JP2008536851A - 女性でテストステロンおよび関連ステロイドの濃度を増加させる方法 - Google Patents

女性でテストステロンおよび関連ステロイドの濃度を増加させる方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、それを必要とする対象における、テストステロン欠乏障害またはテストステロン欠乏障害と関連もしくは関係する症状の治療、予防、またはその発症リスクの軽減のための方法、キット、組合せおよび組成物に関する。本発明は、テストステロン合成系のステロイドをそれを必要とする対象に投与する方法にも関する。
【選択図】図2

Description

この出願は、その全内容が本明細書で参照により組み込まれている、2005年4月13日に出願の米国特許仮出願60/670753への優先権を主張する。
本発明は、テストステロンの有効量をそれを必要とする対象に経皮的に送達するための方法、キット、組合せおよび組成物に関する。
テストステロンの経皮製剤は、性腺機能低下症男性で血清テストステロンレベルを正常化して、アンドロゲン欠乏症の男性の臨床症状および長期影響を予防するために役立つ送達系を提供した。テストステロンの入手可能な経皮製剤としては、例えば、TESTODERM(登録商標)、TESTODERM(登録商標)TTSおよびANDRODERM(登録商標)がある。テストステロンは、注射剤として利用できるもの、例えばDEPO-TESTOSTERONE(登録商標)(テストステロンシピオネート)およびDELATESTRYL BTG(登録商標)(エナント酸テストステロン)、またはゲルとして利用できるもの、例えばこの出願の譲受人Unimed Pharmaceuticals, Inc.、Deerfield、Illinois、から市販されているANDROGEL(登録商標)を含む、他の製剤でも利用できる。
男性において、経皮パッチは、陰嚢皮膚または体の他の部分に適用される。近年では、1%テストステロンゲルが男性用に承認され、最小限の皮膚刺激性で投薬柔軟性を提供する。このゲルは、ANDROGEL(登録商標)という名前で市販されている。しかし、今日利用できる全てのテストステロン経皮製品は、米国の女性での使用は特に禁忌である。さらに、女性が今日利用できるアンドロゲン治療様式、例えば、経口メチルテストステロン、筋肉内テストステロンエステル注射または皮下テストステロンインプラントのいずれも、毎日一貫して再現性のあるテストステロン血清レベルを達成することができない。
A.女性におけるテストステロン生理学
成人女性の尿中のアンドロゲンステロイドの排出は、50年より前に示された。その時以来、生理学者および臨床医はヒト女性でテストステロンおよび他の内因性雄性ホルモンの供与源および生物学的機能を調査した。例えば、非特許文献1を参照。アンドロゲンは、女性では卵巣および副腎によって分泌されることが現在知られている。各供与源は、約50%(直接および前駆体を通して)(例えば、非特許文献2を参照)、健康な「周期中の」女性で毎日生産されるテストステロンの約300μgに寄与する(例えば、非特許文献3を参照)。多嚢胞卵巣症候群およびある種のアンドロゲン生産腫瘍で起こる過剰なアンドロゲン生産の悪影響は詳しく記載されている(例えば、非特許文献4を参照)が、女性におけるアンドロゲンの正常な生理作用の理解はかなり少ない。動物試験、男性生理学およびアンドロゲン生産欠乏症の女性の症状から推論されるように、正常な女性におけるアンドロゲンの主要な生理作用としては、それらには限定されないが、筋肉、皮膚、髪および骨に対する同化作用、赤血球生成に対する刺激作用、免疫機能に対する調節作用、ならびに感情、幸福および性機能に及ぼす心理的効果がある。
さらに、内因性アンドロゲンは陰毛の発達にとって重要であり、様々な生殖標的組織に及ぼすエストロゲンおよびプロゲスチンの作用を調整すると考えられる。アンドロゲンは、涙腺の分泌機能の調整で重要な役割を演ずるとも考えられている。
循環テストステロンの50%は、黄体形成ホルモンの管理下の卵胞膜細胞における直接的な卵巣による分泌に由来する。他の半分は、副腎性アンドロゲン前駆体デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオンおよび硫酸デヒドロエピアンドロステロンの末梢性の変換に由来する。また、テストステロンは、ジヒドロテストステロンまたはエストラジオールに変換される。ゆえに、テストステロンはホルモンおよびプロホルモンとしての役目をする。
テストステロンは、98%がタンパク質に結合して血液中を循環する。女性においては、結合の約65%は高親和性の性ホルモン結合グロブリンとのものである。残りの33%は、アルブミンと弱く結合する。ゆえに、テストステロンの測定のいくつかは、臨床検査室で入手可能である。本明細書で使用する用語「遊離の」テストステロンは、タンパク質と結合していない血液中のテストステロン分画を指す。本明細書で使用する用語「総テストステロン」または「テストステロン」は、遊離のテストステロンさらにタンパク質と結合したテストステロンを意味する。本明細書で使用する用語「生物学的に利用可能なテストステロン」は、非性ホルモン結合グロブリン結合性のテストステロンを指し、アルブミンに弱く結合したものならびに「遊離」と定義されるものを含む。性ホルモン結合グロブリンに最も強く結合するステロイドの親和性の順序は、ジヒドロテストステロン>テストステロン>アンドロステンジオン>エストロゲンである。性ホルモン結合グロブリンはジヒドロテストステロンと弱く結合するが、硫酸ジヒドロテストステロンはそうではない。表1は、正常な閉経前女性における近似ホルモンレベルを示す。
Figure 2008536851
しかし、歴史的にそのような低いホルモンレベルを測定することができるアッセイを開発することが不可能であったので、女性で何が「テストステロン欠乏症」を構成するかに関して一般的コンセンサスはない。これは、遊離のまたは生物学的に利用可能なテストステロンのレベルの測定で特に当てはまる。したがって、総合の、遊離の、および生物学的に利用可能な血清テストステロンレベルの測定を含む今日利用できる実験室評価は、低アンドロゲン症の女性を特定するのに広く用いられてこなかった。
B.女性におけるアンドロゲン投与
他のホルモン欠乏症状態との比較において、女性のテストステロン欠乏症は臨床実体としてほとんど無視され、定義もされなかった。それでも、アンドロゲン産生が明らかに不足し、関連症候が記載された明確な患者集団が存在し、その例としては、卵巣摘出/子宮摘出をされた若い女性、エストロゲン補充療法の閉経婦人、経口避妊薬を使用中の女性、副腎機能障害の女性、コルチコステロイドによって誘導された副腎抑制を有する女性、およびヒト免疫不全ウイルス陽性の女性が挙げられる。
正常な女性およびテストステロン欠乏症の女性にテストステロンを投与することの明瞭な利点にもかかわらず、ヒト用のテストステロン送達製剤のほぼ全ては、テストステロン欠乏症の女性よりもかなり多量のテストステロンを必要とする性腺機能低下症男性のために設計されている。その結果、これらの製剤および器具は、低用量のテストステロンを必要とする女性には一般に不適当である。例えばテストステロンエステルの筋肉内注射は男性のアンドロゲン補充の普及形態であるが、注射後の最初の2〜3日の非常に高いレベルのテストステロンのため、女性には不満足である。さらに、多くの女性は、この種のテストステロン投与でにきびの増加、および時折の陰核肥大を報告する。注射療法を受ける患者は、送達機構が痛みを伴い、局所の皮膚反応を引き起こすとしばしば訴える。
テストステロン濃度の増加は性的能力およびリビドーを変化させることが示されたので、研究者はテストステロンを男性に送達する方法を調査してきた。これらの方法としては、筋肉内注射(43%)、経口補充(24%)、ペレットインプラント(23%)および経皮パッチ(10%)がある。これらの方法の概要を表2で示す。
Figure 2008536851
しかし、女性が利用できる現在のテストステロン補充製品のいずれも、本明細書で記載される女性のテストステロン欠乏症状態の慢性治療のために米国で認可されていない。また、今日利用できるメチルテストステロン製品は経口投与することができるが、性腺機能低下症男性のためのテストステロン補充法としてもはや推奨されていない。例えば、非特許文献5を参照。長時間作用のテストステロン−エステル注射剤、例えばエナンタートまたはシピオネートは、男性への高用量(例えば200〜300mg)投与のために製剤化されており、女性に対してより低い用量(例えば50〜100mg)で投与されたときでも、生理的ホルモン濃度を超える(例えば、非特許文献6を参照)。テストステロンインプラントは過去に実験的に使われたが、同様に女性で生理的ホルモンレベルを超える。例えば、非特許文献7を参照。これらの製品と関連する超生理学的アンドロゲンレベルは、一部の患者で男性化させる副作用を起こした。例えば、非特許文献7を参照。また、例えば非特許文献6を参照。また、例えば非特許文献8を参照。
しかし、上記を考慮すると、経口錠剤製剤のメチルテストステロンおよびエストロゲンエステルの併用薬であるESTRATEST(登録商標)は、米国で女性の治療用に最も一般的に用いられるアンドロゲン製品である。しかし、現在、その唯一の承認された適用は、エストロゲン単独で改善されない患者における、更年期と関連する中等度から重度の血管運動症状の治療のためである。性腺機能低下症男性で推奨されるものより高いメチルテストステロンの薬理学的用量も、女性の乳癌を治療するのに用いられてきた。しかし、経口投与は患者で不適当なテストステロンレベルおよび予測不能な吸収パターンをもたらす(例えば、非特許文献9を参照)。さらに、肝臓が製剤を代謝するので、初回通過代謝は言うまでもなく、肝臓毒性のリスクがある。
局所麻酔下で腹壁へ挿入されたテストステロンペレットインプラント(50mgまたは100mgのテストステロン)が、長年エストロゲンペレットインプラントとともに使われた。テストステロンレベルは移植の約1カ月後にピークに達し、その後、5カ月または6カ月目までにベースラインに戻る。テストステロンレベルは高く、数カ月にわたるかなりの上昇および下降、ならびにこの期間の個々の顕著な変動を特徴とする。さらに、インプラントは、多くの男性および女性が単に耐えることを望まない外科的処置を必要とする。例えば性腺機能低下症男性において、インプラント療法は、突出(8.5%)、出血(2.3%)または感染(0.6%)のリスクを含む。
注射、経口投与およびインプラントベースのテストステロン送達方法と関連する問題点を考慮して、研究者は最近、女性に安定した生理的テストステロンレベルを送達することができるより制御された徐放性製剤の実験を始めた。過去の10年間、エストラジオールの経皮送達は、女性のエストロゲン補充療法のための安全で、生理的で、患者フレンドリーな方法として認識されてきた。粘着性のマトリックス技術を使う第二世代のエストラジオールパッチは、最近米国およびヨーロッパで利用できるようになった。女性のアンドロゲン欠乏症状態の治療のためにテストステロン単独の生理的量を経皮的に投与するための、マトリックス技術が今では存在する。上で定義した患者集団はテストステロン産生の約50%が不足しているので、経皮系は、正常な日テストステロン産生量の約半分を、すなわち1日につき約150μgを送達するように設計されている。マトリックス技術ベースの経皮テストステロン投与は、後天性免疫不全症候群消耗および卵巣摘出術後の女性の性的機能不全を治療するために女性で使用され、成功を収めた。
女性のための2つのテストステロンパッチが、臨床試験で試験された。Bucklerおよび彼の共同研究者は、週2回前腹壁に投与した、1日に840、1100、3000μgのテストステロンを送達するテストステロンパッチ(Ethical Pharmaceuticals、UK)を調査したが、パッチの組成を開示しなかった(非特許文献9)。他のパッチTMTDSパッチ(Watson Laboratories、Salt Lake City、UT)は、無アルコールマトリックス中の浸透促進剤としてのソルビタンモノオレアートおよび低アレルギー性のアクリル接着剤を用いる、18cmの表面積を有する半透明のパッチである。各パッチの平均テストステロン含有量は、4.1mgである。各パッチは、3〜4日の投与期間にわたって1日に150gのテストステロンの名目速度でテストステロンを送達する設計である。ゆえに、TMTDSパッチは、週2回投与される(例えば、非特許文献10参照)。
臨床試験はテストステロン含有パッチが放出制御機構を通して女性でテストステロン濃度を増加させることができることを報告しているが、それらのパッチは投薬柔軟性を提供しない。さらに、それらの可視性は一部の女性には審美上見栄えが悪いことがあり、特に厳しい身体運動の間、剥がれる可能性がある。
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したがってこれらのおよび他の理由のために、例えばテストステロン欠乏障害を治療するために、例えばゲル、軟膏またはクリームの形で、対象、特に女性の皮膚に直接投与することができる、有効な経皮投与テストステロン製剤を提供することは、困難ではあるが当技術分野で非常に望まれる進歩となろう。
女性対象にその薬剤の治療有効量を効果的に経皮送達することができる、テストステロン合成系のステロイドを含む医薬組成物が発見された。本発明の一実施形態では、約0.4mg〜約0.9mgのテストステロン投薬量を含む組成物は、改善された生物学的利用率、化学安定性、物理安定性、安全性、ならびに他の改善された薬物動態学的性質、薬力学的性質、化学的および/または物理的性質を有することが発見された。本発明は、これらの医薬組成物、それに基づく剤形およびキット、ならびにその調製および使用のための方法を含む。
本発明は多くの異なる形態で実施することができるが、本開示は本発明の原理の例示としてだけみなされるべきもので、本発明を例示されている実施形態に制限するものではないとの理解により、いくつかの具体的な実施形態を本明細書で検討する。本発明の方法、キット、組合せおよび組成物は、対象、例えば女性で、テストステロン欠乏障害を治療するための、今日利用できるものと比較して強化された治療オプションを提供する。
本発明が特にテストステロンに関して本明細書で例示される場合、テストステロン合成系の他のいかなるステロイドによっても、所望により、本明細書で記載される方法、キット、組合せおよび組成物において、テストステロンの代わりに全体または一部を置換することができることは理解される。本発明が特にメチルテストステロンに関して本明細書で例示される場合、性ホルモン結合グロブリン合成の他のいかなる阻害剤によっても、所望により、本明細書で記載される方法、キット、組合せおよび組成物において、メチルテストステロンの代わりに全体または一部を置換することができることは理解される。本発明が特にエストラジオールに関して本明細書で例示される場合、他のいかなるエストロゲンホルモンによっても、所望により、本明細書で記載される方法、キット、組合せおよび組成物において、エストラジオールの代わりに全体または一部を置換することができることは理解される。
本発明は、それを必要とする対象における、テストステロン欠乏障害またはテストステロン欠乏障害と関連もしくは関係する症状の治療、予防、およびその発症リスクの軽減のための方法、キット、組合せおよび組成物を目的とする。本発明の一実施形態において、対象は女性である。この方法は、テストステロン合成系のステロイド、例えばテストステロン、のテストステロン欠乏障害有効量を、対象に経皮投与することを含む。本発明は、テストステロン欠乏障害が一旦臨床的に明白になった場合のその進行の反転、停止もしくは減速のための方法、または、テストステロン欠乏障害に関連もしくは関係する症状の治療のための方法を含む。対象は、投与時点ですでにテストステロン欠乏障害を発症していてもよく、または、テストステロン欠乏障害の発病リスクを有していてもよい。テストステロン合成系のステロイド、例えばテストステロンをそれを必要とする哺乳動物に投与する方法も本発明に含まれる。この方法は、テストステロン合成系の薬剤として許容されるステロイド、例えばテストステロン、1つまたは複数の低級アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール、浸透促進剤、増粘剤および水で構成される経皮送達可能な組成物のテストステロン欠乏障害有効量を、対象に投与することを含む。テストステロンのテストステロン欠乏障害有効量を含む医薬組成物も、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物に含まれる。一実施形態では、テストステロン組成物は水性アルコールゲルとして製剤化される。他の実施形態では、ゲルは、テストステロン、エタノールまたはイソプロパノールなどの1つまたは複数の低級アルコール、浸透促進剤、増粘剤、および水を含む。本発明は、経皮送達可能なテストステロンを含むキットも含む。キットは、患者のために一組の説明書を含むこともできる。
他の実施形態では、これらの方法、キット、組合せおよび組成物は、対象でテストステロン欠乏障害の治療、予防またはその発病リスクの軽減に有効な他のステロイドまたは薬剤と併用される。一実施形態では、テストステロンを使用する本発明は、エストロゲン様ホルモン、例えば同じ剤形または別の剤形のエストラジオールの薬理学的有効量と併用される。他の実施形態では、これらの方法、キット、組合せおよび組成物は、哺乳動物でテストステロンレベルを増加させる他のステロイドまたは薬剤、例えばテストステロンと使用される。さらに、本発明は任意選択で本発明の化合物の塩、エステル、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグまたは誘導体、ならびに緩和剤、安定剤、抗菌物質、芳香剤および推進剤を含む。本発明の方法、キット、組合せおよび組成物は、対象、例えば女性で、テストステロン欠乏障害を治療するための、今日利用できるものと比較して強化された治療オプションを提供する。
ヒトの治療に役立つ他に、本発明は獣医科動物、爬虫類、鳥類、外来動物および哺乳類、齧歯動物、その他を含む家畜など、他の対象にも役立つ。哺乳動物としては、霊長類、例えばサル、もしくはキツネザル、ウマ、イヌ、ブタまたはネコが挙げられる。齧歯動物としては、ラット、マウス、リスまたはモルモットが挙げられる。
用語「成体雌閉経前対象」の使用は、月経周期の間の周期性子宮内膜脱落および子宮からの血液流体の排出を含む月経が可能な、完全に成長した成熟雌性哺乳動物、例えばヒトを指す。健康対象では、この周期性脱落および排出は一定の間隔で起こり、例えばヒトでは約4週ごとに起こり、正常な状況下では排卵および子宮内膜の前脱落変化の後に起こる。(例えば、Stedman's Medial Dictionary、第25版を参照)。
用語「成体雌閉経後対象」の使用は、閉経を経た、すなわち恒久的な月経周期の停止のために月経が不可能な、完全に成長した成熟雌性哺乳動物、例えばヒトを指す。(例えば、Stedman's Medial Dictionary、第25版を参照)。
用語「正常未満の遊離テストステロン血漿中濃度」の使用は、1dl血清につき約0.2ng未満から1dl血清につき約0.5ngの遊離テストステロン血漿中濃度を有する、閉経前または閉経後の成体雌対象を指す。
本明細書で使用する用語「治療する」または「治療」は、アンドロゲン欠乏症またはテストステロン欠乏症と関連する哺乳類の病態、障害または疾患のいかなる治療も指し、その例としては、それらに限定されないが、病態、障害または疾患の素因を有する可能性があるがまだその病態、障害または疾患と診断されていない哺乳動物でその病態、障害または疾患の発生を予防すること、病態、障害または疾患を抑制すること、例えば、病態、障害または疾患の発症を阻止すること、病態、障害または疾患を軽減すること、例えば病態、障害または疾患からの回復をもたらすこと、あるいは、疾患または障害によって引き起こされた病態を取り除くこと、例えば、その疾患または障害の症状を制止することが挙げられる。
テストステロン欠乏病態、障害または疾患に関して用語「予防する」または「予防」は、それらが起きていない場合はテストステロン欠乏病態、障害または疾患の発症がないこと、または、テストステロン欠乏病態、障害または疾患の発症がすでにある場合は、さらなるテストステロン欠乏病態、障害および疾患の発症がないことを意味する。
用語「テストステロン欠乏障害」は、内因性テストステロンの産生またはその利用の欠如に起因して哺乳動物で起こる、病態、障害または疾患を指す。女性では、そのような病態、障害または疾患としては、それらに限定されないが、性腺機能低下症、性的機能不全(例えば、性欲障害、性的興奮障害、オルガスムの障害(例えば、性的刺激に応じて生殖器潤滑または充血を達成または維持することが持続的にまたは日常できないこと)、および性的疼痛障害)、リビドーの減少、高コレステロール血症、異常な心電図、血管運動の症状、糖尿病性網膜症、過血糖、高インスリン血症、低インスリン血症、体脂肪率の増加、高血圧、肥満、骨粗鬆症、骨減少症、膣乾燥、膣壁の浅薄化、更年期症状およびほてり、認知障害、心血管疾患、中枢神経系障害、アルツハイマー病、認知症、白内障、子宮頸癌、子宮癌、乳癌、うつ症(例えば、産後抑うつ)、生体外受精(例えば、子宮内の不適切な胚着床)、早発卵巣不全および早発閉経がある。
本明細書で使用されるように、用語「治療有効量」は、ある病態の治療で所望の治療効果を達成するために本発明の治療剤を十分送達するのに有効な量を意味する。治療有効量を構成する量は、治療する病態、例えば、性腺機能低下症、性的機能不全、リビドーの減少、高コレステロール血症、異常な心電図、血管運動の症状、糖尿病性網膜症、過血糖、高インスリン血症、低インスリン血症、体脂肪率の増加、高血圧、肥満、骨粗鬆症、骨減少症、膣乾燥、膣壁の浅薄化、更年期症状およびほてり、認知障害、心血管疾患、中枢神経系障害、アルツハイマー病、認知症、認知症、白内障、子宮頸癌、子宮癌、乳癌、うつ症(例えば、産後抑うつ)、生体外受精(例えば、子宮内の不適切な胚着床)、早発卵巣不全および早発閉経、治療剤と同時投与されるいかなる薬剤、所望の治療期間、組成物が投与される皮膚の表面積および位置、ならびにアジュバントおよび組成物の他の成分の選択によって異なる。したがって、特定の例示的な量を列挙することは実際的でなく、そのようなものは、これらのものおよび他の適当な要因を考慮して当業者は容易に決定することができるが、いくつかの非限定的な例を例示目的のために本明細書で提供する。
本明細書で用いられるように、用語「アンドロゲン欠乏症」または「テストステロン欠乏症」は互換的に使われ、同じ年齢の健康な女性の中央血清レベルと比較して、対象での低い遊離テストステロンの血清レベルを指す。正常な周期のある女性では、1日につき約300μgのテストステロンが生産される。彼らの総血清テストステロンレベルは、一般に約20ng/dLから約80ng/dLの範囲であり、平均して約40ng/dLである。例えば健康な若い女性においては、平均遊離テストステロンレベルは、一般に約3.6pg/mLである。しかし、いくつかの要因が総合のおよび遊離のテストステロン血清レベルに影響する可能性がある。例えば、定期的に排卵する女性では、月経周期の中央の三分の一の間、血漿テストステロンレベルの小さいが有意な増加がある。しかし、黄体期および卵胞期の平均テストステロンレベル(1.2nmol/Lまたは33ng/dL)および平均遊離テストステロンレベル(12.8pmol/Lまたは3.6pg/mL)には、有意差はない。さらに、テストステロン産生は30歳を過ぎると連続的に低下するので、60歳の女性の血清テストステロンレベルは若い30歳の女性のレベルのわずか50%である。遊離テストステロンの割合は一般に年齢とともに変動することはないが、遊離テストステロンの絶対的低下が観察された。この低下は更年期に急に起こることはないが、その代わりに副腎および卵巣のアンドロゲン産生の年齢関連性の減少の結果として、徐々におよび連続的に起こる。ゆえに、女性は閉経直前の数年間に、閉経と関連する症状を経験し始める。閉経に続くテストステロンの低下は、卵巣不全、腎臓分泌の減少および末梢変換の組合せから生じる。また、例えば、卵巣摘出術の後、テストステロン濃度は、約50%減少する。テストステロン欠乏症の徴候または症状としては、例えば、骨量の減少、身体違和感または幸福感の減退、筋力低下、疲労、リビドー減少、性的な感受性および快楽の減少、ならびに認知または記憶の変化がある。
