JP2008535785A - Stat3の小分子阻害剤およびその使用 - Google Patents

Stat3の小分子阻害剤およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、Stat3の阻害剤として機能する小分子に関する。本発明はまた、細胞死を誘導するため、および抗癌薬物による細胞死誘導に対して細胞を感作させるためのこれらの化合物の使用に関する。

Description

発明の分野
本発明は、医薬化学の分野にある。特に、本発明は、Stat3の阻害剤として機能する小分子に関する。本発明はまた、細胞死を誘導するため、および抗癌薬物による細胞死誘導に対して細胞を感作させるための化合物の使用に関する。
本願は、参照により本明細書に組み入れられる、2005年2月25日に出願された米国仮出願第60/656,597号への優先権を主張する。
本発明は、一部は補助金番号DOD BC023370の下での補助金、CA096714の下でのNIHの援助、および国防総省乳癌補助金(Department of Defense Breast Cancer Grant)DAMD17-03-1-0508を用いて行われた。政府は本発明において一定の権利を有し得る。
関連技術
攻撃的な癌細胞表現型は、細胞内シグナル伝達経路の調節不全につながる種々の遺伝的および後成的な変化の結果である(Ponder, Nature 411:336 (2001))。しかし、すべての癌細胞の共通点は、アポトーシスプログラムを実行することのそれらの失敗であり、そして正常なアポトーシス機構の欠損に起因する適切なアポトーシスの欠損は癌の特質である(Lowe et al, Carcinogenesis 21:485 (2000))。化学治療剤、放射線、および免疫療法を含む現在の癌治療の大部分は、癌細胞におけるアポトーシスを間接的に誘導することにより作用する。従って、正常のアポトーシス機構の欠損に起因する、癌細胞がアポトーシスプログラムを実行することができないのは、しばしば、化学療法、放射線、または免疫療法誘導性のアポトーシスへの抵抗性の増加に関連する。アポトーシスの欠損に起因する、現在の処置プロトコールに対する異なる起源のヒト癌の原発性または後天性の抵抗性は、現在の癌治療における主要な問題である(Lowe et al, Carcinogenesis 21:485 (2000); Nicholson, Nature 407:810 (2000))。従って、癌患者の生存および生活の質を改善するための、新たな分子標的特異的抗癌治療を設計および開発することに向けた現在および将来の努力は、アポトーシスに対する癌細胞の抵抗性を特異的に標的化するストラテジーを含まなくてはならない。この点に関して、癌細胞においてアポトーシスを直接的に阻害する際の中心的な役割を果たす決定的な負の調節因子を標的化することは、新たな抗癌薬物設計のための高度に前途有望な治療ストラテジーを表す。
転写のシグナル伝達物質および活性化因子(STAT)は、サイトカインおよび成長因子に応答して活性化される(Darnell et al., Science 264:1415 (1994))。JAK、Src、および上皮成長因子受容体(EGFR)はStat3上流調節因子である(Bromberg et al., Mol. Cell. Biol. 18:2553 (1998); Sartor et al., Cancer Res. 57:978 (1997); Garcia et al., Oncogene 20:2499 (2001))。Stat3タンパク質の主要ドメインは、四量体構造ならびに、N末端のロイシンジッパー構造、DNA結合ドメイン、およびカルボキシ末端のSH2転写活性化ドメインを含む。SH2領域は、チロシンリン酸化受容体へのStat3の結合、ならびにDNA結合および遺伝子発現のために必要である二量体化の原因である(Zhong et al., Science 264:95(1994))。Stat3は、Y-705におけるリン酸化によって活性化され、これは、二量体形成、核移行、Stat3特異的DNA結合エレメントの認識、および標的遺伝子転写の活性化をもたらす(Darnell et al., Science 264:1415 (1994); Zhong et al., Science 264:95(1994))。
Stat3の構成的活性化は、乳癌細胞株において頻繁に検出されるが、正常乳房上皮細胞においては検出されない(Garcia et al., Cell Growth. Differ. 8:1267 (1997); Bowman et al., Oncogene 19:2474 (2000))。乳房腫瘍の約60%が、持続的に活性化されたStat3を含むことが報告されている(Dechow et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101: 10602 (2004))。活性化されたStat3が培養細胞中での発癌性の形質転換およびヌードマウス中での腫瘍形成を媒介可能であるため、Stat3はプロト癌原遺伝子として分類されてきた(Bromberg et al., Cell 98:295 (1999))。Stat3は、細胞増殖を刺激すること、血管形成を促進すること、および従来的な治療によって誘導されるアポトーシスに対して抵抗性を付与することによって、腫瘍形成に関与し得る(Catlett-Falcone et al., Curr. Opin. Oncol. 11:1 (1999); Catlett- Falcone et al., Immunity 10:105 (1999); Alas et al., Clin. Cancer Res. 9:316 (2003); Wei et al., Oncogene 22:1517 (2003))。Stat3がそこを通して腫瘍形成を促進する、可能性のある下流標的には、抗アポトーシス因子(Bcl-2、サバイビン、Mcl-1、および Bcl-XL)、細胞周期調節因子(サイクリンD1、MEK5、およびc-myc)、および腫瘍血管形成の誘導因子(VEGF)のアップレギュレーションが含まれる(Bromberg et al., Cell 98:295 (1999); Wei et al., Oncogene 22:1517 (2003); Real et al., Oncogene 21 :7611 (2002); Puthier et al., Eur. J. Immunol. 29:3945 (1999); Niu et al., Oncogene 21:2000 (2002); Kiuchi et al., J. Exp. Med. 189:63 (1999); Song et al., Oncogene (2004))。活性化Stat3シグナル伝達は癌の悪性進行に直接的に寄与する。Stat3の発癌性機能は、サバイビン、Mcl-1、Bcl-2、およびBCl-XLなどの生存誘発性タンパク質を通して作用し、アポトーシスの妨害を生じる(Real et al., Oncogene 21:7611 (2002); Aoki et al., Blood 101:1535 (2003); Epling-Burnette et al., J. Clin. Invest. 107:351 (2001); Nielsen et al., Leukemia 13:735 (1999))。Stat3シグナル伝達の遮断は癌細胞増殖を阻害し、Stat3が腫瘍細胞の生存または増殖に必須であることを実証する(Alas et al., Clin. Cancer Res. 9:316 (2003); Aoki et al., Blood 101:1535 (2003); Epling-Burnette et al., J. Clin. Invest. 107:351 (2001); Burke et al., Oncogene 20:7925 (2001); Mora et al., Cancer Res. 62:6659 (2002); Ni et al., Cancer Res. 60:1225 (2000); Rahaman et al., Oncogene 21:8404 (2002))。
Stat3は乳癌中で頻繁に活性化されるので(Dechow et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101:10602 (2004))、これは、乳癌の異常な増殖を阻害する潜在能力を有する、癌治療のための魅力的な標的を表す。Stat3 SH2ドメイン相補的結合構造を模倣するペプチドベースのStat3阻害剤は、インビトロでStat3機能を首尾よくブロックすることが報告された(Turkson et al., J. Biol. Chem. 276:45443 (2001))。Janusキナーゼ、とりわけ、JAK2などのStat3上流調節因子を阻害するための試みもまた行われてきた(Blaskovich et al., Cancer Res. 63:1270 (2003))。Stat3ホモダイマーの高解像度X線三次元構造が開示されている(Becker et al., Nature 394:145 (1998))。高い細胞浸透性および安定性を有しかつStat3活性を直接的に遮断する、Stat3のX線構造に基づく、Stat3の小分子阻害剤の開発のための必要性が存在する。
発明の概要
遺伝子の損傷またはアポトーシスの誘導因子(抗癌剤および放射線など)への曝露に応答して、癌細胞またはそれらの支持細胞がアポトーシスを受けることができないことは、癌の発生および進行の主要な要因であることが一般的に受け入れられている。癌細胞またはそれらの支持細胞(例えば、腫瘍血管系における新生血管細胞)におけるアポトーシスの誘導は、市販されまたは現在実施されている、有効な癌治療薬または放射線治療の実質的にすべてについての作用の普遍的なメカニズムであると考えられている。細胞がアポトーシスを受けることができないことの1つの理由は、少なくとも一部は、抗アポトーシス因子を上方制御する、および/または細胞周期制御を変化させるStat3の能力に起因する、Stat3活性の増加である。
