JP2008541469A - 半導体材料およびそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

半導体デバイス用の金属酸化物含有粒子の製造方法であり、酸素と、水素及び炭化水素から選択される可燃性ガスを少なくとも1種含む燃料成分との混合物によって生じた火炎中で、金属含有粒子を加熱する工程(酸素は、少なくとも粒子の外部シェル中で金属が酸化するように、燃料成分に対する化学量論量の10モル%以上及び60モル%以下の比率で混合物中に存在する);酸化された粒子を液体または昇華可能な固形媒体に供給することにより冷却させる工程;冷却された酸化された粒子を回収する工程;及び、火炎への粒子の入口と、粒子の回収との間の距離を少なくとも300mmにする工程を含む。このような粒子は、金属のコアが酸化されないまま金属酸化物材料のシェルが提供されるように酸化させることができる。基板上におけるこのような粒子の半導体層は、予備酸化された金属含有粒子を高温帯に供給すること;高温帯中で、金属含有粒子を加熱して、粒子を少なくとも部分的に溶融させること;及び、少なくとも部分的に溶融した粒子を基板上に堆積させることによって形成してもよい。上記の酸化プロセスを用いて、それぞれ異なる原子価を有するそれぞれ異なる金属がそれぞれ異なるモル比で存在する金属酸化物粒子を提供することもできる。原子価及びモル比は、n又はp型半導体層が提供されるように選択できる。

Description

本発明は、半導体材料、具体的には、金属酸化物、特に遷移金属酸化物から作製される半導体材料、および、このような半導体材料の製造方法に関する。
本発明はまた、電離放射線、電磁放射線および核放射線、例えば中性子放射線などの放射線検出装置に関し、具体的には、金属酸化物から作製された放射線を検出する半導体材料を含む装置に関する。
従来の放射線を検出するデバイスは、ガイガー計算管のようなシンチレーションデバイス、および、電離箱を含む。低圧の電離箱内には二原子気体が含まれ、この電離箱は、電圧が加えられる2つの接触域を有する。
放射線の作用により、低圧の二原子気体が解離/電離し、それぞれのイオンは、それぞれの接触域に引きつけられ、そこでイオンが放電される。放電速度は放射線の強度を示すが、エネルギーレベルは示さない。
その他のタイプの従来の放射線検出デバイスは、単結晶のワイドギャップデバイスである。
このようなデバイスは、ヨウ化ナトリウム(NaI)、または、カドミウム亜鉛化合物、例えばテルル化カドミウム亜鉛(CZT)のいずれかの極めて純粋で薄い平坦な結晶の使用に基づいており、これらの結晶は、化学的に成長し、続いて適切な支持ベースに電気接触部で付着する。このような結晶は、図1および2で示される横向きまたは側面の立体配置のいずれかを有し得る。
これらは、光導電/フォトレジストの原理に従って移動する。結晶の接触を通じて直流電圧が加えられ、初期電流が生じる。この活性化された結晶配列に入射放射線が照射されると、電荷担体が生成され、これは、外部回路中を流れる電流の増加として観察することができる。
ここでも電流の流れの増加は入射放射線の強度に比例するが、これらの結晶質デバイスは、加える電圧を変化させることによって入射放射線のエネルギー準位を決定するのに用いることもできる。
従来の放射線検出デバイスの第三のタイプは、ダイオードデバイスである。
ダイオードは、材料と様々なタイプの電子伝導とを組み合わせて生産される。二種の基本的な材料のタイプがあり、そのうち一種は、「n」型として知られる伝導帯に余りの電子を有するものであり、もう一種は、「p」型として知られる電子が不足しているものである。このような材料の層は、慣習的に、マグネトロンスパッタリングによって堆積される。
「n」および「p」型材料がラミネート中で組み合わされると、境界面で、その中に電荷担体/電子が存在しない層または空間、いわゆる「空乏領域」が生じる。この領域の両側における電子濃度が異なるために、それを通過して空間電荷またはEMFが発生する。
この空乏領域に電離または電磁放射が照射されることによって、光電効果の結果として、電荷担体、すなわち電子/正孔対が生成されるという作用が得られる。これらの電荷担体の存在は、外部回路中を流れる電流によって検出することができる。
今のところ、ダイオード技術はほとんど例外なくシリコンおよびゲルマニウムをベースとしており、これらの半導体性の金属にppmレベルの異なる原子価を有する元素を化学的に含浸することによって、「n」および「p」型層が生産され、続いてこれからダイオードを形成することができる。
単結晶ベースのデバイスが広く用いられている一方で、上記のタイプの放射線デバイスは固有の不利益を多数有する。例えば、NaIおよびCZT化合物は、付加物または汚染物質を2〜3ppmに制限しつつ極めて高い純度のレベルで生産されなければならない。これらは吸湿性であるため、適切な容器で保護する必要がある。またこれらは、熱的および機械的な衝撃も非常に受けやすい。
さらに、比較的大きいCZT結晶を成長させることは極めて難しく、上記化合物は本質的に費用がかかる。
その上、既知のダイオードデバイスも重大な不利益を有する。例えば、それらの実用性が限定されることが挙げられるが、これは、シリコンおよびゲルマニウムダイオードは、放射線への曝露によって生成した全ての電荷担体が外因性の伝導からのみ発生するようにそれらの固有の半導体特性を抑制するために、液体窒素を用いて−172℃の極低温に冷却する必要があるためである。これは、このようなデバイスが稼働すると予想される温度範囲を著しく限定する。
さらにSiおよびGeダイオードに高い強度の放射線が照射されると物理的に崩壊しやすい。実際に、このようなダイオードはもろく、それらを大気腐食や機械的なダメージから保護するためのカプセル化を必要とする。
その上、このようなダイオードは製造費用がかかり、高い毒性の材料を利用する複雑で高価な製造設備と、「クリーンルーム」のような条件を必要とする。専門的な設備を用いたとしても、大面積ダイオードを生産することは極めて難しい。
その上、SiおよびGeダイオードデバイスによって生産された電子のシグナルは弱く、さらに大規模な電子増幅を必要とする。
さらに、一工程のフレーム溶射による酸化および堆積プロセスを用いて、遷移金属の粒子から遷移金属酸化物のダイオードデバイスを作製することも知られている。従って、本発明者によってこれまで見出されているように(WO−A−93/26052)、半導体材料は、慣習的に用いられている元素金属を堆積させるフレーム溶射による堆積プロセスを堆積プロセスと酸化とを同時に起こし遷移金属酸化物層が形成されるように改変したプロセスによって、単一の工程で形成することができる。このプロセスにおいて、酸素の燃焼ガスに対する比率は、体積に関して、化学量論的な燃焼に必要な比率の2倍でなければならない。その上、本発明者は、球状の粒子は半導体特性を有する材料を生産しないことから、不揃いな粒子を使用することが必須であることを見出した。また、材料が堆積された基板を−200℃〜−20℃の温度に冷却することが必要であることも見出した。
本発明者は、現存する放射線検出デバイスと半導体材料の製造方法に付随する欠点を認識し、本明細書で説明されている提案によってそれらの欠点の解決を試みた。このような提案は、半導体材料製造、およびこのような材料の放射線検出デバイスへの使用に関する新しい方法、材料および装置を含む。また、このような放射線検出デバイスも説明される。
本発明の第一の形態によれば、半導体デバイスに使用するための金属酸化物を含む粒子の製造方法が提供され、該方法は、以下の工程を含む:
酸化ガス、特に、酸素と、水素および炭化水素から選択される可燃性ガスを少なくとも1種含む燃料成分との混合物によって生じた火炎中で、金属を含む粒子を加熱する工程(ここで、該酸素は、少なくとも粒子の外部シェル中で金属が酸化するように、燃料成分に対する化学量論量の10モル%以上および60%以下の比率で該混合物中に存在する);
酸化された粒子を冷媒、液体または昇華可能な固形媒体に供給することによって、それらを冷却させる工程;
冷却された酸化された粒子を回収する工程;および、
火炎への粒子の入口と、粒子の回収との間に、少なくとも300mmの距離を提供する工程。
好ましくは、酸化ガスは、酸素、好ましくは実質的に純粋な酸素(高純度の酸素)を含み、より好ましくは、酸素、好ましくは実質的に純粋な酸素(高純度の酸素)からなる。その代わりに、またはそれに加えて、酸化ガスには、1種またはそれ以上のその他の既知の酸化ガス、例えば酸化窒素やオゾンが含まれることもある。
冷媒は、好ましくは流動性の媒体であり、このような媒体としては、液状媒体、例えば水または液体窒素が挙げられる。あるいは、流動性の媒体はガス状の媒体であってもよく、例えば冷却したガスゾーンである。あるいは、冷媒は、固体、例えば固体二酸化炭素のような昇華可能な固体を含んでいてもよい。
通常、金属を含む粒子は、好ましくは、実質的に100重量%の金属を含む。金属を含む粒子は、少なくとも1種の元素金属、および/または、少なくとも1種の金属合金を含んでいてもよい。好ましくは、このような粒子は、少なくとも1種の金属合金を含む。通常、好ましい粒子は、実質的に100重量%の金属合金である。しかしながら、例えば中性子放射線の検出のようなある種の用途において、このような粒子は、一般的に金属とみなされない元素(例えばホウ素)を含んでいてもよい。また、酸化ケイ素も半導体特性を有する。
以下で、金属を含む粒子の任意の好ましい特徴を説明する。
上記で説明した方法は酸化プロセスであり、本明細書では「予備酸化」工程と称される。従って、好ましくは、この工程は、加熱工程、および、それにより酸化された粒子を基板に堆積させる工程より前に行われる。
具体的には、このプロセスによって生産された粒子を加熱して、それに続くプロセス(例えばフレーム溶射プロセス)によって溶融状態で基板上に堆積してもよい。
以下でより十分に説明されるように、このプロセスによって生産された粒子は、WO−A−93/26052で開示された方法によって同時に酸化され、基板上に堆積された粒子よりも高い酸化度を有し得る。
また、本発明の第一の形態に従った方法によって、金属が酸化されたシェルと、金属が酸化されていないコアとを有する金属を含む粒子も生産できることが見出されている。
このような粒子は、具体的に望ましい特性を有する半導体層を提供することが見出されている。
このような金属酸化物のシェルと金属のコアとを有し、酸化度が少なくとも10重量%である粒子は、粒子中で金属酸化物のシェルが金属のコアよりも大きい体積の割合を占めるため、新規である。
従って、本発明の好ましい形態において、このような粒子の製造方法の後に、冷却した酸化された粒子を加熱して、それらを少なくとも部分的に溶融した状態にし、基板上にその少なくとも部分的に溶融した粒子を堆積させる追加の工程が行われる。
第二の形態によれば、本発明は、基板上に粒子の半導体層を形成する方法を提供し、本方法は、
高温のゾーンに、金属を含む粒子を供給すること;
高温のゾーン中で、該金属を含む粒子を加熱して、該粒子を少なくとも部分的に溶融した状態にすること;および、
基板上に、該粒子を少なくとも部分的に溶融した状態で堆積させること;
を含み、該方法は、火炎に供給される金属を含む粒子が、金属のコアが酸化されないままで金属酸化物材料のシェルが提供されるように予備酸化されることを特徴とする。
高温のゾーンは、適切な温度のオーブンでもよいし、または、放射線源によって加熱したゾーンでもよく、堆積は、例えば真空蒸着によって行ってもよいが、好ましくは、高温のゾーンは火炎であり、堆積は溶射によってなされる。
従って、本発明に係る特に好ましいプロセスにおいて、上述の金属酸化物のシェルと金属のコアとを有し、少なくとも10重量%の酸化度を有する粒子は、本発明の第一の形態に従ってフレーム溶射および予備酸化プロセスによって製造され、その後、これらの粒子は、第二のフレーム溶射プロセスで処理されて、基板上に堆積させる。
第三の形態によれば、本発明は、半導体材料としての使用に適した金属酸化物の粒子を提供し、ここで、該粒子は、少なくとも1種の元素金属を含むコアと、前記金属の酸化物または前記金属のそれぞれの酸化物を含むシェルとを有し、該粒子は、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも17重量%の酸化度(粒子の総重量中の酸素の重量%として示される)を有する。好ましい範囲は、18〜30重量%であり、より好ましくは19〜25重量%であり、特に20〜24重量%である。このような粒子が少なくとも1種の層に形成される場合、放射線検出に関して優れた光導電特性を示す酸化度は、少なくとも20重量%であることが見出された。
第四の形態によれば、本発明は、半導体材料としての使用に適した金属を含む粒子を提供し、ここで、該粒子は、少なくとも1種の元素金属を含むコアと、その金属の酸化物または金属のそれぞれの酸化物とを含むシェルを有し、粒子のシェル:コアの体積比が、少なくとも1.1:1、好ましくは少なくとも1.2:1であることを特徴とする。
また、金属酸化物の粒子が1またはそれ以上の層に形成された場合、具体的に望ましい半導体特性を示す可能性があり、特に、粒子が、金属のコア/金属酸化物のシェル構造を有し、金属酸化物のシェル:金属のコアの体積比が少なくとも1.1:1、好ましくは少なくとも1.2:1であり、加えて、粒子が、本発明の第三の形態に関して定義されたように、少なくとも10重量%の酸化度を有し、好ましくは本発明の第三の形態に関して述べられたレベルである場合であることも見出されている。
本発明の第五および第六の形態それぞれによれば、金属酸化物を含む金属酸化物の粒子が提供され、ここで、該金属は、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金であり、ここで、(a)前記粒子中に、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも低いモル濃度で存在させることによって、n型半導体に適した金属酸化物の粒子を提供することができる;または、(b)前記粒子中に、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも高いモル濃度で存在させることによって、p型半導体に適した金属酸化物の粒子を提供することができる。
特に好ましくは、このような粒子(a)および(b)がそれぞれ、上述の金属のコア/金属酸化物のシェル構造を有し、上述したように、酸化度が少なくとも10重量%であり、および/または、金属酸化物のシェル:金属のコアの体積比が少なくとも1.1:1である。
第七の形態によれば、本発明は、金属酸化物の粒子を提供し、該粒子は、(c)元素金属を含むコアと、その金属の酸化物を含むシェルとを有し、ここで、上述したように、粒子の酸化度が少なくとも10重量%であり、および/または、粒子のシェル:コアの体積比が少なくとも1.1:1であり、該粒子は、少なくとも99モル%の一種の金属、および、0.1モル%以下のその他のあらゆる個々の金属を含み、それによって、nまたはp型半導体に適した粒子を提供することができる。
第八の形態によれば、本発明は、基板上に堆積させた粒子の層を少なくとも1つ含む半導体デバイスを提供し、ここで、該層または層のそれぞれは、本発明の第三〜第七の形態のいずれか一つに従って粒子から形成される。
