外光の波長のもとで強い光触媒作用または光触媒と同等な触媒作用を示し、同一の材料が暗所でも触媒作用を示すことが好ましい。
暗所でも抗菌作用を有する材料の提案としては、よく知られた技術として光触媒と抗菌剤の併用が知られており、これは紫外光の下では主に光触媒が、暗所では抗菌剤が分担して抗菌作用を発現するものである。
また、アパタイト結晶構造中に光触媒作用を有する金属酸化物構造と抗菌性を有する金属イオンを組み込んだ構造の光触媒が提案されている。(特許文献1参照)
さらに、紫外光のもとでも暗所でも光触媒作用を有する材料として、放射線源となる天然鉱石と光触媒を併用し暗所においても放射線が光触媒に作用し光触媒作用を発現させる材料の提案がなされている。(特許文献2参照)
しかし、光触媒と抗菌剤の併用の場合は抗菌剤成分として銀や銅を用いるので材料コストが高価になり、抗菌性金属イオンとの併用の場合も、銀または銅の使用が必要であり材料コストが高価になるので不利であり、さらにこれらの先行提案は暗所においては抗菌作用しか示さない。また、放射線源を複合させる場合には放射線源自体は触媒作用を有しないので複合体の重量当りの触媒性能が劣ることになる。また、放射線源粉体が飛散したり身体に付着した場合の安全性の問題がある。
その上特許文献1および2の提案は光触媒作用を示す成分が高エネルギー電磁波である紫外光に応答する材料であるため低エネルギー電磁波が大部分を占める白色蛍光灯のもとでの触媒活性は不十分なものとなる。
本発明者は先に白色蛍光灯の下で高活性な光触媒として、二酸化チタンにペルオキソニ硫酸アンモニウムなどの硫酸化合物を含浸させた材料を提案した(特許文献3参照)が、表面に存在する硫酸根の影響で強い酸性を有するため樹脂に混合して使用する場合に樹脂が変色する場合があった。
特開2007−260587号公報(第1〜15頁) 特開2000−167397号公報(第1〜6頁) 特願2007−307540号公報(第1〜23頁) 堀石七生著 「機能性酸化鉄粉とその応用」61頁、産業図書株式会社(2006)
本発明は、紫外光を含む太陽光の下ではむろんのこと、白色蛍光灯等の紫外光の乏しい屋内および車内においても高活性な触媒作用を示し、かつ、暗所においても触媒作用を有する汎用型でしかも安価な触媒を提供することを目的とするものであり、また、紫外光に対しても従来の光触媒よりも著しく高活性で、さらに強い酸性を示さない触媒を提供することを目的とするものである。
本発明者は、二酸化チタンに代表される金属酸化物光触媒の高活性な性質を活用し、本来触媒作用や優れた吸着性を有する有色の無機金属化合物との複合体とすることで、高活性な触媒となり、かつ強い酸性を示さない材料ができないかとの着想のもとに研究を進めた結果、二酸化チタンと半導体でもある酸化第二鉄の一体化物が白色蛍光灯の光や紫外光のもとで高活性な酸化触媒作用を示し、かつ、暗所においても比較的活性な酸化触媒作用を有することを見出した。さらに、二酸化チタンと同様な金属酸化物半導体である酸化亜鉛と酸化第二鉄との一体化物も同様な作用を有することを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)二酸化チタンと酸化第二鉄とを一体化したことを特徴とする高活性触媒
(2)酸化亜鉛と酸化第二鉄とを一体化したことを特徴とする高活性触媒
(3)酸化第二鉄を10から80重量%含む請求項1および2に記載の高活性触媒
(4)二酸化チタンがアナターセ型である請求項1に記載の高活性触媒
本発明の{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄の一体化物は、暗所において優れた吸着作用を示すとともにメチレンブルーを分解脱色したことから光のない環境においても酸化触媒として十分な活性を有することを確認した。
酸化第二鉄が触媒作用を有することはわかっているが、本発明の{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄との一体化物は、暗所において酸化第二鉄の有する触媒作用よりも優れた触媒作用を示した。
また白色蛍光灯の照射によって短時間でメチレンブルーを分解脱色した。つまり紫外光に乏しく可視光が主である白色蛍光灯の光によって高活性な酸化触媒作用を示すことが確認できた。
二酸化チタンおよび酸化亜鉛は紫外光で光触媒作用を発現するが、紫外光に乏しい白色蛍光灯の波長では光触媒作用をほとんど示さない。一方、酸化第二鉄は有色であるから可視光を吸収する性質を有するが、可視光を照射しても実用に供するほどの光触媒作用は認められていない。
しかし、本発明の一体化物は二酸化チタン単独または酸化亜鉛単独の場合や酸化第二鉄単独の場合と比較してはるかに高い触媒作用を示した。
言い換えれば、本発明の{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄との一体化物は、白色蛍光灯の照射の下で二酸化チタン単独でも酸化亜鉛単独でも酸化第二鉄単独でも成し得ない光触媒作用を示した。
