地上波、ケーブル、ADSL、ファイバ、ワイヤレス、衛星のテレビサービスなどの番組コンテンツ配信サービスは、典型的に、国家の財源、視聴者の加入料および/またはプロモーション素材の送信(transmission)から発生する広告収入によってサポートされている。このプロモーション素材は、番組コンテンツの小休止中に送信される、コマーシャルの時間として知られる一連の宣伝の形をとることが多い。宣伝によって増加する可能性のある収入は、推定視聴率に関連していることが多い。通常は、ある一定の時間帯に特定のチャンネルで宣伝を送信することに対して放送(broadcasting)サービスが課す料金は、視聴者の推定規模や視聴者層の質に依存する。
しかしながらコマーシャルの時間は、テレビ番組または番組スケジュールを邪魔するものと考えられることが多い。コマーシャルの時間中、テレビ番組を見ている視聴者は別のチャンネルに切り替えたり、そのテレビ番組が再開するまで別の事をしたりする可能性がある。テレビ番組を録画して後日再生する場合、視聴者は再生を早送りして宣伝を飛ばすことを選択できる。さらに、「CMスキップ」をしやすくした、デジタルビデオレコーダとして知られている録画装置が近年市場に出回ってきた。こういった行動によって宣伝の視聴者が減り、広告収入の減少を潜在的に引き起こしている。
コマーシャルの時間(commercial break)を見るように視聴者を促す先行技術がWO2004/099928A1号に記載されており、これはコンテストに基づいている。この先行技術の方法では、加入料や広告収入などを使用して賞金総額を維持する。宣伝を、その内容に関する問題と共に放送する。すると視聴者はその問題に解答し、もしその解答が正しければ、賞金を獲得できる。視聴者は、事前にまたは問題に対する解答の提出時に自身の個人情報を登録することが求められる。したがってこういった方法では、ユーザが解答を提出し自身の個人情報を開示することが必要になる。このことが、視聴者のコンテストへの参加を抑止している可能性がある。例えば、登録プロセスが非常に長いかもしれない。さらに、視聴者は単にコンテストに参加するためだけに自分の個人情報を明かしたくないと思うかもしれない。
図1は例示的な番組コンテンツ配信システム1を示し、このシステムは、番組コンテンツを含む信号を生成するソース2と、信号を受信機5、6へと送信するための送信機3、4を含む。この信号は、アナログ信号でもデジタル信号でもよい。
この特定の例では、番組コンテンツ配信システム1はテレビ放送サービスである。しかし、ケーブル、衛星、ADSL、ファイバ、ワイヤレス、地上波などのプラットフォームを任意の数だけ使用して、インターネットプロトコルテレビ(IPTV)、放送テレビジョン、ビデオオンデマンド、ユニバーサル・モバイルテレコミュニケーション・システム(UMTS)、デジタルビデオ・ブロードキャスティング・ハンドヘルド(DVB−H)、デジタルオーディオ・ブロードキャスト(DAB)などの種々の技術の1つまたはそれより多くによってコンテンツ/番組を配信する、あらゆる他のシステムに本発明を適用できる。以下では、このサービスを受信するユーザを視聴者と呼ぶ。ただし、番組コンテンツ配信システム1がラジオサービスなどの音声サービスのみを提供する実施形態では、視聴者という用語はリスナーを含むことが意図される。
図1のシステム1では、送信機3は衛星7に信号を送信し、この衛星7は、その受信領域、即ちサービスエリア内にこの信号を送信する。信号は衛星放送受信アンテナ5で受信され、セットトップボックス5aで処理され、テレビ8などのディスプレイ装置で視聴することができる。他方で送信機4が送信する信号は、地上波アンテナ6で受信され、テレビ9などのディスプレイ装置によって視聴者に表示されるかまたは録画装置10によってハードドライブ、ビデオカセット、デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)などの記録媒体に保存される。
番組コンテンツの配信のほかに、このシステム1は、番組コンテンツの小休止中にプロモーション素材も配信する。この例では、プロモーション素材は、コマーシャルの時間として知られるように、連続して放送される宣伝および/または番組の直前や直後、その番組中のコマーシャルの時間の最初と最後に現れるスポンサーの宣伝の形をとる。
図2は、図1のテレビジョンシステムで実施可能な、本発明の第1の実施形態に係る方法のフローチャートである。
ステップs2.0からスタートし、複数の固有の識別子を決定する(ステップs2.1)。固有の識別子は、ランダムな数字、文字の列または文字と数字からなる列の形をとることができ、この例では、図1に示すプロセッサ11で生成される。数字の代わりに、または数字に加えて文字を使用することによって、数字のみを使用した場合と比べてある一定の長さを持つ固有の列を多数生成することができる。必要であれば、数字または文字の代わりに、またはこれらに加えて記号を識別子に含めることができる。固有の識別子のセットは、データベース12に保存される。
