JP2008534550A - 液相及び気相ホスゲン化によるmdiの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、以下の工程を含むイソシアネートの製造方法に関する。
(1)アニリンとホルムアルデヒドとの反応により粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDAとPMDAへ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを液相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成する工程。
【選択図】図1
(1)アニリンとホルムアルデヒドとの反応により粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDAとPMDAへ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを液相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成する工程。
【選択図】図1
Description
本発明は、以下の工程を含むイソシアネートの製造方法に関する。
(1)アニリンとホルムアルデヒドとの反応により粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDAとPMDAへ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを液相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成する工程。
(1)アニリンとホルムアルデヒドとの反応により粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDAとPMDAへ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを液相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成する工程。
芳香族イソシアネートは、ポリウレタン化学にとって重要及び有用な原料である。MDIは特に最も重要な工業上のイソシアネートの一つである。当該技術分野で、及び本発明の目的に対して、一般語である“MDI”はメチレンジ(フェニルイソシアネート)及びポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの総称語として使用されている。メチレンジ(フェニルイソシアネート)の語は、2,2'-メチレンジ(フェニルイソシアネート)(2,2'-MDI)、2,4'-メチレンジ(フェニルイソシアネート)(2,4'-MDI)及び4,4'-メチレンジ(フェニルイソシアネート)(4,4'-MDI)の異性体を含む。これらの異性体は、当該技術分野の専門家及び本発明の目的にとっては、集合的に“単量体のMDI”又は“MMDI”を意味する。ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートという語は、当該技術分野で、及び本発明の目的に対して“重合体のMDI”又は“PMDI”を意味する。これらは、単量体のMDIのより高次の同族体及び更に任意に単量体のMDIを含んでいる。
一般的な工業上の適切な製造方法では、MDIはメチレンジ(フェニルアミン)(MDA)のホスゲン化により製造される。合成が2段階法で生じる。最初に、アニリンが単量体のメチレンジ(フェニルアミン)とポリメチレンポリフェニレンポリアミンの混合物を形成するためにホルムアルデヒドで凝縮される。単量体のメチレンジ(フェニルアミン)は当該技術分野の専門家及び本発明の目的では“MMDA”として参照され、ポリメチレンポリフェニレンポリアミンは当該技術分野の専門家及び本発明の目的では粗製MDAとして知られている“PMDA”として参照される。一般的に公知の技術で生産される粗製MDAは約70%のMMDAを含み、ホルムアルデヒドに対するアミンの比率が約2.0〜2.5で生産されるのが望ましい。
この粗製MDAは引き続いて、第二の工程において当然知られている方法で、対応するオリゴマーで異性体のメチレンジ(フェニルイソシアネート)と、粗製MDIとして知られているポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物を与えるためにホスゲンと反応に供される。ここで、異性体でオリゴマーの成分は一般的に変化しないままでいる。そして、2環式化合物の留分は更なる工程(例えば、蒸留又は結晶化)で残留物として重合体のMDI(PMDI)を残しながら通常は分離される。
粗製MDA混合物のホスゲン化は、当該技術分野で通常の知識を有するものに知られており、例えば非特許文献1に記載されている。しかしながら、これまで公知の技術で粗製MDIを製造する方法には、多くの不利な点があった。第一に時空生産高が望ましくないほどに低い。それは例えば、製造中に固体状態で沈殿し、ゆっくり反応する中間生成物のためである。そして、第二には、製造設備にホールドアップされるホスゲンは望ましくないほどに高く、製造方法で要求されるエネルギもまた望ましくないほどに高いからである。
