JP2008545372A - 細胞の分離、濃縮、及び/又は純化のための連続的なフロー・チャンバ装置 - Google Patents

細胞の分離、濃縮、及び/又は純化のための連続的なフロー・チャンバ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 未成熟な幹細胞を成熟した細胞のような他の細胞から、1つの連続的で、単一過程で、高生産性のフロー・チャンバにおいて、分離するための方法及び装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、細胞分離のための方法及び装置に関する。特に、この発明は、特定の細胞型との接着特性を示す分子でコートされたサブストレート上の特定の細胞型の差別的ローリング特性に基づいた、異なる細胞型の混合物からの特定の細胞型の分離に関する。この技術は、細胞輸送又は腫瘍中立化のためのインプラント可能なシャント及び装置における使用に適応可能である。
【選択図】 図2

Description

本願は、2005年7月7日に出願された米国仮特許出願第60/696,797号、2005年5月20日に出願された米国仮特許出願第60/682,843号、及び2005年1月21日に出願された米国仮特許出願第60,645,012号の優先権を主張するものであり、これらは参照により本願の内容となる。
本発明は、細胞分離のための方法及び装置に関する。特に、本発明は、特定の細胞型に対して接着特性を示す分子でコートされたサブストレート上の特定の細胞型の差別的ローリング特性に基づき、異なる細胞型の混合物から特定の細胞型を分離することに関する。
純化された細胞集団は、生物医学研究及び臨床治療において多くの用途を有している(オウディトール−ハーグリーヴス(Auditore−Hargreaves)他、Bioconjug.Chem.5:287−300,1994;及びワイスマン(Weissman)、Science287:1442−1446,2000)。多くの場合、細胞は、大きさ、密度又は電荷における相違を通じて互いに分離することができる。しかしながら、類似する物性の細胞については、細胞表面上での分子の提示における相違を利用することにより分離されることが多い。細胞親和性クロマトグラフィーはこの手法に基づくもので、特定の細胞表面抗原に対して固定化された抗体を使用することに多く依拠する。そのような親和性カラム分離法は、抗体を用いた細胞培養、細胞の溶離、細胞収集、及び結合された抗体のリリースを含むいくつかの別個のステップを必要とし、各ステップは細胞の全収率を減少させプロセス・コストを増加させる。
細胞のサンプルは、所望の生物学上の標的が豊かなドナーから取得したいというニーズが存在する。異質的なサンプルは無視できる量の対象たる生物学的存在を含むことがあるので、研究、診断薬又は治療のために十分に純潔で十分な量の存続可能で且つ有力な生物学的標的を提供するための分離法の限界が往々にして超過される。分離及び純化後の低収率のため、幹細胞、始原細胞及び免疫細胞(特にT細胞)のようないくつかの細胞型は、細胞生存率及び臨床的有効性が維持されるようにするのを可能とし、細胞が繁殖することが可能な条件下にある、長期培養システム内に置かれなければならない。そのような条件は、存在することが常に知られているわけでない。十分な量の生物学的標的を取得するためには、末梢血のような大量のサンプルがドナーから一度に取得され、又はサンプルがドナーから複数回取り出されなければならず、その上で、その生物学的標的の有用な下ごしらえを取得するために、1又は2以上の長くて、高価で、低収率であることが多い分離法にかけなければならない。ともになされると、これらの問題は、ドナー、分離法、専門技術者、臨床医及び患者に対してかなりの負担をかける。これらの負担は、所望の細胞を隔離するのに必要な時間とコストを大いに増加させる。
幹細胞は、血液、心筋及び肝臓のような組織を備える新規な細胞のための絶えることのない源として作用する特殊な細胞への、無限の増殖及び分化の何れもが可能である。造血幹細胞は、すべての系列の血球を生じさせる能力がある希少な多能性細胞である(カール(Kerr)、Hematol./Oncol.Clin.N.Am.12:503−519,1998)。幹細胞は始原細胞へ形質転換する。始原細胞は、赤芽細胞、骨髄芽球、単球及びマクロファージを含む、いくつかの異なる血球型の前駆物質である。幹細胞は広範囲に及ぶ潜在的用途を有しており、特に癌患者の自式治療に潜在的用途を有している。
典型的には、幹細胞プロダクト(純粋幹細胞、始原細胞、及びCD34+細胞)は、手技においてドナーの骨髄から採取されるが、これは痛みを伴う場合があり、また、入院及び全身麻酔を必要とする(レクテンウォルド(Recktenwald)他、Cell Separation Methods and Applications,Marcel Dekker,New York,1998)。最近では、幹細胞及びコミットされた始原細胞を、提供された末梢血又は外科的処置の間に収集された末梢血から得ることを可能にする方法が開発されてきている。
始原細胞は、骨髄に由来するものも末梢血に由来するものも、(心筋梗塞によって損傷した心筋のような)損傷した組織の治癒を強化するために用いることができる他、(化学療法のような)免疫抑制性の処置後の血液の回復を強化するために用いることもできる。したがって、幹細胞を生体外で純化し、又は循環する幹細胞を生体内で「再アドレス」する改善された手法は、公共の健康に役立つ大いなる可能性を有している。
造血幹前駆細胞(HSPC:hematopoietic stem and precursor cells)は骨髄移植を通じてホスト免疫反応を修復することができるものの、HSPCに対する需要は利用可能な供給を遥かに凌駕する。HSPCは、また、他の血液学的疾患の治療に対する多大な有望性を示す。HSPCは、(より良く理解されている)白血球の輸送過程と似たような方法で、骨髄へのホーミングの際にセレクチン上を接着的にローリングすると考えられている。従前の研究によれば、(幹細胞未成熟性のマーカーを示す)CD34+細胞は、より区別されたCD34−細胞に比して、多くがよりゆっくりとローリングすることが実証されている。ローリング親和性におけるこの差を利用することにより、臨床応用における後の使用のために細胞の生存度を維持しつつ、当初の血液細胞の混合物からCD34+細胞を連続的に分離及び純化するためのフロー・チャンバ装置を構築することが可能であるに相違ない。かかるプロセスは、現在の親和性カラム法に対し、いくつかの歴然とした利点を有するであろう。ローリング親和性に基づいた細胞分離の実現可能性は、人工の接着性マイクロビーズに関してのみ示され、生の幹細胞集団に関しては示されていない。
