JP2008535896A - 薬物の薬物動態を改善するためのスルホンアミド化合物の使用 - Google Patents

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Abstract

シトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝される薬物の薬物動態を改善する方法が開示される。さらに特に、それはレトロウイルスプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善する、そして特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善する方法に関する。製薬学的組成物およびヒトにおけるHIV感染もしくはエイズの抑制もしくは処置のための薬剤の製造におけるその使用もまた本発明の一部である。

Description

本発明は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝される薬物の薬物動態を改善する方法に関する。さらに特に、本発明はレトロウイルスプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善する、そして特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善する方法に関する。本発明はさらに、製薬学的組成物およびヒトにおけるHIV感染もしくはエイズの抑制もしくは処置のための薬剤の製造におけるその使用に関する。
後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすウイルスは、Tリンパ球ウイルスIII(HTLV−III)もしくはリンパ節症関連ウイルス(LAV)もしくはエイズ関連ウイルス(ARV)もしくはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を包含する異なる名称で知られている。現在までに、2つの異なるファミリーが同定されている、すなわち、HIV−1およびHIV−2。以下、HIVはこれらのウイルスを総称的に示すために用いられる。
異なるクラスの抗HIV化合物がこれまでに市販されている:ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、1つのヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NtRTI)、1つの融合阻害剤、およびプロテアーゼ阻害剤(PI)。3種類の処方計画は標準療法と考えられ、そして有効である場合、現在のウイルス量試験のウイルス量検出限界を下回るウイルスの抑制をもたらし、それにより耐性の出現を強力に減らし、そして患者の生活の質を向上する。
レトロウイルス生活環における重要な経路の一つは、アスパラギン酸プロテアーゼ(aspartic protease)によるポリタンパク質前駆体のプロセシングである。HIVにおいて、例えば、gag−polタンパク質はHIVプロテアーゼによりプロセシンングされる。アスパラギン酸プロテアーゼによる前駆体ポリタンパク質の正確なプロセシングは感染性ビリオンの集合に必要とされ、従って、アスパラギン酸プロテアーゼを抗ウイルス治療の魅力的な標的にする。特にHIV処置のために、HIVプロテアーゼは魅力的な標的である。
HIVプロテアーゼの阻害剤はHIV疾患の処置において、特に抗レトロウイルス治療の長い歴史を有する患者において不可欠なものになっており、そしてPI(プロテアーゼ阻害剤)の導入はHIV−1感染の処置において大きな進展をもたらしており、感染した個体における罹患率および死亡率を実質的に減少する。しかしながら、それらの長期使用は、異なる要因により妨げられる:
・特に低用量リトナビルの共投与のない単一PI処方計画もしくは二種のPI処方計画の、高い丸剤負担および食事制限による次善のコンプライアンス、
・生活の質への深刻な影響を有する副作用(例えば、リポジストロフィー、代謝異常)、および
・使用したPIによりもはや阻害されない、そして多くの場合においてこのクラス内の高レベルの交差耐性のために他の現在既知であるPIにも耐性を示すHIV分離株の出現。
全ての現在利用可能なプロテアーゼ阻害剤(PI)は、それらの効能を制限する薬物動態プロフィールを有する。
プロテアーゼ阻害剤(PI)および非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)は
、多くの他の薬物がそうであるように、シトクロムP450系により広く代謝される。シトクロムP450は、人体において多数の機能を有する、肝臓および腸に存在する一群の酵素である。1つの機能は、薬剤および他の化学物質の分解およびクリアランスである。シトクロムP450により代謝される2つもしくはそれ以上の薬物を服用することは、薬物相互作用をもたらし、一方もしくは両方の薬物の濃度に影響を及ぼし、そして副作用を引き起こすかもしくは薬剤(1つもしくは複数)の臨床効能を弱め得る。シトクロムP450の活性は、個体間でそして集団間で異なる。小さな遺伝的バリエーションは、特定の酵素がいくつ発現されるか、従って、薬物がどのくらい迅速に代謝されるかに影響を与えることができる。特定の遺伝子由来のシトクロムP450酵素は、アイソフォームと呼ばれる。アイソフォームは、それらの化学的構造の類似性に基づいて、ファミリーおよびサブファミリーに分けられる。酵素バリアントは、それらの化学および遺伝子構造を示すナンバリングおよびレタリングシステムによって記述される。
CYP3A4とも呼ばれる、シトクロムP450、サブファミリーIIIA(ニフェジピンオキシダーゼ)、ポリペプチド4は、薬剤および他の物質の分解およびクリアランスに用いられる1つの特定の代謝経路である。
いくつかのHIVプロテアーゼ阻害剤を包含する多くの薬物は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼにより代謝され、好ましくない薬物動態および最も望ましいものより頻繁なそして高い用量の必要性をもたらす。シトクロムP450モノオキシゲナーゼによる代謝を阻害する薬剤とそのような薬物の投与は、薬物の薬物動態を改善する。
臨床治療における大部分のHIVプロテアーゼ阻害剤は、現在、暴露を改善しそしてそれにより臨床効能を高めるためにリトナビルと組み合わされる。このタイプの適用される薬物−薬物相互作用は、「ブースティング」と呼ばれる。ブースティングはまた、丸剤負担および毎日摂取の頻度の減少により現在のPIの簡易化した処置処方計画も支える。
ブースターとして、それ自体PIのリトナビルは、毎日2回(b.i.d.)100mgの治療量以下の用量レベルで一般に用いられる。リトナビルブースティングによる薬理学的増強は、シトクロムP450(CYP)3A4および薬物輸送体、特にP−糖タンパク質の阻害によって媒介される。
残念なことに、PI処方計画のリトナビル増強は、低用量でさえ、危険がないわけではない。胃腸作用、肝毒性の増加した危険性、ならびに血清脂質およびコレステロールの上昇を包含するリトナビル毒性は一般的である。(非特許文献1)。これらの潜在的副作用のうち、脂質異常症は、心臓血管および脳血管イベントの危険性を潜在的に増加し得るので最も厄介である。
