JP2008543199A - Dslシステムトレーニング - Google Patents

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Abstract

既存のバインダの知識がないにもかかわらず、新規DSL回線のトレーニングが妨害を発生させないように、場合によっては、送信パワー、CARMASK、および/またはPSDMASK DSL機能を使用してダウンストリームおよびアップストリーム両方のトレーニング信号レベルを低減することにより、新規のユーザが同じまたは付近のバインダの他のユーザへのサービスを妨害することなく、既存および将来の標準化されたVDSL2および他のシステムを、ベクタードDSLAMまたは他のベクタードもしくは非ベクタードDSLシステムに統合して併用できるようにする。ベクタードシステムの場合、そのトーンからの漏話を観察し、学習してから、そのトーンでの後続するいずれの励起もベクタ処理によりなくなるようにベクタリングシステムに追加することができる。次に、第2のトーン等を同じ方法で追加することができる。バインダまたは回線セット内で動作している可能性のある非ベクタードDSLでは、非ベクタード回線の存在が観察されると、DSLオプティマイザ等のベクタード回線セットのコントローラが、このような非ベクタード回線からの潜在的な干渉を予期することができる。

Description

本発明は、一般に、デジタル通信システムを管理する方法、システム、および装置に関する。
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)項の下で以下の優先権の利益を主張するものである。
2005年6月2日に出願されたDSL SYSTEM TRAINING(DSLシステムトレーニング)と題する米国仮特許出願第60/686,544号明細書(代理人整理番号0101−p20p)。この開示全体を参照により本明細書に援用する。
2005年7月10日に出願されたDSL SYSTEM(DSLシステム)と題する米国仮特許出願第60/698,113号明細書(代理人整理番号0101−p28p)。この開示全体を参照により本明細書に援用する。
デジタル加入者回線(DSL)技術は、既存の電話加入者回線(ループおよび/または銅線設備と呼ばれる)を介して潜在的に大きな帯域をデジタル通信に提供する。特に、DSLシステムは、ビットをトーン(サブキャリア)に割り当てる離散マルチトーン(DMT)回線コードを使用することにより、回線の特徴に調整可能であり、これは、回線の各終端でのモデムのトレーニング/初期化(例えば、送信器および受信器の両方として機能する送受信器)中に判断されるチャネル状況に調整することができる。
DSLシステムでは、ツイストペア間の漏話は、通常、性能を低減させ、および/または性能を制限する。それまでは使用されていなかった1つまたは複数のツイストペアをDSL動作(またはDSLサービス更新)に向けて最初に起動するときに、既に動作しているDSL回線に大きな問題が生じる。このような起動は、新サービスに起因する漏話を受ける場合に、既に動作しているDSLシステムを混乱させる。ベクタード(vectored)DSLシステムでは、1つまたは複数の新規回線の起動は、新規回線の起動前は特定の方法で動作するように構成されていたベクタードシステムの動作に干渉する恐れがある。このため、ベクタードシステムの再構成は、混乱させる強力な漏話を回避する必要があり得る。
新規回線を追加する場合のDSLシステムのトレーニングに改良を提供するシステム、装置、方法、および技法が、当分野において大きな進歩を示す。より具体的には、ベクタードDSLシステムのこのようなトレーニングを実施するシステム、装置、方法、および技法も同様に、当分野での大きな進歩を示す。
本発明は、新規のユーザが同じまたは付近のバインダの他のユーザへのサービスを妨害することなく、既存および将来の標準化されたVDSL2および他のシステムを、ベクタードDSLAMまたは他のベクタードもしくは非ベクタードDSLシステムに統合して併用できるようにする。本発明のいくつかの実施形態は、VDSL2(またはVDSL2用に変更されたG.997.1)を含む現行、審議中、および将来予想されるDSL標準の既存の送信パワーCARMASKおよび/またはPSDMASK機能を使用して、新規DSL回線のトレーニングが、既存のバインダを知らなくとも混乱を生じさせないように、ダウンストリームおよびアップストリーム両方のトレーニング信号レベルを低減させる。
本発明の一実施形態では、「新規回線」(すなわち、それまでに一度も動作したことのない回線または動作情報が欠けているか、もしくはない回線のいずれかであり、「新規ユーザ」とも呼ばれる)のトレーニングに使用される周波数帯のすべてまたは一部内のPSDMASKレベルは、初期トレーニング時には十分に低く設定され、残りの既に動作中の回線(同じバインダ内にある可能性が高いが、必ずしもそうとは限らない)が、微弱であるが混乱を生じさせない漏話(すなわち、新規回線)の証拠を求めてスキャンされる。漏話/新規回線にアクセスし(例えば、DSLオプティマイザまたはコントローラにより)、次に、任意のベクタードおよび/または非ベクタード装置が適宜更新されてから、より高い信号レベルでの新規回線のトレーニングが可能になり、例えば、新規回線が所望のデータレートを実現することが可能になる。既存の標準(例えば、ITUの審議中のG.993.2 VDSL2標準であるが、これに制限されない)はこのような丁重なトレーニングを提供しないが、本発明は、新規回線のトレーニングを許可する前に(例えば、サービスプロバイダおよび/またはDSLオプティマイザによる)PSDMASKを課すことを介して、このような丁重さを強制できることを利用する。
いくつかの実施形態において往々にして使用される低送信パワーレベルは、影響を受ける既に動作中の回線(通常、同じバインダ内にあるが、同じバインダ内の回線を考察するここでの例は同じ物理的なバインダ内の回線のみに制限されず、当業者に理解されるように、漏話を互いに誘発させるのに十分な近さにある回線を含む)を適宜調整するための漏話チャネルの適宜推定を妨げ得る。したがって、本発明の別の実施形態によれば、CARMASKまたはPSDMASK(または他の任意の送信パワーおよび/またはスペクトル制御)をトーン毎に使用して、新規回線をベクタードバインダまたは非ベクタードバインダまたは他の回線セットに導入することができる。すなわち、CARMASK、PSDMASK等により、1度にたった1つの異なるトーンを(連続再開して)オンにすることができ、それにより、次のトーンが新規回線によりオンになる前に、同じバインダ内の影響を受ける既に動作中の回線を適宜調整することができる。新たにオンになったトーンに対しては、高パワーレベルの使用が許される。これは、他のDSL回線への新規漏話がその1つのトーンに対して発生させる妨害が単一トーン妨害のみであり、他の回線上のFEC(順方向誤り訂正)システム(1トーンに対応する誤差内で少なくとも1バイトまたは2バイトを訂正できる)により訂正できるためである。
ベクタードシステムの場合、そのトーンからの漏話を観察し、学習してから、そのトーンでの後続するいずれの励起もベクタ処理によりなくなるようにベクタリングシステムに追加することができる。次に、第2のトーン等を同じ方法で追加することができる。この実施形態を使用して、各新規ユーザトーンを、他の回線を妨害することなく高レベルで送信することができる。1度に2つ以上のトーンが励起する(すなわち、各トレーニングが単一トーンまたはトーン群もしくはトーンセットに対するものであり得る)場合、それぞれのレベルを、既に動作中の犠牲となるDSLで発生する誤差が少なくなるかなくなるように設定する必要がある。PSDMASKを使用して、トーンが適正レベルにあること、すなわち観察するのに十分高いが、既に動作中の回線および/またはシステムに多数の誤差を発生させるほど高くはないレベルにあることを保証することができる。新規回線の連続トレーニングに関連して使用されるPSDMASK設定は、新規回線をベクタードセット内に非侵襲的に導入できるようにする(新規回線のHlinおよびXlinがまだ分かっていない場合であっても)。こういった回線特徴は、連続した各初期化時に判断してよく、いくつかの状況では、単一トレーニングで十分であり得る。
本発明は、バインダまたは回線セット内で動作している可能性のある非ベクタードDSLにも対応する。非ベクタード回線の存在が観察されると、バインダ内のベクタード回線セットのコントローラ(例えば、DSLオプティマイザ)が、このような非ベクタード回線からの潜在的な干渉を予期することができる。上述したように、本発明の実施形態は、バインダ内の非ベクタード回線に適用することができる。例えば、RT DSLAMからダウンストリームに送信中の回線セットから漏話を受けているCO DSLAMから出るDSL回線のバインダ内のダウンストリーム送信を考えることができる。新規のRT回線がフルパワーで追加されれば、RT回線は、CO DSLAMと通信中の回線のいくつかに深刻な漏話を発生させる恐れがある。本発明の丁重なトレーニング方法の実施形態を使用して、新たに送信するRT回線による既存のCO回線への深刻な妨害を回避するとともに、既存のCO回線への影響を判断することができる。新規RT回線をまず、低送信パワーでトレーニングし、RT回線が、小さいが既存のCO回線に対して観察可能な漏話を発生させている間に、既存のCO回線に対する新規RT回線のあらゆる影響を判断することができる。その後、新規RT回線への適正なデータレートを保証しながら、CO回線へのあらゆる妨害を許容可能なレベルに制限するように、新規RT回線のPSDMASKまたはデータレートを適宜定義することができる。
本発明のさらなる詳細および利点が、以下の詳細な説明および関連する図において提供される。
本発明は、同様の参照番号が同様の構造的要素を示す添付図面に関連した以下の詳細な説明により容易に理解されよう。
本発明の以下の詳細な説明は、本発明の1つまたは複数の実施形態を参照するが、このような実施形態に限定されない。むしろ、詳細な説明は例示を意図するにすぎない。図に関連して本明細書に与えられる詳細な説明が説明目的で提供され、本発明がこれらの限定された実施形態を超えて拡張されることを当業者は容易に理解するであろう。
本発明のいくつかの実施形態は、新規DSL回線をベクタードおよび/または非ベクタードDSLシステムの動作に非侵襲的に導入できるようにする方法および装置を実施する。本発明の実施形態を使用することができる通信システムとしては、ADSL回線、VDSL回線、および/または当業者が本開示を読んだ後で理解するであろう本発明が実施される他の通信システムコンポーネントおよび/または回線を含むことができる。
より詳細に以下において説明するように、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施するDSL制御ユニットは、コントローラの一部(例えば、DSLオプティマイザ、動的スペクトルマネージャ、またはスペクトル管理センタの中にあるか、またはそれ自体として)であってよい。コントローラおよび/またはDSL制御ユニットは、どこに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラおよび/またはDSL制御ユニットは、DSL CO内にあるが、他の場合では、CO外にある第三者により操作されてもよい。本発明の実施形態に関連して使用可能なコントローラおよび/またはDSL制御ユニットの構造、プログラミング、および他の具体的な特徴が、本開示を検討した後で当業者により理解されよう。
DSLオプティマイザ、動的スペクトル管理センタ(DSMセンタ)、「スマート」モデム、および/またはコンピュータシステム等のコントローラを使用して、本発明の各種実施形態に関連して説明するように、動作データおよび/または性能パラメータ値を収集して解析することができる。コントローラおよび/または他のコンポーネントは、コンピュータにより実施される装置または装置の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、モデムまたは通信回線に結合された他の通信機器から離れた場所にある。他の場合では、コントローラは、モデム、DSLAM、または他の通信システム装置に直接接続される機器として、「ローカル」装置(すなわち、通信回線に直接結合される装置、またはそのようなローカル装置の一部)のうちの一方または両方と同じ場所に配置され、そうして「スマート」モデムを作ってもよい。「に結合」および「に接続」等の語句は、2つの要素および/またはコンポーネントの接続を記述するために本明細書において使用され、共に直接結合すること、または間接的に、例えば1つまたは複数の要素を介在させて、または適切な場合には無線接続を介して結合することを意味することを意図する。
