JP2008521818A - ケラチノサイト機能を調節するための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで用いる用語「宿主」または「生物」は、ヒトも、哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマなど)も、皮膚の状態/疾病の治療が必要な他の現生種も含む。現生生物は、例えば単個真核細胞ほども単純である場合もあり、哺乳動物ほども複雑である場合もある。さらに、「組成物」は、下で説明するような、1つ以上の化合物を含むことができる。
ホスホリパーゼD
ホスホリパーゼD(PLD)は、成長、分化、小胞輸送および細胞骨格再配列を含む多数の細胞プロセスに関係付けられている脂肪分解酵素である。PLDは、ホスファチジルコリンの加水分解を触媒して、ホスファチジン酸(PA)およびコリンを生じさせる。PAおよびこの代謝産物、ジアシルグリセロールおよびリソホスファチジン酸は、多数の生理事象に関与している。第一アルコールの存在下、PLDは、ホスファチジル基転移反応を触媒して、ホスファチジルアルコールを生じさせる。このメカニズムに従って、PLDは、生理的第一アルコールグリセロールの存在下でホスファチジルコリンを代謝して、ホスファチジルグリセロール(PG)を生じさせることができる。PLDの反応を図2に示す。
アクアポリンは、小さな膜貫通型水および/またはグリセロールチャネルの一ファミリーである。現在、11の哺乳動物アクアポリン(AQPO−IO)が、同定および特性付けされている。これらの構造および機能特性に従って、アクアポリンは、2つのサブグループ(水のみを輸送する「アクアポリン」、および水とグリセロールの両方を輸送することができる「アクアグリセロポリン」)に分けることができる。アクアグリセロポリンサブグループに属するAQP3は、水の比較的弱い輸送体であるが、グリセロールの有効な輸送体である。AQP3は、尿管、消化管および気道ならびに表皮を含む様々な組織からの、腎臓採取細胞、赤血球、樹状細胞および上皮細胞において発現される。表皮、気管および鼻咽頭上皮では、AQP3は、表皮の基底細胞中に存在する。
本開示の発明者らは、ケラチノサイトでは、AQP3およびPLD2が、カベオリンリッチな膜マイクロドメインにおいて会合すること、ならびにAQP3グリセロールチャネルが、正常な表皮機能にとって重要であることを、以前に証明した(Zheng,X.and Bollag,W.B.(2003)J.Invest.Dermatol,121,1487−1495(これは、本明細書に参考として組み込まれる。))。小窩は、電子顕微鏡により原形質膜における直径50〜100nmのフラスコ形陥入として特性付けられている、脂質ラフトマイクロドメインのサブセットである。カベオリン1は、小窩内で同定された最初の構造タンパク質成分であり、機能的に、広範なシグナル伝達プロセスに関係付けられている(Smartら、1999)。加えて、カベオリン1は、ケラチノサイト内の層状体と会合することが、最近、証明された(Sandoら、2003)。
本開示の実施形態は、PLD2/AQP3/グリセロール/PGシグナル伝達モジュールの様々な成分の量および/または活性を調節することにより、ケラチノサイト機能、特に増殖、を調節する方法を含む。本開示の一定の実施形態において、ケラチノサイトの増殖は、ケラチノサイトにより生産される、またはケラチノサイトと接触しているPG、またはこの機能性誘導体の量を調節することによって正常化する。本開示の実施形態において、ケラチノサイトと接触している、またはケラチノサイトによって生産されるPGの量の調節は、皮膚細胞成長減速または増殖不足状態にある皮膚細胞の増殖を刺激すること、および成長増加または増殖亢進状態にある皮膚細胞の増殖の減少させることによって、ケラチノサイト増殖を正常化する。
本開示の医薬組成物および剤形の実施形態は、PG、PGの医薬的に許容される塩もしくはこの機能性誘導体、またはこの医薬的に許容される多形、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水またはその非晶質形態を含む。本開示の医薬組成物の実施形態は、グリセロールまたはこの機能性誘導体も含むことがある。グリセロールは、PGの生成のためにPLD2の基質として作用するので、グリセロールは、ホスファチジン酸(PA)をダウンレギュレートするさらなる効果を有し、下の実施例で実証するように、このPAも、ケラチノサイトの調節においても一定の役割を果たし得る。プロピレングリコールを含む(しかし、これに限定されない。)グリセロールの機能性誘導体は、PG機能性誘導体の生成増加においても、PAの生成の下方制御においても、グリセロールと同じまたは同様の効果を有する。
本開示の局所剤形としては、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、シャンプー、スプレー剤、エーロゾル、溶液、エマルジョン、および当業者には公知の他の剤形が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton,Pa.(1990);and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea & Febiger,Philadelphia,Pa.(1985))。噴霧不能局所剤形については、局所適用に適合した担体または1つ以上の賦形剤を含み、好ましくは水より大きい動粘性率を有する、粘性から半固体または固体形態が、一般に利用される。適する調合物としては、所望される場合には、滅菌されているか、様々な特性(例えば、浸透圧など)に影響を及ぼすように助剤(例えば、保存薬、安定剤、湿潤剤、緩衝剤または塩)と混合されている、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏、粉末、リニメント剤および膏薬などが挙げられるが、これらに限定されない。他の適する局所剤形としては、噴霧可能エーロゾル製剤が挙げられ、この場合、活性成分は、好ましくは固体または液体不活性担体と併わせて、加圧揮発性物質(例えば、ガス状噴射剤、例えばフレオン)との混合物で、またはスクイーズボトルの中にパッケージングされる。所望される場合には、医薬組成物および剤形に、潤い付与剤または保湿剤も添加することができる。このような追加成分の例は、当分野では周知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Mack Publishing,Easton,Pa.(1990))。