従って、有効なそして安全な抗HIV処置におけるブースティング剤としてリトナビルの代わりとなるものの高い医学的必要性があり、ここで、代わりの化合物はシトクロムP450により代謝される薬物の薬物動態プロフィールを改善する。
Sulkowski et al.,JAMA,2000;283:74−80
本発明によれば、今回、式
Figure 2008535896
[式中、XはSを表し;YはOHを表し;Rは水素を表し;Rはフェニルを表し;Rはイソブチルを表し;Rは水素を表し、そしてRは水素を表す]
を有する化合物、それらのN−オキシド、塩、立体異性体もしくはプロドラッグは薬物の薬物動態を改善することが見出された。
好ましいのは、薬物の薬物動態を改善するための式
Figure 2008535896
[式中、XはSを表し;YはOHを表し;Rは水素を表し;Rはフェニルを表し;Rはイソブチルを表し;Rは水素を表し、そしてRは水素を表す]
を有する化合物、それらのN−オキシド、塩、立体異性体もしくはプロドラッグである。
本発明における使用に適当な式(II)の化合物の4つの立体異性体の各々の化学名およびそれらのそれぞれの化学構造は、下記のとおりである:
Figure 2008535896
5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート
Figure 2008535896
5−チアゾリルメチル[(1R,2S)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート
Figure 2008535896
5−チアゾリルメチル[(1S,2S)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート
Figure 2008535896
5−チアゾリルメチル[(1R,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート
本発明の好ましい態様において式(I)もしくは(II)を有する化合物は、該薬物がシトクロムP450によりもしくはより好ましくはシトクロムP450モノオキシゲナーゼ3A4により代謝される薬物の薬物動態を改善するために使用される。
式(I)もしくは(II)を有する化合物はまた、該薬物がP−糖タンパク質活性のような輸送タンパク質活性により阻害される薬物の薬物動態を改善するためにも使用される。式(I)もしくは(II)を有する化合物はまた、該薬物がMRP1もしくはMRP2のような多剤耐性関連タンパク質流出チャンネル活性により阻害される薬物の薬物動態を改善するためにも使用される。多剤耐性タンパク質(MRP)は、Borst et al.,(BBA,1461,347−357,1999)により同定されたようなATP結合カセット(ABC)輸送体サブファミリーを構成する。MRP1は、記述される最初のメンバーであった。
本発明において使用する好ましいスルホンアミド化合物は、式(IIa)もしくは(I
Ib)を有する化合物であり、最も好ましいのは式(IIa)を有する化合物であり、そしてさらに化合物Aと呼ばれる。
WO02/092595に開示される、化合物A、5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−(1−フェニルメチル)プロピル]カルバメートは、野生型HIV−1に対するインビトロ活性を有し、そしてまた現在既知であるPIに耐性を示す大きな一団のウイルスに対する活性も有する。
今回、式(I)および特に式(II)を有する、さらに特に式(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)を有する本発明の化合物は予期せぬ特性を有することが見出された。
それらは、そして特に化合物A(式IIa)および化合物E(式IIb)は、各々、HIV感染の処置について臨床試験中の新規プロテアーゼ阻害剤、ダルナビルの血漿レベルをウサギにおいて増加する。TMC114とも呼ばれるダルナビルは、以下の化学名:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルN−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(N1−イソブチルスルファニルアミド)プロピル]カルバメートを有する。
別のプロテアーゼ阻害剤、サキナビルは、CYP3A4代謝の同様に基質であることが既知である。低用量のリトナビルは、サキナビル血漿濃度を顕著に増加することが示されており、単独で与える場合の1200mg t.i.d.から100mg b.i.d.のリトナビルとともに1000mg b.i.d.までの投薬量減少を可能にする。
一連の用量レベルで、今回、式(I)および特に式(II)を有する、さらに特に式(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)を有する本発明の化合物、そして最も好ましくは化合物A(IIa)は、ヒト健常志願者におけるサキナビルの薬物動態プロフィールを改善することが見出された。
式(I)もしくは(II)を有する化合物、特に式(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)を有する化合物、そしてさらに特に式(IIa)もしくは(IIb)を有する化合物の好ましい用量レベルは、10〜1200mg/日から、好ましくは10〜800mg/日(例えば、120、320もしくは800mg/日)から、より好ましくは20〜400mg/日から、そしてさらにより好ましくは10〜150mg/日からである。好ましいのは、40、60、80もしくは120mg/日よりなる用量レベルから選択されるものである。
「薬物の薬物動態を改善すること」という用語が使用される場合はいつでも、それは(薬物が単独で投与される場合の状況に対して)例えばAUC(血漿濃度−時間曲線下の面積)に関して関連する薬物の増大した生物学的利用能、関連する薬物の増加した血液レベル、さらに特に薬物のトラフ(Cmin)もしくはピーク(Cmax)血漿濃度の増加、または関連する薬物の半減期の増加を意味し、ここで、該半減期の増加は、ブースティングしていない薬物の半減期の少なくとも1x、好ましくはブースティングしていない薬物の半減期の少なくとも1.25x、より好ましくはブースティングしていない薬物の半減期の少なくとも1.4xもしくは1.5x、そしてさらにより好ましくは該ブースティングしていない薬物の半減期の少なくとも1.75xである。最も好ましいのは、ブースティングしていない薬物の半減期の少なくとも2xの増加である。疑いを避けるために、本願における実施例はこの点においてさらなる指針を提供する。
「薬物」という用語は広く理解されるべきであり、そしてとりわけシトクロムP450により代謝されるかまたはP−糖タンパク質のような輸送タンパク質活性により阻害されるかまたはMRP1もしくはMRP2のような多剤耐性関連タンパク質流出チャンネル活性により阻害されるかまたはプロテアーゼ阻害剤、好ましくはHIVプロテアーゼ阻害剤である任意の化合物が包含される。