本発明の実施形態の以下の例のいくつかは、例示的な通信システムとしてベクタードADSLおよび/またはVDSLシステムを使用する。こういったDSLシステム内で、特定の決まり、規則、プロトコル等を使用して、例示的なDSLシステムの動作、ならびに顧客(「ユーザ」とも呼ばれる)および/またはシステム上の機器から入手可能な情報および/またはデータを記述することがある。しかし、当業者に理解されるように、本発明の実施形態は各種通信システムに適用可能であり、本発明は特定のいかなるシステムにも限定されない。
各種ネットワーク管理要素が、ADSLおよびVDSL物理層資源の管理に使用される。ここで、要素は、集合的または個々の終端でのADSLまたはVDSLモデムペア内のパラメータまたは関数を指す。ネットワーク管理フレームワークは、エージェントをそれぞれ含む1つまたは複数の管理されるノードからなる。被管理ノードは、ルータ、ブリッジ、スイッチ、モデム等であり得る。マネージャと呼ばれることが多い少なくとも1つのNMS(ネットワーク管理システム)が被管理ノードを監視して制御し、NMSは、通常、共通PCまたは他のコンピュータに基づく。NMSは、時には要素管理システム(EMS)とも呼ばれる。NMSシステムおよびEMSシステムは、オペレーションサポートシステム(OSS)の一部とみなされる。マネージャおよびエージェントはネットワーク管理プロトコルを使用して、管理情報およびデータを交換する。管理情報の単位はオブジェクトである。関連するオブジェクトの集合は管理情報ベース(MIB)として定義される。
図1は、各種ADSLシステムおよびVDSLシステムに適用され、当業者に周知であり、本発明の実施形態を実施することができる、G.997.1標準(G.ploam)に従った参照モデルシステムを示す。このモデルは、ADSL1(G.992.1)、ADSL−Lite(G.992.2)、ADSL2(G.992.3)、ADSL2−Lite(G.992.4)、ADSL2+(G.992.5)、VDSL1(G.993.1)および他の新興VDSL標準G.993.xならびにG.991.1およびG.991.2SHDSL標準(すべてボンディングありおよびボンディングなし)等の、スプリッタを含んでも含まなくてもよい各種標準を満たすADSLシステムおよびVDSLシステムに適用される。これらの標準、標準の変形、およびG.997.1標準との併用はすべて、当業者に周知である。
G.997.1標準は、G.997.1に規定されるクリアEOC(embedded operation channel:埋め込み操作チャネル)ならびにG.99x標準で規定されるインジケータビットおよびEOCメッセージの使用に基づくADSLおよびVDSL伝送システムの物理層管理を指定する。さらに、G.997.1は、構成、障害、および性能管理のためのネットワーク管理要素内容を指定する。こういった機能の実行に際して、システムは、アクセスノードで入手可能であり、アクセスノード(AN)から収集することができる種々の動作データを利用する。DSLフォーラム(DSL Forum)のTR69リポートには、MIBおよびそれがどのようにアクセスできるかについても列挙されている。図1では、顧客の端末機器110がホームネットワーク112に結合され、そして、ホームネットワーク112はネットワーク終端ユニット(NT)120に結合されている。ADSLシステムの場合、NT120はATU−R122(例えば、ADSLおよび/またはVDSL標準のうちの一方により規定される、場合によっては送受信器とも呼ばれるモデム)または任意の他の適したネットワーク終端モデム、送受信器、もしくは他の通信ユニットを含む。VDSLシステム内の遠隔装置はVTU−Rである。当業者に理解され、本明細書において説明するように、各モデムは、接続された通信システムと対話し、通信システムでのモデムの動作結果として動作データを生成することができる。
NT120は、管理エンティティ(ME)124も含む。ME124は、任意の適切な標準および/または他の基準に要求されるように実行可能な、ファームウェアまたはハードウェアでのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または回路状態機械等の任意の適したハードウェア装置であり得る。ME124は性能データを収集し、各MEにより保持される情報のデータベースであるMIBに記憶する。MIBには、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)、ネットワーク装置から情報を集めて管理者にコンソール/プログラムを提供するために使用される管理プロトコル等のネットワーク管理プロトコルを介して、またはTL1コマンドを介してアクセスすることができる。TL1は、応答およびコマンドを通信ネットワーク要素間でプログラムするのに使用される、相当以前に確立されたコマンド言語である。
システム内の各ATU−Rは、COまたは他のアップストリームおよび/または中央ロケーション内のATU−Cに結合される。VDSLシステムでは、システム内の各VTU−Rは、COまたは他のアップストリームおよび/または中央ロケーション(例えば、ONU/LT、DSLAM、RT等の任意の回線終端装置)内のVTU−Oに結合される。本発明では、このようなVTU−O(または均等物)は、終端装置で終端する回線のすべてまたは多くの送信(ダウンストリーム)および受信(アップストリーム)に関して調整される。このような調整された送受信が、ベクタード回線終端装置を構成する。図1では、ATU−C142は、CO146内のアクセスノード(AN)140に配置される。AN140は、当業者に理解されるように、DSLAM、ONU/LT、RT等のDSLシステムコンポーネントであり得る。ME144も同様に、ATU−C142に関連する性能データのMIBを保持する。AN140は、当業者に理解されるように、ブロードバンドネットワーク170または他のネットワークに結合することができる。ATU−R122およびATU−C142はループ130により共に結合され、ADSL(およびVDSL)の場合、通常、これは他の通信サービスも搬送する電話ツイストペアである。
図1に示すインタフェースのいくつかを使用して、動作データおよび/または性能データを測定して収集することができる。図1のインタフェースが別のADSLおよび/またはVDSLシステムインタフェース方式と異なる範囲内で、システムは周知であり、相違は当業者にとって既知であり、明白である。Qインタフェース155は、オペレータのNMS150とAN140内のME144との間にインタフェースを提供する。G.997.1標準で指定されるパラメータはすべて、Qインタフェース155に適用される。ME144でサポートされる近端パラメータは、ATU−C142から導出されるのに対して、ATU−R122の遠端パラメータは、Uインタフェースを介する2つのインタフェースのうちのいずれかから導出することができる。インジケータビットおよびEOCメッセージは、埋め込みチャネル132を使用して送信されてPMD層に提供され、インジケータビットおよびEOCメッセージを使用して、ME144において要求されるATU−R122パラメータを生成することができる。あるいは、OAM(オペレーション、アドミニストレーション、およびマネージメント)チャネルおよび適したプロトコルを使用して、ME144により要求されたときにATU−R122からパラメータを検索することができる。同様に、Uインタフェースを介する2つのインタフェースのいずれかによって、ATU−C142から遠端パラメータを導出することができる。PMD層に提供されるインジケータビットおよびEOCメッセージを使用して、NT120のME124内で要求されるATU−C142パラメータを生成することができる。あるいは、ME124により要求されるときに、OAMチャネルおよび適したプロトコルを使用して、ATU−C142からパラメータを検索することができる。
Uインタフェース(基本的にはループ130)には、ATU−C142に1つ(U−Cインタフェース157)およびATU−R122に1つ(U−Rインタフェース158)、合計で2つの管理インタフェースがある。インタフェース157は、Uインタフェース130を介して検索されるATU−C近端パラメータをATU−R122に提供する。同様に、インタフェース158は、Uインタフェース130を介して検索されるATU−R近端パラメータをATU−C142に提供する。適用されるパラメータは、使用されている送受信器標準(例えば、G.992.1またはG.992.2)に依存し得る。
G.997.1標準は、Uインタフェースを介してオプションのOAM通信チャネルを指定する。このチャネルが実施される場合、ATU−CとATU−Rのペアはこれを使用して、物理層OAMメッセージを搬送する。したがって、このようなシステムの送受信器122、142は、それぞれのMIBに保持されている各種動作データおよび性能データを共有する。
ADSL NMSについてのより多くの情報は、1998年3月付けのADSLフォーラム(ADSL Forum)からの「ADSLネットワーク要素管理(ADSL Network Element Management)」と題するDSLフォーラムテクニカルリポート(DSL Forum Technical Report TR−005)、2004年5月付けの「CPE WAN管理プロトコル(CPE WAN Management Protocol)」と題するDSLフォーラムテクニカルリポートTR−069(DSL Forum Technical Report TR−069)、最後に2004年5月付けの「LAN側DSL CPE構成仕様(LAN−Side DSL CPE Configuration Specification)」と題するDSLフォーラムテクニカルリポートTR−064(DSL Forum Technical Report TR−064)において見出される。これらの文書はCPE側管理の異なる状況を扱っており、文書内の情報は当業者に周知である。VDSLについてのより多くの情報は、ITU標準G.993.1(「VDSL1」と呼ばれることもある)および新興のITU標準G.993.2(「VDSL2」と呼ばれることもある)ならびに進行中のいくつかのDSLフォーラムワーキングテキスト(DSL Forum working text)において見出すことができ、これらはすべて当業者に既知である。例えば、さらなる情報が、「VDSLネットワーク要素管理(VDSL Network Element Management)」と題するDSLフォーラムテクニカルリポートTR−057(DSL Forum’s Technical Report TR−057)(前WT−068v5)(2003年2月)および「FS−VDSL EMSからNMSへのインタフェース機能要件(FS−VDSL EMS to NMS Interface Functional Reqirements)」と題するテクニカルリポートTR−065(Technical Report TR−065)(2004年3月)ならびにVDSL1およびVDSL2 MIB要素向けITU標準G.997.1の新興改訂版、またはATIS北アメリカドラフトダイナミックスペクトル管理リポート(ATIS North American Draft Dynamic Spectrum Management Report)NIPP−NAI−2005−031から入手可能である。