第九の形態によれば、本発明は、それぞれ基板上に堆積させた本発明の第五〜第七の形態のいずれかに記載の粒子(a)〜(c)の層、および、互いに離れて設置された前記層それぞれと接触する各電極を含むワイドギャップ検出器を提供する。
第十の形態によれば、本発明は、ダイオードを提供し、該ダイオードは、基板上に積層させた複数の粒子の層を含み、そのうち少なくとも1層が、n型半導体層が提供されるように粒子(a)または(c)からなり、および、そのうち少なくとも1層が、p型半導体層が提供されるように粒子(b)または(c)からなる。
具体的には、粒子から形成された材料の半導体特性を決定する重要な特徴は、様々な金属粒子の酸化度であることが見出されている。さらに見出されたことは、酸化度を増加させる具体的に効率的な方法は、好ましくは第二の形態に係る方法によって粒子を加熱して基板上に堆積させる前に、本発明の第一の形態に係る方法による別個の予備酸化工程を実施することである。
本発明の第一の形態に係る方法において、金属を含む粒子は、加熱とそれに続く冷却によって少なくとも部分的に酸化される。これが第一段階の酸化プロセスであってもよく、それに続いて、好ましくは、本発明の第二の形態に従って第二段階の加熱および堆積プロセスが行われ、ここで、予備酸化された金属を含む粒子が少なくとも部分的に溶融され、続いてそれらの少なくとも部分的に溶融した形態で基板の表面に堆積され、半導体性のマトリックスが形成される。
このような本発明の第一の形態に従って第一段階の酸化プロセスが行われる方法において、第二段階の加熱および堆積プロセスは、粒子を少なくとも部分的に溶融させて、このようにして少なくとも部分的に溶融した粒子を基板の表面上に堆積させることができるあらゆる形態で行うことができる。しかしながら、第二段階プロセスで加熱するために第一段階プロセスによって提供された粒子が、金属のコアが酸化されないままで金属酸化物材料のシェルが提供されるように、第一段階プロセスによって予備酸化されることが好ましい。好ましくは、第二段階も、高温での溶射技術、特にフレーム溶射技術、粒子を酸素燃料の火炎に晒すことによって行われる。
本発明の第二の形態に係る方法において、粒子を加熱し、基板上に堆積させるあらゆる方法が使用可能であり、すなわち、粒子を高温のゾーン(好ましくは火炎)中で加熱して、それらを少なくとも部分的に溶融した状態にし、続いて基板上にこの形態で堆積する方法が使用可能である。しかしながら、このプロセスで処理した粒子は、金属のコアが酸化さないままで金属酸化物材料のシェルが提供されるように、予備酸化されていなければならない。このような粒子は、好ましくは、本発明の第一の形態に従って行われた第一段階プロセスによって製造される。
第一および第二の形態に係るそれぞれのプロセスが、第一段階で組合される場合、このようなプロセスは、以下でより詳細に説明されるように、金属のコア部分を酸化されないままに保ち、金属を含む粒子のシェル部分の効率的な酸化が達成されるように制御される。第二段階において、このようなプロセスは、好ましくは、同様に以下でより詳細に説明されるように、少なくとも部分的に溶融した粒子が平らな立体配置を形成しやすくなるように、基板に衝突する際に粒子に高い運動エネルギーが与えられるように制御される。第二段階中に、起こる可能性がある何らかの追加の酸化は、約1〜2重量%に限定されると考えられる。また、このようにして得られた半導体層の優れた半導体特性は、粒子が、予備酸化中と、特にそれに続く堆積プロセス中との両方においてそれらの少なくとも部分的に溶融した状態を保ちつつ、金属イオンが中央のコアから酸化物のシェルへ移動することによる可能性があるとも考えられている。
上述したように、第一段階の予備酸化プロセス、および、第二段階の加熱および堆積プロセスはそれぞれ、フレーム溶射技術によって行われることが好ましい。
好ましいフレーム溶射技術では、燃焼ガスとして、水素、プロパンまたはアセチレンが使用される。好ましい酸化ガスは酸素である。酸素−アセチレン、酸素−プロパン、および、酸素−アセチレン−プロパン混合物が好ましい。
第一段階プロセスが本発明の第一の形態に従って行われる場合、酸素は、火炎を提供する酸素/燃料混合物中に、燃料成分に対する化学量論量の10モル%以上および60モル%以下の比率で存在する。好ましくは、酸素のモル比は、燃料成分に対して、化学量論的に50%以下であり、より好ましくは化学量論的に10%以下である。最も好ましくは、火炎のガスの酸素および燃料成分は、ほぼ化学量論量で存在する。具体的には、酸素成分の比率が低すぎる場合、火炎は煙が多くなる可能性があり、一方、高すぎる場合、火炎の温度が望ましくなく低くなる可能性がある。一方で、火炎中の酸素の量を、50または60%以下の割合で、ただし特にクロムカーバイドの形成を促進させない程度に増加させてもよく、このような酸素の増量は火炎の長さを増加させ、従って火炎のあらゆる温度低下を補うことができる。従って、この方式で火炎のガス中の酸素および燃料成分の量それぞれを制御することによって、特に高い酸化温度を達成することができる。
適切には、酸素および燃料の化学量論的なレベル測定は、正確な質量流量制御装置を用いて達成される。
火炎への燃料の供給速度は、好ましくは、少なくとも10L/分、好ましくは15〜25L/分である。酸素の化学量論量に関して、酸素/燃料の必要な体積比は、アセチレン(最も好ましい)の場合、2.5:1、プロパンの場合、3.3:1、水素の場合、0.5:1と予想される。特にアセチレンに関して、一般的な供給速度は、40L/分(O):16L/分(アセチレン)〜50L/分(O):20L/分(アセチレン)である。
典型的には、フレーム溶射を実施するためのバーナーユニットが用いられる。バーナーユニットは、粉末を下方へ導くための中央のダクトを有するブロック、好ましくはセラミック製のブロック、および、各チャンネル、好ましくは火炎のガスを供給するためのL型断面を有するチャンネルを含んでいてもよく、これらのチャンネルのうちいくつかは、燃料成分を供給するための酸素などを供給するためのものである。各L型断面を有するチャンネルは二本の脚を有し、そのうち一方の脚は、ブロックの内部に向かって横に伸び、中央のダクトの不足を補い、他方の脚は、ブロックの下方へ伸び、ブロックの最も下の面でバーナーノズル(例えば6または8個のバーナーノズル)からなる環との流体伝達部分に存在し、粉末が流れる中央のダクトと同軸である。
典型的には、フレーム溶射技術では、粒子を1000℃を超える温度に加熱してもよい。好ましい火炎の温度は、粉末の温度が約1200〜1300℃、典型的には1250℃になるように、1000℃〜1500℃、より好ましくは1100℃〜1400℃、最も好ましくは1200℃〜1300℃である。
望ましい粉末温度の上限は、処理しようとする金属または合金の融解温度によって決定される。ある種の粉末に関して、温度が高すぎると、過剰な蒸発による損失が起こる可能性がある。
火炎の温度および長さをさらに増加させるために、耐熱性チューブ(例えば高温ガラス製)を、火炎の周辺に装着させてもよい。
金属の粒子は、粉末の形態で、チューブ(例えばフレキシブルなチューブ)によって粉末供給ユニットからバーナーノズルに供給され、酸素のストリーム内に運搬されてもよい。酸素のストリームは、1〜20リットル/分、好ましくは3〜15リットル/分、より好ましくは5〜13、特に10〜12リットル/分の流速を有していてもよい。
粒子の供給速度は、好ましくは、10〜25g/分、より好ましくは15〜20g/分である。
それに加えて、またはその代わりに、ブロックから生じる火炎と粉末が、酸素の囲い、好ましくは高純度の酸素で囲まれることによって、溶融金属の粒子と反応するのに利用可能な酸素の量が増加するため、酸化プロセスが強化され得ることが見出された。従って、本方法は、好ましくは、粒子を加熱する際に、粒子の周辺に酸素の囲いを提供する工程を含む。
このような酸素の囲いは、火炎を取り囲み火炎に衝突する酸素の囲いが提供されるように、追加の酸素のストリームを、粒子の入口近傍の周囲の領域から、粒子の進行通路に向かって傾斜する切頭円錐形(frustoconical)の通路に沿って、且つ粒子の火炎を通過する進行方向に、火炎中へと向かわせることにより、提供してもよい。
実際には、酸素の囲いを提供する方法の一つは、バーナーノズルチップの周りに中空の金属環をマウントすることであり、このような環は、環に酸素が供給されると、好ましくは、酸素が火炎の円周の周りに一連の微細なストリームとして放出されるように、バーナーノズルの穴と同じ方向にドリルで開けられた一連の小さい穴を有する。
火炎が耐熱性チューブで囲まれている場合、傾斜したノズルの環がチューブの上部端の周りで分散していてもよく、それを介して、ノズルの酸素をチューブ内で火炎の方向に渦状に導くことができる。
上記のことからわかるように、酸素は、(a)酸素/燃料成分混合物、(b)粒子供給ガス、および、(c)酸素の囲いのそれぞれによって提供され得る。
好ましくは、(a)、(b)および(c)の全てによって提供される酸素の総モル量は、化学量論的な量で燃料成分に対して80%以下であり、より好ましくは60%以下である。
予備酸化工程の一例において、金属を含む粉末は、2.0/3.0mmに開けられた中心孔を有する1/16インチの標準金属の切断または燃焼ノズルを利用して火炎の中心を通過する。これらの切断ノズルは、中心孔が6個の他の孔で囲まれ、その中心孔から火炎が放出されるように設計され、そのようにして、粉末を加熱する精密な手段が提供される。
金属の粒子の酸化反応は、時間/温度/表面領域に依存するプロセスと考えられ、金属の粒子が火炎に供給される速度、および、粉末の単位体積あたりの加工される表面領域の影響を受ける。
表面領域の依存性には、粒度範囲の分布への依存性も含まれる場合がある。
粒度分布は、マルバーンレーザー粒度解析器によって決定することもでき、この解析器は、最大粒度(例えば−38μmのように示される)、および、最小粒度(例えば+1μmのように示される)を測定する。
多くの金属を含む粒子にとって、金属を含む粒子の最大粒度は、酸化の前の状態で、好ましくは−30〜−50μmであり、より好ましくは−38〜−45μmである。しかしながら、比較的高い融点の金属および合金、例えば鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、および、バナジウムの場合、例えば−25μmの最大サイズを有する比較的小さい粒子は、蒸発によって金属を著しく損失させることなく、酸化度の望ましい増加を提供する可能性がある。
金属を含む粒子の最小粒度は、酸化の前の状態で、好ましくは少なくとも1μm、より好ましくは少なくとも2μmである。
また粒度分布は、平均粒度に関して決定してもよい。
本明細書で説明されている平均粒度は、ガウスの分布に関する容量に基づく加重平均として示され、それゆえに数平均粒度である。
金属を含む粒子の平均粒度が、酸化の前の状態で、好ましくは、5〜25μm、より好ましくは15〜20μmである。
金属を含む粒子の粒度は、以降で考察されるように、酸化度に影響を与える可能性がある表面領域の粒子の体積に対する比率が制御されるように選択してもよい。例えば、酸化度を高めるには、比較的小さい粒度を選択することが可能である。
酸化プロセスの反応時間は、火炎への粒子の入口から、すなわちバーナーノズルチップから、冷却流体(例えば回収容器中の水の表面)への入口への距離に応じて制御してもよい。この距離は少なくとも300mmであり、好ましくは少なくとも500mmである。好ましい範囲は、500mm〜900mmの範囲であり、より好ましくは450mm〜850mmの範囲であり、さらにより好ましくは500mm〜800mmの範囲であり、特に600mm〜700mmの範囲である。従って、本方法は、好ましくは、金属を含む粒子をフレーム溶射する工程を含み、ここで、ノズルチップは、冷却手段(例えば水浴)から上述した距離の間隔をあけて設置される。距離が長いほど、効率的な酸化に十分な期間を提供できるため好ましい。
酸化を高めるために(ただし、高い火炎の温度では、望ましくない蒸発が起こる可能性があるようなある種の比較的低い融点の金属および合金の場合を除く)可能な限り高温の火炎を使用し、可能な限り長時間、金属が火炎中に残存するようにすることが望ましい。好ましくは、金属を含む粒子は、約0.5〜約1.2秒の期間火炎中に残存する。酸素および燃料ガスの量が化学量論的であるか、またはそれに近いと、比較的高温の火炎が生じ、一方で、燃料ガスの処理量が多いと、火炎の長さが長くなる。
上述したように、火炎への粒子の入口と、急冷する場との間の距離を長くすれば、このような比較的長い火炎の長さが可能になり、さらに、特により高い火炎の温度で処理した後、且つ急冷する前の、部分的に酸化された粒子を冷却するための時間も長くすることができる。
予備酸化工程において、粒子は、好ましくは、迅速に冷却されるか、または急冷される。例えば、粒子は、固体二酸化炭素のベッド上で、または液体窒素中でそれらを回収することによって冷却してもよいし、または、最も好ましくは、少なくとも最初は室温であり得る液状媒体(例えば水)中でそれらを急冷することによって冷却してもよい。続いて、急冷された予備酸化された粒子は、液状媒体から、例えばろ過および乾燥/蒸発によって回収することができる。好ましい実施態様において、粒子は水槽にフレーム溶射され、このプロセスの間に、粒子は室温〜約40℃に加熱されやすくなる。このような水中での急冷は、上述のような高温で処理された粒子を冷却する効率的な手段を提供する。
従って、本方法は、特定の高温での酸化の後に、特殊な冷却手段を備えた基板上に粒子を堆積させる必要性がない。
このようにして冷却した酸化された粒子は、単にろ過および乾燥することによって回収してもよい。
上記の酸化プロセスによって生産された金属酸化物の粒子の粒度は、火炎に供給された金属の粒子の粒度といくらか異なっていてもよい。
その理由は、以下の通りである:
(i)酸素の吸収、および、その酸素と金属との反応によって反応中に粒子の成長が起こる可能性があるため、最大粒度(例えばマルバーンレーザー粒度解析器で測定される最大粒度)が増加し、さらに平均粒度も増加する;
(ii)通常、市販の金属の粒子の形状は極めて不揃いであり、このような場合において、マルバーンレーザー粒度解析器による測定は、篩を通過する粒子の通路が粒子の最長の長さで妨害されると正確度が低くなる可能性がある;および、
(iii)極めて小さい粒子の蒸発が起こる可能性があるため、マルバーン粒子解析器によって測定された最大粒度が大きくなり、さらに粒子の平均サイズも大きくなる。
従って、好ましくは、粒子の最大粒度は、酸化の後に、40〜50μmであり、一方、最小粒度は少なくとも6μmである。
好ましい平均粒度は、10〜35μmであり、より好ましくは15〜35μmであり、さらにより好ましくは20〜30μmであり、特に20〜25μmである。
本発明の第一の形態に係る方法によって生産された粒子は、好ましくは、特徴的な立体配置を有し、このような金属酸化物の粒子の立体配置は、粒子の半導体特性の理解に関連する可能性がある。
具体的には、粒子は、酸化物のシェルで囲まれた金属中心、好ましくは酸化物のシェルに封入された金属中心を有することが一般的である。好ましくは、金属酸化物のシェルは多結晶である。
酸化反応が進行するメカニズムは2つある。第一のメカニズムは、酸素が、形成される酸化物層を通って浸透し、その下の溶融金属と反応するものであり、第二のメカニズムは、溶融金属が、形成される酸化物層を通って浸透し、溶融した粒子周囲にある遊離の酸素と反応するものである。
