JP2009005183A - 経路決定方法、通信装置およびアドホックネットワーク - Google Patents
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Abstract
【課題】IP層とデータリンク層の間で連携して、パケット転送経路を決定する経路決定方法を得ること。
【解決手段】本発明は、ソフトウェア無線機を複数備えた通信装置により構成された無線アドホックネットワークにおいて、各通信装置が個別にパケット転送経路を決定する場合の経路決定方法であって、他の通信装置から、隣接する通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、他の通信装置が備えているソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報およびパケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、を取得する情報取得ステップと、取得した情報に基づいて、パケットを転送する際に使用する無線リンクおよびパケット転送経路を決定する転送経路決定ステップと、を含んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、ソフトウェア無線機を複数備えた通信装置により構成された無線アドホックネットワークにおいて、各通信装置が個別にパケット転送経路を決定する場合の経路決定方法であって、他の通信装置から、隣接する通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、他の通信装置が備えているソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報およびパケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、を取得する情報取得ステップと、取得した情報に基づいて、パケットを転送する際に使用する無線リンクおよびパケット転送経路を決定する転送経路決定ステップと、を含んでいる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ソフトウェア無線技術を利用する通信装置が構成するアドホックネットワークにおいて、データリンク層レベルのネットワークトポロジと、IP層レベルのパケット転送経路を両方変更することで、より多くの通信トラヒックを無線アドホックネットワーク上に収容可能とするマルチレイヤトラヒックエンジニアリング技術に関する。
アドホックネットワークにおいて、パケット転送に使用するルートを決定方法として、たとえば下記非特許文献1に記載の技術が存在する。下記非特許文献1に記載の技術では、データリンク層レベルのトポロジが予め与えられている前提で、IPパケットの転送経路を決定する。
また、下記特許文献1では、データリンク層として光ネットワークを用いるGMPLSネットワークにおいて、パケットLSP(以下、E-LSPと記す)と光LSP(以下、O-LSPと記す)の設定を、IP層とデータリンク層の間で連携して行う技術が開示されている。この技術では、O-LSPでの輻輳検出をトリガとして、E-LSPの経路変更、新規O-LSPの設定によるE-LSPの収容、既設O-LSPを削除して新規O-LSPを設定しE-LSPの経路再設定を行う方法が示されている。具体的な手段として、以下を挙げている。
(1)使用帯域が最も太いまたはホップ数が最も多いまたは経路コストが最も高いE−LSPが構成されたO−LSPを1ホップで新規に構成できるか否かを判定し構成可能であれば当該O−LSPを新規に構成する。
(2)仮想的に複数回のO−LSPのリアレンジを行い、この複数回のリアレンジ結果の中から経路コストの最も小さいO−LSPのリアレンジを実際に実行する。
(3)使用率が閾値以下のO−LSPについては、当該O−LSPに構成されたE−LSPが他のO−LSPに既に振り替え済みであり、当該O−LSPを開放した場合でも全ルータの接続が確保されており、当該O−LSPを開放した場合でも他のO−LSPに輻輳が発生しないことが確認された場合には当該O−LSPの開放を実行する。
(4)新規のE−LSPの構成要求については既設のO−LSPに構成不可の場合に限り新規のO−LSPを作成する。
(5)新規のE−LSPの構成要求に対して1ホップの既設O−LSPに当該E−LSPが収容可能であるか否かを判定し収容可能であれば収容し、当該1ホップの既設O−LSPに収容不可であれば所定ホップ数以内の既設O−LSPに当該E−LSPが収容可能であるか否か判定し収容可能であれば収容し、当該所定ホップ数以内の既設O−LSPに収容不可であれば新設の1ホップのO−LSPを構成できるか否かを判定し構成可能であれば当該E−LSPを当該新設O−LSPに収容する。
