JP2009000034A - 屋上の低蓄熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、建物の屋上の温度上昇を効果的に抑制し得る屋上の低蓄熱構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る屋上の低蓄熱構造は、建物の屋上面1に多孔質珪酸カルシウムを主成分とする粉末又は小片の集合体から成る低蓄熱材3を配設したものである。あるいは、前記屋上面1に配設した低蓄熱材3の上に植物を植栽した植栽部を配設してもよい。また、前記低蓄熱材3の屋上面1への配設厚さtの下限値を3cmに設定することが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の屋上面の温度上昇・蓄熱を抑制する屋上の低蓄熱構造に関する。
近年、都市部の気温が周辺地域の気温に比べて高くなるヒートアイランド現象が問題となっている。ヒートアイランド現象の原因の一つとして、日中、日光の照射などによって建物の屋上に蓄熱された熱が夜間に大気中へ放出されることが考えられている。
ヒートアイランド現象を抑制するための対策として、例えば、屋上に土壌を配設し、その土壌に植物を植栽する屋上の緑化が行われている。この植栽した植物の蒸散作用によって、屋上付近の大気の温度上昇を抑制することが期待されている。また、屋上に配設する土壌として、屋上への荷重を軽減するために、軽量化を目的として開発されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−325484号公報
しかし、上記特許文献1に挙げた土壌は、日光の照射や大気の熱によって温度上昇し易く、蓄熱し易いといった欠点があった。従って、特許文献1の土壌は、屋上における温度上昇の抑制に適したものではなかった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、建物の屋上の温度上昇を効果的に抑制し得る屋上の低蓄熱構造を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、建物の屋上面に多孔質珪酸カルシウムを主成分とする粉末又は小片の集合体から成る低蓄熱材を配設した屋上の低蓄熱構造である。
上記低蓄熱材は熱伝導率が低いので、日光の照射や大気などの熱によって温度上昇し難く、蓄熱し難い。低蓄熱材を配設した屋上面は、日光の照射や大気に直接曝されるのを回避でき、日光の照射や大気などの熱による温度上昇が抑制される。
また、上記低蓄熱材は貯水性に優れているので、降雨などによって低蓄熱材に水が貯水される。そして、晴天時に、低蓄熱材に貯水された水が低蓄熱材や屋上面などの熱を奪って蒸発することにより、低蓄熱材や屋上面等の温度上昇が抑制される。
また、低蓄熱材は軽量であるので、屋上に配設しても屋上面への荷重の負荷を低減することができる。
また、低蓄熱材は粉末又は小片の集合体から成るので、屋上面の配設領域の形状等の制限を受けることなく簡単に配設することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の屋上の低蓄熱構造において、前記屋上面に配設した低蓄熱材の上に植物を植栽した植栽部を配設したものである。
植物の蒸散作用による屋上の温度上昇の抑制効果を期待することができる。また、低蓄熱材は貯水性に優れているので、植栽した植物に充分な水分を供給することができる。屋上緑化に多く用いられる芝草の土壌として本発明の低蓄熱材を使用すれば、芝草の育成が抑制されるので、芝刈り作業などの労力の省力化、芝刈り作業回数の削減を図れるメリットがある。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の屋上の低蓄熱構造において、前記低蓄熱材の屋上面への配設厚さの下限値を3cmに設定したものである。
