本発明の特徴とみなされる新規な特性は、特に、添付の請求項で示される。しかしながら、本発明の構造およびその動作方法に関して、本発明そのものは、その追加目的および利点とともに添付図面と関連して読まれれば、特定の実施形態に関する以下の説明から最も良く理解されるであろう。
図1の符号10は、全般的に手持型機器、例えば携帯情報端末を示し、ここで図2に示されるような軽量で小型の画像投影装置20が設けられており、同機器から可変距離で2次元カラー画像を投影するように作動する。例として、画像18は、機器10に対し作動範囲内の距離にある。
図1に示されるように、画像18は、画像の、水平方向に沿って延びる光学水平走査角A上で、さらに垂直方向に沿って延びる光学垂直走査角B上で延在する。以下で記載するとおり、画像は、装置20のスキャナによって掃引される走査線のラスタパターン上の照射される画素および照射されない画素で構成される。
機器10の平行六面体形状は、装置20が実装されるとよいハウジングの単に1つの形状因子を示すにすぎない。機器は、ペン、携帯電話、クラムシェル、あるいは腕時計といった形状が可能である。
好ましい実施形態において、装置20は約30立方センチメートル未満の体積である。この小型の微小サイズにより、装置20は、車載ディスプレイ12、キーパッド14、画像が投影される窓16を有するあるものを含む、小型あるいは大型、携帯型あるいは設置型の多数の多様な形状のハウジングに設けることができるようになる。
図2および3を参照すると、装置20は端面発光型半導体赤色レーザ22を含み、これは、励起されると、断面が楕円形のビームスポットを有する約635〜655ナノメートルの明るい赤色レーザビームを発する。レンズ24は、正の焦点距離をもつ二重球面凸レンズであり、赤色ビームの、事実上全エネルギーを集め、回折制限されたビームを生成するように動作する。レンズ26は、負の焦点距離をもつ凹レンズである。レンズ24,26は、機器10内の(明確化のために図2では示されていない)支持体上で、図示されていない離れた各レンズホルダによって保持される。レンズ24,26は、作動距離にわたって赤色ビームプロファイルを形成する。レンズ24,26は、好ましくは、回転対称性である。
別の端面発光型半導体青色レーザ28が支持体上に設けられ、励起されると、断面が楕円形のビームスポットを有する約475〜505ナノメートルで回折制限された青色レーザビームを発する。別の二重球面凸レンズ30および凹レンズ32を用いて、レンズ24,26と類似の方式で青色ビームプロファイルを形成する。レンズ30,32もまた、好ましくは、回転対称性である。
530ナノメートルのオーダーの波長をもつ緑色レーザビームは、半導体レーザではなく、その代わりに、出力ビームが1060ナノメートルの赤外線ダイオード励起YAG結晶レーザを有する緑色モジュール34により生成される。非線形周波数二倍化結晶が2つのレーザ鏡間にある赤外レーザキャビティ内に含まれる。キャビティ内の赤外レーザ出力は、キャビティ外で結合される出力よりもはるかに大きいため、キャビティ内で二倍周波数の緑色光を周波数二倍器が生成する効率はさらに高い。レーザの出力鏡は、1060ナノメートル赤外放射は反射し、二倍化される530ナノメートルの緑色レーザビームは透過させる。固体レーザおよび周波数二倍器の正しい動作には精密な温度制御が必要であるため、ペルチェ効果に依存する半導体装置を用いて、緑色レーザモジュールの温度を制御する。熱電冷却機は、印加される電流の極性によって装置を加熱するか、あるいは冷却するかのいずれかが可能である。サーミスタは、その温度を監視するための緑色レーザモジュールの一部である。サーミスタからの読出し値は制御装置に与えられ、この制御装置は、それに応じて、熱電冷却機への制御電流を調節する。