(6)新規のE−LSPの構成要求に対して1ホップの既設O−LSPに当該E−LSPが収容可能であるか否かを判定し収容可能であれば収容し、当該1ホップの既設O−LSPに収容不可であれば新設の1ホップのO−LSPを構成できるか否かを判定し構成可能であれば当該E−LSPを当該新設O−LSPに収容し、当該新設O−LSPが構成不可であれば所定ホップ数以内の既設O−LSPに当該E−LSPが収容可能であるか否か判定し収容可能であれば収容する。
(7)新規のE−LSPの構成要求に対して1ホップの当該E−LSPを収容する新設のO−LSPが構成可能か否か判定し構成可能であれば当該O−LSPを新設して収容し、構成不可であれば既設の1ホップのO−LSPに当該E−LSPを収容可能か否かを判定して収容可能であれば当該E−LSPを当該既設O−LSPに収容し、当該既設O−LSPに収容不可であれば所定ホップ数以内の既設O−LSPに当該E−LSPが収容可能であるか否かを判定し収容可能であれば収容する。
(8)新規のE−LSPの構成要求に対して所定ホップ数以内の新設O−LSPを1本構成することにより当該E−LSPが収容可能であるか否かを判定し収容可能であれば当該E−LSPを当該新設O−LSPに収容し、この際、複数の当該新設O−LSPの候補が存在する場合には当該候補の中から当該E−LSP収容後の経路コストが最も小さいものを選択し、1本の新設O−LSPに当該E−LSPが収容不可であれば所定ホップ数以内のM本の新設O−LSPを構成できるか否かを判定し構成可能であれば当該M本の新設O−LSPに分散して当該E−LSPを収容する。
ここで、アドホックネットワークを構成する通信ノードの無線通信機能をソフトウェア無線とした場合、IP層での通信要求に合わせて、データリンク層レベルのネットワークトポロジを一定の制約条件の下に変更することが可能となる。しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術は、ソフトウェア無線を前提としていないため、IP層とデータリンク層の間で連携して、パケット転送経路を決定する方法については示されていない。
また、ソフトウェア無線を使用する無線アドホックネットワークで、IP層とデータリンク層の間で連携してパケット転送経路を決定するために上記特許文献1に記載の技術を適用する場合、以下の課題が存在する。
上記特許文献1の技術はOXC(Optical Cross Connect)等から構成される光ネットワークを対象としており、データリンク層での通信状態変化によるトポロジ変化が発生した場合への対応を考慮していない。無線アドホックネットワークにおいては、無線環境変化や通信ノードの移動による頻繁なトポロジ変化に対応する必要がある。
また、ソフトウェア無線を用いた無線アドホックネットワークでは、データリンク層レベルのネットワークトポロジを各通信ノードが選択するソフトウェア無線方式により決定する必要があるが、上記特許文献1の技術では、これに対応していない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ソフトウェア無線技術を利用するアドホックネットワーク通信装置において、データリンク層レベルのネットワークトポロジおよびIP層レベルの転送経路を両方変更することで、より多くの通信トラヒックを無線アドホックネットワーク上に収容可能にする経路決定方法およびこれを実現する通信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ソフトウェア無線機を複数備えた通信装置により構成された無線アドホックネットワークにおいて、各通信装置が個別にパケット転送経路を決定する場合の経路決定方法であって、前記無線アドホックネットワーク内の他の通信装置から、当該他の通信装置に隣接する通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、当該他の通信装置が備えているソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報および当該パケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、を取得する情報取得ステップと、前記他の通信装置から取得した情報に基づいて、当該他の通信装置から前記パケット送信先通信装置宛に送信されたパケットを転送する際に使用する無線リンクおよびパケット転送経路を決定する転送経路決定ステップと、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、各通信装置は、他のすべての通信装置から取得した情報に基づいてデータリンク層レベルのトポロジおよびIPパケットの転送経路を決定することとしたので、より多くの通信トラヒックを無線アドホックネットワーク上に収容することが可能となる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる経路決定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、一例として、OLSRプロトコル(Optimized Link State Routing Protocol)を利用したアドホックネットワークにおいて各通信装置が転送経路を決定する場合について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる経路決定方法を利用してIPパケットの転送経路を決定する通信装置(アドホックネットワーク通信装置)の構成例を示す図である。