このように設定することで、低蓄熱材による屋上の温度上昇の抑制効果を良好に発揮することができる。すなわち、低蓄熱材の配設厚さが3cm未満となると、日光の照射や大気などの熱が低蓄熱材を通過して屋上面に伝達され易くなるからである。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の屋上の低蓄熱構造において、前記低蓄熱材の屋上面への配設量の下限値を乾燥重量で5kg/m2に設定したものである。
このように設定することで、低蓄熱材による屋上の温度上昇の抑制効果を良好に発揮することができる。低蓄熱材の配設量が乾燥重量で5kg/m2未満となると、日光の照射や大気などの熱が低蓄熱材を通過して屋上面に伝達され易くなるからである。
本発明の屋上の低蓄熱構造によれば、日中、日光の照射などによる屋上の温度上昇を抑制することができる。これにより、夜間、屋上から放出される熱量を低減させることができ、ヒートアイランド現象を抑制することができる。
以下、本発の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は本発明の屋上の低蓄熱構造の第1実施形態を示す断面図である。図1に示すように、ビル等の建物の屋上面1に枠型に組み合わされた側壁2が立設されている。その側壁2で囲まれた屋上面1に、粉末又は小片の集合体から成る低蓄熱材3が配設されている。低蓄熱材3は多孔質珪酸カルシウムを主成分として構成されたものであり、熱伝導率が低く、軽量である特徴を有する。低蓄熱材3は、例えば、設備や建物の配管等に配設してある珪酸カルシウム製の保温材を粉砕などして得られる。
図1において、低蓄熱材3は屋上面1の上にほぼ均一な厚さで配設してあり、その低蓄熱材3の配設厚さtの下限値は3cmに設定することが望ましい。また、その低蓄熱材3の配設量を屋上面1の単位面積あたりの乾燥重量で表すと、その下限値を5kg/m2に設定することが望ましい。低蓄熱材3の上記配設厚さ及び配設量が、それぞれの下限値未満となると、屋上の温度上昇の抑制効果が良好に発揮されない虞がある。つまり、低蓄熱材3の配設厚さが3cm未満となった場合、又は、低蓄熱材3の配設量が乾燥重量で5kg/m2未満となった場合は、日光の照射や大気などの熱が低蓄熱材3を通過して屋上面1に伝達され易くなるからである。
図2は本発明の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態は、屋上面1に配設した低蓄熱材3の上に、植物を植栽した植栽部4を配設している。それ以外は、図1と同様の構成である。
上記植栽部4は、例えば、土壌面で育成した芝草を土壌ごと切り取って形成した張芝マットである。また、植栽部4に植栽する植物としては、例えば、ティフ・ブレア、ノシバ、コウライシバ等の芝草、又はトールフェスク、セダム等が挙げられる。
本発明者は本発明の低蓄熱材と従来の土壌構成物のそれぞれの温度変化を比較する試験を行った。以下、この試験について詳しく説明する。
図1に示したのと同様に、建物の屋上面に側壁を立設し、その側壁によって区画された2つの試験区域を配設する。一方の試験区域に、珪酸カルシウムを主成分とする本発明の低蓄熱材を配設し、これを本発明の試験区域とする。また、他方の試験区域に、従来の土壌構成物を配設し、これを従来例の試験区域とする。本発明の低蓄熱材と、従来の土壌構成物は、それぞれ約3cmの厚さに配設してある。従来の土壌構成物は、例えばポリスチレン(EPS)を主成分とする人工土壌である。そして、ある一日における本発明の試験区域と従来例の試験区域のそれぞれの温度変化を測定した。その測定結果を図3と図4に示す。
まず、図3は、本発明の試験区域と従来例の試験区域のそれぞれの表面(上面)付近の温度の測定結果を示している。詳しくは、本発明の低蓄熱材の表面から深さ1cmの位置(例えば、図1において(ア)で示す位置)の温度と、従来の土壌構成物の表面から深さ1cmの位置(図1の(ア)と同様の位置)の温度を測定した結果である。
図3において、実線A1は本発明の試験区域の表面付近の温度を示し、点線B1は従来例の試験区域の表面付近の温度を示す。また、同図において、一点鎖線Tは屋上の気温、二点鎖線RHは屋上の相対湿度を示す。
