JP2008541661A - 多重チャネル量子通信システムにおける位相ロック方法 - Google Patents

多重チャネル量子通信システムにおける位相ロック方法 Download PDF

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Abstract

量子鍵分配(QKD)のために波長(周波数)分割多重を用いるよう適合され、伝送リンクを介して受信機に結合された送信機を有する通信システムの一構成において、受信機は、(i)受信機で生成された局部発振器(LO)信号を位相シフト、(ii)送信機から伝送リンクを介して受信された量子情報(QI)信号にLO信号を合成して干渉信号を生成し、(iii)これらの干渉信号に対する強度差を測定し、(iv)その測定結果に基づいてLO信号をQI信号に位相ロックするよう適合される。一構成において、QI信号は各々がトレーニング信号を搬送する複数のパイロット周波数成分、及び各々が量子鍵データを搬送する複数のQKD周波数成分を有する。QI信号のQKD周波数成分が連続的に量子鍵データを搬送する一方で、システムはQI信号及びLO信号のQKD周波数成分に対する位相ロックを維持することができる。

Description

本願は2005年5月17日出願の米国特許出願番号60/681726、発明の名称「Quantum Key Distribution」の優先権を主張するものである。本願の事項は同日出願の米国特許出願番号xx/xxxxxx、発明の名称「Multi-Channel Transmission of Quantum Information」に関連し、その全体が参照としてここに取り込まれている。
本発明は光通信設備に関し、より具体的には量子暗号を用いた暗号化データの伝送のための設備に関する。
暗号は、向上した又は完全なほどのプライバシーでの2以上のノード(ユーザ、局)間でメッセージを交換するのによく使われる。標準的な暗号方法は公開された暗号化/復号化アルゴリズムを採用し、送信情報の機密性がそのアルゴリズムとの関連で用いられる秘密鍵によって提供される。秘密鍵は通常、送信者及び受信者にのみ知られたランダムに選ばれる充分に長いビットのシーケンスである。例えば、対称暗号化手法では、送信局は秘密鍵を用いて情報を暗号化し、公衆チャネルを介してその暗号化されたデータを受信局に送る。そして、受信局は同じ鍵を用いて暗号を戻し、元の情報を復元する。
鍵が長いほどシステムがより安全になることはよく知られている。例えば、広く使用されている暗号システムの1つであるデータ暗号化標準(DES)は56ビットの鍵長を持つ。DESを破るためには256の可能な鍵の値を試すこと以外に実質的に有効な方法はない。しかし、それでもなお、盗聴者が実質的にコンピュータ的な能力を持つ場合にはDESは負けてしまう可能性がある。従って、より高い安全性を得るために、ワンタイムパッド(即ち、送信メッセージと同じ長さの鍵)を用いることができる。ワンタイムパッドを採用する通信システムは純然たるコンピュータ的な能力に基づく攻撃に対して理論的には安全であるが、それでもなお、そのようなシステムは鍵分配問題として知られるもの、即ち、送信/受信局に鍵を「安全に」供給することの問題に対処しなければならない。
盗聴者による受動的監視に曝される従来的な(古典的な)鍵伝送方法では、確かに秘密であるといえる鍵を伝送するのは比較的難しく、通常は面倒な物理的安全対策が必要となる。一方、量子技術では安全な鍵分配が可能となる。より具体的には、量子暗号においては、セキュリティが量子機構の原理に基づく特別な量子チャネルによって秘密鍵が伝送される。より具体的には、適切に選択された量子システムにおけるあらゆる測定がそのシステムの量子状態を必然的に変えることが知られている。従って、盗聴者が測定を実行して量子チャネルから情報を抜き出そうとしたとき、測定が実行されたという事実が正当なユーザによって検出され、そして、そのユーザは全ての損なわれた鍵を廃棄するであろう。
実用において、量子チャネルは、例えば(i)光ファイバによって伝搬するフォトンの単一の列であって鍵ビットがフォトンの極性又は位相によって符号化されたもの、又は(ii)コヒーレントな光パルスの列であって各々が少数の(例えば、数百より少ない)フォトンを含み、鍵ビットが各パルスを特徴付ける選択された変数の量子値によって符号化されたものを用いて確立され得る。その典型的な量子チャネルの確立及び使用の更なる詳細は、例えば、Reviews of Modern Phisics、2002年、第74巻、第145−195ページにおいて公表されたN.Gisin,G.Ribordy, W.Tittel 及び H.Zbindenによる論文「Quantum Cryptography」において示され、その教示は参照としてここに取り込まれる。
量子チャネルのための開発設備では多少の進歩がなされてきたが、この設備は未だ、例えば量子鍵分配(QKD)レートおよび伝送距離において、性能目標には達していない。例えば、現在の商業的に入手可能なQKDシステムは約25kmの長さの単一モード光ファイバに亘って約1.5kb/sのQKDレートを提供している。比較として、代表的な古典的通信システムは約1000kmの長さの光ファイバに亘って約10Gb/sのデータ伝送レートを提供している。QKDシステムと古典的システムにおけるこれらのパラメータをみれば、QKDレート及び/又は伝送距離における大幅な改善が望まれることが分かる。
