JP2008528701A - 腫瘍性疾患の治療又は予防に用いるためのニトロキシド類 - Google Patents

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Abstract

腫瘍性疾患、例えば、ガンを治療又は予防するのに有用な医薬組成物を提供する。本組成物は、医薬として許容可能な担体と、ガンに関連する1又は複数の遺伝子の発現を修正するのに有効な治療量又は予防量のニトロキシド抗酸化剤とを含む。ガンの治療又は予防における、本医薬組成物の使用のための方法も提供する。好ましい態様では、本ニトロキシド抗酸化剤は、テンポル(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オール)であり、ガンは、食道ガン、肝細胞ガン、結腸ガン、前立腺ガン、肺ガン、胃ガン、腎細胞ガン、骨ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳腫瘍、又はガン抑制遺伝子p53に関連するガンである。

Description

本発明は、様々なガンを含めた腫瘍性疾患の治療又は予防のために有用な医薬組成物、及びそれらの状態の治療又は予防におけるこれらの組成物の使用方法に関する。
1.ガン及び酸化的ストレス
酸化的ストレス、すなわち細胞内でのフリーラジカルの発生は、多くの細胞プロセスの結果である。例えば、イオン化放射線は、水分子と相互作用して、ヒドロキシル及びその他のラジカルを発生させうる。ラジカルはまた、酸素に電子を供与するポテンシャルを有し、スーパーオキシドの形成をもたらすミトコンドリアの電子輸送連鎖を介する酸素の代謝によって生成しうる。これらの過程によって形成されるその他のラジカルには、過酸化水素及びペルオキシ亜硝酸が含まれる。
細胞は、これらのラジカルに対抗するための多くの防御機構をもっている。ラジカルを捕捉する多くの内因性抗酸化剤、例えば、グルタチオン、ユビキノール、ビリルビン、尿酸、及びアルブミンなどがある。酵素、例えば、ラジカルを不活性化するスーパーオキシドジスムターゼ及びカタラーゼもある。ヒドロキシラジカルの形成を触媒しうる遷移金属のイオンは、メタロチオネイン類、フェリチン、トランスフェリン、及びセルロプラスミンによって除去される。しかし、これらの防御機構は、全ての細胞ラジカルを除去することはできない。
細胞の防御機構を逃れたラジカルは、細胞構造にダメージを引き起こしうる。特に、ラジカルは、ヌクレオチドの変性をもたらし、並びにタンパク質の酸化及び脂質過酸化を引き起こすことによって、DNAに影響を及ぼしうる。塩基の変性は特にガンに繋がる。DNAの照射後に発見される最も普通の損傷である8−ヒドロキシグアニンは、発ガン現象に関連する鍵となるバイオマーカーであることが報告されている(Floyd RA, Carcinogenesis 11: 1447-1450, 1990)。さらに、ラジカルは、DNA分子の糖リン酸骨格と相互作用し、突然変異及び発ガン現象の増加をもたしうる一又は二本鎖の分解をもたらしうる(Karbownik et al., Proc Soc Exp Biol Med. 2000 Oct; 225 (1): 9-22)。
したがって、細胞内でのフリーラジカルの有害な活性の低減は、ガンのかなりの割合の予防をもたらし、非常に望ましい。
2.食道ガン
食道ガンは粘膜層中に生じ、粘膜下層及び筋肉層に侵入し、さらに、気管気管支樹、大動脈、又は反回神経などの近接構造へ侵入する傾向がある。食道ガンはまた、近くのリンパ節に広がり、そこから肝臓及び肺の1つ又は両方へと広がる。
本疾患の約14000の新しい症例が毎年アメリカ合衆国内で診断され、1年当たり約11000人が亡くなっている。1970年代までは、ほとんどの食道ガンは扁平上皮ガンであり、喫煙とアルコール摂取の履歴をもつアフリカ系アメリカ人の間で多くみられた。この形態の疾患の高い発生率は、食道ガンを、白人の間においてよりもアフリカ系アメリカ人の間において50%さらに高い罹患率にしている。この疾患の別の形態である腺ガンは、白人の間で高い頻度でみられ、胃食道逆流性疾患及びバレット食道に付随する。
世界中では、食道ガンは、ガン死の七番目に多い原因である。イラン、中国北部、インド、及びロシア南部での罹患率は、アメリカ合衆国における罹患率の10〜100倍である。扁平上皮細胞ガンは、世界的にみると全ての食道ガンの95%の原因である。
食道ガンは一般に後期においてしか診断されず、治癒が非常に困難である。このため、本疾患に関連する遺伝子を同定し、これらの遺伝子の発現パターンを変更して、初期から後期段階まで、この疾患の発生及び進行を防止することが望ましい。
3.肝細胞ガン
肝細胞ガンは、5番目に多いガンであり、世界中ではガン死の3番目に多い原因である。このガンは、アメリカ合衆国において、1976〜1980年の1.4/100000から1991〜1995年の2.4/100000へと頻度が増大しつつある。肝ガンは、それが患者に潜在的肝硬変を生じさせるときに、当初診断されないままであることがしばしばである。腹痛などの臨床症状は、しばしば、潜在的疾患の進行を示していると理解される。初期段階において肝ガンを認定することの困難さのために、診断時に切除可能なガンをもつ患者はまれである(肝細胞ガンのわずか10〜20%)。切除可能疾患をもつ患者でさえ、わずか10〜20%の無再発生存率しか示さない一方、切除不能疾患に対して使用可能な治療はほとんどなく、放射線療法と化学療法のいずれも、有効であることは証明されていない。免疫療法などの代替治療はまだ成功していない。
遺伝子治療は、この疾患の治療及び予防の可能性ある代替法を提供する。このため、肝細胞ガンに関連する遺伝子を同定し、これらの遺伝子の発現パターンを変更する方法を開発し、この疾患の発生を防止し又はその進行を遅延させることが望まれる。
4.結腸直腸ガン
結腸直腸ガンは、アメリカ合衆国におけるガン関連死の2番目に多い原因である。2000年には、この疾患は56300の死をもたらした。この疾患は、食事危険因子、特に高カロリー及び動物性脂肪、との関連がある。結腸直腸ガンのための検査プログラムは、大きな限界を示している。簡単な方法、例えば潜血試験は、結腸直腸ガンのある患者の約半分を検出できず、これはガンが間欠的な出血パターンを示すからである。さらに、この試験は2〜4%の偽陽性結果を示す。もっと侵襲的な検査法、例えばS状結腸鏡検査、バリウムかん腸、及び結腸鏡検査は、費用がかかり不快なだけでなく、重大な合併症の危険もある。したがって、結腸大腸ガンのための検査プログラムは不満足なものであり、患者は多くの場合に進行し又は転移性疾患を示し、この時点では5年生存率はわずかに5%しかない。
結腸直腸ガンを治療するための好ましい方法は、外科的なガンの完全な切除である。しかし、この疾患の進行したケースでは、ガン関連症状、例えば消化管出血又は消化管閉塞などの軽減のために主に行われる。直腸ガンにおいて放射線療法が示されているが、結腸のガンの治療には効果がない。5−FUによる化学療法は、進行した結腸大腸ガンの患者にわずかな利益しかもたらさない。
これらの理由により、結腸直腸ガンを予防又は治療する代替法を開発することが望まれている。遺伝子治療は、一つのそのような代替アプローチである。この疾患に関連する遺伝子の同定と、それらの遺伝子の発現パターンを変更するための方法の開発とが、特に、現在の療法からほとんど利益を得られない、進行した疾患をもつ患者において、結腸大腸ガンとたたかうための潜在的に可能性あるアプローチを代表している。
5.肺ガン