酸素と金属との原子のサイズの差に留意すると、第一のメカニズムがより速く、且つより有効である可能性がある。このようなより高い酸化度(以下の表3および5)を有する金属および合金は第一のメカニズムに従って機能する可能性があり、より低い酸化度を有する金属および合金は、第二のメカニズムに従って機能する可能性がある。
金属のコアサイズの、総体的な酸化された粒度に対する関係の指標は、粒子の重量による酸化度を決定することによって見出すことができる。粒子の重量による酸化度、すなわち粒子の総重量に対するパーセンテージとしての酸素の重量は、好ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらにより好ましくは少なくとも17重量%、特に少なくとも20重量%であり、さらに40重量%もの高さも可能であり、好ましい範囲は、18〜30重量%、より好ましくは19〜25重量%、および、最も好ましくは20〜24%である。このような場合、以下で説明するように、かなり広帯域の酸化物を金属のコアの周りに提供することが可能になる。
酸化度の例は、以下の表3および5で示される(ロンドン・アンド・スカンジナビアン・メタラージカル・サービス(London and Scandinavian Metallurgical Services)によってLECO分析器を用いて決定された値)。
粒子中の金属誘導体および酸化物および酸化度から、酸化された粒子のシェルおよびコア寸法の容量に基づく比率を推測することができる。
シェル:コアの好ましい体積比は、1.1:1であり、より好ましくは少なくとも1.2:1であり、例えば1.4:1であり、または1.5:1でもよい。
典型的には、約20%の酸化度と、以下のようなシェル:コアの体積比:Cr23/Cr=1.20:1、FeO/Fe=1.260:1、NiO/Ni=1.213:1、CoO/Co=1.246:1を有する金属酸化物の粒子は、特に優れた結果を生じる。
金属を含む粒子の性質(すなわち、金属および/または金属合金の性質)は、酸化度に影響を与える可能性がある。例えば、ある種の金属および金属合金は、同じ条件下でも他の金属および金属合金よりも高い酸化度を受ける可能性がある。本発明者は、酸化度は、数ある中でも、金属を含む粒子の粒度、具体的には金属を含む粒子の表面領域の体積に対する比に影響される可能性もあることを見出した。従って、酸化度を制御する好ましい方法の一つは、粒子中の金属および/または金属合金に性質に応じて適切なサイズの金属を含む粒子を選択することである。
上述したように、このような本発明の第一の形態に従って第一段階の酸化プロセスにより得られた粒子を基板上に堆積させて、第二段階によってその上に半導体層を形成してもよく、好ましくは、加熱および堆積プロセスは、本発明の第二の形態に従って行われる。
具体的には、本発明の第一の形態に係るフレーム溶射による酸化プロセスにより得られた金属酸化物のシェルを有するが金属を含むコアを保持する金属酸化物の粒子は、好ましくは、フレーム溶射プロセスによって加熱され、すなわち粒子を火炎中で加熱され、それらを少なくとも部分的に溶融した状態にし、その後、実質的にその状態で基板上に堆積させる。
第二段階の加熱および堆積プロセスに適合させたフレーム溶射条件は、少なくとも同じ装置を用いるのであれば、第一段階の酸化プロセスに適合させた条件に類似していてもよい。
しかしながら、第二段階プロセスにおいて、粒子は第一段階から得た粒子であり、加熱後それらが基板上に堆積されることが好ましい。好ましくは、粒子源の一つ、ならびに、それに付随する火炎および基板は、平行な平面で、粒子が基板の異なる領域上に溶射されるように他者と相対的に動く。通常、火炎が基板の上を水平に移動するか、または、基板が火炎の下を水平に移動するかのいずれかである。火炎が動くほうが好ましい。具体的には、スプレーガンが実際に使用可能であり、これはいずれも粒子を基板に導き、粒子が通過する火炎を提供する。このようなスプレーガンは、基板よりもかなり軽量で、動かしやすいものがある。このような相対的な動きは、基板の過熱が回避されるように極めて迅速であることも好ましい。例えば、移動速度は、形成された堆積物の望ましい厚さに依存する可能性があり(堆積物が厚ければ厚いほど、より遅い相対速度を必要とする)、200〜600mm/秒の範囲であり得る。
加えて、火炎への粒子の入口と、粒子が回収される液体(または昇華可能な固体)の表面との間の距離が比較的長いと、第一段階の酸化プロセスにおいて酸化を起こすことが可能であるため、比較的長い距離がが好ましいが、それに対して、第二段階の加熱および回収プロセスにおいて、火炎への粒子の入口と基板の表面との間の距離は、比較的短いことが好ましく、すなわち好ましくは100〜180mmであり、より好ましくは110〜150mmである。
このように短い距離にすることによって、基板と衝突する際に、粒子を少なくとも部分的に溶融した形態に保持することが可能になり、さらに、顕著な量の粒子の高い運動エネルギーが保持されるため、粒子が基板と衝突する際に粒子を平らにすることが可能になり、優れた強固で均一な堆積物を提供することができる。
好ましくは、この第二段階における粒子は、約0.2秒〜約0.5秒間、火炎の中に保持される。
この第二段階の加熱および堆積プロセスにおいて、粒子を酸素中に同伴させる、および/または、耐熱性チューブ内で火炎を酸素の囲いで囲むこともできるが、これは特に必要ではなく、粒子を、反応ガス(例えば酸素)、部分的に反応性を有するガス(例えば圧縮空気)、または、不活性ガス(例えば窒素)のいずれかに同伴させてもよい。
従って、火炎の温度は、800〜1300℃の範囲内、好ましくは900〜1000℃の範囲内であり得る。火炎の温度は、回収の際の粉末の温度が約400〜500℃になるような温度であることが好ましい。
第一および第二の加熱および堆積段階両方の最中に、金属を含む粒子および予備酸化された粒子はそれぞれ、ノズル出口のチップから約10mm以内で(ここの時点で、粒子は、火炎の最も高温の部分の範囲内である)、ある程度溶融した状態になる可能性がある。これは、火炎の最も明るい領域として目で見て観察することができる。
この第二段階プロセスにおいて、粒子の酸化度が増加する可能性があるが、増加は、1〜2%以下であり、そうであることが好ましい。
従って、粒子は、堆積の際にある程度平らであると考えられるが、それらの平均粒度は、予備酸化された粒子の平均粒度と類似したままであり、酸化によって有意に増加しない。
本発明の第一の形態に係る第一段階の予備酸化プロセスは、WO−A−93/25052で開示された一段階の酸化および堆積プロセスと比較して、少なくとも、燃焼ガス中の酸素が燃料と比較して顕著に低い比率で火炎に供給されるため、より高い酸化温度が達成される点、および、火炎への粒子の入口からそれらの回収領域への距離をより長くすることができるという点で異なり、本発明の第二の形態に係る第二段階の加熱および堆積プロセスは、WO−A−93/26052で開示されたプロセスと比較して、用いられる粒子が、金属を含むコアを囲む金属酸化物のシェルを有する予備酸化された粒子であり、それらが基板上に堆積されるとある程度平らな状態になり、優れた検出特性を有する半導体層を提供すると予想される点で異なる。従って、本発明の第一および第二の形態それぞれに従ってプロセスを二段階に分けることにより、第一段階で、顕著に改善された酸化および半導体特性を提供することを可能にし同時に、第二段階は、より短い溶射距離を用いて実施してもよく、続いて、よりいっそう均一、同質な、かつ高い結合力を有する金属酸化物の堆積物を得ることができる。
従って、本発明の第一および第二の形態に係るそれぞれのプロセスを組み合わせることによって、一方では酸化、一方では基板上への堆積に関するそれぞれの条件を最適化することが可能になる。従って、WO−A−93/26052のプロセスを用いて達成することができる酸化度は、4〜9重量%の領域内であり、それに対して本発明に係るプロセスを用いた場合は、28%以下の値である。WO−A−93/26052のプロセスに対して、本発明のプロセスは、金属の粒子の形状に関わりなく有効である。
上記に加えて、本発明者はここで、所定の金属および金属合金(そのうち数種は粉末形態で市販されている)が酸化されると、「n」または「p」型半導体特性を有する金属酸化物を生じる可能性があることを見出し、これらの酸化物は、フレーム溶射/熱蒸着プロセスによって、好ましくは上述の手法を用いて、多種多様の導電性および絶縁性どちらの基板材料に塗布してもよく、それにより、単層のワイドギャップ半導性放射線検出センサーを生産することもできるし、または、多層の半導性酸化物ダイオード放射線センサーとして組み合わせてもよい。
有用な「p」および「n」型特性を有する部分的に酸化された粒子を得るために、適切な金属を含む前駆体粒子が選択されると予想される。
好ましい前駆体粒子およびそれから製造された金属酸化物は、前駆体粒子、および、金属酸化物の粒子の金属成分それぞれの総重量に対して、少なくとも94重量%の少なくとも1種の金属元素を元素の形態で、または、合金の一部として含み、ここで、前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれは、少なくとも5重量%の量で存在し、遷移元素の原子番号21〜29、39〜47、57〜79および89〜105、ならびに、インジウム、スズ、ガリウム、アンチモン、ビスマス、テルル、バナジウム、および、リチウムから選択され、任意に、少なくとも1種の追加の元素および何らかの不純物を、金属成分の総重量の6重量%まで含んでもよい。
より好ましい遷移金属、具体的には1またはそれ以上の金属は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pf、Au、および、Hgから選択される。これらの金属は、元素金属として存在してもよいし、および/または、金属合金として存在してもよく、例えば、主成分として存在してもよいし、または、微量成分として存在してもよい。
その他の好ましい金属の族は、ランタニドである。さらに好ましい族は、アクチニドである。具体的には、このようなランタニドおよびアクチニドを、本発明に従って生産された半導体性の金属酸化物センサー/検出器デバイスに取り込むことによって、それらの感度が改善される可能性があると考えられる。その他の有用な非遷移金属としては、In、Sn、Ca、Sb、B、および、Teが挙げられる。この場合でも、これらは、それらの純粋な形態であってもよいし、または、他の金属と様々な比率で合金化されていてもよい。
合金の場合、第I族および第II族金属(具体的には、Li、Be、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Co、および、Ba)、Al、Si、P、S、Ga、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、Bi、および、Poから選択される元素を含む合金が好ましい。これらの元素は、好ましくは、微量成分として存在する。また、金属合金中の微量成分または「ドーパント」が、一連のアクチニド、または、ランタニドから選択される金属であることも好ましい。
上記からわかるように、ホウ素およびケイ素のような元素は、半導体特性を示し、本発明の目的に応じて金属と合金を形成する可能性があるため、このような場合によっては非金属である元素は、それにもかかわらず「金属」とみなされる。
およそ650℃以下の温度で溶融する比較的低い融点の合金および金属(一般的に、よりも高い原子番号を有する金属であり、例えばPb、In、Sn、Ga、Sb、Bi、および、Te)は、特定の利点を提供する可能性がある。鉛とスズまたはアンチモンとの合金は、本発明に係るプロセスに従って酸化されると、特に優れた半導体特性を示す可能性がある。
特に好ましい部分的に酸化された粒子において、元素または元素のそれぞれは、少なくとも1、少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の原子価を有する。実際に、原子価1しか有さない金属が有意な程度で存在する場合、不良な結果しか得られない可能性がある。
本発明の好ましい一実施態様において、元素または元素のそれぞれは、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、および、マンガンから選択される。
より好ましくは、このような金属酸化物の粒子のための金属を含む前駆体化合物、または、このような金属酸化物の粒子の金属成分は、金属を含む前駆体化合物または金属成分の総重量に基づき、少なくとも99.5重量%のクロム、コバルト、鉄、および、ニッケルから選択される一種の遷移金属、または、少なくとも99.5重量%のクロム、コバルト、鉄、および、ニッケル、マンガンから選択される少なくとも2種の金属の合金、ならびに、任意の追加の元素として5重量%以下のアルミニウムを含み、残部は何らかの不純物である。
さらにより好ましくは、このような金属酸化物の粒子のための上記金属を含む前駆体化合物、または、このような金属酸化物の粒子の金属成分は、少なくとも99.5重量%の総重量の金属を含む前駆体化合物、または、合金の金属成分を含み、ここで、上記合金は、マンガン(34重量%)−ニッケル(66重量%)、鉄(75重量%)−クロム(30重量%)−アルミニウム(5重量%)、鉄(50重量%)−ニッケル(50重量%)、鉄(50重量%)−コバルト(50重量%)、鉄(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(95重量%)−アルミニウム(5重量%)、および、鉄(58重量%)−ニッケル(29重量%)−コバルト(17重量%)から選択される。
このような粒子は、具体的には、電磁放射を検出するための半導体デバイスの製造に適しており、または、ダイオードとして適している。
好ましい代替の実施態様において、前記金属酸化物の粒子の元素、または、少なくとも1種の元素は、バナジウム、ガドリニウム、および、ホウ素から選択される。
より好ましくは、このような金属酸化物の粒子のための金属を含む前駆体化合物、または、このような金属酸化物の粒子の金属成分は、少なくとも95.5重量%の総重量の、バナジウムからなる金属を含む前駆体化合物または金属成分、または、バナジウム、ガドリニウムおよびホウ素から選択される少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト、ニッケルおよびクロムから選択される少なくとも1種の元素との合金からなる金属を含む前駆体化合物または金属成分を含み、残部は何らかの不純物である。
さらにより好ましくは、このような金属酸化物の粒子のための金属を含む化合物、または、このような金属酸化物の粒子の金属成分は、少なくとも95.5重量%の総重量の、一種の金属バナジウムからなる金属を含む前駆体化合物または金属成分を含み、残部は不純物であるか、または、鉄(82重量%)−バナジウム(18重量%)、ガドリニウム(34重量%)−コバルト(66重量%)、鉄(82重量%)−ホウ素(18重量%)、ニッケル(82重量%)−ホウ素(18重量%)、および、鉄(5重量%)−クロム(80重量%)−ホウ素(15重量%)から選択される合金である。
このような粒子は、具体的には、中性子放射線を検出するためのデバイスの製造に適している。