本明細書に開示されるような化合物および薬物は、所望に応じて、いわゆるプロドラッグの形態であることができる。「プロドラッグ」は、誘導体の得られるインビボ生体内転化産物が式(I)もしくは(II)において定義されるような活性化合物または関連する薬物であるような、エステル、アミドおよびホスフェートのような薬理学的に許容しうる誘導体を意味する。一般にプロドラッグを記述するGoodmanおよびGilmanによる参考文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics,8thed,McGraw−Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p13−15)は、本明細書に組み込まれる。本発明において使用する化合物のプロドラッグは、改変が親化合物に日常的な操作においてもしくはインビボで切断されるように化合物に存在する官能基を改変することにより製造される。プロドラッグには、ヒドロキシ基、例えば不斉炭素原子上のヒドロキシ基、もしくはアミノ基が、プロドラッグを患者に投与した場合に切断してそれぞれ遊離のヒドロキシルもしくは遊離のアミノを形成する任意の基に結合している本発明において使用する化合物が包含される。
プロドラッグの典型的な例は、例えば、全て引用することにより本明細書に組み込まれるWO99/33795、WO99/33815、WO99/33793、WO99/33792およびWO03/090690に記述される。
プロドラッグは、親化合物に対して改善された水溶性、増加した生物学的利用能を特徴とし、そしてインビボで活性阻害剤に容易に代謝される。
本発明の目的は、式(I)を有する化合物もしくはその任意の亜群によりブースティングされる場合に、薬物が好ましくはHIVプロテアーゼ阻害剤のようなプロテアーゼ阻害剤、さらに特にHIV−アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤であることである。
プロテアーゼ阻害剤は、ダルナビル(darunavir)、アンプレナビル(amprenavir)、フォスアンプレナビル(fosamprenavir)、リトナビル(ritonavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、サキナビル(saquinavir)、インジナビル(indinavir)、ロピナビル(lopinavir)、ラシナビル(lasinavir)、アタザナビル(atazanavir)、BMS186316、DPC681、DPC684、チプラナビル(tipranavir)、AG1776、DMP450、L756425、PD178390、PNU140135もしくはカスタノスペルミン(castanospermine)、デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycine)のようなグリコシル化阻害剤よりなる群から選択される。特に、プロテアーゼ阻害剤は、ダルナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、ラシナビル、アタザナビルもしくはチプラナビルよりなる群から選択される。
該プロテアーゼ阻害剤は、そのようなものとして、当業者に周知である。一例を挙げれば、ラシナビルは5(S)−(tertブトキシカルボニルアミノ)−4(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(2,3,4−トリ−メトキシフェニルメチル)−ヘキサノイル−N−(2−メトキシエチル)バリンアミドである。
式(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)を有する化合物によるブースティングの好ましい態様は、プロテアーゼ阻害剤がダルナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、ラシナビル、アタザナビルもしくはチプラナビルよりなる群から選択されるものである。
式(IIa)もしくは(IIb)を有する化合物によるブースティングの最も好ましい態様は、プロテアーゼ阻害剤がそれぞれダルナビルもしくはサキナビルであるものである。さらにより好ましいのは、プロテアーゼ阻害剤がダルナビルである式(IIa)を有する化合物によるブースティングの態様である。
本発明の目的はまた、式(IIa)を有する化合物、製薬学的に許容しうる担体およびシトクロムP450により代謝される薬物を含んでなる製薬学的組成物でもある。製薬学的組成物における該薬物は、好ましくはHIVプロテアーゼ阻害剤であり、より好ましくはダルナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、ラシナビル、アタザナビル、BMS186318、DPC681、DPC684、チプラナビル、AG1776、DMP450、L756425、PD178390、PNU140135もしくはカスタノスペルミン、デオキシノジリマイシンのようなグリコシル化阻害剤よりなる群から選択される。最も好ましいのは、該プロテアーゼ阻害剤がダルナビルもしくはサキナビルである製薬学的組成物である。さらにより好ましいのは、化合物が式(IIa)を有し、そしてプロテアーゼ阻害剤がダルナビルである製薬学的組成物である。
式(I)もしくは(II)を有する化合物または上記に定義したとおりのそれぞれの製薬学的組成物は、薬物の薬物動態を改善するための、好ましくはヒトにおけるシトクロムP450活性の阻害のための薬剤の製造に用いられる。
本発明の目的はまた、式(I)もしくは(II)を含んでなる化合物またはその製薬学的に許容しうる塩と組み合わせたヒト宿主におけるシトクロムP450活性の阻害のための薬剤の製造におけるシトクロムP450により代謝されるHIVプロテアーゼ阻害剤の使用でもあり、ここで、式(I)もしくは(II)を有する該化合物の量は、単独で投与した場合のHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態に対して、患者におけるHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善するために十分である。
本発明の別の目的は、式(I)もしくは(II)、より好ましくは(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)、そして最も好ましくは(IIa)を有する化合物、製薬学的に許容しうる担体およびシトクロムP450により代謝される薬物を有する製薬学的組成物を含んでなる製薬学的キットである。シトクロムP450に代謝される薬物は、ダルナビルもしくはサキナビルのようなHIVプロテアーゼ阻害剤である。
本発明の目的はまた、該薬物もしくはその製薬学的に許容しうる塩および式(I)もしくは(II)を含んでなる化合物、N−オキシド、塩、立体異性体もしくはプロドラッグ、またはその製薬学的に許容しうる塩の組み合わせの治療的に有効な量をそのような処置を必要とするヒト宿主に投与することを含んでなるシトクロムP450により代謝される薬物の薬物動態を改善する方法でもある。
本発明の別の目的は、シトクロムP450を阻害するために有効な式(I)もしくは(II)を含んでなる化合物、N−オキシド、塩、立体異性体もしくはプロドラッグ、またはその製薬学的に許容しうる塩の量を阻害を必要とするヒト宿主に投与することを含んでなるシトクロムP450を阻害する方法である。
