JP2008523098A - ウィルス感染および異常細胞増殖の治療用の2′および3′−置換シクロブチルヌクレオシド類縁体 - Google Patents

ウィルス感染および異常細胞増殖の治療用の2′および3′−置換シクロブチルヌクレオシド類縁体 Download PDF

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Abstract

シクロブチルヌクレオシドならびに動物、特にはヒトなどの宿主におけるレトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染などの感染または異常細胞増殖に関連する状態の治療でのそれらの使用方法が提供される。

Description

本発明は、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCV)感染および異常細胞増殖の治療のための化合物および方法を含むものである。本発明は、HIV、HBV、HCV感染および癌治療の分野のものである。本発明はさらに、治療特性を有する新規なヌクレオシド類縁体をも提供する。
1981年に、後天性免疫不全症候群(AIDS)が、ヒト免疫系に重大な悪影響を与え、ほぼ例外なく死に至らしめる疾患として確認された。1983年に、AIDSの病因がヒト免疫不全ウィルス(HIV)であることが確認された。1985年に、合成ヌクレオシド3′−アジド−3′−デオキシチミジン(AZT)がヒト免疫不全ウィルスの複製を阻害することが報告された。それ以降、多くの他の合成ヌクレオシドが、HIV治療に向けて発見および開発されてきた。細胞キナーゼによる5′−三リン酸への細胞リン酸化後、合成ヌクレオシドは代表的には、ウィルスDNAの成長する鎖中に組み込まれて、3′−ヒドロキシル基がないために連鎖停止を生じる。それらは、ウィルス酵素である逆転写酵素をも阻害することができる。
AIDS治療においてはかなりの進歩がなされてきたが、抗ウィルス薬に対して耐性であるヒト免疫不全ウィルス1型(HIV−1)の突然変異体の出現が大きな問題である。薬剤耐性は最も代表的には、ウィルス複製で用いられる酵素およびHIVの場合に最も代表的には、逆転写酵素、プロテアーゼまたはDNAポリメラーゼをコードする遺伝子の突然変異によって起こる。主要薬剤によって生じたものとは異なる突然変異を誘発する第2そして恐らくは第3の抗ウィルス化合物と組み合わせるか、それと交代で化合物を投与することで、HIV感染に対する薬剤の効力を延長、強化または回復することが可能であることが明らかになっている。
B型肝炎ウィルス
重大なヒトの健康上の問題を引き起こす別のウィルスはB型肝炎ウィルス(以下、「HBV」と称する)である。HBVは、ヒトの癌の原因としてタバコに次いで第2位である。HBVが癌を誘発する機序は不明である。HBVが直接腫瘍発達を誘発し得るか、その感染に関連する慢性炎症、肝硬変および細胞再生を介して間接的に腫瘍発達を誘発し得ると仮定されている。
宿主が感染に気づかない2〜6ヶ月の潜伏期間後、HBV感染は急性肝炎および肝臓損傷を引き起こす可能性があり、それが原因となって腹痛、黄疸およびある種の酵素の血中レベル上昇が生じる。HBVは、肝臓のかなりの部分が破壊される急速に進行する多くの場合で致死的な形態の疾患である劇症肝炎を生じさせる。
患者は通常は、急性肝炎からは回復する。しかしながら一部の患者では、高レベルのウィルス抗原が長期間または無期限に血中に存在し続けて、慢性感染を引き起こす。慢性感染は、慢性的に持続する肝炎を生じ得る。慢性持続性HBVに感染した患者は、発展途上国で最も一般的である。1991年半ばまでに、アジアのみで約2250万人の慢性HBVキャリアがおり、世界的にはほぼ3000万人のキャリアがいた。慢性持続性肝炎は、疲労、肝硬変および主要な肝臓癌である肝細胞癌を引き起こす。
西洋先進工業国では、HBV感染の高リスク群に、HBVキャリアまたは彼らの血液検体と接触する群などがある。HBVの疫学は後天性免疫不全症候群のものと非常に類似しており、そのような理由で、HBV感染はHIVまたはAIDSに感染した患者の間で一般的である。しかしながらHBVは、HIVより伝染しやすい。
ビサッキら(Bisacchi, et al., (1991) J. Med. Chem. 34: 1415-1421)は、いくつかのシクロブチルヌクレオシドのエナンチオマーの合成について記載しているが、これらの化合物はヘルペスウィルスに対して活性であるとのみ記載されている(ムラヤマらの報告(Maruyama, et al., (1990) Chem Pharm Bull (Tokyo) 38(10): 2719-25)も参照する。)。カミヤの報告(Kamiya, N., (2003) J Antimicr. Chemo. 51: 1085-1089)における検討も参照する。
いくつかのシクロブチルヌクレオシド類縁体について、HBV活性の試験が行われている。ブリストル−マイヤース・スクイブ(Bristol-Myers Squibb)は、下記式のシクロブチルヌクレオシドに関する各種特許を有している(例えば、5324730;5185459;5166397;5130462;および5126345参照)。
Figure 2008523098
特に、ロブカビル、すなわちシガロビル(cygalovir)としてまたはコード名BMS180194によっても知られる((R)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン)は、1990年代半ばにブリストル−マイヤーズ・スクイブが開発中であった経口抗ウィルス薬である。しかしながら、それの毒性プロファイルに基づいて開発が中止された。ロブカビルは、ほとんどのヘルペスウィルスおよびB型肝炎に対して広スペクトラムの抗ウィルス活性を有するグアニンのシクロブチル類縁体である。試験管中で、それがHIV、CMV、単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルスおよびエプスタイン・バーウイルスなどの広範囲のウィルスに対して活性であることも認められた。予備的なヒトデータは、用量関連の抗CMV効果および良好な抗HTV活性を示しており、治療28日後にHIVウィルス負荷量に1.5logという大きい減少がある。しかしながら、B型肝炎療法としてのロブカビルの国際的なフェーズIII試験は、その薬剤の安全性についての懸念のために1999年2月に保留となった(Hayashi, et al. (1990) Antimicrob Agents Chemother. 34(2):287-94;Dunkle LM et al., Eleventh International Conference on AIDS, Vancouver, abstract Th.B.943, 1996;Lalezari J et al., Fourth Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections, Washington, abstract 301, 1997)。
フラビウィルス科
フラビウィルス科は、ゲノムの大きさが9〜15kbである陽性一本鎖RNAウィルスの群である。それらは、約40〜50nmのエンベロープを持ったウィルスである。フラビウィルス科の分類学に関する概論が、国際ウィルス分類学委員会(International Committee for Taxonomy of Viruses)から入手可能である。フラビウィルス科は、3つの属からなる。
1.フラビウィルス
この属には、デング熱ウィルス群(デング熱ウィルス、デング熱ウィルス1型、デング熱ウィルス2型、デング熱ウィルス3型、デング熱ウィルス4型)、日本脳炎ウィルス群(アルフイウィルス(Alfuy Virus)、日本脳炎ウィルス、ワライカワセミウィルス、コウタンゴ(Koutango)ウィルス、クンジンウィルス、マーレーバレー脳炎ウィルス、セントルイスウィルス、ストラトフォードウィルス、ウスツウィルス、西ナイルウィルス)、モドク(Modoc)ウィルス群、リオ・ブラボーウィルス群(アポイウィルス、リオ・ブラボーウィルス、サボヤウィルス)、ンタヤ(Ntaya)ウィルス群、ダニ媒介脳炎群(ダニ媒介脳炎ウィルス)、チュレニーウィルス群、ウガンダSウィルス群および黄熱病ウィルス群などがある。これらの主要群とは別に、未分類の別のフラビウィルスがいくつかある。
2.ヘパシ(Hepaci)ウィルス
この属は、C型肝炎ウィルス(HCV)の1種類のみを含み、それは多くのクレード、型およびサブタイプからなる 。
3.ペスチウィルス
この属には、牛ウイルス性下痢症ウィルス−2(BVDV−2)、ペスチウィルス1型(BVDVなど)、ペスチウィルス2型(豚コレラウイルスなど)およびペスチウィルス3型(ボーダー病ウィルスなど)などがある。
ヒトにおける最も重要なフラビウィルス科感染の一つは、C型肝炎ウィルス(HCV)によって引き起こされる。これはウィルス性肝炎の第2の主要原因であり、全世界的には推計で1億7000万人(世界保健機構; Hepatitis C: global prevalence, Weekly Epidemiological Record, 1997, 72, 341)、米国在住者のうちの390万人 (疾病対策センター;未公表データ、http://www.cdc.gov/ncidod/diseases/hepatitis/heptab3.htm)である。
異常細胞増殖
細胞の分化、増殖、機能および死は、多細胞生物では分子レベルでの複雑な機序ネットワークによって調節されている。健常な動物またはヒトでは、これらの機序によって、細胞はそれの設計された機能を行い、プログラムされた速度で死ぬことができる。
異常細胞増殖、とりわけ過剰増殖は、遺伝子突然変異、感染、毒物への曝露、自己免疫障害および良性もしくは悪性腫瘍誘発などの非常に多様な因子の結果として起こり得る。
細胞過剰増殖に関連する多くの皮膚障害がある。例えば乾癬は、肥厚鱗屑によって覆われたプラークを特徴とするヒト皮膚の良性疾患である。その疾患は、原因不明の表皮細胞の増殖増加によって起こる。正常な皮膚では、細胞が基底層から上部の顆粒層に移動するのに要する時間は約5週間である。乾癬では、一つには増殖細胞数の増加および分裂している細胞の割合の増加が原因となって、この時間がわずか6〜9日間である(G. Grove, Int. J. Dermatol. 18:111, 1979)。米国人口の約2%が乾癬を有しており、白人系アメリカ人の約3%、黒人系アメリカ人の約1%、そして希に先住アメリカ人で起こる。慢性湿疹も、表皮の顕著な過剰増殖に関連している。皮膚細胞の過剰増殖によって起こる他の疾患には、アトピー性皮膚炎、扁平苔癬、疣、尋常性天疱瘡、光線性角化症、基底細胞癌および扁平上皮癌などがある。
他の過剰増殖細胞障害には、血管増殖障害、線維性障害、自己免疫障害、移植片対宿主拒絶、腫瘍および癌などがある。
血管増殖障害には、血管新生障害および血管性障害などがある。血管組織におけるプラーク発達の過程における平滑筋細胞の増殖は、例えば再狭窄、網膜症およびアテローム性動脈硬化を引き起こす。アテローム性動脈硬化の進行病変は、動脈壁の内皮および平滑筋への損傷に対する過剰な炎症性−増殖性応答によって生じるものである(Ross, R. Nature, 1993, 362:801-809)。細胞移動と細胞増殖のいずれも、アテローム硬化性病変の形成において役割を果たす。
線維性障害は多くの場合、細胞外基質の異常形成が原因である。線維性障害の例には、肝硬変およびメサンギウム増殖細胞障害などがある。肝硬変は、細胞外基質構成要素の増加による肝臓瘢痕の形成を特徴とする。肝硬変は、肝臓の硬変などの疾患を引き起こし得る。肝臓瘢痕を生じる細胞外基質増加も、肝炎などのウィルス感染によって生じる場合がある。肝硬変においては、脂肪細胞が主要な役割を果たすように思われる。
メサンギウム障害は、メサンギウム細胞の異常増殖によって引き起こされる。メサンギウム過剰増殖細胞障害には、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症症候群、移植片拒絶反応および糸球体症などの各種ヒト腎臓疾患などがある。
増殖要素のある別の疾患は関節リウマチである。関節リウマチは、自己反応性T細胞の活性に関連し(例えばHarris, E. D., Jr., The New England Journal of Medicine, 1990, 322: 1277-1289参照)、コラーゲンおよびIgEに対して産生される自己抗体によって引き起こされると思われる自己免疫疾患と考えられている。
異常細胞増殖要素を含み得る他の障害には、ベーチェット症候群、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、虚血性心疾患、透析後症候群、白血病、後天性免疫不全症候群、脈管炎、脂質性組織球増殖症、敗血症ショックおよび炎症全般などがある。
新生物とも称される腫瘍は、細胞の増殖が制御されず、進行性である組織の新たな成長である。良性腫瘍は、侵襲および転移の性質がないものであり、通常は線維性被膜によって囲まれている。悪性腫瘍(すなわち癌)は、侵襲および転移の両方を行うことができるものである。悪性腫瘍は、良性腫瘍より大きい退形成度(すなわち、細胞分化の喪失ならびに細胞の相互および軸方向構造に対する方向性の喪失)をも示す。
腫瘍は、制御されず無秩序な細胞増殖である。腫瘍は、それが侵襲性および転移性を有する場合には悪性または癌性である。侵襲性とは、腫瘍が周囲組織に侵入して、組織の境界を画定する基底膜を突破することで、多くの場合身体の循環系に侵入する傾向を指すものである。転移性とは、腫瘍が身体の他の領域に移動し、最初に出現した部位から離れた増殖領域を確立する傾向を指す。
身体の各種細胞型の全てが、良性または悪性腫瘍細胞に転換され得る。最も頻度の高い腫瘍部位は肺であり、それに続いて結腸直腸、乳房、前立腺、膀胱、膵臓、次に卵巣である。他の優勢な種類の癌には、白血病、脳腫瘍などの中枢神経系癌、メラノーマ、リンパ腫、赤白血病、子宮癌ならびに頭部および頸部癌などがある。
癌は現在では、主として手術、放射線照射および化学療法という3種類の治療のうちの一つまたはそれらの組み合わせで治療される。手術では、病変組織の大きい切除を行う。例えば乳房、結腸および皮膚のように、ある種の部位にある組織を除去する上で手術が有効である場合があるが、背骨などの他の領域にある腫瘍での治療や白血病などの播種性腫瘍状態の治療ではそれを用いることができない。
化学療法では、細胞複製または細胞代謝の阻害を行う。それは最も多くの場合、白血病、ならびに乳癌、肺癌および睾丸癌の治療で用いられる。
HIV、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連症候群ならびにB型およびC型肝炎ウィルスが世界的に流行レベルに達しており、感染患者に対して悲劇的な影響を有することを考慮すると、宿主に対して低毒性であって、これら疾患を治療する新たな効果的医薬を提供することが強く望まれている。さらに、新たな抗増殖薬を提供することが必要とされている。
従って本発明の一つの目的は、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)ファミリーに属するウィルスに感染した宿主の治療のための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の一つの目的は、HIVに感染したヒト患者を治療するための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の一つの目的は、B型またはC型肝炎に感染したヒト患者を治療するための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、新たな抗増殖薬を提供することにある。
本発明の別の目的は、異常細胞増殖がある動物、特にはヒトなどの宿主を治療するための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、非悪性腫瘍および悪性腫瘍などの腫瘍を有する動物、特にはヒトなどの宿主を治療するための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、他の抗ウィルス化合物に対して耐性であるHIVの治療のための新たな薬剤を提供することにある。
本発明の一つの目的は、HIVの突然変異株に感染したヒト患者の治療のための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明の一つの目的は、HIVの多剤耐性株に感染したヒト患者の治療のための化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、効果的に薬剤耐性と戦いながら、別の抗ウィルス化合物でHIVに感染した患者を治療するための新たな化合物、方法および組成物を提供することにある。
本発明は、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)、および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)ファミリーに属するウィルスに感染した宿主の治療のための式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれらの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を提供する。あるいは、式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を、異常細胞増殖の治療に用いることができる。
具体的には、本発明は、
(a)HIV感染などのレトロウィルス科感染;
(b)B型肝炎ウィルス(HBV)感染などのヘパドナウィルス科感染;
(c)ヘパシウィルス属(HCV)、ペスチウィルス属(BVDV、CSFV、BDV)またはフラビウィルス属(デング熱ウィルス、日本脳炎ウィルス群(西ナイルウィルスなど)および黄熱病ウィルス)の全ての構成員を含むフラビウィルス科感染;および/または
(d)乾癬、湿疹、アテローム性動脈硬化、喘息、関節炎、骨粗鬆症、白血病および悪性腫瘍などの異常細胞増殖
を治療または予防するための化合物、組成物および方法をも含む。
1実施形態において、の抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、一般式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体である。
Figure 2008523098
式中、
塩基は、プリンまたはピリミジン塩基であり;
Zは、独立にH;リン酸(一リン酸、二リン酸、三リン酸または安定化リン酸プロドラッグなど);P(O)Z′Z″、CHP(O)Z′Z″、アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルおよびベンジルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル(そのフェニル基は本明細書に示したアリールの定義で記載の1以上の置換基で置換されていても良い);リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはイン・ビボで投与した時にZが独立にHもしくはリン酸である化合物を提供することができる他の製薬上許容される脱離基であり;Z′およびZ″はそれぞれ独立に、OH、Oアルキル、Oアリール、アルキル、アリール、SH、Sアルキル、Sアリール、NH、モノもしくはジ−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−アリールアミノまたはアミノ酸残基であり;
Aは、O、SまたはCHであり;あるいは
Aは、ZがP(O)Z′Z″またはCHP(O)Z′Z″である場合には共有結合であることができ;
、RおよびRは独立に、水素、低級アルキル(C、C、C、C、CおよびCアルキル)、ハロゲン化低級アルキル、CF、2−Br−エチル、低級アルケニル(C、C、C、CおよびCアルケニル)、ハロゲン化低級アルケニル、Br−ビニル、低級アルキニル(C、C、C、CおよびCアルケニル)、ハロゲン化低級アルキニル、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、アジド、NO、NH、−NH(低級アルキル)、NH(アシル)、N(低級アルキル)、−N(アシル)、ヒドロキシ、OZ、O(低級アシル)、O(低級アルキル)、O(アルケニル)、C(O)O(アルキル)、C(O)O(低級アルキル)であり;あるいは、
とRが一体となって=CHまたは=CHYであり;あるいは
およびRが一体となって、エポキシド環などの3員の炭素環または複素環を形成することができ;ただし、RがHの場合はRはCHOH以外であり、RがHの場合はRはCHOH以外であり;
Xは、CH、CHYまたはSであり;
Yは、H、メチル、ハロゲン化メチル、CF、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、N、シアノまたはNOである。
本発明の1実施形態において、ZはH以外である。本発明の別の実施形態では、RおよびRの両方がHであることはない。
ある特定の実施形態において、塩基はピリミジンである。特定の下位実施形態において、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態において、塩基はプリンである。特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
本発明の別の特定の実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものである。
Figure 2008523098
ある特定の実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーまたは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
1実施形態では、ヌクレオシドは、適切な細胞に基づくアッセイで調べた場合のEC50(50%ウィルス阻害を達成する上での有効濃度)が15μM未満であり、より詳細には10または5μM未満である。ある好ましい実施形態では、ヌクレオシドはエナンチオマー富化されたものである。
本発明は、少なくとも下記の特徴も有する。
(a)例えばレトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または癌、白血病もしくは腫瘍などの異常細胞増殖を直腸とする疾患の治療または予防のための、医学的療法での、すなわち抗ウィルスまたは抗腫瘍/抗癌剤としての本明細書に記載の式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの使用;
(b)レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)、および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または癌、白血病もしくは腫瘍などの異常細胞増殖を特徴とする疾患の治療用の医薬製造における本明細書に記載の式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの使用;
(c)本発明による製薬上許容される担体または希釈剤とともに抗ウィルス的に有効量の本明細書に記載の式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物
(d)1以上の他の抗ウィルス的に有効な薬剤との組み合わせで本明細書に記載の式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物;および
(e)本明細書に記載の式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドならびにそれらの製薬上許容される塩およびプロドラッグの製造方法。
式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドは、B型肝炎、C型肝炎またはHIVの治療において有用な生理活性分子である。その化合物は、腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療においても有用である。本明細書に記載のアッセイで、または別の確認アッセイを用いてその化合物を評価することで、活性のスペクトラムを容易に求めることができる。
別の実施形態では、肝炎、B型もしくはC型肝炎またはHIVの治療のために、活性化合物またはそれの誘導体もしくは塩を、上記式のもののような抗HTV薬もしくは抗肝炎薬などの別の抗ウィルス薬との併用でまたはそれらと交互に投与することができる。概して、併用療法では、有効用量の2種類以上の薬剤を一緒に投与するが、交互療法の際には、有効用量の各薬剤を順次投与する。それらの用量は、薬剤の吸収速度、失活速度および排泄速度ならびに当業者には公知の他の要素によって決まる。留意すべき点として、用量値は改善すべき状態の重度によっても変動するものである。さらに理解すべき点として、いずれか特定の被験者に関して、具体的な投与法および投与計画は、その個人のニーズおよび組成物を投与するかそれの投与を監督する者の専門的判断に従って経時的に調節すべきである。
本明細書に開示の化合物を併用可能な抗ウィルス薬の例としては、エムトリシタビン(FTC);ラミブジン(3TC)、カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、テノホビルDF(ビリアード)、アバカビル(ABC)、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ類、ならびにβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)などのβ−D−ジオキソランヌクレオシド類;ネビラピン(ビラミューン)、MKC−442、エファビレンツ(サスティバ)、デラビルジン(レスクリプター)などの非ヌクレオシドRT阻害薬;アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、カレトラ、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、AZT、DMP−450などのプロテアーゼ阻害薬ならびにエプジコム(ABC+3TC)、トリジビル(ABC+3TC+AZT)およびツルバダ(FTC+ビリアード)などの組み合わせ治療薬などがあるが、これらに限定されるものではない。
化合物は、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、猫免疫不全ウィルスおよびサル免疫不全ウィルスを治療するのに用いることもできる(Wang, S., Montelaro, R., Schinazi, R.F., Jagerski, B., and Mellors, J.W.: ″Activity of nucleoside and non-nucleoside reverse transcriptase inhibitors (NNRTI) against equine infectious anemia virus (EIAV).″ First National Conference on Human Retro viruses and Related Infections, Washington, DC, Dec. 12-16, 1993;Sellon D.C., ″Equine Infectious Anemia,″ Vet. Clin. North Am. Equine Pract. United States, 9: 321-336, 1993;Philpott, M.S., Ebner, J.P., Hoover, E.A., ″Evaluation of 9-(2-phosphonylmethoxyethyl) adenine therapy for feline immunodeficiency virus using a quantitative polymerase chain reaction,″ Vet. Immunol. Immunopathol. 35:155166, 1992.)。
さらに、本発明の炭素環ヌクレオシドは、ウィルスの逆転写酵素領域の184コドンに突然変異を有するHIV−1株などのHIVの突然変異株に対して有効であることができる。従って、本発明の炭素環ヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを、184コドンで、または逆転写酵素領域の184コドンとは異なる位置でHIV−1に突然変異を誘発する薬剤との併用で、またはその薬剤と交互に、治療を必要とするヒトに対して投与する段階を有するHIVの治療方法が提供される。本発明は、公知の抗HIV薬について公開されている突然変異パターンを参照したり、新規薬剤について突然変異パターンを確認することで実施することが可能である。
他の抗HIV薬に対して薬剤耐性を示す患者に対する「サルベージ療法」として本発明の炭素環ヌクレオシドを用いる方法も提供される。本発明の炭素環ヌクレオシドは、184コドンまたは184コドン以外の位置で突然変異を誘発する薬剤に対して耐性を示す患者におけるサルベージ療法として用いることができる。
従って、本明細書に開示の発明には、下記の実施形態も含まれる。
(i)適宜に製薬上許容される担体中にて、逆転写酵素領域の184コドンとは異なる位置でHIV−1に突然変異を誘発する薬剤と併用して、またはそれと交互に、有効量の本発明の炭素環ヌクレオシドまたはそれの製薬上許容されるプロドラッグもしくは塩をヒトに投与する段階を有するヒトでのHIV感染を治療する方法。
(ii)適宜に製薬上許容される担体中にて、逆転写酵素領域の184コドンでHIV−1に突然変異を誘発する薬剤と併用して、またはそれと交互に、有効量の本発明の炭素環ヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩をヒトに投与する段階を有するヒトでのHIV感染を治療する方法。
開示の併用、交互またはサルベージ投与法は、HIV感染ならびにAIDS関連症候群(ARC)、持続性全身性リンパ節腫(PGL)、AIDS関連神経状態、抗HTV抗体陽性およびHIV陽性状態、カポジ肉腫、血小板減少症性紫斑病および日和見感染などの他の関連状態の予防および治療において有用である。さらに、これらの化合物または製剤を予防的に用いて、抗HIV抗体またはHTV抗原陽性の個人またはHIVに曝露されたことがある個人における臨床的疾患の予防または進行遅延を行うことができる。
本発明は、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)、および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)ファミリーに属するウィルスに感染した宿主の治療のための式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれらの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を提供する。あるいは、式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を、異常細胞増殖の治療に用いることができる。そのようなヌクレオシドは、適宜に製薬上許容される担体中にて、3′位またはプリンもしくはピリミジン上でアルキル化もしくはアシル化された化合物またはそれの製薬上許容される塩などの製薬上許容される誘導体として投与することができる。特に、本発明の化合物は、抗ウィルス(すなわち、抗HIV−1、抗HIV−2または抗肝炎(B型またはC型))活性または抗増殖活性を有するか、代謝されてそのような活性を示す化合物となる。
要約すると、本発明は、下記の特徴を含む。
(a)本明細書に記載のシクロブチルヌクレオシドならびにそれの製薬上許容される誘導体および塩;
(b)医学療法での使用、例えばレトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染の治療もしくは予防または異常細胞増殖の治療のための本明細書に記載のシクロブチルヌクレオシドならびにそれの製薬上許容される誘導体および塩;
(c)レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染の治療または異常細胞増殖の治療のための医薬製造における本明細書に記載のシクロブチルヌクレオシドならびにそれの製薬上許容される誘導体および塩の使用;
(d)製薬上許容される担体または希釈剤とともに本明細書に記載のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される誘導体もしくは塩を含む医薬製剤;ならびに
(e)下記に詳細に説明する方法に従った、本明細書に記載のシクロブチルヌクレオシドの製造方法。
1実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの投与を含む、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染などのウィルス感染および/または異常細胞増殖の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、治療用の医薬製造での抗ウィルス的に有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの投与を含むHCV感染などのフラビウィルス科感染の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、治療用の医薬製造での抗ウィルス的に有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの投与を含むHIV感染などのレトロウィルス科感染の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、治療用の医薬製造での抗ウィルス的に有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの投与を含むHBV感染などのヘパドナウィルス科感染の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、抗増殖的に有効量の本発明のヌクレオシドの投与を含む異常細胞増殖を特徴とする疾患の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される、ウィルス感染または異常細胞増殖の治療用の医薬の製造における本明細書に記載の化合物のうちのいずれかの使用である。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される、ウィルス感染または異常細胞増殖を示す宿主の治療における本明細書に記載の化合物のうちのいずれかの使用である。
別の実施形態では、本発明による製薬上許容される担体もしくは希釈剤とともに抗ウィルス的にまたは抗増殖的に有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が提供される。
別の実施形態では、1以上の他の抗ウィルス的または抗増殖的に有効な薬剤と組み合わせて本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオシドならびにそれの製薬上許容される塩およびプロドラッグの製造方法が提供される。
別の実施形態では、製薬上有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを哺乳動物に投与する段階を含む、ウィルス関連障害を有する哺乳動物の治療方法が提供される。
別の実施形態では、製薬上有効量の本発明のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを哺乳動物に投与する段階を含む、異常細胞増殖関連の障害を有する哺乳動物の治療方法が提供される。
特に、本発明は、下記の状態の治療もしくは予防方法における化合物、またはその状態の治療もしくは予防での使用、またはその状態用の医薬製造における使用を含むものである。
(e)HIV感染などのレトロウィルス科感染;
(f)B型肝炎ウィルス(HBV)感染などのヘパドナウィルス科感染;および
(g)ヘパシウィルス属(HCV)、ペスチウィルス属(BVDV、CSFV、BDV)またはフラビウィルス属(デング熱ウィルス、日本脳炎ウィルス群(西ナイルウィルスなど)および黄熱病ウィルス)の全ての構成員を含むフラビウィルス科感染;
(h)乾癬、湿疹、アテローム性動脈硬化、喘息、関節炎、骨粗鬆症、白血病および悪性腫瘍などの異常細胞増殖。
本発明の化合物
1実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記一般式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体である。
Figure 2008523098
式中、
塩基は、プリンまたはピリミジン塩基であり;
Zは、独立にH;リン酸(一リン酸、二リン酸、三リン酸または安定化リン酸プロドラッグなど);P(O)Z′Z″、CHP(O)Z′Z″、アシル(低級アシルなど);アルキル(低級アルキルなど);メタンスルホニルおよびベンジルのようなアルキルもしくはアリールアルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル(そのフェニル基は本明細書に示したアリールの定義で記載の1以上の置換基で置換されていても良い);リン脂質などの脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはイン・ビボで投与した時にZが独立にHもしくはリン酸である化合物を提供することができる他の製薬上許容される脱離基であり;Z′およびZ″はそれぞれ独立に、OH、Oアルキル、Oアリール、アルキル、アリール、SH、Sアルキル、Sアリール、NH、モノもしくはジ−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−アリールアミノまたはアミノ酸残基であり;
Aは、O、SまたはCHであり;あるいは
Aは、ZがP(O)Z′Z″またはCHP(O)Z′Z″である場合には共有結合であることができ;
、RおよびRは独立に、水素、低級アルキル(C、C、C、C、CおよびCアルキル)、ハロゲン化低級アルキル、CF、2−Br−エチル、低級アルケニル(C、C、C、CおよびCアルケニル)、ハロゲン化低級アルケニル、Br−ビニル、低級アルキニル(C、C、C、CおよびCアルケニル)、ハロゲン化低級アルキニル、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、アジド、NO、NH、−NH(低級アルキル)、NH(アシル)、N(低級アルキル)、−N(アシル)、ヒドロキシ、OZ、O(低級アシル)、O(低級アルキル)、O(アルケニル)、C(O)O(アルキル)、C(O)O(低級アルキル)であり;あるいは、
とRが一体となって=CHまたは=CHYであり;あるいは
およびRが一体となって、エポキシド環などの3員の炭素環または複素環を形成することができ;ただし、RがHの場合はRはCHOH以外であり、RがHの場合はRはCHOH以外であり;
Xは、CH、CHYまたはSであり;
Yは、H、メチル、ハロゲン化メチル、CF、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、N、シアノまたはNOである。
本発明の1実施形態において、ZはH以外である。本発明の別の実施形態では、RおよびRの両方がHであることはない。