本発明は、Stat3と異種結合パートナーとの間の相互作用を阻害することによる、および/またはSH2トランス活性化ドメインを介したStat3のホモ二量体化を阻害することによる、Stat3の機能を減少させる薬物(例えば、小分子)の有効量への、癌に罹患している動物の曝露が、癌細胞もしくは支持細胞の増殖を阻害し、および/またはこのような集団を、癌治療薬もしくは放射線治療の細胞死誘導活性に対してより感受性にすることを意図する。本発明は、Stat3の阻害剤が、アポトーシス、および/または細胞周期停止を誘導するための単独療法として投与された場合に、あるいは、癌治療薬または放射線治療単独のみを用いて処置された動物における細胞の対応する割合と比較して、より大きな割合の癌細胞または支持細胞を、アポトーシスを実行することに対して感受性にするために、他の細胞死誘導性の癌治療薬、または放射線治療などとの時間的関係の中で投与される場合に(組み合わせ治療)、複数の癌の種類の処置のための満たされていない必要性を満たすことを意図する。
本発明の特定の態様において、治療上有効量の本発明の化合物、および抗癌剤または放射線の治療単位を用いた、動物の組み合わせ処置は、本発明の化合物または抗癌薬物/放射線単独で処置したものと比較して、このような動物において、より大きな腫瘍応答および臨床的利益を生じる。言い換えれば、本発明の化合物は、すべての細胞のアポトーシスの閾値を低下させるので、抗癌薬物/放射線のアポトーシス誘導活性に応答するアポトーシスプログラムを首尾よく実行する。または、本発明の化合物は、より低い、それゆえにより毒性が低くかつ耐容性である、抗癌薬物および/または放射線の用量の投与を許容して、従来の用量の抗癌薬物/放射線単独と同じ腫瘍応答/臨床的利益を生じるために使用される。すべての認可された抗癌薬物および放射線治療についての用量は公知であるので、本発明は、本発明の化合物とこれらの種々の組み合わせを意図する。また、本発明の化合物は、少なくとも部分的に、Stat3の抗アポトーシス活性および/または細胞周期変更活性を阻害することによって作用し得るので、治療上有効量の化合物への癌細胞および支持細胞の曝露は、抗癌剤または放射線治療に応答してアポトーシスプログラムを実行するための細胞の試みと一致させるために時間的に関連付けるべきである。従って、ある態様において、特定の時間的な関連物と結び付けて本発明の組成物を投与することは、とりわけ有効な治療的手法を提供する。
本発明は、Stat3の活性を阻害するため、ならびにアポトーシスおよび/または細胞周期停止の誘導因子に対する細胞の感受性を増加させるのに有用な化合物に関する。1つの特定の態様において、この化合物は、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩である。
1つの態様において、Stat3の活性の阻害剤は、化合物1(STA-21)、ならびに化合物2および3として同定されるアナログからなる群より選択される。
Figure 2008535785
本発明は、Stat3の活性の阻害剤である、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩によって表される化合物に関する。本発明は、Stat3活性の上昇を有する細胞の増殖を阻害するための本発明の化合物の使用に関する。本発明はさらに、Stat3活性の上昇を有する細胞における細胞周期の停止および/またはアポトーシスを誘導するための、本発明の化合物の使用に関する。本発明はまた、アポトーシスおよび/または細胞周期停止の誘導因子に対して細胞を感作させるための本発明の化合物の使用に関する。本化合物は、Stat3活性の上昇に関する障害の処置、寛解、または予防のために有用である。本発明は、本化合物はまた、アポトーシス性細胞死の誘導に対して応答性の障害、例えば、癌および乾癬などの過剰増殖性疾患を含む、アポトーシスの調節不全によって特徴付けられる障害の処置、寛解、または予防に有用である。特定の態様において、これらの化合物は、癌治療に対する抵抗性によって特徴付けられる癌(例えば、化学療法剤抵抗性、放射線抵抗性、ホルモン抵抗性などの癌)を処置、寛解、または予防するために使用することができる。他の態様において、これらの化合物は、過剰増殖性疾患およびStat3活性の上昇によって特徴付けられる状態を処置するために使用することができる。
本発明は、細胞中でアポトーシスを誘導するため、またはアポトーシスの誘導因子に対して細胞を感作させるための、治療上有効量のSTA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供する。
本発明はさらに、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩、および動物にこの化合物を投与するための説明書を含むキットを提供する。これらのキットは、他の治療剤、例えば、抗癌剤またはアポトーシス調節剤を任意に含んでもよい。
発明の詳細な説明
本発明は、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩に関し、これは、Stat3活性の阻害剤として機能する。Stat3を阻害することにより、これらの化合物はStat3活性の上昇を有する細胞における細胞増殖を阻害する。これらの化合物はまた、アポトーシスおよび/または細胞周期停止の誘導因子に対して細胞を感作させ、そしてある例においては、それ自体がアポトーシスおよび/または細胞周期停止を誘導する。それゆえに、本発明は、単独で、またはアポトーシスの誘導因子と組み合わせて、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩と細胞を接触させる工程を含む、細胞増殖を阻害する方法、アポトーシスおよび/または細胞周期停止の誘導因子に対して細胞を感作させる方法、ならびに細胞においてアポトーシスおよび/または細胞周期停止を誘導する方法に関する。本発明はさらに、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩、および任意でアポトーシスの誘導因子を動物に投与する工程を含む、Stat3活性の上昇に関連する、またはアポトーシスの誘導に対して応答性である、動物における障害を処置、寛解、または予防する方法に関する。このような障害には、アポトーシス調節不全によって特徴付けられる障害、Stat3活性の上昇を有する細胞の増殖によって特徴付けられる障害が含まれる。
1つの態様において、Stat3活性の阻害剤は化合物1(STA-21)、2、および3からなる群より選択される。
Figure 2008535785
「抗癌剤」および「抗癌薬物」という用語は、本明細書で使用される場合、癌などの過剰増殖性疾患の処置において(例えば、哺乳動物において)使用される、任意の治療剤(例えば、化学療法化合物および/または分子治療化合物)、アンチセンス治療、放射線治療、または外科的処置をいう。
「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、プロドラッグを活性な薬物に遊離または転換するために(例えば、酵素的に、機械的に、電磁的に)、標的に生理学的系の中で生物転換(例えば、自発的または酵素的のいずれか)を必要とする親の「薬物」分子の薬理学的に不活性な誘導体をいう。プロドラッグは、安定性、毒性、特異性の欠如、または生物学的利用能の制限に関連する問題を克服するように設計される。例示的なプロドラッグは、活性な薬物分子それ自体および化学マスキング基(例えば、薬物の活性を可逆的に抑制する基)を含む。ある好ましいプロドラッグは、代謝条件下で切断可能な基を有する化合物のバリエーションまたは誘導体である。例示的なプロドラッグは、これらが生理学的条件下で加溶媒分解を受けるか、または酵素的分解もしくは他の生化学的転換(例えば、リン酸化、水素化、脱水素化、グリコシル化)を受ける場合、インビボまたはインビトロで薬学的に活性になる。プロドラッグは、しばしば、溶解性、組織適合性、または哺乳動物生物体における遅延放出を提供する(例えば、Bundgard, Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam (1985);およびSilverman, The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, pp. 352-401, Academic Press, San Diego, CA (1992)を参照されたい)。一般的なプロドラッグは、適切なアルコール(例えば、低級アルカノール)との親の酸の反応によって調製されたエステルなどの酸誘導体、アミンとの親の酸化合物の反応によって調製されたアミド、または反応してアシル化塩基誘導体を形成するための塩基性基(例えば、低級アルキルアミド)が含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書で使用される場合、標的動物(例えば、哺乳動物)において生理学的に許容される本発明の化合物の任意の塩(例えば、酸または塩基との反応によって得られる)をいう。本発明の化合物の塩は、無機または有機の酸および塩基から誘導されてもよい。酸の例には以下が含まれるがこれらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸など。シュウ酸などの他の酸は、それ自体薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において利用されてもよい。
塩基の例には以下が含まれるがこれらに限定されない:アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、および式NW4 +の化合物、ここで、WはC1-4アルキルである、など。
塩の例には以下が含まれるがこれらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩など。塩の他の例には、Na+、NH4 +、およびNW4 +(ここで、WはC1-4アルキル基である)などのような適切なカチオンと化合物を形成する本発明の化合物のアニオンを含む。治療用途のために、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されるものとして意図される。しかし、薬学的に許容されない酸および塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において用途を見い出す可能性がある。
「治療上有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、障害の1つまたは複数の徴候の寛解を生じ、または障害の進行を予防し、または障害の後退を引き起こすために十分な治療剤の量をいう。例えば、癌の処置に関しては、治療上有効量は、好ましくは、腫瘍増殖の速度を減少させ、腫瘍塊を減少させ、転移の数を減少させ、腫瘍の進行までの時間を増加させ、または生存時間を少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%増加させる治療剤の量をいう。
