JP2008528667A - 化合物 - Google Patents

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Abstract

式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有し、したがって2型糖尿病のような増加したグリコーゲンホスホリラーゼ活性に関連する疾病状態の処置において有用である。この化合物及びそれを含む医薬組成物の製造方法も記載される。

Description

本発明は、インダンアミド誘導体、その薬学的に許容しうる塩、及びその生体内で加水分解可能なエステルに関する。これらの複素環式アミドは、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有し、したがって、増加したグリコーゲンホスホリラーゼ活性に関連する病状の処置における有用性を有し、而してヒトのような温血動物の処置法において潜在的に有用である。本発明は、また、該複素環式アミド誘導体を製造する方法、これらを含む医薬組成物、及びヒトのような温血動物においてグリコーゲンホスホリラーゼ活性を抑制する薬剤の製造におけるそれらの使用にも関する。
肝臓は、吸収後状態において血糖を調節する主たる臓器である。更に、食後の血糖値に対する寄与においてはより小さな役割を有しているが、血漿グルコースの外因源に対する肝臓の応答は、正常血糖を維持する能力に対する鍵である。増加した肝臓でのグルコース生産(HGO)は、2型糖尿病において見られる上昇した空腹時血漿グルコース(FPG)レベル(特に>140mg/dL(7.8mM)のFPG)を維持する上での重要な役割を果たすと考えられている。Weyerら,1999,J.Clin.Invest 104:787−794;Clore及びBlackgard,1994,Diabetes 43:256−262;De Fronzo,R.A.ら,1992,Diabetes Care 15:318−355;Reaven,G.M.,1995,Diabetologia 38:3−13)。
現在の経口の抗糖尿病療法では、FPGレベルを通常の非糖尿病範囲内に至らせることができず、上昇したFPG(及びglycHbAlc)レベルは、大血管疾病(Charles,M.A.ら,1996,Lancet 348,1657−1658;Coutinho,M.ら,1999,Diabetes Care 22:233−240;Shaw,J.E.ら,2000,Diabetes Care 23,34−39)及び微少血管疾病(DCCT Research Group,1993,New Eng.J.Med.,329:977−986)の両方に関する危険因子であるので、上昇したFPGレベルを低下及び正常化することは、依然として2型糖尿病における処置の目標である。
夜間絶食後に、HGOの74%は、糖新生前駆体から誘導される残りのものと共にグリコーゲン分解から誘導されたことが見積もられた(Hellersteinら,1997,Am.J.Physiol,272:E163)。グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲン分解によるグルコース−1−ホスフェート、したがって肝臓並びに筋肉及び神経組織のような他の組織中でのグルコースの産生における鍵酵素である。
肝臓グリコーゲンホスホリラーゼ活性は、db/dbマウス及びfa/faラットをはじめとする糖尿病動物モデルにおいて上昇する(Aiston,S.ら,2000,Diabetalogia 43,589−597)。
クロロインドール抑制剤(CP91149及びCP320626)による肝グリコーゲンホスホリラーゼの抑制は、肝細胞におけるグルカゴン誘発グリコーゲン分解及びグルコース生産の両方を減少させることが示された(Hooverら,1998,J.Med.Chem.41,2934−8;Martinら,1998,PNAS 95,1776−81)。更に、血漿グルコース濃度は、これらの化合物によって処置した後のdb/db及びob/obマウスにおいて用量に依存して減少する。
また、他のグリコーゲンホスホリラーゼ抑制剤、Bay K3401の不存在下及び存在下におけるグルカゴン誘発を行った覚醒イヌにおける研究においても、1型及び2型糖尿病の両方におけるようにグルカゴンの血中濃度が上昇している場合のかかる薬剤の潜在的な有用性が示されている。Bay R3401の存在下においては、肝臓でのグルコース生産及び動脈血漿グルコースが、グルカゴン誘発の後に大きく減少した(Shiotaら,1997,Am.J.Physiol.,273:E868)。
本発明のインダンアミドは、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有し、したがって、2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、及び肥満症、特に2型糖尿病の処置において有用であると予測される。
本発明の化合物は、有利な物理特性、例えば良好な可溶性を有する。
本発明の一態様によれば、式(1):
Figure 2008528667
(式中、
ZはCH又は窒素であり;
及びRは、一緒になって、−S−C(R)=C(R)−又は−C(R)=C(R)−S−のいずれかであり;
およびRは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルコキシ及び(C〜C)アルカノイルから選択され;
nは0、1又は2であり;
は、独立して、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルカルバモイル、N,N−((C〜C)アルキル)カルバモイル、スルファモイル、N−(C〜C)アルキルスルファモイル、N,N−((C〜C)アルキル)スルファモイル、(C〜C)アルキルS(O)(式中、bは0、1又は2である)、−OS(O)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−NHSO(C〜C)アルキルから選択され;
或いはnが2の場合には、二つのR基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、場合によっては独立してO、S及びNから選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、場合によっては一つ又は二つのメチル基によって置換されている4〜7員の飽和環を形成してもよく;
は、
(a)式:−Y−COOH(式中、Yは、(C〜C)アルキレン又は(C〜C)シクロアルキレンである)のものか;又は
(b)式:−Y−COOH(式中、Yは、
(i)−N(R)−、−O−、−S−、−SO−、及び−SO−から選択される一つのヘテロ原子を介在する(但し、ヘテロ原子はカルボキシ基に隣接せず、Rは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、又は(C〜C)アルキルスルホニルである)か;及び/又は
(ii)独立して、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルオキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルS(O)(式中、cは0、1又は2である)、−CON(R)R、−N(R)COR、−SON(R)R、及び−N(R)SO(式中、R及びRは、独立して、水素及び(C〜C)アルキルから選択される)から選択される一つ又は二つの置換基によって炭素上が置換されている;
(C〜C)アルキレンであり;
或いは、アルキレン基が一つのヘテロ原子を介在する場合には、場合によっては、それが結合している炭素原子と一緒に(C〜C)シクロアルキル環を形成する二つの置換基によって炭素上が置換されていてもよい)
のもののいずれかである)
の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩(但し、この化合物は(+/−)−トランス−(−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸ではない)が提供される。
他の態様においては、本発明は、上記に定義の式(1)の化合物、又はそのプロドラッグに関する。式(1)の化合物のプロドラッグの好適な例は、式(1)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルである。したがって、他の態様においては、本発明は、上記に定義の式(1)の化合物、又はその生体内で加水分解可能なエステルに関する。
上記に定義の式(1)の特定の化合物が1以上の非対称の炭素原子のために光学的に活性か又はラセミの形態で存在する限りにおいては、本発明は、その定義において、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有する任意のかかる光学的に活性か又はラセミの形態を包含することを理解すべきである。光学的に活性な形態の合成は、当該技術において周知の有機化学の標準的な技術、例えば、光学的に活性な出発物質から合成するか或いはラセミ形態の分解によって行うことができる。同様に、上記記載の活性は、以下に言及する標準的な実験技術を用いて評価することができる。
本発明の範囲内においては、式(1)の化合物又はその塩は、互変異性現象を示してよく、本明細書内の化学式は、可能な互変異形態の一つのみを示すことができることを理解すべきである。本発明は、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有する任意の互変異形態を包含し、化学式において使用されている一つの互変異形態のみに限定されないことを理解すべきである。本明細書内の化学式は、一つの可能な互変異形態のみを示すことができ、本明細書は、明細書内において図式的に示すことが可能であったこれらの形態だけではない示されている化合物の任意の可能な互変異形態を包含することを理解すべきである。
また、式(1)の特定の化合物及びその塩は、例えば水和形態のような溶媒和形態並びに非溶媒和形態で存在することができることも理解すべきである。本発明は、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有する任意のかかる溶媒和形態を包含することを理解すべきである。
また、式(1)の特定の化合物は多形性を示すことができ、本発明はグリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有する任意のかかる形態を包含することも理解すべきである。
本発明は、上記に定義の式(1)の化合物並びにその塩に関する。医薬組成物において用いるための塩は薬学的に許容しうる塩であるが、式(1)の化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩の製造においては他の塩が有用である可能性がある。本発明の薬学的に許容しうる塩としては、例えば、かかる塩を形成するのに十分に塩基性である上記に定義の式(1)の化合物の酸付加塩を挙げることができる。かかる酸付加塩としては、例えば、ハロゲン化水素(特に塩酸又は臭化水素酸であり、塩酸が特に好ましい)又は硫酸又はリン酸、或いはトリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸のような、薬学的に許容しうるアニオンを提供する無機酸又は有機酸による塩が挙げられる。好適な塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、及び酒石酸塩が挙げられる。更に、式(1)の化合物が十分に酸性である場合には、薬学的に許容しうる塩は、薬学的に許容しうるカチオンを提供する無機又は有機塩基によって形成することができる。無機又は有機塩基によるかかる塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、或いは例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンによる塩が挙げられる。
本発明の化合物は、ヒト又は動物の体内で分解して本発明の化合物を与えるプロドラッグの形態で投与することができる。プロドラッグは、親化合物の物理的及び/又は薬物動態プロファイルを変化又は向上させるために用いることができ、親化合物が、誘導体化してプロドラッグを形成することができる好適な基又は置換基を有する場合に形成することができる。プロドラッグの例としては、本発明の化合物の生体内で加水分解可能なエステル又はその薬学的に許容しうる塩が挙げられる。
カルボキシ又はヒドロキシ基を有する式(1)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルは、例えば、ヒト又は動物の体内で開裂して親酸又はアルコールを生成する薬学的に許容しうるエステルである。
カルボキシに関する好適な薬学的に許容しうるエステルとしては、(C〜C)アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル、(C〜C)アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、(C〜C)シクロアルコキシカルボニルオキシ(C〜C)アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;及び(C〜C)アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルが挙げられ、本発明の化合物中の任意のカルボキシ基において形成することができる。
ヒドロキシに関する好適な薬学的に許容しうるエステルとしては、リン酸エステル(ホスホルアミド環式エステルを含む)のような無機エステル、及びα−アシルオキシアルキルエーテル、並びにエステルの生体内での加水分解の結果として分解して親ヒドロキシ基を与える関連する化合物が挙げられる。α−アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシ及び2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシが挙げられる。ヒドロキシに関して基を形成する生体内で加水分解可能なエステルの選択肢としては、(C〜C10)アルカノイル、例えばアセチル;ベンゾイル;フェニルアセチル;置換ベンゾイル及びフェニルアセチル、(C〜C10)アルコキシカルボニル(アルキルカーボネートエステルを与える)、例えばエトキシカルボニル;ジ−((C〜C)アルキルカルバモイル及びN−(ジ−((C〜C))アルキルアミノエチル)−N−((C〜C))アルキルカルバモイル(カルバメートを与える);ジ−((C〜C))アルキルアミノアセチル及びカルボキシアセチルが挙げられる。フェニルアセチル及びベンゾイル上の環置換基の例としては、アミノメチル、((C〜C))アルキルアミノメチル、及びジ−(((C〜C))アルキル)アミノメチル、及び環窒素原子からメチレン結合基を介してベンゾイル環の3−又は4−位に結合しているモルホリノ又はピペラジノが挙げられる。他の興味深い生体内で加水分解可能なエステルとしては、例えばRC(O)O(C〜C)アルキル−CO−(式中、Rは例えばベンジルオキシ−((C〜C))アルキル又はフェニルである)が挙げられる。かかるエステルにおけるフェニル基上の好適な置換基としては、例えば、4−((C〜C)アルキル)ピペラジノ−(C〜C)アルキル、ピペラジノ−(C〜C)アルキル、及びモルホリノ−(C〜C)アルキルが挙げられる。
本明細書において、「アルキル」という総称は、直鎖及び分岐鎖アルキル基の両方を含む。しかしながら、「プロピル」のような個々のアルキル基への言及は直鎖形のみに特有のものであり、t−ブチルのような個々の分岐鎖アルキル基への言及は分岐鎖形のみに特有のものである。例えば、「(C〜C)アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びt−ブチルが挙げられ、「(C〜C)アルキル」の例としては、「C〜C)アルキル」の例、並びに更にペンチル、2,3−ジメチルプロピル、3−メチルブチル及びヘキシルが挙げられる。同様の慣行が他の総称に適用され、例えば、「(C〜C)アルケニル」としては、ビニル、アリル及び1−プロペニルが挙げられ、「(C〜C)アルケニル」の例としては、「(C〜C)アルケニル」の例、並びに更に1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチルブト−2−エニル、3−メチルブト−1−エニル、1−ペンテニル、3−ペンテニル、及び4−ヘキセニルが挙げられる。「(C〜C)アルキニル」の例としては、エチニル、1−プロピニル、及び2−プロピニルが挙げられ、「(C〜C)アルキニル」の例としては、「(C〜C)アルキニル」の例、並びに更に3−ブチニル、2−ペンチニル、及び1−メチルペント−2−イニルが挙げられる。
「ヒドロキシ(C〜C)アルキル」という用語としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシイソプロピル、及びヒドロキシブチルが挙げられる。「ヒドロキシ(C〜C)アルキル」という用語としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、及びヒドロキシイソプロピルが挙げられる。「ヒドロキシエチル」という用語としては、1−ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチルが挙げられる。「ヒドロキシプロピル」という用語としては、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルが挙げられ、同様の慣行がヒドロキシブチルのような用語に適用される。「ジヒドロキシ(C〜C)アルキル」という用語としては、ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピル、ジヒドロキシイソプロピル、及びジヒドロキシブチルが挙げられる。「ジヒドロキシプロピル」という用語としては、1,2−ジヒドロキシプロピル及び1,3−ジヒドロキシプロピルが挙げられる。同様の慣行が、ジヒドロキシイソプロピル及びジヒドロキシブチルのような用語に適用される。
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。「ジハロ(C〜C)アルキル」という用語としては、ジフルオロメチル及びジクロロメチルが挙げられる。「トリハロ(C〜C)アルキル」という用語としては、トリフルオロメチルが挙げられる。
「(C〜C)アルコキシ」、「(C〜C)アルコキシ」及び「−O(C〜C)アルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びイソプロポキシが挙げられる。「(C〜C)アルコキシ」の例としては、「(C〜C)アルコキシ」の例、並びに更にブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペントキシ、及び1,2−(メチル)プロポキシが挙げられる。「ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ」の例としては、1−ヒドロキシエトキシ、1−ヒドロキシプロポキシ、及び2−ヒドロキシプロポキシが挙げられる。(C〜C)アルコキシ及び(C〜C)アルコキシの例としては、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、及びメトキシプロポキシが挙げられる。「(C〜C)アルカノイル」及び「(C〜C)アルカノイル」の例としては、ホルミル、アセチル、及びプロピオニルが挙げられる。「(C〜C)アルカノイル」の例としては、「(C〜C)アルカノイル」の例、並びに更にブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、及び1,2−(メチル)プロピオニルが挙げられる。「(C〜C)アルカノイルオキシ」の例としては、ホルミルオキシ、アセトキシ、及びプロピオノキシが挙げられる。「(C〜C)アルカノイルオキシ」の例としては、「(C〜C)アルカノイルオキシ」の例、及び更にブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、及び1,2−(メチル)プロピオニルオキシが挙げられる。「N−((C〜C)アルキル)カルバモイル」の例は、メチルカルバモイル及びエチルカルバモイルである。「N,N−((C〜C)アルキル)カルバモイル」の例は、N,N−(メチル)カルバモイル、N,N−(エチル)カルバモイル、及びN−メチル−N−エチルカルバモイルである。「N−((C〜C)アルキル)スルファモイル」の例は、N−(メチル)スルファモイル及びN−(エチル)スルファモイルである。「N,N−((C〜C)アルキル)スルファモイル」の例は、N,N−(メチル)スルファモイル、N,N−(エチル)スルファモイル、及びN−(メチル)−N−(エチル)スルファモイルである。−NHSO(C〜C)アルキルの例は、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、及びtert−ブチルスルホニルアミノである。
「(C〜C)アルキルS(O)(式中、bは0、1又は2である)」、「(C〜C)アルキルS(O)(式中、cは0〜2である)」、「(C〜C)アルキルS(O)(式中、cは0〜2である)」、及び「(C〜C)アルキルS(O)(式中、dは0〜2である)」の例としては、独立して、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、プロパンスルフィニル、メシル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル、及びイソプロパンスルホニルが挙げられる。「(C〜C)アルキルS(O)(C〜C)アルキル−(式中、bは0、1又は2である)」の例としては、メチルスルホニルメチル、メチルスルフィニルメチル、メチルチオメチル、エチルスルホニルメチル、エチルスルフィニルメチル、及びエチルチオメチルが挙げられる。「(C〜C)アルキルスルホニル」の例としては、メシル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル、及びイソプロパンスルホニルが挙げられる。「−OSO(C〜C)アルキル」の例としては、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、及びtert−ブチルスルホニルオキシが挙げられる。
「(C〜C)シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。「(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチルが挙げられる。「(C〜C)シクロアルコキシ」の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、及びシクロヘキシルオキシが挙げられる。「(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ」の例としては、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、及びシクロヘキシルメトキシが挙げられる。
本明細書内において、合成語は、−(C〜C)アルキルSO(C〜C)アルキルのように1を超える官能基を有する基を説明するために用いる。かかる用語は、それぞれの構成要素に関して当業者によって理解される意味にしたがって解釈すべきである。
誤解を避けるために、本明細書において、基が「上記に定義」と限定されている場合には、かかる基は、最初に現れる最も広い定義、並びにこの基に関する特定の定義のそれぞれ及び全てを包含すると理解すべきである。
置換基が、アルキル鎖上に二つの置換基を有し、その両方がヘテロ原子によって結合している(例えば二つのアルコキシ置換基)場合には、これらの二つの置換基は、アルキル鎖の同一の炭素原子上の置換基ではないことを理解すべきである。
