JP2009001827A - 冷凍機油組成物及び該組成物を用いた潤滑方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有する冷凍機油組成物、及び(2)油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルにおいて、上記冷凍機油組成物を用いる潤滑方法を提供するものである。
【選択図】なし
Description
(1)CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有することを特徴とする冷凍機油組成物、及び
(2)油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルにおいて、CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有する冷凍機油組成物を用いることを特徴とする潤滑方法を提供するものである。
本発明の冷凍機油組成物は、CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有することを特徴とするものである。本発明に用いられるCO2を主成分とする冷媒としては、CO2をそのまま使用する場合のほか、これを炭化水素、R−134a等のフッ化炭化水素(あるいは塩化フッ化炭化水素)、エーテルなどの冷媒等と混合したものを使用することができる。
多価アルコールエステルとして、脂肪族多価アルコールと直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸とのエステルを挙げることができる。そのエステルを形成する脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,トリメチロールエタン,ジトリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ジトリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ソルビトールなどを挙げることができる。
ジカルボン酸のエステルとして、脂肪族又は芳香族のジカルボン酸のジアルキルエステル(炭素数16〜22)を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ウンデカン二酸,ドデカン二酸,トリデカン二酸,ドコサン二酸を挙げることができ、芳香族ジカルボン酸として、フタル酸,イソフタル酸を挙げることができる。一方、アルコール成分としては、炭素数5〜8のアルコールであり、例えばアミルアルコール,ヘキシルアルコール,ヘプチルアルコール,オクチルアルコールを挙げることができる。好ましいエステルとしては、ジオクチルアジペート,ジイソヘプチルアジペート,ジヘキシルセバケート,コハク酸ジヘプチル,ジオクチルフタレート,ジイソヘプチルフタレート,ジイソアミルフタレートを挙げることができる。
H−(AO)n−R
(式中、Aは炭素数2〜8のアルキレン基、Rは炭素数1〜10のアルキル基、nは1〜10の整数)
で表されるポリアルキレングリコールのモノアルコール体をあげることができる。
上記の多価カルボン酸とアルコールをエステル化反応させて得られる多価カルボン酸エステル、又は上記多価カルボン酸及びアルコールに更にエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールを加えエステル化反応させて得られるコンプレックスエステルを使用することができる。
脂環式多価カルボン酸エステルとして下記一般式(II)
上記の(1)〜(3)以外のその他の有機カルボン酸エステルとしては、1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物をアジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ウンデカン二酸,ドデカン二酸,ドコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はフタル酸等の芳香族ジカルボン酸によりエステル化して得られるジエステルを挙げることができる。また、グリセリン,トリメチロールプロパン等の多価アルコールのアルキレンオキサイドの1〜10モル付加物を炭素数3〜12の脂肪酸、例えばプロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸,イソノナン酸、イソデカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸等によりエステル化して得られるエステルを挙げることができる。
炭酸エステルとしては、下記一般式(III)
で表される化合物、又は下記一般式(IV)
で表される化合物も使用できる。この炭酸エステルは、例えば炭酸とアルキレンオキシドとを反応させて得られるものであるが、そのアルキレンオキシドの付加形態は、エチレンオキサイド単独又はプロピレンオキサイド単独でもよく、混合体でもよい。
フマル酸エステルオリゴマーは、フマル酸エステルの単独重合体またはフマル酸エステルと不飽和脂肪族炭化水素との共重合体であり、下記式(VI)
で表される構造単位を50〜99モル%含むフマル酸アルキルエステル共重合体を挙げることができる。
ヒドロキシピバリン酸エステルとしては、一般式(IX)
で表されるものを挙げることができる。
(1)〜(7)に記載したエステル油は、同種のエステル油を一種又は二種以上を混合して使用してもよいし、異種のエステル油を混合して使用してもよい。なお、基油の粘度について100℃における動粘度を前述のように5.5〜30mm2/sに調節する必要がある。上記のエステル油を基油として使用する際、その粘度の範囲をはずれた場合には、他の成分で添加して調節すればよい。粘度が高い場合には、例えば、脂肪族多価アルコールと炭素数3〜9の脂肪酸のエステル油で、100℃における動粘度が6mm2/s以下のものを適宜添加して適正範囲に調整することができる。また、粘度が低い場合には、ポリマー類を添加して粘度を調節するとよい。該ポリマーは100℃における動粘度が10mm2/s以上のものが好ましい。
R22−Sj−R23 ・・・(XI)
(式中、R22は炭素数2〜15のアルケニル基、R23は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、jは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその二〜四量体を、硫黄,塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン,イソブテン,ジイソブテンなどが好ましい。
R24−Sk −R25 ・・・(XII)
(式中、R24及びR25は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、kは2〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。ここで、R24及びR25がアルキル基の場合、硫化アルキルと呼ばれる。
RmNH3-m ・・・(XVIII)
(式中、Rは炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基,炭素数6〜30のアリール基もしくはアラルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、mは1,2又は3を示す。また、Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)で表されるモノ置換アミン,ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(XVIII)におけるRのうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよい。
(1)溶解性
油100gに50kg/cm2の加圧条件で炭酸ガスを吹き込み、油中における炭酸ガスの溶解量(重量%)を測定した。
(2)シールドチューブ試験
ガラス管に触媒Fe/Cu/Alを入れ、炭酸ガス/油/水=0.5g/4g/0.02gの割合で試料を充填し封管した。175℃で10日間保持した後、油外観、触媒外観、全酸価及びスラッジの有無を評価した。
油10gを湿度85%R.H.(30℃)にて120時間放置した後の吸湿量(重量%)を求めた。
(4)ファレックス焼付試験
ファレックス試験機を用い、ピン/ブロック材料をAISIC1137/SAE3135とした。ピン/ブロックをセットし、試験容器内に試料の油200gを入れ炭酸ガスを5リットル/hで吹き込んだ後、回転数290rpm、油温50℃で焼付荷重を測定した。
第1表に示した基油に、基油に対して1重量%のトリクレジルホスフェート(TCP)及び1.5重量%のα−オレフィンオキシド(実施例5,6)、1.5重量%のフェニルグリシジルエーテル(実施例7,8及び比較例3,4)を添加した潤滑油組成物について下記の方法で実機テストを行い評価を行った。結果を第3表に示す。
圧縮式冷凍サイクルの方式
A:油分離器を有する「圧縮機−凝縮器−膨張弁−蒸発器」の圧縮式冷凍サイクル( 図2参照)なお、膨張弁はキャピラリーチューブ式のものを使用した。
運転状況
吸入温度 : 0℃
吐出温度 : 100℃
凝縮器出口温度: 10℃
評価法
運転状態に異常が生じた時点で停止し、その原因追求のため各部を観察した。
2:凝縮器
3:膨張弁
4:蒸発器
5:油分離器
6:ホットガスライン
7:ホットガスライン用弁
Claims (3)
- CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
- CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有することを特徴とする、油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルに用いる冷凍機油組成物。
- 油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルにおいて、CO2を主成分とする冷媒と潤滑油組成物とからなり、該潤滑油組成物が、エステル油を主成分とし、100℃における動粘度が5.5〜30mm2/sである基油と、該基油に対して0.005〜5重量%の極圧剤及び/又は酸捕捉剤を含有する冷凍機油組成物を用いることを特徴とする潤滑方法。
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