治療用途のためには、式(I)もしくは(II)の化合物の塩は、対イオンが製薬学的にもしくは生理学的に許容しうるものである。しかしながら、製薬学的に許容できない対イオンを有する塩もまた、例えば、式(I)もしくは(II)の製薬学的に許容しうる化合物の製造もしくは精製において、用途を見出すことができる。全ての塩は、製薬学的に許容しうるかもしくはそうでないにしても、本発明の範囲内に包含される。
本発明において使用する化合物が形成することのできる製薬学的に許容しうるもしくは生理学的に耐容しうる付加塩形態は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸;硫酸;ヘミ硫酸、硝酸;リン酸などのような無機酸;もしくは例えば、酢酸、アスパラギン酸、ドデシル硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などのような有機酸のような適切な酸を用いて都合よく製造することができる。
逆に、該酸付加塩形態は、適切な塩基での処理により遊離塩基形態に転化することができる。
酸性プロトンを含有する式(I)もしくは(II)の化合物はまた、適切な有機および無機塩基での処理によりそれらの無毒の金属もしくはアミン付加塩形態に転化することもできる。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えば、ベンザチン、N−メチル,−D−グルカミン、ヒドラバミン(hydrabamine)塩、ならびに例えば、アルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。
逆に、該塩基付加塩形態は、適切な酸での処理により遊離酸形態に転化することができる。
「塩」という用語はまた、本発明の化合物が形成することのできる水和物および溶媒付加形態も含んでなる。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
本発明において使用する本発明の化合物はまた、1個もしくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化される式(I)もしくは(II)のそれらのN−オキシド形態で存在することもできる。
本発明において使用する本発明の化合物はまた、それらの互変異性形態で存在することもできる。そのような形態は、上記の式において明白に示されないが、本発明の範囲内に包含されるものとする。
本発明において使用する本発明の化合物はまた、同じ順序の結合により結合している同じ原子で構成されているが置き換えることのできない異なる3次元構造を有する全ての可能な化合物を定義する、それらの立体化学的異性体で存在することもできる。他に記載されないかもしくは示されない限り、化合物の化学表示には該化合物が有し得る全ての可能な立体化学的異性体の混合物が包含される。該混合物は、該化合物の基本分子構造の全てのジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有することができる。純粋形態のもしくは相互との混合物のいずれかの本発明において使用する化合物の全ての立体化学的異性体は、本発明の範囲内に包含される。
本明細書に記載されるような化合物および中間体の純粋な立体異性体は、該化合物もしくは中間体の同じ基本分子構造の他の鏡像異性体もしくはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として定義される。特に、「立体異性的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち、最低90%の一方の異性体および最大10%のもう一方の可能な異性体)ないし100%までの立体異性体過剰率(すなわち、100%の一方の異性体およびもう一方は全くない)を有する化合物もしくは中間体、さらに特に90%〜100%の立体異性体過剰率を有する、なおさらに特に94%〜100%の立体異性体過剰率を有する、そして最も特に97%〜100%の立体異性体過剰率を有する化合物もしくは中間体に関する。「鏡像異性的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は、同様に、しかしその一方で問題になっている混合物のそれぞれ鏡像異性体過剰率、ジアステレオマー過剰率を考慮して理解されるべきである。
本発明において使用する化合物および中間体の純粋な立体異性体は、当該技術分野で既知の方法の適用により得ることができる。例えば、鏡像異性体は、光学活性酸もしくは塩基でのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互から分離することができる。その例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸である。あるいはまた、鏡像異性体は、キラル固定相を用いてクロマトグラフィー技術により分離することができる。該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から得ることもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、該化合物は立体特異的な製造方法により合成される。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を都合よく用いる。
式(I)もしくは(II)の化合物は2個の不斉中心を含有し、従って、異なる立体異性体として存在し得ることは、当業者に明らかである。この不斉中心は、式(I)の以下の図において星印()で示される。
Figure 2008535896
式(I)の化合物に存在し得る各不斉中心の絶対配置は、立体化学的記述子RおよびSにより示すことができ、このRおよびS表記法は、Pure Appl.Chem.1976,45,11−30に記載の規則に対応する。同じことが式(II)に適用される。
本発明はまた、本発明の化合物上に存在する原子の全ての同位体も包含するものとする。同位体には、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子が包含される。一般的な例としてそして限定されずに、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が包含される。炭素の同位体には、C−13およびC−14が包含される。
従って、本発明の化合物は、それ自体薬剤として、相互との混合物においてもしくは製薬学的製剤の形態で動物において、好ましくは哺乳動物において、そして特にヒトにおいて用いることができる。
本発明は、通常の製薬学的に無毒の賦形剤および助剤に加えて、有効成分として式(I)もしくは(II)、より好ましくは(IIa)の化合物およびシトクロムP450によ
り代謝される薬物の有効用量を含有する製薬学的製剤に関する。製薬学的製剤は、当業者にそれ自体既知である方法において製造することができる。この目的のために、1つもしくはそれ以上の固形もしくは液状製薬学的賦形剤および/もしくは助剤と一緒に、そして所望に応じて、他の製薬学的活性化合物と組み合わせて式(IIa)の化合物を適当な投与形態もしくは投与形態物にし、それを次にヒト医学もしくは獣医学における薬剤として用いることができる。