任意の基上の場合によって存在する置換基は、それによって四級化しないことを条件に、他に示さない限りにおいてヘテロ原子を含む適当な任意の利用できる原子に結合していてよいことを理解すべきである。したがって、ヒドロキシ置換(C〜C)アルキルとしては、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、及び3−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
誤解を避けるために、Z=Y−COOH(式中、Yは、一つのヘテロ原子を介在している(場合によっては同様に置換されている)(C〜C)アルキレンである)の場合には、(C〜C)アルキレン基は分岐鎖であってもよく、任意の場合によって存在する置換基が分岐鎖上に存在していて、Zのこの定義が、下記に示すもの(ここではYはエトキシによって置換されているプロピレンである)のような構造を含むことができる。
Figure 2008528667
場合によって存在する置換基が「0、1又は2個の」基から選択される場合には、この定義は、一つの特定の基から選択されるすべての置換基、或いは二つ以上の特定の基から選択される置換基を包含することを理解すべきである。
窒素、酸素及びイオウから選択されるヘテロ原子を介在する(C〜C)アルキレン基の例としては、−CHXCH−、−CHXCHCH−、−CHCHXCH−、−CH(R)XCH−、−CH(R)XCHCH−、−CH(R)CHXCH−、−CHCH(R)XCH−、−CHCHXCH(R)−、−CHXCH(R)CH−、−CHXCHCH(R)−(式中、Xは、−O−、−S−、−SO−、−SO−及び−N(R)(式中、Rは、メチル、エチル、ホルミル、アセチル、及びメタンスルホニルから選択される)から選択され、Rは、メチル及びエチルから選択される)から選択される)のジラジカルが挙げられる。結合基の右側は、Z中のCOOH基に結合する。
ヘテロ原子を介在する(C〜C)アルキレン基の更なる例としては、−CHXCH−、−CHXCHCH−、−CHCHXCH−、−CH(R)XCH−、−CH(R)XCHCH−、−CH(R)CHXCH−、−CHCH(R)XCH−、−CHCHXCH(R)−、−CHXCH(R)CH−、−CHXCH(R)−、−CHXCR −、−CHXCHCHCH−、−CH(CHXCHCH)−、−CH(CHXCH)−、−CH(CHCHXCH)−、−CH(CHCHXCHCH)−、−CH(CHCHCHXCH)−、−CH(CHXCHCH)CH−、−CH(CHXCH)CH−、−CH(CHCHXCH)CH−、−CH(CHCHXCHCH)CH−、及び−CH(CHCHCHXCH)CH−(式中、Xは上記に定義した通りであり、特に−O−、−S−及び−SO−から選択され、Rはメチル及びエチルから選択される)が挙げられる。結合基の右側は、Z中のCOOH基に結合する。
(C〜C)アルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、−CH(Me)−、−CH(Et)−、−C(Me)−、−CHCH(Me)−、−CHCH(Et)−、及び−CHC(Me)−のジラジカルが挙げられる。結合基の右側は、Z中のCOOH基に結合する。
(C〜C)シクロアルキレン基の例としては、シクロプロプ−1−イレン、シクロブト−1−イレン、及びシクロペント−1−イレンが挙げられる。
Y、R、R、R、R、R、n及びmの特定の値は、以下の通りである。かかる値は、適当な場合に、上記又は下記に定義する任意の定義、特許請求の範囲、側面又は態様と共に用いることができる。
本発明の一態様においては式(1)の化合物が提供され、他の態様においては式(1)の化合物の薬学的に許容しうる塩が提供され、更に他の態様においては式(1)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルが提供され、更に他の態様においては式(1)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルの薬学的に許容しうる塩が提供される。
更に他の態様においては、式(1)の化合物のプロドラッグが提供され、更に他の態様においては式(1)の化合物のプロドラッグの薬学的に許容しうる塩が提供される。
Zに関する特定の値
i)本発明の一態様においては、ZがCHである上記に記載の式(1)の化合物が提供される。
ii)本発明の他の態様においては、Zは窒素である。
及びRに関する特定の値
i)本発明の一態様においては、R及びRが一緒になって−S−C(R)=C(R)−である上記に記載の式(1)の化合物が提供される。
ii)他の態様においては、R及びRは一緒になって−C(R)=C(R)−S−である。
及びRに関する特定の値
i)本発明の更なる態様においては、R及びRは、独立して、水素、ハロ、又は(C〜C)アルキルから選択される。
ii)特に、R及びRは、独立して、水素、クロロ、ブロモ又はメチルから選択される。
iii)特に、R及びRは、独立して、水素又はクロロから選択される。
iv)より好ましくは、R及びRの一方はクロロである。
v)一態様においては、R及びRの一方はクロロであり、他方は水素である。
vi)他の態様においては、R及びRは両方ともクロロである。
nに関する特定の値
i)本発明の一態様においては、nは0又は1である。
ii)一態様においては、好ましくはnは1である。
iii)他の態様においては、好ましくはnは0である。
nが2の場合のRに関する特定の値
i)nが2の場合、二つのR基は、それが結合している炭素原子と一緒になって、場合によってはO、S及びNから独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和環を形成し、有利にはかかる環は5又は6員環である。
ii)一態様においては、かかる5又は6員環は、二つのO原子を有する(即ち環状アセタールである)。
iii)二つのR基が一緒になってかかる環状アセタールを形成する場合には、一態様においては、それは非置換である。
iv)最も好ましくは、二つのR基は、一緒になって基−O−CH−O−である。
に関する特定の値
i)本発明の他の態様においては、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、及び(C〜C)アルコキシから選択される。
ii)更に他の態様においては、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C〜C)アルキルS(O)(式中、bは0、1又は2である)、−OS(O)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、及び(C〜C)アルコキシから選択される。
iii)更に他の態様においては、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、−S(O)Me(式中、bは0、1又は2である)、−OS(O)Me、メチル、及びメトキシから選択される。
iv)更なる態様においては、Rは(C〜C)アルキルである。
v)特に、Rはハロ及び(C〜C)アルコキシから選択される。
vi)他の態様においては、好ましくは、Rは、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、及び−O−CH−O−から選択される。
一態様においては、Yは選択肢(a)から選択される。他の態様においては、Yは、選択肢(b)、特に(b)(i)から選択される。
選択肢(a)に関するYに関する特定の値
i)一態様においては、Yは(C〜C)シクロアルキレンである。
ii)他の態様においては、Yは、シクロプロピレン、メチレンシクロプロプ−1−イル、メチレンシクロブト−1−イル、又はメチレンシクロペント−1−イルである。
iii)他の態様においては、Yは(C〜C)アルキレンである。
iv)他の態様においては、Yは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、−CH(Me)−、−CH(Et)−、−C(Me)−、−CHCH(Me)−、−CHCH(Et)−、及び−CHC(Me)−から選択される。
v)更に他の態様においては、Yはメチレン及びエチレンから選択される。
選択肢(b)に関するYに関する特定の値
vi)Yに関する特定の値としては、−CHXCH−、−CHXCHCH−、−CHCHXCH−、−CH(R)XCH−、−CH(R)XCHCH−、−CH(R)CHXCH−、−CHCH(R)XCH−、−CHCHXCH(R)−、−CHXCH(R)CH−、−CHXCHCH(R)−(式中、Xは、−O−、−S−、−SO−、−SO−及び−N(R)(式中、Rは、メチル、エチル、ホルミル、アセチル、メタンスルホニルから選択される)から選択され、Rは、メチル及びエチルから選択され、Rは、メチル、エチル、メトキシ、及びエトキシから選択される)、−CHC(Me)OCH−、−CHCHOC(Me)−、−CHOC(Me)CH−、−CHOCHC(Me)−、−CH(R)−(式中、Rは、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、メトキシ、エトキシ、メトキシエチル、シクロプロピルメトキシ、メトキシエトキシ、及びシアノから選択される)、−CHCH(R)−(式中、Rは、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルメトキシ、メトキシエトキシ、シアノ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノスルホニル、N−メチルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、メタンスルホンアミド、N−メチル−メタンスルホンアミド、アセチル、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、及びN,N−ジメチルカルバモイルから選択される)、メチレンシクロプロプ−1−イルオキシメチル(−CHC(CHCH)OCH−)、エチレンオキシシクロプロプ−1−イル、メチレンオキシシクロプロプ−1−イルメチル、及びメチレンオキシメチルシクロプロプ−1−イルが挙げられる。
vii)Yに関する更なる特定の値としては、−CHXCH−、−CHXCHCH−、−CHCHXCH−、−CH(R)XCH−、−CH(R)XCHCH−、−CH(R)CHXCH−、−CHCH(R)XCH−、−CHCHXCH(R)−、−CHXCH(R)CH−、−CHXCH(R)−、−CHXCR −、−CHXCHCHCH−(式中、Xは、−O−、−S−及び−SO−から選択され、Rは、メチル及びエチルから選択される)、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(Me)−、−CH(R)−、及び−CH(R)CH−(式中、Rは、メトキシメチル、エトキシエチル、メトキシエチル、エトキシメチル、メトキシプロピル、シクロプロピルメチル、イソプロピルメチル、エチル、及びプロピルから選択される)が挙げられる。
viii)Yに関する更なる特定の値としては、−CHOCH−、−CHOCH(Me)−、−CH−、−CHCH−、−CHSCHCH−、−CHSOCHCH−、−CH(CHCH(CHCH))−、−CH(CHCHOCH)−、−CH(CHCHOCHCH)−、−CH(CHCHOCH)CH−、及び−CH(CHCHCHOCH)−が挙げられる。
化合物の特定の種は、式(1’)及び(1”)のものである。
Figure 2008528667
Figure 2008528667
(式中、R及びZは、上記に定義した通りである)
本発明の化合物の更なる特定の種類は、式(1’)及び(1”)の化合物であって、式中、R及びZ中のYが上記に記載の定義の組み合わせを用いて表A又はBに示すものである。例えば、表中のRの見出しがある欄における「i」は、上記のRに関して与えられた定義(i)を指し、「I」は、説明の冒頭において式(I)の化合物における変数(variables)に関して与えられた最初の定義を指す。Yの定義に関して、「(b)(i)」は、説明の冒頭において式(1)の化合物における選択肢(b)での変数に関する最初の定義を指す。
Figure 2008528667
Figure 2008528667
本発明の更なる特定の化合物は、表Cに示すものである。
Figure 2008528667
本発明の一態様においては、式(1)の化合物は、式(1A):
Figure 2008528667
(式中、Zは好ましくはCHである)
の化合物である。
式(1)、(1’)及び(1”)の化合物に関して上記した特定の値、側面及び態様は、式(1A)の化合物にも適用されることを理解すべきである。
本発明の更なる特定の化合物は、以下の任意の1以上(又はその薬学的に許容しうる塩)を含む。
[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸;
[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸;
(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
3−((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン酸;
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメタンスルホニル}プロピオン酸;
((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸;
(3R)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
(3S)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸;及び
(3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸。
本発明の更に他の特定の化合物は、以下の任意の1以上、或いはその薬学的に許容しうる塩を含む。
[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸;
(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸;
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメタンスルホニル}プロピオン酸;
((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸;
(3R)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
(3S)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸;及び
(3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸。
本発明の更に他の特定の化合物は、以下の任意の1以上、或いはその薬学的に許容しうる塩を含む。
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
(3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸;及び
(3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸。
本発明の他の態様は、式(2):
Figure 2008528667
の酸又はその活性化誘導体を、式(3):
Figure 2008528667
(式中、Z、Z、R、R、R、及びnは、他に示さない限り、式(1)において定義する通りである)
のアミンと反応させ、その後必要な場合には、
(i)式(1)の化合物を式(1)の他の化合物に転化させ;
(ii)任意の保護基を除去し;
(iii)薬学的に許容しうる塩を形成する;
ことを含む、式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルの製造方法を提供する。
上記の反応のための特定の反応条件は次の通りである。
プロセス(a)
式(2)の酸及び式(3)のアミンは、好適なカップリング剤の存在下で一緒にカップリングさせることができる。好適なカップリング剤としては、当該技術において公知の標準的なペプチドカップリング剤、或いは例えば、カルボニルジイミダゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)及びジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCCI)を、場合によっては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジメチルアミノピリジン、又は4−ピロリジノピリジンのような触媒の存在下、場合によっては、塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、又は2,6−ジアルキルピリジン、例えば2,6−ルチジン又は2,6−ジ−tert−ブチルピリジンの存在下で用いることができる。好適な溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、及びジメチルホルムアミドが挙げられる。カップリング反応は、有利には、−40〜40℃の範囲の温度で行うことができる。
好適な活性化酸誘導体としては、酸ハロゲン化物、例えば酸塩化物、及び活性エステル、例えばペンタフルオロフェニルエステルが挙げられる。これらのタイプの化合物とアミンとの反応は、当該技術において周知であり、例えば、これらは、上記に記載したもののような塩基の存在下、上記に記載したもののような好適な溶媒中で反応させることができる。反応は、有利には、−40〜40℃の範囲の温度で行うことができる。
ZがCHである式(2)の化合物は、反応式1にしたがって調製することができる。
Figure 2008528667
式(2a)の化合物は、商業的に入手することができるか、或いは公知の化合物であるか、或いは当該技術において公知の方法によって調製することができる。
Xが窒素である式(2)の化合物は、式(4):
Figure 2008528667
の化合物から、まず、オキソ基を、ジクロロメタンのような不活性有機溶媒中、雰囲気温度から還流温度の範囲の温度でPOCl又はPOBrのようなハロゲン化剤によって塩素又は臭素に転化し(例えば、Nucleic Acid Chem.1991,4,24−6を参照)、次に、シアン化カリウムのようなシアン化物塩を用いて、トルエン、ベンゼン、又はキシレンのような不活性有機溶媒中、場合によっては18−クラウン−6のような触媒の存在下で、塩素又は臭素基をシアニドと置き換え(例えば、J.Heterocycl.Chem.2000,37(1),119−126を参照)、最後に、例えば塩化水素水溶液のような酸水溶液によってシアノ基をカルボキシ基に加水分解する(例えば、Chem.Pharm.Bull.1986,34(9),3635−43を参照)ことによって調製することができる。
また、Xが窒素である式(2)の化合物は、式(4)の化合物を、塩化マグネシウムの存在下、溶媒としてClCCOHを用いて、(ClCCO)O及びClCCOHと反応させて式(5):
Figure 2008528667
の化合物を形成し、次に、式(5)の化合物を、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いて、雰囲気温度から還流温度の範囲の温度において加水分解する(例えば、J.Heterocycl.Chem.1980,17(2),381−2を参照)ことによって形成することができる。
式(4)の化合物は、クルチウス転移のための公知の条件を用いて式(6)及び(7):
Figure 2008528667
の化合物から調製することができる(Tetrahedron 1999,55,6167)。
式(8)及び(9):
Figure 2008528667
の化合物は、それぞれ式(6)及び(7)の化合物に変換する。この変換は、自然に起こるか、或いは酸若しくは塩基によって誘発することができる。
式(8)及び(9)の化合物は、式(10)又は(11):
Figure 2008528667
(式中、P’は、ブトキシカルボニルのようなアミノ保護基である)
の化合物中にカルボキシ基を導入することによって調製することができる。
カルボキシ基は、n−ブチルリチウムのようなアルキルリチウム試薬を、THFのような不活性有機溶媒中、低温、例えば−10℃〜−78℃の範囲の温度で反応させ、次に適切に
i)得られた化合物を二酸化炭素と反応させるか;或いは
ii)−10℃から雰囲気温度の温度範囲においてDMFと反応させて対応するアルデヒドを形成し、アルデヒドを標準的な試薬によってカルボキシに酸化して式(8)又は(9)の化合物を与える;
ことのいずれかによって式(8)又は(9)の化合物を形成することによって、式(10)又は(11)の化合物中に導入する。
式(10)及び(11)の化合物は、クルチウス反応のための公知の条件を用いて、式(12)及び(13):
Figure 2008528667
の化合物から調製することができる。
式(12)及び(13)の化合物は、マンガン酸カリウム又は過ヨウ素酸ナトリウムのような標準的な酸化剤を用いて対応するアルデヒドを酸化することによって調製することができる。
式(12)又は(13)の化合物のアルデヒド前駆体は、当該技術において公知の標準的な技術を用いて調製することができる。例えば、適当なR及びRを、式(14)又は(15):
Figure 2008528667
の化合物中に適切に導入することによって、式(12)又は(13)の多くの化合物を調製することができる。
例えば、R及びRがいずれもクロロである場合には、式(14)又は(15)の化合物を、塩化アルミニウム又は塩化鉄(III)の存在下、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンのような不活性有機塩素化溶媒中で、塩素のような塩素化剤で塩素化し、次に水酸化ナトリウム水溶液のような塩基水溶液によって処理することができる。モノ塩素化化合物は、同様の方法で形成することができる。
また、式(2b)の化合物は、反応式2に示すように調製することもできる。
Figure 2008528667
式(10)の化合物の式(16)の化合物への転化は、例えばn−ブチルリチウム及び(CHO)N(アルキル)を用いて、直接オルトリチオ化反応によって行うことができる(J.Org.Chem,2001,66巻,3662−3670)。式(10)の化合物中における保護基P’は、この反応のための好適な配向基でなければならず、例えば−COt−Buであることができる。式(16)の化合物とLCHCOR(式中、Lは離脱基である)とを反応させ、標準的な方法にしたがって保護基P’を代わりの基P”(例えば−COアルキル)と置き換えると、式(17)の化合物が得られる。これは、塩基、例えば炭酸カリウム又はナトリウムメトキシドを用いて環化することができる。
式(3)の化合物は、公知の化合物であるか、或いは当該技術において公知の方法によって調製することができるか、或いは反応式3〜8にしたがって調製することができるか、或いは特定の実施例において用いる方法によって調製することができる。
Figure 2008528667
(式中、R17は(C〜C)アルキルであり、R18はYに関連する変数であり、例えばYがCH(CH)−である場合にはR18はCHであり、Yが−CH(OCH)−である場合にはR18はOCHである。)
化合物A(Rは水素である)は、商業的に入手しうる[(1R,2R)−(−)−トランス−1−アミノ−2−インダノール;Cas.Reg.No.:163061−73−2]又は[(1S,2S)−(−)−トランス−1−アミノ−2−インダノール;Cas.Reg.No.:13286−59−4]である。タイプBの化合物は、文献において公知の方法、例えば反応式33において示されている方法によって調製することができる。反応式3において示される方法は、化合物A、B及びCの示されているものと反対のエナンチオマーに等しく適用されることが認められるであろう。化合物Cは、次に適当な酸(2)にカップリングさせ、次に酸保護基R17を、当該技術において公知の方法によって、例えばトリフルオロ酢酸又は水酸化カリウムによって除去する。