「感作する」および「感作すること」は、本明細書で使用される場合、第1の作用因子(例えば、式Iの化合物)の投与を通して、第2の作用因子の生物学的効果(例えば、細胞増殖、拡散、侵襲、血管形成、またはアポトーシスを含むがこれに限定されない細胞機能の1つの局面の促進または遅延)に対して、動物または動物の中の細胞をより感受性に、またはより応答性にすることをいう。標的細胞に対する第1の作用因子の感作効果は、第1の作用因子の投与ありおよび投与なしでの第2の作用因子の投与に際して観察される意図される生物学的効果(例えば、細胞増殖、拡散、侵襲、血管形成、またはアポトーシスを含むがこれに限定されない細胞機能の1つの局面の促進または遅延)の違いとして測定することができる。感作された細胞の応答は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも350%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%、第1の作用因子の非存在下における応答を超えて増加することができる。
「アポトーシスの調節不全」という用語は、本明細書で使用される場合、アポトーシスを介して細胞が細胞死を受ける能力の任意の異常(例えば、素因)をいう。アポトーシスの調節不全は、種々の状態と関連するか、またはそれによって誘導され、例えば、自己免疫障害(例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、対宿主性移植片病、重症筋無力症、またはシェーグレン病)、慢性炎症状態(例えば、乾癬、喘息、またはクローン病)、過剰増殖性疾患(例えば、腫瘍、B細胞リンパ種、またはT細胞リンパ腫)、ウイルス感染(例えば、ヘルペス、パピローマ、またはHIV)、ならびに変形性関節症およびアテローム性動脈硬化症などの他の状態が含まれる。この調節不全はウイルス感染によって誘導されるか、またはそれに関連し、このウイルス感染は、調節不全が起こるかまたはそれが観察される時点で検出されてもよく、または検出されなくてもよいことに注目するべきである。すなわち、ウイルス誘導性の調節不全は、ウイルス感染の徴候の消失後でさえ起こり得る。
「Stat3」という用語は、本明細書で使用される場合、Stat3αおよびStat3βを含むがこれらに限定されない、当業者に公知である任意の型のStat3をいう。
「Stat3活性の上昇を有する細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、Stat3が構成的に活性化されている(例えば、リン酸化されている)細胞、またはStat3が、正常な(すなわち、疾患を有さない)細胞において見い出されるよりも、より大きな割合の時間もしくは高いレベルで活性化される細胞をいう。
「その誘導体またはアナログ」という用語は、本明細書でSTA-21と関連して使用される場合、Stat3活性を阻害し、かつSTA-21の全体の構造に基づく任意の化合物をいう。
「過剰増殖性疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、動物における増殖している細胞の集団の局在が、正常の増殖の通常の制限によっては支配されない任意の状態をいう。過剰増殖性障害の例には、腫瘍、新生物、リンパ腫など、および自己免疫疾患(例えば、乾癬)のような非癌性疾患が含まれる。新生物は、それが侵襲または転移を受けない場合に良性といわれ、これらのいずれかを受ける場合に悪性であるといわれる。「転移性」細胞とは、細胞が、隣接している身体構造に侵襲し、かつこれを破壊し得ることを意味する。過形成は、構造または機能の有意な変化を伴うことなく、組織または器官中の細胞数の増加を含む細胞増殖の種類である。化生は、ある種類の完全に分化した細胞が別の種類の分化した細胞に取って代わる、制御された細胞増殖の種類である。
活性化リンパ細胞の病理学的増殖は、しばしば、自己免疫障害または慢性炎症状態を生じる。本明細書で使用される場合、「自己免疫障害」という用語は、生物体自体の分子、細胞、または組織を認識する抗体または免疫細胞を、その生物体が産生する任意の状態をいう。自己免疫障害の非限定的な例には以下が含まれる:自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、バージャー病またはIgA腎症、セリアックスプルー、慢性疲労症候群、クローン病、皮膚筋炎、線維筋痛、対宿主性移植片病、グレーヴズ病、橋本甲状腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、扁平苔癬、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、リウマチ熱、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン病、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、白斑など。
「新生物疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、良性(非癌性)または悪性(癌性)のいずれかである、細胞の任意の異常な増殖をいう。
「抗新生物剤」という用語は、本明細書で使用される場合、標的とされる(例えば、悪性の)新生物の増殖、成長、または伝播を遅延する任意の化合物をいう。
「予防する」「予防すること」および「予防」という用語は、本明細書で使用される場合、動物における病理学的細胞(例えば、過剰増殖性または新生物細胞)の発生の減少をいう。予防は、被験体における病理学的細胞の完全な、例えば、全体的な非存在であってもよい。予防はまた、被験体における病理学的細胞の発生が、本発明なしで発生するものよりも少ないように、部分的であってもよい。
「アポトーシス調節因子」という用語は、本明細書で使用される場合、アポトーシスを調節する(例えば、阻害、減少、増加、促進する)ことに関与する因子をいう。アポトーシス調節因子の例には、Fas/CD95、TRAMP、TNF RI、DR1、DR2、DR3、DR4、DR5、DR6、FADD、およびRIPなどであるがこれらに限定されない、デスドメインを含むタンパク質が含まれる。アポトーシス調節因子の他の例には、TNFα、Fasリガンド、Fas/CD95および他のTNFファミリー受容体に対する抗体、TRAIL、TRAIL-R1またはTRAIL-R2に対する抗体、Bcl-2、p53、BAX、BAD、Akt、CAD、PI3キナーゼ、PP1、およびカスパーゼタンパク質が含まれるがこれらに限定されない。調節因子は、TNFファミリー受容体およびTNFファミリーリガンドのアゴニストおよびアンタゴニストを広範に含む。アポトーシス調節因子は、可溶性または膜結合性(例えば、リガンドまたは受容体)であってもよい。好ましいアポトーシス調節因子は、TNFまたはTNF関連リガンド、特にTRAMPリガンド、Fas/CD95リガンド、TNFR-1リガンド、またはTRAILなどのアポトーシスの誘導因子である。
本発明のStat3活性の阻害剤は、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の特定の化合物は、光学異性体を含む立体異性体として存在してもよい。本発明は、すべての立体異性体、ならびに、このような立体異性体のラセミ混合物および当業者に周知の方法に従って分離され得る個々のエナンチオマーの両方を含む。
本発明の化合物は、当業者に周知の慣行的な方法を用いて調製することができる。
本発明の重要な局面は、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩が、少なくとも一部は細胞周期停止および/またはアポトーシスを誘導することにより細胞増殖を阻害することができ、ならびにまた、アポトーシス誘導シグナルに応答して、細胞周期停止および/またはアポトーシスの誘導を増強することができることである。それゆえに、これらの化合物は、アポトーシスの誘導因子に対して、このような誘導因子に抵抗性である細胞を含む細胞を感作することが意図される。本発明のStat3活性の阻害剤は、アポトーシスの誘導によって処置、寛解、または予防することができる任意の障害においてアポトーシスを誘導するために使用することができる。1つの態様において、これらの阻害剤は、Stat3活性の上昇を有する細胞においてアポトーシスを誘導するために使用することができる。
別の態様において、本発明は、1つまたは複数のアポトーシス調節因子と関連付けられるアポトーシス関連状態を調節することに関する。アポトーシス調節因子の例には以下が含まれるがこれらに限定されない:Fas/CD95、TRAMP、TNF RI、DRl、DR2、DR3、DR4、DR5、DR6、FADD、RIP、TNFα、Fasリガンド、TRAIL、TRAIL-R1またはTRAIL-R2に対する抗体、Bcl-2、p53、BAX、BAD、Akt、CAD、PI3キナーゼ、PP1、およびカスパーゼタンパク質。アポトーシスの開始、決定、および分解段階に関与する他の因子もまた含まれる。アポトーシス調節因子の例には、その活性、存在、または濃度の変化により、被験体におけるアポトーシスが調節され得る因子が含まれる。好ましいアポトーシス調節因子の例は、TNFまたはTNF関連リガンド、特にTRAMPリガンド、Fas/CD95リガンド、TNFR-1リガンド、またはTRAILなどのアポトーシスの誘導因子である。
