JP2008526833A - 被影響体のインビボ環境から放射性セシウム(*Cs)、放射性ストロンチウム(*Sr)、および放射性ヨウ素(*I)を同時除染する予防混合物 - Google Patents
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Abstract
1)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]と、
2)ヨウ素酸カルシウムと、
3)炭酸カルシウムと
を含有する本予防混合物は、非常事態または放射能フォールアウトの場合に、放射線による被影響体に容易に投与されるように、単一の錠剤、カプセル、または懸濁液の形態で製剤可能である。
Description
1.異なる経路(経口摂取、吸息、および/または皮膚浸透)により身体に吸収されやすい。
2.人間の場合、約100〜110日間という比較的長い生物的半減期を有する。
3.物理的半減期が30年間である。
4.高エネルギーのベータ線および浸透型ガンマ線を放射する。
5.カリウムおよびナトリウム元素に近似しているために、ほぼ全身に均一に分散される。
1)プルシアンブルー、アルギン酸カルシウム、およびKIは、放射性核種に被爆する前に、食餌に混ぜて与える必要があるが、これは常に実行可能とは限らない。
2)プルシアンブルーは、実験動物のインビボシステムから*Csを除去する速度が遅い。本発明の混合物における構成成分の1つであるフェロシアン化カルシウムカリウム(Calcium Potassium Ferrocyanide)[CaK2Fe(CN)6]は、実験動物のインビボシステムから*Csを除染する速度が、プルシアンブルーよりもかなり速い。
3)プルシアンブルーは、実験動物において胃腸および心臓毒性を誘発する。本発明の混合物は、これらの器官においてこのような病理組織学的変化を起こさない。また、プルシアンブルーは、プルシアンブルーと同一の用量レベルで、約6ヶ月間食餌に混ぜて与えられるか経口投与された場合のフェロシアン化カルシウムカリウムと比較して、肝臓および腎臓をより著しく損傷する。
4)プルシアンブルーは、おそらくは胃腸毒性のために、個体に便秘を誘発する場合があることが観察されている。
5)従来報告されている解毒薬の混合物で治療した後、動物におけるヘモグロビンレベルが緩やかに低減することが分かっている。
6)プルシアンブルーは、胃領域に通常存在する酸性媒体(pH2〜3)において安定/放射性セシウムとの錯体形成/その抽出に、本発明の混合物の構成成分であるフェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]と同一の用量レベルで、その25〜50%程度しか有効でない。
7)従来公知の混合物の成分であるアルギン酸カルシウムは、本混合物に用いられる一般的なカルシウム塩の1つと比較して、非常に粘性が高く味の悪い化合物である。本発明の混合物に用いられるカルシウム系塩には、*Srの全身残留率を低減することにおいて、アルギン酸カルシウムと同程度の効力がある。
8)従来公知の混合物に用いられるKIは、非常に吸湿性の薬品として知られており、混合物の保存寿命を低減する。従って、保存の問題が生じる。
9)救済方策が特定の放射性核種に特定的であり、他には向けられていない。従って、1つ以上の放射性核種に被爆した場合、各放射性同位元素に対して個別の治療が必要となる。
(a)錯体形成は、大量に存在する共イオン(Ca2+、Na+、K+等)および配位子の存在下ではあるにしても、生体システム内で行われなくてはならない。
(b)毒性(広範囲な有効性)が製薬上許容可能なレベルでなくてはならない。
(c)容易に投与可能でなくてはならない。
(a)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]−新規の化合物、
(b)ヨウ素酸カルシウム、および
(c)炭酸カルシウム
の混合物を経口投与することにより、3つの最も重要な核分裂による放射性核種である*Cs、*Sr、および*Iの残留率を同時に低減し、これらの放射性核種に偶発的に被爆した個体から除染を行うことを見出した。
1)フェロシアン化カルシウムカリウム−[CaK2Fe(CN)6]、
2)ヨウ素酸カルシウム[Ca(IO3)2]
3)炭酸カルシウム(CaCO3)
本発明による製剤は、錠剤、カプセル、キット、または懸濁液等の形態をとる。構成成分は、成人向け用量の50%という少ない用量で、小児向けに適切に製剤可能である。