さて、ケラチノサイトの機能および/または増殖を調節および/または正常化するための組成物および方法、ケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールレベルを調節する方法、ならびに皮膚の状態を治療するための方法および組成物の実施形態を一般に説明してきたが、以下の実施例では、ケラチノサイトの機能および/または増殖を調節および/または正常化するための組成物および方法、ケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールレベルを調節する方法、ならびに皮膚の状態を治療するための方法および組成物の一定の実施形態を説明する。実施例1から3ならびに対応する本文および図との関連で、このような実施形態を説明するが、これらの説明に本開示の実施形態を限定する意図はない。これどころか、本意図は、本開示の実施形態の精神および範囲に含まれるすべての代案、変形および等価物を包含することである。
PLD−2を過発現するSf9昆虫細胞から得た膜は、米国、カリフォルニア州のOnyx Pharmaceuticalsによって提供されたものであった。[3H]オレイン酸、[3H−パルミトイル]ホスファチジルコリン、[3H]グリセロール{製品が打ち切られたので、3つの異なる形態を使用した。[1,2,3−3H]グリセロール(200mCi/mmolの相対活性強度)、[1,2,3−3H]グリセロール(40〜80mCi/mmolの相対活性強度)および[2−3H]グリセロール(200mCi/mmolの相対活性強度)}ならびに[1,3−14C]グリセロールは、NEN/DuPont(米国、マサチューセッツ州、ボストン)から入手した。ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ならびにホスファチジルエタノール、ホスファチジン酸およびホスファチジルグリセロールの標準物質は、Avanti Polar Lipids(米国、アラバマ州、アラバスター)から購入した。ホスファチジルイノシトール4,5−ビスリン酸は、Calbiochem(米国、カリフォルニア州、サンディエゴ)またはSigma(米国、ミズーリ州、セントルイス)から入手した。カルシウム不含MEMおよび抗生物質は、Biologos,Inc.(米国、イリノイ州、Maperville)から購入した。ウシ脳下垂体エキス、表皮成長因子およびHEPES溶液(1M、pH7.4)は、Gibco BRL(米国、ニューヨーク州、グランドアイランド)から入手した。ITS+は、Collaborative Biomedical Products(米国、マサチューセッツ州、ベッドフォード)によって供給され、Atlanta Biologicals(米国、ジョージア州、アトランタ)がウシ胎仔血清を透析した。濃縮ゾーンを有するSilica gel 60 TLC プレートは、EM Science(米国、ニュージャージー州、ギブスタウン)から入手した。慣例に従って、他の試薬は、標準的な供給業者から入手し、これらは、入手できる最高グレードのものであった。
[3H−パルミトイル]ホスファチジルコリンを基質として用いて、PLD−2の活性をインビトロで測定した。R.D.Griner,F.Qin,E.M.Jung,CK.Sue−Ling,K.B.Crawford,R.Mann−Blakeney,RJ.Bollag,W.B.Bollag,1,25−Dihydroxyvitamin D3 induces phospholipase D−1 expression in primary mouse epiermal keratinocytes,J.Biol.Chem.274(1999)4663−4670(本明細書に参考として組み込まれる。)に記載されているように、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルイノシトール4,5−ビスリン酸から調製した脂質小胞に、放射標識ホスファチジルコリンを組み込んだ。グリセロールおよび/またはエタノールをこれらのリポソームと併せ、米国、カリフォルニア州、リッチモンドのOnyx Pharmaceuticalsによって提供されたPLD−2過発現Sf9細胞膜の添加により反応を開始させた。その後、37℃で30分間、反応を進行させた後、5mM EDTAを含有する0.2% SDSの添加により反応を停止させた。Bligh and Dyerの方法に従って脂質を抽出し、W.B.Bollag,「Measurement of phospholipase D activity,Methods」,MoI.Biol.105(1998)151−160(本明細書に参考として組み込まれる。)に記載されているとおり、放射標識リン脂質を分離し、定量した。
