JP2004305938A - 微小流路構造体 - Google Patents

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Tatsu Futami
達 二見
Tomohiro Okawa
朋裕 大川
Akira Kawai
明 川井
Koji Katayama
晃治 片山
Keiichiro Nishizawa
恵一郎 西澤
Takehiko Kitamori
武彦 北森
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Abstract

【課題】2種の親媒性の異なる流体を微小流路に導入し、微小流路内で前記2種の親媒性の異なる流体を混合して反応、抽出を行ない、しかる後に、混合した2種の親媒性の異なる流体を分離して排出する微小流路を有した微小流路構造体を提供する。
【解決の手段】親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口及びそれに連通する導入流路と、導入された前記流体を混合しかつ分離するための微小流路と、分離された流体を別々に排出するための2つの排出流路及び排出口と、を有した微小流路構造体であって、前記微小流路には前記親媒性の異なる2種の流体を混合するための微粒子が微小流路に充填されている混合用微小流路領域と、前記混合用微小流路領域に連通しかつ混合された前記親媒性の異なる2種の流体を相分離するための分離用微小流路領域とを有する微小流路構造体を用いる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学反応や分析などを行なう微小流路を有する微小流路構造体において、微小流路に導入した流体の化学反応および生成物の抽出、分離を行なうに好適な微小流路構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、数cm角のガラス基板上に長さが数cm程度で、幅と深さがサブμmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用い、流体を微小流路へ導入することにより化学反応を行う研究が注目されている。このような微小流路では、微小空間での短い分子間距離および大きな比界面積の効果による分子のすみやかな拡散により、特別な攪拌操作を行なわなくとも効率の良い化学反応を行なうことができることや、反応によって生じた目的化合物が反応相から抽出相へすばやく抽出、分離されることによって、引き続いて起こる副反応が抑えられることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
上記の例等では、図1(a)に示すようにY字状の微小流路(8)に原材料を溶かした有機相(2)と水相(1)を導入し、Y字の合流部で形成される有機相(2)と水相(1)の流体境界(3)で反応や抽出を行なっている。一般的に、マイクロスケールの流路内ではレイノルズ数が1より小さいケースがほとんどであり、よほど流速を大きくしない限りは図1(a)に示すような層流の状態となる。また、拡散時間は微小流路の幅(9)の2乗に比例するので、微小流路の幅(9)を小さくするほど反応液を能動的に混合しなくとも分子の拡散によって混合が進み、反応や抽出が起こりやすくなる。また、一般に反応や抽出は比界面積が大きいほど効率が良い。ここで比界面積とは、相同士が接触することで界面を形成している時の、相の総体積に対する界面の面積比を意味する。反応や抽出において、物質は界面を通してのみ他の相へ移動できるので、比界面積が大きいということは、それだけ反応や抽出の効率が高いことを意味する。また、図2に示すように、微小流路の排出口もY字状にしておけば、比較的容易に水相と有機相を分離することができ、これを利用して抽出/分離操作が行なわれている。
【0004】
以下では、図1(b)を用いて微小流路内の比界面積の計算方法を示す。図1(b)は、図1(a)のY字流路の合一部の一部分を切り出した立体断面図である。微小流路の幅(9)をW[μm]、微小流路の単位長さ(16)をL[μm]、微小流路の深さ(10)をd[μm]とすると、有機相(1)の総体積は、(W/2)×d×L[μm]となる。また、水相と有機相の流体境界(3)の面積は、d×L[μm]となる。従って比界面積は、(d×L)/{(W/2)×d×L}=2×10/W[cm−1]となり、微小流路の長さや深さ(d)に関係なく微小流路の幅(W)だけで決まることが分かる。例えば、微小流路の幅(9)が1000[μm]の比界面積は、20[cm−1]であるのに対して、微小流路の幅(9)が100[μm]の比界面積は、200[cm−1]となる。従って、微小流路の幅(9)を小さくするほど比界面積が大きくなり、反応や抽出の効率が良くなる。
【0005】
