JP2008546716A - 抗GFRα3抗体 - Google Patents

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Abstract

受容体GFRα3に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する抗体および抗体フラグメントを開示する。また、細胞においてRetのリン酸化を阻害するため、および被験体において疾患を治療するために前記抗体および抗体フラグメントを使用する方法も開示する。本発明は、少なくとも一部には、GFRα3に結合して、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する抗体フラグメントの同定と特性決定に基づく。1つの態様では、本発明は、GFRα3に選択的に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する単離抗体またはその抗原結合フラグメントを対象とする。

Description

技術分野
本発明は、受容体GFRα3に結合する抗体および抗体フラグメントに関する。
発明の背景
Retは、神経内分泌細胞およびある種の神経内分泌腫瘍において発現される膜貫通受容体チロシンキナーゼである。活性化Ret突然変異は、遺伝性癌症候群の多発性内分泌腫瘍2型においておよび関連する散在性腫瘍、甲状腺髄様癌および褐色細胞腫(どちらも神経内分泌組織に由来する)のサブセットで起こる。
Retは、神経栄養因子である、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、ニューブラスチン(アルテミンおよびエノビンとしても知られる)およびペルセフィンについての受容体である。リガンド特性は、神経栄養因子が特定のGDNFファミリー受容体α(GFRα3)に結合することによって付与される。GFRα1−GFRα4補助受容体は、好ましい神経栄養因子に結合したときRetを活性する、グリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質である。GDNFはGFRα1に選択的に結合し、ニュールツリンはGFRα2に選択的に結合し、ニューブラスチンはGFRα3(RetL3としても知られる)に選択的に結合し、ペルセフィンはGFRα4に選択的に結合する。
ひとたび活性化されると、Retは、生物学的応答を媒介する様々なシグナル伝達分子を動員する。Retは、RAS/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/AKT、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)、およびc−Jun N末端キナーゼ(JNK)経路などの、様々なシグナル伝達経路を活性化することができる。これらのシグナル伝達経路は、アダプタータンパク質が、それ自体のキナーゼ活性によってリン酸化されるRetの細胞内チロシン残基に結合することを通して活性化される。
GFRα3およびRetへのニューブラスチンの結合は、主として侵害受容感覚ニューロンに局在する(非特許文献1)、三元シグナル伝達複合体を形成する(非特許文献2;非特許文献3)。ニューブラスチンは、ドーパミン作用性ニューロンなどの末梢および中枢神経系のニューロンの生存を促進する(非特許文献2;非特許文献4)。それ故、ニューブラスチン、GFRα3およびRetは神経障害の治療、より詳細には神経因性疼痛の治療において適切である。
Orozco et al.,2001,Eur.J.Neurosci.,13(11):2177 Baudet et al.,2000,Development,127:4335 Baloh et al.,1998,Neuron,21:1291 Rosenblad et al.,2000,Mol.Cell Neurosci.,15(2):199
要旨
本発明は、少なくとも一部には、GFRα3に結合して、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する抗体フラグメントの同定と特性決定に基づく。
1つの態様では、本発明は、GFRα3に選択的に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する単離抗体またはその抗原結合フラグメントを対象とする。
「単離」という用語は、その天然環境から実質的に切り離されている分子を指す。たとえば単離抗体は、それが由来する細胞または組織ソースからの細胞物質を実質的に含まない。この用語はまた、単離抗体が医薬組成物のために十分に純粋である、または少なくとも70−80%(w/w)純粋である、少なくとも80−90%(w/w)純粋である、 少なくとも90−95%(w/w)純粋である、または少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%(w/w)純粋である製剤を指す。
「抗体またはその抗原結合フラグメント」という用語は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域、たとえば免疫グロブリン可変ドメインを与えるアミノ酸配列または免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質を包含する。たとえばこの用語は、重(H)鎖可変領域(ここではVHと略する)および軽(L)鎖可変領域(ここではVLと略する)を有する抗原結合タンパク質を含む。もう1つの例では、この用語は、2つの重(H)鎖可変領域と2つの軽(L)鎖可変領域を含む抗原結合タンパク質を含む。この用語は、抗体の抗原結合フラグメント(たとえば単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fdフラグメント、FvフラグメントおよびdAbフラグメント)ならびに完全抗体、たとえばIgA、IgG、IgE、IgD、IgM型(ならびにそれらのサブタイプ)の無傷免疫グロブリンを包含する。免疫グロブリンの軽鎖はκまたはλ型であり得る。一部の実施形態では、抗体はグリコシル化されている。抗体は、抗体依存性細胞傷害および/または補体媒介性細胞傷害に関して機能性であり得るか、またはこれらの活性の一方または両方に関して非機能性でもよい。VHおよびVL領域は、「フレームワーク領域」(FR)と称される、より保存された領域が間に組み入れられた「相補性決定領域」(「CDR」)と称される超可変性の領域にさらに細分することができる。FRおよびCDRの範囲は正確に定義されている(たとえばKabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,US Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242;およびChothia,C.et al.(1987)J.Mol. Biol.196:901−917)。Kabatの定義をここで使用する。各々のVHおよびVLは、典型的には以下の順序でアミノ末端からカルボキシル末端に配置された3つのCDRと4つのFRから成る:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
「選択的に結合する」という用語は、生理的条件下で比較的安定な複合体を形成する2個の分子を指す。選択的結合は、通常は低い親和性と中から高結合容量を有する非特異的結合と区別される、高い親和性と低から中の結合容量によって特徴づけられる。典型的には、抗体が10−6M未満のKdで結合するとき、結合は選択的とみなされる。必要な場合には、結合条件を変化させることによって選択的結合に実質に影響を及ぼすことなく非特異的結合を低減することができる。
また、GFRα3に選択的に結合し、抗体MOR02683の結合をクロスブロックする単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。
また、抗体MOR02683と同じエピトープ上のGFRα3に選択的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。
また、GFRα3に選択的に結合し、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVHドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である。一部の実施形態では、VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と同一である。
また、GFRα3に選択的に結合し、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVLドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、VLドメインは配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、VLドメインは配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である。一部の実施形態では、VLドメインは配列番号2のアミノ酸配列と同一である。
また、GFRα3に選択的に結合し、(i)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVHドメイン、および(ii)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVLドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、(i)VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であり、および(ii)Lドメインは配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、(i)VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であり、および(ii)VLドメインは配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である。一部の実施形態では、(i)VHドメインは配列番号1のアミノ酸配列と同一であり、および(ii)VLドメインは配列番号2のアミノ酸配列と同一である。