同じバインダを共有する回線がADSL内の同じ回線カード内で終端することは、VDSL内の同じ回線カード内で終端することよりも一般的ではない。しかし、(特に、ADSLおよびVDSLの両方を処理する新しいDSLAMにおいて)同じバインダ回線の共通終端も行われ得るため、xDSLシステムの以下の考察はADSLに拡張することが可能である。複数の送受信器ペアが動作し、および/または利用可能なDSLプラントの典型的なトポロジでは、各加入者ループの部分が、マルチペアバインダ(またはバンドル)内の他のユーザのループと共に配置される。ペデスタル後、加入者宅内機器(CPE)にかなり近いところで、ループは引き込み線の形態をとり、バンドルを出る。したがって、加入者ループは2つの異なる環境を横断する。ループの一部はバインダ内に配置され得、ここで、ループは外部電磁干渉からシールドされることがあるが、漏話を受ける。ペデスタル後、多くの場合、引き込み線は、このペアが他の大半の引き込み線ペアから離れている場合に漏話の影響を受けないが、引き込み線はシールドされていないため、伝送は電磁干渉によりより大きく低下し得る。多くの引き込み線は、その中に2〜8本のツイストペアを有し、家庭またはボンディングへのマルチサービス(単一サービスの多重化および多重分離)状況では、相当な漏話が引き込み部のこれらの回線間でさらに発生し得る。
一般的で例示的なDSL導入シナリオを図2に示す。合計で(L+M)ユーザ291、292のすべての加入者ループが、少なくとも1つの共通バインダを通過する。各ユーザは、専用回線を通して中央オフィス(CO)210、220に接続される。しかし、各加入者ループは異なる環境および媒体を通過し得る。図2では、L人の顧客またはユーザ291が、光ファイバ213および銅ツイストペア217の組み合わせを使用してCO210に接続され、これは、一般に、ファイバ・トゥ・ザ・キャビネット(Fiber to the Cabinet)(FTTCab)またはファイバ・トゥ・ザ・カーブ(Fiber to the Curb)と呼ばれる。CO210内の送受信器211からの信号は、CO210内の光回線端末212および光ネットワーク端末215ならびに光ネットワークユニット(ONU)218により変換される。ONU218内のモデム216は、ONU218とユーザ291との間の信号の送受信器として働く。
CO210、218、およびONU220(ならびに他のもの)等の場所で共に終端するユーザ回線は、ベクタリング等の調整された様式で動作することができる。ベクタード通信システム(ベクタードADSLおよび/またはVDSLシステム等)では、信号および処理の調整を実現することができる。DSLAMまたはLTからの複数の回線の送信信号が共通のクロックおよびプロセッサを使用して共に生成されるときに、ダウンストリームベクタリングが行われる。このような共通クロックを使用するVDSLシステムでは、ユーザ間の漏話が各トーン毎に別個に発生する。したがって、多くのユーザの各ダウンストリームトーンを、共通のベクタ送信器により独立して生成することができる。同様に、共通のクロックおよびプロセッサを使用して複数の回線の信号を共に受信するとき、アップストリームベクタリングが行われる。このような共通のクロックを使用するVDSLシステムでは、ユーザ間の漏話が各トーン毎に別個に発生する。したがって、多くのユーザの各アップストリームトーンを、共通のベクタ受信器により独立して処理することができる。
残りのM人のユーザ292のループ227は銅ツイストペアのみであり、これはファイバ・ツー・ザ・エクスチェンジ(FTTEx)と呼ばれるシナリオである。可能な場合、かつ経済的に実現可能な場合は常に、FTTCabのほうがFTTExよりも好ましい。その理由は、FTTCabが加入者ループの銅部分の長さを短縮させ、ひいては実現可能な速度を増大させるためである。FTTCabループの存在は、FTTExループに問題を生じさせ得る。さらに、FTTCabは、将来においてますます普及するトポロジになると予期される。このタイプのトポロジは、相当な漏話干渉を発生させる恐れがあり、各種ユーザの回線が、動作する特定の環境により異なるデータの搬送および性能能力をもたらすことを意味し得る。トポロジはファイバ供給「キャビネット」回線および交換回線が同じバインダ内で混合し得るようなものであり得る。
図2から分かるように、CO220からユーザ292への回線は、CO210とユーザ291との間の回線が使用しないバインダ222を共有する。さらに、別のバインダ240はCO210およびCO220および各ユーザ291、292へ/からのすべての回線にとって共通である。図2では、遠端漏話(FEXT)282および近端漏話(NEXT)281が、CO220に共に配置された回線227のうちの少なくとも2つに影響して示されている。
当業者により理解されるように、これらの文書に記載される動作データおよび/またはパラメータのうちの少なくともいくつかは、本発明の実施形態と組み合わせて使用することができる。さらに、システム説明の少なくともいくらかは、本発明の実施形態にも同様に適用することが可能である。DSL NMSから入手可能な各種の動作データおよび/または情報を見出だすことができ、他も当業者に既知であり得る。
VDSL標準(既存のG.993.1VDSL1および新興のG.993.2VDSL2 ITU標準)には、すべての回線が同じ実効シンボルクロックおよび「タイミングアドバンス」の中央制御を使用する手段を提供する以外に、ベクタード回線および/またはシステムのトレーニングについての条項は最低限しかない。シンボルクロックとタイミングアドバンスのこの調整は、同期された回線間の干渉を1つ1つのトーンで独立して発生させる(1ユーザの1トーンから別ユーザの他の任意のトーンへの干渉なしで)。すなわち、各トーンは、特定のトーン上の入力からその同じトーン上の回線出力のみに流れる信号のマトリックスとしてすべてのベクタード回線で独立してモデリングされる。他のトーンのマトリックスの構造は同様であるが、独立している。したがって、トーンnとトーンmとの間で、n≠mの場合、漏話はない。
ベクタードDSL回線のバインダまたは他のセットは、通常、最良のベクトル化方法が使用され、すべての回線が別様に励起する場合(例えば、擬似モード信号が使用されない場合)にまるでベクタード回線間に漏話がないかのように動作する。実際に、非漏話ノイズがアップストリーム方向で空間的に相関する場合、ノイズの空間相関を使用してその影響を低減できるため、性能は往々にして、漏話がない場合よりもさらに良好である。したがって、すべての回線速度を大幅に高速化することができる。新規のノイズ源が観察されると、これはベクタードシステムに割り当てられたデータレート(または所与のデータレートのマージン)を低減させる。しかし、その新ノイズ源が新規回線(例えば、それまで観察されていなかったDSL)である場合、新規回線を反映するようにベクタリングに使用されるマトリックスを適宜調整した後、既に動作中の回線にペナルティを課すことなくその新規回線を異なるバインダベクタリングに組み込むことができる。新規DSLシステムをベクタードシステムに含めることができるように、ベクタリング可能な新規DSLシステム(例えば、単一の新規回線またはボンディングされているか、またはONUでの電力障害後に同時に再トレーニングされている少数の新規回線セット)を、他の既に動作中のベクタード回線に対するその影響に関して評価する必要がある。順序付けおよびキャンセル(すなわち、ベクタリング)を実施することができるように、アップストリーム方向およびダウンストリーム方向の両方でのベクタリングに、漏話挿入損関数、雑音電力、および他のベクタード回線のノイズへの相関についての知識が必要である。
非協働回線(すなわち、ベクタードセットまたはシステムの一部ではない回線)は、恐らく、当業者に理解されるように、PSDMASK機能により(例えば、制限しなければ強い歪みを発生させる帯域内で非常に低いレベルに)制限されるスペクトルを有することができる。しかし、初期のシステムおよび技法は、新規回線のPSDを制限するか、または他の方法で制御することにより新規の協働回線を制御できることを認識できなかった。新規回線のPSDの制御は、以下のうちの1つまたは複数を設定することにより実現することができる。すなわち、PSDマスク(PSDMASK)、許容最大送信パワー(MAXNOMATP)、最大PSDレベル(MAXNOMPSD)、最大受信パワー(MAXRXPWR)、キャリアマスク(CARMASK)、またはRFIバンド(RFIBANDS)である。これらの各パラメータは当業者に周知であり、本発明の実施形態を使用できるシステムに適用可能な1つまたは複数の標準に見出される。
PSDの制御は、許容最大SNRマージン(SNRM)、または許容最大データレート(Rmax)、またはトーン上の最大ビット数(BCAP[n])を適宜プログラムすることにより間接的に実現することもできる。これらのパラメータも当業者に周知であり、本発明の実施形態を使用できるシステムに適用可能な1つまたは複数の標準に見出される。本発明の実施形態は、このように制御されるPSDを使用して、丁重なトレーニングおよび新規回線の既存のDSLシステムへの導入を実施する。ダウンストリームおよびアップストリームチャネルの識別および新規回線のノイズ情報を示して、本発明の例示的な実施形態を本明細書において提供する。
ダウンストリームには特別な解決策が存在する。上述したように、ダウンストリーム挿入損および対応するダウンストリーム漏話関数が判断されるまで、新規回線を低PSDレベルで送信することができる。新規協働回線は、CO側モデムにより制御することができ、さらに、COモデムによるアップストリーム端NEXT転送関数の初期測定により、ダウンストリーム挿入損の初期測定を増補して、ダウンストリームベクタチャネルおよびベクタリングマトリックスに必要なすべての知識が得られる。
ダウンストリーム挿入損および対応するダウンストリーム漏話関数が判断されるまで、ダウンストリーム回線を低PSDレベルで送信することができる。ダウンストリームベクタチャネルが、トレーニング中に関与し、および/またはトレーニングにより影響を受けたすべての回線へのサービスを中断する必要があるベクタチャネルトレーニングを使用して明示的に測定される先行システムの「回線ID」技法は、上記方法を鑑みて完全に不必要である。ダウンストリーム漏話/挿入損マトリックスは、アップストリーム端NEXT、チャネル発見の測定された初期挿入損および最も早く報告された挿入損に基づくことができる。漏話源とその被害を受ける側との関係を得る各種の方法が存在する。一方法は、新規サービス/回線が低パワーレベルで励起されているときに、バインダ内の既にサービス提供中の回線で報告されるノイズ(またはSNRまたはマージン)を記録する。このような励起の直後に続く小さな変化により、全回線の連続PSD設定のために回線間の実効転送を計算することができる。さらに、ベクタードシステムの場合、ATIS DSMリポートが、DSM対応モデムが動作時に報告しなければならないXlin[n]パラメータを列挙する。このようなXlinを使用して、ベクタチャネルのFEXT漏話記述を更新することができる。新規回線のベクタチャネル情報が求められた後、新規回線が既存の回線に対していかなる歪みも発生させないように(新規回線が高パワーレベルを使用する場合であっても)ベクタシステムを適宜調整することができる。
アップストリーム方向での新規回線のトレーニングを例示的な実施形態として以下において説明する。当業者が本開示を検討した後に理解するように、より一般的な解決策を、アップストリームおよびダウンストリーム両方の送信方向に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、新規回線のアップストリーム送信は、まず、低パワーレベルで許可される。既存のベクタードアップストリーム受信器は、すべての「エラー」信号を常に監視することができる。エラー信号は、受信器のFFT/FEQの出力での瞬間決定(または、GDFE決定素子(場合により))と、例えばu番目のユーザのn番目のトーンに対してEu,nと示される決定装置の出力との差として定義することができる。静止動作では、このノイズは小さい。新規DSLが送信中の場合、この信号は、新規DSLユーザから相当な漏話結合を受けるユーザの全トーンで増大することになる。この漏話を様々な方法で利用して、アップストリームベクタチャネルを推定することができ、例示的な方法を以下において説明する。