日齢1〜3日の新生子ICRマウスから、皮膚のトリプシン浮上分離法および表皮と真皮の機械分離後、1次表皮ケラチノサイトを調製した。表皮細胞を擦過により剥離させ、遠心分離により回収し、25μM カルシウム、2% 透析ウシ胎仔血清、2mM グルタミン、5ng/mL EGF、ITS+(6.25μg/mL インスリン+6.25μg/mL トランスフェリン+6.25ng/mL 亜セレン酸+5.35μg/mL リノール酸+1.25% ウシ血清アルブミン)、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシンおよび0.25μg/mL フンギゾンを含有するMEMから成る培地中、6ウエルシャーレにプレーティングした。一晩、インキュベートした後、これらの細胞に、2% 透析ウシ胎仔血清を90μg/mL ウシ脳下垂体エキスに替えた無血清ケラチノサイト培地(SFKM)を再供給した。1〜3日ごとに新たな培地を細胞に再供給した。
PLDアッセイのために、培養1次ケラチノサイトを、20〜24時間、2.5μCi/mL [3H]オレイン酸で標識した。その後、0.5% エタノールの存在下、ビヒクルまたは100nM PMAに、30分間、これらの細胞を暴露した。放射標識ホスファチジルグリセロールの形成を測定するために、ビヒクル、250nM 1,25−ジヒドロキシビタミンD3または125μM カルシウムを含有するSFKMで、24時間、細胞を処理し、その後、さらに30分間、1〜2.5μCi/mL [3H]または0.4〜0.5μCi/mL [14C]グリセロールで標識した。PG形成の細胞外カルシウム依存性を調査する実験については、様々なカルシウム濃度を含有するSFKM中で、24時間、細胞をインキュベートした後、30分にわたって5μCi/mL [3H]グリセロールを添加した。場合により、25μM カルシウム(対照)含有または125μM カルシウム含有SFKMで、24時間、細胞を刺激した後、1% エタノールが存在するおよび不在の状態の[14C]グリセロールを添加した。PMAに応じてのホスファチジルグリセロール形成を測定するために、未標識細胞を、上のように、放射標識グリセロールの存在下、100nM PMAで刺激した。反応を停止させ、放射標識ホスファチジルアルコールを抽出し、薄層クロマトグラフィーによって分離し、上で言及したBollag(1998)による記載のとおりに定量した。
対照(25μM カルシウム)または125μM カルシウム含有培地で、24時間、前処理したケラチノサイトを、さらに30分間、0.4〜0.5μCi/mL [14C]グリセロールに暴露した。上で説明したように、脂質をクロロホルム/メタノールに抽出した。乾燥させた脂質抽出物を、その後、広範にボルテックスし、37℃で短時間インキュベートすることにより、ホスホリパーゼ緩衝液(100mM Tris(pH7.4)、6mM MgCl2+0.1% Triton−XIOO)に可溶化し、各抽出物の約半分を清浄な試験管に移した。その後、蒸留水(未処理)、または蒸留水で稀釈した1 IU/mL(最終濃度)のストレプトミセス・クロモフスカス PLD(Streptomyces chromofuscus PLO)(ミズーリ州、セントルイスのSigma)(PLD−処理)を、脂質抽出サンプルの各々の添加し、これらを37℃で60分間、インキュベートした。その後、放出されたヘッドグループを、本質的にはFolch.J.Rolch,M.Lees,G.H.S.Stanley,「A simple method for the isolation and purification of total lipides from animal tissues」,J.Biol.Chem.226(1957)497−509(本明細書に参考として組み込まれる)の方法に従って、水性相への抽出によりリン脂質と分離した。簡単に言うと、75μL 反応混合物を1.5mLのクロロホルム/メタノール(2:1 容量:容量)で稀釈し、その後、300μLの0.05M NaClを添加した。その後、上部水性層の一部を回収し、液体シンチレーションスペクトル分析により定量した。この水性層におけるPLD放出放射活性を、PLD処理サンプルに放出された量−対応する未処理サンプルにおいて検出された量として計算した。他の実験では、PGを、上で説明したように薄層クロマトグラフィーによって脂質抽出物から先ず単離し、ヨウ素蒸気で可視化した。クロロホルム/メタノール(2:1 容量:容量)を使用して薄層プレートからPGを抽出し、窒素下で乾燥させた。その後、この単離されたPGを可溶化し、細菌性PLDとともにまたは伴わずにインキュベートし、上のように抽出した。カウンティングのために水性アリコートを除去した後、残りの水性相を吸引し、有機相を窒素下で乾燥させた。その後、この脂質抽出物を薄層クロマトグラフィーによって分離し、サンプル中のPGおよびホスファチジン酸を、上のように定量した。
集密1次ケラチノサイトを、30、60、90、120、300または600秒間、20mM HEPES(さらなるpH緩衝のため)、1μCi/mL [3H]グリセロールおよび0.1% DMSO(対照)または100nM PMAを含有するSFKMとともにインキュベートした。二価カチオン不含の氷冷リン酸緩衝生理食塩水で3回洗浄することにより、反応を停止させた。その後、これらの細胞を0.3M NaOHに可溶化し、この抽出物のアリコートを液体シンチレーションカウンティングに付した。各時点での二重重複サンプルから得られたカウントを平均し、グラフにし、各条件について一次方程式を決定した。得られた相関係数は、典型的に、0.99以上であった(対照についての平均相関係数は、0.992±0.002であり、PMAについては、0.994±0.001であった)。多数の実験から得られた傾きを平均し、条件間の有意差について統計解析した。
平均値間の差の有意性は、プログラム Instat(カリフォルニア州、サンディエゴのGraphPad Software)により行う分散分析(ANOVA)を用いて判定した。
PLD−2は、インビトロでのホスファチジル基転移反応に第一アルコールとしてグリセロールを利用する(応答の特性付け)