また、GFRα3に選択的に結合し、配列番号3、配列番号4または配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である重鎖相補性決定領域(CDR)を含むVHドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、VHドメインは、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一重鎖CDR、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二重鎖CDR、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三重鎖CDRを含む。一部の実施形態では、VHドメインは、配列番号3、配列番号4および配列番号5のアミノ酸配列を含む。
また、GFRα3に選択的に結合し、配列番号6、配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である軽鎖CDRを含むVLドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、VLドメインは、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一軽鎖CDR、配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二軽鎖CDR、および配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三軽鎖CDRを含む。一部の実施形態では、VLドメインは、配列番号6、配列番号7および配列番号8のアミノ酸配列を含む。
また、GFRα3に選択的に結合し、(i)配列番号3、配列番号4または配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である重鎖CDRを含むVHドメイン、および(ii)配列番号6、配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である軽鎖CDRを含むVLドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメントも開示される。一部の実施形態では、(i)VHドメインは、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一重鎖CDR、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二重鎖CDR、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三重鎖CDRを含み、および(ii)VLドメインは、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一軽鎖CDR、配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二軽鎖CDR、および配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三軽鎖CDRを含む。一部の実施形態では、(i)VHドメインは配列番号3、配列番号4および配列番号5のアミノ酸配列を含み、および(ii)VLドメインは配列番号6、配列番号7および配列番号8のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、ここで述べる単離抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化抗体である。
一部の実施形態では、ここで述べる単離抗体またはその抗原結合フラグメントは、完全ヒト抗体である。
一部の実施形態では、ここで述べる単離抗体またはその抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体である。
一部の実施形態では、ここで述べる単離抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体である。
一部の実施形態では、ここで述べる単離抗体またはその抗原結合フラグメントは、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、FscフラグメントまたはFフラグメントである。
また、ここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する単離細胞も開示される。細胞は、たとえば哺乳動物B細胞と骨髄腫細胞を融合することによって得られる融合細胞であり得る。
また、(i)ここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメント、および(ii)医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物も開示される。
また、GFRα3を発現する細胞を、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害するために有効な量のここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることを含む、細胞におけるニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する方法も開示される。
また、GFRα3を発現する細胞を、Retのリン酸化を阻害するために有効な量のここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることを含む、細胞におけるRetリン酸化を阻害する方法も開示される。
また、有効量のここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメントを含有する医薬組成物をその必要のある被験体(たとえばヒト)に投与することを含む、被験体において癌を治療する方法も開示される。
ここで使用する、「治療する」および「治療」という用語は、病的状態を特徴づける症状またはパラメータを改良するまたは改善するため、病的状態を特徴づける症状またはパラメータの重症度を低減するため、病的状態の進行を予防する、緩慢化するまたは逆転させるため、あるいは病的状態の1またはそれ以上の症状またはパラメータを予防するために有効な量、方法および/または方式で治療薬を投与することを指す。
また、GFRα3およびRetを発現する細胞を提供すること;細胞をニューブラスチンと接触させること;ニューブラスチンの存在下で細胞をインキュベートすること;細胞をここで述べる抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させること;細胞を前記抗体またはその抗原結合フラグメントの存在下でインキュベートすること;細胞に結合した抗体またはその抗原結合フラグメントの量を測定すること;および細胞上のGFRα3およびRetに対するニューブラスチンの結合親和性を、測定された抗体またはその抗原結合フラグメントの結合の量の係数として決定すること、を含む、ニューブラスチンの結合親和性を決定する方法も開示される。
異なる定義がない限り、ここで使用するすべての技術的および学術的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。ここで述べるのと類似または等価の方法および材料が本発明の実施または試験において使用できるが、例示的な方法および材料を以下で説明する。ここで言及するすべての公表文献、特許出願、特許および他の参考文献はそれらの全体が参照によりここに組み込まれる。係争の場合には、定義を含む本出願に準拠する。材料、方法および実施例は例示であり、限定を意図しない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明白である。
詳細な説明
本発明は、GFRα3に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する抗体およびその抗体フラグメントを提供する。
抗体の作製
GFRα3に結合する抗体または抗体フラグメントは、たとえば動物を使用する、免疫によって、またはファージディスプレイなどのインビトロ法によって作製することができる。GFRα3の全部または一部を含むポリペプチドが、抗体または抗体フラグメントを作製するために使用できる。ヒト(配列番号9;GenBank(商標)アクセッション番号O60609)、ラット(配列番号10;GenBank(商標)アクセッション番号NP_445850)およびマウス(配列番号11;GenBank(商標)アクセッション番号O35118)GFRα3のアミノ酸配列のアラインメントを図1に示す(は、3つの種すべての間で保存されているアミノ酸残基を指示する)。配列番号9のアミノ酸1−31は、ヒトGFRα3の予測シグナル配列に対応する。一部の実施形態では、成熟GFRα3ポリペプチドの一部(たとえばGPI結合配列を欠く細胞外領域)を、GFRα3に対する反応性に関してスクリーニングできる抗体を作製するための免疫原として使用することができる。一部の実施形態では、GFRα3の全部または一部を発現する細胞を、抗体を作製するための免疫原として使用することができる。
一部の実施形態では、免疫された動物は、天然、ヒトまたは部分的ヒト免疫グロブリン遺伝子座を有する免疫グロブリン産生細胞を含む。一部の実施形態では、非ヒト動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子の少なくとも一部を含む。たとえばマウス抗体産生を欠損し、ヒトIg遺伝子座の大きなフラグメントを含むマウス系統を工作することが可能である。ハイブリドーマテクノロジーを使用して、所望特異性を備えた遺伝子に由来する抗原特異的モノクローナル抗体を生産し、選択することができる。たとえばXenoMouse(商標)、Green et al.Nature Genetics 7:13−21(1994)、米国特許出願第2003−0070185号、米国特許第5,789,650号および国際公開番号第WO96/34096号参照。