協働送信器(例えば、カリフォルニア州レッドウッドシティー(Redwood City,California)に所在のアダプティブ・スペクトル・アンド・シグナル・アラインメント社(Adaptive Spectrum and Signal Alignment,Inc.)から入手可能なベクタリングおよび/または他の技術を使用する送信器)が、次に使用できる1つまたは複数のトーン(全トーンに配置される場合を含む)に非常に低い信号パワーレベルで既知の4点QAM信号Tを配置することができる。低送信パワーレベルは、例えば、PSDMASKまたはCARMASK DSLパラメータのいずれかを使用することにより、特定の使用トーンセットに制限することができ、それにより、妨害を発生させないように十分小さくなるように干渉を制限するか、またはその他の(「被害を受ける」)回線上のFEC測定がそれぞれの動作を新規導入されるユーザに影響されないようにするように周波数範囲が制限される。
ベクタ受信器および協働送信器は、この信号Tを知ることができる。例えば、信号は、任意の適用可能なPSDMASKまたはCARMASK設定により制限されるDSLトレーニングで使用される既知の標準信号の1つであり得る。さらに、トレーニングシーケンスは、異なるユーザのシーケンスを区別するように設計することができる(および/または異なるユーザが別個のスクランブラを使用することができる)。信号はまた、DMTシンボルを低頻度で置換して、異なるユーザに別個のトレーニングシーケンスを挿入することにより挿入することもできる。信号を使用して、アップストリームチャネルも同様に追跡することができる。既知のQAM信号が利用できない場合、送信器の復号化されたビットストリームT’が、既知のトレーニング信号Tに代えて使用されるブラインド推定方法を使用することができる。システムによっては、DSLでのチャネル推定および追跡にパイロットを使用することができ、パイロットシーケンスをTとして使用することができる。このような場合、パイロットは各ユーザ、各送信チェイン、または両方に割り当てることができる。パイロットはトレーニングシーケンスのようなものであるが、1度にトーンのうちのいくつか(または1つ)のみに対するものである。
アップストリーム信号エラーが大きい場合、シンボルの相当数(例えば、L=40以上)にわたって平均化される計算
Figure 2008543199
は、新規回線がトーンnで回線uに相当な漏話を有する場合のみ非ゼロである。Xを求める別の方法は、ATIS DSMリポートに記載されるように、単に任意のDSM対応モデムにおいて報告される値を使用するというものである。さらに、
Figure 2008543199
は、ベクタリングに使用されるマトリックスHを構築するために必要な転送関数項である。ベクタチャネルを推定した後、高レベルパワーが使用される場合であっても新規回線が既存の回線にいかなる歪みも発生させないように、ベクタシステムを適宜調整することができる。非協働DSLはより大きなエラー|Eu,n(l)|を生成し得るが、
Figure 2008543199
はゼロである。この理由は、非協働DSL回線からの信号がT(l)に相関しないためである。その後、非協働漏話をノイズとして扱うことができる。式(1)が実行されるトーンセットは、バインダについての既存の知識および任意の適用可能な信頼性制約に応じて比較的小さく(または大きく)てもよい。
ベクタードVDSLの場合、漏話チャネル推定結果を使用して、十分に大きな漏話チャネル利得(例えば、ベクタード計算および処理に含めるために必要な程度十分に大きいことを意味する)を有するユーザおよびトーンインデックスを識別することができ、その後、実施態様の複雑性を低減するように、チャネル推定および追跡を選択することができる。
新規回線が低パワーで丁重に送信されている間、ベクタチャネルを識別する必要がある(例えば、新規回線から既存回線への漏話チャネル)。当業者に理解されるように、チャネル識別のために、任意の推定方法を使用してよい。1つの周知の方法は、既知のトレーニング信号を新規回線から送信し、既存回線の受信器での相関を使用する。各受信器から、既知のトレーニング信号を受信信号と相関付けて、漏話チャネルを見つけることができる。漏話チャネルが探されているため、エラー信号を、受信信号レベル自体に代えて漏話の存在をよりダイレクトに示すものとして考えることができる。エラー信号はバックグラウンドノイズおよび漏話信号のみを含むため、新規回線からのトレーニング信号が既知である場合、単純な相関方法を使用することができる。当業者に理解されるように、相関方法は、エラー信号と既知のトレーニングシーケンスとの積を合算し、これを閾値と比較する。積の和がこの閾値を超える場合、高い相関および漏話がエラー信号において明らかであることを示す。相関を使用して漏話が存在する可能性を検出することができ、漏話が検出されると、式(1)を使用してXlinを計算することができる。
既知のトレーニング信号がない場合、新規回線の信号を復号化した信号が正確であると仮定することができ、別個のトレーニング信号に代えてその信号を使用することができる。本質的に、決定されたシーケンスで既知のトレーニングシーケンスが置き換えられる(何等かのエラーが発生した場合、エラーは推定器の性能を低下させるため、より大きな値のLが式1において必要とされ得る)。当然ながら、新規回線の信号を既存回線の受信器に提供する必要があるが、これは、全回線が、すべての判断を下す共通のベクタリング受信器内に共に配置されるため、容易であると考えられる。
本発明のいくつかの実施形態では、複数の新規回線の同時トレーニングが望ましい場合、各種直交トレーニングシーケンスを、同時に丁重にトレーニングされている、異なる回線上で使用することができる。このような直交シーケンスは当業者に既知であり得る。さらに、標準トレーニング手順を、本発明の実施形態と併せて使用することができる。こういった標準手順は回線の「スキャン」と併せて使用することができ、この場合、動作パラメータセットの複数の実装を使用して、新規回線および既存のDSL回線セット(例えば、ベクタードグループ)への潜在的な統合についての情報を学習することができる。このような場合、(例えば、PSDMASK、CARMASK等を使用して動作制約を課すことによって)特別な制限をその使用に課すことができる。測定、推定等の精度を上げるために、各種動作モードを選択する(すなわち、スキャンする)ことにより、多種多様な動作データを収集することができる。いくつかの実施形態では、複数の回線プロファイルが、既知または未知の構成を有する1つまたは複数のDSLループと併せて使用されるスキャンが使用され、それにより、ループ構成情報のデータベースまたはライブラリを組み立てることができるか、または(例えば、新規DSL回線セット動作特性に関する)情報を学習することができる。
要約すると、本発明の実施形態および態様を使用して、初期低レベルアップストリームトレーニングを使用して、非妨害的に、それまで測定されなかったが、ベクタリングされた回線の漏話レベルを識別することができる。トレーニングは、PSDMASKおよび/またはCARMASK値/パラメータを使用して、送信パワーレベルのみまたはパワーレベルとトーン選択の両方を制御する協働システムを使用して続けることができる。これらの同じ技法および/または装置のうちの少なくともいくつかを使用することにより、どの回線が協働していないか(すなわち、同じベクタードグループの一部ではないか)を認識し、次に、任意の非協働回線をノイズとして処理することが可能である。非協働DSL回線のこの処理は、PSDMASKおよび/またはCARMASKを使用して、非協働システムのアップストリームおよび/またはダウンストリーム送信のすべてまたは一部を、ベクタード回線により使用されない代替のトーンに移すことを含むことができる。
DSLベクタチャネル推定は、別個のトレーニングシーケンスまたは異なるユーザの復号化ビット(例えば、ブラインド推定)を使用することができる。また、特定のユーザの送信パワーレベルを、他のユーザの送信からのチャネルをより容易に推定することができるようにゼロに設定してもよい。トレーニングシーケンスは、オーバーヘッドとして埋め込んでもよく、ペイロードビットを奪って埋め込んでもよく、または適切および/または有用なDSL標準の一部であってもよい。
所与のバインダの動作および挙動について十分な情報を得て評価した後、本発明の実施形態は、例えば、DSLオプティマイザ等のコントローラにより命令されるように、ユーザをベクタードシステム内外に適応的に移動できるようにする。場合によっては、例えば、本発明によるトレーニングが進められるにつれてスワッピングを命令することにより、ユーザの信号処理の順番を変更することができる。
本発明の別の実施形態では、多数のトーン(またはすべてのトーン)を低パワーレベルで送信するのではなく、新規回線の単一のトーンまたは少数のトーンを高パワーレベルで送信し得る。トーンセットは、CARMASK、PSDMASK、RFIBANDS、および/またはBCAP[n]等の動作パラメータを通して制御することができる。新規回線の高パワートーンは、ベクタリングの一部になるまでに他の既存のベクタ回線に深刻な漏話を発生させる恐れがあるが、新規回線の少数トーンからの潜在的な高パワー漏話により発生する少数のエラーを補正するように、既存の回線のFECを適宜設定することができる。このようにして、トーンのベクタチャネルを推定することができ、トーンをベクタリングシステムの一部として含めることができる。ベクタシステムの一部になった後、任意の新規回線のトーンは、ベクタリングの一部である既に動作中の他の回線に漏話を発生させない。したがって、この方法は、ベクタチャネルが識別されていない次のトーンに進むことができる。この方法を使用可能な最後のトーンまで続けることにより、既に動作中の回線に深刻な妨害を発生させることなく、すべてのトーンをベクタリングの一部にすることができる。
本発明は、バインダまたは他の回線セット内の非ベクタード回線に適用することもできる。例えば、CO DSLAMから出て、RT DSLAMから出るダウンストリーム回線セットに漏話するDSL回線のバインダ内のダウンストリーム送信を考えることができる。新規RT回線が追加される場合、本発明の実施形態による丁重なトレーニングを使用して、既存のCO回線への深刻な妨害を回避し、既存のCO回線への新規回線の影響を突き止めることができる。その後、新規RT回線への適正なデータレートを保証している間にCO回線へのいかなる妨害も許容可能なレベルに制限するように、PSDMASKまたは新規RT回線のデータレートを適宜定義することができる。また、最も望ましいレートの組を実現するように、RT回線およびCO回線への適正なパワーおよびレート設定を決定することができる。
本発明による各種装置は、上述した方法および/または技法の1つまたは複数を実施することができる。図3Aに示す本発明の一実施形態によれば、DSL制御ユニット300(本発明のいくつかの実施形態では、ベクタード回線のトレーニングならびにGDFE、事前符号化、順序付け、チャネルおよび漏話の検出および評価等に関与し得る)は、システムを操作し、場合によっては使用を最適化するに当たってユーザおよび/または1つもしくは複数のシステムオペレータもしくはプロバイダを支援するコントローラ310(例えば、DSLオプティマイザ、DSMサーバ、DSMセンタ、または動的スペクトルマネージャとして、またはこれと共に機能する装置)等のDSLシステムに結合される独立したエンティティの一部であってよい。(コントローラまたはDSLオプティマイザはDSMサーバ、動的スペクトルマネージャ、動的スペクトル管理センタ、DSMセンタ、スペクトルメンテナンスセンタ、またはSMCと呼ばれることもある)。いくつかの実施形態では、コントローラ300は独立したエンティティであってよく、他の実施形態では、COまたは他の場所からの複数のDSL回線を操作しているILECまたはCLECであってよい。図3Aの破線346から分かるように、コントローラ300はCO146内にあってもよく、またはCO146およびシステム内で動作する任意の企業の外部にあってこれらから独立してもよい。さらに、コントローラ300は、複数のCO内のDSLおよび/または他の通信回線に結合され、および/またはそれを制御することができる。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ310は、特定のバインダ内のベクタードDSLシステムを制御する。バインダ内のDSL回線は、各種組み合わせのADSL、VDSL、および/または他の通信回線であってよい。
