JP2008532538A - タンパク質のアフィニティー精製 - Google Patents

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Abstract

細菌性の免疫ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質及びタンパク質複合体のアフィニティー精製におけるその使用を開示する。

Description

本発明は、ポリペプチドのアフィニティー精製における使用のためのキメラ融合タンパク質に関する。
生体分子、例えば、タンパク質のアフィニティー精製は技術的に知られており、分子結合パートナーに対してターゲット分子の結合親和性を発揮させることによって、分子の精製を行う。例えば、ブドウ球菌(Staphylococcus)プロテインAは、免疫グロブリンGを結合するものであり、血清から抗体を精製及び/又は濃縮するために使用されてきた。さらに、「アフィニティータグ」の他の例としては、マルトース結合タンパク質、グルタチオンSトランスフェラーゼ、カルモジュリン結合タンパク質があり、ポリヒスチジンは、遺伝子工学によって、タンパク質に挿入され、ついで、タンパク質は、ニッケル含有マトリックス上でのアフィニティー精製によって精製される。多くの場合、所望のタンパク質を好適なアフィニティータグと融合させるために、市販のベクター及び/又はキッドが使用され、アフィニティータグは、続いて、発現及び続くアフィニティーマトリックス上での抽出及び精製のため、宿主細胞に導入される。
ゲノムの配列決定は、タンパク質をコードする遺伝子の同定の大幅増加を生じている。いくつかの例では、遺伝子の機能は、その直線状配列を参照するだけでは明らかではなく、これらの不明なタンパク質及びこれらが細胞内において相互に作用するタンパク質パートナーの機能を特定したいとの要求がある。遺伝子機能の特定のための逆遺伝学的アプローチは、煩雑であり、時間を要する。ゲノムの配列決定を介して同定されたタンパク質のタンパク質ターゲットを同定する物理的方法は、興味深いものであり、割り当てられていないオープンリーディングフレームへの機能の割り当てのための第1工程である。加えて、既知のタンパク質についての新規な潜在的な活性を発見するための試みにおいて、既知のタンパク質のタンパク質結合パートナーを同定することも望ましいものであろう。
既知のタンパク質のための結合パートナーを特定するために、例えば、Bartel and Fields (1997), The Yeast Two-Hybrid System, Oxford University Press, New Yorkに記載されている「tow-hybrid法」と称される古典的な技術が使用されている。この技術は、所定のタンパク質のためのシングル相互作用パートナーを同定することにおいては有効であるが、誤って偽の陽性及び偽の陰性の両方を生じやすく、システムが、細胞内においてしばしば見られる高次構造を同定することができない限り、制限される。
タンパク質複合体を同定及び単離するためのシステムは、国際公開WO 00/09716公報に記載されている。この技術は、タンデムアフィニティー精製(TAP)と称され、開裂可能なリンカーによって分離された2つの異質のアフィニティータグ、例えば、A及びBを含有する融合タンパク質を利用する2パートアフィニティー精製法を利用するものである。一般的には、核酸コード化ターゲットタンパク質を、アフィニティータグの1つに近接してサブクローン化する。これは、
NHターゲットタンパク質:アフィニティータグB−開裂可能なリンカー−アフィニティータグA COOH
からなる融合タンパク質を創製する。
融合構築物を、細胞、例えば、酵母細胞に導入し、発現させる。ターゲットを結合するタンパク質は、融合タンパク質と一体化され、細胞を非変性条件下で破壊し、細胞抽出物を、タグAが結合するアフィニティーマトリックスに負荷する。ついで、リンカー、一般的には、プロテアーゼ感受性リンカーの開裂によって、洗浄後のアフィニティーマトリックスから、結合された複合体を解離する。ついで、アフィニティー精製の第2ラウンドを、アフィニティータグBが結合する第2のマトリックスを使用して行う。第2の選別ステップ後、洗浄し、第2マトリックスから溶離して、ターゲットタンパク質に結合されたタンパク質の、精製された複合体を提供する。2−ステップ選別は、非特異的結合を低減し、シングル結合パートナーとは対照的に、タンパク質複合体の単離を可能にする。国際公開WO 00/09716公報では、第1及び第2のアフィニティータグは、プロテインA及びカルモジュリン結合タンパク質である。TAPの他の例が国際公開WO 03/095619公報に記載されている。この例では、第1及び第2のアフィニティータグは、それぞれ、ビオチン化認識モチーフを持つタンパク質及びヘキサペプチドHisタグポリペプチドである。
アフィニティーマトリックスにおける、結合パートナーに対するアフィニティータグの結合アフィニティーを増大させることによって、結合ノイズをさらに低減させるように、アフィニティーマトリックスに対する親和性が増大されている、他のアフィニティータグを同定したいとの要求がある。
コリシンは、ストレス期間中に腸内細菌(Enterobacteriacae)によって作られる一群のタンパク質抗生物質である。これらのタンパク質は、イオノフォアとして作用し、内膜を脱分極させることによって、又はペリプラズム又は細胞質における溶菌(例えば、ヌクレアーゼ)活性によって、感受性細菌細胞を殺す。一般的には、コリシンは、中心受容体ドメイン、アミノ末端転座ドメイン及びカルボキシル末端細胞毒性ドメインを含んでなる。酵素Eクラスコリシンと称されるコリシンの1つのクラスは、ビタミンB12受容体及びペリプラズムに位置するTol複合体(コリシンの細胞への転座を誘発する)との接触を介して、細菌細胞へのエントリーを得る。9個のグループEコリシンが知られている;E1は、イオノフォア形成コリシンであり、残りは、エンドヌクレアーゼ又はリボヌクレアーゼである。例えば、E3、E4、E5及びE6コリシンはリボヌクレアーゼであり、E2、E7、E8及びE9コリシンは非特異性DNaseである。
