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動物およびヒトの骨軟骨症の予防と治療
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年6月2日に出願されてその全容は参考文献として本明細書に組入れられている米国仮出願第60/687,653号の米国特許法第119条(e)項における利益を申し立てる。
(本発明の背景)
跛行が繁殖適齢期の雌ブタにおける間引きおよび死亡の主な原因で、毎年二千万頭を上回る動物に影響を及ぼしている。少なくとも若い成長期のブタの3から10%が跛行により死ぬか間引きされている。骨軟骨症(OC)はこの跛行の主な因子で、米国だけで2億ドルを超す経済的損失を生じる可能性がある。
OCは若い成長期の動物およびヒトを冒す軟骨の非感染性疾病である。OCは関節の関節軟骨および骨の成長板における異常な発達が特徴であり、骨の発達における関連した変化が伴う。OC変化が痛みを生じ、そして/または通常の骨格機能を妨げるとき跛行が起こる。
OCはブタにおける跛行の主な原因である。成長中のブタの20から80%がOSに冒されると言われている。跛行を起こすような重度のOCは馬および大型飼育イヌの5から10パーセント並びに40人に1人のヒトに見られる。OCは若い成長期の家畜ウシ、特に雄ウシおよびヒツジでも報告されている。OCはネコでは普通ではないが報告がされている。
ヒトではOCは主に青春期のヒト、体を非常に良く動かし成長している骨を有する年齢層を悩ます。当該疾病は女子より男子により普通である。10から15歳の間の子供において、当該疾病はしばしば肘、膝または足の関節に現れる。罹病したヒトは病変関節において圧痛、腫れおよび痛みを経験し、それが活動を悪化させる。
ヒトの子供におけるOCのより一般的な状態の中には:12〜15歳間の子供の中足骨頭で起こるフライバーグ病;6〜9歳間の子供の腰で起こるレッグ・カルブ・ペルテス病;10〜15歳間の子供の膝中にある膝蓋腱の付着における脛骨結節突起で生じるオスグッド・シュラッター病;5〜10歳間の子供の肘にある上腕骨遠位部の小頭で起こるパンナー病;および10〜15歳の子供の膝にある膝蓋骨の下極にて起こるシンディング−ラーセン−ヨハンソン病がある。各ヒトOC病の動物との相互関連が、種および血統が関連する“好発部位”に見られる。特に、異なる特定関節が所与の種または血統においてより侵されやすいようであり;例えば“肘形成異常症”に関してはドイツシェパードで発生する傾向がある。
そこで、OCの予防および治療に関する方法が改良されれば家畜産業にて経済的価値が大きく、動物の苦痛を低減し、そして痛みを伴う関節の不快症状およびこの疾病に悩むヒトが経験する機能性と機動性の損失を和らげる際の助けになるであろう。
更に、動物飼料中の過剰なリンから起こるホスフェート公害は拡大している問題である。当該リンは地下水を潜在的に汚染する可能性がある。地下水汚染を減らすには低減させたリン酸含量の動物飼料を提供する必要がある。リン使用の削減は栄養管理規制を遵守する動物生産者の助けになるであろう。
リン削減動物飼料が提供できれば、OCの予防および治療を同時に容易とすることになり、非常に好都合となるであろう。
本発明者達はホウ素含有化合物の投与が動物において骨軟骨症の予防および治療に効果的であることを思いがけずに発見した。1つの実施形態では、本発明は補給的ホウ素を含有する動物の飼料を提供する。動物の飼料は植物性材料を含有する。ホウ素は植物の生長に必要な元素である。全ての植物それ自体、従って動物飼料中の全ての植物材料はある程度のホウ素、例えばトウモロコシ/大豆飼料中に10〜20ppmを含有している(当該ホウ素が取り出されていなければ)。本発明の動物飼料は当該植物性材料からの動物飼料中に存在するホウ素に加えて補給用ホウ素を含有している。当該補給用ホウ素はホウ素含有化合物として、高めたホウ素レベルを有する植物材料として、または高めたホウ素レベルを有する酵母のような微生物として供給される。本発明の実施する際に使用できるホウ素含有化合物の中には、典型的なホウ素源としてはホウ酸ナトリウムおよびホウ酸がある。しかしながら、本発明はこれらの形のホウ素には限らない。ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸のようなホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体も含まれる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸類のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴ったようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。本実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物は典型的には動物飼料の中に約1から約500ppmの補給元素ホウ素を供する濃度で含まれている。更に他の実施形態では、当該ホウ素含有化合物は典型的に動物飼料中に約1から約150ppmの補給用元素であるホウ素を供する濃度で含まれる。更に他の実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物は典型的に約50ppmまたは約25から50ppmの補給的元素のホウ素を供する濃度で含まれている。当該動物飼料により利益をうる動物の中には、ブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌおよびネコがある。
更なる思いがけない発見は、本発明者等は補給用ホウ素を動物飼料に添加すると動物飼料のリン含量を減少させることができることを見出した。そこで他の実施形態では、本発明は補給用ホウ素含有化合物および低下したリン含量を含有する改良型動物飼料を提供する。そのような実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムまたはホウ酸でありうる。しかしながら、本発明はこれらの形の補給用ホウ素には限らない。ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体内で解離または代謝してボレートかホウ酸としてホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体も使用することができる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。これらの有機形の中には通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴ったようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。当該ホウ素はタルクと、当該動物飼料に添加する前にホウ素含有化合物とタルクの比で約5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1または25:1で組合せることができる。補給用ホウ素含有化合物は当該動物飼料中に約1から約500、約1から約150或いは約50ppmまたは約25から50ppmの補給用ホウ素が含まれ、全リン含量は補給用ホウ素なしの同等な動物飼料と比較して少なくとも3%減少される。一般的に当該動物飼料にはホウ素が濃度範囲約5から約150ppmで補給される。当該動物飼料は、他の動物中でブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌおよびネコに対して適している。
他の実施形態においては、本発明は動物が排泄するリン量を減少させる方法を提供する。この実施形態では、動物はホウ素含有化合物、高められたホウ素レベルを有する植物材料、高められたホウ素レベルを有する酵母または他の微生物として供給される補給用ホウ素約1から約500、約1から約150或いは約50ppmまたは約25から50ppmを含んでいる改良された動物飼料組成物の食餌で養われ、当該動物飼料組成は補給用ホウ素なしの同等な動物飼料と比較してリンが少なくとも3%減少している。一般的に当該動物飼料は補給用ホウ素を5〜150ppmの範囲の濃度で含有する。そのような実施形態では化合物を含有する補給用ホウ素はホウ酸ナトリウム或いはホウ酸でありうる。しかしながら、ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸としてホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体が使用できる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には、通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化デンプ類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素で形成される複合体および化合物がある。本方法は他の動物の中でブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ、およびネコに適している。