肺の原発性ガンは、アメリカ合衆国において毎年200000人近くの人々に発症し、その人たちの80%より多くが診断5年以内に亡くなる。したがって、肺ガンは、男性と女性の両方において、アメリカ合衆国におけるガン死の第一位の原因である。肺ガンは、男性の全てのガン死の31%の割合を占め、女性の場合には25%である。診断時には、わずかに約15%の患者しか厳密な局所ガンをもたない一方、25%は周辺リンパ節への広がりを示し、55%より多くが遠隔転移を有する。局所疾患をもつ患者の5年生存率は50%であり、限局性疾患を有する患者については5年生存率は20%であり、全体ではわずか14%にすぎない。全体での5年生存率は最近30年でほぼ2倍になり、手術、放射線療法、及び化学療法の併用療法の進歩にもかかわらず、肺の原発性ガンは今でも不良な予後をもつ大きな健康問題である。
肺ガン患者は多くの場合に初期腫瘍部位を超えて広がる疾患を示すために、外科的選択肢が多くの場合限定され、化学療法及び放射線療法が唯一の選択肢である。しかし、一般に不良な5年生存率によって示されるように、これらの療法は良くなく、多くの場合に寛容困難である。このため、肺ガンに関連する遺伝子の同定し、これらの遺伝子の発現パターンを変更して、初期から後期段階の本疾患の発症又は進行を防止することが望まれている。
6.胃ガン
アメリカ合衆国における胃腺ガンの症例は、過去60年の間に、男性で100000人当たり5.0人、女性で100000人当たり2.3人にまで減少している。2000年には、21500の胃ガンの新しい症例がアメリカ合衆国で診断され、13000人のアメリカ人がこの疾患で亡くなった。アメリカ合衆国において症例は減少しつつあるが、胃ガンの頻度はその他の地域、特に東アジアで高いままである。初期段階の胃ガンは、全く症状を示さないことが多い。このガンは胃壁から胃周辺組織及び隣接臓器、例えば、膵臓、結腸、又は肝臓、へと伸展によって広がる。原発性ガンは多くの場合転移し、肝臓が転移拡大の最も一般的な部位である。
胃ガン治癒のための唯一の機会は、隣接するリンパ節の切除を伴う、手術によるこのガンの完全な除去である。しかし、患者の三分の一未満しか、そのような治療を受け入れ可能なガンを示さない。このガンの完全な切除をすることができる患者の25〜30%に対する5年生存率は、遠位ガンに対しては約20%であり、近位ガンに対しては10%未満である。このガンは放射線療法に対してかなり抵抗性であり、化学療法は一般に一時的で不完全な応答しかもたらさず、完全な寛解はまれである。
これらの理由のため、胃ガンを予防又は治療するための代替法の開発が望まれる。遺伝子治療は、一つのそのような代替手法である。本疾患に関連する遺伝子の同定と、本疾患の発現パターンを変更するための方法の開発が、胃ガンとたたかうための潜在的に可能性ある手法を代表している。
7.腎細胞ガン
腎細胞ガンは、腎臓ガンの90〜95%を占める。2000年には、アメリカ合衆国で、腎細胞ガンの31200の新症例があり、11900人が亡くなった。初期段階の疾患に対して、5年生存率は60〜65%であり、一方後期段階は20%未満の割合である。初期段階の疾患の標準的治療は、隣接するリンパ節を含めた根治的腎摘出術である。転移性疾患の場合には生存率は非常に低い。化学療法は有望ではなく、IL−2及びアルファ-インターフェロンを用いた療法は、患者の10〜20%において応答をもたらすが、多くでは応答は一時的である。
かなり貧弱な治療オプションのため、本疾患を治療する代替法、例えば遺伝子治療、の開発が望まれている。したがって、腎細胞ガンに関連する遺伝子を同定し、これらの遺伝子の発現パターンを変更して、本疾患の発症又は進行を予防することが望まれている。
8.骨肉腫
骨肉腫は、全ての新規悪性腫瘍のうちのわずかなパーセンテージしか占めていない。1999年にアメリカ合衆国で約2500の新しい症例があった。骨の最も一般的な悪性腫瘍の2つは、骨肉腫とユーイング肉腫である。これらのガンの両方とも、子供と青年で一般的である。骨肉腫の標準的取り扱いは、手術前の化学療法とそれに続く手術のコース、及び手術後の第二の化学療法コースである。放射線療法は骨肉腫を治療するのに有効ではない。ユーイング肉腫は、骨肉腫のより悪性の形態であり、しばしば、肺、骨の他の部位、及び骨髄に転移する。
骨肉腫は多くは治療可能であるが、治療は、上述したとおり、化学療法とそれに続く手術のコースを含む。そのような骨肉腫を予防又は治療する代替法を開発することが望まれている。例えば、骨肉腫に関連する遺伝子の同定と、それにこれに組み合わされた、これらの遺伝子の発現パターンを変更する方法が、本疾患の発症を予防し又はその進行を遅延させる有効な遺伝子治療をもたらしうる。
9.前立腺ガン
前立腺のガンは、男性において、かつアメリカ合衆国において、最も一般的なタイプのガンであり、ガン死の2番目に多い原因である。2000年には、180400人が診断され、31900人の男性が前立腺ガンで亡くなった。治療法は、本疾患の状態に基づいて変わる。治療法には、前立腺摘除術、放射線療法、及びホルモン療法が含まれる。手術による治療は、失禁又はインポテンスを含めた副作用の危険を伴う。
これらの厄介な問題を考慮すると、前立腺ガンを予防し又は治療する代替法の開発が望まれている。例えば、前立腺ガンに関連する遺伝子が同定され、これらの遺伝子の発現パターンを変えるための方法が利用可能であれば、前立腺ガンを予防又は治療するために遺伝子治療が用いられうる。
10.乳ガン
乳ガンは、乳房の乳管又は乳腺小葉を内張している上皮細胞の悪性増殖である。アメリカ合衆国において1年当たり、約180000症例の浸潤性乳ガンがあり、この疾患による40000の死亡がある。皮膚ガンを例外として、乳ガンの悪性度は、女性におけるガンの最も一般的な原因であり、全てのガンの約三分の一を占める。乳ガンは遺伝的要素を有する可能性がある。治療の選択肢には、放射線照射を伴うか又は伴わない、腫瘍摘除術又は根治的乳房切除術が含まれる。補助の化学療法又はホルモン療法計画も、多くの場合に用いられる。
乳ガンの有病率、及び手術治療に含まれる望ましくない側面によって、乳ガンを治療する代替法、例えば遺伝子治療、の開発が望まれている。乳ガンに関連する遺伝子が同定され、その遺伝子の発現パターンを変えるための方法が開発された場合は、それは本疾患の発症又は進行とたたかうための有望な方法となる。
11.子宮頸ガン
1年当たり、浸潤性子宮頸ガンの約13000の新しい症例があり、1年当たり50000例より多い上皮内癌の症例がある。2000年には、本疾患による約4600の死亡があった。世界中では、子宮頸ガンは、発展途上国における主要な婦人科ガンである。治療の選択肢には、本疾患の段階に応じて、根治的子宮摘出術、放射線療法、及びプラチナ系化学療法が含まれる。
本疾患の有病率のため、特に発展途上国においては、遺伝子治療の開発が望まれており、遺伝子治療においては、本疾患の発症又は進行を遅延させるために、子宮頸ガンの発症又は進行に関連する遺伝子の発現が修正される。
12.脳腫瘍
脳の腫瘍は、アメリカ合衆国において毎年、1年当たり約18000人に発症し、およそ13300人の死亡の原因となっている。脳の腫瘍のなかでは、神経膠腫(グリオーマ)が最も一般的である。体内の別の原発性腫瘍部位から脳への転移も非常に一般的である。脳腫瘍は多くの場合、局所神経障害、発作、又は非局所神経学的問題、例えば頭痛もしくは人格変化を示す。脳腫瘍の治療には、手術による切除、可能であれば、化学療法、又は放射線療法、が含まれる。
そのような治療の選択肢のマイナスの面によって、これらの腫瘍の、より侵襲的でない治療方法を開発することが望まれている。例えば、脳腫瘍の発症又は進行に関連する遺伝子の発現パターンを変えて、そのような腫瘍の発症又は進行を遅延させる方法を開発することが望まれている。
13.p−53関連腫瘍