宿主細菌細胞におけるEタイプコリシンの発現は、宿主細胞がヌクレアーゼの活性を厳重に制御できなければならず、そうでなければ、宿主細胞の核酸が、ヌクレアーゼの攻撃に対して感受性となるため、問題である。これは、いわゆる「免疫タンパク質」(その活性を中和するためにコリシンヌクレアーゼドメインを結合する、コリシンの阻害剤である)の同時発現によって克服される。免疫タンパク質及びコリシンの複合体は、細胞外環境に分泌され、それは、ターゲット細胞を結合するこの複合体である。配座が開始されると、免疫タンパク質は解離し、コリシンの作用に対して保護されていないターゲット細胞から離れる。このような免疫タンパク質の1例は、極めて高い親和性にて、コリシンE9のエンドヌクレアーゼ(DNase)ドメインに結合するIm9である(ここで、複合体のKdは、pH7及び25℃において10-16Mである)(Wallisら (1995) Biochemistry 34, 13743)。他の例は、コリシンE3のリボヌクレアーゼ(RNase)ドメインに結合する免疫タンパク質Im3(ここで、複合体のKdは、pH7及び25℃において10-12Mである)(Walkerら (2003))Biochemistry 42, 4161)。これらの非常に高い親和性ため、ヌクレアーゼ−免疫タンパク質複合体は、理想的なアフィニティー系精製モジュールとなる。
アフィニティー系精製におけるコリシンDNase−Imタンパク質複合体の使用に関する他の注目点は、その同系のImタンパク質パートナーに対してDNaseによって発揮される、同様の高レベルの特異性にある(非同系のImタンパク質は非常に異なる)(Liら (2004) J. Mol. Biol. 337, 743)。例えば、Im7タンパク質(コリシンE7のDNaseドメインに対して特異的である)は、Kd 〜10-4M(同じ条件下における同系の免疫タンパク質Im9のものよりも12倍程度弱い)を持つ非同系のE9DNaseドメインに結合する。従って、及び以下に記載するように、コリシンヌクレアーゼカラムが、同系のパートナーシップに対して特異的である、ダブル免疫タンパク質融合が構築される。
本明細書では、コリシンヌクレアーゼに対する免疫タンパク質の非常に高い親和性及び特異性を発揮するアフィニティー精製法を開示する。
本発明の1態様によれば、少なくとも1の異質ポリペプチドに結合された免疫ポリペプチドを含んでなるキメラ融合タンパク質が提供される。
好ましくは、上記免疫ポリペプチドは、リンカー分子によって、上記異質ポリペプチドに結合される。
本発明の好適な1具体例では、上記リンカーは開裂可能なペプチドリンカーを含んでなる。
本発明の他の態様によれば、キメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、核酸分子が、
i)図1又は2に示されているような核酸配列からなり、及び免疫タンパク質に関連する活性を有する少なくとも1のポリペプチド又はその活性な結合部をコードする第1部分;又は免疫ポリペプチドに関連する活性を有するポリペプチドをコードする、図1及び2に示されているような核酸分子とハイブリダイズする変異核酸分子;及び
ii)異質のポリペプチドをコードする核酸配列からなる第2部分
を含んでなり、前記第1及び第2部分が結合されている、核酸分子が提供される。
本発明の好適な1具体例において、前記第1及び第2の核酸配列は、リンカー分子によって結合される。好ましくは、前記リンカーは、開裂可能なペプチドリンカーをコードする。
本発明の好適な他の具体例では、前記ハイブリダイゼーションの条件は、厳重な条件である。
核酸分子のハイブリダイゼーションは、2つの相補性核酸分子が、相互に結合するための量の水素と接触される際に生ずる。ハイブリダイゼーションの厳重さは、核酸を包囲する環境条件、ハイブリダイゼーション法の性質、及び使用する核酸分子の組成及び長さに応じて変動できる。特別な厳重さの程度を達成するために要求されるハイブリダイゼーション条件に関する算定法は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001);及びTijssen, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology- Hybridization with Nucleic Acid Probes Part I, Chapter 2 (Elsevier, New York, 1993)において検討されている。Tmは、核酸分子の所定のストランドの50%が、その相補性ストランドにハイブリダイズされる際の温度である。以下の記載は、ハイブリダイゼーションの条件を例示するものであるが、これらに限定されない。
非常に高い厳格性(少なくとも90%の同一性で共有する配列がハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション: 5×SSC;65℃において16時間
洗浄2回: 2×SCC;それぞれ、室温において15分間
洗浄2回: 0.5×SSC;それぞれ、65℃において20分間
高い厳格性(少なくとも80%の同一性で共有する配列がハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション: 5×〜6×SSC;65〜70℃において16〜20時間
洗浄2回: 2×SCC;それぞれ、室温において5〜20分間
洗浄2回: 1×SSC;それぞれ、55〜70℃において30分間
低い厳格性(少なくとも50%の同一性で共有する配列をハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション: 6×SSC;室温〜55℃において16〜20時間
