JP2008521791A - アラビアガムを含む副腎皮質ホルモン剤の作用増強剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アカシア(Acacia)属植物の幹及び枝から得られる水溶性ガム、例えば、アラビアガムを含有し、副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強することなく、腎炎に対する同剤の効果を増強させる薬剤を提供する。副腎皮質ホルモン剤と当該水溶性ガムを併用すると、副腎皮質ホルモン剤の好ましくない副作用を増強することなく、腎炎に対する同剤の効果を増強することができる。

Description

本発明は、有用な副腎皮質ホルモン剤の作用増強剤に関する。本発明は特に、アカシア(Acacia)属植物の幹及び枝から得た水溶性ガムを含み、副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強することなく、該副腎皮質ホルモン剤の腎炎改善効果を増強する増強剤に関する。
副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質で生合成され、分泌される。ステロイドホルモンは、アルドステロン、デオキシコルチコステロン等、電解質の代謝活性を有する鉱質コルチコイドと、コルチゾン、ヒドロコルチゾン等、肝グリコーゲン活性とグルココルチコイド活性を有する糖質コルチコイドとに二分される。後者は特に抗アレルギー作用、抗炎症作用、免疫抑制作用等の多彩な薬理作用を示すため、多くのグルココルチコイドが合成されてきた。
広汎な化学的検討の結果、例えばプレドニゾロン、デキサメサゾン、ベタメサゾン等の強力な抗炎症作用を有するグルココルチコイドが開発され、これらの合成医薬は炎症剤として臨床上広く使用されている。本明細書で、副腎皮質ホルモン剤とは臨床上使用されている天然及び合成の副腎皮質ホルモン剤を意味する。
副腎皮質ホルモン剤を長期間、大量に使用すると、他の薬理作用、例えば糖、無機質およびタンパク等の代謝への作用が副作用として出現し、問題となっている。副腎皮質ホルモン剤の副作用としては、例えば感染症の増悪、副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、精神変調や鬱病、骨粗鬆症や筋肉痛、関節痛、満月様顔貌、浮腫、血圧上昇、白内障や緑内障、挫創、創傷治癒障害等が知られている(「医薬品要覧、第5版」大阪府病院薬剤師会編、薬事時報社参照)。
腎炎とは、一般には腎臓を構成する糸球体組織およびその周辺の尿細管・間質の炎症性疾患であるが、その多くが上記副腎皮質ホルモン剤による治療対象とされている。一方、腎疾患の中には、多量の尿タンパクの出現を特徴とするネフローゼ症候群があり、副腎皮質ホルモン剤の投与がよく試みられる(「図説:臨床薬理と基本治療薬」高久史麿、小林登、海老原昭夫編、メジカルビュー社参照)。
マメ科(Leguminosae)植物アカシア・セネガル(Acacia senegal)又はその他同属植物の幹及び枝から得られるガム状分泌物は水溶性ガムとして知られている。アカシア・セネガルはアフリカのセネガルからエチオピアの乾燥熱滞にかけて原産し、インド地方に広く分布している。その高さが6mほどに達する小木であり、樹皮は灰色で平滑、枝はジグザグ状をなす。葉腋につく3本のとげのうち、中央部の1本が湾曲するという特徴をもち、クリーム色の花をつける。アラビアガム(GA)は無色または淡黄色の透明の球塊として採取される天然樹脂のひとつであるが、時には乳濁した非透明の概観をなす。産業的に扱われる大部分のGAは通常この種から採取した球状アラビアガムであるが、アカシア・セーヤル(Acacia seyal)から採取された他のガム状分泌物も入手可能である。
アカシア属植物の幹及び枝から得たガム状分泌物は古く、紀元前から糊として用いられた。アラビアガムの名称はアフリカ産のものがアラビアを経て、外国に輸出されたからである。GAは無色または淡黄色の透明、時には多少乳濁した球状塊又は破片で、その外面に多数の割れ目があり、砕きやすく、砕面はガラスのようで、しばしば光彩を現す。GAはにおいがなく、味はないが粘性である。