同様に、反応式4に従う方法を用いることができる。
Figure 2008528667
(式中、Rは(C〜C)アルキルであり、RはYに関連する変数であり、例えば、Yが−CHC(O)NHCH−である場合にはRは−CHCOである。)
(C)は、次に、適当な酸(2)とカップリングさせ、次に酸保護基Rを、当該技術において周知の方法によって、例えばトリフルオロ酢酸又は水酸化カリウムによって除去する。
式(3a)の化合物は、商業的に入手することができるか、或いはそれらは公知の化合物であるか、或いはそれらは当該技術において公知の方法によって調製される。例えば、式(19)(式中、RはH又は好適な保護基である)の第1級アミンから出発して、Rを、アシル化(例えば、アセトキシ酢酸及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)と反応させる)、アルキル化、還元アルキル化、スルホン化、又は関連する方法によって導入し、次に適当な場合にはO−脱保護を行うことができる。また、上述のようにして導入された基中の官能基を、還元、酸化、加水分解(例えば、アセトキシ基をヒドロキシ基に転化する)、求核置換、アミド化、又は関連する方法、或いはこれらの方法の組み合わせによって変性し、次に適当な場合にはO−脱保護を行うことによってRを得ることができる。かかる変性は、式(1)の一つの化合物を式(1)の他の化合物に転化させる変性を含みうることが認められるであろう。
Figure 2008528667
式(3)のアミンは、式(3a)の化合物の調製に関して記載した方法を、式(20):
Figure 2008528667
(式中、Wは、NH又は一つ又は二つの好適な保護基を有する窒素原子である)の化合物に適用することによっても得ることができる。
Figure 2008528667
(式中、Rは、水素又はCO10であり;R10は、(C〜C)アルキル又は適当に保護された酸であり;R11はYに関連する変数であり、例えばYが−CHCH(OCH)−である場合にはR11は−OCHである。)
(C)は、次に、適当な酸(2)とカップリングさせ、次に当該技術において周知の方法によって、例えばトリフルオロ酢酸又は水酸化カリウムによって酸保護基R10を除去する。
Figure 2008528667
(式中、R12は、独立して、(C〜C)アルキル又はカルボキシ保護基であり、R13はYに関連する変数であり、例えばYが−CHCH(CHOCH)−である場合にはR13は−CHOCHであり;LGは脱離基である)
(C)は、次に、適当な酸(2)とカップリングさせ、次に当該技術において周知の方法によって、例えばトリフルオロ酢酸又は水酸化カリウムによって酸保護基R12を除去する。
Figure 2008528667
(式中、R16は(C〜C)アルキルであり、R14及びR15はYに関連する変数であり、例えばYが−CHOCH(CH)CH−である場合にはR14は−CHでありR15はHであり;LGは脱離基である。)
(C)は、次に、適当な酸(2)とカップリングさせ、次に当該技術において公知の方法によって、例えばトリフルオロ酢酸又は水酸化カリウムによって酸保護基R16を除去する。
本発明の化合物における幾つかの種々の環置換基、例えばR及びRは、標準的な芳香族置換反応によって導入するか、或いは上記記載の方法の前か又は直後のいずれかにおいて従来の官能基変性によって生起させることができ、それ自体本発明の方法の態様に包含されることが認められるであろう。かかる反応によって、式(1)の一つの化合物を式(1)の他の化合物に転化させることができる。かかる反応及び変性としては、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、及び置換基の酸化が挙げられる。かかる方法のための試薬及び反応条件は、化学技術において周知である。芳香族置換反応の特定の例としては、濃硝酸を用いるニトロ基の導入、例えばフリーデル・クラフツ条件下でハロゲン化アシル及びルイス酸(例えば三塩化アルミニウム)を用いるアシル基の導入;フリーデル・クラフツ条件下でハロゲン化アルキル及びルイス酸(例えば三塩化アルミニウム)を用いるアルキル基の導入;及びハロゲン基の導入が挙げられる。変性の特定の例としては、例えばニッケル触媒による接触水素化、或いは塩酸の存在下で加熱と共に行う鉄を用いた処理によるニトロ基のアミノ基への還元、或いはアルキルチオのアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化が挙げられる。
また、ここで言及する幾つかの反応においては、化合物中の任意の感受性基を保護することが必要/望ましい可能性があることが認められるであろう。保護が必要か又は望ましい事例、及び保護のための好適な方法は、当業者に公知である。従来の保護基を、標準的な手順にしたがって用いることができる(例として、T.W.Green,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,1991を参照)。しかして、反応物質が、アミノ、カルボキシ、又はヒドロキシのような基を含む場合には、ここで言及する幾つかの反応においては基を保護することが望ましい可能性がある。
アミノ又はアルキルアミノ基のための好適な保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、又はt−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えば、ベンジルオキシカルボニル、或いはアロイル基、例えばベンジル基である。上記の保護基のための脱保護条件は、必然的に保護基の選択によって変化する。而して、例えばアルカノイル又はアルコキシカルボニル基のようなアシル基或いはアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基による加水分解によって除去することができる。また、t−ブトキシカルボニル基のようなアシル基は、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸或いはトリフルオロ酢酸のような好適な酸で処理することによって除去することができ、ベンジルオキシカルボニル基のようなアリールメトキシカルボニル基は、例えば、炭素上パラジウムのような触媒上での水素化、或いはルイス酸、例えばボロントリス(トリフルオロアセテート)による処理によって除去することができる。第1級アミノ基のための好適な他の保護基は、例えばフタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミン、又はヒドラジンで処理することによって除去することができる。
ヒドロキシ基のための好適な保護基は、例えばアシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、或いはアリールメチル基、例えばベンジルである。上記の保護基のための脱保護条件は、必然的に保護基の選択によって変化する。而して、例えばアルカノイルのようなアシル基又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基を用いた加水分解によって除去することができる。また、ベンジル基のようなアリールメチル基は、例えば、炭素上パラジウムのような触媒上での水素化によって除去することができる。
カルボキシ基のための好適な保護基は、例えば、エステル化基、例えばメチル若しくはエチル基であり、これは、例えば、水酸化ナトリウムのような塩基を用いた加水分解によって除去することができ、或いは、例えばt−ブチル基であり、これは、例えば、酸、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸による処理によって除去することができ、或いは、例えばベンジル基であり、これは、例えば、炭素上パラジウムのような触媒上での水素化によって除去することができる。
保護基は、化学技術において周知の従来の技術を用いて、合成における任意の好都合な段階において除去することができる。
式(1)の化合物の調製における幾つかの中間体は、新規であり、本発明の他の態様を形成する。
上述したように、本発明において定義する化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼ抑制活性を有する。この特性は、例えば以下に示す手順を用いて評価することができる。
アッセイ法
化合物の活性は、グリコーゲン分解に対する化合物の抑制効果を測ることによって測定され、グリコーゲンからのグルコース−1−ホスフェートの生成を、EP0846464−A2に記載されている多酵素結合アッセイ法、Pesceらの一般法(Pesce,M.A,Bodourian,S.H,Harris,R.C.及びNicholson,J.F.(1977),Clinical Chemistry 23,1171−1717)によって監視する。反応は、50μLの容量の384ウェルのミクロ平板フォーマット内で行った。補助因子NADのNADHへの転化によるケイ光の変化を、Tecan Ultra Multifunctional Microplate Reader内において、340nMの励起、465nmの発光で測定した。反応は、アッセイ緩衝溶液である、0.5mMのジチオスレイトールを含む、50mMのHEPES、3.5mMのKHPO、2.5mMのMgCl、2.5mMのエチレングリコール−ビス(b−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−テトラ酢酸、100mMのKCl、8mMのD−(+)−グルコースpH7.2中で行う。ヒト組み換え肝グリコーゲンホスホリラーゼa(hrl GPa)20nMを、6.25mM NAD、試薬緩衝剤である1.25mg・mL−1のタイプIIIグリコーゲン1.25mgを含むアッセイ緩衝溶液中で、30分間予備インキュベートした。共役酵素であるホスホグルコムターゼ及びグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(Sigma)を、試薬緩衝剤中で調製し、最終濃度をウェルあたり0.25単位とした。20μLのhrl GPa溶液を、10μLの化合物溶液に加え、20μLの共役酵素溶液を加えることによって反応を開始させた。試験する化合物は、アッセイ緩衝溶液中10μLの5%DMSO中で調製し、アッセイ中において最終濃度を1%DMSOとした。アッセイ緩衝溶液中、10μLの5%DMSOの存在下でGPaの非抑制活性を測定し、5mg・mL−1のN−エチルマレイミドの存在下で最大抑制を測定した。30℃で6時間後、340nMの励起、465nmの発光において相対蛍光単位(RFU)を測定した。
アッセイは、10μM又は100μMの抑制剤の試験濃度において行った。これらの濃度の一方又は両方において大きな抑制を示す化合物は、一定範囲の試験濃度の抑制剤を用いて更に評価して、酵素反応を50%抑制することが予測される濃度であるIC50を測定した。
活性は、次式によって算出される。
%抑制=(1−(化合物のRFU−完全に抑制されたRFU)/(非抑制状態のRFU−完全に抑制されたRFU))×100
上記のアッセイで試験した本発明の化合物に関する通常のIC50値は、100μM〜1nMの範囲である。例えば、実施例1は0.191μmのIC50を有することが分かり、実施例8は0.014μmのIC50を有することが分かった。
化合物の抑制活性を、更にラットの初代肝細胞において試験した。ラットの肝細胞を、Seglen(P.O.Seglen,Methods Cell Biology(1976)1329−83)の一般的な方法であるコラゲナーゼ潅流法によって単離した。10%のウシ胎児血清を含む高レベルのグルコース、NEAA(非必須アミノ酸)、グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン((100単位/100μg)/mL)を用いて、DMEM(ダルベコ改変イーグル培地)中、ヌンクロンの6ウェル培養皿上で、細胞を4〜6時間培養した。次に、ウシ胎児血清を用いずに、10nMのインスリン及び10nMのデキサメタゾンを用いて、DMEM溶液中で肝細胞を培養した。18〜20時間の培養後に、細胞を洗浄し、2.5mMのCaCl及び1%のゼラチンを含むクレブス・ヘンゼレイト重炭酸緩衝液を加えることによって実験を開始した。試験化合物を加え、5分後に細胞を25nMのグルカゴンで誘発した。37℃、95%O/5%COで60分インキュベートした後にクレブス・ヘンゼレイト溶液を除去し、クレブス・ヘンゼレイト溶液のグルコース濃度を測定した。
本発明の更なる態様によれば、上記に定義した式(1)の化合物、或いはその薬学的に許容しうる塩、或いはその生体内で加水分解可能なエステルを、薬学的に許容しうる希釈剤又はキャリアと共に含む医薬組成物が提供される。
本発明の組成物は、経口使用に好適な形態(例えば、錠剤、トローチ剤、硬カプセル剤又は軟カプセル剤、水性又は油性懸濁液、乳剤、分散可能な粉末又は顆粒剤、シロップ又はエリキシル)、局所使用に好適な形態(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性溶液又は懸濁液)、吸入による投与に好適な形態(例えば、微粉末又は液体エアロゾル)、通気法による投与に好適な形態(例えば、微粉末)、或いは非経口投与に好適な形態(例えば、静脈内、皮下、筋肉内若しくは筋肉内投与のための滅菌水性又は油性溶液、或いは直腸投与のための坐剤)であることができる。
本発明の組成物は、当該技術において周知の従来の医薬賦形剤を用いて従来の手順によって得ることができる。而して、経口使用を意図する組成物は、例えば、1以上の着色剤、甘味剤、香味剤及び/又は防腐剤を含むことができる。一態様においては、本発明の組成物は、経口投与のために好適な形態である。
錠剤製剤のために好適な薬学的に許容しうる賦形剤としては、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウムのような不活性希釈剤;コーンスターチ又はアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;スターチのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような潤滑剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはプロピルのような防腐剤;及びアスコルビン酸のような抗酸化剤が挙げられる。錠剤製剤は、被覆しないか、或いは、当該技術において周知の従来の被覆剤及び手順を用いて被覆して、その崩壊及びそれに引き続く活性成分の胃腸管内での吸収を修正するか、或いはその安定性及び/又は外観を改良することができる。
経口使用のための組成物は、その中で活性成分が不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル、或いはその中で活性成分が水、又はピーナッツ油、液体パラフィン、又はオリーブオイルのような油と混合されている軟質ゼラチンカプセルの形態であることができる。
水性懸濁液は、一般に、微細粉末形態の活性成分を、懸濁化剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴム;分散又は湿潤剤、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエート;の1以上と共に含む。水性懸濁液は、また、防腐剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピル)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸)、着色剤、香味剤、及び/又は甘味剤(例えば、スクロース、サッカリン又はアスパルテーム)を含むことができる。
油性懸濁液は、活性成分を、植物性油(例えば、ラッカセイ油、オリーブオイル、ゴマ油、又はココナツオイル)又は鉱油(例えば液体パラフィン)中に懸濁することによって配合することができる。油性懸濁液は、また、蜜ろう、固形パラフィン、又はセチルアルコールのような増粘剤を含むこともできる。上記に示すもののような甘味剤及び香味剤を加えて美味な経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤を加えることによって保存することができる。
水を加えることによって水性懸濁液を調製するのに好適な分散可能な粉末及び顆粒剤は、一般に、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び1以上の防腐剤と共に含む。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記の記載によって例示されている。甘味剤、香味剤、及び着色剤のような更なる賦形剤を存在させることもできる。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、オリーブオイル又はラッカセイ油のような植物性油、或いは例えば液体パラフィンのような鉱油、或いはこれらの任意のものの混合物であってよい。好適な乳化剤は、例えば、アカシアゴム又はトラガカントゴムのような天然ゴム、大豆、レシチンのような天然ホスファチド、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステル若しくは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。乳剤は、また、甘味剤、香味剤、及び防腐剤を含むことができる。
シロップ及びエリキシルは、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アルパルテーム、又はスクロースのような甘味剤と共に配合することができ、また、粘滑剤、防腐剤、香味剤、及び/又は着色剤を含むこともできる。
医薬組成物は、また、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であってもよく、これは、公知の手順にしたがって、上記に言及した適当な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤の1以上を用いて配合することができる。滅菌注射用製剤は、また、非毒性の非経口投与で許容しうる希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。
吸入法によって投与するための組成物は、微粉固体を含むエアロゾル又は液滴のいずれかとして活性成分を分配するように調製した従来の加圧エアロゾルの形態であってもよい。揮発性のフッ素化炭化水素又は炭化水素のような従来のエアロゾル噴射剤を用いることができ、エアロゾル器具は、計量量の活性成分を分配するように都合よく構成することができる。
製剤に関する更なる情報については、Comprehensive Medical Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の5巻25.2章を参照されたい。
1以上の賦形剤と混合して単一の剤形形態を製造する活性成分の量は、必然的に、処置する宿主及び特定の投与経路によって変動する。例えば、ヒトに対する経口投与を意図する製剤は、概して、例えば0.5mg〜2gの活性剤を、全組成物の約5〜約98重量%で変動してよい適当で且つ有利な量の賦形剤と配合して含む。用量単位形態は、概して、約1mg〜約500mgの活性成分を含む。投与経路及び用法・用量に関する更なる情報については、Comprehensive Medical Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の5巻25.3章を参照されたい。
式(1)の化合物は、通常、動物の体面積1mあたり5〜5000mg、即ちおよそ0.1〜100mg/kgの範囲内の単位用量で温血動物に投与され、通常、これにより治療的に有効な用量が与えられる。錠剤又はカプセル剤のような単位用量形態は、通常、例えば1〜250mgの活性成分を含む。好ましくは、1〜50mg/kgの範囲の一日投与量を用いる。しかしながら、一日投与量は、必然的に、処置する宿主、特定の投与経路、及び処置する疾病の重篤性によって変動する。したがって、最適の用量は、任意の特定の患者を処置する医師によって決定することができる。
本明細書において記載するグリコーゲンホスホリラーゼ活性の抑制は、単独療法として施すことができ、或いは本発明の対象物に加えて1以上の他の物質及び/又は処置を含めることができる。かかる共同処置は、処置の個々の成分の同時投与、逐次投与又は別々の投与によって行うことができる。同時処置は、単一の錠剤又は別々の錠剤で行うことができる。
例えば、2型糖尿病を予防、遅延又は治療するためには、本発明の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を、1以上の以下の薬剤:
(1)インスリン及びインスリン類縁体;
(2)スルホニル尿素(例えばグルベンクラミド、グリピジド)、食事グルコース調節剤(例えばレパグリニド、ナテグリニド)、及びグルコキナーゼ活性剤をはじめとするインスリン分泌促進剤;
(3)インクレチン作用を増大させる薬剤(例えばジペプチジルペプチダーゼIV抑制剤、GLP−1作用剤);
(4)PPARガンマ作用剤(例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン)をはじめとするインスリン感作剤;及びPPARアルファ及びガンマ活性を併せ持つ薬剤;
(5)肝グルコースバランスを調節する薬剤(例えばメトホルミン、フルクトース1,6−ビスホスファターゼ抑制剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ抑制剤、グルコキナーゼ活性剤);
(6)腸からのグルコースの吸収を減少させるように設計された薬剤(例えばアカルボース);
(7)腎臓によるグルコースの再吸収を抑制する薬剤(SGLT抑制剤);
(8)持続性高血糖症の合併症を処置するように設計された薬剤(例えばアルドース還元酵素抑制剤);
(9)抗肥満薬(例えばシブトラミン及びオルリスタット);
(10)HMG−CoA還元酵素抑制剤(スタチン、例えばプラバスタチン);PPARα作用剤(フィブレート、例えばゲムフィブロジル);胆汁酸金属イオン封鎖剤(コレスチラミン);コレステロール吸収抑制剤(植物スタノール、合成抑制剤);胆汁酸吸収抑制剤(IBATi)及びニコチン酸及び類縁体(ナイアシン及び徐放性製剤);のような抗異脂血症剤;
(11)β遮断薬(例えばアテノロール、インデラール);ACE抑制剤(例えばリシノプリル);カルシウム拮抗剤(例えばニフェジピン);アンギオテンシン受容体拮抗剤(例えばカンデサルタン)、α拮抗剤及び利尿剤(例えばフロセミド、ベンズチアジド);のような抗高血圧剤;
(12)抗血栓剤、線維素溶解活性剤及び抗血小板剤;トロンビン拮抗剤;Xa因子抑制剤;VIIa因子抑制剤;抗血小板剤(例えばアスピリン、クロピドグレル);抗凝血剤(ヘパリン及び低分子量類縁体、ヒルジン)及びワルファリンのような止血調整剤;
(13)グルカゴンの作用を遮断する薬剤;及び
(14)非ステロイド抗炎症薬(例えばアスピリン)及びステロイド抗炎症剤(例えばコルチソン)のような抗炎症剤;
と組み合わせて投与することができる。
本発明の更なる態様によれば、治療によるヒトのような温血動物の処置法において用いるための、上記に定義した式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルが提供される。
本発明の更なる態様によれば、医薬として用いるための、上記に定義した式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルが提供される。