p−53タンパク質は、「ガン抑制」遺伝子について最も良く知られているものである。これらはそれの不活性化がガンの発症の原因となる遺伝子である。端的に言えば、p53は、損傷を受けたDNAをもつ細胞を捕まえるためのチェックポイントとしての役目を果たす。損傷を受けたDNAは、通常は不安定である完全機能性p53を安定化する。p53の細胞内濃度の結果としての増加が、サイクリンキナーゼ阻害剤p21CIPの産生を刺激し、これが次に細胞周期を通じて進行を調節するCdk−サイクリン複合体に結合し且つ阻害する。結果として、機能性p53と損傷を受けたDNAとを有する細胞は、G1又はG2段階で止められる。
p53タンパク質はまた、DNAの損傷が大きすぎない場合には、アポトーシスメカニズムを誘導することができる。機能性天然型p53ではないが、変異型p53が、DAXX、すなわちストレス誘導性キナーゼ経路を活性化するFas結合性タンパク質と相互作用することが示されている(Ohiro et al., Mol. Cell. Biol. 23(1): 322-334 (2003))。この相互作用は、分裂促進因子で活性化されたタンパクキナーゼキナーゼ5(MAPKK5)としても知られているアポトーシスシグナル調節性キナーゼ1のDAXX依存性活性化を阻害する。変異型p53が、DAXX依存性増殖阻害から細胞を救出したことが示されている。
変異型p53は、多くの人のガン、例えば、乳ガン、結腸ガン、頭部及び頸のガン、肝細胞ガン、肺ガン、及び甲状腺ガンに関係している。例えば、下流エフェクタータンパク質を同定し、その遺伝子発現パターンを変えて、損傷を受けた細胞を非増殖又はアポトーシスへと進めることによって、変異タンパクの下流での効果を軽減するための方法を開発することが望まれている。
米国特許第5352442号明細書 米国特許第5462946号明細書 Floyd RA, Carcinogenesis 11: 1447-1450, 1990 Karbownik et al., Proc Soc Exp Biol Med. 2000 Oct; 225 (1): 9-22 Ohiro et al., Mol. Cell. Biol. 23(1): 322-334 (2003) LePabic et al., Hepatology 37: 1056-66 (2003) Gupta et al., Nature Med. 10: 245-47 (2004) Ogawa et al., British J. Cancer (2004) 91: 282-286 Yan et al., Biol. Chem. 384: 845-54 (2003) Ohiro et al., Mol. Cell. Biol. 23(1): 322-334 (2003) Reszka et al., International Journal of Occupational Medicine and Enviromental Health 14:2 (2001) 99-113 Mohr et al., Anti-Cancer Research 23 (2003) 2111-2124 Attardi et al., Genes and Development 14 (2000) 704-718 Ihrie et al., Current Biology 13 (2003) 1985-1990 Wu et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 311 (2003) 518-524 Kurokawa et al., British Journal of Cancer 89 (2003) 1042-1047 Huang et al., Journal of Biomedical Science 12 (2005) 229-241 Lidgren et al., Clinical Cancer Research 11 (2005) 1129-1135 Djavaheri-Mergny et al., FEBS Letters 578 (2004) 111-115 Venkataraman et al., Free Radical Research 38 (10) (2004) 1119-1132 Wang et al., International Journal of Oncology 26 (2005) 1291-1300 Tsanou et al., Histology and Histopathology 19 (2004) 807-813 Horimoto et al., Clinical Cancer Research 10 (2004) 6203-6207 Hastuerk et al., Cancer 94 (4) (2002) 1023-1031 Yoshimoto et al., Oncology Reports 12 (2005) 1049-1057 Sales et al., Cancer Research 61 (2002) 424-432 Hiratsuka et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 309 (2003) 558-566
様々なガンを予防し、治療するのに有用である医薬組成物を提供する。
本組成物は、医薬として許容可能は担体と、ガンに関連する1以上の遺伝子の発現パターンを変更する、治療又は予防に有効な量の薬剤とを含む。ガン関連タンパク質の分子内レベルを変えるために、前記医薬組成物を使用する方法も提供する。好ましい態様では、前記薬剤はニトロキシド抗酸化剤、例えば、テンポル(Tempol)(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル)であり、前記ガンは、食道ガン、肝細胞ガン、結腸ガン、前立腺ガン、肺ガン、胃ガン、腎細胞ガン、骨ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳腫瘍、又はガン抑制遺伝子p53に関連するガン、である。
〔好ましい態様の詳細な説明〕
上述したように、様々なガンを治療及び予防するのに有用な組成物及び方法を開示する。好ましい態様では、ガンに関連する遺伝子の発現を変えるために用いる薬剤は、ニトロキシド抗酸化剤である。Tempolは、抗酸化特性を有する、化学式4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルによって特徴づけられる安定なニトロキシドラジカルである。本出願人は、Tempolが、特定のガン(以下の表1を参照されたい)の発症又は進行に関連するタンパク質をコードする遺伝子の発現を変える新規な特性をも有することを発見した。従来の治療法は、一般に、これらのガン関連遺伝子の発現パターンを変えることに焦点を当てていない。
Tempolは、したがって、そのような疾患における新規かつユニークな二面性を示す。すなわち、それがフリーラジカルを除去することによって酸化的ストレスを直接除去するだけでなく、ガン関連遺伝子の発現を変えることによって、それはいくつかの関連タンパク質の上流源に影響をも及ぼす。
その他のニトロキシド化合物の使用もまた意図している。特定の態様によれば、ニトロキシド化合物は下記式から選択しうる。
Figure 2008528701
(式中、Xは、O・及びOHから選択され、Rは、COOH、CONH、CN、及びCHNHから選択される。)
Figure 2008528701
(式中、Xは、O・及びOHから選択され、Rは、CH及びスピロシクロヘキシルから選択され、RはC及びスピロシクロヘキシルから選択される。)
Figure 2008528701
(式中、XはO・及びOHから選択され、RはCONHから選択される。)
Figure 2008528701
(式中、XはO・及びOHから選択され、Rは、H、OH、及びNHから選択される。)