ある態様において、本発明の組成物および方法は、動物(例えば、ヒトおよび獣医学的動物を含むがこれに限定されない哺乳動物被験体)において、疾患を有する細胞、組織、器官、または病理学的状態および/もしくは疾患状態を処置するために使用される。その際、種々の疾患および病理を、本発明の方法および組成物を使用する処置および予防に適用できる。これらの疾患および状態の非限定的なリストには以下が含まれるがこれらに限定されない:乳癌、前立腺癌、リンパ腫、皮膚癌、膵臓癌、結腸癌、メラノーマ、悪性メラノーマ、卵巣癌、脳腫瘍、原発性脳腫瘍、頭頸部癌、神経膠腫、膠芽細胞腫、肝臓癌、膀胱癌、非小細胞癌、頭頸部癌腫、乳房癌腫、卵巣癌腫、肺癌、小細胞癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸部癌、精巣癌、膀胱癌、膵臓癌、胃癌、結腸癌、前立腺癌、泌尿生殖器癌、甲状腺癌、食道癌、骨髄腫、多発性骨髄腫、副腎癌、腎細胞癌、子宮内膜癌、副腎皮質癌、悪性膵島細胞腺腫、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、真菌性筋炎(mycosis fungoides)、悪性高カルシウム血症、頸部過形成、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、ヘアリー細胞白血病、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、ホジキン病、非ホジキン病、軟部組織肉腫、骨原性肉腫、原発性マクログロブリン血症、および網膜芽細胞腫など、T細胞およびB細胞媒介性自己免疫疾患;炎症性疾患;感染;過剰増殖性疾患;AIDS;変性状態;血管疾患など。1つの態様において、癌は乳癌または卵巣癌である。ある態様において、処置される癌細胞は転移性である。他の態様において、処置される癌細胞は抗癌剤に対して抵抗性である。
ある態様において、本発明の組成物および方法を用いる処置のために適切な感染には、ウイルス、細菌、真菌、マイコプラズマ、プリオンなどによって引き起こされる感染が含まれるがこれらに限定されない。
本発明のある態様は、有効量の本発明の化合物および少なくとも1つのさらなる治療剤(化学療法抗新生物剤、アポトーシス調節因子、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、および抗炎症剤)および/または治療技術(例えば、外科的処置、放射線治療)を施すための方法を提供する。
多数の適切な抗癌剤が本発明の方法における使用のために意図される。確かに、本発明は、以下のような多数の抗癌薬物の投与を意図するがこれらに限定されない:アポトーシスを誘導する作用因子;ポリヌクレオチド(例えば、アンチセンス、リボザイム、siRNA);ポリペプチド(例えば、酵素および抗体);生物学的模倣物(例えば、ゴシポールまたはBH3模倣物);BaxなどのBcl-2ファミリータンパク質と結合する(例えば、重合または複合体形成する)作用因子;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗物質;ホルモン;白金化合物;モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体(例えば、抗癌薬物、毒素、デフェンシンと結合体化された抗生物質)、毒素;放射性核種;生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン(例えば、IFN-α)およびインターロイキン(例えば、IL-2));養子免疫療法作用因子;造血増殖因子;腫瘍細胞分化を誘導する作用因子;(例えば、すべてトランスであるレチノイン酸);遺伝子治療試薬(例えば、アンチセンス治療試薬およびヌクレオチド);腫瘍ワクチン;血管形成阻害剤;プロテオソーム阻害剤;NF-κB調節因子;抗CDK化合物;HDAC阻害剤など。化学療法剤化合物および開示される化合物との同時投与のために適切である抗癌治療の多数の他の例は、当業者に公知である。
好ましい態様において、抗癌剤にはアポトーシスを誘導または刺激する作用因子が含まれる。アポトーシスを誘導する作用因子には以下が含まれるがこれらに限定されない:放射線(例えば、X線、γ線、UV);腫瘍壊死因子(TNF)-関連因子(例えば、TNFファミリータンパク質、TNFファミリーリガンド、TRAIL、TRAIL-R1またはTRAIL-R2に対する抗体);キナーゼ阻害剤(例えば、上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼ阻害剤、血管増殖因子受容体(VGFR)キナーゼ阻害剤、線維芽細胞成長因子(FGFR)キナーゼ阻害剤、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)キナーゼ阻害剤、およびBcr-Ablキナーゼ阻害剤(グリーベック(GLEEVEC)など));アンチセンス分子;抗体(例えば、ハーセプチン(HERCEPTIN)、リツキサン((RITUXAN)、ゼバルビン(ZEVALIN)、およびアバスチン(AVASTIN));抗エストロゲン(例えば、ラロキシフェンおよびタモキシフェン);抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、アミノグルテタミド、ケトコナゾール、およびコルチコステロイド);シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)阻害剤(例えば、セレコキシブ、メロキシカム、NS-398、および非ステロイド性抗炎症薬物(NSAID));抗炎症性薬物(例えば、ブタゾリジン、デカドロン(DECADRON)、デルタゾン(DELTASONE)、デキサメタゾン、デキサメタゾン インテンソール、デキソン(DEXONE)、ヘキサドロール(HEXADROL)、ヒドロキシクロロキン、メチコルテン(METICORTEN)、オラデキソン(ORADEXON)、オラゾン(ORASONE)、オキシフェンブタゾン、ペジアプレド(PEDIAPRED)、フェニルブタゾン、プラクエニール(PLAQUENIL)、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレロン(PRELONE)、およびタンデアリル(TANDEARIL));および癌化学療法剤(例えば、イリノテカン(カンプロサール(CAMPTOSAR))、CPT-11、フルダラビン(フルダラ(FLUDARA))、デカルバジン(DTIC)、デキサメタゾン、ミトキサントロン、ミロターグ(MYLOTARG)、VP-16、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、5-FU、ドキソルビシン、ゲムシタビン、ボルテゾミブ、ゲフィチニブ、ベバシズマブ、タキソテレ(TAXOTERE))またはタキソール(TAXOL);細胞シグナル伝達分子;セラミドおよびサイトカイン;スタウロスポリンなど。
なお他の態様において、本発明の組成物および方法は、式Iの化合物、ならびにアルキル化剤、代謝拮抗物質、および天然物(例えば、ハーブならびに他の植物および/または動物由来の化合物)から選択される少なくとも1つの抗過剰増殖性または抗新生物剤を提供する。
本発明の化合物および方法における使用のために適切なアルキル化剤には以下が含まれるがこれらに限定されない:1)ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン(L-サルコリシン);およびクロラムブシル);2)エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ);3)アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン);4)ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU);ロムスチン(CCNU);セムスチン(メチル-CCNU);およびストレプトゾシン(ストレプトゾトシン));5)トリアゼン(例えば、デカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミド-アゾレカルボキサミド))。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法における使用のために適切な代謝拮抗物質には以下が含まれるがこれらに限定されない:1)葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート(アメトプテリン));2)ピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル(5-フルオロウラシル;5-FU)、フロクスウリジン(フルオロド-オキシウリジン;FudR)、およびシタラビン(シトシンアラビノシド));および3)プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン(6-メルカプトプリン;6-MP)、チオグアニン(6-チオグアニン;TG)、およびペントスタチン(2'-デオキシコルホマイシン))。
なおさらなる実施形態において、本発明の組成物および方法における使用のために適切な化学療法剤には以下が含まれるがこれらに限定されない:1)ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン);2)エピポドフィロキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド);3)抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン(マイトマイシンC));4)酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ);5)生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロンα);6)白金配位錯体(例えば、シスプラチン(シス-DDP)およびカルボプラチン);7)アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン);8)置換ウレア(例えば、ヒドロキシウレア);9)メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン(N-メチルヒドラジン;MIH));10)副腎皮質抑制因子(例えば、ミトタン(o,p'-DDD)およびアミノグルテチミド);11)副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン);12)プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール);13)エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール);14)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン);15)アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロン);16)抗アンドロゲン(例えば、フルタミド);および17)ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(ロイプロリド)。