本発明の原理によると、受信機に伝送リンクを介して結合されるとともに量子鍵分配(QKD)のために波長(周波数)分割多重を用いるよう適合された送信機を有する通信システムによって従来技術の問題点が対処される。一実施例では、受信機は光変調器(OM)、ホモダイン検出器及び信号プロセッサからなる。OMは受信機で生成された局部発振器(LO)信号を位相シフトするように適合される。ホモダイン検出器は(i)送信機から伝送リンクを介して受信した量子情報(QI)信号にLO信号を合成して2つの干渉信号を生成し、及び(ii)それらの干渉信号間の強度差を測定するように適合される。プロセッサは測定結果を処理して制御信号を生成するように適合され、それによってOMにおいて生成された位相シフトがLO信号とQI信号の間の位相ロックを確立する。
一構成において、QI信号は(i)複数のパイロット周波数成分であって各々がトレーニング信号を搬送するもの、及び(ii)複数のQKD成分であって各々が量子鍵データを搬送するものを有し、LO信号は対応するパイロット及びQKD周波数成分を有する。受信機は、対応するQI信号のトレーニング信号に基づく周波数成分に対して決定された基準位相シフトを用いてLO信号の各パイロット周波数成分を位相シフトすることによってQI信号及びLO信号のパイロット周波数成分を位相ロックするよう適合される。受信機はさらに、パイロット周波数成分に対する基準位相シフトから導出された概算基準位相シフトを用いてLO信号の各QKD周波数成分を位相シフトすることによってQI信号及びLO信号のQKD周波数成分を位相ロックするよう適合される。好適なことに、QI信号のQKD周波数成分が量子鍵データを連続的に搬送する一方、発明のシステムはQI信号及びLO信号のQKD周波数成分に対する位相ロックを維持することができる。
ある実施例によると、本発明は、伝送リンクを介して送信機を受信機に結合させた通信システムの受信機で量子情報を受信する方法であり、その方法は、(A)第1の光源を用いて送信機によって生成された量子情報(QI)信号を伝送リンクを介して受信するステップ、及び(B)第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号をQI信号に対して位相ロックするステップからなる。
他の実施例によると、本発明は、量子情報の送信に適合され、伝送リンクを介して受信機に結合された送信機を有する通信システムのための受信機であり、その受信機は、(i)第1の光源を用いて送信機によって生成された量子情報(QI)信号を伝送リンクを介して受信し、(ii)第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号をQI信号に対して位相ロックするように適合されている。
さらに他の実施例によると、本発明は、量子情報の送信のための通信システムであって、伝送リンクを介して受信機に結合された送信機からなり、その受信機は、(i)第1の光源を用いて送信機によって生成された量子情報(QI)信号を該伝送リンクを介して受信し、(ii)第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号をQI信号に対して位相ロックするように適合されている。
本発明の他の側面、特徴及び利益が以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び付随する図面から全て明らかになる。
ここで「一実施例」又は「ある実施例」への言及は、実施例に関連して記載される特定の構成、構造又は特徴が発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な箇所における「一実施例において」という文言の出現は必ずしも全て同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例を相互に除外した個別の又は代替の実施例に言及しているわけでもない。
図1に本発明の一実施例による多重チャネル量子通信システム100を示す。より具体的にはシステム100は、量子鍵分配(QKD)に対して波長(周波数)分割多重を用いるように適合される。システム100は伝送リンク(例えば、光ファイバ)120を介して結合された送信機110(アリス)及び受信機130(ボブ)を有する。送信機110は光変調器(OM)116に結合された光−周波数櫛ソース(OFCS)112を有する。OFCS112は複数の均等に間隔をあけられた周波数成分を持つ光信号114を生成する。OM116は信号114の各周波数成分を独立して変調して周波数多重化量子情報(QI)信号を生成するよう適合された多重チャネル光変調器である。このQI信号はOM116によって伝送リンク120に付加され、受信機130でQI信号128として受信される。