GAの主成分はアラブ酸(79〜81%)で、Ca、Mg及びKの塩として存在する。GAを酸加水分解すると、L-アラビノース、D-ガラクトース、L-ラムノース及びD-グルクロン酸を生じる。さらに加水分解酵素及び酸化酵素と、他に少量のミネラルや蛋白を含む。
GAは、古くから色素を定着するバインダーとして使われてきており、現在でも透明水彩及び不透明水彩のバインダーに用いられている。水彩絵具の他にも、キャンデーの製造やソフトドリンクの乳化剤として食品関係に使われたり医薬品の糖衣錠やシロップの添加剤として用いられている。GAは公知の材料であるが、濃度35%前後のGAバインダーは水彩絵具の製造にバインダーとして使われるだけでなく、水彩絵具により透明性を与え、および/または水彩作品に光沢を与えるメディウムとしても用いられる。また、3%程度のGA溶液は、筆を洗った後の固定剤としても利用できる。
GAは古代エジプトでは広く民間薬として、歯周病や歯槽膿漏(歯茎からの出血を治療し、歯茎の潰瘍を取り除き、歯の成長を促す)、肺の病気や肝臓病に用いられていた。現在は、ジュース、アイスクリームの成分を均一に保つ乳化香料として、チョコレートやキャラメル製品の形を整える食品添加物として、医薬品においては錠剤を固めたり、液状の薬品の成分の分離を防ぐ安定化剤として用いられる。
GAにはヒト血中コレステロールやトリグリセリドの低下作用(Ross AH, Eastwood MA, Brydon WG, Anderson JR, Anderson DM., Am J Clin Nutr., 37, 368-75, 1983参照)、腸内菌叢改善効果(Phillips, G.O., Food Addit. Contam. 15, 251-264, 1998参照)、アセトアミノフェン誘発肝障害に対する改善作用(Gamal el-din AM, Mostafa AM, Al-Shabanah OA, Al-Bekairi AM, Nagi MN., Pharmacological Research, 48, 631-635, 2003参照)などが報告されている。しかし、副腎皮質ホルモン剤の腎炎改善作用を増強する効果やその副作用を軽減する作用は知られていない。
現在、腎炎の理想的な治療方法はない。いくつかの副腎皮質ホルモン剤が腎炎の治療に供されているが多くの副作用を伴う。本発明は、副作用を軽減し、該副作用を増強することなく副腎皮質ホルモン剤の作用を増強する新規な薬剤を提供する。
本発明者らはマメ科(Leguminosae)アカシア(Acacia)属植物に着目し、その幹及び枝から得られるガム状分泌物が、副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強することなく同剤の腎炎改善効果を増強すること、更に該分泌物が同剤の副作用を軽減することを見出した。すなわち本発明は、副腎皮質ホルモン剤とアカシア(Acacia)属植物の幹及び枝から得られるガム状分泌物を組み合わせた、副腎皮質ホルモン剤の作用増強剤に関する。
本明細書では、「副腎皮質ホルモン剤」とは臨床上ステロイド療法で用いられる天然および/または合成の副腎皮質ホルモン剤を意味する。副腎皮質ホルモン剤の例としては、例えば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、パラメタゾン、ベタメタゾン、フルオロメトロン、フルメタゾン、フルドロコルチゾン、ベクロメタゾン、クロベタゾール、ジフルコルトロン、クロベタゾン、ジフロラゾン、アルクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、フルオシノニド、ハルシノニド、アムシノニド、フルニソリド、ブデソニド等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明における水溶性ガムとしては、マメ科(Leguminosae)アカシア(Acacia)属植物、例えばアカシア・セネガルやアカシア・セーヤルの幹及び/または枝から得られる分泌物をそのまま使用することができるが、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末、溶媒抽出物を用いることが好ましい。