以下で説明するとおり、レーザは、動作中に100MHzのオーダーの周波数のパルスになっている。赤色および青色半導体レーザ22,28はこのような高周波のパルスにすることができるが、現在利用可能な緑色固体レーザはパルスにすることができない。その結果、緑色モジュール34を出る緑色レーザビームは音響光学変調器36でパルス化され、この変調器は、緑色ビームを回折するための結晶内に音響定在波を生成する。その一方で、変調器36はゼロ次非回折ビーム38とパルス化された一次回折ビーム40とを生成する。ビーム40は断面が略円形のビームスポットである。ビーム38,40は相互に分岐し、望ましくないゼロ次ビーム38をなくすようにこれらのビームを分離するために、ビーム38,40は、折曲げ鏡42を有する折れ曲がった長光路に沿って送られる。あるいは、電子光学変調器が、緑色レーザビームをパルス化するために緑色レーザモジュールの外部あるいは内部のいずれかで用いられることができる。緑色レーザビームを変調するための他の可能な方法としては、電子吸収変調、すなわちマッハツェンダー干渉計がある。
ビーム38,40は正および負のレンズ44,46を通って送られる。しかしながら、回折された緑色ビーム40だけが折り曲げ鏡48に入射し、そこから反射することが可能である。非回折ビーム38は、好ましくは、鏡48上に設けられる吸収体50によって吸収される。レンズ44,46は、好ましくは、鏡42上に入射するビームスポットの当初の円形形状を楕円形状に変える。鏡48で反射した後に、回折された緑色ビーム40は断面が楕円形ビームスポットになる。
この装置は、走査アセンブリ60に達する前に、緑色、青色、赤色ビームができるだけ同一直線状になるように配置される一対のダイクロイックフィルタ52,54を含む。フィルタ52によって緑色ビーム40が通過できるようになるが、青色レーザ28からの青色ビーム56は干渉効果によって反射される。フィルタ54によって緑色および青色ビーム40,56が通過できるようになるが、赤色レーザ22からの赤色ビーム58は干渉効果によって反射される。
ほぼ同一直線状のビーム40,56,58は、設置型バウンス鏡62に向けられ、そこから反射される。走査アセンブリ60は、第1水平走査角Aでバウンス鏡62によって反射されるレーザビームを掃引するための第1走査速度で(図4〜5で別個に示されている)慣性駆動装置66により揺動可能な第1走査鏡64と、第2垂直走査角Bで第1走査鏡64によって反射されるレーザビームを掃引するための第2走査速度で電磁駆動装置70により揺動可能な第2走査鏡68とを含む。変型構成において、走査鏡64,68を単一の二軸鏡と置き換えることもできる。
慣性駆動装置66は高速で低電力消費の構成要素である。慣性駆動装置の詳細は、本出願と同一の譲渡者に譲渡され、2003年3月13日に出願された米国特許出願第10/387,878号で見ることができ、これはその引用によって本明細書に組み込まれている。慣性駆動装置を使用することで、走査アセンブリ60の電力消費を1ワット未満まで減らし、以下で記述するとおり、カラー画像を投影する場合には10ワット未満まで減らす。
駆動装置66は、ヒンジ軸に沿って延在しつつ走査鏡64の両側領域と可動フレームの両側領域との間に接続される一対の同一直線状のヒンジ部分76,78を含むヒンジによって走査鏡64を支持するための可動フレーム74を含む。フレーム74は、図示されるとおり、走査鏡64を囲む必要はない。
フレーム、ヒンジ部分および走査鏡は、厚さがおよそ150μの、一片でできた、ほぼ平坦なシリコン基板で加工される。シリコンは、上部並列スロット部と、下部並列スロット部と、U字形中央スロット部とを有するΩ形スロットを形成するようにエッチングされる。走査鏡64は、好ましくは、楕円形状であり、スロット部で自由に動く。好ましい実施形態において、楕円形状走査鏡の軸に沿った寸法は749μ×1600μになる。各ヒンジ部分は幅が27μで、長さが1130μになる。フレームは、幅が3100μで、長さが4600μの四角形状である。