CD34は幹細胞未成熟性の表面マーカーである。最近の研究は、成人骨髄及び胎児肝臓からのCD34+細胞が、CD34−細胞と比べると、よりゆっくりと且つ大規模にPセレクチン及びLセレクチン上でローリングすることを示した。(グリーンバーグ(Greenberg)他、Biophys.J.79:2391−2403.,2000)。さらに、グリーンバーグ(Greenberg)他は(Biotechnol.Bioeng.73:111−124,2001)、炭水化物でコートされたミクロスフィアのローリング親和性に基づいた分離が可能であることを実証した。
オウディトール−ハーグリーヴス(Auditore−Hargreaves)他、Bioconjug.Chem.5:287−300,1994 ワイスマン(Weissman)、Science287:1442−1446,2000 カール(Kerr)、Hematol./Oncol.Clin.N.Am.12:503−519,1998 レクテンウォルド(Recktenwald)他、Cell Separation Methods and Applications,Marcel Dekker,New York,1998 グリーンバーグ(Greenberg)他、Biophys.J.79:2391−2403.,2000 グリーンバーグ(Greenberg)他、Biotechnol.Bioeng.73:111−124,2001
しかしながら、特定型の細胞の分離のための方法及び装置に対する必要性が残る。特に、未成熟な幹細胞を成熟した細胞のような他の細胞から、1つの連続的で、単一過程で、高生産性のフロー・チャンバにおいて、分離するための方法及び装置に対する必要性が残る。
出願人(発明者)は、異なる細胞型の差別的ローリング速度を利用することにより、細胞の連続的な分離又は純化のための新規な方法及び装置を見出した。すなわち、一般的に、細胞は表面上を大体同じ速度でローリングするが、出願人は、表面を他の細胞に影響を与えずに特定の細胞型に対して「ねばねば」とした場合、その特定の細胞型が他の細胞とは異なったローリング速度を示すことを見出した。ローリング速度における差分を利用することにより、特定の細胞型を、細胞の混合物から分離し、濃縮し、又は純化することができる。
本発明の利点は、現在の他の細胞分離の方法によって利用される人工的で荒削りな環境に対立するものとして、本発明がより少ないステップで済み、細胞をより生理学的に適切な環境に置くということである。本発明は、高価な純化された抗体を用いず、廉価で、高速で、効率的である。本装置により、医師は、より効果的に、癌、免疫不全、血液疾患、及び、潜在的には、心臓病を治療することができるであろう。
本発明の装置は、細胞ローリングのための表面を含んでおり、該表面は、分離し、濃縮し、又は純化される細胞(所望の細胞)の型に対して化学的に又は物理的に接着する物質でコートされている。使用時には、細胞の混合物は、該表面に沿って流れることができる。所望の細胞は、所望の細胞とコートされた面との間の接着により、当該混合物における他の細胞とは異なった速度でローリングするので、他の細胞から分離し、濃縮し、又は純化することができる。
接着分子は、プリオン、ウィルスのカプシッド・タンパク質又は他のあるウィルス蛋白質等のようなタンパク質の、ある領域に特殊的かもしれない。標的固有接着分子は、タンパク質、ペプチド、抗体、抗体フラグメント、融合蛋白質、合成分子、有機分子(例えば小さな分子)などかもしれない。一般に、接着分子とその生物学的標的は、リガンド/抗リガンドのペアを意味する。したがって、これらの分子は、特殊な結束、一般的に相対的に高い親和性を示す分子の相補的/抗相補的なセットとして、考えられるべきである。細胞表面部分−リガンドのペアには、T細胞抗原受容体(TCR:T−cell antigen receptor)と抗CD3モノ・多クローン抗体、TCRと主要組織適合性複合体(MHC:major histocompatibility complex)+抗原、TCRとスーパー抗原(たとえば、ブドウ状球菌エンテロトキシンB(SEB:staphylococcal enterotoxin B)、毒素性ショック症候群毒素(TSST:toxic shock syndrome toxin)など)、B細胞抗原受容体(BCR:B−cell antigen receptor)と抗免疫グロブリン、BCRとLPS、BCRと特異性抗原(1価又は多価の)、NK受容体と抗NK受容体抗体、FAS(CD95)受容体とFASリガンド、FAS受容体と抗FAS抗体、CD54と抗CD54抗体、CD2と抗CD2抗体、CD2とLFA−3(lymphocyte function related antigen−3、リンパ球機能関連抗原3)、サイトカイン受容体とそれらの各サイトカイン、サイトカイン受容体と抗サイトカイン受容体抗体、TNF−R(tumor necrosis factor−receptor、腫瘍壊死因子受容体)ファミリー・メンバーとそれらに対する抗体、TNF−Rファミリー・メンバーとそれらの各リガンド、接着/ホーミング受容体とそれらのリガンド、接着/ホーミング受容体とそれらに対する抗体、卵母細胞ないし肥沃卵母細胞受容体とそれらのリガンド、卵母細胞ないし肥沃卵母細胞受容体とそれらに対する抗体、子宮の子宮内膜ライニング上の受容体とそれらのリガンド、ホルモン受容体とそれらの各ホルモン、ホルモン受容体とそれらに対する抗体、等々が含まれるが、これらに限定されない。他の例は、米国特許第6,265,229号、第6,306,575号及びWO9937751を参照することにより見出すことができる。これらは、参照により、本願に盛り込まれる。最も好ましくは、接着分子は、抗体、セレクチン、カドヘリン、インテグリン、ムチン様ファミリー、免疫グロビンスーパーファミリー又はそれらのフラグメントである。選択された細胞と接着分子の間の接着は、好ましくは50−1000s−1の範囲のフローの場の剪断速度に晒されたときに、細胞が接着分子にしっかりと結合せず、むしろコートされた表面に沿ってローリングするように一時的なものであることが好適である。
接着分子は、表面上の分子を直接に物理吸収(吸収)することにより、表面上をコートすることができる。選択的に、接着分子は、シラネートガラス面で−COOHを−NHグループで反応させることにより、表面へ共有結合させることができる。接着分子の付着のための別の方法は、表面にアビジンタンパク質(「Neutravidin」や「Superavidin」のような変異体を含む。)を先ずは吸収するか取り付け、次に、このアビジンコートされた表面をビオチングループを含んでいる接着分子で反応させることである。接着分子を表面に取り付けるために、静電的荷電又は疎水的相互作用を用いることができる。表面へ分子を取り付ける他の方法は、当業者に明らかであり、関連する表面と接着性分子の型に左右される。