次いで固有の識別子を、テレビサービスの潜在的な視聴者に配布する(ステップs2.2)。図3に示すように、1つまたはそれより多くの識別子13をカード14に提示することができる。このカードは手渡しまたは郵送によって世帯に配布される。
カード14は、「ラッキーブレイク(Lucky Break)(商標)」といったモチーフ15を伴うロゴなどの、カード14の目的を特定する情報も含むことができる。カード14は、放送局のロゴ16といった、識別子が放送されるチャンネルまたはシステムを特定する情報やオプションで識別コード17も含むことができる。識別コード17はカード14ごとに異なり、これについては以下で説明する。
カード14は、識別子13がコマーシャルの時間に表示された識別子に一致する場合に要求を提出するための指示も含むことができる。例えば、この指示は、カード14の裏側に印刷された指定のコールセンター(図示せず)の電話番号の形をとってもよい。各カード14の識別子13ともしあればそれに対応する識別コード17は、郵便のあて先といったカードを送った世帯の詳細と共に、図1に示すデータベース12に保存することができる。
この特定の実施形態では、カード14はクレジットカードの寸法で、プラスチックから作られる。そのため、視聴者が常時カード14を持ち歩くには便利である。
識別子13は、カード14などの印刷物を使用する代わりに、またはこれに加えて、電子的に配布してもよい。例えば、図6に示す携帯電話22および/もしくは他のテキスト対応固定電話に送られるテキストメッセージを使用して、またはコンピュータ24もしくは他のeメール対応通信装置へのeメールによって、識別子13を視聴者に送ることができる。テキストメッセージは、識別子13の目的および/または賞(prize)を要求する手順に関する情報を含む。テキストメッセージは、識別コード17を含んでもよい。ただしテキストメッセージを電話22に送る場合は、識別コード17の代わりに電話番号を使用できるため、識別コードを省略できる。
テキストメッセージを使用して識別子13を配布することは、テレビコンテンツをユーザに見せるのに通信装置を使用可能な場合に特に有益である。例えば、この通信装置は第3世代(3G)携帯電話でもよい。
識別子13を配布するステップは、以下に説明するように識別子13の使用に関する指示および/または識別子13の配布に先立ってこの識別子の目的について視聴者に注意を促す適当なマーケティングを送信するステップも含むことができる。
ステップs2.1で生成したセットの識別子全てをステップs2.2で配布しなくてもよい。選択された識別子とカード14に提示された識別子13との適合率が所定の範囲内になるように、配布する識別子13の割合を設定できる。
そしてステップs2.1で決定した固有の識別子のセットから選択した複数の識別子を、以下に説明するように、宣伝と共に放送する。
選択した識別子を放送する際、タイマーを初期設定する(ステップs2.3)。このタイマーは、選択された識別子の表示によって生じる賞の要求を受け付ける制限時間Tを強制するために使用する。この特定の例では、生放送の視聴を最大限に生かすために、所定の時間Tは1時間である。しかし、録画した番組の再生を受け入れ、また必要であれば放送局やスポンサーが提示した要求も受け入れるために、より長時間にわたって窓口を許可することもできる。
セットから第1の識別子を選択する(ステップs2.4、s2.5)。例えば、第1の識別子は、データベース12が保持している識別子のセットからランダムに選択できる。
本実施形態では、ソース2は第1の選択された識別子を含むように信号を生成する。そのため、信号をディスプレイに表示した場合に、第1の選択された識別子が宣伝の上に重なる(ステップs2.6)。図4は、このステップの結果としてテレビ9に表示された画像を示し、この画像は18で一般的に示す宣伝を含み、その上には第1の選択された識別子19が重なっている。モチーフ15も表示してよい。
ある一定の宣伝18、即ちコマーシャルの時間のかなりの部分を見るように視聴者を促すためには、コマーシャルの時間ずっとではなく、ある限られた時間だけ第1の選択された識別子19を表示するのが好ましい。このことは、視聴者が宣伝18に注意を集中するように促すことにもなる。もしも識別子19を宣伝18の大体終わり頃に限られた時間だけ表示するならば、視聴者の注意が宣伝18からそらされることはないであろう。