図3の測定結果より、本発明の試験区域の表面付近の最高温度は38.1℃である。これに対し、従来例の試験区域の表面付近の最高温度は42.2℃となった。それらの最高温度を比較すると、本発明の試験区域の最高温度は、従来の試験区域の最高温度より4.1℃低い。従って、本発明の試験区域は、従来例の試験区域より、表面付近の温度上昇が抑制されていることがわかる。
次に、図4は、本発明の試験区域と従来例の試験区域のそれぞれの底部(屋上面)付近の温度の測定結果を示している。詳しくは、本発明の低蓄熱材の表面から深さ3cmの位置(例えば、図1において(イ)で示す位置)の温度と、従来の土壌構成物の表面から3cm(図1の(イ)と同様の位置)の温度を測定した結果である。
図4において、実線A2は本発明の試験区域の底部付近の温度を示し、点線B2は従来例の試験区域の底部付近の温度を示す。同図において、一点鎖線Tは屋上の気温、二点鎖線RHは屋上の相対湿度を示している。
図4の測定結果から、本発明の試験区域の底部付近の最高温度は37.4℃である。これに対し、従来例の試験区域の底部付近の最高温度は41.1℃となった。それらの最高温度を比較すると、本発明の試験区域の最高温度は、従来例の試験区域の最高温度より3.7℃低い。従って、本発明の試験区域は、従来例の試験区域より、底部付近の温度上昇が抑制されていることがわかる。
また、上記本発明及び従来例のそれぞれの試験区域とは別の試験区域を屋上に2つ配設し、上記試験日と同日にそれらの温度変化を測定した。別の試験区域の一方には、珪酸カルシウムを主成分とする本発明の低蓄熱材を配設し、さらにその上に芝草を植栽した植栽部を配設している(図2参照)。これを、本発明の試験区域とする。また、別の試験区域の他方には、従来の土壌構成物を配設し、その上に芝草を植栽した植栽部を配設している。これを、従来例の試験区域とする。本発明の低蓄熱材と、従来の土壌構成物は、それぞれ約3cmの厚さに配設してある。従来の土壌構成物は、例えばポリスチレン(EPS)を主成分とする人工土壌である。植栽部に植栽した芝草としては、本発明と従来例のどちらもティフ・ブレアを採用した。また、本発明と従来例の試験区域のそれぞれの植栽部(の芝草の高さを除く土壌部分)の厚さは、約2cmに設定してある。そして、これら試験区域において一日(上記試験と同日)の温度変化を測定した。その測定結果を図5と図6に示す。
図5は、本発明の試験区域と従来例の別の試験区域のそれぞれの表面(上面)付近の温度の測定結果を示している。詳しくは、本発明の試験区域に配設した植栽部の表面から深さ1cmの位置(例えば、図2において(ウ)で示す位置)の温度と、従来例の試験区域に配設した植栽部の表面から深さ1cmの位置(図1の(ウ)と同様の位置)の温度を測定した結果である。
図5において、実線A3は本発明の別の試験区域の表面付近の温度を示し、点線B3は従来例の別の試験区域の表面付近の温度を示す。また、同図において、一点鎖線Tは屋上の気温、二点鎖線RHは屋上の相対湿度を示す。
図5の測定結果より、本発明の別の試験区域の表面付近の最高温度は39.8℃である。これに対し、従来例の別の試験区域の表面付近の最高温度は42.6℃となった。それらの最高温度を比較すると、本発明の別の試験区域の最高温度は、従来例の別の試験区域の最高温度より2.8℃低い。従って、本発明の別の試験区域は、従来例の別の試験区域より、表面付近の温度上昇が抑制されていることがわかる。
図6は、本発明の試験区域と従来例の別の試験区域のそれぞれの底部(屋上面)付近の温度の測定結果を示している。詳しくは、本発明の低蓄熱材の表面から深さ3cmの位置(例えば、図1において(エ)で示す位置)の温度と、従来の土壌構成物の表面から3cm(図1の(エ)と同様の位置)の温度を測定した結果である。
図6において、実線A4は本発明の別の試験区域の底部付近の温度を示し、点線B2は従来例の別の試験区域の底部付近の温度を示す。同図において、一点鎖線Tは屋上の気温、二点鎖線RHは屋上の相対湿度を示している。
図6の測定結果から、本発明の別の試験区域の底部付近の最高温度は38.2℃である。これに対し、従来例の別の試験区域の底部付近の最高温度は40.2℃となった。それらの最高温度を比較すると、本発明の別の試験区域の最高温度は、従来例の別の試験区域の最高温度より2.0℃低い。従って、本発明の別の試験区域は、従来例の別の試験区域より、底部付近の温度上昇が抑制されていることがわかる。