無傷細胞において、PLDは、ホスファチジン酸を形成するにリン脂質の加水分解ばかりでなく、第一アルコールの存在下、ホスファチジルアルコールを生成させるホスファチジル基転移反応も触媒するユニークな特性を有する。従って、ホスファチジルアルコールの生成は、PLD活性の尺度として用いられている。一般には、エタノールまたは1−ブタノールなどの第一アルコールが使用される。これは、細胞によって容易に代謝されない新規ホスファチジルアルコールを生成させるからである。無傷細胞での以前の研究は、生理的第一アルコール、グリセロールも、ホスファチジル基転移反応のための基質としての役割を果たすことができることを示唆していた。PLD2過発現Sf9膜を使用して、グリセロールがインビトロでPLD2のための基質でであるかどうかを調査した。図5Aに示すように、PLD2は、グリセロールの存在下、ホスファチジルコリンからのPGの形成を触媒した。この形成は、この反応混合物中のグリセロールの濃度に依存し(図5A)、添加するPLD2の量およびインキュベーション時間にも依存した(データは示さない)。さらに、グリセロールは、第一アルコールエタノールと競合して、ホスファチジルエタノールの代わりにPGを生成させることができた(図5B)。PLD−Iが、グリセロールの存在下、インビトロでPGを生成させることも観察された(データは示さない)。
本発明者らは、ケラチノサイト分化剤、1,25−ジヒドロキシビタミンD3が、24時間暴露後、PLD−Iの発現および活性を増加させることを以前に証明した(上で言及したGrinerら参照)。この実験では、[3H]グリセロールの添加前、24時間にわたって前処理した細胞におけるホスファチジルグリセロールの形成に対する、ケラチノサイトの分化を引き起こす1,25−ジヒドロキシビタミンD3および他の物質、高細胞外カルシウムレベルの効果を調査した。以前の結果に基づき、1,25−ジヒドロキシビタミンD3は、PLD−Iの活性および発現を刺激する物質であるので、PGの生成を増加させると予想した。意外にも、1,25−ジヒドロキシビタミンD3への暴露は、対照細胞を基準にして、放射標識PGの形成を増加させず、実際、むしろ、明らかな減少が観察された(図6)。一方、125μM カルシウム含有培地での前処理は、その後のPG生成の増加を誘導した(図6)。この結果は、高いカルシウムがPLDの活性化を誘導する可能性、またはグリセロール−3−リン酸をCDP−ジアシルグリセロールに付加させるメカニズムなどの他の経路がPG合成に関係している可能性を示唆していた。
高細胞外カルシウムレベルは、ケラチノサイトの様々な分化段階を濃度依存的に誘導する。100〜125μMの範囲のカルシウム濃度は、ケラチン−1、初期(有棘層)分化のマーカー、の発現を刺激するのに対し、より高い濃度は、後期分化のマーカー、例えばトランスグルタミナーゼ活性、を誘導する。従って、ここでは、PG生産に対する高細胞外カルシウムレベルの効果の用量依存性を調査した。[25μM(対照)から1mMの範囲にわたる]高細胞外カルシウム濃度に応じてのPG形成は、二相性の用量依存性を示した(図7A)。従って、放射標識PG形成の最大刺激が、125μM カルシウムで観察され、カルシウム濃度が高くなるにつれて徐々に低下した。
図6Aにおいて観察されるように、高細胞外カルシウム濃度は、PGの合成ばかりでなく、ホスファチジルコリンおよびホスファジン酸の合成の増加も誘導するようであった。従って、カルシウムは、一般的なリン脂質合成を増進させて、リン脂質のヘッドグループへではなく骨格へのグリセロールの組み込みを刺激した可能性があり、従って、PG合成増加は、PLD活性とは無関係に発生する可能性があった。エタノールおよびグリセロールは、両方とも、ホスファチジル基転移反応のための基質として作用する(図5B)ので、エタノールを使用して、高細胞外カルシウム濃度により惹起されるPG形成刺激が、PLDの活性化によって発生するのかどうかを判定した。[14C]グリセロールでPG生成を開始させる数分前に125μM カルシウムで前処理したケラチノサイトに、エタノール(1%)を添加した。図9に示すように、エタノールは、高細胞外カルシウムレベルへの事前暴露により刺激されたPG形成を有意に阻害したが、基礎(対照)PG生成には影響を及ぼさなかった。グリセロールと競合するエタノールの能力は、すべてではないかもしれないが一部は、高いカルシウム濃度により刺激されたPGの形成が、PLD活性強化の結果であることを示唆している。
無傷細胞における持続性PLD活性とケラチノサイト分化の両方を誘導することが知られているもう1つの物質は、ホルボールエステル、PMAである。従って、PG形成に対するPMAの効果を判定した。実際、PMAは、[3H]オレエートを予め標識しておいたものにおける放射標識ホスファチジルエタノールの形成を尺度として用いてモニターしところ、PLD活性の大きな増加(p<0.02)を刺激した(図11、左)にもかかわらず、PG生成の有意な(対応のないスチューデントt−検定により、p<0.01)減少を惹起した(図11、右)。放射標識PG生成を阻害するPMAの能力は、PMAにより媒介されるグリセロール取り込み減少の結果であり得る。100nM PMAの存在下および不在下での[3H]グリセロールとケラチノサイトの同時インキュベーションは、10分にわたって測定したが、グリセロール取り込みに対する有意な効果を惹起しなかった(図11)。ならびに「方法」および参考文献[25]における記載のとおり判定して、1.00の対照値に対してPMAの傾き値 0.998±0.009倍;n=3)。しかし、5分間の放射標識グリセロールの添加前のビヒクルまたはPMAでの30分間のケラチノサイトの前処理は、PMAにより誘導されるグリセロール取り込み減少を生じさせ(図12)、これは、発現に(10分より長い)時間を要するグリセロール輸送に対するホルボールエステルの効果を示唆していた。1,25−ジヒドロキシビタミンD3がPG形成を増加できないこととともに、これらの結果は、PGの生成が、PLD活性化の普遍的で当然な結果ではないことを示唆している。