更なる実施形態は動物におけるリンの吸収効率を向上させる方法を提供する。本実施形態では、動物は約1から約500、約1から約150または約50或いは約25から50ppmの補給用ホウ素を含有している改善された動物飼料組成物の食餌で養われ、当該リン吸収は補給用ホウ素なしの同等な動物飼料と比較して少なくとも3%は向上する。そのような実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムまたはホウ酸でありうる。しかしながら、ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸としてホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体が使用できる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムおよびストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には、通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化蔗糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。当該方法は他の動物の中でブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ、およびネコに使用するのに適している。
更に付け加える実施形態では、本発明は動物飼育場から出る環境のリン公害を低下させる方法を提供する。この実施形態では、動物は約1から約500、約1から約150または約50或いは約25から50ppmの補給用ホウ素を含有している改良動物飼料組成物の食餌で養われ、それによりリン流出は補給用ホウ素なしの同等な動物飼料の場合に比べて少なくとも3%減少する。そのような実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムまたはホウ酸でありうる。しかしながら、ホウ酸カルシウムのような無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸のようなホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体が使用できる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には、通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、通常トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化蔗糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素が形成した複合体および化合物がある。当該方法は他の動物の中でブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ、およびネコに使用するのに適している。
更なる実施形態では、本発明はまた治療効果量のホウ素含有化合物を治療の必要としている哺乳類に投与してOCを治療または予防する方法を提供する。そのような実施形態では当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムまたはホウ酸でありうる。しかしながら、本発明ではホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸としてホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体を使用することができる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には、通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化蔗糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。治療する哺乳類はヒトまたは動物でありうる。当該補給用ホウ素含有化合物は骨軟骨症の症状が現れるまえに予防法として投与することができる。動物の中でも当該方法で恩恵を浴するのはブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ、およびネコである。
他の実施形態では、本発明は動物の離乳期前の死亡数を減少させる方法を提供する。他の実施形態では、本発明は発情への復帰率および受胎率を増加させることで動物の繁殖率を改良する方法を提供する。これらの実施形態では、妊娠前、妊娠、養育および/または授乳動物は増加させたホウ素の飼料を供される。当該飼料は約1から約500、約1から約150または約50或いは約25から50ppmの補給用ホウ素含有化合物を含むことができる。当該ホウ素は改良された動物飼料組成物の中、またはミルク或いは水の中で供することができる。一般的に当該ミルク、水または動物飼料は補給用ホウ素を5〜150ppmの範囲の濃度で含有する。そのような実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムでありえるか、またはホウ酸が使用できる。しかしながら、ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸のようなホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体が使用できる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。有機形の中には、通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、通常トレオニン、メチオニン、加工澱粉、加水分解澱粉、酸化澱粉、非加工澱粉、デキストリン、アミド化蔗糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル、サルチル酸複合体、ビスオキサラト酸の塩、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。当該方法は他の動物の中でもブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ、およびネコに適している。
更なる実施形態では、ホウ素含有化合物はOCの治療と予防用および/または離乳期前の死亡率を減少させるために飲料水、無機物またはビタミン補助剤、ミルク製剤中または他の食物製品に添加される。
更なる実施形態では、本発明はホウ素−タルク組成物を提供し、ホウ素含有化合物とタルクの比は約5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1または25:1である。そのような実施形態では、ホウ素はホウ素含有化合物で、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸でありうる。しかしながら、本発明はこれらの形の補給用ホウ素に限るものではない。ホウ酸カルシウムのような他のホウ素の無機形とともに、体の中で解離または代謝されてボレートまたはホウ酸のようなホウ素を放出する有機ホウ素化合物および複合体も使用できる。無機形の中には、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄およびマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄およびニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウムおよびカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウムおよび希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウムとカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、カルシウムとストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウムと希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウムおよびフルオロホウ酸ナトリウムがある。これら有機形の中には通常ホウ酸にフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、通常トレオニン、メチオニン、加工澱粉、加水分解澱粉、酸化澱粉、非加工澱粉、デキストリン、アミド化蔗糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル、サルチル酸複合体、ビスオキサラト酸の塩、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類およびボログルコン酸カルシウムが伴うようなホウ素で形成された複合体および化合物がある。