癌治療の状況において日常的に使用される任意の腫瘍崩壊性作用因子が、本発明の組成物および方法における使用を見い出す。例えば、米国食品医薬品局(the U.S. Food and Drug Administration)は、米国における使用のために認可された腫瘍崩壊性作用因子の処方を維持している。U.S.F.D.A.に対応する国際的な機関が同様の処方を維持している。表1は、米国における使用のために認可された例示的な抗新生物剤のリストを提供する。当業者は、すべての米国で認可された化学療法剤に対して必要とされる「製品ラベル」が、例示的な作用因子についての認可された適応症、投薬情報、毒性データなどを記載することを認識している。
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抗癌剤および他の治療剤のより詳細な説明のために、当業者は、米国医薬品便覧およびGoodman and Gilman's「Pharmaceutical Basis of Therapeutics」 tenth edition, Eds. Hardman et al, 2002が含まれるがこれらに限定されない、任意の数の指示マニュアルを参照する。
本発明は、放射線治療とともに本発明の化合物を投与するための方法を提供する。本発明は、動物への照射の治療線量を送達するために使用される、種類、量、または送達および投与の系によって制限されない。例えば、動物は、光子照射療法、粒子ビーム照射療法、他の種類の照射療法、およびこれらの組み合わせを受けることができる。ある態様において、照射は、線形加速器を使用して動物に送達される。なお他の態様において、照射はガンマナイフを使用して送達される。
照射線源は、動物に対して外部または内部であってもよい。外部放射線源は最も一般的であり、例えば線形加速器を使用して、皮膚を通して腫瘍部位に高エネルギー照射のビームを向けることを含む。照射のビームが腫瘍部位に集中する場合、正常な健常組織への曝露を回避することはほぼ不可能である。しかし、外部線源は、通常、患者によって十分に許容される。内部照射線源は、腫瘍部位においてまたはその近傍で、身体の内部にビーズ、ワイヤ、ペレット、カプセル、粒子などの放射線放出線源を移植することを含み、これには、癌細胞を特異的に標的とする送達系の使用が含まれる(例えば、癌細胞結合リガンドに結合された粒子を使用する)。このような移植物は、処置後に取り出され、または身体中で不活性状態で放置することができる。内部放射線治療の種類には、近接照射療法、組織内照射、腔内照射、放射免疫療法などが含まれるがこれらに限定されない。
動物は任意で、放射線増感剤(例えば、メトロニダゾール、ミソミダゾール、動脈内Budr、静脈内ヨードデオキシウリジン(IudR)、ニトロイミダゾール、5-置換-4-ニトロイミダゾール、2H-イソインドレジオン、[[(2-ブロモエチル)-アミノ]メチル]-ニトロ-1H-イミダゾール-1-エタノール、ニトロアニリン誘導体、DNA-アフィニック(affinic)低酸素症細胞毒、ハロゲン化DNAリガンド、1,2,4ベンゾトリアジンオキシド、2-ニトロイミダゾール誘導体、フッ素含有ニトロアゾール誘導体、ベンズアミド、ニコチンアミド、アクリジン-インターカレーター、5-チオトレトラゾール、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジニトロイミダゾール誘導体、ヒドロキシル化テキサフィリン、シスプラチン、マイトマイシン、チリパザミン、ニトロソウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ブレオマイシン、ビンクリスチン、カルボプラチン、エピルビシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンデシン、エトポシド、パクリタキセル、熱(温熱療法)など)、放射線防御剤(例えば、システアミン、アミノアルキル二水素ホスホロチオエート、アミフォスチン(WR 2721)、IL-1、IL-6など)を受けてもよい。放射線増感剤は、腫瘍細胞の殺傷を増強する。放射線防御剤は、照射の有害な効果から健常組織を保護する。
照射の線量が、受け入れがたい負の副作用なしで患者に許容される限り、任意の種類の照射を患者に投与することができる。適切な種類の放射線治療には、例えば、電離(電磁)放射線治療(例えば、X線またはγ線)または粒子ビーム放射線治療(例えば、高直線エネルギー照射)が含まれる。電離照射は、電離、すなわち、電子の獲得または消失を生じるために十分なエネルギーを有する粒子または光子を含む照射として定義される(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,770,581号に記載されるように)。照射の効果は、臨床医によって少なくとも部分的に制御することができる。照射の線量は、好ましくは、最大の標的細胞曝露および毒性の減少のために分割される。
動物に投与される照射の全体の線量は、好ましくは、約.01グレイ(Gy)〜約100Gyである。より好ましくは、約10Gy〜約65Gy(例えば、約15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、35Gy、40Gy、45Gy、50Gy、55Gy、または60Gy)が治療単位にわたって投与される。ある態様において、照射の完全線量は1日の治療単位にわたって投与することができるが、全体の線量は、理想的には、分割され、かつ数日間にわたって投与される。望ましくは、放射線治療は、少なくとも約3日間の治療単位にわたって、例えば、少なくとも5、7、10、14、17、21、25、28、32、35、38、42、46、52、または56日間(約1〜8週間)にわたって投与される。従って、照射の1日の線量は、約1〜5Gy(約1Gy、1.5Gy、1.8Gy、2Gy、2.5Gy、2.8Gy、3Gy、3.2Gy、3.5Gy、3.8Gy、4Gy、4.2Gy、または4.5Gy)、好ましくは1〜2Gy(例えば、1.5〜2Gy)を含む。照射の1日の線量は、標的とされた細胞の破壊を誘導するために十分であるべきである。治療単位にわたって引き延ばされた場合、照射は、好ましくは、毎日は投与されず、それによって動物が休養することができ、治療の効果が実現する。例えば、照射は、望ましくは、処置の各週について連続して5日間投与され、2日間投与されず、それによって、1週間あたり2日間の休養を可能にする。しかし、照射は、動物の応答性および任意の潜在的な副作用に依存して、1日/週、2日/週、3日/週、4日/週、5日/週、6日/週、または全7日/週投与することができる。放射線治療は、治療期間の任意の時点で、開始することができる。好ましくは、照射は、1週目または2週目に開始され、治療期間の残りの期間に投与される。例えば、照射は、例えば、固形腫瘍を処置するための6週間を含む治療期間のうち1週目〜6週目、または2週目〜6週目に投与される。または、照射は、5週間を含む治療期間のうち1週目〜5週目、または2週目〜5週目に投与される。しかし、これらの例示的な放射線療法投与スケジュールは、本発明を限定することを意図しない。
抗微生物治療剤もまた、本発明における治療剤として使用されてもよい。微生物を殺傷し、その機能を阻害し、またはさもなくば弱めることができる任意の作用因子が、このような活性を有することが意図される任意の作用因子と同様に使用されてもよい。抗微生物剤には、単独でまたは組み合わせて使用される、天然および合成の抗生物質、阻害タンパク質(例えば、デフェンシン)、アンチセンス核酸、膜破壊剤などが含まれるがこれらに限定されない。確かに、任意の種類の抗生物質が使用されてもよく、これには、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤などが含まれるがこれらに限定されない。
本発明のある態様において、STA21、またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩、および1つまたは複数の治療剤または抗癌剤が、以下の1つまたは複数の条件下で動物に投与される:異なる周期で、異なる期間に、異なる濃度で、異なる投与経路によってなど。ある態様において、化合物は、治療剤または抗癌剤の前に、例えば、治療剤または抗癌剤の投与の、0.5、1、2、3、4、5、10、12、または18時間前、1、2、3、4、5、または6日前、または1、2、3、または4週間前に投与される。ある態様において、化合物は、治療剤または抗癌剤の後に、例えば、治療剤または抗癌剤の投与の、0.5、1、2、3、4、5、10、12、または18時間後、1、2、3、4、5、または6日後、または1、2、3、または4週間後に投与される。ある態様において、化合物および治療剤または抗癌剤は同時であるが異なるスケジュールで投与され、例えば、化合物は毎日投与されるのに対して、治療剤または抗癌剤は、1週間に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回投与される。他の態様において、化合物は1週間に1回投与されるのに対して、治療剤または抗癌剤は、毎日、1週間に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回投与される。
本発明の範囲にある組成物はすべての組成物を含み、ここで、本発明の化合物は、その意図される目的を達成するために有効な量で含まれる。個々の必要性は変化するが、各成分の有効量の最適範囲の決定は当業者の範囲内である。典型的には、化合物は、哺乳動物、例えば、ヒトに、1日あたり、アポトーシスの誘導に応答性の障害のために処置される哺乳動物の体重の0.0025〜50mg/kgの用量で、またはその薬学的に許容される塩の等価な量で経口投与されてもよい。好ましくは、約0.01〜約10mg/kgが、このような障害を処置、寛解、または予防するために経口投与される。筋肉内注射のために、用量は、一般的には経口用量の約半分である。例えば、適切な筋肉内用量は約0.0025〜約25mg/kg、最も好ましくは約0.01〜約5mg/kgである。
単位経口用量は約0.01〜約1000mg、好ましくは約0.1〜約100mgの化合物を含んでもよい。単位用量は、約0.1〜約10mg、好都合には約0.25〜50mgの化合物またはその溶媒和物を各々含む1つまたは複数の錠剤またはカプセルとして、1日に1回以上投与されてもよい。