しかしながら、通常図1のような場合、反応の進行は主に流体境界(3)で進行するため、前述した図1(a)に示すような層流間での反応や抽出の効率は、逆に言えば拡散時間の短縮と流体境界(3)の比界面積の大きさ、すなわち微小流路の幅(9)で制限されることを意味している(例えば、非特許文献2参照)。すなわち、反応や抽出に使用する微小流路の幅(9)によって拡散時間と流体境界(3)の比界面積が決まってしまい、反応や抽出の効率を微小流路の幅(9)で決定される効率以上に向上させることができない。また、前述したように微小流路の幅(9)を小さくすればさらに拡散時間を短くして比界面積を大きくでき、反応や抽出の効率を向上させることは可能だが、微小流路の幅(9)が小さいほど圧力損失が大きく送液自体が難しくなり現実的でないため微小流路の幅(9)を小さくすることには限界がある。また、能動的に流体境界を崩して混合すれば、生成物や被抽出物質は流路内に均一に分布させることができるので反応や抽出の効率は向上する可能性はあるが、流体は懸濁状になり生成物や被抽出物質が含有している溶媒を分離することが難しい。
【0006】
【非特許文献1】
H.Hisamoto(H.ひさもと)ら著、『Fast and highconversion phase−transfer synthesisexploiting the liquid−liquid interface formed in a microchannel chip』, Chem.Commun., 2662−2663頁, 2001年発行
【非特許文献2】
藤井著、「集積型マイクロリアクターチップ」、ながれ、20巻、99〜105頁、2001年発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、反応に必要な原料を含んだ2種の親媒性の異なる流体あるいは、一方は被抽出物質を含有した溶媒でありもう一方は被抽出物質を抽出する抽出溶媒である2種の親媒性の異なる流体を微小流路に導入し、微小流路内で2種の親媒性の異なる流体を混合して反応及び/又は抽出を行ない、しかる後に、混合した2種の親媒性の異なる流体を分離して排出する微小流路を有した微小流路構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものとして、親媒性の異なる2種の流体を微小流路に導入し、前記親媒性の異なる2種の流体を混合するための微粒子が微小流路内に充填されている混合用微小流路領域と、前記混合用微小流路領域に連通して、混合された前記親媒性の異なる2種の流体を相分離するために流路内の片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なる分離用微小流路領域を有する微小流路構造体により、上記の従来技術による課題を解決することができ、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の微小流路構造体は、親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口及びそれに連通する導入流路と、導入された前記流体を混合しかつ分離するための微小流路と、分離された流体を別々に排出するための2つの排出流路及び排出口と、を有した微小流路構造体であって、前記微小流路には前記親媒性の異なる2種の流体を混合するための微粒子が微小流路に充填されている混合用微小流路領域と、前記混合用微小流路領域に連通しかつ混合された前記親媒性の異なる2種の流体を相分離するための分離用微小流路領域とを有する構造体である。。
【0011】
本発明の微小流路構造体は、親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口及びそれに連通する導入流路と、導入された前記流体を混合しかつ分離するための微小流路と、分離された流体を別々に排出するための2つの排出流路及び排出口とを有しているが、親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口とは、化学反応用原材料を含有する流体や、抽出溶媒、被抽出物質を含む溶媒といった流体を、微小流路構造体へ導入させるための開口部であり、導入される流体はこの導入口よりこれに連通する導入流路を通じて送液される。
【0012】
また、導入された前記流体を混合しかつ分離するための微小流路とは、微小流路構造体へ導入された2種の流体を混合する領域(混合用微小流路流域)と混合後分離する領域(分離用微小流路流域)を有した流路を意味する。流路のサイズとしては、幅500μm以下、深さ300μm以下となる。
【0013】
さらに、本発明の微小流路構造体には、分離された流体を別々に排出するための2つの排出流路及び排出口を備えている。この排出流路は、微小流路中の分離用微小流域で分離された2種の流体を別々に排出できるように微小流路に連通していることが好ましい。
【0014】
本発明において、親媒性の異なる流体とは、親水性の流体と疎水性の流体を意味しており、親水性の流体の例として水やエタノールなどがあげられ、疎水性の流体の例としてブタノール、ヘキサンや酢酸エチル、酢酸ブチルなどがあげられる。
【0015】
本発明においては、上記の親媒性が異なる2種の流体を用いるわけであるが、これら流体にはその目的に応じて種々の物質を含ませておくこととなる。
【0016】
例えば、本発明の微小流路構造体を用いて化学反応を実施させる場合、親媒性が異なる2種の流体に反応に必要な原料を含有させておき、微小流路にて接触、混合させて化学反応を実施させることができる。反応に必要な原料としては、例えば、エチレンジアミンとヨードメタンが挙げられ、エチレンジアミンを親水性の溶媒である水に、ヨードメタンを疎水性の溶媒であるブタノールに溶解させ、これらを微小流路構造体に導入して、接触、混合させてN−メチルエチレンジアミンを効率的に得る反応が実施できる。
