JP2008526816A - 心筋虚血状態の間の投与のための薬剤の製造のための環状ウンデカペプチドの使用 - Google Patents

心筋虚血状態の間の投与のための薬剤の製造のための環状ウンデカペプチドの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、心筋虚血状態の間の投与のための薬剤を製造するための、式(I)の構造を有する環状ウンデカペプチドの使用に関する。

Description

本発明は、心筋虚血状態の間の投与のための薬剤の製造のための環状ウンデカペプチドの使用に関する。
心筋虚血は、酸素の必要量と供給量の間の不均衡として定義される。この不均衡は、心臓機能の混乱をもたらす。非常に多くの場合、心筋虚血は、心筋組織への不十分な血液循環により引き起こされ、それ故、心筋細胞から酸素供給を奪い又は当該酸素供給量を劇的に低減する。これらの虚血は、血管の閉塞(血栓症)、又は動脈の内径の収縮(狭窄)、又は内毒素性ショックを伴う重度の敗血症の間の循環不全状態の如き冠血流量の低減(低循環)に起因し得る。重度の敗血症に関して、それは、直接心筋抑制を伴う血流学的機能障害も導く。
再かん流は、虚血組織内における十分な血液循環の回復として定義され、酸素の必要量と供給量との間の均衡に再度到達することを可能とする。冠血流量の完全な遮断となるときの再かん流は、閉塞動脈の開通により影響される。
梗塞は、虚血につづいて生じる。当該用語「梗塞」は、区切られた部分の組織壊死を定義する。それ故、心筋梗塞は、心臓細胞の死に起因して、心臓の一部の破壊を導く。
心筋梗塞は、不幸なことに非常に一般的な疾患である。例えば、フランスでは、年間約180,000人〜200,000人の個人が、男性に圧倒的に多いこの疾患に襲われている。喫煙、肥満、糖尿病、高脂血症又は動脈性高血圧の如き心臓血管の危険因子を有する個人に、何よりもまず見られる。
重度の敗血症の間、心筋かん流低下は、直接的心筋抑制により起こされる。現在のところ、心筋機能の低減(サイトカインを循環させることによるかん流低下又は心筋抑制)を導くメカニズムは主として何なのか明らかではない。それにもかかわらず、重度の敗血症を有する患者は、しばしば、心臓機能障害を伴う心臓血管欠損症に苦しむことがよく知られる。
急性心筋梗塞(AMI)は、特別な医療及び病院部隊による治療を必要とする絶対的な心臓の緊急事態という性質のものであり、当該急性期の治療の目的は、虚血性心筋を再かん流することであり、そして最初の数時間内又は最初の数日内に患者の死を通常もたらす梗塞に関して起こり得る合併症を防ぐこと及び/又は予防することである。
心筋梗塞の程度は、心筋の機能的収縮の回復、及び患者の長期予後についての決定的要素である。
再かん流は、虚血の持続により引き起こされる細胞死から心筋細胞を疑いもなく守るけれども、収縮機能に関する有害な結果(気絶心筋)、心拍数に関する有害な結果(不整脈の発生)、及び組織かん流に関して有害な結果(無血流再開)をも伴う。最近のデータは、再かん流が、当該再かん流された細胞のいくつかを逆説的に殺すこともさらに示す(再かん流壊死)。
心筋梗塞の再かん流の間、例えばアセチルサリチル酸のような血小板凝集阻害薬、ベータブロッカー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤(ACEI)又はスタチンの如き異なる薬効分類に属する薬剤が、患者の予後に関して有益な効果を有する。しかしながら、再かん流の間に投与されるのに現在のところ有用なこれらの薬剤又は他の薬剤の内、心筋梗塞の規模を限定できるものはない。
反対に、梗塞に関与する虚血期間の前(プレコンディショニング)又は後(ポストコンディショニング)のいずれにも起こる(それ自体によりいかなる不可逆的な細胞性病変も引き起こさない)短期間の虚血再かん流の繰り返しの発現は、生体内で、内因性保護作用、及び梗塞の大きさの限定を示している。しかしながら、プレコンディショニング治療は、生理病理学的理由及び実行上の理由から、AMI患者にとって臨床上適切ではない。ポストコンディショニング治療に関して、それらは、急性心筋梗塞を伴う限られた数の患者にだけ適しており、例えば、経皮経管冠動脈形成術により治療され得る患者である。