DSL制御ユニット300は、対象のバインダ内の各種回線についての情報および/またはデータにアクセスすることができ(直接または間接的に)、回線の動作の特定の局面を制御することができる。この制御は、ベクタードシステムに固有のパラメータ(例えば、アップストリーム信号処理のトーンGDFE受信器パラメータ、ダウンストリーム信号処理のトーン事前符号化パラメータ、事前符号化および/または復号化でのユーザの順番、トレーニング/追跡信号のパラメータ等)ならびに非ベクタードおよびベクタードシステムの両方に共通するパラメータ(例えば、PSDパラメータ、PSDMASKパラメータ、CARMASKパラメータ、TSNRMパラメータ、MAXSNRMパラメータ、データレートパラメータ等)の制御を含むことができる。
DSL制御ユニット300は、収集手段として識別されるデータ収集ユニット320および解析手段として識別される解析ユニット340を含む。図3Aに見られるように、収集手段320(一般的に知られているタイプのコンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュール等であり得る)は、NMS150、AN140にあるME144、および/またはME144により保持されるMIB148に結合することができ、これらの任意のものまたはすべては、例えば、ADSLおよび/またはVDSLシステムの一部であってよい。データは、ブローバンドネットワーク170を通して(例えば、TCP/IPプロトコルまたは所与のDSLシステム内の通常の内部データ通信外の他のプロトコルまたは手段を介して)収集することもできる。これらの接続の1つまたは複数により、DSL制御ユニットは動作データをシステムから収集することができる。データは、一度に、または経時にわたり収集することができる。場合によっては、収集手段320は、定期的に収集するが、データを需要に応じてまたは任意の他の非定期的なベースで(例えば、DSLAMまたは他のコンポーネントがデータを状態遷移制御ユニットに送るとき)収集することもでき、それにより、DSL制御ユニット300は所望であれば情報、動作等を更新することができる。手段320により収集されたデータは解析手段340(これもまた、一般的に知られているタイプのコンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュール等であってもよい)に提供されて、新規DSL回線の動作、新規回線のバインダ内の任意のベクタード回線、および場合によってはバインダ(またはベクタードシステムの性能に影響し得る他のどこか)内の任意の非ベクタード、非協働、および/または「ローグ(rogue)」通信回線に関する解析および任意の判断を行う。さらに、解析は、当業者が理解するように、本発明の他の実施形態により意図される他の目的でデータを評価することを含むことができる。
図3Aの例示的なシステムでは、解析手段340はDSLAM、モデム、および/またはコントローラ310の内部または外部にある信号発生手段350(一般的に知られているタイプのコンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュール等であり得る)を操作するシステムに結合される。この信号発生器350は、命令信号を生成して、モデムおよび/または通信システム(例えば、ADSLおよび/またはVDSL送受信器および/またはシステム内の他の機器、コンポーネント等)の他のコンポーネントに送るように構成される。これらの命令は、ベクタードシステムに固有のパラメータ(アップストリーム信号処理のトーンGDFE受信器パラメータ、ダウンストリーム信号処理のトーン事前符号化パラメータ、事前符号化および/または復号化でのユーザの順番、トレーニング/追跡信号のパラメータ等)ならびに非ベクタードおよびベクタードシステムの両方に共通するパラメータ(例えば、PSDパラメータ、PSDMASKパラメータ、CARMASKパラメータ、TSNRMパラメータ、MAXSNRMパラメータ、データレートパラメータ等、および/または関連する通信回線の任意の他の動作特性)を制限または他の様式で制御するコマンドを含むことができる。命令は、コントローラ310が通信システム、特に新規DSL回線の近傍で動作しているベクタードシステム内の1つまたは複数のループに対する新規回線の動作の互換性を判断した後に生成することができる。
本発明の実施形態は、収集されたデータ、ベクタードDSLシステムの過去の動作、新規VDSL回線、および任意の他の関連する回線および機器に関するデータベース、ライブラリ、またはデータの他の集合を利用することができる。参照データのこの集合は、例えば、図3Aのコントローラ310内のライブラリ348として記憶し、解析手段340および/または収集手段320がこれを使用することができる。
本発明の各種実施形態では、DSL制御ユニット300(ベクタトレーニングおよびバインダ/回線特性識別に使用可能であるが、これに限定されない)は、PC、ワークステーション等の1つまたは複数のコンピュータに実施することができる。収集手段320および解析手段340は、当業者に理解されるように、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、または両方の組み合わせであってよい。多数のモデムと共に動作している場合、データベースを導入して使用して、収集されたデータボリュームを管理することができる。
本発明の別の実施形態を図3Bに示す。DSLオプティマイザ365は、一方または両方が通信企業(「テルコ(telco)」)の構内395にあり得るDSLAM385または他のDSLシステムコンポーネント(例えば、RT、ONU/LT等)で、および/またはこれと併せて動作する。DSLオプティマイザ365は、DSLオプティマイザ365に向けて、かつDSLオプティマイザ365に対して動作データを収集し、組み立て、調整し、操作し、および/または供給することができるデータモジュール380を含む。モジュール380は、PC等の1つまたは複数のコンピュータに実施することができる。モジュール380からのデータは、DSMサーバモジュール370に供給されて解析される(例えば、新規VDSL回線に適正なトレーニング動作の評価、新規回線の、新規回線近傍のベクタードシステムへの影響の評価、アップストリームのGDFEパラメータの計算、ダウンストリームの事前符号化パラメータの計算、ユーザの順序付けの決定、パイロットおよび他の技法および機器の利用等)。情報は、テルコ(telco)に関連してもしなくてもよいライブラリまたはデータベース375からも入手可能であり得る。
動作選択器390を使用して、DSLおよび/または送信パワー、キャリアマスク等を含む各種動作パラメータの実施を含む他の通信動作の実施、変更、および/または停止を行うことができる。このような判断は、当業者に理解されるように、DSMサーバ370により、または任意の他の適した様式で行うことができる。セレクタ390により選択される動作モードおよび/またはパラメータは、DSLAM385および/または任意の他の適したDSLシステムコンポーネント機器に実施される。このような機器は、加入者宅内機器399等のDSL機器に結合することができる。新規VDSL回線を、ベクタードシステムおよび/または他の通信回線が動作中のバインダに導入する場合、DSLAM385を使用して、各種回線内および/または各種回線間での本明細書において考察したタイプの信号および他の制御を実施することができる。例えば、新規VDSL回線392は、回線391の性能に影響するFEXT393およびNEXT394に関して有する可能性が高い影響を含め、新規VDSL回線392が1つまたは複数の既存の回線391および/またはベクタードシステムに関連するものとしてトレーニングして評価することができる。図3Bのシステムは、図3Aのシステムと同様に動作することができるが、当業者により理解されるように、本発明をやはり実施しながら、相違を示すことが可能である。
本発明の1つまたは複数の実施形態による方法400を図4に示す。410において、DSL回線セット(1つまたは複数のDSL回線であり得る)の送信パワーが、同じ近傍(例えば、同じバインダ)内で既に動作しているベクタード回線セットを妨害しない程度に十分低く設定される。新規回線セットの送信パワーは、各種動作パラメータ(例えば、PSDMASKおよび/またはCARMASKパラメータ)を使用して制御することができる。任意に、既に動作中の回線の動作パラメータ(例えば、データレートまたはインパルスノイズ保護)を、既に動作中の回線の耐漏話性を増大させるように調整することができる。420において、データが新規回線セットにより送信され、その後、430において、既に動作中の回線(例えば、ベクタード回線)が、新規回線セットにトレースでき、および/または新規回線セットを使用して識別できる新規の漏話について調べる(例えば、Xlinを学習し、および/または推定することにより)。送信は、アップストリーム方向であってもよく、またはダウンストリーム方向であってもよい。440において、(例えば、ベクタード回線セットおよび/または新規回線セットの各種動作パラメータを設定することにより)新規回線セットの適合、統合等を行うように動作を調整することができる。トレーニングがダウンストリーム送信で行われる場合、学習された情報を使用して、事前符号化、特定のデータ処理技法の実施に使用されるロータ等を構成することができる。トレーニングがアップストリーム送信で行われる場合、学習された情報を使用して、トーン予測GDFE等を実施することができる。450において、「新規」回線セットの1つまたは複数の回線の送信パワーを上げることができる(例えば、別のテストレベルまたは完全動作レベルに)。420でのデータを再び新規回線セットが送信して、漏話の影響を評価し、または通常の動作を開始することができる。
本発明の一実施形態による別の方法500を図5に示す。510において、新規回線セット(例えば、非ベクタード回線および/またはまだ動作したことのない回線)によるデータ送信が、単一のトーンまたは他のトーンセットに制限される。ベクタード回線セット上でのFEC測定により、通常、単一のトーンまたは周波数での1つまたは複数の新規漏話源に起因する比較的小さなノイズの影響に対処できるため、この実施形態では、パワーを必ずしも制限する必要はない。任意に、既に動作中の回線の動作パラメータ(例えば、データレートまたはインパルスノイズ保護)を、既に動作中の回線の耐漏話性を増大させるように調整することができる。520において、新規回線セットは、単一のトーンを使用してデータを送信し、530において、既に動作中の回線(例えば、ベクタード回線セット)へのその影響を調べる。ここでも、学習される漏話は、例えば、Xlinの学習および/または推定(例えば、上記式(1)を含む技法を用いて)を含むことができる。540において、ベクタードセット、新規回線セット等の動作を、新規回線セットの適合、統合等を行うように調整することができる。これが行われた後、所望であれば、550において、新規回線セットを新規の単一トーンまたは他のトーンセットに評価のために移すことができる。当業者に理解されるように、かつ図5に示すように、トーンセットは単一のトーン、いくつかのトーン、トーングループ等であってよく、図5のプロセス全体がそれでも適用可能である。
一般に、本発明の実施形態は、単一のコンピュータ、複数のコンピュータ、および/またはコンピュータの組み合わせ(これらの任意のものまたはすべてを本明細書では同義で「コンピュータ」および/または「コンピュータシステム」と呼ぶことがある)であってよい1つまたは複数のコンピュータシステムに記憶されるか、またはコンピュータシステムを通して転送されるデータに関わる各種プロセスを利用する。本発明の実施形態は、ハードウェア装置またはこれらの動作を実行する他の装置にも関する。この装置は、要求される目的に向けて特別に構築されてもよく、または汎用コンピュータおよび/またはコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムおよび/またはデータ構造により選択的に起動または再構成されるコンピュータシステムであってもよい。本明細書において提示したプロセスは、本質的に、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも関連しない。特に、各種汎用機械を本明細書での教示に従って書かれたプログラムと併せて使用してもよく、または要求される方法ステップを実行するように、より特殊化された装置を構築するほうが好都合であり得る。こういった種々の機械の特定の構造は、以下に提供する説明に基づいて当業者により理解されよう。