「テストステロン欠乏障害有効」または「テストステロン欠乏障害有効量」は、哺乳動物でテストステロン欠乏障害を治療または予防するのに、あるいは、哺乳動物のテストステロン欠乏障害と関連または関係する症状の1つまたは複数をある程度緩和するのに必要なテストステロンの量を限定することを目的とする。女性においては、この例としては、それらには限定されないが、性腺機能低下症を正常化すること、性的機能不全を改善すること、リビドーを増加させること、コレステロールレベルを正常化すること、患者の異常な心電図を正常化して血管運動の症状を改善すること、糖尿病性網膜症を改善するとともに糖尿病患者のインスリン必要量を低下させること、体脂肪率を低下させること、グルコースレベルを正常化すること、心臓血管疾患の危険因子を減少させること、例えば高血圧を正常化することおよび肥満を治療すること、骨粗鬆症、骨減少症、膣の乾燥および膣壁の浅薄化を予防すること、閉経期の症状およびほてりを軽減すること、認知機能障害を改善すること、心臓血管疾患、アルツハイマー病、認知症および白内障を治療もしくは予防するか、その発症を減らすこと、子宮頸癌、子宮癌または乳癌、を治療もしくは予防するかそのリスクを軽減すること、例えば産後抑うつを含むうつ病を治療もしくは予防するか、そのリスクを軽減すること、体外受精法の効果を向上させるかその失敗、例えば子宮内の不適切な胚着床のリスクを軽減すること、早発閉経を治療もしくは予防するかその発生リスクを軽減することなどが挙げられる。
本開示での用語「約」の使用は「近似的に」を意味し、用語「約」の使用は、引用した範囲からわずかに外れた投薬量も有効および安全であることができ、そのような投薬量も本請求項の範囲に包含されることを示す。
用語「薬剤として許容される」は本明細書で形容詞的に使われ、修飾された名詞は医薬品用として適当であることを意味する。薬剤として許容されるカチオンとしては、金属イオンおよび有機イオンがある。実例として、金属イオンとしては、それらには限定されないが、適当なアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および他の生理的に許容される金属イオンが挙げられる。例示的なイオンとしては、通常の原子価のアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛がある。例示すると、有機イオンとしてはプロトン化された第三級アミンおよび第四級アンモニウムカチオン、例えば一部として、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインがある。例示的な薬剤として許容される酸としては、それらに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸などがある。
用語「浸透促進剤」は、皮膚を通しての薬剤の送達を促進することが知られている作用物質を指す。これらの作用物質は、促進剤、アジュバントおよび吸収促進剤とも呼ばれ、本明細書では総称して「エンハンサー」と呼ぶ。この類の作用物質としては、薬剤の溶解性および拡散性を改善する機能を有するもの、および湿気を保持する角質層の能力を変えるか、皮膚を柔らかくするか、皮膚透過性を改善するか、浸透助剤もしくは毛包オープナーの働きをするか、または、境界層などの皮膚の状態を変えることによって経皮吸収を改善するものを含む、多様な作用機構を有するものが挙げられる。本発明の浸透促進剤は脂肪酸の機能的誘導体であり、その例としては、脂肪酸の等配電子修飾体、または脂肪酸のカルボン酸官能基の非酸性誘導体もしくはその等配電子修飾体がある。一実施形態では、脂肪酸の機能的誘導体は、−COOH基がその機能的誘導体、例えばアルコール、ポリオール、アミドおよびその置換された誘導体で置換されている、不飽和アルカン酸である。用語「脂肪酸」は、4から24個の炭素原子を有する脂肪酸を意味する。
浸透促進剤のそれには限定されない例としては、C8〜C22脂肪酸、例えばイソステアリン酸、オクタン酸およびオレイン酸;C8〜C22脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコールおよびラウリルアルコール;C8〜C22脂肪酸の低級アルキルエステル、例えばオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチルおよびラウリン酸メチル;アジピン酸ジイソプロピルなどのC6〜C22二酸のジ(低級)アルキルエステル;グリセリルモノラウレートなどのC8〜C22脂肪酸のモノグリセリド;テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール;2−(2−エトキシエトキシ)エタノール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル;ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドジメチルエーテル;ジメチルスルホキシド;グリセリン;酢酸エチル;アセト酢酸エステル;N−アルキルピロリドン;およびテルペンなどがある。
本明細書で使われる増粘剤としてはアニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸(B.F. Goodrich Specialty Polymers and Chemicals Division、Cleveland、Ohio、によるCARBOPOL(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、その他を挙げることができる。さらなる増粘剤、エンハンサーおよびアジュバントは、一般に、Remington's The Science and Practice of Pharmacy、Meade Publishing Co.、米国薬局方/National Formularyで見ることができる。
本明細書で用いるように、用語「低級アルコール」は、単独でまたは組合せにおいて、1から約6個の炭素原子を含む直鎖型または分岐鎖型のアルコール部分を意味する。一実施形態では、低級アルコールは1から約4個の炭素原子を含み、他の実施形態においては、低級アルコールは2から約3個の炭素原子を含む。そのようなアルコール部分の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールおよびtert−ブタノールがある。
本明細書で用いるように、用語「低級アルキル」は、単独でまたは組合せにおいて、1から約6個の炭素原子を含む直鎖型または分岐鎖型のアルキルラジカルを意味する。一実施形態では、低級アルキルは1から約4個の炭素原子を含む。そのようなラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルがある。
本発明の組成物は、「テストステロン欠乏障害有効量」で使われる。このことは、テストステロン濃度は、経皮送達される製剤が使用される期間にわたって薬剤の治療的レベルが送達されるものであることを意味する。そのような送達は、個々の投薬単位が使われる期間、ゲルからの治療薬、例えばテストステロンの流出速度、適用部位の表面積、その他を含む、いくつかの変数に依存する。必要な治療薬の量は、エンハンサーと一緒に用いたときとそうでないときの、ゲルおよび皮膚を通した薬剤の流出速度に基づいて実験的に決定することができる。しかし、いかなる特定の患者のための本発明の治療薬の具体的な用量レベルは、使用する具体的な化合物の活性、患者の年齢、体重、健康状態、性別および食事、投与の時間、排出率、併用薬剤、治療する特定の障害の重大度および投与形態を含む、様々な要因によって決まることが理解される。安全性および効力を最適化するために、一般に治療投薬量は滴定することができる。一般的に、in vitroおよび/またはin vivo試験からの用量作用関係は、当初、患者投与のための適当な用量に関する役立つガイダンスを提供することができる。一般に動物モデルでの研究は、本発明に従う閉経治療のための有効量に関するガイダンスのために使うことができる。治療プロトコルに関しては、投与される投薬量は投与される特定の作用物質、投与経路、その患者の状態、その他を含むいくつかの要因に依存することは理解されなければならない。一般的に言って、in vitroで有効であることが見出された濃度に相応した血清レベルを達成するのに有効な化合物の量を投与することが望まれるが、それは、そのような試験が予測的in vivo値を有するとの仮定に基づく。ゆえに、ある化合物が、例えば10ng/mlでin vitro活性を示すことが発見された場合、in vivoで約10ng/mlの濃度を提供するのに有効な薬剤の量を投与することが望まれる。これらのパラメータの決定は、十分に当技術分野の範囲内である。これらの考慮事項、ならびに有効な製剤および投与手法は当技術分野で公知であり、標準の教科書で記載されている。
対象に送達されるテストステロンのテストステロン欠乏症有効量を測定および決定するために、血清テストステロン濃度を標準のアッセイ技術を使って測定することができる。例えば、遊離の血清テストステロンレベルは、本明細書で参照により完全に組み込まれているSinha-Hikimら、「健康な周期のある女性およびHIV感染女性における遊離のテストステロンレベルの測定のための高感度平衡透析法の使用」(The Use of a Sensitive Equilibrium Dialysis Method for the Measurement of Free Testosterone Levels in Healthy, Cycling Women and in HIV-Infected Women)、83 J. CLINICAL ENDOCRINOLOGY & METABOLISM、1312−18(1998)で検討されている、最近検証された高感度平衡透析法で測定することができる。
本発明の一実施形態では、それを必要とする女性対象における、テストステロン欠乏障害の治療、予防、またはその発病リスクの軽減のための方法が提供される。この方法は、対象の皮膚の領域(一般に約5cmより大きい)に組成物のある量を投与することを含み、その量は対象の血清にテストステロンの治療有効量を送達する。組成物は、約0.1%〜約10%のテストステロン、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグ、誘導体;エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%のアルコール;約0.1%〜約5%のミリスチン酸イソプロピル;約0.1%〜約5%のゲル化剤;およびバランス水を含むことができる。組成物の百分率は組成物の重量比であり、組成物の成分の合計は約100重量%である。組成物は、テストステロン血清濃度を投与後約24時間以内に少なくとも約3pgテストステロン/血清1mlに上昇させる速度および期間で、皮膚にテストステロンを放出することができる。一実施形態では、組成物は約1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウムを含む。
本発明の一実施形態では、ゲル化剤はポリアクリル酸およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される。一実施形態では、ゲル化剤は組成物との重量比で約1%の量で存在するポリアクリル酸である。
本発明の他の実施形態では、組成物は約100グラム以下の重さである。さらに別の実施形態では、組成物は約1グラム〜約10グラムの重さである。他の実施形態では、組成物は約4.4グラム〜約8.8グラムの重さである。さらに別の実施形態では、組成物は約2.5グラム〜約7.5グラムの重さである。
本発明のさらに別の実施形態では、組成物はゲル状である。
本発明のさらに別の実施形態では、皮膚への組成物の1日約0.1グラムの投与につき、血清テストステロン濃度の少なくとも約5ng/dLの増加が対象で起こる。
本発明のさらに別の実施形態では、組成物は、約0.1gから約10gの用量で毎日投与するために対象に提供される。他の実施形態では、組成物の量は0.44g用量であり、約0.44mg〜約44mgのテストステロンを皮膚に送達する。さらに別の実施形態では、組成物の量は0.44g用量であり、約2.2mg〜約4.4mgのテストステロンを皮膚に送達する。他の実施形態では、組成物の量は8.8g用量であり、約0.88mg〜約88mgのテストステロンを皮膚に送達する。さらに別の実施形態では、組成物の量は0.88g用量であり、4.4mg〜約8.8mgのテストステロンを皮膚に送達する。他の実施形態では、組成物の量は1.32g用量であり、約1.32mg〜約132mgのテストステロンを皮膚に送達する。さらに別の実施形態では、組成物の量は1.32g用量であり、6.6mg〜約13.2mgのテストステロンを皮膚に送達する。
本発明の一実施形態では、組成物の投与により、治療の3日目までに定常のテストステロンレベルになる。
本発明の他の実施形態では、組成物は1つまたは複数のパケットで対象に提供され、パケットは組成物およびパケット内部表面の間にポリエチレンライナーを含むことができる。パケットは、単位用量または多回投与用量を保持することができる。
他の実施形態では、組成物は、容器中に組成物の例えばより大きなホイルパケットを有する強固な多回投与容器から(例えば、ハンドポンプで)注入される。そのようなより大きなパケットは、上のようなポリエチレンライナーを含むこともできる。一実施形態では、多回投与容器は、ハンドポンプを挿入したキャニスタ内に、ポリエチレンポーチを含むエアレスポンプを含む。一実施形態では、ポリエチレンポーチは、44gまたは88gの製品を含む。一実施形態では、例えばポンプを完全に3回押し下げてゲルを捨てることによって、ポンプは使用前に下準備をする。一実施形態では、ポンプは、下準備および設定された数の正確な用量を可能にする十分な製品を含む。一実施形態では、1回のポンプの完全な押し下げにより、1.25gのテストステロンゲルが送達される。この実施形態では、3.75g用量のゲルは、3回のポンプ押し下げを必要とする。5g用量のゲルは、4回のポンプ押し下げを必要とする。7.5g用量のゲルは、6回のポンプ押し下げを必要とする。10g用量のゲルは、8回のポンプ押し下げを必要とし、以下同様である。当然、1回のポンプ押し下げにより、所望の用量を送達するのに適当な、いかなる量のテストステロンゲルでも送達することができる。
本発明のさらに別の実施形態では、組成物はキットと別の要素として提供される。
本発明のさらに別の実施形態では、組成物は1日に1回、2回もしくは3回、または治療効果を達成するのに必要な回数投与される。
本発明の他の実施形態では、組成物は性ホルモン結合グロブリンの合成を抑制する作用物質、プロゲステロン、プロゲスチンまたはエストロゲン様ホルモンを含む治療剤を約0.01%〜約69%、さらに含む。さらに別の実施形態では、治療剤は組成物の約1%〜約10%を構成する。本発明の他の実施形態では、治療剤はプロゲステロンである。さらに別の実施形態では、プロゲステロンの血清中濃度は、対象へ組成物を投与してから約24時間以内に、少なくとも約1ngプロゲステロン/ml血清に上昇する。本発明のさらに別の実施形態では、治療剤はエストロゲンである。他の実施形態では、エストロゲンの血清中濃度は、投与してから約24時間以内に、少なくとも60pgエストロゲン/ml血清に上昇する。
本発明の一実施形態では、それを必要とする女性対象における、テストステロン欠乏障害の治療、予防、またはその発病リスクの軽減のための方法が提供され、その方法は、テストステロン欠乏障害を有するかその発病リスクを有する女性対象を特定することと、対象の皮膚の領域に組成物のある量を投与することとを含み、その量は対象の血清にテストステロンの治療有効量を送達するものであり、その結果テストステロン欠乏障害またはその発病リスクが軽減される。一実施形態では、組成物は、約0.1%〜約10%のテストステロン、またはその塩、エステル、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは誘導体;エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%のアルコール;約0.1%〜約5%のゲル化剤;およびバランス水を含み、これらの百分率は組成物との重量比であり、組成物の成分の合計は約100重量%である。一実施形態では、成分の合計は100%未満であり、100%にするのに十分な量の水を加える。一実施形態では、組成物は、テストステロン血清濃度を投与後約24時間以内に少なくとも約3pgテストステロン/ml血清に上昇させる速度および期間で、皮膚にテストステロンを放出することができる。一実施形態では、組成物は約1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウムを含む。
本発明の他の実施形態では、テストステロンのテストステロン欠乏障害有効量をそれを必要とする女性対象の血清に送達する方法が提供され、その方法は、対象の皮膚を、約0.1%〜約10%のテストステロンまたはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグ、誘導体;エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%のアルコール;約0.1%〜約5%のミリスチン酸イソプロピル;約0.1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウム;約0.1%〜約5%のゲル化剤;バランス水を含む組成物と接触させることを含み、これらの百分率は組成物との重量比であり、組成物の成分の合計は約100重量%である。一実施形態では、成分の合計は100%未満であり、100%にするのに十分な量の水を加える。一実施形態では、組成物は、テストステロン血清濃度を投与後約24時間以内に少なくとも約3pgテストステロン/ml血清に上昇させる速度および期間で、皮膚にテストステロンを放出することができる。
本発明のさらに別の実施形態では、テストステロンのテストステロン欠乏障害有効量をそれを必要とする女性対象の血清に投与する方法が提供され、その方法は、約0.1%〜約10%のテストステロンまたはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグ、誘導体;エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%のアルコール;約0.1%〜約5%のミリスチン酸イソプロピル;約0.1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウム;および約0.1%〜約5%のゲル化剤を含む医薬組成物を提供することと、その組成物を、投与後約24時間以内に少なくとも3pgテストステロン/ml血清の血清濃度を達成するようにテストステロンが対象の血清に届くために十分な量で、対象の皮膚に投与することとを含む。これらの百分率は組成物との重量比であり、組成物の成分の合計は約100重量%である。一実施形態では、成分の合計は100%未満であり、100%にするのに十分な量の水を加える。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物で役に立つテストステロン合成系中のステロイド類としては、テストステロン同化または異化経路中のステロイドがある。本発明の広い態様においては、組成物中で使用される有効成分としては、アナボリックステロイド類、例えばアンドロイソオキサゾール、ボラステロン、クロステボール、エチルエストレノール、ホルミルジエノロン、4−ヒドロキシ−19−ノルテストステロン、メテノロン、メチルトリエノロン、ナンドロロン、オキシメステロン、キンボロン、ステンボロン、トレンボロン;アンドロゲンステロイド類、例えばボルデノン、フルオキシメステロン、メスタノロン、メステロロン、メトアンドロステノロン、17α−メチルテストステロン、17α-メチル−テストステロン3−シクロペンチルエノールエーテル、ノルエタンドロロン、ノルメタンドロン、オキサンドロロン、オキシメトロン、プラステロン、スタンロロン、スタノゾロール、ジヒドロテストステロン、テストステロン;およびプロゲストーゲン類、例えばアナゲストーン、酢酸クロルマジノン、酢酸デルマジノン、デメゲストーン、ジメチステロン、ジヒドロゲステロン、エチニルエストレノール、エチステロン、エチノジオール、二酢酸エチノジオール、酢酸フルロゲストン、ゲストデン、カプロン酸ゲストノロン、ハロプロゲステロン、17−ヒドロキシ−16−メチレンプロゲステロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、カプロン酸17α−ヒドロキシプロゲステロン、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メレンゲストロール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲステロン、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、19−ノルプロゲステロン、ノルビニステロン、ペンタゲストロン、プロゲステロン、プロメゲストン、キンゲストロンおよびトレンゲストン;ならびにこれらの化合物の全ての塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグまたは誘導体を挙げることができる。(The Merck Index、Merck & Co.、Rahway、N.J.(1998)で提供されるリストに基づく)。上述のステロイドの組合せを使用することができる。
一実施形態では、テストステロンは水性アルコールゲルとして製剤化される。他の実施形態では、ゲルは、テストステロン、エタノールまたはイソプロパノールなどの1つまたは複数の低級アルコール、浸透促進剤、増粘剤(別名、ゲル化剤)および水を含む。一実施形態では、ゲルは、例えば水酸化ナトリウムなどの水酸化物放出剤をさらに含む。さらに、本発明は塩、緩和剤、安定剤、抗菌物質、芳香剤および推進剤を任意選択で含むことができる。
浸透促進剤のそれには限定されない例としては、C8〜C22脂肪酸、例えばイソステアリン酸、オクタン酸およびオレイン酸;C8〜C22脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコールおよびラウリルアルコール;C8〜C22脂肪酸の低級アルキルエステル、例えばオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチルおよびラウリン酸メチル;アジピン酸ジイソプロピルなどのC6〜C22二酸のジ(低級)アルキルエステル;グリセリルモノラウレートなどのC8〜C22脂肪酸のモノグリセリド;テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール;2−(2−エトキシエトキシ)エタノール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル;ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドジメチルエーテル;ジメチルスルホキシド;グリセリン;酢酸エチル;アセト酢酸エステル;N−アルキルピロリドン;ならびにテルペンが挙げられる。