好適な実施形態において、分離、濃度、及び/又は純化の効率を改善するために、接着性分子はローリング面上にマイクロパターニングされている。パターンは、キング(King)によって記載されているように(Fractals,12(2):235−241,2004)、接着性分子の点状分布が好適であり、これは参照によりここに盛り込まれる。ここで、点状とは、均一なコーティングとしてではなく、小さな離散的スポットに濃縮された接着分子を意味し、それは任意の種類のパターンをとることができる。点状のマイクロパターン又は他のマイクロパターンは、マイクロコンタクト印刷により作出することができる。これは、マイクロスケールのスタンプが、小滴がマイクロパターンの(上向き)面に留まっている間、接着分子溶液により上下逆さまで先ず培養される場所である。その後、小滴を吸引して取り除き、直ぐに窒素ガスを吹きかけてマイクロスタンプ表面を乾燥させ、そして次にマイクロスタンプ表面を下向きにしてサブストレート上に直ぐに置く。接着分子のサブストレート上への転写を促進するために、弱い10−20g/cmの重さをスタンプに対して掛けてもよい。サブストレートを除去すると、接着分子のマイクロパターンが表面に残る。
図4は、マイクロパターニングされた表面又は均一な接着性表面の上を流れる細胞の接着を比較する。図4Aにおいて、マイクロパターン上の細胞の平均ローリング速度は等しい平均密度の均一表面上におけるよりも著しく小さく、また、マイクロパターンは遥かに高い平均密度の均一表面より甚だ遅い。図4Bにおいて、ローリング束(接着的にローリングする細胞の数)は、マイクロパターン上で高く、マイクロパターンより遥かに高い平均密度を備えた均一表面で高く、マイクロパターンと一致した平均密度を備えた均一表面で低いことが示されている。したがって、接着性分子のマイクロパターンは、特定の流れる細胞を、均一な接着性表面よりも非常に効果的に効率的に捕らえるために用いることができる。図4Cは、接着性分子の点状マイクロパターンを画像(3x3平方ミクロンの組織培養ポリスチレン上にマイクロパターニングされたPセレクチン)として示す。
図5は、(A)マイクロパターンの分子又は(B)均一コーティングの接着性分子の接着性表面に対する流れる細胞の接着のコンピュータ・シミュレーションによるローリング速度及び分子接着結合数を示す。図5は、マイクロパターンの(「点状」の)分布上では速度及び結合数が振動的で周期的に変動するのに対し、均一表面では変動がランダムであることを示す。したがって、マイクロパターニングされた分子表面は、流れる細胞に規則正しい周期的な表面信号を伝えることに用いることができる。
図13は、繰り返す線状のストライプから成る接着分子の異なるマイクロパターンを示す。マイクロストライプの表面を流れ過ぎる細胞は、表面に付着して沿いながらローリングする。ストライプがフローの方向に対してある角度で並べられた場合、細胞は、ストライプに従い、流れの向きに対して垂直に移動させることができる。したがって、接着分子のストライプは、ローリングする細胞をある方向又は他の方向に「ステアリング」するために用いることができ、また、フロー装置の終端にある種々のチャンバへ細胞を導くことができ、このようにして分類することができる。一実施形態は、殆どの細胞又は弱い付着細胞に装置を通り抜けさせて保持チャンバの方へ「ステアリング」せずに、標的とされた接着性細胞を保管及び後の回収のために側面のチャンバへ「ステアリング」する目的で接着分子のマイクロストライプを用いることである。
特に好適な実施形態において、当該発明は、造血幹細胞(HSCs:hematopoetic stem cells)の自然なローリングする特性を利用し、現在の解決法よりも簡易で、高速で、廉価で、しかも効果的な方法において他の血球から造血幹細胞を分離する。新規な特徴は、血液における他の細胞からHSCsを分離するために、差別的なローリング特性を用いる。この実施形態において、血球はセレクチンタンパク質でコートされた表面に沿ってローリングする。セレクチンとHSCの間の接着は、表面に沿ったHSCのローリング率を遅らせる一方で、他の細胞は通常の率でローリングする。ローリング速度における差分は、他の細胞からHSCを篩い分けて分離する。
本発明の特に有用な用途は、多くの癌、血液障害、及び免疫不全症の治療で使用されるHSCsの分離である。癌及び免疫病の治療では、血液生産に必要な健康な骨髄を破壊する攻撃的な放射線及び化学療法が必要とされる。骨髄及び末梢のHSC移植により、医師は害され又は破壊された骨髄を通常の血球を創出する健康骨髄に取り替えることができる。我々の装置が解決する問題は、後に体に再投入するために如何にして末梢血供給からHSCを分離するかということである。我々の解決手法は、HSCsをフロー・チャンバに分離することである。フロー・チャンバ表面は、HSCsの速度を落として他の残りの血液細胞(血球)から分離するセレクチンタンパク質でコートされている。
本発明のある実施形態において、生体内の体液における細胞の分離、濃縮、及び/又は純化を効率良く行うために、インプラント可能な装置が提供される。このインプラント可能な装置は、体液が通り抜け、所望の細胞型に選択的に接着する接着分子でコートされた表面を有するチャンバを、好ましくは含んでいる。このインプラント可能な装置とは、対象の細胞の濃度を生体内で変更する発明方法という文脈内において用いられうるあらゆる物を意味する。インプラント可能な装置は、とりわけ、ステント、カテーテル、カニューレ、カプセル、パッチ、ワイヤ、注入スリーブ、ファイバー、シャント、グラフト、等々でありうる。インプラント可能な装置及びその各コンポーネントは、本発明の方法に従って用いることが可能である限り、任意のバイオ適合性ある原料組成物、幾何学的フォームないし構成を採りうる。文献には、次のものを含め、インプラント可能な装置を構築するための材料及び方法並びにかかる装置をインプラントするための方法を教示する刊行物が数多くある:米国特許第5,324,518号、米国特許第5,976,780号、米国特許第5,980,889号、米国特許第6,165,225号、米国特許出願公開第2001/0000802号、米国特許出願公開第2001/0001817号、米国特許出願公開第2001/0010022号、米国特許出願公開第2001/0044655号、米国特許出願公開第2001/0051834号、米国特許出願公開第2002/0022860号、米国特許出願公開第2002/0032414号、米国特許出願公開第2004/0191246号、欧州第0809523号、欧州第1174156号、欧州第1101457号、及び国際公開第9504521号。これらは、参照によってここに盛り込まれる。