虚血再かん流に起因する心筋の壊死病巣に関する細胞の及び酵素のメカニズムは、完全には解明されていないけれども、Di Lisaらは、J.Biol.Chem.,2001,276(4),2571−2575において、ミトコンドリア透過性転移孔(MPTP)と呼ばれる、ミトコンドリア内膜に局在する孔の開口部が、虚血後の再かん流間における心筋細胞の死に顕著な役割を担うという意見である。それ故、シクロスポリンAの如き薬剤におけるこれらのMPTPの開口部の直接的又は間接的阻害作用は、心臓組織生存能力に関する虚血再かん流により導かれる現象の有害効果における低減をもたらす。
しかしながら、MPTPを単純に阻害することは必要だけれども、上記虚血再かん流状態において心筋に関する保護作用を得るためには十分ではないことを、2点提示する。第1に、グルタチオンの如きMPTP阻害剤は、MPTPの阻害に関してシクロスポリンAとの相加効果を示すものである。しかしながら、虚血再かん流により導かれる現象に対する保護は、それにもかかわらず得られず、さもなければ、もしその治療が、心筋の収縮機能の同調化のような他の保護因子と結合されるならば、その保護が得られるだけである。さらに、実験モデルにおいてさまざま著者らにより提案される投与のタイミングは、MPTPの阻害により導かれる有益な効果を得るために疑問の余地がある。多くの実験モデルにおいて提案される投与は、虚血期間の前、間、及び後の心臓の継続的かん流に対応し、再かん流期間又はその期間を通じて継続することになる。この投与態様は臨床的に適切でなく、実際のところ、最適な投与方法は知られていない。
それ故、再かん流の間に投与されるべきアジュバント療法、並びに心筋の壊死の大きさを限定する、及びその機能を改善する心臓保護作用は、心筋虚血再かん流状態、特に急性心筋梗塞及び/又は重度の敗血症に起因する心筋抑制及び心筋機能障害の間の治療において必要である。
さらに、薬剤が投与される間の時間が重要である。当該薬剤の投与は、心筋梗塞の大きさの限定、筋肉収縮回復、及び患者の生存の観点から期待される有益性を得るために、いやおうなしに再かん流の前に始めなければならず、場合により、その後も継続しなければならない。
本発明の目的は、臨床医学者に、心筋再かん流に対するアジュバント療法において、特に急性梗塞の間及び/又は重度の敗血症の後、心筋虚血状態を治療することを可能とし、並びに当該梗塞の大きさを限定しその機能を改善する効果を有する薬物を提供することで
ある。
非常に驚くべきことに、特定の環状ウンデカペプチドを使用することにより同様のことが達成され得ることを見出した。
それ故、本発明の対象は、心筋虚血状態の間の投与のための薬剤の製造のための以下の式(I):
Figure 2008526816
の構造を有する環状ウンデカペプチドの使用である。
当該式(I)の環状ウンデカペプチドの化学構造はシクロスポリンAの構造と一定の共通点を有するので、その式は、このシクロスポリンAを特徴付けるために通常使用される命名法を使用して与えられる。この命名法に従い、MeBMTは、N−メチル−(4R)−4−ブト−2E−エン−1−イル−4−メチル−(L)−スレオニンのアミノ酸の略語であり、αAbuはL−α−アミノ酪酸の略語であり、MeAlaはN−メチル−L−アラニンの略語であり、EtValはN−エチル−L−バリンの略語であり、Valはバリンの略語であり、MeLeuはN−メチル−L−ロイシンの略語であり、AlaはL−アラニンの略語であり、(D)AlaはD−アラニンの略語であり、及びMeValはN−メチル−L−バリンの略語である。
シクロスポリンAを構成する各アミノ酸の各々の位置を特徴付けるために通常使用される番号付けは、式(I)の環状ウンデカポリペプチドの構造を定義するためにも使用される。さらにシクロスポリンAを言及する際には、式(I)の環状ウンデカポリペプチドは、[MeAla]−[EtVal]−CsAとしても言及される。