本発明の更なる態様によれば、ヒトのような温血動物における2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、又は肥満症の処置における薬剤として使用するための上記に定義した式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルが提供される。
本発明のこの他の態様によれば、ヒトのような温血動物における2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、又は肥満症の処置において用いるための薬剤の製造における上記に定義した式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルの使用が提供される。
本発明のこの他の態様によれば、ヒトのような温血動物における2型糖尿病の処置において用いるための薬剤の製造における上記に定義した式(1)の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、又はその生体内で加水分解可能なエステルの使用が提供される。
本発明のこの態様の更なる特徴によれば、有効量の式(1)の化合物を動物に投与することを含む、処置が必要なヒトのような温血動物においてグリコーゲンホスホリラーゼ抑制効果を生起する方法が提供される。
本発明のこの態様のこの更なる特徴によれば、有効量の式(1)の化合物を動物に投与することを含む、処置が必要なヒトのような温血動物において2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、又は肥満症を処置する方法が提供される。
本発明のこの態様のこの更なる特徴によれば、有効量の式(1)の化合物を動物に投与することを含む、処置が必要なヒトのような温血動物において2型糖尿病を処置する方法が提供される。
上述したように、特定の細胞増殖疾病の治療処置又は予防処置のために必要な用量は、必然的に、処置する宿主、投与経路、及び処置する疾病の重篤度によって変動する。例えば、1〜100mg/kg、好ましくは1〜50mg/kgの範囲の単位用量が想定される。
治療薬中におけるそれらの使用に加えて、式(1)の化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、また、新規な治療薬の調査の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような実験動物における細胞周期活性の抑制剤の効果を評価するための生体外及び生体内試験システムの開発及び標準化における薬理学的手段としても有用である。
上記の他の医薬組成物、プロセス、方法、使用及び薬剤製造の態様においては、本明細書中で記載する本発明の化合物の他の及び好ましい態様も適用される。
本発明を以下の実施例によって説明する。実施例においては、他に示さない限り下記が適用される。
(i)温度は摂氏(℃)で与えられる;操作は、室温又は雰囲気温度、即ち18〜25℃の範囲の温度で、アルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で行った;
(ii)有機溶液は無水硫酸マグネシウム上で乾燥した;溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧(600〜4000Pa;4.5〜30mmHg)下で、60℃以下の浴温を用いて行った;
(iii)クロマトグラフィーとは、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル平板上で行った;ボンドエルートカラムに言及している場合は、これは、Harbor City,California,USAのVarianから「メガボンドエルートSI」の名称(「メガボンドエルート」は商標である)で得られる、60mLの使い捨てシリンジ内に含まれ、多孔性ディスクに担持されている粒径40ミクロンのシリカ10g又は20g又は50gを含むカラムを意味する;バイオタージカートリッジに言及している場合には、これは、1500 Avon Street Extended,Charlottesville,VA 22902,USAのDynax Corp.の事業部であるBiotageによって供給されるKP−SILTMシリカ、60μ、粒径32〜63mMを含むカートリッジを意味する;
(iv)概して、反応過程はTLCによって追跡し、反応時間は例示のみのために与える;
(v)収量は、例示のみのために与え、必ずしも真摯なプロセス開発によって得ることができるものではない;より多くの材料が必要である場合には調製を繰り返した;
(vi)与えられている場合には、NMRデータは、他に示さない限りにおいて溶媒として過重水素ジメチルスルホキシド(DMSO−δ)を用いて(他の溶媒(明細書中に示されている場合には)としては重水素クロロホルム(CDCl)が挙げられる)、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)に対して100万分の1(ppm)で与えられる主診断プロトンに関するδ値の形態である;
(vii)化学記号はそれらの通常の意味を有する;SI単位及び記号を用いる;
(viii)減圧は、絶対圧としてパスカル(Pa)で与えられる;昇圧は、ゲージ圧としてbarで与えられる;
(ix)溶媒比は容積:容積(v/v)値で与えられる;
(x)マススペクトル(MS)データは、HPLC構成部品が概してWaters Alliance HT(2790&2795)装置のいずれかを含み、酸性溶出液(例えば、50/50(v/v)の水:アセトニトリル混合物中に5%の1%ギ酸を有する0〜95%の水/アセトニトリルの傾斜溶液を用いるか;又は、アセトニトリルの代わりにメタノールを用いた同等の溶媒系を用いる)、又は塩基性溶出液(例えば、アセトニトリル混合物中に5%の0.1%880アンモニアを有する0〜95%の水/アセトニトリルの傾斜溶液を用いる)で溶出するPhemonenex Gemimi C18 5μm、50×2mmカラム(又は同様のもの)上で操作されるLCMSシステム上で生成させた;MS構成部品は、概してWaters ZQ分光光度計を含んでいた;エレクトロスプレー(ESI)正及び負ベースピーク強度に関するクロマトグラム、及び220〜300nmからのUV全吸収クロマトグラムを生成し、m/zに関する値を与える;概して、親質量を示すイオンのみを報告し、他に示さない限り示される値は(MH)である;
(xi)以下の略号を用いる場合がある:
RT:保持時間;
EtOAc:酢酸エチル;
MeOH:メタノール;
EtOH:エタノール;
DCM:ジクロロメタン;
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;
EDCI(EDAC):1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;
EtO:ジエチルエーテル;
THF:テトラヒドロフラン;
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
EDAC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩;
TFA:トリフルオロ酢酸;
DMTMM:4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド;
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド;
NaHCO:重炭酸ナトリウム;
NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド;
mCPBA:m−クロロ過安息香酸;
DABCO:ジアザ−[2.2.2]ビシクロ−オクタン;
HPLC:高圧液クロマトグラフィー;
AcOH:酢酸;
Boc:tert−ブトキシカーボネート;
MeCN:アセトニトリル;
IPA:イソプロピルアルコール;
DEA:ジエチルアミン;
TEA:トリエチルアミン。
実施例1:[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸
Figure 2008528667
DCM(5mL)中のtert−ブチル[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]アセテート(中間体5;150mg、0.325ミリモル)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応系を雰囲気温度で2時間撹拌した。減圧下での蒸発及び真空での乾燥によって標記化合物(100mg、76%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ: 2.85 (dd, 1H), 3.24 (m, 1H), 3.42 (m, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.8 (m, 1H), 4.05 (s, 1H), 4.5 (m, 1H), 7.02 (d, 1H), 7.18 (m, 4H), 7.4 (m, 1H), 8.4 (d, 1H), 11.81 (s, 1H), 12.52 (s, 1H); MS m/z 403/405。
出発物質として適当なtert−ブチルエステル(中間体6)を用いて実施例1の方法によって次の実施例を行った。
実施例2:[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸
Figure 2008528667
Figure 2008528667
実施例3:(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
Figure 2008528667
DCM(10mL)中のtert−ブチル(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパノエート(中間体17;410mg、0.98ミリモル)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応系を雰囲気温度で20時間撹拌した。減圧下での蒸発及び真空での乾燥によって、標記化合物(310mg、86%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ: 1.4 (dd, 3H), 2.9 (m, 1H), 3.42 (m, 2H), 3.61 (d, 0.5H), 3.77 (dd, 0.5H), 3.95 (m, 0.5H), 4.04 (m, 1.5H), 4.85 (m, 1H), 6.42 (m, 1H), 6.65 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 7.22 (m, 5H), 10.38 (s, 0.5H), 10.44 (s, 0.5H); MS m/z 417/419 (M-H)。
適当なtert−ブチルエステル(中間体18)を用いて実施例3の方法によって次の実施例を行った。
実施例4:(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸
Figure 2008528667
Figure 2008528667
実施例5:3−((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン酸
Figure 2008528667
1,4−ジオキサン:水(2mL、2:1)中のエチル3−((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパノエート(中間体22;150mg、0.36ミリモル)の溶液に、水酸化ナトリウム溶液(540μL、2M水溶液、1.08ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で20時間撹拌した。混合物を部分的に蒸発させ(約0.5容量に蒸発)、残渣をpH2に酸性化し(2M−HCl)、得られた沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥して、標記化合物(120mg、86%)を粉末として得た。
1H-NMR δ: 1.82 (m, 1H), 2.04 (m, 1H), 2.37 (m, 2H), 2.88 (dd, 1H), 3.22 (m, 2H), 4.4 (m, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.23 (m, 4H), 8.43 (d, 1H), 11.86 (s, 1H), 12.04 (s, 1H); MS m/z 389/391。
実施例6:3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸
Figure 2008528667
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸メチルエステル(中間体30;355mg、0.74ミリモル)を、メタノール(5mL)中に溶解し、2M水酸化ナトリウム溶液(1.84mL、3.68ミリモル)で処理し、室温で1時間撹拌した。次に、反応混合物を蒸発させてメタノールを除去し、2M−HClで酸性化し、EtOAc(50mL)で希釈した。水(2×10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)した後、真空での蒸発によって揮発成分を除去して、標記生成物(336mg、97%)を白色の固体として得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO) δ 2.7(t,2H), 2.9(m,2H), 3.05(m,1H), 3.3(m,3H), 3.5(m,1H), 4.6(m,1H), 7.15(s,1H), 7.25(m,3H), 7.4(m,1H), 8.5(d,1H),12.4(s,1H), 12.5(s,1H) MS m/z 469。
実施例7:3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメタンスルホニル}プロピオン酸
Figure 2008528667
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸(実施例6;336mg、0.72ミリモル)を、DCM(20mL)中に溶解し、5℃に冷却し、mCPBA(398mg、2.25ミリモル)で処理した。5℃で1時間撹拌した後、DMA(1mL)を加えて明澄な溶液を与え、DCMを減圧下での蒸発によって除去した。逆相調製用HPLC(MeCN、水、TFA)によって、得られたDMA溶液から標記化合物を単離した。生成物フラクションを合わせて濃縮して固体の沈殿物を与え、これを濾過によって回収し、水で洗浄し、真空で乾燥して、標記化合物(177mg、49%)を淡桃色の固体として得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO) δ 2.7 (t,2H), 2.95 (dd, 1H), 3.3 (m,1H), 3.5 (t,2H), 3.6 (m,2H), 3.7 (m,1H), 4.65 (m,1H), 7.1 (s,1H), 7.3 (m,3H), 7.5 (m,1H), 8.6 (d,1H),12.4 (s,1H), 12.6 (s,1H); MS m/z 501。
実施例8:((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸
Figure 2008528667
メチル((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセテート(中間体31;581mg、1.4ミリモル)を、MeOH(5mL)中に溶解した。炭酸カリウム(500mg)を加え、懸濁液を60℃で19時間撹拌した。減圧下で揮発成分を除去し、次にEtOAc(25mL)及び水(25mL)を加えた。有機相を分離し、水(2×25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、減圧下で揮発成分を除去した。次に、生成物を真空で乾燥して、標記化合物(570mg、100%)を固体として得た。
1H-NMR δ: 2.62 (m, 2H), 2.87 (m, 1H), 3.24 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 7.16 (m, 5H), 8.47 (d, 1H), 12.14 (s, 1H), 12.34 (s, 1H); MS m/z 409。
実施例9及び10:(3R)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸及び(3S)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸
Figure 2008528667
カルボキシレートに対するα炭素における構造においてのみ異なる酸のジアステレオマー混合物(中間体37;222mg、0.48ミリモル)を、以下の条件下でクロマトグラフィーにかけて、ジアステレオマーを分離した。
カラム:Merck 50mm 10μm Kr60 シリカ No.SAT001;
溶出液:イソ−(ヘキサン/HOAc 99.9/0.1)(CHCl/MeOH/HOAc 100/2/0.1)50/50。
適当なフラクションを合わせて、真空で蒸発させて、第1の溶出化合物(95mg、43%)及び第2の溶出化合物(104mg、47%)を固体として得た。一方は(3R)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸であり、他方は(3S)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸であった。
第1溶出化合物(実施例9):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ-0.15 (1H, m), 0.06 (1H, m), 0.39 (2H, t), 0.75 (1H, m), 1.07 (1H, m), 2.28-2.35 (1H, m), 2.87-2.93 (1H, m), 3.27 (1H, d), 3.44-3.51 (1H, m), 4.00 (1H, d), 4.96-5.04 (1H, m), 6.22 (1H, d), 6.49 (1H, s), 7.24 (4H, m), 11.59 (1H, s); MS m/z 463.3。
第2溶出化合物(実施例10):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ-0.01 (1H, m), 0.15 (1H, m), 0.37-0.45 (2H, m), 0.70 (1H, m), 1.57-1.62 (1H, m), 1.87-1.93 (1H, m), 2.64-2.71 (1H, m), 2.80 (1H, m), 3.43 (1H, d), 3.48 (1H, q), 4.94-5.00 (1H, m), 6.25 (1H, d), 6.54 (1H, m), 7.20-7.28 (3H, m), 11.51 (1H, s); MS m/z 461.2。
実施例11及び12:(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸及び(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸
Figure 2008528667
ジメチル((1S,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(2−メトキシエチル)マロネート(中間体42;4.27g、7.92ミリモル)を、THF(10mL)中に溶解し、その後水酸化リチウム(655mg、15.62ミリモル)及び水(5mL)を加えた。反応系を、電子レンジ内において150℃で50分加熱し、その後EtOAc(100mL)及び水(30mL)を加え、2M−HCl(10mL)でpH1に酸性化した。次に、有機層を分離し、食塩水(50mL)で洗浄し、その後ストリッピングして、褐色の発泡体を得た。この反応を繰り返し、この物質(5.4g、11.59ミリモル)を、以下の条件下でクロマトグラフィーにかけてジアステレオマーを分離した。
カラム:10μm Merck 50mm Kromasil Si 60−10 No.SAT0011;
溶出液:EtOAc/EtOH/TEA/HOAc 95/5/0.2/0.1。
適当なフラクションを合わせて蒸発させ、その後それぞれのジアステレオマーをEtOAc(50mL)中に溶解し、TFA(2mL)で酸性化し、次に水(2×25mL)で洗浄した。次に、生成物を真空で乾燥して、第1の溶出化合物(1.756mg、33%)及び第2の溶出化合物(2.012g、37%)を固体として得た。一方は、(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸であり、他方は(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸であった。
第1溶出化合物(実施例11):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δl.48-1.56 (1H, m), 2.01 (3H, s), 2.14-2.20 (1H, m), 2.80-2.87 (1H, m), 3.20-3.27 (1H, m), 3.37-3.43 (2H, m), 3.50-3.56 (1H, m), 3.93-3.96 (1H, m), 4.81 (1H, t), 6.44 (1H, d), 6.50 (1H, d), 7.14-7.21 (5H, m), 11.16 (1H, s); MS m/z 467。
第2溶出化合物(実施例12):1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δl.90-1.97 (2H, m), 2.02 (1H, s), 2.02-2.10 (1H, m), 2.74-2.79 (2H, m), 3.37-3.43 (1H, m), 3.35-3.48 (3H, m), 4.84-4.91 (1H, m), 6.46 (1H, d), 6.54 (1H, d), 7.08-7.16 (4H, m), 7.19 (1H, s), 10.95 (1H, s); MS m/z 467。
実施例13及び14:(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸及び(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸
Figure 2008528667
ジメチル((1S,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(2−エトキシエチル)マロネート(中間体45;2.16g、3.91ミリモル)を、THF(15mL)中に溶解し、その後水酸化リチウム(655mg、15.62ミリモル)及び水(5mL)を加えた。反応系を、電子レンジ内において150℃で100分加熱し、その後EtOAc(100mL)及び水(30mL)を加え、2M−HCl(10mL)でpH1に酸性化した。有機層を分離し、次に食塩水(50mL)で洗浄し、その後ストリッピングして、褐色の発泡体を得た。この物質を以下の条件下でクロマトグラフィーにかけてジアステレオマーを分離した。
カラム:16μm Chirose Bond C2 NCB(250mm×4.6mm)CT9014;
溶出液:イソ−ヘキサン/IPA/AcOH/DEA 35/65/0.2/0.1。
適当なフラクションを合わせて蒸発させて、その後それぞれのジアステレオマーをEtOAc(50mL)中に溶解し、TFA(1.2mL)で酸性化し、次に水(2×25mL)で洗浄した。次に、生成物を真空で乾燥して、第1の溶出化合物(975mg、56%)及び第2の溶出化合物(620mg、36%)を固体として得た。一方は(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸であり、他方は(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸であった。
第1溶出化合物(実施例13):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.06 (3H, t), 1.63-1.67 (1H, m), 1.91 (1H, d), 2.81-2.87 (2H, m), 3.32-3.42 (5H, m), 3.59 (1H, t), 4.79-4.83 (1H, m), 7.15 (1H, d), 7.20-7.26 (3H, m), 7.18-7.28 (1H, m), 8.51 (1H, d), 12.36 (1H, s); MS m/z 481.2。
第2溶出化合物(実施例14):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) 1.05-1.10 (3H, m), 1.64-1.72 (1H, m), 1.92-1.99 (1H, m), 2.72-2.77 (1H, m), 2.81-2.87 (1H, m), 3.20-3.40 (5H, m), 3.60 (1H, t), 4.61-4.68 (1H, m), 7.09-7.11 (1H, m), 7.17-7.26 (4H, m), 8.42 (1H, d), 12.31 (1H, s); MS m/z 481.2。
実施例15及び16:(2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸及び(2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸
Figure 2008528667
出発物質として中間体46を用いて、実施例13及び14と同様の方法で上記化合物を調製した。
第1溶出化合物(実施例15):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)) δ 1.42-1.79 (4H, m), 2.59-2.64 (1H, m), 2.81-2.86 (1H, m), 3.17 (3H, s), 3.25 (3H, m), 3.56 (1H, t), 4.62-4.66 (1H, m), 7.11-7.11 (1H, m), 7.18-7.25 (4H, m), 8.40 (1H d), 12.18 (1H, s), 12.32 (1H, s); MS m/z 481.1。
第2溶出化合物(実施例16):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.40-1.72 (4H, m), 2.69-2.73 (1H, m), 2.83-2.88 (1H, m), 3.16 (3H, s), 3.26-3.29 (3H, m), 3.56 (1H t), 4.77-4.84 (1H, m), 7.11 (1H, m), 7.25-7.29 (4H, m), 8.49 (1H d), 12.18 (1H, s), 12.36 (1H, s); MS m/z 481.1。
実施例17及び18:(3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸及び(3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸
Figure 2008528667
3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸メチルエステル(中間体52;324mg、1.65ミリモル)を、MeOH(10mL)中に溶解し、2M水酸化ナトリウム(1.65mL、3.28ミリモル)で処理した。雰囲気温度で24時間撹拌した後、混合物を減圧下で蒸発させてメタノールを除去し、水(20mL)で希釈し、2M−HClでpH4に酸性化し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させてゴム状物を得た。これをDCM中に溶解し、12gシリカカラムに施し、EtOAc−15AcOH/ヘキサン0〜100%で溶出して、ジアステレオマーの混合物をゴム状物として得た(245mg)。ジアステレオマーを、以下の条件下でクロマトグラフィーによって分離した。
カラム:Merck 50mm 20μm Chiralpak AD;
溶出液:MeCN/EtOH/HOAc 90/10/0.1。
適当なフラクションを合わせて蒸発させて、第1の溶出化合物(93mg、12%)及び第2の溶出化合物(69mg、8.7%)を固体として得た。一方は(3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸であり、他方は(3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸であった。
第1溶出化合物(実施例17):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.59-1.71 (2H, m), 2.01-2.06 (1H, m), 2.16-2.23 (1H, m), 2.50 (1H, m), 2.85-2.91 (1H, m), 3.18-3.20 (4H, m), 3.23-3.46 (3H, m), 4.56-4.64 (1H, m), 7.13 (1H, d), 7.20-7.26 (4H, m), 8.54 (1H, d), 12.36-12.69 (1H, m); MS m/z 481。
第2溶出化合物(実施例18):1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.42-1.48 (2H, m), 2.29-2.42 (2H, m), 2.83-2.89 (1H, m), 3.12 (3H, s), 3.20-3.40(4H, m), 3.42-3.44 (1H, m), 4.63 (1H, t), 7.13 (1H, s), 7.19-7.25 (4H, m), 8.61 (1H, d); MS m/z 481。
中間体1:2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボン酸
Figure 2008528667
NaOH(15mL、2N水溶液)を、2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6H−チエノ[2,3−b]ピロール(中間体3、777mg、3.6ミリモル)のMeOH(50mL)溶液に加え、混合物を還流下で5時間加熱した。反応系を雰囲気温度に冷却し、水(250mL)を加え、水性相をEtO(2×50mL)で洗浄し、HCl(2N)でpH2に酸性化し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせて、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(705mg、97%)を淡桃色の固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 12.6-12.7 (1H, b), 12.0-12.1 (1H, b), 7.15 (1H, s), 6.9 (1H, s); MS m/z 183, 185。
エステルとして2,3−ジクロロ−5−メトキシカルボニル−4H−チエノ[3,2−b]ピロール(中間体4)を用いて、中間体1の方法によって次の中間体を調製した。
中間体2:5−カルボキシ−2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール
Figure 2008528667
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.0 (1H, s); MS m/z 234。
中間体3:2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6H−チエノ[2,3−b]ピロール
Figure 2008528667
ナトリウム(659mg、28.7ミリモル)を乾燥MeOH(20mL)に加え、混合物を雰囲気温度で30分撹拌し、その後−20℃に冷却した。2−クロロチオフェン−3−カルボキシアルデヒド(Gronowitzら、Tetrahedron vol.32,1976,p.1403;1.17g、7.2ミリモル)及びメチルアジドアセテート(3.3g、28.7ミリモル)をMeOH(10mL)溶液として加え、反応系を−20℃〜10℃で16時間以上撹拌した。反応系を、塩化アンモニウム飽和溶液(300mL)上に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。有機相を合わせて、水(2×100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をキシレン(50mL)中に再溶解し、還流キシレン(150mL)に滴加し、添加が完了した後、還流下で更に30分撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、黄色の固体を得、これを再結晶(25:75、EtOAc:イソヘキサン)して標記化合物(1.06g、69%)を固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.4-9.2 (1H, br), 7.0 (1H, s), 6.9(1H, s), 3.9 (3H, s); MS m/z 214, 216。
アルデヒドとして4,5−ジクロロチオフェン−2−カルボアルデヒド(DE2814798を参照)を用いて、中間体3の方法によって次の中間体を調製した。
中間体4:2,3−ジクロロ−5−メトキシカルボニル−4H−チエノ[3,2−b]ピロール
Figure 2008528667
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.2 (1H, br), 7.0 (1H, s), 3.9 (3H, s); MS m/z 248.2。
中間体5:tert−ブチル[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]アセテート
Figure 2008528667
HOBT(280mg、2.07ミリモル)、tert−ブチル{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}アセテート(中間体7;575mg、2.07ミリモル)、及びEDAC(496mg、2.6ミリモル)を、DMA(5mL)中の2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体1;417mg、2.07ミリモル)の懸濁液に加えた。反応系を雰囲気温度で20時間撹拌した。水(25mL)を加え、沈殿物を濾過し、水(2×20mL)で洗浄し、乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、1:1)による精製によって標記化合物(150mg、16%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ: 1.5(s, 9H), 2.95(dd, 1H), 3.5(m, 1H), 3.64(dd, 1H), 3.8(m, 1H), 3.95(m, 1H), 4.06(d, 2H), 4.57(m, 1H), 6.73(m, 2H), 6.87(s, 1H), 7.27(m, 4H), 9.95(s, 1H); MS m/z 459/461 (M-H)。
アミンとしてtert−ブチル{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}アセテート(中間体7)、及び適当なカルボン酸(2,3−ジクロロ−6H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸:中間体2)を用いて、中間体5の方法によって次の中間体を調製した。
中間体6:tert−ブチル[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]アセテート
Figure 2008528667
Figure 2008528667
中間体7:tert−ブチル{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}アセテート
Figure 2008528667
THF(30mL)中のtert−ブチル({(1R,2R)−2−[({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}カルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)アセテート(中間体8;3.5g、8.03ミリモル)の溶液に、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(8.8mL、THF中1M、8.8ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で1時間撹拌した。塩化アンモニウム溶液(25mL、飽和水溶液)を加え、混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機抽出物を、水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去して、標記化合物(2.2g、100%)を油状物として得た。
MS m/z 278。
中間体8:tert−ブチル({(1R,2R)−2−[({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}カルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)アセテート
Figure 2008528667
無水DCM(20mL)中のtert−ブチル({(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)アセテート(中間体9;2.8g、7.42ミリモル)及び2,6−ルチジン(1.73mL、14.83ミリモル)の溶液に、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(2.6mL、11.1ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で30分撹拌した。塩化アンモニウム溶液(20mL、飽和水溶液)を加え、混合物をEtOAc(2×35mL)で抽出した。有機抽出物を、水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下の蒸発によって除去して、標記化合物(3.2g、100%)を油状物として得た。
MS m/z 458 (M+Na)。
中間体9:tert−ブチル({(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)アセテート
Figure 2008528667
DCM(35mL)中のtert−ブチル[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]カルバメート(中間体10;2.63g、10.0ミリモル)の溶液に、tert−ブチルブロモアセテート(2.0mL、12.5ミリモル)、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩(850mg、2.5ミリモル)、及びNaOH(9.6mL、50%w/v水溶液、120.0ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で3時間撹拌した。水(50mL)を加え、混合物をDCM(2×50mL)で抽出した。有機抽出物を、水(25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。(SiO、イソヘキサン:EtOAc、3:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標記化合物(350mg、93%)を油状物として得た。
MS m/z 400 (M+Na)
中間体10:tert−ブチル[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]カルバメート
Figure 2008528667
テトラブチルアンモニウムフルオリド(10.0mL、THF中2.0M、20.0ミリモル)を、THF(50mL)中のtert−ブチル[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]カルバメート(中間体11;4.1g、10.9ミリモル)の溶液に加え、雰囲気温度で4時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)中に溶解し、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。粗残渣を、粉砕(4:1、イソヘキサン:酢酸エチル)し、濾過し、乾燥して、標記化合物(1.5g、54%)を白色の固体として得た。
1H-NMR 1.44 (s, 9H), 2.78 (dd, 1H), 3.15 (m, 2H), 3.61 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 4.7 (m, 1H), 7.19 (m, 4H), 7.37 (m, 1H)。
中間体11:tert−ブチル[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]カルバメート
Figure 2008528667
(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アミン(中間体12;3.1g、11.2ミリモル)及びトリエチルアミン(3.1mL、22.4ミリモル)を、DCM(40mL)中に溶解した。DCM(10mL)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(2.9g、13.4ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で24時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(75mL)中に溶解し、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(16:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、標記化合物(4.2g、100%)を無色の油状物として得た。
1H-NMR 0.3 (d, 6H), 0.85 (s, 9H), 1.42 (s, 9H), 2.75 (dd, 1H), 3.15 (m, 2H), 3.79 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 4.05 (m, 1H), 7.15 (m, 4H), 7.3 (m, 1H)。
中間体12:[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アミン
Figure 2008528667
(1S,2S)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート(中間体13;7.2g、20.2ミリモル)をDMA(50mL)中に溶解し、アジ化ナトリウム(3.94g、60.6ミリモル)を加え、混合物を60℃で7時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(250mL)中に注ぎ、水(6×75mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)した。炭素上パラジウム(500mg、10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で6時間撹拌した。Celiteを通して濾過し、次に減圧下で蒸発させることによって、標記化合物(5.2g、93%)を淡褐色の油状物として得た。
1H-NMR 0.07 (d, 6H), 0.9 (s, 9H), 2.58 (dd, 1H), 2.89 (m, 1H), 3.1 (dd, 1H), 3.3 (ブロードs, 2H), 3.41 (m, 1H), 3.85 (m, 2H), 7.2 (m, 4H)。
中間体13:(1S,2S)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート
Figure 2008528667
(1S,2S)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)インダン−2−オール(中間体14;6.3g、22.65ミリモル)及びトリエチルアミン(4.7mL、34.0ミリモル)をDCM(90mL)中に5℃で溶解した。DCM(10mL)中の塩化メタンスルホニル(2.86g、24.9ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で2時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)中に溶解し、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(6:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、標記化合物(7.2g、89%)を無色の油状物として得た。
1H-NMR 0.03 (d, 6H), 0.85 (s, 9H), 3.19 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 3.45 (m, 1H), 3.95 (m, 2H), 5.45 (m, 1H), 7.22 (m, 4H)。
中間体14:(1S,2S)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)インダン−2−オール
Figure 2008528667
(1S,2S)−1−(ヒドロキシメチル)インダン−2−オール(中間体15;9.0g、54.8ミリモル)及びイミダゾール(4.5g、65.8ミリモル)を10℃でDCM(75mL)中に溶解した。DCM(25mL)中のtert−ブチルジメチルクロロシラン(9.1g、60.3ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度に加温し、2時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)中に溶解し、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(16:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、標記化合物(9.5g、62%)を無色の油状物として得た。
1H-NMR 0.03 (d, 6H), 0.9 (s, 9H), 2.78 (dd, 1H), 3.0 (dd, 1H), 3.1 (m, 1H), 3.9 (m, 2H), 4.54 (m, 1H), 4.68 (d, 1H), 7.2 (m, 4H)。
中間体15:(1S,2S)−1−(ヒドロキシメチル)インダン−2−オール
Figure 2008528667