一実施形態において、本発明のインプラント可能な装置は、セレクチン、インテグリン、カドヘリン、ムチン、免疫グロビンスーパーファミリー、及びカドヘリンのような接着性分子、並びにTRAIL(signal TNF−related apoptosis−inducing ligand、シグナルTNF関連アポトーシス誘発リガンド)、Fasリガンド、及び化学療法剤(例えばドキソルビシン)のような流血中癌細胞の腫瘍成形能力を中和する分子で、その表面がコートされるチャンバを含む。腫瘍中和分子は、細胞表面メタロプロテアーゼによって開裂されうる分子柄によって表面に対して好ましくは結合され、その後細胞に入る。この実施形態において、インプラント可能な装置はその壁に沿った癌細胞のローリングを遅らせ、TRAILは装置のコートされた表面に沿ってゆっくりローリングする癌細胞をフロー・チャンバから循環へ戻される前に破壊する。該装置は、患者に一度インプラントされると、循環する血液をスクリーニングし、血流を妨害することなく転移癌細胞を循環させる腫瘍成形蓋然性を中和する。この技術には、癌療法に対して、癌に関連した死亡及び生活の質の低下に重大な影響を及ぼす転移性腫瘍の蔓延を予防する有意な利点を提供する可能性がある。さらに、この技術には、特定の癌型に対する効能を最適化するために、幾何学的な制約、分子の相互作用、及び適応される治療薬をカスタマイズすることにより、特定の癌に対して有効性を増加するようにチューニングできる可能性がある。
平均ローリング速度を制御するためにチャンバ壁上の灌流流速及びセレクチン密度の両方を用いることができるので、CD34+細胞が表面と近接する際、CD34+細胞にLセレクチン発現を抑制させるような最適条件を判定するために、(フローの下の表面に対する細胞の複雑な浮流の接着を調べるために発明者によって特別に設計された、多粒子接着性ダイナミクス(MAD:multiparticle adhesive dynamics)と呼ばれるコンピュータ・アルゴリズムを用いる)コンピュータ・シミュレーションが用いられる。
そのMADコンピュータ・アルゴリズムを用いるシミュレーションにより、接着性ダイナミクス・シミュレーションが、剪断速度、セレクチンの密度及び種類、並びに白血球上のPSGL−1密度の関数として、細胞のローリング速度及びローリング・フラクションを正確に予測することができることが、既に示されている(キング(King)他、Biophys.J.81:799−813,2001;及びキング(King)他、Proc. Natl.Acad.Sci.USA.98:14919−14924,2001)。したがって、そのコンピュータ・シミュレーションは、分離装置の性能を最適化する設計パラメータを生成するために用いることができる。そのシミュレーションが判定する主要パラメータは、ゆっくりとローリングするCD34+細胞を表面から最終的な流出画分の中へ解放するために、灌流バッファーがカルシウム含有からカルシウム非含有の媒体に変換されるまでの最適遅延時間である(図1を参照)。
出願人(発明者)はフロー下の多粒子細胞接着を調べるためにこの全く新規のアルゴリズムを開発したが、これはADに関する先行研究に基礎を置くものである。ADは、線形の剪断流において、平らな表面に対する固い球状の細胞の接着をシミュレートするために設計された計算アルゴリズムである(ハマー(Hammer)他、Biophys.J.62:35−57,1992;チャン(Chang)他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.97:11262−11267,2000)。ADアルゴリズムは、細胞が当該他方表面に関してローリングし又は移動するときの、細胞とサブストレート間の各分子結合の動作を追跡するものである。結合は、一方の表面上にエンドポイントを備えたコンプライアントなばねの同時的な長さ(又は、未だ結合が形成されていない場合は、仮定の長さ)によって規定されるように、形成と失敗の同時的可能性に従って、確率的に形成されて分断される。静電反発力のような他の表面の相互作用や、重力のような体積力は、そのモデルに含まれている。
当初のADアルゴリズムのこれらの及び他の限界に取り組むために、MADが開発された。この手法は、強粘液における微小粒子の浮流の流体力学的可動性の計算のための境界要素法に基づく(キム(Kim)他、Microhydrodynamics:Principles and Selected Applications,Butterworth−Heinemann,Stoneham,MA,1991)。このCDL−BIEMと呼ばれる方法は、境界付ける面の任意のセットによって閉じ込められた一般的なフローの場における、任意形状の粒子の全てを検討することができるという点で、一般的に適用可能である。CDL−BIEMの修正型は、弾力的に変形可能な粒子を検討するために存在し(ファン−ティエン(Phan−Thien)他、ZAMP41:612−69A,1996)、また、当該方法は、0(N)プロセス(Nは境界要素の数である。)である限り計算上効率的で、容易に比較することができる(フェンテス(Fuentes)他、AIChE J.38:1059−1078,1992;及びアマン(Amann)他、Eng.Anal.Bound.Elem.11:269−276,1993)。この多粒子の流体力学計算はADの改良版に融合された。
MADシミュレーションを有効にした後、そのモデルを、炎症を有する適当な動物モデルの完全な細静脈における白血球/内皮相互作用について、観察テストした。Pセレクチン媒介のローリングを、生体顕微鏡を用いて、麻酔をかけたハムスターの頬袋における直径22−37μmの後毛細管細静脈において視覚化した。ローリング速度は、最も近い細胞に対する中心間分離距離に強く相関し、また、近くの細胞の数と強く相関することが分かる。これらの効果は、血管幅の変化又は血管の長さに沿った分子発現の変化に起因するところを超えている。付着性の白血球は、自由に流れている細胞の更なる付着現象を促進する核生成サイトを提供することが観察され、シミュレーション及び無細胞実験においてまずは示された流体力学的漸増機序が確かに細胞捕獲のための重要な機序であることが確認される。これらの結果は、複数の近接細胞によって引き起こされた流れの場についての従前の理論的検討に適合する。図2は、MADシミュレーションからの代表的結果、すなわち生体外の無細胞実験及びローリング速度の生体内測定を示すもので、工作したシステムと動物炎症モデルとの間の優れた一致を示している。
CD34+細胞の表面発現の修飾は、フロー・チャンバ壁に対してNPPB(広域スペクトルClチャネル阻害剤)を固定化することにより達成することができる。NPPBへ短時間晒すことにより、Lセレクチンレベルを2分の1に減少することが示された。発明者は、成熟した白血球上のLセレクチン発現を減少させるこの方法を上手に用い、さらに、予備接着実験により、Lセレクチン発現におけるこれらの変化がsLeXに対する平均のローリング速度とローリング流束の両方に大いに影響を与えることが確認された。