ある特定の実施形態において、塩基はピリミジンである。特定の下位実施形態において、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態において、塩基はプリンである。特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記一般式(Ia)〜(IVa)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体である。
Figure 2008523098
式中、Z、Z′、Z″、A、R、R、R、X、塩基およびYは上記で定義の通りである。
本発明の別の特定の実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものである。
Figure 2008523098
ある特定の実施形態において、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーまたは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、各OHはOZで置換されていても良く、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態では、抗ウィルス的または抗増殖的に有効なヌクレオシドは、下記のものまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体からなる群から選択される。
Figure 2008523098
式中、Zは上記で定義の通りである。
ある特定の実施形態では、塩基はピリミジンである。ある特定の下位実施形態では、ピリミジンは5−フルオロシチジンである。
ある特定の実施形態では、塩基はプリンである。ある特定の下位実施形態では、プリンはグアニンまたはアデニンである。
別の実施形態において、ヌクレオシドは、下記のものなどの本明細書で開示のいずれかのヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーまたは互変異体である。
Figure 2008523098
立体異性および多形
キラル中心を有する本発明の化合物は、光学活性体およびラセミ体で存在したり、単離することができる。一部の化合物は多形を示し得る。本発明は、本明細書に記載の有用な特性を有する本発明の化合物のラセミ体、光学活性体、多形体もしくは立体異性体またはそれらの混合物を包含するものである。光学活性体は、例えば再結晶法によるラセミ体の分割、光学活性原料からの合成、キラル合成またはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離、または酵素による分割によって製造することができる。
下記に示したように、ヌクレオシドは少なくとも2個のキラル炭素原子()を含む。一般に、ヌクレオシドのキラル炭素上の置換基[指定のプリンまたはピロリジン塩基(1′−置換基と称する)およびCHOH(3′−置換基と称する)]は、糖環系に関してシスもしくはβ(同じ側)またはトランスもしくはα(反対側)であることができる。シスおよびトランスのいずれのラセミ体も、一対の光学異性体からなる。従って、各化合物は4つの個々の立体異性体を有する。2個のシスエナンチオマーを一緒にしてβ−エナンチオマーのラセミ混合物と称し、2個のトランスエナンチオマーをα−エナンチオマーのラセミ混合物と称する。
Figure 2008523098
異常細胞増殖を特徴とする障害の非限定的な例
本発明のシクロブチル誘導体で治療可能な腫瘍以外の増殖障害の例を下記に列記してあり、本明細書中の発明の背景技術または他の箇所に列記または記載の他のものを挙げてある。
Figure 2008523098
本発明のシクロブチル誘導体で治療可能な新生物疾患または悪性腫瘍の非限定的な例を下記に挙げてある。
Figure 2008523098
定義
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、別段の断りがない限り、C〜C16のものなど(それらに限定されるものではない)の飽和の直鎖、分岐もしくは環状1級、2級もしくは3級炭化水素を指し、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルなどがある。そのアルキル基は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アジド、チオール、イミン、スルホン酸、硫酸エステル、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハライド、無水物、オキシム、ヒドラジン、カーバメート、ホスホン酸、リン酸エステル、ホスホン酸エステルまたは未保護であるか例えばグリーンらの著作(Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991;参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のように当業者には公知のように必要に応じて保護されている、この化合物の薬理活性を妨害しない他の存在可能な官能基からなる群から選択される1以上の部分で置換されていても良い。
本明細書で使用される「低級アルキル」という用語は、別段の断りがない限り、置換型および未置換型の両方を含むC〜Cの飽和で直鎖、分岐または適切な場合には環状(例えば、シクロプロピル)のアルキル基を指す。
「アルキレン」または「アルケニル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有するものなど(それらに限定されるものではない)の直鎖もしくは分岐構造の飽和ヒドロカルビルジイル基を指す。この用語の範囲には、メチレン、1,2−エタン−ジイル、1,1−エタン−ジイル、1,3−プロパン−ジイル、1,2プロパン−ジイル、1,3−ブタン−ジイル、1,4−ブタン−ジイルなどが含まれる。本明細書に開示のアルキレン基その他の2価部分は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、アジド、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハライド、無水物、オキシム、ヒドラジン、カーバメート、ホスホン酸、ホスホン酸エステルまたは未保護であるか例えばグリーンらの著作(Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991;参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のように当業者には公知のように必要に応じて保護されている、この化合物の薬理活性を妨害しない他の存在可能な官能基からなる群から選択される1以上の部分で置換されていても良い。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、別段の断りがない限り、フェニル、ビフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルを指す。その用語は、置換および未置換の両方の部分を含む。アリール基は、未保護であるか例えばグリーンらの著作(Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991)に記載のように当業者には公知のように必要に応じて保護されている、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、ヒドロキシル、アジド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、リン酸エステルまたはホスホン酸エステルからなる群から選択される1以上の部分で置換されていても良い。
本明細書で使用される「アラルキル」という用語は、別段の断りがない限り、上記で定義のアルキル基を介して分子に連結されている上記で定義のアリール基を指す。本明細書で使用される「アルカリール」または「アルキルアリール」という用語は、別段の断りがない限り、上記で定義のアリール基を介して分子に連結された上記で定義のアルキル基を指す。これらの基のそれぞれにおいて、アルキル基は上記で定義のように置換されていても良く、アリール基はアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アジド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハライド、無水物、オキシム、ヒドラジン、カーバメート、ホスホン酸、ホスホン酸エステルまたは未保護であるか例えばグリーンらの著作(Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991;参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のように当業者には公知のように必要に応じて保護されている、この化合物の薬理活性を妨害しない他の存在可能な官能基からなる群から選択される1以上の部分で置換されていても良い。具体的には、アリールという用語の範囲には、フェニル;ナフチル;フェニルメチル;フェニルエチル;3,4,5−トリヒドロキシフェニル;3,4,5−トリメトキシフェニル;3,4,5−トリエトキシ−フェニル;4−クロロフェニル;4−メチルフェニル;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル;4−フルオロフェニル;4−クロロ−1−ナフチル;2−メチル−1−ナフチルメチル;2−ナフチルメチル;4−クロロフェニルメチル;4−t−ブチルフェニル;4−t−ブチルフェニルメチルなどが含まれる。
「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」という用語は、それぞれ1個もしくは2個のアルキルまたはアリール置換基を有するアミノ基を指す。
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などがある。
プリンもしくはピリミジン塩基という用語は、アデニン、N6−アルキルプリン類、N6−アシルプリン類(アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル)である)、N6−ベンジルプリン、N6−ハロプリン、N6−ビニルプリン、N6−アセチレンプリン、N6−アシルプリン、N6−ヒドロキシアルキルプリン、N6−チオアルキルプリン、N2−アルキルプリン類、N2−アルキル−6−チオプリン類、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン、6−アザピリミジン(6−アザシトシンなど)、2−および/または4−メルカプトピリミジン、ウラシル、5−ハロウラシル(5−フルオロウラシルなど)、C5−アルキルピリミジン類、C5−ベンジルピリミジン類、C5−ハロピリミジン類、C5−ビニルピリミジン、C5−アセチレンピリミジン、C5−アシルピロリジン、C5−ヒドロキシアルキルプリン、C5−アミドピリミジン、C5−シアノピリミジン、C5−ニトロピリミジン、C5−アミノピリミジン、N2−アルキルプリン類、N2−アルキル−6−チオプリン類、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびピラゾロ−ピリミジニルなどを含むが、これらに限定されるものではない。プリン塩基には、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリンおよび6−クロロプリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。塩基上の官能性酸素および窒素基は、必要または所望に応じて保護することができる。好適な保護基は当業者には公知であり、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリルおよびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基およびアセチルおよびプロピオニルなどのアシル基、メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどがある。あるいは、プリンまたはピリミジン塩基は、それがイン・ビボで開裂可能な存在し得るプロドラッグを形成するように置換されていても良い。適切な置換基の例には、アシル部分、アミンまたはシクロプロピル(例:2−アミノ、2,6−ジアミノまたはシクロプロピルグアノシン)などがある。
「エナンチオマー富化」という用語は、本明細書を通じて、そのヌクレオシドの単一のエナンチオマーを少なくとも約95%、好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、さらに好ましくは、少なくとも98%、さらに好ましくは少なくとも約99%以上含むヌクレオシドを説明するのに用いられる。特定の立体配置(DまたはL)のヌクレオシドについて本明細書で言及する場合、別段の断りがない限り、そのヌクレオシドはエナンチオマー豊富ヌクレオシドであると仮定される。本明細書で使用される場合、「耐性ウィルス」という用語は、末梢血単核球(PBMC)またはMT2もしくはMT4細胞など(それらに限定されるものではない)の一定の細胞系で、無傷のウィルスと比較して3倍以上、代表的には5倍以上のEC50の増加を示すウィルスを指す。
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」または「実質的に一つの光学異性体の形態」という用語は、少なくとも95%〜98%以上、好ましくは99%〜100%のそのヌクレオシドの単一エナンチオマーを含むヌクレオシド組成物を指す。好ましい実施形態では、シクロブチルヌクレオシドは、開示の適応症のいずれにおいても実質的に純粋な形で投与される。
本明細書で使用されるアミノ酸の略称を表2に記載している。
本明細書で使用される「宿主」という用語は、細胞系および動物、好ましくはヒトなどのウィルスが複製し得る単細胞生物または多細胞生物を指す。あるいは宿主は、本発明の化合物によって複製または機能を変えることができるウィルスゲノムの一部を有することができる。宿主という用語は具体的には、感染細胞、ウィルスゲノムおよび動物、特には霊長類(チンパンジーなど)およびヒトの全てまたは一部とトランスフェクションした細胞を指す。異常細胞増殖に関しては、「宿主」という用語は、異常細胞増殖に似た状態を呈し得る単細胞生物および多細胞生物を指す。宿主という用語は具体的には、自然的または非自然的原因によって(例えば、それぞれ遺伝子突然変異または遺伝子操作によって)異常に増殖する細胞、ならびに動物、特には霊長類(チンパンジーなど)およびヒトを指す。本発明のほとんどの動物用途において、宿主はヒト患者である。しかしながら、ある種の適応症では、獣医的用途が、本発明によって明瞭に想到される(畜牛でのウシ・ウイルス性下痢ウィルス、豚での豚コレラウィルスおよび羊でのボーダー病ウィルスなど)。
製薬上許容される塩およびプロドラッグ
「製薬上許容される塩またはプロドラッグ」という用語は、本明細書を通じて、患者に投与した時に活性化合物を提供する化合物の製薬上許容される形(エステル、リン酸エステル、エステルの塩または関連する基)を説明するのに用いられる。製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機または有機塩基および酸から誘導されるものなどがある。好適な塩には、製薬業界で公知の多くの他の酸の中で、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されるものなどがある。製薬上許容されるプロドラッグは、宿主において代謝、例えば加水分解または酸化されて本発明の化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグの代表的な例には、活性化合物の官能基部分上に生理的に不安定な保護基を有する化合物などがある。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化して活性化合物を生じ得る化合物などがある。
化合物が安定な無毒性の酸または塩基塩を形成する上で十分な塩基性または酸性である場合、製薬上許容される塩としての当該化合物の投与が適切である場合がある。製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機または有機塩基および酸から誘導されるものなどがある。好適な塩には、製薬業界で公知の多くの他の酸の中で、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されるものなどがある。特には、製薬上許容される塩の例には、生理的に許容されるアニオンを形成する酸と形成される有機酸付加塩があり、例えばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩およびα−グリセロリン酸塩がある。硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩などの好適な無機塩を形成することもできる。
製薬上許容される塩は、例えばアミンなどの十分に塩基性の化合物を好適な酸と反応させることで生理的に許容されるアニオンを与えることで、当業界で公知の標準的な手順を用いて得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩も作ることができる。
本明細書のヌクレオシドは、ヌクレオチドプロドラッグとして投与して、そのヌクレオシドの活性、生物学的利用能、安定性を高めたり、他の形でその特性を変えることができる。多くのヌクレオチドプロドラッグリガンドが公知である。通常、ヌクレオシドの一、二または三リン酸のアルキル化、アシル化その他の親油性修飾が、ヌクレオチドの安定性を高める。リン酸部分の1以上の水素に置き換えることができる置換基の例には、アルキル、アリール、ステロイド類、炭水化物(糖類など)、1,2−ジアシルグリセリンおよびアルコール類がある。多くのものが文献に記載されている(R. Jones and N. Bischofberger, Antiviral Research, 27 (1995) 1-17)。これらのいずれも、開示のヌクレオシドと併用して、所望の効果を得ることができる。
活性ヌクレオシドは、文献(Kucera, L.S., N. Iyer, E. Leake, A. Raben, Modest E.K., D.L.W., and C. Piantadosi. 1990. ″Novel membrane-interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV-1 production and induce defective virus formation.″ AIDS Res. Hum. Retro Viruses. 6:491-501;Piantadosi, C, J. Marasco CJ., S.L. Morris-Natschke, K.L. Meyer, F. Gumus, J.R. Surles, K.S. Ishaq, L.S. Kucera, N. Iyer, CA. Wallen, S. Piantadosi, and EJ. Modest. 1991. ″Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti-HIV activity.″ J. Med. Chem. 34:1408.1414;Hosteller, K.Y., D.D. Richman, D.A. Carson, L.M. Stuhmiller, G.M. T. van Wijk, and H. van den Bosch. 1992. ″Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4-6C cells by 3′-deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol, a lipid prodrug of 3,-deoxythymidine.″ Antimicrob. Agents Chemother. 36:2025.2029;Hosetler, K.Y., L.M. Stuhmiller, H.B. Lenting, H. van den Bosch, and D.D. Richman, 1990. ″Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviral nucleosides.″ J. Biol. Chem. 265:61127;これらは参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の3′−ホスホエーテル脂質または3′−エーテル脂質として提供することもできる。
好ましくはヌクレオシドの3′−OH位でヌクレオシドに共有結合的に組み込むことができる好適な親油性置換基または親油性製剤を開示した米国特許の例としては、米国特許第5149794号(1992年9月22日、ヤトビン(Yatvin)ら);5194654号(1993年5月16日、ホステトラー(Hostetler)ら);5223263号(1993年6月29日、ホステトラー(Hostetler)ら);5256641号(1993年10月26日、ヤトビン(Yatvin)ら);5411947号(1995年5月2日、ホステトラー(Hostetler)ら);5463092号(1995年10月31日、ホステトラー(Hostetler)ら);5543389号(1996年8月6日、ヤトビン(Yatvin)ら);5543390号(1996年8月6日、ヤトビン(Yatvin)ら);5543391号(1996年8月6日、ヤトビン(Yatvin)ら);および5554728号(1996年9月10日、バサバ(Basava)ら)(これらはいずれも参照によって本明細書に組み込まれる)があるが、これらに限定されるものではない。本発明のヌクレオシドに結合し得る親油性置換基または親油性製剤を開示した外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0350287、EP93917054.4およびWO91/19721などがある。
ヌクレオチドプロドラッグの例が、文献(Ho, D.H.W. (1973) ″Distribution of Kinase and deaminase of 1β-D-arabinofuranosylcytosine in tissues of man and muse.″ Cancer Res. 33, 2816- 2820;Holy, A. (1993) Isopolar phosphorous-modified nucleotide analogues,″ In: De Clercq (Ed.), Advances in Antiviral Drug Design, Vol. I, JAI Press, pp. 179-231;Hong, C.I., Nechaev, A., and West, CR. (1979a) ″Synthesis and antitumor activity of 1-β-D-arabino-furanosylcytosine conjugates of Cortisol and cortisone.″ Bicohem. Biophys. Rs. Commun. 88, 1223-1229;Hong, CL, Nechaev, A., Kirisits, AJ. Buchheit, DJ. and West, CR. (1980) ″Nucleoside conjugates as potential antitumor agents. 3. Synthesis and antitumor activity of 1-(β-D-arabinofuranosyl) cytosine conjugates of corticosteriods and selected lipophilic alcohols.″ J. Med. Chem. 28, 171-177;Hosteller, K.Y., Stuhmiller, L.M., Lenting, H.B.M. van den Bosch, H. and Richman J. Biol. Chem. 265, 6112-6117;Hosteller, K.Y., Carson, D.A. and Richman, D.D. 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抗HIV剤AZTのアルキル水素リン酸誘導体は、親ヌクレオシド類縁体より低い毒性であることができる(Antiviral Chem. Chemother. 5, 271-277;Meyer, R. B., Jr., Shuman, D.A. and Robins, R.K. (1973) ″Synthesis of purine nucleoside 3′,5′-cyclic phosphoramidates.″Tetrahedron Lett. 269-272;Nagyvary, J. Gohil, R.N., Kirchner, CR. and Stevens, J.D. (1973) ″Studies on neutral esters of cyclic AMP,″ Biochem. Biophys. Res. Commun. 55, 1072-1077;Namane, A. Gouyette, C, Fillion, M.P., Fillion, G. and Huynh-Dinh, T. (1992) ″Improved brain delivery of AZT using a glycosyl phosphotriester prodrug.″ J. Med. Chem. 35, 3039- 3044;Nargeot, J. Nerbonne, J.M. Engels, J. and Leser, H.A. (1983) Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80, 2395-2399;Nelson, K.A., Bentrude, W.G. Stser, W.N. and Hutchinson, J.P. (1987) ″The question of chair-twist equilibria for the phosphate rings of nucleoside cyclic 3′,5′-monophosphates. 1H NMR and x-ray crystallographic study of the diastereomers of thymidine phenyl cyclic 3′,5′-monophosphate.″ J. Am. Chem. 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組み合わせまたは交互のHIV剤および/またはHBV剤
HIV、HBVおよびHCVなどのウィルスの薬剤耐性変異株は、抗ウィルス剤による長期治療後に出現し得ることが認められている。薬剤耐性は最も代表的には、ウィルス複製で用いられる酵素、例えばHIVの場合には逆転写酵素、プロテアーゼまたはDNAポリメラーゼ、そしてHBVの場合にはDNAポリメラーゼをコードする遺伝子の突然変異によって起こる。主たる薬剤によって生じたものとは異なる突然変異を誘発する第2および恐らくは第3の抗ウィルス化合物との併用または交互使用で化合物を投与することによって、HIVまたはHBV感染に対する薬剤の効力を延長、強化または回復することが可能であることが明らかになっている。あるいは、薬剤の薬物動態、生体分布その他のパラメータを、そのような併用療法または交互療法によって変えることができる。普通の場合、併用療法はウィルスに対して複数の同時ストレスを誘発することから、併用療法の方が交互療法より好ましい。
1実施形態において、HIV治療のための第2の抗ウィルス薬は、逆転写酵素阻害薬(「RTI」)であることができ、それは合成ヌクレオシド(「NRTI」)または非ヌクレオシド化合物(「NNRTI」)であることができる。別の実施形態において、HIVの場合、第2の(または第3の)抗ウィルス剤がプロテアーゼ阻害薬であることができる。他の実施形態では、第2の(または第3の)化合物は、ピロリン酸類縁体または融合結合阻害薬であることができる。多くの抗ウィルス化合物についてイン・ビトロおよびイン・ビボで収集された耐性データをまとめたリストが、シナジらの報告(Schinazi, et al, Mutations in retroviral genes associated with drug resistance, International Antiviral News, 1997)にある。
HBV治療のための併用または交互療法用に好ましい化合物には、DNAポリメラーゼ阻害薬などがある。本発明の1実施形態において、別の抗HBV剤は、3TC、FTC、L−FMAU、インターフェロン、β−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ファムシクロビル、ペンシクロビル、BMS−200475、ビスpomPMEA(アデフォビル、ジピボキシル);ロブカビル、ガンシクロビル、リバビリンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましいプロテアーゼ阻害薬には、クリキシバン(メルク(Merck))、ネルフィナビル(アグロン(Agouron))、リトナビル(アボット(Abbott))、サクイナビル(ロッシュ(Roche))、DMP−266(サスティバ)およびDMP−450(デュポン(DuPont)・メルク)などがある。
HIV療法において本明細書に開示の化合物との併用または交互使用可能である抗ウィルス剤の好ましい例には、エムトリシタビン(FTC);ラミブジン(3TC)、カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、テノホビルDF(ビリアード)、アバカビル(ABC)、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ類、ならびにβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)などのβ−D−ジオキソランヌクレオシド類;ネビラピン(ビラミューン)、MKC−442、エファビレンツ(サスティバ)、デラビルジン(レスクリプター)などの非ヌクレオシドRT阻害薬;アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、カレトラ、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、AZT、DMP−450などのプロテアーゼ阻害薬ならびにエプジコム(ABC+3TC)、トリジビル(ABC+3TC+AZT)およびツルバダ(FTC+ビリアード)などの組み合わせ治療薬などがある。
開示のヌクレオシドのいずれかとの併用または交互使用で投与可能な化合物のより総合的なリストには、(1S,4R)−4−[2−アミノ−6−シクロプロピル−アミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールコハク酸塩(「1592」、カルボビル類縁体;グラクソウェルカム(Glaxo Wellcome));3TC:(−)−β−L−2′,3′−ジデオキシ−3′−チアシチジン(グラクソウェルカム);a−APA R18893:a−ニトロ−アニリノ−フェニルアセトアミド;A−77003;C2対称に基づくプロテアーゼ阻害薬(アボット);A−75925:C2対称に基づくプロテアーゼ阻害薬(アボット);AAP−BHAP:ビスヘテロアリールピペラジン類縁体(アップジョン(Upjohn));ABT−538:C2対称に基づくプロテアーゼ阻害薬(アボット);AzddU:3′−アジド−2′,3′−ジデオキシウリジン;AZT:3′−アジド−3′−デオキシチミジン(グラクソウェルカム);AZT−p−ddI:3′−アジド−3′−デオキシチミジリル−(5′,5′)−2′,3′−ジデオキシイノシン酸(アイバックス(Ivax));BHAP:ビスヘテロアリールピペラジン;BILA1906:N−{1S−[[[3−[2S−{(1,1−ジメチルエチル)アミノ]−カルボニル}−4R−]3−ピリジニルメチル)チオ]−1−ピペリジニル]−2R−ヒドロキシ−1S−(フェニルメチル)−プロピル]アミノ]カルボニル]−2−メチルプロピル}−2−キノリンカルボキサミド(バイオメガ(Bio Mega)/ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer-Ingelheim));BILA2185:N−(1,1−ジメチルエチル)−1−[2S−[[2−2,6−ジメチル−フェノキシ)−1−オキソエチル]アミノ]−2R−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]4R−ピリジニルチオ)−2−ピペリジン−カルボキサミド(バイオメガ/ベーリンガーインゲルハイム);BM+51.0836:チアゾロ−イソインドリノン誘導体;BMS186,318:アミノジオール誘導体HIV−1プロテアーゼ阻害薬(ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol-Myers-Squibb));d4API:9−[2,5−ジヒドロ−5−(ホスホノメトキシ)−2−フラネル]アデニン(ギレアデ(Gilead));d4C:2′,3′−ジデヒドロ−2′,3′−ジデオキシシチジン;d4T:2′,3′−ジデヒドロ−3′−デオキシチミジン(ブリストルマイヤーズスクイブ);ddC;2′,3′−ジデオキシシチジン(ロッシュ);ddI:2′,3′−ジデオキシイノシン(ブリストルマイヤーズスクイブ);DMP−266:a1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン;DMP−450:{[4R−(4−a,5−a,6−b,7−b)]−ヘキサヒドロ−5,6−ビス(ヒドロキシ)−1,3−ビス(3−アミノ)フェニル]−メチル)−4,7−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−ジアゼピン−2−オン}−ビスメシレート(アビッド(Avid));DXG:(−)−β−D−ジオキソラン−グアノシン(ギレアデ);EBU−dM:5−エチル−1−エトキシメチル−6−(3,5−ジメチル−ベンジル)ウラシル;E−EBU:S−エチル−1−エトキシメチル−6−ベンジルウラシル;DS:硫酸デキストラン;E−EPSeU:1−(エトキシメチル)−(6−フェニルセレニル)−5−エチルウラシル;E−EPU:1−(エトキシメチル)−(6−フェニル−チオ)−5−エチルウラシル;FTC:β−2′,3′−ジデオキシ−5−フルオロ−3′−チアシチジン(ギレアデ);HBY097:S−4−イソプロポキシカルボニル−6−メトキシ−3−(メチルチオ−メチル)−3,4−ジヒドロ−キノキザリン−2(1H)−チオン;HEPT:1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6−(フェニルチオ)チミン;HIV−1:ヒト免疫不全ウィルス1型;JM2763:1,1′−(1,3−プロパンジイル)−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(ジョンソン・マシュー(Johnson Matthey));JM3100:1,1′−[1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザ−シクロテトラデカン(ジョンソン・マシュー);KNI−272:(2S,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸含有トリペプチド;L−697,593;5−エチル−6−メチル−3−(2−フタルイミド−エチル)ピリジン−2(1H)−オン;L−735,524:ヒドロキシ−アミノ−ペンタンアミドHIV−1プロテアーゼ阻害薬(メルク);L−697,661:3−{[(−4,7−ジクロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]アミノ}−5−エチル−6−メチルピリジン−2(1H)−オン;L−FDDC:(−)−β−L−5−フルオロ−2′,3′−ジデオキシ−シチジン;L−FDOC:(−)−β−L−5−フルオロ−ジオキソランシトシン;MKC442:6−ベンジル−1−エトキシメチル−5−イソプロピルウラシル(I−EBU;トライアングル(Triangle)/ミツビシ(Mitsubishi));ネビラピン:11−シクロプロピル−5,11−ジヒドロ−4−メチル−6H−ジピリドール[3,2−b:2′,3′−e]ジアゼピン−6−オン(ベーリンガーインゲルハイム);NSC648400:1−ベンジルオキシメチル−5−エチル−6−(α−ピリジルチオ)ウラシル(E−BPTU);P9941:[2−ピリジルアセチル−IlePheAla−y(CHOH)](デュポン・メルク);PFA:ホスホノギ酸化合物(フォスカネット;アストラ(Astra));PMEA:9−(2−ホスホニルメトキシエチル)アデニン(ギレアデ);PMPA:(R)−9−(2−ホスホニル−メトキシプロピル)アデニン(ギレアデ);Ro31−8959:ヒドロキシエチルアミン誘導体HIV−1プロテアーゼ阻害薬(ロッシュ);RPI−312:ペプチジルプロテアーゼ阻害薬、1−[(3s)−3−(n−α−ベンジルオキシカルボニル)−1−アスパルギニル)−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチリル]−n−tert−ブチル−1−プロリンアミド;2720:6−クロロ−3,3−ジメチル−4−(イソプロペニル−オキシカルボニル)−3,4−ジヒドロ−キノキザリン−2(1H)チオン;SC−52151:ヒドロキシエチル尿素イソスタープロテアーゼ阻害薬(サール(Searle));SC−55389A:ヒドロキシエチル−尿素イソスタープロテアーゼ阻害薬(サール);TIBOR82150:(+)−(5S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−5−メチル−6−(3−メチル−2−ブテニル)−イミダゾ[4,5,1−jk][1,4]−ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(ジャンセン(Janssen));TIBO82913:(+)−(5S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−9−クロロ−5−メチル−6−(3−メチル−2−ブテニル)−イミダゾ−[4,5,1−jk]−[1,4]ベンゾ−ジアゼピン−2(1H)−チオン(ジャンセン);TSAO−m3T:[2′,5′−ビス−O−(tert−ブチル−ジメチルシリル)−3′−スピロ−5′−(4′−アミノ−1′,2′−オキサチオール−2′,2′−ジオキシド)]−b−D−ペントフラノシル−N3−メチル−チミン;U90152:1−[3−[(1−メチルエチル)−アミノ]−2−ピリジニル]−4−[[5−[(メチル−スルホニル)−アミノ]−1H−インドール−2−イル]カルボニル]−ピペラジン;UC:チオカルボキシアニリド誘導体(ユニロイヤル(Uniroyal));UC−781:N−[4−クロロ−3−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)フェニル]−2−メチル−3−フラン−カルボチオ−アミド;UC−82:N−[4−クロロ−3−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)フェニル]−2−メチル−3−チオフェン−カルボチオアミド;VB11,328:ヒドロキシエチル−スルホンアミドプロテアーゼ阻害薬(ベルテックス);VX−478:ヒドロキシエチルスルホンアミドプロテアーゼ阻害薬(ベルテックス);XM323:環状尿素プロテアーゼ阻害薬(デュポン・メルク)などがある。