H. Ulrich, "Chemistry and Technology of Isocyanates", John Wiley Verlag, 1996.
本発明の目的は、先行技術で知られている製造方法よりも時空生産高が良いイソシアネートの製造方法を提供することにある。更に、製造設備により低いホスゲンのホールドアップを可能にする製造方法が提供されねばならない。加えて、ホスゲン化においてより小さな反応炉容積を可能にする製造方法も提供されねばならない。最後に、エネルギの点から有利な製造方法が提供されねばならない。
特に、上記の利点を有するMMDI及びPMDIの製造方法を提供することが本発明の目的である。本製造方法でのMMDIとPMDIの製造混合物が先行技術の製造方法に比較して本質的に不変のまま残ることが好ましい。この目的のため、製造混合物という語は、生産されたPMDI及びMMDIの合成物及び総量を意味する。
本願発明の目的は、思いがけなく、メチレンジアニリン(MDA)製造方法で得られる芳香族ポリアミン混合物を2環式MDA異性体(MMDA)と多環式MDA異性体(PMDA)に分離し、続いてこれらのホスゲン化を、気相で起こるMMDAのホスゲン化と液相で起きるPMDASのホスゲン化とに分離して行うことにより成し遂げられる。
従って、本発明は以下の工程を含むイソシアネートの製造方法を提供する。
(1)アニリンとホルムアルデヒドの反応による粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDA(留分I)とPMDA(留分II)へ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを気相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成するための工程。
(1)アニリンとホルムアルデヒドの反応による粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)粗製MDA混合物をMMDA(留分I)とPMDA(留分II)へ分離する工程、
(3a)工程2で分離したPMDAを気相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成するための工程。
単量体のメチレンジ(フェニルアミン)(本発明の目的に対して“MMDA”と言及される)と、ポリメチレンポリフェニレンポリアミン(本発明の目的に対して“PMDA”と言及される)とを、工程1で“粗製MDA”と言及されているメチレンジ(フェニルアミン)とポリメチレンポリフェニレンポリアミンの混合物を伴って形成するためのアニリンとホルムアルデヒドの反応を実施するために、出発材料は通常、適切な混合装置を用いて混合される。適切な混合装置は、例えば、ミキシングポンプ、ノズル、又はスタティックミキサーである。そして、出発材料は、適切な反応装置で反応する。それらは例えば、チューブ反応炉、スタード(stirred)反応炉、反応カラム及びそれらの組合せである。反応温度は一般的に20〜200℃、好ましくは30〜140℃である。
工程(1)の反応は、触媒として酸の存在の下で行われる。触媒はアニリンに混合物として添加されるのが好ましい。好ましい触媒は、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸である。酸の混合物を使用することも同じように可能である。塩酸が特に好ましい。もし塩化水素を触媒として使うなら、これは気体状態で使うことが可能である。触媒の量は、酸/アニリン(A/A)のモル比率が0.05〜0.5、特に好ましくは0.08〜0.3が得られるように選択されるのが好ましい。
好ましい一実施の形態では、工程(1)の反応は触媒としてHCLを用いて水性媒体の中で実施される。反応は溶剤の存在下で行うことも可能である。特に適切な溶剤はエーテルと水とそれらの混合物である。例としてはジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、及びジエチルイソフタレート(DEIP)である。
ホルムアルデヒドは本発明の製造方法に単量体のホルムアルデヒドの形で及び/又はポリ(オキシメチレン)グリコールとして知られているより高次の同族体の形で供給し得る。