本明細書で使われる増粘剤(別名ゲル化剤)としては、アニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸(B.F. Goodrich Specialty Polymers and Chemicals Division of Cleveland、Ohio、によるCARBOPOL(登録商標))、カルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、その他、例えばCarbopol(登録商標)ポリマーの誘導体、例えばCarbopol(登録商標)Ultrez 10、Carbopol(登録商標)940、Carbopol(登録商標)941、Carbopol(登録商標)954、Carbopol(登録商標)980、Carbopol(登録商標)981、Carbopol(登録商標)ETD 2001、Carbopol(登録商標)EZ-2およびCarbopol(登録商標)EZ-3、ならびに他のポリマー、例えばPemulen(登録商標)、ポリマー乳化剤およびNoveon(登録商標)ポリカルボフィルがある。さらなる増粘剤、エンハンサーおよびアジュバントは、一般に、Remington's The Science and Practice of Pharmacy、Meade Publishing Co.、米国薬局方/National Formularyで見ることができる。
一実施形態では、本発明の製剤は、対象に対して投薬単位につき約0.5mg〜約50mgのテストステロンを、またはその同等物を送達する。本発明の他の実施形態では、製剤は、対象に対して投薬単位につき約0.5mg〜約25mgのテストステロンを、またはその同等物を送達する。本発明の他の実施形態では、本発明の製剤は、対象に対して投薬単位につき約4mg〜約15mgのテストステロンを、またはその同等物を送達する。本発明のさらに別の実施形態では、本発明の製剤は、対象に対して投薬単位につき約4.4mgのテストステロンを、または約8.8gmのテストステロンを、または約13.2mgのテストステロンを、またはその同等物を送達する。ゆえに、例えば、1日1回投与のために製剤化したテストステロンのゲル、軟膏、クリームまたはパッチは、約4.4mg、または約8.8mg、または約13.2mgのテストステロンを含むことができる。
一実施形態では、製剤はゲル、軟膏、クリームまたはパッチであって、テストステロン、ミリスチン酸イソプロピルなどの浸透促進剤、Carbopolなどの増粘剤、エタノールまたはイソプロパノールなどの低級アルコール、水で構成される。他の実施形態では、製剤はゲル、軟膏、クリームまたはパッチであって、以下の近似百分率の物質で構成される。
Figure 2008536851
一実施形態では、100g組成物中に、ゲル、軟膏、クリームまたはパッチは約0.01g〜約15gのテストステロン、約0.01g〜約50gの浸透促進剤、約0.1g〜約50gのゲル化剤および約30g〜約98gの低級アルコールを含むことができる。他の実施形態では、100g組成物中に、ゲル、軟膏、クリームまたはパッチは約0.1g〜約10gのテストステロン、約0.1g〜約5gの浸透促進剤、約0.1g〜約5gのゲル化剤、約45g〜約90gの低級アルコールを含むことができる。
一実施形態では、組成物は、当技術分野で公知であるように、ゲルの形成時にゲル化剤を助けるのに十分な量で、水酸化ナトリウムもしくはトリエタノールアミンもしくは水酸化カリウム、またはそれらの組合せをさらに含むゲル、軟膏、クリームまたはパッチである。一実施形態では、水酸化ナトリウムの溶液が、例えば0.1N水酸化ナトリウム溶液、0.2N水酸化ナトリウム溶液、0.5N水酸化ナトリウム溶液、1.0N水酸化ナトリウム溶液、1.5N水酸化ナトリウム溶液、2.0N水酸化ナトリウム溶液、または組成物に水酸化ナトリウムの十分量を提供する他のいかなる適当な溶液でも使われる。一実施形態では、組成物は約1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウムを含む。
他の実施形態では、医薬組成物は約0.5%〜約10%テストステロン、エタノールまたはイソプロパノールなどの約30%〜約98%のアルコール、約0.1%〜約5%のミリスチン酸イソプロピル、約0.1%〜約5%のゲル化剤およびバランス水を含む。成分の百分率は、組成物との重量比である。
さらに別の実施形態では、医薬組成物はテストステロンを水性アルコールゲルに含む。テストステロンは、組成物との重量比で約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、約5%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%または約15%の濃度で存在することができる。この実施形態のエンハンサーとしてはミリスチン酸イソプロピルがあり、それは組成物との重量比で約0.5%、約0.65%、約0.75%、約0.85%、約0.95%、約1%、約2%、約3%、約4%または約5%の濃度で存在してもよい。医薬組成物は、組成物との重量比で、約70%、約71%、約71.4%、約71.8%、約72%、約72.3%、約72.5%、約72.7%、約73%、約73.5%、約74%、約74.5%、約75%または約75%の濃度で存在するC1〜C4アルコールも含む。さらに、医薬組成物はゲル化剤としてポリアクリル酸および/またはカルボキシメチルセルロースを含む。一実施形態では、ゲル化剤は組成物との重量比で約1%の濃度で存在するポリアクリル酸である。
一実施形態では、ゲルは以下の近似量の物質で構成される。
Figure 2008536851
この製剤の構成要素は量を変更することができ、それでも本発明の精神および範囲の中であり続けることを、当業者ならば理解する。例えば、組成物は約0.1〜約10.0gのテストステロン、約0.1〜約5.0gのCARBOPOL、約0.1〜約5.0gのミリスチン酸イソプロピル、約30.0〜約98.0gのエタノールおよびバランス水を含むことができる。
さらに別の実施形態では、組成物は組成物との重量比で0.01%を超える量のテストステロン、約0.1%を超える量の浸透促進剤、約0.1%を超える量の増粘剤、および約30%を超える量の低級アルコールを含む。ゲルは、腿および腰の上部外側の清潔で乾燥した皮膚上へ、1日1回すりこむ。塗布後、ゲルは風乾させる。患者は、手を洗浄する。ゲルの塗布は、正常な女性のそれと類似した望ましい薬物動態プロフィールを有する、上昇したテストステロンレベルをもたらす。ゲルは、したがって、女性でいくつかの病態または疾患を治療するために役に立つ。
一実施形態では、約0.44gのゲルが対象の皮膚に塗布されて、約4.4mgのテストステロンが皮膚に送達される。一実施形態では、約0.88gのゲルが対象の皮膚に塗布されて、約8.8mgのテストステロンが皮膚に送達される。他の実施形態では、約1.32gのゲルが対象の皮膚に塗布されて、約13.2mgのテストステロンが皮膚に送達される。
テストステロンゲルによって示される目標送達量の達成は、男性におけるテストステロンゲルの薬物動態から推定することができる。上半身へ様々な量のゲルを塗布した後の、男性の平均血清濃度(Cavg)値を下の表5で示す。
Figure 2008536851
男性で得られた結果に基づいて、0.5グラムのテストステロンゲル用量は、1日につき約300μgのテストステロンを送達する。
例示すると、成人女性については、日用量あたりのテストステロンのテストステロン欠乏障害有効量は、一般的に1日につき約100μgないし約150μgないし約260μgないし約300μgないし約776μgのテストステロンを血清に送達する。ゆえに、例えば、約100μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRA(商標)(出願人が所有する女性用のゲル製品の商標)は約0.17g/日の量で投与され、それは約1.7mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.1mgが吸収される。あるいは、約150μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRAは約0.25g/日の量で投与され、それは約2.5mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.15mgが吸収される。あるいは、約259μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRAは約0.44g/日の量で投与され、それは4.4mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.259mgが吸収される。あるいは、約300μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRAは約0.5g/日の量で投与され、それは5mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.3mgが吸収される。あるいは、約150μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRAは約0.25g/日の量で投与され、それは約2.5mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.15mgが吸収される。あるいは、約776μgテストステロンの血清血中濃度を達成するために、RELIBRAは約1.32g/日の量で投与され、それは13.2mg/日のテストステロンを皮膚に送達し、その約0.776mgが吸収される。
一実施形態では、テストステロンを使用する本発明は、エストロゲン様ホルモン、例えばエストラジオールの薬理学的有効量と併用される。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物で役立つエストロゲン様ホルモン類としては、経口投与時のそれらの治療効果を高めるために天然のエストロゲンから生成された化学改変物質である、いくつかの化合物が挙げられる。これらには、ステロイドのエチニルエストラジオール、メストラノールおよびキネストロールが含まれる。これらのステロイド性エストロゲンに加えて、エストロゲン様活性を有する様々な非ステロイド性化合物が合成されて、臨床使用されている。これらには、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセンおよびメタレネストリルが含まれる。いくつかの一般的に用いられるエストロゲンの平均補充用量を、下の表6で示す。
Figure 2008536851
エストロゲンの経口投与は、しばしば肝臓への有害作用をもたらす。これらの肝臓への影響は、初回通過肝臓曝露を避ける投与経路、例えば本発明によって提供される局所(膣)または経皮投与によって最小にすることができる。
女性によるテストステロン産生の減少はいくつかの要因に起因し、例としては、それらに限定されないが、経口避妊薬の使用、手術、例えば子宮の切除(子宮摘出)または卵巣の1つの切除(卵巣切除/卵巣摘出)、閉経女性のエストロゲン補充療法、早発の卵巣不全症、副腎機能障害、例えば原発性副腎機能不全、コルチコステロイドによって誘導された副腎抑制、汎下垂体機能低下症、および慢性疾患、例えば全身紅斑性狼瘡、慢性関節リウマチ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、慢性閉塞性肺疾患および末期腎臓病がある。
女性のテストステロン欠乏症と関連する生理的および精神的な障害としては、それらに限定されないが、リビドーおよび性的能力の減退、骨ミネラル密度および関連マーカーの減少、身体成分の減少、ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群、認知能低下、感情および自尊心の低下、筋肉質量および性能の低下、月経前症候群、中枢神経系障害および自己免疫疾患がある。
理論に束縛されることを望まないが、神経ホルモンとしてのアンドロゲンの多面的役割は、脳内の特定の受容体の広範囲にわたる分布を反映すると思われる。そのような受容体が位置する領域としては、皮質、脳下垂体、視床下部、視索前部ならびに、視床、小脳扁桃および脳幹がある。アンドロゲン受容体はエストロゲンおよびプロゲステロンの受容体と共存するだけでなくて、そうではない領域でも見られる。アンドロゲンの作用は受容体を通して媒介されるが、同様に酵素アロマターゼによるテストステロンのエストラジオールへの芳香化を通しても媒介され、結果としてエストロゲン媒介性の作用をもたらす。
テストステロン産生が明らかに不足して関連する症候が記載された明確な患者集団が存在するが、そのような集団は本発明の範囲に含まれると企図される。これらの集団としては、特定の病因と関連するもの、例えば卵巣性(化学療法、放射線療法、卵巣摘出術)、副腎性(副腎機能不全、副腎摘出術)、視床下部脳下垂体性(下垂体機能低下症)、薬剤関連(コルチコステロイド、抗アンドロゲン剤、経口避妊薬、経口エストロゲン補充療法)のもの、および/または特発性のものが挙げられる。(Braunstein, G.ら、Fertility and Sterility、77巻、4号、2002年4月、660〜665頁を参照)。
本発明で治療することのできる患者としては、テストステロン欠乏障害を発病するリスクのあるもの、または現在テストステロン欠乏障害事象が起きている患者が挙げられる。標準的なテストステロン欠乏障害危険因子は、関連した医学分野で診療している平均的医師に公知である。テストステロン欠乏障害を発病するリスクのある当技術分野で公知の1つまたは複数の危険因子を有すると特定された患者、ならびにすでにテストステロン欠乏障害を有する人々は、テストステロン欠乏障害事象を有するリスクがあると考えられる人々の群に含まれるものとする。
さらに、本発明の企図された方法、キット、組合せおよび組成物は、テストステロン産生が不足している女性などの女性において、または、テストステロン産生不足に関係する関連症候が臨床的に明白である場合に、テストステロン欠乏症を治療するために役立つ。この例としては、卵巣摘出/子宮摘出女性、エストロゲン補充療法中の閉経女性、経口避妊薬を服用中の女性、卵巣摘出した女性、早発卵巣不全症の女性、副腎機能障害の女性、コルチコステロイド誘導性の副腎抑制を有する女性、汎下垂体機能低下症を有する女性、原発性副腎機能不全を有する女性、ならびに慢性疾患、例えば全身紅斑性狼瘡、慢性関節リウマチ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、慢性閉塞性肺疾患および末期腎臓病を有する女性が挙げられる。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、例えば子宮摘出を伴う両側の卵巣摘出術などの手術を行った女性、特に手術がその自然閉経前のより若い年齢で実施された女性の治療で役立つ。米国だけで、250,000人を超える女性が毎年卵巣摘出/子宮摘出併用術を受け、彼女らは明らかにテストステロン産生が不足している。卵巣摘出を経た女性の血清テストステロンレベルは、手術前のレベルと比較して一般的に50%減少するが、場合によっては、レベルは正常な参照範囲(約20〜80ng/dL)に止まることもある。主に卵巣の分泌に依存するエストロゲンおよびプロゲステロンレベルも、卵巣摘出術の後に著しく減少する。結果として生じる複数のホルモン欠乏症状態は、血管運動の症状、高ターンオーバー骨粗鬆症および女性の性的機能不全と関連する。エストロゲン補充療法は卵巣摘出/子宮摘出女性における血管運動症状および骨粗鬆症の治療の標準であるが、女性の性的機能不全および骨代謝に及ぼすエストロゲン補充療法の影響の治療のために、付随するテストステロン療法は指示されていない。そのような女性は、本発明の適用範囲に入る。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、閉経女性の治療で役立つ。卵巣摘出状態と対照的に、閉経後の卵巣は、閉経前の期間より必ずしも低くはない量のテストステロンを間質組織で合成し続けることができる。一部の閉経女性では、黄体形成ホルモンレベルの上昇に対する間質の応答の結果としてテストステロンレベルは増加するが、他では、テストステロンレベルは減少するか、同じである。エストロゲン補充療法は黄体形成ホルモンレベルを低下させるので、卵巣によるテストステロン分泌はエストロゲン補充療法を受ける閉経女性で減少することが予想される。経口エストロゲン補充療法製剤では、テストステロンレベルの下落は、テストステロンクリアランスを減らす付随する性ホルモン結合グロブリンレベルの上昇によって、不明確になることがある。しかし、遊離のおよび/または生物学的に利用可能なテストステロンレベルは、経口エストロゲン補充療法を受けている閉経女性でより低いことが発見される。閉経女性のアンドロゲン/黄体形成ホルモン状態に及ぼす経皮エストロゲン補充療法の影響は研究されていないが、黄体形成ホルモンレベルの減少と関連する総合および遊離のテストステロンレベルの減少も予想される。多くの閉経女性がエストロゲン補充療法によって改善されない女性の性的機能不全の症状を経験することから、テストステロン欠乏症が寄与因子であると思われており、よってこの女性群は本発明の範囲内にある。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、経口避妊を使用する女性の治療で役立つ。経口避妊は若者の間で最も一般的な避妊方法であり、性的に活動的な集団の全体で約46%は経口避妊を使う。経口避妊薬の最も一般的な種類はエストロゲンおよびプロゲスチンを含み、約99%有効であることが判明している。ゆえに、閉経前の全女性(<44歳)のほとんど半分は、経口避妊薬を服用している可能性がある。健康な「周期のある」女性との比較において、特にテストステロンレベルが最も高い正常周期の排卵前期で比較すると、エストロゲン含有経口避妊薬で治療される女性のテストステロンレベルは著しく低い。この影響は、経口避妊薬によって生じる黄体形成ホルモン抑制に起因し、上述のエストロゲン補充療法の影響に類似する。また、経口避妊薬の使用は女性で一般に性ホルモン結合グロブリン濃度を増加させ、テストステロンの結合の増加を引き起こし、結果として遊離テストステロンレベルの減少につながる。認識の性心理側面はより低いテストステロンレベルの影響を受け、経口避妊薬を使う一部の女性で臨床的に観察されるリビドーの減少に関係する可能性がある。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、例えば手術、化学的手段、放射線またはゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニストによる卵巣摘出術を受けた女性の治療で役立つ。そのような手術は、卵巣のアンドロゲン生成物の減少に導く。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、早発卵巣不全を有する女性の治療で役立つ。早発卵巣不全、例えばターナー症候群または卵巣の自己免疫性もしくは特発性の破壊と関連するものは、テストステロン産生障害と関連する。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、副腎機能の低下した女性の治療で役立つ。様々な原因から生じることができる副腎機能の低下は、テストステロン産生が約50%減少した患者の他のカテゴリーを表す。原発性副腎皮質欠乏症すなわちアジソン病は、結核および真菌感染を含む複数の病因による稀な内分泌障害である。女性における推定有病率は、100,000人につき約5人である。糖質コルチコイドおよびミネラルコルチコイドの分泌不足のために、アジソン病は生命を脅かすものとなりうる。一部の研究者が関連するテストステロン欠乏症を記したが、補充療法はしばしば無視される。副腎皮質刺激ホルモンは副腎性アンドロゲン生産の主要な刺激因子であるようなので、副腎皮質刺激ホルモン分泌不足も女性でテストステロン欠乏症を引き起こすことができる。これは下垂体疾患または手術、例えば二次的副腎皮質の欠乏症から生じるか、または副腎皮質刺激ホルモン分泌を抑制することができる外来性のコルチコステロイド投与の薬理効果として起こることがある。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、長期コルチコステロイド療法を投与された女性の治療で役立つ。長期コルチコステロイド療法は様々な病態のために使われ、その例としては慢性関節リウマチ、全身紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、移植体の免疫抑制、喘息、その他が挙げられる。コルチコステロイド誘導性の副腎抑制は、したがって副腎のアンドロゲン産生が不足した最も大きな患者群を表す可能性がある。アンドロゲン欠乏症は、コルチコステロイド誘導性の骨粗鬆症への寄与因子と認識される。骨生成(骨芽細胞活性)を刺激することによって、テストステロン補充は閉経前の女性におけるコルチコステロイド誘導性の骨粗鬆症の治療で有益であり、また、閉経女性を治療するときのエストロゲン補充療法で有益である。慢性関節リウマチおよび全身紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患の女性において、テストステロン欠乏症は根底にある自己抗体を生産する傾向に寄与することができ、そのことは自己免疫疾患の様々な動物モデルで見られた。テストステロン補充は、したがって自己免疫疾患の過程自体の改善を助けることができる。これらの考慮事項にもかかわらず、コルチコステロイドで抑制された女性の治療でのテストステロン補充の潜在的治療的利点は、ほとんど無視されてきた。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、汎下垂体機能低下症女性の治療で役立つ。いかなる原因でも汎下垂体機能低下症は、卵巣および副腎によるアンドロゲン分泌の撹乱のため、重度のテストステロン欠乏症を伴う。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、原発性副腎機能不全女性の治療で役立つ。原発性副腎機能不全は、テストステロン欠乏症と関連する。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、慢性疾患の女性の治療で役立つ。女性の慢性疾患は、循環テストステロン濃度の減少を伴う。グルココルチコイド投与は、副腎皮質刺激ホルモン分泌に及ぼすそれらの抑制作用によって、副腎によるアンドロゲン産生を抑制する。さらに、グルココルチコイドは、視床下部下垂体卵巣軸の全てのレベルでの抑制作用も有する。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、ヒト免疫不全ウイルス陽性の女性の治療で役立つ。テストステロン欠乏症が一般に見られるヒト免疫不全ウイルス陽性の男性と対照的に、ヒト免疫不全ウイルス陽性の女性がテストステロン欠乏を起こすかどうかはわかっていない。