局所的投与のために、化合物は、担体の約0.01〜100mgの濃度で存在してもよい。好ましい態様において、化合物は、約0.07〜1.0mg/ml、より好ましくは、約0.1〜0.5mg/ml、最も好ましくは、約0.4mg/mlの濃度で存在する。
未加工の化学物質としての化合物を投与することに加えて、本発明の化合物は、薬学的に使用することができる調製物への本発明の化合物の加工を容易にする、賦形剤および補助剤を含む、薬学的に許容される適切な担体を含む薬学的調製物の一部として投与されてもよい。好ましくは、この調製物、特に、経口的または局所的に投与することができる調製物、ならびに錠剤、糖衣錠、遅延放出ロゼンジおよびカプセル、マウスリンスおよびマウスウォッシュ、ゲル、液体懸濁液、ヘアリンス、ヘアゲル、シャンプーなどの好ましい種類の投与のために使用することができる調製物、ならびにまた、坐剤などの直腸へ投与することができる調製物、ならびに注射による、局所的、または経口的な投与のための適切な溶液は、約0.01〜99%、好ましくは約0.25〜75%の活性化合物を、賦形剤とともに含む。
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の有益な効果を経験する可能性がある任意の動物に投与されてもよい。このような動物で真っ先に挙げられるものは、哺乳動物、例えば、ヒトであるが、本発明は、そのように限定されることを意図しない。他の動物には、獣医学的な動物(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコなど)が含まれる。
本発明の化合物およびその薬学的組成物は、意図される目的を達成する任意の手段によって投与されてもよい。例えば、投与は、非経口的、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、口腔、くも膜下腔内、頭蓋内、鼻内、または局所的の経路によってであり得る。交互にまたは同時に、投与は、経口経路によってであり得る。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康状態、および体重、もしあれば、同時処置の種類、処置の頻度、および所望される効果の性質に依存する。
本発明の薬学的組成物は、それ自体公知である様式で、例えば、従来の混合、顆粒化、糖衣作製、溶解、または凍結乾燥のプロセスによって製造される。従って、経口使用のための薬学的組成物は、固体賦形剤と活性化合物を合わせること、任意に得られる混合物を粉砕すること、および、所望されるかまたは必要である場合、錠剤または糖衣錠のコアを得るために、適切な補助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。
適切な賦形剤は、特に、サッカリドなどの増量剤、例えば、ラクトースまたはスクロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、、ならびに、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンを使用する、デンプンペーストなどの結合剤である。所望される場合、上述のデンプン、およびまた、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤が加えられてもよい。補助剤は、中でも、流動調節剤、および滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングルコールである。糖衣錠コアは適切なコーティングを提供し、消耗される場合、胃液に対して抵抗性である。この目的のために、濃縮サッカリド溶液が使用されてもよく、これには任意に以下が含まれてもよい:アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングルコール糖および/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物。胃液に対して抵抗性であるコーティングを製造するために、フタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切なセルロース調製物の溶液が使用される。染料および色素が、例えば、同定のため、または活性化合物用量の組み合わせを特徴付けするために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられてもよい。
経口的に使用することができる他の薬学的組成物には、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよび、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤製のソフト密封カプセルが含まれる。押し込み式カプセルは、顆粒の型で活性化合物を含むことができ、この顆粒は、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および任意に、安定剤とともに混合されてもよい。ソフトカプセル中では、活性化合物は、好ましくは、脂肪油または流動パラフィンなどの適切な液体中に溶解または懸濁される。さらに、安定剤が加えられてもよい。
直腸へと使用することができる可能な薬学的組成物には、例えば、坐剤基剤と1つまたは複数の活性化合物の組み合わせからなる坐剤が含まれる。適切な坐剤基剤は、例えば、天然または合成のトリグリセリド、またはパラフィン炭化水素である。加えて、基剤と活性化合物の組み合わせからなるゼラチン直腸カプセルを使用することもまた可能である。可能な基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素が含まれる。
非経口投与のための適切な製剤には、水溶性型、例えば、水溶性塩およびアルカリ溶液である活性化合物の水溶液が含まれる。加えて、適切な油性注射懸濁液としての活性化合物の懸濁液が投与されてもよい。適切な親油性溶媒または媒体には、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドまたはポリエチレングルコール-400が含まれる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘性を増加させる物質を含んでもよく、これには、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランが含まれる。任意に、懸濁液はまた、安定剤を含んでもよい。
本発明の局所的組成物は、好ましくは、適切な担体の選択により、オイル、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤化されてもよい。適切な担体には、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色ソフトパラフィン)、分枝鎖脂肪またはオイル、動物脂肪および高分子量アルコール(C12より大きい)が含まれる。好ましい担体は、活性成分が可溶性であるものである。所望される場合、乳化剤、安定剤、保湿剤、および抗酸化剤もまた、色または香りを付与する物質と同様に含まれてもよい。加えて、経皮浸透増強剤もまた、これらの局所的製剤において利用することができる。このような増強剤の例は、米国特許第3,989,816号および同第4,444,762号において見い出すことができる。
クリームは、好ましくは、鉱油、自己乳化蜜ろうおよび水の混合液から製剤化され、この混合液中で、アーモンド油などの少量の油に溶解された活性成分が混合される。このようなクリームの典型的な例は、水を約40、蜜ろうを約20、鉱油を約40、およびアーモンド油を約1含むものである。
軟膏は、アーモンド油などの植物油中の活性成分の溶液を、温めたソフトパラフィンと混合すること、およびこの混液を冷却することによって製剤化されてもよい。このような軟膏の典型的な例は、重量で約30%のアーモンド油および約70%の白色ソフトパラフィンを含むものである。
ローションは、プロピレングリコールまたはポリエチレングルコールなどの適切な高分子量アルコール中に活性成分を溶解することによって便利に調製されてもよい。
以下の実施例は、本発明の方法および組成物の例示であって、限定ではない。臨床的治療において通常見い出され、かつ当業者に明白である種々の条件およびパラメーターの他の適切な改変および適合は、本発明の技術思想および範囲内にある。
実施例1
STAT3阻害剤についての構造に基づく仮想的スクリーニング
STAT3βホモ二量体の三次元構造は、Stat3βの二量体化が2つのSH2ドメインの間で起こることを示す(図1A)(Becker et al., Nature 394:145 (1998); Berman et al., Nucleic Acids Res. 28:235 (2000))。これらの2つのSH2ドメインは、各単量体からのループセグメント(Ala702〜Phe716)によって一緒にヒンジ連結されている。Stat3βの生物学的機能のために決定的であるホスホリルチロシン(Y-705)はこのループセグメント中に局在し、これは他の単量体のSH2ドメイン上のくぼみに4つの隣接するアミノ酸残基を一緒に結合する。
Stat3βの二量体化プロセスを妨害する可能性がある小分子を同定するために、2.25Åの解像度で分解されたStat3βの結晶構造(タンパク質データバンク中のエントリー1BG1)を本研究で利用した。DNAに結合したStat3βホモ二量体の三次元構造は、C. W. Muller博士から直接的に入手した。仮想的スクリーニングの試みにおける化学データベースには、the National Cancer Institute (NCI)データベース、the Merck Index、the Aldrich-Sigmaカタログ、およびthe Ryan Scientificカタログが含まれた。集合的に、これらの4つのデータベースは、ほぼ429,000個の有機化合物のコレクションを提供した。公的に利用可能であるNCIデータベースそれ自体は、その内容物の中に化合物についての三次元構造モデルを提供する。他の3つの化学カタログは、それらの化合物の二次元化学構造を提供するのみである。この問題に対処するために、CORINAプログラム(バージョン2.6、Molecular Networks GmbH Inc., Erlangen, Germany)を、これらの3つのデータベースにおける化合物についての三次元構造モデルを生成するために適用した。CORINAプログラムにおける標準的な設定をこのプロセスにおいて採用した。