GFRα3に対する非ヒト抗体はまた、たとえばげっ歯動物において生産することができる。非ヒト抗体は、たとえば米国特許第6,602,503号、欧州特許第EP 239 400号、米国特許第5,693,761号および米国特許第6,407,213号に述べられているように、ヒト化することができる。
欧州特許第EP 239 400号(Winter et al.)は、ある種についてのCDRを別の種からのCDRで置換することによって(所与の可変領域内で)抗体を変化させることを述べている。CDR置換抗体はかなり少ない非ヒト成分を含むので、真性キメラ抗体と比較するとヒトにおいて免疫応答を惹起する可能性がより低いと考えることができる。Riechmann et al.,1988,Nature 332,323−327;Verhoeyen et al.,1988,Science 239,1534−1536参照。典型的には、マウス抗体のCDRを、所望置換抗体をコードする配列を生産するために組換え核酸テクノロジーを使用することにより、ヒト抗体内の対応する領域に置換する。所望アイソタイプのヒト定常領域遺伝子セグメント(たとえばCHについてのγIおよびCLについてのκ)を付加することができ、可溶性ヒト化抗体を生産するためにヒト化重および軽鎖遺伝子を哺乳動物細胞において共発現することができる。
国際公開番号第WO90/07861号は、もとのマウス抗体のV領域フレームワークとの最適のタンパク質配列相同性に関するコンピュータ解析によってヒトVフレームワーク領域を選択すること、およびマウスCDRと相互作用する可能性が高いフレームワークアミノ酸残基を視覚化するためにマウスV領域の三次構造をモデリングすることを含む工程を述べている。これらのマウスアミノ酸残基を、次に、相同なヒトフレームワークの上に重ねる。米国特許第5,693,762号;同第5,693,761号;同第5,585,089号;および同第5,530,101号も参照のこと。Tempest et al.,1991,Biotechnology 9,266−271は、標準として、マウス残基の急進的な導入を伴わずに、CDR移植のためにそれぞれNEWMおよびREI重および軽鎖に由来するV領域フレームワークを使用している。NEWMおよびREIに基づくヒト化抗体を構築するためにTempestらのアプローチを使用することの利点は、NEWMおよびREI可変領域の三次元構造がx線結晶解析から公知であり、それゆえCDRとV領域フレームワーク残基の間の特異的相互作用をモデリングできることである。
非ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列、たとえばコンセンサスヒトアミノ酸残基を、特定位置に、たとえば以下の位置の1またはそれ以上(好ましくは少なくとも5、10、12または全部)に挿入する置換を含むように修飾することができる:(軽鎖の可変ドメインのフレームワーク内の)4L、35L、36L、38L、43L、44L、58L、46L、62L、63L、64L、65L、66L、67L、68L、69L、70L、71L、73L、85L、87L、98L、および/または(重鎖の可変ドメインのフレームワーク内の)2H、4H、24H、36H、37H、39H、43H、45H、49H、58H、60H、67H、68H、69H、70H、73H、74H、75H、78H、91H、92H、93Hおよび/または103H(Kabatナンバリングに従って)。たとえば米国特許第6,407,213号参照。
GFRα3に結合する完全ヒトモノクローナル抗体は、たとえば、Boerner et al.,1991,J.Immunol.,147,86−95によって述べられているように、インビトロでプライミングしたヒト脾細胞を用いて生産できる。それらは、Persson et al.,1991,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,88:2432−2436またはHuang and Stollar,1991,J.Immunol.Methods 141,227−236;また、米国特許第5,798,230号によって述べられているようにレパートリークローニングによって作製し得る。大きな非免疫ヒトファージディスプレイライブラリーも、標準ファージテクノロジー(たとえばVaughan et al.,1996;Hoogenboom et al., (1998)Immunotechnology 4:1−20;およびHoogenboom et al.,(2000)Immunol Today 2:371−8;米国特許出願第2003−0232333号参照)を用いてヒト治療薬として開発できる高親和性抗体を単離するために使用し得る。
ここで使用する、「免疫グロブリン可変ドメイン配列」は、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成することができるアミノ酸配列を指す。たとえば配列は、天然に生じる可変ドメインのアミノ酸配列の全部または部分を含み得る。たとえば配列は、1、2またはそれ以上のNまたはC末端アミノ酸、内部アミノ酸を欠如していてもよく、1またはそれ以上の挿入または付加末端アミノ酸を含んでもよく、または他の変化を含んでもよい。1つの実施形態では、免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むポリペプチドは、標的結合構造(または「抗原結合部位」)、たとえばGFRα3と相互作用する構造を形成するためにもう1つ別の免疫グロブリン可変ドメイン配列と結合することができる。
抗体のVHまたはVL鎖は、それによってそれぞれ重または軽鎖免疫グロブリン鎖を形成する、重または軽鎖定常領域の全部または部分をさらに含むことができる。1つの実施形態では、抗体は、2本の重免疫グロブリン鎖と2本の軽免疫グロブリン鎖の四量体である。重および軽免疫グロブリン鎖はジスルフィド結合によって連結され得る。重鎖定常領域は、典型的には3つの定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。軽鎖定常領域は、典型的にはCLドメインを含む。重および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、典型的には、免疫系の様々な細胞(たとえばエフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(C1q)を含む、宿主組織または因子への抗体の結合を媒介する。
抗体の1またはそれ以上の領域は、ヒト、事実上ヒト、またはヒト化であり得る。たとえば可変領域の1またはそれ以上がヒトまたは事実上ヒトであり得る。たとえばCDR、たとえば重鎖(HC)CDR1、HC CDR2、HC CDR3、軽鎖(LC)CDR1、LC CDR2およびLC CDR3の1またはそれ以上がヒトであり得る。軽鎖CDRの各々がヒトであり得る。HC CDR3がヒトであり得る。フレームワーク領域(FR)、たとえばHCまたはLCのFR1、FR2、FR3およびFR4の1またはそれ以上がヒトであり得る。一部の実施形態では、フレームワーク領域全部が、たとえばヒト体細胞、たとえば免疫グロブリンを産生する造血細胞または非造血細胞に由来する、ヒトである。1つの実施形態では、ヒト配列は、たとえば生殖細胞系核酸によってコードされる、生殖細胞系配列である。定常領域の1またはそれ以上は、ヒト、事実上ヒト、またはヒト化であり得る。もう1つの実施形態では、フレームワーク領域(たとえば集合的にFR1、FR2およびFR3、または集合的にFR1、FR2、FR3およびFR4)の少なくとも70、75、80、85、90、92、95または98%、または抗体全体がヒト、事実上ヒト、またはヒト化であり得る。たとえばFR1、FR2およびFR3が集合的に、ヒト生殖細胞系セグメントによってコードされるヒト配列と少なくとも70、75、80、85、90、92、95、98または99%同一であり得る。
「事実上ヒト」の免疫グロブリン可変領域は、免疫グロブリン可変領域が正常ヒトにおいて免疫原性応答を惹起しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含む免疫グロブリン可変領域である。「事実上ヒト」の抗体は、抗体が正常ヒトにおいて免疫原性応答を惹起しないように十分な数のヒトアミノ酸位置を含む抗体である。
「ヒト化」免疫グロブリン可変領域は、修飾形態が、ヒトにおいて非修飾形態よりも少ない免疫応答を惹起するように修飾されている、たとえば免疫グロブリン可変領域が正常ヒトにおいて免疫原性応答を惹起しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含むように修飾されている、免疫グロブリン可変領域である。「ヒト化」免疫グロブリンの説明は、たとえば米国特許第6,407,213号および米国特許第5,693,762号を含む。一部の場合、ヒト化免疫グロブリンは、1またはそれ以上のフレームワークアミノ酸位置に非ヒトアミノ酸を含み得る。
抗体の全部または部分は、免疫グロブリン遺伝子またはそのセグメントによってコードされ得る。例示的なヒト免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α(IgA1およびIgA2)、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに種々様々な免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。完全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25Kdまたは214アミノ酸)は、NH2末端の可変領域遺伝子(約110アミノ酸)およびCOOH末端のκまたはλ定常領域遺伝子によってコードされる。完全長免疫グロブリン「重鎖」(約50Kdまたは446アミノ酸)は、同様に可変領域遺伝子(約116アミノ酸)およびその他の前記定常領域遺伝子の1つ、たとえばγ(約330アミノ酸をコードする)によってコードされる。