メチル(1R,2S)−2−ヒドロキシインダン−1−カルボキシレート(中間体16;10.56g、55.0ミリモル)を、窒素雰囲気下、0℃において、乾燥THF(100mL)中に溶解した。LiBH(55.0mL、THF中2.0M、110.0ミリモル)を加え、反応系を0〜5℃において0.5時間撹拌し、雰囲気温度に加温し、更に2時間撹拌した。混合物を、重炭酸ナトリウム飽和溶液中に注ぎ、酢酸エチル(200mL)で抽出し、有機相を、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)した。揮発成分を減圧下での蒸発によって除去して、標記化合物(9.1g、93%)を無色の油状物として得た。
1H-NMR 2.7 (m, 1H), 2.95 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.8 (m, 1H), 4.55 (m, 3H), 7.2 (m, 4H)。
中間体16:メチル(1R,2S)−2−ヒドロキシインダン−1−カルボキシレート
Figure 2008528667
(参照:Didier,Eら,Tetrahedron 47(27),4941−4958,1991)
脱イオン水(20L)を34℃に加温し、パン酵母(3kg)を加え、混合物を0.5時間撹拌した。メチル2−オキソインダン−1−カルボキシレート(40g、0.21ミリモル)を加え、懸濁液を3日間撹拌し、Celiteを通して濾過した。水性の濾液を酢酸エチル(4×2.5L)で抽出し、有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(4:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製し、溶媒を蒸発させ、得られた固体をイソヘキサン/酢酸エチルから再結晶して、標記化合物(10.8g、27%)を無色の針状結晶として得た。
融点=72.5〜73.5℃(文献値=73.2℃);[∝]=+48.7°(C=1.0,CHCl)(文献値=+48.3°)
1H-NMR 2.85 (dd, 1H), 3.04 (dd, 1H), 3.61 (s, 3H), 4.1 (d, 1H), 4.76 (m, 1H), 5.2 (d, 1H), 7.2 (m, 4H)。
中間体17:tert−ブチル(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパノエート
Figure 2008528667
HOBT(185mg、1.37ミリモル)、tert−ブチル(2R/S)−{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}プロパノエート(中間体19;400mg、1.37ミリモル)、及びEDAC(328mg、1.71ミリモル)を、DMA(5mL)中の2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体1;276mg、1.37ミリモル)の懸濁液に加えた。反応系を雰囲気温度で20時間攪拌した。水(25mL)を加え、沈殿物を濾過し、水(2×20mL)で洗浄し、乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、2:1)によって精製して、標記化合物(410mg、63%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ: 1.37 (dd, 3H), 1.45 (d, 9H), 2.98 (m, 1H), 3.48 (m, 1H), 3.65 (m, 1.5H), 3.85 (m, 2H), 4.12 (m, 0.5H), 6.64 (d, 0.5H), 6.7 (dd, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.9 (d, 0.5H), 7.25 (m, 4H), 10.72 (s, 1H); MS m/z 473/475 (M-H)。
アミンとしてtert−ブチル(2R/S)−{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}プロパノエート(中間体19)、及び適当なカルボン酸(2,3−ジクロロ−6H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸:中間体2)を用いて、中間体17の方法によって次の中間体を調製した。
中間体18:tert−ブチル(2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパノエート
Figure 2008528667
Figure 2008528667
中間体19:tert−ブチル(2R/S)−{[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]メトキシ}プロパノエート
Figure 2008528667
THF(50mL)中のtert−ブチル(2R/S)−({(1R,2R)−2−[({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}カルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)プロパノエート(中間体20;3.1g、7.0ミリモル)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(9.0mL、THF中1M、9.0ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で4時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(25mL)を加え、混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機抽出物を、水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去して、標記化合物(1.6g、80%)を油状物として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 1.48 (d, 9H), 3.0 (ddd, 1H), 3.32 (m, 1H), 3.55 (m, 3H), 3.7 (m, 1H), 3.9 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 7.17 (m, 4H); MS m/z 292。
中間体20:tert−ブチル(2R/S)−({(1R,2R)−2−[({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}カルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)プロパノエート
Figure 2008528667
無水DCM(25mL)中のtert−ブチル(2R/S)−({(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)プロパノエート(中間体21;2.75g、7.02ミリモル)及び2,6−ルチジン(1.6mL、14.0ミリモル)の溶液に、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(2.4mL、10.54ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で30分攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)を加え、混合物をEtOAc(2×35mL)で抽出した。有機抽出物を、水(20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去して、標記化合物(3.2g、100%)を油状物として得た。
MS m/z 472 (M+Na)。
中間体21:tert−ブチル(2R/S)−({(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メトキシ)プロパノエート
Figure 2008528667
DCM(30mL)中のtert−ブチル[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]カルバメート(中間体10;2.63g、10.0ミリモル)の溶液に、tert−ブチル−(2R/S)−ブロモプロピオネート(2.6g、12.5ミリモル)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(850mg、2.5ミリモル)、及び水酸化ナトリウム(9.6mL、50%w/v水溶液、120.0ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で3時間攪拌した。水(50mL)を加え、混合物をDCM(2×50mL)で抽出した。有機抽出物を、水(25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、揮発成分を減圧下で除去した。残渣を(SiO、イソヘキサン:EtOAc、3:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(2.5g、64%)を油状物として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 1.42 (m, 21H), 2.78 (ddd, 1H), 3.23 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 4.85 (m, 2H), 4.14 (m, 1H), 4.9 (m, 1H), 7.17 (m, 3H), 7.37 (m, 1H); MS m/z 414 (M+Na)。
中間体22:エチル3−((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピオネート
Figure 2008528667
DMSO(8mL)及び水(300μL)中のジエチル[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]マロネート(中間体23;500mg、1.02ミリモル)の溶液に、塩化ナトリウム(230mg、4.09ミリモル)を加え、反応系を160℃で20時間加熱した。揮発成分を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、2:1)によって精製して、標記化合物(150mg、35%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 1.23 (t, 3H), 2.02 (m, 1H), 2.18 (m, 1H), 2.57 (m, 2H), 2.85 (dd, 1H), 3.21 (m, 1H), 3.6 (dd, 1H), 4.15 (q, 2H), 4.55 (m, 1H), 6.65 (d, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 7.23 (m, 4H), 10.24 (s, 1H); MS m/z 417/419。
中間体23:ジエチル[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]マロネート
Figure 2008528667
無水THF(15mL)中のジエチルマロネート(1.12g、7.0ミリモル)の溶液に、−78℃において、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(7mL、THF中1M、7.0ミリモル)を加えた。反応系を10℃に加温し、無水THF(15mL)中の((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチルメタンスルホネート(中間体24;850mg、2.0ミリモル)の溶液を加え、反応系を65℃において20時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を加え、混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。有機抽出物を、水(25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、2:1)によって精製して、標記化合物(500mg、51%)を発泡体として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 1.22 (t, 3H), 1.26 (t, 3H), 2.21 (m, 1H), 2.48 (m, 1H), 2.82 (dd, 1H), 3.19 (m, 1H), 3.65 (dd, 1H), 3.76 (dd, 1H), 4.2 (m, 4H), 4.5 (m, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.82 (d, 1H), 6.88 (s, 1H), 7.24 (m, 4H), 10.4 (s, 1H); MS m/z 511/513 (M+Na)。
中間体24:((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチルメタンスルホネート
Figure 2008528667
2−クロロ−N−[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボキサミド(中間体26;347mg、1.0ミリモル)及びトリエチルアミン(350μL、2.5ミリモル)をTHF(10mL)中に溶解した。THF(5mL)中の塩化メタンスルホニル(126mg、1.1ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で24時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(25mL)中に溶解し、水(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(370g、87%)を淡褐色の発泡体として得た。
1H-NMR 2.95 (dd, 1H), 3.18 (s, 3H), 3.3 (dd, 1H), 3.58 (m, 1H), 4.45 (m, 1H), 4.58 (m, 2H), 7.02 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.23 (m, 3H), 7.35 (m, 1H), 8.48 (d, 1H), 11.86 (s, 1H); MS m/z 425.1/427.1。
中間体25:((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチルメタンスルホネート
Figure 2008528667
2,3−ジクロロ−N−[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボキサミド(実施例27;1.2g、3.15ミリモル)及びトリエチルアミン(658μL、4.73ミリモル)をTHF(20mL)中に溶解した。THF(5mL)中の塩化メタンスルホニル(397mg、3.47ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で3時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)中に溶解し、水(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(1.45g、100%)を淡褐色の発泡体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.95 (dd, 1H), 3.5 (dd, 1H), 3.62 (m, 1H), 4.45 (dd, 1H), 4.65 (dd, 1H), 4.8 (m, 1H), 6.4 (d, 1H), 6.75 (s, 1H), 7.25 (m, 4H), 9.8 (s, 1H); MS m/z 481, 483 (M+Na)。
中間体26:2−クロロ−N−[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボキサミド
Figure 2008528667
N−[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボキサミド(中間体28;320mg、0.7ミリモル)をTHF(10mL)中に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(5mL、THF中1M、5.0ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で4時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(15mL)中に溶解し、水(2×5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣を結晶化(酢酸エチル:イソヘキサン、1:1)して、標記化合物(160mg、66%)を無色の固体として得た。
1H-NMR 2.93 (dd, 1H), 3.32 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 4.55 (m, 1H), 4.8 (t, 1H), 7.1 (s, 1H), 7.22 (m, 4H), 7.4 (m, 1H), 8.45 (d, 1H), 11.9 (s, 1H); MS m/z 345, 347。
中間体27:2,3−ジクロロ−N−[(1R,2R)−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボキサミド
Figure 2008528667
N−[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボキサミド(中間体29;286mg、0.56ミリモル)をTHF(5mL)中に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(2mL、THF中1M、2.0ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で2時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(15mL)中に溶解し、水(2×5mL)、食塩水(2×5mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣を結晶化(酢酸エチル)して、標記化合物(120mg、57%)を無色の固体として得た。
1H-NMR δ: 2.9 (dd, 1H), 3.3 (m, 1H), 3.68 (m, 2H), 4.55 (m, 1H), 4.75 (t, 1H), 7.2 (m, 4H), 7.39 (m, 1H), 8.5 (d, 1H), 12.35 (s, 1H); MS m/z 381, 383, 385。
中間体28:N−[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボキサミド
Figure 2008528667
[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アミン(中間体12;277mg、1.0ミリモル)、2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体1;201mg、1.0ミリモル)、及びDIPEA(174μL、1.0ミリモル)をDCM(10mL)中に溶解した。HOBT(135mg、1ミリモル)及びEDCI(240mg、1.25ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で2時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(25mL)中に溶解し、水(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(6:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、標記化合物(320mg、70%)を黄色の発泡体として得た。
1H-NMR 0.03 (d, 6H), 0.85 (s, 9H), 2.9 (dd, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.9 (m, 2H), 4.58 (m, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.2 (m, 4H), 7.38 (m, 1H), 8.4 (d, 1H), 11.87 (s, 1H)。
中間体29:N−[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]−2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボキサミド
Figure 2008528667
[(1R,2R)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アミン(中間体12;277.0mg、1.0ミリモル)、2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体2;236mg、1.0ミリモル)、及びDIPEA(174μL、1.0ミリモル)をDCM(10mL)中に溶解した。HOBT(135mg、1ミリモル)及びEDCI(240mg、1.25ミリモル)を加え、混合物を雰囲気温度で2時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(25mL)中に溶解し、水(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(6:1、イソヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、標記化合物(286mg、56%)を橙色の発泡体として得た。
1H-NMR δ: 0.03 (d, 6H), 0.85 (s, 9H), 2.9 (dd, 1H), 3.35 (m, 1H), 4.93 (m, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.23 (m, 4H), 7.38 (m, 1H), 8.5 (d, 1H), 12.37 (s, 1H)。
中間体30:3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸メチルエステル
Figure 2008528667
メチル3−メルカプトプロピオネート(664μL、6ミリモル)を、THF(15mL)中に溶解し、氷/水で5℃に冷却した。温度を10℃以下に保持しながらNaHMDSの溶液(6mL、THF中1M溶液)を滴加し、5℃で30分攪拌した後、THF(5mL)中のメタンスルホン酸(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]−インダン−1−イルメチルエステル(中間体25;916mg、2ミリモル)の溶液を加え、混合物を雰囲気温度に加温し、一晩攪拌した。次に、飽和塩化アンモニウム(50mL)を加え、混合物をDCM(2×50mL)で抽出した。DCM抽出物を合わせて、乾燥(MgSO)し、蒸発させて褐色の油状物を残留させ、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(40g、EtOAc/ヘキサン0〜30%の傾斜濃度)によって精製して、標記化合物を明澄な無色の油状物として得、これを静置して結晶化させた(770mg、80%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO) δ 2.6 (t,2H), 2.75 (t,2H), 2.9 (m,2H), 3.0 (m,1H), 3.3 (m,1H), 3.45 (m,1H), 3.6 (s,3H), 4.6 (m,1H), 7.15 (s,1H),7.2 (m,3H), 7.4 (m,1H), 8.5 (d,1H), 12.4 (s,1H); MS m/z 483。