洗浄少なくとも2回: 2×〜3×SCC;それぞれ、室温〜55℃において20〜30分間
本発明の好適な1具体例では、上記第1部分は、少なくとも1のコリシンDNase免疫ポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子を含んでなる。
本発明の好適な1具体例では、上記免疫ポリペプチドは、表1Aに示すような核酸配列又は表1Bに示すようなアミノ酸配列によってコードされる。
好ましくは、前記免疫ポリペプチドは、Im2、Im7、Im8及びIm9からなる群から選ばれる。
本発明の好適な他の具体例では、上記第1部分は、少なくとも1のコリシンRNase免疫ポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子を含んでなる。
本発明の好適な1具体例では、前記免疫ポリペプチドは、表2Aに示すような核酸配列又は表2Bに示すようなアミノ酸配列によってコードされる。
好ましくは、前記免疫ポリペプチドは、Im3、Im4、Im5及びIm6からなる群から選ばれる。
本発明のさらに他の好適な具体例では、上記核酸分子は、少なくとも2の免疫ポリペプチドを含んでなる(これらのポリペプチドは、イン‐フレーム翻訳融合ポリペプチドである)キメラポリペプチドをコードする。
本発明の好適な1具体例では、上記核酸分子は、同様のコリシンポロペプチドを結合する2つの免疫ポリペプチドをコードする。
本発明の他の好適な具体例では、前記核酸分子は、異なるコリシンポリペプチドを結合する2つの免疫ポリペプチドをコードする。
本発明の好適な1具体例では、上記開裂可能なリンカーは、少なくとも1のプロテアーゼ感受性部位を含有する。好ましくは、前記部位は、タバコモザイク病ウイルスプロテアーゼ用の開裂部位である。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明による核酸分子によってコードされたキメラポリペプチドが提供される。
本発明の好適な1具体例では、前記キメラポリペプチドは、変異アミノ酸配列を含有する少なくとも1つの部分を含んでなる。
変異ポリペプチドは、1以上の置換、付加、欠失、切断(これらは各種の組合せで存在しうる)によって、アミノ酸配列において相違する。中でも、好適な変異体は、保存型アミノ酸置換によって、対象ポリペプチドとは異なるものである。このような置換は、所定のアミノ酸を、同様の特性の他のアミノ酸で置き換えるものである。下記に示すアミノ酸リスト(限定されない)は、保存型置換と考えられる:a)アラニン、セリン、及びトレオニン;b)グルタミン酸及びアスパラギン酸;c)アスパラギン及びグルタミン;d)アルギニン及びリシン;e)イソロイシン、ロイシン、メチオニン及びバリン;及びf)フェニルアラニン、チロシン及びトリプロファン。最も好ましい変異体は、相違する対象ポリペプチドと同じ生物学的機能及び活性を保持又は富有するものである。
本発明の好適な1具体例では、上記キメラポリペプチド配列は、ここに記載のポリペプチドと40%以上の配列同一性を有し、前記ポリペプチドに関連する生物学的活性、例えば、コリシンヌクレアーゼ活性又は免疫タンパク質活性を保持している。
本発明は、ここに記載のポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有する、前記キメラポリペプチドの部分、又はフラグメント及びその機能的に同等のポリペプチドを特徴とする。1具体例では、ポリペプチドは、ここに開示するアミノ酸配列と、少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは、少なくとも95%の同一性、さらになお好ましくは、少なくとも97%の同一性、及び最も好ましくは、少なくとも99%の同一性を有し、必須の生物学的活性を保持している。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明による核酸配列又はポリペプチドを含んでなる組成物が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明による核酸配列を含んでなるベクターが提供される。
本発明の好適な1具体例では、前記核酸配列は、前記キメラポリペプチドの発現を制御するプロモーターに、遺伝子操作的に結合される。
好ましくは、前記核酸分子は、真核生物での発現用に順化される。一般的には、順化は、例えば、細胞/又は組織の特異的発現を仲介する転写制御配列(プロモーター配列)の提供を含む(ただし、単に例示したものであり、これに限定されない)。これらプロモーター配列は、細胞/組織特異性、誘導性又は保存的である。
「プロモーター」は技術的に認められた用語であり、明確性のため、下記の特徴を含む(例示するのみである)。エンハンサー因子は、5'−遺伝子の転写開始部位にしばしば見られるシス作動性核酸配列である(エンハンサーは、3'−遺伝子配列にも見られるか、又はイントロン配列に配置される)。エンハンサーは、エンハンサーが結合される遺伝子の転写の効率を増大させるように機能する。エンハンサーの活性は、エンハンサー因子に特異的に結合することが示されているトランス作動性転写因子に対応する。転写因子(David S Latchman, Eukaryotic Transcription Facters, Academic Press Ltd, San Dieg)の結合/活性は、多数の生理学的/環境的キュー(単なる例として示せば、中間代謝物(例えば、グルコース)、環境エフェクター(例えば、熱)が含まれる)に対応する。
プロモーター因子としては、いわゆるTATAボックス及びRNAポリメラーゼ開始選択配列(転写開始の部位を選択するように機能する)が含まれる。これらの配列も、中でも、RNAポリメラーゼによる転写開始選択を容易にするように機能するポリペプチドを結合する。