【0017】
また、親媒性の異なる2種の流体として、一方に被抽出物質を含有した溶媒を、もう一方に被抽出物質を抽出する抽出溶媒を用いれば、これらを微小流路構造体に導入して、接触、混合させて被抽出物質を抽出溶媒へ効率的に抽出させることができる。例えば、水に溶解させたエチルアミンを、ブタノールに抽出する際に、単に微小流路内で水相とブタノール相を層流にして層流界面で水相からブタノール相にエチルアミンを抽出し分離するよりも、本発明における微小流路構造体の混合用微小流路領域において、水相とブタノール相を懸濁状にして比界面積を微小流路の幅で決定される値以上にすることで抽出効率を上げることができ、さらに分離用微小流域で懸濁状態から再び水相とブタノール相に分離することで、効率的に抽出・分離が可能となる。
【0018】
以上の本発明の微小流路構造体を用いた化学反応の実施、抽出処理は、その目的に応じて用いる材料を適宜選択すれば良い。
【0019】
また、混合するとは、本発明の微小流路構造体中の微小流路において親媒性の異なる2種の流体を任意の攪拌手段を用いて懸濁状にすることを意味する。攪拌手段としては、圧電素子などによる機械的振動を利用した攪拌手段等が利用できるが、微小流路構造体の構造を単純化するためには攪拌機能を実現するための電源等が不要であることが好ましく、また、微小領域を容易に攪拌できることが好ましいことから、本発明の微小流路構造体では、微粒子を微小流路内に充填させ、前記微粒子に流体が接触することにより流体の流れの方向が変化することで攪拌効果を得るものである。なお、この微粒子が微小流路内に充填されている微小流路の領域を、本明細書においては混合用微小流路領域と称する。
【0020】
ここで微粒子とは、微小流路内に充填でき、微小流路のある位置でせき止めることができ、微小流路を塞がない程度の粒子径であれば特に大きさの制限はないが、10μmから100μm程度の粒径をもった大きさの微粒子であることが好ましい。また、微粒子の材質は、スチレンやジビニルベンザンなどの重合体である樹脂製のものや、シリカなどの無機材料などがあり、微小流路に送液する流体と化学反応を起こすことが実質的になければ特に制限はない。
【0021】
また分離するとは、本発明の微小流路構造体中の微小流路において混合された親媒性の異なる2種の流体を微小流路内で2種の流体へと相分離することを意味する。分離手段としては、微小流路内壁の片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なっておれば親媒性の異なる2種の流体がこの微小流路中を送液されるに従って層流を形成し、相分離させることができる。さらに、一方の側が親水性に、もう一方の側が疎水性となっていることが好ましい。このような親水性と疎水性の領域を有した微小流路の領域を本明細書においては分離用微小流路領域と称する。
【0022】
さらに本発明においては、図10に示すように分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)が、混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)よりも小さいことが好ましい。分離用微小流路領域のアスペクト比を小さくする事で、親水性の流体が疎水性の流体を覆うように回り込んだり、逆に疎水性の流体が親水性の流体を覆うように回り込んだりする事を抑える事ができ、親水性の流体と疎水性の流体を安定した層流にして相分離する事ができる。ここで、アスペクト比の値は、相対的に分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比が混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比よりも小さければ特に限定されないが、分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比が0.4より小さく、さらには0.2より小さい事がより好ましい。また、混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比と分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比を変化させるための微小流路の形状の例としては、流路のサイズが前述したように幅500μm以下、深さ300μmの範囲内で、以下図10(a)に示すように微小流路の深さは全て一定にして、混合用微小流路領域の流路幅よりも分離用微小流路領域の流路幅を広くした形状としても良いし、図10(b)に示すように微小流路の幅は全て一定にして、混合用微小流路領域の流路深さよりも分離用微小流路領域の流路深さを浅くした形状としても良く、また、流路の幅と深さの両方を変えてアスペクト比を変えても良い。
【0023】
以下、本発明を図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0024】