当業者は、その専門知識に基づいて、所望の製薬学的製剤に適当な助剤に精通している。化合物の溶媒、ゲル形成剤、座薬基剤、錠剤助剤および他の活性化合物担体に加えて、酸化防止剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、香料矯味薬、防腐剤、可溶化剤、デポー(depot)効果を得るための薬剤、バッファー物質もしくは着色剤もまた有用である。
これらの化合物を含有する薬剤は、経口で、非経口で、例えば静脈内に、直腸に、吸入により、もしくは局所的に投与され、好ましい投与は個々の場合、例えば処置する疾患の特定の経過により決まる。経口投与が好ましい。
経口投与形態のためには、化合物を賦形剤、安定剤もしくは不活性希釈剤のような適当な添加剤と混合し、そして常法を用いて錠剤、コート錠、ハードカプセル剤、水性、アルコール性もしくは油性液剤のような適当な投与形態にする。適当な不活性担体の例は、アラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、ラクトース、グルコースもしくは澱粉、特にコーンスターチである。この場合、製造は乾燥したおよび湿った顆粒の両方として実施することができる。適当な油性賦形剤もしくは溶媒は、ヒマワリ油もしくはタラ肝油のような、植物油もしくは動物油である。水性もしくはアルコール性液剤の適当な溶媒は、水、エタノール、糖溶液もしくはその混合物である。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールもまた、他の投与形態のさらなる助剤として有用である。
皮下もしくは静脈内投与のためには、所望に応じて可溶化剤、乳化剤もしくはさらなる助剤のようなそれに慣例の物質とともに活性化合物を液剤、(ナノ)懸濁剤もしくは乳剤にする。式(IIa)の化合物はまた凍結乾燥し、そして得られる凍結乾燥物を例えば注射もしくは注入製剤の製造に用いることができる。適当な溶媒は、例えば、水、生理食塩水溶液もしくはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロール、さらにまたグルコースもしくはマンニトール溶液のような糖溶液、あるいはまた記載した様々な溶媒の混合物である。
エアロゾルもしくはスプレーの形態の投与のための適当な製薬学的製剤は、例えば、エタノールもしくは水のような製薬学的に許容しうる溶媒、またはそのような溶媒の混合物における式(IIa)の化合物もしくはそれらの生理学的に耐容しうる塩の液剤、懸濁剤もしくは乳剤である。必要に応じて、製剤はまた界面活性剤、乳化剤および安定剤ならびに推進剤のような他の製薬学的助剤をさらに含有することもできる。そのような製剤は、通常約0.1〜50%の、特に約0.3〜3重量%の濃度の活性化合物を含有する。
特に、本発明の化合物は、(a)式(IIa)の化合物、および(b)1つもしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる水溶性もしくは水不溶性ポリマーを含んでなる固体分散体からなる粒子の治療的に有効な量を含んでなる製薬学的組成物において調合することができる。
「固体分散体」という用語は、一方の成分がもう一方の成分もしくは複数の成分の全体にわたって大体均一に分散している少なくとも2つの成分を含んでなる固体状態(液体もしくは気体状態とは対照的に)の系を定義する。系が全体にわたって化学的にそして物理
的に均一もしくは均質であるかまたは熱力学において定義されるような1つの相からなるように成分の該分散体が存在する場合、そのような固体分散体は「固溶体」と呼ばれる。固溶体は、その中の成分が、それらを投与する生物体に通常は容易に生体利用可能であるので好ましい物理系である。
「固体分散体」という用語はまた、固溶体より全体にわたって均質さが低い分散体も含んでなる。そのような分散体は、全体にわたって化学的にそして物理的に均一ではないかもしくは1つより多くの相を含んでなる。
粒子における水溶性ポリマーは、都合よく、20℃溶液で2%水溶液に溶解した場合に1〜100mPa.sの見掛け粘度を有するポリマーである。
好ましい水溶性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)もしくは酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)である。約0.8〜約2.5のメトキシ置換度および約0.05〜約3.0のヒドロキシプロピルモル置換を有するHPMCは、一般に水溶液である。メトキシ置換度は、セルロース分子のアンヒドログルコース単位当たりに存在するメチルエーテル基の平均数をさす。ヒドロキシプロピルモル置換は、セルロース分子の各アンヒドログルコース単位と反応しているプロピレンオキシドの平均モル数をさす。
上記に定義したような粒子は、最初に成分の固体分散体を調製し、そして次に場合によりその分散体を粉砕するかもしくは製粉することにより製造することができる。溶融押し出し、噴霧乾燥および溶液蒸発を包含する固体分散体を製造するための様々な技術が存在する。
投与の経路は、患者の症状、共投薬(co−medication)などにより決まることができる。
投与する本発明の化合物のもしくはその生理学的に耐容しうる塩(1つもしくは複数)の用量は個々の場合により決まり、そして慣例として、最適な効果のために個々の場合の条件に適合される。従って、それはもちろん投与の頻度に、そして治療もしくは予防のために各場合において用いる化合物の効能および作用期間に、また感染および症状の性質および重症度にも、そして処置するヒトもしくは動物の性別、年齢、体重、共治療および個々の反応性に、そして治療が急性もしくは予防的であるかどうかによって決まる。用量は、個々の用量の形態で投与するか、またはいくつかの、例えば2、3もしくは4つの個々の用量に分割することができる。
本発明の別の態様は、HIVプロテアーゼ、HIV増殖もしくは両方を阻害する潜在的薬剤の能力を決定するための試験もしくはアッセイにおける標準もしくは試薬としての使用に有効な量で、場合によりサキナビルもしくはダルナビルのようなプロテアーゼ阻害剤と一緒に式(IIa)の化合物を含んでなるキットもしくは容器に関する。この態様は、製薬学的研究プログラムにおいてその用途を見出すことができる。あるいはまた、式(IIa)を有する化合物は、エイズ/HIV感染の診断される患者の処置のために1つの丸剤、錠剤もしくは注射器において、プロテアーゼ阻害剤、ダルナビルもしくはサキナビルのいずれかと調合することができる。
1.5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3−[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートの製造
5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3−[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート(化合物1−4)を製造するための典型的な方法はWO02/092595に開示され、そして以下の段階を伴う:
Figure 2008535896