順化は、真核細胞又は原核生物宿主における前記ベクターの維持を容易にする選択可能なマーカー及び自己複製配列の準備を含む。自立維持されるベクターは、エピソーマルベクターと称される。
ベクターコード化遺伝子の発現を容易にする順化は、転写終結/ポリアデニレーション配列の準備を含む。これは、また、ビシストロニック又はマルチシストロニック発現カセットに配置されたベクターコード化遺伝子の発現を最大にするように機能する内部リボソーム進入部位(IRES)の準備を含む。
これらの順化は、技術的によく知られている。一般に、発現ベクターの構築及び組換えDNA技術に関する公知の文献は多数存在する。例えば、Sambrookら, (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory, Cold Spring Harbour, NY及びその参考文献;Marston, F, (1987) DNACloning Techniques: A Practical Approach Vol III, IRL Press, Oxford UK; DNA Cloning: F M Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1994)参照。
ベクターは、ウイルス系であるか、又はアデノウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、ワクシニア・ウイルス及びバキュロ・ウイルスを含むウイルスに由来するものでもよい。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明による核酸又はベクターにて形質導入された細胞が提供される。
好適な1具体例では、前記細胞は真核細胞である。
好ましくは、真核細胞は哺乳類細胞である。
本発明の他の好適な具体例では、前記細胞は植物細胞である。
本発明のさらに他の好適な具体例では、前記細胞は酵母細胞である。
本発明の他の好適な具体例では、前記細胞は原核生物細胞である。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明によるキメラポリペプチドの、生体分子の複合体の単離における使用が提供される。
本発明の好適な1具体例では、前記生体分子の複合体は、少なくとも1のタンパク質を含有する複合体を含んでなる。好ましくは、前記複合体は、タンパク質分子の複合体である。
本発明のさらに他の態様によれば、多くの生体分子から、1つの生体分子複合体を単離する方法であって、多くの生体分子及び本発明による少なくとも1のキメラポリペプチドを含んでなる調製物を用意し、及び前記調製物中の生体分子と前記キメラポリペプチドとの一体化を可能にする条件下において、前記調製物をインキュベートし、及び前記キメラポリペプチドと一体化した生体分子複合体を単離すること含んでなる生体分子複合体の単離法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、多くの生体分子から、1つの生体分子複合体を単離する方法であって、
i)多くの生体分子及び本発明による少なくとも1のキメラポリペプチドを含んでなる調製物を用意し、及び前記調製物中の生体分子と前記キメラポリペプチドとの一体化を可能にする条件下において、前記調製物をインキュベートする工程;
ii)混合物を、前記キメラポリペプチドのための結合パートナーを含んでなる第1のアフィニティーマトリックスと接触させて、前記キメラポリペプチドの少なくとも一部の、前記マトリックへの結合を可能にし、及び前記マトリックスを洗浄して、前記キメラポリペプチド及び前記マトリックスに非特異的に結合した生体分子を除去する工程;
iii)前記マトリックスから、結合したキメラポリペプチド及び一体化した生体分子を溶離する工程;
iv)溶離された前記キメラポリペプチドを、前記キメラポリペプチドのための第2の結合パートナーを含んでなる第2のアフィニティーマトリックスと接触させて、前記キメラポリペプチドの他の部分の、前記第2のアフィニティーマトリックスへの結合を可能にする工程;及び
v)前記第2のマトリックスから、前記キメラポリペプチドを溶離し、及び任意に、前記キメラポリペプチドと一体化した生体分子の複合体を放出させる工程
を含んでなる生体分子複合体の単離法が提供される。
キメラポリペプチド及び一体化生体分子の溶離は、技術的によく知られている方法(例えば、pH、イオン条件での変性による又は試薬、例えば、化学剤又はプロテアーゼ(結合したキメラポリペプチドをマトリックスから開裂させる)とのインキュベーションによる溶離を含む)によって達成されることは、当業者にとっては明らかであろう。
本発明の好適な1方法では、前記調製物は、本発明によるキメラポリペプチドを発現するために順化された細胞を含んでなるものであり、前記細胞は、多くの生体分子を提供する。
本発明の好適な1方法では、前記複合体は、少なくとも1のタンパク質分子を含んでなる。好ましくは、前記複合体は、タンパク質分子の複合体を含んでなる。
本発明による方法が、混合物からの、生体分子の複合体の単離に適用されることは明らかであろう。これらの複合体は、タンパク質複合体又は、例えば、タンパク質及び核酸、例えば、クロマチンの混合物である。前記方法は、複合体混合物から、細胞小器官又は全細胞又は細胞膜を単離するためにも使用される。複合体は、細胞抽出物から形成されたインビトロ転写及び/又は翻訳アッセイからも形成される。
本発明の好適な1方法では、前記第1のアフィニティーマトリックスは、その同系の免疫ポリペプチドを結合するコリシンポリペプチドを含んでなる。
本発明の他の好適な1方法では、前記第2のアフィニティーマトリックスは、第1のアフィニティーマトリックスのコリシンポリペプチドとは異なるコリシンポリペプチドを含んでなる。
本発明の好適な1方法では、前記溶離は、前記リンカーを開裂して、前記第1のマトリックスに結合した前記キメラポリペプチドを放出するプロテアーゼとのインキュベーションによって達成される。