また本発明者は、主成分の原子価よりも高い原子価を有する少ないモル数の成分を有する合金が、「n」型半導性酸化物を生産すること、および、主成分の原子価よりも低い原子価を有する少ないモル数の成分を有する合金が、「p」型半導性酸化物を生産することも見出した。
加えて、金属が、少なくとも99モル%の一種の金属、および、0.1モル%以下のその他のあらゆる個々の金属からなる所定の金属酸化物であって、特に所定の純粋な金属が酸化されているような場合、このような金属酸化物は、「n」および「p」型半導体特性を有することが決定されている。「p」型半導体特性を示す純粋な金属としては、鉄、クロム、コバルト、および、ニッケルが挙げられる。実際には、ニッケルの場合、約20%以下の酸化度を有する部分的に酸化された粒子は、「n」型半導体特性を示す傾向があり、一方、約20%またはそれより高いの酸化度では、それらは「p」型の特性を示す。
酸化されると「n」および「p」型の特徴を示す金属合金は、異なる原子価を有する2種の遷移金属のみからなる合金であってもよいし、または、異なる原子価を有する3種またはそれより多くの金属からなる合金であってもよいが、これらのうち全部ではなくいくつかが周期表の遷移金属の領域に属するものであってもよい。
金属合金を含む金属酸化物の粒子において、この金属合金は、第二の金属よりも高い原子価を有するが、第二の金属のモル量よりも低いモル量で存在し、さらにn型半導体に適した第一の金属を含み、ここで、第一の金属は、マンガン、クロム、ニッケル、コバルト、バナジウム、および、ガドリニウム、およびから選択されてもよく、第二の金属は、鉄、ニッケル、および、コバルトから選択されてもよい。
n型金属酸化物を生じる典型的な合金は、Ni−Mn;Fe−Cr−Al;Fe−Ni;Ni−Al;Fe−Co;および、Cr−Feである(主成分が最初に記載される)。
金属合金を含む金属酸化物の粒子において、この金属合金は、第二の金属よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル量よりも高いモル量で存在し、さらにp型半導体に適した第一の金属を含み、ここで、第一の金属は、鉄、および、ホウ素から選択されてもよく、第二の金属は、ニッケル、コバルト、および、ホウ素から選択されてもよい。
p型金属酸化物を生じる典型的な合金は、Cu−Ag;Fe−Ni−Co;および、Cr−Niである(主成分が最初に記載される)。
以下の実施例に記載の表3および5に、本発明を具体化したプロセスによって酸化されると「n」および「p」型半導体特性を有する合金の組成の具体的な例を示す。
このような金属酸化物の粒子から形成されたマトリックスの半導体特性は、このような粒子が二段階の予備酸化およびそれに続く堆積プロセスを受ける場合、特に、予備酸化および堆積プロセスそれぞれを本発明の第一および第二の形態それぞれに係る方法によって行われる場合、とりわけ改善される。
本発明の第一の形態に係る好ましい方法によって生産された、酸化された金属粉末粒子の金属コアの周囲に形成された酸化物のシェルは、周囲温度で実質的に絶縁性を示し、絶縁性酸化物マトリックス内でランダムに分布した金属の粒子からなるフレーム溶射された堆積物の周囲条件下での伝導率がゼロになると予想されるが、驚くべきことに、実際にはそうではない。
周囲環境での伝導現象の考えられる説明は、以下に示す通りである。
電子は、金属のコアから「逸散」し、電子が金属から真空に逸散するのと同じ方式でバルクの酸化物に放散する可能性がある。
これにより、各金属粒子の周りに過量の電子の「雲状物(cloud)」が形成され、その負電荷は、金属のコアの表面上の正電荷によって補填される可能性がある。酸化物の仕事関数は金属の仕事関数よりもかなり高いという事実に基づけば、この状態が発生する確率は高い。
金属のコアからバルクの酸化物への電子の移動は、空間電荷が発生する原因になり、バルクの酸化物マトリックス内に包含される金属の濃度が十分に高い場合、金属の粒子の周囲の空間電荷がオーバーラップして、複合材料を通じる連続的な導電性パスを形成することができる。また、例えばフレーム溶射による堆積プロセスによるバルクの酸化物におけるある程度の構造的な障害によっても、酸化物マトリックス内の電子の移動度が強化される可能性がある。
実際に、本発明の第二の形態に従ってフレーム溶射による堆積プロセスを用いると、具体的に望ましい導電特性が達成される可能性があることが見出されている。
金属酸化物の粒子を様々な絶縁性または導電性の基板材料上に堆積して、単層のワイドギャップデバイスのような放射線検出デバイスのために使用してもよい。これらは、現行のNaIおよびCZTデバイスの代わりに用いてもよい。
これらは、大気腐食への耐性などの多数の利点を有する可能性があり、このような耐性を有することは、必ずしも予防的な封じ込め(containment)をしなくてもよいこと意味する。熱的または機械的なショックを受けにくく、例えばNaIデバイスよりもずっと強健なデバイスを提供することが可能である。
さらなる利点は、これらは、必ずしも「クリーンルーム」状態または高純度の材料を必要としないことである。本方法は、市販の材料、すなわち本質的により安価な材料を利用する。このような金属酸化物デバイスは、数平方メートルもの大面積サイズで容易に製造することができる。
単純な層構造に加えて、このような金属酸化物は、三次元形状で生産することも可能である。例えば、ロボット用のコンピューター制御プログラムの一部として用いられる数学的な方程式によって、形状を定義することが可能である。
また、「n」および「p」型半導性を有する金属酸化物の粒子を基板上に堆積して複数の層を形成してもよく、例えば、このようにしてダイオードを生産することができる。
ダイオードは、第一の層が「n」型の場合は第二の層が「p」型になるように(または、逆もまた同様)、「n」または「p」型酸化物層を、導電性の層が塗布された金属基板または絶縁性の基板上に高温(例えば火炎)で溶射し、続いて、この第一の層に、酸化物からなる第二の半導体層を(ただしより小さい面積で)高温(例えば火炎)で溶射することによって製造することができる。
続いて、第二の酸化物層の上面に接触層を塗布して、基板と接触層上部との間に電圧がかけられると2つの酸化物層を通って加えられた電圧の方向に電流が流れるようにする。
またダイオードは、図3および4で示されるように、3つの酸化物層を「n」、「p」、「n」、または、「p」、「n」、「p」の配列で組み合わせることによっても生産することができる。
一般的に、放射線検出器は、広範に様々な強度およびエネルギーを有するエネルギーを放出する放射線源が照射される可能性がある。
強度は低いが高エネルギーの放射線を放出する源もあるが、一方で、例えばX線源のような強度は高いが低エネルギーの放射線を放出する源もある。
検出しようとする放射線の性質に応じて、nおよび/またはp型層を生産する際に、所定の金属を半導体システム内に包含させることによって、その所定の金属の特定のタイプの放射線を捕獲する能力を利用することができる。例えば、中性子を検出するためには、ガドリニウム、バナジウム、ホウ素、リチウム、および、ウラン235のような金属が包含されてもよく、さらに、上述の遷移金属と併用してもよい。
これらの金属が、単独または合金の形態のいずれかで本発明に従って酸化されている場合、これらの金属は半導体になる可能性がある。これらの金属は、中性子検出器として二重の反応性を有していてもよい:第一に、高速で移動する中性子が捕獲されると、それらの運動エネルギーは熱エネルギーに変換されて温度を高め、その結果として、酸化物の抵抗を減少させ得る。第二に、および同時に、中性子の捕獲は、一般的なアルファ、ベータおよびガンマ線と予想され、これらは順に電荷担体を生成すると予想され、両方の作用が、外部回路中を流れる電流の増加によって検出される。
好ましくは、本明細書で説明されているようにして金属酸化物の粒子から作製されたダイオードの厚さ、すなわち抵抗は、様々にすることができる。これは、フレーム溶射または熱蒸着させる半導体の酸化物の層の数を増加させることによって達成することもできる。
従って、単層のワイドギャップ、および、多層のダイオード検出デバイスのいずれも、特定の源から放出される放射線を適合させることによって、このようなデバイスの効率と感度が最適化されるように「特注」することができる。
本発明の第一の形態に係る好ましい予備酸化方法を含む手法によって製造された放射線検出デバイスは、同じ条件下で、現存するデバイスよりも高いエネルギーシグナルを生産することが見出されており、その結果として、このようなデバイスは、比較的低い電圧で、且つ比較的複雑ではない電子機器で稼働させることができる。
このようにして生産された金属酸化物の粒子から作製されたダイオードは、シリコンおよびゲルマニウム技術に基づく現存するデバイスを超える利点をする可能性がある。
このような利点には、既知のシリコンまたはゲルマニウムデバイスに比べて明らかなコスト減少が含まれることもある。出発原料として用いられる金属および金属合金粒子は、廉価の金属である。例を挙げると、二成分の遷移金属合金粉末のコストは、1グラムあたり3ドル前後であり得る。それに対して、ゲルマニウムのコストは、1グラムあたり900ドル前後である。本発明に係る製造プロセスは、好ましくは、通常少ない資本と運転費しか要しないフレーム溶射のみを含む。
フレーム溶射による製造プロセスは、効率的且つフレキシブルである;さらに、特殊なデバイスを少量で生産するように特注することもできる。具体的な必要条件に応じて、適度なコストで少量のデバイスを生産する能力は、半導体材料の競合分野において重要な利点である。
本明細書で説明されている本発明の形態に従って作製された半導体材料は、金属酸化物、特に好ましくは遷移金属酸化物を含み、さらにこれらは、高レベルの放射線や弱酸および塩基による腐食に対して抵抗であることが好ましい。このようにすることによって、それらはより強健になり、SiおよびGeデバイスよりも動作寿命が長くなると予想される。
好ましくは、このような半導体材料は、ロボットを用いて、基板(例えば金属基板)上に酸化物を堆積させることによって生産することができる。堆積プロセスは自動化されていることが好ましい。この方法において、半導体材料のサイズは、加工ロボットのサイズによってのみ限定されればよい。例えば、酸化物層は、2m2までの基板上に生産することができる。このような大きいデバイスは、現行のシリコンおよびゲルマニウム技術では全く不可能である。
本方法は、遷移金属および金属合金から誘導された多様な異なる酸化物を利用することができる。得られた半導体材料のバンドギャップ値は、合金組成を変化させることによって特注することができる。そのため、好ましくは、改善された感度、および、例えば高い強度の放射線の具体的なタイプおよび波長に合わせて「特注された」特性を有する半導体材料の製造が可能になる。
大面積の半導体材料を生産する能力によって、より強力なシグナルが生成される可能性がある。より強力なシグナルは、好ましくは、放射線検出デバイスからのアウトプットシグナルを増加させる可能性があり、これは、アウトプットシグナルを加工するのに用いられる電子データの選択機器の複雑さを低減させることが可能であることを意味し、それによってコストを減少させることことができる。
半導体材料は、好ましくは周囲温度で稼働するが、上記の金属酸化物は、それらが周囲温度を超える温度で稼働する場合にも適している。好ましい実施態様において、最適な性能は周囲温度で達成される。室温で、および、室温前後で稼働する能力によって、半導体材料で作製されたデバイスの使用中に冷却するための低温を使用する必要性をなくする可能性がある。
半導体材料を作製したら、続いて、その材料に電圧をかけると材料を通る電流の流れが検出され、放射線の強度が決定できるように、材料に電気接触部を取り付ける必要がある。
接触部は、基板および/または半導体材料上に堆積させた銅、アルミニウムまたはニッケルで作製されたものでもよい。例えば、金属の接触部は、マグネトロンスパッタリングによって堆積させてもよい。あるいは、接触部は、基板または金属酸化物層上に、フレーム溶射されてもよい。このアプローチは、コストと現存する接触部の方法論が有する複雑さを低減する。
単層の酸化物デバイスは、光導電性の作用によって電荷担体を生成する可能性があり、「n」および「p」型酸化物の組み合わせは、光電効果によって電荷担体を生成する可能性があると考えられる。
好ましくは、「n」および「p」型酸化物による2つの厚い層からなるデバイスは、両方の作用によって電荷担体を生産すると予想され、従って、より強力で効率的な検出器が形成される。
本明細書で説明されている半導体性の金属酸化物センサー/検出器デバイスは、稼働中に電磁場へ晒されることによって、それらの感度が改善されている可能性がある。序盤で述べたように、アクチニド、および、ランタニド族から選択される元素を包接させることによって感度も改善される可能性がある。
半導体の酸化物内での電荷担体の生成は、カスケード作用によって強化される可能性があり、それによって入ってくる高エネルギーの放射線が、さらなる二次電子を生成するのに十分な高いエネルギーを有する電子を生成すると予想される。
本発明の方法は、球状の粒子、または、不揃いな粒子のどちらを使用してもよく、予備酸化工程によって、例えば20〜24%の酸化レベルを容易に達成することができ、それにより、より高度な半導体性、フレーム溶射されたマトリックスにおける酸化物量の増加、および、より優れた電荷担体の生成が提供される。
例えば18〜28重量%の酸化が達成可能な予備酸化工程によって、堆積と同時に急冷する必要がなくなる。酸化度が増加すると、より大きい電子エネルギーを有する粒子の境界が付与される。
予備酸化プロセス、および、フレーム溶射/熱蒸着工程の両方において、化学量論的な酸素/燃料混合物を用いることができる。化学量論的な酸素/燃料ガス混合物によって火炎の温度が最大になるため、酸化され堆積される粒子がより高温となり、強化された予備酸化状態、および、より高密度で均一なフレーム溶射/熱蒸着された酸化物層が提供される。
実施態様および実験の詳細な説明
図1〜4は、単層および多層のダイオードの放射線検出デバイスを示し、その一般構造は従来技術において既知であるが、本発明の実施態様の放射線検出デバイスの構造の例でもある。
図1は、基板3上における単層のワイドギャップ検出デバイス1を示す。接触部5は、単層1の両方の端部に位置する。使用の際に、入射放射線7が単層1内で電荷担体を生成すると、外部回路において電流の流れが検出されるように、接触部5を通って電圧がかけられる。従来技術において、単層1は、例えばNaI単結晶と予想される。本発明の実施態様において、単層1は、金属酸化物、例えば遷移金属酸化物であってもよく、これらはn型またはp型のどちらでもよい。好ましくは、金属酸化物の粒子は、金属のコア、および、外部の酸化物のシェルを有し、より好ましくは、18〜25重量%の酸化度を有する。
図1aおよび1bにおいて、単層の検出デバイスは「横向きの」立体配置で示され、このような場合、接触部5は横方向に互いに離れており、単層上でそれぞれ縦方向の端部に配置される。これは、以下、「横向きの立体配置」と称する。
また、図2aおよび2bに示す放射線検出デバイスも単層検出デバイスであり、このような場合、接触部と導電性支持体との間に単層が堆積された「側面の」立体配置を有する。
