JP2009006211A - マイクロリアクタシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】二相反応において反応終了後に速やかに二相を分離して、副反応の進行を止めて副生成物の生成を抑制すること。
【解決手段】互いに混和しない第1の流体と第2の流体の一方を微小液滴化して混合するための混合流路を有するマイクロリアクタ10と、マイクロリアクタの下流側に接続される分離部12と、を備えたマイクロリアクタシステムであって、分離部12は、混合した流体を流通させる流通流路101と、混合した流体を分離して取り出す分岐流路102,103と、から構成され、流通流路101は、混合した流体を二相に分離するための湾曲部を形成し、分岐流路102,103は、湾曲部の半径方向に位置を異にして分岐していること。
【選択図】図2

Description

本発明は、微細流路で形成された反応部と、反応部に接続された後流の分離部を備えるマイクロリアクタシステムに係わり、特に、二相流体を分離する分離部構造に関する。
近年、流路の幅と高さが数μmから数百μmの微細流路を有する構造体に、互いに反応する2種類以上の流体を導入し、微細流路内で互いの流体を接触させて化学反応を生じさせるマイクロリアクタと呼ばれる反応装置が注目されている。
マイクロリアクタは、流路の幅や高さが小さく、反応部の体積当たりの表面積が大きく、流路の容積が小さい。そのため、マイクロリアクタでは、試薬の混合時間が短くなり、試薬に対する熱交換が速くなり、試薬同士の反応効率が高くなるといった効果が期待できる。マイクロリアクタ1つ当たりに生成される化学物質は毎分数mLから数百mLである。このようなマイクロリアクタにおいて、お互いに混和しない2種類の溶媒中で反応を生じさせる二相反応を実施することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
二相反応においては、反応を迅速に生じさせるために、1つの相を他の相中に微小液滴化するなどして二相間の接触界面を増大させることが好ましい。そこで、微小液滴化する方法としてマイクロミキサを用いる方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。これによると、マイクロミキサを用いて生成した微小液滴は、液滴サイズが均一で良好な分散状態が長時間安定して保たれることとなる。
ここで、反応終了後は、副反応が進行しないよう、速やかに二相を分離したり、接触界面を小さくしたりする必要がある。従来の混合された二相を分離する工業的装置としては、例えば、液抽出装置におけるミキサーセトラーのセトラー部分や、液を分離する遠心分離機などが知られている。また、懸濁液内の微粒子を確実に分級・分離する従来技術として、例えば、特許文献2には、懸濁液の入口ポートに湾曲形状の流路を設け、この流路の下流側に分岐流路を設けて、遠心力を利用して分離することが提案されている。

特表2006−503894号公報 特開2004−330008号公報 Savemation Review、vol.23、p60−63、2005(技術研究報告書、山武)
しかしながら、従来技術におけるセトラーでの分離方法では、混合された液を静置して重力を利用して密度差により分離するため、特に分散状態が安定な微小液滴を分離するには時間がかかる。
また、小型の卓上型遠心分離機での分離方法では、液量をある程度確保した上でバッチ(不連続)での操作となるため時間がかかり、大型のディスク型遠心分離機での分離方法では、連続での操作は可能であるがマイクロリアクタを流通するような微小流量には対応することができないという課題が生じる。また、特許文献2に示すような従来技術では、分離の対象が液中における微粒子であって、反応した二相流体を分離する技術とは異なる。
本発明は、上述したような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、マイクロリアクタにおいて二相反応を生じさせ、反応終了後に速やかに二相を分離することのできるマイクロリアクタシステムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
互いに混和しない第1の流体と第2の流体の一方を微小液滴化して混合するための混合流路を有するマイクロリアクタと、前記マイクロリアクタの下流側に接続される分離部と、を備えたマイクロリアクタシステムであって、前記分離部は、前記混合した流体を流通させる流通流路と、前記混合した流体を分離して取り出す分岐流路と、から構成され、前記流通流路は、前記混合した流体を二相に分離するための湾曲部を形成し、前記分岐流路は、前記湾曲部の半径方向に位置を異にして分岐している構成とする。