受信機130は送信機110のOFCS112及びOM116とそれぞれ同種のOFCS132及びOM136を有する。OFCS132は、複数の均等に間隔をあけられた周波数成分を有する光信号134を生成し、OM136は信号134の各成分を独立して変調して多重化された局部発振器(LO)信号138を生成する。光−周波数櫛ソース112及び132の各々は、信号114及び134が実質的に同一(共通)のセットの周波数を持つように周波数規格(例えば、原子クロック)に独立的に基準設定されている。例えば、一実施例において、光−周波数櫛ソース112及び132の各々は、周波数櫛であって各周波数モードが(i)約10kHzのスペクトル幅又はそれよりも大きい幅、及び(ii)周波数規格に対して規定された指定の周波数から約100Hz以内又はそれ未満に位置する中心周波数を持つような周波数櫛を提供する。そのようなソースが近年開発され、例えば、キャリア・エンベローブ・オフセット(CEO)がロックされたレーザを用いて実施される。結果として、QI信号128及びLO信号138は実質的に同じセットの周波数に属する周波数成分を有する。しかし、信号128と信号138の間の1つの相違は、前者はQKDに適した比較的低い強度を持つ一方、後者は比較的高い強度を持つことである。例えば、ある構成においては、QI信号128及びLO信号138は一成分についての一パルスあたりでそれぞれ約1個及び10個のフォトンの強度を持つ。
QI信号128及びLO信号138は、これらの信号を合成し2つの干渉信号142a−bを生成するよう適合された光結合器140に付加され、2つの干渉信号の各々は同じセットの周波数をQI信号及びLO信号として持つ複成分信号である。干渉信号142a−bはそれぞれフォト検出器150a−bに向けられ、その各々は各周波数成分の強度を独立して測定するよう適合された多重チャネルフォト検出器である。一実施例において、フォト検出器150a−bの各々はフォトダイオードのアレイに結合されたディマルチプレクサ(DMUX)からなり、アレイの各フォトダイオードをDMUXの個別の出力ポートに光学的に結合させている。各周波数成分について、対応するフォトダイオードは成分の強度を測定し、結果として得られる電気信号を増幅器アレイ160の増幅器に印加する。アレイ160における各増幅器は同じ周波数(チャネル)に対応する2つの電気信号をフォト検出器150a−bから受信するよう構成された差動増幅器である。このように、アレイ160の各増幅器が受信信号間の差分を取り、それを増幅し、その増幅差分信号をさらなる処理のために信号プロセッサ170に付加する。併せて、光結合器140、フォト検出器150a−b及び増幅器アレイ160は受信機130において多重チャネルホモダイン検出手法を実施する。QI信号128の各周波数成分について、ホモダイン検出手法は直交測定値を提供し、そこからQI信号によって搬送された量子ビット値が確認される。
図2に本発明の一実施例によるシステム100において用いられる位相変調フォーマットをグラフで示す。より具体的には、送信機110(アリス)は量子ビット値を伝送リンク120に付加されたQI信号上に、0及び90度の位相シフトを2進の「1」に関連させるとともに180及び270度の位相シフトを2進の「0」に関連させて、OM116において0、90、180又は270度の位相シフトを信号114の各周波数成分にランダムに適用することによって符号化する。各量子ビットについて、ビット値を符号化することに加えて位相シフトも、そのビットに対するアリス系列のセットの選択を特定する。例えば、図2の変調フォーマットは、一方の系列のセットが実数(Re)軸に沿って存在する位相シフト状態(即ち、0及び180度状態)を持ち、他方の系列のセットが虚数(Im)軸に沿って存在する位相シフト状態(即ち、90及び270度状態)を持つような2つの直交系セットを有する。従って、アリスが0及び180度の位相シフトのうちの1つを選択する場合、アリスは実数軸に対応する系列のセットを選択したことになる。逆に、アリスが90及び270度の位相シフトのうちの1つを選択する場合、アリスは直交する系列のセット(即ち、実数軸に対応するもの)を選択したことになる。受信機130(ボブ)において、OM136で0又は90度の位相シフトを信号134の各周波数成分にランダムに適用し、その結果得られるLO発振信号138を用いて上記のホモダイン検出手法を実施することによって、QI信号128によって搬送された量子ビット値が確かめられる。各量子ビットについて、OM136において適用された位相シフトが同様にそのビットに対するボブ系列のセットの選択を特定する。
図3A−Cに、LO信号138がQI信号128に適切に位相ロックされる場合の、図2の変調フォーマットに対する受信機130における代表的ホモダイン検出統計をグラフで示す。より具体的には、図3Aは、4つの円302、304、306及び308がQI信号128のアリスの量子ビットに対応する位相ベクトルが入りそうな最も可能性ある領域を包含しているコンステレーション図である。これらの円で示す領域は、(1)QI信号128が量子変動の影響を受け、(2)位相ベクトルがシステム100内のノイズによってさらに散乱されるので、比較的大きいものとなる。アリスが特定の量子ビットについて実数(Re)系列のセットを選択した場合、そのビットに対応する位相ベクトルは、量子ビットが「1」のときには円302に入る可能性が最も高く、あるいは、量子ビットが「0」のときには円306に入る可能性が最も高い。逆に、アリスが特定の量子ビットについて虚数(Im)系列のセットを選択した場合、そのビットに対応する位相ベクトルは、量子ビットが「1」のときには円304に入る可能性が最も高く、あるいは、量子ビットが「0」のときには円308に入る可能性が最も高い。受信機130に実装されたボブのホモダイン検出手法は、ボブが選択した系列のセット(Re又はIm)上で受信位相ベクトルの予測値を評価することと実質的に等価である。充分に多数の量子ビット上で平均化した場合、アレイ160の各増幅器の正規化された出力は、例えば図3B−Cに示すものと同様の確率分布関数によって表される。