この立体配置において、基板9は単層11を支持し、接触部13は、単層の長さに沿って設置されている。基板9は導電性であり、および、基板9および接触部13を通って電圧がかけられる。入射放射線15によって単層11内で電荷担体が生成されると、外部回路において電流が検出される。
従来技術のデバイスにおいて、単層11は、CZT単結晶であってもよい。本発明の実施態様において、単層11は、金属酸化物のマトリックス、例えば遷移金属酸化物のマトリックスであってもよく、n型またはp型のどちらでもよい。金属酸化物のマトリックスは、上述のような予備酸化された金属を含む粒子を、少なくとも部分的に溶融した状態で堆積ことによって得てもよい。
図3aおよび3bは、多層の放射線検出デバイスの横向きの立体配置を示す。
基板17上には、第一の金属酸化物層19、第二の金属酸化物層21、および、第三の金属酸化物層23がある。これらの金属酸化物層は、材料の長方形のストリップの形態であり、これらのストリップが、それらのそれぞれ向かい合う端部領域の一方で、第一の層19が基板17と接触し、第二の層21が第一の層19の上部にあり、第三の層23が最上に配置されるように互いに重なり合って、ラミネートが提供される。ストリップ19、21、23の端部のそれぞれ向かい合う端部領域の他方において、これらストリップは互いに一致しておらず、それぞれ露出した縦方向のストリップ端部が提供されるように基板17の上でのみ重なっており、これらストリップそれぞれに、それぞれの接触部25が付着している。図3bで示すように、ストリップ21および23のそれぞれの端部は、それらそれぞれの水平面よりも下に置かれ、基板17と接触している。使用の際に、直流電流がデバイスに流され、入射放射線27によって電荷担体が生成される。この検出デバイスは、観察された電流における放射線による変化を検出する。
従来技術において、これら3層は、シリコンおよびゲルマニウムベースの材料を含む。本発明の実施態様において、これらの層は、これまでに説明したように、金属酸化物、例えば遷移金属酸化物から形成される。
これら3層の順番は、n型導体とp型導体とが交互になるように、すなわちn−p−n、または、p−n−pのいずれかになるように配列される。
図4aおよび4bは、側面の立体配置で示される二重の層の放射線検出デバイスを示す。導電性の基板29は、第一の層31を支持しており、その上部に第二の層33が形成され、最終的に接触部35が形成される。
接触部35と基板29との間に直流電流が流される。入射放射線37によってデバイス内で電荷担体が生成され、それにより外部回路で観察された電流の流れが変更される。
従来技術において、層31および33は、シリコンおよびゲルマニウムから形成されると予想される。本発明の実施態様において、これらの層は、部分的に酸化された金属を含む粒子、例えば遷移金属酸化物から形成してもよく、n−pまたはp−nの順番で堆積させることができる。
ここで図6を参照すると、これは、本発明の第一の形態に従って金属を含む粒子を予備酸化するための装置の概略図を示す。
酸化装置100は、バーナーユニット102を含み、このユニットは、粉末106の流れをノズル108の内部107(ここで粉末が火炎中で酸化されると予想される)に運搬するための粉末の注入口チャンネル104を有する。
バーナーユニット100はさらに、酸化ガス112の流れを受けるための酸化ガスの注入口110、および、燃料ガス116の流れを受けるための燃料ガスの注入口114も含む。バーナーユニット内において、酸化ガスと燃料ガスとが混合チャンバー118中で混合される。次に、混合されたガスは、ノズル108の外部120を通過する。
このガスがノズル108から出る際に点火され、火炎122を生じ、124の最も高温の部分がノズル108の真下(例えば、ノズルから10mm下)になる。
粉末がノズルを出る際に、粉末は部分的に酸化され、火炎に入り、火炎124の最も高温の部分を通過する。
バーナーユニットの下に環126があり、この環は、酸素130の流れを火炎122の外側の部分に導くための複数の(例えば5個の)小さいノズル128を有する。この環に、注入口132を介して酸素が供給される。このようにして形成された酸素の「囲い」によって、酸化度が増加することが見出された。
環126の下には、火炎を取り囲む高温のガラスチューブ134があり、これは環と同中心である。この種のチューブの存在によって、酸化度が増加することが見出されている。
酸素の「囲い」、および、ガラスチューブは、火炎の端で渦を生成する効果を示す可能性がある。このようにしてガスが混合され、酸化度を増加させることができる。
部分的に酸化された、部分的に溶融した粒子136のストリームが火炎に入り、水で急冷する方式の回収装置138に落ちる。
部分的に酸化された粒子は、ろ過し、乾燥させることによって回収することができる。
以下の(プロセス)実施例および(性能)実験で、本発明の基礎となる原理を説明する。
安価で容易に入手可能な、商業的に製造された遷移金属合金粉末を選択し、これを、本発明の第一の形態に係る方法によって粉末を酸素/アセチレンの火炎に通過させることにより酸化し、酸化した後、水中で回収し、続いて乾燥させた。
この方法は図6の装置を用いて行われたが、このような方法において、導電性ガスは、それぞれ40L/分(酸素)、および、16L/分(アセチレン)の速度で供給され、これらそれぞれの流速は化学量論的な酸素:アセチレン比を付与し、それにより最も高温の火炎が提供された。これら粉末を、15〜20g/分の供給速度で火炎に供給し、10〜12L/分の速度で流動する酸素のストリームに同伴させた。粉末の供給器具中の粉末の体積の減少が起こるように酸素の流速を変化させてもよいし、異なる金属/合金粉末の密度を変化させるために、粉末供給速度を変化させてもよい。酸素の囲いを、ノズル128に酸素のストリームを10〜20L/分の供給速度で通過させることによって提供した。ノズルチップ109における粉末の火炎への入口から、水表面への距離は、600mmであった。
酸化プロセスを開始する前に粉末の流速を測定し、すなわち、酸素/金属の粒子のストリームを回収容器に60秒間落とし、回収された粒子の重量から、固定された粉末供給ユニットの設定に対する粉末の流速を得た。
表3に、実験1〜5で用いられたの粉末、および、本発明の第一の形態を具現化したプロセス(酸化)によって生産して得られた生成物の詳細を示す。
表3に示す粉末の粒度範囲に関して、これらは、粒子の最大および最小サイズを測定するマルバーンレーザー粒度解析器を用いて測定され、それぞれ−(最大サイズ)、および、+(最小サイズ)として示した。表3で示していないが、全てのサンプルに関して最小粒度は+1μmであった。それぞれの最大サイズは表3に示す通りである。
実験1−半導体性の証明
上記酸化物を、外形が長さ150mm X 幅50mmの長方形の形態を有する高温のホウ砂ガラス上にフレーム溶射し、そのガラスの両端部に銀製の接触部を付着させた。
続いて、酸化物サンプルを連続的にファーネスに入れ、600℃〜650℃まで加熱し、導電路(track)の抵抗の測定を10℃の間隔で行った。
得られた結果から、温度が高くなるにつれ抵抗が減少することが示され、さらに、グラフ形態でプロットすると、半導体性に特徴的な対数の関係が示された。
1/T℃に対してLogn(コンダクタンス)をプロットした第二の一連のグラフを作成したところ、その傾きから、上記酸化物は、可変的な活性化エネルギー準位を有し、実際にワイドギャップ半導体であることが示された。
簡単な加熱試験から、上記粉末サンプルはいずれも「n」型であることが示された。
上記酸化物のうち6種を、同様に長さ150mmおよび幅50mmの導電路として金属銅の層を予めフレーム溶射された無釉のセラミックタイル上にフレーム溶射した。酸化物導電路の上面の10mm X 10mm平方を銀塗料で塗装し、ワイヤー状の接触部が作製された接触域として作用するようにした。
続いて、これらの酸化物の導電路を、ダーズベリー(Daresbury)のシンクロトロンでそれらに極めて高い強度のX線放射線を照射することによって試験した。酸化物の導電路のうち2種がX線の入射に反応して電荷担体を生成し、これは加えられた電圧下での外部回路中を流れる電流の増加によって証明されたため、これら酸化物の導電路は実際にワイドギャップ放射線検出器であることが実証された。
実験2−「p」型酸化物の開発
数種の合金の粉末を得て、さらに純鉄、クロム、コバルトおよびニッケルの粉末も得て、実験1で説明されているように本発明の第一の形態に係る方法によって酸化した。
これらの酸化物のサンプルを、無釉のタイルからなる25mm平方の正方形の断片上にフレーム溶射し、ホール効果試験で処理した。得られた結果から、鉄、クロム、ニッケルおよびコバルトの一種の金属酸化物は半導体であることが示され、さらに、「p」型伝導を示し、Si−Al;Ag−Cu;および、Fe−Ni−Co合金も同様であった。
実験3-ダイオードの開発
6種の半導体の遷移金属酸化物において、そのうちいくつかは「n」型を有し、そのうちいくつかは、「p」型伝導を有することが同定された。
ダイオードの組み合わせとして、ホール効果試験で最も強い「n」および「p」型特徴を示した4種の酸化物を選択した。これらは、以下の金属酸化物であった:
(66%Ni−34%Mn)−「n」型;クロム−「p」型;コバルト−「p」型;および、(92%Si−8%Al)−「p」型。
無釉のタイルの3インチ平方の正方形の断片上に、以下のようにしてダイオードを製造した:
(i)セラミック上に、電気接触部として作用するように銅の層をフレーム溶射する。
(ii)この銅の上に、直径70mmおよび厚さ200μmの「n」型(66%Ni−34%Mn)酸化物の層をフレーム溶射する。
(iii)「n」型酸化物の上に、直径50mmの「p」型酸化物の1種をフレーム溶射する。
(iv)「p」型酸化物の上面に、銀塗料の薄層を直径10mmで塗布し、これを乾燥させた後、銀塗料の領域にワイヤー状の接触部をはんだ付けする。
この方法を用いて、以下の3種の別個のダイオードを生産した:(66%Ni−34%Mn)/Cr;(66%Ni−34%Mn)/(95%Si−8%Al);および、(66%Ni−34%Mn)/Co。
続いて、ダイオードを直流電源に接続し、順および逆バイアス電圧をかけた。
電圧/電流曲線は、シリコンおよびゲルマニウムダイオードに関して標準的な教本で示される曲線と同一であったため、これらのデバイスはダイオードとして作動することが示された。
(66%Ni−34%Mn)/クロム、および、(66%Ni−34%Mn)/(92%Si−8%Al)の組み合わせは、典型的な「p」/「n」ダイオードであり、(66%Ni−34%Mn)/コバルトは、典型的なアバランシェダイオードである。
さらなる酸化物の組み合わせとして、(66%Ni−34%Mn)/鉄の組み合わせを作製した。この場合でも、典型的な「p」/「n」型ダイオードの特徴が生じた。
実験4−一貫性(consistency)の証明
(66%Ni−34%Mn)/Feダイオードを、20℃〜100℃の一連の異なる範囲の温度で、逆および順バイアス電圧/電流試験で処理したところ、得られた曲線は、同じ範囲で試験されたシリコンダイオードの曲線と同一であり、これから、温度が増加するにつれてバイアス電圧が減少することが実証された。
加えて、第二の同一なダイオードを、同じ順および逆バイアス電圧の3サイクルで処理したところ、同一な電圧/電流曲線が生じ、稼働の一貫性が実証された。
実験5−X線放射線に曝露した際のダイオードの試験
目的
この試験の目的は、本発明の第一(酸化)および第二(加熱および堆積)の形態に従って、連続したそれぞれのプロセスによって生産されたダイオードの、逆バイアス電圧下でX線放射線を照射した場合の挙動の特徴を決定することである。
サンプルダイオード
サンプルは、フレーム溶射された厚さ30μmの銀−銅合金の層で片面が被覆された、無釉のセラミックからなる厚さ6mm、50mm平方の正方形からなる。
厚さ160μm、直径35mmのMn(34%)/Ni(66%)合金の「n」型酸化物の層を、導電性銀−銅合金上にフレーム溶射した。この「n」型酸化物上に、厚さ60μm、直径15mmのCr(99.5%)からなる「p」型酸化物の第二の層をフレーム溶射し、両方の堆積物はほぼ同軸であった。
溶射されたAg/Cu層への電気接触部を、適切な場所で薄い銅ワイヤーの断片をはんだ付けし、「p」型酸化物上に、直径10mmの領域に銀塗料を塗布することによって製造し、これを乾燥して、EMFが適用される際に、電流が上部の接触部から下部の接触部へと両方の酸化物層を通過して流れるように、銀の領域上に第二の薄い銅ワイヤーをはんだ付けした。
器具の立体配置(Equipment Configuration)
サンプルを、通常XRD解析に利用されているX線源の出口に固定し、銀の接触域がX線アウトプットの開口部を覆い、ただしそれから30mm前後離れるようにしてに並べた。
2つのダイオードをワニ口クリップによって接触させることによって3.0アンペアの電流制限を有する15ボルトの直流電源が発生し、X線キャビネット内の直流電源の位置を、全ての放射線から完全に遮蔽されるように配置した。
実験手法
X線源のスイッチを入れ、40KVの正常なパワーレベルで稼働し、安定させるために20ミリアンペアが15分間前後残るように設定した。
周囲温度は20℃と記録された。
0.25ボルトの段階で、連続した逆バイアス電圧を−0.5V〜−2.0Vの範囲でダイオードにかけた。これが同一なサンプルで予め決定された−2.7/−3.0ボルトの破壊電圧に近づいたら、−2.0ボルトの上限を選択したところ、アバランシェ状態を開始させる利点を有さないことが観察された。
連続的に増加させた逆バイアス電圧をダイオードにかけ、初期電流をダイオードに通し、記録を取る前に安定させた。
初期電流が安定したところで、X線の遮蔽を開き、CuKαX線ビームを上部の「p」型酸化物層の銀の接触域上に衝突させ、電流の流れの変化、および、その変化に必要な時間を正確に記録した。表1に、観察されたデータを示す。
Figure 2008541469
これらの結果のグラフを図5に示す。
結果に関するコメント
電流を流したら、−0.5、−0.75、−1.0および−2.0のバイアス電圧でX線放射線に曝露した際の値の即時の増加を示した。
−1.25および−1.50ボルトに関する誤った結果は、電圧調整の際にX線キャビネットの扉を開閉する際の振動によって、ワニ口クリップが接触部に入り込みショートしたために引き起こされた。
遺憾ながら、利用可能な時間枠内に試験を繰り返すことは不可能であった。試験した結果として、これらのダイオードは特性の変化を示さなかった。
しかしながら、ダイオードがX線放射線照射の作用に正に反応し、ミリアンペアレベルで電流の増加が生じ、それに対して、従来のデバイスでは、通常のマイクロアンペアまたはナノアンペアの結果しか得られなかったことが観察できる。
効率/感度の計算
以下で、入手が極めて難しいXRD機器メーカーによって供給された情報とその他の情報源によって供給された情報からダイオードの効率の計算を試みた。
製造元の推奨によれば、チューブへの電力供給:40KV×20ミリアンペア=800ワット、チューブの稼働効率は最大でも1%であった。
チューブからのアウトプットエネルギーは、8ワットであった。銅のKα放射線は、波長1.4オングストロームで利用可能なビームエネルギーのわずか10%であり、残りは散逸された。
従って、サンプル上にかけられた最大エネルギーは、0.80ワットであった。CuのKα波長8KeVでのフォトン/秒への換算係数は、以下の通りである:
1ミリワット=7.8×1011フォトン/秒。