タルクは本例示的な実施形態で使用する際、種々な市販元から入手できる。例えばLuzenac Americaがタルクの供給元である。Luzenac Americaからのタルク製品の例には:E−Z Flow 40、E−Z Flow MB、E−Z Flow MT、E−Z Flow RMおよびE−Z Flow VTが含まれる。
(本発明の詳細な説明)
序論
ホウ素は必須な植物栄養素として長い間知られていたが、ヒト生理学的でのホウ素に関する役割は最近評価を受けたに過ぎない。本発明者等は動物およびヒト食事のホウ素補給の有益な効果を発見した。特に以前の研究が、ホウ素含有化合物は骨の病気、骨粗しょう症を緩和できることを示したが、本発明者等はホウ素含有化合物は関節および成長板軟骨の疾病、骨軟骨症(OC)も和らげることを発見した。
骨粗しょう症は骨が脆弱となり、病気の進行とともに次第に壊れやすくなる病気である。骨粗しょう症または多孔性の骨は低骨量および骨組織の構造的劣化を特徴とし、骨脆度および腰、背骨および腕の骨折への感受性増加を導く。そこで骨粗しょう症は、一般的には十分で正常な発達後に骨に特化して襲う病気である。同時に、その進行的性質から骨粗しょう症は老年層で普通は発症する病気である。50歳を越えると2人に1人の女性および4人に1人の男性がその生涯で骨粗しょう症関連の骨折を起こすであろう。
これに対して、骨軟骨症は成長している動物の全身骨格の病気で、関節および成長板軟骨における障害から生じる。骨は二次的に冒されるだけである。結果として、この症状を説明する技術的により正確な用語は軟骨形成不全症である。更なる症状、離断性骨軟骨症は関節表面の小片化、骨折化および/または断片化を生じる。離断性骨軟骨症は骨軟化的病変により起きる軟骨での弱体化が内在して生じると考えられている。病変は局所損傷の軟骨内骨化が特徴で、軟骨下骨にまで伸びている残留軟骨の領域に生じる。参照、R.John Wardale and Victor C.Duance.Journal of Cell Science 107,47〜59(1994)。
OCと骨粗しょう症の病理生物学における相違−当該2種類の病気は骨系の異なる側面および異なる年齢群を侵す−により、老年の骨の劣化症である骨粗しょう症を和らげる処置が若年の関節における軟骨の病気であるOCの治療で助けになるとは思わなかった。本発明者等は驚くことにホウ素含有化合物がOCの予防および治療に有効な薬剤であることを見出した。
(軟骨の挙動におけるホウ素の役割)
関節軟骨の細胞外基質(ECM)は哺乳類四肢の関節での相対する骨表面間で緩衝作用を提供する。滑液は関節中に含有される液体である。滑膜は関節、滑液嚢および腱鞘の内側を覆っている。滑液の機能は関節空間を滑らかにし、関節の軟骨に栄養を運んでいる。関節軟骨は骨を通しての衝撃の効果を吸収し、動物の体重を支えることで、関節の円滑な屈折行動および関節での緩衝機能に関して接触点での低摩擦を与える。当該軟骨は水環境でのプロテオグリカンおよびコラーゲン網目組織を含んでいる種々の成分からなる。
プロテオグリカンは関節で見られる緩衝作用を維持する役割を果たしている。当該軟骨ECMはコラーゲン繊維の網目組織として示されるが、それはプロテオグリカンを連結し、プロトグリカンにより連結されている。当該プロテオグリカンは柔軟なゲル様材料で、コラーゲンは網状組織を形成し、プロテオグリカンをその位置に固定する。当該プロテオグリカンは圧縮強さを供し、引張強度はコラーゲン網目組織が供する。関節内のプロテオグリカンおよび成長板軟骨は大きな負電荷を有する硫酸化グルコサミノグルカン(GAG)を含有している。生理的pHにおいて、これら負電荷GAG分子はナトリウムイオンと水を関節のECM中に引き寄せて当該プロテオグリカンを“膨張”させる。当該膨張したプロテオグリカンは圧縮に抵抗する弾力圧を備え、コラーゲン網目組織と内在する構造を圧縮損傷から保護する。よりよい緩衝作用およびこれによるより大きな圧縮抵抗は十分に水和化したプロテオグリカン補強剤および十分に広がって張ったコラーゲン網目組織で供される。
本発明をいずれかの特定な機構に限ることなく、理論にも縛られることなしにて、OCにおけるホウ素が機能する一つの可能性あるモデルは“スタンディング仮説”である。この仮説では、ホウ素はプロテオグリカンを細胞外基質へ架橋結合して機能する。この現象の起き方に関する想定される1つの機構は、ホウ素が炭化水素、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質、脂質、タンパク質およびアミノ酸構造との三次元ホウ素架橋結合を提供するというものである。軟骨および神経組織のような細胞外膜構造の場合、これはアグリカンのようなプロテオグリカン(軟骨の巨大凝集プロテオグリカン)、コラーゲンのような様々な形と型の複合タンパク質、および軟骨結合タンパク質のような会合タンパク質が含まれるであろう。当該プロテオグリカンの架橋は当該基質を安定化し、結束させ、圧縮力のより良い分散およびプロテオグリカン損失の防止を可能とし、当該滑膜の緩衝能力を減少させるであろう。これに対して、ホウ素は水酸化ステロイド類の血漿レベルを向上させて骨粗しょう症を防止する。米国特許第4,849,220号を参照。そこで、誰もホウ素が骨粗しょう症とは全般的に異なる病因を有するOCのような軟骨の病気の治療効果を有するとは予想しなかった。骨粗しょう症では骨が直接侵される。OCにおいては軟骨が侵される。
OCの病因と病状
OCの正確な原因は未だに知られていないが、この病気の進行について多くの機構が示唆されてきた。成長および変化する軟骨に対する損傷を作り出す圧縮力の影響が主な因子のようである。ブタにおける研究が通常の骨端成長における血液供給での局所変化が骨軟骨症の病因の中心であることを示唆した。軟骨管は成長する軟骨内での一時的な血管包含構造である。軟骨化の進行の間に年とともに当該管は次第に退行し、当該管内に包含されている血管が軟骨にとって代わられる。骨軟骨症に関連する損傷の形成は早期軟骨化およびこれら管の退化に関連をもっていた。特に、血液供給の早期途絶は妨害点から遠位の軟骨管の壊死を生じる。Ytrehus et al.Bone 35:1294〜1306(2004)参照。こうして、重度の臨床的骨軟骨症が急激に体重増加を伴う高成長動物で最も普通に出現するのは驚くことにあたらない。Wardale and Duance Journal of Cell Science 107:47〜59(1994)参照。
骨軟骨症であるヒトおよびイヌにおいて、軟骨のプロテオグリカンは滑膜および軟骨細胞から由来する基質のメタロプロテイナーゼ−3(MMP−3)の作用で再吸収されることも示された。Shinmei et al,1991;Okada et al.1992;Mehraban et al.1994参照。当該軟骨の細胞外基質からのプロテオグリカンの損失は圧縮力を吸収し、緩衝する軟骨の能力の低下を導く。
(OCにおけるホウ素の役割)
OCにおけるホウ素欠乏の寄与を更に証明するため、および4価架橋結合を通じてOCにおけるホウ素の機能を試験するために3−ニトロフェニルホウ酸(3−NPB)を動物に投与した。3−NPBは通常はホウ酸またはボレートが占拠する部位に結合して架橋結合を阻止する。当該結果は実施例4にて説明する。3−NPB処置動物は跛行およびOCの臨床徴候を増悪した。跛行における悪化はホウ素を飼料に補給することで防ぐことができた。これらの実験でOCはブタ、ウマ、ウシおよびイヌにおけるホウ素のレベルと直接的に関係することを示す。
(動物におけるOCの治療に関するホウ素化合物)
生物、特にブタにおけるOCの広範な発生を考え、本発明はホウ素含有化合物で補給した動物飼料を提供することでOCを予防、治療する安全で効果的な手段を開示する。当分野の当事者は少なくとも一部分植物材料から由来する動物飼料は、ホウ素が植物成長に必要な元素であるのでホウ素の基礎レベルを含むだろうことは理解するであろう。例えば典型的にアルファルファは37ppmのホウ素を含んでいる。そこで、本明細書で使用するとき補給用ホウ素という用語は外から加えたホウ素を称して、通常使用される動物飼料に既に存在する基礎レベルのホウ素に補強する。ホウ素という用語を本開示において使用するとき、それは元素のホウ素およびホウ素含有化合物の両方を意味することができる。本発明の実施に有用なホウ素含有化合物はいずれかの適した有機または無機ホウ素含有化合物が含まれ、ホウ素含有無機質を含む。ホウ素の好ましい形はホウ酸ナトリウムおよびホウ酸がある。他の有用なホウ素の無機形にはホウ酸カルシウムが含まれる。当分野の当事者であれば、本発明にて使用できるホウ素の他の無機形には、マグネシウム、ハロゲン、アンモニウム、カリウム、鉄とマグネシウム、タンタル、ベリリウムとニッケル、炭酸塩、ナトリウムとカルシウム、ヒ酸塩、カルシウムと希土類元素、硫酸塩、マグネシウムとカルシウム、マンガン、アルミニウム、カルシウムとストロンチウム、リン酸塩、スズ、亜鉛およびストロンチウムのホウ酸塩が含まれることを理解するであろう。他の形には:カルシウム、ナトリウム、アルミニウム、カルシウムと希土類元素、鉛、バリウム、リチウムのホウケイ酸塩またはケイホウ酸塩、およびナトリウムのフルオロホウ酸塩を伴うホウ酸塩が含まれることは分かるであろう。天然無機ホウ素含有化合物は名前を挙げると、硼砂、コレマナイト、ハイドロボラサイト、ケルナイト、ウレキサイト、ダトライト、ダンブライト、サイベリアイト、スーアナイト、インデル石、サッソライト、インヨ石、プロバータイト、ハウライト、エンソーライト、クルナコフ石、マイヤーホ−フェ石、プライス石、ノボライトおよびシアール石などの種々の鉱物名で専門家には知られているが、そのように命名されるのは少ない。無機ホウ酸塩化合物および無機物の表はSupplement to Mellor’s Comprehensive Treatise on Inorganic and Theoretical Chemistry,Volume V Boron,by Joseph William Mellor, Longman Group Limited,London,1980に見出すことができる。