(a)1000〜1500mg、より好ましくは1100〜1400mg、最も好ましくは、カルシウム元素480〜520mgに相当する1200〜1300mgの炭酸カルシウム(CaCO3)
(b)45〜65mg、より好ましくは50〜60mg、最も好ましくは、安定ヨウ素約33mgに相当する52〜56mgのヨウ素酸カルシウム[Ca(IO3)2]
(c)900〜1100mg、より好ましくは950〜1050mg、最も好ましくは980〜1020mgのフェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]
上記の混合物(最も好ましくは、重量2.2〜2.4g)は、15mlの飲料水、ソーダ水、清涼飲料水、もしくは果汁で懸濁液とすること、チュアブル剤として甘みをつけること、または水で嚥下する錠剤/カプセルとして製剤することが可能である。この用量は、放射線に関する非常事態が発生した場合の放射能汚染の深刻さに応じて、成人が1日2〜3回摂取する量(予防混合物の懸濁液全体量約30〜45mlに相当する、または錠剤/カプセル4〜6錠に相当する)である必要がある。
(a)2リットルフラスコに、250mlのフェロシアン化カリウム0.5モル水溶液K4Fe(CN)6・6H2Oを入れる。
(b)(a)の溶液に、250mlの塩化カルシウム二水和物1モル水溶液CaCl2・2H2Oを継続的に激しく攪拌しながら滴下して加える。
(c)形成された析出物を、一晩沈下させる。
(d)デカンテーション、および緩やかな真空をかけることによる緩やかな吸気により、析出物と上清液とを分離する。
(e)析出物を温水で洗浄して、溶性不純物の痕跡を除去する。
(f)続いて、アセトンで洗浄して、水の痕跡を除去する。
(g)このようにして得られた黄色析出物を、8時間90℃で乾燥させる。
(a)500〜750mg、より好ましくは550〜700mg、最も好ましくは、カルシウム元素240〜260mgに相当する600〜650mgの炭酸カルシウム(CaCO3)
(b)20〜35mg、より好ましくは25〜30mg、最も好ましくは、安定ヨウ素約16mgに相当する26〜28mgのヨウ素酸カルシウム[Ca(IO3)2]
(c)450〜550mg、より好ましくは475〜525mg、最も好ましくは490〜510mgのフェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]
上記の予防混合物(最も好ましくは、重量1.1〜1.2g)は、7.5mlの飲料水、ソーダ水、清涼飲料水、もしくは果汁で懸濁液とすること、チュアブル剤として製剤すること、または水で嚥下する2つのより小さい錠剤/カプセルとして製剤することが可能である。この用量は、放射線に関する非常事態が発生した場合の放射能汚染の深刻さに応じて、小児が1日2〜3回摂取する量(予防混合物の懸濁液全体量約15〜22.5mlに相当する、または錠剤/カプセル4〜6錠に相当する)である必要がある。
1.胃腸管腔のカルシウムは、相当な量の望ましくない/有毒な物質と錯体形成して、インビボ環境からこれらを排除するのに非常に有用である。
2.さらに、カルシウムは、カルシウムおよび他のいくつかの元素の迅速な吸収を促す(活性)ホルモン形態のビタミンDの合成を鈍化/停止させることにより、腸内の活性搬送機構を阻害する。
3.カルシウムは、受動拡散によるストロンチウム等の元素の吸収において、これら元素と対抗する。
4.さらに、カルシウムは、細胞膜の損傷を遅らせるのに役に立つ。
5.さらに、カルシウムは、放射性物質の影響により増加することが通常知られているフリーラジカルを取り除く際に主たる役割を担うことが知られているビタミンE、グルタチオン、および蛋白質チオール類を安定化させることにより、酸化防止剤防御機構の調節に重要な役割を果たす。
(a)何らかの原子力事故による、放射性同位元素の外界への偶発的放出
(b)危険な核種の外界への何らかの偶発的放出
(c)実験、診断、または治療目的の通常の過程において発生するものも含む、放射能フォールアウト
(d)人間または動物個体による、放射性核種の何らかの種類の偶発的吸収および残留
(e)揮発性放射性核種への他の種類の被爆
(f)何らかの種類の放射能事故
本文ならびに添付の表および図における頭字語CKFは、フェロシアン化カルシウムカリウムという化合物を意味する。
Claims (17)
- (a)炭酸カルシウムと、
(b)ヨウ素酸カルシウムと、