完全長抗体の「抗原結合フラグメント」という用語は、対象標的(すなわちGFRα3)に特異的に結合する能力を保持する、完全長抗体の1またはそれ以上のフラグメントを指す。完全長抗体の「抗原結合フラグメント」という用語に包含される結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインから成る一価フラグメントである、Fabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2個のFabフラグメントを含む二価フラグメントである、F(ab’)2フラグメント;(iii)VHとCH1ドメインから成るFdフラグメント;(iv)抗体の1本の腕のVLとVHドメインから成るFvフラグメント;(v)VHドメインから成る、dAbフラグメント(Ward et al.,(1989)Nature 341:544−546);および(vi)機能性を保持する単離相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン、VLとVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、それらを、VLとVH領域が一本鎖Fv(scFv)として知られる一価分子を形成するように対合する一本のタンパク質鎖にすることができる合成リンカーによって、組換え法を用いて結合することができる。たとえばBird et al.(1988)Science 242423−426;およびHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883参照。
MOR02683の変異体
以下の実施例で開示するように、「MOR02683」と称するFabフラグメントは、GFRα3に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する。MOR02683の完全なアミノ酸配列(ならびにVH領域、VL領域、CDRおよびフレームワーク領域のアミノ酸配列)を実施例1の表1に示す。
(i)ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する能力を保持し、および(ii)可変領域内(たとえばVH領域および/またはVL領域)および/または定常領域内に、ここで開示するMOR02683配列と比較して1またはそれ以上のアミノ酸付加、置換(たとえば保存的アミノ酸置換)および/または欠失を含む、MOR02683の変異体を作製することができる。たとえばMOR02683の変異体は、1またはそれ以上のCDRおよび/または1またはそれ以上のフレームワーク領域内に、ここで開示するMOR02683と比較して1またはそれ以上のアミノ酸付加、置換および/または欠失を含み得る。
MOR02683の変異体は、様々な組換えDNA手法のいずれかを用いて作製できる。1つのそのような手法は、MOR02683配列内の1個のアミノ酸残基(または多数のアミノ酸残基)を変化させるために特定ヌクレオチド(1または複数)を変化させる、位置指定突然変異誘発である。市販の位置指定突然変異誘発キットの一例は、Clontech Laboratories(Palo Alto,California)によって市販されている“Transformer Site Directed Mutagenesis Kit”である。
保存的置換は、類似の性質を有するもう1つ別のアミノ酸による1個のアミノ酸の置換である。保存的置換は以下の群内での置換を含む:バリン、アラニンおよびグリシン;ロイシン、バリンおよびイソロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギンおよびグルタミン;セリン、システインおよびトレオニン;リシンおよびアルギニン;およびフェニルアラニンおよびチロシン。非極性疎水性アミノ酸は、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンを含む。極性中性アミノ酸は、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンを含む。正電荷を有する(塩基性)アミノ酸は、アルギニン、リシンおよびヒスチジンを含む。負電荷を有する(酸性)アミノ酸は、アスパラギン酸およびグルタミン酸を含む。同じ群のもう1つ別の成員による上記極性、塩基性または酸性群の1個の成員の置換は、保存的置換とみなすことができる。
一部の実施形態では、MOR02683の変異体は、配列番号1と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるVH領域および/または配列番号2と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるVL領域を含む。
一部の実施形態では、MOR02683の変異体は、配列番号3と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第一重鎖CDR、配列番号4と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第二重鎖CDR、および/または配列番号5と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第三重鎖CDRを含む。
一部の実施形態では、MOR02683の変異体は、配列番号6と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第一軽鎖CDR、配列番号7と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第二軽鎖CDR、および/または配列番号8と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である第三軽鎖CDRを含む。
アミノ酸配列の間の同一性パーセントはBLAST2.0プログラムを使用して決定される。配列比較は、ギャップなしアラインメントを使用し、デフォルトパラメータ(Blossom 62マトリックス、ギャップ存在コスト11、1残基当たりのギャップコスト1、およびラムダ比率0.85)を用いて実施される。BLASTプログラムにおいて使用される数学的アルゴリズムは、Altschul et al.,1997,Nucleic Acids Research 25:3389−3402に述べられている。
抗GFRα3抗体および抗体フラグメントの生物活性
生物学的に活性な抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントは、GFRα3に結合し、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する。一部の実施形態では、抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントは、最初にGFRα3配列に対して作製し、その後三元複合体形成を阻害するその能力に関してスクリーニングする。他の実施形態では、抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントは、MOR02683の変異体を合成し、MOR02683のように、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する変異体の能力を評価することによって作製される。
三元複合体アッセイにおいて、ニューブラスチンタンパク質はRetの細胞外ドメインおよびGFRα3の細胞外ドメインと複合体を形成する。RetおよびGFRα3の可溶性形態は、融合タンパク質(たとえばRetの細胞外ドメインと胎盤アルカリホスファターゼの間の第一融合タンパク質(Ret−AP)およびGFRα3の細胞外ドメインとヒトIgG1のFcドメインの間の第二融合タンパク質)として作製し、ニューブラスチンと組み合わせることができる。抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントが三元複合体の形成を阻害する能力を測定することができる。三元複合体アッセイの例は、国際公開番号WO00/01815号および実施例2に述べられている。
成熟野生型ヒトニューブラスチンは113アミノ酸長であり、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 2008546716
成熟野生型ラットニューブラスチンの配列は以下の実施例で述べる。
「ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する」という語句は、抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントの不在下で起こるものと比較したときの複合体形成の減少を指す。阻害は、必ずしも複合体形成の完全な排除を指示しない。阻害は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の減少であり得る。一部の実施形態では、抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントは、実施例2で述べる三元複合体アッセイによって測定したとき、1.0μg/mlまたはそれ以下(たとえば0.5μg/mlまたはそれ以下、0.25μg/mlまたはそれ以下、または0.1μg/mlまたはそれ以下)のEC50でニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する。
抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントはまた、ニューブラスチンシグナル伝達カスケードの開始をブロックするその能力を評価することによっても評価できる。たとえばキナーゼ受容体活性化(KIRA)アッセイは、ニューブラスチン誘導のRetリン酸化をブロックする抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントの能力を評価するために使用できる(国際公開番号第WO00/01815号およびSadick et al.,1996,Anal.Biochem.,235(2):207参照)。加えて、または選択的に、ニューブラスチンの投与後のERKのリン酸化状態を、この経路をブロックする抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントの能力を評価するために観測することができる。以下の実施例で詳述するように、抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントはまた(ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体形成を阻害することに加えて)、ニューブラスチン誘導のRetのリン酸化をブロックするおよび/またはニューブラスチン依存性のERKのリン酸化をブロックすることができる。