有機ホウ素含有化合物の例は当分野の当事者には良く知られている。そのようなホウ素含有化合物は参照で本明細書に組入れられている米国特許第4,312,989号、第4,499,082号および第5,312,816号に見出せる。本発明の実施で有用であろう有機ホウ素の形の中には、トレオニンホウ素、メチオニンホウ素およびアスコルビン酸ホウ素とともに他アミノ酸のホウ素複合体のような有機ホウ素複合体がある。これらアミノ酸は遺伝暗号で特定される20個の通常のアミノ酸とともに遺伝暗号でコード化されない変種および修飾アミノ酸が含まれる。これらはホウ素の有機形の例で、それは急激に代謝されてボレートまたはホウ酸を放出する。有機ホウ素の他の有効な形は米国特許第5,962,049号で開示されたホウ素炭水化物複合体である。ホウ素と有用な複合体を形成する炭水化物の中には、フルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトールおよびソルボースのような糖類が含まれる。フルクトースと複合体化したホウ素の市販され入手できる形はFutureCeuticalsから入手できるFruitex BTMであり、米国特許第5,962,049号に記述されている。
本発明の実施で使用できるホウ素の他の有機形には:ボレート化加工澱粉(加水分解または酸化澱粉類のような)、ボレート化非加工澱粉類、ボレート化デキストリン類、ボレート化アミド化糖類(グルコサミンまたはマンノサミンのような)ボレート化グリセロール脂肪酸のエステル類、ボレート−サルチレート複合体類、ビスオキサラトボレートの塩類(ナトリウムまたはカリウム塩のような)、ボロスクロースカルシウム、ホウ酸エステル類((RO)3Bのような)、アルコールアミンホウ酸エステル類と糖酸類(糖酸およびグルコン酸などのような)およびアミノ化糖酸類とボレートとの複合体がある。本発明で使用する際に特に好ましい糖酸の1つはボログルコン酸カルシウムである。更にホウ素の他の形はホウ素化されうるアニオン交換樹脂である。ホウ素化できるそのような樹脂の1つはAmberliteTMである。
本明細書で特定のホウ素含有化合物を説明するとき当技術分野の当事者であれば、全ての可能な溶媒和物、薬学的に許容される塩、エステル、アミド、複合体、キレート、立体異性体、幾何異性体、結晶か不定形、代謝物、代謝前駆体または当該化合物のプロドラッグも化学構造式或いは化学名で別々に記述されることを理解するであろう。更に、本明細書で記載されたホウ素含有化合物のいずれかが立体化学性であれば、当該化合物の全ての鏡像異性およびジオステレオマー構造体も対象とされる。そこで、当てはまる場合ホウ素含有化合物はラセミ体、ラセミ混合物および個々のジオステレオマーか全異性体構造の鏡像体として存在しうる。ラセミ体またはラセミ混合物は立体異性体の50:50混合物を意味する必要はない。
更に、本発明のボレートは多くの異なる等級を網羅し、FDA許可およびFDA非許可のものを含むことは当技術分野の当事者であれば理解するであろう。そこで、本発明の実施で使用できるボレートの等級は:薬学的または製剤等級、原子力等級、肥料等級、工業等級、農薬等級および特級(SQ)である。
ホウ素含有化合物の使用に適した範囲には、当該動物飼料中に天然に存在するより多い約1から約500ppmのホウ素の補給が動物飼料に含まれる。補給に関して他に適した範囲は約1から約150ppmである。図1,3および4で示すように、本発明者等は25ppmから50ppmの補給用ホウ素はブタでのOCの出現を顕著に減少することを見出した。従って、1つの実施形態では、本発明は25ppmから50ppmのホウ素含有化合物を補給した動物飼料組成物を提供する。1つの実施形態では、補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムである。他の実施形態では、補給用ホウ素含有化合物はホウ酸である。当技術分野における当事者にとっては、ホウ素の他の濃度を病気の重症度または治療する動物により使用できることは明らかであろう。更に、本発明の実施において他の補給用ホウ素含有化合物も使用できることは当技術分野の当事者であれば明らかであろう。
本明細書に記述されたホウ素はタルクと組合せることができる。当該ホウ素含有化合物とタルクの比は約5:1,6:1,7:1,8:1,9:1,10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1,17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1または25:1である。
(動物飼料への補給用ホウ素の混和)
動物飼料の製造に関しては当技術分野では種々の方法が知られている。これら種々の方法は、動物に与えたときにOCに良好な効果を有するであろう補給用ホウ素の量を当該飼料へ包含させる際に適応させることができる。
例えば、上で開示した量の補給用ホウ素は米国特許第3,946,109号に記載されているような動物飼料組成物に組み込むことができる。その代わりに、種々の他の飼料組成物がPurina,ADM,Land O’Lakes,and Moorman’sのような供給元から市販され入手可能である。補給用ホウ素は選んだ組成物に、例えば米国特許第4,189,240号で開示された方法を用いて混合することができる。補給用ホウ素を含有する組成物は、米国特許第5,120,565号にて開示されたもののように動物飼料フードブロックを形成するのに使用できる。或いは、補給用ホウ素は米国特許第4,777,240号で開示された噴霧乾燥法のような方法で形成した動物飼料組成物に組入れることができる。これらの特許の引用は動物飼料製品中への補給用ホウ素の組入れのための技術で利用できる種々な方法を例示するためだけで、本特許の実施はこれら方法の1つ以上のいずれかの使用に限定されることを意味しない。
本発明を実施する際に動物飼料中に組入れることができる他のホウ素源にはホウ素が多い酵母調製物が含まれる。動物飼料中に酵母を組入れることは既に普通に行われることである。そこで、動物飼料中に高めたホウ素レベルを伴う酵母を含めることは極めて容易なこととなろう。その代わりとして、高めたホウ素レベルの土壌にて成長させた穀物を動物飼料に組入れることができる強化ホウ素源として特に供することを目的にして収穫することができる。当該高めたホウ素レベルは土壌中では天然でありうるし、ホウ素公害から生じることも有り、または肥料か他の手段で土壌に加えることもありうる。或いは、補給用ホウ素含有化合物はビタミンや無機物も含有する栄養補助食品、主成分混合物および予備混合物に添加することができる。当該補助食品、混合物または予備混合物は典型的には当該最終動物飼料組成物の0.5%から30%を構成する量を添加する。そのような実施形態では、元素ホウ素濃度は当該動物飼料での希釈前で相当高くて(約3倍から200倍高い)補給用ホウ素当量が全1日食料割当で1〜500ppmとなる。
他に代わりとなるものは、動物飼料を例えばアルファルファ、ブドウまたはコーヒー粕のような食品で補給するが、それらはホウ素含量が天然において高い。加えて、これらや他の食品は上記した上昇したホウ素条件で成長させるか、或いは遺伝子組換え技術か組換え法などの手段によりホウ素のより高いレベルを含むように操作することができる。
更なる実施形態では、補給用ホウ素含有化合物は直接手で与えるか動物飼料に“追肥”することができる栄養補助食品として供することができる。そのような実施形態は他の栄養物、賦形剤または香味料を含有する製剤でありうる。例として、補給用ホウ素および他のビタミンと無機物を含むウマ栄養補助食品は小さなスプーンまたはカップ或いは棒状かペレット状でウマに与えることができる。或いは当該補助食品は動物飼料の上または中に混合することができる。
そのようなホウ素はホウ素−タルク組成物として動物の飼料に供することができる。ホウ素−タルク組成物の中でのホウ素含有化合物とタルクの比率は約5:1,6:1,7:1,8:1,9:1,10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1,17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1または25:1である。