ボブが選択した系列のセットがアリス系列のセットと一致する場合には、その系列のセット上への予測を行うことが、可能性ある量子ビット値の評価を構成する。図3Bに示す曲線320及び360は、アリス及びボブが同一の系列のセットを選択する場合の正規化された増幅器出力を表す確率分布関数を示す。より具体的には、曲線320は「1」ビットに対応する確率分布関数を示し、曲線360は「0」ビットに対応する確率分布関数を示す。曲線320及び360はガウスに似た形状を有し、それぞれ1及び−1に中心がある(即ち、その分布平均がある)。なお、曲線320と360とは異なり、互いに充分独立しているので、ボブは2進の「1」各々と「0」各々を区別することができる。従って、この状況はよく、ボブによる「正しい系列セット選択」といわれる。
ボブの選択した系列のセットがアリス系列のセットと異なる場合には、その系列のセット上への予測を行うことは、可能性ある量子ビット値の評価を構成しない。図3Cに示す曲線348はアリス及びボブが異なる系列のセットを選択する場合の正規化された増幅器出力を表す確率分布関数を示す。なお、図3Bと対比して、今度は単一の曲線(曲線348)が両方の確率分布関数を表す。即ち、曲線がガウスに類似し0に中心がある状態で、「1」ビットに対応する確率分布関数と「0」ビットに対応する確率分布関数が重なる。この確率分布関数の劣化のために、ボブは2進の各「1」と各「0」とを区別することができず、図3Cの状況はよく、ボブによる「正しくない系列セット選択」といわれる。
アリス及びボブの双方が各ビットに対するそれらの系列のセットをランダムに選択する場合、ボブによって評価されて結果として得られる確率分布関数は曲線320、348及び360(図3B及び3C)の合計を表す曲線に似た3つの凸部を持つ曲線となる。曲線320、348及び360の各々によって表される個々の確率分布関数は、より詳細に以下に記載されるトレーニングモードにおいて得られる。
一構成において、図3B−Cに示す検出統計に基づいて受信機130(ボブ)は評価結果を以下のように解釈する。信号プロセッサ170が各チャネルに対して2つのしきい値、X及びXを設定する。ここで、X≦Xであり、X及びXの値は異なるチャネルに対して同一であるか相違する。チャネルに対する正規化された出力XがXよりも大きい場合、ボブは対応する量子ビットを「1」ビットであると判断する。XがXよりも小さい場合、ボブは対応する量子ビットを「0」ビットであると判断する。XがXとXの間にある場合、ボブは確定的でない結果を得て判断を放棄する。構成によっては、各チャネルに対してX=X=0である。
適当な数の量子ビットがアリスからボブに送信された後に、ボブはアリスに、認証され確立された公衆チャネルを介して、例えば従来的な電話又はコンピュータネットワークを介して、彼の系列のセットの選択を教え、アリスはボブにどの系列のセットの選択が正しかったかを教える。そして、ボブは正しい系列のセットの選択に対応する判断を維持する一方、正しくない系列のセットの選択に対応する判断を廃棄して、ふるいをかけられた量子鍵(未処理鍵ともいわれる)を集計する。最後に、アリス及びボブは誤り訂正及びプライバシー増幅手順を、ふるいをかけられた量子鍵を用いて実行してソースの量子鍵を抽出する。代表的な誤り訂正及びプライバシー増幅手順についての追加的な情報が、例えば、(1)F.Grosshans及びP.Grangier、Phys.Rev.Letters、2002年、第88巻、N.5、第057902ページ、(2)F.Grosshans及びP.Grangier、arXiv:quant-ph/0204127vl、2002年4月22日、及び(3)M.A.Nielsen及びI.L.Chuang、「Quantum Computation and Quantum Information」Cambridge University Press (2000)、第582-603ページに著され、これらの全ての教示がここに参照として取り込まれる。
図4A−Cに、LO信号138とQI信号128との間に位相ロックエラーがある場合の、図2の変調フォーマットに対する受信機130における代表的ホモダイン検出統計をグラフで示す。図4A−Cは基本的にはそれぞれ図3A−Cと類似し、類似の図面要素が同じ下2桁の符号によって指定されている。図4Aから分かるように、θ度の位相ロックエラーによって、ボブの座標システムに対してアリスの位相ベクトルが入る可能性が最も高い領域の座標中心に角度θの回転がもたらされる。ボブがアリスと同じ系列のセットを選択した場合において、曲線420及び460(図4B)は曲線320及び360(図3B)よりも互いに接近し、もはやそれぞれ1及び−1に中心がない。ボブがアリスの選択によるものとは異なる系列のセットを選択した場合、図3Cの確率分布関数の劣化において、回転が劣化の増大をもたらす。より具体的には、アリスとボブが位相ロックエラーのある状態で異なる系列のセットを選択した場合、「1」ビット及び「0」ビットに対応する確率分布関数は、もはや図3Cの曲線348と類似する重なる曲線によっては表されない。それらの2つの確率分布関数は、図4Bの曲線420及び460に類似する2つの異なる曲線(図4Cには不図示)によって表されるが、双方間には比較的小さい分離がある。図4Cは2つの量子ビット値に対する累積的な確率分布関数を表す曲線450を示す。曲線450は対の形状を有し、これが劣化の増大の現れである。