慣性駆動装置はほぼ平坦なプリント基板80上に設けられ、フレームを直接動かし、慣性によってヒンジ軸周りで走査鏡64を間接的に揺動するように動作する。慣性駆動装置の一実施形態は、基板80の垂直方向に延在しつつ、ヒンジ部分76のいずれかの側でフレーム74の離間部分に接する一対の圧電振動子82,84を含む。各振動子の1つの端部と各フレーム部分との間で恒久的な接触を確実にするために、接着材が用いられる場合もある。各振動子の逆の端部は基板80の背面から突出し、周期交流電圧源(図示されていない)に対して電線86,88によって電気接続される。
使用時、周期信号が各振動子に対して周期駆動電圧を印加し、各振動子を長さ方向で交互に伸縮させる。振動子82が伸長し、振動子84が収縮する場合、さらにその逆の場合、これによって離間フレーム部分を同時に押し引きし、フレームをヒンジ軸周りでねじる。駆動電圧は走査鏡の機械共振周波数に対応する周波数をもつ。走査鏡は、共振周波数でヒンジ軸周りにおいて同様に揺動するまで、その初期の休止位置から動かされる。好ましい実施形態において、フレームと走査鏡は厚さが約150μであり、走査鏡は高Q値をもつ。各振動子による1μのオーダーの動きにより、20kHzを超える走査速度で走査鏡を揺動させることができる。
別の対の圧電振動子90,92は基板80に対して垂直方向に、ヒンジ部分78のいずれかの側でフレーム74の離間部分と恒久的に接するように延在する。振動子90,92は、フレームの揺動移動を監視して、フィードバック制御回路(図示されていない)への電線94,96に沿って電気フィードバック信号を生成し、導電するためのフィードバック装置として働く。
あるいは、フィードバック用に圧電要素を用いる代わりに、磁気フィードバックを用いることができ、ここで、磁石が高速鏡の背面に設けられ、外コイルを用いて、揺動磁石により生成される変動磁場をピックアップする。
光は走査鏡の外面で反射できるが、金、銀、アルミニウム、あるいは特別に設計される高反射性の誘電体被覆でできた鏡面状被覆で鏡64の表面を被覆することが望ましい。
電磁駆動装置70は、第2走査鏡68上およびその後ろに接合して設けられる永久磁石と、周期駆動信号の受信に応じて周期磁場を生成するように作動する電磁コイル72とを含む。周期磁場が磁石の永久磁場と磁気的に相互作用し、磁石を、次に第2走査鏡68を揺動させるようにコイル72が磁石近くに置かれる。
慣性駆動装置66は、好ましくは5kHzよりも大きな走査速度で、さらに詳細には、18kHz以上のオーダーの高速度で走査鏡64を揺動する。この高走査速度は聞き取れない周波数であるため、ノイズと振動とを最小にする。電磁駆動装置70は、過剰な明滅なしに人の目の網膜上に画像がとどまることができるのに十分な速さの40Hzのオーダーという遅めの走査速度で走査鏡68を揺動する。
速い方の鏡64が水平走査線を掃引し、遅い方の鏡68が水平走査線を垂直に掃引し、これによって画像が構成される、ほぼ平行の走査線の格子または配列のラスタパターンが生成される。各走査線は多数の画素を有する。画像解像度は、好ましくは、1024×768画素のXGAの質である。限定された作動範囲では、720p、1270×720画素で示される高精細度テレビ標準を表示できる。一部の適用例では、VGAの質の半分である320×480画素、またはVGAの質の4分の1である320×240画素で十分である。最低でも、160×160画素の解像度が望ましい。
鏡68が速く、鏡64が遅くなるように、鏡64,68の役割を逆転させることも可能である。鏡64も同様に垂直走査線を掃引するように設計でき、この場合、鏡68は水平走査線を掃引する。さらに、鏡68を駆動するために慣性駆動装置を用いることができる。実際には、いずれの鏡も、電気機械、電気、機械、静電、磁気、あるいは電磁気駆動装置によって駆動できる。
遅い方の鏡は、画像が表示される時間中には、一定速度の掃引様式で動作される。鏡が戻る間には、鏡は、その際立って高い固有振動数で当初の位置に戻るように掃引される。鏡が戻る工程で、装置の消費電力を減らすためにレーザの電力を下げることができる。
