JP2009005307A - デジタル受信装置およびデジタル受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模の回路で、処理遅延が生じたデジタル信号に同期するカウント値により、処理遅延が生じる前のデジタル信号に同期したカウント値を得る。
【解決手段】同期元カウンタ111は、所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、フレームスタート信号を出力する。カウンタ差分生成回路122は、遅延回路105により遅延されたフレームスタート信号と、同期先カウンタ121により復調信号に同期してカウントされた同期先カウント値とに基づいて、同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成する。同期元カウンタ111は、その差分値に基づいて同期元カウント値を補正する。本発明は、例えば、テレビジョン受像機に適用することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、デジタル受信装置およびデジタル受信方法に関し、特に、小規模の回路で、処理遅延が生じたデジタル信号に同期するカウント値により、処理遅延が生じる前のデジタル信号に同期したカウント値を得ることができるようにしたデジタル受信装置およびデジタル受信方法に関する。
放送通信分野では、固定系列である既知シンボルを送信データに挿入する伝送方式が多く用いられている。この伝送方式では、受信側が、その既知シンボルを利用して、同期を捕捉する。
また、例えば、この伝送方式が用いられた現行のBS(Broadcast Satellite)デジタル衛星放送では、送信データがフレームを単位として構成され、受信側において、既知シンボルとして規定されているバースト信号を捨てる処理や、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)情報を抽出してデコートする処理などを行う必要がある。
そして、これらの処理を行うためには、既知シンボルとして規定されている、フレーム同期信号w1やw2、バースト信号などの位置を復調装置内の各ブロックで正確に認識する必要がある。さらに、より高性能な復調を実現するためには、送信データのフレーム構成を利用することが必要不可欠である。
ところで、既知シンボルの位置を認識するためには、フレームの先頭位置を知る必要があるため、受信側ではフレーム同期を行う。このフレーム同期を行う時期は、受信側のシステムに依存する。例えば、受信側のシステムが、BSデジタル衛星放送のシステムである場合、スーパーフレームのフレーム同期においては、キャリアオフセットが存在すると同期を確立することができない。即ち、スーパーフレームのフレーム同期には、搬送波同期のとれた信号が必要である。そのため、フレーム同期を行うフレーム同期部の位置は、図1に示すように、搬送波同期を行う搬送波同期部12の後段側となる。
具体的には、図1のBSデジタル衛星放送の受信側のシステムの復調装置10は、周波数補正回路11、搬送波同期部12、等化処理部13、位相同期部14、およびフレーム同期部15により構成される。
周波数補正回路11には、図示せぬアンテナを介して受信された、BSデジタル衛星放送の放送波のIF(Intermediate Frequency)信号のデジタル信号である受信信号が入力される。周波数補正回路11は、受信信号に、図示せぬBSデジタル衛星放送の送信装置で用いられる搬送波に相当する搬送波相当信号を乗算することにより、受信信号をI成分とQ成分とからなるベースバンドの復調信号に変換する。
また、周波数補正回路11は、復調信号に応じて、BSデジタル衛星放送の送信データの有無を表すフラグを生成する。周波数補正回路11は、復調信号とフラグを搬送波同期部12に供給し、復調信号を等化処理部13に供給する。
さらに、周波数補正回路11には、搬送波同期部12から、搬送波相当信号の、BSデジタル衛星放送の送信装置で用いられる搬送波に対する周波数誤差の推定値が供給される。周波数補正回路11は、搬送波同期部12からの周波数誤差の推定値に基づき、搬送波相当信号の、送信装置で用いられる搬送波に対する周波数誤差を補正する。
搬送波同期部12は、フレーム同期部15から供給されるフレームスタート信号を用いて、既知シンボルの位置を認識する。搬送波同期部12は、その既知シンボルの位置と、周波数補正回路11から供給されるフラグに基づいて、周波数補正回路11から供給される復調信号としてのシンボル系列から、既知シンボルを抽出する。搬送波同期部12は、その既知シンボルを用いて、搬送波相当信号の、BSデジタル衛星放送の送信装置で用いられる搬送波に対する周波数誤差の推定値を求め、周波数補正回路11に供給する。
等化処理部13は、フレーム同期部15から供給されるフレームスタート信号を用いて、既知シンボルの位置を認識する。等化処理部13は、その既知シンボルの位置を用いて、周波数補正回路11から供給される復調信号を対象に等化処理を行い、位相同期部14に供給する。
位相同期部14は、フレーム同期部15から供給されるフレームスタート信号を用いて、既知シンボルの位置を認識する。位相同期部14は、その既知シンボルの位置を用いて、復調信号としてのシンボル系列を構成するシンボルのIQ平面上の信号点の、そのシンボルの本来の信号点に対する位相誤差を推定する。位相同期部14は、その位相誤差の推定値に基づき、等化処理部13からの復調信号としてのシンボル系列を構成するシンボルの位相誤差を補正し、フレーム同期部15に供給する。
なお、位相同期部14により位相誤差が補正された復調信号は、図示せぬ誤り訂正部にも供給され、ビタビ復号、及びリードソロモン復号等の誤り訂正処理(FEC(Forward Error Correction))が施される。そして、その結果得られる復調信号は、図示せぬMPEG(Moving Picture Experts Group)方式のデコーダに供給され、デコードされる。
フレーム同期部15は、位相同期部14から供給される復調信号に基づき、フレーム同期をとり、例えば、フレームの先頭を表すフレームスタート信号を搬送波同期部12、等化処理部13、および位相同期部14に供給する。
以上のように、復調装置10では、搬送波同期部12、等化処理部13、および位相同期部14において既知シンボルの位置を用いて処理が行われるので、後段側に配置されるフレーム同期部15で生成されるフレームスタート信号をフィードバックすることによって、搬送波同期部12、等化処理部13、および位相同期部14に、フレームの先頭位置を正確に知らせる必要がある。
しかしながら、フィードバックされるフレームスタート信号は、周波数補正回路11から等化処理部13と位相同期部14を介して供給される復調信号、即ち、周波数補正回路11から直接供給される復調信号に対して、等化処理部13、位相同期部14、およびフレーム同期部15における処理の時間分遅延された復調信号に基づいて生成されたものである。