図4Bを図3Bと比べると、曲線420及び460が曲線320及び360よりも大きな重複部分を持つことが分かる。(i)アリスが「0」ビットを送信する場合にX>Xとなること、及び(ii)アリスが「1」ビットを送信する場合にX<Xとなることの確率が増大するため、この増大された重複部分はボブについての判断誤り数を増加させる可能性がある。判断誤り数を相対的に低く維持するために、システム100において、例えば図3に示すような適当な位相ロックがLO信号138とQI信号128の間で維持されることが望ましい。
簡単に図1を振り返ると、受信機130のプロセッサ170はOM136に印加される制御信号180を生成するように適合される。制御信号180に基づいて、OM136はLO信号138の各周波数成分をQI信号128の対応する周波数成分に適当に位相ロックするように、LO信号138の各周波数成分に対して基準位相シフトを確立する。そして、QKD伝送中に各周波数成分に対してOM136において適用された0及び90度のランダムな位相シフトが、その成分について確立された基準位相シフトについて適用される。発明の代表的実施例による制御信号180の生成方法がより詳細に以下に記載される。
図5は、発明の一実施例によるシステム100の受信機130における制御信号180を生成する方法500を示す。方法500のステップ502において、システム100の送信機110及び受信機130が、ビットのトレーニングシーケンスを持つトレーニング信号をそれぞれ送信及び受信する。概略として、トレーニングシーケンスは送信機110及び受信機130双方に既知であるとともに既知の系列セットの選択を用いて送信されたビットの所定の組合せを含むことができる。例えば、一構成において、トレーニングシーケンスは図2の変調フォーマットにおいて0度位相シフトで符号化された2進の「1」のストリングからなる。概略として、トレーニングシーケンスは、プロセッサ170が例えば図3及び4に示すものの1つと同様の確率分布関数を生成するための充分なデータを得るのに充分長いものとする(例えば、1000ビット)。トレーニングシーケンスはシステム100の各周波数(チャネル)又は選択された少数のパイロット周波数(チャネル)で伝送されることになる。トレーニングシーケンスの伝送にパイロット周波数のみが使用される場合、他の周波数(以下、「QKD周波数」という)はトレーニングシーケンスの伝送と並行して通常の量子鍵データの伝送に継続して利用されることになる。代表的構成では、システム100は9個のQKD周波数ごとに1つのパイロット周波数を持つ。
方法500のステップ504において、プロセッサ170は直交測定の結果をトレーニングシーケンス伝送において利用される周波数の各々について処理し、それらの周波数の各々について対応する確率分布関数を生成する。一構成において、プロセッサ170はスライディングウインドウ処理を用いて各周波数に対する確率分布関数を時間に亘って追跡する。例えば、トレーニングシーケンスのビットのストリングの長さを1000ビットとする。プロセッサ170は(i)1番目から100番目のビットに対応する直交測定の結果に基づいた第1の確率分布関数、(ii)11番目から110番目のビットに対応する直交測定の結果に基づいた第2の確率分布関数、(iii)21番目から120番目のビットに対応する直交測定の結果に基づいた第3の確率分布関数などを生成するように構成することができる。結果として、1000ビットのトレーニングシーケンス全体に対して、プロセッサ170は、91個の確率分布関数であってそれらを合わせたときにリンク及びチャネル条件の時間的展開及び/又はOM136で行われるあらゆる位相シフト調整を反映する確率分布関数を生成する。
方法500のステップ506において、プロセッサ170は各周波数に対して、ステップ504で生成された確率分布関数を評価する。そのような評価は、分布平均、中央値、半最大時全幅(FWHM)等を判定することを含む。この評価に基づいて、プロセッサ170は制御信号180を生成し、それにより、LO信号138及びQI信号128の対応する成分を適当に位相ロックするために各周波数に対して基準位相シフト値を設定又は調整するようOM136に指示する。一構成においては、プロセッサ170は上述のスライディングウインドウ処理を用いて(準)リアルタイムでのLO信号138とQI信号128との間の位相ロックを追跡する。
トレーニングシーケンス伝送のために全周波数を利用するシステム構成において、システム100は周期的に動作のトレーニングモードとQKDモードとを切り換える。トレーニングモードでは、システム100は、例えば上述したように、各周波数について位相ロックを確立する。QKDモードでは、システム100はトレーニングモード中に確立された位相ロックを用いて全ての周波数上で量子鍵データを伝送する。システム100におけるモード切換えの周期は、通常は伝送リンク120の条件によって統制されている。例えば、伝送リンク120に沿う雰囲気温度が比較的安定しているときは、システム100におけるモード切換えは比較的疎らに行われる。これに対して、伝送リンク120に沿う雰囲気温度が比較的強い変動に曝されるときは、システム100におけるモード切換えはより頻繁に行われる。なお、QKDプロトコルはその誤り訂正及びプライバシー増幅ルーチンの一部として誤り率の監視を含んでいてもよく、これによって、伝送リンクの品質が時間に亘って変動する場合にモード切換え周期の動的調整が可能となる。