本発明の1つの好適な実施形態において、この化学的修飾、すなわちフロー・チャンバの壁へのNPPBの固定化は、HSPC(造血幹前駆細胞)のこのサブクラスの接着を変化させ、これらの細胞の行き来する挙動を変化させる。これらの結果は、他の表面修飾反応又は分化反応に適応しうる。
発明の別の好適な実施形態において、灌流された細胞懸濁液は、CD34+細胞のLセレクチン発現が首尾よく変化された程度を判定するために、フロー・チャンバを離れた後、ポンプ・シリンジの中に収集され、その後、排出流が流動細胞計測法によってテスト可能になるまで、固定後に保管される。該発明は、CD34+細胞だけの希薄な浮流でテストして最適化した後、CD34+と全血の混合物テストを続けて行うことができる。
セレクチンは、HSCcと白血球が一時的に拘束ないし粘着するタンパク質である。CD34+幹細胞は未成熟な幹細胞で最大の幹細胞活性を有しており、CD34−幹細胞より効率的に(又はゆっくりと)ローリングすることが示されている。CD34−幹細胞は、よりコミット又は分化した細胞である。赤血球と血小板はセレクチン上をローリングしないが、白血球及びいくつかの腫瘍細胞はローリングを示す。
当該技術は、差別的なローリング能力を利用すること、したがって残存血液構成成分からPBSCs(末梢血幹細胞、peripheral blood stem cellsの略)をフィルタリングすることができる分子であるセレクチンの最適分配によりコートされたフロー・チャンバを設計することを目的とする。発明の名称を“Process For In Vivo Treatment of Specific Biological Targets in Bodily Fluid”とする米国特許出願US20040191246は、生物学的特性に基づいて有用な細胞型を分類及び分離可能な装置に対する必要性に取り組む。当該特許出願は、「生物学的生体の体液の生体内の治療のためのプロセスであって、前記生体に装置がインプラントされ、該体液は装置内の結着剤と接触させられ、該流体の少なくとも1つの細胞の構成要素の流速が減少される。」ことを備えた発明を記載する。
本願において提案する装置は、末梢血中を流れる成体幹細胞を操作する能力を付け加えることにより、US2004/0191246に記載された装置を改良するものである。この装置の基本的前提は、流れる成体HSPCを血液から一時的に捕らえ、また、細胞が表面と近接している間に、捕らえられた細胞の表面受容体提示をそのホーミング特性を変形するように修飾することである。このようにして、幹細胞の流れを体内で変えることができる。本件におけるUS2004/0191246の範囲を超える改善例には、再循環の流れを加え、連続した複数段のフロー・チャンバを組み立てることが含まれる。
当該装置の一実施形態は、人間若しくは動物にインプラントし、又は生体外で用いることができるものであるが、記載されるように、癌細胞及び初期の始原細胞を含む標的細胞を特別に修飾することができる。
本発明のある好適な実施形態において、循環血液における細胞は、(i)一時的に捕らえられ、(ii)細胞の接着特性を変化させるために細胞表面上で化学的に修飾され、及び(iii)細胞の生存度を保持する間に血流へ解放される。この実施形態は、循環転移癌細胞の腫瘍成形可能性を選択的に中立化させるためのインプラント可能な装置の形成において、特に好適な用途を有している。このインプラント可能な装置は、癌細胞、好ましくはセレクチンに対する接着性分子と、癌細胞、好ましくはTRAIL、Fasリガンド、又は化学療法剤を中和し又は破壊する分子と、で表面がコートされたチャンバを好ましくは含む。ここで、接着性分子は癌細胞をチャンバの表面に沿ってゆっくりとローリングさせ、他方TRAIL(または癌細胞を中和する他の分子)は癌細胞がフロー・チャンバから循環へ戻し放たれる前に流血中癌細胞の腫瘍成形能力を中和する。TRAIL(又は癌細胞を中和する他の分子)分子は、装置表面へ取り付けられて血流に自由に注入されないので、最小限のTRAIL関連の副作用を生じさせて患者の生命の質の向上に貢献する。
この装置は、患者に一度インプラントされると、血流を害することなく、循環血液をスクリーニングし、循環転移癌細胞の腫瘍成形可能性を中和する。この技術には、癌療法に対して、癌に関連した死亡及び生活の質の低下に重大な影響を及ぼす転移性腫瘍の蔓延を予防する有意な利点を提供する可能性がある。さらに、この技術は、特殊の癌が幾何学的な制約、分子の相互作用、及び特殊の癌型に対する効能を最適化する適応治療薬のカスタマイズにより、その有効性を増加するために調整されうる。
他の好適な実施形態において、ここに記載された装置は再循環流を含む。そこでは、装置からの排出流の一部は、引込流入へリサイクルされる。これは、所望の細胞の引込濃度を効果的に増加し、これによって排出流の濃度が改善される。
さらに別の好適な実施形態において、ここに記載された装置は、全体として単一の連続した複数段のフロー・チャンバを含む。この場合、少なくとも2つの装置が連続して連結され、ある1つの装置の排出流が次の装置の引込口に流れる。各後続装置は、所望の細胞を、さらに濃縮し、分離し、且つ/又は純化する。
この装置のある好適な実施形態はガラス微小毛細血管網から成り、その網の内側の全部又は一部は接着性分子のコーティングを備える。結束は永久でないので、形成された結合は、微小毛細血管中のフロー・ストリームに晒されたときに、境界細胞が「ローリングする」ことを直ちに解くことができる。微小毛細血管システムは、微小流体システム又は微小/全体分析システム(μTAS)とも呼ばれ、当該技術分野において周知であり、ハンディク(Handique)他に対する米国特許第6,692,700号、オコーナー(O’Connor)他に対する同第6,919,046号、ワイルディング(Wilding)他に対する同第6,551,841号、パース(Parce)他に対する同第6,630,353号、ウォルク(Wolk)他に対する同第6,620,625号、及びコプフ−シル(Kopf−Sill)他に対する同第6,517,234号に詳細に開示されており、これらは参照によりここに盛り込まれる。微小毛細血管網は、特に、高生産性の少量サンプルの細胞分離、濃縮、及び/又は純化において有用である。
発明者によって生成された再現可能なテスト・データによれば、多価のPセレクチンキメラと抗CD34抗体との的確な結合により、HSCsと成熟白血球の間のローリング速度における差分を0から2倍まで増加可能であることが示される。ローリング速度におけるこの差分は、HSCsが広範囲の生理学的壁剪断応力(1−10dyn/cm)上を一貫してゆっくりとローリングする状況とともに、高生産性で、フロー・ベースの細胞分離プロセスのための基礎として役立つであろう。
