JP2009001195A - トロリ線 - Google Patents
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Abstract
【課題】波動伝搬速度が高く曲げ剛性に優れ、高速鉄道の給電線に適したトロリ線を提供する。
【解決手段】トロリ線1は、長手方向に連続する中空部10を有する。中空部10は、図心Cfを含むようにトロリ線1の本体1bに設けられている。中空部10の大きさは、横断面において中空部10を含むトロリ線全体の断面積を100%とするとき、20%以上である。中空部10を具えることでトロリ線1は、波動伝搬速度を大きくすることができる。また、トロリ線1は、図心Cfを含むように中空部10を具えることで、図心Cfから離れた位置に本体1bを構成する部分が存在するため、トロリ線1の断面2次モーメントIを向上することができ、その結果、曲げ剛性を向上することができる。
【選択図】図1
【解決手段】トロリ線1は、長手方向に連続する中空部10を有する。中空部10は、図心Cfを含むようにトロリ線1の本体1bに設けられている。中空部10の大きさは、横断面において中空部10を含むトロリ線全体の断面積を100%とするとき、20%以上である。中空部10を具えることでトロリ線1は、波動伝搬速度を大きくすることができる。また、トロリ線1は、図心Cfを含むように中空部10を具えることで、図心Cfから離れた位置に本体1bを構成する部分が存在するため、トロリ線1の断面2次モーメントIを向上することができ、その結果、曲げ剛性を向上することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気鉄道などの給電線に利用されるトロリ線に関する。特に、高速走行を行う電気鉄道に適したトロリ線に関する。
従来、電気鉄道の車両(電車)は、車両に具えるパンタグラフといった集電部をトロリ線に摺動させることで電力を受けて走行する。車両の走行中、トロリ線は、集電部との接触箇所が押し上げられた状態になる。車両の移動速度がトロリ線の波動伝搬速度に近付くと離線が多発して車両は十分に受電できなくなる。従って、300km/h近くで走行する新幹線などの高速鉄道では、離線を抑え、集電部とトロリ線との接触を十分に確保するために、波動伝搬速度を大きくする対策が採られている。
波動伝搬速度c(m/s)は、トロリ線の架線張力をT(N)、トロリ線の線密度(単位長さあたりの質量)をρ(kg/m)とするとき、c=√(T/ρ)で表わされる。そこで、従来、高速鉄道用のトロリ線は、架線張力を高く、かつトロリ線を細く(軽く)して、波動伝搬速度を大きくしている。また、高い架線張力に耐え得るように、高速鉄道用のトロリ線は、強度を高めている。高強度のトロリ線として、錫入り銅合金からなるものや、鋼線を中心としその外周に銅層を配置した複合線などが利用されている。
その他のトロリ線として、摩耗量を検知するための機構を具えたものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、電気鉄道では、300km/h超、特に360km/hといった更なる高速化が検討されている。
波動伝搬速度をより大きくすれば、高速化が可能であり、波動伝搬速度を大きくするには、トロリ線を軽くすることが考えられる。トロリ線を軽くするには、例えば、軽量な材料で構成することが考えられる。しかし、高速鉄道用のトロリ線は、大電流を流すため、高い導電率を得ようとすると比較的重い銅系の材料を使わざるを得ない。従って、トロリ線を軽くするには、細くすることが考えられる。しかし、トロリ線を更に細くすると、十分な曲げ剛性を有することができず、使用中、トロリ線が破断する可能性がある。
トロリ線においてトロリ線を挟持する部材(イーヤ部)に挟持される箇所近傍は、集電部の通過時、集電部の押上によりひずみが加わる。トロリ線の曲げ剛性は線径(トロリ線の包絡円の外径)の4乗にほぼ比例するため、細径のトロリ線は、曲げ剛性が小さく、押上により加えられるひずみが大きくなる。大きなひずみが加えられると、加わる回数が少なくても金属疲労によりトロリ線が破断する恐れがある。特に、大きなひずみが加えられる場合、摩耗限度(例えば、断面積170mm2のトロリ線の場合、残存外径(残存直径):8.5mm)に至る前に疲労により破断する恐れがある。