この通信装置は、複数のソフトウェア無線機1(ソフトウェア無線機#1,#2,…,#N)と、OLSR通信プロトコル処理部2と、アルゴリズム処理部3と、データリンク層レベルトポロジデータベース4と、トラヒック需要データベース5と、転送経路データベース6と、IPパケット転送処理部7と、を備えている。
図1は、本発明にかかる経路決定方法を利用してIPパケットの転送経路を決定する通信装置(アドホックネットワーク通信装置)の構成例を示す図である。この通信装置は、複数のソフトウェア無線機1(ソフトウェア無線機#1,#2,…,#N)と、OLSR通信プロトコル処理部2と、アルゴリズム処理部3と、データリンク層レベルトポロジデータベース4と、トラヒック需要データベース5と、転送経路データベース6と、IPパケット転送処理部7と、を備えている。
ソフトウェア無線機1は、ソフトウェア無線機能を持ち、2つ以上の無線方式の中から指定された無線方式での通信を行う。1つの通信装置にN台のソフトウェア無線機1が実装される場合、その通信装置は最大N個の無線回線(無線リンク)を同時に使用可能となる。
OLSR通信プロトコル処理部2は、OLSRプロトコルを適用したシステムで使用されるHELLOメッセージとTCメッセージの拡張に対応したOLSRプロトコルを処理する機能を持つ。また、ソフトウェア無線機1を介して他の通信装置から取得した情報に基づいてデータリンク層レベルトポロジデータベース4およびトラヒック需要データベース5を更新する。さらに、データリンク層レベルトポロジデータベースとトラヒック需要データベースの少なくともいずれか一つに変化が発生した場合、その旨をアルゴリズム処理部3へ通知し、転送経路データベース6の更新処理を開始させる。
アルゴリズム処理部3は、OLSR通信プロトコル処理部2から指示を受けた場合に、データリンク層レベルのネットワークトポロジおよびIP層レベルでのパケット転送経路を決定する。具体的な処理を示すと、データリンク層レベルトポロジデータベース4とトラヒック需要データベース5を参照し、データリンク層レベルのトポロジ決定および転送経路計算(転送経路決定)を行い、データリンク層レベルトポロジデータベース4および転送経路データベース6を更新する。
データリンク層レベルトポロジデータベース4は、拡張HELLOメッセージおよび拡張TCメッセージから得られる、全てのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能となる無線リンクそれぞれについての隣接通信装置の識別情報および通信帯域の情報と、備えているソフトウェア無線機の数と、を格納する。
トラヒック需要データベース5は、他の通信装置から受信した拡張HELLOメッセージおよび拡張TCメッセージに含まれる、送信元通信装置の識別情報(アドレス)、宛先通信装置の識別情報および当該送信元通信装置から当該宛先通信装置への経路が要求する帯域(要求帯域)情報をトラヒック交流パターン情報として格納する。
転送経路データベース6は、アルゴリズム処理部3が決定した、IPパケット転送経路情報(データリンク層レベルのネットワークトポロジおよび転送経路の情報)を格納する。
IPパケット転送処理部7は、転送経路データベースに格納されるIPパケット転送経路情報を利用して、ソフトウェア無線機#1〜#Nのいずれかから受信したIPパケットを、ソフトウェア無線機#1〜#Nのいずれかで送信する処理を行う。IPパケットの送信元IPアドレスと宛先IPアドレスの組をキーとして、送信先のソフトウェア無線機の番号をデータとして持つ。
つづいて、上記構成の通信装置がデータリンク層レベルのネットワークトポロジおよびIP層レベルの転送経路を決定する動作について説明する。
ここで、まず本発明にかかる経路決定方法で利用する拡張HELLOメッセージおよび拡張TCメッセージについて説明する。本発明では、RFC3626で定義されたOLSRのHELLOメッセージおよびTCメッセージを拡張し、以下の拡張HELLOメッセージおよび拡張TCメッセージを使用する。
拡張HELLOメッセージは、従来のHELLOメッセージが含んでいた情報に加えて、全てのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能となる無線リンクそれぞれについての隣接通信装置の識別情報(拡張情報#1とする)および通信帯域の情報(拡張情報#2とする)と、備えているソフトウェア無線機の数(拡張情報#3とする)、通信相手先のアドレス(Main Address)すなわちHELLOメッセージの送信元通信装置が通信する他の通信装置のアドレス(拡張情報#4とする)および当該他の通信装置と通信する際の要求帯域の情報(拡張情報#5とする)と、を含む。なお、通信装置は、従来のHELLOメッセージと同様に、拡張HELLOメッセージを定期的に生成してブロードキャストする。各通信装置が拡張HELLOメッセージを送受信することにより、隣接する通信装置との間で上記拡張情報#1〜#5が共有される。