また、植栽部に植える芝草をティフ・ブレアに代えてノシバを採用して上記と同様の実験を行った。ノシバの場合は、ティフ・ブレアの場合より温度上昇抑制効果が低減するものの従来例の試験区域に比べて土壌の表面付近及び底部付近の温度上昇が抑制された。
また、下記の表1に、本発明に使用する粉末状又は小片状の低蓄熱材、真砂土、培養土及び土壌改良材の土壌構成物の含水率を示す。なお、土壌改良材は、真珠岩系パーライトを主成分とするものである。
Figure 2009000034
上記表1からわかるように、本発明に使用する低蓄熱材は、他の土壌構成物に比べて含水率が約1.5倍〜2.0倍高く、貯水性(吸水性)に優れている。
また、上記低蓄熱材、真砂土、培養土及び土壌改良材の水分蒸発量及び水分蒸発時間を測定する試験を行った。この試験方法について説明すると、まず、低蓄熱材、真砂土、培養土及び土壌改良材を、同じ重量ずつ採取しそれらに充分に吸水させてサンプルを作る。次に、各サンプルを50℃に保たれた定温乾燥器内に入れ、試験開始(0分)から1560分間、30分おきに各サンプルの重量を測定する。そして、測定したサンプルの重量変化に基づいて水分蒸発量を演算する。その結果を図7に示す。
図7において、プロットした点を繋いだグラフ(a)は低蓄熱材、グラフ(b)は土壌改良材、グラフ(c)は培養土、グラフ(d)は真砂土を表す。また、同図において、縦軸に示す水分蒸発量は、試験開始時(0分)からその測定時間までの間の水分蒸発量を表したものである。
図7のグラフ(a)〜(d)の中でグラフ(a)が最も高く右上がりに傾斜しており、低蓄熱材の水分蒸発量が、それ以外の土壌構成物の水分蒸発量に比べて非常に多いのがわかる。この試験では、低蓄熱材の水分蒸発量は、それ以外の土壌構成物の水分蒸発量の約1.7倍〜2.8倍となっている。
また、グラフ(a)は試験開始から1320分を過ぎたあたりでほぼ横ばいになり、水分の蒸発をほとんど終えた状態となっている。グラフ(c)(b)は、試験時間960分を過ぎたあたりからほぼ横ばいの状態になっている。また、グラフ(b)は、試験時間1320分を過ぎたあたりで、グラフの勾配が緩やかになり、蒸発する水分量が減っている。このことから、グラフ(a)で示す低蓄熱材の水分蒸発時間は、グラフ(c)と(d)で示す培養土と真砂土の水分蒸発時間より長いことがわかる。また、低蓄熱材は約22時間(1320分)水分が蒸発し続けている。従って、この間は、水分の蒸発に伴って奪われる気化熱により低蓄熱材の温度上昇が抑制される。
図1に示すように低蓄熱材を屋上面に配設した場合、大気温が上昇しても、低蓄熱材は熱伝導率が低いので温度昇し難い。屋上面は低蓄熱材に覆われているので、日光が照射されるのを回避することができ、大気の熱も伝わり難くなる。これにより、屋上面の温度上昇が抑制される。
また、降雨などによって低蓄熱材に水が貯水される。そして、晴天時に、低蓄熱材に貯水された水が低蓄熱材や屋上面等の熱を奪って蒸発することにより、低蓄熱材や屋上面等の温度上昇を抑制することができる。また、低蓄熱材に貯めた水を、低蓄熱材の上に植栽した植物に水分供給することができる。
また、本発明の低蓄熱材の上に植栽した芝草の草丈の伸びと、従来の土壌構成物の上に植栽した芝草の草丈の伸びを、それぞれ一定期間測定する試験を行った。詳しくは、珪酸カルシウムを主成分とする低蓄熱材を高さ約3cm(5kg/m2)を配設した上に、芝草を植栽した植栽部を配設し、これを本発明の試験区域とする。また、従来の土壌構成物を高さ約3cm配設した上に、芝草を植栽した植栽部を配設し、これを従来例の試験区域とする。なお、本発明の試験区域と従来例の試験区域における日照時間、温度、給水量等の育成環境は、ほぼ同じ環境とする。
図8のグラフは、本発明の試験区域の芝草と従来の試験区域の芝草に、ティフ・ブレアを使用した場合の試験結果を示す。図8において、点線が本発明の試験区域の芝草の伸びを示し、実線が従来例の試験区域の芝草の伸びを示している。また、図9のグラフは、図8における従来例の試験区域の芝草の伸びに対する本発明の試験区域の芝草の伸び率を表したものである。つまり、図9において、従来例の試験区域の芝草の伸び率を常に100%の実線で示し、これに対する本発明の試験区域の芝草の伸び率を点線で示している。