ホウ素レベルは当技術分野で知られている種々の方法で正確に定量できることが必要とされる。米国特許公報20040020840およびそこで開示されている特許は多くのそのような方法を記載している。
(動物飼料のリン含量の低減と離乳期前の死亡の改良)
動物飼料中の過剰なリンから生じるホスフェート公害は増加している問題である。例えば、National Research Council’s 1998 Nutrient Requirement for Swineによれば、典型的なトウモロコシ/大豆飼料中のリンの約70%はブタが利用できない。この利用できないリンは糞尿に排出されることになる。ブタ糞尿の高リン含量はブタ飼育に関係する環境公害の原因になる。ブタ生産系において排出される栄養、特にリンの量を低減させることは環境の優先事項であり、ブタ産業が直面している重要な経済問題である。そこで、ブタの飼料を作成するのによく使用される飼料成分中のリンの生体内利用を向上させる手段は望まれるものであろう。本発明者等はブタ飼料中に補給用ホウ素を包含させることはブタ飼料中に存在するリンの吸収および利用の向上となることを発見した。補給用ホウ素は骨のリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)へのホスフェートの効率的組込みを促進する。この効果は他の動物においても同じように正しいと思われる。
ブタの飼料処方のような動物食餌からのリンの吸収および利用の効率を向上させることにより、本発明者等は典型的なブタ飼料処方中のリンの量を減少させることができることを見出した。これらの結果は実施例3で示す。ブタ食餌からのリンの利用向上をブタ飼料中の最初のリン量の低減と結びつけると養豚業から生じるホスフェート公害の低減に貢献すると期待できる。そこで、本発明が教えるように補給用ホウ素の包含はOC予防および治療に資するばかりではなく、公害の減少にも貢献するであろう。これまでの議論はブタに焦点を当てていたが、本発明はブタ飼料からのリン削減だけに限られるものではない。むしろ、当技術分野の当事者であればリン使用の削減は全ての動物に適用できることは認めるであろう。
軸骨格の多くの骨の形成は軟骨モデルの形成で開始し、カルシウム化されてカルシウムおよびホスフェートで無機化される骨に作り直される。補給用ホウ素はこの工程の効率を増進させる。それにより補給用ホウ素が当該工程の効率を増進させる仮定の機構は細胞外基質の安定化であるが、他の機構もあるかもしれない。
補給用ホウ素は骨の構造全体性および骨石灰化特徴を改善する軟骨転換/骨石灰化の効率を改良する。カルシウムは十分な骨強度を促進するレベルにて食餌に添加する。適度な骨強度を促進するカルシウムのレベルは逆にリンの腸内吸収を阻害する。リン吸収も食餌のリンレベルが減少するとより効率的である。本発明者等は動物飼料への補給用ホウ素の添加は骨の無機化を促進し、骨強度を維持しながら動物飼料中のカルシウムおよびリンの両方を比例的に3から5%減少させることができる。
下の表1に示した“ブタの栄養要求量”についての1998年のNRC報告からのデータは、カルシウムおよびリンに関する典型的必要量はブタの生存期間の間で変化するであろうことを示唆している。早期では当該骨格の骨はまだ発達の過程であり、カルシウムとリンのより多くの量が骨成長増加を支えるために必要とされる。カルシウムとリンに関する要求量はブタの成熟および骨発達が完了するとともに減少する。下に示したデータはブタに関したものであるが、カルシウムおよびリンに関する要求量では同じ傾向が他動物の生涯過程の間に観察される。
Figure 2008541767
種々な動物における食餌中の補給用ホウ素の包含は動物の生涯過程を通し、カルシウムとリンのレベルを少なくとも3%減少させる。そこで、表1で示した各体重範囲におけるカルシウムのリンとの比を大まかに一定とすると、カルシウムとリンの絶対量は補給用ホウ素含有化合物の添加により少なくとも3%低下させることができる。
そこで、他の実施形態では本発明は低減レベルのリンを伴う補給用ホウ素を含有する動物飼料を提供する。1つの実施形態では当該補給用ホウ素は好ましくは元素のホウ素約1から約500ppmの濃度で供され、リンレベルは補給用ホウ素なしの同等の動物飼料と比較して3から5%減少する。カルシウムレベルは一般的にリンレベルと比較して同じくらい減少する。しかしながら、補給用ホウ素含有化合物がホウ酸カルシウムまたはカルシウムボログルコネートなどのカルシウム塩として供される場合、当該動物飼料中のカルシウムのレベルはそれに応じて低減することができる。そのような化合物の1つ、ボログルコネートカルシウムはすでにウシ、ヒツジおよびヤギの低カルシウム血症を治療するのに使用されている。他の実施形態では、当該補給用ホウ素濃度は好ましくは約1から約500ppmであり、当該リンレベルは補給用ホウ素無しの同等な動物飼料と比較して3から5%低減される。更に他の実施形態では、当該補給用ホウ素濃度は好ましくは約25から約50ppmで、当該リンレベルは補給用ホウ素無しの同等な動物飼料と比較して3から5%低減されている。
他の実施形態では、本発明は動物についての離乳期前の死亡率を減少させる方法を提供する。この実施形態では、妊娠、養育または泌乳期の動物に約1から約500、約1から約150または約50ppm或いは約25から約50ppmの補給用ホウ素含有化合物を含有する改良された動物飼料組成物の食餌を与えるが、その中では当該動物飼料組成物は補給用ホウ素のない同等な動物飼料と比べたときリンが少なくとも3%減少している。一般的に当該動物飼料は補給用ホウ素を濃度範囲5〜150ppmで含有する。そのような実施形態では、当該補給用ホウ素含有化合物はホウ酸ナトリウムまたはホウ酸或いは本明細書で記述されるようなホウ素の他の無機形でありうる。
(ヒトにおけるOC)
その種々な徴候を伴う骨軟骨症は報告された6種類の動物種にて極めて類似していることが見出されている。このことが専門家にヒトにおける骨軟骨症も動物で見られたのと同じ病因、発症および病状を有するであろうことが予想されることを断言させた。Olsson,S.E.およびReiland,S.1978参照。動物での骨軟骨症の性質−ヒトにおける離断性骨軟骨症にかかわる比較的側面を伴う概要と結論。Acta Radiologica Supplement No.358:299〜306。
ヒトにおける骨軟骨症はDorland’s Medical Dictionaryでは以下のように定義されている:子供における成長または骨化中心での病気で、変性または壊死として始まり再生または再石灰化が続いて起こる。骨端虚血性壊死(q.v.)ともいわれ、それは(1)踵骨(os calcis)を侵し、骨端炎と呼ばれる状態;(2)大腿の骨頭端(head)を侵し、レッグ−カルベ−ペルテス病、ペルテス病、ワルデンストレーム病、扁平股および偽性股関節としばしば呼ばれる状態;(3)腸骨を侵し;(4)月状(半月状)骨を侵し、キーンベック病として知られ;(5)第2中骨の頭を侵し、フライベルグ亀裂骨折として知られ;(6)舟状骨(tarsal scaphoid)を侵し;(7)脛骨粗面を侵し、オズグード−シュラッター病およびシュラッター病と呼ばれ;(8)脊椎を侵し、ショイエルマン病または脊椎後弯症、若年性後弯症、脊椎骨端症および若年性背側後弯症と呼ばれ;(9)上腕骨小頭を侵し、パンナー病と呼ばれる。
ヒトの子供において侵される関節の部位はブタで侵される領域と対比することができる。ブタにおいて、骨軟骨症は障害の重症度を以下の域に降順の表で位置付けることができる:1.関節−骨端損傷:膝部、肘部、腰部滑膜椎間関節、後足膝部、肩部および腰部、2.成長板損傷:遠位尺骨、遠位大腿骨、肋骨軟骨接合部、大腿骨頭部、上腕骨頭部、坐骨粗面および胸腰部脊椎、3.骨端線離開およびアポフィシオリシス損傷:関節窩、坐骨粗面、大腿骨頭骨端線離開、脊椎骨端、肘突起および遠位尺骨骨端。
ブタとヒトにおける病気の類似性から、本発明の他の実施形態はヒトにおけるOCの治療および予防である。ホウ素化合物はOCで悩む患者に投与することができる。本発明の実施において有用なホウ素含有化合物にはいずれか適切な有機、無機または無機ホウ素含有化合物を含むことができる。ホウ素の好ましい形の中にはホウ酸ナトリウムおよびホウ酸がある。他の有用なホウ素の形にはホウ酸カルシウムが含まれる。有機ホウ素含有化合物の例は当技術分野の当事者にはよく知られている。そのような有機ホウ素含有化合物の例は、米国特許第4,312,989号、第4,499,082号および第5,312,816号に見出される。ヒトに使用する投薬量は1〜13ppmである。
(ヒトに使用するホウ素の製剤)
下方に記述するのはヒトについての有効な投与法である。1つの特に有用な投与法はホウ素を無機物またはビタミン補給剤、例えば食物または錠剤形式での供与である。しかしながら、以下に開示する多くの方法は特にヒトに適用可能であるが、動物にホウ素を投与する際にも使用できることは分かるであろう。