無月経は後天性免疫不全症候群(AIDS)の女性で増加するようであるが、それは卵巣のステロイド産生が減少することを示している可能性がある。サイトメガロウイルス感染、結核および/または真菌感染のために、後天性免疫不全症候群患者で副腎機能が不足することもある。ヒト免疫不全ウイルス感染者で食欲を増進するのに用いられるプロゲステロン剤であるメゲストロールアセテートはゴナドトロピンを抑制し、女性でテストステロンレベルを低下させると思われ、それは、男性でのそれによる影響と類似する。さらに、正常な女性で先に述べたように、ヒト免疫不全ウイルス陽性の女性による経口避妊薬の使用も、テストステロンレベルを減少させる。生理的テストステロン補充は、女性で消耗症候群を治療/予防するための、および生活の質を強化するための同化剤として使うことができる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物は、女性でテストステロン欠乏症と関連するいくつかの生理的および精神的なパラメータを治療するためにも役立ち、その例としては、リビドーの増加および性的能力、機能障害の改善、骨ミネラル密度および関連マーカーの増加、身体成分の改善、ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群の予防、認知能の改善、感情および自尊心の改善、筋肉質量および性能の改善、月経前症候群の治療、中枢神経系障害の治療、ならびに自己免疫疾患の治療が挙げられる。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性のリビドーの治療で役立つ。テストステロン濃度は、明らかに女性のリビドーに影響を及ぼす。ここ数十年にわたって、いくつかの相関研究により、より高いテストステロンレベルは、より少ない性的回避、より多くの性的満足、より多くの性的思考、より多くの性行動の開始、より高レベルの性的関心および欲求、ならびにより多くの性行動の期待と関連することがわかった。最近では、ヒト免疫不全ウイルス陽性の女性のサブセットで、性欲およびテストステロン間の相互関係が発見された。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性の性的能力の治療で役立つ。研究は、テストステロンが女性の性的能力に影響を及ぼすことを示した。相関研究は、エロチックな映像への脈管うっ血性の応答、マスターベーションの頻度の増加、性交頻度の増加およびより多くの性的パートナーで測られるように、テストステロンはより高い性的興奮と関連することを発見した。他の相関研究も、テストステロンが膣萎縮の減少と関連することを示した。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で女性の性的機能不全を治療するのに役立つ。自然閉経の前に実施された外科的閉経、すなわち全腹式子宮摘出術および両側性の卵管卵巣摘出術は、従来のエストロゲン補充療法によって軽減されない女性の性的機能不全症候群を、かなりの数の女性で引き起こす。この症候群の性的要素としては、リビドーの減少、興奮の減少およびオルガスムを達成する能力の減少がある。精神的な要素としては、エネルギーの減少、抑うつ性の感情および幸福感の一般的減少がある。これらは、十分なエストロゲン補充療法を受けていない閉経女性における性機能および心因性健康に悪影響を与えることができる膣萎縮、潤滑の減少、ほてりおよび感情的な負担の古典的なエストロゲン欠乏症状から、一般に識別することが可能である。エストロゲン欠乏症よりはむしろ、この症候群のホルモン性の基礎は、卵巣によるテストステロンおよびその前駆体の生産不足から生じるテストステロン欠乏症状態に帰せられる。
1つの研究において、外科的に誘導された閉経の後の性機能障害をもつ女性におけるテストステロンの影響が、経皮パッチを使用して評価された。卵巣摘出術および子宮摘出を経た31〜56歳の75人の女性は、ウマの抱合エストロゲン(経口的に少なくとも0.625mg/日)ならびに、ランダム順で、1日につき150μgのテストステロンおよび300μgのテストステロンをそれぞれ経皮的に12週間投与された。予後測定手段には、Brief Index of Sexual Functioning for Women(BISF)、Psychological Well-Being Index(PGWI)および電話上で行った性機能日記のスコアが含まれた。平均(±標準偏差)血清遊離テストステロン濃度は、プラセボ治療の間の1.2±0.8pg/mLから、それぞれ1日につき160および300μgのテストステロンによる治療の間の3.9±2.4pg/mLおよび4.9±4.8pg/mLに増加した(正常範囲、1.3〜6.8pg/mL)。かなりのプラセボ応答にもかかわらず、より高いテストステロン用量は、Brief Index of Sexual Functioning for Women中の性行動および快楽オルガスムの頻度のスコアのさらなる増加をもたらした(プラセボとの両方の比較でP=0.03)。より高い用量では、性的空想をした、またはマスターベーションした、または少なくとも週一回性交をした女性の百分率は、ベースラインから2〜3倍増加した。より高い用量ではPsychological Well-Being Indexのポジティブな幸福感、抑うつ性の感情および複合スコアも改善した(プラセボとの比較でそれぞれ、P=0.04、P=0.04)が、電話に基づく日記のスコアは有意には増加しなかった。
本発明の他の実施形態では、テストステロン療法はエストロゲン療法と併用される。研究によると、テストステロンおよびエストロゲン補充は、エストロゲンを単独でまたはプラセボを投与された者と比較して、性欲、性的空想の頻度、性的興奮および性交またはオルガスムの頻度の増加をもたらすことが示され、エストロゲンに加えてテストステロンを投与された女性は、エストロゲンを単独投与された女性と比較してリビドー、活性、満足感、快楽、空想、オルガスムおよび関連性のさらなる増加を経験することが報告された。プレマリン(Premarin)およびメチルテストステロンによる治療は、マスターベーションによる快楽の報告の有意な増加をもたらした。エストロゲンおよびメチルテストステロンによる治療は、同様に性的関心の増加をもたらす。つい最近、卵巣摘出術後の女性の経皮テストステロン治療は、性機能および精神的な幸福を改善することがわかった。エストロゲンを投与せずとも、テストステロン投与は単独で治療有益性を有すると考えられる。例えば、視床下部性無月経の女性は、プラセボと比較してテストステロンによる治療で膣の脈管うっ血の増加を示す。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で骨密度の低下を治療するのに役立つ。女性でテストステロン投与と関連づけられた他の生理学的パラメータは、骨ミネラル密度の低下である。いくつかの相関研究は、テストステロン濃度の増加は骨ミネラル密度の増加と関連することを示した。より高レベルの生物学的に利用可能なテストステロンレベルは、女性の超遠位の橈骨におけるより高い骨ミネラル密度と関連することがわかった。多嚢胞卵巣症候群を有する女性は、遊離のテストステロンレベルと正の相関を示す首部骨ミネラル密度を有した。上半身の骨ミネラル密度は、テストステロンと有意な相関関係を有した。骨粗鬆症の危険因子の前向き研究のために募集された女性の性ホルモン濃度および骨ミネラル密度の横断分析により、テストステロンおよび骨ミネラル密度の間の有意な正相関が発見された。他の研究は304人の女性の年齢層化標本を含み、下の表7で示すような骨ミネラル密度およびテストステロンの間の相関係数が見られた。
Figure 2008536851
リビドーおよび性的能力と同様に、骨量の減少を予防するか骨ミネラル密度を増加させるために、テストステロンはしばしばエストロゲンと併用投与される。例えば、ある横断研究において、皮下投与のエストラジオール(75mg)およびテストステロン(100mg)は、閉経女性で骨粗鬆症を予防して正常な骨ミネラル密度を維持することが判明した。他の研究では、閉経女性において単独投与のエストロゲンの効果は、エストロゲンにアンドロゲンを加えた療法のそれに劣った。エストロゲン単独投与群の骨生成の血清マーカーは減少したが、エストロゲンとテストステロンとの組合せで治療された女性の骨生成マーカーは増加した。同様に、インプラントペレットによるエストロゲンおよびテストステロンの補充は、エストロゲンインプラント単独よりも骨質量を増加させ、脊柱では骨ミネラル密度を5.7%増加させ、大腿骨首部領域では5.2%増加させることが示された。エストロゲンおよびメチルテストステロンによる治療は、同様に脊柱および腰部の骨ミネラル密度の増加をもたらす。また、経口投与されたエストロゲンおよびメチルテストステロンは骨量の減少を予防して、脊柱および腰部の骨ミネラル密度を増加させることが報告された。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性の身体成分の治療で役立つ。テストステロンは、女性の改善された身体成分と関連づけられた。テストステロンは肥満度指数と正に相関し、外来性のアンドロゲンは肥満の閉経女性で身体成分および局所の体脂肪分布に影響を及ぼした。他の研究者は、エストロゲンとテストステロンの併行投与療法で治療された閉経女性で、無脂肪質量の増加、および体脂肪量と無脂肪質量との比の低下を発見した。ゆえに、正常な女性またはテストステロン欠乏症の女性へのテストステロンの投与は、身体成分の治療的改善を有する可能性がある。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性でヒト免疫不全ウイルス消耗症候群の治療または予防で役立つ。近年、研究者は、ヒト免疫不全ウイルスに感染した女性へのテストステロン投与は、ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群を治療または予防する可能性があることを発見した。トレーサ類似方法を使って、より低いレベルの遊離テストステロンがヒト免疫不全ウイルス感染女性で見られた。例えば、150μg/日のテストステロンをヒト免疫不全ウイルス感染女性に送達するパッチによるテストステロン補充は、12週間で4%の体重増加をもたらした。さらに、患者の生活の質は改善された。ゆえに、テストステロン投与は、後天性免疫不全症候群または関連障害を患っている女性で、消耗を予防する方法として用いることができる。
本発明のさらに別の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で、例えば、中枢神経系障害に起因するものを含む、短期および長期の記憶および他の高次認知機能を治療または予防することに役立つ。性ステロイドは、短期および長期の記憶および他の高次認知機能にとって重要である。卵巣摘出術後にエストロゲンに加えてテストステロンを投与された閉経女性は、短期記憶の2試験、長期記憶の1試験、および論理的推理の1試験のスコアが高かった。テストステロンの投与は、より良い視覚空間的機能およびことばの技術と関連すると報告されている。高いテストステロンレベルを有する女性は、低いテストステロン濃度を有する女性よりも特別な/数学的な作業でのスコアが高かった。Mini-Mental State Examinationでのスコアが高かった女性は、総テストステロンおよび生物学的に利用可能なテストステロンの平均濃度が有意に高かった。テストステロンレベルは、ことばの流暢さにも関係する。今回も、認知パラメータに対するテストステロン投与の有益性は、併行エストロゲン投与によって最適化することができる。例えば、エストラジオール(40mg)およびテストステロン(100mg)の皮下インプラントは、濃度の増加を示した。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で感情または自尊心の障害の治療または予防で役立つ。女性のテストステロン血清レベルと関連するパラメータは、感情および自尊心である。エストロゲンおよびテストステロンを投与された閉経女性は、エストロゲンを単独投与された人々よりも落ち着きがあり、意気揚々として、精力的であった。同様に、テストステロン濃度は、自尊心と正の相関を示す。ゆえに、単独使用されたとき、またはエストロゲンと併用されたときに、テストステロン療法は感情を改善すると考えられる。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で筋肉の大きさおよび能力を増加させるのに役立つ。アンドロゲンおよびアナボリックステロイドは、男性で筋肉の大きさおよび能力を増加させるために、長い間ずっと用いられてきた。研究者は、多嚢胞卵巣症候群の女性でテストステロンがより大きな筋肉の重要な決定要素であることも、最近発見した。ゆえに、正常なまたはテストステロン欠乏症の女性へのテストステロンの投与は、筋肉の質量および能力の改善で役立つことができる。
上記症状の多くは、一般に月経前症候群(PMS)であると考えられているものの範疇に入る。一般に、対照と比較して月経前症候群を患う女性で、月経周期を通して低レベルのテストステロンが報告されている。英国およびオーストラリアでは、月経前症候群の処置として、テストステロン補充が現在使われている。エストラジオール/テストステロンインプラントによる月経前症候群の管理は、リビドー、セックスの快楽および疲労の改善をもたらした。ゆえに、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で月経前症候群を治療するために、特にエストロゲン投与と併用すると、役立つことができると考えられる。
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、女性で細胞性および液性免疫応答を抑制するのに役立つ。アンドロゲンは、細胞性および液性免疫応答を抑制するようである。多くの研究者は、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患から保護するとして、女性でテストステロンレベルを増加させることを提唱した。テストステロン投与は、したがって、そのような障害を有する女性の治療で有効であると考えられる。
本発明の治療剤の毒性および治療効力は、LD50(集団の50%に致死性の用量)およびED50(集団の50%に治療効果のある用量)の測定など、標準的な医薬用の手法で測定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比が治療指数であり、比LD50/ED50で表すことができる。大きな治療指数を示す化合物が好ましい。有害副作用を示す化合物を用いることもできるが、非感染細胞への傷害の可能性を最小にすることによって副作用を減らすために、患部組織の部位をそのような化合物の標的とさせる送達系を設計する配慮がなされなければならない。
本発明の活性剤は、所望により、塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグ、誘導体、その他の形で投与することができるが、そのような塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグ、または誘導体は薬理学的に適当であること、すなわち、本方法、キット、組合せおよび組成物中で有効なこととする。活性剤の塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグまたは誘導体は、有機合成化学の当業者に公知であり、例えば、J. March、Advanced Organic Chemistry; Reactions, Mechanisms and Structure、第4版(New York: Wiley-Interscience、1992)で記載されている標準手順を使って調製することができる。例えば、酸付加塩は、従来の方法を用いて遊離塩基から調製され、適当な酸との反応を含む。一般に、薬剤の塩基形態をメタノールまたはエタノールなどの極性有機溶媒で溶解させ、酸をそれに加える。生じる塩は沈殿するか、または極性のより弱い溶媒の添加によって溶液から取り出すことができる。酸付加塩を調製するための適当な酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、その他などの有機酸、ならびに例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、その他などの無機酸が挙げられる。酸付加塩は、適当な塩基による処理によって遊離塩基に再転換させることができる。例示すると、本明細書での活性剤の酸付加塩としては、塩酸または臭化水素酸を使って調製されるようなハロゲン塩がある。例示すると、塩基性塩としてはアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩および銅塩がある。エステルの調製では、薬剤の分子構造内に存在することができるヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基の官能化を含む。エステルは、一般的に、遊離アルコール基のアシル置換誘導体であり、すなわち式RCOOHのカルボン酸に由来する部分であり、Rはアルキル、好ましくは低級アルキルである。エステルは、所望により、従来の水素化分解または加水分解手法を用いて、遊離酸に再転換することができる。アミドおよびプロドラッグも、当業者に公知であるか関係する文献で記載されている技術を用いて調製することができる。例えば、アミドは適当なアミン反応体を用いてエステルから調製することができ、または、アミドはアンモニアまたは低級アルキルアミンとの反応によって、無水物または酸塩化物から調製することができる。プロドラッグは一般的にある部分の共有結合によって調製され、結果として個体の代謝系によって修飾されるまで治療活性のない化合物が得られる。
本発明の治療剤は、少なくとも1つの治療剤を含む単一の医薬組成物として、または、各組成物が少なくとも1つの治療剤を含む独立した複数の医薬組成物として製剤化することができる。本発明による医薬組成物としては、経皮投与のために製剤化された少なくとも1つの治療剤を有する組成物がある。経皮投与としてはパッチ、ゲル、テープおよびクリームを含む経皮送達系があり、それらはアルコール、透過増強剤および増粘剤などの賦形剤、ならびに可溶化剤(例えばプロピレングリコール、胆汁酸塩およびアミノ酸)、親水性ポリマー(例えばポリカルボフィルおよびポリビニルピロリドン)および接着剤、および粘着付与剤(例えばポリイソブチレン、シリコーンベースの接着剤、アクリレートおよびポリブテン)を含む。
本発明の治療剤は、次に、所望により従来の無毒性の薬剤として許容される担体、アジュバントおよび媒体を含む投薬単位製剤で、経皮投与することができる。本発明の化合物は、個々の治療的化合物としてまたは治療的化合物の組合せとして、医薬と併用して利用可能ないかなる従来の手段によっても投与することができる。
本発明の組成物は、哺乳動物でテストステロン欠乏症の治療、予防、またはその発病リスクの軽減のために、これらの化合物を哺乳動物の体内の作用部位、例えば回腸、血漿、中枢神経系または肝臓と接触させるいかなる手段によっても投与することができる。
さらに、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物は、塩、緩和剤、安定剤、抗菌物質、芳香剤および推進剤を任意選択で含むことができる。
本発明の他の実施形態では、治療剤はテストステロンを含むキットまたはパッケージの形である。例示すると、キットまたはパッケージは、経皮投与のために適当なゲルまたはパッチなどの剤形のテストステロンを、薬剤の適切な投薬のための量で含む。本発明の治療剤は、日(または他の周期的)投薬量が適切な逐次的または同時投与のために準備されている、キットまたはパッケージの形で包装することができる。本発明は、連日投与のために適合させた複数の投薬単位を含むキットまたはパッケージをさらに提供し、各投薬単位は本発明の治療剤の少なくとも1つを含む。この薬剤送達系は、治療組成物の様々な実施形態のいずれかの投与を容易にするために用いることができる。一実施形態では、この系は経皮投与を通して毎日または毎週投与される、複数の投薬量を含む。キットまたはパッケージは、患者のために一組の説明書を含む。
本方法、キット、組合せおよび組成物は、プロゲステロンなどの他のステロイド、または哺乳動物でテストステロンレベルを増加させる薬剤、例えば性ホルモン結合グロブリンの合成を抑制する作用物質、または、上記のように、エストロゲン様ホルモンとの「併用療法」で用いることもできる。
他の実施形態では、これらの方法、キット、組合せおよび組成物は、対象でテストステロン欠乏障害の治療、予防またはその発病リスクの軽減に有効な他のステロイドまたは薬剤と併用される。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物で有用な哺乳動物のテストステロンレベルを増加させるステロイド類または薬剤類としては、性ホルモン結合グロブリンの合成を抑制する化合物が挙げられる。性ホルモン結合グロブリンは血清タンパク質であって、テストステロンおよびエストラジオールと結合してこれらのホルモンの生物的活性に影響することが知られている。性ホルモン結合グロブリンの合成を抑制する具体的な関心の化合物としては、それらに限定されないが、メチルテストステロンおよびフルオキシメステロン、ならびにこれらの化合物の全ての塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグまたは誘導体がある。メチルテストステロンは、経口投与で利用できるもの、例えばANDROID(登録商標)およびTESTRED(登録商標)を含む様々な製剤で、今日利用できる。フルオキシメステロンも、経口投与で利用できるもの、例えばHALOSTESTIN(登録商標)を含む様々な製剤で、今日利用できる。上述の化合物の組合せを使用することができる。
理論に束縛されることを望まないが、メチルテストステロンは性ホルモン結合グロブリンのような内因性タンパク質の肝臓による合成を減少させると思われる。合成のこの減少は、内因性のホルモン輸送の主要な手段である性ホルモン結合グロブリンの血中濃度の低下をもたらす。性ホルモン結合グロブリンの減少は、その後受容体へ結合する遊離ホルモンの濃度の増加を引き起こす。アンドロゲン、例えばテストステロン、またはエストロゲン、例えばエストラジオールの経皮投与は、初回通過代謝を回避するので、血流中のホルモン濃度を増加させる手段を提供することができる。ゆえに、併用されると、メチルテストステロンおよび経皮投与されたテストステロン(および任意選択でエストラジオール)はより大きな治療効果を生み、血流中のホルモン濃度を増加させる手段を提供する。ホルモン結合能力の低下はホルモンの生物学的利用能の増加と結びつき、テストステロン単独で生成されるより高い遊離ホルモン濃度を生じるので、メチルテストステロンおよびテストステロン(および任意選択でエストラジオール)はいずれかの実体単独よりも大きな治療効果を生む。