生産されたポリアミン混合物(粗製MDA)の成分は、酸の濃度と温度だけでなく、連続MDAプロセス及び不連続MDAプロセス中の導入されたホルムアルデヒドの分子に対する導入されたアニリンの分子のモル比率(A/F比率)に決定的に影響される。A/F比率を大きくすればする程、結果として粗製MDAのMMDAの成分が多くなる。この文脈で、大きなA/F比率は2環式分子(MMDA)の大きな比率を導くだけでなく、小さな分子の方向にシフトしたポリアミンの完全なオリゴマースペクトルに結果として終わることに注意すべきである。例えば、A/F比率を2.4から5.9に増加すると、4環式MDA成分は約80%に低下する。
アニリン:ホルムアルデヒドのモル比率は、本発明の目的に対して、一般的に1.8−10:1、好ましくは2−6:1、より好ましくは2.1−5.5:1、特別には2.2−5:1である。
アニリンとホルムアルデヒドの反応は、連続的に又は不連続的に、バッチ的又はセミバッチ的な方法で実施することが可能である。
得られた粗製MDAは、本発明の製造方法の工程(2)で分離される。
工程(2)での粗製MDAの分離は、先行技術で知られている慣習的な方法を用いて実施することが可能である。分離は蒸留により行われるのが好ましい。好ましい一実施の形態では、2つの精留カラムにより実施される。ここで、アニリンは第一カラムのオーバヘッドプロダクトとして得られ、MMDAは第二カラムのオーバヘッドプロダクトとして得られ、PMDAは第二カラムのボトムプロダクトとして得られる。
他の好ましい実施の形態では、アミン混合物の分離は分離ウオールカラム(dividing wall column)で行われる。ここで、混合物は次の3つの留分に分離されるのが好ましい。アニリン(オーバヘッドプロダクト)、MMDA(側部排出口から採られるプロダクト)、PMDA(ボトムプロダクト)である。
本発明の製造方法の工程(1)は、アミンのワークアップ(workup)が一つの装置、例えば一つの精留カラムで、2つの留分、アニリン(オーバヘッドプロダクト)とMMDA(ボトムプロダクト)を与えるために実施され得るような少量のPMDAを含む粗製MDAを与えることが特に好ましい。
工程2で分離されたMMD混合物(留分I)の純度(PMDAの成分に関して)は、MMDA混合物(留分I)が気相に変換可能なように選択されるべきである。
本目的に関して、“気相に変換され得る”とは、結果として得られる粗製MDAが、ホスゲン化の最適な反応条件、特に圧力、温度、適切ならば以下で述べる工程(3b)の条件でホスゲン又は不活性媒体に対するアミン混合物の比率の作用により、液体状態から気体状態に変換可能であることを意味する。
気相に完全に変換され得る工程(2)で分離されたMMDAに選択が与えられている。本目的に関して、“完全”とは2質量%を超えて、好ましくは1質量%を超えて、特には0.1質量%を超えて気相に変換し得ない残留物が残らないことを意味する。
好ましい一実施の形態では、工程(2)の粗製MDA混合物の分離は、分離したMMDA(留分I)がMMDA及びPMDAの総質量に対して、PMDA成分を0〜12質量%以下、より好ましくは0.1〜6質量%以下、特に好ましくは0.5〜3.5質量%以下含むように行われる。
工程(2)で分離したPMDA混合物(留分II)の純度(MMDA成分に関して)は重要ではない。何故なら、PMDA混合物は気相にする必要がないからである。工程(2)で分離したPMDA混合物(留分II)の純度(MMDA成分に関して)は、経済的な要因により選択され得る。
好ましい一実施の形態では、工程(2)の粗製MDAの分離は、分離したPMDA(留分II)がMMDA成分を、PMDA及びMMDAの総質量に対して0〜50%(質量%)以下、より好ましくは0.5〜30質量%以下、特に好ましくは1〜20質量%以下、特別に2〜10質量%以下有するように実施される。
工程(2)の粗製MDA混合物の分離は、2つの留分を生じる。本質的にPMDA(留分II)を含む留分と本質的にMMDA(留分I)を含む留分である。そして、留分(II)は工程(3a)において液相でホスゲン化される(即ち、イソシアネート基を形成するためにアミン基とホスゲンとの反応が起きる)。そして、留分(I)は工程(3b)において気相でホスゲン化される。
互いに分離して実施されるホスゲン化は、一つの設備で又は様々な設備で実施され得る。それらが様々な設備で実施されるなら、それらは異なった場所に配置され得る。
以下は液相ホスゲン化(3a)に適用される。
イソシアネートの製造は、通常、留分(a)からの対応する第一アミンとホスゲンとの、好ましくは過剰のホスゲンとの反応により実施される。この過程は液相で起きる。本発明の目的に関して、“液相での反応”とは、出発材料の流れの少なくとも一つが反応中、液体状態に存在することを意味する。