式(I)の構造を有する環状ウンデカペプチド、及びその製造は、J.F.Guichouxにより「De nouveaux analogues de Cyclosporin A comme agent anti−HIV−1」[抗HIV−1剤としての新規シクロスポリンA類似体],doctoral thesis,Science Faculty of the University of Lausanne,2002において、及びR.Wengerらにより国際特許公開第WO00/01715号において記載されており、Chemical Abstracts Serviceによりそれに割り当てられた登録番号は、CAS RN 254435−95−5である。
この生成物、及びその構造的類似体のいくつかは、ヒト免疫不全ウイルスの活性を阻害すること、AIDSに関与するウイルス性因子を阻害することに関して強力な活性を有するとしてこの刊行物内に記載されるが、同時に、シクロスポリンAのよく知られた免疫抑制特性を有していないことも記載される。さらにこの生成物は、Hansson et al.,J.Bioenerg.Biomembr.,2004,36,407−413により、神経保護作用の可能性、特に脳から単離されたミトコンドリアのMPTPの阻害を有することについても認識されている。
心筋虚血状態は、式(I)の環状ウンデカペプチドを投与し得る間、心筋血流の低減又は遮断、とりわけ、この器官への酸素供給の低減又は遮断の結果によりもたらされ、血流の回復又は心臓再かん流を必要とする。これらの虚血状態は、とりわけ心エコー検査及び心電図記録法により検出可能である心機能異常に関して、それら自体の徴候を現し得る。この現象は、とりわけ、心筋酵素の如き生物学的マーカー、超音波検査、核シンチグラフィー又は核磁気共鳴の如き医学画像を測定することにより検出可能な心臓細胞性病変をもたらす。
急性、亜急性又は慢性心筋虚血は、様々な要因又は疾患により引き起こされ得、又はそれらと関連し得る。これらの要因又は疾患として、例えば、急性心筋梗塞、狭心症、不安定狭心症、血栓塞栓症を有するアテローム疾患、血管けいれん、小及び中動脈の動脈瘤、大血管の動脈瘤、心臓病に起因する動脈性低血圧、あるいは敗血症性ショックを伴う若しくは伴わない重度の敗血症又はアレルギー性反応の如き深刻な感染を含む全身性疾患に起因する動脈性低血圧、並びに1又は複数の薬剤、医薬品、毒薬又は毒性産物の効果に起因する低血圧が挙げられる。
さらに、ある疾患又は状態のいずれかに続き二次性かん流低下をも導くことが言及される、当該疾患又は状態とは、例えば、糖尿病、高脂血症、閉塞性血栓血管炎、又はバーガー病、高安症候群、心血管梅毒、レーノー病の如き結合組織病、有痛青股腫、又は外科的手術若しくは臓器移植手術の如き医原性損傷を含むグレゴイルの青静脈血管損傷、並びに心臓の手術、及び体外循環技術を伴う又は伴わない大血管に関する手術である。
これらの手法は、例えば、移植片、装置、グラフト、人工器官又は他の装置又は生物医学的製品の外科的挿入、特に心臓についてのものをも含む。これらの虚血状態が起こり得る器官又は組織の非制限的な例は、心臓、脳、腎臓、四肢、脾臓、肝臓、胃、並びに小腸、結腸、及び直腸を含む胃腸系、肺及び呼吸経路、目、皮膚、筋肉、すい臓、前立腺、骨髄、並びに内分泌腺を含む。
式(I)の環状ウンデカポリペプチドの使用は、特に、急性心筋梗塞の発生の間、及び/又は敗血症における心機能異常の発生の間の、心筋虚血状態の治療、心筋かん流低下−再かん流の治療に特に好適である。
当該式(I)の環状ウンデカペプチドが使用されるとき、心筋虚血関連状態の治療は、心臓又は心臓組織における酸素必要性のために適した血流の回復又はかん流の回復に先立って、及び/又はその間に、患者に当該環状ウンデカペプチドを投与することに存する。それ故、血液循環は、冠状血管形成により機械的に得られる再かん流、並びに/あるいは、フィブリン溶解治療ステップに続いて、及び/又は薬物に基づく蘇生ステップに続いて医学的に得られる再かん流により回復する。当該式(I)の環状ウンデカペプチドは、好ましくは、当該再かん流の前に投与される。この場合、投与の始まりは、好ましくは再かん流の前30分間から、より好ましくはこの再かん流の前10分間から、より好ましくはこの再かん流の前5分間から、さらにより好ましくはこの再かん流の前数分間から、動脈が再開する瞬間までの期間、及び/又は血流が回復したときからの期間に拡張される。