つまり、一体化することにより特別な触媒効果が発現したと思われる。
さらに本発明者が先に提案した二酸化チタンにペルオキソ二硫酸アンモニウムを含浸、乾燥して得られた複合体よりも短時間でメチレンブルーを分解脱色した。
その上、本発明の一体化物は、紫外光を発するブラックライトのもとで、従来型の代表的光触媒であるアナターゼ型微粒子二酸化チタンよりも顕著なメチレンブルー分解特性を示すことを確認した。
このことからも、{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄を一体化することにより、紫外光の下で{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}単独の場合よりも光触媒作用を増幅または光触媒効率を増大させたものと考察できる。
要するに、本発明の一体化物は(0012)〜(0014)に述べたように{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄が相互作用して、{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}の触媒作用と酸化第二鉄の触媒作用を単に加えた作用をはるかに超えた驚くべき触媒作用を示した。
なお本発明の複合体は、イソプロピルアルコールと共にガスバリアー袋に入れて白色蛍光灯を照射した時に二酸化炭素の生成を確認した。このことから、紫外光の乏しい低エネルギーの白色蛍光灯のもとでもイソプロピルアルコールを分解して最終的な酸化生成物である二酸化炭素を生成することを確認した。
加えて本発明の{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄からなる一体化物は、酸化亜鉛および酸化第二鉄が安価であるので高価な微粒子二酸化チタンのみからなる従来の光触媒と較べて極めて安価である。
従って、本発明の光触媒を用いれば、紫外線を含む太陽光線や紫外線ランプの光を照射しなくとも室内や車内の白色蛍光灯の光で光触媒の特徴である抗菌、臭気の分解除去、有機物汚れの分解除去および野菜や果物の鮮度保持等が可能である。
さらに、紫外光の下では従来の光触媒よりも高活性な触媒作用を得ることが出来るので、建築物の外壁表面に配置することにより現行の光触媒よりも優れた汚れ防止効果が得られる。
本発明の高活性触媒である{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}と酸化第二鉄の一体化物は、2種類の金属酸化物を一体化したものである。具体的には、二酸化チタンと酸化第二鉄の一体化物および酸化亜鉛と酸化第二鉄の一体化物である。もちろん二酸化チタンと酸化亜鉛と酸化第二鉄の一体化物であっても良い。本発明において一体化とは、多種類の金属酸化物が接合部以外は一体化前の各成分の構造を変えずに接合していることを言う。
一体化した際の形態は、粒子同士の接合体であっても良いし、一方が薄膜状で他方が粒子状で両者が接合していても良いし、両方が薄膜状で接合していても良い。あるいは、各成分が分散して一体化した薄膜を形成していても良い。
一体化の手段としては、焼成や機械的な接合や超音波照射による接合等が利用でき、機械的接合としては乳鉢中ですりつぶしても良いし各種のボールミルで摩砕・接合しても良い。さらにその他の接合手段としてはスパッタリング等の手法を用いて基材表面に{二酸化チタンまたは酸化亜鉛}成分と酸化第二鉄成分を接合した状態で配置しても良い。
ここで、一体化の手段としては、多種類の金属酸化物を接合部以外には一体化前の各成分の構造を変えずに接合できる手段であれば上記の例に限定されない。
本発明において用いる原料(二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化第二鉄)としては、粒径の小さなものほど表面積が大きいので好ましいが粒径が比較的大きな市販の材料でも良い。
本発明の、二酸化チタンまたは酸化亜鉛に対する酸化第二鉄の比率は、重量比で90/10〜20/80であり、好ましくは、70/30〜25/75%である。酸化第二鉄が10%未満の場合は暗所や白色蛍光灯の下での触媒活性が不十分となり、二酸化チタンまたは酸化亜鉛が20%未満の場合は白色蛍光灯や紫外光の下での触媒活性が不十分となる。
本発明において用いる二酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれも用いる事が出来るがアナターゼ型が特に好ましい。粒径は小さいほど単位重量当たりの表面積が大きくなるので好ましく、100nm以下が好ましく特に10nm以下が好ましい。
酸化亜鉛および酸化第二鉄は、市販の材料を用いる事ができ、これらも粒径が小さいほど好ましい。
次に、本発明の高活性触媒の製造方法について説明する。