本発明のホウ素含有化合物に関する投与の特に有効な1つの形は、経口的に錠剤または食物に添加できるビタミンを伴う無機物補給剤としてである。多種ビタミンおよび無機物補助剤は、病気予防に必要とされる微量栄養素の適切な摂取を確実にして健康の維持および改善、および必須栄養素の食餌摂取が不適切という原因から生じる栄養不良を補うのに有用である。ビタミンおよび無機物調剤は一般的栄養補助剤として、または特定の病状を治療するのに通常投与される。従って、本発明の補給用ホウ素含有化合物はビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK,ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンアミド、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、カルニチン、シリコン、モリブデン、ゲルマニウム、鉄、リン、ヨウ素、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、クロム、カリウム、コリン、リコピンおよび補酵素Q−10のようなビタミンと共に無機物補助剤として投与することができる。補給用ホウ素含有化合物を加えることができる無機物補助剤製剤の例は米国特許第4,752,479号、第5,869,084号および第6,361,800号に見出すことができる。本発明のホウ素化合物を含有する補助剤は噛み砕けるビタミン錠剤または飲料に添加できる補助剤、或いは食品に添加できる補助剤として投与できる。
本発明の方法を実施する際に、当該ホウ素化合物はそのまま、または薬学的に許容できる組成物の組成物として投与できる。薬剤に使用するときの当該補給用ホウ素の形は薬理学的および薬学的の両方で許容されるべきものである。
そこで、本発明は獣医用およびヒト医療用の両方について薬学的製剤として供されるホウ素化合物で実施されるが、処方は当該活性薬剤(当該ホウ素化合物)とともに1つ以上の薬学的に許容される担体および場合により他の治療用成分のいずれかを含んでいる。当該担体(類)は当該処方の他の成分と共存できるという意味で薬学的に許容できるものでなければならず、その受容者に適応せず有害であってはならない。当該活性薬剤は、上記したように望ましい薬理的効果を行うの際の効果的量、そして望ましい1日用量を実現するのに適切な量で供される。
当該製剤には、経口、直腸、局所、経鼻、眼または非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適しているものが含まれる。非経口投与に適している製剤が好ましい。
当該製剤は利用しやすい単位投与量形で提供され、製薬学の技術でよく知られたいずれかの方法で調製できる。全ての方法には当該活性化合物を1つ以上の補足的な成分からなる担体と結びつける段階が含まれる。一般的に、当該製剤は当該活性化合物を液体担体、細かくした固体担体または両方に結びつけるように一様に念入りに調製し、そののち必要であれば当該製品を望ましい製剤に形作る。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが当該活性薬剤の所定量を粉末または顆粒の形として含有しているカプセル、カッシェ剤、錠剤またはトローチ剤のような別々の単位として;或いはシロップ、エリキシル剤、乳化物またはドラフトのような水溶液或いは非水溶液中の懸濁物として提供される。
錠剤は圧縮または成形で、場合により1種類以上の補助的な成分とともに製造されるであろう。圧縮錠は適した器械の中で、粉体または顆粒のような自由流動性形である活性化合物とともに圧縮により調製されるが、それは場合により結合剤、崩壊剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または帯電防止剤と混合される。粉末化した活性化合物と適した担体との混合物からなる成形錠剤は、適した器械中にて成形により製造される。
投与に関して当該組成物の1つの好ましい製剤は、使用前に水または他の適した飲料か液体で溶解或いは希釈するように粉末形にしてある。或いは、当該組成物は液体形の強化飲料の一部分として直ちに使える形にて含有することができる。同じように、ホウ素含有化合物は代用乳に添加することができる。当該組成物は、カスタードソースのついた、またはフラン様質感のプディング、或いは簡単に食べるのに適した棒の形で含有することもできる。
当該活性化合物を糖、例えば蔗糖の濃縮水溶液に加えることでシロップができ、それにいずれかの補助的な成分(類)も添加できる。当該補助的な成分(類)には香味料、適切な防腐剤、当該糖の結晶化を遅らせる薬剤およびポリヒドロキシアルコール、例えばグリセロールまたはソルビトールのようないずれか他の成分の溶解度を高める薬剤が含まれる。
非経口投与に適した製剤は都合がよいように当該活性化合物の滅菌水溶液を含み、それは受容者血液と等浸透圧であるのが好ましい(例えば、生理食塩水)。
鼻内噴霧製剤は防腐剤と等張剤を伴った当該活性化合物の純水溶液を含む。当該製剤は好ましくは鼻粘膜と相性がよいpHおよび等張状態に調整される。
直腸投与用の製剤は、カカオバター、水素化脂肪または水素化脂肪酸のような適切な担体を伴った座薬として供される。
局所製剤は、鉱物油、石油、ポリヒドロキシアルコール類または局所薬学的製剤に使用される他の基剤のような1種類以上の媒体中に活性化合物を溶解するか懸濁したものを含む。
前述の成分に加えて、本発明の製剤は更に希釈剤、緩衝剤、香料添加剤、結合剤、崩壊剤、表面活性剤、増粘剤、潤滑剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)などから選ばれた1種類以上の補助的成分(類)が含まれる。
以下の実施例は更に本発明の幾つかの好ましい実施形態を示している。当該実施例は本発明を例示しているが、それらは本発明を制限する意図を持つものではない。本明細書に引用した特許はその全体が参考で組み込まれている。
(実施例1:ホウ素補給剤とそのブタにおけるOC関連の跛行に対する効果)
材料および方法
19匹のブタの3群、デュロックおよびヨークシャー種のブタを無作為に品種、同腹仔および体重で振り分けをした。当該基礎食は10ppmのホウ素含有している市販のトウモロコシ−大豆食からなる。
試験食餌B群には基礎食にホウ素25mg/kgをホウ酸ナトリウム8水和物(硼砂)として加えて与えた。試験食餌A群には基礎食にホウ素25mg/kgをホウ酸ナトリウム8水和物(硼砂)として、およびアスコルビン酸250mg/kgを加えて与えた。
ブタは試験の開始時、4週間後および試験終了までは3週間毎に体重を量った。動物は各体重計測時に5ポイント基準により健全性を評点化した。(5ポイント基準:1=健全性で問題なし;2=僅かに健全性に問題あるが未だ飼育動物として保持するのに充分に健全;3=飼育用に保持するのに充分に健全ではないが取引できる程度;4=不健全で、食肉解体時に不合格;5=重度の跛行で、人道的な理由から安楽死が必要。)格付けは全ての体重計量時に管理者および研究員が行った。経験のある第三者であり、処置について知らない評定者も各動物の健全性を評価し、その人がもたらした評点と管理者および研究員の評点をコーエンのカッパを用いて比較した。
当該動物は近代的カーテンで側面を囲い、深い麦ワラの床敷きをした家畜小屋に収容し、食餌と水は自由に取らせた。給水器および食餌器はコンクリートパッド上においたが、残りの床は石灰岩と砂基盤の地面は深い麦ワラが敷き詰めてある。床の広さの余裕はGuide for the Care and Use of Agricultural Animals in Agricultural Research and Teaching,First Revised Edition,1999.Federation of Animal Science Societies.Savoy,ILの推奨以上のものであった。
試験でのブタには典型的なトウモロコシ−大豆穀粉食餌を与えたが、これにはMoorman’s社からの専売特許の市販栄養補給物が製造業者の指示した含有率で含まれていた。当該基礎的食餌(ホウ素補足なし)を分析して、トウモロコシ−大豆穀粉に基づく食餌では典型的に10ppmの割合でホウ素が含まれていることを見出した。
動物は管理者が1日に2回観察した。
10月中旬に1匹のブタに激しい跛行を認め、安楽死させ、剖検した。更なる3匹のブタ、1匹は歩行が不自由なデュロック種、1匹は健全なヨーク種および1匹は健全なデュロック種(跛行ブタの同腹仔)を11月の中旬に安楽死させ、検査の目的で剖検した。
当該試験の終了時に当該ブタを試験室に移し、そこで安楽死させ、剖検をした。B群およびA群それぞれ6匹のブタは、試験の終了時の7日間対照食餌を与えた。
剖検において、肝臓、心臓、腎臓、脂肪、骨格筋、脛骨近位端、血液および吻側鼻鏡(rostral snout)を取っておき、化学分析の前は−40℃で冷凍した。軸骨格の全ての関節につき骨軟骨症の肉眼的病変の存在を評価し、5点法で評点をつけた(5点法:1=全体的異常なし;2=関節形態に軽度の欠陥または関節発赤が存在するが軟骨侵食はない;3=軟骨は損なわれていないが軟骨の表面不整がある;4=関節軟骨の亀裂または侵食が明白;5=全層軟骨損傷または軟骨弁(フラップ)、離断性骨軟骨症が明瞭に存在)。
大腿近位部(大腿骨頭)と関節表面および膝関節、膝、肩、肘および手関節に関係する成長板を帯鋸で切断し、約0.5から1.0cmの切片をホルマリンで固定した。骨切片をギ酸/クエン酸ナトリウムで脱灰し、パラフィン中に包埋して5ミクロンの切片にした。切片は標準手順で脱パラフィン化した。各関節および成長板から2つの切片を作成し、関節軟骨、軟骨下骨および成長板の評価のためにヘマトキシリン/エオシン(H&E)またはトルイジンブルー(pH4)/ファーストグリーンにて染色した。