たとえば、通信装置が3つのソフトウェア無線機(仮にA,B,Cとする)を備えているのであれば、この通信装置が生成する拡張HELLOメッセージは、ソフトウェア無線機Aが利用可能な無線リンク、ソフトウェア無線機Bが利用可能な無線リンクおよびソフトウェア無線機Cが利用可能な無線リンクのそれぞれについての上記拡張情報#1および#2を含むこととなる。したがって、拡張HELLOメッセージは、通信装置が利用可能な無線リンク数と同数の、上記拡張情報#1と#2のペアを含む。
また、拡張TCメッセージは、自身を転送先として選択している隣接通信装置それぞれについて、当該隣接通信装置(Advertised Neighbor Main Addressで示される通信装置)が全てのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能となる無線リンクそれぞれについての隣接通信装置の識別情報(拡張情報#11とする)および通信帯域の情報(拡張情報#12とする)と、備えているソフトウェア無線機の数(拡張情報#13とする)、通信相手先のアドレス(拡張情報#14とする)および要求帯域の情報(拡張情報#15とする)と、を含み、さらに、拡張TCメッセージを生成する通信装置自身についての、全てのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能となる無線リンクそれぞれについての隣接通信装置の識別情報(拡張情報#21とする)および通信帯域の情報(拡張情報#22とする)と、備えているソフトウェア無線機の数(拡張情報#23とする)、通信相手先のアドレス(拡張情報#24とする)および当該他の通信装置と通信する際の要求帯域の情報(拡張情報#25とする)と、を含む。
なお、通信装置は、従来のTCメッセージと同様に、拡張TCメッセージを定期的に生成してブロードキャストする。各通信装置が拡張TCメッセージを送受信することにより、アドホックネットワーク内の他の通信装置との間で上記拡張情報#11〜#15,#21〜#25が共有される。
たとえば、ある通信装置について、この通信装置をMPR(Multipoint Relay)として選択している隣接通信装置が2つ(仮にD,Eとする)存在しているのであれば、この通信装置が生成する拡張TCメッセージは、隣接通信装置Dから取得し、保持しておいた上記拡張情報#11〜#15と、隣接通信装置Eから取得し、保持しておいた上記拡張情報#11〜#15と、この通信装置についての上記拡張情報#21〜#25と、を含むこととなる。すなわち、この通信装置により生成される拡張TCメッセージは、隣接通信装置DおよびEからHELLOメッセージを用いて通知された拡張情報(上記拡張情報#1〜#5に相当)と、この通信装置が拡張HELLOメッセージを生成する際にそれに含ませる拡張情報と、を含むこととなる。
また、通信装置は、拡張TCメッセージを隣接する通信装置から受信した場合、自身が当該隣接通信装置にとってのMPRであれば、受信したTCメッセージをさらにブロードキャストする。
つぎに、具体的な動作について説明する。通信装置は、上述の拡張HELLOメッセージを定期的に生成し、ブロードキャストする。具体的には、OLSR通信プロトコル処理部2が拡張HELLOメッセージを生成し、ブロードキャストする。
一方、隣接する通信装置から拡張HELLOメッセージを受信した場合には、その中に含まれる情報を保持しておく。具体的には、全てのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能となる無線リンクそれぞれについての隣接通信装置の識別情報および通信帯域の情報と、備えているソフトウェア無線機の数とをデータリンク層レベルトポロジデータベース4へ格納して保持しておく。また、宛先通信装置の識別情報および要求帯域情報を拡張HELLOメッセージの送信元通信装置の識別情報と関連付けて、トラヒック交流パターン情報としてトラヒック需要データベース5へ格納して保持しておく。
このような拡張HELLOメッセージの送受信を行うことにより、各通信装置は、隣接する通信装置との間で、隣接通信装置の識別情報,通信帯域情報,ソフトウェア無線機の数,宛先通信装置の識別情報,要求帯域情報の共有化を図る。
また、通信装置は、上述の拡張TCメッセージを定期的に生成し、ブロードキャストする。具体的には、OLSR通信プロトコル処理部2が拡張TCメッセージを生成し、ブロードキャストする。また、隣接する通信装置から拡張TCメッセージを受信した場合には、この隣接通信装置が自身をMPRとして選択しているのであれば受信した拡張TCメッセージをブロードキャストする。さらに、受信した拡張TCメッセージに含まれる情報を保持する。情報を保持する方法(格納場所)は上述したHELLOメッセージを受信した場合と同様である。