以下は、KIRAアッセイを実施することができる条件の一例である。RetおよびGFRα3を発現する細胞を、24穴プレートにおいてウエル当たり2×10細胞で、10%ウシ胎仔血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中にプレートし、37℃、5%COで18時間培養する。その後細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、DMEM 0.25mL中の抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントおよびニューブラスチンにより、37℃、5%COで10分間処理する。細胞をPBS1mLで洗浄し、10mMトリスHCl、pH8.0、0.5%Nonidet P40、0.2%デオキシコール酸ナトリウム、50mM NaF、0.1mM NaVO、1mMフッ化フェニルメチルスルホニルの0.30mLにより、プレートを静かに揺り動かしながら4℃で1時間溶解する。溶解産物を、ピペットによる分注を繰り返すことによってさらに攪拌し、試料0.25mLを、50mM炭酸塩緩衝液、pH9.6中5μg/mlの抗Retモノクローナル抗体により4℃で18時間被覆し、ブロック緩衝液(20mMトリスHCl、pH7.5、150mM NaCl、1%正常マウス血清および3%ウシ血清アルブミンを含む0.1%トゥイーン−20(TBST))により室温で1時間ブロックした96穴ELISAプレートに移す。室温で2時間インキュベートした後、ウエルをTBSTで6回洗浄する。ウエルを、ブロック緩衝液中2μg/mlのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)複合抗ホスホチロシン4G10抗体と共に室温で2時間インキュベートし、TBSTで6回洗浄して、比色検出試薬で450nmにてHRP活性を測定することにより、リン酸化Retを検出する。溶解産物または溶解緩衝液で処理したウエルからの吸光度値を測定し、バックグラウンド補正したシグナルを、混合物中に存在する抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントの濃度の関数としてプロットする。
抗体生産
抗体は原核および真核細胞において生産することができる。一部の実施形態では、抗体(たとえばscFv)は、ピキア属(Pichia)(たとえばPowers et al.(2001)J Immunol Methods.251:123−35)、Hanseulaまたはサッカロミセス属(Saccharomyces)などの酵母細胞において発現される。
一部の実施形態では、抗体、特に完全長抗体、たとえばIgGは哺乳動物細胞において生産される。組換え発現のための哺乳動物宿主細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(たとえばKaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621の中で述べられているように、DHFR選択マーカーと共に使用される、Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220に述べられているdhfr−CHO細胞を含む)、リンパ球細胞系、たとえばNS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、K562、およびトランスジェニック動物、たとえばトランスジェニック哺乳動物からの細胞を含む。たとえば細胞は哺乳動物上皮細胞であり得る。
免疫グロブリンドメインをコードする核酸配列に加えて、組換え発現ベクターは、宿主細胞におけるベクターの複製を調節する配列(たとえば複製起点)および選択マーカー遺伝子などの付加的な核酸配列を担持し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(たとえば米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号および同第5,179,017号参照)。選択マーカー遺伝子の例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキセート選択/増幅を伴うdhfr宿主細胞での使用のため)およびneo遺伝子(G418選択のため)を含む。
抗体(たとえば完全長抗体またはその抗原結合部分)の組換え発現のための例示的な系では、抗体重鎖と抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターを、リン酸カルシウムを介したトランスフェクションによってdhfr−CHO細胞に導入する。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は、遺伝子の高レベルの転写を駆動するために各々エンハンサー/プロモーター調節エレメント(たとえばCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントまたはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントなどの、SV40、CMV、アデノウイルス等に由来する)に作動可能に連結される。組換え発現ベクターはまた、メトトレキセート選択/増幅を使用して、ベクターでトランスフェクトされたCHO細胞の選択を可能にするDHFR遺伝子を担持する。選択された形質転換体宿主細胞を、抗体重鎖および軽鎖を発現させるために培養し、無傷抗体を培地から回収する。組換え発現ベクターを作製するため、宿主細胞をトランスフェクトするため、形質転換体を選択するため、宿主細胞を培養するため、および培地から抗体を回収するために標準分子生物学手法を使用する。たとえば一部の抗体は、プロテインAまたはプロテインGによるアフィニティークロマトグラフィーによって単離できる。
抗体はまた、修飾、たとえばFc受容体またはC1qまたはその両方との相互作用を低下させるまたは排除するために、たとえばFc機能を変化させる修飾を含み得る。たとえばヒトIgG1定常領域を1またはそれ以上の残基で、たとえば米国特許第5,648,260号のナンバリングに従って、たとえば残基234および237の1またはそれ以上で、突然変異させることができる。他の例示的な修飾は、米国特許第5,648,260号に述べられているものを含む。
Fcドメインを含む一部の抗体に関して、抗体生産系は、Fc領域がグリコシル化されている抗体を合成するように設計し得る。たとえばIgG分子のFcドメインは、CH2ドメイン内のアスパラギン297でグリコシル化される。このアスパラギンは二分岐型オリゴ糖による修飾のための部位である。このグリコシル化は、Fc受容体および補体C1qによって媒介されるエフェクター機能に関与する(Burton and Woof (1992)Adv.Immunol.51:1−84;Jefferis et al.(1998)Immunol.Rev.163:59−76)。Fcドメインは、アスパラギン297に対応する残基を適切にグリコシル化する哺乳動物生産系において作製できる。Fcドメインはまた、他の真核生物翻訳後修飾を含み得る。
抗体はまた、トランスジェニック動物によっても生産できる。たとえば米国特許第5,849,992号は、トランスジェニック哺乳動物の乳腺において抗体を発現するための方法を述べている。乳特異的プロモーターおよび対象抗体、たとえばここで述べる抗体をコードする核酸配列、および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子を構築する。そのようなトランスジェニック哺乳動物の雌性によって生産される乳は、その中に分泌される、対象抗体、たとえばここで述べる抗体を含む。抗体は、乳から精製することができ、あるいは一部の適用に関しては、直接使用できる。
抗体は、たとえば、その安定化および/または循環中、たとえば血液、血清、リンパ、気管支肺胞洗浄液または他の組織中での保持を、たとえば少なくとも1.5、2、5、10または50倍改善する部分で修飾することができる。
一例では、GFRα3結合抗体は、高分子、たとえばポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドなどの実質的に非抗原性高分子と結合することができる。適切な高分子は重量によって実質的に異なる。約200−約35,000ダルトンの範囲(または約1,000−約15,000、および2,000−約12,500)の平均分子量を有する高分子が使用できる。
もう1つの例では、ここで述べるGFRα3結合抗体は、水溶性高分子、たとえば親水性ポリビニル系高分子、たとえばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンに複合することができる。そのような高分子の非限定的なリストは、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキシドホモポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオル、それらのコポリマーおよび、ブロックコポリマーの水溶解度が維持されることを条件として、それらのブロックコポリマーを含む。さらなる有用な高分子は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー(Pluronics)などのポリオキシアルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー;ラクトース、アミロペクチン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミロース、硫酸デキストラン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、または酸性ムコ多糖の多糖サブユニット、たとえばヒアルロン酸などのホモ多糖およびヘテロ多糖を含む、糖単量体D−マンノース、D−およびL−ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(たとえばポリマンヌロン酸またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコースおよびノイラミン酸を含む分枝または非分枝多糖;ポリソルビトールおよびポリマンニトールなどの糖アルコールのポリマー;ヘパリンまたはヘパロンを含む。