本発明の他の好適な方法では、前記キメラポロペプチドは、第2のぺプチダーゼ感受性サイトを含む(その開裂により、前記第2のアフィニティーマトリックスから、前記キメラポリペプチドが放出される)。
本発明の他の好適な方法では、前記コリシンは、E2、E7、E8及びE9からなる群から選ばれる。
本発明の別の好適な方法では、前記コリシンは、E3、E4、E5及びE6からなる群から選ばれる。
本発明のさらに他の態様によれば、基材、及びこれに架橋又は共役されて一体化された、i)図5A又は5Bに示されたような核酸配列からなる核酸分子;
ii)前記i)の核酸分子とハイブリダイズし、ヌクレアーゼ活性を持つポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子;
iii)遺伝コードの結果として、上記i)及びii)において定義される配列に変性される核酸分子
からなる群から選ばれる核酸配列を含んでなる核酸分子によってコードされる少なくとも1のポリペプチドを含んでなるアフィニティーマトリックスが提供される。
本発明の好適な1具体例では、前記ヌクレアーゼはコリシンDNaseである。
本発明の好適な1具体例では、前記コリシンDNaseは、E2、E7、E8及びE9からなる群から選ばれる。
本発明の別の好適な具体例では、前記ヌクレアーゼはRNaseである。
本発明の他の好適な具体例では、前記RNaseは、E3、E4、E5及びE6からなる群から選ばれる。
本発明のさらに他の態様によれば、少なくとも1のコリシンポリペプチドを基材に結合させる方法であって、
i)コリシンポリペプチド及びマトリックス物質を含有する調製物を用意する工程;及び
ii)前記コリシンの前記基材への一体化、架橋又は共役を可能にする条件とする工程
を含むコリシンポリペプチドの基材への結合法が提供される。
本発明の好適な1方法では、前記基材は、アフィニティーマトリックス物質である。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明による核酸又はベクター又は本発明によるポリペプチド;本発明による前記キメラポリペプチド中の開裂可能なリンカーを開裂する試薬;及び前記キメラポリペプチドを単離するために必要なアフィニティーマトリックス物質を含んでなるキットが提供される。
本発明の1態様によれば、少なくとも1の異種ポリペプチドに結合したコリシンポリペプチドを含んでなるキメラ融合タンパク質が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、キメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、この核酸分子が、
i)図5A又は5Bに示すような核酸配列からなり、ヌクレアーゼ活性を有する少なくとも1のポリペプチド又はその部分をコードする第1の部分;又は図5A又は5Bに示すような核酸分子とハイブリダイズし、ヌクレアーゼ活性を有するポリペプチドをコードする変異核酸分子;及び
ii)異種ポリペプチドをコードする核酸配列からなる第2の部分
を含んでなる(ここで、前記第1及び第2の部分は結合している)、核酸分子が提供される。
本発明の好適な1具体例では、前記キメラポリペプチドは、ヌクレアーゼ活性が低減された変異ポリヌクレオチドである。好ましくは、前記キメラポリペプチドは、ヌクレアーゼ活性を欠く変異体である。
免疫ポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチドに適用可能な態様、具体例、使用及び方法は、キメラポリペプチドを含有するコリシンにも、等しく適用可能である。
この明細書の記載及び請求の範囲を通して、用語「comprise(含んでなる)」及び「contain(含有する)」及び当該用語の変形、例えば、「comprising」及び「comprises」は、「含むが、限定されない」の意味であり、他の部分、添加剤、成分、整数又は工程を除外することを意図するものではない。
この明細書の記載及び請求の範囲を通して、単数形は、文脈的に要求される場合を除いて、複数形を包含する。特に、不定冠詞を使用する部分では、明細書は、文脈的に要求される場合を除いて、単数と共に、複数を考慮したものと理解されなければならない。
本発明の特別な態様、具体例又は実施例に関連して記載する特徴、整数、特性、化合物、化学モイエティー又は基は、適合しない場合を除いて、ここに記載の他のいかなる態様、具体例又は実施例に適用可能であると理解されなければならない。
次に、本発明の1具体例を、単なる実施例によって、図面を参照して記載する。
表1A(アミノ酸)及びB(DNA)は、40%より大の配列同一性を示す、Im9タンパク質をベースとするDNaseファミリーの免疫タンパク質のアラインメントを示している。各サブ−ファミリーについて代表的なタンパク質を示しており、「OrfU1」は、少なくとも94%の配列同一性を共有するOrfU1タンパク質のファミリーを表す。使用したプログラムは、BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)及びClustalW(http://npsa-pbi.ibcp.fr/cgi-bin/align_clustalw.pl)である。
表2A(アミノ酸)及びB(DNA)は、40%より大の配列同一性を示す、Im3タンパク質をベースとするRNase免疫タンパク質ファミリーのアラインメントを示す。このファミリーには、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescence)からのタンパク質も含まれる(アラインメントについては示してない)。(http://npsa-pbi.ibcp.fr/cgi-bin/align_clustalw.pl)