二酸化チタンと酸化第二鉄の一体化物の場合には、二酸化チタンと酸化第二鉄の所定量を乳鉢に取ってすりつぶすか、ボールミル等で混合物粒子を機械的に粉砕・圧着すれば良い。または、酸化チタンと酸化第二鉄の所定量を混合し750℃未満の温度で2〜10時間程度焼成し粒子が凝集していたら粉砕すれば良い。アナターゼ型二酸化チタンを用いる場合には、800℃以上に加熱すると二酸化チタンがアナターゼ型からルチル型へ変化するので700℃未満で、また微粒子二酸化チタンを用いる場合には二酸化チタンが凝集して粒子径が大になるのを防止するために650℃未満で焼成することが望ましい。
酸化亜鉛と酸化第二鉄の場合には酸化亜鉛と酸化第二鉄の所定量を乳鉢に取ってすりつぶすか、ボールミル等で混合物粒子を機械的に粉砕・圧着するか、500℃未満の温度で焼成すれば良い。酸化亜鉛と酸化第二鉄を600℃および1000℃で焼成した時には白色蛍光灯のもとでの触媒活性は乏しいものであった。
本発明の一体化物は含浸法で調整した場合には触媒活性が極めて低いものであった。つまり、二酸化チタン粒子に水溶性の鉄化合物を水溶液で含浸し焼成しても活性が得られないか非常に低いものであった。また試薬のチタン酸鉄〔FeTiO〕を用いてメチレンブルーの脱色を評価したが変色せず触媒活性が認められなかった。
このことから本発明の一体化物は、各成分が接合部を除いて原料の構造を有したまま一体化したものが好ましいことが明らかになった。
本発明の一体化物の利用方法としては、一体化した粉体の形態のままで使用しても良いし、一体化した粉体を塗料や樹脂に混合する、プラスチックシートやフィルムに担持する、タイル等の無機物の表面に担持する、繊維状のものに付着させる、薄膜状の一体化物を金属やガラスを含むセラミック等の基材表面に接合するなど、さまざまな形態で使用することができるものである。
以上のような本発明の高活性触媒は、暗所において対象となる有機物や菌を吸着して一部を除去し、室内や車内等の紫外線の乏しい白色蛍光灯の光に反応して優れた触媒活性を発現することでアルデヒドなどの有機物の分解、たばこ臭や悪臭の除去、抗菌性付与、エチレンの分解による野菜・果実の鮮度保持等の効果を発揮でき、さらに太陽光のもとで建築物外壁の汚れ防止、車の排気ガスの浄化等に従来の光触媒よりも優れた能力を発揮する。
次に、本発明の高活性触媒の触媒活性の評価法として、
(1)触媒活性を有することの定性的な証明のため、イソプロピルアルコールを分解してCOが生成していることをガス検知器により確認した。
(2)触媒活性の定量的評価のためにメチレンブルー色素の脱色に要する時間を測定した。メチレンブルーの脱色により触媒活性を評価する方法は、従来から光触媒効果を評価する際に標準的に用いられており、本発明の触媒を縣濁した水溶液は弱酸性を示すので還元作用によるメチレンブルーの無色化ではなく、酸化分解による脱色を判定できるので触媒活性の定量的評価に適すると判断した。
次に、実施例を述べるに先立ち、本発明の触媒が白色蛍光灯照射によってメチレンブルー色素を分解する時間で触媒能を評価する上記(2)の方法について説明する。
(i)装置の構成
評価に用いる装置に付いては特別の制限は設けないが、通常は以下に記す4種の装置からなる。
▲1▼ガラス製シャーレ(内径58mm):メチレンブルー水溶液と評価用粉体を入れ、上部に石英板を載せる。
▲2▼光源
(イ)白色蛍光灯の光の場合
蛍光灯卓上スタンド:スワン電器株式会社(100V、24W)
ランプ:National FPL27EX−D ツイン1
(ロ)紫外光の場合
東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W)
▲3▼照度計:Shinwa製 簡易型照度計
(ii)操作手順
▲1▼メチレンブルー水溶液の調整:関東化学株式会社製メチレンブルー希釈液(細菌染色用)をさらに純水で1/100倍に希釈(1.3×10−4モル%液)
▲2▼ガラス製シャーレに評価用粉体0.1gを入れメチレンブルー水溶液の6.0gを加える。(酸化第二鉄の色素吸着性が大のためメチレンブルー水溶液が4g以下では青色色素が吸着されて無色になってしまうので飽和吸着後も十分な青色が残る6.0gとした。)
▲3▼光源が白色蛍光灯の場合は蛍光灯を照射しシャーレの底面が照度計にて3000ルクスになるようにランプの高さを調節し連続照射する。
▲4▼光源が紫外光の場合はガラス製シャーレをブラックライト直下10cmの位置に置き連続照射する。
▲5▼シャーレを数時間毎に手で攪拌(夜間は静置)しながら、メチレンブルー水溶液の色を観察する。
▲6▼メチレンブルー水溶液の色が無色透明になり、評価用粉体表面の青みが消えたら経過した照射時間を記録する。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は特に別途注記しない限り重量基準である。
1.白色蛍光灯の光により有機物が分解しCOが生成していることの確認。
1.1本発明の触媒の調整
テイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100(粒径6nm 比表面積260m/g)の3.0gと市販の酸化第二鉄(株式会社クサカベ製)3.0gを乳鉢に入れ擦りながら混合し、混合物をアルミナルツボに移し、600℃3時間焼成し冷却後軽く粉砕した。
1.2イソプロピルアルコールの酸化分解によるCO生成の確認。
ガラス製シャーレ(内径58mm)に上記の本発明の触媒0.3gを取り、関東化学株会社製試薬1級イソプロピルアルコール0.2gを滴下してからガスバリアー袋(大倉工業製、OE−4)に入れ熱シールし、袋内の空気が約700mlになるように注射器にて空気を注入し注入部を封止した。
白色蛍光灯を3000ルクスの照度で24時間連続照射し北川式COガス検知管(126B)を用いて二酸化炭素濃度を検査したところ1500ppmであった。大気中の二酸化炭素濃度は400ppm未満であるから、本発明の複合体は白色蛍光灯の光によってイソプロピルアルニールを酸化分解して二酸化炭素が生成したことを確認した。
2.メチレンブルーの分解・脱色による触媒活性の評価
2.1 本発明の触媒の調整
テイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100(粒径6nm 比表面積260m/g)の3.0gと市販の酸化第二鉄3.0gを乳鉢に入れ擦りながら混合する。混合物をアルミナルツボに入れマッフル炉で600℃3時間焼成し冷却後軽く粉砕した。
2.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒活性の評価
上記の二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは約6.5であり、メチレンブルー水溶液は表1に示すように36時間後に無色透明になった。
3.1 本発明の触媒の調整
テイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の2.1gと市販の酸化第二鉄0.9gを乳鉢に入れ擦りながら混合する。混合物をアルミナルツボに入れマッフル炉で600℃3時間焼成し冷却後軽く粉砕した。
3.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒活性の評価
上記の二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比70/30の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは約6.5であり、メチレンブルー水溶液は表1に示すように52時間後に無色透明になった。
4.1 本発明の触媒の調整
テイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の1.5gと市販の酸化第二鉄3.5gを乳鉢に入れ擦りながら混合する。混合物をアルミナルツボに入れマッフル炉で600℃3時間焼成し冷却後軽く粉砕した。
4.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒活性の評価
上記の二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比30/70の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは約6.5であり、メチレンブルー水溶液は表1に示すように62時間後に無色透明になった。
5.1 本発明の触媒の調整
テイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の0.3gと市販品の酸化第二鉄0.3gを乳鉢に入れ擦りながら混合した。
5.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒活性の評価
上記の二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは約6.5であり、メチレンブルー水溶液は表1に示すように48時間後に無色透明になった。
6.1 本発明の触媒の調整
市販の酸化亜鉛(クサカベ製ジンクホワイト)1.0gと市販品の酸化第二鉄1.0gを乳鉢に入れ擦りながら混合した。
6.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒活性の評価
上記の酸化亜鉛と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは約6.5であり、メチレンブルー水溶液は表1に示すように51時間後に無色透明になった。
Figure 2009006322
比較例1
前記の二酸化チタン(AMT−100)の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液は表2に示すように30日(720時間)後でも青色のままであった。