また、前記マイクロリアクタシステムにおいて、前記流通流路に流通する流体に対して、遠心力に加えて重力をも作用するように、前記湾曲部が形成される構成とする。さらに、前記マイクロリアクタシステムにおいて、前記流通流路は、分離するそれぞれの流体と親和性を持つ表面処理を施す構成とする。さらに、前記マイクロリアクタシステムにおいて、前記流通流路は、前記湾曲部の半径方向の断面積が流体流れに沿って増大する構造である。
本発明によれば、二相反応において反応終了後に速やかに二相を分離することができ、副反応の進行を止めて副生成物の生成を抑制することができる。
本発明の第1、第2及び第3の実施形態に係るマイクロリアクタシステムについて、図面を参照しながら以下説明する。
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムについて、図1〜図5を参照しながら以下説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。図2は第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の構成を示す図である。図3は第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける反応の状況を示す説明図である。図4は第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の流路構成を示す見取図である。図5は第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の流路構成を拡大した断面図である。
図1において、マイクロリアクタシステム1は、混合部10、反応部11、分離部12、供給用流路20,21、排出用流路22,23、原料流体タンク30,31、反応流体タンク32,33、ポンプ40,41、流量計50,51から構成されている。ポンプ40,41は、タンク30,31から供給量流路20,21を通って混合部10へ流体を供給するために設けられており、その流量は、流量計50,51とポンプ40,41の出力により調整される。混合部10で混合された流体は、反応部11を通って、分離部12において分離され、排出用流路22,23を通ってタンク32,33へ排出される。
図2の(1)に示す分離部12は、入口流路100、湾曲する分離流路101、二つの出口流路102,103から構成されている。図2の(2)には、入口流路100、分離流路101、分離流路101の出口部分、出口流路102,103の断面図(A−A’からD−D’)も併せて示す。
図2の(1)において、重力方向を図示しており、入口流路100は上側、出口流路102,103は下側に配設されている具体例を示す。さらに、分離流路101は、流路が2つに分離しているということではなくて、流体が分離して流れている領域を表しており、1つの流路を形成している。2つの流路を形成するのは図示のC−C’以降である。分離部12としては、三段重ねの矩形構造体が一例として想定され、その内の第2段の構造体に対して、図示のように1つの流路、1つの流路の湾曲部、2つの流路を形成するようにくり抜いて流路を形成し、その流路の入口端と出口端は第1段又は第3段をくり抜いて、反応部と排出用流路とに接続される。
さらに、図2の(1)において、B−B’(又はその手前側の湾曲部)からC−C’に亘って1つの流路が拡大されており、流体への遠心力と重力の作用によって流体が分離して流れることとなる。なお、遠心力作用による力はm(質量)×v(速度)/r(半径)に比例し、重力作用による力はm(質量)×gに比例する。
次に、第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステム1の動作について図3を用いて説明する。マイクロリアクタシステム1において、化学物質Aと化学物質Bが反応して目的物質である化学物質Cが生成し、さらに化学物質Cと化学物質Bが反応して副生成物である化学物質Dが生成する反応を行わせる場合を考える。
A+B→C 式(1)
C+B→D 式(2)
タンク30に化学物質Aを含む流体Sを、タンク31に化学物質Bを含む流体Tを用意する。化学物質Aおよび化学物質Cについては、流体Tよりも流体Sへの溶解度が大きく、化学物質Bおよび化学物質Dについては、流体Sへは全く溶解せず流体Tにのみ溶解する。なお、流体Sと流体Tはお互いに交じり合わず混合すると二相に分かれる。
図3は、式(1)および(2)で示される反応の概略を示した図である。反応は、流体Sに溶解している化学物質Aが流体Tに溶解することから始まる。流体Tに溶解した化学物質Aが、化学物質Bと出会うと式(1)に示す反応が進行する。生成した化学物質C(目的物質)は流体Sへ溶解するか、もしくは流体T中に留まり、化学物質Bと出会って式(2)に示す反応が進行し、化学物質D(不要な副生成物)となる。