0.80ワット(800ミリワット)のビームのアウトプットに関して、サンプル上にかけられるフォトンの流れは、800×7.8×1011=6.24×1014フォトン/秒であり、これは、インプットエネルギーとみなすことができる。
電流の増加が、1ミリアンペア=6.24×1015電子の変換速度でのアウトプットエネルギーとみなされる場合、以下の表2で示されるように、結果を表にすることが可能である。
Figure 2008541469
これらの結果によれば、試験されたダイオードが、極めて有効なエネルギー変換デバイスであることが示される。しかしながら、以下で列挙したその他の因子を考慮にいれなければならないと考えられる。
機器の製造元によって提供された情報の精度に関して疑いがある。まず第一に、チューブの運転効率を参照すると、これは、最大1%として示されている。しかしながら、この値の増加はわずかでも結果に著しい作用を有すると予想される。同様に、放出されたX線の10%だけがCuKαであり、これだけがダイオードに何らかの作用を有していたという仮説が立てられる。しかしながら、実際には、ダイオードはCuKαよりもかなり大きいスペクトル領域に応答するならば、このことも結果に影響を与えると予想される。加えて、どれだけのフォトンの流れのパーセンテージがサンプルに吸収されたかを決定することは不可能である。
その代わりに、酸化物の特徴に関するこれらの結果を説明することが可能である。
フォトンの流れの濃度1015フォトン/秒を用いたシンクロトロン系での、試験サンプルと同じ厚さを有する「n」型酸化物の単層に関する以前の実験的な試験によれば、これらの単層デバイスは、増加した電流の流れが類似のレベルを示すことが示された。この場合のエネルギー変換メカニズムは、光導電性作用であると予想される。
従って、このような空乏相の外側の大量の「n」および「p」型酸化物が、それらの連結部において光導電性作用により電荷担体を発生させること、および、空乏相で光電効果により電荷担体を生成すること、および、これらの二つの作用は累積的であり、極めて効率的/高感度のデバイスが生じることが可能である。
Figure 2008541469
表1を参照すると、クロムのサンプル(B、S、T、U)において、不純物は例えばC、Si、Na、Caであるが、伝導率に有意な作用を示さない程度に十分低い量で存在し、十分に分散されていた。
サンプルS、TおよびUは全て同じマルバーン粒度範囲を有するクロムのサンプルであるが、それぞれ異なる供給元から入手した。同様に、Mn(34%)−Ni(66%)のサンプルAおよびHは、それぞれ異なる供給元から入手した。
全ての粒子から、金属酸化物のシェルと金属のコアとを有する金属酸化物の粒子を得た。
いずれの合金粒子にも、n型またはp型層のいずれかが提供されるように、それぞれ異なる原子価を有し、それぞれ異なるモル数の特徴で存在する少なくとも2種の金属が含まれる。
少なくともコバルトのサンプル(サンプルC)、および、合金Al(66%)−Ni(34%)のサンプル(サンプルJ)、および、Cu(91.6%)−Al(8.4%)のサンプル(サンプルN)に関して、75μmまたは80μmもの大きさを有する粉末を含む粒子は、不良な酸化結果を示したが、合金粉末Cu(91.8%)−Ag(8.2%)のサンプル(サンプルI)に関しては、45μmもの大きさを有する粒子の存在によって、不良な酸化を示したようである。一方で、45μmもの大きさを有するクロム粉末を含む粒子は有意な程度に酸化され、優れた結果を示した。しかしながら、サンプルIに関しては、不良な酸化レベルは、恐らく、原子価がわずか1しかないAgが大量に存在したことによる可能性が高いが、サンプルJおよびNに関しては、不良な酸化レベルは、それに加えて、高いアルミニウム含量、粒子への酸素のパスをブロックするAl原子の傾向が小さいことによる可能性がある。
高い強度のフォトンX線ビームを検出するために、連続モードで、すなわち絶えず直流電圧が加えられる状態でダイオードが用いられる場合、ダイオードは、100〜200オームの抵抗、さらにそれよりも高いの抵抗を有する必要がある。その結果として、表1に示すようなタイプA、B、FおよびSの高い抵抗の酸化物は、最良の結果を提供する。
しかしながら、低い強度だが高いエネルギーのアルファ、ベータおよびYガンマ線源に関して、低い抵抗の酸化物、例えばタイプC、I、J、K、L、NおよびRを使用すること(ただしパルスモード条件下での稼働)が可能である。
パルスモードにおいて、電圧は、時間を定められたパルスとしてかけられ、各パルス間をゼロに減少させた。理想的には、電圧パルスがかけられる頻度は、活性な源によって放出される放射線の頻度に相当する。
例えば、高い強度のX線フォトン源は、1秒あたり108〜1015の範囲でフォトンを放出する。低い強度の源に関して、この範囲は、1秒あたり102〜104の規模になる。
実験6−検出デバイス
片面に導電性の層が塗布されたセラミック基板からなり、その上に半導体の酸化物のストリップが塗布された酸化物の検出器デバイスを作製した。
導電性の層と、酸化物層の上面に塗布された導電性の銀塗料の20mm平方の正方形との間に電気接触部を作製し、かけられたEMFの影響下で酸化物層の厚さを通して電流が流れるようにした。
試験のために、総計6種の異なる半導体の遷移金属酸化物サンプルを製造した。以前の試験から、このような酸化物は、「n」型の外因性の伝導性しか有さず、0.1eV〜8.5eV〜9.6eVの範囲の連続的な活性化エネルギー(バンドギャップ)スペクトルを示すことが示されていた。
この広範囲の活性化エネルギースペクトルは、このような酸化物が、「チューナブル(tunable)」放射線検出デバイスとして作用すると予想されることを示す。
シンクロトロンからのX線ビーム、試験サンプル、および、24ボルトの可変直流電力からなる試験機器は、電流制限を供給する。
各サンプルを、X線放射線源から60〜75mmの距離に連続的に固定し、20mm平方の正方形の銀の接触域の一部分上にビームが衝突し、絶縁された銅のリードが、サンプルと可変直流電源とを連結するようにした。
電圧をサンプルにかけ、ベースの電流の流れを安定化させ、値を記録した。
X線ビームを銀の接触域上に衝突させ、流れる電流のあらゆる変化を観察し、記録した。
電流値の変化の期待値に関する基準は、半導体の酸化物へのX線放射線の作用が、電流の流れの増加として説明される電荷担体を生成すると予想される現象に基づく。
表4に、この結果を記載し、初期に加えられた電圧および電流、ならびにあらゆる電流の流れの変動を、時間と共に示す。
Figure 2008541469
電流の流れの変化を示さなかった3種のサンプル3、4および6に関して、加えられた電圧が、入射放射線によって電荷担体が生成し、生じた電荷担体を外部回路に流させるのに必要なエネルギー準位を活性化するのに十分ではなかったことがほぼ確実である。
これは、それよりも高い初期電圧をかけて、初期電流の流れを制限することによって修正できる場合がある。
サンプル2および5に関して、電荷担体が生成する速度は、初期電流レベルを超えて100%もの規模で増加することから極めて有意であり、増加率は、わずか0.55および0.90ボルトの定電圧で時間と共に異なるエネルギー準位を活性化する程度の指標である。
全ての酸化物サンプルのマトリックスは、同じ厚さに生産したが、厚さを変更することによって固有の周囲の抵抗を増加または減少させ、それにより、それよりも高いまたは低い初期電圧を利用可能にし、より多くのエネルギー準位を活性化し、その結果より優れた電荷担体が生成されるようにする。
また、比較的高い初期電圧を適用ことによっても、より優れた電荷担体の運動が起こると予想され、従って、このようなデバイスの感度および反応速度が高められる。
試験サンプルのいずれかがX線放射線への曝露の結果として加熱されたという証拠はなく、従って、熱の作用による電荷担体は生成されなかった。
さらなる開発
例えば実施例1、および、実験1〜6で説明したような試験、および、それらの表1〜4で示した結果から、示されたあらゆる金属または合金粉末に関して、酸化反応は、粉末の単位重量あたりの時間、温度および表面領域に依存することが見出されている。実施例1において、時間および温度を固定し、様々なガスおよび粉末の流速、および、それらの火炎への入口と、酸化後に続くそれらの急冷する場との間の粒子の進行距離は全て、サンプルごとに変化させないままにした。従って、示された金属構成を有するあらゆる粉末に関して、酸化反応の速度は、火炎に入る粉末の単位重量あたりの表面領域の増加に伴い増加し、ここで、その表面領域は粒度の減少に伴い増加する。
また、燃焼ガスの供給速度を増加させ、同時にそこで酸素:燃料の化学量論量を維持することによって、火炎の熱がさらに増加することも見出されている。
従って、表3で示される実施例1で説明した試験の多くを繰り返したが、例外として、いくつかのサンプルに関しては粒度を大幅に減少させ、全ての場合において燃焼ガスの供給速度を50L/分(酸素):20L/分(アセチレン)とした。
クロムの場合(サンプルB)では、酸素の囲いが省略された。
その結果は表4で示される通りであり、加えて、新しいサンプルW〜ZおよびAA〜BBに関するいくつかの結果が示されており、これから中性子を検出するデバイスの製造において用途があると予想される。
各サンプルに関して上記の表3で示す通り、マルバーン層の粒度範囲は、表5で示されるように、最低限の+1μmから最大に拡張された(例えば−38μm)。
表5にも、XRDによって決定された部分的に酸化された金属の結晶構造を示し、それぞれのスペクトルは図7〜20に示す。特定の結晶構造を示す金属のコア、および、金属酸化物のシェルを有するこれらの粒子は、新規の材料であると考えられる。
Figure 2008541469
表5のコバルト粒子に関するサンプルCから観察されるように、粒度が、−80μm(最大マルバーンサイズ)から−38μmに減少することによって、酸化度が、5%(表1)から21%(表4)に増加したが、一方で、サンプルA、F、K、L、M、O、PおよびQそれぞれに関して、酸化度の有意な増加は、燃焼ガスのスループットが(化学量論的な酸素:燃料ガス比を保持しつつ)20体積%増加することによって起こる。
上記の実験から、以下の結論を導くことができる:
(a)優れた半導体特性に関して、酸化度は、好ましくは少なくとも20重量%であり、高ければ高いほど優れている。
(b)比較的高いパーセンテージのアルミニウムを含む合金は、酸化が極めて難しい;比較的小さいアルミニウム原子が大量に存在する場合、アルミニウム原子は、粒子への内部の酸素のパス、および、粒子内での内部の金属の流れをブロックすると考えられる。
(c)多くの酸化物の結晶構造は、スピネル、六方晶系、または、立方晶系の三種類に分類され、このような構造が改善された半導体特性に寄与する。
(d)半導体の酸化物の電子伝導をそれらの結晶構造から予測することが可能な場合が多い。
(e)第一の予備酸化段階によって生産された酸化物の結晶構造は、予備酸化プロセスによって特定され、予備酸化プロセスに依存する。
従って、特に、少なくとも700℃、特に少なくとも850℃、より具体的には少なくとも1000℃の融点を有する金属および合金に関して、第一の予備酸化段階のプロセスは、有意に高い酸化度だけでなく、改善された半導体特性を提供するのに適した結晶質の酸化物構造も提供する可能性があることが見出されている。
具体的には、我々は、酸化物がスピネル構造を有する場合、その酸化物は「n」型伝導を示すと予想され、その酸化物の化学式は、「AB24」である(ここで、「A」は2価の金属原子であり、「B」は3価の原子である)ことを見出した。同様に、一種の金属の酸化物が、六方晶系構造(例えばCr23)、または、立方晶系の形態(例えばNiOまたはCoO)を有する場合、その酸化物は、「p」型伝導を示すと予想される。
一つの明らかな例外は、磁鉄鉱のような酸化鉄である。これは典型的なスピネル構造であるため、「n」型伝導を示すと予想されるが、それに対して実際には、予備酸化工程によって生産されると「p」型特性を示す。これは恐らく、予備酸化プロセスによっては完全なスピネルにならず、むしろ立方晶系に近い形態になるためと説明できる。
予備酸化プロセスによって生産された半導体の酸化物の結晶構造は、その他のあらゆる手段、化学的またはその他の方法によって容易に生産することができるものではないということを評価しなければならない。実際に、このような部分的に酸化された金属を含む粒子は、プロセスそれ自身に対してそれぞれ固有であり、特に有効な半導体の酸化物センサーの生産を可能にすると考えられる。
上記のことから、酸化物のマトリックスに囲まれ、その中に配置された高い酸化度を有する金属のコアからなり、および/または、異なる特性の金属または異なる原子価の組み合わせからなる本発明に従って開発された酸化物構造は、他に類を見ないものであることが観察でき、すなわち放射線検出デバイスに使用するのに特に適している。
従って、これまでの放射線検出器に関する文献において、改良する概念は、利用される材料および化合物が、化学的に「純粋」であるということであった。シリコンおよびゲルマニウムダイオードの場合において、ベースのシリコンおよびゲルマニウムウェーハは、可能な限り最高の純度を有し、他の元素で厳密に定められた百万分率レベルに「ドープされる」だけである。
加えて、単層のワイドギャップデバイスに利用されるヨウ化ナトリウムおよびテルル化カドミウム亜鉛結晶も、可能な限り最高の純度レベルに生産される。これらの化学構造はいずれも、他の物質の別個の組み合わせによって囲まれた別個の元素/物質または物質の組み合わせを想定していないと考えられる。
逆に言えば、所定の本発明の形態に従って生産されたダイオードの操作がうまくいくかどうかは、もっぱら、高い酸化度を有する半導体の酸化物が、酸化物のマトリックス内に封入され、囲まれた金属中心で構成される構造からなるという原理に依存する。この構造によって、高い酸化度と組み合わされると絶縁性酸化物に導電性特性が提供される可能性もある。
加えて、他の本発明の形態によれば、異なる原子価の金属を異なる比率で組み合わせるという原理によって、「n」および「p」型半導体特性に依存するデバイスの生産が可能になる。
図1aは、単層の放射線検出器の横向きの立体配置を平面図で示す;図1bは、図1aの単結晶層の検出器を側面図で示す。 図2aは、単層の放射線検出器の側面の立体配置を平面図で示す;図2bは、同じ単層デバイスを側面図で示す。 図3は、3層の半導体ダイオードを平面図で示す;図3bは、同じ3層のダイオードを側面図で示す。 図4は、2層の半導体ダイオードデバイスを平面図で示す;図4bは、同じデバイスを側面図で示す。 逆バイアス電圧がかけられたダイオードのX線での放射線照射による電流の変化のグラフ表示を示す。 本発明の第一の形態に従って金属を含む粒子を予備酸化するための装置の概略図を示す。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。 本発明を具現化する部分的に酸化された金属を含む粒子それぞれのX線回折(XRD)スペクトルである。

Claims (107)

  1. 半導体デバイスに使用するための金属酸化物を含む粒子の製造方法であって、該方法は、
    酸素と、水素および炭化水素から選択される可燃性ガスを少なくとも1種を含む燃料成分との混合物によって生じた火炎中で、金属を含む粒子を加熱する工程(ここで、該酸素は、少なくとも粒子の外部シェル中で金属が酸化するように、燃料成分に対する化学量論量の10モル%以上および60モル%以下の比率で該混合物中に存在する);