本発明の他の実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができるエストロゲン様ホルモンは、天然のエストロゲン17β−エストラジオール(β−エストラジオール;1,3,5(10)−エストラトリエン−3,17β−ジオール)である。他のエストロゲン様ステロイドホルモンを17β−エストラジオールと一部または完全に置換して用いることができ、その例は、生体適合性であり効果的に経皮吸収されるエステルである。エストラジオールエステルは、例示すると、エストラジオール−3,17−ジアセテート;エストラジオール−3−アセテート;エストラジオール−17−アセテート;エストラジオール−3,17−ジバレレート;エストラジオール−3−バレレート;エストラジオール−17−バレレート;3−モノ、17−モノおよび3,17−ジプロピオネートエステル、対応するシピオネート、ヘプタノエート、ベンゾエート、その他のエステル;エチニルエストラジオール;エストロンおよび他のエストロゲン様ステロイドならびに経皮経路によって投与することができるその塩、鏡像異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグおよび誘導体でよい。本発明の方法、キット、組合せおよび組成物で用いることができる他のエストロゲン関連の化合物としては、それらに限定されないが、抱合エストロゲン(硫酸エストロン、エキリンおよび17−α−ジヒドロエキリンを含む)、吉草酸エストラジオール、エストリオール、エストロン、硫酸エストロン、エストロピペート(estropipate)、エチニルエストラジオール、メストラノール、ならびにこれらの化合物の全ての塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグまたは誘導体が挙げられる。
エストロゲン様ホルモンは、例えば、それらには限定されないが、クリーム、ペッサリー、膣リング、膣錠、経皮製剤、ゲルおよび経口用の錠剤として利用できるものなど、様々な製剤で今日利用できる。膣クリームの例としては、PREMARIN(登録商標)(抱合エストロゲン)、ORTHO DIENOSTEROL(登録商標)(ジエノステロール)およびOVESTIN(登録商標)(エストリオール)がある。利用できるペッサリー製剤としては、ORTHO-GYNEST(登録商標)(エストリオール)およびTAMPOVAGAN(登録商標)(スチルベストロール)がある。膣リング製剤の例はESTRING(登録商標)(エストラジオール)であり、膣錠の例はVAGIFEM(登録商標)(エストラジオール)である。エストラジオールを含む利用可能な経皮エストロゲン製剤としては、ERC ALORA(登録商標)、CLIMARA(登録商標)、DERMESTRIL(登録商標)、ESTRADERM(登録商標)、ESTRADERM(登録商標)TTS、ESTRADERM(登録商標)MX、EVOREL(登録商標)、FEMATRIX(登録商標)、FEMPATCH(登録商標)、FEMSEVEN(登録商標)、MENOREST(登録商標)、PROGYNOVA(登録商標)TSおよびVIVELLE(登録商標)がある。エストラジオールを含むエストロゲンゲルとしては、ESTROGEL(出願人により開発中)およびSANDRENA(登録商標)がある。エストラジオールは、ESTRADIOL IMPLANT(登録商標)など、インプラントペレットとして製剤化されて利用できるものもある。錠剤製剤としては、PREMARIN(登録商標)(抱合エストロゲン)、ESTRATAB(登録商標)(エストロゲンエステル)、ESTRATEST(登録商標)(エストロゲンエステル、メチルテストステロン)、MENEST(登録商標)(エストロゲンエステル)、CLIMAGEST(登録商標)(エストラジオール)、CLIMAVAL(登録商標)(エストラジオール)、ELLESTE SOLO(登録商標)(エストラジオール)、ESTRACE(登録商標)(エストラジオール)、PROGYNOVA(登録商標)(エストラジオール)、ZUMENON(登録商標)(エストラジオール)、HORMONIN(登録商標)(エストラジオール、エストロン、エストリオール)、HARMOEN(登録商標)(エストロン)、OGEN(登録商標)(エストロピペート)、およびORTHO-EST(登録商標)(エストロピペート)、ならびにこれらの化合物の全ての塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグまたは誘導体が挙げられる。
上述のエストロゲン様ホルモンの組合せを使用することができる。本発明の一実施形態では、エストロゲンの血清中濃度は、エストロゲンを含む本発明の投薬単位の1回投与から24時間以内に、少なくとも約60pgエストロゲン/ml血清に上昇する。
一実施形態では、エストロゲン様ホルモンは経皮投与のために水性アルコールゲルで製剤化される。ゲルは、1つまたは複数の低級アルコール、浸透促進剤、増粘剤、および水を含む。さらに、エストロゲンゲルは塩、緩和剤、安定剤、抗菌物質、芳香剤および推進剤を、任意選択で含む。
例示すると、エストロゲンゲルは、下の表8で示す以下の物質の近似量で構成される。
Figure 2008536851
この製剤の構成成分は量を変更することができ、それでも本発明の精神および範囲の中であり続けることを、当業者ならば理解する。例えば、組成物は約0.1〜約10gのエストラジオール、約0.1〜約5gのCARBOPOL、約0.1〜約5gのトリエタノールアミンおよび約30〜約98gのエタノールを含むことができる。
用語「併用療法」は、哺乳動物でのテストステロン欠乏障害の治療のためにそれらの治療剤の共同作用による有益効果を提供することを目的とした特定の治療計画の一部として、テストステロン合成経路内のステロイドを、哺乳動物でテストステロンレベルを増加させる他のステロイドもしくは薬剤、またはエストロゲン様ホルモンと併用して投与することを包含する。併用による有益効果としては、治療剤の併用から生じる薬物動態学的または薬力学的共同作用があるが、これに限定されるものではない。一般的にこれらの治療剤の併用投与は、一定の期間(通常、選択される組合せによって数分、数時間、数日、数週、数カ月または数年)実行される。「併用療法」は、一般に、付随的におよび恣意的に本発明の併用になる別々の単独療法の一部として、これらの治療剤の2個以上の投与を含むものではない。「併用療法」は、これらの治療剤の逐次的投与、すなわち各治療剤を異なる時間に投与すること、ならびに、これらの治療剤、または少なくとも2つの治療剤を実質的に同時に投与することを包含するものである。実質的に同時な投与は、例えば、各治療剤を一定比率で有する単一のゲルで、または複数の、各治療剤のための単剤カプセル、錠剤もしくはゲルで対象に投与することによって、達成することができる。各治療剤の逐次的なまたは実質的に同時な投与は、それらには限定されないが経口経路、経皮経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を通した直接吸収を含む、いかなる適当な経路によっても実行することができる。これらの治療剤は、同じ経路または異なる経路によって投与することができる。例えば、選択した組合せの第1の治療剤は経口投与し、組合せの他の治療剤は経皮的に投与することができる。代わりに、例えば、全ての治療剤を経皮的に投与することができ、または、治療剤の1つを静脈内、筋肉内、もしくは粘膜組織を通しての直接吸収によって投与することができる。治療剤が投与される順序は、厳密に重大ではない。「併用療法」は、例えば、それらに限定されないが性的能力を改善する作用物質などの他の生物活性成分、および、それに限定されないが手術などの非薬剤療法とさらに併用して、上記治療剤を投与することを包含することもできる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができる性的能力を改善する作用物質としては、例えば、ArginMax(商標);SureGasm(商標);Vitara(商標);Viacreme(商標);Niagara(商標);Ultimate Libido(商標);X-cite(商標);アルプロスタジル;ブプロピオン(Wellutrin(商標)SR、Zyban(商標)、Zyban(商標)LP、Quomen(商標)、Zyntabac(商標));REC-2615(Recordati);フェントラミン(Bimexes(商標)、Zonagen(商標)、Erxin(商標))(GlaxoSmithKline、Zonagen);HMP−12(HMP-1991012)(Molecular Design);LibiGel(商標)-E/T(Antares Pharma);ニコチン酸;3−ピリジンカルボン酸;アンドロスタ−4−エン−オン、(17)−ヒドロキシ−(17β);P2Y2アゴニスト;TA−179(田辺製薬);ステアリル−ノルロイシン−VIP(SNV)(Senetek);NMI−870、NMI−921(NitroMed);PT−141(Palatin Technologies、米国特許第6051555号);アルプロスタジル(LAM Pharmaceutical)(米国特許第6224573号、6306841号、5942545号、6046244号);IPM tech(LAM Pharmaceutical);RamotプロジェクトNo.981(Ramot);アポモルヒネHCI(Nastech、米国特許第6436950号);LGD−2226、LG−121071(Ligand);バルデナフィル(vardenafil)(Bay−38−9456、Nuviva、Levitra(Bayer));PT−14(Palatin Technologies);フリバンセリン(flibanserin)(Boehringer Ingelheim)(国際公開94/24125);フェントラミンメシレート(Vasomax(商標)、Z-Max(商標)、Vasofem(商標)、Regitin(商標))(Zonagen)(米国特許第5731339号);7日HRT経皮(EMD−61409、Fem7(商標)、FemSeven(商標))(Merck);Iosatan + HCTZ(Pinzaar(商標)plus、Hizaar(商標)、Lortann(商標)、Neo-Lotan(商標))(Bristol-Meyer Squibb)(国際公開94/09778);MS−325(AngioMark(商標)、Vasovist(商標)、ZK−236018)(EPIX Medical)(国際公開06/23526);タダラフィル(Cialis(商標)、PDE−A、PDE−CV、GF−196960、IC−351)(イーライリリー)(米国特許第6143746号、国際公開95/19978);アチポメゾール(atipomezole)(Antisedan(商標)、MPV−1248)(Orion Pharama)(欧州特許第183492号);ジュロキセチン(duloxetine)HCl(イーライリリー)(米国特許第5362886号);ブプロピオン(323U66、アンフェブタモン、BW−323U、Wellbutrin(商標))(GlaxoSmithKline)(米国特許第4424363号;血管拡張を引き起こす作用物質(例えば、米国特許第5877216号、6506765号、639574号および6294550号を参照);一酸化窒素を供与、伝達または放出する作用物質(例えば米国特許第6472425号を参照);5−HT1A受容体アゴニスト(例えばVML−670、CEB−1555(イーライリリー));内因性の内皮由来弛緩因子の生産を誘導する作用物質;一酸化窒素の内因性の合成を刺激する作用物質;一酸化窒素合成酵素のための基質である作用物質;またはホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば米国特許第6469016号を参照)が挙げられる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができる血管拡張誘導剤としては、例えば、血管拡張薬、エルゴタミン、ニトロ血管拡張剤、ACE阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、直接血管拡張薬、アドレナリン受容体アンタゴニスト、β2−アドレナリン作用性アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、α遮断薬、β遮断薬、交感神経興奮剤、ビタミン、有機硝酸薬、セロトニン受容体遮断剤、アンギナ遮断薬、血圧降下薬、心臓刺激剤、腎臓および脈管機能改善剤、交感神経興奮アミン、天然プロスタグランジン(例えば米国特許第6036977号を参照)、合成プロスタグランジン誘導体、内皮由来弛緩因子、血管作用性腸管ポリペプチドアゴニスト、平滑筋弛緩薬、ロイコトリエン阻害剤が挙げられる。血管拡張薬の例としては、アポモルヒネ、アポモルヒネN−グルクロニド、アポモルヒネO−グルクロニド、アポモルヒネO−硫酸塩、アポモルヒネN−硫酸塩、ノルアポモルフィン、ノルアポモルフィンO−グルクロニド、ノルアポモルフィンN−グルクロニド、ノルアポモルフィンO−硫酸塩、ノルアポモルフィンN−硫酸塩、ナイアシン、ニトログリセリン、塩酸、ヒドロクロロチアジド、塩酸ニラトリン(nilatrin)、ペントキシフィレン(pentoxyphylene)、フェノキシベンザミン、ジクロフェナク(dichlophenac)、パパベリン、ヒドララジン、ニトロプルシドナトリウム、塩酸イソキサプリン(isoxaprine)、エポプロステロールナトリウム、塩酸ナイリドリン、塩酸トラゾリン、ニコチニルアルコール、ニコチン酸、ニコチン酸前駆体、ニコチン酸およびフェントラミンのエステル、フェントラミンメシレート、塩酸フェントラミン、ヨヒンビン、チモキサミンイミプラミン、ベラパミル、イソクスプリン、ナフチドロフリル、トラゾリン、ヒドロイソソルビド、ジベナミン、ジニトラート、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、キナプリル、リシノプリル、ラミプリル(ramipril)、ロサルタン、アムリノン、ミルリノン、ベスナリノン、ニコランジル、プラゾシン、ラベタロール、セリプロロール、カルベジロール、ブシンドロール、ニフェジピンドブタミン、ミノキシジル、硝酸薬およびニリドリン、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述の血管拡張誘導剤の組合せを使用することができる。
例示すると、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができる硝酸薬としては、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、硝酸エリスリチル、硝酸アミル、モルシドミン、リンシドミン(linsidomine)クロル水和物、S−ニトロソ−N−アセチル−d,l−ペニシラミンおよびS−ニトロソ−N−グルタチオン;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述の硝酸薬の組合せを使用することができる。
例示すると、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができるα遮断薬としては、フェノキシベンザミン、ジベナミン、ドキサゾシン、テラゾシン、フェントラミン、トラゾリン、プラゾシン、トリマゾシン、アルフゾシン、タンスロシン(tansulosin)およびインドラミン;エルゴタミンおよびエルゴタミン類似体などの麦角アルカロイド、例えばアセトエルガミン(acetergamine)、ブラズエルゴリン(brazergoline)、ブロムエルグリド(bromerguride)、シアンエルゴリン(cianergoline)、デロルゴトリル(delorgotrile)、ジスルエルギン(disulergine)、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスルエルギン(etisulergine)、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メタエルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド(propisergide)、プロテルグリド(proterguride)およびテルグリド(terguride);血圧降下薬、例えばジアゾキシド、ヒドララジンおよびミノキシジル;ニモデピン(nimodepine);ピナシジル;シクランデラート;ジピリダモール;イソクスプリン;クロルプロマジン;ハロペリドール;ヨヒンビン;ならびにトラゾドン;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のα遮断薬の組合せを使用することができる。
例示すると、本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができる天然のプロスタグランジンとしては、プロスタグランジンE、プロスタグランジンE、プロスタグランジンA、プロスタグランジンB、プロスタグランジンF1α、19−ヒドロキシ−プロスタグランジンA、19−ヒドロキシプロスタグランジンB、プロスタグランジンE、プロスタグランジンA、プロスタグランジンB、19−ヒドロキシ−プロスタグランジンA、19−ヒドロキシ−プロスタグランジンB、プロスタグランジンE、プロスタグランジンF3α、プロスタグランジンIがある。合成プロスタグランジンの例としては、カルボプロストトロメタミン、ジノプロストトロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト、ゲメプロスト、メテノプロスト(metenoprost)、スルプロストンおよびチアプロスト(tiaprost);またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述の天然プロスタグランジンの組合せを使用することができる。
内皮由来弛緩因子としては、例えば、ニトロプルシドナトリウム、ジアゼニウム(diazenium)ジオレート、(Z)−1−{N−メチル−N−[6−(N−メチル−アンモニオヘキシル)アミノ]}ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、(Z)−1−[N−(3−アンモニオプロピル)−N−(n−プロピル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、(Z)−1−{N−[3−アミノプロピル]−N−[4−(3−アミノプロピルアンモニオ)ブチル]アミノ}ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレートおよびナトリウム(Z)−1−(N,N−ジエチルアミノ)−ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述の内皮由来弛緩因子の組合せを使用することができる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができる適当なホスホジエステラーゼ阻害剤としては、それらには限定されないが、III型ホスホジエステラーゼ(cAMP特異cGMP阻害性形態)、IV型ホスホジエステラーゼ(高親和性高特異性cAMP形態)およびV型ホスホジエステラーゼ(cGMP特異形態)の阻害剤が挙げられる。本発明と併用することができるさらなる阻害剤は、例えばピラゾロピリミジノンを含む、V型阻害剤以外のcGMP特異ホスホジエステラーゼ阻害剤である。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができるIII型ホスホジエステラーゼ阻害剤の例としては、それらには限定されないが、ミルリノンおよびアミリノン(amirinone)などのビピリジン類、ピロキシモン(piroximone)およびエノキシモン(enoximone)などのイミダゾロン類、イマゾダン(imazodan)、5−メチルイマゾダン、インドリダン(indolidan)およびICI1118233などのジヒドロピリダジノン類、シロスタミド(cilostamide)、シロスタゾールおよびベスナリノンなどのキノリノン化合物、ならびにベモラダン(bemoradan)、アネルグレリド(anergrelide)、シグアゾダン(siguazodan)、トレキンシン(trequinsin)、ピモベンダン、SKF−94120、SKF−95654、リキサジノン(lixazinone)およびイソマゾール(isomazole)などの他の分子、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のIII型ホスホジエステラーゼ阻害剤の組合せを使用することができる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができるIV型ホスホジエステラーゼ阻害剤の例としては、それらには限定されないが、ロリプラムおよびロリプラム誘導体、例えばRO20−1724、ニトロアクアゾーンおよびニトロアクアゾーン誘導体、例えばCP−77059およびRS−25344−00、キサンチン誘導体、例えばデンブフィリン(denbufylline)およびICI63197、ならびに他の化合物、例えばEMD54622、LAS−31025およびエタゾレート(etazolate);またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のIV型ホスホジエステラーゼ阻害剤の組合せを使用することができる。
本発明の方法、キット、組合せおよび組成物と併用することができるV型ホスホジエステラーゼ阻害剤の例としては、それらには限定されないが、ザプリナスト、MY5445、TA−179、ジピリダモールおよびシルデナフィル、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。他のV型ホスホジエステラーゼ阻害剤は、PCT刊行物国際公開94/28902および国際公開96/16644で開示されている。一実施形態では、VIAGRA(登録商標)(クエン酸シルデナフィルUSP)などのホスホジエステラーゼ5型(「PDE5」)の阻害剤が用いられる。上述のV型ホスホジエステラーゼ阻害剤の組合せを使用することができる。
PCT刊行物国際公開96/16644で記載されているホスホジエステラーゼ阻害剤としては、グリセオール(griseolic)酸誘導体、2−フェニルプリノン(phenylpurinone)誘導体、フェニルピリドン誘導体、融合および縮合ピリミジン、ピリミドピリミジン誘導体、プリン化合物、キナゾリン化合物、フェニルピリミジノン誘導体、イミドアゾキノキサリノン誘導体またはそのアザ類似体、フェニルピリドン誘導体およびその他がある。国際公開96/16644で開示されているホスホジエステラーゼ阻害剤の具体例としては、1,3−ジメチル−5−ベンジルピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、2−(2−プロポキシフェニル)−6−プリノン、6−(2−プロポキシフェニル)−1,2−ジヒドロ−2−オキシピリジン−3−カルボキサミド、2−(2−プロポキシフェニル)−ピリド[2,3−d]ピリミド−4(3H)−オン、7−メチルチオ−4−オキソ−2−(2−プロポキシフェニル)−3、4−ジヒドロ−ピリミド[4,5−d]ピリミジン、6−ヒドロキシ−2−(2−プロポキシフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド、1−エチル−3−メチルイミダゾ[1,5a]キノキサリン−4(5H)−オン、4−フェニルメチルアミノ−6−クロロ−2−(1−イミダゾロイル(imidazoloyl))キナゾリン、5−エチル−8−[3−(N−シクロヘキシル−N−メチルカルバモイル)−プロピルオキシ]−4,5−ジヒドロ−4−オキソ−ピリド[3,2−e]−ピロロ[1,2−a]ピラジン、5’−メチル−3’−(フェニルメチル)−スピロ[シクロペンタン−1,7’(8’H)−(3’H)−イミダゾ[2,1b]プリン4’(5’H)−オン、1−[6−クロロ−4−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−アミノキナゾリン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸、(6R,9S)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)メチル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]−ミダゾ(midazo)[2,1−b]−プリン−4−オン、1t−ブチル−3−フェニルメチル−6−(4−ピリジル)ピラゾロ[3,4−d]−ピリミド−4−オン、1−シクロペンチル−3−メチル−6−(4−ピリジル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミド−4−オン、2−ブチル−1−(2−クロロベンジル)6−エトキシ−カルボニルベンズイミダオール(carbonylbenzimidaole)、および2−(4−カルボキシピペリジノ)−4−(3,4−メチレンジオキシ−ベンジル)アミノ−6−ニトロキナゾリン、および2−フェニル−8−エトキシシクロヘプトイミダゾール;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のホスホジエステラーゼ阻害剤の組合せを使用することができる。