化学物質Aの流体Tへの溶解速度および化学物質Cの流体Sへの溶解速度は、流体Sと流体Tの界面面積に比例する。そのため、式(1)で示される反応を速やかに生じさせるためには、界面面積を増大させて化学物質Aの流体Tへの溶解速度を大きくすればよい。また、式(2)で示される反応を生じさせないためにも、界面面積を増大させて化学物質Cの流体Sへの溶解速度を大きくすればよい。
そこで、マイクロリアクタシステム1の混合部10においては、流体T中に流体Sを微小液滴化(例えば、流体Tの流れに対して細い管から流体Sを略垂直に注ぐと流体Tの流れによって流体Sが切断されて液滴化して流体T中に流入することとなり、この液滴化すること自体は従来から提案されていること)することにより界面面積を増大させる。流体Sと流体Tの混合物は、反応部11に導入されて反応が進行する。すなわち、式(1)で示されるように流体S中の化学物質Aが流体Tへ溶解し、化学物質Bと反応して化学物質Cが生じる。流体T中の化学物質Cは、溶解しやすい流体Sへ移動するが、流体T中に留まった化学物質Cは、式(2)で示されるように化学物質Bと反応して化学物質Dが生じる。なお、微小液滴化する流体は、流体Tであってもよい。
一般に、接触している二相間で両相に溶解する物質の各相における溶解度の比は平衡状態になると、ある一定値をとる。すなわち、化学物質Cの流体Sへの溶解度と流体Tへの溶解度の比は、ある一定値をとる。
反応部11で生成した化学物質Cが、流体T中で式(2)に示される反応により消費されると、流体T中での化学物質Cの溶解度が減少するため(CがBと反応することでT中のCの量が少なくなるので)、流体S中の化学物質Cが流体T中へ再溶解するようになる。再溶解した化学物質Cが式(2)で示される反応により消費されるようになると、反応の収率(反応部入口における化学物質Aの導入量に対する反応部出口における化学物質Cの生成量)が低下する。したがって、式(1)で示される反応により生成した化学物質Cが流体Sへ移動したところで、流体Sと流体Tを速やかに分離する必要がある(Cを多く採取するために、CがSに移動するタイミングを事前に求めておいてこのタイミングで二相に分離する)。
そこで、マイクロリアクタシステム1の分離部12においては、流体を図2に示したように湾曲させた流路を流すことにより遠心力を発生させて、流体の密度差により分離を行う。分離流路101における断面積は流れ方向に不変であるとする(断面積を拡大する構成例は後述する)。
いま、流体Sの密度が流体Tよりも大きい場合を考える。密度の大きな流体Sは遠心力が大きくなるため、曲率半径の大きい出口流路103へ集まる。密度の小さい流体Tは、曲率半径の小さい出口流路102へ集まる。なお、流体Sの密度が流体Tよりも小さい場合は、流体Tが出口流路103へ、流体Sが出口流路102へ集まる。
図2に示す分離部12の流路は平面的に構成されているが(1つの垂直平面上に形成された流路)、図4に示すように流路を立体的に構成することも可能である。流路を立体的に構成することで、設置面積当たりの流路長さを長くすることができ、遠心力が加わる時間が長くすることができるため、分離部1個当たりの分離性能が向上する。図示の例では、分離流路(密度度差のある流体の流れを分離する1つの流路)は、その断面積が湾曲部入口側から次第に増大する構造となっている。
ところで、一般に、マイクロメートルサイズの流路においては、スケーリング則により粘性力、表面張力が支配的となるため、マイクロメートルサイズの流路を湾曲させただけでは、流体に働く遠心力は相対的に小さく流体に影響を与えない可能性がある。
そこで、図5に示すように、分離部12の分離流路101を湾曲させて流路幅を拡大することにより流れ方向に流路断面積を増大させて、粘性力および表面張力を遠心力と比べて相対的に小さくする。この流路に流体を流すことにより遠心力を発生させて、流体の密度差により分離を行う。図5に示すように湾曲部の半径方向に流路を拡大することによって、遠心力作用に依る分離のし易さを図っている。
図2または図5に示す分離部12の配置方法は基本的に自由であるが、出口流路102が重力方向の上側へ、出口流路103が重力方向の下側へ一致させると、遠心力と重力により分離が促進される。すなわち、図1に示す分離部12を横置きから縦置きにして、遠心力に加えて重力によっても分離機能を奏させる。
また、図2、図4または図5に示す分離部12が1個だけ設けられて、流体Sと流体Tの分離が不十分な場合は、分離部12を複数個直列に並べることで分離を十分とすることができる。さらに、図2、図4または図5に示す分離部12の分離流路101と二つの出口流路102、103の流路表面を、分離する2つの流体がそれぞれ親和性を持つように表面処理することにより、分離性能が向上する。例えば、図5において、分離流路101のB−B’断面箇所で流体密度の小さい流体に親和性をもつようにB側(B’に対向する側)の流路内側に表面処理を施してB側に密度の小さい流体を集めるようにする。