25mlのジクロロメタン(DCM)中1.15gのチアゾール−5−イル−メタノール(1−1)および1.2gのトリエチルアミン(TEA)の混合物を窒素の雰囲気下で室温で攪拌した。次に2.56gのN,N’−ジスクシンイミジルカーボネートを加え、そして得られる混合物を10〜15分間攪拌した。溶液をさらに2時間攪拌した。得られる中間体(1−2)をアミン(1−3)との次の反応において直接使用した。アミンの代わりにその塩もまた使用することができる。トリエチルアミン2gおよびアミン5g(1−3)(ここで、Rはフェニルであり;Rはイソブチルであり;Rは水素であり、そしてRは水素である)をジクロロメタン40mlに加え、そして得られる混合物を室温で攪拌した。次に、1−2を含んでなる溶液の一部を滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄し、そして次に乾燥させて化合物(1−4)を生成せしめた。化合物(1−4)の立体異性体は、同様の化学的方法において製造した。
がフェニルであり;Rがイソブチルであり;Rが水素であり、そしてRが水素であり、従って式(IIa)により表される場合の化合物(1−4)を分析した。
全ての試薬は、商業的供給源(Acros、AldrichもしくはFluorochem)から購入し、そして受け取ったとおり使用した。NMRスペクトルは、CDClを溶媒としてHには400MHzで作動する、Bruker Avance 400分光計上で記録した。各場合においてテトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。化学シフトは、ppm単位で示される。多重度は、以下の略語を用いて示される;ダブレットにはd、トリプレットにはt、マルチプレットにはmなど。低分解能質量スペクトル(LRMS)は、ポジティブモードでエレクトロスプレーイオン化(ESI)を用いてイオントラップ(ThermoFinnigan LCQ Deca)もしくは飛行時間(Waters LCT)質量分析計上で行った。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60Å、60〜200μm(ROCC)上で実施した。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60F254プレート(Merck)上で行った。分析HPLCは、Waters 996フォトダイオードアレイ検出器を備えたWaters Alliance 2690(ポンプ+オートサンプラー)システム上で行った。最終生成物の純度を調べるために、以下のクロマトグラフィーシステムを用いた。カラム:Waters Xterra MS C18、(3.5μm、4.60mmx100mm)、移動相A:HO中10mMのCHCOONH、移動相B:CHCN。分析は、以下の勾配:0分:5%B、10分:95%B、12分:95%Bを適用して1mL/分の流速を用いて30℃で実施した。あらゆる場合において、10μlの1mM溶液を注入した。2つの実行間の平衡時間は3分であった。溶出ピークは、単一波長(λmax)で検出した。保持時間は、分単位で報告される。
(IIa):
Figure 2008535896
のデータ
H−NMR(400MHz)ppm8.75(s、1H、H1);7.80(s、1H、H2);7.67(d、1H,J=1.6Hz、H18);7.61(dd、1H、J=1.7Hz、J=8.3Hz、H16);7.39(d、1H、J=8.3Hz、H17);7.23(m、5H、H7、H8、H9);5.60(s、2H、H19);5.25(d、1H、J=13.6Hz、H3’);5.15(d、1H、J=13.0Hz、H3);5.00(d、1H、J=7.4Hz、H4);3.86(br s、2H、H5、H10);3.68(br s、1H、H11);2.96(m、6H、H6、H6’、H12、H12’、H13、H13’);1.81(m、1H、H14);0.87(m、6H、H15)。
LRMS:m/z:574
純度決定:Rt=7.51分、純度:99.06%
(IIb):
Figure 2008535896
のデータ
LRMS:m/z:574
純度決定:Rt=6.94分、純度:97.55%
(IIc):
Figure 2008535896
のデータ
LRMS:m/z:574
純度決定:Rt=7.27分、純度:96.56%
2.健常男性志願者におけるプロテアーゼ阻害剤サキナビルの薬物動態への5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3−[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートの効果
化合物5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3−[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメート(さらに化合物Aと呼ばれ、そして化学式:
Figure 2008535896
により表される)を化合物Aの定常状態薬物動態およびプロテアーゼ阻害剤サキナビルの単回投与薬物動態へのその効果を調べるために健常被験者における第一相非盲検無作為化試験において用いた。8人の健常被験者の3パネルは、単独でそして化合物Aを服用しながら1000mgのサキナビルの単回投与を受けた。サキナビルの2回の摂取の薬物動態を比較した。
全てのパネルにおいて1日目に、全ての被験者は1000mgのサキナビルの単回投与を受けた。4日目〜10日目に、1群の健常志願者(パネル1)は60mgの化合物A
b.i.d.を受け、1群は160mgの化合物A b.i.d.を受け(パネル2)、そして1群は400mgの化合物A b.i.d.を受けた(パネル3)。9日目に、全ての被験者は、化合物Aと同時に1000mgのサキナビルの単回投与を受けた。化合物Aの完全な薬物動態プロフィールは、4日目、8日目および9日目に決定した。サキナビルの完全な薬物動態プロフィールは、1日目および9日目に決定した。研究の結果を以下の表に要約する。
化合物Aの不在下(1日目)および存在下(9日目)でのサキナビルの薬物動態パラメーター(平均±SD)
Figure 2008535896
これらの結果は、化合物Aがサキナビルの薬物動態を実質的に高めることを示し、AUCとして表される総暴露は、評価した化合物A用量レベルの全てについて20倍を超えて増加した。
3.シトクロムP450、特にCYP3A4のインビトロ阻害
ヒト肝臓ミクロソームにおいてCYP450 3A4により媒介されるテストステロン代謝への化合物Aの阻害定数、Kを調べた。この実験からの結果は、化合物Aがテストステロンの6β−ヒドロキシル化の強力な阻害剤であることを示した。実験において、化合物Aは、100〜25nMの間のIC50でCYP3A4に媒介される代謝の阻害剤としてリトナビルと同じくらい強力であった。
化合物AによるCYP3A4阻害の形態は、65nMの阻害定数Kiを有する非競合的阻害モデルにより表すことができる。K値は、より低い濃度での連続的インキュベーションにもかかわらずヒト、ラットおよびイヌミクロソームを用いる代謝について定めることができなかった。試験した最も低い濃度(50nM)で、化合物A代謝の速度は10μMで認められる速度と依然として同様であった。
4.Caco−2単層を横切るプロテアーゼ阻害剤輸送への化合物Aの効果
集密状態(confluency)まで培養したCaco−2単層において実験的プロテアーゼ阻害剤の輸送を調べた。(Augustijns et al.(1998).