PLDに関して、興味深い、有用な発見をした。ホスファチジル基転移反応における新規ホスファチジルアルコールの生成に第一アルコールを利用するこの能力。これらの特性は、PLD活性を特異的に測定するためおよびPLD媒介シグナル生成を阻害するためにシグナル伝達の研究者に利用される。しかし、本データは、PLDが、非生理アルコールを利用するこの能力を保持するための生理アルコール、グリセロールが存在することを実証している。実際、インビトロ実験において、PLD2は、ホスファチジル基転移反応のための基質としてグリセロールを利用できることが実証されている(図5)。さらに、これらの結果は、ホスファチジル基転移反応にグリセロールを利用することにより、PLDが、潜在的脂質シグナル伝達分子、PGを生じさせることを実証している。
ケラチノサイト調製および細胞培養
ケラチノサイトは、ICR CD−I 非近交系交配マウスから、研究機関内動物管理使用委員会(the Institutional Animal Care and Use committee)により承認されたプロトコルに従って調整した。簡単に言うと、皮膚を回収し、一晩、0.25% トリプシン中、4℃でインキュベートした。表皮と真皮を分離し、基底ケラチノサイトをこの表皮の下側からかき落とした。遠心分離により細胞を回収し、Dodd,M.E.,Ristich,V.L.,Ray,S.,Lober,R.M.and Bollag,W.B.(In press)J.Invest.Dermatol(本明細書に参考として組み込まれる)に記載されているようなプレーティング培地中で一晩、95% 空気/5% 二酸化炭素の雰囲気下、37℃でインキュベートした。このプレーティング培地を、同じくDoddらに記載されているような無血清ケラチノサイト培地(SFKM)に替え、使用するまで1〜2日ごとに新たな培地を細胞に供給した。
ほぼ集密のケラチノサイト培養物を、SFKM(25μM カルシウム)、または125μM カルシウムを含有するSFKM(125μM Ca2+−SFKM)中で24時間、インキュベートし、Zheng & Bollag(2003)に以前に記載されたとおりグリセロール取り込みアッセイを行った。簡単に言うと、細胞を、20mM HEPES(さらなるpH緩衝のため)および1μCi/mL [3H]グリセロールを含有するSFKMとともに、5分間[この時点が、[3H]グリセロール取り込みの線形範囲内にあることが以前に証明されている(Zheng & Bollag(2003))ので]、インキュベートした。二価カチオン不含の氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS−)での3回の迅速な洗浄により反応を停止させた。その後、これらの細胞を0.3M NaOHに可溶化し、[3H]グリセロール取り込みを液体シンチレーションスペクトル分析により定量した。
ほぼ集密のケラチノサイトを、SFKM(25μM カルシウム)、または125μM カルシウムを含有するSFKM(125μM Ca2+−SFKM)中で24時間、インキュベートした後、0.5から1μCi/mL [14C]グリセロールを10分にわたって添加し、PG合成を[6]におけるがごとく判定した。簡単に言うと、放射標識PGをクロロホルム/メタノールに抽出し、Zheng,X.,Ray,S.and Bollag,W.B.(2003)Biochim.Biophys.Acta,1643,25−36(本明細書の参考として援用されている)に記載されているとおりシリカゲル60プレートでの薄層クロマトグラフィーによって分離した。
共形質移入実験は、pcDNA3空ベクターまたはAQP3をプロセッシングする構築物を1ng、ケラチン5、ケラチン10またはインボルクリンのプロモーターがルシフェラーゼの発現を発動するレポーター構築物のうちの1つを1ng、および形質移入効率を正常化するためのpRL−SV40 コントロールベクター(Promega Dual Luciferase Repoter Assay kitに含まれているもの)を0.25ng使用して行った。ケラチン5およびケラチン10プロモーター−ルシフェラーゼ構築物は、Dr.Bogi Andersen(カリフォルニア州、アーヴィンのUniversity of California)によって提供され、インボルクリンプロモーター−ルシフェラーゼ構築物は、Dr.Daniel Bikle(カリフォルニア州、サンフランシスコのUniversity of California)によって提供された。TransItKeratinocyteをこの製造業者の説示に従って使用して、亜集密(約30%)ケラチノサイトをトランスフェクトした。24時間後、25μM(対照)または1mM−Ca2+を含有する培地をさらに24時間にわたって細胞に供給した。その後、Dual Luciferase Reporter Assay kit(ウィスコンシン州、マディソンのPromega)をこの製造業者による指図どおりに使用して、ルシフェラーゼ活性を測定した。
上述のGrinerらの以前の記載のとおり、DNA合成の尺度としてDNAへの[3H]チミジン組み込みを判定した。ほぼ集密のケラチノサイト培養物を、示した添加物を含有するSFKM中で24時間、インキュベートした。SFKN中の乾燥PGのバス超音波処理(bath sonication)により調製したリポソームの形態でPGを添加して、2mg/mLの原液を作った。その後、1μCi/mLの最終濃度で[3H]チミジンを細胞に添加して、さらに1時間、インキュベートした。PBS−での洗浄により反応を停止させ、氷冷5%トリクロロ酢酸で高分子を沈殿させた。細胞を0.3M NaOHに可溶化し、DNAに組み込まれた放射活性を液体シンチレーションスペクトル分析によって定量した。