この発明の好適な一実施形態において、平行HSPCと成熟血球浮流のローリング相互作用を支援するためにP−及びE−セレクチン提示表面で機能的にされた平板電極フロー・チャンバ装置が、患者の循環に接続される。
先に、出願人は、無細胞の分析に焦点を置いた白血球付着を調べるために、あるシステムを用いた。そのシステムにおいて、白血球と内皮接着分子は、sLe、PSGL−1又は他のセレクチン拘束リガンドを示すポリマー・ミクロスフィア(モデル白血球)から成る合成システムにおいて再構成される(ブランク(Brunk)他、Biophys.J.72:2820−2833,1997;及びロジャーズ(Rodgers)他、Biophys.J.79:694−706,2000)。これは、現在の装置の構成のためのモデルとして役立つ。平行平板電極フロー・チャンバの下部表面は、血管を繋ぐ内皮細胞によって本質的に発現された、Pセレクチン、Eセレクチン、Lセレクチン、又は他の接着分子でコートされている。無細胞分析により、完全な後毛細管細静脈と相互に作用する白血球に類似した、騒がしい(ノイジーな)ローリング挙動を呈示することがと示された。無細胞実験は、血液及び内皮細胞の表面に存在する無数の受容体及び反受容体の生理学的役割を同定するのに有用であった(ゴエツ(Goetz)他、Biophys.J.66:2202−2209,1994)。出願人は、これらの実験技術について、いくつかの論文上で発表した(キング(King)他、Langmuir.17:41394143,2001;キング(King)他、Biophys.J.81:799−813,2001;及びキング(King)他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.98:14919−14924,2001)。
ローリング面又はチャンバのコーティングは、以下の手順で行うことができる。ローリング面を、2−20μg/mLの範囲の可溶性のP−又はL−セレクチン濃縮液(R&D Systems)で2時間培養する。コート面を、市販の付着フロー・チャンバ(Glycotech)にアッセンブルし、コンピュータ制御されたシリンジ・ポンプ(New Era Systems)に接続する。表面との非特異性の付着を最小限にするために、分離したHSPCを、1mMカルシウムイオン及び0.5%HSAのPBS緩衝剤において懸濁する。CD34+細胞を含んでいる細胞の混合物をこの細胞分離において用い、50−1000s−1の範囲の剪断速度でフロー・チャンバへ供給する。セレクチン提示表面に対して弱くて一時的な付着を呈示することが示されたCD34を含んでいない細胞は、フロー・チャンバ・システムをまず初めに通り抜けて排出流に出て行く。セレクチンがその炭水化物リガンドに付着するのにカルシウムイオンが必要であるので、細胞混合物は好ましくはカルシウムを含む。フローが開始された後一定の時点において、引込み溶液はセレクチン表面からCD34+細胞を「放つ」無カルシウム媒体に切り替えられ、また、放たれた細胞は殆どが排出浮流の最終画分内に含まれる。灌流媒体を切り替える的確な時間は未だ知られていない。しかしながら、200s−1の剪断速度において平均CD34+ローリング速度が20μm/sで、利用可能なセレクチン表面の長さが13.5mmであると想定すると、カルシウム含んでいる画分へ出るCD34+細胞の数を最小限にするためには、〜14分のスイッチオーバー時間が用いられるべきである。このスイッチオーバー時間は、下記に述べるような分離実験のコンピュータ・シミュレーションを行なうことにより、最大の細胞分離を達成するように最適化することができる。CD34+及びCD34−細胞の相対濃度は、抗CD34・1次抗体(R&D Systems,Rockville,MD)及び蛍光性2次抗体(Molecular Probes)でまずは細胞懸濁液を処理することにより、流動細胞計測法によって評価することができる。
また、更に本発明の別の実施形態において、全血混合物からのCD34+細胞の分離は、セレクチン及び抗CD34抗体付着の組合せを用いて達成される。これは、セレクチン介在ローリングにおける差分に基づいてCD34+及びCD34−HSPCを分離することを含む。
本発明の別の実施形態は、CD34表面提示において異なるが物理的特性において似ている細胞集団を分離する概念の変形であって拡張であるが、全血浮流における混合されたHSPC集団がセレクチン介在ローリングを通じて全血から分離される。この場合、Pセレクチン(又はLセレクチン)及び固定されたハプテン結合抗CD34モノクローナル抗体(例えば、QBEND/10,IgGl,0.5μg/10細胞)の両方で流れ面をコートすることが必要であろう。恐らくはセレクチンに比べ結合形成の割合が低いため、抗体分子のみでは自由流から細胞を捕らえるのに不十分であることが実証されたので、セレクチン分子が必要である点に留意されたい。この場合、一般の、十全に差別化された白血球は、セレクチンの相互作用によりフロー・チャンバをゆっくりと通り抜けるであろう。しかし、より未成熟なHSPCは抗体相互作用により完全に捕捉されるであろう。一旦成熟細胞がフロー・チャンバからフラッシュされれば、捕らえられたHSPCは最終の溶離ステップで解放されなければならない。
本発明のある好適な実施形態は、十分に定義された放物線状の速度プロファイルを創出する代わりに、骨髄の複雑な洞様血管フローをより良く表わすように構築されたフロー・チャンバから成る。
好適な一実施形態において、接着分子を含んでいるフロー・チャンバは、未成熟なHSPCを捕らえて、それらが機能的フロー・チャンバの下流のエッジで主流に解放される前に、化学的に細胞の表面を修飾するために十分な時間の間より低い壁に近接して接着的にそれらを保持する。
更なる記載がなくとも、当該技術分野において通常の熟練を有する者は、以上の記載及び以下の説明例を用いることで、本発明のコンパウンドを製造・利用し、クレームされた方法を実践することができると考えられる。以下の実施例は、本発明を説明するために挙げられるものである。該発明は、この例に記載された特定の条件又は詳細事項に限定されるものでないことが理解されなければならない。
実施例1
貴重なHSPCsを捧げることなく実験計画を確立するために、我々は、CD34KG1a細胞がHSPCsを代表し、CD34HL60細胞がCD34ABM細胞を代表するモデル・システムを利用した。後続のHSPC実験のために最適のPセレクチン濃度を判定するために、KG1a/HL60モデル用いた。我々は、KG1aとHL60の細胞が、エミオラ(Emiola)他(2003年)のデータに基づいて、テストされたように、すべてのPセレクチン濃度において非常に類似する速度でローリングすることを初めに知り、そこで、我々は抗CD34抗体をPセレクチンと共に共同固定し、0.5μg/mlのPセレクチン及び40μg/mlの抗CD34において、これら2つの細胞のローリング速度間に有意な差があることを知った(図6A)。HSPCがセレクチン上でCD34細胞よりもゆっくりとローリングする傾向があるというより詳細に表明された先の知見は、我々自身の0.5μg/mlのPセレクチンを用いるHSPC/CD34ABM細胞実験によって更に強固なものとなった(図6B)。抗体の存在はABM細胞のローリング速度に殆ど影響がなかったので、ABM細胞を用いる後の実験では用いなかった。