好ましい抽出溶媒としては、水が挙げられる。得られた水抽出液はそのまま、またはさらに濃縮したり、希釈したり、精製したりして用いることもできる。
さらに、抽出液や乾燥粉末をカラムクロマトグラフィー等の手段を用いて精製したものを用いることもできる。
このようにして得られる本発明の作用増強剤は、例えば水若しくは湯に溶解して、または水溶性ドリンク剤の形態で経口的に投与することができる。一日投与量は、副腎皮質ホルモン剤の用量、投与されるヒトの性別、年齢、体重等にもよるが、通常、一日あたり1gから100g、好ましくは10gから50gg、更に好ましくは10gから20gである。
ドリンク剤には、砂糖、ハチミツ、グリセリン、アスパルテーム等の甘味料、ガーリック、ジンジャー等の香辛料、フルーツ系フレーバー等の着香料、エチレンジアミン二ナトリウム塩、チオ硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、ロイシン、メチオニン、リジン、タウリン等のアミノ酸、ビタミンA、B、C、D、E、ニコチン酸アミド等のビタミン類を必要に応じて適宜添加することができる。
また、天然果汁(グレープフルーツ、オレンジ等)やニンジンエキス、ロクジョウ等の生薬および抽出物を添加し経口投与のドリンク剤とすることも可能である。
本発明の増強剤の対象となる腎炎とは、例えばループス腎炎やリポイドネフローゼ等の腎臓症候群であって、副腎皮質ホルモン剤による治療の対象とされるものである。
その副腎皮質ホルモン剤には、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾロンが含まれるが、これらに限定はされない。
本発明に従えば、患者に投与すべきステロイド量を軽減することができ、ステロイド療法に関連する副作用を最小限にすることができる。
本発明の有利な効果を、ラットによるゲンタマイシン誘発腎炎モデルを用いて確認した。
1.実験
1)材料
アラビアガムを水に溶解して濾過した。濾液を約120℃でスプレイドライして得たGAをこの試験に用いた。GAを水道水に溶解して、7.5%GA溶液(7.5g/ml, 7.5%GA)を調製した。この7.5%GAを飲用水として経口投与した。硫酸ゲンタマイシン(GM)をシグマケミカル社より購入し、その生理食塩溶液を用いた。プレドニゾロン(PRD)もシグマケミカル社より購入した。
2)動物
ウィスター(Wistar)系雄性ラット(約200-220g、一群8〜9匹)をSLC(日本SLC、浜松)より購入した。午前7時から午後7時まで点灯した空調室で飼育し、温度(約23℃)および湿度(約60%)は自動調節した。実験前一週間飼育し、実験食(ラボMRストック、日本農産工業(株)、横浜)および飲料水は自由に与えた。
3)GM腎炎の作製
ラットにGM(80 mg/kg、ip)を1日1回8日間(午前10時)連日的に腹腔内投与し、腎炎を惹起した。正常対照群には生理食塩液を投与(1 mL/kg、腹腔内投与)した。GA(7.5%GA)は飲用水として8日間連続投与した。
ラットを無作為に下記の8群(それぞれ8〜9匹)に分けた。
第1群(正常群):生理食塩液を8日間連日腹腔内投与(1 mL/kg、ip)し、水道水を8日間摂取させた。
第2群(7.5%GA):生理食塩液を8日間連日腹腔内投与(1 mL/kg、ip)し、さらに7.5%GAを飲用水として、8日間摂取させた。
第3群(GM):GMを8日間連日腹腔内投与(80 mg/kg、ip)し、水道水を8日間摂取させた。
第4群(GM+7.5%GA):GMを8日間連日腹腔内投与(80 mg/kg、ip)し、さらに7.5%GAを飲用水として摂取させた。
第5群(GM+PRD/水):GM投与(80 mg/kg、ip)の1時間前にPRD/水(2 mg/kg, p.o.)の経口投与を8日間連続して行い、水道水は8日間摂取させた。
第6群(GM+PRD/水+7.5%GA): GM投与(80 mg/kg、ip)の1時間前にPRD/水(2 mg/kg, p.o.)の経口投与を8日間連続して行い、また、7.5%GAを飲用水として、8日間摂取させた。
4)測定
臓器湿重量;実験最終日にラットから各臓器(副腎、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓)を摘出し、各臓器湿重量(mg)/体重(100 g)の比を測定した。