トレーニングシーケンス伝送のためにパイロット周波数を利用するシステム構成において、プロセッサ170は各パイロット周波数についてのLO信号138とQI信号128位相ロックをリアルタイムで追跡することが好ましい。全ての他の信号周波数に対して、プロセッサ170は基準位相シフトを(好ましくはこれもリアルタイムで)パイロット周波数に対する現在の基準位相シフト値からの概算(例えば、内挿(補間)及び/又は外挿(補外))によって決定する。例えば、ある構成では、プロセッサ170はパイロット周波数に対して決定された基準位相シフト値を、全ての信号周波数に対する基準位相シフトの周波数独立性を記述する連続関数の個別のサンプルとして扱う。そして、プロセッサ170はその連続関数を選択されたフィッティング技術(例えば、スプライン・フィッティング)を用いて計算し、計算された関数を適当な周波数でサンプリングしてパイロット周波数以外の信号周波数に対する基準位相シフトを決定する。
適宜又は必要に応じて、システム100はパイロット周波数及びQKD周波数として信号周波数の現在の割当てを異なる割当てに変更するよう構成することもできる。例えば、比較的安定したリンク状態においては、例えば、システム100の全QKD容量を増やすために比較的少数の信号周波数をパイロット周波数として指定することができる。これに対して、比較的不安定なリンク状態においては、例えば、QKD周波数に対する位相ロック追跡の精度を向上するために比較的多数の信号周波数をパイロット周波数として指定することができる。隣接するパイロット周波数の周波数間隔はシステム100の帯域幅に亘って同じでなくてもよい。特定の条件に依存して、ある特別な領域が他の特定の領域及び/又はシステム100全体よりも少ない又は多い単位帯域幅あたりのパイロット周波数を割り当てられるようにしてもよい。
図6A−C及び7A−Cに方法500の代表的実施をグラフで示す。より具体的には、図6A−Cに、LO信号138がQI信号128に適切に位相ロックされる場合の、トレーニングシーケンスを伝送するよう構成されたシステム100のチャネルに対する受信機130における代表的ホモダイン検出統計のグラフを示す。同様に、図7A−Cに、LO信号138とQI信号128との間の位相ロックエラーがある場合の、そのチャネルに対する代表的ホモダイン検出統計のグラフを示す。図6A−C及び7A−Cはそれぞれ図3A−C及び図4A−Cと概略として類似し、類似の図面要素は下2桁に同じ符号を付して図示している。図6A−C及び7A−Cに対応するトレーニングシーケンスは図2の変調フォーマットにおいて0度位相シフト(Re系列)で符号化された2進の「0」のストリングからなる。
図6に関して、トレーニングシーケンスは2進の「0」を持つのみであるので、アリスの位相ベクトルは実質的に円602に入る。ボブはどの系列のセットをアリスがトレーニングシーケンスに使用しているかを知っているので、彼がアリスと同じ系列のセットか異なる系列のセットのどちらを選ぶかに関してはボブに全支配権がある。曲線620(図6B)は、ボブがアリスと同じ系列のセット(即ち、Re系列)を選択することを決定した場合に方法500のステップ504において生成された確率分布関数を表す。同様に、曲線640(図6C)は、ボブがアリスとは異なる系列のセット(即ち、Im系列)を選択することを決定した場合に方法500のステップ504において生成された確率分布関数を表す。曲線620及び640はガウスに似た形状を有し、それぞれ1及び0の分布平均を有する。
図7Aに関して、θ度の位相ロックエラーが図4Aに示すのと同様の位相図の回転をもたらす。ここで、曲線720(図7B)は、ボブがアリスと同じ系列のセットを選択することを決定した場合に方法500のステップ504で生成された確率分布関数を表し、曲線740(図7C)は、ボブがアリスとは異なる系列のセットを選択することを決定した場合に方法500のステップ504で生成された確率分布関数を表す。位相図の回転(図7A)のために、曲線720(図7B)及び740(図7C)はそれぞれ(1−δ)及び−Δの分布平均を有する。ここで、δ=1−cosθ、Δ=sinθである。従って、いずれかの系列のセットの選択に対して、ボブはそれぞれ1及び0(又は等価的に1及び0に関する対応する確率分布関数のずれ)から分布平均の偏差を評価することによって位相ロックエラーを検出することができる。しかし、ボブはδの値よりもΔの値に基づいて制御信号180を生成する方がより有利である。なぜなら、(1)曲線740のずれはゼロに関して評価され、それゆえΔの値についての可能性ある正規化誤差の影響は比較的小さく、(2)δではできないが、Δの符号はθの負値及び正値を区別でき、及び(3)小さい値のθに対して、Δはδよりも充分に大きいからである。結果として、プロセッサ170がδではなくΔに基づいて制御信号180を生成する場合、受信機130(ボブ)はより良い位相ロック(即ち、より小さい位相ロックエラー)を得る可能性が高い。