上述した本発明の実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータに関わる各種プロセスステップを利用する。これらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。必ずしもそうであるわけではないが、通常、これらの数量は、記憶、転送、結合、比較、および別様の処理が可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。主に一般の慣例により、こういった信号をビット、ビットストリーム、データ信号、制御信号、値、要素、変数、キャラクタ、データ構造等と呼ぶことが好都合であることがある。しかし、これらおよび同様の用語にはすべて、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これは単にこれらの数量に適用される好都合なラベルにすぎないことに留意されたい。
さらに、実行される操作は、多くの場合、識別、近似、または比較等の用語で呼ばれる。本発明の一部をなす本明細書において説明したいかなる動作でも、これらの動作は機械動作である。本発明の実施形態の動作を実施するのに有用な機械は、汎用デジタルコンピュータまたは他の同様の装置を含む。すべての場合において、コンピュータを動作させる動作の方法と計算自体の方法との区別に留意されたい。本発明の実施形態は、電気信号または他の物理的な信号を処理して他の所望の物理信号を生成させるに当たってコンピュータを動作させる方法ステップに関する。
本発明の実施形態は、これらの動作を実行する装置にも関する。この装置は、要求される目的に向けて特別に構築してもよく、またはコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に起動または再構成される汎用コンピュータであってもよい。本明細書において提示されたプロセスは、本質的に、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも関連しない。特に、各種汎用機械を本明細書での教示に従って書かれたプログラムと併せて使用してもよく、または要求される方法ステップを実行するようにより特殊化された装置を構築するほうが好都合であり得る。こういった種々の機械に要求される構造は、上記で提供した説明から明らかであろう。
これに加えて、本発明の実施形態は、さらに、コンピュータにより実施される各種動作を実行するプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。媒体およびプログラム命令は、本発明のために特に設計され構築されたものであってもよく、またはコンピュータソフトウェアの分野の当業者に周知で入手可能な種類のものであってもよい。コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気媒体、CD−ROMディスク等の光媒体、光フロッピー(登録商標)ディスク等の光磁気媒体、および読み取り専用メモリ装置(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等の、プログラム命令を記憶して実行するように特に構成されるハードウェア装置が挙げられるが、これらに限定されない。プログラム命令の例としては、コンパイラにより生成されるような機械コードおよびコンピュータがインタプリタを使用して実行できるより高水準のコードを含むファイルの両方が挙げられる。
図6は、本発明の1つまたは複数の実施形態によるユーザおよび/またはコントローラが使用できる典型的なコンピュータシステムを示す。コンピュータシステム600は、一次記憶装置606(通常、ランダムアクセスメモリまたはRAM)、一次記憶装置604(通常、読み取り専用メモリまたはROM)を含む記憶装置に結合された任意の数のプロセッサ602(中央演算処理装置またはCPUとも呼ばれる)を含む。当分野において周知のように、一次記憶装置604は、データおよび命令をCPUに単方向で転送するように機能し、一次記憶装置606は、通常、データおよび命令を双方向に転送するために使用される。これらの一次記憶装置は両方とも、上述した任意の適したコンピュータ可読媒体を含むことができる。大容量記憶装置608もCPU602に双方向的に結合され、追加のデータ記憶容量を提供し、上述した任意のコンピュータ可読媒体を含むことができる。大容量記憶装置608は、プログラム、データ等の記憶に使用することができ、通常、一次記憶装置よりも低速なハードディスク等の補助記憶媒体である。大容量記憶装置608内に保持される情報は、適切な場合、仮想メモリとして一次記憶装置606の一部として標準的に組み込むことができることが理解されよう。CD−ROM614等の特定の大容量記憶装置は、CPUに単方向的にデータを渡してもよい。
CPU602は、ビデオモニタ、トラックボール、マウス、キーボード、マイクロホン、タッチセンシティブディスプレイ、トランスデューサカードリーダ、磁気テープリーダ、紙テープリーダ、タブレット、スタイラス、音声もしくは手描き認識器、または、当然ながら他のコンピュータ等の他の周知の入力装置等の1つまたは複数の入/出力装置を含むインタフェース610にも結合される。最後に、CPU602は、任意に、612に概して示すようなネットワーク接続を使用してコンピュータまたは通信ネットワークに結合してもよい。このようなネットワーク接続を使用する場合、上記方法ステップの実行過程において、CPUが情報をネットワークから受信し得、または情報をネットワークに出力し得ることが意図される。上記装置および材料は、コンピュータハードウェアおよびソフトウェアの分野の当業者に周知であろう。上述したハードウェア要素は、本発明の動作を実行する複数のソフトウェアモジュールを定義することができる。例えば、コード語合成コントローラを実行する命令を大容量記憶装置608または614に記憶し、一次記憶装置606と併せてCPU602において実行してよい。好ましい実施形態では、コントローラはソフトウェアサブモジュールに分けられる。
本発明の多くの特徴および利点が、書面での説明から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は本発明のこのような特徴および利点をすべて包含することを意図する。さらに、多くの変更および変形が当業者に容易に想到されるため、本発明は、図示され説明された厳密な構造および動作に限定されない。したがって、説明された実施形態は限定ではなく例示として解釈されるべきであり、本発明は本明細書に提供される詳細に限定されるべきではなく、現在または将来において予見できるか否かに関わらず、特許請求の範囲およびその全範囲の均等物により規定されるべきである。
本発明の実施形態を使用することができる、ADSL、VDSL、および他の通信システムに適用可能なG.997.1標準に準拠した概略ブロック参照モデルシステムである。 一般的で例示的なDSL導入を示す概略図である。 本発明の一実施形態によるDSL制御ユニットを含むコントローラである。 本発明の一実施形態によるDSLオプティマイザである。 本発明の1つまたは複数の実施形態を示す流れ図である。 本発明の1つまたは複数の実施形態を示す別の流れ図である。 本発明の実施形態の実施に適した典型的なコンピュータシステムまたは集積回路システムのブロック図である。

Claims (80)

  1. 既に動作中のDSL回線セットに新規DSL回線セットを追加する方法であって、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用中に前記既に動作中のDSL回線セットの妨害を回避するように、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップと、
    前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線および前記既に動作中のDSL回線セットを同時に使用してデータを送信するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価して、前記既に動作中のDSL回線セットに対する前記新規DSL回線セットの任意の動作上の影響を判断するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価するステップは、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線および前記既に動作中のDSL回線セットを同時に使用してデータを送信した結果として生じる漏話レベルを測定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記既に動作中のDSL回線セットは、ベクタードDSL回線セット、単一のDSL回線、または複数のDSL回線のうちの少なくとも1つを含み、
    さらに、前記新規DSL回線セットは、単一のDSL回線、または複数のDSL回線を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記新規DSL回線セットによる前記既に動作中のDSL回線セットの妨害を回避するように、前記既に動作中のDSL回線セットの動作を構成するステップをさらに含み、前記既に動作中のDSL回線セットの動作を構成するステップは、
    前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線および前記既に動作中のDSL回線セットを同時に使用してデータを送信する前、または
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価した後
    のいずれかで行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップは、前記新規DSL回線セット内の複数のDSL回線上の直交トレーニングシーケンスを使用して、同時トレーニング中に前記新規DSL回線内の複数のDSL回線の独立した識別を可能にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップは、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の少なくとも1つの送信パワーレベルを設定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の少なくとも1つの送信パワーレベルを設定するステップは、CARMASK、PSDMASK、MAXNOMATP、MAXNOMPSD、MAXRXPWR、RFIBANDS、MAXSNRM、BCAP[n]、Rmax、アップストリームパワー「バックオフ」、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、データレート動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の送信パワーを制限するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップは、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線によるデータ送信を、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように構成された少なくとも1つのトーンセットに制限するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線によるデータ送信を、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように構成された少なくとも1つのトーンセットに制限するステップは、CARMASK、PSDMASK、RFIBANDS、BCAP[n]、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用するステップを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットであり、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップは、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットのベクタチャネルおよびノイズ情報を得るステップと、