尿採取と採血;投与最終日午前8時に各ラットを個別の代謝ケージに入れ、24時間尿を採取した。ラットは尿採取前一日絶食した。採取した尿を1,600xg、10分間遠心分離し、上清を尿中蛋白排泄量の測定に使用した。尿を採取直後、腹大静脈から採血した。それを1,600xg、10分間遠心分離し、血清を得て、血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン、クレアチニンクリアランスの測定に用いた。
尿中蛋白排泄量、BUN、血清クレアチニン、およびクレアチニンクリアランスの測定;尿中蛋白の測定についてはKingsburyら(The Journal of Laboratory and Clinical Medicine、11、981-989、1926)の方法を用い、mg/dayで表した。即ち、希釈した尿に3%スルホサリチル酸溶液を加えて、10分間室温放置した。その後、吸光波長400nmで吸光度を測定し、尿中蛋白濃度を求め、さらに、24時間の尿量から1日当たりの尿中蛋白排泄量(mg/day)を算出した。市販の測定キット(和光純薬工業株式会社)を用いてBUN、血清中のクレアチニン、クレアチニンクリアランス値を測定し、次の測定キットに従った(尿中窒素Bおよびクレアチニン)。
結果解析;実験データの統計上の有意差はボンフェローニとダン(Bonferroni/Dunn)の方法で試験した。
2.実験結果
1)ラットGM誘発腎炎に及ぼすGAの影響
正常ラット(第1群)、7.5%GA投与ラット(第2群)、GM投与ラット(第3群)、GM+7.5%GA投与ラット(第4群)の血中パラメーター(尿素窒素、血清クレアチニンおよびクレアチニンクリアランス)を表1、尿パラメータ(尿量および尿中蛋白)を表2にそれぞれ示した。
Figure 2008521791
Figure 2008521791
三つの血液パラメータ(表1)および二つの尿パラメータ(表2)において、正常ラット(第1群)および7.5%GA投与ラット(第2群)の間に差はなかった。
第3群では、BUNおよび血清クレアチニンが有意に増加し、クレアチニンクリアランスが有意に減少した(表1)。また、尿量および尿中蛋白が有意に増加した(表2)。これらのパラメータ変化はGMによりラットで腎炎が誘発されたこと、そしてGAがBUNの増加を有意に抑制することを示し、またGAが血清クレアチニンの増加とクレアチニンクリアランスの減少を抑制する傾向があることを示した(表1の第4群)。GAはまた尿量増加を有意に阻害し、尿中蛋白の減少に対して抑制傾向を示した(表2の第4群)。
最終日にラットから臓器(副腎、胸腺、脾臓、腎臓、および肝臓)を単離した。各臓器について、臓器湿重量(mg)/体重(100g)の測定比を表3に示す。
Figure 2008521791
表3に示すとおり、正常ラット(第1群)および7.5%GA投与ラット(第2群)に比較してGM投与ラット(第3群)およびGM+7.5%GA投与ラット(第4群)において腎臓の重量比がわずかに増加した。GAは腎臓重量比の増加に対して抑制効果はなかった。他の臓器重量に差は認められなかった。
2)ラットGM誘発腎炎に及ぼすGAとPRDの併用効果
PRD(2 mg/kg, p.o.)は水道水に懸濁した形態(PRD/水)で、GM投与(80mg/kg、ip)の1時間前に第5群(GM+PRD/水)および第6群(GM+PRD/水+7.5%GA)のラットに経口投与した(0.2 ml/ラット体重100 g)。第5群は水道水を飲用水として与えた。第6群には7.5%GAを飲用水として与えた。
最終日の三つの血清パラメータを表4に示す。
Figure 2008521791
表4の第3群に示すとおり、GMはBUN値を顕著に増加させた。PRD(2 mg/kg, p.o.)投与群ではすべて(第5群と第6群)、GM誘発腎炎ラットのBUN増加に対し有意な保護効果が示された。表4中のPRD/水+7.5%GA投与群(第6群)で試験したPRDおよびGAの併用は、PRD/水の投与群(第5群)と比較して、BUNに対するPRDの保護効果を増強した。保護効果の有意な増強は血清クレアチニンにおいてもまた認められた。クレアチニンクリアランスに関しては、PRDによる回復の増強傾向が認められた。このように、PRDおよびGAの併用は、GM誘発腎炎におけるPRDの保護作用を相乗的に増強した。