治療およびホウ素とアスコルベートの因子による平均関節損傷評点、成長速度と健全性評点を必要に応じて分散分析およびt−検定を用いて比較した。健全性評点は跛行および欠損非存在(健全性<2)については二値カテゴリ変数、そしてカイ二乗とロジスティック回帰で分析する二値変数の二つに分けた。
H&Eで染色した組織標本は骨軟骨症の損傷の存在について顕微鏡的に検査した。トルイジンブルー染色は軟骨の細胞外基質(ECM)からプロテオグリカンの保持または損失の評価を可能とする。各組織切片は処置に携わらない有資格者の病理学者が評価した。
更に、より詳しい組織形態学的分析のために特定の関節および構造を選択した。ホウ素処理および無処理動物から骨端および成長板の両方の検体を得た。
当該結果は、ホウ素補給が成長しているブタにおける骨軟骨症関連跛行の発生の低減に効果的であることを示している。ホウ素補給を受けた動物は補給的ホウ素なしの基礎的食餌を受けた動物より健康的な関節を有した(図1)。健全評点増加(より高い評点=肢当たりの跛行不健全性の増加)はホウ素を受けないブタにおける跛行増加と関連する(図2)。図3は早期の急速な成長(10月23日での体重測定)が試験の最終日(12月18日)における健全性評点への効果を示している。ホウ素を施されず、急速に成長したブタは脚の不健全性および跛行を起こす傾向がある。ホウ素補給は急速に成長するブタにおいて軟骨保護および跛行の予防に有効であるのに反して、不処理群はブタにおける骨軟骨症の典型的な軟骨損傷の存在と明らかに関連する跛行および脚不健全性への高い罹患率を示す。
飼料または飲料水へ添加するホウ素の連続実験的使用からの事例の証拠は種々の生産背景および遺伝学においてブタで一貫性があり、継続的な正の応答を示す。この証拠は実施例5に記述されている。
(実施例2:雌ブタにおける生殖での効果)
妊娠後期および授乳期早期の間に雌ブタに50ppmの補給用ホウ素を含んだ食餌をブタに与えたとき、仔ブタの品質は均整度、成長および節約の面から評価すると改善され、離乳期前の仔ブタ死亡率が減少した。予備のパイロット試験でこれらの所見を確認した。雌ブタには標準トウモロコシ−大豆食餌を与えた。当該雌ブタの半数に体重kg当たり1mgのホウ素を与えるようにホウ素補給剤を経口投与で与えた。他の半数はいかなる補助も受けなかった。最初600匹のブタからのデータの予備分析は妊娠および授乳期の雌ブタへのホウ素供与は非補給群と比べて離乳期前の死亡率を23%から16%減少させ、仔ブタの12日目の体重を非補助群に比べて8.0ポンドから8.5ポンド増加させた。
ホウ素の雌ブタおよび一腹の仔に対する効果を試験するために豚ウイルス性繁殖・呼吸障害症候群(PRRSV)の発生の間に大規模業務用ブタ事業において試験を行った。ホウ素は枠箱中に個々に収容した51匹のブタに経口で出産の前1週間から仔ブタが14日齢で離乳するまで、1日に体重ポンド当たりホウ素1mgの比率で投与した。彼らの挙動を同じ遺伝的特徴および同じ飼育と施設条件でホウ素を取らない50匹の雌ブタ一群の挙動と比較した。ホウ素処置は1日1回投与で供され、離乳で終了した。全ての雌ブタは標準市販雌ブタ食餌を与えた。
誕生での産子数または仔ブタ誕生時体重には影響がなかった。ホウ素を食した雌ブタが養育した仔ブタは12日齢にて9.01lbsの体重であるのに対して、対照雌ブタにより養育された仔ブタは8.32lbsであった(p=0.06)。ホウ素処置群での仔ブタ死亡率は15.2%であるのに比較して対照群では20.3%であった(p=0.03)。ホウ素を与えられた雌ブタは対照雌ブタに比べて平均1.6日早く発情期に戻った(p=0.047)。ホウ素処置雌ブタは対照群に比べ1.2倍妊娠しやすい(p=0.04)。この結果は業務用ブタ繁殖事業において顕著な好ましい効果を有することが期待される。
ボレートが当該細胞外基質(ECM)を調節および安定化することによりOCD予防でよい結果を示すと想定される。プロテオグリカンおよびコラーゲンからなる大量のECMを有する軟骨のような組織では、ホウ素の主な効果は当該軟骨のECMの機械的(材料)性質における変化が仲介するようである。しかしながら重要な機能を伴う他の多くの組織もECM成分および細胞外受容体を保有し、その構造をホウ素架橋で安定化させ、細胞と細胞の信号伝達、受容体機能および接着機能におけるそれらの機能を改善するのであろう。繁殖に対するボレートの効果はこの種の機構により調節されると想定されている。
(実施例3:リン消化率と排泄および飼料転換に対するホウ素の効果)
28日間の給餌試験を当初の体重24kgである144匹の交配種ブタを有する大規模業務用ブタ施設にて実施した。ブタを無作為にスチール製格子床の常温調節環境の小屋中で1つの囲い当たり6匹で24囲いに割り付けた。各囲いは単一穴の給餌器が備えられている。水は乳首状給水器から自由に得られた。ブタには0.5%のリンに0または50mg/kgのホウ素を加えたものおよび0.5または0.65%のいずれかのカルシウムレベルを含む市販ブタ食餌を2×2の多元配置で与えた。排出物は各囲いから試験の最後の3日間集め、集めた一定分量を乾燥して化学分析用に提出した。酸化イットリウム0.05%を当該食餌に添加し、リン消化率用の標識として用いた。ブタ成長および食餌消費を試験の終了時に当該囲いにつき実験単位として測定した。データはホウ素およびカルシウムの効果について変数の単変量および多変量解析およびt−検定で分析した。
補給的ホウ素は平均的1日体重増を増やし、飼料転換比とリン消化率を改善し、そして成長単位当たりの排出物中のリン排泄を低下させた(p<0.05)、(表2)。1日飼料摂取量はホウ素またはカルシウムレベルで顕著には変更しない(p>.20)。カルシウムレベルを減少させると飼料転換率を改善する(p<0.05)。ホウ素×カルシウムの相互作用的効果の飼料転換率またはリン排泄への顕著な効果はなかった(p>.25)。
リンの消化率および排出物排泄は家畜業には重要な関心事である。リンは高価な飼料成分で、動物廃棄物中のリンは潜在的な環境公害である。本試験では生産物の単位当たりのリン排泄がホウ素を食餌に添加することで15%低減された。ホウ素も全飼料転換率に対する顕著な効果を生み出した。ホウ素のこれらの効果は環境公害を低減するとともに家畜業での生産経費削減に大きな効果を有することが期待される。
Figure 2008541767
(実施例4:3−NPB試験)
ホウ素は、ブタにおけるその効果は四価架橋で仲介されていると想定されている。ホウ素架橋の強い封鎖剤である3−ニトロフェニルホウ酸(3−NPB)を約100kgのブタに0および1グラムの率で補給用ホウ素0と50ppmの率と組合わせて飼料中に入れて経口投与した。当該3−NPBは10日間投与した。当該ブタを跛行について毎日評価し、13日目に屠殺し、当該関節および他の器官を検査した。
3−NPBを受けるが補給的ホウ素を受けない全てのブタが10日内にOCDの臨床徴候を示したが、補給的ホウ素を受けたブタに3−NPBを与えると5匹の中で1匹だけ跛行が発生した(表3)。カイ二乗分析は跛行を誘発する際の3−NPBの有意な効果(p<0.05)および3−NPBで誘発した跛行を予防する際における補給的ホウ素の有意な効果を示した。
肩、膝関節、後足膝および肘関節の検査は3−NPBを処置し補給用ホウ素なしのブタは他の処置群より高い骨軟骨症損傷の罹患率および損傷のより重症度を示し、補給用ホウ素を受けて3−NPBなしのブタ群では損傷は最も低い罹患率および最も低い重症度であった。ホウ素とともに3−NPBを投与すると、非補給のブタで見られるのと同程度の罹患率および総関節病変の重症度を生じた(図4および5)。
3−NPBはボレートの競争的阻害剤として作用すると結論付けられた。
ブタは哺乳類の骨軟骨症についての原型的モデル種であると一般的に考えられている(Reiland S.Osteochondrosis in the pig.Acta Radiol 1−118,1975参照)。ブタにおける骨軟骨症(OCD)の臨床的症状に至る病態生理学事象のカスケードは、一般的にOCDを発症する他の哺乳類種、特にウマ、イヌ、反芻動物およびヒトにて起こる事象と考えられている。当該ブタは他の哺乳類におけるOCD用のモデルであり、当該ホウ素はブタにおいて予防および治療について有用であることが示されているので、論理的にホウ素は他の哺乳類においても同様な効果を有するであろうことになり、当該効果は同様な生化学的機構で介されるはずである。
そこで、3−NPBをOCDに罹りやすいが低い罹患率で知られている種、特にウシ、ウマおよびイヌへの投与は軟骨にホウ素受容体部分の存在を示す軟骨損傷を生み出すはずであるという結論になった。
3頭の平均体重約250lbsの健全なホルスタイン種去勢仔ウシおよび3頭の平均体重約500lbsの健全なクオーター種馬の雌子馬に3−NPBを1日当たり10mg/体重kgの比率で投与した。3−NPBは毎日腹腔内注射で仔ウシに与えたが、ウマは飼料に混合して3−NPBの1日用量を投与した。全ての動物が市販飼料および自由にアルファルファ混合干し草につき標準割当量を食した。