Int.J.of Pharm,166,45−54)。細胞単層完全性確認後に、それぞれAP→BLおよびBL→AP方向の輸送を調べるためにWO02/083657に記述されるような実験的HIVプロテアーゼ阻害剤、化合物Bおよび化合物C(以下に示す化学構造)を細胞単層の頂端(AP)もしくは側底(BL)面のいずれかに用いた。双方向輸送への化合物AおよびP−糖タンパク質(Pgp)阻害剤ベラパミル(100μM)の効果を測定した。
結果を以下の表に要約する:
表:実験的プロテアーゼ阻害剤化合物Bおよび化合物C(30μM)のベラパミルおよび化合物A(100μM)の不在下および存在下での流出率(ER)値(90分)の比較
Figure 2008535896
プロフィールは、2つのプロテアーゼ阻害剤間で非常に似ており、それは全てが低い濃度(3〜30μM)で分泌輸送が吸収輸送を非常に上回る非常に高い輸送極性を示した。Pgpの確立したマーカー阻害剤、ベラパミルおよび化合物Aは、輸送極性を有意に減少する。
ベラパミルおよび化合物Aは、流出を減少することにおいて等しい効能を有し、それは化合物AがPgpの阻害剤であることを明らかに示唆する。
Figure 2008535896
5.ウサギにおけるダルナビルの薬物動態への化合物Aのインビボ効果
HIV感染の処置について研究中の新規PI、ダルナビルの薬物動態を高める化合物Aの能力をウサギにおいて評価した。ダルナビルの代謝物プロフィールがヒトにおけるものと似ており、そしてダルナビルの生物学的利用能のブースティングの効果を調べるために代表的なそして感受性の動物モデルであるように思われるのでメスウサギをモデル種とし
て選択した。4匹のウサギに2日連続して0および6時間で20mg/kgの化合物Aを経口投与した。第2日に、化合物Aの0時間投与のすぐ後に500mg/kgのダルナビルの単回経口投与を続けた。化合物Aとともにそしてそれなしに経口投与した後のダルナビルの薬物動態パラメーターを以下の表に要約する。
化合物Aでの処置は、共投与したプロテアーゼ阻害剤、ダルナビルの非常に増加した薬物動態をもたらした。それぞれ10.1μg/mLおよび0.34μg/mLの平均値を有する、化合物AとのそしてそれなしのダルナビルのCmaxの平均増加は38倍であった。化合物Aの存在下でのダルナビルの平均AUC0〜24hは、ダルナビルを単独で与えた場合の2.2μg.h/mLと比較して、25.7μg.h/mLであった。
化合物Aと組み合わせて投与したダルナビルの相対的生物学的利用能は、同じ動物において、化合物Aとともに投与した後のダルナビルのAUCとダルナビルのみを投与した後のAUCの比率を計算することにより決定した。化合物Aと組み合わせて投与したダルナビルの平均薬物動態は、13倍増加した。
Figure 2008535896
ダルナビルの生物学的利用能へのブースティング剤として、化合物Aの一連の経口投与の効果と化合物Aの鏡像異性体(式IIb)、化合物Eの単回投与の効果を比較するためにウサギにおける第二の研究を行った。3群の3匹のメスNZWウサギに500mg/kgのダルナビルの単回投与を単独で、20mg/kgの化合物Aの単回経口投与とともに、もしくは20mg/kgの化合物Eの単回経口投与とともに投与した(期間I)。
期間IIにおいて、第二日の朝における500mg/kgのダルナビルの単回投与とともに、化合物Aを4mg/kgで、10mg/kgもしくは20mg/kgで2日間毎日2回投与した。
化合物Aおよびその鏡像異性体化合物Eの効果と、そして化合物Aの様々な用量の効果とダルナビル薬物動態パラメーターをそれぞれ表2および表3に要約する。
Figure 2008535896
Figure 2008535896
ウサギにおけるこれらの実験の結果は、化合物Aが、毎日2回4〜20mg/kgの用量範囲において用量依存的効果を有する、ダルナビルの薬物動態の強力なエンハンサーであることを裏付ける。化合物Aは、ダルナビルと同時に20mg/kgの単回投与として与えると、20mg/kgの毎日2回の処方計画と同程度までダルナビルの薬物動態を高めた。20mg/kgの化合物E(式IIb)、化合物Aの鏡像異性体の単回投与の共投与もまた、ウサギにおけるダルナビルの実質的に(>20倍)増加した血漿濃度をもたらした。
6.霊長類におけるダルナビルの薬物動態への化合物Aのインビボ効果
ダルナビルの生物学的利用能への化合物Aの用量範囲のブースティング効果を評価するためにオスカニクイザルにおける研究を行った。霊長類種における本研究は、薬物動態学的観点から、ヒトにおける効果を最も予測すると予想された。0コントロール、4、10、25および80mg/kgの用量レベルで化合物Aなしにもしくはそれとともにダルナビルを40mg/kgの単回投与として与えた。全ての用量群は、4匹の動物が含まれる80mg/kgの用量群を除いて、3匹のサルからなった。
AUCとして表される、ダルナビル薬物動態への化合物Aの用量レベルの範囲の効果を図1に示す。
図1:2日間毎日2回の処方計画として与える、4〜80mg/kg/日の用量範囲の、化合物Aのブースティング用量に対する、カニクイザル(用量群当たりn=3〜4)における平均用量正規化ダルナビルAUC。ダルナビルは、実験の2日目に40mg/kgの単回投与として与えた。
これらの結果は、化合物Aが、25および80mg/kgの高用量で約15倍の明らかな最大効果を有して、4mg/kg(3.2倍増加したAUC)の低用量から上に、カニクイザルにおけるダルナビルの薬物動態を実質的に増加することを示す。これらのデータは、化合物Aがこの霊長類種におけるダルナビルの効率のよいそして強力なブースターであることを示す。
7.ヒトにおけるプロテアーゼ阻害剤ダルナビルの薬物動態への化合物Aの効果
プロテアーゼ阻害剤ダルナビルの薬物動態へのその効果を調べるために3パネルのパネル当たり8人の健常志願者における非盲検無作為化試験において化合物Aを用いた。全ての被験者に4日目以降30mg、60mgもしくは120mgの化合物Aの毎日2回の共投与とともに8日間600mg b.i.d.の用量レベルでプロテアーゼ阻害剤ダルナビルを与えた。
全てのパネルにおいて、化合物Aの共投与はダルナビルのAUC12h、CmaxおよびCminを大幅に増加した。Cmin値の増加は最も高く(10倍まで)、そしてCmaxの増加は最も低かった(2倍未満)。AUC12hの増加は、処置A(30mgの化合物A)では約2倍、そして処置B(60mgの化合物A)およびC(120mgの化合物A)では3〜4倍であり、化合物Aによる最大の相互作用効果は60mg b.i.d.の処方計画で達成されたことを示唆する。
本試験は、化合物Aがダルナビルとの臨床使用の強力なブースターであることを示す。