この考察に基づいて、ある構成では、システム100は方法500を以下のように実施する。ステップ502について、受信機130(ボブ)はトレーニングシーケンス伝送で利用された各周波数について、送信機110(アリス)で選択された系列のセットと直交する系列のセットを選択するよう構成される。ステップ504について、プロセッサ170は、例えば上述した「スライディングウインドウ」処理を用いて確率分布関数を生成するよう構成される。ステップ506について、プロセッサ170は、トレーニングシーケンスで利用された各周波数についての分布平均がヌルになるように制御信号180を生成するよう構成される。そして、特定周波数に対する分布平均のヌルに対応するOM136における位相シフトがその周波数に対する基準位相シフトとして指定される。プロセッサ170は、リアルタイムで、制御信号180をステップ504の「スライディングウインドウ」処理に基づいて適宜調整して連続的に分布平均のヌルを追跡し、それによって適切に基準位相シフトを調整するよう構成される。
なお、方法500の本実施態様は、対応するQI信号128の周波数成分について、LO信号138の各周波数成分に対して90度の位相シフトを生成する基準位相シフトを結果としてもたらす。結果として、通常のQKD伝送中の各周波数成分にOM136によって適用されたランダムな位相シフトは基準位相シフトに関して−90度か0度から選択されて、図2に示す変調フォーマットの0度位相シフトに関してそれぞれ0度及び90度の位相シフトを得る。
QI信号128(図1)の送信が最初に起動される場合、受信機130(ボブ)は入着信号の位相の初期情報を持っていない。この初期情報を取得するために、受信機130はOM136を校正するよう、即ち、OMにおいて導入された位相シフトと入着QI信号の位相との間の対応を特定するよう構成される。一構成では、受信機130はトレーニング信号を受信し、対応する分布平均の値を追跡する一方で校正手順を実行する。その校正手順の実行は、各周波数成分に対して、位相シフト間隔(例えば2π)に亘ってOM136によってLO信号138に導入された位相シフト値のスキャンを充分に小さい増分の相対位相シフトを用いて実行することを含む。導入された位相シフトに関連して分布平均を示す、結果として得られたスキャン曲線は2つのヌルを持つはずであり、それらはOM136の校正ポイントとして機能する。そして、受信機130(ボブ)はスキャンの結果によるLO位相を初期化し、例えば上述したように、位相ロックエラーの追跡を開始する。
ある構成では、システム100は以下のようにトレーニングシーケンス評価に費やす時間を短縮することができる。システム100はトレーニング信号におけるフォトン数を一時的に増加させる(そのような増加が異なる周波数チャネル間の線形及び/又は非線形クロストークを実質的に増加させないようにするという制限の下で)。そのような増加は受信機130がより少ないタイムスロットで確率分布関数を評価するのを助け、それにより全体のトレーニング時間を短縮させる。
さらに、受信機130は初期位相ロックが確立された後に複数のパイロットチャネルに対するトレーニング信号評価の結果を合成するよう構成してもよい。より具体的には、全ての量子チャネルの合成スペクトル拡散が比較的小さく(例えば、約1nm)、及び/又は伝送リンク120の長さが比較的短い場合、伝送リンクにおける屈折率変動による全チャネルに対する時間的位相変動は、全ての複数パイロットチャネルが単一の確率分布関数によって集合的に記述されるように相関付けられるものとすることができる。結果として、受信機130は、全量子チャネルに亘る同じ位相調整を同じ時間に導入するよう構成された単一のグローバル位相シフト器を用いるよう構成することができ、それによってQI信号とLO信号間の位相ロックを維持する処理を簡素化することができる。一方、全ての量子チャネルの合成スペクトル拡散が比較的大きく、及び/又は伝送リンク120の長さが比較的長い場合、異なるチャネルについての時間的位相変動は独立かつ固有なものとなる。結果として、それでもなお相関付けられるものの、異なる量子チャネルに対応する位相は別々に調整される必要がある。
本発明は代表的実施例によって記載されてきたが、本記載は制限的な意味として解釈されることを意図するものではない。例えば、システム100は、例えば、制限するわけではないが、BB84プロトコル、B92プロトコル又は連続変数プロトコルといった種々のQKDプロトコルを用いて動作するよう構成することができる。本発明の実施例は位相変調を参照して記載されてきたが、当業者であれば、本発明が偏波変調又は光信号の他の適当なパラメータの変調における使用に適合することができることは分かるはずである。LO信号の生成のために使用される光源の位置は必ずしも受信機(ボブ)にある必要はなく、実施例によっては、その光源が送信機(アリス)又は他の適当な位置にあってもよい。本発明の実施例はQKD送信を参照して述べてきたが、当業者であれば、本発明は、量子認証手順、安全な金融取引(量子マネー)、量子ゲーム(グループ交渉における最適決定の導出)など、量子情報の送信を用いる他のアプリケーションにおいても使用できることは分かるはずである。本発明の他の実施例と同様に、記載された実施例の種々の変形例(それは本発明が関連する分野の当業者には明らかなものである)は請求項に記載されるような本発明の原理及び範囲内にあるものとみなされる。
方法の請求項のステップ(それがある場合)は対応する記号について特定の順序で記載されているが、請求項の記載がそれらのステップの幾つか又は全部の実行について、他に特定の順序を示唆していない場合は、それらのステップは必ずしもその特定の順序で実行されるように制限されることを意図するものではない。