従って、フレーム同期部15で生成されるフレームスタート信号に応じて、例えば、搬送波同期部12に供給される復調信号のフレームの先頭位置を正確に知らせるためには、搬送波同期部12に供給される復調信号を、等化処理部13、位相同期部14、およびフレーム同期部15における処理の時間分遅延させる必要がある。
そこで、実際には、図2に示すように、復調装置10において、搬送波同期部12の前段に、遅延回路21乃至23を設けることにより、搬送波同期部12に入力される受信信号を、等化処理部13、位相同期部14、およびフレーム同期部15における処理の時間(以下、従来処理遅延時間という)だけ遅延させている。
即ち、図2の復調装置10においては、遅延回路21が、周波数補正回路11から供給される復調信号のI成分を、従来処理遅延時間だけ遅延させ、遅延後のI成分を搬送波同期部12に供給する。また、遅延回路22は、周波数補正回路11から供給される復調信号のQ成分を、従来処理遅延時間だけ遅延させ、遅延後のQ成分を搬送波同期部12に供給する。さらに、遅延回路22は、周波数補正回路11から供給されるフラグを、従来処理遅延時間だけ遅延させ、遅延後のフラグを搬送波同期部12に供給する。
また、搬送波同期部12は、詳細には、図2に示すように、同期元カウンタ31、既知シンボル抽出回路32、および周波数誤差検出回路33により構成される。
同期元カウンタ31は、フレーム同期部15から供給されるフレームスタート信号に同期して、シンボルをカウントする。これにより、同期元カウンタ31のカウント値が、フレーム同期部15の同期先カウンタ42(後述する)のカウント値に同期する。そして、同期元カウンタ31は、そのカウント値を既知シンボル抽出回路32に供給する。
既知シンボル抽出回路32は、遅延回路21乃至23から供給される復調信号のI成分およびQ成分、並びにフラグと、同期元カウンタ31から供給されるカウント値に基づいて、復調信号から既知シンボルを抽出する。そして、既知シンボル抽出回路32は、抽出した既知シンボルのI成分とQ成分を周波数誤差検出回路33に供給する。
周波数誤差検出回路33は、既知シンボル抽出回路32から供給される既知シンボルのI成分とQ成分を用いることにより、シンボル誤差を求める。周波数誤差検出回路33は、そのシンボル誤差の自己相関和を求め、その自己相関和を用いて、周波数誤差の推定値を求める。そして、周波数誤差検出回路33は、その周波数誤差の推定値を周波数補正回路11に供給する。
また、フレーム同期部15は、詳細には、図2に示すように、フレーム同期処理部41と同期先カウンタ42により構成される。フレーム同期処理部41は、位相同期部14から供給される復調信号に基づいて、フレーム同期をとり、フレーム同期後の復調信号を同期先カウンタ42に供給する。
同期先カウンタ42は、フレーム同期処理部41から供給される復調信号に同期して、シンボルをカウントし、これにより、信頼性の高いカウント値を得る。また、同期先カウンタ42は、カウント値が0であるとき、フレームスタート信号を生成し、搬送波同期部12の同期元カウンタ31にフィードバックする。
なお、図3は、復調装置10のカウント値の同期に関するブロックのみを図示したものである。図3では、等化処理部13、位相同期部14、およびフレーム同期処理部41をまとめて、復調処理群51としている。
以上のように、遅延回路21乃至23は、従来処理遅延時間だけ復調信号とフラグを遅延させるので、フレームスタート信号を用いて、復調処理群51により従来処理遅延時間だけ遅延された復調信号に同期する同期先カウンタ42のカウント値に、同期元カウンタ31のカウント値を同期させることにより、そのカウント値を、遅延回路21乃至23から供給される復調信号とフラグに同期させることができる。
次に、復調装置10における信号のタイミングについて説明する。
なお、ここでは、図4に示すように、1フレームが、4個のシンボルからなる既知シンボルと、16個のシンボルからなる主信号により構成されているものとする。
図5は、復調装置10における信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
なお、図5では、復調処理群51における従来処理遅延時間が、周波数補正回路11から復調信号として5個のシンボルが出力される時間であるものとする。
図5では、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から遅延回路21乃至23に供給される信号B(図2)として、復調信号としての4個のシンボルからなる既知シンボルとフラグが出力される。その後、信号Bとして、復調信号としての16個のシンボルからなる主信号とフラグの出力が開始される。また、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から復調処理群51の等化処理部13に、既知シンボルが出力され、その後、主信号の出力が開始される。
そして、図5に示すように、主信号の先頭のシンボルとフラグの出力が終了した時刻t3において、即ち、信号Bとして既知シンボルを構成する4個のシンボルと、主信号の先頭のシンボルの合計5個のシンボルが出力された時刻t3において、復調処理群51のフレーム同期処理部41から同期先カウンタ42に供給される信号A(図2)として、復調信号としての既知シンボルの出力が開始される。即ち、復調処理群51の処理により、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力されるまでの間、復調信号が遅延される。
時刻t3において、信号Aとしての既知シンボルの出力が開始されると、図5に示すように、同期先カウンタ42は、その信号Aに同期してシンボルのカウントを開始し、信号Aとしてシンボルが供給されるごとに、カウント値を0から順にインクリメントする。また、時刻t3において、同期先カウンタ42のカウント値が0になるので、同期先カウンタ42は、図5に示すように、フレームスタート信号を生成して、同期元カウンタ31にフィードバックする。これにより、同期元カウンタ31は、フレームスタート信号に同期して、時刻t3において、シンボルのカウントを開始する。
一方、遅延回路21乃至23は、復調処理群51による従来処理遅延時間、即ち、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力されるまでの時間、復調信号とフラグを遅延するので、図5に示すように、時刻t3において、遅延回路21乃至23は、遅延回路21乃至23から既知シンボル抽出回路32に供給する信号C(図2)としての、遅延後の既知シンボルとフラグの出力を開始する。
時刻t4において、信号Bとしての主信号とフラグの出力が終了すると、信号Bとしての、次のフレームの既知シンボルとフラグの出力が開始される。そして、以降も、時刻t1から時刻t4までの処理と同様の処理が行われる。なお、同期先カウンタ42は、1フレームを構成するシンボルの数である20回のカウントを終了すると、即ち、カウント値が19になると、カウント値を0に戻し、フレームスタート信号を生成して同期元カウンタ31にフィードバックする。これにより、同期元カウンタ31も、カウント値が19になると、カウント値を0に戻す。