或いは、選択された識別子19と必要ならばモチーフ15とが、図5に示すように、宣伝の前、宣伝の後、宣伝と宣伝との間に「単独」方式で表示されるように、ソース2は信号を生成することができる。このことによって、視聴者の注意は、選択された識別子19が表示されるために、宣伝からそらされることが確実になくなる。
さらなる識別子を視聴者に表示するならば(ステップs2.7、s2.8)、データベース12に保存されているセットの次の識別子が選択され(ステップs2.5)、表示される(ステップs2.6)。ステップs2.5〜s2.8は、選択された識別子が所望の数nだけ表示されるまで繰り返される(nは1以上である)。
本実施形態では、次の識別子は識別子のセットからランダムに選択される。したがって、1つの識別子を1回以上選択して表示することができる。或いは、識別子のセットのサブセットを選択してから送信し、ランダムに表示してもよい。
さらなる識別子を表示しないならば(ステップs2.7)、例えば、コマーシャルの時間の放送が終了したならば、プロセッサ11は、所定の時間Tの終了まで視聴者からの要求の受信を待つ(ステップs2.9)。
この要求は、視聴者が電話21、22による音声電話の通話、または、好ましくは携帯メールを使用して、図6に示す指定のコールセンター20などのリクエスト受付サービスに連絡することで、提出される。コールセンターの電話番号は、カード14に提示してもよいし、別の場所に広告してもよい。テレビサービスがデジタル双方向テレビシステムのように双方向ならば、視聴者は、例えばリモコン23または他の適当な装置の指定されたボタンを押すことで、テレビサービスを通じて要求を提出できる。
或いは、またはさらに、視聴者は、パーソナルコンピュータ24を使用してウェブページにアクセスしたり、WAP対応電話22を使用してWAP(ワイヤレスアプリケーションプロトコル)デッキにアクセスしたりすることで、要求を提出できてもよい。ウェブページまたはWAPデッキには、視聴者が要求に関連する詳細を提示しそれをコールセンター20に送信できるフォームが設けられる。ウェブページまたはWAPデッキのユニバーサルリソースロケータ(URL)を、カード14および/または別の場所にある広告に表示してもよい。
所定の時間Tの終了前に(ステップs2.9)要求を受信した場合(ステップs2.10)、視聴者が持っている識別子13が選択された識別子19の1つに一致するかどうか、或いは幾つかの識別子が表示された場合にはコマーシャルの時間に表示されていた選択された識別子19の1つに一致するかどうかをチェックすることで、その要求を検証する(ステップs2.11)。識別子がカード14を使用して配布された場合は、視聴者が持っているカード14に提示された識別コード17がデータベース12の保持する選択された識別子19に対応する識別コード17に一致するかどうかを判定することで、かつ/または該当するカード14を送った世帯に関する情報とデータベース12に保存されている世帯情報とを適合させることで、要求を検証する。
要求が検証されると(ステップs2.11)、視聴者には賞が与えられる(ステップs2.12)。要求が検証できなければ、その要求は拒否され(ステップs2.13)、プロセッサ11は所定の時間Tの間にさらなる要求の受信を待つ(ステップs2.9)。
時間Tが終了するまでにさらなる要求がなければ(ステップs2.9)、または時間Tの間に要求を全く受信しなければ、このプロセスは終了する(ステップs2.14)。要求を全く受信しないというケースは、1つまたはそれより多くの選択された識別子19の1つに一致する識別子13を付したカード14を持つ視聴者がこの一致に気づかなかった場合、または選択された識別子19が世帯または視聴者に配布されなかった識別子と一致していた場合に起こり得る。
選択された識別子19を表示し一致したものに対して賞を与える手順(ステップs2.3〜s2.23)を、新しい識別子の決定や配布を必要とすること(ステップs2.1、s2.2)なく繰り返せるように、識別子13のデータベース12を維持できる。換言すると、図2のポイントAからスタートする手順を使用して、別のコマーシャルの時間中に識別子19を表示できる。新しい識別子13やカード14の必要性をなくすことで、手順を繰り返すコストを著しく削減できる。
固有の識別子を生成するステップを含み得る固有の識別子のセットを決定するステップ、識別子を選択するステップ、要求を検証するステップは、プロセッサ11とリクエスト受付サービス20を使用して自動化できる。リクエスト受付サービスが実行する検証プロセスは、データベース12と任意でプロセッサ11を利用できる。