フラビウィルス科感染治療のための療法
フラビウィルス、ペスチウィルスまたはHCVの薬剤耐性変異株は、抗ウィルス剤による長期治療後に出現し得ることが認められている。薬剤耐性は最も代表的には、ウィルス複製で用いられる酵素をコードする遺伝子の突然変異によって起こる。主たる薬剤によって生じたものとは異なる突然変異を誘発する第2および恐らくは第3の抗ウィルス化合物との併用または交互使用で化合物を投与することによって、ウィルス感染に対する薬剤の効力を延長、強化または回復することが可能である。あるいは、薬剤の薬物動態、生体分布その他のパラメータを、そのような併用療法または交互療法によって変えることができる。普通の場合、併用療法はウィルスに対して複数の同時ストレスを誘発することから、併用療法の方が交互療法より好ましい。
発明の背景で記載のウィルス治療のいずれも、本明細書に記載の化合物と併用または交互使用することができる。例としては下記のものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
(1)インターフェロンおよび/またはリバビリン(例えば、Battaglia, A.M. et al., Ann. Pharmacother. 34:487-494, 2000);Berenguer, M. et al. Antivir. Ther. 3(Suppl. 3):125-136, 1998参照)。
(2)α−ケトアミド類およびヒドラジノ尿素類などの基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(例えば、Attwood et al., Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998;Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273;Attwood et al., Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, German Patent Pub. DE 19914474;Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease, PCT WO 98/17679参照)ならびにボロン酸またはホスホネートなどの求電子剤を末端とする阻害薬(例えば、Llinas-Brunet et al, Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT WO 99/07734参照)。
(3)RD3−4082およびRD3−4078のような2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体などの非基質系阻害薬(例えば、Sudo K. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997, 238, 643-647;Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186参照);前者はアミド上で14炭素鎖で置換されており、後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する。
(4)例えばNS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質を用いる逆相HPLCアッセイで適切な阻害を示すチアゾリジン誘導体(例えば、Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、特には長いアルキル鎖で置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD−1−6250、RD46205およびRD46193。
(5)例えば文献(Kakiuchi N. et al. J. EBS Letters 421, 217-220;Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246)で同定されているチアゾリジン類およびベンズアニリド類。
(6)例えばストレプトミセス属Sch68631(例えばChu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232参照)の発酵培養肉汁から単離されたSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイでプロテアーゼに対して活性を有するフェナントレンキノン化合物、ならびにシンチレーション近接アッセイで活性を示す真菌ペニシリウム−グリセオフルバムから単離されるSch351633(例えば、Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952)。
(7)例えばヒルから単離される巨大分子エルギン(elgin)cに基づく選択的NS3阻害薬(例えば、Qasim M. A. et al., Biochemistry, 1997, 36, 1598-1607参照)。
(8)ヘリカーゼ阻害薬(例えば、Diana G.D. et al., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, U.S. Pat. No. 5,633,358;Diana G.D. et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554参照)。
(9)例えば
i)グリオトキシンなどのヌクレオチド類縁体(例えば、Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654参照);
ii)天然物セルレニン(例えば、Lohmann V. et al., Virology, 1998, 249, 108-118参照);および
iii)例えば化合物R803(例えばWO04/018463A2およびWO03/040112A1参照、いずれもリゲル・ファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.));置換ジアミンピリミジン類(例えば、リゲル・ファーマシューティカルズ社に対するWO03/063794A2);ベンゾイミダゾール誘導体(例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:119-124およびBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:967-971参照;いずれもベーリンガーインゲルハイム社);N,N−ジ置換フェニルアラニン類(例えば、J. Biol. Chem., 2003, 278:9495-98およびJ. Med. Chem., 2003, 13:1283-85参照;いずれもシャー・バイオケム社(Shire Biochem, Inc.));置換チオフェン−2−カルボン酸類(例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:793-796およびBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:797-800参照;いずれもシャー・バイオケム社);α,γ−ジケト酸類(例えば、J. Med. Chem., 2004, 14-17およびWO 00/006529 A1参照;いずれもメルク社(Merck & Co., Inc.));ならびにメコン酸誘導体(例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 3257-3261、WO 02/006246 A1およびWO 03/062211 A1参照;いずれもIRBMメルク社)などの非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬
のようなポリメラーゼ阻害薬。
(10)例えばウィルスの5′非コード領域(NCR)における配列範囲(例えば、Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717参照)またはNCRの3′末端を有するヌクレオチド326〜348およびHCV RNAの核コード領域にあるヌクレオチド371〜388(例えば、Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599;Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 1999, 181, 251-257参照)に対して相補的なアンチセンスホスホロチオエート・オリゴデオキシヌクレオチド類(S−ODN)。
(11)IRES依存翻訳の阻害薬(例えば、Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C、Japanese Patent Pub. JP-08268890;Kai Y. et al. Prevention and treatment of viral diseases, Japanese Patent Pub. JP-10101591参照)。
(12)ヌクレアーゼ耐性リボザイム(例えば、Maccjak, D. J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995参照)。
(13)ヌクレオシド類縁体が、フラビウィルス科感染の治療用にも開発されている。例としては下記のものなどがある。
アイデニクス・ファーマシューティカルズ社(Idenix Pharmaceuticals, Ltd.)は、米国特許公開2003/0050229A1および米国特許公開2003/0060400A1(これらは国際特許公開番号WO01/90121およびWO01/92282に相当する)で、分岐ヌクレオシド類ならびにHCVおよびフラビウィルスおよびペスチウィルスの治療におけるそれらの使用を開示している。ヒトおよび他の宿主動物でのC型肝炎感染(およびフラビウィルスおよびペスチウィルス)の治療方法が、アイデニクスの刊行物で開示されており、それには単独または適宜に製薬上許容される担体との組み合わせで有効量の生理活性1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドまたはそれらの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを投与する段階がある。米国特許公開番号2004/0006002および2004/0006007ならびにWO03/026589およびWO03/026675も参照する。アイデニクス・ファーマシューティカルズ社は、米国特許公開番号2004/0077587で、製薬上許容される分岐のヌクレオシドプロドラッグならびにプロドラッグでのHCVおよびフラビウィルスおよびペスチウィルスの治療におけるそれらの使用も開示している。PCT公開番号WO04/002422、WO04/002999およびWO04/003000も参照する。
バイオタ社(Biota Inc.)は、国際特許公開WO03/072757で、C型肝炎感染の治療における1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドなどのヌクレオシドの各種リン酸誘導体を開示している。
エモリー大学およびジョージア大学研究財団社(the University of Georgia Research Foundation, Inc.)(UGARF)は、米国特許第6348587号で、HCVの治療における2′−フルオロヌクレオシド類の使用を開示している。米国特許公開番号2002/0198171および国際特許公開WO99/43691も参照する。
バイオケム・ファーマ社(BioChem Pharma Inc.)(現在、シャー・バイオケム社(Shire Biochem, Inc.))は、米国特許第6566365号で、フラビウィルス科感染の治療における各種1,3−ジオキソランヌクレオシドの使用を開示している。米国特許第6340690号および6605614号;米国特許公開番号2002/0099072および2003/0225037、ならびに国際特許公開番号WO01/32153およびWO00/50424も参照する。
バイオケム・ファーマ社(現在、シャー・バイオケム社)は、米国特許公開番号2002/0019363ならびに国際特許公開番号WO01/60315(PCT/CA01/00197;2001年2月19日出願)で、フラビウィルス科感染の治療のための各種他の2′−ハロ、2′−ヒドロキシおよび2′−アルコキシヌクレオシド類も開示している。
ICNファーマシューティカルズ社(ICN Pharmaceuticals, Inc.)は、米国特許第6495677号および6573248号で、免役応答を調節する上で有用な各種ヌクレオシド 類縁体を開示している。WO98/16184、WO01/68663およびWO02/03997も参照する。
ホフマン−ラロッシュ社(F. Hoffmann-La Roche AG)が出願した米国特許第6660721号;米国特許公開番号2003/083307A1、2003/008841A1および2004/0110718;ならびに国際特許公開番号WO02/18404;WO02/100415、WO02/094289およびWO04/043159には、HCV RNA複製の治療用の各種ヌクレオシド類縁体が開示されている。
ファーマセット社(Pharmasset Limited)は、米国特許公開番号2003/0087873、2004/0067877、2004/0082574、2004/0067877、2004/002479、2003/0225029および2002/00555483ならびに国際特許公開番号WO02/32920、WO01/79246、WO02/48165、WO03/068162、WO03/068164およびWO2004/013298で、フラビウィルス科、特にはHCVなどの各種ウィルスの治療のための各種ヌクレオシドおよび代謝拮抗剤を開示している。
メルク社およびイシス・ファーマシューティカルズ(Isis Pharmaceuticals)は、米国特許公開番号2002/0147160、2004/0072788、2004/0067901および2004/0110717;ならびに相当する国際特許公開番号WO02/057425(PCT/US02/01531;2002年1月18日出願)およびWO02/057287(PCT/US02/03086;2002年1月18日出願)で、フラビウィルス科、特にはHCVなどの複製がRNA依存性RNAポリメラーゼに依存するウィルスの治療用の各種ヌクレオシド、特にはいくつかのピロロピリミジンヌクレオシドを開示している。WO2004/000858、WO2004/003138、WO2004/007512およびWO2004/009020も参照する。
リバファーム(Ribapharm)によって出願された米国特許公開番号2003/028013A1ならびに国際特許公開番号WO03/051899、WO03/061576、WO03/062255、WO03/062256、WO03/062257およびWO03/061385も、C型肝炎ウィルスを治療する上でのある種のヌクレオシド類縁体の使用に関するものである。
ジーンラブス・テクノロジーズ(Genelabs Technologies)は、米国特許公開番号2004/0063658ならびに国際特許公開番号WO03/093290およびWO04/028481で、C型肝炎感染治療のための、1′、2′、3′または4′−分岐β−Dまたはβ−Lヌクレオシドのようなヌクレオシドの各種塩基修飾誘導体を開示している。
(14)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン類(例えば、ゴールド(Gold)らに対する米国特許第6034134号)、アルキル脂質(例えば、チョキエル(Chojkier)に対する米国特許第5922757号)、ビタミンEおよび他の酸化防止剤(例えば、チョキエル(Chojkier)に対する米国特許第5922757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸類(例えば、オゼキ(Ozeki)らに対する米国特許第5846964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(例えば、ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5830905号)、ベンゼンジカルボキサミド類(例えば、ダイアナ(Diana)らに対する米国特許第5633388号)、ポリアデニル酸誘導体(例えば、ワン(Wang)らに対する米国特許第5496546号)、2′,3′−ジデオキシイノシン(例えば、ヤルコアン(Yarchoan)らに対する米国特許第5026687号)およびベンゾイミダゾール類(例えば、コラシノ(Colacino)らに対する米国特許第5891874号)などのその他化合物。
(15)C型肝炎ウィルスの治療用に現在臨床段階にある他の化合物には、例えば:シェリング−プラウ(Schering-Plough)によるインターロイキン−10、インターニューロン(Interneuron)によるIP−501、ベルテックスによるメリメボジブ(Merimebodib)VX−497、エンド・ラブス・ソルベー(Endo Labs Solvay)によるアマンタジン(シンメトレル)、RPIによるヘプタザイム(HEPTAZYME)、イドゥン・ファーマ(Idun Pharma.)によるIDN−6556、XTLによるXTL−002、キロン(Chiron)によるHCV/MF59、NABIによるシバシル(CIVACIR)、ICNによるレボビリン、ICNによるビラミジン(VIRAMIDINE)、サイ・クローン(Sci Clone)によるザダキシン(サイモシンα−1)、マキシム(Maxim)によるセプレン(ヒスタミン・2塩酸塩)、ベルテックス/イーライ・リリー(Eli Lilly)によるVX950/LY570310、イシス・ファーマシューティカル/エラン(Elan)によるISIS 14803、イドゥン・ファーマシューティカルズ社(Idun Pharmaceuticals, Inc.)によるIDN−6556およびアクロス・ファーマ(AKROS Pharma.)によるJTK003などがある。
異常細胞増殖の治療のための療法
異常細胞増殖に対して活性であると確認されていることから、一般式(I)〜(IV)の1以上のヌクレオシドと併用または交互使用可能である薬剤の例には、下記のものなどがある。
アルキル化剤
ナイトロジェンマスタード類:メクロレタミン(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、シクロホスファミド、イホスファミド(急性および慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳房、卵巣、肺、ウィルムス腫瘍、頸部、睾丸、軟組織の肉腫)、メルファラン(L−サルコリシン)(多発性骨髄腫、乳房、卵巣)、クロラムブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)。
エチレンイミン類およびメチルメラミン類:ヘキサメチルメラミン(卵巣)、チオテパ(膀胱、乳房、卵巣)。
アルキルスルホン酸エステル:ブスルファン(慢性顆粒球性白血病)。
ニトロソ尿素類:カルムスチン(BCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、多発性骨髄腫、悪性メラノーマ)、ロムスチン(CCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、小細胞肺)、セムスチン(メチル−CCNU)(原発性脳腫瘍、胃、結腸)、ストレプトゾシン(STR)(悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルシノイン(carcinoin))。
トリアゼン類:ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミダゾール−カルボキサミド)(悪性メラノーマ、ホジキン病、軟組織肉腫)。
代謝拮抗剤
葉酸類縁体:メトトレキセート(アメトプテリン)(急性リンパ球性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、乳房、頭部および頸、肺、骨原性肉腫)。
ピリミジン類縁体:フルオロウラシル(5−フルオロウラシル;5−FU)フロクスウリジン(フルオロデオキシウリジン;FUdR)(乳房、結腸、胃、膵臓、卵巣、頭部および頸、膀胱、前癌性悪性皮膚病変)(局所)、シタラビン(シトシンアラビノシド)(急性顆粒球性および急性リンパ球性白血病)。
プリン類縁体および関連阻害薬:メルカプトプリン(6−メルカプトプリン;6−MP)(急性リンパ球性、急性顆粒球性および慢性顆粒球性白血病)、チオグアニン(6−チオグアニン:TG)(急性リンパ球性、急性顆粒球性および慢性顆粒球性白血病)、ペントスタチン(2′−デオキシシオフォルマイシン(deoxycyoformycin))(ヘアリー細胞白血病、菌状息肉腫、慢性リンパ球性白血病)。
ビンカアルカロイド類:ビンブラスチン(VLB)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、乳房、睾丸)、ビンクリスチン(急性リンパ球性白血病、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、小細胞肺)。
エピポドフィロトキシン類:エトポシド(睾丸、小細胞肺および他の肺、乳房、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)、テニポシド(睾丸、小細胞肺および他の肺、乳房、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)。
天然物
抗生物質:ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)(絨毛癌、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、睾丸、カポジ肉腫)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)(急性顆粒球性および急性リンパ球性白血病)、ドキソルビシン(軟組織、骨原性および他の肉腫;ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性白血病、乳房、尿生殖器甲状腺、肺、胃、神経芽細胞腫)、ブレオマイシン(睾丸、頭部および頸、皮膚および食道肺および尿生殖路、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、プリカマイシン(ミトラマイシン)(睾丸、悪性高カルシウム血)、マイトマイシン(マイトマイシンC)(胃、頸部、直腸、乳房、膵臓、膀胱、頭部および首)。
酵素:L−アスパラギナーゼ(急性リンパ球性白血病)。
生理応答改変剤:インターフェロン−α(ヘアリー細胞白血病、カポジ肉腫、メラノーマ、カルシノイド、腎細胞、卵巣、膀胱、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、多発性骨髄腫、慢性顆粒球性白血病)。
その他薬剤
白金配位錯体:シスプラチン(シス−DDP)カルボプラチン(睾丸、卵巣、膀胱、頭部および首、肺、甲状腺、子宮頸、子宮内膜、神経芽細胞腫、骨原性肉腫)。
アントラセンジオン:ミクストザントロン(Mixtozantrone)(急性顆粒球性白血病、乳房)。
置換尿素:ヒドロキシ尿素(慢性顆粒球性白血病、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、悪性メラノーマ)。
メチルヒドラジン誘導体:プロカルバジン(N−メチルヒドラジン、MIH)(ホジキン病)。
副腎皮質抑制剤:ミトタン(o,p′−DDD)(副腎皮質)、アミノグルテチミド(乳房)。
アドレノコルチコステロイド類:プレドニゾン(急性および慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳房)。
プロゲスチン類:カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール(子宮内膜、乳房)。
抗血管新生薬
アンギオスタチン、エンドスタチン。
ホルモン類および拮抗薬
エストロゲン類:ジエチルスチルベステロールエチニルエストラジオール(乳房、前立腺)。
抗エストロゲン:タモキシフェン(乳房)。
アンドロゲン類:プロピオン酸テストステロンフルキソミエステロン(Fluxomyesterone)(乳房)。
抗アンドロゲン:フルタミド(前立腺)。
ゴナドトロピン放出ホルモン類縁体:ロイプロリド(前立腺)。
医薬組成物
本発明のシクロブチルヌクレオシドまたは製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグまたはプロドラッグの塩に基づく医薬組成物は、適宜に製薬上許容される添加剤、担体または賦形剤と組み合わせて、レトロウィルス科(HTVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)、および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)ウィルス感染または異常細胞増殖の治療において治療上有効量で製造することができる。その治療上有効量は、治療対象の感染もしくは状態、それの重度、用いられる治療方法、使用薬剤の薬物動態、ならびに治療を受ける患者によって変動し得る。
本発明による1態様で、本発明による化合物は好ましくは、製薬上許容される担体と混合して製剤される。一般的に、医薬組成物を経口投与可能な形態で投与することが好ましいが、製剤を非経口、静脈、筋肉、経皮、口腔、皮下、坐剤その他の経路で投与することが可能である。静脈製剤および筋肉製剤は好ましくは、無菌生理食塩水中で投与される。当業者であれば、本明細書の記載の範囲内で製剤に変更を加えて、本発明の組成物を不安定にしたり、それの治療活性に悪影響を与えることなく、特定の投与経路用に多くの製剤を提供することが可能である。特に、例えば通常の修飾(塩形成、エステル化など)によって、所望の化合物を修飾して、それの水その他の媒体での溶解度を高めることが容易にできる。
ある種の医薬製剤では、特には本発明の化合物のアシル化(アセチル化その他)およびエーテル誘導体、リン酸エステルおよび各種塩型などの化合物のプロドラッグ型が好ましい。当業者であれば、本発明の化合物を容易に修飾してプロドラッグ型として、宿主生物または患者の体内の標的部位への活性化合物の送達を促進する方法は理解できよう。当業者であればさらに、利用可能な場合は宿主生物もしくは患者の体内における標的部位への所望の化合物の送達で、プロドラッグ型の好ましい薬物動態パラメータを利用して、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関連する状態の治療での当該化合物の所期の効果を最大とするであろう。
本発明による治療上活性な製剤内に含まれる化合物の量は、感染もしくは状態、好ましい実施形態では、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関連する状態を治療する上で有効な量である。通常、医薬製剤中での本発明の化合物の治療上有効量は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg以上の範囲であり、使用される化合物、治療対象の状態もしくは感染および投与経路によって決まる。本発明に関しては、本発明による組成物の予防上もしくは防止上有効量は、治療上有効量について前述したものと同じ濃度範囲内であり、通常は治療上有効量と同じである。
活性化合物の投与は、連続(静脈点滴)から1日数回の経口投与(例えば、1日4回、1日2回など)の範囲であることができ、投与経路の中では特に、経口投与、局所投与、非経口投与、筋肉投与、静脈投与、皮下投与、経皮投与(浸透促進剤を含むことができる)、口腔投与および坐剤投与などがあり得る。腸溶コートされた経口錠剤を用いて、経口投与経路からの化合物の生物学的利用能および安定性を高めることもできる。最も有効な製剤は、選択される特定薬剤の薬物動態ならびに患者における疾患の重度によって決まる。毛投与が容易であり、患者の服用遵守が好ましいと予想されることから、経口製剤が特に好ましい。
本発明による医薬組成物を製造するには、治療上有効量の1以上の本発明による化合物を、好ましくは従来の医薬配合法に従って製薬上許容される担体と混合して、1用量を製造する。担体は、例えば経口または非経口などの投与に望まれる製剤の形態に応じて各種形態を取り得る。経口製剤での医薬組成物の調製では、通常の医薬媒体を用いることができる。従って、懸濁液、エリキシル剤および液剤などの液体経口製剤には、水、グリコール類、オイル類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤などの好適な担体および添加剤を用いることができる。粉剤、錠剤、カプセルなどの固体経口製剤の場合、そして坐剤などの固体製剤の場合、デンプン、糖担体(ブドウ糖、マニトール、乳糖および関連担体など)、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの好適な担体および添加剤を用いることができる。所望に応じて、標準的な方法によって、持続放出用に錠剤またはカプセルを腸溶コーティングすることができる。これら製剤の使用は、患者での化合物の生物学的利用能に大きく影響し得る。
非経口製剤の場合、担体は通常、無菌水または塩化ナトリウム水溶液を含む。ただし、分散を助ける成分などの他の成分も含めることができる。無菌水を用いて、無菌状態に維持する場合、組成物および担体も滅菌しなければならない。注射用懸濁液も調製可能であり、その場合には適切な液体担体、懸濁剤などを用いることができる。
リポソーム懸濁液(ウィルス抗原を標的としたリポソームなど)も、製薬上許容される担体を製造する従来の方法によって調製することができる。これは、本発明による遊離ヌクレオシド、アシルヌクレオシドまたはそのヌクレオシド化合物のリン酸エステルプロドラッグ形態の送達に適したものであることができる。
非経口、皮内、皮下または局所投与用の液剤または懸濁液は、注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール類、グリセリン、プロピレングリコールその他の合成溶媒などの無機希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベン類などの抗細菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤および塩化ナトリウムもしくはブドウ糖などの等張性を調節するための薬剤という成分を含むことができる。非経口製剤は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多用量バイアルに封入することができる。
本発明による特に好ましい実施形態では、化合物および組成物を、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関連する状態の治療、予防または発症遅延に用いる。好ましくは、感染または状態を治療、予防または発症遅延には、少なくとも1日1回、好ましくは1日4回までで、組成物を約250μg〜約1g以上の範囲の量で経口製剤で投与する。本発明の化合物は好ましくは経口投与するが、非経口投与、局所投与または坐剤の形態で投与することができる。
本発明による化合物は、ある場合で宿主細胞に対する毒性が低いことから、有利には予防的に用いて、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関係する状態を予防したり、ウィルス感染または状態に関連する臨床症状の発症を予防することができる。従って本発明は、ウィルス感染,特にはレトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関係する状態の予防的処置方法をも包含する。この態様では、本発明によれば、本発明の組成物を用いて、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関係する状態の予防または発症遅延を行う。この予防方法は、処置を必要とする患者またはウィルスもしくは状態発達のリスクがある患者に対して、そのウィルス感染または状態の改善、予防または発症遅延に有効な量の本発明による化合物を投与する段階を含む。本発明による予防的処置において、使用される抗ウィルスもしくは抗増殖化合物は患者に対して低毒性、好ましくは無毒性であることが好ましい。本発明のこの態様においては、使用される化合物がウィルスまたは状態に対して最大限有効であり、患者に対して最小限の毒性を示すことが特に好ましい。レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関連する状態の場合、これら疾患状態を治療するのに用いることができる本発明による化合物は、レトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染の増殖または異常細胞増殖に関連する状態を防止するか、自体が臨床症状で発現するレトロウィルス科(HIVなど)、ヘパドナウィルス科(HBVなど)および/またはフラビウィルス科(BVDVおよびHCVなど)感染または異常細胞増殖に関係する状態の発症を遅延するための予防薬として、治療的処置の場合と同じ用量範囲内(すなわち、経口製剤の場合は1日1〜4回で約250μg〜1g以上)で投与することができる。
その化合物またはそれの製薬上許容される誘導体もしくは塩は、所望の作用を妨害しない他の活性材料と、または上記でより詳細に説明した抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、プロテアーゼ阻害薬または他のヌクレオシドもしくは非ヌクレオシド系抗ウィルス剤などの所望の作用を補う材料と混合することもできる。さらに、本発明による化合物は、本発明の他の化合物を含む1以上の抗ウィルス、抗HBV、抗HCVもしくは抗ヘルペス薬またはインターフェロン、抗癌剤もしくは抗細菌剤と併用投与または交互投与することができる。本発明によるある種の化合物は、他の化合物の代謝、異化または失活を低減することで本発明によるある種の薬剤の生理活性を高める上有効となり得ることから、この所期の効果のために同時投与される。
徐放製剤
ポリ乳酸の合成および生体分解性が文献(Kulkarni et al., (1966), ″Polylactic acid for surgical implants,″ Arch. Surg., 93:839)で報告されて以降、生体分解性ポリマーの分野は急速に発達した。送達機器用の基質材料として有用であると報告されている他のポリマーの例には、ポリ無水物、ポリグリコリド類およびポリラクチド−コ−グリコリド類などのポリエステル、ポリリジンなどのポリアミノ酸、ポリエチレンオキサイドのポリマーおよびコポリマー、アクリル末端ポリエチレンオキサイド、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリオルトエステル、ポリアクリロニトリル類およびポリホスファゼン類などがある。例えば、ランゲル(Langer)に対する米国特許第4891225号および4906474号(ポリ無水物)、ハッチンソン(Hutchinson)に対する4767628号(ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド酸)およびタイス(Tice)らに対する4530840号(ポリラクチド、ポリグリコリドおよびコポリマー)を参照する。組織接触材料および徐放担体としての光重合可能な生体分解性ヒドロゲル(重合および架橋可能な末端キャッピングされたモノマーまたはオリゴマーである生体分解性モノマーもしくはオリゴマー延長を有する親水性オリゴマーを含む重合および架橋マクロマーのヒドロゲル)について記載しているハッベル(Hubbell)らに対する米国特許第5626863号;および薬剤送達用の除法薬および組織治療薬として使用されるマルチブロック生体分解性ヒドロゲルに関するフォーカル社(Focal, Inc.)出願のPCTWO97/05185も参照する。
生物起源の分解性材料は公知であり、例えば架橋ゼラチンがある。ヒアルロン酸が架橋され、生物医学用途向けの分解性膨潤性ポリマーとして用いられている(デリア・バレ(Delia Valle)らに対する米国特許第4957744号;(1991) ″Surface modification of polymeric biomaterials for reduced thrombogenicity,″ Polym. Mater. Sci. Eng., 62:731-735)。
多くの分散系が現在、物質、特には生理活性化合物の担体として使用されているか、そのような使用に向けて検討されている。医薬製剤および化粧品製剤に用いられる分散系は、懸濁液または乳濁液として分類することができる。懸濁液は、懸濁剤を用いて液体媒体中に分散させた数ナノメートルから数百ミクロンの径の範囲の固体粒子として定義される。固体粒子には、ミクロスフィア、マイクロカプセルおよびナノスフィアなどがある。乳濁液は、界面活性剤および脂質などの乳化剤の界面薄膜によって安定化された一つの液体が別の液体中に分散した液として定義される。乳濁液製剤には、油中水型および水中油型乳濁液、多層乳濁液、微細乳濁液、微液滴およびリポソームなどがある。微液滴は、ハイネス(Haynes)に発行された米国特許第4622219号および4725442号に定義のように、内部にオイル相を有する球形脂質層からなる単ラメラリン脂質媒体である。リポソームは、水不溶性極性脂質を水溶液と混合することで調製されるリン脂質媒体である。不溶性脂質を水中で混合することで生じる不利なエントロピーによって、水溶液が捕捉された高度に配列されたリン脂質の集中的な閉じた膜の集合体が生じる。
ダン(Dunn)らに対する米国特許第4938763号には、生体適合性の水溶性溶媒に非反応性で水不溶性の熱可塑性ポリマーを溶解させ、溶媒を放散させることで固体インプラントを形成することによるイン・サイチュでインプラントを形成する方法が開示されている。そのポリマー溶液は、注射器を介して身体に入れることができる。インプラントは、周囲の胴部の形状を有することができる。別の実施形態では、インプラントは、溶媒を含まず、通常は硬化触媒を加えることで所定の場所で硬化して固体を形成する反応性の液体オリゴマーポリマーから形成される。
多くの特許が、本発明のシクロブチルヌクレオシドもしくはヌクレオチドまたはそれの他の定義されたプロドラッグを投与するのに使用可能な薬剤送達系を開示している。米国特許第5749847号には、エレクトロポレーションによってヌクレオチドを生物内に送達する方法が開示されている。米国特許第5718921号には、ポリマーおよびその中に分散された薬剤を含むミクロスフィアが開示されている。米国特許第5629009号には、生理活性要素の徐放のための投与系が開示されている。米国特許第5578325号には、非直鎖の親水性マルチブロックコポリマーのナノ粒子およびミクロ粒子が開示されている。米国特許第5545409号には、生理活性要素の徐放のための投与系が開示されている。米国特許第5494682号には、イオン架橋ポリマー性マイクロカプセルが開示されている。