本発明と併用して役立つ他のV型ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、IC−351(タダラフィル(Cialis(登録商標)));4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)プロポキシ−]−3(2H)ピリダジノン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール(benzodioxol)−5−イルメチル)アミオノ(amiono)]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸、一ナトリウム塩;(+)−シス−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニメチル(phenymmethyl)−5−メチル−シクロペント−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4(3H)オン;フラズロシリン(furazlocillin);シス−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボン酸;4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)ピリダジノン;1−メチル−5−(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩;Pharmaprojects No..4516(Glaxo Wellcome);Pharmaprojects No.5051(Bayer);Pharmaprojects No..5064(協和発酵;国際公開96/26940を参照);Pharmaprojects No..5069(Schering Plough);GF−196960(Glaxo Wellcome);およびSch−51866;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のIV型ホスホジエステラーゼ阻害剤の組合せを使用することができる。
PCT刊行物国際公開94/28902で記載されている化合物は、ピラゾロピリミジノン類である。これらの阻害化合物の例としては、5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7−H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)−フェニル]1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−アリルオキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)−フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−[4−(2−プロピル)−1−ピペラジニルスルホニル)−フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[5−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニルスルホニル]−2−n−プロポキシフェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルカルボニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、および5−[2−エトキシ−5−(1−メチル−2−イミダゾリル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体が挙げられる。上述のピラゾロピリミジノンの組合せを使用することができる。
本発明の方法で用いることができる他のホスホジエステラーゼ阻害剤としては、テオフィリン、IBMX、ペントキシフィリンおよびパパベリンなどの非特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤、ならびにヒドララジンなどの直接血管拡張薬がある。
上述の性的能力を改善する作用物質の組合せを、本明細書の方法、キット、組合せおよび組成物で使用することができる。
併用療法を構成する治療的化合物は、複合型の剤形、または、実質的に同時な経皮投与を目的とする別々の剤形でよい。併用療法を構成する治療的化合物は逐次的に投与することもでき、いずれの治療的化合物も2段階投与を必要とする処方計画によって投与される。ゆえに、ある処方計画は、別々の活性剤を間隔を空けて投与することによる、治療的化合物の逐次投与を必要とすることがある。複数の投与段階の間の期間は、食物摂取の影響および患者の年齢、病態に従い、ならびに、治療的化合物の効力、溶解性、生物学的利用能、血漿内半減期および動態学的プロフィールなどの各治療的化合物の特性に従い、2、3分から数時間にわたってもよい。標的分子濃度の日内変動も、最適投与間隔を決定することがある。同時に、実質的に同時に、または逐次的に投与されるかどうかに関係なく、併用療法の治療的化合物は、1治療的化合物の経口経路による投与および他の治療的化合物の経皮経路による投与を必要とする処方計画を含むことができる。併用療法の治療的化合物が経口的に、吸入スプレーにより、直腸に、局所的に、口内に(例えば舌下に)、または非経口的に(例えば皮下、筋肉内、静脈内および皮内の注射もしくは注入手法)、別々にまたは一緒に投与されるかどうかに関係なく、そのような各治療的化合物は、薬剤として許容される賦形剤、希釈液または他の製剤成分の適当な医薬製剤に含まれる。治療的化合物を含む適当な薬剤として許容される製剤の例は、上で示されている。さらに、薬剤製剤は、例えば、Hoover, John E.、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975で議論されている。薬剤製剤の他の議論は、Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980で見られる。
本発明の一実施形態では、テストステロン欠乏障害を有する対象、またはその発病リスクを有する対象を特定する方法は、対象におけるテストステロン(または他のいかなるホルモン)の血清レベルで判定され、それは簡単な血液検査によって達成することができる。例えば、対象の血液をホルモン濃度について評価し、それらのレベルを最適な、または所定の生理的レベルと比較する。一実施形態では、遊離テストステロンの目標血清レベル濃度は約0.1pg〜約10μg/ml血清であり、プロゲステロンの目標血清レベル濃度は約0.25μg〜約75μg/ml血清であり、および/または、エストロゲンの目標血清レベル濃度は約1μg〜約1000μg/ml血清である。本発明の他の実施形態では、遊離テストステロンの目標血清レベル濃度は約3pg/ml血清であり、プロゲステロンの目標血清レベル濃度は約10μg〜約25μg/ml血清であり、および/またはエストロゲンの目標血清レベル濃度は約100μg〜約200μg/ml血清である。上述の他の危険因子も、テストステロン欠乏障害を有する対象、またはその発病リスクを有する対象を特定するために用いることができる。
患者のホルモンレベルと目標のまたは所定の生理的レベルとの比較に基づいて、不足しているホルモンのレベルを目標の生理的レベルまで補充するために、投与計画がその患者のために立てられる。処方計画の初期評価および確立の後、患者が目標のまたは所定の生理的レベルに到達するまで7〜30日ごと、類似した血液検査によって患者を監視して、それに従ってホルモン投与の投薬量を調節することも企図されている。目標レベルが確立されると、目標のまたは所定の生理的レベルを維持するために、処方計画は、補充ホルモンの確立された投薬量に患者が無期限に従うことを指示する。目標のまたは所定の生理的レベルが維持されていることを確認するために、その後、定期血液検査を実施する。
本発明の一実施形態では、テストステロンを水性アルコールゲル剤形に含む医薬組成物を、正常未満の遊離テストステロン血漿中濃度を有する成人女性閉経前ヒト対象に約0.4mg〜約0.5mgのテストステロン投薬量で経皮投与すると、下記(i)1dL血清につき約39ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約19ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約30ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約2.6ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約1.4ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約2.1ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示し、投薬量は1つから複数の投薬単位剤形で投与される。他の実施形態では、このテストステロン組成物は7日連続で投与され、7日目には下記項目(i)1dL血清につき約89ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約62ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約76ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約6.5ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約5.1ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約5.6ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示す。
本発明の他の実施形態では、テストステロンを水性アルコールゲル剤形に含む医薬組成物を、正常未満の遊離テストステロン血漿中濃度を有する成人女性閉経前ヒト対象に、下記項目(i)1dL血清につき約52ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約18ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約35ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約5.5ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約1.8ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約3.5ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールをもたらすのに十分な用量で経皮投与し、投薬量は1つから複数の投薬単位剤形で投与する。他の実施形態では、このテストステロン組成物は7日連続で投与され、7日目には下記項目(i)1dL血清につき約88ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約43ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約66ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約7.8ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約3.5ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約5.6ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示す。一実施形態では、水性アルコールゲルの用量は、約0.8mg〜約0.9mgのテストステロンを対象に投与する。
本発明の一実施形態では、テストステロンを水性アルコールゲル剤形に含む医薬組成物を、正常未満の遊離テストステロン血漿中濃度を有する成人女性閉経ヒト対象に、下記項目(i)1dL血清につき約19ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約8ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約14ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約5.5ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約1.8ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約3.5ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールをもたらすのに十分な用量で投与し、投薬量は1つから複数の投薬単位剤形で投与する。他の実施形態では、このテストステロン組成物は7日連続で投与され、7日目には下記項目(i)1dL血清につき約44ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約21ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約32ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約7.8ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約3.5ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約5.6ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示す。一実施形態では、水性アルコールゲルの用量は、約0.4mg〜約0.5mgのテストステロンを対象に投与する。
本発明の他の実施形態では、テストステロンを水性アルコールゲル剤形に含む医薬組成物は、正常未満の遊離テストステロン血漿中濃度を有する成人女性閉経前ヒト対象に経皮投与され、下記項目(i)1dL血清につき約61ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約10ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約34ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約2.6ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約0.8ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約1.7ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示し、投薬量は1つから複数の投薬単位剤形で投与される。他の実施形態では、このテストステロン組成物は7日連続で投与され、7日目には下記項目(i)1dL血清につき約106ng以上の総テストステロンのCmax;(ii)1dL血清につき約40ng以上の総テストステロンのCmin;(iii)1dL血清につき約64ng以上の総テストステロンのCavg;(iv)1dL血清につき約5.6ng以上の遊離テストステロンのCmax;(v)1dL血清につき約2.3ng以上の遊離テストステロンのCmin;または(vi)1dL血清につき約3.4ng以上の遊離テストステロンのCavg、の少なくとも1つを有する24時間テストステロン薬物動態プロフィールを示す。一実施形態では、この組成物は約0.1%〜約10%のテストステロン、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体と、約30%〜約98%のエタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択されるアルコールと、約0.1%〜約5%のミリスチン酸イソプロピルと、約0.1%〜約10%の0.1N水酸化ナトリウムと、約0.1%〜約5%のゲル化剤とを含み、これらの百分率は組成物との重量比であり、組成物の成分の合計は約100重量%である。一実施形態では、水性アルコールゲルの用量は、約0.8mg〜約0.9mgのテストステロンを対象に投与する。
本発明のさらに別の実施形態では、組成物は約1%のテストステロン、またはその塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形、プロドラッグもしくは誘導体と、約0.8%〜約1%のポリアクリル酸と、約0.5%のミリスチン酸イソプロピルと、約4%〜約5%の0.1N水酸化ナトリウムと、約72%〜約73%のエタノール(95%(v/v))とを含む。
さらに別の実施形態では、対象へ投与される組成物の量は0.44g用量であり、約4.4mgのテストステロンを皮膚に送達する。
さらに別の実施形態では、対象へ投与される組成物の量は0.88g用量であり、約8.8mgのテストステロンを皮膚に送達する。
一実施形態では、テストステロンによる治療が指示される病態または障害を治療するための方法は、そのような治療が必要な対象に本発明の組成物を経皮投与することを含む。そのような病態または障害としては、例えば、性腺機能低下症、性的機能不全、リビドーの減少、高コレステロール血症、異常な心電図、血管運動の症状、糖尿病性網膜症、過血糖、高インスリン血症、低インスリン血症、体脂肪率の増加、高血圧、肥満、骨粗鬆症、骨減少症、膣乾燥、膣壁の浅薄化、更年期症状およびほてり、認知障害、心血管疾患、中枢神経系障害、アルツハイマー病、認知症、白内障、子宮頸癌、子宮癌、乳癌、うつ症、子宮内の不適切な胚着床、早発卵巣不全および早発閉経が挙げられる。
本発明の他の実施形態では、それを必要とする成人対象における、テストステロン欠乏障害の治療、予防、またはその発病リスクの軽減のための方法は、(i)1dL血清につき約0.2ng未満から1dL血清につき約0.5ngの遊離テストステロン血漿中濃度を有する成人女性閉経前ヒト対象を特定することと、(ii)対象の皮膚の領域に請求項1の組成物のある量を投与することとを含み、その量は対象の血清にテストステロンの治療有効量を送達するものであり、その結果テストステロン欠乏障害またはテストステロン欠乏障害の発病リスクを軽減する。
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、それらは決して限定するものと解釈されるべきではない。以下の実施例では、正常周期のある女性は1日に約300μgのテストステロンを産生すると仮定し、彼らの血清テストステロンレベルは、一般に約20ng/dLから約80ng/dLの範囲であり、平均して約40ng/dLである。閉経前の女性における両側の卵巣摘出術はテストステロン産生を約50%減少させ、約20ng/dLの平均総血清レベルになる。生理的観点からは、例えば女性の性的機能不全を経験する手術により閉経となった女性のテストステロン療法は、1日あたり約150μgの失った卵巣のテストステロン産生を補充してテストステロンおよびその活性アンドロゲン代謝産物ジヒドロテストステロン(DHT)のレベルを、正常な生理的範囲内のそれらの以前のレベルへ回復させることである。
(実施例)
以下の実施例は本発明の例示のために提供され、決して限定を意図するものではない。特に明記しない限り、これらの実施例において、テストステロンは表4で先に述べたように、経皮投与のためのゲルとして製剤化される。
1%ゲル製剤中の4.4mgのテストステロンの投与後の正常未満のテストステロン濃度を有する閉経前女性におけるテストステロン濃度の増加
この実施例は、正常未満の遊離テストステロン濃度を有する閉経前女性における、4.4mgの経皮テストステロンを1%水性アルコールゲルとして投与した後の血清テストステロンレベルの増加を示す。
この実施例では、18歳から65歳の5人の閉経前女性が研究に登録された。対象はその年齢では正常未満の遊離(未結合)テストステロン濃度を有すると特定され、スクリーニング時の遊離(未結合)テストステロン濃度は0.2〜0.5ng/dLであった。さらに、対象はスクリーニングから30日以内はテストステロン療法を受けること、妊娠または泌乳をすること、糖尿病であること、またはいかなる抗うつ薬療法を受けることもできなかった。
女性は、1日1回約午前8時00分に、0.44gの1%テストステロンゲル製剤を7日間投与された。ゲルは、メーター付きポンプを用いてガラス瓶から分配した。投与された日用量中のテストステロンの量は、4.4mgであった。ゲルは、7試験日の各日に、上腿外側および腰の皮膚に同時に均一に塗布した。
テストステロンの薬物動態を測定するために、逐次採取血液サンプルを治療の0日目(ベースライン)、1日目および7日目に得た。患者から収集した血清は、検証された高感度特異的ラジオイムノアッセイを用いて、総(結合+未結合)テストステロンおよび未結合のテストステロン(アルブミンおよび性ホルモン結合グロブリン(SHBG)のいずれとも結合していない)について分析した。
投薬期間の間のピーク濃度(Cmax)および投薬期間の間の最低濃度(Cmin)は、検査で測定した。投薬期間中の平均濃度(Cavg)はAUC(0〜24)/24として計算したが、AUC(0〜24)は台形公式を用いて求められた24時間投薬期間中の濃度−時間曲線の下の領域であった。アッセイの結果が欠落している場合、台形を次のサンプル時間まで拡張することによってAUCを計算した。欠落しているアッセイの結果が投薬期間の開始時または終了時である0日目または7日目のものである場合、患者が定常状態でいたと仮定して、その欠側値は24時間前または24時間後のアッセイの結果と同等であると推定した。
局所投与されたテストステロン含有水性アルコールゲルは、投与直後に、正常未満のテストステロンレベルを有する閉経前女性の血清テストステロンレベルを上昇させた。総テストステロンおよび遊離テストステロンの血清濃度は、治療の1日目の終りまでにほぼ倍増した。合計7日間の1日1回治療は、処理前レベルの3倍から6倍の血清濃度をもたらした。総テストステロンレベル(ng/dL)を、図3に示す。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度と比較して、表9にまとめる。