以上のように、復調装置10は、遅延回路21乃至23で復調信号とフラグを遅延させることにより、既知シンボル抽出回路32に信号Cとして入力される復調信号と、同期元カウンタ31のカウント値とを同期させることができる。
ところで、従来、カウンタのカウント値を調整する装置として、データストリーム中に連続するデータバイトごとにカウント値を増加または減少させるカウンタと、1バイトを構成するビット数と1シンボルを構成するビット数との比に基づいて決定される調整値を用いて、所定のデータバイトごとにカウンタのカウント値を増加または減少させて、そのカウント値と、データストリーム中に連続するデータシンボルの数とを一致させる調整手段を備える装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−115272号公報
上述した復調装置10では、遅延回路21乃至23により、一般的に数十ビットのデータである復調信号のI成分およびQ成分、並びに、1ビットのデータであるフラグを遅延させるため、遅延回路21乃至23の回路規模は、比較的大きくなる。従って、小規模の回路で、復調処理群51により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ42のカウント値により、周波数補正回路11から出力される、処理遅延が生じる前の復調信号とフラグに同期したカウント値を、同期元カウンタ31で得ることは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、小規模の回路で、処理遅延が生じたデジタル信号に同期するカウント値により、処理遅延が生じる前のデジタル信号に同期したカウント値を得ることができるようにするものである。
本発明の第1の側面のデジタル受信装置は、デジタル信号を受信するデジタル受信装置において、前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタと、所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力する同期元カウンタと、前記同期元カウンタから出力されるタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、遅延された前記タイミング信号と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成する生成手段とを備え、前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する。
本発明の第1の側面のデジタル受信装置は、前記デジタル信号の復調を行う復調手段をさらに設け、前記同期元カウンタは、前記所定のタイミング信号を、前記復調手段と前記遅延手段に出力することができる。
本発明の第1の側面のデジタル受信方法は、デジタル信号を受信するデジタル受信装置のデジタル受信方法において、前記デジタル信号に同期してカウントし、所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力し、そのタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させ、遅延された前記タイミング信号と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成し、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正するステップを含む。
本発明の第2の側面のデジタル受信装置は、デジタル信号を受信するデジタル受信装置において、前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタと、所定のタイミングでカウントする同期元カウンタと、前記同期元カウンタのカウント値である同期元カウント値を遅延させる遅延手段と、遅延された前記同期元カウント値と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値との差分値を生成する生成手段とを備え、前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する。
本発明の第2の側面のデジタル受信装置は、前記デジタル信号の復調を行う復調手段をさらに設け、前記同期元カウンタは、前記同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を前記復調手段に出力することができる。
本発明の第2の側面のデジタル受信方法は、デジタル信号を受信するデジタル受信装置の受信方法において、前記デジタル信号に同期してカウントし、所定のタイミングでカウントし、前記所定のタイミングでカウントされたカウント値である同期元カウント値を遅延させ、遅延された前記同期元カウント値と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値との差分値を生成し、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正するステップを含む。
本発明の第1の側面においては、デジタル信号に同期してカウントが行われ、所定のタイミングでカウントが行われ、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号が出力され、そのタイミング信号が、所定の遅延時間だけ遅延され、遅延されたタイミング信号と、デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値とに基づいて、同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより遅延時間前の同期元カウント値との差分値が生成され、差分値に基づいて同期元カウント値が補正される。
本発明の第2の側面においては、デジタル信号に同期してカウントが行われ、所定のタイミングでカウントが行われ、所定のタイミングでカウントされたカウント値である同期元カウント値が遅延され、遅延された同期元カウント値と、デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値との差分値が生成され、差分値に基づいて同期元カウント値が補正される。
以上のように、本発明の第1の側面によれば、小規模の回路で、処理遅延が生じたデジタル信号に同期するカウント値により、処理遅延が生じる前のデジタル信号に同期したカウント値を得ることができる。
また、本発明の第2の側面によれば、小規模の回路で、処理遅延が生じたデジタル信号に同期するカウント値により、処理遅延が生じる前のデジタル信号に、より確実に同期したカウント値を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面のデジタル受信装置は、
デジタル信号を受信するデジタル受信装置(例えば、図6の復調装置100)において、
前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタ(例えば、図6の同期先カウンタ121)と、