アンドルクス・ファーマシューティカルズ社(Andrx Pharmaceuticals, Inc.)に対する米国特許第5728402号には、ヒドロゲル形成剤との混合で活性薬剤、それの塩もしくはプロドラッグを含む内部相と胃での溶解に耐えるコーティングを含む外部相を含む徐放製剤について記載されている。アンドルクス・ファーマシューティカルズ社に対する米国特許第5736159号および5558879号には、通路がイン・サイツで形成されるほとんど水溶性のない薬剤向けの徐放製剤が開示されている。アンドルクス・ファーマシューティカルズ社に対する米国特許第5567441号では、1日1回の徐放製剤が開示されている。米国特許第5508040号には、多粒子パルス薬剤投与系が開示されている。米国特許第5472708号には、パルス粒子に基づく薬剤投与系が開示されている。米国特許第5458888号には、内部薬剤含有相および重量平均分子量が3000〜10000であるポリエチレングリコールポリマーを含む外部相を有する混合物を用いて製造することができる徐放錠剤製剤が記載されている。米国特許第5419917号には、ヒドロゲルからの薬剤放出速度を実質的にゼロレベルとすることができる、有効量の製薬上許容されるイオン化可能な化合物の使用に基づくヒドロゲルからの薬剤放出速度調節方法が開示されている。米国特許第5458888号には、徐放錠剤製剤が開示されている。
エラン社(Elan Corporation, pic)に対する米国特許第5641745号には、生体分解性ポリマー中に活性薬剤を含むことでミクロスフィアまたはナノスフィアを形成する徐放医薬製剤が開示されている。その生体分解性ポリマーは好適には、ポリ−D,L−ラクチドまたはポリ−D,L−ラクチドとポリ−D,L−ラクチド−コ−グリコリドの混合物である。エラン社に対する米国特許第5616345号には、有機酸と組み合わせた活性化合物および核を囲み、大きい割合の製薬上許容されるフィルム形成性で水不溶性の合成ポリマーおよび小さい割合の製薬上許容されるフィルム形成性で水溶性の合成ポリマーを含む多層膜を含む1日1回投与用の吸収制御製剤が記載されている。米国特許第5641515号には、生体分解性ナノ粒子に基づく徐放製剤が開示されている。米国特許第5637320号には、1日1回投与用の吸収制御製剤が開示されている。米国特許第5580580号および5540938号は、製剤および神経疾患の治療におけるそれの使用に関するものである。米国特許第5533995号は、薬剤徐放を行う受動経皮装置に関するものである。米国特許第5505962号には、徐放医薬製剤が記載されている。
合成プロトコール
本発明の化合物は、各種の[2+2]および[3+1]アプローチなどの当業界で公知の手段によって本発明のシクロブチル誘導体を得ることで合成することができる。
本発明については、下記の実施例を考慮することでさらに理解が深まるであろう。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例
一般手法
H NMRまたは13C NMRスペクトラムを室温で行い、300MHzもしくは75MHzジェネラル・エレクトリック(General Electric)QE−300分光計または400MHzもしくは100MHz INOVA分光計または600MHzもしくは150MHz INOVA分光計のいずれかで記録した。31P NMRスペクトラムは、162MHz INOVA分光計で記録した。得られたスペクトラムは、残留溶媒ピークを基準とした。それらは、重クロロホルム、メチルアルコール重水素オキサイドまたはメチルスルホキシド中で記録した。化学シフトは、標準としての内部テトラメチルシランからのppm低磁場で得ている。重水素交換、デカップリング実験または2D−COSYを行って、プロトン割り当てを確認した。シグナルの多重性は、s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、q(四重線)、br(広い)、m(多重線)によって表す。J値はいずれもHz単位である。FAB質量スペクトラムは、JEOLDX300質量分析装置での陽−(FAB>0)または陰−(FAB<0)イオンモードで記録した。基質は、3−ニトロベンジルアルコール(NBA)またはグリセリンとチオグリセリン(GT)の混合物(50:50、体積比)であった。比旋光度をパーキン−エルマー(Perkin-Elmer)241分光偏光計(光路長1cm)で測定し、10−1度cm−1で示している。元素分析は、アトランティック・マイクロラブ社(Atlantic Microlab Inc., Norcross, GA)が行った。元素または関数の記号によって示される分析は、理論値の±0.4%以内であった。薄層クロマトグラフィーはワットマン(Whatman)PK5Fシリカゲルプレートで行い、生成物の視覚化はUV吸光によって行い、適宜にそれに続いて10%エタノール性硫酸および加熱による炭化を行った。カラムクロマトグラフィーは、大気圧下にシリカゲル(フィッシャー(Fisher)、S733−1)で行った。融点は、電熱デジタル融点装置上の開放キャピラリーで測定し、未補正である。UV吸収スペクトラムは、エタノール中にてユビコン(Uvikon)931(コントロン(KONTRON))分光光度計で記録した。
トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノールを、リースらの報告(Reese, CB. et. al. J. Chem. Soc, PT1 1998, 2827)の公表されている手順に従って製造した。
DIAD(2.15g、10.6mmol)の脱水THF(10mL)溶液を、トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(0.85g、4.4mmol)、3−ベンゾイル−5−フルオロウラシル(1.55g、6.6mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.9g、11.07mmol)のTHF(35mL)中混合物に0℃で滴下した。混合物を室温で72時間熟成させ、ロータリーエバポレータによって濃縮した。得られたガム状物を、10%から25%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む分画はまだDIADおよびPPhを不純物として含んでいた。3−ベンゾイル−5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(1.5g)を不純物を含む混合物として単離し、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
3−ベンゾイル−5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(1.5g)のエタノール(100mL)溶液を2Mメチルアミン/エタノール(5mL)で処理し、室温で2時間熟成した。溶媒を減圧下に除去し、得られた残留物を50%から60%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して、5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(250mg、2段階で25%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.19(m、2H)、2.36(s、1H)、2.50(m、2H)、3.47(d、J=3.84Hz、2H)、4.56(s、2H)、4.94(m、1H)、7.33(m、5H)、7.64(d、J=6.2Hz、1H)、9.57(広いs、1H);13C NMR(CDCl、125MHz)):δ27.91、31.17、46.53、71.88、73.60、125.45、125.88、127.92、128.12、128.788、138.26、139.16、142.32、149.68、157.26。
5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(250mg、0.79mmol)、10%パラジウム/活性炭(50mg)およびギ酸(2mL)のエタノール(20mL)溶液を、パール装置上で2時間にわたり約0.31MPa(45psi)の水素下に置いた。混合物をセライト層で濾過し、活性炭をエタノールで洗浄した(20mLで3回)。合わせた濾液を減圧下に濃縮し、4%MeOH/CHClを用いる短いシリカゲルカラムによって精製して、5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル(159mg、94%)を白色固体として得た。
5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル(139mg、0.65mmol)およびメチルピロリジン(530mg、6.2mmol)の脱水CHCN溶液に、クロロトリメチルシラン(211mg、1.9mmol)を滴下した。混合物を室温で1時間熟成させ、冷却して0℃とし、5分間かけて無水トリフルオロ酢酸(680mg、3.2mmol)を滴下した。0℃で40分後、4−ニトロフェノールを混合物に加え、混合物を0℃でさらに2時間熟成した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)に投入し、CHClで抽出した(40mLで3回)。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物をジオキサン(10mL)および30%NHOH水溶液(2.5mL)に溶かし、密閉容器中にて50℃で40時間で加熱した。混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。得られた残留物を、1%NHOH(体積比)含有10%CHOH/CHClを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して、5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]シトシン(53mg、38%)を白色固体として得て、原料を回収した(50mg)。H NMR(DMSO−d、400MHz):δ1.89(m、2H)、2.09(m、1H)、2.24(m、2H)、3.39(d、J=5.1Hz、2H)、4.56(広いs、1H、O)、4.64(m、1H)、7.36(広いs、1H、NH)、7.58(広いs、1H、NH)、7.97(d、J=7.2Hz、1H);MS(FAB):C12FN(M+Li)の予測値:220.2。実測値:220.19。
トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール三リン酸
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン(23mg、0.11mmol)のリン酸トリエチル溶液を冷却して0℃とし、オキシ塩化リンを滴下した。混合物を0℃で20時間熟成させ、水(0.1mL)で処理した。混合物を6時間熟成させ、高真空下に濃縮した。粗ガム状物を、0%から20%メタノール/水の勾配を用いるSP207樹脂でのクロマトグラフィーによって精製した。分画をHPLC(逆相)によって分析し、適切な分画を凍結乾燥して、5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン・一リン酸(30mg)をガム状物として得て、それ以上精製せずに次の段階で用いた。5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン一リン酸(30mg)のtert−ブタノール(1mL)および水(1mL)懸濁液を緩やかな還流下に加熱しながら、DCC(91mg、0.44mmol)のtert−ブタノール溶液を1時間かけて滴下した。還流下に8時間後、混合物を冷却して室温とし、得られた沈殿を濾過し、水で洗浄した(20mLで3回)。濾液をエーテルで抽出し(40mLで3回)、冷凍し、凍結乾燥して、ホスホモルホリデート中間体(65mg)を淡黄色固体として得た。ホスホモルホリデート中間体(65mg)、脱水トリブチルアンモニウムピロリン酸(176mg、0.386mmol)の脱水DMSO(2mL)溶液を、室温で4日間熟成させた。黄色混合物をDEAEセファデックス(Sephadex)のカラム(11mm×220mm)に直接乗せ、水(50mL)と次に0.35Mから0.45M重炭酸トリエチルアンモニウムの勾配で溶離した。分画をHPLC(逆相)によって分析し、適切な分画を合わせ、凍結乾燥した。得られたガム状物を、高真空下にエタノールと共留去して(20mLで3回)、5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]−シトシン三リン酸のトリエチルアンモニウム−トリブチルアンモニウム塩(50mg)を粘稠性白色固体として得た。H NMR(DO、400MHz):δ1.22(t、20H、EtN)、2.14(m、2H)、2.49(m、3H)、3.08(d、2H)、3.19(q、12H、EtN)、4.64(m、1H)、8.12(d、J=7.2Hz、1H)。31P NMR(DO、HPO基準)δ−22.9(1P)、−10.5(2P)。
3−(ベンジルオキシメチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン
2リットル三頸フラスコ中にてアルゴン下に、トリクロロアセチルクロライド(108mL、0.96mol)を、活性化したばかりの亜鉛−銅合金(56g)、アリルベンジルエーテル(50mL、0.32mol)、脱水1,2−ジメトキシエタン(95mL)および脱水ジエチルエーテル(550mL)の撹拌懸濁液にゆっくり加えた。反応物を緩やかな還流下に3日間加熱した。生成物を濾過し、残留物をエーテルで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。軽石油エーテルを加え、混合物を高撹拌した。上清を傾斜法で除去し、追加の軽石油エーテルを加えた。高撹拌後、上清を再度傾斜法で除去し、最初の上清と混合した。得られた溶液を飽和NaHCOで2回、ブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して明黄色油状物を得て、それを次の段階で直接用いた.H NMR(CDCl、300MHz):δ3.10〜3.25(m、2H)、3.36〜3.57(m、1H)、3.65〜3.75(m、1H)、3.83〜3.88(m、1H)、4.57(s、2H)、7.27〜7.40(m、5H)。
3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン
3−(ベンジルオキシメチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン(124g、0.48mol)の氷酢酸(800mL)溶液に室温で、亜鉛末(93.5g、1.44mol)を加えた。反応物を60℃で1時間加熱し、その後、脱水ジエチルエーテルを冷却した生成物に加え、次にそれを濾過した。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。残留物を塩化メチレンに溶かし、それを飽和NaHCOで2回、水で1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して油状生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1)によって精製した。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.70(m、1H)、2.84〜2.92(m、2H)、3.08〜3.18(m、2H)、3.59(d、J=6.4、2H)、4.56(s、2H)、7.28〜7.38(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ23.88、50.26、73.11、73.42、127.88、127.99、128.68、138.26、207.22。
(3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタ−1−エンイルオキシ)−トリメチル−シラン
アルゴンを充填した1リットルのフラスコ中、脱水THF300mLを加えた。これを冷却して−5℃とし、次にn−BuLi(83mL、1.6Mヘキサン溶液、0.132mol)を加えた。5分間撹拌後、ジイソプロピルアミン(18mL、0.132mol)を滴下した。10分間撹拌後、この溶液を冷却して−78℃とした。次に、3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブタノン(20g、0.11mol)のTHF溶液を、−78℃で滴下した。添加後、ドライアイス−アセトン浴を氷水浴と交換した。0℃で30分間撹拌後、TMSCl(16mL、0.132mol)を滴下し、これを0℃で1時間、室温で10分間撹拌した。次に、溶媒を除去し、残留物を脱水ペンタンで洗浄し、濾過した。濾液を濃縮して、粗生成物を得てそれ以上精製しなかった。H NMR(CDCl、600MHz):δ0.23(s、9H)、2.20(dd、J=12.6、1.2、1H)、2.65(m、1H)、2.74(dd、J=13.2、4.2、1H)、3.41(m、1H)、3.48(m、1H)、4.54(s、2H)、4.67(s、1H)、7.26〜7.35(m、5H)。13CNMR(CDCl、150MHz):δ0.09、32.70、38.18、73.26、75.41、93.69、104.27、127.70、127.86、128.55、138.20。
2−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン
粗(3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタ−1−エンイルオキシ)−トリメチル−シラン(14g、0.05mol)が中に入っている500mLフラスコ中、脱水CHCN250mLをアルゴン下に加えた。10分後、セレクフルオル(SELECFLUOR;商標名)(22g、0.06mol)を少量ずつ加えた。これを12時間撹拌状態に放置し、その後、飽和NHClを加えることで反応停止した。生成物をCHClで3回抽出した。合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して油状生成物を得たが、それは2種類のジアステレオマーを3:1の比率で含んでいる。粗2−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン:H NMR(CDCl、400MHz):δ2.60〜2.94、3.05〜3.20、3.59〜3.60、3.70〜3.73、3.80〜3.83、4.50〜4.60、5.39(d、J=7.2)、5.52(d、J=6.4)、5.42〜5.44(td、J=8.8、2.8)、5.55〜5.57(td、J=9.2、2.4)、7.20〜7.40。β−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン:H NMR(CDCl、600MHz):δ2.74(m、1H)、2.89(m、1H)、3.00(m、1H)、3.60(m、1H)、3.80(m、1H)、4.55(m、1H)、5.45(td、J=6.0、1.6、0.5H)、5.54(td、J=6.0、2.0、0.5H)、7.28〜7.36(m、5H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ31.45(d、J=18.6)、42.03(d、J=12.3)、67.38、73.72、94.42(d、J=241.4)、127.84、127.99、128.66、137.97、200.80。
2−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール
粗2−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン(7.96g、38mmol)が中に入ったフラスコで、脱水THF100mLをアルゴン下に加えた。この溶液を冷却して−78℃とし、L−セレクトリド(46mL、1.0M THF溶液、46mmol)を滴下し、これを昇温させて室温とし、その後飽和NaHCOによって反応停止した。次に、混合物を冷却して0℃とし、Hを滴下し、次にHOおよびEtOAcを加えた。有機相を分離し、HOで2回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、2種類のジアステレオマーシクロブタノールをほぼ3:1の比で得た。α−フルオロ異性体:H NMR(CDCl、400MHz):δ1.87(m、1H)、2.01(m、1H)、2.22(広いs、1H)、2.95(m、1H)、3.48(m、1H)、3.56(m、1H)、4.40(m、1H)、4.53(m、2H)、4.77〜4.90(td、J=54、4.8)、7.28〜7.38(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ27.20(d、J=10.6)、40.82(d、J=20.5)、67.67(d、J=18.9)、69.74(d、J=2.2)、73.29、89.04(d、J=216.2)、127.77、127.87、128.62、138.41。MS(FAB):C1215FO(M+Li)の予測値:217.2。実測値:217.2。β−フルオロ異性体:H NMR(CDCl、400MHz):δ1.86(m、1H)、2.36〜2.54(m、2H)、3.00(d、J=10、1H)、3.55〜3.59(m、1H)、3.64〜3.68(m、1H)、4.19(m、1H)、4.56(s、2H)、5.07〜5.21(m、J=56、1H)、7.27〜7.38(m、5H)。
メシル酸α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル
α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(1.9382g、9.2mmol)が中に入ったフラスコ中、アルゴン下に脱水CHClを加えて、透明溶液を得た。次に、EtN(6.4mL、46mmol)を上記の溶液に加えた。10分後、これを冷却して0℃とし、MsCl(0.86mL、11mmol)を滴下し、これを撹拌しながら、徐々に昇温させて室温とした。3時間後、HOをそれに加えることで反応を停止した。次に、有機相を分離し、ブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去によって粗生成物を得て、それを次の段階でそれ以上精製せずに用いた。H NMR(CDCl、600MHz):δ2.15(m、1H)、2.32(m、1H)、3.00(m、1H)、3.07(s、3H)、3.44〜3.47(m、1H)、3.58〜3.60(m、1H)、4.53(m、2H)、4.93〜5.02(td、J=54、4.8、1H)、5.16(m、1H)、7.27〜7.40(m、5H)。
−PMB−5−フルオロ−1−[α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
−PMB保護5−フルオロ−ウラシル(2.3476g、9.4mmol)、脱水KCO(1.2959g、9.4mmol)、18−クラウン−6(2.479g、9.4mmol)およびメシル酸α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(2.2537g、7.8mmol)が中に入った100mL三頸フラスコ中、脱水DMF40mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃とし、その後、ほとんどのDMFを除去し、残留物をEtOAcに溶かし、それをHOで2回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物を得たが、それは2種類の位置異性体を4:1の比で含んでいた。生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製した。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.74(m、1H)、2.37(m、1H)、2.45(m、1H)、3.53(m、1H)、3.65(m、1H)、3.78(s、3H)、4.56(m、2H)、4.85(m、1H)、4.97(t、J=6.6、0.5H)、5.06(m、2.5H)、6.83(d、J=8.4、2H)、7.25〜7.38(m、5H)、7.47(d、J=8.4、2H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ20.19(d、J=20.7)、36.89(d、J=20.7)、44.794、55.20(d、J=22.6)、55.47、68.01、73.61、89.36(d、J=227)、113.97、123.3(d、J=33)、127.86、128.19、128.47、128.81、131.33、137.96、140.59(d、J=235.2)、149.86、157、159.54。
酸素結合した副生成物:N −PMB−5−フルオロ−2−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシ−メチル)シクロブチル]ウラシル
H NMR(CDCl、400MHz):δ1.48(m、1H)、2.32(m、1H)、2.4(m、1H)、3.54(m、1H)、3.63(m、1H)、3.74(s、3H)、4.58(m、2H)、4.85〜4.99(td、J=54.8、6.4、1H)、5.12(m、2H)、5.18(m、1H)、6.78(m、4H)、7.29〜7.40(m、5H)、7.55(d、J=1.6、1H)。
5−フルオロ−1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル
AlCl(5.61g、0.042mol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水アニソール20mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。N−PMB−5−フルオロ−1−[α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(1.865g、4.2mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水アニソール10mLを加え、その後室温で注射器によってAlCl溶液をそれにゆっくり加えた。添加完了後、混合物を冷却して0℃とし、脱水MeOHをゆっくり加えて、最終的に無色溶液を得た。次に、溶媒を除去し、生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製した。H NMR(CDOD、400MHz):δ1.69(m、1H)、2.34(m、2H)、3.70(m、2H)、4.75(m、1H)、4.96〜5.10(td、J=55.2、6.4、1H)、7.88(d、1H)。MS(ESI):C10[M−H]の予測値:231.18。実測値:231.2。
5−フルオロ−1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[α−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.2649g、1.14mmol)が中に入ったフラスコ中、脱水CHCN 10mLをアルゴン下に加え、次に1−メチルピロリジン(1.14mL、10.9mmol)およびクロロトリメチルシラン(0.43mL、3.4mmol)を室温で加えた。1時間後、反応物を冷却して0℃とし、無水トリフルオロ酢酸(0.78mL、5.7mmol)を5分間かけて滴下した。0℃で30分後、4−ニトロフェノール(0.4765g、3.4mmol)のCHCN溶液を0℃で滴下した。これをさらに3時間撹拌してから、混合物を飽和NaHCOに投入し、得られた混合物をCHClで4回抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、減圧下に溶媒留去した。残留物をジオキサン10mLに溶かし、濃水酸化アンモニウム(28〜30%)2.5mLを加えた。混合物を密閉フラスコ中にて50〜60℃で24時間加熱した。得られた溶液を濃縮し、残留物を純粋エタノールとともに共留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製した。H NMR(CDOD、600MHz):δ1.65(m、1H)、2.35(m、2H)、3.70(m、2H)、4.78(m、1H)、4.98〜5.07(td、J=54.6、7.2、1H)、7.85(d、J=6.0、1H)。13C NMR(CDOD、150MHz):δ21.13(d、J=22.8)、40.05(d、J=18.6)、57.64(d、J=22.8)、62.42、91.09(d、J=222.75)、128.46(d、J=30.9)、137.83、157.34、165.90.MS(ESI):C9H11[M+H]の予測値:232.20。実測値:232.0。
酸素結合副生成物:5−フルオロ−2−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン
H NMR(CDCl、600MHz):δ1.48(m、1H)、1.65(広いs、1H)、2.31(m、1H)、2.43(m、1H)、3.56(m、1H)、3.59(m、1H)、4.54(m、2H)、4.82〜4.91(td、J=54.6、6.6、J=1H)、5.12(m、2H)、7.28〜7.36(m、5H)、7.90(d、J=3.0、1H)。MS(FAB):C1617(M+Li)の予測値:328.32。実測値:328.28。
素結合副生成物:5−フルオロ−2−[シス−α−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン
H NMR(CDCl、600MHz):δ2.04(m、1H)、2.28(m、1H)、3.04(m、1H)、3.51(m、1H)、3.59(m、1H)、4.54(m、2H)、4.99〜5.07(td、J=51、4.8、1H)、5.26〜5.29(m、3H)、7.26〜7.37(m、5H)、7.90(d、J=3.0、1H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ24.57(d、J=10.4)、41.16(d、J=20.6)、69.50、71.93(d、J=18.6)、73.23、87.73(d、J=226)、127.74、127.85、128.61、138.43、140.77(d、J=20.7)、142.81(d、J=247)、154.76(d、J=12.5)、160.07。
5−フルオロ−1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル三リン酸
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[α−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル(29mg、0.125mmol)が中に入った25mLフラスコ中、PO(OMe)0.6mLをアルゴン下に加えて、無色溶液を得た。次に、これを冷却して0℃とし、POCl(0.024mL、0.26mmol)を滴下した。これを0℃で24時間撹拌した。(HNBu(0.237g、0.5mmol)が中に入った別の5mLフラスコ中、脱水DMF 1mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得て、その後にBuN(0.29mL、1.2mmol)をゆっくり加えた。10分間撹拌後、これを前出のフラスコに非常にゆっくり加えた。2時間撹拌後、0.1M TEAB 5mLを滴下することで反応停止し、それらをDEAE−セファデックスジアニオン交換カラム上に直接乗せた(11mm×220mm、0.1M TEABから0.7M TEABへの勾配溶離液)。C−18逆相カラム(250×4.6mm)を用いるHPLCによって分画を分析した後、全ての生成物を回収し、凍結乾燥して、5−フルオロ−1−[α−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル三リン酸のトリエチルアンモニウム塩を明黄色粘稠性固体として得た。H NMR(DO、400MHz):δ1.27(t、J=7.2)、1.78(m、1H)、2.41(m、1H)、2.59(m、1H)、3.05(m、36H)、3.19(m、24H)、3.88〜4.17(m、2H)、5.01〜5.14(td、J=53.6、1H)、7.97(d、J=6.4、1H)。31P NMR(DO、162MHz):δ−9.17(γ)、−11.13(α)、−23.02(β)。
1−[トランス−α−フルオロ−シス−4−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
テトラブチルアンモニウムウラシル塩(0.8825g、3mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF 7mLを加えて明黄色溶液を得た。5分間撹拌後、メシル酸α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(0.6g、2.5mmol)のDMF溶液を加えたところ、色が明黄色から橙赤色−黄色に変わった。次に、加熱を開始して120℃とした。24時間後、加熱を停止し、それを終夜撹拌した。AcOH 0.2mLを加え、10分間撹拌後にほとんどのDMFを除去し、EtOAcを加え、それをHOで3回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製した。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.75(m、1H)、2.26〜2.49(m、2H)、3.51〜3.54(m、1H)、3.63〜3.66(m、1H)、4.54(m、2H)、4.79(m、1H)、5.00〜5.13(td、J=54.8、6.4、1H)、5.68(d、J=8.0、1H)、7.22〜7.24(d、J=8.0、1H)、7.25〜7.36(m、5H)、10.09(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ20.33(d、J=20.7)、36.97(d、J=19.7)、54.58(d、J=23.4)、68.34、73.52、89.48(d、J=226.3)、102.96、127.87、128.11、128.72、138.03、141.15、150.90、163.53。MS(FAB):C1617FN(M+Li)の予測値:311.32。実測値:311.2。
1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]シトシン
1−[α−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.1775g、0.58mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCN 3mLをアルゴン下に加え、次に1−メチルピロリジン(0.58mL、5.6mmol)およびクロロトリメチルシラン(0.22mL、1.75mmol)を室温で加えた。1時間後、反応物を冷却して0℃とし、無水トリフルオロ酢酸(0.41mL、3mmol)を5分間かけて滴下した。0℃で30分後、4−ニトロフェノール(0.24g、1.75mmol)のCHCN溶液を0℃で滴下した。これをさらに3時間撹拌してから、混合物を飽和NaHCOに投入し、得られた混合物をCHClで4回抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、減圧下に溶媒留去した。残留物をジオキサン10mLに溶かし、濃水酸化アンモニウム(28〜30%)2.5mLを加えた。混合物を密閉フラスコ中にて50〜60℃で24時間加熱した。得られた溶液を濃縮し、残留物を純粋エタノールと共留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製した。H NMR(CDOD、400MHz):δ1.70(m、1H)、2.36(m、1H)、2.47(m、1H)、3.59〜3.68(m、2H)、4.56(s、2H)、4.77(m、1H)、5.02〜5.16(td、J=55.2、6.8、1H)、5.86(d、J=7.6、1H)、7.26〜7.36(m、5H)、7.60(d、J=7.6、1H)。MS(FAB):C1618FN(M+Li)の予測値:310.33。実測値:310.2。
1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン
1−[α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]シトシン(20.7mg、0.07mmol)のCHCl溶液を−78℃で撹拌しながら、それにBCl(0.2mL、0.21mmol)を滴下した。6時間後、アンモニウムのMeOH溶液(7N)を滴下して反応停止し、溶媒を留去した。粗取得物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1から5:1)によって精製した。H NMR(CDOD、400MHz):δ1.69(m、1H)、2.28〜2.44(m、2H)、3.62〜3.74(m、2H)、4.77(m、1H)、4.99〜5.13(td、J=54.8、6.8、1H)、5.94(d、J=6.8、1H)、7.68(d、J=7.6、1H)。13CNMR(CDOD、100MHz):δ21.05(d、J=21.3)、40.15(d、J=19)、57.66(d、J=22.8)、62.33、90.89(d、J=223.8)、96.23、144.71、158.0、166.87。MS(FAB):C12FN(M+Li)の予測値:220.21。実測値:220.1。
1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
アデニン(0.18g、1.33mmol)、脱水KCO(0.1846g、1.33mmol)、18−クラウン−6(0.1765g、0.67mmol)およびメシル酸α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル(0.1923g、0.67mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF7mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃とし、その後ほとんどのDMFを除去し、残留物をEtOAcに溶かし、それをHOで2回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製した。H NMR(CDCl、600MHz):δ2.21(m、1H)、2.50〜2.61(m、2H)、3.64〜3.67(m、1H)、3.71〜3.74(m、1H)、4.59(m、1H)、4.85〜4.92(m、1H)、5.36〜5.45(td、J=54.6、7.2、1H)、6.08(s、2H)、7.28〜7.36(m、5H)、7.83(s、1H)、8.33(s、1H)。13CNMR(CDCl、150MHz):δ21.25(d、J=13.8)、37.65(d、J=12.3)、53.27(d、J=15.1)、69.00、73.43、90.73(d、J=225)、120.09、127.75、127.97、128.57、128.68、138.21、139.09、150.44、153.26、155.86。MS(FAB):C1718FNO(M+Li)の予測値:334.36。実測値:334.3。