実施例2
時間の関数としての細胞保持も、両方の細胞モデルについて3dyn/cmの剪断応力で10分間判定した。細胞は、全表面に対して初めにロードされ、対象の細胞のストーク沈降速度に基づき、KG1a/HL60細胞について40秒、そしてABM細胞について2分の間停留するようにした。我々は、KG1a細胞がPセレクチン/抗体表面上でHL60細胞より高い集積を有していることを発見し、また同様に、HSPCがPセレクチン表面上でCd34ABM細胞より高い保持があった(図7)。
我々は、10−50%の範囲のKG1a細胞(を含む)KG1a/HL60細胞混合剤のためのKG1a細胞の有意な豊富化があるだろうと、実験で予測し確認するために、このデータを用いることができた。1−5%HSPCの生理学的ABM濃度を用いる予測は、より適度の進歩を示し、実験的に確認されなかった(図8)。
我々は、最適の豊富化のための時間、すなわち等しい清潔度と保持のための時間の長さを判定するために、予測を拡張した。我々は、最適の豊富化はKG1a/HL60細胞混合剤については25分未満を要し、HSPCの適度な豊富化のためには30分以上を要するだろうと判断した(図9)。
実施例3
前に触れたように、我々は、ヤンセン(Johnsen)他(1999年)からの提言に基づいて、我々のシステムの有効性を判定するための条件を確立した―細胞清潔度>80−90%、細胞保持>50%及び30分以内の最適分離。これらの予備目的を達成するためには、我々の現行システムがかなりの改善を必要とすることは明白であった。そこで、我々は、細胞荷重システムがこのタイプの分離のために最適化されるかどうかを調べた。装置がローリング速度(図10)に基づいて分離するという細胞の自然な傾向を用いることができるように、全表面をロードする代わりに、表面の狭い部分のみ(<10%)が始原細胞のローディング・ステップに用いられるであろう。
我々は、3dyn/cmでの細胞の速度分布を記述するために、指数関数修飾ガウス(EMG:exponentially modified Gaussian)分布を用いた(図11)。HL60/KG1a細胞及びHSPC/CD34ABM細胞についてのピーク対ピーク分解度には、約40%のクロス・コンタミネーションに対応して、約0.4であった。t=0sで得られた細胞保持値により、我々は1mmの機能的な長さを想定して、10−50%のKG1a細胞混合剤及び1−5%のHSPC細胞混合剤で可能な最適の細胞濃縮を予測することができた(図12)。何れの場合においても、最適の細胞分離は、我々の現在のローディング・システムを基礎とする純潔におけるかなりの改善により、5分以内に可能であるに相違ない。
多段式の装置として最終装置の構想を描くので、我々はさらに高純度を期待する。離れているCD34細胞を後段において再取得しうるので、50%超の細胞回復があるに相違ない。我々の予備実験と予測は、差別的ローリング速度に基づいて細胞を分離することができることを確認させるものである。また、我々は我々の実験システムの現行設計によって制限されているが、適切な設計及び生産技術によってこの装置を現実なものとし得るであろう。我々は、システムの理論的な有効性を改善する新規の方法を研究し、我々の分離予測をテストするための他の実験的方法をサーチすることを継続する。
当該発明の現段階における一定の好適な実施形態を具体的にここに記載したが、ここに示され記載された種々の実施形態の変形及び修正が、発明の趣旨及び範囲から乖離することなく為しうることは、発明が属する技術領域において技能を有する者にとって明らかであろう。したがって、当該発明は、添付されたクレーム及び適用される法によって必要とされる限度で限定されることが意図されている。
図1は、MADコンピュータ・シミュレーション・プログラムを用いた実験を記載するものである。(A)Pセレクチン上でローリングするsLexコートされたビーズを用いてコンピュータ・シミュレーション(実線と点線)又は生体外実験(記号)の何れかから得られた、表面上の付着細胞の面積割合の関数としての、近接細胞の集合の無次元ローリング速度を示す。(B)AのMADシミュレーションにおいて用いられた14個の球体の六角形配列の図である。(C)各細胞と最も近接した細胞との間の中心間距離の関数としての、生体マウスの微細血管における白血球の測定されたローリング速度を示す。データは、シンプルなhr流体力学スケーリング・アーギュメントと比較される。(D)軽度の炎症性の条件下のマウスの精巣挙筋における典型的な後毛細管細静脈の撮像画像である。 図2は、MADコンピュータ・シミュレーション・プログラムを用いた実験を記載するものである。(A)マウスの精巣挙筋における40μm細静脈における蛍光性トレーサー・ビーズの代表的な軌跡を示す。矢印は、血管壁上の白血球付着の位置を示す。(B)微小循環における速度プロファイルが略放物線状であることを示す。(C)赤血球のランダム分布がフローの平均鉛直線偏差を増加させることを示す。数値シミュレーション(正方形、円)、及び生体内実験(星)において、水平からの軌跡偏移角度が、ヘマトクリットの増加につれて単調的に増加することが分かった。実際の血管が数学的に滑らかな表面でなく、いくらかの生来の非均一性があるという事実を説明するために、生体内データは5の因数だけ減少されている点に留意されたい。(D)計算モデルにおいて、成熟した赤血球の量と等しい量を備えた剛体球として赤血球をモデル化したことを示すものである。図示されたケースは、40%のヘマトクリットに相当する。 図3は、細胞のフローを生体外で調べるために用いられる実験的方法の記載である。(A)は、取り付けられた付着分子を備えた表面でローリングする細胞の概略図である。(B)は、実験上の表面を準備するための実験計画の概略図である。 図4は、細胞が前記タンパク質でコートされた表面に会合するときに、選択的に細胞を遅くするためにPセレクチンを用いることができるという発明者の主張を示す実験結果のグラフである。(A)平均ローリング速度対剪断応力を示す。(B)平均ローリング束対剪断応力を示す。(C)表面上の点状パターンの接着分子を示す。 図5は、細胞とコートされた表面との相互作用を記載するグラフである。 図6は、壁剪断速度の関数としての細胞ローリング速度を示す。