従って、本発明の目的は、波動伝搬速度を向上させつつ、曲げ剛性が高いトロリ線を提供することにある。
本発明トロリ線は、比較的大きな中空部を具えることで上記目的を達成する。具体的には、本発明トロリ線は、長手方向に連続する中空部を有しており、この中空部の断面積率を20%以上とし、かつ中空部は、図心を含むものとする。中空部の断面積率は、(トロリ線の横断面における中空部の断面積)/(トロリ線の横断面において上記中空部を含むトロリ線全体の断面積)とする。
本発明トロリ線は、比較的大きな中空部を有することで、従来の高速鉄道用のトロリ線よりも軽いため、波動伝搬速度を大きくすることができる。特に、中空部は、断面積が大きいことに加えて図心を含むことで、トロリ線の曲げ剛性を効果的に向上することができる。本発明トロリ線は、波動伝搬速度の増大により、300km/h超、特に、330km/h以上、更には360km/hという高速鉄道の給電線に使用可能であり、曲げ剛性に優れることから、高速鉄道の給電線に使用した際、金属疲労による破断が生じ難く、更なる高速化の実現に寄与すると期待される。
なお、従来、トロリ線の摩耗量の検知に利用する検知用孔を具えたトロリ線が開発されている。上記検知用孔には、摩耗の検知に利用する検知線や、圧力を調整したガスが収納される。しかし、この検知用孔は、孔の断面積率((トロリ線の横断面における孔の断面積)/(トロリ線の横断面において孔を含めたトロリ線全体の断面積))が5%以下と非常に小さく、軽量化による波動伝搬速度の増大をほとんど望めない。また、この検知用孔は、図心を含まなくてもよいことから、曲げ剛性の向上にもほとんど寄与しない。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明トロリ線は、導電率が高く、強度に優れる材料にて構成することが好ましい。このような材料として、硬銅といった銅や、錫入り銅合金、銀入り銅合金といった銅合金が挙げられる。また、本発明トロリ線は、イーヤ部が嵌合する溝を具える溝付きのものが好適に利用できる。
本発明トロリ線は、導電率が高く、強度に優れる材料にて構成することが好ましい。このような材料として、硬銅といった銅や、錫入り銅合金、銀入り銅合金といった銅合金が挙げられる。また、本発明トロリ線は、イーヤ部が嵌合する溝を具える溝付きのものが好適に利用できる。
そして、本発明トロリ線は、その長手方向に連続する中空部を有する。この中空部は、トロリ線の軽量化を目的として設けるものであり、上述した検知用孔と異なり、その内部に積極的に物体(圧力調整ガスを含む)を収納しない。また、この中空部は、特定の大きさを有すると共に、図心を含むものとする。
中空部が図心を含むことで、曲げ剛性を向上することができる。曲げ剛性は、ヤング率E(N/mm2)×断面2次モーメントI(mm4)で表わされる。ヤング率Eは、材料に依存する物性値である。一方、断面2次モーメントIは、物体の図心からの距離の4乗に比例する。従って、図心を含むように中空部をトロリ線に設けた場合、図心から離れた位置にトロリ線本体(トロリ線全体から中空部を除く部分)を構成する材料(例えば、銅や銅合金などの金属材料)が存在することで、トロリ線の断面2次モーメントIを向上することができる。この断面2次モーメントIの向上により、トロリ線の曲げ剛性を向上できる。
中空部の断面積率は、トロリ線の横断面において、中空部を含むトロリ線全体の断面積、つまりトロリ線本体と中空部との合計断面積を100%とするとき、20%以上とする。図心を含むように中空部を設けることで、上述のようにトロリ線の曲げ剛性の向上を図ることができる。しかし、中空部が小さければ、300km/h超といった高速走行に望まれる波動伝搬速度を有することができない。そこで、本発明トロリ線は、中空部の断面積率を20%以上とする。特に、360km/hといった高速走行用のトロリ線の場合、中空部の断面積率は35%以上が好ましい。中空部の断面積率の上限は、特に設けないが、中空部が大き過ぎると、イーヤ部に挟持される箇所近傍に割れなどが生じたり、直ぐに摩耗する恐れがある。従って、実用的なトロリ線の線径(トロリ線の包絡円の外径)を考慮すると、断面積率の上限は40%程度であると考えられる。