図6は、図2と同じ斜視図で示す装置20の実際の実装である。前述の構成要素は、最上部カバー100と支持板102とを含む支持体に設けられる。ホルダ104、106,108,110,112はそれぞれ、折り曲げ鏡42,48と、フィルタ52,54と、バウンス鏡62を互いに位置合わせして保持する。各ホルダは、支持体に対して固定的に設けられる位置決めポストを受け入れるための複数の位置決めスロットを有する。これにより、鏡およびフィルタは正しく位置決めされる。図示されるとおり、3つのポストがあり、これによって2つの角度調節と1つの横方向調節が可能になる。各ホルダはその最終位置で接着剤により接着することができる。
画像は1本以上の走査線の画素の選択照射によって構成される。以下で図7を参照しながらさらに詳細に説明するとおり、制御装置114により、ラスタパターンの選択画素が照射され、3本のレーザビームによって可視化される。例えば、赤色、青色および緑色の電力制御装置116,118,120はそれぞれ、選択される各画素で各光ビームを発するためにレーザを励起するように、赤色、青色および緑色レーザ22,28,34に対して電流を流すが、選択されない他の画素を照射しないためにレーザを停止するように、赤色、青色および緑色レーザに対しては電流を流さない。照射される画素と照射されない画素によって得られるパターンが画像を構成し、この画像は人あるいは機械で読み取り可能な情報もしくは図面の何らかの表示であり得る。
図1を参照すると、ラスタパターンが拡大図で示される。エンドポイントで起動すると、レーザビームは、走査線を形成する反対側のエンドポイントまで、水平走査速度で水平方向に沿って慣性駆動装置によって掃引される。そこで、レーザビームは、第2走査線を形成するために、他のエンドポイントまで、垂直走査速度で垂直方向に沿って電磁駆動装置70によって掃引される。連続する走査線の形成は同じ方法で進められる。
画像は、電力制御装置116,118,120の動作により、マイクロプロセッサ114または制御回路の制御下で、選択時間においてレーザの励起またはパルス化をオン・オフすることによってラスタパターンで生成される。レーザが可視光を生成し、所望の画像内の画素を見ることが所望されれば、レーザがオンにされる。各画素のカラーはビームの1つ以上のカラーによって決まる。可視光スペクトル中のいかなるカラーも、赤色、青色および緑色レーザの内の1つ以上のレーザを選択的に重ねることで構成できる。ラスタパターンは、各ライン上、および複数のライン上の複数画素でできる格子である。画像は選択された画素のビットマップである。各文字または数字、任意の図面設計またはロゴ、および機械読み取り可能なバーコード記号であってもビットマップ画像として形成できる。
図7で示されるとおり、垂直および水平同期データをもつ入射映像信号は、画素およびクロックデータと同様に、マイクロプロセッサ114の制御下で赤色、青色および緑色バッファ122,124,126に送られる。1つの全VGAフレームの記憶装置は多くのキロバイトを必要とし、他のフレームが処理されて投影される間に、1つのフレームが書き込まれることができるようにするために、2つの全フレームに対してバッファに十分なメモリをもつことが望ましい。バッファされたデータは速度プロファイラ130の制御下でフォーマッタ128に送られ、走査によって引き起こされる固有の内部歪みとともに、投射される画像の表示の角度によって引き起こされる幾何学的歪みを修正するために、赤色、青色および緑色ルックアップテーブル(LUT)132,134,136に送られる。得られた赤色、青色および緑色デジタル信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)138,140,142によって赤色、青色および緑色アナログ信号に変換される。赤色および青色アナログ信号は、赤色および青色電力制御装置116,118にも接続される赤色および青色レーザドライバ(LD)144,146に供給される。緑色アナログ信号は音響光学モジュール(AOM)高周波(RF)ドライバ150に供給され、次に、緑色LD148と緑色電力制御装置120とにも接続される緑色レーザ34に供給される。