表3A(アミノ酸)及びB(DNA)は、40%より大の配列同一性を示す、E9DNaseタンパク質をベースとするDNaseファミリーのアラインメントを示している。各サブ−ファミリーについて代表的なタンパク質を示しており、「Uro_Ecoli」は、少なくとも78%の配列同一性を共有する尿路病原性の特殊なタンパク質のファミリーを表す。使用したプログラムは、BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)及びClustalW(http://npsa-pbi.ibcp.fr/cgi-bin/align_clustalw.pl)である。
表4A(アミノ酸)及びB(DNA)は、E3 RNaseの同族体(ここで、タンパク質は、40%より大の相同性によって同一視されている)をベースとするRNaseファミリーのアラインメントを示している。各タンパク質ファミリーについて代表的な配列を示しており、シュードモナス・フルオレセンスからのタンパク質のファミリーを代表するものである。使用したプログラムは、BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)及びClustalW(http://npsa-pbi.ibcp.fr/cgi-bin/align_clustalw.pl)である。
材料及び方法
ダブル免疫性遺伝子及び変異体の構築
テンプレートとして、プラスミドpRJ347及びpRJ345(それぞれ、コード化imm7及びimm9遺伝子)を使用した。ダブルタグの5'遺伝子を、遺伝子操作して、遺伝子へのフレームに、NdeI及びBam HI制限酵素認識部位を包含させた。3'遺伝子をデザインして、終止コドンの後にXbaI及びEcoRI制限酵素認識部位を包含させた。プラーマーをデザインして、遺伝子を増幅し、HAT TEVプロテアーゼをベースとする中央TEVプロテアーゼ認識配列をコードするオーバーハングを包含させた。構築物における5'遺伝子は終止コドンが除去されており、直接の読みとばしが許容される。2つの第1ラウンドpcr生成物を他のpcrラウンドで使用し、ここで、両生成物を相互にアニーリングするために使用した。最終のpcr生成物を精製し、Zero Blunt TOPO PCRクローニングキット(Invitrogen)でクローン化し、大腸菌(E. coli)TOP 10 コンピテント細胞を形質転換するために使用した。PCRコロニースクリーンズにて、正確な長さの遺伝子フラグメントを同定した。これらのコロニーを増幅し、プラスミドを精製した(Qiagen QIAprep Spin Miniprep Kit)。DNA配列決定によって配列を確認した。第2のタグのE9DNase樹脂への可能な相互作用をさらに弱めるため、全プラスミドのsite-directed mutagenesis(Stratagene, Pfu Turbo DNAポリメラーゼ)を使用し、製造者の指示に従って、タグのIm7(D52A, Im7ナンバリング)変異体を構築した。このようにして構築された遺伝子は、dImP97(imm9-tra-imm7)、dImP97a、dImP79及びdImP7a9を含む。遺伝子構築の概要を以下に示す。
dImPタグの精製及びアッセイ
クローニングベクターからNdeI、EcoRIにて遺伝子を切り出し、同様に制限酵素部位で切り出したpET22b(Novagen)にリガーゼ結合し、コンピテント大腸菌BL21 DE3を形質転換することによって、生存性について、dImPタグをアッセイした。インサートを持つベクターを、コロニーpcrスクリーンによって同定し、これらのプラスミドを、pIMP79、pIMP7a9、pIMP97及びpIMP97aと名付けた。タンパク質の精製の前に、タンパク質の発現に関するテストを行った。LB-amp(100μg/ml)中、37℃において生育し、対数増殖期間中、1mM IPTGにて誘発された際、大腸菌において、dImPタンパク質が生産された。細胞を収穫し、音波処理し、精製して、本質的に免疫タンパク質(Wallisら, 1992)を得た。精製したタンパク質を、20mM TEA(pH7.5)にて透析し、急速凍結し、−20℃において保存した。
同系のDNaseドメインの存在下又は不存在下におけるdImPのTEVプロテアーゼ開裂
E9-Imp79、E7-Imp79及びImp79について、プロテアーゼ開裂を行い、複合体におけるdImPの同族DNaseによる開裂をアッセイした。Imp79(E7DNase、E9DNaseドメインとの複合体、又は単独)約40μgを、緩衝液(50mM Tris-HCl, pH7.5, 100 mM NaCl)中、30℃において1時間、TEVプロテアーゼ20Uと共にインキュベートした。
E−DNaseドメインのセファロースへの架橋
精製したE9及びE7DNaseドメイン(Garinot-Schneiderら, 1996)を、CNBr-活性化Sepharose 4Bビーズ(Amersham Bioschiences)に、製造者のガイドラインに従って架橋させた。Im9についても、同様にして、樹脂に架橋させた。
浄化剤の存在下における複合体
浄化剤の存在下における複合体の形成テストとして、E9DNase−Im9及びE3RNase−Im3複合体の両方について浄化剤(β-オクチルグルコシド, 1%(w/v)以下;Triton X100, 1%(v/v)以下)中で行い、サイズ排除クロマトグラフィーによって、複合体の形成を分析した。浄化剤は、ヌクレアーゼドメイン及びその免疫タンパク質の複合化を破壊しない。これらの実験は、複合体が、浄化剤の添加を切り抜け、複合体の形成前に浄化剤が添加される場合にも複合体を形成することを表している。E9DNase-架橋Sepharoseについては、浄化剤NP 40を緩衝液中で使用し(0.5%(v/v)以下)、dImPタンパク質タグを添加した。タグは、浄化剤の存在下でも、樹脂になお結合していた。
ポリペプチドのための精製融合タグとしての免疫タンパク質