1−[トランス−α−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]アデニン
1−[α−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(81.3mg、0.25mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHClを加えた。これを冷却して−78℃とし、安定化後にBCl(0.75mL、1.0M CHCl溶液、0.75mmol)を滴下した。6時間後、アンモニウムのMeOH溶液(7N)を滴下して反応停止し、溶媒を留去した。粗取得物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1から5:1)によって精製した。H NMR(CDOD、400MHz):δ2.10(m、1H)、2.52(m、2H)、3.78(m、2H)、5.00(m、1H)、5.29〜5.42(td、J=54.8、6.4、1H)、8.25(s、1H)、8.29(s、1H)。
テトラブチルアンモニウムウラシル塩
ウラシル(0.6g、5.4mmol)のDMF(10mL)溶液に、40%(重量)NHOH(3.472g、5.4mmol)のHO溶液を加えた。混合物を室温で撹拌した。1.5時間後、溶媒を50℃で除去した。次に、DMFを再度加え、それを除去し、これをさらに2回繰り返した。それによって最終的に明黄色固体が得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。H NMR(DMSO−d、400MHz):δ0.93(t、J=7.2、12H)、1.30(m、8H)、1.56(m、8H)、3.16(m、8H)、4.97(d、J=6.4、1H)、7.34(d、J=6.0、1H)。
−PMB−5−フルオロ−ウラシル
5−フルオロ−ウラシル(1.3g、10mmol)を、アルゴン下にDMF 25mLに溶かし、次にEtN(1.4mL、10mmol)を加えた。これを冷却して0℃とし、クロルギ酸メチル(0.8mL、10mmol)を滴下した。0℃で3時間後、追加のEtN(2mL、15mmol)を加え、次にPMBCl(2mL、15mmol)を0℃で加えた。0℃で3時間および室温で3時間後、反応混合物を冷HOに投入することで反応停止した。次に、生成物をEtOAcで3回、そしてHOで1回抽出した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によって粗中間体を得た。これをMeOH 5mLおよびCHCl5mLの混合物に再度溶かし、0℃で1時間にわたって30%H(1.13mL、11mmol)および6N NaOH 0.02mLと反応させた。次に、反応混合物を氷冷2N HClに投入し、生成物をCHCl抽出によって単離した。有機相をHOで洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製した。H NMR(DMSO−d、300MHz):δ3.72(s、3H)、4.88(s、2H)、6.86(d、J=8.4、2H)、7.24(d、J=8.7、2H)、7.86(d、J=5.4、1H)、11.15(s、1H)。
抗HIV活性
シクロブチル ヌクレオシド類縁体(CBN)について、公知の手順に従って、PBM、CEMおよびベロ細胞でのそれらの 抗HIV活性および細胞毒性を評価した。
その毒性アッセイで、全てのCBNが100μMまで細胞毒性を示さないことが明らかになった。CBNの中で、細胞に基づくアッセイでHIV−1の阻害薬であると確認されたものはなかった。
Figure 2008523098
しかしながら、各種のCBN類縁体が、組換え野生型であるM184VおよびM1841 HIV−RTの有意な阻害を示した。従って、下記のシクロブチルヌクレオシドの三リン酸誘導体:
Figure 2008523098
について、エリクソンらの報告(Eriksson BF, Chu CK, Schinazi RF; Antimicrob. Agents Chemother. 1989, 33, 1729-1734)に記載のRTアッセイに従って、組換え野生型HIV−RTならびにM1841およびM184V突然変異株に対して評価を行った。得られた結果を表2〜5に表としてまとめ、図1〜3に示してある。
Figure 2008523098
Figure 2008523098
Figure 2008523098
Figure 2008523098
4−ベンジルオキシ−ブタ−2−エン酸エチルエステル
Figure 2008523098
三頸フラスコ中にてアルゴン下に、脱水1,2−DME 20mL、次にトリエチルホスホノアセテート(1.4mL、6.99mmol)を滴下し、無色溶液を得た。NaH(0.19g、7.9mmol)を少量ずつ加えた。Hガスが直ちに発生した。30分間撹拌後、この明黄色溶液に、ベンジルオキシアセトアルデヒド(1mL、7.12mmol)を加えて、なおも黄色の溶液を得た。これを室温で撹拌した。3時間後、0.1N HCl 5mLを加えることによって反応停止した。水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して油状粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1、R=0.27)によって精製して、所望の生成物0.78g(50%)を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.28〜1.31(t、3H、J=7.2)、4.18〜4.23(m、4H)、4.57(s、2H)、6.12〜6.16(td、1H、J=15.6、1.8)、6.97〜7.01(td、1H、J=15.6、4.2)、7.29〜7.37(m、5H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ14.40、60.55、68.77、72.90、121.55、127.78、127.97、128.63、137.88、144.38、166.46。MS(FAB):C1316(M+H)の予測値:221.26。実測値:221.11719。IR(無希釈(neat))νmax3031、2981、2857、1720、1663、1454、1367、1301、1276、1177、1119、1040、967、737、698。
3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−ペンタンジ酸ジエチルエステル
Figure 2008523098
4−ベンジルオキシ−ブタ−2−エン酸エチルエステル(0.1g、0.45mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水CHCl 3mLをアルゴン下に加えた。これを冷却して0℃とし、TMSOTf(0.08mL、0.45mmol)を滴下した。10分間撹拌後、エチルα−フルオロシリルエノールエーテル(0.08g、0.45mmol)を0℃で滴下した。これを0℃で1.5時間、室温で5時間撹拌し、25時間還流させた。冷却して室温とした後、HOを加え、水相をCHClで3回抽出し、合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1、R=0.42)によって精製して、生成物87.7mg(59.3%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.18〜1.32(m、6H)、2.32〜2.54(m、2H)、2.77〜2.98(m、1H)、3.44〜3.57(m、2H)、4.07〜4.30(m、4H)、4.45〜4.54(m、2H)、4.96〜5.09(dd、J=48、3.2、1H、少量異性体)、5.10〜5.22(dd、J=48、3.2、1H、主要異性体)、7.24〜7.36(m、5H)。13CNMR(CDCl、100MHz):δ14.23、30.96〜31.02(d、J=6.0)、32.63、38.51〜38.70(d、J=19)、60.87、61.73、67.94〜67.99(d、J=5.0)、68.60〜68.63(d、J=3.0)、73.29〜73.35(d、J=6.0)、86.96〜88.81(d、J=185)、87.54〜89.40(d、J=186)、127.77、127.87、128.54、137.99〜138.04(d、J=5.0)、168.92〜169.42(t、J=25.8)、171.80〜171.85(d、J=5.0)。MS(FAB):C1723FO(M+H)の予測値:327.36。実測値:327.16020。IR(無希釈)νmax2983、2938、2907、2872、1760、1734、1455、1374、1208、1183、1090、1029、739、699。
3−(ヒドロキシルメチル)−シクロブタノン
Figure 2008523098
3−オキソシクロブタンカルボン酸(0.1g、0.88mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水THF 3mLを加えた。これを冷却して−78℃とし、30分後にボラン−ジメチルスルフィド(2M THF溶液、0.53mL、1.06mmol)を滴下した。5分後、ドライアイス−アセトン浴を外し、反応混合物を昇温させて室温とした。終夜撹拌後、反応混合物を、脱水MeOH 3mLを加えることで反応停止した。揮発分を除去し、次に反応混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー精製によって精製した(0.065g、74%)(CHCl:MeOH=8:1、R=0.25)。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.70(m、1H)、2.84〜2.92(m、2H)、3.08〜3.18(m、2H)、3.59(d、J=6.4、2H)。13CNMR(CDCl、100MHz):δ30.43、49.57、65.50、208.17。
3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブタノン
Figure 2008523098
3−(ヒドロキシルメチル)−シクロブタノン(0.2g、2mmol)、脱水DMF(5mL)、イミダゾール(0.31g、4.55mmol)の入った25mLフラスコに、TPSCl(0.62mL、2.38mmol)を加えた。5.5時間反応させた後、反応混合物をCHCl 20mLで希釈し、HO 10mLで2回、飽和NaHCO 10mLで1回、ブライン10mLで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、生成物0.61g(90%、R=0.36)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.06(s、9H)、2.55〜2.65(m、1H)、2.90〜3.10(m、4H)、3.79〜3.81(d、J=8.0、2H)、7.34〜7.47(m、6H)、7.64〜7.66(m、4H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.53、25.82、27.04、49.45、66.19、127.97、130.01、133.60、135.80、208.05。MS(FAB):C1316(M+H)の予測値:221.26。実測値:221.11719。MS(FAB):C2126Si(M+H)の予測値:339.52。実測値:339.17770。IR(無希釈)νmax2958、2931、2894、2857、1784、1472、1428、1389、1112、741、702。
シス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ1.86(m、1H)、2.36〜2.54(m、2H)、3.00(d、J=10、1H)、3.55〜3.59(m、1H)、3.64〜3.68(m、1H)、4.19(m、1H)、4.56(s、2H)、5.07〜5.21(m、J=56、1H)、7.27〜7.38(m、5H)。MS(FAB):C1215FO(M+H)の予測値:211.24。実測値:211.11286。
ベンジル−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン
Figure 2008523098
トランス−2−フルオロ−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン(0.20g、0.96mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水1,2−DCE 3.4mLをアルゴン下に加えて、無色溶液を得た。これに、ベンジルアミン(0.11mL、1.01mmol)を加えて、なおも無色溶液を得た。5分間撹拌後、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(0.29g、1.37mmol)を一気に加えて、白色乳濁液を得た。次に、AcOH(0.06mL、1.05mmol)を滴下した。5分後、それは黄色溶液を与え、これを2時間撹拌し、飽和NaHCOによって反応停止した。有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をMgSOで脱水し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、生成物0.19g(65%、R=0.18)を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.81〜1.95(m、3H)、2.80〜2.89(m、1H)、3.46〜3.56(m、3H)、3.76〜3.84(m、3H)、4.51〜4.55(m、2H)、4.89〜5.00(td、1H、J=54.6、4.8)、7.25〜7.37(m、10H)。
3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチルアミン
Figure 2008523098
ベンジル−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン(0.34g、1.21mmol)をMeOH 10mLに溶かし、これを20%Pd(OH)/炭素(0.07g、0.11mmol)で処理した。これを水素化分解条件で処理した(約0.34MPa(50psi))。22時間後、反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製して、0.16g(63%、R=0.30(CHCl:MeOH=15:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.08〜2.16(m、2H)、2.96〜3.12(m、1H)、3.52〜3.64(m、2H)、3.88〜3.94(m、1H)、4.55(s、2H)、5.03〜5.19(td、1H、J=52.8、6.0)、7.25〜7.38(m、5H)。13CNMR(CDCl、100MHz):δ23.12〜23.21(d、J=9.0)、42.13〜42.34(d、J=21)、48.30、70.07、74.39、87.46〜89.63(d、J=217)、128.98、129.05、129.61、139.63。MS(FAB):C1216FNO(M+H)の予測値:210.26。実測値:210.12885。
1−ベンジル−3−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−尿素
Figure 2008523098
ベンジル−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン(25.8mg、0.12mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl 2mLをアルゴン下に室温で加えて無色溶液を得て、次にEtN(0.02mL、0.14mmol)を加えた。5分間撹拌後、4−ニトロフェニル−N−ベンジルカーバメート(32.1mg、0.12mmol)を加えて黄色溶液を得た。これを室温で10時間撹拌し、CHCl 10mLを加えることで反応停止した。有機相を1M NaOH 10mL、HO 10mLおよびブライン10mLで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去によって粗生成物42mgを得たが、それは十分に純粋であり、結晶化によって純粋な生成物38mg(90%)が白色固体として得られた。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.96〜2.01(m、2H)、2.65〜2.80(m、1H)、3.48〜3.58(m、2H)、4.31〜4.36(m、3H)、4.52(s、2H)、4.82〜4.99(td、1H、J=54.8、5.2)、7.19〜7.39(m、10H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ27.11〜27.19(d、J=7.6)、41.75〜41.96(d、J=21)、47.92、48.44〜48.51(d、J=7.0)、71.12〜71.16(d、J=4.0)、74.26、90.34〜92.48(d、J=214)、128.14、128.30、128.84、128.96、129.56、129.62、139.81、141.35、160.85。MS(FAB):C2023FN(M+H)の予測値:343.41。実測値:343.18178。IR(無希釈)νmax2923、2851、1558、1458、1378、1265、895、740、704。X線結晶解析によって、絶対立体化学を確認した。
N4−アセチル−2−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
シス−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール144(0.2g、0.95mmol)、N4−アセチルシトシン(0.22g、1.44mmol)およびPhP(0.62g、2.36mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水THF 10mLを加えた。これを冷却して0℃とし、DEAD(40%トルエン溶液、1mL、2.38mmol)でゆっくり処理した。反応混合物を徐々に昇温させて室温とし、24時間撹拌した。次に、生成物を減圧下に濃縮し、残留物を短カラムシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって分別し、適切な分画をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって再度精製して、非所望のO結合副生成物(40mg、14%、R=0.36(ヘキサン:EtOAc=1:1))を得た。
N3−ベンゾイル−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(0.7g、3.33mmol)、PhP(2.19g、8.35mmol)およびN3ベンゾイル保護5−フルオロウラシル(1.17g、5mmol)が中に入った250mLフラスコ中、脱水THF50mLを加えて無色溶液を得た。これを冷却して0℃とし、10分後にDIAD(1.64mL、8.33mmol)を滴下して黄色溶液を得た。これを撹拌し、徐々に昇温させて室温とした。12時間後、生成物を減圧下に濃縮し、残留物を短カラムシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって分別し、適切な分画をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって再度精製して、油状のN1結合の所望生成物(0.14g、10%、R=0.54(ヘキサン:EtOAc=2:1))を、少量のO結合副生成物(0.11g、8%、R=0.31(ヘキサン:EtOAc=2:1))とともに得た。IR(無希釈)νmax2925、2854、1754、1716、1667、1450、1373、1286、1248、1107、1057。
シス−1−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチルトリフラート
Figure 2008523098
シス−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(0.1g、0.48mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl10mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。次に、DMAP(0.06g、0.49mmol)を一気に加えた。反応混合物を冷却して0℃とし、TfO(0.56mL、3.33mmol)を滴下した。1時間撹拌後、溶媒留去し、粗混合物を、次の段階で直接用いた。H NMR(CDCl、600MHz):δ2.22〜2.26(m、1H)、2.38〜2.44(m、1H)、2.99〜3.04(m、1H)、3.45〜3.47(m、1H)、3.60〜3.62(m、1H)、4.51〜4.56(m、2H)、4.97〜5.06(td、J=54、1H)、5.30〜5.32(m、1H)、7.29〜7.37(m、5H)。IR(無希釈)νmax2956、2862、1725、1454、1435、1361、1206、1129、870、749、699。
5−フルオロ−2−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
メシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル(0.46g、1.6mmol)、5−フルオロシトシン(0.41g、3.18mmol)、KCO(0.44g、3.19mmol)および18−クラウン−6(0.84g、3.18mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF8mLをアルゴン下に室温で加えた。これを加熱して120℃として24時間経過させ、DMFを減圧下に除去した。粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=40:1)によって精製して、O結合生成物(0.3g、R=0.26(CHCl:MeOH=40:1))を収率60%で、収率7.5%のN1結合生成物(0.04g、R=0.12(CHCl:MeOH=40:1))とともに得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.48(m、1H)、1.65(広いs、1H)、2.31(m、1H)、2.43(m、1H)、3.56(m、1H)、3.59(m、1H)、4.54(m、2H)、4.82〜4.91(td、J=54.6、6.6、J=1H)、5.12(m、2H)、7.28〜7.36(m、5H)、7.90(d、J=3.0、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ22.05〜22.28(d、J=23)、34.92〜35.12(d、J=20)、69.70、72.67〜72.90(d、J=23)、73.03、90.50〜92.73(d、J=223)、127.58、127.67、128.43、138.22、140.65〜140.85(d、J=20)、141.44〜143.90(d、J=246)、154.74〜154.87(d、J=13)、159.39。MS(FAB):C1617(M+Li)の予測値:328.32。実測値:328.28。IR(無希釈)νmax3332、2953、1638、1508、1420、1389、1333、1045。
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、600MHz):δ1.73〜1.78(q、J=10.2、1H)、2.34〜2.50(m、2H)、3.52〜3.54(m、1H)、3.65〜3.68(m、1H)、4.54〜4.60(m、2H)、4.83〜4.90(m、1H)、4.98〜5.09(td、J=54、7.2、1H)、7.29〜7.38(7H)。13CNMR(CDCl、100MHz):δ20.10〜20.31(d、J=21)、36.74〜36.94(d、J=20)、54.34〜54.57(d、J=23)、68.15、73.55、88.35〜90.61(d、J=226)、124.82〜125.16(d、J=34)、127.83、128.13、128.75、137.96、139.94〜142.32(d、J=238)、150.37、158.01〜158.26(d、J=25)。MS(FAB):C1617(M+H)の予測値:321.32。実測値:322.13622。IR(無希釈)νmax3053、2925、2854、1687、1613、1513、1454、1265、1116、739、705。
5−フルオロ−2−トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
5−フルオロ−2−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン(0.43g、1.34mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl4mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これを冷却して−78℃とし、BCl(1.0M CHCl溶液、4mL、4.02mmol)を滴下した。8時間後、7N NH/MeOH(4.7mL、32.9mmol)をゆっくり加えることで反応停止した。生成物を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClのみからCHCl:MeOH=10:1)によって精製して、所望の生成物(0.15g)を収率48%で得た。痕跡量の不純物を、逆相分取HPLC(HOおよびCHCN勾配)によってさらに除去して、白色固体を得た。H NMR(CDOD、400MHz):δ1.29〜1.37(m、1H)、2.12〜2.25(m、1H)、2.36〜2.47(m、1H)、3.61〜3.72(m、2H)、4.69〜4.86(td、J=55.2、6.8、1H)、4.98〜5.08(m、1H)、7.80〜7.81(d、J=4.0)。13C NMR(CDOD、100MHz):δ22.57〜22.80(d、J=23)、38.10〜38.29(d、J=19)、62.48、74.10〜74.32(d、J=22)、91.12〜93.34(d、J=222)、140.81〜141.03(d、J=22)、142.58〜145.02(d、J=244)、157.04〜157.18(d、J=14)、160.88。MS(FAB):C11(M+H)の予測値:232.20。実測値:232.08927。IR(無希釈)νmax3386、2958、1642、1502、1420、1337、1212、1042、949、779。
1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
テトラブチルアンモニウムウラシル塩(0.88g、3mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF 7mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。5分間撹拌後、メシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(0.6g、2.5mmol)のDMF溶液を加えたところ、色が明黄色から橙赤色−黄色に変化した。溶液を120℃で24時間加熱し、室温で終夜撹拌した。AcOH 0.2mLを加え、撹拌した後10分間、DMFを除去しおよびEtOAcを加え、それをHOで3回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製して、所望のN1結合生成物0.18g(29%)を、二重アルキル化生成物(7.3%)とともに得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.75(m、1H)、2.26〜2.49(m、2H)、3.51〜3.54(m、1H)、3.63〜3.66(m、1H)、4.54(m、2H)、4.79(m、1H)、5.00〜5.13(td、J=54.8、6.4、1H)、5.68(d、J=8.0、1H)、7.22〜7.24(d、J=8.0、1H)、7.25〜7.36(m、5H)、10.09(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ20.33(d、J=20.7)、36.97(d、J=19.7)、54.58(d、J=23.4)、68.34、73.52、89.48(d、J=226.3)、102.96、127.87、128.11、128.72、138.03、141.15、150.90、163.53。MS(FAB):C1617FN(M+Li)の予測値:311.32。実測値:311.2。IR(無希釈)νmax2924、2853、1690、1461、1382、1276、1071、713。
1,3−ビス−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ1.73〜1.80(m、1H)、2.12〜2.29(m、2H)、2.32〜2.56(m、3H)、3.53〜3.72(m、4H)、4.53〜4.60(m、4H)、4.74〜4.86(m、1H)、4.97〜5.14(td、J=53.6、7.6)、5.30〜5.41(m、1H)、5.59〜5.77(m、1H)、5.68〜5.70(dd、1H、J=8.0、1.6)、7.16〜7.18(dd、1H、J=8.0、0.8)、7.28〜7.39(m、10H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ19.55〜19.82(d、J=20.2)、20.16〜20.44(d、J=21)、36.89〜37.15(d、J=19.5)、37.55〜37.81(d、J=19.5)、51.35〜51.74(d、29.3)、55.07〜55.38(d、J=23.3)、68.25、71.62、73.25、73.56、87.94〜90.86(d、J=219)、89.04〜91.94(d、J=217.5)、102.63、127.82、127.89、128.15、128.58、128.76、138.05〜138.51(d、J=34.5)、139.11、151.50、163.03、174.57。MS(FAB):C2830(M+Li)の予測値:503.55。実測値:503.4。IR(無希釈)νmax2926、2857、1718、1663、1454、1374、1287、1099、739、699。
N3−ブチル−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
テトラブチルアンモニウムウラシル塩(0.26g、0.74mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水DMF2mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。5分間撹拌した後、メシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(0.07g、0.24mmol)のDMF溶液を加えた。溶液を120℃で24時間加熱し、室温で終夜撹拌した。AcOH 0.05mLを加え、10分間撹拌し、DMFを除去し、EtOAcを加えて、それをHOで3回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製して、所望の1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル14.8mg(20%)、N3−ブチル−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル13.1mg(15%)およびウラシルのブチル化生成物を得た。
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
テトラブチルアンモニウム5−フルオロウラシル(0.13g、0.35mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水DMF2mLをアルゴン下に加えた。メシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(0.10g、0.35mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水DMF1mLを加え、これを前述のフラスコに加えた。混合物を加熱して120℃として24時間経過させ、溶媒を除去し、粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:3)によって精製して、所望の5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.02g、20%、R=0.24、ヘキサン:EtOAc=1:1)および5−フルオロ−3−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(2.8mg、2.8%)および1,3−ビス−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−5−フルオロ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(8.1mg、4.5%)を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.75〜1.80(m、1H)、2.35〜2.48(m、2H)、3.53〜3.55(m、1H)、3.66〜3.69(m、1H)、4.55〜4.60(m、2H)、4.82〜4.89(m、1H)、5.00〜5.11(td、J=54、6.6、1H)、7.30〜7.38(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ20.04〜20.25(d、J=20.5)、36.76〜36.96(d、J=19.7)、54.41〜54.64(d、J=23.5)、68.00、73.63、88.19〜90.45(d、J=225.3)、125.23〜125.56(d、J=32.6)、127.87、128.21、128.67、128.81、137.92、139.71〜142.08(d、J=237.5)、149.34、156.72〜156.98(d、J=26.5)。MS(FAB):C1616(M+Li)の予測値:329.31。実測値:329.1。IR(無希釈)νmax3072、2959、2925、2854、1701、1655、1452、1379、1274、1071、893、763、715。
5−フルオロ−3−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、60MHz):δ2.14〜2.22(m、1H)、2.27〜2.34(m、1H)、2.44〜2.56(m、1H)、3.65〜3.70(m、2H)、4.57(s、2H)、5.26〜5.34(m、1H)、5.65〜5.76(td、J=56.4、6.6)、6.98〜7.00(m、J=6.0)、7.27〜7.39(m、5H)、9.20〜9.21(d、J=4.8)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.17〜19.37(d、J=20)、37.61〜37.81(d、J=20)、51.75〜51.99(d、J=24)、70.99、73.31、88.66〜90.84(d、J=218)、122.48〜122.80(d、J=32)、127.82、127.95、128.67、128.84、138.44、139.38〜142.00(d、J=262)、151.37、158.12。MS(FAB):C1616(M+Li)の予測値:329.31。実測値:329.1。
N3−ベンジル−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
N3−ベンジル保護5−フルオロウラシル(0.03g、0.14mmol)が中に入った封管中、脱水クロロベンゼン1mLを加えた。DBU(0.02mL、0.13mmol)を加えて無色溶液を得た。これをメシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(35mg、0.12mmol)のクロロベンゼン溶液で処理し、反応混合物を加熱して120℃として24時間経過させた。冷却して室温とした後、混合物をクエン酸で1回、HOで1回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、所望のN1結合生成物(22.4mg、44.7%、R=0.26(ヘキサン:EtOAc=3:1))およびO結合副生成物(3.2mg、6.4%、R=0.32(ヘキサン:EtOAc=3:1))を得た。IR(無希釈)νmax3054、2927、2855、1718、1684、1664、1455、1380、1265、1078、896、738、704。
N3−ベンジル−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシルメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
N3−ベンジル−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]ウラシル(32mg、0.08mmol)が中に入った三頸フラスコ中、オキシレン4mLをアルゴン下に加えて、明黄色溶液を得た。BBr(1.0Mヘキサン溶液、0.4mL、0.4mmol)を室温で滴下した。22時間還流後、反応混合物を冷却して室温とし、MeOH 2mLで処理した。1時間撹拌した後、溶媒留去し、粗混合物についてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=80:1からCHCl:MeOH=10:1)を行って、O−脱ベンジル化生成物(12.5mg、50%、R=0.1、ヘキサン:EtOAc=1:1)を得た。
N3−ベンジル−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシルメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