Figure 2008536851
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgのベースライン値を、図1に示す。ベースライン値は9から26ng/mLの範囲であり、平均値は16ng/mLであった。
4.4mgのテストステロンゲルによる治療の1日目に、ベースラインと比較して女性の総テストステロンのCavgは37〜155%増加し、平均では94%の増加であった。
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgの7日目の値を、図2に示す。4.4mgのテストステロンゲルの投与は、閉経前女性において16ng/dLから76ng/dLへの平均変化をもたらした。
総テストステロンのベースライン濃度はわずかな日内変動を示し、5人の対象でピーク濃度は早朝試料と関連していた。テストステロンの投与は、この日内パターンを変化させた。早朝(正常な最高テストステロン濃度が起こるおおよその時間)のテストステロンゲルの投与により、5人の対象のうちの4人で最高血清濃度が早朝以外の別の時間に観察された。ゆえに、患者がテストステロンゲルを寝る前の夜間に投与した場合は、患者の日内変動のタイミングおよび程度は、多分正常パターンに従うことになろう。
定常状態のテストステロン濃度が1日目のマーカー濃度によって予測されるかどうかを見るための研究で、1日目の各サンプル時間の濃度および7日目のCavgまたは0日目と7日目の間のCavgの変化の間で相関関係を探索した。最も高い相関関係は、1日目および7日目のCavgの24時間試料の間で確認された(R=0.35)。この関係は、7日目の定常状態のCavgが、最初の用量の投与から24時間後、すなわち、ゲルの第2の投与の直前に測定されるテストステロン血清濃度よりも、約23ng/dL高いと予測することができることを示す。
図4で示すように、遊離テストステロンの血清濃度は、総テストステロン濃度と平行して増加した。1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度と比較して、表10にまとめる。
Figure 2008536851
ベースラインと比較した治療1日目の遊離テストステロンの平均変化は、92%であった。7日目には、遊離テストステロンの平均Cavgは処理前レベルの2倍以上から約5倍であり、患者1名は7日目に遊離テストステロンの10倍の増加を示した。4.4mgのテストステロンゲルの投与は、閉経前対象で遊離テストステロンの平均Cavgを5.6ng/dLまで増加させた。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分と比較して、表11にまとめる。
Figure 2008536851
表11で示すように4.4mgのテストステロンを投与した閉経前女性では、平均遊離画分の平均は6.3%から7.4%に変化し、0日から7日目までの平均変化は1.1%の増加であった。ベースライン時の遊離画分のCavgは、5人の対象で2.1%から11%まで変動した。7日目の遊離画分のCavgは同程度の変動を示し、その値は1.8%から11.3%まで変動した。
1%水性アルコールゲル製剤中の8.8mgのテストステロンの投与後の正常未満のテストステロン濃度を有する閉経前女性におけるテストステロン濃度の増加
この実施例は、正常未満の遊離テストステロン濃度を有する閉経前女性における、8.8mgの経皮テストステロンを1%水性アルコールゲルとして投与した後の血清テストステロンレベルの増加を示す。
この実施例では、上と同様に18歳から65歳の5人の閉経前女性が研究に登録された。女性は、1日1回、0.88gの1%テストステロンゲル製剤(8.8mgのテストステロンを含有)を7日間投与された。対象に投与されたテストステロンの量を除いては、研究の全ての態様は実施例1で記載されているものと同一であった。
8.8mgのテストステロンを含有する水性アルコールゲルの局所投与は、正常未満のテストステロンレベルを有する閉経前女性の血清テストステロンレベルを上昇させた。総テストステロンおよび遊離テストステロンの血清濃度は、治療1日目の終りまでにほぼ倍増した。合計7日間の1日1回治療は、処理前レベルの2倍から7倍の血清濃度をもたらした。総テストステロンレベル(ng/dL)を、図3に示す。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度と比較して、表12にまとめる。
Figure 2008536851
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgのベースライン値を、図1に示す。ベースライン値は5から30ng/mLの範囲であり、平均値は18ng/mLであった。
8.8mgのテストステロンゲルによる治療の1日目に、ベースラインと比較してテストステロンのCavgは38〜220%増加し、平均では109%の増加であった。
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgの7日目の値を、図2に示す。8.8mgのテストステロンゲルの投与は、対象において18ng/dLから66ng/dLへの平均変化をもたらした。
総テストステロンのベースライン濃度はわずかな日内変動を示し、5人の対象のうち1人でピーク濃度は早朝試料と関連していた。テストステロンの投与は、対象の日内パターンを変化させた。
実施例1と同様に、遊離テストステロンの血清濃度は、総テストステロン濃度と平行して増加した。(図4)。1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度と比較して、表13にまとめる。
Figure 2008536851
ベースラインと比較して治療1日目の平均遊離テストステロンCavgの増加は、110%であった。7日目には、遊離テストステロンのCavgは処理前レベルのほぼ2倍からほぼ8倍であった。8.8mgのテストステロンゲルの投与は、7日目に対象で遊離テストステロンのCavgを1.7ng/dLから5.6ng/dLまで増加させた。
閉経前女性への8.8mgのテストステロンの投与による1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分を、ベースライン時の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分と比較して、表14にまとめる。
Figure 2008536851
表14に示すように8.8mgのテストステロンを投与した閉経前女性では、平均遊離画分の平均は9.9%から9.6%に変化し、0日目から7日目までの平均変化は1.1%の増加であった。ベースライン時の遊離画分は、5人の対象で4.7%から17.5%まで変動した。7日目の遊離画分は同程度の変動を示し、その値は1.8%から11.3%まで変動した。
1%水性アルコールゲル製剤中の4.4mgのテストステロンの投与後の正常未満の遊離テストステロン濃度を有する閉経後女性における遊離テストステロン濃度の増加
この実施例は、正常未満の遊離テストステロン濃度を有する閉経後女性における、4.4mgの経皮テストステロンを1%水性アルコールゲルとして投与した後の血清テストステロンレベルの増加を示す。
この実施例では、18歳から65歳の4人の閉経後女性が研究に登録された。対象はその年齢では正常未満の遊離(未結合)テストステロン濃度を有すると特定され、スクリーニング時の遊離(未結合)テストステロン濃度は0.2〜0.5ng/dLであった。女性は、1日1回、0.44gの1%テストステロンゲル製剤(4.4mgのテストステロンを含有)を7日間投与された。研究の全ての態様は、実施例1で記載されているものと同一であった。
図5に示すように、4.4mgのテストステロンを含有する水性アルコールゲルの局所投与は、正常未満のテストステロンレベルを有する閉経後女性の血清テストステロンレベルを、投与直後に上昇させた。総テストステロンおよび遊離テストステロンの血清濃度は、治療1日目の終りまでに約1.5倍から2倍上昇していた。合計7日間の1日1回治療は、処理前レベルの2倍から5倍の血清濃度をもたらした。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度と比較して、表15にまとめる。
Figure 2008536851
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgのベースライン値を、図1に示す。総テストステロンCavgのベースライン値は6〜18ng/mLであり、平均値は11ng/mLであった。
4.4mgのテストステロンゲルによる治療の1日目に、ベースラインと比較してテストステロンのCavgは50〜83%増加し、平均では61%の増加であった。
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgの7日目の値を、図2に示す。7日目のレベルは処理前レベルの2〜4.5倍であり、対象での総テストステロン平均濃度の平均変化は11ng/dLから32ng/dLであった。
総テストステロンのベースライン濃度はわずかな日内変動を示し、全ての対象でピーク濃度は早朝試料と関連し、早朝(正常な最高テストステロン濃度が起こるおおよその時間)のテストステロンゲルの投与により、各対象においても最高血清濃度が早朝以外の別の時間に観察された。
図6で示すように、閉経後の女性に4.4mgのテストステロンゲルを投与したのちに、遊離テストステロンの血清濃度は総テストステロン濃度とともに増加した。1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度の上昇を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度と比較して、表16にまとめる。
Figure 2008536851
遊離テストステロンの平均Cavgは、ベースライン時の0.4ng/dLから治療1日目には3.5ng/dLに、治療7日目には5.6ng/dLに増加した。7日目には、遊離テストステロンの平均Cavgは処理前レベルの2倍以上から5倍以上であった。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分を、ベースライン時(治療を開始する前)の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロンの遊離画分と比較して、表17にまとめる。
Figure 2008536851
表17に例示するように、4.4mgのテストステロンを投与した閉経後女性において、平均遊離画分の平均は4.1%から4.7%に変化した。
1%水性アルコールゲル製剤中の8.8mgのテストステロンの投与後の正常未満のテストステロン濃度を有する閉経後女性におけるテストステロン濃度の増加
この実施例は、正常未満の遊離テストステロン濃度を有する閉経後女性における、8.8mgの経皮テストステロンを1%水性アルコールゲルとして投与した後の血清テストステロンレベルの増加を示す。
この実施例では、上と同様、18歳から65歳の2人の閉経後女性が研究に登録された。女性は、1日1回、0.88gの1%テストステロンゲル製剤(8.8mgのテストステロンを含有)を7日間投与された。研究方法は、実施例1に記載のものと同一であった。
図5に示すように、8.8mgのテストステロンを含有する水性アルコールゲルの局所投与は、正常未満のテストステロンレベルを有する閉経後女性の血清テストステロンレベルを、投与直後に上昇させた。総テストステロンおよび遊離テストステロンの濃度は、ベースライン濃度と比較して投与7日目ののちに有意に増加した。テストステロンゲルによる7日間の治療ののちの血清濃度は、第1の対象でベースライン濃度の2倍以上、第2の対象でベースライン濃度の12倍以上増加した。
1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度の値、ならびにベースライン時の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の総テストステロン濃度の値を、表18にまとめる。
Figure 2008536851
24時間の間の総テストステロン平均濃度Cavgのベースライン値を、図1に示す。ベースラインCavg総テストステロン値は、第1の対象では7ng/dLであり、第2の対象では16ng/dLであった。8.8mgのテストステロンゲルによる治療の1日目に、Cavg値は第1の対象では49ng/dLに、第2の対象では19ng/dLに増加した。治療の7日目には、総テストステロンCavg値は、第1および第2の対象についてそれぞれ89ng/dLおよび38ng/dLであった。総テストステロンCavgの7日目の値を、図2で図示する。
総テストステロンのベースライン濃度はわずかな日内変動を示し、対象の1人でピーク濃度は早朝試料と関連していた。テストステロンの投与は、対象のテストステロンレベルの日内パターンを変化させた。
図6で示すように、遊離テストステロンの血清濃度は、総テストステロン濃度と平行して増加した。ベースライン時、1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)の遊離テストステロン濃度を、表19にまとめる。
Figure 2008536851
ベースライン時、遊離テストステロンの平均Cavgは、第1の対象では0.4ng/dL、第2の対象では1.2ng/dLであった。1日目、平均Cavgは第1の対象で2.0ng/dLに、第2の対象で1.4ng/dLに増加し、7日目には遊離テストステロンの平均Cavgは第1の対象では4.0ng/dL、第2の対象では2.8ng/dLであった。
ベースライン時、1日目および7日目の最高(Cmax)、最低(Cmin)および平均(Cavg)のテストステロン遊離画分を、表20にまとめる。
Figure 2008536851
表20に示すように、8.8mgテストステロンを投与した閉経後女性において、第1の対象では平均遊離画分の平均は、ベースライン時の6.3%から治療1日目には4.7%へ、治療7日目には4.4%へ変化した。第2の対象では、平均遊離画分の平均は、ベースライン時の7.9%から治療の1日目および7日目に7.4%へ変化した。
閉経期の状態および血清テストステロンレベルに及ぼす外来性テストステロン投与の影響
この実施例は、4.4mgまたは8.8mgの経皮テストステロンを1%の水性アルコールゲルとして投与した後の、閉経前および閉経後の女性における血清テストステロンレベルに及ぼす外来性テストステロン投与の影響を示す。研究は、実施例1〜4で記載されているように実施された。
この研究の結果を、図7で詳述する。図7は、外来性のテストステロンが血清テストステロンレベルを増加させた程度は、閉経後の女性よりも閉経前の女性で高かったことを示す。血清テストステロンレベルの最大の増加は、低用量のテストステロンを投与された閉経前の女性で観察された。6人中5人の閉経後女性は50ng/dL未満の血清テストステロンの増加を示したが、閉経前の女性のわずか50%がそのカテゴリーに該当した。閉経前の女性は、観察された増加の程度に関して用量依存性を示さなかった。より高い用量を投与された閉経後の女性の数は、閉経後の女性で用量依存性の有無を確認するにはあまりに少なかった。
ホルモン補充療法を併用してまたは併用しないでテストステロンを1%の水性アルコールゲル製剤で投与した後の閉経後の女性におけるテストステロン濃度
この実施例は、ホルモン補充療法を併用してまたは併用しないで4.4mgまたは8.8mgまたは13.2mgの経皮テストステロンを1%水性アルコールゲルとして投与した後の、閉経後女性における血清テストステロンレベルの増加を示す。
この実施例では、51歳以上の24人の閉経後女性が研究に登録された。閉経は複数年の月経の停止、および/またはエストロゲン補充療法を受けていない女性で30U/Lを超えるFSHレベルと定義された。参加者はその前の12カ月間、33ng/dL未満の血清テストステロンレベル(早朝)、ならびに正常なPAP塗抹標本および乳房X線写真を有しなければならなかった。対象を、2つの群に分割した。第I群は少なくとも3カ月間ホルモン補充療法を受けていなかった13人の健康な閉経後女性を含み、第II群は少なくともそれ以前の3カ月間安定ホルモン補充療法の治療を受けていた13人の閉経後女性を含んだ。卵巣摘出術を受けた女性は、研究への参加資格がなかった。
研究はスクリーニング期間、24時間のベースラインサンプリング期間および5週間の治療期間からなり、対象は1日に1%テストステロン水性アルコールゲル(Relibra(登録商標)、Unimed Pharmaceuticals, Inc.、Marietta、GA)の4.4mg、8.8mgまたは13.2mgを投与された。
血清総テストステロンレベルは、トレーサとしてヨウ化されたテストステロンを用いるラジオイムノアッセイを用いて測定した。Javanbakht, M.ら、J. Clin.Endocrinol. Metab.、第85巻、第7号、2000、2395〜401頁。このアッセイは、0.44ng/dLの感度、ならびにそれぞれ13.2および8.2%のアッセイ内およびアッセイ間の変動係数を有する。遊離テストステロンレベルは、低濃度を高い精度および正確度で測定するように最適化した、高感度平衡透析法(Sinha-Hikim, Iら、J. Clin.Endocrinol. Metab.、第83巻、1998、1312〜1318頁)で測定した。内部分画中の200μLの血清は、ヒト血清の無タンパク質限外濾過液の組成に近い2.4mLの透析緩衝液に対して透析した。同書。透析は、37℃で一晩、16時間実施した。透析物中のテストステロン濃度は、125I標識テストステロンを用いてRIAで測定した。同書。遊離テストステロンアッセイの感度は0.6pg/ml(2.0pmol/L)であり、アッセイ内およびアッセイ間の変動係数はそれぞれ4.2および12.3%である。血清のLH、FSHおよびSHBGのレベルは2つの部位特異的免疫蛍光定量的アッセイ(Delfia-Wallac、Gaithersburg、MD)で測定し、感度は前記したようにそれぞれ0.05U/l、0.15U/lおよび6.25nmol/lであった。JavanbakhtらおよびSinha-Hikimら、上記。アッセイ内およびアッセイ間の変動係数は、それぞれLHでは10.7%および13.0%、FSHでは3.2%および11.3%、SHBGでは10%および10.2%であった。血清エストラジオールレベルはラジオイムノアッセイで測定し、感度は2.5pg/mL、アッセイ内およびアッセイ間の変動係数はそれぞれ8%および10%であった。
ベースラインおよび薬物動態のパラメータは各群内の対象間で平均して、平均値、SDおよびSEMを得た。テストステロンの生物学的利用能は、テストステロン曲線下の面積(AUC)として記載した。24時間のサンプリング期間中の時間平均遊離および総テストステロン濃度は、それぞれの曲線下面積を24時間で割って計算した。8日目、22日目および35日目に測定した遊離および総テストステロンの24時間プロフィールからの以下の薬物動態パラメータを評価した:時間平均、定常状態の濃度(Caverage)、最高濃度(Cmax)、最低濃度(Cmin)、最高濃度の時間(Tmax)、最低濃度の時間(Tmin)および曲線下面積(AUC)。Caverageは、24 AUCを24時間で割ることによって計算した。
2つの治療群があった:テストステロンゲルを単独で投与されエストロゲン療法を受けていなかった閉経後女性、およびプレマリン(premarin)およびメドロキシプロゲステロンを含む安定ホルモン補充療法を併用投与された閉経後女性。異なる用量のテストステロンゲルを、ランダム順で投与した。したがって、我々はテストステロン用量(1日に4.4、8.8または13.2mg)、エストロゲン(イエスかノー)およびゲル投与後の時間を3因子とする、三元配置混合モデルの分散分析(ANOVA)を用いた。患者の影響(治療の中でネスト化)は、共分散としてモデルに含ませた。推定過程を単純化するために、エストロゲン治療、用量および時間の間の三者間相互作用をゼロと仮定したが、ネスト化した患者の影響との適当な相互作用を含む全ての二者間相互作用を分析で用いた。F検定が有意な影響を示した場合、個々の群の間の差はチューキー・クレイマー多重比較手法を用いて分析した。ANOVAモデルの分布上の仮説を満たすために、分析の前に血清ホルモン濃度を対数変換した。用量アーム全体での薬物動態パラメータの分析は二元配置の反復測定分散分析を用い、そこで、エストロゲン治療は治療変数、用量は反復因子であった。いかなる有意な用量効果でも分析するために、チューキー・クレイマー多重比較手法を用いた。
対象のベースライン特性を測定した。女性の2群、エストロゲン補充の安定療法を受けていた者およびエストロゲン補充療法を受けていなかった者は、年齢、体重、身長、肥満度指数および血清中の総合および遊離のテストステロンのベースラインレベルに関して有意差はなかった。表21に示すように、エストロゲン補充療法を受けていなかった女性よりも受けていた女性で血清中のエストラジオールおよびSHBGのレベルは高く、LHおよびFSHのレベルはより低かった。
Figure 2008536851
テストステロンゲルは、一般に良好な耐容性を示した。第I群では、1対象はにきびを報告し、1対象は発毛増加を報告し、1対象は軽度の脚腫脹を経験した。第II群では、1対象はゲル投与部位の軽度の紅斑を報告し、1対象は皮膚の油性を報告し、2対象はにきびを、4対象は乳房の圧痛を、3対象は膣の点状出血を報告した。治療の間、ヘモグロビン、ASTおよびALTに有意な変化はなかった。
ベースライン時、血清総テストステロン濃度は低かった。図8〜11で示すように、両群の女性で、ゲル投与後、血清テストステロン濃度は投与用量に比例して増加した。表22に示すように、各治療期間の初めの2日目、15日目および29日目の血清総テストステロン濃度は、テストステロン用量に関係なくベースラインレベルから有意に異なることはなく、7日間のウオッシュアウト期間がいかなるキャリオーバ効果でも阻止するのに十分であったことを示す。
Figure 2008536851
分散分析は、血清総テストステロン濃度に及ぼすテストステロンの有意な用量効果を明らかにした(P=0.000001)。しかし、血清テストステロン濃度に及ぼすエストロゲン補充の有意な影響(P=0.11)はなかった(図8〜11)。エストロゲンを投与されていなかった女性と同様にエストロゲンを投与されていた女性においても、血清総テストステロン濃度は全ての用量において0.05の共同有意水準でお互いから有意に異なり、平均テストステロンレベルは増加する用量レベルの順序であった。ゆえに、平均血清テストステロン濃度は、ベースライン時よりもまたは4.4mgのテストステロンゲルの投与期間中よりも、8.8および13.2mgの用量による治療期間中で高かった(図10および11)。8.8および13.2mgの用量の投与は、健康な月経のある女性で、血清総テストステロン濃度をそれぞれ中間から中高の領域に増加させた。全体的に、いずれのテストステロン用量においても、血清総テストステロン濃度は24時間のサンプリング期間中、有意に変化することはなかった(図8および9)。しかし、血清総テストステロン濃度は、ゲル投与から24時間および36時間の間に低下し始めた(図4および5)。