Imm9遺伝子を遺伝子操作して、TEVプロテアーゼ認識部位C末端を包含するように、その配列を延長した。遺伝子構築物をデザインして、プロテアーゼ部位にターゲットタンパク質3'をクローニングするための制限酵素認識部位を包含させた。テストシステムはIm9Gol融合タンパク質(ここで、Golは、バクテリオファージ排除システムにおける35アミノ酸ポリペプチドコアクチベーターである)であった。制限酵素部位は、(5'−3'):NdeI(imm9)(trs)XhoIHidIII(gol)BamHIであった。遺伝子構築物を、pET11c及びpET15bベクター(Novagen)にリガーゼ結合させた。過剰発現生成物の精製を、陰イオン交換クロマトグラフィー又はE9 DNase−架橋樹脂を使用して実施した。
Figure 2008532538
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Figure 2008532538
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図1は、DNase免疫タンパク質Im9をコードする核酸配列を示す。 図2は、RNase免疫タンパク質Im3をコードする核酸配列を示す。 図3は、dImP79に関する遺伝子構築を示すダブル免疫タンパク質タグについての概略図である。ここで、Im7及びIM9が融合されているが、開裂可能なリンカーtrsによって分離されている。trs:高度のアブラムシ伝搬性のTEVプロテアーゼをベースとするTEV認識配列。 図4は、コリシンDNase(E9又はE7)の存在下におけるdImp79及びdImp79単独のTEVプロテアーゼ開裂の16%SDS-PAGEを示す。&Imp79及びImp79を、TEVプロテアーゼ開裂に供した。 図5Aは、コリシンDNaseドメインE9の核酸配列である。 図5Bは、コリシンRNaseドメインE3の核酸配列である。 図6は、融合精製タグとしてIm9を使用する精製工程の16%SDS-PAGEを示す;1:pNC3/BL21 DE3の非誘発細胞;2:34残基ペプチド配列に融合された、誘発、過剰発現Im9(Im9Gol);3及び4:それぞれ、細胞の破砕後のペレット及び上澄み(上澄み(レーン4)を、E9DNase−結合セファロース4Bカラムに負荷した);5:負荷の間におけるカラムからの貫流;6及び7:カラムの高塩濃度洗浄;8:溶離及び透析されたタンパク質Im9Gol;*は、融合タンパク質の破壊生成物を示す。

Claims (46)

  1. 少なくとも1の異質ポリペプチドに結合された免疫ポリペプチドを含んでなる、キメラ融合タンパク質。
  2. 免疫ポリペプチドが、リンカー分子によって、異質ポリペプチドに結合されている、請求項1記載のタンパク質。
  3. リンカーが、開裂可能なペプチドリンカーを含んでなるものである、請求項2記載のタンパク質。
  4. キメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、核酸分子が、
    i)図1又は2に示されているような核酸配列からなり、及び免疫タンパク質に関連する活性を有する少なくとも1のポリペプチド又はその活性な結合部をコードする第1部分;又は図1A又は1Bに示されているような核酸分子とハイブリダイズし、及び免疫ポリペプチドに関連する活性を有するポリペプチドをコードする変異核酸分子;及び
    ii)異質のポリペプチドをコードする核酸配列からなる第2部分
    を含んでなり、前記第1部分及び第2部分が結合されていることを特徴とする、核酸分子。
  5. 第1及び第2の核酸配列が、リンカー分子によって結合されている、請求項4記載の核酸分子。
  6. リンカーが、開裂可能なペプチドリンカーをコードするものである、請求項5記載の核酸分子
  7. 第1部分が、少なくとも1のコリシンDNase免疫ポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子を含んでなる、請求項4〜6のいずれかに記載の核酸分子。
  8. 免疫ポリペプチドが、Im2、Im7、Im8及びIm9からなる群から選ばれるものである、請求項7記載の核酸分子。
  9. 第1部分が、少なくとも1のコリシンRNase免疫ポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子を含んでなる、請求項4〜6のいずれかに記載の核酸分子。
  10. 免疫ポリペプチドが、Im3、Im4、Im5及びIm6からなる群から選ばれるものである、請求項9記載の核酸分子。
  11. 核酸分子が、少なくとも2の免疫ポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチドをコードするものであり、前記ポリペプチドが、インフレーム翻訳融合ポリペプチドである、請求項4〜10のいずれかに記載の核酸分子。
  12. 核酸分子が、同様のコリシンポロペプチドを結合する2つの免疫ポリペプチドをコードするものである、請求項11記載の核酸分子。
  13. 核酸分子が、異なるコリシンポリペプチドを結合する2つの免疫ポリペプチドをコードするものである、請求項11記載の核酸分子。
  14. 開裂可能なリンカーが、少なくとも1のプロテアーゼ感受性部位を含有するものである、請求項6〜13のいずれかに記載の核酸分子。
  15. 部位が、タバコモザイク病ウイルスプロテアーゼ用の開裂部位である、請求項14記載の核酸分子。
  16. 請求項4〜15のいずれかに記載の核酸分子によってコードされたキメラポリペプチド。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の核酸分子又はポリペプチドを含んでなる、組成物。
  18. 請求項4〜15のいずれかに記載の核酸分子を含んでなる、ベクター。
  19. 請求項4〜15のいずれか又は請求項18に記載の核酸又はベクターにて形質導入された細胞。
  20. 細胞が真核細胞である、請求項19記載の細胞。
  21. 真核細胞が哺乳類細胞である、請求項20記載の細胞。