本発明は、以上の構成を有した微小流路構造体であるが、図3により、親媒性の異なる2種の流体を攪拌し懸濁状にすることで層流界面が崩れ、微小流路の幅で決定される以上の拡散時間の短縮と流体境界の比界面積の大きさを得ることができ、微小流路内における反応効率や抽出効率を微小流路の幅で決定される効率以上に向上させることができることを説明する。
【0025】
一般に、親媒性の異なる2種の流体を攪拌し懸濁状にすると、どちらかの流体が様々な大きさの微小液滴となる。その微小液滴のサイズは、一般的に直径が微小流路の幅あるいは深さよりも小さい。例えば、幅が100μm、深さが50μmの微小流路で生成される微小液滴の大きさは、微小液滴が完全球体であると仮定するとその直径は少なくとも100μmより小さい。図3に示すように球状の微小液滴の直径(5)をD[μm]とすると、微小液滴(4)の総体積は(4π/3)×(D/2)[μm]となる。また、微小液滴(4)の表面積は、4π×(D/2)[μm]となる。従って、微小液滴(4)とその周囲の媒体との比界面積は、{4π×(D/2)}/{(4π/3)×(D/2)}=6×10/D[cm−1]となる。一方、図1に示したように微小流路(8)に形成された流体境界(3)の比界面積は、2×10/W[cm−1]である。一般に、微小流路(8)により形成される微小液滴の直径(5)Dは、微小流路の幅(9)Wよりも小さいので、D<Wであることから、微小流路(8)で微小液滴(4)を生成すればその比界面積は、単に微小流路(8)で形成される流体境界(3)の比界面積よりも大きくなり、かつ微小液滴(4)と周囲の溶媒との拡散時間も、微小流路(8)で単に層流を形成させたときの拡散時間よりも短くなる。従って、微小流路の幅(9)で決定される以上の拡散時間の短縮と流体境界の比界面積の大きさを得ることができ、微小流路(8)における反応効率や拡散効率を微小流路の幅(9)で決定される効率以上に向上することができる。
【0026】
ここで、本発明の微小流路構造体における混合用微小流路領域の微粒子を充填した構造の幾つかの形態の概念図を図4および図5に示す。なお、本発明は、これらの例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
【0027】
図4は、微小流路(8)の一部に突起(18)を形成して流路の底面(13)に段差を付けることで微粒子(14)をせき止める構造にした例を示す概念図であり、微小流路を側面から見た図である。突起の高さは充填する微粒子(14)の粒子径に合わせて、微粒子(14)をせき止めることができかつ流体を流すことができる程度の高さに設計すれば良く特に制限はない。また突起(18)は流路の底面(13)に形成する以外に、流路の上面あるいは流路の側面に形成しても良い。
【0028】
図5は、微小流路(8)の一部を、微粒子(14)が通らない程度の流路幅の狭い微小流路(15)を形成した例を示す概念図であり、微小流路を上面から見た図である。流路幅の狭い微小流路(15)の幅は、微粒子(14)の粒子径に合わせて、微粒子(14)をせき止めることができかつ流体を流すことができる程度の幅に設計すれば良く特に制限はない。また、流路幅の狭い微小流路(15)は1本だけでも複数本設置しても良く特に制限はない。
【0029】
また本発明は、前述した混合用微小流路領域に連通して、混合された2種の親媒性の流体を相分離するために微小流路内の片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なる領域を有しており、この領域を本発明では、分離用微小流路領域と称する。すなわち、分離用微小流路領域の微小流路は、流体の流れる方向に対して片側の壁面が親水性であり、もう一方の側の壁面が疎水性になっている。このようにすることで、親媒性の異なる流体のうち、親水性の流体は壁面が親水性の側に引き寄せられ、疎水性の流体は壁面が疎水性の側に引き寄せられるので、分離用微小流路領域では、2種の親媒性の流体が層流を形成するため、相分離することができる。
【0030】
このような微小流路内の片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なる分離用微小流路領域を形成する方法の一例を図6に示す。図6は、微小流路構造体を構成する基板がガラスなどの親水性の基板である場合の例である。図6に示すように微小流路構造体(19)の2つの流体を排出する排出口(12)のうち、一方の排出口(12)からは流路壁面を疎水性に修飾する流体(21)を導入し、もう一方の排出口(12)からは、水やエタノールなどの親水性の流体を導入すればよい。流路壁面を疎水性に修飾する流体(21)としては、例えばオクタデシルシランやシリコンオイル、フッ素置換炭化水素などがある。このようにすることで、微小流路の特性から、分離用微小流路領域では流路壁面を疎水性に修飾する流体(21)と親水性の流体が層流を形成して流れるので、分離用微小流路領域の微小流路内壁のうち、流路壁面(8)を疎水性に修飾する流体(21)が流れた側のみが疎水性に修飾される。微小流路構造体(19)を構成する基板が樹脂などの疎水性の基板である場合は、一方の排出口(12)からは流路壁面を親水性に修飾する流体を導入し、もう一方の排出口からは、ヘキサンや酢酸エチル、酢酸ブチルなどの疎水性の流体を導入すればよい。流路壁面を親水性に修飾する流体としては、例えば水酸基やカルボキシル基、アミノ基、スルホン基などの官能基を有する誘導体やテトラエトキシシランなどのシランカップリング剤を含んだ水溶液などがある。このようにすることで、微小流路の特性から、分離用微小流路領域では流路壁面を親水性に修飾する流体と疎水性の流体が層流を形成して流れるので、分離用微小流路領域の微小流路内壁のうち、流路壁面を親水性に修飾する流体が流れた側のみが親水性に修飾される。なお、テトラエトキシシランで親水処理する場合は、送液後に焼成処理することで所定の微流路内壁が親水処理される。