適切なニトロキシド化合物はまた、Proctorの米国特許第5352442号明細書、及びMitchellらの米国特許第5462946号明細書にあり、これら両者を参照によりその全体を本願に援用する。
ニトロキシド化合物の限定されないリストには以下が含まれる:
2-エチル-2,5,5-トリメチル-3-オキサゾリジン-1-オキシル(OXANO)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPOL)、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(Tempamine)、3-アミノメチル-PROXYL、3-シアノ-PROXYL、3-カルバモイル-PROXYL、3-カルボキシ-PROXYL、及び4-オキソ-TEMPO。
TEMPOはまた、典型的には4位で置換されていてもよく、例えば、4-アミノ、4-(2-ブロモアセトアミド)、4-(エトキシフルオロホスホニルオキシ)、4-ヒドロキシ、4-(2-ヨードアセトアミド)、4-イソチオシアネート、4-マレイミド、4-(4-ニトロベンジルオキシル)、4-ホスホノオキシ、などである。
〔試験法〕
遺伝子発現に対するTempolの効果を評価するために、Tempolを生後14ヶ月〜31ヶ月まで食餌1g当たり5mgの用量で試験マウスに投与した。Tempolの添加無しの同じ食餌を与えたマウスをネガティブコントロールとして用いた。31ヶ月の年齢のとき、この試験動物を犠牲にし、心臓を手術で取り出した。心臓組織中の遺伝子の幅広いスペクトルの発現を、チップベースのマイクロアレイ技術を用いて評価した。そのようなチップは当技術分野では周知であり、遺伝子発現を評価するために広く用いられている。試験結果は、様々なガンに関連する遺伝子が、発現の変化をみせたことを示した。これらの遺伝子を表1に示す。
Figure 2008528701
さらなる遺伝子発現研究において、Tempolを、食餌1kg当たり5gの用量で、試験用マウスに12ヶ月〜15ヶ月まで投与した。Tempolの添加なしで同じ食餌を与えたマウスをネガティブコントロールとして用いた。15ヶ月の年齢で、試験用マウスの脂肪組織をとった。脂肪組織中の広範囲のスペクトルでの遺伝子の発現を、チップベースのマイクロアレイ技術を用いて評価した。特にこの場合、12960遺伝子を含むAffymetrix MOE430A2.0アレイを用いた。そのようなチップは当技術分野で周知であり、遺伝子発現を評価するために広く用いられている。脂肪組織についての試験結果は、様々なガンに関連する遺伝子が顕著に変化した発現を示したことを明らかにしている。これらの遺伝子を表2に示す。
Figure 2008528701
表1及び2に記載した遺伝子及び関連するガンについての短いまとめを以下に提供する。
[改変された発現を示す遺伝子と関連するガン]
1.メルトリン−アルファ(ADAM12)
ディスインテグリンのADAMファミリーとメタロプロテイナーゼ含有糖タンパク質は、クラスIIIのヘビ毒メタロプロテイナーゼディスインテグリンと高い相同性があり、精子−卵子相互作用、筋細胞融合、神経発生、及び脂肪生成を含め、様々な細胞プロセスに関与することが発見されている。メタロプロテイナーゼが細胞外マトリクスの悪性表現型の分解と細胞逃避を促進することが知られているので、最近の研究では、肝硬変、肝細胞ガン、結腸直腸転移性疾患、結節性再生、現存病変のある肝臓ドナー、及びその他の肝転移性疾患を含めた様々な臨床的障害をもつ35人の患者からの肝臓組織中のADAM12が調べられた(LePabic et al., Hepatology 37: 1056-66 (2003))。ADAM12mRNAレベルは、正常な肝臓と良性腫瘍の両方においてはほとんど検出不能だったが、マトリクスメタロプロテイナーゼ2発現と活性の増加と合わせて、肝細胞ガンでは3〜6倍に増加し、転移性結腸ガンのある患者の肝臓中では40〜60倍に増加した。この研究は、肝臓ガンにおける増加したADAM12発現が、腫瘍の侵攻と進行に関係があると結論づけた。
表1に示すように、試験用マウスの心臓組織中のADAM12の発現は、Tempolで処置した動物で2.3倍低下した。
2.ペルオキシソーム増殖因子−活性化受容体−δ
ペルオキシソーム増殖因子−活性化受容体−δ(PPAR−δ)は、PPARタンパク質の1種であり、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属するリガンド活性化転写制御因子であり、PPAR−δ/βは、胚着床と胚発生、上皮の成熟及び傷の治癒、脂肪酸代謝の調節、アテローム発生性炎症応答の抑制、並びにおそらくは、PPAR−δ遺伝子が過剰発現している結腸直腸ガン、に関与する。最近の研究では、腸ポリポーシスにかかりやすいAPCminマウスを、合成したPPAR−δ選択的アゴニストで処理し、腸ポリープの数及び大きさの顕著な増大をもたらしている(Gupta et al., Nature Med. 10: 245-47 (2004))。大きさが2mmより大きな病変が、PPAR−δ活性化因子を与えた動物で5倍増大したことは、腸アデノーマの増殖の調節にこの薬剤を関連づけるものである。
表1に示したように、試験用マウスの心臓組織中でのPPAR−δの発現は、Tempolで処置した動物で2.3倍低下した。
3.伸長因子−1−δ
伸長因子(Elongation factor)−1δ(EF−1−δ)は、EF−1のサブユニットであり、発ガン性形質転換の伸長段階に関与するタンパク質複合体であり、最近では発ガン性形質転換に関連すると考えられている。治療上の食道切除術を受けた52人の食道ガン患者(扁平上皮ガン及び腺ガンの両方を含む)からのガン組織及び非ガン組織の最近の研究は、EF−1−δがガン組織中で顕著に過剰発現しており、過剰発現はリンパ節転移と進行病期の両方に関連していることを発見した(Ogawa et al., British J. Cancer (2004) 91: 282-286)。さらに、より高いEF−1−δ発現のある患者の原因別生存率は、より低い発現しかない患者よりも著しく低い(5年生存率:23%対54%、p<0.05)。
表1に示したように、試験用マウスの心臓組織中のEF−1−δの発現は、Tempolで処置した動物で5.9倍低下した。
4.カテプシンB
カテプシンBは、リソソーム中に局在するパパインファミリーのシステインプロテアーゼであって、リソソームでタンパク質の代謝回転及び正常な細胞代謝の維持に関与している。カテプシンBをコードする遺伝子の増大した発現は、この酵素のレベルの対応する増加をもたらし、いくつかのガン、例えば、脳腫瘍、結腸直腸ガン、肺ガン、及び前立腺ガンで、観察される(Yan et al., Biol. Chem. 384: 845-54 (2003))。したがって、カテプシンBの下方制御は、これらのガンの予防及び治療に有用である。
表1に示すように、試験用マウスの心臓中のカテプシンBの発現は、Tempolで処置した動物で2.8倍低下した。
5.分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ5 (MAPKK5)
上述したように、MAPKK5は、核タンパク質DAXXと相互作用しうる。この相互作用は、JNKカスケードなどのアポトーシス経路を活性化する(Ohiro et al., Mol. Cell. Biol. 23(1): 322-334 (2003))。変異型p53自体、DAXXと相互作用し、MAPKK5の活性化を阻害するので、MAPKK5の細胞内濃度を高めて、変異型p53とのDAXX相互作用よりもMAPKK5とのDAXX相互作用を促進することが、下流のアポトーシスカスケードの活性化を促進し且つ変異型p53をもつガン細胞の破壊の起こりやすさを高めることが予想される。