医薬組成物
ここで述べる抗GFRα3抗体および抗体フラグメントは、哺乳動物被験体、たとえばヒトに、単独でまたは混合物中で投与することができる。たとえば抗体および抗体フラグメントは、生理食塩水などの医薬的に許容される賦形剤または担体の存在下で投与できる。賦形剤または担体は、投与の様式および経路に基づいて選択される。適切な医薬担体は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(E.W.Martin)およびUSP/NF(米国薬局方および国民医薬品集)に述べられている。
医薬組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように製剤される。投与経路の例は、たとえば静脈内、皮内、皮下、経口(たとえば吸入)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与を含む。非経口、皮内または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は以下の成分を含み得る:注射用蒸留水、塩類溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度調整剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調整できる。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製の、アンプル、使い捨て注射器または多回投与バイアルに封入することができる。
医薬組成物は、ここで述べる抗体または抗体フラグメントの「治療有効量」または「予防有効量」を含み得る。ここで使用する、「治療有効量」は、所望治療結果を達成するために必要な投与回数および期間の、有効量を意味する。抗体または抗体フラグメントの治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別および体重、および個体において所望応答を惹起する抗体、抗体誘導体または抗原結合ポリペプチドの能力などの因子に従って異なり得る。治療有効量を投与するとき、抗体または抗体フラグメントの治療上の有益作用は毒性または有害作用を上回る。ここで使用する、「予防有効量」は、所望予防結果を達成するために必要な投与回数および期間の、有効量を意味する。
投与設計は、最適所望応答、たとえば治療または予防応答を与えるように調整できる。たとえば本発明の一部の実施形態では、単回ボーラスを投与する。他の実施形態では、いくつかに分割した用量を、時間をかけて投与する。状況の緊急性によって指示されるように、用量を比例的に減少または増加することができる。投与の容易さと用量の均一性のために非経口組成物を投与単位形態で製剤することは好都合である。ここで使用する、「投与単位形態」は、各々が、必要な医薬担体と共に所望治療効果を生じるように計算されたあらかじめ定められた量の有効成分を含有する、治療する哺乳動物被験体のための単位投与量として適切な物理的に分離した単位を意味する。
抗体または抗体フラグメントの治療または予防有効量についての例示的な非限定的範囲は、0.1−100mg/kg、0.5−50mg/kg、さらには1−20mg/kg、および1−10mg/kgである。投与量の値は、治療する状態の種類および重症度によって異なり得る。特定被験体に関して、詳細な投与設計は、個体の必要性および組成物を投与するまたは投与を監視する人物の専門的判断に従って経時的に調節することができる。ここで示す用量範囲は単なる例示であり、特許請求する本発明の範囲を限定することを意図しないことは了解されるべきである。
非経口注射投与は、皮下、筋肉内または静脈内注射および注入のために使用できる。加えて、非経口投与のための1つのアプローチは、参照によりここに組み込まれる、米国特許第3,710,795号によれば、一定レベルの用量を維持することを確実にする、徐放性または持続放出性システムの移植を用いる。
一般に、適切な被験体は、抗GFRα3抗体を投与し得る哺乳動物である。治療または予防のために特に意図される被験体は、ヒト、非ヒト霊長動物、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、ラットおよびマウスを含む。
結合アッセイおよび治療方法における使用
標識ニューブラスチンを使用する直接結合アッセイは、細胞表面への塩基性ニューブラスチンの非特異的結合のために実施が困難である。この問題に対する解決策として、ここで述べる抗GFRα3抗体およびその抗原結合フラグメントを、細胞表面上のRet/GFRα3受容体へのニューブラスチンの特異的結合を検出するために使用できる。これらの抗GFRα3抗体および抗体フラグメントは、ニューブラスチンとの複合体ではないGFRα3受容体にだけ結合するので、それらは、占有されていない(unoccupied)GFRα3受容体をプローブし、それによって細胞表面上の受容体へのニューブラスチンの結合親和性を測定するために使用できる。ニューブラスチン結合親和性を測定するための競合結合アッセイの一例を実施例5で述べる。ここで述べる抗GFRα3抗体は、天然に生じる形態のニューブラスチン(たとえばここで述べる成熟形態のヒトニューブラスチン)またはそのフラグメントの生物活性変異体(たとえば国際公開番号第WO00/01815号、同第WO02/060929号または同第WO04/069176号に述べられているニューブラスチンのフラグメントの変異体)の結合を検出するために使用できる。
Retは癌原遺伝子であり、いくつかのヒト癌の病因に関係づけられてきた。加えて、その補助受容体であるGFRα3は一部の型の癌(たとえば小細胞肺癌)において上方調節され得る。ここで述べる抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントは、それ故、GFRα3を通してのRetシグナル伝達を中和し、被験体(たとえばヒト)において癌を治療するために使用できる。ここで述べる抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントで治療できる癌の例は、胃腸管の癌(たとえば食道癌または結腸癌)ならびに膀胱、乳房、結合組織、腎、肺(たとえば小細胞肺癌)、リンパ節、卵巣、皮膚、胃、精巣および子宮の癌を含む。
ここで述べる抗GFRα3抗体またはその抗原結合フラグメントはまた、神経または神経細胞の代謝、増殖、分化または生存を調節するためにも使用できる。特に、抗GFRα3抗体は、被験体において神経疾患を治療するまたは緩和するために使用できる。
ここで開示する抗GFRα3抗体(およびそれを含む医薬組成物)は、脊髄神経節内のニューロンを含む、感覚ニューロンまたは網膜神経節細胞への損傷によって特徴づけられる疾患を治療するための方法において使用できる。
一部の実施形態では、筋萎縮性側索硬化症(「ALS」)および脊髄筋萎縮症などの運動ニューロン疾患を治療することができる。他の実施形態では、抗GFRα3抗体は、外傷後の神経回復を促進するために使用できる。あるいは、または加えて、抗GFRα3抗体を含むマトリックスによる神経ガイダンスチャネルが使用できる。そのような神経ガイダンスチャネルは、たとえば米国特許第5,834,029号に開示されている。
一部の実施形態では、抗GFRα3抗体(およびそれを含む医薬組成物)は、黄班変性、色素性網膜炎、緑内障および同様の疾患に罹患した患者における網膜内の光受容体喪失を含む、眼における様々な疾患の治療において使用される。
一部の実施形態では、抗GFRα3抗体(およびそれを含む医薬組成物)は、神経因性疼痛を治療するため、触覚異痛を治療するため、神経障害に関連する疼痛感受性の喪失を低減するため、ウイルス感染およびウイルス関連の神経障害を治療するため、および有痛性糖尿病性神経障害を治療するために使用される。
以下は本発明の実施の例である。それらは、いかなる意味においても本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1:抗GFRα3 Fab抗体フラグメントの作製
FabファージディスプレイライブラリーHuCAL(登録商標)GOLD(MorphoSys,Inc.,Munich,Germany)を、マウスGFRα3の細胞外領域に由来する以下の配列に対してスクリーニングした:
Figure 2008546716
GFRα3配列に結合したFabフラグメントを特性決定した。MOR02683と命名した抗GFRα3 Fabフラグメントをさらなる検討のために選択した。
HEK 293 EBNA細胞を、空ベクター、ラットGFRα1をコードするベクター、ラットGFRα2をコードするベクター、またはラットGFRα3をコードするベクターで一過性にトランスフェクトした。これらの細胞を、10μg/mlの抗GFRα3ポリクローナル抗体R11(マウスGFRα3配列およびそのカルボキシ末端に異種GC配列を含む、ペプチドARSLGDYELDVSPGC(配列番号14)で免疫して作製したウサギポリクローナル抗体)または10μg/ml MOR02683で染色した。HEK 293 EBNA細胞はGFRα3を内因性に発現するので、ベクターでトランスフェクトした細胞は非染色基線より上方にわずかにシフトした(図2Aおよび2B)。GFRα3でトランスフェクトした細胞においてR11およびMOR02683によって認められたシフトは同等であり、どちらもGFRα3受容体に対する強い親和性を示した(図2Aおよび2B)。ベクターでトランスフェクトした細胞と比較して、GFRα1でトランスフェクトした細胞およびGFRα2でトランスフェクトした細胞のシフトの欠如は、その密接なファミリー成員に比べてGFRα3に対するMOR02683の特異性を示唆した(図2Aおよび2B)。