所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力する同期元カウンタ(例えば、図6の同期元カウンタ111)と、
前記同期元カウンタから出力されるタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させる遅延手段(例えば、図6の遅延回路105)と、
遅延された前記タイミング信号と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成する生成手段(例えば、図6のカウンタ差分生成回路122)と
を備え、
前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する。
本発明の一側面のデジタル受信装置は、
前記デジタル信号の復調を行う復調手段(例えば、図6の等化処理部102)
をさらに備え、
前記同期元カウンタは、前記所定のタイミング信号を、前記復調手段と前記遅延手段に出力する。
本発明の一側面のデジタル受信方法は、
デジタル信号を受信するデジタル受信装置(例えば、図6の復調装置100)のデジタル受信方法において、
前記デジタル信号に同期してカウントし(例えば、図11のステップS31)、
所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力し(例えば、図10のステップS13)、
そのタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させ(例えば、図10のステップS14)、
遅延された前記タイミング信号と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成し(例えば、図11のステップS33)、
前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する(例えば、図10のステップS16)
ステップを含む。
本発明の第2の側面のデジタル受信装置は、
デジタル信号を受信するデジタル受信装置(例えば、図12の復調装置200)において、
前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタ(例えば、図12の同期先カウンタ121)と、
所定のタイミングでカウントする同期元カウンタ(例えば、図12の同期元カウンタ211)と、
前記同期元カウンタのカウント値である同期元カウント値を遅延させる遅延手段(例えば、図12の遅延回路203)と、
遅延された前記同期元カウント値と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値との差分値を生成する生成手段(例えば、図12のカウンタ差分生成回路221)と
を備え、
前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する。
本発明の第2の側面のデジタル受信装置は、
前記デジタル信号の復調を行う復調手段(例えば、図12の等化処理部102)
をさらに備え、
前記同期元カウンタは、前記同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を前記復調手段に出力する。
本発明の第2の側面の受信方法は、
デジタル信号を受信するデジタル受信装置(例えば、図12の復調装置200)のデジタル受信方法において、
前記デジタル信号に同期してカウントし(例えば、図15のステップS71)、
所定のタイミングでカウントし(例えば、図14のステップS51)、
前記所定のタイミングでカウントされたカウント値である同期元カウント値を遅延させ、
遅延された前記同期元カウント値と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値との差分値を生成し(例えば、図15のステップS73)、
前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する(例えば、図14のステップS55)
ステップを含む。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本発明を適用した復調装置の第1の実施の形態の構成例を示している。
図6の復調装置100は、周波数補正回路11、搬送波同期部101、等化処理部102、位相同期部103、フレーム同期部104、および遅延回路105により構成され、図示せぬアンテナを介して受信された、BSデジタル衛星放送の放送波のIF信号のデジタル信号である受信信号を復調する。なお、図6において、図2と同一のものには、同一の符号を付してあり、説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
搬送波同期部101は、同期元カウンタ111、既知シンボル抽出回路112、および周波数誤差検出回路33により構成される。
同期元カウンタ111は、所定のタイミングで、シンボルをカウントし、そのカウント値を既知シンボル抽出回路112に供給する。また、同期元カウンタ111は、後述するフレーム同期部104から供給される、同期先カウンタ121のカウント値と、同期元カウンタ111のカウント値の差分値に基づいて、カウント値を補正する。さらに、同期元カウンタ111は、カウント値が0であるとき、フレームスタート信号を生成して、等化処理部102と遅延回路105に供給する。
既知シンボル抽出回路112には、周波数補正回路11から出力された復調信号のI成分およびQ成分、並びにフラグがそのまま入力される。既知シンボル抽出回路112は、その復調信号のI成分およびQ成分、並びにフラグと、同期元カウンタ111から供給されるカウント値に基づいて、復調信号から既知シンボルを抽出する。そして、既知シンボル抽出回路112は、抽出した既知シンボルのI成分とQ成分を周波数誤差検出回路33に供給する。
等化処理部102は、搬送波同期部101の同期元カウンタ111から供給されるフレームスタート信号を用いて、既知シンボルの位置を認識する。等化処理部102は、その既知シンボルの位置を用いて、周波数補正回路11から供給される復調信号を対象に等化処理を行い、その結果得られる復調信号を位相同期部103に供給する。また、等化処理部102は、同期元カウンタ111から供給されるフレームスタート信号を、等化処理により生じる処理遅延の時間だけ遅延させ、位相同期部103に供給する。これにより、位相同期部103に入力される復調信号とフレームスタート信号が同期する。
位相同期部103は、等化処理部102から供給されるフレームスタート信号を用いて、既知シンボルの位置を認識する。位相同期部103は、その既知シンボルの位置を用いて、復調信号としてのシンボル系列を構成するシンボルのIQ平面上の信号点の、そのシンボルの本来の信号点に対する位相誤差を推定する。位相同期部103は、その位相誤差の推定値に基づき、等化処理部102からの復調信号としてのシンボル系列を構成するシンボルの位相誤差を補正し、フレーム同期部104に供給する。