なお、本実施形態のマイクロリアクタシステム1は、混合部10、反応部11、分離部12が分離して構成されているが、これらのうちいくつか又は全てが一体となって構成されていてもよい。このようにして、反応終了後の二相を速やかに分離することができる。
「第2の実施形態」
本発明の第2の実施形態に係るマイクロリアクタシステムについて、図6を参照しながら説明する。図6は本発明の第2の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。なお、本発明の第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態のマイクロリアクタシステム2では、第1の実施形態に係わるマイクロリアクタシステム1(図1を参照)に、分離流体混合部13、分離流体供給用流路24、分離流体タンク34、ポンプ42、流量計52を加えて構成されている。ポンプ42は、タンク34から分離流体供給流路24を通って分離流体混合部13へ流体を供給するために設けられており、その流量は、図示する既知の制御系を用いて流量計52及びポンプ42により調整される。混合部10で混合された流体は、反応部11を通った後、分離流体混合部13において分離流体と混合され、さらに分離部12において分離されて、排出用流路22、23を通ってタンク32、33へ排出される。
次に、第2の実施形態に係るマイクロリアクタシステム2の動作について説明する。本実施形態のマイクロリアクタシステム2においては、第1の実施形態と同様に、混合部10で流体T中に流体Sを微小液滴化し、反応部11に導入して反応を生じさせる。
反応後の流体は、分離流体混合部13において分離流体Uと混合される。分離流体Uは、流体Sとよく混和するが流体Tとは混和しない性質を持つ(図3を参照)。分離流体Uを導入することで、混合部10で微小液滴化した流体Sは分離流体Uと混和し(流体(S+U)とする)、流体Tと二相を形成する。
分離部12においては、第1の実施形態と同様に、流体を図2に示したように湾曲させた流路を流すことにより遠心力を発生させて、流体の密度差により分離を行う。流体(S+U)の密度が流体Tよりも大きい場合、流体(S+U)は曲率半径の大きい出口流路103の方へ集まり、流体Tは曲率半径の小さい出口流路102のほうへ集まる。なお、流体(S+U)の密度が流体Tよりも小さい場合は、流体Tが出口流路102の方へ、流体(S+U)が出口流路103の方へ集まる。
また、混合部10で流体S中に流体Tを微小液滴化した場合は、分離流体Uは、流体Tとよく混和するが流体Sとは混和しない性質を持つ流体を選択すればよい。
なお、本実施形態のマイクロリアクタシステム2は、混合部10、反応部11、分離流体混合部13、分離部12が分離して構成されているが、これらのうちいくつか又は全てが一体となって構成されていてもよい。このようにして、反応終了後の二相を速やかに分離することができる。
「第3の実施形態」
本発明の第3の実施形態に係るマイクロリアクタシステムについて、図7を参照しながら説明する。図7は本発明の第3の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態のマイクロリアクタシステム3では、第1の実施形態に係わるマイクロリアクタシステム1(図1を参照)と同一の混合部10および反応部11を3個並列に接続し、マイクロリアクタシステム1と同一の分離部12を1個接続して構成されている。
次に、第3の実施形態に係るマイクロリアクタシステム3の動作について説明する。本実施形態のマイクロリアクタシステム3においては、第1の実施形態と同様に、混合部10で流体T中に流体Sを微小液滴化し、反応部11に導入して反応を生じさせる。反応後の流体は、分離部12において図2に示す湾曲させた流路を流すことにより遠心力を発生させて、流体の密度差により分離を行う。
いま、マイクロリアクタシステム1とマイクロリアクタシステム3の混合部10と反応部11の1組当たりの流量が等しい場合、マイクロリアクタシステム3の分離部12においてはマイクロリアクタシステム1の分離部12の3倍の流量となる。分離部12で発生させる遠心力は線流速に比例し、流路断面積が変化しなければ線流速は流量に比例するため、マイクロリアクタシステム3の分離部12はマイクロリアクタシステム1の分離部12と比較して3倍大きな遠心力が発生し、より分離が促進される。