【0031】
また一般に、流体を導入する微小なマイクロポンプなどの流体導入手段を微小流路構造体自体に備えていても良いが、微小流路構造体の構造をより単純にして構成しやすくするためには、流体導入手段は外部に備えた方が好ましい。すなわち、本発明の微小流路構造体は、2種の親媒性の異なる流体を導入するための1つ以上の導入口と前記導入口に連通する導入流路と、導入された前記2種の親媒性の異なる流体を流す微小流路と、前記2種の親媒性の異なる流体を別々に排出する2つの排出口と前記排出口に連通する排出流路を有し、前記微小流路が前記導入流路と前記排出流路に連通している微小流路構造体であることが好ましい。このような構造にすることで、微小流路構造体の外部に設置したシリンジポンプなどから導入口に流体を容易に導入することができ、相分離した流体を別々の排出口から取出すことができる。なお、本発明の微小流路構造体は、基板に微小流路を形成したあと、導入口と排出口に相当する位置に貫通口を開けた、基板と同サイズのカバー体を積層することで微小流路を密閉する構造の微小流路構造体であっても良い。なお、混合用微小流路領域と分離用微小流路領域における流路の長さには特に制限はなく、それぞれの反応系や抽出系の反応時間や抽出時間に合わせて流路長を設定すれば良い。
【0032】
以上のような微小流路を有する微小流路基板は、例えばガラスや石英、セラミック、シリコン、あるいは金属や樹脂等の基板材料を、機械加工やレーザー加工、エッチングなどにより直接加工することによって製作できる。また、基板材料がセラミックや樹脂の場合は、流路形状を有する金属等の鋳型を用いて成形することで製作することもできる。なお一般的に、前記微小流路基板は、導入口、排出口に対応する位置に直径数mm程度の小穴を設けたカバー体と積層一体化させた微小流路構造体として使用する。カバー体と微小流路基板の接合方法としては、基板材料がセラミックスや金属の場合は、ハンダ付けや接着剤を用いたり、基板材料がガラスや石英、樹脂の場合は、百度〜千数百度の高温下で荷重をかけて熱接合させたり、基板材料がシリコンの場合は洗浄により表面を活性化させて常温で接合させるなどそれぞれの基板材料に適した接合方法が用いられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
第1の実施例として、図7に示すパイレックス(登録商標)ガラス製の微小流路構造体を製作した。微小流路の形状は導入口側と排出口側がY字状に2本の微小流路に分岐している微小流路を用いた。形成した微小流路は長さ30mmで流路幅200μmとし、流路深さは2つの導入流路が合一する位置から微小流路の中央17mmまでの混合用微小流路領域の流路深さを90μmとし(アスペクト比は0.45)、2つの排出流路に分岐する位置から微小流路の中央13mmまでの分離用微小流路領域の流路深さを40μmとした(アスペクト比は0.2)。また、2つの導入流路が合一する位置から15mmの位置に、微小流路の底から高さ50μmの突起を形成し、図4に示すように導入口から突起の位置まで粒径45μmのポリスチレン製の微粒子を充填した。流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成し、2つの導入口(11)と2つ排出口(12)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(25)を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体(24)として熱融着により接合することで微小流路(8)を密閉した。また、図6に示すような方法により、微小流路構造体(19)の2つの流体を排出する排出口(12)のうち、一方の排出口(12)からはオクタデシルシランを送液速度1μL/分で導入し、もう一方の排出口(12)からは水を送液速度1μL/分で導入し、微小流路分離領域において層流を形成するように3時間送液し、2つの排出流路に分岐する位置から15mmの微小流路(8)の片側壁面をオクタデシルシランをコートし疎水処理することで分離用微小流路領域を形成した。
【0034】
この微小流路構造体(19)を用いて、エチレンジアミンのヨードメタンによるメチル化反応を行なった。一方の導入口(11)からエチレンジアミンの水溶液の水相を送液速度5μL/分で送液し、もう一方の導入口(11)からヨードメタンのブタノール溶液の有機相を送液速度5μL/分で送液した。この反応系は、エチレンジアミンがヨードメタンと反応し、N−メチルエチレンジアミンが合成され水相に抽出される反応系である。導入口(11)から各溶液を送液した状態で微小流路(8)を顕微鏡で観察したところ、混合用微小流路領域では攪拌により懸濁状となり水相と有機相の流体境界(3)は観察されなかったが、分離用微小流路領域において排出流路に向かって次第に層流が形成され、排出口側の分岐部で水相と有機相を分離して排出することができた。排出口(12)から排出された水相を試験管で回収し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、エチレンジアミンとN−メチルエチレンジアミンの量比が約90:10で確認され、この反応におけるN−メチルエチレンジアミンの転換率は約10%程度であった。