ケラチノサイトをPGリポソームで処理し、かき落とすことで回収し、均質化用緩衝液中で遠心分離し、1回の冷凍解凍サイクル後に超音波処理により溶解させた。これらの破壊細胞におけるトランスグルタミナーゼ活性を、Bollag,W.B.,Zhong,X.,Dodd,M.E.,Hardy,D.M.,Zheng,X.and Allred,W.T.(2005)J.Pharm.Exp.Ther.,312,1223−1231(本明細書に参考として組み込まれる)に記載されているとおり、ジメチル化カゼインに架橋した[3H]プトレッシンの量としてモニターした。架橋したプトレッシン−カゼインをトリクロロ酢酸で沈殿させ、濾過によって回収した。データを各サンプル中のタンパク質の量に対して正規化し、標準物質としてウシ血清アルブミンを用いるBiorad protein assayを使用して判定し、適切な対照を基準にして表した。
実験は、指示どおり最低3回は行った。Instat(カリフォルニア州、サンディエゴのGraphPad Software)を用いてStudent−Newmann−Keuls 多重比較検定での分散分析(ANOVA)により、値の統計学的有意性を分析した。
酸性培地でのグリセロール取り込みの阻害は、PG合成を阻害する
上で論じたように、本発明者らは、PLD2およびAQP3が、ケラチノサイト中のカベオリンリッチな膜マイクロドメインに局在することを以前に示した。加えて、示したように、PLD媒介PG合成は、ケラチノサイト中の高細胞外カルシウムレベルによって刺激され、ならびにPGを生成するホスファチジル基転移反応のために、AQP3が、PLD2にグリセロールを供給するようである。肺細胞AQP3は、酸性培地によって阻害されるので、低pHの培地がグリセロール取り込みおよびPG合成を阻害するかどうかを調査した。ケラチノサイトを、対照SFKM(25μM Ca2+)、または125μM Ca2+を含有するSFKMとともに24時間、インキュベートした後、pH4または7.4のSFKM中での[3H]グリセロール取り込みおよび[14C]PG生成を測定した。図13Aに示すように、125μM Ca2+は、対照培地におけるグリセロール取り込みを有意に刺激した。低pH培地は、基底条件下でも、中間カルシウム濃度で刺激したときも、グリセロール取り込みを有意に阻害した(図13A)。同様に、pH4培地は、対照培地とともにインキュベートした細胞においても、125μM Ca2+培地とともにインキュベートした細胞においても、[14C]グリセロールとの10分のインキュベーション後、放射標識PG合成を有意に阻害した(図13B)。pH4培地によるグリセロール取り込みおよび/またはPG生産の阻害が毒性と関係しないことを保障するために、一部の細胞は、pH4培地との5分間のプレインキュベーションも行い、その後、対照pH7.4培地中でのグリセロール取り込みまたはPG合成を測定した(pH4/7)。pH4培地とのプレインキュベーションは、グリセロール取り込みまたはPG生成に対して本質的に効果がなかった(図13)。
1次マウス表皮ケラチノサイトは、高効率でトランスフェクトすることが難しい場合がある。この限界を克服するために、細胞を、AQP3または空ベクターと、Doddらが記載したようなケラチノサイト増殖または分化マーカーのプロモーターがルシフェラーゼ発現を制御するレポーター構築物とでコ・トランスフェクトした。トランフェクション前にベクターを入念に混合するので、1つのベクターを取り込む細胞が、他のベクターを受け入れることができ、その結果、AQP3または空ベクターも有する細胞のみのレポータールシフェラーゼ活性を測定することができる。ケラチン5発現は、基底増殖性ケラチノサイトの特徴であるのに対し、ケラチン10およびインボルクリンは、分化性有棘細胞の特色であり、ケラチン10は、初期分化マーカーとしておよびインボルクリンは、中間分化のマーカーとしての役割を果たす。図14Aは、基底条件下の、および分化剤(1mM カルシウム)とともに24時間インキュベートした後の、ケラチン5プロモーターに対するAQP3共発現の効果を説明する図である。AQP3共発現は、ケラチン5プロモーター活性の(空ベクターでトランスフェクトされた対照の49±12%への)有意な減少を誘導した。カルシウム(1mM)もケラチン5プロモーターを(64%)阻害し、AQP3共発現の有意なさらなる効果はなかった。一方、AQP3共発現は、ケラチン10プロモーター活性を刺激した(図14B)。1mM カルシウムでの処理は、ケラチン10の発現を22%阻害し、この効果は、AQP3共発現によって、一部、くつがえされた。分化剤として、1mM カルシウムは、ケラチノサイト10プロモーター活性を増大させると予想されるが、このような高いカルシウム濃度は、ケラチンを後期分化に駆り立て、実際には初期分化マーカーの発現を減少させる。最後に、AQP3共発現は、インボルクリンプロモーターのみに対しては有意な効果はなかったが、1mM カルシウムにより誘導された刺激を強化した(図14C)。これらの結果は、AQP3共発現が初期ケラチノサイト分化を促進することと一致する。
AQP3およびPLD2は、PGを生成させるためのホスファチジル基転移反応においてPLD2が使用するグリセロールを提供するために共局在するようであり、その後、このPGが、初期ケラチノサイト分化を促進するように作用する。これは、AQP3チャネルを通したグリセロールの送達の増加も、初期分化を引き起こすことができることを示唆している。初期分化の第一の顕著な特徴の1つが、細胞周期からの退出およびDNA合成の減少であるので、DNA合成の尺度であるDNAへの[3H]チミジン組み込みに対する(このチャネルを通るフラックスを増す)外因性グリセロールの効果を調査した。図15Aに示すように、0.02%のような低いグリセロール濃度(=2.73mM)が、ケラチノサイトDNA合成を有意に阻害した。より高いグリセロール濃度の効果も調査した。しかし、浸透ストレスがケラチノサイト機能を調整するので、グリセロール等価濃度の2つの他の浸透圧調整剤(キシリトールおよびソルビトール)の任意の浸透効果に対する制御も、対照として用いた。図15Bに示すように、0.1から1%の濃度のグリセロールは、DNA合成を阻害し、125μM Ca2+の阻害効果を強化した。一方、キシリトールは、基底または125μM Ca2+阻害DNA合成に対して有意な効果を有さなかった。同様に、対照に対しても、125μM Ca2+によって低減されるDNAへの[3H]チミジンの組み込みに対しても、有意な効果が観察されなかった(図15C)。