MOR02683を、空ベクター、マウスGFRα□をコードするベクター、またはヒトGFRα3をコードするベクターで一過性にトランスフェクトしたHEK 293 EBNA細胞に関しても試験した。FACS分析は、MOR02683がヒトおよびマウス形態のGFRα3にも結合することを示した(図3)。
要約すると、MOR02683はマウス、ラットおよびヒトGFRα3に結合するが、ラットGFRα1またはラットGFRα2には結合しないことが認められた。
Fabフラグメント、MOR02683の重鎖および軽鎖(κ3ファミリー)のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は以下のとおりである:
重鎖ヌクレオチド配列
Figure 2008546716
重鎖アミノ酸配列
Figure 2008546716
軽鎖ヌクレオチド配列
Figure 2008546716
軽鎖アミノ酸配列
Figure 2008546716
MOR02683のVHおよびVL領域、ならびに重鎖および軽鎖CDRのアミノ酸配列を表1に詳細に示す。
Figure 2008546716
実施例2
MOR02683はニューブラスチンシグナル伝達複合体の形成をブロックする
抗GFRα3 Fabフラグメント、MOR02683を、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害するその能力に関して評価した。ヤギ抗ヒトFcを96穴プレートに被覆した。MOR02683を、ラットRet−アルカリホスファターゼ
Figure 2008546716
馴化培地中で1時間、1μg/mlのマウスGFRα3−Ig
Figure 2008546716
および50ng/mlのラットニューブラスチン(113アミノ酸形態;
Figure 2008546716
Figure 2008546716
と共にプレインキュベートした後、被覆したプレートにさらに1時間添加した。アルカリホスファターゼ(AP)を化学発光基質で視覚化し、プレートをルミノメーターで読み取った。MOR02683は、約0.25μg/mlのEC50でニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体形成を阻害することが認められた(図4)。
実施例3
MOR02683はニューブラスチンが誘導するRetのリン酸化をブロックする
MOR02683を、Retリン酸化によって測定される、ニューブラスチンの下流シグナル伝達をブロックするその能力に関して評価するため、細胞ベースのキナーゼ受容体活性化(KIRA)アッセイを使用した。ニューブラスチンがGFRα3に結合するとき(ブロッキング抗体の不在下で)、GFRα3はRetを動員し、Retはリン酸化される。KIRAアッセイについての読み出しは、ニューブラスチン誘導のRetのリン酸化である。
マウスRetを内因性に発現するNB41A3細胞(マウス神経芽細胞腫細胞系;ATCC CCL 147)を、マウスGFRα3をコードするベクターで安定にトランスフェクトした(NB41A3−L3と称する細胞系を作製するため)。FabフラグメントがGFRα3と結合する機会を与えるためMOR02683と共にプレインキュベートした。3μg/mlのニューブラスチンを10分間細胞に添加し、細胞を溶解して、溶解産物を、抗ラットRet抗体(ハムスター抗ラットRetモノクローナルAA.GE7.3;国際公開番号第WO97/44356号)で被覆しておいた新しいプレートに添加した。この工程は、溶解産物からのRetをプレート上に捕獲する。その後、プレートに結合したリン酸化Retに結合するHRP標識抗ホスホチロシン抗体(組換え4G10−HRP複合体;カタログ番号16−184;Upstate,Charlottesville,VA)を添加した。HRP標識抗ホスホチロシン抗体の結合をHRP基質で視覚化し、プレートの吸光度からデータを収集した。
漸増濃度のニューブラスチンへの暴露によって誘導されるRetリン酸化の標準曲線は、アッセイが正しく機能したことを確認した(図5)。MOR02683の添加は、ニューブラスチン誘導のRetリン酸化を用量依存的に阻害することが認められ、約0.25μg/mlのEC50を示した(図6)。
実施例4
MOR02683はニューブラスチン依存性のERKのリン酸化をブロックする
MOR02683を、下流シグナル伝達分子ERKのリン酸化によって測定される、ニューブラスチンの下流シグナル伝達をブロックするその能力に関して評価した。ERKのリン酸化は、ニューブラスチン/GFRα3/Ret複合体の活性化が引き金となる事象である。NB41A3−L3細胞(RetとGFRα3を発現する)を、0−200nM MOR02683の存在下に37℃で10分間、1nMニューブラスチンで刺激した。ホスホ−ERKの量を測定した。ERKのリン酸化はMOR02683によって阻害され(IC50=9.1nM)、MOR02683がニューブラスチン依存性のERKのリン酸化をブロックすることを示唆した(図7)。
実施例5
ニューブラスチン競合結合アッセイ
NB41A3−L3細胞を種々の濃度のラットニューブラスチンと共に4℃で10分間インキュベートした。インキュベーションの期間中、細胞表面のGFRα3およびRetへのニューブラスチンの結合反応は平衡に達する。次に、細胞を高濃度(10μg/ml)のビオチニル化MOR02683で2分間クエンチングした。MOR02683は、既にニューブラスチンによって占有されていないGFRα3受容体だけに結合することができ、それ故非占有GFRα3受容体についてのプローブとして働く。クエンチング反応の短いインキュベーション時間中、ニューブラスチンとMOR02683結合の間で再平衡は起こらない。その後、GFRα3に結合したMOR02683の量を、PE−ストレプトアビジンを二次試薬として使用してFACS分析によって定量した。
細胞表面上の受容体へのニューブラスチンの結合親和性を測定するためにニューブラスチンの競合結合を使用した。NB41A3−L3細胞を0−10μMのラットニューブラスチンと共に4℃で10分間インキュベートした。次に、細胞を10μg/mlのビオチニル化MOR02683で2分間クエンチングした。GFRα3に結合したMOR02683の量を、PE−ストレプトアビジンを二次試薬として使用してFACSによって定量した。ニューブラスチン結合に干渉しない抗GFRα3 Fab、MOR02682を対照として使用した。MOR02683のその後の結合にはニューブラスチン濃度依存的低下が認められたが、対照抗体MOR02682に関しては低下が認められなかった(図8)。双曲型方程式へのデータの当てはめは、受容体へのニューブラスチン結合に関して約200nmのKdを生じた。
非ブロッキングFabフラグメント、MOR02682の重鎖および軽鎖(λ2ファミリー)のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は以下のとおりである:
重鎖ヌクレオチド配列
Figure 2008546716
Figure 2008546716
重鎖アミノ酸配列
Figure 2008546716
軽鎖ヌクレオチド配列
Figure 2008546716
軽鎖アミノ酸配列
Figure 2008546716
Figure 2008546716
MOR02682のVHおよびVL領域、ならびに重鎖および軽鎖CDRのアミノ酸配列を表2に詳細に示す。
Figure 2008546716
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と共に述べてきたが、前記の説明は例示を意図するものであり、付属の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定しない。他の態様、利点および修正は、以下の特許請求の範囲内である。
図1は、ヒト、ラットおよびマウスGFRα3のアミノ酸配列のアラインメントである。 図2Aおよび2Bは、R11ポリクローナル抗体(図1A)またはFabフラグメントMOR02683(図1B)によるラットGFRα3の発現の検出を描画したプロットである。 図3は、FabフラグメントMOR02683によるヒトおよびマウスGFRα3の発現の検出を描画したプロットである。 図4は、FabフラグメントMOR02683によるニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体形成の濃度依存的阻害を示すグラフである。 図5は、ニューブラスチンの濃度を上昇させることによるRetリン酸化の誘導を示すグラフである。 図6は、FabフラグメントMOR02683による、ニューブラスチン誘導のRetリン酸化の濃度依存的阻害を示すグラフである。 図7は、FabフラグメントMOR02683による、ニューブラスチン誘導のERKリン酸化の濃度依存的阻害を示すグラフである。 図8は、ブロック性抗GFRα3 Fab MOR02683(■)または非ブロック性抗GFRα3 Fab MOR02683(●)を適用したニューブラスチン競合結合アッセイにおける用量−反応曲線を示すグラフである。

Claims (35)