跛行が7日目に3−NPB処置の仔ウシにおいて最初に見られた。処置14日目に1頭の仔ウシを、他の2頭は処置21日目に屠殺した。全てのウシの飛節および肘関節において重度のOCD損傷が見られ、3−NPB処置の時間経過とともに重症度が増した。
経口で3−NPBを処置したウマの中で、1頭の雌子馬が処置10日目に運動中に前脚跛行の明らかな徴候を示し、14日目に屠殺した。他の2頭のウマは処置28日目に屠殺し、その時点で2頭の内1頭に運動中に跛行が見られた。様々な程度のOCD損傷が全てのウマの肩、肘、球節および飛節関節において見られた。顕著な損傷の中では14日目に左前P1の近位関節表面に軟骨の1×1cmの壊死損傷、28日目に遠位脛骨に進行性フラップ損傷および他のウマでは軟骨の著しい薄化および28日目に明らかな軟骨磨耗シワが左前球節および左肘で見られた。
通常の健全な10週齢の交配種猟犬(体重8kg)での試験では、3−NPBの体重kg当たり10mgの単回1日投与量での投与で早ければ12日目に目に見える前脚跛行を生じた。剖検では遠位尺骨成長板において壊死および出血の肉眼的病変を示した。遠位脛骨および近位尺骨の関節表面における軟骨侵食の形跡もあった。遠位尺骨成長板における肉眼的病変はブタにおける骨軟骨症に関連する病理的変化に似ていた。
ブタは肉食動物を含む反芻および非反芻動物におけるOCDに関して適したモデルであることおよびホウ素受容体部位が全ての哺乳類種に存在すること、そして当該補給的ホウ素が全ての哺乳類種において効果的な予防および治療で期待されることが結論付けられた。
Figure 2008541767
(実施例5:野外状況におけるブタでのホウ素使用)
ホウ素をホウ酸として体重kg当たり1mgを雌ブタの食餌に加えた。生殖および受胎率に悪い影響はなかった。当該雌ブタは通常の発情活動および通常の受胎率を有するようで、周期的活動またはブタ誕生或いは仔ブタの生存率に対する悪い影響はなかった。著しくそして重度の歩行困難な3匹のブタは完全に健全になった。95匹の仔ブタ群の中で、誕生から離乳期死亡例は2匹の仔ブタであった。この農場での通例の死亡率は約5から7%であった。これらの仔ブタにはホウ素50ppmに加えてアスコルビン酸塩125ppmを続けた。1匹のブタは85ポンドの重量にて屠殺し、検査した。いずれの関節も異常は見られなかった。四肢骨格の全ての骨を帯鋸で切片とした。骨は良好な石灰化をしており、OC関連異常に関して早期好発部位である遠位尺骨成長板を含む成長板は狭く、境界がはっきりとしていた。
アイオワ農場の1箇所で約100匹のブタの群に50ppmのホウ素をホウ酸として処置した。これらのブタのいずれもが跛行および不健全性を示さなかった。当該農場主はこれらのブタはこれまで飼育した中で最も健全であると報告していた。凡そ以前の跛行/不健全の率は約25から30%であったが、当該試験群では0であった。当該ブタは素晴らしい成長速度を示した。跛行および飛節の腫れは存在しなかった。ホウ酸で処置しなかった比較的若いおよび比較的老齢のブタの中から飛節腫れを持つ2匹のブタを屠殺した。体重約50ポンドの比較的若いブタが飛節に早期のOC移行の徴候を示した。右飛節に重度の跛行を伴う体重約250ポンドの比較的老齢のブタを屠殺した。重度の進行したOCDが飛節で見られ、成長板の異常が当該骨を切片としたときに見られた。飛節関節を培養しても陰性なので細菌の感染は除かれ、OCが跛行の原因であることを示唆した。
図1はホウ素補給治療による骨軟骨症の発生の減少を示しているグラフである。 図2はホウ素補給をされていないブタの中で、ブタ右膝における増加する骨軟骨症数と増加する健常数との関連を示すグラフである。 図3は初期生育と関連する健常数の減少における補給用ホウ素治療の効果を示すグラフである。 図4と図5はホウ素とともに3−NPB投与が起こした関節病状の罹患率と重度および非補給のブタで見られた同様な結果を示すグラフである。 図4と図5はホウ素とともに3−NPB投与が起こした関節病状の罹患率と重度および非補給のブタで見られた同様な結果を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 哺乳動物における骨軟骨症の予防及び治療のための薬剤組成物であって、ホウ素含有化合物を含む上記薬剤組成物。
  2. 前記組成物は補給用ホウ素を含む動物飼料組成物であり、該動物飼料組成物中の補給用ホウ素濃度が1から500ppmである、請求項1記載の薬剤組成物
  3. 前記組成物は補給用ホウ素を含む動物飼料組成物であり、該動物飼料組成物中の補給用ホウ素濃度が25から50ppmである、請求項1記載の薬剤組成物。
  4. 前記組成物は補給用ホウ素と低減されたリンを含む動物飼料組成物であり、該動物飼料組成物中の補給用ホウ素濃度が1から500ppmであり、該動物飼料組成物中のリン濃度当該補給用ホウ素を欠く同等の動物飼料に比べて少なくとも3%減少している、請求項1記載の薬剤組成物。
  5. 前記組成物は補給用ホウ素を含み、該補給用ホウ素は有機ホウ素含有化合物、無機ホウ素含有化合物、ホウ素含有無機物、高めたホウ素レベルを有する植物材料、及び高めたホウ素レベルを有する微生物から選ばれる、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
  6. (1)前記高めたホウ素レベルを有する微生物が酵母であり、
    (2)前記無機ホウ素含有化合物が、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ハロゲン含有ホウ酸塩、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、鉄及びマグネシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸タンタル、ホウ酸ベリリウム、鉄及びニッケル含有ホウ酸塩、炭酸塩含有ホウ酸塩、ナトリウム及びカルシウム含有ホウ酸塩、ヒ酸塩含有ホウ酸塩、カルシウム及び希土類元素含有ホウ酸塩、硫酸塩含有ホウ酸塩、マグネシウム及びカルシウム含有ホウ酸塩、ホウ酸マンガン、ホウ酸アルミニウム、カルシウム及びストロンチウム含有ホウ酸塩、リン酸塩含有ホウ酸塩、ホウ酸スズ、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸ナトリウム、ホウケイ酸アルミニウム、カルシウム及び希土類元素含有ホウケイ酸塩、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸リチウム及びフルオロホウ酸ナトリウムからなる群より選ばれ、
    (3)前記有機ホウ素含有化合物が、ホウ素とフルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ソルボース、トレオニン、メチオニン、加工澱粉類、加水分解澱粉類、酸化澱粉類、非加工澱粉類、デキストリン類、アミド化糖類、グルコサミン、マンノサミン、グリセロール脂肪酸のエステル類、サルチル酸複合体類、ビスオキサラト酸の塩類、ボロスクロースカルシウム、アルコール類、アルコールアミン類、糖酸類、糖酸、グルコン酸、アミノ化糖酸類及びボログルコン酸カルシウムから形成される複合体及び化合物からなる群より選ばれ、及び、
    (4)前記ホウ素含有無機物が、硼砂、コレマナイト、ハイドロボラサイト、ケルナイト、ウレキサイト、ダトライト、ダンブライト、サイベリアイト、スーアナイト、インデル石、サッソライト、インヨ石、プロバータイト、ハウライト、エンソーライト、クルナコフ石、マイヤーホ−フェ石、プライス石、ノボライト及びシアール石からなる群より選ばれる、請求項に記載の薬剤組成物。
  7. (1)動物により排泄されるリンの量を低減し、
    (2)動物におけるリンの吸収の効率を増大し、
    (3)動物小屋における環境リン汚染を低減し、
    (4)動物における離乳期前の死亡率を低減する
    ための組成物であって、該組成物が妊娠、養育又は授乳動物に投与するために処方されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
  8. ホウ素含有化合物を含む組成物が哺乳動物の骨軟骨症の症状の検出に先立って投与するためのものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
  9. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
  10. 前記哺乳動物が、ブタ、ウマ、ラバ、ロバ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラマ、イヌ及びネコから選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
  11. (1)前記補給用ホウ素含有化合物が飲料水で投与するためのものであるか、又は
    (2)前記補給用ホウ素含有化合物がミルク製剤で投与するためのものである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
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