このような拡張TCメッセージの送受信を行うことにより、各通信装置は、アドホックネットワーク内のすべての通信装置との間で、隣接通信装置の識別情報,通信帯域情報,ソフトウェア無線機の数,宛先通信装置の識別情報,要求帯域情報の共有化を図る。
またさらに、拡張TCメッセージを受信した旨がOLSR通信プロトコル処理部2からアルゴリズム処理部3へ通知され、アルゴリズム処理部3は、パケット転送に使用する無線リンクおよび転送経路を決定するためのアルゴリズムを用いて、これらを決定する。
ここで、パケット転送に使用する無線リンクおよび転送経路を決定するためのアルゴリズムについて示す。
アルゴリズム処理部3は、それまでにHELLOメッセージまたはTCメッセージで他の通信装置から取得し、データリンク層レベルトポロジデータベース4およびトラヒック需要データベース5で保持しておいた情報(上記拡張情報#1〜#5に相当する)を用いて、以下の定義を満足するグラフGを生成する。このグラフGは、ソフトウェア無線機を使用した場合に取り得る可能性が有るデータリンク層レベルのトポロジ(すなわちアドホックネットワークを構成する各通信装置がすべてのソフトウェア無線機を使用した場合に利用可能なすべての無線リンク)を示す。
(グラフGの定義)
通信装置をノード、通信装置間の無線リンクをエッジとする。なお、2つの通信装置間の無線リンクの帯域が通信方向で別々に確保される場合は、有向エッジ、2つの通信装置間の無線リンクの帯域が、通信方向間で共有される場合は、無向エッジとする。また、各エッジには、そのエッジ(無線リンク)で利用可能な帯域値Bi(その時点で利用可能な帯域値)およびコスト(重み)を記録する(対応付ける)。なお、Biの初期値は、対応するエッジの帯域B0iとする。未使用のソフトウェア無線機が実現するエッジのコストをCn/B0i、使用中のソフトウェア無線機が実現するエッジのコストをCuとする。ただし、「Cn/max(B0i)>Cu」(max(B0i)は、全ノードの全エッジiに対するB0iの最大値)とする。
通信装置をノード、通信装置間の無線リンクをエッジとする。なお、2つの通信装置間の無線リンクの帯域が通信方向で別々に確保される場合は、有向エッジ、2つの通信装置間の無線リンクの帯域が、通信方向間で共有される場合は、無向エッジとする。また、各エッジには、そのエッジ(無線リンク)で利用可能な帯域値Bi(その時点で利用可能な帯域値)およびコスト(重み)を記録する(対応付ける)。なお、Biの初期値は、対応するエッジの帯域B0iとする。未使用のソフトウェア無線機が実現するエッジのコストをCn/B0i、使用中のソフトウェア無線機が実現するエッジのコストをCuとする。ただし、「Cn/max(B0i)>Cu」(max(B0i)は、全ノードの全エッジiに対するB0iの最大値)とする。
ここで、上述したように、エッジには有向エッジと無向エッジが存在する。そのため、拡張したHELLOメッセージやTCメッセージに含まれる通信帯域の情報(上記拡張情報#2などに相当)は、たとえば、対応する無線リンクが無向エッジであれば1つの帯域情報を含み、有向エッジであれば各方向別の2つの帯域情報を含むこととなる。
グラフGを生成後、アルゴリズム処理部3は、通信装置間のトラヒック交流パターンである[送信元通信装置のアドレス(Main Address),宛先通信装置のアドレス,要求帯域]の組みを要求帯域の降順にソートし、リストLを生成する。なお、要求帯域が同じであれば送信元通信装置のアドレスの降順にソートし、送信元通信装置のアドレスも同じであれば宛先通信装置のアドレスの降順にソートする。
そして、アルゴリズム処理部3は、生成したリストLから順番に、リストLのすべての要素に対して次の手順を繰り返し実行する。
(リストLに対して実行する手順)
(手順1)R(=[送信元通信装置=SRCj,宛先通信装置=DSTj,要求帯域=BWj])=Lの先頭要素とする。また、RをLから除く(Lの先頭要素をLから除く)。
(手順2)グラフGのエッジの中から帯域がBWj以上のものを選択し、選択したエッジを対象としてSPF(Shortest Path First)アルゴリズムを実行して最小コスト経路(経路を構成する各エッジに付与されたコストの合計値が最小となる経路)を選択する。
(手順3)選択した最小コスト経路を構成する各エッジについて確認を行い、現時点で使用していないソフトウェア無線機により実現されるエッジが含まれる場合、さらにそのソフトウェア無線機を備えた通信装置の状態を確認する。確認の結果、選択した最小コスト経路を実現した場合に使用可能なソフトウェア無線機数が上限値に達する(有しているすべてのソフトウェア無線機が使用中となる)のであれば、実際にパケット転送経路を構成しているエッジ以外のエッジ(いずれのパケット転送経路にも含まれていないエッジ、未使用エッジ)は削除する。