    酸化された粒子を流体または昇華可能な固形媒体に供給することによって、それらを冷却させる工程;
    冷却された酸化された粒子を回収する工程;および、
    火炎への粒子の入口と、粒子の回収との間に、少なくとも300mmの距離を提供する工程、
    を含む、上記方法。
  2. 前記金属を含む粒子のストリームと、酸素のストリームとが火炎を通過して、高濃度化された酸素雰囲気が提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属を含む粒子のストリームが、前記酸素のストリームに同伴される、請求項2に記載の方法。
  4. 火炎を生じる前記酸素および燃料の混合物が、酸素を、燃料に対して化学量論量の10モル%以上および10モル%以下の比率で含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 追加の酸素のストリームを、前記粒子の入口近傍の周囲の領域から火炎中へと、粒子の進行通路に向かって傾斜する切頭円錐形の通路に沿って、且つ粒子の火炎を通過する進行方向に、向かわせることによって、火炎を取り囲み火炎に衝突する酸素の囲いを提供することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (a)前記酸素および燃料の混合物成分中に提供された酸素、(b)前記粒子が任意に同伴される際に提供された酸素、および、(c)前記囲いによって任意に提供された酸素の総量のモル比が、前記燃料成分に対する化学量論量の80%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記モル比が、前記化学量論量の60%以下である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記火炎への粒子の入口と、回収用の媒体の表面との間の距離が、少なくとも500mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記距離が、600〜800mmである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記粒子が進行する火炎の領域における火炎の温度が、少なくとも1300℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子が少なくとも700℃の融点を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子が少なくとも800℃の融点を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子の最大粒度が30〜50μmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記金属を含む粒子の最大粒度が、38〜45μmである、請求項13に記載の方法。
  15. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子の最小粒度が少なくとも1μmである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子の平均粒度が5〜25μmである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記金属を含む粒子の平均粒度が、15〜20μmである、請求項16に記載の方法。
  18. 酸化の後に、前記粒子の最大粒度が40〜50μmである、請求項13に記載の方法。
  19. 酸化の後に、前記粒子の最小粒度が少なくとも6μmである、請求項15に記載の方法。
  20. 酸化の後に、前記粒子の平均粒度が20〜30μmである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記金属酸化物の粒子が、少なくとも10重量%の酸化度(粒子の総重量中の酸素の重量%として示される)を有する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記酸化度が、少なくとも15重量%である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記酸化度が、少なくとも17重量%である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記酸化度が、少なくとも20〜24重量%である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記粒子の外部シェル中の金属は酸化されるが、前記粒子の内部コア中の金属は実質的に酸化されないままである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記粒子のシェル:コアの体積比が、少なくとも1.1:1である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記シェル:コアの体積比が、少なくとも1.2:1である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記金属を含む化合物の元素、または、前記金属を含む化合物の元素のそれぞれの少なくとも1種が、少なくとも2の原子価を有する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記金属を含む粒子が、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも低いモル濃度で存在させることによって、n型半導体に適した粒子が提供される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記金属を含む粒子が、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも高いモル濃度で存在させることによって、p型半導体に適した粒子が提供される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記金属を含む粒子が、少なくとも99モル%の一種の金属と、0.1モル%以下のその他のあらゆる個々の金属とを含むことによって、nまたはp型導体に適した粒子が提供される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量に基づき、少なくとも94重量%の少なくとも1種の金属元素を元素の形態で、または合金の一部として含み、ここで、前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれが、粒子の総重量の少なくとも5重量%の量で存在し、遷移元素の原子番号21〜29、39〜47、57〜79および89〜105、ならびに、インジウム、スズ、ガリウム、アンチモン、ビスマス、テルル、バナジウム、ホウ素、および、リチウムから選択され、さらに前記金属を含む粒子が、任意に、少なくとも1種の追加の元素および何らかの不純物を粒子の総重量の6重量%まで含んでいてもよい、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記金属元素または前記金属元素のそれぞれの少なくとも94重量%が、マンガン、ニッケル、クロム、コバルト、および、鉄から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記金属を含む粒子は、粒子の総重量に基づき、少なくとも99.5重量%のクロム、コバルト、鉄、および、ニッケルから選択される一種の遷移金属、または、少なくとも99.5重量%のそれぞれクロム、コバルト、鉄、ニッケル、マンガンから選択される少なくとも2種の金属の合金、および、前記任意の追加の元素として、5重量%以下のアルミニウムを含み、残部は何らかの不純物である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記金属を含む粒子が、マンガン(34重量%)−ニッケル(66重量%)、鉄(75重量%)−クロム(20重量%)−アルミニウム(5重量%)、鉄(50重量%)−ニッケル(50重量%)、鉄(50重量%)−コバルト(50重量%)、鉄(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(95重量%)−アルミニウム(5重量%)、および、鉄(54重量%)−ニッケル(29重量%)−コバルト(17重量%)から選択される合金を、粒子の総重量に基づき少なくとも99.5重量%含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記元素、または、前記元素の少なくとも1種が、バナジウム、ガドリニウム、および、ホウ素から選択される、請求項32に記載の方法。
  37. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量の少なくとも95.5重量%のバナジウムを含むか、または、粒子の総重量の少なくとも95.5重量%のバナジウム、ガドリニウムおよびホウ素から選択される少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト、ニッケルおよびクロムから選択される少なくとも1種の元素との合金を含み、残部は何らかの不純物である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記金属を含む粒子が、少なくとも95.5重量%の一種の金属バナジウムを含み、残部は何らかの不純物であるか、または、少なくとも95.5重量%の、鉄(82重量%)−バナジウム(18重量%)、ガドリニウム(34重量%)−コバルト(66重量%)、鉄(82重量%)−ホウ素(18重量%)、ニッケル(82重量%)−ホウ素(18重量%)、および、鉄(5重量%)−クロム(80重量%)−ホウ素(15重量%)から選択される合金を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記酸化された粒子が、それらを水に供給することによって冷却される、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記冷却された酸化された粒子を加熱して、それらを少なくとも部分的に溶融した状態にし、基板上に前記少なくとも部分的に溶融した粒子を堆積させる追加の工程を含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. フレーム溶射によって行われる、請求項40に記載の方法。
  42. 前記火炎および基板が、火炎への粒子の入口と基板の表面との間の距離を変えることなく、基板の異なる領域に粒子が溶射されるように、それぞれの互いに平行な平面で互いに相対的に動く、請求項41に記載の方法。
  43. 前記火炎への粒子の入口と、基板の表面との間の距離が、100〜180mmである、請求項41または請求項42に記載の方法。
  44. 前記距離が、110〜150mmである、請求項43に記載の方法。
  45. 基板上に粒子の半導体層を形成する方法であって、該方法は、
    高温のゾーンに、金属を含む粒子を供給すること;
    高温のゾーン中で、該金属を含む粒子を加熱して、該粒子を少なくとも部分的に溶融した状態にすること;および、
    基板上に、該粒子を少なくとも部分的に溶融した状態で堆積させること;
    を含み、高温のゾーンに供給された該金属を含む粒子が、金属のコアが酸化されないままで金属酸化物材料のシェルが提供されるように予備酸化されることを特徴とする、上記方法。
  46. 前記高温のゾーンは火炎であり、前記粒子が、溶射することによって基板上に堆積される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記火炎への粒子の入口と、基板の表面との間の距離が、100〜180mmである、請求項46に記載の方法。
  48. 前記距離が、110〜150mmである、請求項47に記載の方法。
  49. 前記火炎および基板が、火炎への粒子の入口と基板の表面との間の距離を変えることなく、基板の異なる領域に粒子が溶射されるように、それぞれの互いに平行な平面で互いに相対的に動く、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記相対的な動きは、基板上の望ましい半導体層の形状および/または立体配置またはそれらそれぞれを定義する数学的な方程式を導き、該方程式によって決定された指示を、相対的な動きを制御するための指示に反応するロボット利用のシステムに提供することによって制御される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記基板が絶縁層であり、該方法は、放射線を検出することができるデバイスが提供されるように、前記半導体層の選択されたそれぞれの領域上に、導電材料を塗布する追加の工程を含む、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 選択されたそれぞれの領域において、前記導電材料が、それぞれの領域ごとに独立して、プラスチック材料、金属、および、複合材料から選択される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記導電材料が、任意に有機または無機物質の接着剤を塗布した後に、フレーム溶射、電着もしくは無電解メッキ、または、真空もしくは部分的な真空プロセスによって、または、これらの方法のあらゆる組み合わせによって半導体層に塗布される、請求項51または請求項52に記載の方法。
  54. 前記導電材料が、それぞれ数学的な方程式によって定義可能な形状および/または立体配置を有する接触部が提供されるように前記半導体層に塗布される、請求項51〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 火炎に供給される前記金属を含む粒子の最大粒度が、35〜55μmである、請求項45〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記金属を含む粒子の最大粒度が、40〜50μmである、請求項55に記載の方法。
  57. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子の最小粒度が、少なくとも6μmである、請求項45〜55のいずれか一項に記載の方法。
  58. 酸化の前の状態で、前記金属を含む粒子の平均粒度が、25〜35μmである、請求項45〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記金属を含む粒子の平均粒度が、20〜30μmである、請求項58に記載の方法。
  60. 火炎に供給される予備酸化された前記金属を含む粒子が、少なくとも10重量%の酸化度(粒子の総重量中の酸素の重量%として示される)を有する、請求項45〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記酸化度が、少なくとも15重量%である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記酸化度が、少なくとも17重量%である、請求項61に記載の方法。