敗血症の治療が行われるとき、当該式(I)の環状ウンデカペプチドの投与の始まりは、好ましくは、最も早くてこの敗血症が始まるとき、最も遅くて始まってから72時間後の期間に行われる。
誘導体を含む医薬品は、静脈内注入、動脈内注入、冠動脈内注入、又は心筋内注入により、好ましくはボーラス投与として投与され、及び/又はその後、再かん流の始まりに続き10時間持続注入される。持続注入としての当該医薬品の投与は、次いで、静脈内注入により又は動脈内注入により実施され得る。
血流の回復が当該薬物により開始されるとき、式(I)の環状ウンデカペプチドの投与は、この薬物投与とは別に、及び/又はこの薬物投与に先立って、及び/又はこの薬物投与と同時に実施され、そしてこの薬物投与の間続けられ、次いで、血流の回復後10時間の間続けられ得る。
式(I)の環状ウンデカペプチドを含む医薬品は、次いで、好ましくはボーラス投与として、静脈内投与により単回投与として投与され得、次いで、当該投与は、再かん流の始まりの後10時間の間、持続注入として続けられ得る。
活性化合物としての式(I)の環状ウンデカポリペプチドを含む医薬組成物は、溶液又は分散形態であり、あるいは注入可能なデポジット製剤の形態である。これらの製剤は、ナノ結晶、ミセル、脂肪乳剤、マイクロエマルジョン又はナノ粒子懸濁液形式の活性化合物を含み得る。注入可能な溶液としての当該医薬組成物は、少なくとも1つの医薬として許容される担体との組み合わせにおいて当該ウンデカペプチドを含む。投与前、当該濃縮された組成物は、好適な希釈剤と組み合わされ、等張剤、緩衝液又は他のpH調整剤、及び保存剤の如き少なくとも1つの賦形剤を含む。
これらの賦形剤は、当該組成物を、約5.5〜約8.5のpH範囲内に保ち、約280〜約400mosm/lのオスモル濃度範囲内に保つために添加され得る。一般的に、シクロスポリンAに基づく薬剤の製造のために通常使用される当該配合は、本発明を実施するためにも好適である。
式(I)の環状ウンデカペプチドの使用は、標準的な抗狭心症治療に対する補給物(ベータブロッカー、遅延差動式ニトロ誘導体、カルシウムアンタゴニスト、抗血症板薬)、及び/又は敗血症のショックに対する補給物としても実施される。次いで、当該ウンデカペプチドの投与は、少なくとも1つの上記治療において活性のある第2化合物との同時投与、あるいは連続投与のいずれかである。
好ましくは、心筋虚血−再かん流の治療の間、式(I)の環状ウンデカペプチドは、0.1mg/kg〜30mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲の用量で投与される。
当業者は、当該環状ウンデカペプチドの有効濃度が再かん流の1秒間から前進的に低かん流の心臓組織に到達するために、投与方法、同様に投与のタイミング、投与形態又は用量の確立の仕方を知っている。
本発明、及び全てのその効果は、図及び実施例を用いて詳細に説明されるだろう。
以下の実施例において、以下の配合を使用した。
式(I)の環状ウンデカポリペプチド 35mg/ml
発色団 EL 650mg/ml
エタノール 261mg/ml
実施例1:ウサギにおける虚血−再かん流のモデル、式(I)の環状ウンデカペプチドの心臓保護作用
この試験の目的は、梗塞の発生から4時間後に測定された心筋梗塞の大きさにおける低減に関して、式(I)の環状ウンデカペプチド、さもなければ[MeAla]−[EtVal]−CsAの心臓保護作用を試験することである。
気管切開及び外気との換気後、第4左肋間間隙において開胸を実施する。左回旋冠状動脈の縁枝を、3.0絹縫合糸を使用して縛る。施術間、体温、心拍数、及び血圧を制御する。30分間の閉塞後、当該縛りを解いて(再かん流)、そして当該動物を、安楽死前、4時間、人工空気内に保つ。
一群の動物は、[MeAla]−[EtVal]−CsAのための医薬として許容される担体を受け、他の群を、上記縛りが解かれる1分前に、各々20mg/kgの単回投与形態において、静脈内に[MeAla]−[EtVal]−CsAで処置する。再かん流の4時間後、当該冠状動脈を、一時的に再び閉塞させ、危険にさらされる領域を測定するために、青色色素を静脈内に注入する。当該動物を麻酔し、そして摘出された心臓を、重さを測定する5又は6個の薄片に切断する。これらの薄片の基底面を撮影する。これらの薄片を37℃で5分間、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム中に、インキュベーションし、心筋の生存領域(赤レンガ色)と壊死領域(黄白色)とを区別可能にする。当該薄片を撮影する。危険にさらされる領域、及び梗塞を起こした心筋領域又は壊死領域を、面積測定により決定する。当該梗塞の大きさ、及び危険にさらされる領域の大きさを計算し、そして左心室の重量パーセンテージとして表す。