アルゴンを入れ、冷却管を取り付けた50mLフラスコで、10%Pd/C(1.33g、0.01mol)を加えた。次に、脱水MeOHに溶かしたN3−ベンジル−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル(0.44g、1.07mmol)およびギ酸アンモニウム(0.34g、5.39mmol)を、アルゴン下にて室温でそれに加えた。空の風船を冷却管の上に取り付けた。24時間還流後、粗混合物をセライトで濾過し、溶媒留去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、N3−ベンジル−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシルメチル)シクロブチル]ウラシル35.75mg(11%、R=0.54(ヘキサン:EtOAc=1:3))および1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシルメチル)シクロブチル]ウラシル16mg(7%、R=0.14(ヘキサン:EtOAc=1:3))を得た。
N3−PMB−5−フルオロ−2−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ1.48(m、1H)、2.32(m、1H)、2.4(m、1H)、3.54(m、1H)、3.63(m、1H)、3.74(s、3H)、4.58(m、2H)、4.85〜4.99(td、J=54.8、6.4、1H)、5.12(m、2H)、5.18(m、1H)、6.78(m、4H)、7.29〜7.40(m、5H)、7.55(d、J=1.6、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ21.58〜21.79(d、J=21)、35.01〜35.21(d、J=20)、45.07、55.41、68.60、73.31、74.17〜74.39(d、J=22)、89.10〜91.34(d、J=224)、114.10、127.70、127.78、127.96、128.66、130.72、133.90〜134.13(d、J=23)、138.25、145.61〜148.06(d、J=245)、151.20、156.39〜156.64(d、J=25)、159.64。MS(FAB):C2424(M+H)の予測値:443.46。実測値:443.17813。IR(無希釈)νmax2957、2859、1694、1622、1584、1556、1513、1452、1422、1241、1178、1087、1028、821、790、777、738、699。
CANによるPMB基の脱離手順
N3−PMB−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.20g、0.45mmol)のCHCN 5.4mLおよびHO 1.8mL溶液に、CAN(0.98g、1.79mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。22時間後、溶媒をロータリーエバポレータによって除去し、粗取得物をシリカゲル上で直接処理して、所望の5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル67.4mg(収率47%)を得た。
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシルメチル)シクロブチル]−ウラシル(0.07g、0.3mmol)およびDMAP(2.3mg、0.02mmol)が中に入った25mLフラスコ中、AcOをアルゴン下に加えて、黄色溶液を得た。6時間反応後、溶媒を純粋EtOHと共留去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の油状生成物65.8mg(80%、R=0.36(CHCl:MeOH=20:1))を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.70〜1.75(m、1H)、2.11(s、3H)、2.42〜2.59(m、2H)、4.23〜4.24(d、J=6.0、2H)、4.56〜4.63(m、1H)、4.97〜5.08(td、J=54.6、6.6、1H)、7.31〜7.32(d、J=6.0、1H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ20.48−20.60(d、J=18)、21.01、36.05〜36.18(d、J=19.5)、56.49〜56.64(d、J=22.5)、63.31、88.55〜90.06(d、J=226.5)、125.82〜126.04(d、J=33)、140.02〜141.62(d、J=240)、149.23、156.81、171.06。MS(FAB):C1112(M+H)の予測値:275.22。実測値:275.08371。IR(無希釈)νmax3072、2918、1708、1466、1378、1243、1074。
4−[1,2,4]−トリアゾール−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
EtN(0.45mL、3.23mmol)を含む1,2,4−トリアゾール(0.22g、3.19mmol)の(5mL)脱水CHCN溶液に0℃でアルゴン下に、POCl(0.09mL、0.98mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、固体を濾過し、濾液を5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.08g、0.3mmol)とともに混合した。室温で21時間撹拌後、溶媒を留去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の生成物0.01g(15%、R=0.16(CHCl:MeOH=30:1))を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.78〜1.82(m、1H)、2.12(s、3H)、2.52〜2.60(m、2H)、4.25〜4.26(d、1=6.0、2H)、4.67〜4.73(m、1H)、5.12〜5.23(td、J=54.6、6.6、1H)、8.01〜8.02(d、J=5.4、1H)、8.16(s、1H)、9.17(s、1H)。IR(無希釈)νmax3053、2926、2854、1684、1458、1265、738、705。
4−トリイソプロピルシロキシ−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.11g、0.40mmol)およびDMAP(0.1g、0.82mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCN 12mLをアルゴン下に加え、次にEtN(0.1mL、0.82mmol)を加えた。これを冷却して0℃とし、TIPSCl(0.18mL、0.82mmol)を滴下した。これを昇温させて室温とし、12時間撹拌してから、溶媒を除去して粗生成物を得た。
4−tert−ブチル−ジフェニルシロキシ−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)−シクロブチル]ウラシル(193)
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(アセトキシメチル)シクロブチル]ウラシル190(0.08g、0.30mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCN 6mLをアルゴン下に加え、次にEtN(0.08mL、0.57mmol)およびTPSCl(0.18g、0.59mmol)を加えた。これを14.5時間撹拌してから、溶媒を除去して粗生成物を得た。
4−[1,2,4]−トリアゾール−5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.048g、0.15mmol)のピリジン(1mL)溶液に、0℃で4−クロロフェニルホスホロ−ジクロリデート(0.12mL、0.74mmol)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した。この混合物に、1,2,4−トリアゾール(0.15g、2.17mmol)を加え、この混合物を30℃で24時間撹拌した。溶液を冷却して室温とし、溶媒を除去した。この残留物に、EtOAcおよびHOを加え、有機相を分離し、水相をEtOAcで1回抽出した。合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して乾固させた。粗反応混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1からヘキサン:EtOAc=1:3)によって精製して、純粋な生成物0.01g(18%)を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.77〜1.86(m、1H)、2.54〜2.62(m、2H)、3.52〜3.59(m、1H)、3.70〜3.74(m、1H)、4.54〜4.63(m、2H)、4.91〜5.27(m、J=54.3、6.6、2H)、7.31〜7.40(m、5H)、7.92〜7.94(d、J=6.0、1H)、8.22(s、1H)、9.23(s、1H)。
9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
アデニン(0.18g、1.33mmol)、脱水KCO(0.18g、1.33mmol)、18−クラウン−6(0.18g、0.67mmol)およびシス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシ−メチル)シクロブチル−メシレート(0.19g、0.67mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF7mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃として24時間経過させ、次にほとんどのDMFを除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、N9結合生成物(0.13g、60.8%、R=0.49(CHCl:MeOH=10:1))およびN7結合生成物(5.26mg、2.4%、R=0.40(CHCl:MeOH=10:1))を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ2.06〜2.18(m、2H)、2.33〜2.56(m、3H)、3.52〜3.64(m、2H)、4.48(s、2H)、4.71〜4.87(m、1H)、5.22〜5.45(td、J=54.6、6.6、1H)、7.15〜7.28(m、5H)、7.76(s、1H)、8.26(s、1H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ20.80〜21.08(d、J=21)、37.12〜37.38(d、J=19.5)、52.71〜53.02(d、J=23.3)、68.80、72.92、88.97〜91.98(d、J=226)、119.61、127.26、127.44、128.18、137.81、138.39、149.78、152.77、156.08。MS(FAB):C1718FNO(M+H)の予測値:328.36。実測値:328.15691。IR(無希釈)νmax3323、3169、2917、2850、1647、1598、1575、1475、1454、1418、1363、1329、1303、1259、1075、798、737、699、649。
7−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ2.19〜2.27(m、2H)、2.48〜2.70(m、3H)、3.56〜3.59(m、1H)、3.68〜3.71(m、1H)、4.51〜4.59(m、2H)、4.87〜4.95(m、1H)、4.98〜5.15(td、J=54、6.8、1H)、3.73〜3.74(d、J=4.052H)、7.28〜7.37(m、5H)、7.96(s、1H)、8.44(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.22〜19.43(d、J=21)、37.02〜37.23(d、J=21)、55.15〜55.37(d、J=22)、67.21、73.57、90.22〜92.44(d、J=222)、111.60、127.95、128.24、128.75、137.58、143.07、151.20、153.49、161.26。MS(FAB):C1718FNO(M+H)の予測値:328.36。実測値:328.15679。IR(無希釈)νmax3328、3189、2867、1638、1601、1555、1472、1454、1400、1353、1309、1249、1110、958、840、799、737、700。
9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
1−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(81.3mg、0.25mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHClをアルゴン下に加えた。これを冷却して−78℃とし、BCl(1.0M CHCl溶液、0.75mL、0.75mmol)を滴下した。6時間後、アンモニウム/MeOH(7N)を滴下して反応停止し、溶媒を留去した。粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1から5:1)によって精製して、所望の生成物30.8mgを収率52%で得た。H NMR(CDOD、400MHz):δ2.10(m、1H)、2.52(m、2H)、3.78(m、2H)、5.00(m、1H)、5.29〜5.42(td、J=54.8、6.4、1H)、8.25(s、1H)、8.29(s、1H)。MS(FAB):C1012FNO(M+H)の予測値:237.23。実測値:238.10994。
6−クロロ−9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
6−クロロプリン(0.13g、0.84mmol)、乾燥KCO(0.12g、0.84mmol)、18−クラウン−6(0.11g、0.42mmol)およびメシル酸シス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシ−メチル)シクロブチル(0.12g、0.42mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF7mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃として24時間経過させ、その後ほとんどのDMFを除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、N9結合生成物51mgを収率35%で、そしてN7結合生成物14.6mgを収率10%で得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.70〜1.75(m、1H)、2.41〜2.49(m、1H)、2.55〜2.62(m、1H)、3.59〜3.61(m、1H)、3.65〜3.67(m、1H)、4.55〜4.60(m、2H)、5.06〜5.17(td、J=54.6、6.6、1H)、5.60〜5.66(m、1H)、7.28〜7.40(m、5H)、8.76(s、1H)、9.02(s、1H)。
6−ベンジルオキシ−9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
2−アミノ−6−ベンジルオキシプリン(0.56g、2.33mmol)、脱水KCO(0.34g、2.44mmol)、18−クラウン−6(0.68g、2.56mmol)およびシス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシ−メチル)シクロブチル−メシレート(0.67g、2.33mmol)が中に入った100mL三頸フラスコ中、脱水DMF25mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃として24時間経過させ、その後ほとんどのDMFを除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、N9結合生成物0.67gを収率66%で得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.12〜2.20(m、1H)、2.38〜2.60(m、2H)、3.61〜3.72(m、2H)、4.576〜4.584(d、J=3.2、2H)、4.68〜4.77(m、3H)、5.28〜5.45(td、J=54.8、6.8、1H)、5.54(s、2H)、7.22〜7.51(m、10H)、7.61(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ20.98〜21.19(d、J=21)、37.44〜37.64(d、J=20)、52.91〜53.13(d、J=22)、68.19、69.01、73.41、89.57〜91.84(d、J=227)、116.17、127.81、127.99、128.17、128.43、128.58、128.72、136.64、138.05、138.30、159.25、161.26、162.75。MS(FAB):C2424FN(M+H)の予測値:434.48。実測値:434.19900。IR(無希釈)νmax3384、2949、2837、1697、1536、1453、1415、1263、1024。
9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン
Figure 2008523098
撹拌バーが入った三頸100mLフラスコ中、フラスコを冷却して−78℃としながら、液体アンモニア約30mLを凝縮させた。次に、暗青色が消えなくなるまで金属ナトリウムを複数の小片で加えた。6−ベンジルオキシ−9−[トランス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(0.33g、0.76mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水THF3mLを加えて明黄色−無色溶液を得て、これをナトリウムおよびアンモニアが入った上記のフラスコに滴下した。これを−78℃で1時間撹拌したが、その環に青色は残っていた。1時間撹拌後、青色が消失するまで固体NHClを−78℃で少量ずつ加えて、白色乳濁液を得た。次に、ドライアイス−アセトン浴を氷水浴と交換して、アンモニアの留去を促進した。そうして得られた粗取得物を直接シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=5:1)で処理して、所望の生成物0.1g(50%、R=0.26(CHCl:MeOH=5:1))を得た。H NMR(CDOD、400MHz):δ2.00〜2.08(m、1H)、2.36〜2.45(m、2H)、3.72〜3.81(m、2H)、4.75〜4.89(m、1H)、5.22〜5.40(td、J=55.2、6.4、1H)、7.82(s、1H)。13C NMR(CDOD、100MHz):δ21.67〜21.88(d、J=21)、40.52〜40.71(d、J=I9)、54.17〜54.40(d、J=23)、90.84〜93.09(d、J=225)、118.10、138.39、153.48、155.33、159.61。MS(FAB):C1012FN(M+H)の予測値:254.23。実測値:254.10489。IR(無希釈)νmax3332、1688、1612、1529、1460、1411、1370、1261、1067。
トランス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
シス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(1.82g、9.47mmol)、4−ニトロ安息香酸(3.16g、18.9mmol)およびPhP(5.21g、19.9mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水THF25mLをアルゴン下に加えた。反応混合物を冷却して0℃とし、DIAD(3.9mL、19.8mmol)を滴下して黄色溶液を得た。これを徐々に昇温させて室温とし、77時間撹拌し、その後溶媒を除去し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)で直接処理して、少量の不純物とともに所望の生成物を得て、これを1,4−ジオキサン6.6mLに再溶解させた。これを室温にてNaOH水溶液(0.4mol/1、4.3mL、1.72mmol)で処理した。30分後、AcOH(0.07mL、1.22mmol)を加え、生成物を減圧下に濃縮して少量とした。残留物をEtOAcと飽和NaHCOとの間で分配した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、所望の生成物1.04g(52%、RN=0.17(ヘキサン:EtOAc=3:1))を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.51〜1.57(m、1H)、2.11〜2.17(m、1H)、2.61〜2.69(m、2H)、3.52〜3.68(m、2H)、4.46〜4.53(m、1H)、4.54(s、2H)、4.77〜4.89(ddd、J=54.6、9.0、8.4、1H)、7.28〜7.37(m、5H)。13C NMR(CDCl、150MHz):24.74〜24.88(d、J=21)、32.46〜32.59(d、J=19.5)、68.63〜68.67(d、J=6.0)、72.21〜72.35(d、J=21)、73.43、92.68〜94.18(d、J=225)、127.85、128.59、138.40。
メシル酸トランス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル
Figure 2008523098
トランス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(78.7mg、0.37mmol)が中に入った50mLフラスコ中、アルゴン下に脱水CHClを加えて透明溶液を得た。次に、EtN(0.26mL、1.87mmol)を上記の溶液に加えた。10分後、これを冷却して0℃とし、MsCl(0.04mL、0.45mmol)を滴下し、これを撹拌しながら徐々に昇温させて室温とした。3時間後、HOを加えることで反応停止した。次に、有機相を分離し、ブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去によって粗生成物(R=0.25、(ヘキサン:EtOAc=3:1)を得て、それをそのまま次の段階で用いた。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.85〜1.93(m、1H)、2.30〜2.40(m、1H)、2.71〜2.79(m、1H)、3.01(s、3H)、3.56〜3.65(m、2H)、4.50〜4.58(m、2H)、4.99〜5.16(m、1H)、5.17〜5.27(m、1H)、7.25〜7.36(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ23.12〜23.29(d、J=17)、33.40〜33.61(d、J=21)、38.13、66.94〜66.99(d、J=5.0)、73.48、77.73、88.63〜90.91(d、J=228)、127.73、127.84、128.57、138.11。IR(無希釈)νmax2937、2865、1719、1454、1359、1175、1110、1012、969、904、856、805、750、700。
9−[シス−2−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
アデニン198(0.11g、0.81mmol)、脱水KCO(0.11g、0.80mmol)、18−クラウン−6(0.12g、0.45mmol)およびメシル酸トランス−2−フルオロ−トランス−3−(ベンジルオキシ−メチル)シクロブチル(0.11g、0.38mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF5mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃として24時間経過させ、その後ほとんどのDMFを除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、N9結合生成物0.02g(20%、R=0.21(CHCl:MeOH=10:1))を得た。IR(無希釈)νmax2924、2851、1644、1600、1473、1265、1087、737、701。
シス−2−フルオロ−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブタノン
Figure 2008523098
シス−2−フルオロ−3−(ヒドロキシルメチル)−シクロブタノン(0.23g、1.9mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl 10mLを加え、次にイミダゾール(0.2g、2.94mmol)を加えた。次に、TBDPSCl(0.61mL、2.34mmol)を滴下した。5.5時間反応後、反応混合物をCHCl20mLで希釈し、それをHO 10mLで2回、飽和NaHCO10mLで1回、ブライン10mLで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、所望の生成物0.61g(88%、R=0.32(ヘキサン:EtOAc=9:1))を得た。IR(無希釈)νmax2931、2858、1798、1634、1567、1472、1428、1113、741、702。
ベンジル−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン
Figure 2008523098
シス−2−フルオロ−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブタノン(0.35g、0.98mmol)が中に入った50mLフラスコ中、脱水1,2−DCE3.4mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これに、ベンジルアミン(0.13mL、1.19mmol)を加えて、やはり無色の溶液を得た。5分間撹拌した後、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(0.29g、1.37mmol)を1回で加えて白色乳濁液を得た。さらに30分後、AcOH(0.06mL、1.05mmol)を滴下した。5分後、それは黄色溶液を与え、これを2時間撹拌し、飽和NaHCOによって反応停止した。有機相を分離し、水相をCHClで2回抽出した。合わせた有機相をMgSOで脱水し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、所望の生成物0.27g(61%、R=0.22(ヘキサン:EtOAc=9:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.0(s、9H)、1.59〜1.68(m、1H)、2.23〜2.46(m、2H)、3.19〜3.30(m、1H)、3.6〜3.87(m、4H)、5.14〜5.32(m、1H)、7.3〜7.7(m、15H)。
3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチルアミン
Figure 2008523098
ベンジル−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン212(0.27g、0.6mmol)をMeOH 6mLに溶かし、これを10%Pd/C 0.13gで処理した。これを水素化分解条件(約0.34MPa(50psi))で処理した。12時間後、反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、所望の生成物0.16g(68%、R=0.30(CHCl:MeOH=I5:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.0(s、9H)31.58〜1.68(m、1H)、2.24〜2.34(m、1H)、2.37〜2.53(m、1H)、3.30〜3.44(m、1H)、3.60〜3.65(m、1H)、3.81〜3.85(m、1H)、4.98〜5.15(m、1H)、7.38〜7.70(m、10H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ20.16、27.43、33.37、37.85〜38.05(d、J=20)、63.02〜63.13(d、J=11)、94.17〜96.14(d、J=197)、128.91、131.00、135.01、136.81。MS(FAB):C2128FNOSi(M+H)の予測値:358.54。実測値:358.19963。
1−ベンジル−3−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−尿素
Figure 2008523098
ベンジル−(3−ベンジルオキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−アミン(0.16g、0.45mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl15mLをアルゴン下に室温で加えて無色溶液を得て、次にEtN(0.06mL、0.43mmol)を加えた。10分間撹拌した後、4−ニトロフェニル−N−ベンジルカーバメート150(0.11g、0.42mmol)を1回で加えて黄色溶液を得た。これを室温で28時間撹拌し、CHCl20mLを加えることで反応停止した。有機相を1M NaOH 10mL、HO 10mLおよびブライン10mLで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去によって粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して所望の生成物0.2g(90%、R=0.62(ヘキサン:EtOAc=1:1))を白色固体として得た。IR(無希釈)νmax3337、2930、2857、1632、1571、1428、1263、1112、740、702。
3−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−尿素
Figure 2008523098
AcOH 1mLおよび10%Pd/C 0.15gが入ったパールの水素化装置フラスコ中、1−ベンジル−3−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−尿素のAcOH(5mL)溶液を加えた。これについて約0.34MPa(50psi)で4日間の水素化分解を行い、その後粗混合物をセライトで濾過し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=40:1)によって精製して、所望の生成物0.15g(63.3%、R=0.44(CHCl:MeOH=20:1)を得た。IR(無希釈)νmax3425、3339、2931、2858、1656、1608、1560、1111、701。
1−[シス−2−フルオロ−シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
脱水EtOH0.6mLが中に入った三頸25mLフラスコ中、Na(18mg、0.78mmol)を加えた。Hガスが直ちに発生した。全てのH発生が終了した時点で、3−(3−tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル−2−フルオロ−シクロブチル)−尿素(0.15g、0.38mmol)のEtOH溶液を加えて、ある種の緑色溶液を得た。次に、エトキシアクリロニトリル114(0.04mL、0.39mmol)を加え、これを室温で撹拌した。42時間後、反応混合物を減圧下に濃縮し、直接シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで処理して、1−[シス−2−フルオロ−シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブチル]シトシン16.9mg(10%、R=0.41(CHCl:MeOH=10:1))および3−[シス−2−フルオロ−シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシメチル)シクロブチル]シトシン16.9mg(10%、R=0.30(CHCl:MeOH=10:1))を得た。
トシル酸シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル
Figure 2008523098
シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノール(9.14g、47.5mmol)、DMAP(0.58g、4.75mmol)およびTsCl(10.88g、57mmol)が中に入った250mLフラスコ中、脱水EtN(16.6mL、118.8mmol)を0℃でアルゴン下に加えた。添加後、氷−水浴を外し、反応液を室温で3時間撹拌し、その後CHClおよびHOを加えた。有機相を分離し、HOで1回およびブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して乾固させた。そうして得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、明黄色油状物13.2g(80%、R=0.36(ヘキサン:EtOAc=3:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.91〜1.99(m、2H)、2.05〜2.10(m、1H)、2.28〜2.36(m、2H)、2.44(s、3H)、3.37〜3.38(d、J=6.0、2H)、4.46(s、2H)、4.66〜4.74(m、1H)、7.27〜7.36(m、7H)、7.76〜7.78(d、J=8.4、2H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ26.83、34.13、71.52、73.17、73.69、76.81、77.22、77.65、127.67、127.75、127.93、128.51、129.90、134.10、138.32、144.78。MS(FAB):C1922S(M−H)の予測値:345.44。実測値:345.11585。IR(無希釈)νmax3052、2926、1366、1265、1189、1177、1010、921、855、815、739、704。
3−ベンジルオキシメチル−1−シクロブテン
Figure 2008523098
t−BuOK(11.95g、0.11mol)が中に入った250mLフラスコ中、脱水DMSO 50mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。次に室温で、トシル酸シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル(12.3g、35.5mmol)を前述のフラスコに非常にゆっくり加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後HO 200mLをゆっくり加えることで反応停止し、次にEtO 100mLを加えた。分離した水相をEtOで3回再抽出し、合わせた有機相をHOで4回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、濃縮して乾固させて明黄色油状物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、所望の生成物4.45g(71.9%、R=0.59((ヘキサン:EtOAc=9:1))を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ2.19〜2.21(d、J=12、1H)、2.66〜2.69(dd、J=13.2、4.2、1H)、3.11〜3.14(m、1H)、3.50〜3.56(m、2H)、4.54(s、2H)、6.09〜6.11(m、2H)、7.27〜7.35(m、5H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ34.40、43.72、73.32、74.07、127.75、127.89、128.59、137.16、138.59。IR(無希釈)νmax3257、2917、2849、1739、1462、1376、1241、967、746。
エキソ−2−ベンジルオキシ−5−オキサビシクロ[2.1.0]ペンタン
Figure 2008523098
アルゴン下に、PhCN(0.8mL、7.89mmol)およびKHCO(0.17g、1.7mmol)のMeOH(12mL)中混合物に、3−ベンジルオキシメチル−1−シクロブテン(0.52g、3mmol)のCHCl(12mL)溶液を加え、次に30%H1mLを加えた。これを室温で高撹拌した。4日後、反応混合物を5%チオ硫酸ナトリウム75mLに投入し、水相をEtO 200mLで再抽出した。有機相をHO 200mL、飽和NaHCO200mLおよびブライン200mLで洗浄した。エーテル抽出液をMgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物(トランス:シス=4.8:1)を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンのみからヘキサン:EtOAc=10:1)によって精製して、無色油状物としてのトランス−ジアステレオマー(0.22g、38%)およびシス−ジアステレオマー0.22g(37%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.65〜1.70(m、1H)、1.89〜1.94(m、1H)、2.37〜2.43(m、1H)、3.51〜3.56(m、1H)、3.64〜3.67(m、1H)、3.82〜3.83(m、1H)、3.88〜3.89(t、J=2.8、1H)、4.51〜4.58(m、2H)、7.28〜7.38(m、5H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ32.25、41.61、54.45、57.41、70.69、73.41、127.79、127.84、128.52、138.28。IR(無希釈)νmax3062、3030、2980、2938、2854、2795、1496、1454、1364、1332、1205、1109、1091、1028、957、846、823、738、698。
エンド−2−ベンジルオキシ−5−オキサビシクロ[2.1.0]ペンタン