    前記得られたベクタチャネルおよびノイズ情報に基づいてベクタリングを行うステップと、
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップは、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価した後に、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を構成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップは、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価した後に、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記新規DSL回線セットの動作を構成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 新規DSL回線セットおよび既に動作中のDSL回線セットから動作データを収集するように構成されるデータ収集ユニットと、
    前記収集ユニットに結合される解析ユニットであって、
    前記収集された動作データを解析し、
    前記既に動作中のDSL回線セットを妨害することなく前記新規DSL回線セットを前記既に動作中のDSL回線セットに統合することができる、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作構成を決定し、
    前記新規DSL回線セットが受け取るデータを評価し、
    前記既に動作中のDSL回線セットが受け取るデータを評価する
    ように構成される解析ユニットと、
    前記解析ユニットに結合される制御信号発生器であって、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットに制御信号を送信するように構成され、さらに、前記制御信号は、前記新規DSL回線セットまたは前記既に動作中のDSL回線セットのうちの少なくとも1つの動作を制御する信号を含む、制御信号発生器と、
    を備えるコントローラであって、
    前記新規DSL回線セットからの漏話が前記既に動作中のDSL回線セットに影響するか否かを評価するように構成されるコントローラ。
  15. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップは、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の送信パワーを設定するステップを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  16. 前記コントローラは、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットのベクタチャネルおよびノイズ情報を得るように構成される、請求項14に記載のコントローラ。
  17. 前記既に動作中のDSL回線セットは、ベクタードDSL回線セット、単一のDSL回線、または複数のDSL回線のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  18. 前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作構成は、同時トレーニング中に前記新規DSL回線セット内の複数のDSL回線の独立した識別を可能にする、前記新規DSL回線セット内の複数のDSL回線上の直交トレーニングシーケンスを含む、請求項18に記載のコントローラ。
  19. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットに送信される前記制御信号は、CARMASK、PSDMASK、RFIBANDS、BCAP[n]、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを制御する信号を含む、請求項14に記載のコントローラ。
  20. 機械可読媒体と、
    前記機械可読媒体に含まれるプログラム命令と、
    を含むコンピュータプログラム製品であって、
    前記プログラム命令は、新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法を指定し、前記方法は、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用中に前記既に動作中のDSL回線セットの妨害を回避するように、前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線の動作を構成するステップと、
    前記新規DSL回線セット内の少なくとも1つのDSL回線および前記既に動作中のDSL回線セットを同時に使用してデータを送信するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットの同時使用を評価して、前記既に動作中のDSL回線セットに対する前記新規DSL回線セットの任意の動作影響を判断するステップと、
    を含むコンピュータプログラム製品。
  21. 新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法であって、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が前記既に動作中のDSL回線セットに影響するか否かを判断するステップと、
    を含む方法。
  22. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットのベクタチャネルおよびノイズ情報を得るステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットである、請求項21に記載の方法。
  24. 前記新規DSL回線セットは単一のDSL回線である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線である、請求項21に記載の方法。
  26. 前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、異なるDSL回線上の直交トレーニングシーケンスを使用して、同時トレーニング中にそれらの回線の独立した識別を可能にするステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記新規DSL回線セットは1つまたは複数のVDSL回線を含む、請求項21に記載の方法。
  28. 前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低く送信パワーレベルを設定するステップを含む、請求項21に記載の方法。
  29. 前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低く送信パワーレベルを設定するステップは、CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して送信パワーを制限するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、前記新規DSL回線セットによるデータ送信を、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように構成されるトーンセットに制限するステップを含む、請求項21に記載の方法。
  31. 前記トーンセットは単一のトーンを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記トーンセットは複数のトーンを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記トーンセットは、CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して制限される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットであり、前記方法は、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  35. 新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法であって、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作を、妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットのトーンセットの送信パワーレベルを設定するステップであって、PSDMASKパラメータまたはCARMASKパラメータのうちの少なくとも一方を使用するステップを含むステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が前記既に動作中のDSL回線セットに影響するか否かを評価するステップと、
    を含む方法。
  36. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価するステップは、前記新規DSL回線セットの動作からのあらゆる漏話のレベルを測定するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記トーンセットは単一のトーンである、請求項35に記載の方法。
  38. 前記トーンセットは複数のトーンである、請求項35に記載の方法。
  39. 前記PSDMASKパラメータを使用して、前記トーンセット内の前記トーンでの前記新規DSL回線セットからの漏話を前記既に動作中のDSL回線セットを妨害しないレベルに保つように前記トーンセット内の各トーンでの送信パワーレベルを制限する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線を含み、さらに、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップは、前記新規DSL回線セット上の複数の直交トレーニングシーケンスを使用して、前記新規DSL回線セットから2つ以上の回線を同時にトレーニングできるようにするステップを含む、請求項35に記載の方法。
  41. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線を含み、さらに、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップは、PSDMASKパラメータまたはCARMASKパラメータのうちの少なくとも1つにより制限される標準トレーニング手順を使用するステップを含む、請求項35に記載の方法。
  42. スキャンを使用して、前記新規DSL回線セットに関する動作データを生成する、請求項41に記載の方法。
  43. 機械可読媒体と、
    前記機械可読媒体に含まれるプログラム命令と、
    を含むコンピュータプログラム製品であって、
    前記プログラム命令は、新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法を指定し、前記方法は、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が前記既に動作中のDSL回線セットに影響するか否かを判断するステップであって、前記データは、前記新規DSL回線セットの送信パワー設定後、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットがデータを送信した後に受信されるステップと、