図9からわかるように、本発明の試験区域の芝草(ティフ・ブレア)は、従来例の試験区域の芝草(ティフ・ブレア)よりも伸び率が約20%〜50%低くなっている。
また、図10のグラフは、本発明の試験区域の芝草と従来の試験区域の芝草に、ノシバを使用した場合の試験結果を示す。図10において、点線が本発明の試験区域の芝草の伸びを示し、実線が従来例の試験区域の芝草の伸びを示している。また、図11のグラフは、図10の結果に基づいて、従来例の試験区域の芝草の伸び率を常に100%の実線で示し、これに対する本発明の試験区域の芝草の伸び率を点線で示したものである。
図11からわかるように、芝草がノシバの場合も、本発明の試験区域のノシバの方が、従来例の試験区域のノシバより伸び率が約5%〜30%低くなっている。
一般に芝草は、水分の多い環境下や、アルカリ土壌(例えば、ティフ・ブレアの場合はpH8.5を超えるアルカリ土壌)では、育成が抑制される傾向にある。図8〜図11の試験結果に示すように、芝草がティフ・ブレアの場合とノシバの場合の両方で、本発明の試験区域の方が従来例の試験区域より芝草の伸びが少なくなったのは、本発明の低蓄熱材が貯水性に優れかつ(例えばpHが約9.6の)アルカリ性を示すことが影響していると考えられる。従って、屋上緑化に多く用いられる芝草の土壌として本発明の低蓄熱材を使用すれば、芝草の育成が抑制されるので、芝刈り作業などの労力の省力化、芝刈り作業回数の削減を図れるメリットがある。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは勿論である。図1と図2では、屋上面に立設した側壁内に低蓄熱材を配設する実施形態を説明したが、例えば、屋上に移動可能な容器を設置し、その容器に低蓄熱材を入れてもよい。また、図1又は図2において、屋上面1と低蓄熱材3の間に、他の部材や土壌などを介在してもよい。
本発明に係る屋上の低蓄熱構造の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る屋上の低蓄熱構造の第2実施形態を示す断面図である。 本発明の低蓄熱材と従来の土壌構成物のそれぞれの温度変化を示すグラフである。 本発明の低蓄熱材と従来の土壌構成物のそれぞれの温度変化を示すグラフである。 本発明の低蓄熱材と従来の土壌構成物のそれぞれの温度変化を示すグラフである。 本発明の低蓄熱材と従来の土壌構成物のそれぞれの温度変化を示すグラフである。 本発明の低蓄熱材を含む各土壌構成物の水分蒸発量と水分蒸発時間との関係を示したグラフである。 本発明の植栽部の芝草(ティフ・ブレア)と従来例の植栽部の芝草(ティフ・ブレア)のそれぞれの伸びを示すグラフである。 図8に示した本発明と従来例のそれぞれの芝草の伸び率を示すグラフである。 本発明の植栽部の芝草(ノシバ)と従来例の植栽部の芝草(ノシバ)のそれぞれの伸びを示すグラフである。 図10に示した本発明と従来例のそれぞれの芝草の伸び率を示すグラフである。
符号の説明
1 屋上面
2 側壁
3 低蓄熱材
4 植栽部

Claims (4)

  1. 建物の屋上面に多孔質珪酸カルシウムを主成分とする粉末又は小片の集合体から成る低蓄熱材を配設したことを特徴とする屋上の低蓄熱構造。
  2. 前記屋上面に配設した低蓄熱材の上に植物を植栽した植栽部を配設したことを特徴とする請求項1に記載の屋上の低蓄熱構造。
  3. 前記低蓄熱材の屋上面への配設厚さの下限値を3cmに設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の屋上の低蓄熱構造。
  4. 前記低蓄熱材の屋上面への配設量の下限値を乾燥重量で5kg/m2に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の屋上の低蓄熱構造。
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