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、600MHz):δ1.45〜1.48(m、1H)、2.18〜2.21(m、1H)、2.68〜2.73(m、1H)、3.28〜3.31(m、1H)、3.59〜3.62(t、J=9.0、1H)、3.82(s、1H)、3.88(s、1H)、4.47〜4.55(m、2H)、7.27〜7.36(m、5H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ30.78、40.08、52.39、54.80、69.72、73.39、127.81、127.89、128.58、138.58。IR(無希釈)νmax3062、3030、2982、2938、2855、2796、1496、1454、1365、1333、1256、1206、1185、1160、1091、1028、956、915、846、824、738、698。
3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン−1,2−ジオール
Figure 2008523098
3−ベンジルオキシメチル−1−シクロブテン(0.1g、0.57mmol)が中に入った10mLフラスコ中、tBuOMe 0.72mL、tBuOH 1.54mLおよびHO 0.54mLを加えて2層を得た。次に、NMO(50重量%HO溶液、0.36mL、1.71mmol)およびOsO(0.07mL、0.06mmol)をその順に滴下して明褐色溶液を得た。これを室温で撹拌した。3時間後、溶液をHOで希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1からヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製して、所望の生成物27.4mg(23%)を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.70〜1.92(m、2H)、2.46〜2.75(m、1H)、3.02〜3.2(m、1H)、3.2〜3.34(m、1H)、3.4〜3.6(m、2H)、3.90〜4.10(m、1H)、4.2〜4.4(m、1H)、4.4〜4.6(s、2H)、7.21〜7.50(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ28.08、43.45、68.32、70.19、71.41、73.28、127.83、128.61、138.56。IR(無希釈)νmax3376、2937、2856、1453、1098、738、698。
(2,3−ジヨード−シクロブチルメトキシメチル)ベンゼン
Figure 2008523098
(0.29g、1.14mmol)が中に入った三頸25mLフラスコ中、脱水CHCl2mLをアルゴン下に加えて、暗褐色溶液を得た。5分間撹拌した後、3−ベンジルオキシメチル−1−シクロブテン(0.20g、1.14mmol)のCHCl(8mL)溶液を滴下した。10分間撹拌した後、シリル化5−フルオロシトシン(0.39g、1.43mmol)を1回で加えた。これを25時間撹拌し、それを最初にCHClで希釈し、次にチオ硫酸ナトリウムを加えることで反応停止した。有機相を分離し、HOで1回で洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)によって精製して、2,3−ジヨード−シクロブチルメトキシメチル)ベンゼン0.15g(30%、R=0.54(ヘキサン:EtOAc=10:1))を得た。
1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
アデニン(0.23g、1.68mmol)、無水NaH(0.04g、1.68mmol)、18−クラウン−6(0.45g、1.68mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、2−ベンジルオキシ−5−オキサビシクロ[2.1.0]ペンタン(0.16g、0.84mmol)の脱水DMF溶液をアルゴン下に加えた。室温で10分間撹拌後、加熱を開始して50℃として12時間経過させ、120℃で12時間加熱し、その後反応液を終夜室温で撹拌した。HOおよびEtOAcを加えた。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によて粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の生成物0.15g(50%、R=0.68(CHCl:MeOH=5:1))を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ1.92〜1.97(m、1H)、2.42〜2.54(m、2H)、3.60〜3.65(m、2H)、4.31〜4.34(t、J=7.2、1H)、4.38〜4.42(m、1H)、4.52〜4.56(m、2H)、4.93(bs、1H)、6.01(bs、2H)、7.27〜7.35(m、5H)、7.73(s、1H)、8.28(s、1H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ21.71、38.78、55.37、69.98、70.82、73.41、119.60、127.86、127.92、128.64、138.29、138.53、150.14、152.97、155.72。MS(FAB):C1719(M+H)の予測値:326.37。実測値:326.16116。IR(無希釈)νmax3358、2921、2850、1734、1646、1601、1455、1373、1239、1101、1024、834、745、699、647。
1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
1−[トランス−2−ヒドロキシ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(37.2mg、0.11mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl5mLをアルゴン下に加えて白色乳濁液を得た。これを冷却して−78℃とし、10分後に、BCl(1.0M CHCl溶液、0.33mL、0.33mmol)を滴下した。これを0℃以下で撹拌し、6時間後に7N NH/MeOH(0.4mL、2.75mmol)を滴下することで反応混合物を反応停止した。生成物を減圧下に濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=5:1)および逆相分取HPLC(HOおよびCHCN勾配)によって精製して、所望の生成物13mg(50%、R=0.11(CHCl:MeOH=5:1))を得た。
1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]アデニンとのDAST反応の手順
1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(10mg、0.03mmol)が中に入った5mLフラスコ中、脱水CHClをアルゴン下に加えた。5分後、DAST(0.02mL、0.15mmol)を加え、室温で撹拌した。1.5時間後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=60:1からCHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の化合物7.4mg(73.6%、R=0.36(CHCl:MeOH=20:1))を得た。
5−フルオロ−2−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
エキソ−2−ベンジルオキシ−5−オキサビシクロ[2.1.0]ペンタン(0.1g、0.53mmol)、5−フルオロシトシン(0.14g、1.08mmol)、K2CO(73mg、0.53mmol)および18−クラウン−6(0.1g、0.38mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水DMF10mLをアルゴン下に加えて乳濁液を得た。その溶液を120℃で24時間加熱した。DMFを除去し、粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、白色固体を得た(0.02g、12%)。MS(FAB):C1618FN(M+H)の予測値:320.33。実測値:320.14064。IR(無希釈)νmax3333、3218、2879、1636、1498、1415、1352、1288、1207、1112、1038、958、781、736、699。X線結晶解析によって、絶対立体化学を確認した。
−PMB−5−フルオロ−1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]−ウラシル
Figure 2008523098
−PMB−5−フルオロ−ウラシル(0.17g、0.68mmol)、脱水KCO(0.09g、0.68mmol)、18−クラウン−6(0.18g、0.68mmol)および2−ベンジルオキシ−5−オキサビシクロ[2.1.0]ペンタン(0.12g、0.62mmol、トランス/シス=1/1)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF6mLをアルゴン下に加えた。添加後、混合物を加熱して120℃とし、2日後にDMFを除去し、粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=80:1からCHCl:MeOH=60:1)によって精製して、油状物を得た(0.14g、52.6%、R=0.41(CHCl:MeOH=20:1))。H NMR(CDCl、600MHz):δ0.87〜0.89(m、1H)、1.07〜1.10(m、1H)、1.32〜1.35(m、1H)、3.40〜3.51(m、2H)、3.78(s、3H)、4.52(s、2H)、5.01〜5.11(m、1H)、6.82〜6.84(dd、2H)、7.27〜7.38(m、5H)、7.45〜7.47(dd、2H)。MS(FAB):C2425FN(M+Li)の予測値:447.46。実測値:447.4。IR(無希釈)νmax3400、2917、2849、1712、1680、1651、1513、1455、1248、1177、1109、1029、773、737、701。
5−フルオロ−1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
AlCl(0.19g、1.43mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水アニソール1mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。N3−PMB−5−フルオロ−1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(64mg、0.14mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水アニソール1mLを加え、その後AlCl溶液を、シリンジポンプによってそれにゆっくり室温で加えた。1時間後、混合物を冷却して0℃とし、脱水MeOHを加えゆっくりて最終的に無色溶液を得た。溶媒を除去し、生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、白色固体32.2mg(30%、R=0.21、(CHCl:MeOH=20:1))を得た。
1−メチレン−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン
Figure 2008523098
t−BuOK(0.54g、4.8mmol)およびメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(1.72g、4.8mmol)が中に入った50mL三頸フラスコ中、脱水1,4−ジオキサンをアルゴン下に加えて黄色乳濁液を得た。これを加熱して40℃として30分間経過させ、その後混合物を冷却して10℃とし、3−(ベンジルオキシメチル)シクロブタノン(0.76g、4mmol)の1,4−ジオキサン溶液を滴下した。混合物を10℃で3時間撹拌した。次に、ロータリーエバポレータによって溶媒を除去し、残留物をEtOおよびHOに溶かした。有機相を分離し、水相をEtOで抽出した。合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して乾固させて油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)によって精製して、無色油状物を得た(0.48g、63%、R=0.79(ヘキサン:EtOAc=3:1))。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.36〜2.48(m、2H)、2.52〜2.64(m、1H)、2.72〜2.84(m、2H)、3.48〜3.50(d、J=7.2、2H)、4.53(s、1H)、4.74〜4.77(m、2H)、7.2〜7.4(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ29.82、35.06、73.26、74.60、106.52、127.77、127.88、128.60、147.34。MS(FAB):C1316O(M+H)の予測値:189.27。実測値:189.12748。IR(無希釈)νmax2921、2853、1720、1676、1453、1272、1113、1071、1027、875、737、713、698。
1−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン
Figure 2008523098
1−メチレン−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン(1.54g、8.19mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水THF11mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これを冷却して0℃とし、9−BBN(0.5M THF溶液、27.4mL、13.7mmol)を滴下した。これを昇温させて室温とし、22時間撹拌し、その後反応混合物を冷却して0℃とし、HO(0.9mL)、3N NaOH(2.7mL)および30%H(2.8mL)をその順に加えた。1時間撹拌した後、2N HClおよび飽和NHClを加えた。混合物をEtOAcで抽出し、有機相を分離し、MgSOで脱水し、溶媒留去によって粗油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、無色油状物(シス/トランス=2/1、1.44g、85%、R=0.16(ヘキサン:EtOAc=3:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.52〜1.60(m)、1.86〜1.90(m)、2.12〜2.19(m)、2.36〜2.64(m)、3.39〜3.41(d、J=8)、3.49〜3.51(d、J=8)、3.54〜3.56(d、J=8)、3.64〜3.66(d、J=8)、4.51(s)、4.53(s)、7.2〜7.4(m)。MS(FAB):C1318(M+H)の予測値:207.28。実測値:207.13807。
シス−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタンカルボアルデヒド
Figure 2008523098
25mLフラスコ中、脱水DMSO(0.2mL、2.76mmol)の脱水CHCl(7mL)溶液を冷却して−78℃とし、その後オキサリルクロライド(0.12mL、1.37mmol)をアルゴン下に滴下した。−78℃で30分間撹拌後、1−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン(シス/トランス=2/1、0.2g、0.97mmol)のCHCl溶液を滴下した。1時間撹拌した後、EtN(0.7mL、4.9mmol)を滴下した。15分後、反応液を昇温させて室温とした。4時間後、TLCでは原料がないことが示された。次に、反応混合物をCHCl30mLで希釈し、30%NHCl水溶液(10mLで2回)、HO(10mLで1回)およびブライン(10mLで1回)で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を除去して油状生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー((ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、シス−ジアステレオマー(74mg、37.4%、R=0.43(ヘキサン:EtOAc=42:1))を無色油状物として得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.01〜2.08(m、2H)、2.21〜2.28(m、2H)、2.58〜2.70(m、1H)、3.03〜3.12(m、1H)、3.37〜3.39(d、J=8.0、2H)、4.49(s、2H)、7.25〜7.36(m、5H)、9.66〜9.67(d、J=4.0、1H)。MS(FAB):C1316(M−H)の予測値:203.26。実測値:203.10658。IR(無希釈)νmax3054、2935、2858、1704、1454、1266、1092、738、704。
トランス−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタンカルボアルデヒド
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ1.9〜2.1(m、2H)、2.3〜2.4(m、2H)、2.5〜2.61(m、1H)、3.0〜3.2(m、1H)、3.42〜3.44(d、J=8.0、2H)、4.5(s、2H)、7.2〜7.4(m、5H)、9.77〜9.78(d、J=4.0、1H)。IR(無希釈)νmax2917、2849、1704、1456、1265、1094、738、701。
シス−1−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン
Figure 2008523098
シス−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタンカルボアルデヒド(73mg、0.36mmol)が中に入った50mLフラスコ中、脱水CHCl7mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これを冷却して−78℃とし、DIBAL−H(1.0Mヘキサン溶液、0.7mL、0.72mmol)を滴下した。これを−78℃で撹拌し、3時間後に脱水MeOH 0.2mLによって反応停止した。反応混合物を徐々に昇温させて室温とした。1.5時間後、ロッシェル塩2mLを加え、混合物を終夜高撹拌した。次に、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)による精製によって、シス−1−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタンを無色油状物として得た(54mg、73.4%、R=0.17(ヘキサン:EtOAc=3:1))。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.48〜1.61(m、2H)、2.10〜2.20(m、2H)、2.40〜2.55(m、2H)、3.39〜3.41(d、J=8.0、2H)、3.54〜3.56(d、J=8.0、2H)、4.51(s、2H)、7.20〜7.40(m、5H)。
メシル酸シス−1−ヒドロキシルメチル−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル
Figure 2008523098
シス−1−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキシメチル−シクロブタン(43.9mg、0.21mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水CHCl5mLをアルゴン下に加え、次にEtN(0.15mL、1.06mmol)を加えた。5分後、反応混合物を冷却して0℃とし、MsCl(0.02mL、0.25mmol)を滴下した。0℃で1時間反応後、HOを加えることで反応停止し、有機相を分離し、ブラインで1回で洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して明黄色粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)による精製によって、所望の生成物を無色油状物として得た(48.1mg、80%、R=0.26(ヘキサン:EtOAc=3:1))。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.59〜1.69(m、2H)、2.15〜2.24(m、2H)、2.46〜2.76(m、2H)、2.95(s、3H)、3.38〜3.40(d、J=8.0、2H)、4.12〜4.14(d、J=8.0、2H)、4.50(s、2H)、7.20〜7.40(m、5H)。MS(FAB):C1420S(M−H)の予測値:283.37。実測値:283.09982。IR(無希釈)νmax3055、2937、2859、1357、1266、1175、1097、972、950、738、703。
−PMB−5−フルオロ−1−[シス−4−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
シス−1−ヒドロキシルメチル−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル−メシレート(0.51g、1.79mmol)、N−PMB−5−フルオロ−ウラシル(0.49g、1.97mmol)およびCsCO(0.64g、1.97mmol)が中に入った50mL三頸フラスコ中、脱水DMF10mLアルゴン下にを加えて明黄色溶液を得たが、少量の白色固体がフラスコの底にあった。5分後、加熱を開始して80℃とした。24時間後、EtOAc 30mLおよびHO 20mLを加えた。有機相を分離し、ブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、オフホワイト固体を得た(0.66g、84%)。MS(FAB):C2527FN(M+H)の予測値:439.49。実測値:439.20310。IR(無希釈)νmax3073、2933、2856、1713、1655、1513、1467、1249、1178、1106、1032、993、820、773、742、699。
5−フルオロ−1−[シス−4−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
AlCl(1.93g、14.4mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水アニソール5mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。N−PMB−5−フルオロ−1−[シス−4−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]ウラシル(0.66g、1.44mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水アニソール5mLを加え、その後AlCl溶液をそれに室温でゆっくり加えた。添加完了後、混合物を冷却して0℃とし、脱水MeOHをゆっくり加えて、最終的に無色溶液を得た。次に、溶媒を除去し、生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1からCHCl:MeOH=10:1)によって精製して、白色固体(0.26g、74%、R=0.11(CHCl:MeOH=20:1))を得た。H NMR(CDOD、400MHz):δIR(無希釈)νmax3402、3064、2934、1694、1473、1369、1244、1041、1005、913、784、706。
5−フルオロ−1−[シス−4−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
5−フルオロ−1−[シス−4−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]シトシン(0.15g、0.66mmol)が中に入ったフラスコ中、脱水CHCN 3.2mLをアルゴン下に加え、次に1−メチルピロリジン(0.64mL、6.3mmol)およびクロロトリメチル−シラン(0.24mL、1.98mmol)を室温で加えた。1時間後、反応物を冷却して0℃とし、無水トリフルオロ酢酸(0.44mL、3.3mmol)を5分間かけて滴下した。0℃で30分後、4−ニトロフェノール(0.27g、1.98mmol)のCHCN溶液を0℃で滴下した。これを3時間撹拌し、その後混合物を飽和NaHCOに投入し、得られた混合物をCHClで4回抽出した。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、減圧下に溶媒留去した。残留物を1,4−ジオキサン10mLに溶かし、濃水酸化アンモニウム(28〜30%)2.5mLを加えた。混合物を密閉フラスコ中にて50〜60℃で24時間加熱した。得られた溶液を濃縮し、残留物を純粋EtOHと共留去した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)および次に逆相分取HPLC(HOおよびCHCN勾配)によって精製して、所望の生成物0.06g(40%、R=0.18(CHCl:MeOH=10:1))を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.59〜1.66(m、2H)、1.85〜1.99(m、2H)、2.12〜2.19(m、2H)、3.56〜3.58(d、J=8.0、2H)、3.71〜3.73(d、J=8.0、2H)、7.24〜7.25(d、J=4.0、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ28.06、30.49、33.37、53.92、66.26、128.71〜129.03(d、J=32)、139.41〜141.78(d、J=237)、149.89、180.43。MS(FAB):C1014FN(M+H)の予測値:228.24。実測値:IR(無希釈)νmax3400、3064、2933、1694、1532、1473、1369、1244、1041、1005、910、783、752、706。
5−フルオロ−1−[トランス−4−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]シトシン
Figure 2008523098
H NMR(CDCl、400MHz):δ2.39〜2.49(m、2H)、2.50〜2.72(m、4H)、3.66〜3.68(d、J=4.0、2H)、3.79〜3.81(d、J=4.0、2H)、7.23〜7.24(d、J=4.0、1H)。
9−[シス−4−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
シス−1−ヒドロキシルメチル−3−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル−メシレート(85.6mg、0.3mmol)、アデニン(81mg、0.6mmol)、KCO(83.2mg、0.6mmol)および18−クラウン−6(159mg、0.6mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF5mLをアルゴン下に加えた。これを加熱して80℃として8時間経過させ、揮発分をロータリーエバポレータによって除去した。粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の化合物を得た(63.2mg、65%)。MS(FAB):C1821O(M+H)の予測値:324.39。実測値:324.18198。IR(無希釈)νmax3276、2922、1675、1606、1570、1458、1414、1308、1214、1071、750。X線結晶解析によって、絶対立体化学を確認した。
9−[シス−4−(ヒドロキシメチル)−シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
9−[シス−4−(ベンジルオキシメチル)−シクロブチル]アデニン(63.2mg、0.2mmol)が中に入った50mLフラスコ中、アルゴン下に脱水アニソール5mLを加えて明黄色溶液を得た。AlClが入った別の10mLフラスコ中、脱水アニソール2mLをアルゴン下に加えて全く透明な赤色溶液を得た。この溶液を最初のフラスコに滴下して、赤色溶液を得た。室温で1時間撹拌後、TLCは原料がないことを示した。反応混合物を冷却して0℃とし、赤色が消失するまで脱水MeOHを滴下した。ロータリーエバポレータによって溶媒を除去して、オフホワイト固体を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=15:1)によって精製して、白色固体を得た(33mg、72.4%、R=0.15(CHCl:MeOH=15:1))。
3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノン
Figure 2008523098
3−(ベンジルオキシエチル)−2,2−ジクロロシクロブタノンの氷酢酸溶液に室温で亜鉛末を加えた。反応物を60℃で1時間加熱し、その後冷却した生成物に脱水ジエチルエーテルを加え、それを濾過した。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。残留物をCHClに溶かし、それを飽和NaHCOで2回および水で1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=0:1)によって精製した。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.85〜1.90(q、J=6.0、2H)、2.45〜2.56(m、1H)、2.66〜2.74(m、2H)、3.07〜3.15(m、2H)、3.48〜3.51(t、J=6.0、2H)、4.48(s、2H)、7.24〜7.35(m、5H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ21.29、36.02、52.56、68.85、72.99、127.56、127.62、128.40、138.33、208.25。R=0.45(ヘキサン:EtOAc=3:1)。IR(無希釈)νmax3054、2927、2856、1779、1266、737、704。
シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノン(2.5g、12.2mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水THF30mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。これを冷却して−78℃とし、しばらく経った後、L−セレクトリド(1.0M THF溶液、14.7mL、14.6mmol)を滴下し、これを昇温させて室温とし、その後に飽和NaHCOによって反応停止した。混合物を冷却して0℃とし、30%Hを滴下し、次にHOおよびEtOAcを加えた。有機相を分離し、HOで2回およびブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去によって粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、無色油状物を得た(2.0g、79.4%、R=0.2(ヘキサン:EtOAc=3:1))。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.40〜1.60(m、2H)、1.60〜1.90(m、3H)、2.05〜2.21(bs、1H)、2.38〜2.50(m、2H)、3.32〜3.44(t、J=、2H)、4.52(s、2H)、7.20〜7.40(m、5H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ22.90、37.08、37.85、39.91、64.14、68.78、73.04、127.62、127.68、128.45、138.59。MS(FAB):C1318(M+H)の予測値:207.28。実測値:207.13801。
4−ニトロ安息香酸トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル
Figure 2008523098
シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノール(1.84g、8.9mmol)、4−ニトロ安息香酸(2.97g、17.8mmol)およびPhP(4.9g、18.7mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水THF25mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これを冷却して0℃とし、DIAD(3.7mL、18.7mmol)を滴下した。15時間後、揮発分を留去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、少量のDIADを不純物として含むオフホワイト油状物を得た(3.74g)。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.81〜1.86(m、2H)、2.22〜2.28(m、2H)、2.34〜2.41(m、2H)、2.48〜2.60(m、1H)、3.36〜3.39(t、J=6.4、2H)、4.49(s、2H)、5.31〜5.38(m、1H)、7.25〜7.36(m、5H)、8.19〜8.21(dd、J=8.8、2.0、2H)、8.26〜8.29(dd、J=9.2、2.0、2H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ26.35、34.84、35.96、68.82、70.74、73.17、123.70、127.76、128.59、130.88、135.97、138.65、150.68、164.42。MS(FAB):C2021NO(M−H)の予測値:354.38。実測値:354.13378。IR(無希釈)νmax2979、2936、2857、1720、1607、1527、1349、1319、1276、1119、1015、874、843、738、720、698。
トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
4−ニトロ安息香酸トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル(3.7g、10.4mmol)の1,4−ジオキサン(80mL)溶液を室温で撹拌しながら、それにNaOH水溶液(0.4mol/L、52mL、20.8mmol)を加えた。40分後、AcOH(0.9mL、15.4mmol)を滴下した。5分後、反応混合物をロータリーエバポレータによって濃縮した。残留物をEtOAc(50mL)と飽和NaHCO(50mLで2回)との間で分配した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去によって明黄色油状物を得た(2.09g、97.5%)。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.71〜1.78(m、2H)、1.94(bs、1H)、2.03〜2.07(m、3H)、2.60〜2.74(m、1H)、3.40〜3.45(t、J=6.9、2H)、4.49(s、2H)、7.27〜7.37(m、5H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ24.58、36.11、37.90、39.95、66.63、69.17、73.10、127.65、127.69、128.45、138.60。
メシル酸トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル
Figure 2008523098
トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブタノール(2.0g、9.7mmol)が中に入った500mLフラスコ中、脱水CHCl200mLをアルゴン下に加え、次にEtN(1.35mL、48.5mmol)を加えた。5分後、反応混合物を冷却して0℃とし、MsCl(0.9mL、11.6mmol)を滴下した。0℃で1時間反応後、HOを加えることで反応停止し、有機相を分離し、ブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して明黄色粗生成物を得た(2.5g、90.7%)。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.74〜1.81(m、2H)、2.17〜2.24(m、2H)、2.40〜2.53(m、3H)、2.96(s、3H)、3.42〜3.46(t、J=6.3、2H)、4.48(s、2H)、5.06〜5.14(m、1H)、7.25〜7.37(m、5H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ25.73、35.39、35.47、38.46、68.69、73.13、74.85、127.65、128.47、138.43。MS(FAB):C1420S(M+H)の予測値:285.37。実測値:285.11569。IR(無希釈)νmax3435、3054、2926、2855、1639、1455、1359、1265、1174、1097、971、908、738、703。
−PMB−5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル−メシレート(0.34g、1.2mmol)、N−PMB−5−フルオロ−ウラシル(0.36g、1.44mmol)、KCO(0.2g、1.44mmol)および18−クラウン−6(0.38g、1.44mmol)が中に入った50mL三頸フラスコ中、脱水DMF10mLをアルゴン下に加えて、明黄色溶液を得て、少量の白色固体がフラスコの底にあった。5分後、加熱を開始して120℃とした。24時間後、EtOAc 30mLおよびHO 20mLを加えた。有機相を分離し、ブラインで1回で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製して、少量の三環系副生成物を含むオフホワイト固体(0.27g、50.9%)を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.72〜1.79(m、4H)、2.16〜2.24(m、1H)、2.51〜2.60(m、2H)、3.43〜3.48(m、2H)、3.77(s、3H)、4.48(s、2H)、4.64〜4.75(m、1H)、5.05(s、2H)、6.81〜6.84(d、J=9.0、2H)、7.29〜7.36(m、6H)、7.44−7.47(d、J=9.0、2H)。MS(FAB):C2527FN(M+H)の予測値:439.49。実測値:439.20320。IR(無希釈)νmax2926、2854、1712、1458、1377、1265、895、740、705。