表2に示したように、試験用マウスの心臓組織中のMAPKK5の発現は、Tempolで処置した動物中で2.2倍に増大した。
6.グルタチオンS−トランスフェラーゼM3(GSTM3)
グルタチオンS−トランスフェラーゼは、潜在的に遺伝毒性のある求電子性化合物の無害化に関与する二量体酵素の大きなグループである。GSTは、還元されたグルタチオンと潜在的遺伝毒性物質、特にたばこの煙からのものとの共役を触媒するフェーズII代謝酵素である。最近の研究は、肺のGSTM3酵素が不十分である遺伝子型をもつ人では肺ガンの危険性が高いことが示されている(Reszka et al., International Journal of Occupational Medicine and Enviromental Health 14:2 (2001) 99-113; Mohr et al., Anti-Cancer Research 23 (2003) 2111-2124)。したがって、GSTM3の上方制御は、肺ガンの発生を治療又は予防するのに有用でありうる。
表2に示したように、GSTM3の発現は、Tempolで処置した動物の脂肪組織中で7.52倍増加した。
7.PMP−22に関連するp53関連アポトーシスエフェクター(PERP)
PERPは、p53依存様式で、G抑制細胞と比較した場合に、アポトーシス細胞中で高いレベルで発現される(Attardi et al., Genes and Development 14 (2000) 704-718)。PERPは、直接のp53の標的であり、その過剰発現は線維芽細胞の細胞死を誘導するのに十分であり、それがp53アポトーシス機能の重要な構成要素であることを示している。最近の研究は、特定のタイプの細胞のp53媒介細胞死におけるPERPの関与を示しており、そのことが、PERPがp53細胞死経路において細胞タイプに特異的な役割を有するとの結論に著者らを導いている(Ihrie et al., Current Biology 13 (2003) 1985-1990)。したがって、ガン細胞中のPERPタンパク質の細胞内レベルの増加が、このタンパク質を過剰発現しているガン細胞のアポトーシスの増加をもたらすと予想される。
表2に示すように、試験用マウスの脂肪組織中のPERPの発現は、Tempolで処置した動物において1.66倍増大した。
8.脳タンパク質I3(BRI3)
BRI3は、TNF誘導細胞死に関与することが示されている、リソソームに局在化された脳特異的タイプII膜タンパク質である(Wu et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 311 (2003) 518-524)。さらに、TNFは、感受性ガン細胞株のアポトーシスを仲立ちすることが知られている。したがって、BRI3発現の増大は、TNFがアポトーシスの仲介に役割を演じるガンの治療に有用でありうる。
表2に示したように、試験用動物の脂肪組織におけるBRI3の発現は、Tempolで処置した動物で1.18倍増加した。
9.低酸素症(hypoxia)誘起因子1、アルファサブユニット(HIF1A)
HIF1は、低下した酸素圧又は低酸素状態に対する細胞応答を仲介する、α及びβサブユニットから構成されるヘテロダイマーである。HIF1がガン進行に寄与することを示す強力な証拠がある。HIF1は、血管内皮増殖因子などの血管新生を刺激し、かつ、グルコース輸送担体及び糖分解酵素などの低酸素症への代謝的適用を促進する、遺伝子産物の発現を制御する。マウスの異種移植モデルにおいて、ガン増殖と血管新生は、HIF1活性の喪失によって阻害され、HIF1Aの過剰発現によって刺激されることが示されている。HIF1Aは、その他のガンのなかでも食道ガン(Kurokawa et al., British Journal of Cancer 89 (2003) 1042-1047)、胃ガン(Huang et al., Journal of Biomedical Science 12 (2005) 229-241)、及び腎細胞ガン(Lidgren et al., Clinical Cancer Research 11 (2005) 1129-1135)で過剰発現されることが示されている。HIF1Aの発現のレベルは、ガンの悪性度、血管新生、及び死亡率に関連することが示されている。したがって、HIF1Aの下方制御は、様々なタイプのガンの予防又は進行の遅延に有用でありうる。
表2に示したように、試験用マウスの脂肪組織中のHIF1アルファの発現は、Tempolで処置した動物で1.23倍低下した。
10.スーパーオキシドジスムターゼ2(SOD2)
SOD2は、過酸化水素及び2原子酸素へのスーパーオキシドの不均化又は変換に関与する酵素に対して符号体系づけされた、イオン/マンガンスーパーオキシドジスムターゼファミリーのメンバーである。最近の研究は、ユーイング肉腫細胞におけるスーパーオキシドジスムターゼの過剰発現が、TNF−アルファ−誘起アポトーシスから細胞を保護し(Djavaheri-Mergny et al., FEBS Letters 578 (2004) 111-115)、スーパーオキシドジスムターゼの過剰発現が、低体温損傷に曝された前立腺ガン細胞の生存を促進でき(Venkataraman et al., Free Radical Research 38 (10) (2004) 1119-1132)、スーパーオキシドジスムターゼを過剰発現している骨肉種細胞株が、一般的な化学療法剤であるアドリアマイシンに対する抵抗性を獲得したこと(Wang et al., International Journal of Oncology 26 (2005) 1291-1300)を示している。さらに、スーパーオキシドジスムターゼの発現が、浸潤性乳ガンの腫瘍悪性度との直接の関係を増大させることが免疫組織学的研究で示されている(Tsanou et al., Histology and Histopathology 19 (2004) 807-813)。スーパーオキシドジスムターゼが、アポトーシス傷害に対してガン細胞を保護することに関与しているので、スーパーオキシドジスムターゼの発現の低下は、標的を定めた治療的アポトーシス傷害の結果としてアポトーシスに入るガン細胞の割合の増大へと導くことが予想される。
表2に示したように、試験用マウスの脂肪組織中のスーパーオキシドジスムターゼ2の発現は、Tempolで処置した動物において1.33倍低下した。
11.脱共役タンパク質2(UCP2)
UCP2は、最近同定された、ミトコンドリア内膜のアニオン担体であって、反応性酸素種の生成の負の調節因子であることが示されている。そのようなタンパク質は、熱として発散されるエネルギーを伴うATP合成から、酸化的リン酸化を分離する。最近の研究は、UCP2の増大した発現が、ガン細胞における酸化的ストレスに起因する適応機構の一つであるという仮説に対する証拠を提供した。この研究では、UCP2発現が、腫瘍の変化の程度に関連する形で、ヒトの結腸ガンにおいて増大したことが示された(Horimoto et al., Clinical Cancer Research 10 (2004) 6203-6207)。UCP2の上方制御は、反応性酸素種に対して防御するための、ガン細胞によって採用される適応機構であるので、ガン細胞中でのUCP2の下方制御は、そのガン細胞に高いレベルの酸化的ストレスを受けさせることによる有利な効果を有することが予期される。
表2に示したように、試験用マウスの脂肪組織中の脱共役タンパク質2の発現は、Tempolで処置した動物において1.61倍低下した。
12.シクロオキシゲナーゼ1(COX−1)