24時間の期間中のいかなる時点においても、血清テストステロン濃度に及ぼすエストロゲン療法の有意な影響はなかった(P=0.11)。血清総テストステロンレベルに及ぼすテストステロンの用量およびエストロゲン補充状態の有意な相互作用効果はなかった(P=0.82)。このことは、エストロゲンを投与されていた女性および投与されていなかった女性において、テストステロン用量および血清テストステロン濃度の用量反応曲線の間で、非平行性の証拠は存在しなかったことを意味する。
24時間のゲル投与期間中の平均(Caverage)、最高(Cmax)および最低(Cmin)の総テストステロン濃度は、13.2mg用量の投与の間、ベースライン時または4.4mg用量の投与の間よりも有意に高かった。しかし表23に示すように、エストロゲン補充を受けていた女性およびエストロゲン補充療法を受けていなかった女性の間で、Caverage、CmaxまたはCminに有意差はなかった。
Figure 2008536851
表23に示すように、TmaxおよびTminは、試験した3用量の間で有意に異なることはなかった。血清総テストステロン濃度のベースラインからの平均増加量(ΔCaverage)は、投与用量に比例した。
両群の女性で、ベースライン時の血清遊離テストステロン濃度は低かった。血清遊離テストステロン濃度は、テストステロン用量に関係なく、各治療期間の初めにはベースラインレベルから有意に異なることはなく(表22)、用量の間の7日間のウオッシュアウト期間はいかなるキャリオーバ効果をも阻止するのに十分であったことが確認された。
図12および13で示すように、テストステロンゲルの投与後、血清遊離テストステロン濃度は投与用量に比例して増加した。遊離テストステロン濃度に及ぼす非常に有意なテストステロン用量効果(P=0.0003)が観察された。しかし、血清遊離テストステロン濃度に及ぼすエストロゲン補充の有意な影響(P=0.96)はなかった。チューキー−クレイマー多重比較分析で、8.8および13.2mg用量の投与後の血清遊離テストステロン濃度は、ベースライン時または4.4mg用量の投与の間より有意に高いが、共同の5%有意水準では互いに有意に異なることはないことがわかった。24時間の期間中のいかなる時点においても、またテストステロンゲルのいずれの用量でも、血清遊離テストステロン濃度に及ぼすエストロゲン治療の影響はなかった。また、血清遊離テストステロン濃度は、試験用量のいずれにおいても、24時間のサンプリング期間中の異なる時点で有意に異なることはなかった。
表24に示すように、24時間ゲル投与期間中の遊離テストステロン濃度のCaverage、CmaxおよびCminは投与用量に比例して増加し、ベースライン時よりも、または4.4mg用量の投与中よりも、13.2mg用量を投与された者で有意に高かった。
Figure 2008536851
ベースラインからの血清遊離テストステロンの平均増加量は、テストステロン用量と関係していた。ゆえに、ΔCaverageは、ベースラインサンプリング時よりも、または4.4mg用量の投与中よりも、13.2mg用量の投与中に高かった。エストロゲン補充を受けていた女性およびエストロゲン補充療法を受けていなかった女性の間で、いずれの用量においてもCaverage、CmaxおよびCminに有意差はなかった。
予想通りに、血清エストラジオールレベルは、ベースライン時(41±3対11±1pg/mL)およびテストステロン治療の間の全ての時点で、エストロゲン補充療法を受けていなかった女性よりも受けていた女性において高かった(P<0.000001)(図14および15)。血清エストラジオール濃度は、テストステロンゲルの投与後はいずれの群においても有意に変化することはなかった(P=0.37)。血清エストラジオール濃度に及ぼすテストステロンおよびエストロゲンによる治療の有意な相互作用効果はなかった(P=0.59)。
ベースライン時、血清FSH濃度は、エストロゲン補充療法を受けていなかった女性よりも受けていた女性で有意に低かった(43±5対74±7U/L)(図16および17)。エストロゲンを投与されていなかった者と比較して投与されていた対象で、FSHレベルに有意差があった(P=0.000001)。しかし、いずれの治療群においても、テストステロン用量の有意な影響はなかった(P=0.33)。
血清LH濃度は、エストロゲン補充療法を受けていなかった女性よりも受けていた女性で有意に低かった(27±3対35±2U/L、P=0.001)(図18および19)。テストステロン投与の間、血清LH濃度は、エストロゲンを投与されていた者と投与されていなかった者との間で有意に異なった(P=0.000001)。しかし、いずれの群においても、異なるテストステロン用量の投与の間、LHレベルに有意差はなかった(P=0.97)。
血清性ホルモン結合グロブリン(SHBG)濃度は、エストロゲン補充療法を受けていた女性で数値的により高かった。しかし、これら2群の間のSHBG濃度の差は、統計的有意差に到達しなかった(P=0.21)(P=0.63)(図20および21)。いずれの群においても、血清SHBGレベルはテストステロン投与の間、いずれの用量でも有意に変化することはなかった(P=0.76)。
この実施例は、閉経後女性における低いテストステロンレベルでのテストステロンゲルによる治療は、血清中の総合および遊離のテストステロン濃度の用量依存的増加と関連していたことを示す。1日に8.8および13.2mgのテストステロンゲルの経皮投与は、健康な月経のある女性において、総合および遊離のテストステロンレベルを中間ないし中高の領域に上昇させて、それを維持した。総合および遊離のテストステロンの濃度プロフィールの平坦度は、テストステロンゲル投与後の24時間のサンプリング期間中の、比較的均一なテストステロン送達と一致する。これらのデータは、ゲルの1日1回の投与を正当化する。抱合ウマエストロゲンおよび酢酸メドロキシプロゲステロンによるホルモン補充療法は、治療全期間で総合および遊離のテストステロン濃度に有意な影響を及ぼさなかった。
両側の卵巣摘出術の後の女性におけるテストステロンの投薬量
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、経皮送達可能なテストステロン製剤からなる。この実施例では、表4に上記したように、テストステロンは経皮投与のためのゲルとして製剤化される。
予言的な実施例では、両側の卵巣摘出術を受けた24人の閉経前女性を無作為化して、(a)1.7mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.1mgが吸収される0.17g/日のRELIBRAを30日間、または(b)2.5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.15mgが吸収される0.25g/日のRELIBRAを30日間、または(c)5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.3mgが吸収される0.5g/日のRELIBRAを30日間、または(d)プラセボを含むゲルを30日間投与する。ゲルは、腿および腰の上部外側の清潔で乾燥した皮膚上へ、1日1回すりこむ。塗布後、ゲルを風乾させる。患者は、手を洗浄する
出願人は、生理的観点から、全ての試験パラメータは、女性の性的機能不全のプラセボ以上の改善を示すと予想する。したがって、出願人は、両側の卵巣摘出術を受けた閉経前女性で、プラセボと比較して女性の性的機能不全を改善するために、RELIBRAを投与することができると予想する。
両側の卵巣摘出術の後の女性におけるテストステロンおよびメチルテストステロンの投薬量
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、経皮送達可能なテストステロン製剤および経口送達可能なメチルテストステロン製剤からなる。この実施例では、表4に上記したようにテストステロンは経皮投与のためのゲルとして製剤化され、メチルテストステロンは経口投与のためのカプセルとして製剤化され、各投薬単位は10mgのメチルテストステロンを含む。
予言的な実施例では、両側の卵巣摘出術を受けた24人の閉経前女性を無作為化して、日経口用量が10mgまたは50mgのメチルテストステロンの30日間投与に加えて、(a)1.7mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.1mgが吸収される0.17g/日のRELIBRAを30日間、または(b)2.5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.15mgが吸収される0.25g/日のRELIBRAを30日間、または(c)5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.3mgが吸収される0.5g/日のRELIBRAを30日間、または(d)プラセボを含むゲルを30日間投与する。ゲルは、腿および腰の上部外側の清潔で乾燥した皮膚上へ、1日1回すりこむ。塗布後、ゲルを風乾させる。患者は、手を洗浄する。
出願人は、生理的観点から、全ての試験パラメータは、女性の性的機能不全のプラセボ以上の改善を示すと予想する。したがって、出願人は、両側の卵巣摘出術を受けた閉経前女性で、プラセボと比較して女性の性的機能不全を改善するために、RELIBRAをメチルテストステロンと併用投与することができると予想する。
両側の卵巣摘出術の後の女性におけるテストステロンおよびエストロゲンの投薬量
本発明の一実施形態では、方法、キット、組合せおよび組成物は、経皮送達可能なテストステロン製剤および非経口送達可能なエストロゲン製剤からなる。この実施例では、表4に上記したようにテストステロンは経皮投与のためのゲルとして製剤化され、エストラジオールは表6に上記したように経皮投与のためのゲルとして製剤化される。
予言的な実施例では、両側の卵巣摘出術を受けた24人の閉経前女性を無作為化して、日用量が5gまたは10gのESTROGELの30日間投与に加えて、(a)1.7mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.1mgが吸収される0.17g/日のRELIBRAを30日間、または(b)2.5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.15mgが吸収される0.25g/日のRELIBRAを30日間、または(c)5mg/日のテストステロンを皮膚に送達してその約0.3mgが吸収される0.5g/日のRELIBRAを30日間、または(d)プラセボを含むゲルを30日間投与する。ゲルは、腿および腰の上部外側の清潔で乾燥した皮膚上へ、1日1回すりこむ。塗布後、ゲルを風乾させる。患者は、手を洗浄する。
出願人は、生理的観点から、全ての試験パラメータは、女性の性的機能不全のプラセボ以上の改善を示すと予想する。したがって、出願人は、両側の卵巣摘出術を受けた閉経前女性で、プラセボと比較して女性の性的機能不全を改善するために、RELIBRAをエストラジオールと併用投与することができると予想する。
Figure 2008536851
ゲルは、腿および腰の上部外側の清潔で乾燥した皮膚上へ、1日1回すりこむ。塗布後、ゲルを風乾させる。患者は、手を洗浄する。ゲルの塗布は、正常な女性のそれと類似した望ましい薬物動態プロフィールを有する、上昇したテストステロンレベルをもたらす。ゲルは、したがって、女性でいくつかの病態または疾患を治療するために役に立つ。
in vitro皮膚透過試験方法
本発明のテストステロンおよび他の治療剤の皮膚透過は、以下の方法を用いて測定することができる。拡散セルを、無毛マウス皮膚またはヒト死体皮膚と用いる。
皮膚と均一に接触させるために、組成物を皮膚に塗布して所定の領域へすりこむ。生じる組成物/皮膚を、組成物側を上にして、拡散セルの下部の開口部を横切るように置く。拡散セルを組み立て、受容流体が皮膚と接触するように下部を10mLの暖かい(32℃)受容流体で満たす。受容流体を、磁気撹拌機を用いて撹拌する。使用中の場合を除き、サンプリングポートは覆い隠す。
次にセルを、恒温(32℃)および恒湿(50%の相対湿度)の槽に置く。皮膚の真皮側で試料の均一性および拡散障壁の低減を確保するために、受容流体は実験を通して磁気撹拌機によって撹拌する。指定された時間間隔で受容流体の全量を抜き取って、直ちに新しい流体を補充する。抜き取った流体を0.45μMフィルタで濾過した後、高速液体クロマトグラフィーを用いてテストステロンまたは治療剤について分析する。皮膚を透過したテストステロンまたは治療剤の累積量、および流動率を計算する。
本出願を通して引用されている全ての文献の内容は、参照により明示的に本明細書に組み込まれている。本発明の実施は、特に明記しない限り、薬理学および薬剤学の従来の手法を使用するが、これらは当技術分野の範囲内である。
本発明は具体的な実施形態および実施例に関して記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の概念を利用する他の実施形態が可能であることは理解されなければならない。本発明は、請求された要素、ならびに、根底原理の真の精神および範囲に入るいかなるおよび全ての修正形態、変形形態または同等物によって規定される。
閉経前および閉経後の女性に対する1%の水性アルコールテストステロンゲル中の4.4mgまたは8.8mgのテストステロンの投与前のベースライン時の総テストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経前および閉経後の女性に対する1%の水性アルコールテストステロンゲル中の4.4mgまたは8.8mgのテストステロンの投与による治療から7日目の総テストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経前の女性における1%の水性アルコールテストステロンゲルの4.4mgまたは8.8mgの投与による総テストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経前の女性における1%の水性アルコールテストステロンゲルの4.4mgまたは8.8mgの投与による遊離のテストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経後の女性における1%の水性アルコールテストステロンゲルの4.4mgまたは8.8mgの投与による総テストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経後の女性における1%の水性アルコールテストステロンゲルの4.4mgまたは8.8mgの投与による遊離のテストステロン(ng/dL)を示すグラフである。 閉経前および閉経後の女性に対する1%の水性アルコールテストステロンゲル中の4.4mgまたは8.8mgのテストステロンの投与による血清テストステロンの増加(ng/dL)を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の総テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の総テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の平均テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の平均テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の血清遊離テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルもしくはプラセボの投与の間の血清遊離テストステロン濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のエストラジオール濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のエストラジオール濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のFSH濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のFSH濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のLH濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のLH濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていなかった閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のSHBG濃度を示すグラフである。 補充エストロゲン療法を受けていた閉経後の女性におけるベースライン試料採取の間または異なる用量のテストステロンゲルの投与の間のSHBG濃度を示すグラフである。

Claims (29)

  1. それを必要とする女性対象におけるテストステロン欠乏障害の治療、予防、またはその発病リスクの軽減のための方法であって、
    (i)テストステロン欠乏障害を有するかまたはその発病リスクを有する女性対象を特定するステップと、
    (ii)対象の皮膚の領域に水性アルコールゲル医薬組成物のある量を投与するステップであって、その量は対象の血清にテストステロンの治療有効量を送達するものであり、その結果テストステロン欠乏障害が改善されるかまたはテストステロン欠乏障害の発病リスクが軽減され、その組成物は、
    a.約0.1%〜約10%(w/w)のテストステロン、またはその塩、エステル、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは誘導体、
    b.エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%(w/w)のアルコール、
    c.約0.1%〜約5%(w/w)の浸透促進剤、
    d.約0.1%〜約5%(w/w)のゲル化剤、および
    e.バランス純水を含み、
    その組成物が、テストステロン血清濃度を投与後約24時間以内に少なくとも約3pgテストステロン/ml血清に上昇させる速度および期間で皮膚にテストステロンを放出することができるステップとを含む方法。
  2. 組成物は約1%のテストステロンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 組成物は約67%のアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 浸透促進剤はミリスチン酸イソプロピルである、請求項1に記載の方法。
  5. 組成物は約0.5%のミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項1に記載の方法。
  6. ゲル化剤はポリアクリル酸およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. ゲル化剤は組成物との重量比で約1%の量で存在するポリアクリル酸である、請求項1に記載の方法。
  8. 組成物は、
    a.約1.0%のテストステロン、
    b.約0.9%のCARBOPOL(登録商標)、
    c.約0.5%のミリスチン酸イソプロピル、
    d.約67%のエタノール、および
    e.バランス純水を含み、
    これらの百分率は組成物との重量比である、請求項1に記載の方法。
  9. 皮膚への組成物の1日約0.1グラムの塗布につき、血清テストステロン濃度の少なくとも約5ng/dlの増加が対象で起こる、請求項1に記載の方法。
  10. 組成物は約0.1g〜約10gの用量で毎日投与するために対象に供給される、請求項1に記載の方法。
  11. 組成物の量は0.44g用量であり約0.44mg〜約44mgのテストステロンを皮膚に送達する、請求項1に記載の方法。
  12. 組成物の量は1.32g用量であり約1.32mg〜約132mgのテストステロンを皮膚に送達する、請求項1に記載の方法。
  13. 組成物の量は1.32g用量であり6.6mg〜約13.2mgのテストステロンを皮膚に送達する、請求項1に記載の方法。
  14. 組成物の量は0.44g用量であり約4.4mgのテストステロンを皮膚に送達するかまたは0.88g用量であり約8.8mgのテストステロンを皮膚に送達する、請求項11に記載の方法。
  15. 対象は0.5ng/dl未満の正常未満の遊離(未結合)テストステロン濃度を有して閉経前である、請求項14に記載の方法。
  16. 対象は0.5ng/dl未満の正常未満の遊離(未結合)テストステロン濃度を有して閉経後である、請求項14に記載の方法。
  17. 組成物は1つまたは複数のパケットで対象に供給される、請求項1に記載の方法。
  18. パケットは組成物およびパケットの内部表面の間にポリエチレンライナーを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 組成物は1日に1回、2回または3回投与される、請求項1に記載の方法。
  20. 組成物は性ホルモン結合グロブリンの合成を抑制する作用物質、プロゲステロン、プロゲスチンまたはエストロゲン様ホルモンを含む治療剤を約0.01%〜約69%さらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記治療剤は組成物の約1%〜約10%を構成する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記治療剤はプロゲステロンである、請求項20に記載の方法。
  23. プロゲステロンの血清中レベルは、投与から約24時間以内に少なくとも約1ngプロゲステロン/ml血清に上昇する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記治療剤はエストロゲンである、請求項20に記載の方法。
  25. エストロゲンの血清中レベルは投与から約24時間以内に少なくとも60pgエストロゲン/ml血清に上昇する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記治療剤はメチルテストステロンである、請求項20に記載の方法。
  27. 前記治療剤はエストラジオールである、請求項20に記載の方法。
  28. それを必要とする女性対象で性的能力を改善するための方法であって、対象に
    (a)対象の皮膚の領域に水性アルコールゲル医薬組成物のある量を投与するステップであって、その量は対象の血清にテストステロンの治療有効量を送達するものであり、その組成物は
    i.約0.1%〜約10%(w/w)のテストステロン、またはその塩、エステル、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは誘導体、
    ii.エタノールまたはイソプロパノールからなる群から選択される約30%〜約98%(w/w)のアルコール、
    iii.約0.1%〜約5%(w/w)の浸透促進剤、
    iv.約0.1%〜約5%(w/w)のゲル化剤、および
    v.バランス水を含むステップと、
    (b)性的能力を改善する作用物質のある量を投与するステップとを含む方法。
  29. 作用物質は血管拡張を引き起こす作用物質、硝酸薬、α遮断薬、天然のプロスタグランジン、内皮由来弛緩因子、ホスホジエステラーゼ阻害剤またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
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