さらに、PGそれ自体の直接供給も初期分化を引き起こすと考えられる。リポソームの形態のPGをケラチノサイトに直接供給することにより、高増殖性細胞におけるDNA合成が阻害されることが判明した(図17A)。最大阻害は25μg/mLで観察され、50〜100μg/mLはプラトーであった。細胞死の特徴である形態学的変化が観察されなかった(データは示さない)ので、この効果が毒性を意味する可能性は低い。加えて、PGリポソームは、トランスグルタミナーゼ活性(後期ケラチノサイト分化のマーカー)増加方向の用量依存的傾向を誘導した(図17B)。
毒性がないことのさらなる証拠は、おそらく接触阻害の結果として増殖減少を示す、観察されたケラチノサイトに対するPGリポソームの効果によって提供される。従って、(対照条件下でのDNAへの[3H]チミジン組み込みの減少によって示されるような)増殖能力が低下したケラチノサイトにPGリポソームを適用した場合、DNA合成は、約35μg/mLの濃度で半最大効果および100μg/mLで最大刺激と、用量依存的に刺激された(図18)。この結果は、急速分裂性細胞の増殖を阻害し、成長が低下した設定では増殖を増加させるケラチノサイトの増殖を正常化する能力をPGが有することを示唆している。
PGを合成するためのホスファチジル基転移反応においてグリセロールを利用するPLDの能力、およびPLD2とAQP3との相互作用は、グリセロールがホスファチジル基転移のためにこのアイソエンザイムに到達することができるメカニズムを示唆している。AQP3のグリセロール取り込み機能に対するこの阻害は、PG合成も減少させ得る。図13は、酸性培地が、125μM Ca2+により惹起されるグリセロール取り込みとPG合成の同時減少を誘導することを示している。しかし、他のアクアポリン、例えばアクアポリン−9、は、グリセロールを輸送することができ、ケラチノサイトによって発現されるので、これら他のアクアグリセロポリンも、ケラチノサイトにおけるグリセロール取り込みおよびPG合成に寄与し得る。
本実施例では、ICR CD1マウスにおいて得られた創傷治癒に対するグリセロールおよびホスファチジルグリセロール治療の効果に関する最近のデータを提示する。約4mmの2箇所の全厚皮膚パンチ生検を合計16匹のマウスの背中において行った。各マウスについて、一方の創傷は、(a)治療しなかったか、(b)水中2Mのグリセロールで治療、(c)二価カチオン不含の酸緩衝生理食塩水(PBS−)で治療、または(d)100μg/mL ホスファチジルグリセロールを含有するPBS−(超音波処理してリポソームにしたもの)で治療した。その後、創傷治癒率を、デジタル写真およびコンピューター画像分析により、4日間にわたって追跡した。4グループの各々についての1日目を基準にした4日目における創傷治癒のパーセンテージを棒グラフとして図19に示す。予想どおり、グリセロール治療は、創傷治癒率を向上させた。さらに重要なこととして、PGリポソームも創傷治癒率を上昇させ、この向上は、統計学的に有意であった。これらの結果により、皮膚機能においてPGが重要であるという考えが確認される。
Claims (40)
- ケラチノサイトを、ケラチノサイトにおけるシグナル伝達を調節するために有効量のホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグと接触させることを含む、ケラチノサイト機能の調節方法。
- 核酸合成が、調節される、請求項1に記載の方法。
- 前記核酸合成が、阻害される、請求項2に記載の方法。
- 前記核酸合成が、増進される、請求項2に記載の方法。
- 皮膚細胞シグナル伝達を調節するために有効量の、ホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグを含む、皮膚の状態を治療するための組成物。
- 医薬的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- 前記ホスファチジルグリセロールが、皮膚細胞分裂を阻害するまたは減少させるために有効量で存在する、請求項5に記載の組成物。
- 前記ホスファチジルグリセロールが、皮膚細胞分裂を誘導または増進するために有効量で存在する、請求項5に記載の組成物。
- 前記皮膚の状態が、望ましくない皮膚細胞増殖を特徴とする、請求項5に記載の組成物。
- 前記皮膚の状態が、乾癬、湿疹、日光性角化症、アトピー性皮膚炎、基底細胞癌、非黒色腫性皮膚癌および無秩序な細胞分裂のうちの少なくとも1つから選択される、請求項5に記載の組成物。
- 前記皮膚の状態が、細胞老化である、請求項5に記載の組成物。
- 前記皮膚の状態が、創傷、瘢痕または他の物理的皮膚損傷のうちの少なくとも1つのから選択される、請求項5に記載の組成物。
- グリセロールまたはこの機能性誘導体をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
- 皮膚細胞シグナル伝達を調節するために有効量の、ホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグのリポソームを含む、皮膚の状態を治療するための組成物。