図7では、赤色、青色および緑色アナログデジタル(A/D)変換器158,160,162に接続され、次にマイクロプロセッサ114に接続される赤色、青色および緑色光ダイオード増幅器152,154,156を含む、フィードバック制御も示される。熱量は、A/D変換器166に接続され、次にマイクロプロセッサに接続されるサーミスタ増幅器164によって監視される。
走査鏡64,68は、次にマイクロプロセッサに接続されるDAC172,174からのアナログ駆動信号が供給されるドライバ168,170により駆動される。フィードバック増幅器176,178は走査鏡64,68の位置を検出し、フィードバックA/D180,182に接続され、次にマイクロプロセッサに接続される。
電力管理回路184は電力を最小化するように動作する一方、好ましくは、すべての時間に緑色レーザを保持し、発振しきい値のすぐ下の値で赤色および青色レーザの電流を保持することで高速オンタイムを可能にする。
レーザ安全遮断回路186は、走査鏡64,68のいずれかで位置外れが検出されれば、レーザを停止するように動作する。
前述のとおり、照射される各画素は、赤色、青色および緑色レーザビームのうちの1つ以上のビームによって照射される。照射される各画素の輝度は、赤色、青色および緑色レーザのうちの1つ以上のレーザの出力電力の関数であり、そのため、照射される各画素の任意の個々のカラー構成要素の最大輝度は、対応するカラーレーザの最大出力電力により制限される。例えば、照射される画素の赤色構成要素の最大輝度は赤色レーザ22の最大出力電力により制限される。
輝度の高いカラー構成要素を得て、これにより輝度の高い画像を得るために、本発明の1つの特性は、各カラーの1つ以上のカラーに対して追加レーザを用いるものである。代表的な赤色レーザ22について図8で示されるように、別の赤色レーザ200が支持体上に設けられる。各赤色レーザ22,200は直線偏光される赤色成分ビーム202,204を発する。各レーザの直線偏光は各レーザのハウジングに対して固定される。すなわち、レーザハウジングを90°だけ調節すると、偏光が垂直から水平に、さらにその逆にも偏光される。
図8において両方向矢印206で示されるとおり、赤色レーザ22の成分ビーム202の偏光は平行、すなわち、赤色レーザ22の楕円形ビームスポット208の長い方のビームスポット寸法に沿って鉛直に伸びる。図8において円210によって示されるとおり、赤色レーザ200の成分ビーム204の偏光は垂直、すなわち、矢印206によって示される平行偏光に対して水平方向で垂直である。水平方向に沿った楕円形ビームスポットの断面は符号212によって示される。
偏光ビームコンバイナ214は両方の直交偏光された成分ビーム202,204の光路内にある。コンバイナ214は、鉛直偏光されたコンバイナに対して平行の平行偏光206のビーム202を内部で通過させ、鉛直偏光されたコンバイナに対して垂直の垂直偏光のビーム204を反射する。両成分ビーム202,204は、主ビーム58を形成するようにコンバイナ214によって結合され、実際には、主ビーム58の出力電力はレーザ22またはレーザ200のいずれかの出力電力よりも大きく、事実上、光学損失を除いて二倍ある。光学レンズ24,26(図2参照)を実質的に構成するビーム構成光学素子218は主ビーム58を光学的に修正し、形成する。主ビーム58は、上述のとおりスキャナに送られ、次に、画像18が投影される表示スクリーン216に送られる。
コンバイナ214に入射する互いに直交する偏光成分ビーム202,204を得るために、赤色レーザ22,200のうちの一方、あるいはもう一方のレーザが、好ましくは、支持体に対して90°だけ物理的に回転される。図8の装置は、主青色ビーム56および主緑色ビーム40の出力電力を増強させるのにも適用可能である。本質的に、各カラーについて、同一カラーの追加レーザがアセンブリに追加され、その出力ビームが元々のカラーレーザの出力ビームと結合される。