中間体31:メチル((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセテート
Figure 2008528667
2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体2;463mg、2.0ミリモル)、メチル[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]アセテート塩酸塩(中間体32;500mg、2.1ミリモル)、トリエチルアミン(0.63mL、4.5ミリモル)、及びHOBT(307mg、2.3ミリモル)をDMF(20mL)中に溶解した。EDAC(436mg、2.3ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で19時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去し、粗製品をEtOAc(15mL)中に溶解した。有機相を、水(3×15mL)、食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、溶媒を真空で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、1:5−EtOAc:ヘキサン〜3:2−EtOAc:ヘキサンの傾斜濃度)による精製によって、標記化合物(783mg、94%)を固体として得た。
1H-NMR δ: 2.72 (d, 2H), 2.89 (m, 1H), 3.24 (m, 1H), 3.56 (m, 4H), 4.43 (m, 1H), 7.16 (m, 5H), 8.47 (d, 1H), 12.31 (s, 1H); MS m/z 423。
中間体32:メチル[(1R,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]アセテート塩酸塩
Figure 2008528667
メチル{(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセテート(中間体33;4.09g、13ミリモル)をDCM(20mL)中に溶解し、HCl(20mL、ジオキサン中4M)で処理し、雰囲気温度で1時間攪拌した。次に、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去した。得られた白色の固体をエーテル(70mL)と共に攪拌し、濾過によって回収して、標記化合物(2.96g、91%)を得た。
1H-NMR δ: 2.73 (m, 1H), 2.99 (m, 2H), 3.31 (m, 1H), 3.60 (m, 4H), 3.76 (m, 1H), 7.18 (m, 4H), 8.51 (s, 3H); MS m/z 206。
中間体33:メチル{(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}アセテート
Figure 2008528667
水4滴を含むDMSO(8mL)中のジメチル{(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}マロネート(中間体34;630mg、1.73ミリモル)の溶液に、塩化ナトリウム(405mg、6.93ミリモル)を加え、反応系を160℃に46時間加熱した。Genevac EZ−2遠心エバポレーター上で溶媒を除去し、残渣を水(25mL)及びEtOAc(25mL)中に溶解した。有機層を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc:ヘキサン、1:2)による精製によって、標記化合物(360mg、68%)を固体として得た。
1H-NMR (DMSO) δ: 1.45 (s, 9H), 2.78 (m, 2H), 3.38 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.13 (m, 1H), 4.87 (ブロードs, 1H), 7.17 (m, 4H); MS m/z 386 [M+Na+MeCN]+
中間体34:ジメチル{(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}マロネート
Figure 2008528667
内部温度を<20℃に保持しながら、THF(24mL)中の(1S,2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート(中間体35、1.79g、5.46ミリモル)の攪拌溶液に、NaHMDS(6mL、THF中1M、6.00ミリモル)を加えた。30分後、ジメチルマロネート(0.69mL、6.00ミリモル)を加え、続いてNaHMDS(6mL、THF中1M、6.00ミリモル)を加え、反応系を50℃で18.5時間加熱した。反応系を冷却(雰囲気温度)し、塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)及びEtO(50mL)で反応停止し、水性層をEtO(50mL)で再抽出した。有機抽出物を合わせて、乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を真空で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、溶出液勾配=1:3〜1:1−EtOAc:ヘキサン)による精製によって、標記化合物(630mg、32%)を白色の固体として得た。
1H-NMR δ: 1.45 (s, 9H), 2.78 (dd, 1H), 3.37 (dd, 1H), 3.72 (m, 8H), 4.40 (m, 1H), 4.78 (br.s, 1H), 7.20 (m, 4H); MS m/z 386 [M+Na]。
中間体35:(1S,2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート
Figure 2008528667
DCM(100mL)中のtert−ブチル[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]カルバメート(中間体36、6.80g、27.3ミリモル)及びトリエチルアミン(4.01mL、30.03ミリモル)の冷却(0℃)溶液に、塩化メシル(2.24mL、30.03ミリモル)を加え、0℃で1時間攪拌した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)を加えることによって反応系を反応停止し、有機層を乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を真空で除去した。粗生成物を熱EtO(40mL)を用いて粉砕し、冷却し、濾過して、標記化合物(8.11g、91%)を白色の固体として得た。
1H-NMR δ: 1.45 (s, 9H), 3.18 (m, 4H), 3.47 (dd, 1H), 4.78 (s, 1H) 5.19 (m, 2H), 7.28 (m, 4 H); MS m/z 350 [M+Na]+
中間体36:tert−ブチル[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]カルバメート
Figure 2008528667
(1S,2S)(+)−トランス−1−アミノ−2−インダノール(CAS Reg.No.163061−74−3、5.00g、33.55ミリモル)に、THF(100mL)、続いて1M水酸化ナトリウム(水溶液)を加えた。次に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(7.30g、33.55ミリモル)を加え、16時間攪拌した。THFを真空で除去し、残りの水性層をクエン酸(5%w/v水溶液)でpH2に酸性化し、EtOAc(150mL)で希釈した。有機層を乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を真空で除去した。粗固体を熱EtO:ヘキサン(1:1、40mL)を用いて粉砕し、懸濁液を冷却し、濾過して、標記化合物(6.80g、81%)を白色の固体として得た。
1H-NMR δ: 1.54 (s, 9H), 2.92 (dd, 1H), 3.28 (dd, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.93 (t, 1H), 5.03 (s, 1H), 7.22 (m, 4 H); MS m/z 313 [M+Na+MeCN]+
中間体37:3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸
Figure 2008528667
3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸メチルエステル(中間体38;283mg、0.59ミリモル)を、MeOH/THF(30mL)中に溶解し、その後2M−NaOH(2.97mL、5.93ミリモル)を加えた。反応系を、電子レンジ内において140℃で5分間加熱し、その後EtOAc(30mL)及び水(10mL)を加え、2M−HCl(5mL)でpH1に酸性化した。有機層を分離し、次に食塩水(50mL)で洗浄し、その後ストリッピングして、標記化合物(257mg、93%)をクリーム色の発泡体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.01-0.05 (2H, m), 0.33-0.38 (2H, m), 0.70 (1H, m), 1.10-1.30 (1H, m), 1.73-1.81 (1H, m), 2.62-2.83 (2H, m), 3.25 (1H, m), 3.53-3.57 (1H, m), 4.52-4.82 (1H, m), 7.11-7.25 (5H, m), 8.44 (1H, m), 12.24 (2H, m); MS m/z 462.9。
中間体38:3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸メチルエステル
Figure 2008528667
2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体2;189mg、0.80ミリモル)、2−((1R,2R)−2−アミノ−インダン−1−イル)−3−シクロプロピル−プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(中間体39;250mg、0.84ミリモル)、トリエチルアミン(1.53mL、11.0ミリモル)、及びHOBT(125mg、0.93ミリモル)をDMF(15mL)中に溶解した。EDAC(178mg、0.93ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で19時間攪拌した。水(15mL)を加え、次に混合物をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。有機相を合わせて、水(2×30mL)、2M−HCl(30mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(30mL)で洗浄し、次に溶媒を真空で除去して、標記化合物(336mg、88%)を固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.01-0.04 (2H, m), 0.34-0.35 (2H, m), 0.66-0.71 (1H, m), 1.25-1.40 (1H, m), 1.69-1.77 (1H, m), 2.70-2.90 (2H, m), 3.25 (1H, m), 3.51-3.59 (1H, m), 4.55-4.79 (1H, m), 7.07-7.26 (5H, m), 8.40 (1H, d), 8.49 (1H, m) 12.00 (1H, s); MS m/z 477.1。
中間体39:2−((1R,2R)−2−アミノ−インダン−1−イル)−3−シクロプロピル−プロピオン酸メチルエステル塩酸塩
Figure 2008528667
出発物質として中間体40を用い、中間体32を合成するのに用いたものと同様の方法で上記の化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (2H, m), 0.35 (2H, m), 0.60 (1H, m), 1.34-1.40 (1H, m), 1.56-1.64 (1H, m), 2.68-2.93 (2H, m), 3.35 (1H, m), 3.51-3.53 (4H, m), 3.89-3.92 (1H, m), 7.15-7.30 (4H, m), 8.34 (3H, s); MS m/z 260.4。
中間体40:2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル)−3−シクロプロピル−プロピオン酸メチルエステル
Figure 2008528667
出発物質として中間体41を用い、中間体33を合成するのに用いたものと同様の方法で上記の化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (2H, m), 0.33-0.38 (2H, m), 0.70 (1H, m), 1.40 (9H, d), 1.71-1.74 (1H, m), 2.65-2.71 (2H, m), 3.09 (1H, m), 3.33 (1H, m), 3.59 (3H, d), 4.13 (1H, m), 7.00-7.19 (5H, m); MS m/z 3.82.3[M+Na]。
中間体41:2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル)−3−シクロプロピル−プロピオン酸メチルエステル;酢酸メチルエステルとの化合物
Figure 2008528667
DMA(50mL)中のジメチル{(1R,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}マロネート(中間体34;3.82g、10.5ミリモル)の攪拌溶液に、NaHMDS(10.5mL、THF中1M、10.5ミリモル)を加え、溶液を30分攪拌した。シクロプロピルメチルブロミド(1.1mL、11.6ミリモル)、続いてヨウ化カリウム(1.9g、11.6ミリモル)を加え、その後100℃で2時間加熱した。水(50mL)を加え、次に混合物をEtOAc(2×100mL)で洗浄した。有機相を合わせて、水(3×100mL)、次に食塩水2M(100mL)で洗浄し、その後乾燥(MgSO)し、濾過し、真空で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、溶出液勾配=0〜25%EtOAc:ヘキサン)によって精製して、標記化合物(2.53g、58%)を無色のゴム状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (2H, m), 0.36-0.41 (2H, m), 0.79 (1H, s), 1.39 (9H, s), 1.88-1.94 (2H, m), 2.63 (1H, m), 3.06-3.12 (1H, m), 3.50 (3H, s), 3.61 (3H, s), 3.93 (1H, d), 4.30 (1H, t), 7.12-7.14 (1H, m), 7.14-7.19 (4H, m); MS m/z 440.3 [M+Na]。
中間体42:ジメチル((1S,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(2−メトキシエチル)マロネート
Figure 2008528667
2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体2;4.25g、18.0ミリモル)、ジメチル[(1S,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル](2−メトキシエチル)マロネート塩酸塩(中間体43;4.25g、18.0ミリモル)、トリエチルアミン(3.765mL、27.0ミリモル)、及びHOBT(2.435g、18ミリモル)をDMA(50mL)中に溶解した。EDAC(3.80g、19.8ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で19時間攪拌した。水(50mL)を加え、次に混合物をEtOAc(2×100mL)で洗浄した。有機相を合わせて、水(2×100mL)、2M−HCl(100mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄し、次に溶媒を真空で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、0:1−EtOAc:ヘキサン〜1:1−EtOAc:ヘキサン傾斜濃度)によって精製して、標記化合物(5.071g、52%)を固体として得た。
M/S m/z 423。
中間体43:ジメチル[(1S,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル](2−メトキシエチル)マロネート塩酸塩
Figure 2008528667
ジメチル{(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}(2−メトキシエチル)マロネート(中間体44;1.64g、3.89ミリモル)を、HCl(40mL、ジオキサン中4M)で処理し、雰囲気温度で2時間攪拌した。次に、減圧下での蒸発によって揮発成分を除去し、生成物を真空で更に乾燥して、標記化合物(1.435g、100%)を油状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.08-2.14 (2H, m), 2.89-2.94 (1H, m), 3.15-3.19 (2H, m), 3.40 (2H, t), 3.58-3.58 (6H, m), 3.57-3.62 (1H, m), 3.66-3.69 (3H, m), 3.91 (1H, s), 4.11 (1H, d), 7.18 (1H, d), 7.22-7.31 (3H, m), 8.30 (3H, s); MS m/z 322。
中間体44:ジメチル{(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}(2−メトキシエチル)マロネート
Figure 2008528667
内部温度を<5℃に保持しながら、THF(30mL)中の(1S,2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート(中間体35;3g、9.16ミリモル)の攪拌溶液に、NaHMDS(10.08mL、THF中1M、10.08ミリモル)を加えた。30分後、ジメチル(2−メトキシエチル)マロネート(参照:CA.869089−20−3;1.745g、9.16ミリモル)、続いてNaHMDS(5mL、THF中1M、5.00ミリモル)を加え、反応系を室温に加温し、18.5時間攪拌した。反応系を、塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)及びEtO(50mL)で反応停止し、水性層をEtO(50mL)で再抽出した。有機抽出物を合わせて、乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発成分を真空で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、溶出液勾配=0〜30%−EtOAc:ヘキサン)によって精製して、標記化合物(1.64g、43%)を橙色の油状物として得た。
MS m/z 444 [M+Na]。
中間体45:ジメチル((1S,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(2−エトキシエチル)マロネート
Figure 2008528667
2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(中間体2;1.18g、5.0ミリモル)、ジメチル[(1S,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル](2−エトキシエチル)マロネート塩酸塩(中間体47;1.86g、5.0ミリモル)、トリエチルアミン(1.53mL、11.0ミリモル)、及びHOBT(742mg、5.5ミリモル)をDMF(50mL)中に溶解した。EDAC(1.10g、5.5ミリモル)を加え、反応系を雰囲気温度で19時間攪拌した。水(50mL)を加え、次に混合物をEtOAc(2×100mL)で洗浄した。有機相を合わせて、水(2×100mL)、2M−HCl(100mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄し、次に溶媒を真空で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、DCM〜1:4−EtOAc:DCM勾配濃度)によって精製して、標記化合物(22.0g、80%)を固体として得た。
1H-NMR δ 1.00 (3H, t), 2.14-2.26 (2H, m), 2.69 (1H, d), 2.75 (1H, d), 3.22 (1H, s), 3.35-3.38 (4H, m), 3.51 (3H, s), 3.57 (3H, s), 4.07 (1H, d), 4.73-4.78 (1H, m), 7.11-7.11 (1H, m), 7.15-7.25 (4H, m), 8.53 (1H, d), 12.29 (1H, s); MS m/z 553.1。
中間体46:ジメチル((1S,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(2−メトキシプロピル)マロネート
Figure 2008528667
出発物質として中間体48を用い、中間体45と同様の方法で上記の化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.45-1.49 (2H, m), 2.00 (2H, s), 2.71-2.76 (1H, m), 3.14 (3H, s), 3.23 (2H, t), 3.53 (3H, s), 3.60 (3H, s), 4.08 (1H, d), 4.79-4.82 (1H, m), 7.12-7.12 (1H, m), 7.18-7.24 (4H, m), 8.54 (1H, d), 12.31 (1H, s); MS m/z 553.2。
中間体47:ジメチル[(1S,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル](2−エトキシエチル)マロネート塩酸塩
Figure 2008528667
ジメチル{(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}(2−エトキシエチル)マロネート(中間体49;2.30g、5.28ミリモル)を、DCM/MeOH(40mL)中に溶解し、HCl(20mL、ジオキサン中4M)で処理し、次に雰囲気温度で1時間攪拌した。次に、揮発成分を減圧下での蒸発によって除去した。クロロホルム(60mL)、続いてエーテル(60mL)を用いてゴム状物を共沸して、標記化合物(1.87g、95%)を白色の固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSOd6) δ 1.08 (3H, t), 2.12 (2H, t), 3.36 (2H, t), 2.91 (1H, d), 3.30 (3H, m), 3.44 (2H, t), 3.58 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.92 (1H, s), 4.12 (1H, d), 7.19 (1H, d), 7.23-7.26 (1H, m), 7.30-7.31 (2H, m), 8.30-8.33 (3H, m); MS m/z 336.4。