シクロオキシゲナーゼ1(COX−1)(プロスタグランジンエンドパーオキシドシンターゼ1としても知られる)は、プロスタグランジン合成に関与する酵素のファミリーの一員である。COX−1の増大した発現は、非小細胞肺ガンにおいて実証されており(Hastuerk et al., Cancer 94 (4) (2002) 1023-1031; Yoshimoto et al., Oncology Reports 12 (2005) 1049-1057)、COX−1の上方制御も子宮頸ガンにおいて報告されている(Sales et al., Cancer Research 61 (2002) 424-432)。COX−1の高められたレベルは、血管新生に関連する様々な成長因子の高められた発現をもつ子宮頸ガンと関連することが示されている。したがって、ガン細胞におけるCOX−1の発現レベルの低下は、ガンの進行について、有益な効果を有することが予期される。
表2に示したように、試験用マウスの脂肪組織中のCOX−1の発現は、Tempolで処置した動物において1.18倍低下した。
13.サーチュイン2(SIRT2)
サーチュイン2は、神経膠腫において下方制御されてることが観察されている細胞骨格関連タンパク質である(Hiratsuka et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 309 (2003) 558-566)。SIRT2は、グリオーマ細胞においてガン抑制因子として作用しうるという仮説がある。したがって、グリオーマ細胞中のSIRT2タンパクのレベルの増加は、そのような腫瘍の進行に対し、有益な効果を有することが予期される。
表2に示したように、試験用マウスの脂肪組織中のSIRT2の発現は、Tempolで処置した動物において1.16倍増大した。
〔好ましい態様:ガン予防及び治療プロトコル〕
上述したように、Tempolは特定のガンに関連する遺伝子の発現を変える効果を有する。これらの遺伝子の発現が変えられるので、Tempolの投与は、関連するガンの発症又は進行に結びつけられる遺伝子産物の濃度を変えることによる有利な効果を有する。したがって、本発明の好ましい態様では、Tempolが、ガンの発症を予防するために、遺伝子に関連するガンの症状を全く示していない哺乳動物ホスト、例えばヒト、に投与される。特に好ましい患者は、ガンの素因があるか又はリスクがある患者であり、例えば、ガンの家族履歴がある患者又はガンに関連する遺伝子マーカーもしくは血清マーカーのある患者である。あるいは、Tempolは、ガンの症状又はガンの開始もしくは進行の他の証拠を示しているヒトに、そのガンの進行を遅延又は阻止するために投与されうる。この目的のためには、Tempol、その非毒性塩類、その酸付加塩類、又はその水和物が、通常は経口又は非経口投与によって、全身的に又は局所的に投与されうる。
投与される用量は、例えば、年齢、体重、症状、所望する治療効果、投与経路、及び治療の期間に応じて決定される。ヒトの成人では、一回に一人当たりの用量は、一般に経口投与によって、約0.01〜約1000mgであり、一日当たり数回以下である。経口投与で意図される特定量の具体例には、約0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.10, 0.15, 0.20, 0.25, 0.30, 0.35, 0.40, 0.45, 0.50, 0.55, 0.60, 0.65, 0.70, 0.75, 0.80, 0.85, 0.90, 0.95, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100, 105, 110, 115, 120, 125, 130, 135, 140, 145, 150, 155, 160, 165, 170, 175, 180, 185, 190, 195, 200, 205, 210, 215, 220, 225, 230, 235, 240, 245, 250, 255, 260, 265, 270, 275, 280, 285, 290, 295, 300, 305, 310, 315, 320, 325, 330, 335, 340, 345, 350, 355, 360, 365, 370, 375, 380, 385, 390, 395, 400, 405, 410, 415, 420, 425, 430, 435, 440
, 445, 450, 455, 460, 465, 470, 475, 480, 485, 490, 495, 500, 505, 510, 515, 520, 525, 530, 535, 540, 545, 550, 555, 560, 565, 570, 575, 580, 585, 590, 595, 600, 605, 610, 615, 620, 625, 630, 635, 640, 645, 650, 655, 660, 665, 670, 675, 680, 685, 690, 695, 700, 705, 710, 715, 720, 725, 730, 735, 740, 745, 750, 755, 760, 765, 770, 775, 780, 785, 790, 795, 800, 805, 810, 820, 825, 830, 835, 840, 845, 850, 855, 860, 865, 870, 875, 880, 885, 890, 895, 900, 905, 910, 915, 920, 925, 930, 935, 940, 945, 950, 955, 960, 965, 970, 975, 980, 985, 990, 995, 1000 又はそれより多いmg量が含まれる。一回当たり一人当たりの用量は、一般に非経口投与(好ましくは静脈内投与)により約0.01〜約300mg/kgであり、一日あたり1〜4又はそれより多い回数である。意図される特定量の具体例には、約0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.10, 0.15, 0.2, 0.25, 0.30, 0.35, 0.40, 0.45, 0.50, 0.55, 0.60, 0.65, 0.70, 0.75, 0.80, 0.85, 0.90, 0.95, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95, 100, 105, 110, 115, 120, 125, 130, 135, 140, 145, 150, 155, 160, 165, 170, 175, 180, 185, 190, 195, 2
00, 205, 210, 215, 220, 225, 230, 235, 240, 245, 250, 255, 260, 265, 270, 275, 280, 285, 290, 295, 300またはそれより多いmg/kgが含まれる。連続的静脈内投与も、約0.01mg/L〜約100mg/Lの標的濃度を達成するために、一日当たり1〜24時間意図される。この経路を介して意図される特定量の具体例には、約0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.10, 0.15, 0.20, 0.25, 0.30, 0.35, 0.40, 0.45, 0.50, 0.55, 0.60, 0.65, 0.70, 0.75, 0.80, 0.853, 0.90, 0.95, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13.5, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100 又はそれより多いmg/L量が含まれる。しかし、用いる用量は、様々な条件に左右され、上で特定した範囲よりも少ないか又は多い容量が使用される場合もあり得る。