図9は、図8の実施形態よりも好ましい実施形態を示す。前記と同様に、赤色レーザ22,200の成分ビームは、スキャナに送り表示スクリーン216に投影するために、主赤色ビーム58を形成するようにコンバイナ214内で結合される。しかしながら、以下のような差がある。第1に、ここでは、主ビーム58の光路内にある単一のビーム形成光学アセンブリ218ではなく(図8参照)、各成分赤色ビームの光路内にビーム形成光学アセンブリ220が設けられる。アセンブリ220は前述のレンズ24,26を備えるが、まず、各光学アセンブリ220が物理的にそのレーザに近いことから、図8の光学アセンブリ218よりもサイズが小さい。
第2に、図9では、その偏光方向を変えるために、レーザハウジングの内の一方あるいはもう一方のハウジングを回転させるのではなく、両レーザが同じ方式で支持体上に設けられ、並べられる。すなわち、赤色レーザ200の成分ビーム204は、楕円形ビームスポット208の長い方の寸法に平行な矢印206と同じように、楕円形ビームスポット224の長い方の寸法に平行な、両方向矢印222で示される偏光をもつ。成分ビーム204の偏光は、コンバイナに達する前に成分ビーム204の光路に半波長板226を挿入することで成分ビーム202の偏光に直交するようになる。半波長板226は不等方性、すなわち、異なる屈折率の2つの軸をもつ。半波長板を入射偏光成分ビームに対してその軸を45°に向けることで、半波長板は偏光を90°だけ回転させる。
前記と同様に、図9の実施形態は、照射される画素の、異なるカラー成分の輝度を同様に高めるために、青色および緑色レーザにも同じく適用可能である。
表示スクリーン216の画像18のコントラストは周辺光の影響を受ける。周辺光が強くなれば、表示される画像のコントラストは低くなる。偏光スクリーンが周辺光からの影響を減らすことは公知である。しかしながら、図8〜9の実施形態において、表示スクリーン216にわたって走査される主ビーム48は互いに直交して偏光される構成要素をもつため、偏光スクリーンの利点を生かすことができない。
偏光スクリーンの利点を生かすために、複合主ビームが偏光スクリーン上で走査される場合、赤色、青色および緑色ビームのおのおのが同じ偏光をもつことが所望される。図3に類似する図10で示されるとおり、赤色および青色レーザ22,28は半導体レーザであり、両方向矢印228で概略的に示されるように、同一の偏光成分ビーム58,56をもつ。しかしながら、緑色レーザ34は、円230により概略的に示されるように、偏光方向が赤色および青色成分ビーム58,56の偏光方向に対して垂直の倍周波数の固体レーザである。
したがって、本発明の他の特性により、赤色および青色ビーム58,56の偏光と一致するまで両方向矢印234で概略的に示されるように、偏光を回転させるために、半波長板226に類似する半波長板232が成分緑色ビーム、好ましくは回折されたビーム40の光路内に挿入される。赤色、青色および緑色ビームの3つのビームが全て同一偏光をもてば、スクリーン216を偏光でき、これにより、周辺光の影響を減らすことができる。
上で説明した要素のおのおの、あるいはそれらを2つ以上合わせたものも、上で説明したタイプとは異なる他の構成タイプでの有用な適用例を見出す場合があることが理解されるであろう。
本発明は画像の質を改善するための装置およびその方法、特に、画像投影装置に対して実施されるものとして図示および記載されてきたが、いかなる場合でも本発明の精神から逸脱することなく、種々の改造および構造上の変更を行うことができることから、提示された詳細に限定することを意図するものではない。
さらなる分析を行うことなく、本発明の要旨は前の記載で完全に明らかされ、現行の知見を適用することで、従来技術の観点から見て、本発明の全般的あるいは特定の態様の本質的な特徴をかなり成り立たせる特性を無視することなく、種々の適用例に対して即座に他者が適用でき、そのためこのような適用例は、以下で示す請求項の意味および等価範囲内に含まれるべきであるか、もしくはそのように意図されている。
新規であり、特許証によって保護されることを求める特許請求の範囲については、添付の請求項にて示される。