図2の方法では、固有の識別子13はプロセッサ11で生成され、潜在的な視聴者に配布される。別の実施形態では、固有の識別子は、世帯または潜在的な視聴者に関連する既存の識別子のセットから選択される。例えば、視聴者のカード番号、ユーティリティサービスもしくはロイヤルティプログラムの顧客整理番号またはデータベース12に保存されている固定電話および/もしくは携帯電話の電話番号のセットから識別子を選択してもよい。電話番号を識別子13として使用する場合、視聴者の要求に応じて自動的に賞を送ることができ、この賞は選択された電話番号に関連する住所に送られる。或いは、その電話番号に対応する電話から指定のコールセンター20に電話をすることで賞を要求するように視聴者に求めてもよい。こういった場合、視聴者の電話の発信電話番号表示と選択された電話番号の1つとを適合させることで要求を検証できる。こういった方法によって、カード14を製造し配布するコストを回避できる。さらに、番組コンテンツ配信サービスが放送する宣伝の及ぶ範囲を広げその効果を高めるだけでなく、こういった方法は、ブランド認知、顧客維持、そして参加するには視聴者は顧客になる必要があるため収入の点からいうと、1つまたはそれより多くの電話会社、有料テレビ会社、公益事業会社、または他の企業に潜在的に利益をもたらすことができる。
図7は、図1の番組コンテンツ配信システム1で実施可能な、本発明のさらなる実施形態に係る方法を示す。
ステップs7.0からスタートし、図2のステップs2.1について上述したように、固有の識別子のセットをプロセッサ11で生成し(ステップs7.1)、データベース12に保存する。この識別子は、数字、文字および/または記号などの固有でないエレメントの列からなる。このエレメントのセットは、データベース12に保存される。そして、図2のステップs2.2について上述したように、図3に示すカード14を使用して識別子13を配布する(ステップs7.2)。必要ならば、「ラッキーブレイク(商標)」のモチーフ15、放送局のロゴ16および/または識別コード17を含めることもできる。識別子13と、必要ならば識別コード17、カード14を送った世帯に関する情報は、データベース12に保存される。
要求を受け付ける所定の時間Tが終了したかどうかを判定するために使用する目的で、タイマーを初期設定する(ステップs7.3)。
そして、識別子13の固有でないエレメントの最初の1つを選択し(ステップs7.4、s7.5)、表示する(ステップs7.6)。ソース2は信号を生成する。すると、携帯電話、PDA、テレビ9などのディスプレイ装置で視聴した際に、最初に選択されたエレメント25が図8に示すように単独で、または図9に示すように宣伝18の上に重なった状態で表示される。選択されたエレメント25は、限られた時間だけ表示される。本実施形態では、「ビンゴブレイク(Bingo Break)(商標)」などの指定のモチーフ26を使用し、識別子13全体ではなくエレメント25が表示されていることを示す。
そして、次に表示するエレメントを選択し(ステップs7.7、s7.5)、表示する(ステップs7.6)。次に選択されたエレメントは、最初に選択されたエレメント25の直後、所定の時間の後、次の宣伝18の前、宣伝中、宣伝の後、または次のコマーシャルの時間中に表示される。ステップs7.5〜s7.8は、固有でないエレメント25が所望の数nだけ表示されるまで繰り返される(nは、識別子13に含まれるエレメントの数以上である)。
n個のエレメント25が表示されると(ステップs7.8)、プロセッサ11は、所定の時間Tの終了まで視聴者からの要求の受信を待つ(ステップs7.9)。所定の時間T中に受信した要求のチェック手順(ステップs7.9〜s7.14)は、この場合視聴者は、識別子13が所定数の表示されていた選択エレメント25を含むカード14を持っていなければならないことを除けば、図2のステップs2.9〜s2.14について上述したとおりである。1人より多くの視聴者に賞を与えることができる。
図2の方法について上述したように、固有でないエレメント25を選択し放送する手順を、新しい識別子13の決定や配布を必要とすることなく実行できる。この場合、その方法はポイントBから始まり、タイマーを初期設定する(ステップs7.3)。
この目的のために特別に生成された識別子13について図7の方法を説明してきたが、世帯または潜在的な視聴者に関連する既存の識別子のセットから識別子を選択してもよい。例えば、選択された識別子19は、図2について上述したように電話番号でもよい。
図2と図7の方法を別々に説明してきたが、これらの方法を組み合わせて使用してもよい。例えば、図2の方法を実行し、続いて図2の方法をポイントAからスタートして繰り返すかまたは図7の方法をポイントBからスタートして実行するなどしてもよい。同様に、図7の方法を実行し、続いて図2の方法をポイントAからスタートするかまたは図7の方法をポイントBからスタートして繰り返してもよい。このように、新しい識別子13および/またはカード14の決定および/または配布を必要とせずに、視聴者が複数のコマーシャルの時間を見ようとする動機を提供するのに、図2と図7の方法を両方利用することができる。