図1は、AUCとして表される、ダルナビル薬物動態への化合物Aの用量レベルの範囲の効果を示すグラフである。

Claims (19)

  1. 薬物の薬物動態を改善するための薬剤として使用するための式
    Figure 2008535896
    [式中、XはSを表し;YはOHを表し;Rは水素を表し;Rはフェニルを表し;Rはイソブチルを表し;Rは水素を表し、そしてRは水素を表す]
    を有する化合物、そのN−オキシド、塩、立体異性体もしくはプロドラッグ。
  2. 化合物が式
    Figure 2008535896
    [式中、XはSを表し;YはOHを表し;Rは水素を表し;Rはフェニルを表し;Rはイソブチルを表し;Rは水素を表し、そしてRは水素を表す]
    を有し、より好ましくは5−チアゾリル−メチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートである請求項1に記載の薬物の薬物動態を改善するための薬剤として使用するための化合物。
  3. 該薬物がシトクロムP450により代謝される請求項1もしくは2に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  4. 該薬物がシトクロムP450モノオキシゲナーゼ3A4により代謝される請求項3に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  5. 該薬物がP−糖タンパク質活性のような輸送タンパク質活性により阻害される請求項1もしくは2に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  6. 該薬物がMRP1もしくはMRP2のような多剤耐性関連タンパク質流出チャンネル活性により阻害される請求項1もしくは2に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  7. 薬物がプロテアーゼ阻害剤である請求項1〜6に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  8. プロテアーゼ阻害剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、好ましくはHIV−アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤である請求項7に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  9. プロテアーゼ阻害剤がダルナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、ラシナビル、アタザナビ
    ル、BMS186318、DPC681、DPC684、チプラナビル、AG1776、DMP450、L756425、PD178390、PNU140135もしくはカスタノスペルミン、デオキシノジリマイシンのようなグリコシル化阻害剤よりなる群から選択される請求項8に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  10. 化合物が5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートであり、そして該プロテアーゼ阻害剤がダルナビルもしくはサキナビルである請求項9に記載の薬物の薬物動態を改善するための化合物。
  11. 化学名5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートを有する化合物、製薬学的に許容しうる担体およびシトクロムP450により代謝される薬物を含んでなり、そしてここで該薬物がダルナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、ラシナビル、アタザナビル、BMS186318、DPC681、DPC684、チプラナビル、AG1776、DMP450、L756425、PD178390、PNU140135もしくはカスタノスペルミン、デオキシノジリマイシンのようなグリコシル化阻害剤よりなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤である製薬学的組成物。
  12. プロテアーゼ阻害剤がダルナビルもしくはサキナビルである請求項11に記載の製薬学的組成物。
  13. 化合物が5−チアゾリルメチル[(1S,2R)−3[[(2−アミノ−6−ベンゾキサゾリル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]カルバメートであり、そしてプロテアーゼ阻害剤がダルナビルである請求項12に記載の製薬学的組成物。
  14. ヒト宿主におけるシトクロムP450活性の阻害用の薬剤の製造のための請求項1もしくは2に記載の化合物または請求項11に記載の組成物の使用。
  15. 式(I)もしくは(II)を有する化合物と組み合わせたヒト宿主におけるシトクロムP450活性の阻害用の薬剤の製造におけるシトクロムP450により代謝され、ここで、該化合物の量は、単独で投与した場合のHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態に対して、患者におけるHIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態を改善するために十分であるHIVプロテアーゼ阻害剤の使用。
  16. 請求項11に記載の製薬学的組成物を含んでなる製薬学的キット。
  17. 該薬物がダルナビルもしくはサキナビルのようなHIVプロテアーゼ阻害剤である請求項16に記載の製薬学的キット。
  18. 該薬物もしくはその製薬学的に許容しうる塩および請求項1もしくは2に記載の化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩の組み合わせの治療的に有効な量を処置を必要とするヒト宿主に投与することを含んでなるシトクロムP450により代謝される薬物の薬物動態の改善方法。
  19. シトクロムP450を阻害するために有効な請求項1もしくは2に記載の化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩の量を阻害を必要とするヒト宿主に投与することを含んで
    なるシトクロムP450の阻害方法。
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