中空部の形状は、特に問わない。非対称な形状でも対称な形状(例えば、円形状、楕円状、矩形状など)でもよい。中空部の横断面形状を円形状すると、トロリ線の断面2次モーメントを最も大きくすることができることに加えて、トロリ線の製造性にも優れる。
本発明トロリ線は、上述のように比較的断面積が大きい中空部を一つ具える。この中空部に加えて、更に、摩耗の検知に利用する検知用孔を設けたトロリ線としてもよい。また、中空部に加えて、断面積が小さい孔をトロリ線の任意の位置に少なくとも一つ設けたトロリ線としてもよい。このとき、孔の分だけトロリ線を軽量にできる。但し、耐摩耗性や製造性を考慮すると、中空部を一つ具えるトロリ線が好ましい。中空部に加えて上記の孔を設けたトロリ線とする場合、中空部の断面積率は、トロリ線の横断面において中空部及び孔を含むトロリ線全体の断面積を用いて求める。
本発明トロリ線は、従来の高速鉄道用のトロリ線、例えば、日本の新幹線で利用されている公称断面積170mm2のトロリ線(線径15.3mm)と外形(線径)を等しくし、中空部を具える構成とすると、従来の高速鉄道用のトロリ線に容易に置き換えることができて好ましい。このとき、中空部の断面積を変化させることで、本体の断面積(導体面積)を変化させることができる。特に、本体の断面積が110mm2となるように中空部を設けたトロリ線とすると(中空部の断面積:60mm2)、十分な導体面積を確保することができると共に、波動伝搬速度が大きくて好ましい。
本発明トロリ線は、本体に加えて上記中空部を有することから、本体の断面積が従来のトロリ線と同じだとすると、中空部の分だけ大きな外形を有する。即ち、本体の断面積を一定とすると、中空部の増大に伴ってトロリ線の外形も大きくなる。実用性を考慮すると、トロリ線の線径が15〜16mm程度になるように中空部を設けることが望ましい。
上記中空部を有する本発明トロリ線は、例えば、押し出しや、押し出し後に引き抜きを行うことで製造することができる。具体的には、押し出したパイプをプラグ引きして製造することが挙げられる。或いは、横断面C字状の部材を押し出しや押し出し及び引き抜きにより作製し、このC字状部材の開口部の隙間を狭めて開口部を閉じるようにして中空部を形成することで、本発明トロリ線を製造することができる。本発明トロリ線は、上述のように中空部に特定の物体などを収納せず、大気を存在させる。従って、開口部は、完全に閉じなくてもよく、隙間があってもよい。また、開口部は、集電部と接触する側に位置することが好ましい。開口部をイーヤ部に挟持される側に位置させた場合、開口部近傍が集電部の押上力に耐え得ることができない恐れがある。開口部を集電部と接触しない側方に位置させた場合、トロリ線が摩耗したとき、開口部近傍の部分が比較的大きな塊となって脱落する恐れがある。
本発明トロリ線は、波動伝搬速度が高いことから、高速走行の電気鉄道の給電線に利用することができ、かつ曲げ剛性が高いことから、使用中、金属疲労による破断が生じ難い。
図1(A)は、本発明トロリ線の横断面図、(B)は従来のトロリ線の横断面図である。トロリ線1は、イーヤ部に挟持される一対の溝1gを長手方向に連続して具える溝付きトロリ線である。このトロリ線1は、長手方向に連続する中空部10を有するところに特徴がある。以下、中空部10を中心に説明する。
中空部10は、図心Cfを含むようにトロリ線1の本体1bに設けられており、本体1bの中間部に位置している。図心Cfは、中空部10を含むトロリ線1全体(トロリ線1の外形を描く図形)における図心である。この中空部10は、横断面において中心Cを中心とする円形状の空洞である。トロリ線1を二等分する線上に中心Cを位置させて、トロリ線1が対称な形状となるように中空部10が存在する。中空部10の大きさは、横断面において中空部10を含むトロリ線1全体の断面積(図1(A)においてハッチングを付した領域の面積に中空部10の面積を加えた合計面積)を100%とするとき、約35.3%である。例えば、トロリ線1の線径R1を15.49mm、トロリ線1全体の断面積を170mm2、本体1bの断面積を110mm2とすると、中空部10は、断面積が約60mm2であり、直径が約8.7mmである。なお、トロリ線1の図心Cfは、市販の演算装置により求めることができる。