図1は本発明の一実施例による多重チャネル量子通信システムを示す図である。 図2は本発明の一実施例による図1のシステムにおいて用いられる位相変調フォーマットをグラフで示す図である。 図3A〜Cは、局部発振器(LO)信号が量子情報(QI)信号に適切に位相ロックされる場合の、図2の変調フォーマットに対して図1に示したシステムの受信機における代表的ホモダイン検出統計をグラフで示す図である。 図4A〜Cは、LO信号とQI信号との間に位相ロックエラーがある場合の、図2の変調フォーマットに対して図1に示したシステムの受信機における代表的ホモダイン検出統計をグラフで示す図である。 図5は本発明の一実施例による図1に示したシステムの受信機におけるLO信号のQI信号への位相ロックの方法を示す図である。 A〜Cは図5に示す方法の代表的実施例をグラフで示す図である。 A〜Cは図5に示す方法の代表的実施例をグラフで示す図である。

Claims (10)

  1. 伝送リンクを介して送信機を受信機に結合させた通信システムの受信機で量子情報を受信する方法であって、
    (A)第1の光源を用いて該送信機によって生成された量子情報(QI)信号を該伝送リンクを介して受信するステップ、及び
    (B)第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号を該QI信号に対して位相ロックするステップ
    からなる方法。
  2. 請求項1の方法であって、さらに、
    第1及び第2の干渉信号を生成するために該LO信号及び該QI信号を合成するステップ、
    該第1の干渉信号と該第2の干渉信号の強度差を測定するステップ、及び
    該測定の結果に基づいて該LO信号を位相シフトして該位相ロックを遂行する位相シフトステップ
    からなる方法。
  3. 請求項1の方法において、
    前記ステップ(A)において、該QI信号がトレーニング信号からなり、
    前記ステップ(B)が、
    該トレーニング信号に対応する確率分布関数を生成するステップ、
    該確率分布関数に基づいて該LO信号に対する基準位相シフトを決定するステップ、及び
    該基準位相シフトを用いて該LO信号を位相シフトして該位相ロックを遂行する位相シフトステップ
    からなる方法。
  4. 請求項3の方法において、前記ステップ(B)が、
    該確率分布関数に対する分布平均を特定するステップ、
    該分布平均に基づいて該基準位相シフトを決定するステップ、及び
    該分布平均のヌルを適応的に追跡するステップ
    からなる方法。
  5. 請求項1の方法において、該QI及びLO信号の各々が複数の周波数成分を有し、
    該LO信号の少なくとも一周波数成分が該QI信号の対応する周波数成分に対して位相ロックされ、
    該QI信号の各周波数成分がトレーニング信号と量子鍵データを持つ信号との搬送を交互に行う
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1の方法において、
    前記ステップ(A)において、該QI信号が1以上のパイロット周波数成分を有し、各々が対応する光周波数によって特徴付けられ、各パイロット周波数成分がトレーニング信号を搬送し、
    前記ステップ(B)において、該LO信号が、1以上の光周波数を有する1以上のパイロット周波数成分を有し、
    該LO信号の各パイロット周波数成分について、前記ステップ(B)が、
    該トレーニング信号に基づいて基準位相シフトを決定するステップ、及び
    該基準位相シフトを用いて該LO信号のパイロット周波数成分を位相シフトするステップからなる方法。
  7. 請求項6の方法において、該1以上のパイロット周波数成分の光周波数の1つ以外の信号周波数を持つ該LO信号の少なくとも1つの周波数成分について、前記ステップ(B)が該LO信号の1以上のパイロット周波数成分に対して決定された該1以上の基準位相シフトに基づいて1つの基準位相シフトを決定するステップからなる方法。
  8. 請求項6の方法おいて、該1以上パイロット周波数成分に加えて、該QI及びLO信号の各々が1以上の量子鍵分布(QKD)周波数成分を有し、該方法が、該1以上のトレーニング信号と並列に、前記QKD周波数成分を用いて量子鍵データを受信するステップからなる方法。
  9. 量子情報の送信のための通信システムであって、伝送リンクを介して受信機に結合された送信機からなり、該受信機が、
    第1の光源を用いて該送信機によって生成された量子情報(QI)信号を該伝送リンクを介して受信し、
    第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号を該QI信号に対して位相ロックするように適合された通信システム。
  10. 量子情報の送信に適合され、伝送リンクを介して受信機に結合された送信機を有する通信システムのための受信機において、
    該受信機が、
    第1の光源を用いて該送信機によって生成された量子情報(QI)信号を該伝送リンクを介して受信し、
    第2の光源を用いて生成された局部発振器(LO)信号を該QI信号に対して位相ロックするように適合された通信システム。
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