識別子19および/またはエレメント25をゴールデンアワーに放送するのが好ましい。どんな場合でも、この方法によってコマーシャルの及ぶ範囲がより広くなりコマーシャルの効果がより高まることによって宣伝のインパクト量やプレミアムレートが高くなる結果、放送局はより高い広告収入を期待できる。本発明を使用する放送局は、視聴者ひいては広告シェアの獲得を期待できるかもしれない。ある番組を宣伝するために、識別子19またはエレメント25を特定の番組前、番組の最中、および/または番組後のコマーシャルの時間に放送してもよい。
上記の実施形態では、視聴者の興味を保つために定期的に賞が与えられる。常に最高額の賞、例えばUS$100,000を獲得できるようにこの方法を実施してもよいが、週当たりの平均支払額はこの数字よりも低いかもしれないし高いかもしれない。
広告主は、自社の宣伝中に、選択された識別子19またはエレメント25が表示される見返りに、視聴者に与える賞品を負担することもできる。この賞品は、現金の形をとってもよいし、自社の製品の形をとってもよい。例えば、旅行会社は休暇用の賞金を提供し、自動車メーカーは車を提供する。
識別子19および/またはエレメント25を表示し、提供されている賞品の種類を示すことができる。例えば、「ラッキーブレイク(商標)」のモチーフ15の代わりに、またはこのモチーフに加えて「キャッシュブレイク(Cash Break)(商標)」もしくは「マネーブレイク(Money Break)(商標)」などの指定のモチーフを使用して現金の賞品を示し、「プロダクトブレイク(Product Break)(商標)」などのモチーフを使用して製品の賞品を示すことができる。賞品がスポーツに関連するもの、例えばスポーツに関する記念品、スポーツイベントへの旅行、スポーツイベントのチケットである場合、「スポーツブレイク(Sports Break)(商標)」などのモチーフを使用できる。或いは、またはさらに、識別子19またはエレメント25に対して、賞品の種類に関連する色を付けてもよい。例えば、金色を使用して識別子19またはエレメント25を表示することで現金の賞品を示し、識別子19またはエレメント25を青色で表示することで製品の賞品を示し、種々の色を使用して他の種類の賞品を示すことができる。
選択された識別子19および/またはエレメント25が表示されるコマーシャルの時間を、放送に先立って潜在的な視聴者に示すように表示できる。図10は、電子番組ガイド(EPG)、新聞、雑誌、ウェブページ、文字多重放送で見られるような種類の番組表27を示す。この表27は、選択された識別子19またはエレメント25が表示される時間の表示を含む。図10に示す例では、選択された識別子19は、最初の番組「ガーデニングショー(The Gardening Show)」の1つまたはそれより多くのコマーシャルの時間に表示される。これは、番組表27に含まれる「ラッキーブレイク(商標)」を表すラベル28「LB」によって示される。或いは、この表示は、「この番組には「ラッキーブレイク(商標)」が含まれています」といった表27のメッセージという形をとってもよい。同じチャンネルの後の番組「セレブリティクイズ(Celebrity Quiz)」の際に、「ビンゴブレイク(商標)」を表すラベル29「BB」が示すように、選択された固有でない識別子のエレメント25を表示する。他の種類の賞品を獲得できる機会を、種々のメッセージや、「キャッシュブレイク(Cash Break)(商標)」を表す「£B」、「プロダクトブレイク(商標)」を表す「PB」、「スポーツブレイク(商標)」を表す「SB」などの種々の表示を使用して示すことができる。
支払の見込み額は、賞品の数やサイズに鑑みて、テレビサービスおよび/または広告主に確実に利益が出るように設定できる。
上記の実施形態では、カード14は手渡しまたは郵送で世帯に配布される。或いは、またはさらに、カード14を新聞または雑誌の折り込み広告として同封することができる。例えば、メロドラマ放送時のコマーシャルの時間に選択された識別子19またはエレメント25を表示しようとする場合、こういった番組を扱う雑誌の折り込み広告としてカード14を配布できる。このカードは、番組の表示または選択された識別子もしくはエレメントを放送するコマーシャルの時間の表示を含んでもよい。図1のシステム1を使用し、以下に説明するように、宣伝と共に表示される情報に対する解答を送った1人またはそれより多くの視聴者に賞品を分配することで、視聴者がコマーシャルの時間を見ようとする別の動機を提供することもできる。