付加的な不活性溶剤が本発明の製造方法で使用できる。付加的な溶剤は、通常有機溶剤又はそれらの混合物である。クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジエチルイソフタレート(DEIP)、テロラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼン、及びこれらの混合物に選択が与えられている。特に好ましい溶剤はクロロベンゼンである。
アミン/溶剤の混合物に対してアミンの成分は通常、1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%である。
工程(3a)の反応は、先行技術で知られている慣例の反応炉で実施することができる。チューブ反応炉での実施が好ましい。
チューブ反応炉は、外壁を経由して、又は例えばヒーティングコイル、又はチューブ反応炉内に含まれるヒーティングチューブ等のヒーティング要素で加熱されるのが好ましい。滞在時間の分布を狭めるため、チューブ反応炉は穴の開いた金属板で分割され得る。更に好ましい実施の形態では、チューブ反応炉の長さ(L)と直径(D)の比率はL/D>6、好ましくはL/D>10である。高い設備能力を持つ製造設備を建設するために、複数の反応炉チューブを並列に接続しても良い。
本発明の製造方法の工程(3a)において、反応物質の混合は、混合装置を通過する反応流が高い剪断応力を受けるような混合装置で実施されることが望ましい。ロータリー混合装置、ミキシングポンプ、又は混合装置として反応炉の上流に設置されるミキシングノズルの使用に対して選択が与えられている。この混合装置での混合時間は、通常、0.0001〜5秒、好ましくは0.0005〜4秒、特に好ましくは0.001〜3秒である。本発明の目的に関して、混合時間とは、混合プロセスの始めから結果としての混合物の流体要素の97.5%がミクスチャフラクション(mixture fraction)を持つまでの経過時間である。これは結果としての混合物が完全な混合状態に到達したときのミクスチャフラクションの理論的な最終値に基礎を置き、この最終値から2.5%逸れた値である(ミクスチャフラクションの概念については、例えば、J. Warnatz, U. Mass, R. W. Dibble: Verbrennung, Springer Verlag, Berlin Heidelberg New York, 1977, 2nd edition, p. 134を参照のこと)。
好ましい一実施の形態では、アミンとホスゲンとの反応は0.9〜400バール、好ましくは3〜35バールの絶対圧力で実施される。供給材料でのアミノ基に対するホスゲンのモル比率は、一般に1.1:1〜12:1、好ましくは1.25:1〜8:1である。反応炉での総合滞留時間は一般に10秒〜15時間、好ましくは3分〜12時間である。反応温度は、一般に25〜260℃(セ氏温度)、好ましくは35〜240℃である。
本発明の製造方法の工程(3a)は、単一の段階で行われるのが好ましい。本発明の目的のため、これは出発材料の混合と反応が60〜200℃の温度範囲内で、一工程で行われることを意味する。これとは対照的に、先行技術から周知の多くのプロセスは、二つの段階で実施される。即ち、出発材料の混合が約30℃で起こり(結果としてカルバモイルクロライドが形成される:この工程はコールドホスゲン化としばしば言及される)、引き続いて出発材料の混合物は、約120〜200℃で加熱される(結果としてイソシアネートを形成するためにカルバモイルクロライドが解離される:この段階はホットホスゲン化として言及される)。
本発明の製造方法の工程(3a)は、連続的に、準連続的に、又はバッチ的に行うことができる。連続的に行うことが好ましい。
反応後、混合物は精留によりイソシアネート、溶剤、ホスゲン及び塩化水素に分離されるのが好ましい。イソシアネートに残留する少量の副生成物は、所望のイソシアネートから付加的な精留又は他の結晶化により分離され得る。
反応条件の選択に依存して、生産物は不活性溶剤、カルバモイルクロライド、及び/又はホスゲンを含み得る。そして、周知の方法(例えば、WO99/40059参照)により更に加工され得る。
以下は気相ホルゲン化(3b)に適用される。
イソシアネートの製造は、通常、留分(b)からの対応する第一アミンとホスゲンとの、好ましくは過剰のホスゲンとの反応により実施される。この過程は気相で起きる。本発明の目的に関して、“気相での反応”とは、出発材料の流れが気相状態で互いに反応することを意味する。