  1. GFRα3に選択的に結合して、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  2. GFRα3に選択的に結合して、抗体MOR02683の結合をクロスブロックする、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  3. 抗体MOR02683と同じエピトープ上のGFRα3に選択的に結合する、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  4. GFRα3に選択的に結合し、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVHドメインを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  5. 前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項4に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  6. 前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である、請求項4に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  7. 前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と同一である、請求項4に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  8. GFRα3に選択的に結合し、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVLドメインを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  9. 前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項8に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  10. 前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である、請求項8に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  11. 前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と同一である、請求項8に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  12. GFRα3に選択的に結合し、(i)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVHドメイン、および(ii)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるVLドメインを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  13. (i)前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であり、かつ(ii)前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  14. (i)前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であり、かつ(ii)前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  15. (i)前記VHドメインが配列番号1のアミノ酸配列と同一であり、かつ(ii)前記VLドメインが配列番号2のアミノ酸配列と同一である、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  16. GFRα3に選択的に結合し、配列番号3、配列番号4または配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である重鎖相補性決定領域(CDR)を含むVHドメインを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  17. 前記VHドメインが、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一重鎖CDR、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二重鎖CDR、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三重鎖CDRを含む、請求項16に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  18. 前記VHドメインが、配列番号3、配列番号4および配列番号5のアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  19. GFRα3に選択的に結合し、配列番号6、配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である軽鎖CDRを含むVLドメインを含む単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  20. 前記VLドメインが、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一軽鎖CDR、配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二軽鎖CDR、および配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三軽鎖CDRを含む、請求項19に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  21. 前記VLドメインが、配列番号6、配列番号7および配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  22. GFRα3に選択的に結合し、(i)配列番号3、配列番号4または配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である重鎖CDRを含むVHドメイン、および(ii)配列番号6、配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である軽鎖CDRを含むVLドメインを含む、単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  23. (i)前記VHドメインが、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一重鎖CDR、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二重鎖CDR、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三重鎖CDRを含み、かつ(ii)前記VLドメインが、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第一軽鎖CDR、配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第二軽鎖CDR、および配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である第三軽鎖CDRを含む、請求項22に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  24. (i)前記VHドメインが配列番号3、配列番号4および配列番号5のアミノ酸配列を含み、かつ(ii)前記VLドメインが配列番号6、配列番号7および配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
  25. 前記抗体がヒト化抗体である、請求項1−24のいずれかに記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  26. 前記抗体が完全ヒト抗体である、請求項1−24のいずれかに記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  27. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1−24のいずれかに記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  28. 前記抗体が単鎖抗体である、請求項1−24のいずれかに記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  29. 前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、FscフラグメントまたはFフラグメントである、請求項1−24のいずれかに記載の単離抗体またはその抗原結合フラグメント。
  30. 請求項1−29のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する単離細胞。
  31. 前記細胞が、哺乳動物B細胞と骨髄腫細胞を融合することによって得られる融合細胞である、請求項30に記載の細胞。
  32. 請求項1−29のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体とを含有する、医薬組成物。
  33. 細胞におけるニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害する方法であって、GFRα3を発現する細胞を、ニューブラスチン−GFRα3−Ret三元複合体の形成を阻害するために有効な量の請求項1−29のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることを含む、方法。
  34. 細胞におけるRetリン酸化を阻害する方法であって、GFRα3を発現する細胞を、Retのリン酸化を阻害するために有効な量の請求項1−29のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることを含む、方法。
  35. 被験体において癌を治療する方法であって、有効量の請求項1−29のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含有する医薬組成物を、その必要のある被験体に投与することを含む、方法。
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