Tempolは、例えば、経口投与のための固形製剤、液体製剤、又はその他の製剤、非経口投与のための注入剤、塗布薬、又は座剤などの形態で投与されうる。
経口投与のための固体製剤には、圧縮錠、丸薬、カプセル、散剤、及び顆粒が含まれる。カプセルには、ハードカプセル及びソフトカプセルが含まれる。そのような固体組成物中に、Tempelは賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶性セルロース、澱粉)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はマグネシウムメタシリケートアルミネート)、崩壊剤(例えば、セルロースカルシウムグリコレート)、潤滑剤(例えば、マグネシウムステアレート)、安定化剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸又はアスパラギン酸)、又はその他のもの、と混合されうる。所望に応じて、薬剤はコーティング剤(例えば、糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)で被覆されているか、又は2つ以上のフィルムで被覆されていてもよい。さらに、被覆には、ゼラチンなどの吸収性物質のカプセル内へ閉じ込めることも含む。
経口投与のための液体製剤には、医薬として許容可能な溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、及びエリキシル剤が含まれる。そのような製剤中に、Tempolは、一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノール、又はそれらの混合物)中に溶解され、懸濁され、又は乳化される。さらに、そのような液体組成物はまた、湿潤剤もしくは懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、着香料、保存料、緩衝剤、その他を含んでもよい。
非経口投与のための注入剤には、溶液、懸濁液、エマルション、及び溶解又は懸濁される固体、が含まれる。注入剤中において、Tempolは、溶媒中に溶解され、懸濁され、及び乳化されることができる。溶媒は、例えば、注入のための蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールなどのアルコール、又はそれらの混合物である。さらに注入剤はまた、安定化剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、又はPOLYSORBATE 80(登録商標))、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存料などを含んでもよい。それらは最終工程で滅菌され、又は無菌法によって調製される。それらは、滅菌固体製剤の形態(例えば、凍結乾燥製剤)で製造されてもよく、それらは、注入のための滅菌蒸溜水又はその他の溶媒に、使用直前に溶解し、又は滅菌してもよい。
非経口投与のためのその他の製剤には、Tempolを含有する、外用液体、及び軟膏、塗布剤、吸入剤、スプレー剤、直腸投与用座剤、及び膣投与用ペッサリーが含まれ、当分野で公知の方法によって投与される。
スプレー製剤は、希釈剤以外の追加の物質を含むことができる。例えば、安定化剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム)、等張緩衝液(例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はクエン酸)である。そのようなスプレー剤の調製については、例えば、米国特許第2868691号明細書又は同3095355号明細書に記載された方法を用いることができる。手短に言えば、本医薬の有効な分配のために有用な小さなエアロゾル粒子径は、噴射剤組成物中に分散された微粒子形態の薬剤を含む自己噴射性組成物を用いることによって得られる。微細に分割された薬物粒子の有効な分散液は、微細化された薬物粒子上のコーティングとして存在する、ごく少量の懸濁化剤の使用で達成されうる。エアロゾル容器からスプレーされた後、エアロゾル粒子から噴射剤が蒸発して、懸濁化剤の薄い膜でコーティングされた細かく分割された薬物粒子が残る。微細化された形態では、平均粒径は約5ミクロン未満である。噴射剤組成物は、懸濁化剤として、オレイルアルコールなどの脂肪アルコールを用いることができる。懸濁化剤の最小量は、全組成物の約0.1〜0.2重量%である。懸濁化剤の量は、10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の上限の粒子径限度を維持するために、全組成物の約4重量%未満であることが好ましい。用いることができる噴射剤には、ハイドロフルオロアルカン噴射剤及びクロルフルオロカーボン噴射剤が含まれる。乾燥粉末吸入剤も用いることができる。
〔実施例1〕
ガンと診断された70kgの患者に、一日当たり1500mg用量のTempolを180日間投与する。これは単一用量で投与してもよく、あるいは24時間にわたり多数の少ない用量として、投与してもよい。例えば、8時間間隔で3回の500mg用量である。処置に続いて、ガン組織中の伸長因子−1デルタ、ADAM12、カテプシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−δ、低酸素症誘起因子アルファサブユニット、スーパオキシドジスムターゼ2、脱共役タンパク質2、及びシクロオキシゲナーゼ1のタンパク質レベルが低下し、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ5、グルタチオンS−トランスフェラーゼM3、PERP、サーチュイン2、及び脳タンパク質I3が増加した。
〔実施例2〕
ガンについての家族危険因子をもつが、そのいかなる症状も示していない70kgの患者に、一日当たり1500mgの用量を180日間投与した。これは単一用量で投与してもよく、あるいは24時間にわたり多数の少ない用量として、投与してもよい。例えば、8時間間隔で3回の500mg用量である。処置に続いて、ガン組織中の伸長因子−1デルタ、ADAM12、カテプシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−δ、低酸素症誘起因子アルファサブユニット、スーパオキシドジスムターゼ2、脱共役タンパク質2、及びシクロオキシゲナーゼ1のタンパク質レベルが低下し、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ5、グルタチオンS−トランスフェラーゼM3、PERP、サーチュイン2、及び脳タンパク質I3が増加した。

Claims (32)

  1. ガンに関連する1つ以上のタンパク質の分子内レベルを変える方法であって、以下の:
    ガンに関連するタンパク質のレベルを変える必要のある個体を特定するステップ;及び
    その個体に、有効量のニトロキシド抗酸化剤を投与するステップ、
    を含む方法。