ホスゲンとアミン留分(b)との反応は、一般に反応炉内の反応空間で起こる。即ち、反応空間は出発材料の反応が起きる空間であり、一方反応炉は反応空間を含む技術的な装置である。ここで、反応空間は先行技術で周知のどんな慣習的な反応空間でも構わない。そして、それは非触媒、単相のガス反応に、好ましくは連続的な非触媒、単相のガス反応に最適であり、要求される中程度の圧力に耐えるものである。反応混合物に接触する最適な金属は、例えばスチール、タンタル、銀又は銅等の金属、ガラス、セラミック、エナメル、又はそれらの同種若しくは異種混合物である。スチール反応炉を使用することに対して選択が与えられている。反応炉の壁は、滑らかであり得るか輪郭が描かれ得る。最適な輪郭は、例えば、溝が付けられているか波状である。
先行技術で周知の反応炉型を用いることは一般に可能である。チューブ反応炉を使用することに対して選択が与えられている。
本発明の製造方法において、反応物質の混合は、混合装置を通過する反応流が高い剪断応力を受けるような混合装置で実施される。スタティック(static)混合装置、又は混合装置として反応炉の上流に設置されるミキシングノズルの使用に対して選択が与えられている。特にミキシングノズルを使用することが好ましい。
反応空間でホスゲンとアミンとの反応は、通常、絶対圧力1以上〜50バール以下、好ましくは2以上〜20バール以下、より好ましくは3〜15バール、特に好ましくは3.5〜12バール、特別に4〜10バールで起こる。
一般に、混合装置への供給ラインの圧力は、上記した反応炉内の圧力より高い。混合装置の選択に依存して、この圧力は低下する。供給ラインの圧力は、好ましくは20〜1000ミリバール、特に好ましくは30〜200ミリバールであり、反応空間より高い。
ワークアップ装置での圧力は、一般に、反応空間より低い。圧力は好ましくは50〜500ミリバール、特に好ましくは80〜150ミリバールであり、反応空間より低い。
本発明の製造方法の工程(3b)は、適切ならば、付加的な不活性媒体の存在下で実施し得る。不活性媒体は、反応空間内で反応温度では気体状態で存在し、この温度では出発材料と反応しない媒体である。不活性媒体は反応の前に一般的にアミン及び/又はホスゲンと混合される。例えば、窒素、ヘリウム又はアルゴ等の貴ガス、若しくはクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、又はキシレン等の芳香族炭化水素を用いることが可能である。不活性媒体として窒素を使用することに選択が与えられている。モノクロロベンゼン又はモノクロロベンゼンと窒素との混合物に特別の選択が与えられている。
不活性媒体は、一般的に、アミンに対する不活性媒体のモル比率が2以上〜30、好ましくは2.5〜15となる量が用いられる。不活性媒体はアミンと共に反応空間に導入されるのが望ましい。
本発明の製造方法において、反応空間の温度は、反応空間内での圧力条件に基礎を置いて、使用した最も高い沸点を持つアミンの沸点よりも下であるように選択される。使用したアミン(混合物)と設定した圧力に依存して、反応空間の有利な温度は通常、200℃以上〜600℃以下、好ましくは280℃〜400℃である。
工程(3b)を実施するために、混合の前に反応物の流れを予備加熱、通常100〜600℃、好ましくは200〜400℃まで予備加熱することが有利であり得る。
本発明の製造方法の工程(3b)で反応混合の平均接触時間は、一般に0.1〜5秒以下、好ましくは0.5以上〜3秒以下、特に好ましくは0.6以上〜1.5秒以下である。本発明の目的に関して、平均接触時間とは、出発材料の混合の始めからそれらが反応空間を去るまでの期間である。
好ましい一実施の形態では、反応空間の大きさと流速は、乱流、即ちレイノルズ数が2300、好ましくは少なくとも2700で流れが起きるように選択される。レイノルズ数は、反応空間の水圧直径を用いて計算される。気体の反応物質は反応空間を流速3〜180メートル/秒、好ましくは10〜100メートル/秒で通過することが望ましい。
本発明の製造方法において、供給材料中のアミノ基に対するホスゲンのモル比率は、通常1:1〜15:1、好ましくは1.2:1〜10:1、特に好ましくは1.5:1〜6:1である。
好ましい一実施の形態では、反応条件は、反応空間の出口での反応ガスが25モル/m3を超過する、好ましくは30〜50モル/m3のホスゲン濃度を有するように選択される。更に、反応空間の出口での不活性媒体の濃度は、一般に、25モル/m3を超過する、好ましくは30〜100モル/m3である。
特に好ましい実施の形態では、反応条件は、反応空間の出口での反応ガスが25モル/m3を超過する、特別には30〜50モル/m3のホスゲン濃度を有するように選択される。同時に不活性媒体の濃度が25モル/m3を超過する、特別には30〜100モル/m3である。