- 皮膚の状態を治療するための方法であって、ホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグを、前記皮膚の状態を治療するために有効量で宿主に投与することを含む方法。
- 前記ホスファチジルグリセロールが、局所投与される、請求項15に記載の方法。
- 前記ホスファチジルグリセロールが、リポソームを使用して送達される、請求項16に記載の方法。
- 前記皮膚の状態が、望ましくない皮膚細胞増殖を特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 前記皮膚の状態が、乾癬、湿疹、日光性角化症、アトピー性皮膚炎、基底細胞癌、非黒色腫性皮膚癌および無秩序な細胞分裂のうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載の方法。
- 前記皮膚の状態が、細胞老化、加齢、および露光に起因する皮膚損傷のうちの少なくとも1つのから選択される、請求項15に記載の方法。
- 前記皮膚の状態が、創傷、日焼け、糖尿病性潰瘍、加齢性潰瘍、瘢痕および他の物理的皮膚損傷のうちの少なくとも1つのから選択される、請求項15に記載の方法。
- 宿主のケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールまたはこの機能性誘導体の量を調節することを含む、宿主における皮膚の状態を治療するための方法。
- 宿主のケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールまたはこの機能性誘導体の量を調節することを含む、宿主における創傷治癒の加速方法。
- ケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールまたはこの機能性誘導体の量を変更することによる、ケラチノサイト機能の調節方法。
- 前記ホスファチジルグリセロールの量の変更が、ホスファチジルグリセロールの量を増加させることを含む、請求項24に記載の方法。
- 前記ホスファチジルグリセロールの量の増加が、ケラチノサイトを一定量のホスファチジルグリセロールと接触させることを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記ホスファチジルグリセロールの量の増加が、細胞のホスファチジルグリセロール生産を増加させることを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記細胞のホスファチジルグリセロール生産の増加が、ホスホリパーゼD2、アクアポリン−3またはこれらの組み合わせの活性を増大させることを含む、請求項27に記載の方法。
- ケラチノサイトを一定量のグリセロールまたはこの機能性誘導体と接触させることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
- ケラチノサイト中のアクアポリン−3、ホスホリパーゼD2またはこれらの組み合わせの量または活性を調節して、このケラチノサイトにおけるシグナル伝達を調節することを含む、ケラチノサイト機能の調節方法。
- アクアポリン−3、ホスホリパーゼD2またはこれらの組み合わせの量または活性を調節することにより、ケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールのレベルが調節される、請求項30に記載の方法。
- 前記アクアポリン−3の量の調節が、ケラチノサイトにおけるアクアポリン−3の発現を増加させることを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記アクアポリン−3の活性の調節が、ケラチノサイトにおけるアクアポリン−3の活性を増大させることを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記ホスホリパーゼD2の活性の調節が、ケラチノサイトにおけるホスホリパーゼD2の活性を増大させることを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記ケラチノサイトにおけるホスホリパーゼD2の量の調節が、ケラチノサイトにおけるホスホリパーゼD2の発現を増加させることを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記ケラチノサイトにおけるホスホリパーゼD2の量の調節が、ケラチノサイトにホスホリパーゼD2を投与することを含む、請求項30に記載の方法。
- ホスファチド酸およびホスファチジルグリセロールの生産を調節するために有効量の非グリセロール系アルコールとケラチノサイトを接触させることを含む、ケラチノサイト機能の調節方法。
- 宿主における皮膚の状態を治療する方法であって、この宿主に前記皮膚の状態を治療するために有効量のホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグを投与することを含み、前記皮膚の状態が皮膚細胞の増殖不足を特徴とする場合には、ホスファチジルグリセロールが皮膚細胞増殖を刺激し、ならびに前記皮膚の状態が皮膚細胞の増殖過多を特徴とする場合には、ホスファチジルグリセロールが皮膚細胞増殖を阻害する方法。
- 宿主におけるケラチノサイト増殖を正常化する方法であって、この宿主に一定量のホスファチジルグリセロール、この機能性誘導体、この医薬的に許容される塩またはこのプロドラッグを投与することを含み、増殖減少状態下ではホスファチジルグリセロールがケラチノサイト増殖を刺激し、増殖過多状態下ではホスファチジルグリセロールがケラチノサイト増殖を阻害する方法。
- 宿主ケラチノサイト中のホスファチジルグリセロールまたはこの機能性誘導体の量を調節することを含む、宿主におけるケラチノサイト増殖の調節方法。
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