(実施例2)
第2の実施例として、実施例1と同じ微小流路構造体を用いて、水相に溶解させた1mol/Lのエチルアミンをブタノール相に抽出させた。なお、この抽出系の平衡におけるエチルアミンの水相とブタノール相の分配係数は、約1:1であり、十分に抽出平衡に達すると、水相には約0.5mol/Lのエチルアミンが残留し、ブタノール相には約0.5mol/Lのエチルアミンが抽出される。
【0035】
図7に示した微小流路構造体(19)の一方の導入口(11)から1mol/Lエチルアミンの水相を送液速度10μL/分で送液し、もう一方の導入口(11)からブタノール相を送液速度10μL/分で送液した。導入口(11)から各溶液を送液した状態で微小流路(8)を顕微鏡で観察したところ、混合用微小流路領域では攪拌により懸濁状となり水相とブタノール相の流体境界(3)は観察されなかったが、分離用微小流路領域において排出流路に向かって次第に層流が形成され、排出口側の分岐部で水相とブタノール相を分離して排出することができた。排出口(12)から排出された水相とブタノール相を試験管で回収し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、水相からは0.7mol/Lのエチルアミンが確認され、ブタノール相からは0.3mol/Lのエチルアミンが確認された。
(実施例3)
第3の実施例として、図8に示すポリエーテルイミド製の微小流路構造体(19)を製作した。微小流路(8)の形状は導入口側と排出口側がY字状に2本の微小流路に分岐している微小流路(8)を用いた。形成した微小流路は長さ30mmで流路幅200μmとし、流路深さは2つの導入流路が合一する位置から微小流路の中央17mmまでの混合用微小流路領域の流路深さを90μmとし(アスペクト比は0.45)、2つの排出流路に分岐する位置から微小流路の中央13mmまでの分離用微小流路領域の流路深さを40μmとした(アスペクト比は0.2)。2つの導入流路が合一する位置から15mmの位置に、30μmの幅の微小流路を100μmの長さで3本形成し、図5に示すように導入口から狭い幅の微小流路の位置まで粒径45μmのポリスチレン製の微粒子を充填した。
【0036】
微小流路基板は図9に示した手順に従って製作した。ます、一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングによりガラス原盤(26)に形成した後、このガラス原盤(26)にNi(30)をスパッタおよび電鋳して板状になったNi電鋳層をガラス原盤(26)から剥離してスタンパ(31)を製作した。次にこのスタンパ(31)を用いて、ポリエーテルイミド基板に射出成形することにより流路を転写し、直径130mm×1mm(厚さ)のポリエーテルイミド製の微小流路基板(17)を作製した。この微小流路基板(17)には、図9に示すように4本の微小流路(8)を放射状に配置した。またこの微小流路基板(17)の8つの導入口(11)と8つの排出口(12)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(25)を機械的加工手段により設けた同形状のポリエーテルイミド基板をカバー体(24)としてこの微小流路基板(17)に熱融着することにより接合することで微小流路(8)を密閉した。
【0037】
また、図6に示すような方法により、微小流路構造体(19)の2つの流体を排出する排出口(12)のうち、一方の排出口(12)からはテトラエトキシシラン(20g)とメタノール(20g)および水(20g)を混合した液体を送液速度1μL/分で導入し、もう一方の排出口(12)からは酢酸ブチルを送液速度1μL/分で導入し、微小流路分離領域において層流を形成するように3時間送液し乾燥させた後、この微小流路構造体(19)を110℃の炉の中に5時間入れ、微小流路内部を焼成した。これにより、流路内壁にコートされたテトラテトラエトキシシランが加水分解されガラス質に改質し親水性となり、2つの排出流路に分岐する位置から15mmの微小流路の片側壁面が親水処理され分離用微小流路領域を形成することができた。
【0038】
この微小流路構造体(19)のうち1本の微小流路(8)を用いて、エチレンジアミンのヨードメタンによるメチル化反応を行なった。一方の導入口(11)からエチレンジアミンの水溶液の水相を送液速度5μL/分で送液し、もう一方の導入口(11)からヨードメタンのブタノール溶液の有機相を送液速度5μL/分で送液した。この反応系は、エチレンジアミンがヨードメタンと反応し、N−メチルエチレンジアミンが合成され水相に抽出される反応系である。導入口から各溶液を送液した状態で微小流路(8)を顕微鏡で観察したところ、混合用微小流路領域では攪拌により懸濁状となり水相と有機相の流体境界(3)は観察されなかったが、分離用微小流路領域において排出流路(12)に向かって次第に層流が形成され、排出口側の分岐部で水相と有機相を分離して排出することができた。排出口(12)から排出された水相を試験管で回収し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、エチレンジアミンとN−メチルエチレンジアミンの量比が約90:10で確認され、この反応におけるN−メチルエチレンジアミンの転換率は約10%程度であった。