比較例2
比2.1 本発明者の先行特許の光触媒の調整
前記の二酸化チタン(AMT−100)の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、関東化学株式会社製試薬特級のペルオキソ二硫酸アンモニウム2.3g(10mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水約10mlの均一溶液を加えて良く混合してペルオキソ二硫酸アンモニウムを含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃4時間焼成し冷却した後粉砕し、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを含む二酸化チタン複合体を得た。
比2.2 メチレンブルー水溶液のPHと脱色による触媒能の評価
上記のベルオキソ二硫酸アンモニウム8モルを含む二酸化チタンの0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液のPHは1未満であり、メチレンブルー水溶液は表2に示すように98時間後に無色透明になった。
比較例3
前記の酸化第二鉄の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものに白色蛍光灯を連続照射した。メチレンブルー水溶液は表2に示すようにphは約7であり、240時間後に無色透明になった。
Figure 2009006322
〔実施例2〜6と比較例1〜3の比較〕
白色蛍光灯のもとで、本発明の一体化物は短時間でメチレンブルー液を脱色したのに対し、二酸化チタン単独の場合(比較例1)、先願発明の場合(比較例2)、および酸化第二鉄単独の場合(比較例3)は脱色を示さないか、または、脱色に長時間を要することが示された。
実施例2と同様に調整した二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gを内径58mmのシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものを暗所(25℃の恒温器内)に放置した。
メチレンブルー水溶液は表3に示すようにPHは約6.5であり、204時間後に無色透明になった。
比較例4
市販の酸化第二鉄の0.1gを内径58mmのシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものを暗所(25℃の恒温器内)に放置した。
メチレンブルー水溶液は表3に示すようにPHは約7であり320時間後に無色透明になった。
Figure 2009006322
〔実施例7と比較例4の比較〕
暗所に放置した場合には、本発明の一体化物は酸化第二鉄以上の触媒活性を示した。
実施例2と同様に調整した二酸化チタン(AMT−100)と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものをブラックライトの10cm下方に置き、ブラックライトを連続照射した。メチレンブルー水溶液は表4に示すようにPHは約6.5であり8時間後に無色透明になった。
実施例6と同様に調整した酸化亜鉛と酸化第二鉄の重量比50/50の一体化物の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものをブラックライトの10cm下方に置き、ブラックライトを連続照射した。メチレンブルー水溶液は表4に示すようにPHは約6.5であり9時間後に無色透明になった。
比較例5
二酸化チタン(AMT−100)の0.1gをシャーレに取り、メチレンブルー水溶液6gを加えたものをブラックライトの10cm下方に置き、ブラックライトを連続照射した。メチレンブルー水溶液は表4に示すようにPHは約6.5であり20時間後に無色透明になった。
Figure 2009006322
〔実施例8,9と比較例5の比較〕
ブラックライト照射下では、本発明の一体化物は微粒子二酸化チタン以上の極めて優れた触媒活性を示した。

Claims (4)

  1. 二酸化チタンと酸化第二鉄とを一体化したことを特徴とする高活性触媒
  2. 酸化亜鉛と酸化第二鉄とを一体化したことを特徴とする高活性触媒
  3. 酸化第二鉄を10〜80重量%含む請求項1および2に記載の高活性触媒
  4. 二酸化チタンがアナターゼ型である請求項1に記載の高活性触媒
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010275145A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 可視光応答性組成物とこれを用いた光電極、光触媒、光センサー

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