分子ドッキングプログラムDOCK(バージョン4.0)(Ewing et al., J. Comput. Aided Mol. Des. 15:411 (2001))を使用して仮想的スクリーニングを実施した。Stat3β SH2ドメイン上の結合くぼみを、分子をドッキングするための標的領域として規定した。Sybylソフトウェア(バージョン6.9, Tripos Inc, St. Louise, MO)を使用して、標準AMBER(生体分子のシミュレーションのための一連の分子力学的力場(molecular mechanical force fields)をいう)原子部分的電荷(atomic partial charges)をStat3βタンパク質上に割り当て、およびGasteiger-Huckel原子部分的電荷をドッキングされる各リガンド分子に割り当てた。200〜700の間にある分子量を有するデータベース中の各分子を、標的とした結合部位にドッキングした。DOCKプログラムによって選択されるような、各データベースからの上位10%に点数付けされる化合物を抽出し、一緒に合わせて、全体でほぼ35,000個の化合物を与えた。DOCKプログラムによって示唆されたこれらの化合物の結合モデルに基づいて、X-Scoreプログラム(バージョン1.1)(Wang et al., J. Comput. Aided Mol. Des. 16:11 (2002))を、これらの化合物の結合親和性のより良好な見積もりを得るためにさらに適用した。次いで、あらかじめ選択した35,000個の化合物を、X-Scoreプログラムによって予測された結合親和性によって再順位付けした。このプールから、X-Scoreプログラムによって選択された最高に点数付けされた200個の化合物のうちで、100個の化合物をNCIから入手し、またはAldrich-Sigma Corp. (St. Louis, MO)およびRyan Scientific Inc. (Isle of Palms, SC)から購入した。
すべての得られた化合物を、インビトロ細胞ルシフェラーゼアッセイを使用してスクリーニングした(以下を参照されたい)。試験した100個の化合物のうちで、最も有望な化合物は、NCIから入手したSTA-21(NCI番号: 628869)であった。STA-21は、天然物抽出物であり、306 Daの分子量(C19H14O4)を有するアングサイクリン系抗生物質テトランゴマイシンアナログである(図1D)。STA-21のもともとの予測された結合モードはDOCKプログラムによって与えられた。次いで、これを、Sybylソフトウェア6.9バージョンにおいて導入されたAMBER力場を使用して、結合部位の制約内での構造的な最適化によって洗練した。洗練されたモデルを図1Bおよび1Cに示す。このモデルは、STA-21がPTR残基が結合するのと同じ部位で結合し、Arg595、Arg609、およびIle634を含むいくつかの近接する残基と特異的水素結合を形成する可能性がある(図1C)。この結合モデルに基づいて、X-Scoreプログラムは、STA-21が、Kd〜3μMのStat3β SH2ドメインに対する結合親和性を有することを予測した。
実施例2
STAT3転写活性に対するSTA-21の効果
100個の選択した阻害剤を、Stat3ルシフェラーゼレポーター系を使用して評価した。MDA-MB-435s乳癌細胞とCaov-3卵巣癌細胞の両方は、活性化Stat3を構成的に発現する(Song et al., Int. J. Oncol. 24:1017 (2004); Song et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 314:143 (2004))。クローン化細胞を、Stat3-依存性ルシフェラーゼレポーター、pLucTKS3の安定なトランスフェクションによって、これらの2つの細胞株から樹立した(Turkson et al., Mol. Cell. Biol. 18:2545 (1998))。プラスミドpLucTKS3はTK最小プロモーターの中に7コピーのStat3結合部位を含み、その活性化は細胞環境中のStat3の状態に特異的に依存する。pLucTKS3およびpLucSV40ルシフェラーゼ(Stat3結合部位を欠く対照プラスミド)レポータープラスミドは、リポフェクタミン2000試薬を使用して、Caov-3およびMDA-MB-435s細胞株にトランスフェクトした。高いルシフェラーゼ活性を示した安定なクローンは、Stat3阻害剤をスクリーニングするために選択した。選択したクローンは20μMの最終濃度で48時間阻害剤に曝露し、ルシフェラーゼ活性をPromegaルシフェラーゼキット(Madison, WI)を使用して測定した。
試験した100個の小分子のなかで、STA-21は、Caov-3クローン化細胞中でStat3誘導ルシフェラーゼ活性に対して顕著な阻害効果を示した(図2A)。STA-21によるStat3活性化の阻害は、pLucTKS3で安定にトランスフェクトされたMDA-MB-435sクローン化細胞を使用してさらに確認した(図2B)。MDA-MB-435sクローン化細胞については、20μM STA-21への48時間の曝露後、ルシフェラーゼ活性は5倍より多く減少した(図2B)。このことは、STA-21がTKプロモーター領域へのStat3結合を妨害し、クローン化細胞におけるルシフェラーゼ活性を阻害する可能性があることを示す。STA-21は、Stat3 DNA結合部位を含まないSV40ルシフェラーゼレポーターでトランスフェクトされたクローン中のルシフェラーゼ活性に影響を与えなかった。このことは、STA-21が、Stat3 DNA結合部位の非存在下で、それ自体によってルシフェラーゼ活性を減少することができなかったことを示す(図2B)。対照として、Stat3依存性ルシフェラーゼ活性を阻害しなかったいくつかの化合物を図2Aに示す。
実施例3
STAT3の上流および下流の因子に対するSTA-21の効果
次に、STA-21がStat3 DNA結合活性を減少することができるか否かを、報告されたような電気泳動移動度シフトアッセイを使用して試験した(Turkson et al., J. Biol. Chem. 276:45443 (2001))。構成的Stat3シグナル伝達を有するMDA-MB-435s乳癌細胞において、高いStat3 DNA結合活性を観察した(図3A)。対照的に、構成的Stat3シグナル伝達を有さないMCF10AおよびTERT乳房細胞は、Stat3 DNA結合活性を示さなかった。STA-21(30μM)はStat3 DNA結合活性を阻害した(図3A)。構成的Stat3シグナル伝達を有するMDA-MB-468乳癌細胞において、STA-21(20または30μM)はまた、ウェスタンブロッティング分析によって示されるように、下流の抗アポトーシスエフェクターBCl-XLを阻害した(図3B)。興味深いことに、Stat3上流調節因子JAK2(P-JAK2)、Src(P-Src)、およびEGFR(P-EGFR)のリン酸化は、STA-21によって影響されなかった(図3B)。MDA-MB-435s細胞におけるStat3 DNA結合活性のSTA-21阻害、しかしStat1およびStat5 DNA結合活性では阻害がない結果(図3A)と合わせて、STA-21によるStat3の阻害は、Stat3タンパク質の直接的機能不全を通してであり、Stat3上流調節因子の阻害を通してではない可能性がある。一方では、STA-21は、AKT(P-AKT)またはERK(P-ERK)のいずれのリン酸化に対しても影響を与えなかった(図3B)。
実施例4
乳癌細胞の増殖および生存に対するSTA-21の効果
STA-21はStat3-依存性ルシフェラーゼおよびDNA結合活性を阻害したので、次に、STA-21が、構成的Stat3シグナル伝達を有する乳癌細胞の増殖および生存を阻害するか否かを調べた。細胞を20μMまたは30μMのSTA-21に48時間曝露した後、STA-21は、アポトーシス細胞を示す細胞周期のG1期下にある細胞の蓄積によって示されるような、Stat3を構成的に活性化した乳癌細胞株MDA-MB-231、MDA-MB-435s、およびMDA-MB-468の生存に対する顕著な阻害活性を示した(図4B)。しかし、STA-21は、構成的Stat3シグナル伝達を有さないMCF7およびMDA-MB-453乳癌細胞ならびにヒト皮膚線維芽細胞(HSF)に対して最小限の阻害効果を有した(図4B)。これらの細胞株のStat3状態は、リン酸化Stat3の測定によって確認した(図4A)。MTTを使用する細胞生存度アッセイからのデータと合わせて、STA-21は、構成的に活性なStat3を含む乳癌細胞の増殖および生存を阻害する強力な潜在能力を実証した。
実施例5
STAT3移行および二量体化に対するSTA-21の効果
Stat3-Flag and Stat3-HAタグ化タンパク質の発現のためのプラスミドpCMV-Stat3-FlagおよびpCMV-Stat3-HAを、MDA-MB-435s乳癌細胞に同時トランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、STA-21(20μM)に24時間曝露し、次いで、100%メタノールで30分間、-20℃にて固定した。リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を使用する3回の洗浄後、抗HA(ウサギ、Santa Cruz Biotechnology)および/または抗Flag(マウス、Sigma)抗体を細胞に加え、細胞を37℃で1時間インキュベートした。細胞をPBS緩衝液で3回洗浄し、抗ウサギIgGフルオレセインイソチオシアネート(FITC)および/または抗マウスIgGローダミン(RHOD)についての二次抗体を加え、細胞を1時間インキュベートした。PBSを用いる3回の洗浄後、細胞を蛍光顕微鏡を使用して観察した。結果は、Stat3-FlagおよびStat3-HAタンパク質の核移行がSTA-21によってブロックされたことを示した(図5A〜5G)。FITC (緑色)およびローダミン(赤色)の別々の染色から、図5Eおよび5Fにおいて示されるように、STA-21は、Stat3-FlagまたはStat3-HAの核移行を阻害した。STA-21処理なしの細胞においては、FITCおよびローダミンを合わせた染色を使用して、核における強力なオレンジ色の染色を観察した。このことは、Stat3-FlagおよびStat3-HAタグ化タンパク質は核に同時局在化し、2つの色は合わさってオレンジ色になったことを示す(図5D)。しかし、細胞を20μMのSTA-21で処理したとき、はるかにより低いオレンジ色の染色が細胞の全体を通して現れ(図5G)、STA-21がStat3-FlagおよびStat3-HAタンパク質の核移行をブロックしたことを示唆する。対照として、溶媒としてDMSOを使用することは細胞に対して効果を示さなかった。