(比較例1)
実施例1の比較例として、図2に示すような単純なダブルY字状の微小流路構造体(19)を製作した。形成した微小流路の幅は200μm、深さは90μm、長さ30mmである。微小流路(8)は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成し、2つの導入口(11)と2つの排出口(12)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(25)を機械的加工手段により設けた、同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー(24)として熱融着により接合することで微小流路(8)を密閉した。
【0039】
この微小流路構造体(19)を用いて、エチレンジアミンのヨードメタンによるメチル化反応を行なった。一方の導入口からエチレンジアミンの水溶液の水相を送液速度5μL/分で送液し、もう一方の導入口からヨードメタンのブタノール溶液の有機相を送液速度5μL/分で送液した。導入口(11)から各溶液を送液した状態で微小流路を顕微鏡で観察したところ、水相と有機相の流体境界(3)が観察され、排出口側の分岐点で、水相と有機相を分離して排出することができた。また、排出口(12)から排出された水相を試験管で回収し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、エチレンジアミンとN−メチルエチレンジアミンの量比が約93:7で確認され、この反応におけるN−メチルエチレンジアミンの転換率は約7%程度であり、実施例1の転換率よりも低かった。
(比較例2)
実施例2の比較例として、比較例1と同様に図2に示すような単純なダブルY字状の微小流路構造体(19)を製作した。形成した微小流路の幅は200μm、深さは90μm、長さ30mmである。微小流路(8)は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成し、2つの導入口(11)と2つの排出口(12)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(25)を機械的加工手段により設けた、同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー(24)として熱融着により接合することで微小流路(8)を密閉した。
この微小流路構造体(19)を用いて、水相に溶解させた1mol/Lのエチルアミンをブタノール相に抽出させた。微小流路構造体(19)の一方の導入口(11)から1mol/Lエチルアミンの水相を送液速度10μL/分で送液し、もう一方の導入口(11)からブタノール相を送液速度10μL/分で送液した。導入口(11)から各溶液を送液した状態で微小流路(8)を顕微鏡で観察したところ、水相とブタノール相の流体境界(3)が観察された。水相を導入した導入口と同じ側にある排出口からは、水相にブタノール相が混入して排出され、ブタノール相を導入した導入口と同じ側にある排出口からは、ブタノール相に水相が混入して排出され、水相とブタノール相を分離して排出することができなかった。排出口(12)から排出された水相とブタノール相を試験管で回収し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析したところ、水相からは0.8mol/Lのエチルアミンが確認され、ブタノール相からは0.2mol/Lのエチルアミンが確認され、実施例2の抽出効率よりも低かった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
1)本発明の微小流路構造体は、親媒性の異なる2種の流体を微小流路に導入し、前記親媒性の異なる2種の流体を混合するための微粒子が微小流路内に充填されている混合用微小流路領域と、前記混合用微小流路領域に連通して、混合された前記親媒性の異なる2種の流体を相分離するために流路内の片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なる分離用微小流路領域を有する微小流路構造体とすることで、前記混合用微小流路領域において、親媒性の異なる2種の流体を攪拌し懸濁状にすることで層流界面が崩れ、微小流路の幅で決定される以上の拡散時間の短縮と流体境界の比界面積の大きさを得ることができ、微小流路内における反応効率や抽出効率を微小流路の幅で決定される効率以上に向上させることができ、しかる後に前記混合用微小流路領域に連通している前記分離用微小流路領域において、親媒性の異なる流体のうち、親水性の流体は壁面が親水性の側に引き寄せられ、疎水性の流体は壁面が疎水性の側に引き寄せられるので、親媒性の異なる2種の流体が層流を形成するため、懸濁した親媒性の異なる2種の流体を相分離することができる。