選択された単語の文字がコマーシャルの時間に表示されるという「ワードブレイク(Word Break)(商標)」を放送することができる。例えば、図11に示すように、文字の代わりに1つまたはそれより多くの空欄を伴う列30を適切なモチーフ31と共に表示できる。この列は宣伝18の最中に表示されてもよいし、コマーシャルの時間に「単独」方式で表示されてもよい。必要ならば、図12に示すように、1つまたはそれより多くの文字を埋めた状態で列30を次の宣伝時および/または後のコマーシャルの時間に再度表示することもできる。1実施形態では、列30の種々の文字は、1回のコマーシャルの時間で、換言すると1回分の一連のコマーシャル内で埋められる。
「ワードブレイク」の最中に表示される列30は、ブランド名もしくは製品名といったような広告主に関係するものでもよいし、かつ/またはコマーシャルの時間の終わりに完成した列と共に現れる宣伝で提供している賞品の種類に関係するものでもよい。図11および12に示す例では、この列は「VOLVO」という1単語である。
表示されている情報に対して正確に解答した最初の視聴者に賞を分配することができる。列30を特定した視聴者は、完成した列を含むテキストメッセージをコールセンター20に送ることができる。1つまたはそれより多くの正解が選択される。コールセンター20は、選択された解答を送った視聴者にテキストメッセージなどの第2のメッセージを送る。この第2のメッセージは、一時的な識別子を含む。この一時的な識別子は、視聴者のカード14にある「ラッキーブレイク」の識別子13とは無関係である。視聴者は、指定された時間T、例えば、1時間以内にコールセンター20に連絡するように求められる。この時間Tは、図2および7の方法について上述したようにタイマーによって監視される。
コールセンター20に連絡した視聴者は、カード14にある識別子13および/または識別コード17と一緒に一時的な識別子も告げなければならない。そして、告げられた識別子13および/または識別コード17に対応する、データベース12に保存されている住所の情報に基づいて視聴者に賞品を送る。必要に応じて、列を正確に特定した所定の人数の視聴者の住所に賞品を送ることもできる。
上記の例では、視聴者はテキストメッセージを使用して「ワードブレイク」に解答する。しかし、パーソナルコンピュータ24、音声電話などを使用してウェブページ上のフォームに記入したりeメールを送信したりするなどの、コールセンター20にメッセージを送る別の方法を使用できるようにシステム1を構成できる。
別の例では、解答を要する問題をコマーシャルの時間に表示する「クエスチョンブレイク(Question Break)(商標)」を使用する。この問題は、宣伝の上に重ねられるかまたは「単独」方式で表示される。必要に応じて、この問題は、視聴者に宣伝に対して細心の注意を払わせるように、宣伝されている製品および/または特定の製品について、いくつのフレーバーが市販されているか、などといった宣伝中の情報に関連していてもよい。視聴者は、テキストメッセージまたは「ワードブレイク」について上述した他の方法を使用してコールセンター20にメッセージを送り、問題に対する自身の解答を提出する。正解を提出した1人またはそれより多くの視聴者に、一時的な識別子を含む第2のメッセージが送られる。1人またはそれより多くの視聴者が指定された時間T内にコールセンター20に連絡し、自身のカード14から識別子13および/または識別コード17を告げると、賞品が与えられる。
さらなる例では、「ネームブレイク(Name Break)(商標)」を使用できる。ここでは、コマーシャルの時間に名前を表示する。その名前の視聴者は、コールセンター20にメッセージを送信することで応答し、もし選ばれれば、一時的な識別子を含む第2のメッセージを受信する。選ばれた視聴者(単数または複数)は、コールセンター20に連絡し、カード14にある識別子13および/または識別コード17と一緒に一時的な識別子を告げることで、賞品を獲得できる。名前情報がデータベース12に保存されている場合には、視聴者が提供した識別子13および/または識別コード17に対応する名前情報が「ネームブレイク」時に表示された名前と適合するかどうかをチェックすることで、視聴者の要求を検証できる。
図10について上述したように、テレビ番組中に「ワードブレイク」、「クエスチョンブレイク、または「ネームブレイク」を放送することを、番組表27に表示してもよい。
上述の「クエスチョンブレイク」、「ワードブレイク」、「ネームブレイク」の変形例を説明する。