(手順4)選択した経路を構成している各エッジの利用可能な帯域値Biを、上記要求帯域BWjを用いて更新する(Bi=Bi−BWjとする)。新たに使用中となったソフトウェア無線機に対応するエッジのコストをCuに更新する。
(手順5)Rが示す送信元通信装置(=SRC)および宛先通信装置(=DST)がIPヘッダに示されるIPパケットを、選択した経路で転送する様に転送経路情報を更新する。
(手順1)R(=[送信元通信装置=SRCj,宛先通信装置=DSTj,要求帯域=BWj])=Lの先頭要素とする。また、RをLから除く(Lの先頭要素をLから除く)。
(手順2)グラフGのエッジの中から帯域がBWj以上のものを選択し、選択したエッジを対象としてSPF(Shortest Path First)アルゴリズムを実行して最小コスト経路(経路を構成する各エッジに付与されたコストの合計値が最小となる経路)を選択する。
(手順3)選択した最小コスト経路を構成する各エッジについて確認を行い、現時点で使用していないソフトウェア無線機により実現されるエッジが含まれる場合、さらにそのソフトウェア無線機を備えた通信装置の状態を確認する。確認の結果、選択した最小コスト経路を実現した場合に使用可能なソフトウェア無線機数が上限値に達する(有しているすべてのソフトウェア無線機が使用中となる)のであれば、実際にパケット転送経路を構成しているエッジ以外のエッジ(いずれのパケット転送経路にも含まれていないエッジ、未使用エッジ)は削除する。
(手順4)選択した経路を構成している各エッジの利用可能な帯域値Biを、上記要求帯域BWjを用いて更新する(Bi=Bi−BWjとする)。新たに使用中となったソフトウェア無線機に対応するエッジのコストをCuに更新する。
(手順5)Rが示す送信元通信装置(=SRC)および宛先通信装置(=DST)がIPヘッダに示されるIPパケットを、選択した経路で転送する様に転送経路情報を更新する。
以下、上述したように、手順5を実行後Lが空の状態でなければ手順1〜5の処理を継続する。上記リストLの構成要素すべてについての処理が終了すると、その結果得られたパケット転送に使用する無線リンクおよび転送経路の情報をアルゴリズム処理部3が転送経路データベース6へ格納する。
以上のような手順をアドホックネットワーク内のすべての通信装置が実行することにより、各通信装置は、特定の通信装置間で伝送されるIPパケットの使用無線リンクおよび転送経路の情報を共有できる。
なお、本実施の形態では、一例としてOLSRを適用した無線アドホックネットワークについての動作説明を行ったが、これに限定されない。すなわち、他のルーティングプロトコルを適用した無線アドホックネットワークにおいて、上記HELLOメッセージやTCメッセージに相当するメッセージを利用してデータリンク層レベルのトポロジ(使用する無線リンク)およびIPパケットの転送経路を決定するために必要な情報を他のノード(通信装置)へ通知し、情報を受け取ったノードが上述した処理と同様の処理を実行して使用無線リンクおよび転送経路を決定することも可能である。また、HELLOメッセージやTCメッセージなどの既存メッセージを拡張して使用するのではなく、同様の機能を有するメッセージを新たに定義し、それを使用して上述した制御を行うようにしてもよい。
このように、本実施の形態の通信装置は、拡張したHELLOメッセージおよびTCメッセージを利用して、各通信装置が隣接通信装置の識別情報および無線リンク(隣接通信装置との間の無線リンク)毎の通信帯域情報、自身が備えるソフトウェア無線機の数、通信相手先のアドレスおよび要求帯域情報をアドホックネットワーク内の他の通信装置すべてへ通知し、各通信装置は、通知された情報に基づいてデータリンク層レベルのトポロジ(使用する無線リンク)およびIPパケットの転送経路を決定することとした。これにより、実現可能なすべての無線リンクの中から使用する無線リンクを選択することが可能となり、より多くの通信トラヒックを無線アドホックネットワーク上に収容することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる経路決定方法は、無線アドホックネットワークにおけるIPパケットの転送経路決定に有用であり、特に、データリンク層のトポロジを決定しつつIP層レベルでのパケット転送経路を決定する場合に適している。
1 ソフトウェア無線機
2 OLSR通信プロトコル処理部
3 アルゴリズム処理部
4 データリンク層レベルトポロジデータベース
5 トラヒック需要データベース
6 転送経路データベース
7 IPパケット転送処理部
2 OLSR通信プロトコル処理部
3 アルゴリズム処理部
4 データリンク層レベルトポロジデータベース
5 トラヒック需要データベース
6 転送経路データベース
7 IPパケット転送処理部
Claims (7)
- ソフトウェア無線機を複数備えた通信装置により構成された無線アドホックネットワークにおいて、各通信装置が個別にパケット転送経路を決定する場合の経路決定方法であって、