乳癌MDA-MB-435s細胞におけるStat3インビボ二量体化に対するSTA-21の効果もまた研究した。20μM STA-21への24時間の曝露後、細胞を収集し、Stat3-FlagおよびStat3-HAタグ化タンパク質を発現する細胞からの溶解物を、抗Flagまたは抗HA抗体でそれぞれ免疫沈殿させた。免疫沈殿した反応混液を、10% SDS-PAGEで分離し、抗HA、抗Flag、または抗Stat3抗体でそれぞれイムノブロットした。結果は、STA-21が、MDA-MB-435癌細胞におけるStat3-Flagタンパク質とStat3-HAタンパク質の間のStat3二量体化を無効にしたことを示した(図5H)。
ここで本発明を十分に説明してきたが、本発明は、広範かつ等価な範囲の条件、処方、および他のパラメーターの中で、本発明またはその任意の態様の範囲に影響を与えることなく実施可能であることが当業者によって理解される。本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が参照により完全に本明細書に組み入れられる。
この特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1枚の図面を含む。カラーの図面を伴うこの特許または特許出願公開のコピーは、請求および必要な手数料の支払いに際し、特許商標庁によって提供される。
図1A〜1Dは、構造に基づく仮想的データベーススクリーニングモデリングの概略図を示す。(A)STAT3βタンパク質のSH2ドメイン二量体化界面。構造はPDBエントリー1BG1に基づく。2つのSH2ドメインは異なる色を付けている。丸を付けた領域は、仮想的スクリーニング研究において使用した標的PTR結合バイト(bite)を示す。(B)STAT3β SH2ドメインへのSTA-21の予測結合モデル。STA-21はボール-アンド-スティックモデルによってレンダリングする。STAT3β SH2ドメインの分子表面は静電ポテンシャルで着色している:最も正に荷電した領域については赤色、最も負に荷電した領域については青色。(C)STAT3β SH2ドメインとSTA-21の間に形成した特異的水素結合。結合モデルはDOCKプログラムによって予測した。STA-21と水素結合を形成する残基のみを明確な原子モデルにおいて示す。(D)STA-21構造。すべての写真はSybylプログラムを使用することによって生成した。 図2A〜2Bは、STA-21による、癌細胞中のStat3依存性ルシフェラーゼ活性の阻害を示す。(A)pLucTKS3 Stat3依存性ルシフェラーゼレポーターで安定にトランスフェクトしたCaov-3癌腫細胞からのクローンを、最初のSat3小分子阻害剤スクリーニングのために使用した。クローン化した細胞を、20μMのSTA-21ならびに他の小分子化合物で48時間処理し、次いで、細胞をルシフェラーゼ活性分析のために収集した。(B)pLucTKS3 Stat3依存性ルシフェラーゼレポーターまたはSV40ルシフェラーゼレポーターで安定にトランスフェクトしたMDA-MB-435s細胞からのクローンを、20μMのSTA-21で48時間処理した。ルシフェラーゼ活性は、Promegaルシフェラーゼキットを製造業者の説明書に従って使用して測定した。結果は、3回の別々の実験からの平均および標準偏差に基づいた。 図3A〜3Bは、STA-21による、Stat3 DNA結合活性およびStat3-調節抗アポトーシス因子の阻害を示す。(A)MDA-MB-435s細胞核抽出物は、30μM STA-21とともに室温で30分間インキュベートし、次いで、r-32P-ATP標識コンセンサス結合配列とともに室温で20分間インキュベートした。反応混液を8%ポリアクリルアミドゲル上で分離した。(B)示した濃度のSTA-21で48時間処理したMDA-MB-468細胞からの溶解物を10% SDS-PAGE上で分離し、次いで、示されるように抗体でイムノブロットした。 図4A〜4Bは、STA-21が、構成的Stat3シグナル伝達を有する乳癌細胞の生存を阻害するが、構成的Stat3シグナル伝達を有さない細胞は阻害しないことを示す。(A)異なる細胞型のY-705におけるStat3のリン酸化。(B)細胞株を示されるような濃度のSTA-21で48時間処理し、次いで、細胞を収集し、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson, San Jose, CA)上で、アポトーシス細胞を示したG1下プロフィールについて分析した。結果は、3回の別々の実験からの平均および標準誤差に基づいた。 図5A〜5Hは、STA-21が乳癌細胞におけるStat3移行および二量体化を阻害することを示す。(A)トランスフェクトされておらず、かつ未処理のMDA-MB-435s細胞。(BおよびE)pCMV-Stat3-FlagおよびpCMV-Stat3-HAプラスミドで同時トランスフェクトされた細胞を、抗flag IgG-ローダミンで免疫染色した。(B)未処理細胞および(E)STA-21処理細胞。(CおよびF)トランスフェクトされた細胞を抗HA IgG-FITCで免疫染色した。(C)未処理細胞および(F)STA-21処理細胞。(DおよびG)トランスフェクトされた細胞は、抗HA IgG-FITCと抗flag IgG-ローダミンの両方で同時免疫染色した。(D)未処理細胞は明るいオレンジ色を示した。(G)STA-21処理細胞は、弱いオレンジ色ならびに別々の緑色および赤色を示した。(H) MDA-MB-435s細胞は、pCMV-Stat3-FlagおよびpCMV-Stat3-HAプラスミドで同時トランスフェクトし、20μM STA-21に24時間曝露し、次いで、細胞溶解物を抗HAまたは抗Flag抗体で免疫沈殿させた。免疫沈殿物を10% SDS-PAGE上で分離し、次いで、抗HA、抗Flagまたは抗Stat3抗体を用いてイムノブロットした。

Claims (28)

  1. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させる工程を含む、細胞中のStat3活性を阻害する方法 。
  2. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させる工程を含む、Stat3活性の上昇を有する細胞の増殖を阻害する方法。
  3. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩の治療上有効量を動物に投与する工程を含む、動物におけるStat3活性の上昇と関連する障害を処置、寛解、または予防する方法。
  4. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させる工程を含む、細胞におけるアポトーシスおよび/または細胞周期停止を誘導する方法。
  5. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させる工程を含む、細胞をアポトーシスの誘導因子に対して感受性にする方法。
  6. アポトーシスの誘導因子と細胞を接触させる工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. アポトーシスの誘導因子が化学療法剤である、請求項6記載の方法。
  8. アポトーシスの誘導因子が放射線である、請求項6記載の方法。
  9. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩の治療上有効量を動物に投与する工程を含む、動物におけるアポトーシスの誘導に応答性である障害を処置、寛解、または予防する方法。
  10. アポトーシスの誘導因子を投与する工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. アポトーシスの誘導因子が化学療法剤である、請求項10記載の方法。
  12. アポトーシスの誘導因子が放射線である、請求項10記載の方法。
  13. アポトーシスの誘導に応答性である障害が過剰増殖性疾患である、請求項9記載の方法。
  14. 過剰増殖性疾患が癌である、請求項13記載の方法。
  15. 癌が乳癌または卵巣癌である、請求項14記載の方法。
  16. 過剰増殖性疾患が乾癬である、請求項13記載の方法。
  17. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩がアポトーシスの誘導因子の前に投与される、請求項10記載の方法。
  18. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩がアポトーシスの誘導因子の後に投与される、請求項10記載の方法。
  19. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩がアポトーシスの誘導因子と同時に投与される、請求項10記載の方法。
  20. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩が化合物1(STA-21)、2、および3
    Figure 2008535785
    からなる群より選択される、請求項1〜5および9のいずれか一項記載の方法。
  21. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  22. STA-21またはその誘導体、アナログ、プロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩、および化合物を動物に投与するための説明書を含む、キット。
  23. アポトーシスの誘導因子をさらに含む、請求項22記載のキット。
  24. アポトーシスの誘導因子が化学療法剤である、請求項23記載のキット。
  25. 説明書が、過剰増殖性疾患を有する動物に化合物を投与するためのものである、請求項22記載のキット。
  26. 過剰増殖性疾患が癌である、請求項25記載のキット。
  27. 癌が乳癌または卵巣癌である、請求項26記載のキット。
  28. 過剰増殖性疾患が乾癬である、請求項25記載のキット。
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