なお、位相同期部103により位相誤差が補正された復調信号は、図示せぬ誤り訂正部にも供給され、ビタビ復号、及びリードソロモン復号等の誤り訂正処理が施される。そして、その結果得られる復調信号は、図示せぬMPEG方式のデコーダに供給され、デコードされる。
フレーム同期部104は、フレーム同期処理部41、同期先カウンタ121、およびカウンタ差分生成回路122により構成される。
同期先カウンタ121は、フレーム同期処理部41から供給される復調信号に同期して、シンボルをカウントし、これにより、信頼性の高いカウント値を得る。また、同期先カウンタ121は、そのカウント値をカウンタ差分生成回路122に供給する。
カウンタ差分生成回路122には、遅延回路105から、等化処理部102、位相同期部103、およびフレーム同期処理部41により構成される復調処理群131(図7)における処理の時間である処理遅延時間だけ遅延されたフレームスタート信号が入力されるとともに、同期先カウンタ121によりカウントされたカウント値が入力される。
カウンタ差分生成回路122は、フレームスタート信号とカウント値に基づいて、同期先カウンタ121のカウント値と、そのカウント値がカウントされるより処理遅延時間前の同期元カウンタ111のカウント値との差分値を生成する。
具体的には、フレームスタート信号は、同期元カウンタ111のカウント値が0であることを表しているので、カウンタ差分生成回路122は、同期元カウンタ111のカウント値を差分値として生成する。そして、カウンタ差分生成回路122は、その差分値を搬送波同期部101の同期元カウンタ111にフィードバックする。
遅延回路105は、搬送波同期部101の同期元カウンタ111から供給されるフレームスタート信号を、処理遅延時間だけ遅延させる。そして、遅延回路105は、処理遅延後のフレームスタート信号をカウンタ差分生成回路122に供給する。
なお、図7は、復調装置100のカウント値の同期に関するブロックのみを図示したものである。
以上のように、復調装置100では、カウンタ差分生成回路122が、処理遅延時間だけ遅延されたフレームスタート信号に応じて、同期先カウンタ121のカウント値と、そのカウント値がカウントされるより処理遅延時間前の同期元カウンタ111のカウント値との差分値を生成し、同期元カウンタ111が、その差分値に基づいてカウント値を補正するので、同期先カウンタ121のカウント値に、そのカウント値がカウントされるより処理遅延時間前の同期元カウンタ111のカウント値が同期することになる。
即ち、同期元カウンタ111は、復調処理群131により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ121のカウント値よりも、処理遅延時間だけ早いカウント値を、カウントしていることになる。従って、同期元カウンタ111のカウント値は、周波数補正回路11から出力される、処理遅延が生じる前の復調信号とフラグに同期したカウント値となる。
このように、復調装置100では、同期元カウンタ111で生成されるフレームスタート信号を遅延させることにより、復調処理群131により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ121のカウント値により、周波数補正回路11から出力される、処理遅延が生じる前の復調信号とフラグに同期したカウント値を、同期元カウンタ111で得ることができる。
従って、復調装置100では、カウント値を同期させる機構、即ち、遅延回路105、同期元カウンタ111、同期先カウンタ121、およびカウンタ差分生成回路122により構成される機構内で、周波数補正回路11から出力される復調信号とフラグに同期したカウント値を、同期元カウンタ111で得る処理を閉じることができる。
その結果、周波数補正回路11から搬送波同期部12に入力される復調信号とフラグを遅延させる必要がある図2の復調装置10に比べて、復調信号とフラグが遅延されないため、その復調信号とフラグを用いて生成される、周波数補正回路11にフィードバックされる周波数誤差の推定値が遅延されず、復調性能の劣化を防止することができる。
また、フレームスタート信号は1ビットで表すことができるため、そのフレームスタート信号を遅延させる遅延回路105の回路規模は、十数ビットのI成分およびQ成分、並びに1ビットのフラグを遅延させる遅延回路21乃至23(図2)に比べて小さい。従って、従来の復調装置10に比べて、復調装置100の回路規模を削減することができる。
さらに、復調装置100では、フレームスタート信号だけを遅延させればよいので、I成分およびQ成分、並びにフラグの3つの信号を全て遅延させる必要がある従来の復調装置10に比べて、復調装置100の開発段階で、処理遅延時間を変更する際にバグが混入する可能性が低く、復調処理群131の性能によって変化する可能性の高い処理遅延時間のメンテナンスが容易である。
なお、図6では、等化処理部102が、フレームスタート信号を遅延させたが、同期元カウンタ111と位相同期部103の間に遅延回路を設け、その遅延回路が、等化処理部102における処理遅延の時間だけ、フレームスタート信号を遅延させるようにしてもよい。
次に、復調装置100における信号のタイミングについて説明するが、ここでは、図8に示すように、1フレームが、4個のシンボルからなる既知シンボルと、16個のシンボルからなる主信号により構成されているものとする。このことは、後述する図13においても同様である。なお、図8のフレーム構成は、図4のフレーム構成と同一である。
図9は、復調装置100における信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
なお、図9では、復調処理群131における処理遅延時間が、周波数補正回路11から5個のシンボルが出力される時間であるものとする。このことは、後述する図13においても同様である。また、図9において、図5と同一のものには同一の符号を付してある。
図9では、図5の場合と同様に、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から搬送波同期部101に供給される信号B(図6)として、復調信号としての4個のシンボルからなる既知シンボルとフラグが出力される。その後、信号Bとして、復調信号としての16個のシンボルからなる主信号とフラグの出力が開始される。また、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から復調処理群131の等化処理部102に、既知シンボルが出力され、その後、主信号の出力が開始される。
そして、復調処理群131の処理により、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力されるまでの間、復調信号が遅延され、図9に示すように、主信号の先頭から2番目のシンボルとフラグが出力される時刻t3において、復調処理群131のフレーム同期処理部41から同期先カウンタ121に供給される信号A(図6)として、復調信号としての既知シンボルの出力が開始される。