    を含むコンピュータプログラム製品。
  44. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットのベクタチャネルおよびノイズ情報を得るステップをさらに含む、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  45. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットである、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  46. 前記新規DSL回線セットは単一のDSL回線である、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  47. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線である、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  48. 前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、異なるDSL回線上の直交トレーニングシーケンスを使用して、同時トレーニング中に回線の独立した識別を可能にするステップを含む、請求項47に記載のコンピュータプログラム製品。
  49. 前記新規DSL回線セットは1つまたは複数のVDSL回線を含む、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  50. 前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低く送信パワーレベルを設定するステップを含む、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  51. 前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低く送信パワーレベルを設定するステップは、CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して送信パワーを制限するステップを含む、請求項50に記載のコンピュータプログラム製品。
  52. 前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップは、前記新規DSL回線セットによるデータ送信を、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように構成されるトーンセットに制限するステップを含む、請求項43に記載のコンピュータプログラム製品。
  53. 前記トーンセットは単一のトーンを含む、請求項52に記載のコンピュータプログラム製品。
  54. 前記トーンセットは複数のトーンを含む、請求項53に記載のコンピュータプログラム製品。
  55. 前記トーンセットは、CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して制限される、請求項53に記載のコンピュータプログラム製品。
  56. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットであり、前記方法は、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように前記ベクタードDSL回線セットの動作を調整するステップをさらに含む、請求項53に記載のコンピュータプログラム製品。
  57. 機械可読媒体と、
    前記機械可読媒体に含まれるプログラム命令と、
    を含むコンピュータプログラム製品であって、
    前記プログラム命令は、新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法を指定し、前記方法は、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットのトーンセットの送信パワーレベルを設定するステップであって、PSDMASKパラメータまたはCARMASKパラメータのうちの少なくとも1つを使用するステップを含むステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が前記既に動作中のDSL回線セットに影響するか否かを判断するステップであって、前記データは、前記新規DSL回線セットの前記トーンセットの送信パワーレベル設定後、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットがデータを送信した後に受信されるステップと、
    を含むコンピュータプログラム製品。
  58. 前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価するステップは、前記新規DSL回線セットの動作からのあらゆる漏話のレベルを測定するステップをさらに含む、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
  59. 前記PSDMASKパラメータを使用して、前記トーンセット内のトーンでの前記新規DSL回線セットからの漏話を前記既に動作中のDSL回線セットを妨害しないレベルに保つように前記トーンセット内の各トーンでの送信パワーレベルを制限する、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
  60. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線を含み、さらに、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップは、前記新規DSL回線セット上の複数の直交トレーニングシーケンスを使用して、前記新規DSL回線セットから2つ以上の回線を同時にトレーニングできるようにするステップを含む、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
  61. 前記新規DSL回線セットは複数のDSL回線を含み、さらに、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットを使用してデータを送信するステップは、PSDMASKパラメータまたはCARMASKパラメータのうちの少なくとも1つにより制限される標準トレーニング手順を使用するステップを含む、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
  62. スキャンを使用して、前記新規DSL回線セットに関する動作データを生成する、請求項61に記載のコンピュータプログラム製品。
  63. 新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法を実行するように構成されるコントローラであって、前記方法は、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットの動作を構成するステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が存在するか否かを判断するステップであって、前記データは、前記新規DSL回線セットの動作構成後に前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットがデータを送信した後に受信されるステップと、
    を含む、コントローラ。
  64. 前記新規DSL回線セットの動作を構成するステップは、前記新規DSL回線セットの送信パワーを設定するステップを含む、請求項63に記載のコントローラ。
  65. 新規DSL回線セットをトレーニングして既に動作中のDSL回線セットに統合する方法を実行するように構成されるコントローラであって、前記方法は、
    前記既に動作中のDSL回線セットの動作の妨害を回避するように、前記新規DSL回線セットのトーンセットの送信パワーレベルを設定するステップであって、PSDMASKパラメータまたはCARMASKパラメータのうちの少なくとも一方を使用するステップを含むステップと、
    前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットにより受信されるデータを評価して、前記新規DSL回線セットからの漏話が存在するか否かを判断するステップであって、前記データは、前記新規DSL回線セットおよび前記既に動作中のDSL回線セットがデータを送信した後に受信されるステップと、
    を含む、コントローラ。
  66. 前記新規DSL回線セットは1つまたは複数のVDSL回線を含む、請求項14に記載のコントローラ。
  67. 前記新規DSL回線セットの送信パワーは、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低い送信パワーレベルを含む、請求項15に記載のコントローラ。
  68. 前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するのに十分低い送信パワーレベルは、CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つにより制御される、請求項52に記載のコントローラ。
  69. 前記新規DSL回線セットの動作を構成するステップは、前記新規DSL回線セットにより使用され、前記既に動作中のDSL回線セット内の妨害漏話を回避するように構成される少なくとも1つのトーンセットを設定するステップを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  70. 前記トーンセットは単一のトーンを含む、請求項69に記載のコントローラ。
  71. 前記トーンセットは複数のトーンを含む、請求項69に記載のコントローラ。
  72. 前記トーンセットは、以下:CARMASK、PSDMASK、キャリアマスク動作パラメータ、PSD動作パラメータ、ビット制限動作パラメータ、BCAP[n]、またはマージン動作パラメータのうちの少なくとも1つを使用して制限される、請求項69に記載のコントローラ。
  73. 前記既に動作中のDSL回線セットはベクタードDSL回線セットであり、前記コントローラは、前記新規DSL回線セットを、前記ベクタードDSL回線セットを使用するベクタード動作に統合するように構成される請求項14に記載のコントローラ。
  74. 前記コントローラは、DSLオプティマイザである請求項14に記載のコントローラ。
  75. 前記コントローラは、コンピュータ、コンピュータコンポーネント、プロセッサ、IC、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  76. 前記制御信号は、前記新規DSL回線セットの送信パワーを制限する信号、前記既に動作中のDSL回線セットの動作を制限する信号、動作命令、動作パラメータ範囲、動作パラメータ値、またはDSL動作規則のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  77. 前記データ収集ユニットは、コンピュータ、コンピュータコンポーネント、プロセッサ、IC、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  78. 前記解析ユニットは、コンピュータ、コンピュータコンポーネント、プロセッサ、IC、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  79. 前記制御信号発生器は、コンピュータ、コンピュータコンポーネント、プロセッサ、IC、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコントローラ。
  80. 請求項43〜62のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品のうちの少なくとも1つを実施するコントローラ。
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