(A)KG1a(青色の線)とHL60(赤色の線)細胞は0.5μg/ml Pセレクチンのみ上において類似する速度でローリングし、40μg/ml抗CD34(点線)が存在すると、KG1a細胞はHL60細胞より非常にゆっくりとローリングすることを示す。(B)0.5μg/ml Pセレクチン±40μg/ml抗CD34上で、CD34+HSPCs(青色の線)がCD34‐ABM細胞(赤色の線)より非常にゆっくりとローリングすることを示す。 図7は、CD34+及びCD34−細胞の表面細胞保持を示す。(A)KG1a細胞(黒色の線)が、0.5μg/ml Pセレクチン及び40μg/ml抗CD34上で、HL60細胞(青色の線)より高い保持を有していたことを示す。(B)同様に、CD34+HSPCs(黒色の線)が、0.5μg/ml Pセレクチンのみ上で、CD34‐ABM細胞(青色の線)より高い保持を有していたことを示す。これらの実験は、10分間、3dyn/cmで行なった。 図8は、コンピュータ・シミュレーションの実験的確認を示すものである。(A)我々は、KG1a細胞の有意な豊富化がPセレクチン/抗体表面上にあるに違いないと予測し(赤色の棒)、実験で確認する(緑色の棒)。より簡単に観察できるように元の濃度(青色の棒)を含めている。(B)CD34+HSPCs純度におけるより適度の増加(赤色の棒)が、我々の現行システムで可能であるに相違ない。 図9は、最適の豊富化時間の判定を示すものである。最適の豊富化はKG1a細胞混合物については10−25分の間で要するが(A)、我々は最適の豊富化がHSPC細胞混合物については25−45分要することを予測できる(B)。 図10は、ローリング面の小さな部分のローディングのためのよりよい分離を描く絵である。総表面の代わりに表面の小さな部分をローディングする方が、分離にとって良いかもしれない(「ボーラス」システム)。 図11は、3dyn/cmでの細胞の速度分布を示すものである。実験データは、指数関数修飾ガウス形に適合した―(A)HL60/KG1a細胞について、(B)HSPC/CD34‐ABM細胞について、何れも3dyn/cmでのものである。 図12は、「ボーラス」細胞ローディング・システムの分離能力を予測する。最適の分離は、1mm長の機能面上のすべての細胞混合物について、5分以内に可能であるに相違ない。機能面の長さの増加は、比例して細胞保持時間を、したがって豊富化のための結束を、増加させる。 図13は、繰り返す線状ストライプ成る接着分子のマイクロパターン(点状パターン)を示す。

Claims (20)

  1. 特定の細胞型を細胞の混合物から分離し、濃縮し、且つ/又は純化する方法であって、
    該特定の細胞型と選択的に結合する接着分子を含む流れ面を提供し、
    該細胞の混合物を該流れ面上に流すステップを備えることを特徴とする方法。
  2. 該特定の細胞型は、CD34+細胞及び造血幹前駆細胞(HSPC:hematopoietic stem and precursor cell)から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 該物質は、NPPB、Pセレクチン、Lセレクチン、Eセレクチン、特定の細胞型に対する特定抗体、カドヘリン、インテグリン、ムチン様ファミリー、免疫グロビンスーパーファミリー及びそれらのフラグメントから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 該流れ面は分離チャンバの一部であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 該流れ面は微細毛細血管網の一部であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 壁剪断応力が約1−10dyn/cmであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 該特定の細胞型は、該細胞の混合物における他の細胞のローリング速度の半分より小さいローリング速度を有していることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. フロー・チャンバを備える、幹細胞の移動を導くためのインプラント可能なシャントであって、該チャンバの壁は、該幹細胞と選択的に結合する接着分子を含むことを特徴とするインプラント可能なシャント。
  9. 該幹細胞は、CD34+造血幹細胞であることを特徴とする請求項8記載のインプラント可能なシャント。
  10. 該分子は、NPPB、Pセレクチン、Lセレクチン、Eセレクチン、特定の細胞型に対する特定抗体、カドヘリン、インテグリン、ムチン様ファミリー、免疫グロビンスーパーファミリー及びそれらのフラグメントから成るグループから選択されることを特徴とする請求項8記載のインプラント可能なシャント。
  11. フロー・チャンバを備える、腫瘍細胞を中和するためのインプラント可能な装置であって、該チャンバの壁は、腫瘍細胞及び癌細胞を中和する分子と選択的に結合する接着分子を含むことを特徴とするインプラント可能な装置。
  12. 該接着分子はセレクチンであることを特徴とする請求項11記載のインプラント可能な装置。
  13. 該癌細胞を中和する分子は、TRAIL、Fasリガンド、及び化学療法剤から成るグループから選択されることを特徴とする請求項11記載のインプラント可能な装置。
  14. 該癌細胞を中和する分子は腫瘍細胞においてアポトーシスを誘発することを特徴とする請求項11記載のインプラント可能な装置。
  15. 腫瘍細胞を中和する方法であって、
    腫瘍細胞及び癌細胞を中和する分子と選択的に結合する接着分子を含む流れ面を提供し、
    該腫瘍細胞を該流れ面上に流すステップを備えることを特徴とする方法。
  16. 該接着分子は、NPPB、Pセレクチン、Lセレクチン、Eセレクチン、特定の細胞型に対する特定抗体、カドヘリン、インテグリン、ムチン様ファミリー、免疫グロビンスーパーファミリー及びそれらのフラグメントから成るグループから選択されることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 該癌細胞を中和する分子は、TRAIL、Fasリガンド、及び化学療法剤から成るグループから選択されることを特徴とする請求項15記載の方法。
  18. 該癌細胞を中和する分子は腫瘍細胞においてアポトーシスを誘発することを特徴とする請求項15記載の方法。
  19. 該流れ面は分離チャンバの一部であることを特徴とする請求項15記載の方法。
  20. 該流れ面は患者の循環系にインプラントされることを特徴とする請求項15記載の方法。
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