トロリ線1の本体1bは、強度に優れる錫入り銅合金(例えば、Snを0.35質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物)からなる。その他、トロリ線1は、高強度で高導電率である材料を用いることができる。このような材料を用いて、図1(A)に示す形状に押し出した後、引き抜くことで、トロリ線1を製造することができる。
或いは、上記銅合金を横断面C字状に押し出した後、引き抜くことでC字状部材を作製し、この部材の開口部の隙間を狭めることで、図2に示すように本体2bが横断面C字状であるトロリ線2としてもよい。トロリ線2は、中空部20からトロリ線2の外周面に繋がる開口部21を有している。開口部21は、集電部と接触する側に具える。
図1(B)に示す中空部を有していない従来のトロリ線100の断面積と中空部10を有するトロリ線1の本体1bの断面積が等しいとすると、トロリ線1は中空部10を有することで、従来のトロリ線100の線径R100よりも線径R1が大きい。しかし、トロリ線1は、従来のトロリ線100と重量が等しいため、従来のトロリ線100と同程度の波動伝搬速度を有する。また、トロリ線1は、中空部10を具えることで曲げ剛性に優れ、高速走行を行う電気鉄道の給電線に用いても、断線し難いと考えられる。
例えば、トロリ線1とトロリ線100とが同じ材質(上記錫入り銅合金)からなり、トロリ線1の本体1bの断面積及び従来のトロリ線100の断面積を110mm2、架線張力を19.6kNとするとき、波動伝搬速度は、いずれも510km/hである。一方、曲げ剛性はそれぞれ、トロリ線1:285Nm2、トロリ線100:132Nm2であり、トロリ線1の方が高い。なお、曲げ剛性は、各トロリ線のヤング率と断面2次モーメントとを測定し、これらの測定値により求めた。ヤング率は、市販の装置で測定し、断面2次モーメントは、市販の演算装置を用いて測定した。
トロリ線1は、特定の大きさであって図心を含む中空部を具えることで、波動伝搬速度が高く、曲げ剛性も高い。従って、トロリ線1は、300km/h超といった高速鉄道の給電線に用いることができ、また、使用中、金属疲労による破断が生じ難く、疲労特性に優れる。
[試験例1]
中空部を有するトロリ線及び中空部を有していない従来のトロリ線を高速走行用の給電線に用いた場合を想定して、電気鉄道の車両の速度とひずみとの関係をシミュレーションにより調べた。その結果を図3に示す。
中空部を有するトロリ線及び中空部を有していない従来のトロリ線を高速走行用の給電線に用いた場合を想定して、電気鉄道の車両の速度とひずみとの関係をシミュレーションにより調べた。その結果を図3に示す。
トロリ線に加わるひずみε(μst)は、以下のように求められる。但し、F:接触力(N)、EI:曲げ剛性(Nm2)、e:重心の距離(m)、T:架線張力(N)、β:無次元化速度=(車両の走行速度)/(c:波動伝搬速度)である。
この試験は、中空部を有するトロリ線として、線径:15.3mm、中空部の断面積率:約35.3%、本体の断面積:110mm2のもの(以下、試料No.1と呼ぶ)、従来のトロリ線として、線径:12.34mm、断面積:110mm2のもの(以下、試料No.100と呼ぶ)を用いた。また、これら二つのトロリ線において接触力F、架線張力T、重心の距離e、波動伝搬速度cを共通とし、F=220N、T=19.6kN、e=15.49m、c=510km/hとした。中空部を有する試料No.1は、曲げ剛性EI:285Nm2、中空部を有していない試料No.100は、曲げ剛性EI:132Nm2とした。なお、シミュレーションは市販の演算ソフトなどを利用すると簡単に行うことができる。
従来の高速鉄道では、ひずみの目安値を500×10-6(500μst)としている。この目安値は、硬銅からなり、公称断面積110mm2(外径12.34mm)のトロリ線(GT110トロリ線)が摩耗限度(残存外径7.5mm)に至った際に、パンタグラフが107回通過しても疲労破断の懸念がない値として定めている。そこで、この試験でも、500μstを目安値とする。