最終日における尿量及び尿中蛋白の測定結果については表5に示す。
Figure 2008521791
GMは尿量、尿中蛋白を増加させたが、PRD投与によって尿中蛋白が有意に抑制された。しかし、PRD投与群(第5群)では尿量増加に対する作用は認められなかった。
PRD/水+7.5%GA投与群(第6群)では、尿量、尿中蛋白がいずれも有意に抑制され、PRDとGAの併用により、GM誘発腎炎に対するPRDの保護効果が相乗的に増強された。
臓器の湿重比測定結果を表6に示す。
Figure 2008521791
GM投与ラット(第3群)においては、正常群(第1群)に比して胸腺の減少傾向が認められた。PRD投与ラットでは胸腺重量はさらに減少した(第5群)。PRDは多くの副作用を引き起こし、そのひとつとして胸腺萎縮が知られている。PRDにGAを併用すると胸腺重量の回復傾向がわずかに認められたが有意ではなかった(第6群)。このことは、胸腺萎縮というPRDの副作用がPRDとGAの併用によっては増強されないことを示している。
ドリンク剤の製造
水溶性ガム(10 g)に約40℃に加温した水(30 ml)を加えて溶解した。約25℃にまで冷却後、ビタミンB(10 mg)、ビタミンB(10 mg)、カフェイン(50 mg)、砂糖(5 g)、ハチミツ(5 g)、クエン酸(400 mg)、クエン酸ナトリウム(50 mg)、安息香酸ナトリウム(35 mg)を溶解し乳酸および0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6.0とした後、水を加えて50mlとした。
尚、上記試験で使用した水溶性ガムは以下のようにして調製した;スーダン産アカシア・セネガル(Acacia senegal)由来のアラビアガムを粉砕後、水に溶解し、これをろ過して、その濾液をスプレイドライし当該水溶性ガムを得た。
副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強することなく、その効果を増強することから、本発明は腎疾患治療における同剤の適用の幅を拡大することができ、腎疾患に対して有効な治療方法を提供できる。

Claims (16)

  1. アカシア(Acacia)属植物の幹及び/または枝から得られる水溶性ガムを含有してなる、副腎皮質ホルモン剤の作用増強剤。
  2. 副腎皮質ホルモン剤が腎炎治療に用いられる、請求項1に記載の作用増強剤。
  3. 水溶性ガムがアラビアガムである請求項1または2に記載の作用増強剤。
  4. アカシア(Acacia)属植物がアカシア・セネガル(Acacia senegal)である、請求項1から3のいずれかに記載の作用増強剤。
  5. ステロイド療法において同時に、分離してまたは連続して併用するための、副腎皮質ホルモン剤および水溶性ガムを含む製品。
  6. 該療法が腎炎治療である、請求項5の製品。
  7. 該ガムが、アラビアガムである、請求項5または6の製品。
  8. アカシア(Acacia)属植物がアカシア・セネガル(Acacia senegal)である、請求項5から7のいずれかに記載の製品。
  9. ステロイド療法を行う患者に使用される薬剤の製造における、アカシア(Acacia)属植物の幹及び/または枝から得られる水溶性ガムの使用。
  10. 該療法が腎炎治療である、請求項9の使用。
  11. 該ガムが、アラビアガムである、請求項9または10の使用。
  12. アカシア(Acacia)属植物がアカシア・セネガル(Acacia senegal)である、請求項9から11のいずれかに記載の使用。
  13. 必要な患者に対し、ステロイドに加えてアカシア(Acacia)属植物の幹及び/または枝から得られる水溶性ガムを投与することを含む、ステロイド療法に応答する症状の治療方法。
  14. 該療法が腎炎治療である、請求項13の方法。
  15. 該ガムが、アラビアガムである、請求項13の方法。
  16. アカシア(Acacia)属植物がアカシア・セネガル(Acacia senegal)である、請求項13の方法。
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