  22. 細胞が植物細胞である、請求項20記載の細胞。
  23. 細胞が酵母細胞である、請求項20記載の細胞。
  24. 細胞が原核生物細胞である、請求項19記載の細胞。
  25. 請求項1〜3のいずれか又は請求項16に記載のキメラポリペプチドの、生体分子の複合体の単離における使用。
  26. 生体分子の複合体が、少なくとも1のタンパク質の複合体を含んでなるものである、請求項25記載の使用。
  27. 複合体がタンパク質分子の複合体である、請求項26記載の使用。
  28. 多くの生体分子から、1つの生体分子の複合体を単離する方法であって、多くの生体分子及び請求項1〜3のいずれか又は請求項16に記載の少なくとも1のキメラポリペプチドを含んでなる調製物を用意し、及び前記調製物中の生体分子と前記キメラポリペプチドとの一体化を可能にする条件下において、前記調製物をインキュベートし、及び前記キメラポリペプチドと一体化した生体分子の複合体を単離することを含んでなる、生体分子の複合体の単離法。
  29. 多くの生体分子から1つの生体分子の複合体を単離する方法であって、
    i)多くの生体分子及び請求項1〜3のいずれか又は請求項16に記載の少なくとも1のキメラポリペプチドを含んでなる調製物を用意し、及び前記調製物中の生体分子と前記キメラポリペプチドとの一体化を可能にする条件下において、前記調製物をインキュベートする工程;
    ii)混合物を、前記キメラポリペプチドのための結合パートナーを含んでなる第1のアフィニティーマトリックスと接触させて、前記キメラポリペプチドの少なくとも一部の、前記マトリックへの結合を可能にし、及び前記マトリックスを洗浄して、前記キメラポリペプチド及び前記マトリックスに非特異的に結合した生体分子を除去する工程;
    iii)前記マトリックスから、結合したキメラポリペプチド及び一体化した生体分子を溶離する工程;
    iv)溶離された前記キメラポリペプチドを、前記キメラポリペプチドのための第2の結合パートナーを含んでなる第2のアフィニティーマトリックスと接触させて、前記キメラポリペプチドの他の部分の、前記第2のアフィニティーマトリックスへの結合を可能にする工程;及び
    v)前記第2のマトリックスから、前記キメラポリペプチドを溶離し、及び任意に、前記キメラポリペプチドと一体化した生体分子の複合体を放出させる工程
    を含んでなる、生体分子の複合体の単離法。
  30. 調製物が、キメラポリペプチドを発現するために順化された細胞を含んでなるものである、請求項29記載の方法。
  31. 複合体が、少なくとも1のタンパク質分子を含んでなる、請求項29又は30記載の方法。
  32. 複合体が、タンパク質分子の複合体を含んでなる、請求項31記載の方法。
  33. 第1のアフィニティーマトリックスが、その同系の免疫ポリペプチドを結合するコリシンポリペプチドを含んでなる、請求項29〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 第2のアフィニティーマトリックスが、第1のアフィニティーマトリックスのコリシンポリペプチドとは異なるコリシンポリペプチドを含んでなる、請求項29〜32のいずれかに記載の方法。
  35. 溶離が、リンカーを開裂して、第1のマトリックスに結合したキメラポリペプチドを放出するプロテアーゼとのインキュベーションによって行われる、請求項29〜34のいずれかに記載の方法。
  36. キメラポリペプチドが、第2のぺプチダーゼ感受性サイトを含み、その開裂により、第2のアフィニティーマトリックスから、前記キメラポリペプチドが放出される、請求項29〜35のいずれかに記載の方法。
  37. コリシンポリペプチドが、E2、E7、E8及びE9からなる群から選ばれるものである、請求項33〜36のいずれかに記載の方法。
  38. コリシンポリペプチドが、E3、E4、E5及びE6からなる群から選ばれるものである、請求項33〜36のいずれかに記載の方法。
  39. 基材、及びこれに架橋又は共役されて一体化された、
    i)図5A又は5Bに示されたような核酸配列からなる核酸分子;
    ii)前記i)の核酸分子とハイブリダイズし、ヌクレアーゼ活性を持つポリペプチドをコードする核酸配列からなる核酸分子;
    iii)遺伝コードの結果として、上記i)及びii)において定義される配列に変性される核酸分子
    からなる群から選ばれる核酸配列を含有する核酸分子によってコードされる少なくとも1のポリペプチドを含んでなる、アフィニティーマトリックス。
  40. ヌクレアーゼがコリシンDNaseポリペプチドである、請求項39記載のマトリックス。
  41. コリシンDNaseポリペプチドが、E2、E7、E8及びE9からなる群から選ばれるものである、請求項40記載のマトリックス。
  42. ヌクレアーゼがRNaseポリペプチドである、請求項39記載のマトリックス。
  43. RNaseポリペプチドが、E3、E4、E5及びE6からなる群から選ばれるものである、請求項42記載のマトリックス。
  44. 少なくとも1のコリシンポリペプチドを基材に結合させる方法であって、
    i)コリシンポリペプチド及びマトリックス物質を含有する調製物を用意する工程;及び
    ii)前記コリシンの前記基材への一体化、架橋又は共役を可能にする条件とする工程
    を含む、コリシンポリペプチドの基材への結合法。
  45. 基材がアフィニティーマトリックス物質である、請求項44記載の方法。
  46. 請求項4〜15のいずれか又は請求項18に記載の核酸又はベクター、又は請求項1〜3のいずれか又は請求項17に記載のポリペプチド;キメラポリペプチド中の開裂可能なリンカーを開裂する試薬;及びキメラポリペプチドを単離するために必要なアフィニティーマトリックス物質を含んでなる、キット。
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