5−フルオロ−1−[シス−3−(ヒドロキシエチル)シクロブチル]ウラシル
Figure 2008523098
AlCl(0.81g、6.2mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水アニソール3mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。N−PMB−5−フルオロ−1−[シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル]ウラシル(0.27g、0.62mmol)が中に入った別のフラスコ中、脱水アニソール2mLを加え、その後それにAlCl溶液をシリンジポンプによって室温でゆっくり加えた。添加完了後、混合物を冷却して0℃とし、脱水MeOHをゆっくり加えて、最終的に無色溶液を得た。次に、溶媒を除去し、生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、少量の三環式副生成物を含む白色固体(73.7mg、53.4%)を得た。H NMR(CDOD、300MHz):δ1.68〜1.74(m、2H)、1.86〜1.95(m、2H)、2.11〜2.20(m、1H)、2.48〜2.55(m、2H)、3.52〜3.59(m、2H)、4.57〜4.69(m、1H)、7.90〜7.93(d、J=6.9、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ10.02、10.93、15.94、18.55、26.78、36.15、37.49、40.11、47.47、53.57、61.10、62.87、127.81、128.14、131.01、131.35、140.70、143.01、151.84、152.19、160.41。MS(FAB):C1013FN(M+H)の予測値:229.22。実測値:229.09835。IR(無希釈)νmax3411、3187、3063、2934、1697、1473、1357、1272、1243、1043、899、807、751、704。
9−[シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
メシル酸トランス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル(0.50g、1.76mmol)、アデニン(0.35g、2.59mmol)およびCsCO(0.86g、2.64mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF8mLをアルゴン下に加えた。次に、加熱を開始して120℃とし、24時間後に溶媒を除去し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで直接処理して、所望の生成物0.24g(43%)を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.84〜1.92(m、2H)、2.16〜2.46(m、3H)、2.68〜2.80(m、2H)、3.48〜3.52(t、J=6.3、2H)、4.51(s、2H)、4.80〜4.92(m、1H)、7.88(s、1H)、8.35(s、1H)。MS(FAB):C1821O(M+H)の予測値:324.39。実測値:324.18195。IR(無希釈)νmax3398、2927、2862、1718、1453、1315、1276、1113、1071、1027、738、714、698。
9−[シス−3−(ヒドロキシエチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
9−[シス−3−(ベンジルオキシエチル)シクロブチル]アデニン(0.24g、0.74mmol)が中に入った10mLフラスコ中、脱水CHCl5mLを加えた。冷却して−78℃とした後、BCl(1.0M CHCl溶液、2.2mL、2.22mmol)を滴下した。これを昇温させて0℃とし、6時間後、7N NH/MeOH(2.6mL、18.3mmol)を加えることで反応停止し、溶媒をロータリーエバポレータによって除去した。粗取得物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで直接処理して、所望の生成物0.1g(58%)を得た。H NMR(CDOD、300MHz):δ1.75〜1.84(m、2H)、2.27〜2.44(m、3H)、2.71〜2.80(m、2H)、3.56〜3.62(m、2H)、4.82〜4.95(m、1H)、8.22(s、1H)、8.30(s、1H)。MS(FAB):C1115O(M+H)の予測値:234.27。実測値:234.13489。IR(無希釈)νmax3327、3184、2929、1648、1600、1574、1477、1416、1333、1305、1248、1045、798、720、648。
3−ブテニルオキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン
Figure 2008523098
3−ブテン−1−オール(5.9mL、67mmol)およびイミダゾール(5.19g、76.3mmol)が中に入った500mLフラスコ中、アルゴン下に脱水CHCl200mLを加えて無色溶液を得た。次に、TBDPSCl(14.8mL、57.8mmol)を滴下した。室温で10分間撹拌後、DMAP(0.3g、2.3mmol)を1回で加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、その後EtOおよびHOを加えた。分離した有機相をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して明黄色油状物(17.4g、97%)を得たが、それは次に段階に十分な純度のものである。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.05(s、9H)、2.29〜2.35(m、2H)、3.687〜3.731(t、J=6.6、2H)、5.00〜5.10(m、2H)、5.77〜5.90(m、1H)、7.36〜7.43(m、6H)、7.66〜7.69(m、4H)。
3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン
Figure 2008523098
活性化したばかりの亜鉛−銅合金(6.4g、98.5mmol)、3−ブテニルオキシ−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(10.1g、32.5mmol)、脱水1,2−DCE(16mL)および脱水ジエチルエーテル(120mL)の懸濁液をアルゴン下に250mL三頸フラスコ中で撹拌しながら、それにトリクロロアセチルクロライド(9.7mL、86.8mmol)をゆっくり加えた。反応物を緩やかな還流下に1日加熱した。生成物を濾過し、残留物をエーテルで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。軽石油エーテルを加え、混合物を高撹拌した。次に、上清を傾斜法で除去し、追加の軽石油エーテルを加えた。高撹拌後、上清を再度傾斜法で除去し、最初の上清と混合した。得られた溶液を飽和NaHCOで2回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して明黄色油状物を得て、それを次の段階で直接用いた。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.06(s、9H)、1.76〜1.87(m、1H)、2.12〜2.22(m、1H)、2.94〜3.02(m、1H)、3.06〜3.19(m、1H)、3.25〜3.34(m、1H)、3.70〜3.86(m、2H)、7.37〜7.47(m、6H)、7.64〜7.68(m、4H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.37、27.04、34.26、43.48、48.17、61.64、89.17、127.99、130.05、134.99、135.75、193.41。IR(無希釈)νmax2956、2930、2857、1810、1767、1472、1428、1391、1112、823、739、702。
3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)−シクロブタノン
Figure 2008523098
亜鉛末(15.7g、0.24mol)を3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン(17g、0.04mol)の氷酢酸(68mL)溶液に室温で加えた。反応物を60℃で1時間加熱し、その後冷却した生成物に脱水ジエチルエーテルを加えて、それを濾過した。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。残留物をCHClに溶かし、飽和NaHCOで2回および水で1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=12:1)によって精製して無色油状物を得た(6.2g、43.7%)。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.06(s、9H)、1.82〜1.87(m、2H)、2.48〜2.60(m、1H)、2.65〜2.71(m、2H)、3.07〜3.14(m、2H)、3.69〜3.73(t、J=6.0、6.4、2H)、7.37〜7.46(m、6H)、7.65〜7.73(m、4H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.37、26.76、27.06、39.02、52.87、62.87、127.91、129.88、129.92、133.86、208.89。IR(無希釈)νmax2957、2930、2857、1784、1472、1428、1388、1112、822、739、702。
シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)シクロブタノン(0.48g、1.36mmol)が中に入った50mLフラスコ中、脱水THF10mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。これを冷却して−78℃とし、しばらくしてからL−セレクトリド(1.0M THF溶液、1.6mL、1.63mmol)を滴下し、これを昇温させて室温とし、その後に飽和NaHCOによって反応停止した。その混合物を冷却して0℃とし、30%Hを滴下し、次にHOおよびEtOAcを加えた。有機相を分離し、HOで2回およびブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、無色油状物を得た(0.3g、61.8%)。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.04(s、9H)、1.40〜2.10(m、5H)、2.38〜2.47(m、2H)、3.58〜3.62(t、J=6.3、2H)、4.04〜4.14(m、1H)、7.34〜7.45(m、6H)、7.64〜7.67(m、4H)。
メシル酸シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)シクロブチル
Figure 2008523098
シス−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シロキシエチル)シクロブタノール(0.3g、0.85mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水CHCl17mLをアルゴン下に加え、次にEtN(0.6mL、4.25mmol)を加えた。5分後、反応混合物を冷却して0℃とし、MsCl(0.08mL、1.02mmol)を滴下した。0℃で1時間反応後、HOによって反応停止し、有機相を分離し、ブラインで1回で洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮して明黄色粗生成物を得た(0.22g、60.1%)。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.67〜1.74(m、2H)、1.84〜2.18(m、3H)、2.50〜2.60(m、2H)、2.96(s、3H)、3.59〜3.63(t、J=6.0、6.3、2H)、4.79〜4.89(m、1H)、7.34〜7.45(m、6H)、7.64〜7.67(m、4H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ19.37、24.21、27.04、37.45、38.51、39.62、62.21、71.52、127.88、129.87、133.95、135.75。
3−ブテニルオキシ−トリイソプロピル−シラン
Figure 2008523098
3−ブテン−1−オール(5.9mL、69mmol)およびイミダゾール(11.79g、172.5mmol)が中に入った250mLフラスコ中、アルゴン下に脱水DMF100mLを加えて、無色溶液を得た。TIPSCl(17.8mL、82.8mmol)を滴下した。反応混合物を室温で13.5時間撹拌し、その後2N HCl、HOおよびEtOAcを加えた。有機相を分離し、HOで1回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去によって明黄色油状物(14.95g、94.4%)を得て、それは次の段階に十分な純度のものである。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.00〜1.12(m、21H)、2.28〜2.34(m、2H)、3.72〜3.75(t、J=6.8、2H)、5.00〜5.10(m、2H)、5.80〜5.91(m、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.23、18.21、37.89、63.31、116.38、135.75。
3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン
Figure 2008523098
活性化したばかりの亜鉛−銅合金(12.9g、198.2mmol)、3−ブテニルオキシ−トリイソプロピル−シラン(14.95g、65.4mmol)、脱水1,2−DCE(32mL)および脱水ジエチルエーテル(200mL)の懸濁液を500mL三頸フラスコ中にてアルゴン下で撹拌しながら、それにトリクロロアセチルクロライド(19.5mL、174.7mmol)をゆっくり加えた。反応物を緩やかな還流下に1日間加熱した。生成物を濾過し、残留物をジエチルエーテルで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。軽石油エーテルを加え、混合物を高撹拌した。次に、上清を傾斜法で除去し、追加の軽石油エーテルを加えた。高撹拌後、上清を再度傾斜法で除去し、最初の上清と混合した。得られた溶液を飽和NaHCOで2回およびブラインで1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して明黄色油状物を得て、それを次の段階で直接用いた。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.06〜1.15(m、21H)、1.77〜1.89(m、1H)、2.13〜2.23(m、1H)、3.03〜3.20(m、1H)、3.22〜3.58(m、2H)、3.72〜3.90(m、2H)。
3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)−シクロブタノン
Figure 2008523098
3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)−2,2−ジクロロシクロブタノン(22.21g、65.4mmol)の氷酢酸(110mL)溶液に室温で、亜鉛末(25.5g、0.39mol)を加えた。反応物を60℃で1時間加熱し、その後冷却した生成物に脱水ジエチルエーテルを加え、それを濾過した。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下に濃縮した。残留物を塩化メチレンに溶かし、それを飽和NaHCOで2回および水で1回洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒を留去して油状生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=12:1)によって精製して、無色油状物を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.03〜1.08(m、21H)、1.80〜1.85(m、2H)、2.49〜2.60(m、1H)、2.71〜2.80(m、2H)、3.12〜3.21(m、2H)、3.74〜3.77(t、J=6.0、2H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.12、18.22、21.38、39.36、52.92、62.37、209.00。MS(FAB):C1530Si(M+H)の予測値:271.48。実測値:271.20887。IR(無希釈)νmax3053、2925、2866、1778、1462、1265、1103、1013、883、740、705。
シス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
シス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブタノン(0.78g、2.89mmol)が中に入った50mLフラスコ中、脱水THF 20mLをアルゴン下に加えて明黄色溶液を得た。これを冷却して−78℃とし、しばらくしてから、L−セレクトリド(1.0M THF溶液、3.5mL、3.47mmol)を滴下し、これを昇温させて室温とし、その後飽和NaHCOによって反応停止した。次に、混合物を冷却して0℃とし、30%Hを滴下し、次にHOおよびEtOAcを加えた。有機相を分離し、HOで2回およびブラインで1回洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1)によって精製して、無色油状物を得た(0.57g、72%)。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.00〜1.04(m、21H)、1.45〜1.54(m、2H)、1.59〜1.67(m、2H)、1.73〜1.83(m、1H)、2.39〜2.46(m、2H)、2.71(bs、1H)、3.58〜3.61(t、J=6.4、J=6.8、2H)、4.02〜4.10(m、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.11、18.16、22.70、39.92、40.43、61.94、64.15。MS(FAB):C1532Si(M+H)の予測値:273.50。実測値:273.22476。
4−ニトロ安息香酸トランス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル
Figure 2008523098
シス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブタノール(0.64g、2.3mmol)、4−ニトロ安息香酸(0.79g、4.6mmol)およびPhP(1.29g、4.83mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水THF10mLをアルゴン下に加えて無色溶液を得た。これを冷却して0℃とし、DIAD(1.0mL、4.83mmol)を滴下した。15時間後、揮発分を留去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1からヘキサン:EtOAc=12:1)によって精製して、少量のDIAD(0.96g、97.4%、R=0.48(ヘキサン:EtOAc=12:1))を不純物として含む黄色油状物を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.02〜1.07(m、21H)、1.74〜1.79(m、2H)、2.24〜2.33(m、2H)、2.35〜2.42(m、2H)、2.48〜2.60(m、1H)、3.67〜3.71(t、J=6.4、2H)、5.30〜5.38(m、1H)、8.19〜8.28(m、4H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.13、18.19、25.97、34.87、39.08、61.95、70.81、123.66、130.85、136.01、150.65、164.39。MS(FAB):C2235NOSi(M+H)の予測値:422.60。実測値:422.23608。IR(無希釈)νmax2942、2865、1725、1608、1530、1463、1349、1276、1103、882、720、681。
トランス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブタノール
Figure 2008523098
4−ニトロ安息香酸トランス−3−(イソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル(0.96g、2.28mmol)の1,4−ジオキサン(18mL)溶液を室温で撹拌しながら、NaOH水溶液(0.4mol/L、12mL、4.56mmol)を加えた。1時間後、AcOHを滴下した。5分後、反応混合物をロータリーエバポレータによって濃縮した。残留物をEtOAc(10mL)と飽和NaHCO(10mLで2回)との間で分配した。有機相をMgSOで脱水し、溶媒留去して明黄色油状物(0.57g、92.3%、R=0.23(ヘキサン:EtOAc=9:1))を得た。H NMR(CDCl、300MHz):δ1.00〜1.07(m、21H)、1.63〜1.70(m、2H)31.78(bs、1H)、1.99〜2.10(m、4H)、2.24〜2.38(m、1H)、3.61〜3.65(t、J=6.6、2H)、4.35〜4.44(m、1H)。13C NMR(CDCl、75MHz):δ12.23、18.29、24.24、38.05、39.37、62.27、66.82。MS(FAB):C1532Si(M+H)の予測値:273.50。実測値:273.22456。
メシル酸トランス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル
Figure 2008523098
トランス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブタノール(0.53g、1.94mmol)が中に入った100mLフラスコ中、脱水CHCl40mLをアルゴン下に加え、次にEtN(1.36mL、9.7mmol)を加えた。5分後、反応混合物を冷却して0℃とし、MsCl(0.18mL、2.33mmol)を滴下した。0℃で1時間反応後、HOを加えることで反応停止し、有機相を分離し、ブラインで1回で洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して明黄色粗生成物を得た(0.53g、77%、R=0.14(ヘキサン:EtOAc=9:1))。H NMR(CDCl、400MHz):δ1.01〜1.06(m、21H)、1.66〜1.71(m、2H)、2.19〜2.24(m、2H)、2.41〜2.51(m、3H)、2.97(s、3H)、3.64〜3.67(t、J=6.0、2H)、5.07〜5.14(m、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.10、18.19、25.39、35.45、38.49、38.58、61.87、75.03.MS(FAB):C1634SSi(M+H)の予測値:350.59。実測値:351.20221。IR(無希釈)νmax2943、2866、1463、1359、1265、1173、1108、909、735。
9−[シス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
メシル酸トランス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル(0.27g、7.7mmol)、アデニン(0.16g、1.18mmol)およびCsCO(0.38g、1.17mmol)が中に入った25mL三頸フラスコ中、脱水DMF 5mLをアルゴン下に加えた。加熱を開始して120℃とし、24時間後に、溶媒を除去し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで直接処理して、所望の生成物0.14g(47%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ0.99〜1.05(m、21H)、1.72〜1.78(m、2H)、2.15〜2.23(m、2H)、2.60〜2.79(m、3H)、3.67〜3.70(t、J=6.0、2H)、4.81〜4.90(m、1H)、6.37〜6.39(bs、2H)、7.88(s、1H)、8.31(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ12.08、18.17、26.60、37.03、39.84、45.86、61.64、138.76、140.09、150.07、152.91、155.93。MS(FAB):C2035OSi(M+H)の予測値:390.61。実測値:390.26828。IR(無希釈)νmax2942、2865、1670、1604、1571、1463、1415、1308、1246、1108、882、681、658。
9−[シス−3−(ヒドロキシルエチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
9−[シス−3−(トリイソプロピル−シロキシエチル)シクロブチル]アデニン(0.07g、0.18mmol)が中に入った25mLフラスコ中、脱水THF 1.5mLを加えて、完全に透明な明黄色溶液を得た。これを室温にてTBAF(1.0M THF溶液、0.36mL、0.36mmol)で処理した。1時間後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=5:1)で直接処理して、所望の生成物0.04g(90%)を得た。MS(FAB):C1115O(M+H)の予測値:234.27。実測値:234.13482。
2−(6−アミノ−プリン−9−イル)−4−ベンジルオキシメチル−シクロブタノン
Figure 2008523098
CrO(94mg、0.94mmol)が中に入った25mLフラスコ中、アルゴン下に脱水CHCl 2.2mLを加えた。これを冷却して0℃とし、ピリジン(0.15mL、1.88mmol)およびAcO(0.09mL、0.94mmol)をその順序で加えた。反応混合物を昇温させて室温とし、均一溶液が得られるまで撹拌を続けた。1−[トランス−2−ヒドロキシル−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン(101.9mg、0.31mmol)の溶液を滴下した。2時間40分反応後、粗生成物をシリカゲルフラスコクロマトグラフィー(CHClからCHCl:MeOH=10:1)で直接処理して、所望の生成物52.6mg(55.5%、R=0.21(CHCl:MeOH=20:1)を得た。H NMR(CDCl、600MHz):δ2.59〜2.63(m、1H)、2.87〜2.93(m、1H)、3.60〜3.66(m、1H)、3.73〜3.76(m、1H)、3.95〜3.97(m、1H)、4.54〜4.60(m、2H)、5.79〜5.82(t、J=9.0、1H)、6.53(bs、2H)、7.27〜7.37(m、5H)、7.81(s、1H)、8.25(s、1H)。13C NMR(CDCl、150MHz):δ24.29、56.10、63.31、66.85、73.71、118.76、127.89、128.11、128.69、137.70、139.01、149.45、153.01、155.88、203.11。MS(FAB):C1717(M+H)の予測値:324.35。実測値:324.14557。IR(無希釈)νmax3335、3196、1790、1648、1601、1477、1420、1365、1331、1302、1253、1114、1027、910、732、698。
9−[2−α,β−フルオロ−シス−3−(ベンジルオキシメチル)シクロブチル]アデニン
Figure 2008523098
2−(6−アミノ−プリン−9−イル)−4−ベンジルオキシメチル−シクロブタノン(47.2mg、0.15mmol)が中に入った25mLフラスコ中、アルゴン下に脱水CHCl 5mLを加えて明黄色溶液を得た。5分間撹拌した後、DAST(0.11mL、0.9mmol)を滴下して、若干暗黄色の溶液を得た。これをその温度で48時間撹拌し、その後、飽和NaHCO 1mLを加えることで反応停止し、追加のCHClで希釈した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、溶媒留去して粗生成物を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=20:1)によって精製して、所望の生成物3.5mgを得た(7%、R=0.28(CHCl:MeOH=20:1))。H NMR(CDCl、400MHz):δ2.18−2.26(m、1H)、2.61〜2.71(m、1H)、3.03〜3.12(m、1H)、3.70〜3.83(m、2H)、4.55〜4.62(m、2H)、5.35〜5.45(m、1H)、5.72(bs、2H)、7.30〜7.40(m、5H)、7.93〜7.94(d、J=4.0、1H)、8.37(s、1H)。13C NMR(CDCl、100MHz):δ23.44〜23.63(d、J=19)、41.80〜42.21(t、J=21)、53.02〜53.48(dd、J=26)、66.08〜66.15(d、J=7.0)、73.62、118、119.39、120.90、123.66、137.87、139.37〜139.41(d、J=4.0)、150.43、153.45、155.59。19F NMR(CDCl、376MHz):δ−131.70〜(−131.11)(td、J=194.2、14.3、1F)、−86.80〜(−86.22)(qd、J=194.5、8.2、1F)。MS(FAB):C1717O(M+H)の予測値:346.35。実測値:346.14743。IR(無希釈)νmax3330、3179、1648、1599、1474、1454、1422、1366、1334、1294、1249、909、734。
抗HIV活性
下記のシクロブチルヌクレオシド化合物について、標準的な手順に従って、それらの抗HIV活性およびPBM細胞での細胞毒性を評価した。
Figure 2008523098
DLS−206、DLS−207およびDLS−223が、有意なHIV−RT阻害を示した(表6)。DLS−194、DLS−195、DLS−196、DLS−197、DLS−208、DLS−209、DLS−210、DLS−211、DLS−212、DLS−221およびDLS−222は、このアッセイではHIV RT阻害に関しては活性を持たなかった(EC50>100μM)。
Figure 2008523098
以上、好ましい実施形態を参照しながら、本発明について説明した。本発明についてのの詳細な説明から、当業者には本発明の変形態様および修正は明らかであろう。これら全ての変形態様および修正は本発明の範囲に包含されるものである。
3TCと比較した、本発明のシクロブチルヌクレオシドを用いたウィルス溶解物からの野生型HIV逆転写酵素(RT)の阻害を示す棒グラフである。 3TCと比較した、本発明のシクロブチルヌクレオシドを用いたウィルス溶解物からのHIV逆転写酵素(RT)のM184I突然変異株の阻害を示す棒グラフである。 3TCと比較した、本発明のシクロブチルヌクレオシドを用いたウィルス溶解物からのHIV逆転写酵素(RT)のM184V突然変異株の阻害を示す棒グラフである。

Claims (39)

  1. 下記式(I)〜(IV)のシクロブチルヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体。
    Figure 2008523098
    [式中、
    塩基は、プリンまたはピリミジン塩基であり;
    Zは、独立にH;リン酸;P(O)Z′Z″、CHP(O)Z′Z″、アシル、アルキル、スルホン酸エステル、スルホニルおよびベンジル(ベンジルのフェニル基は置換されていても良い)、脂質、アミノ酸、炭水化物、ペプチド、コレステロールまたはイン・ビボで投与した時にZが独立にHもしくはリン酸である化合物を提供することができる他の製薬上許容される脱離基であり;
    Z′およびZ″はそれぞれ独立に、OH、Oアルキル、Oアリール、アルキル、アリール、SH、Sアルキル、Sアリール、NH、モノもしくはジ−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−アリールアミノまたはアミノ酸残基であり;
    Aは、O、SまたはCHであり;あるいは代わりに
    Aは、ZがP(O)Z′Z″またはCHP(O)Z′Z″である場合には共有結合であることができ;
    、RおよびRは独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、CF、2−Br−エチル、低級アルケニル、ハロゲン化低級アルケニル、Br−ビニル、低級アルキニル、ハロゲン化低級アルキニル、ハロ、シアノ、アジド、NO、NH、−NH(低級アルキル)、NH(アシル)、N(低級アルキル)、−N(アシル)、ヒドロキシ、OZ、O(低級アシル)、O(低級アルキル)、O(アルケニル)、C(O)O(アルキル)、C(O)O(低級アルキル)であり;あるいは代わりに、
    とRが一体となって=CHまたは=CHYであり;あるいは代わりに、
    およびRが一体となって、RがHの場合はRはCHOH以外であり、RがHの場合はRはCHOH以外であるようにして、エポキシド環などの3員の炭素環または複素環を形成することができ;
    Xは、CH、CHYまたはSであり;ならびに
    Yは独立に、H、メチル、ハロゲン化メチル、CF、ハロゲン、N、シアノまたはNOである。]
  2. ZがH以外である請求項1のヌクレオシド。
  3. およびRの両方がHであることがない請求項1のヌクレオシド。
  4. 塩基がピリミジンである請求項1のヌクレオシド。
  5. ピリミジンが5−フルオロシチジンである請求項4のヌクレオシド。
  6. 塩基がプリンである請求項1のヌクレオシド。
  7. プリンがグアニンまたはアデニンである請求項6のヌクレオシド。
  8. ヌクレオシドが、
    Figure 2008523098
    からなる群から選択される請求項1のヌクレオシド。
  9. ヌクレオシドが、
    Figure 2008523098
    [式中、各OHはOZによって置換されていても良い。]
    からなる群から選択される請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体。
  10. 塩基がピリミジンである請求項9のヌクレオシド。
  11. ピリミジンが5−フルオロシチジンである請求項10のヌクレオシド。
  12. 塩基がプリンである請求項9のヌクレオシド。
  13. プリンがグアニンまたはアデニンである請求項12のヌクレオシド。
  14. ZがH以外である請求項9のヌクレオシド。
  15. ヌクレオシドが、
    Figure 2008523098
    [式中、各OHはOZで置換されていても良い。]
    からなる群から選択される請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体。
  16. 塩基がピリミジンである請求項9のヌクレオシド。
  17. ピリミジンが5−フルオロシチジンである請求項10のヌクレオシド。
  18. 塩基がプリンである請求項9のヌクレオシド。
  19. プリンがグアニンまたはアデニンである請求項12のヌクレオシド。
  20. ヌクレオシドが、
    Figure 2008523098
    [式中、各OHはOZで置換されていても良い。]
    からなる群から選択される請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体。
  21. 塩基がピリミジンである請求項14のヌクレオシド。
  22. ピリミジンが5−フルオロシチジンである請求項15のヌクレオシド。
  23. 塩基がプリンである請求項14のヌクレオシド。
  24. プリンがグアニンまたはアデニンである請求項17のヌクレオシド。
  25. ヌクレオシドが、
    Figure 2008523098
    からなる群から選択される請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくは互変異体。
  26. 塩基がピリミジンである請求項19のヌクレオシド。
  27. ピリミジンが5−フルオロシチジンである請求項20のヌクレオシド。
  28. 塩基がプリンである請求項19のヌクレオシド。
  29. プリンがグアニンまたはアデニンである請求項22のヌクレオシド。
  30. ヌクレオシドが、適切な細胞に基づくアッセイで調べた場合の50%ウィルス阻害を達成する上での有効濃度(EC50)、15μM未満を有する請求項1のヌクレオシド。
  31. ヌクレオシドがエナンチオマー富化されたものである請求項24のヌクレオシド。
  32. 製薬上許容される担体または希釈剤とともに抗ウィルス的に有効量の請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
  33. 製薬上許容される担体または希釈剤とともに、そして1以上の他の抗ウィルス的に有効な薬剤と組み合わせて、抗ウィルス的に有効量の請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
  34. 治療を必要とする哺乳動物に対して、場合により製薬上許容される担体または希釈剤とともに、抗ウィルス的に有効量の請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグを投与する段階を有する哺乳動物においてウィルス感染を治療する方法。
  35. 感染がHIV感染である請求項28の方法。
  36. 哺乳動物がヒトである請求項28の方法。
  37. 哺乳動物におけるウィルス感染治療方法での、場合により製薬上許容される担体または希釈剤中における、請求項1のヌクレオシドまたはそれの製薬上許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
  38. 感染がHIV感染である請求項31の使用。
  39. 哺乳動物がヒトである請求項31の使用。
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