  2. 前記ニトロキシド抗酸化剤が、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガンに関連するタンパク質のレベルが低下される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ガンに関連するタンパク質が、伸長因子−1デルタ、ADAM12、カテプシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−δ、低酸素症誘起因子アルファサブユニット、スーパーオキシドジスムターゼ2、脱共役タンパク質2、及びシクロオキシゲナーゼ1からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ガンに関連するタンパク質のレベルが増大される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ガンに関連するタンパク質が、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ5、グルタチオンS-トランスフェラーゼM3、PERP、サーチュイン2、及び脳タンパク質I3からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ガンが、食道ガン、肝細胞ガン、結腸直腸ガン、前立腺ガン、肺ガン、胃ガン、腎細胞ガン、骨ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳腫瘍、及びガン抑制遺伝子p53に関連するガンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が0.01〜300mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  9. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が0.1〜250mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  10. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が1〜200mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  11. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が2〜150mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  12. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が5〜125mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  13. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が7〜100mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  14. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が10〜75mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  15. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が15〜30mg/kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  16. タンパク質に関連するガンの進行を抑制する方法であって、以下の:
    タンパク質関連ガンに罹患しているか又はタンパク質関連ガンのリスクのある個体を特定するステップ;及び
    その個体に、タンパク質に関連する前記ガンに関連する遺伝子の発現を変えるために有効な量のニトロキシド抗酸化剤を投与するステップ、
    を含む方法。
  17. 前記遺伝子の発現が低減される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記遺伝子が、伸長因子−1デルタ、ADAM12、カテプシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−δ、低酸素症誘起因子アルファサブユニット、スーパーオキシドジスムターゼ2、脱共役タンパク質2、及びシクロオキシゲナーゼ1からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記遺伝子の発現が増大される、請求項16に記載の方法。
  20. 前記遺伝子が、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ5、グルタチオンS-トランスフェラーゼM3、PERP、サーチュイン2、及び脳タンパク質I3からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. タンパク質に関連する前記ガンが、食道ガン、肝細胞ガン、結腸直腸ガン、前立腺ガン、肺ガン、胃ガン、腎細胞ガン、骨ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳腫瘍、及びガン抑制遺伝子p53に関連するガンからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  22. 前記ニトロキシド抗酸化剤が、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項16に記載の方法。
  23. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が0.01〜300mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  24. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が0.1〜250mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  25. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が1〜200mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  26. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が2〜150mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  27. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が5〜125mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  28. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が7〜100mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  29. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が10〜75mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  30. ニトロキシド抗酸化剤の有効量が15〜30mg/kgの範囲である、請求項16に記載の方法。
  31. ガンに関連する1つ以上のタンパク質の分子内レベルを変えるための医薬の調製における、ニトロキシド抗酸化剤の使用。
  32. タンパク質に関連するガンの進行を抑制するための医薬の調製における、ニトロキシド抗酸化剤の使用。
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