中空部を有していない試料No.100及び中空部を有する試料No.1は、波動伝搬速度(510km/h)が等しく、離線の防止の点から考慮すると、車両の最大走行速度は、約360km/h(波動伝搬速度の70%)である。しかし、図3に示すように、中空部を有していない試料No.100は、ひずみが500μstに達する車両の速度が約270km/hであり、ひずみの点から考慮すると、車両の最大走行速度は、300km/h未満である。これに対し、中空部を有する試料No.1は、ひずみが500μstに達する車両の速度が約360km/hである。従って、試料No.1は、離線の防止及びひずみの双方を考慮しても、車両の最大走行速度を約360km/hにできると考えられる。
[試験例2]
中空部の大きさを変化させたトロリ線について、試験例1と同様にして、速度とひずみとの関係をシミュレーションにより調べた。その結果を図4に示す。また、この試験に用いた各試料の仕様及び物性を表1に示す。
中空部の大きさを変化させたトロリ線について、試験例1と同様にして、速度とひずみとの関係をシミュレーションにより調べた。その結果を図4に示す。また、この試験に用いた各試料の仕様及び物性を表1に示す。
図4のグラフから、断面積率が20%以上である中空部を具える試料No.2〜4のトロリ線は、車両の走行速度が300km/h超であっても、ひずみが500μst未満であり、300km/h超の高速走行を行う電気鉄道の給電線に十分利用できると考えられる。また、図4のグラフから、試料No.2〜4のトロリ線は、車両の最大走行速度を330km/h以上にできることがわかる。
一方、中空部を有していない試料No.101は、上述した試料No.100よりもトロリ線の断面積が大きいことから、曲げ剛性が高くなり、ひずみが500μstに達する車両の速度が約300km/hになっている。しかし、重量が大きくなって波動伝搬速度が小さくなったことから、離線の防止を考慮すると、車両の最大走行速度は、300km/h以下である。また、検知用孔を想定した中空部を有する試料No.102,103は、試料No.100,101とほとんど結果が変わらず、車両の最大走行速度は、300km/h未満である。
上記試験例1,2の結果から、図心を含むように所定の大きさの中空部を具えるトロリ線は、300km/h超といった高速走行を行う電気鉄道の給電線に好適に利用できると考えられる。
なお、上述した実施例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、トロリ線の材質や本体の断面積を変更してもよい。
本発明トロリ線は、新幹線といった高速鉄道の給電線に好適に利用することができる。
1,2,100 トロリ線 1b,2b 本体 1g 溝 10,20 中空部 21 開口部
Claims (3)
- 長手方向に連続する中空部を有するトロリ線であって、
(トロリ線の横断面における中空部の断面積)/(トロリ線の横断面において前記中空部を含むトロリ線全体の断面積)を前記中空部の断面積率とするとき、中空部の断面積率は20%以上であり、
前記中空部は、図心を含むことを特徴とするトロリ線。 - 前記中空部は、横断面形状が円形状であることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線。
- トロリ線は、横断面形状がC字状であり、開口部が集電部と接触する側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のトロリ線。
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JP2007165103A JP2009001195A (ja) | 2007-06-22 | 2007-06-22 | トロリ線 |
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Cited By (1)
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JP6217874B1 (ja) * | 2017-02-14 | 2017-10-25 | 日立金属株式会社 | トロリ線及び架線 |
-
2007
- 2007-06-22 JP JP2007165103A patent/JP2009001195A/ja active Pending
Cited By (2)
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