表1:パーセンテージとして、危険にさらされる領域(AR)に対する壊死領域(AN)の比率の点から測定された心筋梗塞の大きさ。SDは標準偏差を表す。
Figure 2008526816
留意すべきことは、[MeAla]−[EtVal]−CsAの使用は、医薬として許容される担体のみを受けた動物と比較して40%の幅で、危険にさらされる領域内における梗塞の大きさの低減を得ることを可能としたことであった。
実施例2:マウスにおける虚血−再かん流のモデル、梗塞期間後の[MeAla] −[EtVal] −CsAの影響
麻酔後、マウスに挿管し、そしてげっ歯類用酸素吸入器で酸素を供給する。直腸温度を制御し、38℃〜39℃で維持する。胸骨切開後、全室間動脈を8−0ポリプロピレン糸で縛る。ECG(心電図)ST部分の上昇の出現、及び心筋の蒼白を通じて、虚血を視覚化する。血管の閉塞の25分後、当該縛りをほどき、そして再かん流を、目視検査、及び当該ST部分における上昇の消失により確認する。胸壁を縫合により閉じ、そして当該マウスを制御温度の大気中に保持する。
一群の動物は、[MeAla]−[EtVal]−CsAのための担体を受け、他の群を、上記縛りが解かれる3分前に、静脈内注入(10mg/kgの単回投与)により[MeAla]−[EtVal]−CsAで処置する。当該動物を30日間監視し、そして死亡数を各群について報告する。
再かん流の4週間後、左室リモデリングをドップラー心エコー検査により試験し、そして左心室駆出画分を測定する。
24時間の再かん流後25分間の冠動脈閉塞に供した一群の動物において、梗塞の危険にさらされる領域、及び大きさを測定する。前室間動脈の簡単な再閉塞の後、当該危険にさらされる領域を測定するために、青色色素を、大静脈を介して注入する。当該動物を麻酔し、そして心臓を摘出する。心室を5個の薄片に切断し、撮影する。これらの薄片を37℃で15分間、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム中に、インキュベーションし、心筋の生存領域(赤レンガ色)と壊死領域(黄白色)とを区別可能にする。当該薄片を撮影する。危険にさらされる領域、及び梗塞を引き起こした心筋領域を、面積測定により決定する。当該梗塞の大きさ、及び危険にさらされる領域の大きさを計算し、そして左心室の重量パーセンテージとして表す。
表2:再かん流後24時間でのパーセントとして、危険にさらされる領域(AR)に対する壊死領域(AN)の比率の点から測定された心筋梗塞の大きさ。SDは標準偏差を表す。
Figure 2008526816
表3:ドップラー心エコー検査により試験される左室リモデリング:再かん流後4週間の左心室駆出画分。SDは標準偏差を表す。
Figure 2008526816
留意すべきことは、[MeAla]−[EtVal]−CsAの使用は、50%の幅で、危険にさらされる領域内において引き起こされた梗塞の大きさの低減を得ることを可能としたことであった(表2)。さらに、4週間での死亡率の低減(図1)、及び上記駆出画分における増大を通じて示されるよりよい心筋機能(表3)をも記録した。
驚くべきことに、本発明のウンデカペプチドの投与の実施が再かん流と比較して早過ぎても遅過ぎても、同一用量の活性化合物について、これらの有益な効果は得られないことを見出した。
実施例3:マウスにおける肺血性ショックのモデル、心配機能障害の敗血症マウスの生存に関する[MeAla] −[EtVal] −CsAの影響
マウスを麻酔後、腹膜炎を、下記のような盲腸を縛り穿刺することにより導く。正中開腹を実施し、盲腸を持ち上げ、そして、21ゲージ針で、回盲弁の下に当該盲腸への穿刺を実施した。当該盲腸を腹腔に戻し、次いで、2つの面で縫合した。当該マウスの意識を回復させた後、それらに、鎮痛剤のナルブフィンの注射剤を与える。