  63. 前記酸化度が、20〜24重量%である、請求項62に記載の方法。
  64. 予備酸化された前記金属を含む粒子のシェル:コアの体積比が、少なくとも1.1:1である、請求項45〜63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記シェル:コアの体積比が、少なくとも1.2:1である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記金属を含む化合物の元素、または、前記金属を含む化合物の元素のそれぞれの少なくとも一種が、少なくとも2の原子価を有する、請求項45〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 予備酸化された前記金属を含む粒子が、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも低いモル濃度で存在させることによって、n型半導体に適した粒子が提供される、請求項45〜66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 予備酸化された前記金属を含む粒子が、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも高いモル濃度で存在させることによって、p型半導体に適した粒子が提供される、請求項45〜66のいずれか一項に記載の方法。
  69. 予備酸化された前記金属を含む粒子が、少なくとも99モル%の一種の金属、および、0.1モル%以下のその他のあらゆる個々の金属を含み、それによって、nまたはp型半導体に適した粒子が提供される、請求項45〜66のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量に基づき、少なくとも94重量%の少なくとも1種の金属元素を、元素の形態で、または、合金の一部として含み、ここで、前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれが、粒子の総重量の少なくとも5重量%の量で存在し、遷移元素の原子番号21〜29、39〜47、57〜79および89〜105、ならびに、インジウム、スズ、ガリウム、アンチモン、ビスマス、テルル、バナジウム、ホウ素、および、リチウムから選択され、さらに前記金属を含む粒子が、任意に、少なくとも1種の追加の元素および何らかの不純物を、粒子の総重量の6重量%まで含んでいてもよい、請求項45〜69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれが、マンガン、ニッケル、クロム、コバルト、および、鉄から選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量に基づき、少なくとも99.5重量%のクロム、コバルト、鉄、および、ニッケルから選択される一種の遷移金属を含むか、または、少なくとも99.5重量%のそれぞれクロム、コバルト、鉄、ニッケル、マンガンから選択される少なくとも2種の金属の合金を含み、さらに、前記任意の追加の元素として5重量%以下のアルミニウムを含んでいてもよく、残部は何らかの不純物である、請求項71に記載の方法。
  73. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量に基づき、少なくとも99.5重量%のマンガン(34重量%)−ニッケル(66重量%)、鉄(75重量%)−クロム(20重量%)−アルミニウム(5重量%)、鉄(50重量%)−ニッケル(50重量%)、鉄(50重量%)−コバルト(50重量%)、鉄(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(95重量%)−アルミニウム(5重量%)、および、鉄(54重量%)−ニッケル(29重量%)−コバルト(17重量%)から選択される合金を含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記元素、または、前記元素の少なくとも1種が、バナジウム、ガドリニウム、および、ホウ素から選択される、請求項70に記載の方法。
  75. 前記金属を含む粒子が、粒子の総重量の少なくとも95.5重量%のバナジウムを含むか、または、粒子の総重量の少なくとも95.5重量%のバナジウム、ガドリニウムおよびホウ素から選択される少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト、ニッケルおよびクロムから選択される少なくとも1種の元素との合金を含み、残部は何らかの不純物である、請求項74に記載の方法。
  76. 前記金属を含む粒子が、少なくとも95.5重量%の一種の金属バナジウムを含み、残部は何らかの不純物であるか、または、少なくとも95.5重量%の、鉄(82重量%)−バナジウム(18重量%)、ガドリニウム(34重量%)−コバルト(66重量%)、鉄(82重量%)−ホウ素(18重量%)、ニッケル(82重量%)−ホウ素(18重量%)、および、鉄(5重量%)−クロム(80重量%)−ホウ素(15重量%)から選択される合金を含む、請求項75に記載の方法。
  77. 半導体材料としての使用に適した金属酸化物の粒子であって、該粒子は、少なくとも1種の元素金属を含むコア、および、該金属または該金属のそれぞれの酸化物を含むシェルを有し、該金属酸化物の粒子は、少なくとも10重量%の酸化度(粒子の総重量中の酸素の重量%として示される)を有することを特徴とする、上記粒子。
  78. 前記酸化度が、少なくとも15重量%である、請求項77に記載の金属酸化物の粒子。
  79. 前記酸化度が、少なくとも17重量%である、請求項78に記載の金属酸化物の粒子。
  80. 前記酸化度が、20〜24重量%である、請求項79に記載の金属酸化物の粒子。
  81. 前記粒子が、金属成分と酸素成分とを有し、そのうち金属成分は、金属成分の総重量に基づき、少なくとも94重量%の少なくとも1種の金属元素を、元素の形態で、または、合金の一部として含み、ここで、前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれが、前記粒子の金属成分の少なくとも5重量%の量で存在し、遷移元素の原子番号21〜29、39〜47、57〜79および89〜105、ならびに、インジウム、スズ、ガリウム、アンチモン、ビスマス、テルル、バナジウム、ホウ素、および、リチウムから選択され、さらに前記粒子は、任意に、少なくとも1種の追加の元素および何らかの不純物を、金属成分の総重量の6重量%まで含んでいてもよい、請求項77〜80のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  82. 前記少なくとも94重量%の金属元素または金属元素のそれぞれが、マンガン、ニッケル、クロム、コバルト、および、鉄から選択される、請求項81に記載の金属酸化物の粒子。
  83. 前記金属成分が、金属成分の重量に基づき、少なくとも99.5重量%のクロム、コバルト、鉄、および、ニッケルから選択される一種の遷移金属を含むか、または、少なくとも99.5重量%のそれぞれクロム、コバルト、鉄、ニッケル、マンガンから選択される少なくとも2種の金属の合金を含み、さらに、前記任意の追加の元素として、5重量%以下のアルミニウムを含んでいてもよく、残部は何らかの不純物である、請求項82に記載の金属酸化物の粒子。
  84. 前記金属成分が、金属成分の重量に基づき、少なくとも99.5重量%のマンガン(34重量%)−ニッケル(66重量%)、鉄(75重量%)−クロム(20重量%)−アルミニウム(5重量%)、鉄(50重量%)−ニッケル(50重量%)、鉄(50重量%)−コバルト(50重量%)、鉄(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(50重量%)−クロム(50重量%)、ニッケル(95重量%)−アルミニウム(5重量%)、および、鉄(54重量%)−ニッケル(29重量%)−コバルト(17重量%)から選択される合金を含む、請求項83に記載の金属酸化物の粒子。
  85. 前記元素、または、前記元素の少なくとも1種が、バナジウム、ガドリニウム、および、ホウ素から選択される、請求項81に記載の金属酸化物の粒子。
  86. 前記金属成分が、金属成分の重量に基づき、少なくとも95.5重量%のバナジウムを含むか、または、少なくとも95.5重量%のバナジウム、ガドリニウム、および、ホウ素から選択される少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト、ニッケル、および、クロムから選択される少なくとも1種の元素との合金を含み、残部は何らかの不純物である、請求項85に記載の金属酸化物の粒子。
  87. 前記金属成分が、金属成分の重量に基づき、少なくとも95.5重量%の一種の金属バナジウムを含み、残部は不純物であるか、または、少なくとも95.5重量%の、鉄(82重量%)−バナジウム(18重量%)、ガドリニウム(34重量%)−コバルト(66重量%)、鉄(82重量%)−ホウ素(18重量%)、ニッケル(82重量%)−ホウ素(18重量%)、および、鉄(5重量%)−クロム(80重量%)−ホウ素(15重量%)から選択される合金を含む、請求項86に記載の金属酸化物の粒子。
  88. 前記粒子のシェル:コアの体積比が、少なくとも1.1:1である、請求項77〜87のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  89. 半導体材料としての使用に適した金属酸化物の粒子であって、該粒子は、少なくとも1種の元素金属を含むコアと、前記金属または前記金属のそれぞれの酸化物を含むシェルとを有し、該粒子のシェル:コアの体積比が、少なくとも1.1:1であることを特徴とする、上記粒子。
  90. 前記シェル:コアの体積比が、少なくとも1.2:1である、請求項88または請求項89に記載の金属酸化物の粒子。
  91. 前記金属を含む化合物の元素、または、前記金属を含む化合物の元素のそれぞれの少なくとも1種が、少なくとも2の原子価を有する、請求項77〜90のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  92. 前記金属を含むコアが、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも低いモル濃度で存在させることによって、n型半導体に適した粒子が提供される、請求項77〜90のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  93. 前記第一の金属が、マンガン、クロム、ニッケル、コバルト、バナジウム、および、ガドリニウムから選択され、前記第二の金属が、鉄、ニッケル、コバルト、および、ホウ素から選択される、請求項92に記載の金属酸化物の粒子。
  94. 前記金属を含むコアが、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金を含み、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも高いモル濃度で存在させることによって、p型半導体に適した粒子が提供される、請求項77〜91のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  95. 前記第一の金属が、鉄、および、ホウ素から選択され、前記第二の金属が、ニッケル、コバルト、および、ホウ素から選択される、請求項94に記載の金属酸化物の粒子。
  96. 前記コア中に存在する金属が、少なくとも99モル%の一種の金属、および、0.1モル%以下のその他のあらゆる個々の金属からなり、それによって、nまたはp型半導体に適した粒子が提供される、請求項77〜91のいずれか一項に記載の金属酸化物の粒子。
  97. 前記前記一種の金属が、鉄、クロム、コバルト、および、ニッケルから選択される、請求項96に記載の金属酸化物の粒子。
  98. 金属酸化物を含む金属酸化物の粒子であって、該金属は、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金であり、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも低いモル濃度で存在させることによって、n型半導体に適した金属酸化物の粒子を提供する、上記粒子。
  99. 金属酸化物を含む金属酸化物の粒子であって、該金属は、第一の金属と第二の金属とを含む金属合金であり、ここで、前記粒子中において、第一の金属が、第二の金属の原子価よりも高い原子価を有し、且つ、第二の金属のモル濃度よりも高いモル濃度で存在させることによって、p型半導体に適した金属酸化物の粒子を提供する、上記粒子。
  100. 基板上に堆積させた粒子の層を少なくとも1つ含む半導体デバイスであって、該層または層のそれぞれが、請求項77〜99のいずれか一項に記載の粒子からなる、上記デバイス。
  101. 基板上の望ましい半導体層の前記形状および/または立体配置、または、前記形状および/または立体配置のそれぞれを数学的な方程式によって定義し、そこで、該方程式によって決定された指示を、基板への半導体層の堆積を制御するための指示に反応するロボット利用のシステムに供給する、請求項100に記載の半導体デバイス。
  102. 前記基板は絶縁層であり、導電材料は、放射線を検出することができるデバイスが提供されるように、半導体層の選択されたそれぞれの領域上に塗布される、請求項100または請求項101に記載の半導体デバイス。
  103. 選択されたそれぞれの領域において、前記導電材料が、それぞれの領域ごとに独立して、プラスチック材料、金属、および、複合材料から選択される、請求項102に記載の半導体デバイス。
  104. 前記半導体層に塗布された導電材料が、フレーム溶射、電着もしくは無電解メッキ、または、真空または部分的な真空蒸着した材料であり、任意に、有機または無機物質の接着層が、半導体層と導電材料との間に堆積されていてもよい、請求項102または請求項103に記載の半導体デバイス。
  105. 前記半導体層に塗布された導電材料が、それぞれ数学的な方程式によって定義可能な形状および/または立体配置を有する、請求項102〜104のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  106. 基板上に堆積させた請求項77〜99のいずれか一項に記載の粒子の層、および、互いに離れて設置され該層それぞれと接触している各電極を含む、広帯域検出器。
  107. 基板上に積層された複数の粒子の層を含み、そのうち少なくとも一つの層は、p型半導体層が提供されるように請求項77〜91、94〜97および99のいずれか一項に記載の粒子からなり、少なくとも一つの層は、n型半導体層が提供されるように請求項77〜93、96および98のいずれか一項に記載の粒子からなる、ダイオード。
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