図5に示す分離部12を使用した場合、分離流路101において流れ方向に流路断面積が拡大するため線流速が減少し、発生する遠心力も減少する。しかし、本実施形態のように混合部10および反応部11複数個並列に接続することで流量が増大し、流れ方向に流路断面積が拡大しても遠心力の減少量が少なくなって分離が促進される。なお、本実施形態において、混合部10および反応部11は3個並列に接続しているが、2個以上の複数個あればよい。このようにして、反応終了後の二相を速やかに分離することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るマイクロリアクタシステムは、次のような課題を達成するための構成を備えることを基本的な特徴とするものである。すなわち、マイクロリアクタにおいて二相反応を生じさせ、反応終了後に速やかに二相を分離することのできように、互いに混和しない流体の一方を微小液滴化して流通させる微細な流路を有するマイクロリアクタと、マイクロリアクタに接続される分離部とを備え、分離部が、流体を流通させる微細な流路で構成され、流路が湾曲部を形成し、かつ湾曲部の半径方向に流路が拡大しているものである。このマイクロリアクタシステムでは、分離流路で発生する遠心力(又は重力を加えて)により二相の流体を容易に分離することができる。
本発明の第1〜第3の実施形態は、少量で高付加価値の製品である医薬品やファインケミカル向けの製造装置に好適である。また、本実施形態は、少量の試料や試薬を分析するための前処理装置あるいは分析装置に好適である。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける反応の状況を示す説明図である。 第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の流路構成を示す見取図である。 第1の実施形態に係るマイクロリアクタシステムにおける分離部の流路構成を拡大した断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロリアクタシステムの全体構成を示す図である。
符号の説明
1,2,3 マイクロリアクタシステム
10 混合部
11 反応部
12 分離部
13 分離流体混合部
20,21 供給用流路
22,23 排出用流路
24 分離流体供給用流路
30,31 原料流体タンク
32,33 反応流体タンク
34 分離流体タンク
40,41,42 ポンプ
50,51,52 流量計
100 入口流路
101 分離流路
102,103 出口流路

Claims (7)

  1. 互いに混和しない第1の流体と第2の流体の一方を微小液滴化して混合するための混合流路を有するマイクロリアクタと、前記マイクロリアクタの下流側に接続される分離部と、を備えたマイクロリアクタシステムであって、
    前記分離部は、前記混合した流体を流通させる流通流路と、前記混合した流体を分離して取り出す分岐流路と、から構成され、
    前記流通流路は、前記混合した流体を二相に分離するための湾曲部を形成し、
    前記分岐流路は、前記湾曲部の半径方向に位置を異にして分岐している
    ことを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  2. 請求項1において、
    前記流通流路に流通する流体に対して、遠心力に加えて重力をも作用するように、前記湾曲部が形成されることを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  3. 請求項1または2において、
    前記分離部は、複数個直列に接続されることを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記流通流路は、分離するそれぞれの流体と親和性を持つ表面処理を施すことを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項において、
    前記流通流路は、前記湾曲部の半径方向の断面積が流体流れに沿って増大する構造であることを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項において、
    前記マイクロリアクタが複数個並列に接続されて設置され、前記分離部が1つ設置されることを特徴とするマイクロリアクタシステム。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項において、
    前記マイクロリアクタと前記分離部との間に、前記マイクロリアクタからの反応後の流体と分離流体を混合する分離流体混合部を設け、
    前記分離流体は、前記微小液滴化した第1の流体と混和するが前記第2の流体とは混和しない性質を持つものであり、
    前記分離流体混合部では、前記混和した前記分離流体と前記第1の流体からなる流体と、前記第2の流体と、の間で二相を形成する
    ことを特徴とするマイクロリアクタシステム。
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