反応容積は、通常、その外部表面を経由して加熱される。高い設備容量を持つ製造設備を建設するために、複数の反応チューブが並列に接続され得る。
本発明の製造方法は、単一段階で実施されるのが好ましい。本発明の目的に関して、これは出発材料の混合と反応が一つの工程で、そして一つの温度範囲で、好ましくは上述した温度範囲で行われることを意味する。更に、本発明の製造方法は、連続的に実施されるのが好ましい。
反応後は、気体の反応混合物は、一般に溶剤によって、好ましくは150℃以上の温度で除かれる。好ましい溶剤は、任意に、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトルエン等のハロゲン原子に置換されたハイドロカーボンである。特別な選択が溶剤としてモノクロロベンゼンを使用することに与えられている。除去において、イソシアネートは選択的に除去溶剤に移される。続いて、得られた残留ガスと除去溶剤は、好ましくは精留により、溶剤、ホスゲン、及び塩化水素に分離される。イソシアネート(混合物)に残留する少量の副生産物は、付加的な精留又は他の結晶化により所望のイソシアネート(混合物)から分離される。
工程(3a)と(3b)の後に、再びMMDIとPMDIの製品流を(完全に又は部分的に)混合することは原理的に可能である。これはワークアップの後又は前に起こり得る。ワークアップの前に混合が起きると、混合流は連帯してワークアップされ得る。
MMDIとPMDIの製品流の別々のワークアップに対して選択が与えられている。
別々のワークアップの後に、MMDIとPMDIの製品は(完全に又は部分的に)混合され、混合物として販売され得る。及び/又はそれらは個々の製品として販売され得る。
本発明の製造方法の好ましい実施の形態を図1に示す。
1 ホスゲン
2 ベース(Base)
3 アニリン
4 ホルムアルデヒド
5 塩酸
6 溶剤
7 循環した溶剤
8 循環したアニリン
9 MDA反応空間
10 アニリン、MMDA、PMDA
11 アミン分離
12 MMDA
13 PMDA
14 気相ホルゲン化の反応空間
15 液相ホルゲン化の反応空間
16 循環したホスゲン
17 MMDI/溶剤のHCL/ホスゲンからの分離
18 PMD/溶剤のHCL/ホスゲンからの分離
19 HCLのホスゲンからの分離
20 PMDIの溶剤からの分離
21 MMDIの溶剤からの分離
22 MMDI
23 HCL
24 PMDI
25 食塩水(例えば、HCLとNaOHをベースとして使用したときNacl)
2 ベース(Base)
3 アニリン
4 ホルムアルデヒド
5 塩酸
6 溶剤
7 循環した溶剤
8 循環したアニリン
9 MDA反応空間
10 アニリン、MMDA、PMDA
11 アミン分離
12 MMDA
13 PMDA
14 気相ホルゲン化の反応空間
15 液相ホルゲン化の反応空間
16 循環したホスゲン
17 MMDI/溶剤のHCL/ホスゲンからの分離
18 PMD/溶剤のHCL/ホスゲンからの分離
19 HCLのホスゲンからの分離
20 PMDIの溶剤からの分離
21 MMDIの溶剤からの分離
22 MMDI
23 HCL
24 PMDI
25 食塩水(例えば、HCLとNaOHをベースとして使用したときNacl)
Claims (4)
- (1)アニリンとホルムアルデヒドとの反応により粗製MDA混合物を製造する工程、
(2)前記粗製MDA混合物をMMDAとPMDAへ分離する工程、
(3a)前記工程2で分離したPMDAを液相でホスゲン化することによりPMDIを形成する工程、及び
(3b)前記工程2で分離したMMDAを気相でホスゲン化することによりMMDIを形成する工程、
を含むことを特徴とするイソシアネートの製造方法。 - 前記工程(1)での反応は、前記ホルムアルデヒドに対する前記アニリンの比率を2〜5.5として行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(2)での前記粗製MDAの分離は、分離されるMMDAが最大で12質量%のPMDA不純物を含むように実施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記工程(2)での前記粗製MDAの分離は、分離されるPMDAが最大で30質量%のMMDAを含むように実施されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
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