時刻t3において、信号Aとして既知シンボルの出力が開始されると、図9に示すように、同期先カウンタ121は、図5の場合と同様に、その信号Aに同期してシンボルのカウントを開始し、信号Aとしてシンボルが供給されるごとに、カウント値を0から順にインクリメントする。そして、同期先カウンタ121は、カウント値をカウンタ差分生成回路122に供給する。
一方、信号Bの搬送波同期部101への入力に対して、同期元カウンタ111によるカウントの開始が、7個のシンボルが周波数補正回路11から出力される時間だけ遅延している場合、図9に示すように、時刻t1から、7個のシンボルが周波数補正回路11から出力された後の時刻t11において、同期元カウンタ111は、シンボルのカウントを開始し、カウント値を0から順にインクリメントする。また、時刻t11において、同期元カウンタ111のカウント値が0になるので、同期元カウンタ111は、図9に示すように、フレームスタート信号K(図6)を生成して、遅延回路105などに供給する。
遅延回路105は、同期元カウンタ111から供給されるフレームスタート信号を、処理遅延時間だけ遅延させ、図9に示すように、時刻t11から、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力された後の時刻t12において、遅延回路105は、遅延後のフレームスタート信号L(図6)をカウンタ差分生成回路122に供給する。
時刻t12において、遅延回路105からフレームスタート信号Lが供給されると、カウンタ差分生成回路122は、そのときに同期先カウンタ121から供給されるカウント値である「7」を、差分値として同期元カウンタ111にフィードバックする。そして、この差分値に応じて、同期元カウンタ111は、カウント値を差分値「7」だけインクリメントすることにより、カウント値を補正する。従って、図9に示すように、カウント値「5」は、「5」を差分値「7」だけインクリメントした「12」となる。
これにより、時刻t12以降において、図9に示すように、同期元カウンタ111のカウント値は、復調処理群131により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ121のカウント値よりも、「5」だけ早いカウント値、即ち処理遅延時間だけ早いカウント値となる。従って、搬送波同期部101に入力される信号Bと、同期元カウンタ111のカウント値を同期させることができる。
図9に示すように、時刻t4において、信号Bとしての主信号とフラグの出力が終了すると、図5の場合と同様に、信号Bとしての、次のフレームの既知シンボルとフラグの出力が開始される。そして、以降も、時刻t1から時刻t4までの処理と同様の処理が行われる。なお、同期元カウンタ111と同期先カウンタ121は、1フレームを構成するシンボルの数である20回のカウントを終了すると、即ち、カウント値が19になると、カウント値を0に戻す。
次に、図10を参照して、復調装置100による、同期元カウンタ111のカウント値を、信号Bに同期させるカウンタ同期処理について説明する。
ステップS11において、同期元カウンタ111は、所定のタイミングで、シンボルのカウントを開始する。ステップS12において、同期元カウンタ111は、カウント値が0であるかどうかを判定し、カウント値が0ではないと判定した場合、カウント値が0になるまで待機する。
一方、ステップS12で、カウント値が0であると判定された場合、ステップS13において、同期元カウンタ111は、フレームスタート信号を生成して遅延回路105などに出力する。ステップS14において、遅延回路105は、同期元カウンタ111から出力されるフレームスタート信号を、処理遅延時間だけ遅延させる。遅延回路105は、遅延後のフレームスタート信号を、カウンタ差分生成回路122に供給する。
ステップS15において、同期元カウンタ111は、カウンタ差分生成回路122から差分値が供給されたかどうかを判定し、差分値が供給されていないと判定された場合、差分値が供給されるまで待機する。
一方、ステップS15で、カウンタ差分生成回路122から差分値が供給されたと判定された場合、ステップS16において、同期元カウンタ111は、その差分値に基づいて、カウント値を補正する。ステップS17において、同期元カウンタ111は、カウント値が所定の値(図9の例では、19)になったかどうかを判定し、カウント値が所定の値になっていないと判定された場合、カウント値が所定の値になるまで待機する。
一方、ステップS17でカウント値が所定の値になったと判定された場合、ステップS18において、同期元カウンタ111は、カウント値を0にする。ステップS19において、同期元カウンタ111は、処理を終了するかどうか、例えば、復調装置100の電源のオフが指令されたかどうかを判定し、処理を終了しないと判定した場合、処理はステップS13に戻り、上述した処理が繰り返される。
また、ステップS19で処理を終了すると判定された場合、ステップS20において、同期元カウンタ111は、シンボルのカウントを終了し、処理は終了する。
次に、図11を参照して、復調装置100による、差分値を生成する差分値処理を説明する。この差分値処理は、例えば、復調処理群131のフレーム同期処理部41からの復調信号の入力が開始されたとき、開始される。
ステップS31において、同期先カウンタ121は、フレーム同期処理部41から供給される復調信号に同期して、シンボルのカウントを開始する。ステップS32において、カウンタ差分生成回路122は、遅延回路105から遅延時間だけ遅延されたフレームスタート信号が入力されたかどうかを判定する。ステップS32でフレームスタート信号が入力されていないと判定された場合、カウンタ差分生成回路122は、フレームスタート信号が入力されるまで待機する。
一方、ステップS32で、フレームスタート信号が入力されたと判定された場合、ステップS33において、カウンタ差分生成回路122は、そのフレームスタート信号に応じて、同期先カウンタ121から供給されるカウント値を、差分値として同期元カウンタ111に出力する。
ステップS34において、同期先カウンタ121は、処理を終了するかどうか、例えば、復調装置100の電源のオフが指令されたかどうかを判定し、処理を終了しないと判定した場合、処理はステップS32に戻り、上述した処理が繰り返される。
また、ステップS34で処理を終了すると判定された場合、ステップS35において、同期先カウンタ121は、シンボルのカウントを終了し、処理は終了する。
図12は、本発明を適用した復調装置の第2の実施の形態の構成例を示している。
図12の復調装置200は、周波数補正回路11、等化処理部102、位相同期部103、搬送波同期部201、フレーム同期部202、および遅延回路203により構成され、搬送波同期部201におけるカウント値を、処理遅延時間だけ遅延する。なお、図12において、図2や図6と同一のものには、同一の符号を付してあり、説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
搬送波同期部201は、同期元カウンタ211、既知シンボル抽出回路112、および周波数誤差検出回路33により構成される。