前記無線アドホックネットワーク内の他の通信装置から、当該他の通信装置に隣接する通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、当該他の通信装置が備えているソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報および当該パケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、を取得する情報取得ステップと、
前記他の通信装置から取得した情報に基づいて、当該他の通信装置から前記パケット送信先通信装置宛に送信されたパケットを転送する際に使用する無線リンクおよびパケット転送経路を決定する転送経路決定ステップと、
を含むことを特徴とする経路決定方法。 - 前記転送経路決定ステップでは、
前記他の通信装置から受信した情報により特定される複数の無線リンクのそれぞれについて、帯域の使用状況に応じた重み付けを行い、重みの合計が最小となるように使用無線リンクおよびパケット転送経路を決定することを特徴とする請求項1に記載の経路決定方法。 - ソフトウェア無線機を複数備え、無線アドホックネットワークを構成する通信装置であって、
隣接する通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、自身が備えているソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報および当該パケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、を含んだ情報報知用メッセージをブロードキャストする情報報知手段と、
他の通信装置から受信した情報報知用メッセージに含まれる情報に基づいて、特定の通信装置同士がパケットを送受信する際に使用する無線リンクおよびパケット転送経路を決定する転送経路決定手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。 - 前記情報報知用メッセージを、既存のルーティングプロトコルで使用されている報知用メッセージの情報格納領域を拡張したメッセージとすることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
- 前記情報報知用メッセージとして、OLSRのHELLOメッセージおよびTCメッセージを拡張して利用し、
前記情報報知手段は、
各隣接通信装置の識別情報、この装置に対応する無線リンクの帯域情報、前記ソフトウェア無線機の数に関する情報、パケット送信先通信装置の識別情報および当該パケット送信先通信装置と通信する際の要求帯域情報、により構成される報知情報を含んだ拡張HELLOメッセージを各隣接通信装置との間で送受信することにより、各隣接通信装置の報知情報を取得し、
前記拡張HELLOメッセージに含まれる報知情報および前記各隣接通信装置から取得した報知情報を含んだ前記拡張TCメッセージをブロードキャストすることを特徴とする請求項3または4に記載の通信装置。 - 前記転送経路決定手段は、
他の通信装置から受信した情報報知用メッセージにより特定される無線リンクのそれぞれについて、帯域の使用状況に応じた重み付けを行い、重みの合計が最小となるように使用無線リンクおよびパケット転送経路を決定することを特徴とする請求項3、4または5に記載の通信装置。 - 請求項3〜6のいずれか一つに記載の通信装置により構成されることを特徴とするアドホックネットワーク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007165425A JP2009005183A (ja) | 2007-06-22 | 2007-06-22 | 経路決定方法、通信装置およびアドホックネットワーク |
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Cited By (1)
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JP2012019403A (ja) * | 2010-07-08 | 2012-01-26 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線通信装置 |
-
2007
- 2007-06-22 JP JP2007165425A patent/JP2009005183A/ja active Pending
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JP2012019403A (ja) * | 2010-07-08 | 2012-01-26 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線通信装置 |
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