ある変形例では、「クエスチョンブレイク」、「ワードブレイク」または「ネームブレイク」の応答としてコールセンター20に送るメッセージに、要求されている列(string)または解答と共に識別子13および/または識別コード17も含めるように視聴者に要求することができる。こういった変形例では、一時的な識別子を含む第2のメッセージの送信を必要とせずに、データベース12に保存され、視聴者の識別子13および/または識別コード17に対応している住所に賞品を自動的に送ることができる。
別の変形例では、「ワードブレイク」、「クエスチョンブレイク」または「ネームブレイク」に正しく解答した視聴者が多数いる。1つまたはそれより多くの一時的な識別子を、視聴者に配布したものから選択する。1つまたはそれより多くの選択された一時的な識別子を、次のコマーシャルの時間に宣伝の上に重ねて、または「単独」方式で放送する。選択された識別子を含む第2のメッセージを有する1人またはそれより多くの視聴者は、コールセンター20に連絡しカード14にある識別子13および/または識別コード17を告げることで、賞品を獲得できる。例えば、解答をメールで打った先着1000人の視聴者が、0〜1000の番号を含むテキストメッセージを受信できる。そして、0〜1000の番号をランダムに選択し、次のコマーシャルの時間の冒頭に表示する。これに一致する一時的な識別子を持つ視聴者に、賞品が分配される。この賞品は、コールセンター20に連絡しカード14にある識別子13を告げることで獲得できる。この方法には、「ワードブレイク」、「クエスチョンブレイク」または「ネームブレイク」に解答した視聴者が賞品を獲得できるかどうかを判定するために、さらに次の一連の宣伝も見ようとする動機を与えることができるという利点がある。
或いは、またはさらに、「ワードブレイク」、「クエスチョンブレイク」または「ネームブレイク」に正解を提出した視聴者に、一時的な識別子の代わりに識別子13を配布してもよい。この配布方法は、カード14もしくは図2について上述した電子的配布方法と共に、またはこれらの代わりに使用可能である。
さらに別の変形例では、「ワードブレイク」、「クエスチョンブレイク」、「ネームブレイク」の1つまたはそれより多くを、視聴者が受信済みの固有の識別子を持っている必要のない、図2および/または7に示した方法とは別の独立的な方法として実行できる。こういった方法では、正解の視聴者は、図6に示す方法のいずれかによって独立したコールセンターに連絡し、名前と住所の詳細を告げ、視聴動機を受け取る。
上述の実施形態では、選択された識別子19または選択された固有でない識別子のエレメント25は、プロモーション素材と共に表示される。しかし、こういった識別子19または固有でないエレメント25を、選択的にまたは追加的に、番組コンテンツの最中に表示し、特定のテレビ番組を見ようとする動機を視聴者に与えてもよい。
図13A、13B、14を参照して説明するように、視聴動機に基づいて賞品獲得の資格があるかどうかを視聴者が確認できるようなサービスを提供できる。こういったサービスは、他にすることがあるために特定の番組コンテンツを見られない視聴者が賞品獲得の資格があるかどうかをチェックできるように提供できる。
この特定の実施形態では、視聴者はコンピュータ24を使用してウェブページからこのサービスにアクセスできる。ステップs13.0からスタートし、視聴者がサービスにアクセスすると、サーバ31がリクエストフォームを含むウェブページを表示する(ステップs13.1)。視聴者は、固有の識別子13と詳細な連絡先を入力することで、このフォームを完成できる。このサービスが1回限りの料金または加入料金によって提供されるならば、視聴者はクレジットカード番号などの支払についての詳細も提供する必要がある。ユーザが提供した情報は、サーバ31が受信する(ステップs13.2)。必要ならば、情報を暗号化してサーバ31に送信できる。
サーバ31は、リクエストから識別子13と詳細な連絡先を抽出する(ステップ13.3)。一週間、一ヶ月もしくはそれより長期のある一定の期間または定期的にサービスを提供する場合には、終了時間t(exp)を設定する(ステップ13.4)。これは、視聴者によるサービスの使用を中止する時間を示している。そして、その視聴者の識別子13、詳細な連絡先、t(exp)をデータベース32に保存する(ステップs13.5)。
番組コンテンツ配信サービス1によって表示される視聴動機を監視する(ステップs13.6)。
視聴動機が表示されると、図4および5の例に示すように、その視聴動機が選択された識別子19であるかどうかを判定する(ステップs13.7)。選択された識別子19が表示されていれば、サーバ31は選択された識別子19がデータベース32に保存されている識別子のいずれかに一致するかどうかを判定する(ステップs13.8)。
一致が認められれば、サーバは、識別子13に対応する終了時間t(exp)が経過したかどうかを判定することで、その一致する識別子13を持っている視聴者がサービスにアクセスできるかどうかをチェックする(ステップs13.9)。