同期元カウンタ211は、所定のタイミングで、シンボルをカウントし、そのカウント値を既知シンボル抽出回路112と遅延回路203に供給する。また、同期元カウンタ211は、カウント値が0であるとき、フレームスタート信号を生成して、等化処理部102に供給する。
フレーム同期部202は、フレーム同期処理部41、同期先カウンタ121、およびカウンタ差分生成回路221により構成される。
カウンタ差分生成回路221には、遅延回路203から、処理遅延時間だけ遅延されたカウント値が入力されるとともに、同期先カウンタ121によりカウントされたカウント値が入力される。カウンタ差分生成回路221は、遅延回路203と同期先カウンタ121から入力されるカウント値に基づいて、同期先カウンタ121のカウント値と、そのカウント値がカウントされるより処理遅延時間前の同期元カウンタ211のカウント値との差分値を生成する。そして、カウンタ差分生成回路221は、その差分値を搬送波同期部201の同期元カウンタ211にフィードバックする。
遅延回路203は、搬送波同期部201の同期元カウンタ211から供給されるカウント値を、処理遅延時間だけ遅延させる。そして、遅延回路203は、遅延後のカウント値をカウンタ差分生成回路221に供給する。
以上のように、復調装置200では、遅延回路203が、同期元カウンタ211のカウント値を遅延させるので、カウンタ差分生成回路221は、遅延されたカウント値が入力されるたびに、差分値を求めることができる。従って、同期元カウンタ211は、その差分値に基づいてカウント値を補正することにより、カウント値をインクリメントするたびに、カウント値を補正することができる。
これにより、復調処理群131により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ121のカウント値により、同期元カウンタ211のカウント値を、周波数補正回路11から出力される、処理遅延が生じる前の復調信号とフラグに、より確実に同期させることができる。
なお、遅延回路203は、複数ビットで表されるカウント値を遅延させるので、1ビットで表されるフレームスタート信号を遅延させる遅延回路105(図6)に比べて、遅延回路203の回路規模は大きくなる。
次に、図13を参照して、復調装置200における信号のタイミングについて説明する。
なお、図13において、図5や図9と同一のものには同一の符号を付してある。
図13では、図5や図9の場合と同様に、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から搬送波同期部201に供給される信号B(図12)として、復調信号としての4個のシンボルからなる既知シンボルとフラグが出力される。その後、信号Bとして、復調信号としての16個のシンボルからなる主信号とフラグの出力が開始される。また、図5や図9の場合と同様に、時刻t1から時刻t2までの間、周波数補正回路11から等化処理部102に、既知シンボルが出力され、その後、主信号の出力が開始される。
そして、図9の場合と同様に、復調処理群131の処理により、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力されるまでの間、復調信号が遅延され、図13に示すように、主信号の先頭から2番目のシンボルとフラグが出力される時刻t3において、フレーム同期処理部41から同期先カウンタ121に供給される信号A(図12)として、復調信号としての既知シンボルの出力が開始される。
時刻t3において、信号Aとして既知シンボルの出力が開始されると、図13に示すように、同期先カウンタ121は、図5や図9の場合と同様に、その信号Aに同期してシンボルのカウントを開始し、信号Aとしてシンボルが供給されるごとに、カウント値を0から順にインクリメントする。そして、同期先カウンタ121は、カウント値をカウンタ差分生成回路221に供給する。
一方、図9の場合と同様に、信号Bの搬送波同期部201への入力に対して、同期元カウンタ211によるカウントの開始が、7個のシンボルが周波数補正回路11から出力される時間だけ遅延している場合、図13に示すように、時刻t1から、7個のシンボルが周波数補正回路11から出力された後の時刻t11において、同期元カウンタ211は、シンボルのカウントを開始し、カウント値を0から順にインクリメントする。そして、同期元カウンタ211は、図13に示すように、カウントされたカウント値を、カウント値M(図12)として、順に遅延回路203に供給する。
遅延回路203は、同期元カウンタ211から供給されるカウント値Mを、処理遅延時間だけ遅延させ、図13に示すように、時刻t11から、5個のシンボルが周波数補正回路11から出力された後の時刻t12において、遅延回路203は、遅延後のカウント値N(図12)のカウンタ差分生成回路221への出力を開始する。
時刻t12において、遅延回路203からカウント値Nの出力が開始されると、カウンタ差分生成回路221は、カウント値Nが入力されるたびに、そのカウント値Nと、そのときに同期先カウンタ121から供給されるカウント値との差分値を生成し、その差分値を同期元カウンタ211にフィードバックする。
例えば、時刻t12において、カウンタ差分生成回路221は、遅延回路203から入力されるカウント値Nである「0」と、同期先カウンタ121から供給されるカウント値である「7」との差分値である「7」を生成し、その差分値「7」を同期元カウンタ211にフィードバックする。そして、この差分値に応じて、同期元カウンタ211は、カウント値を差分値「7」だけインクリメントすることにより、カウント値を補正する。従って、図13に示すように、カウント値「5」は、「5」を差分値「7」だけインクリメントした「12」となる。
これにより、時刻t12以降において、図13に示すように、同期元カウンタ211のカウント値は、復調処理群131により処理遅延が生じた復調信号に同期する同期先カウンタ121のカウント値よりも、処理遅延時間だけ早いカウント値となる。従って、搬送波同期部201に入力される信号Bと、同期元カウンタ211のカウント値を同期させることができる。
図13に示すように、時刻t4において、信号Bとしての主信号とフラグの出力が終了すると、図5や図9の場合と同様に、信号Bとしての、次のフレームの既知シンボルとフラグの出力が開始される。そして、以降も、時刻t1から時刻t4までの処理と同様の処理が行われる。なお、同期元カウンタ211と同期先カウンタ121は、1フレームを構成するシンボルの数である20回のカウントを終了すると、カウント値を0に戻す。
次に、図14を参照して、復調装置200によるカウンタ同期処理について説明する。
ステップS51において、同期元カウンタ211は、所定のタイミングで、シンボルのカウントを開始する。ステップS52において、同期元カウンタ211は、カウントしたカウント値を遅延回路203に出力する。ステップS53において、遅延回路203は、同期元カウンタ211から出力されるカウント値を、遅延時間だけ遅延させる。遅延回路203は、遅延後のカウント値を、カウンタ差分生成回路221に供給する。
ステップS54乃至S59の処理は、図10のステップS15乃至S20の処理と同様であるので、説明は省略する。