(c)請求項1に記載の化合物であるフェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]とを含有する予防混合物。 - 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウムが1000〜1500mg、
(b)ヨウ素酸カルシウムが45〜65mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が900〜1100mgの量で存在する請求項2に記載の予防混合物。 - 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウムが1100〜1400mg、
(b)ヨウ素酸カルシウムが50〜60mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が950〜1050mgの量で存在する請求項3に記載の予防混合物。 - 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウムが1200〜1300mg、
(b)ヨウ素酸カルシウムが52〜56mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が980〜1020mgの量で存在する請求項4に記載の予防混合物。 - 前記混合物は、懸濁液、錠剤、またはカプセルの形態をとる請求項2〜5のいずれかに記載の予防混合物。
- 前記混合物は、12〜15mlの水で懸濁液の形態で製剤される請求項6に記載の予防混合物。
- 前記混合物は、錠剤の形態をとる請求項6に記載の予防混合物。
- 前記混合物は、カプセルの形態をとる請求項6に記載の予防混合物。
- 成人に対しては、1日1回2〜4つの錠剤またはカプセルまたはチュアブル剤が推奨される請求項2〜5のいずれかに記載の予防混合物。
- 前記混合物は、その構成成分のそれぞれを50重量%含有するより少ない用量で、小児向けに適切に製剤される請求項2〜5のいずれかに記載の予防混合物。
- 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウム(CaCO3)が500〜750mg、
(b)ヨウ素酸カルシウム[Ca(IO3)2]が20〜35mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が450〜550mgの量で存在する請求項11に記載の予防混合物。 - 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウムが550〜700mg、
(b)ヨウ素酸カルシウムが25〜30mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が475〜525mgの量で存在する請求項12に記載の予防混合物。 - 前記混合物の前記成分は、
(a)炭酸カルシウムが600〜650mg(240〜260mgのカルシウム元素に相当する)、
(b)ヨウ素酸カルシウムが26〜28mg、
(c)フェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]が490〜510mgの量で存在する請求項13に記載の混合物。 - 小児に対しては、1日1回2〜4つの錠剤またはカプセルまたはチュアブル剤が推奨される請求項11〜14のいずれかに記載の予防混合物。
- (a)2リットルフラスコに、250mlのフェロシアン化カリウム0.5モル水溶液K4Fe(CN)6・6H2Oを入れる工程と、
(b)前記(a)の溶液に、250mlの塩化カルシウム二水和物1モル水溶液CaCl2・2H2Oを継続的に激しく攪拌しながら滴下して加え、形成された析出物を一晩沈下させる工程と、
(c)デカンテーション、および緩やかな真空をかけることによる緩やかな吸気により、前記析出物と上清液とを分離する工程と、
(d)前記析出物を温水で洗浄して、溶性不純物の痕跡を除去する工程と、
(e)続いて、アセトンで洗浄して、水の痕跡を除去する工程と、
(f)このようにして得られた黄色析出物を、8時間90℃で乾燥させる工程とを含む請求項1に記載の構造式1の化合物の製造プロセス。 - 核放射線による影響を受けた個体において*Csを除染する、構造式1を有するフェロシアン化カルシウムカリウム[CaK2Fe(CN)6]の使用。
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