中間体48:ジメチル[(1S,2R)−2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル](3−メトキシプロピル)マロネート塩酸塩
Figure 2008528667
出発物質として中間体50を用い、中間体47と同様の方法で上記の化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.28-1.41 (1H, m), 1.55-1.63 (1H, m), 1.80-2.05 (2H, m), 2.92 (1H, d), 3.28-3.36 (5H, m), 3.56 (3H, s), 3.69 (3H, s), 3.84 (1H, s), 4.08 (1H, s), 7.20-7.32 (4H, m), 8.29 (3H, s); MS m/z 336.4。
中間体49:ジメチル{(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}(2−エトキシエチル)マロネート
Figure 2008528667
内部温度を<0〜5℃に保持しながら、THF(70mL)中の(1S,2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメタンスルホネート(中間体35;4.00g、12.2ミリモル)の攪拌溶液に、NaHMDS(12.2mL、THF中1M、12.2ミリモル)を加えた。冷却浴を取り外し、溶液を30分攪拌した(ここで温度は12℃であった)。次に、反応系を0℃に冷却し、その後、内部温度を<0〜3℃に保持しながら、ジメチル(2−エトキシエチル)マロネート(C.A.163669−25−8)(2.70g、13.5ミリモル)、続いてNaHMDS(6.12mL、THF中1M、6.12ミリモル)を加えた。温度を5分間保持した後、冷却浴を取り外し、18時間攪拌した。反応系を1M−クエン酸(100mL)及びEtOAc(200mL)で反応停止した。分離した有機抽出物を、水(100mL)、次に重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄し、次に乾燥(MgSO)し、濾過し、真空で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、溶出液勾配=0〜30%−EtOAc:ヘキサン)によって精製して、標記化合物(2.32g、44%)を黄色の固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δl.06 (3H, t), 1.39-1.39 (9H, s), 2.12-2.19 (2H, m), 2.60-2.65 (1H, m), 3.09-3.15 (1H, m), 3.34-3.39 (4H, m), 3.53 (3H, s), 3.61 (3H, s), 3.90 (1H, d), 4.23 (1H, s), 7.12-7.14 (5H, m); MS m/z 458.4 [M+Na]。
中間体50:ジメチル{(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}(3−メトキシプロピル)マロネート
Figure 2008528667
出発物質として中間体51及び中間体35を用い、中間体49と同様の方法で上記の化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (9H, s), 1.42-1.49 (2H, m), 1.94-1.98 (2H, m), 2.05 (1H, m), 3.08-3.14 (1H, m), 3.28-3.31 (5H, m), 3.52 (3H, s), 3.61 (3H, s), 3.80 (1H, d), 4.27 (1H, s), 7.12-7.17 (4H, m); MS m/z 458.4 [M+Na]。
中間体51:ジメチル(3−メトキシプロピル)マロネート
Figure 2008528667
氷浴中で冷却したDMF(100mL)中のNaH(鉱油中60%分散液、2.44g、61ミリモル)の攪拌懸濁液に、ジメチルマロネート(6.34mL、56ミリモル)を慎重に加えた。得られた反応系を氷浴中で30分攪拌し、次に1−ブロモ−3−メトキシプロパン(8.50g、56ミリモル)で処理した。次に、反応系を60℃で3時間加熱し、次に雰囲気温度で16時間攪拌した。反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、エーテル(2×150mL)で抽出した。エーテル層を合わせて、水(3×150mL)及び食塩水(150mL)で洗浄し、次に乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させて油状物を得た。これを1時間静置して、2層に分離させた。底層を分離して、標記化合物(8.15g、72%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δl.46-1.52 (2H, m), 1.78-1.84 (2H, m), 3.12 (3H, s), 3.30 (2H, q), 3.53 (1H, t), 3.66 (6H, t);MS マスイオンは観察されなかった。
中間体52:3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸メチルエステル
Figure 2008528667
[(1R,2R)−1−(1−シアノメチル−3−メトキシ−プロピル)インダン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体53;2.47g、7.18ミリモル)を、ジオキサン(50mL)中に溶解し、濃HCl(50mL)を加え、混合物を100℃に3時間加熱した。反応混合物を雰囲気温度に冷却し、蒸発乾固させ、真空で乾燥した。得られた固体をメタノール(75mL)中に溶解し、ジオキサン(25mL)中4M−HClを加えた。雰囲気温度で2時間攪拌した後、混合物を蒸発乾固させた。残渣を、2回、メタノール(50mL)中に溶解して再蒸発させ、最後に高真空下で乾燥して、3−(2−アミノ−インダン−1−イル)−5−メトキシ−ペンタン酸メチルエステル塩酸塩(2.19g)を白色の固体として得た。
粗製品をDCM(50mL)中に懸濁し、2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボン酸(1.65g、7ミリモル)、HOBT(945mg、7ミリモル)、及びDIPEA(6.085mL、35ミリモル)を加えた。混合物をEDCI(1.675g、8.75ミリモル)で処理し、雰囲気温度で72時間攪拌し、次に2M−HCl(50mL)、水(3×25mL)、及び食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて褐色の油状物(3.8g)を得た。粗製品をシリカゲル上でクロマトグラフィー(EtOAc/DCM 0〜50%)にかけて、標記化合物(324mg、9.3%)をゴム状物として単離した。
MS m/z 495。
中間体53:[(1R,2R)−1−(1−シアノメチル−3−メトキシ−プロピル)インダン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2008528667
メタンスルホン酸2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル]−4−メトキシブチルエステル(中間体54;3.46g、8.38ミリモル)をDMSO(30mL)中に溶解した。シアン化ナトリウム(822mg、16.76ミリモル)を加え、混合物を120℃で1時間加熱した。雰囲気温度に冷却した後、水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水(2×50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて油状物を得た。粗製品をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン−0〜50%)にかけて、標記化合物(2.47g)をゴム状物として得た。
MS m/z 245 M-Boc。
中間体54:メタンスルホン酸2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル]−4−メトキシブチルエステル
Figure 2008528667
[(1R,2R)−1−(1−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−プロピル)インダン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体55;3g、8.96ミリモル)をDCM(50mL)中に溶解し、氷水で冷却した。トリエチルアミンを加え、次にDCM(5mL)中の塩化メタンスルホニル(0.73mL、9.4ミリモル)の溶液を滴加した。添加が完了したら、反応混合物を雰囲気温度に加温し、2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、1Mクエン酸溶液(50mL)及び水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて、標記化合物(3.4g、92%)をゴム状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) 1.41 (9H, s), 1.66 (2H, d), 2.69-2.75 (1H, m), 3.10 (3H, s), 3.15 (3H, s), 3.28-3.31 (2H, m), 3.39-3.45 (2H, m), 3.45-3.5 (3H, m), 4.01-4.24 (1H, m), 7.16-7.23 (5H, m)。
中間体55:[(1R,2R)−1−(1−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−プロピル)インダン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2008528667
2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル)−4−メトキシ酪酸メチルエステル(中間体56;4g、11.02ミリモル)をTHF(20mL)中に溶解し、窒素下で攪拌した。溶液を氷水浴で冷却し、THF中の水素化ホウ素リチウムの2M溶液(10mL、20ミリモル)で処理した。次に冷却浴を取り外し、反応混合物を雰囲気温度に加温した。4時間後、更に10mLの水素化ホウ素リチウム溶液を加え、雰囲気温度で攪拌を更に18時間継続した。混合物を水(100mL)中に注ぎ、クエン酸で酸性化し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて油状物を得、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン−0〜50%)によって更に精製して、標記化合物(3g、81%)を油状物として得た。
MS m/z 236 (M-Boc)。
中間体56:2−((1R,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル)−4−メトキシ酪酸メチルエステル
Figure 2008528667
2−((1S,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インダン−1−イル)−2−(2−メトキシエチル)マロン酸ジメチルエステル(8g、19ミリモル)をDMSO(100mL)中に溶解し、水(4.56mL)及び塩化ナトリウム(4.45g、76ミリモル)を加えた。混合物を160℃に6時間加熱し、次に水(500mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水(2×100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させてゴム状物を得、これを、EtOAc/ヘキサン(0〜50%)の傾斜溶液で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって更に精製して、標記化合物(4.41g、64%)をゴム状物として得た。
MS m/z 364。

Claims (16)

  1. 式(1):
    Figure 2008528667
    (式中、
    ZはCH又は窒素であり;
    及びRは、一緒になって、−S−C(R)=C(R)−又は−C(R)=C(R)−S−のいずれかであり;
    およびRは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルバモイル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C)アルカノイルから選択され;
    nは0、1又は2であり;
    は、独立して、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルカルバモイル、N,N−((C〜C)アルキル)カルバモイル、スルファモイル、N−(C〜C)アルキルスルファモイル、N,N−((C〜C)アルキル)スルファモイル、(C〜C)アルキルS(O)(式中、bは0、1又は2である)、−OS(O)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−NHSO(C〜C)アルキルから選択され;
    或いはnが2の場合には、二つのR基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、場合によっては独立してO、S及びNから選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、場合によっては一つ又は二つのメチル基によって置換されている4〜7員の飽和環を形成してもよく;
    は、
    (a)式:−Y−COOH(式中、Yは、(C〜C)アルキレン又は(C〜C)シクロアルキレンである)のものか;又は
    (b)式:−Y−COOH(式中、Yは、
    (ii)−N(R)−、−O−、−S−、−SO−、及び−SO−から選択される一つのヘテロ原子を介在する(但し、ヘテロ原子はカルボキシ基に隣接せず、Rは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、又は(C〜C)アルキルスルホニルである)か;及び/又は
    (ii)独立して、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルオキシ、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルS(O)(式中、cは0、1又は2である)、−CON(R)R、−N(R)COR、−SON(R)R、及び−N(R)SO(式中、R及びRは、独立して、水素及び(C〜C)アルキルから選択される)から選択される一つ又は二つの置換基によって炭素上が置換されている;
    (C〜C)アルキレンであり;
    或いは、アルキレン基が一つのヘテロ原子を介在する場合には、場合によっては、それが結合している炭素原子と一緒に(C〜C)シクロアルキル環を形成する二つの置換基によって炭素上が置換されていてもよい)
    のもののいずれかである)
    の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩(但し、この化合物は(+/−)−トランス−(−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸ではない)。
  2. 式(1”):
    Figure 2008528667
    の化合物である、請求項1に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  3. n=0である請求項1又は2に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  4. Yが選択肢(a)から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  5. Yが選択肢(b)から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  6. Yが、−CHXCH−、−CHXCHCH−、−CHCHXCH−、−CH(R)XCH−、−CH(R)XCHCH−、−CH(R)CHXCH−、−CHCH(R)XCH−、−CHCHXCH(R)−、−CHXCH(R)CH−、−CHXCH(R)−、−CHXCR −、−CHXCHCHCH−(式中、Xは、−O−、−S−及び−SO−から選択され、Rは、メチル及びエチルから選択される)、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(Me)−、−CH(R)−、及び−CH(R)CH−(式中、Rは、メトキシメチル、エトキシエチル、メトキシエチル、エトキシメチル、メトキシプロピル、シクロプロピルメチル、イソプロピルメチル、エチル、及びプロピルから選択される、請求項5に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  7. Yが、−CHOCH−、−CHOCH(Me)−、−CH−、−CHCH−、−CHSCHCH−、−CHSOCHCH−、−CH(CHCH(CHCH))−、−CH(CHCHOCH)−、−CH(CHCHOCHCH)−、−CH(CHCHOCH)CH−、及び−CH(CHCHCHOCH)−から選択される請求項5又は6に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  8. Yが(C〜C)アルキレンである請求項4に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  9. 1以上の任意の以下の化合物:
    [((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸;
    [((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]酢酸;
    (2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
    (2R/S)−[((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メトキシ]プロパン酸;
    3−((1R,2R)−2−{[(2−クロロ−6H−チエノ[2,3−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン酸;
    3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメチルスルファニル}プロピオン酸;
    3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イルメタンスルホニル}プロピオン酸;
    ((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)酢酸;
    (3R)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
    (3S)−3−シクロプロピル−2−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}プロピオン酸;
    (2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
    (2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メトキシブタン酸;
    (2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
    (2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−エトキシブタン酸;
    (2R)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
    (2S)−2−((1R,2R)−2−{[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロル−5−イル)カルボニル]アミノ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5−メトキシペンタン酸;
    (3R)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸;及び
    (3S)−3−{(1R,2R)−2−[(2,3−ジクロロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−カルボニル)アミノ]インダン−1−イル}−5−メトキシペンタン酸;
    である請求項1に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を、薬学的に許容しうる希釈剤又はキャリアと共に含む医薬組成物。
  11. 治療によってヒトのような温血動物を処置する方法において用いるための請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  12. 薬剤として使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  13. ヒトのような温血動物における2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、又は肥満症の処置における薬剤として使用するための請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  14. ヒトのような温血動物における2型糖尿病、インスリン抵抗症、症候群X、高インスリン血症、高グルカゴン血症、心虚血、又は肥満症の処置において用いるための薬剤の製造における請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
  15. ヒトのような温血動物における2型糖尿病の処置において用いるための薬剤の製造における請求項1〜9のいずれかに記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
  16. 式(2):
    Figure 2008528667
    の酸又はその活性化誘導体を、式(3):
    Figure 2008528667
    (ここで、Z、Z、R、R、R及びnは、他に示さない限りにおいて式(1)において定義した通りである)
    のアミンと反応させ、その後必要な場合には、
    (i)式(1)の化合物を式(1)の他の化合物に転化させ;
    (ii)任意の保護基を除去し;
    (iii)薬学的に許容しうる塩を形成する;
    ことを含む、請求項1に記載の式(1)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の製造方法。
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