次に、図15を参照して、復調装置200による差分値処理を説明する。この差分値処理は、例えば、復調処理群131のフレーム同期処理部41からの復調信号の入力が開始されたとき、開始される。
ステップS71において、同期先カウンタ121は、フレーム同期処理部41から供給される復調信号に同期して、シンボルのカウントを開始する。そして、同期先カウンタ121は、カウント値をカウンタ差分生成回路221に供給する。
ステップS72において、カウンタ差分生成回路221は、遅延回路203から遅延時間だけ遅延されたカウント値が入力されたかどうかを判定する。ステップS72でカウント値が入力されていないと判定された場合、カウンタ差分生成回路221は、カウント値が入力されるまで待機する。
一方、ステップS72で、カウント値が入力されたと判定された場合、ステップS73において、カウンタ差分生成回路221は、遅延回路203から入力されたカウント値と、同期先カウンタ121から供給されたカウント値との差分値を生成して、その差分値を同期元カウンタ211に出力する。
ステップS74およびS75の処理は、図11のステップS34およびS35の処理と同様であるので、説明は省略する。
なお、搬送波同期部101(201)に入力される、処理遅延が生じていない信号の数は、3つに限定されず、任意の数でよい。
また、本発明は、デジタル信号を受信する装置、例えば、テレビジョン受像機、チューナ、携帯電話機などに適用することができる。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
BSデジタル衛星放送の復調装置の一例を示すブロック図である。 図1の復調装置の詳細構成例を示すブロック図である。 図2の復調装置のカウント値の同期に関するブロックを示した図である。 フレーム構成の一例を示す図である。 復調装置における信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 本発明を適用した復調装置の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 図6の復調装置のカウント値の同期に関するブロックを示した図である。 フレーム構成の例を示す図である。 図6の復調装置における信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 図6の復調装置によるカウンタ同期処理について説明するフローチャートである。 図6の復調装置による差分値処理について説明するフローチャートである。 本発明を適用した復調装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 図12の復調装置における信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 図12の復調装置によるカウンタ同期処理について説明するフローチャートである。 図12の復調装置による差分値処理について説明するフローチャートである。
符号の説明
13 等化処理部, 14 位相同期部, 100 復調装置, 102 等化処理部, 105 遅延回路, 111 同期元カウンタ, 121 同期先カウンタ, 122 カウンタ差分生成回路, 200 復調装置, 203 遅延回路, 211 同期元カウンタ, 221 カウンタ差分生成回路

Claims (6)

  1. デジタル信号を受信するデジタル受信装置において、
    前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタと、
    所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力する同期元カウンタと、
    前記同期元カウンタから出力されるタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、
    遅延された前記タイミング信号と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成する生成手段と
    を備え、
    前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する
    デジタル受信装置。
  2. 前記デジタル信号の復調を行う復調手段
    をさらに備え、
    前記同期元カウンタは、前記所定のタイミング信号を、前記復調手段と前記遅延手段に出力する
    請求項1に記載のデジタル受信装置。
  3. デジタル信号を受信するデジタル受信装置のデジタル受信方法において、
    前記デジタル信号に同期してカウントし、
    所定のタイミングでカウントし、そのカウント値である同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を出力し、
    そのタイミング信号を、所定の遅延時間だけ遅延させ、
    遅延された前記タイミング信号と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値とに基づいて、前記同期先カウント値と、その同期先カウント値がカウントされるより前記遅延時間前の同期元カウント値との差分値を生成し、
    前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する
    ステップを含むデジタル受信方法。
  4. デジタル信号を受信するデジタル受信装置において、
    前記デジタル信号に同期してカウントする同期先カウンタと、
    所定のタイミングでカウントする同期元カウンタと、
    前記同期元カウンタのカウント値である同期元カウント値を遅延させる遅延手段と、
    遅延された前記同期元カウント値と、前記同期先カウンタのカウント値である同期先カウント値との差分値を生成する生成手段と
    を備え、
    前記同期元カウンタは、前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する
    デジタル受信装置。
  5. 前記デジタル信号の復調を行う復調手段
    をさらに備え、
    前記同期元カウンタは、前記同期元カウント値が所定の値になったとき、所定のタイミング信号を前記復調手段に出力する
    請求項3に記載のデジタル受信装置。
  6. デジタル信号を受信するデジタル受信装置のデジタル受信方法において、
    前記デジタル信号に同期してカウントし、
    所定のタイミングでカウントし、
    前記所定のタイミングでカウントされたカウント値である同期元カウント値を遅延させ、
    遅延された前記同期元カウント値と、前記デジタル信号に同期してカウントされたカウント値である同期先カウント値との差分値を生成し、
    前記差分値に基づいて前記同期元カウント値を補正する
    ステップを含むデジタル受信方法。
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