2)本発明の微小流路構造体は、親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口と前記導入口に連通する導入流路と、導入された前記親媒性の異なる2種の流体を流す微小流路と、前記親媒性の異なる2種の流体を別々に排出する2つの排出口と前記排出口に連通する排出流路を有し、前記微小流路が前記導入流路と前記排出流路に連通している微小流路構造体とすることで、微小流路構造体の外部に設置したシリンジポンプなどから流体導入口に流体を容易に導入することができ、微小流路構造体の構造がより単純で構成しやすくなる。
3)本発明の微小流路構造体は、分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)を混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)よりも小さくすることで、親水性の流体が疎水性の流体を覆うように回り込んだり、逆に疎水性の流体が親水性の流体を覆うように回り込んだりするのを抑えることができ、親水性の流体と疎水性の流体を安定した層流にして相分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Y字状微小流路内における層流を示す概念図である。
【図2】ダブルY字状微小流路内における層流を示す概念図である。
【図3】微小流路内での微小液滴を示す概念図である。
【図4】微小流路の底面から突起を形成し微粒子をせき止めた例を示す概念図である。
【図5】微小流路の一部を流路幅の狭い微小流路にして微粒子をせき止めた例を示す概念図である。
【図6】分離用微小流路を作成する方法の一例を示す概念図である。
【図7】実施例1に用いた微小流路構造体である。図7中、A−A’、B−B’で示される部分は、それぞれ流路の断面部分を拡大したものである。
【図8】実施例2に用いた微小流路構造体である。
【図9】実施例2の微小流路構造体を形成する微小流路基板の制作方法を説明する図である。
【図10】分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)と混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)を示す図である。図10中、C−C’、D−D’、E−E’で示される部分は、それぞれ流路の断面部分を拡大したものである。
【符号の説明】
1:水相
2:有機相
3:流体境界
4:微小液滴
5:微小液滴の直径
6:疎水性の流体
7:親水性の流体
8:微小流路
9:微小流路の幅
10:微小流路の深さ
11:導入口
12:排出口
13:底面
14:微粒子
15:流路幅の狭い微小流路
16:微小流路の単位長さ
17:微小流路基板
18:突起
19:微小流路構造体
20:送液ポンプ
21:疎水性に修飾する流体
22:親水性の流体
23:廃液
24:カバー体
25:小穴
26:ガラス原盤
27:金属マスク
28:フォトレジスト
29:露光
30:Ni
31:スタンパ
32:ポリエーテルイミド
33:微小流路ガ刻まれたガラス原盤
34:上面
35:混合用微小流路領域
36:分離用微小流路領域

Claims (6)

  1. 親媒性の異なる2種の流体を導入するための1つ以上の導入口及びそれに連通する導入流路と、導入された前記流体を混合しかつ分離するための微小流路と、分離された流体を別々に排出するための2つの排出流路及び排出口と、を有した微小流路構造体であって、前記微小流路には前記親媒性の異なる2種の流体を混合するための微粒子が微小流路に充填されている混合用微小流路領域と、前記混合用微小流路領域に連通しかつ混合された前記親媒性の異なる2種の流体を相分離するための分離用微小流路領域とを有することを特徴とする微小流路構造体。
  2. 前記分離用微小流路領域には、微粒子をせきとめるための流路構造を備えていることを特徴とする請求項1記載の微小流路構造体。
  3. 前記分離用微小流路領域の微小流路内壁では片側内壁の親媒性ともう一方の片側内壁の親媒性が異なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小流路構造体。
  4. 前記排出流路が、微小流路中の分離用微小流域で分離された2種の流体を別々に排出できるように微小流路に連通していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微小流路構造体。
  5. 2種の流体が疎水性媒体と親水性流体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微小流路構造体。
  6. 前記分離用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)が、前記混合用微小流路領域の流路断面のアスペクト比(流路の深さ/幅の比)よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微小流路構造体。
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