1群の動物は、生理食塩水を受け(対照群)、他の群に、敗血性ショックの外科的誘導のすぐ後、注射剤により、10mg/kgの比率で、[MeAla]−[EtVal]−CsAを処置する。これらの動物を、4日間監視し、各群について死亡数を記録する。
図2は、当該対照群の動物と比較した[MeAla]−[EtVal]−CsAで処置した敗血症マウスの生存における改善を示す。当該敗血症の導入、及び処置の始まりの72時間後、処置された動物の生存率は約60%であり、比較される対照群の動物は36時間内に100%の死亡率に達する。この効果は、本質的に、心筋機能障害に関する[MeAla]−[EtVal]−CsAの心臓保護作用により説明され得る。
図1は、マウスにおける虚血−再かん流モデルの生存曲線、及び梗塞後における式(I)の環状ウンデカペプチドの影響を示す。濃い色の曲線は、再かん流後に医薬として許容される担体のみで処置したマウスの時間経過における生存率を示し、薄い色の曲線は、本発明のウンデカペプチドで処置したマウスの時間経過における生存率を示す。 図2は、マウスにおける敗血症ショックモデルの生存曲線、及び敗血症期間における式(I)の環状ウンデカペプチドの影響を示す。白三角形の曲線は、敗血症ショックの誘導後、生理食塩水のみで処置されたマウスの時間経過における生存率を示し、黒四角形の曲線は、本発明のウンデカペプチドで処置されたマウスの生存率を示す。

Claims (10)

  1. 心筋虚血状態の間に投与するための薬剤の製造のための、式(I):
    Figure 2008526816
    の構造を有する環状ウンデカペプチドの使用。
  2. 前記状態が、心機能異常に関して現れる、請求項1に記載の使用。
  3. 前記心機能異常が、心臓細胞病変の結果である、請求項2に記載の使用。
  4. 前記心筋虚血状態が、以下の疾患:急性心筋梗塞、狭心症、不安定狭心症、血栓塞栓症を有するアテローム疾患、血管けいれん、小及び中動脈の動脈瘤、大血管の動脈瘤、心臓病に起因する動脈性低血圧、あるいは敗血症性ショックを伴う若しくは伴わない重度の敗血症又はアレルギー性反応の如き深刻な感染を含む全身性疾患に起因する動脈性低血圧、並びに1又は複数の薬剤、医薬品、毒薬又は毒性産物の効果に起因する低血圧からなる群のいずれかに直面する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 血液循環が、冠状血管形成により機械的に得られる再かん流、並びに/あるいは、フィブリン溶解治療ステップに続いて、及び/又は薬物に基づく蘇生ステップに続いて医学的に得られる再かん流により回復し、かつ前記式(I)の環状ウンデカペプチドが前記再かん流の前に投与される、前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記式(I)の環状ウンデカペプチドの投与開始が、再かん流の前30分間から動脈が再開する瞬間までの期間、及び/又は血流が回復したときからの期間に拡張される、請求項5に記載の使用。
  7. 前記式(I)の環状ウンデカペプチドの投与開始が、最も早くて敗血症が始まるときからの期間、最も遅くてその後72時間からの期間に行われる、請求項6に記載の使用。
  8. 前記式(I)の環状ウンデカペプチドが、0.1mg/kg〜30mg/kgまでの用量で投与される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記式(I)の環状ウンデカペプチドが、抗狭心症治療、及び/又は抗敗血症治療において活性を示す少なくとも1つの第2化合物と併用投与される又は別々に投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 前記式(I)の環状ウンデカペプチドが、静脈内注入、動脈内注入又は冠動脈内注入により投与される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
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