終了時間t(exp)が経過していなければ、提供されている詳細な連絡先を使用して視聴者に一致していることを通知する(ステップs13.10)。視聴者への通知方法は、提供されている詳細な連絡先およびリクエストフォームに示されている別の連絡方法の優先順位に依存する。視聴者が携帯電話の電話番号を提供していれば、適当な連絡方法にはテキストメッセージが含まれ、eメールアドレスが提供されていればeメールが含まれ、或いは自動化された電話による通話が含まれる。
終了時間t(exp)が経過したことが分かった場合(ステップs13.9)または一致するものがなかった場合(ステップs13.8)には、サーバ31はデータベース32を更新して終了時間t(exp)が経過したあらゆるエントリーを削除し、テレビサービスで表示する視聴動機の監視を続ける(ステップs13.6)。
視聴動機が選択された識別子19ではないことが分かった場合(ステップs13.8)、図8および9に示す例のように、視聴動機が選択された固有でない識別子のエレメント25であるかどうかを判定する(ステップs13.12)。
視聴動機が、選択された固有でないエレメント25であるならば(ステップs13.12)、サーバ31は、選択された固有でないエレメント25が特定の視聴動機で表示された第1のエレメント25であるかどうかを判定する(ステップs13.13)。例えば、図8および9に示す例では、サーバ31は、表示された固有でないエレメント25としての「5」が、所定の「ビンゴブレイク」競争における第1の固有でないエレメントであるかどうかを判定する。
選択された固有でないエレメント25が、視聴動機で表示された第1のエレメントであったならば(ステップs13.13)、サーバ31は、保存されている各識別子13についてパラメータn(matches)を設定する(ステップs13.14)。このパラメータn(matches)は、番組コンテンツ配信サービス1によって表示され、各識別子13に含まれる選択された固有でないエレメント25の数を示すのに使用する。
そして、サーバは、保存されている識別子13のどれが選択された固有でないエレメント25を含んでいるかを判定する(ステップs13.15)。
一致が認められた場合(ステップs13.15)、サーバ31は該当する識別子13のn(matches)を1増やし(ステップs13.16)、n(matches)が賞品の獲得に必要な所定数Nに到達したかどうかをチェックする(ステップs13.17)。n(matches)が所定の数Nに等しいならば、サーバは識別子13に対応する終了時間t(exp)が終了したかどうかをチェックする(ステップs13.18)。終了時間t(exp)が経過していなければ(ステップs13.18)、ステップs13.10について上述したように、該当する視聴者に賞品獲得の資格があることを通知する(ステップs13.19)。
そしてサーバ31は、終了時間t(exp)が経過したエントリーを削除することでデータベース32を更新する(ステップs13.11)。そして、視聴動機の監視を続ける(ステップs13.6)。
視聴動機にさらなるエレメントが表示されていると判定されたならば(ステップs13.7、s13.12、s13.13)、ステップs13.15〜s13.19のチェック手順を繰り返す。
表示されている視聴動機が、選択された識別子19でも選択された固有でないエレメント25でもないと判定されたならば(ステップs13.7、s13.12)、その視聴動機は、「クエスチョンブレイク」または「ワードブレイク」などのように視聴者からの入力を要するものであると推測される。サーバ31は終了したエントリーを削除することでデータベースを更新し(ステップs13.11)、視聴動機の監視を続ける(ステップs13.6)。
図13Aおよび13Bには図示していないが、視聴者の詳細な連絡先に提供された名前と番組コンテンツ配信サービス1で表示された名前とを比較することで、視聴者が「ネームブレイク」の賞品を獲得する資格があるかどうかをチェックし、一致が認められればその視聴者に通知するように、サービスを構成することもできる。
上述の実施形態では、視聴者は、ウェブページを介してリクエストフォームを提出することでサービスにアクセスするが、eメール、テキストメッセージ、郵送のリクエストに基づいた手作業による入力などの他の手段によってリクエストを受け付けるように、サービスを構成することができる。
図14に示すサーバ31およびデータベース32の代わりに、チェックや通知の手順を実行する番組コンテンツ配信システム1のプロセッサ11および終了時間t(exp)やn(matches)などの他のパラメータを保存するデータベース12を使用して、サービスを提供してもよい。