JP2008520723A - 癌の治療およびモニタリングならびに化学療法薬に関するスクリーニングにおける血管内皮増殖因子受容体1+細胞の使用法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、癌の治療およびモニタリングならびに化学療法薬に関するスクリーニングにおける血管内皮増殖因子受容体1+細胞の使用法に向けられる。
癌は米国では心発作に次いで二番目に多い死因である。この破壊的な結果をもたらす疾患の治療における新たな治療法の開発には重要な進展がみられる。この進展の多くは、正常細胞および癌細胞の両者における細胞増殖の理解が進んだことに起因する。
本発明は、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害する方法に向けられる。本方法は、癌患者に対して、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害するのに有効な条件下で、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質を投与する段階を含む。
本発明は、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害する方法に向けられる。本方法は、癌患者に対して、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害するのに有効な条件下で、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質を投与する段階を含む。この阻害物質を、原発性腫瘍部位での腫瘍再発を予防するために用いることもできる。
実施例1-骨髄BM移植
野生型C57Bl/6マウスに致死的な放射線照射(950rad)を行って、1×106個のβ-ガラクトシダーゼ+またはGFP+BM細胞(Rosa-26マウス)を移植した(Lyden et al., "Impaired Recruitment of Bone-marrow-derived Endothelial and Hematopoietic Precursor Cells Blocks Tumor Angiogenesis and Growth," Nat. Med. 7:1194-1201 (2001)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。4週間後にマウスに2×106個のLLC(ATCC)またはB-16細胞(ATCC)のいずれかを皮内注射した。
組織および大腿骨を4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で4時間にわたり固定した。試料を、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Tam et al., "The Allocation of Epiblast Cells to the Embryonic Heart and other Mesodermal Lineages:The Role of Ingression and Tissue Movement during Gastrulation," Development. 124:1631-1642 (1999)に記載された通りに、37℃のX-gal溶液中にて36時間にわたり染色した。X-gal染色された腫瘍およびBMを、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lyden et al., "Impaired Recruitment of Bone-marrow-derived Endothelial and Hematopoietic Precursor Cells Blocks Tumor Angiogenesis and Growth," Nat. Med. 7:1194-1201 (2001)に記載された通りに包埋した。
B16およびLLC細胞(2×105個)をトランスフェクションの24時間前にプレーティングした。続いて細胞をペレット化し、DsRedレポーター遺伝子またはGFP遺伝子を含むレンチウイルスベクター上清とともに無血清培地中に再懸濁させた。以前に記載されたように、力価が1ml当たり感染性粒子1〜2×108個である濃縮されたウイルス構築物を、1ml中の2×106個の細胞(感染多重度50)を感染させるために用いた。蛍光の程度を確認するためにフローサイトメトリー分析を行った。C57Bl/6マウスに2×106個のLLC/GFP+またはB16/DsRed+細胞を接種した。
その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lyden et al., "Id1 and Id3 are Required for Neurogenesis, Angiogenesis and Vascularization of Tumor Xenografts," Nature. 401:670-677 (1999)に記載された通りに、組織を固定して、OCT中またはパラフィンブロック中に包埋した。すべての抗原に関して、以下の抗原を用いた:VEGFR1(Flt-1、クローンmF-1、ImClone Systems、New York、New YorkおよびFlt-1クローンC-17、Santa Cruz Biotechnology)、CD31(PECAM、SC-1506、Santa Cruz Biotechnology)、VEGFR2(Flk-1/KDR、dc101、ImClone Systems)、MMP-9(D19557、Oncogene)、Id3(C-20、Santa Cruz Biotechnology)、フィブロネクチン(TV-1、Chemicon)、CD11b(CBRM1/5、eBioscience)、CD34(RAM34、BD Pharmigen)、ckit(ACK2、eBioscience)、PDGFRα(CD49d、VL-4、PS_2、Southern Biotech)、αV(Chemicon)、CD133(13A4、eBioscience)、α4(CD49d、VLA-4、PS_2、Southern Biotech)、α5(CD49e、5H10-27)、α6(CD49f、GoH3、BD Pharmingen)β1(9EG7、BD Pharmingen)、β2(M18/2、BD Pharmingen)、β4(Santa Cruz Biotechnology)、β7(M293、R+D Pharmingen)、SDF-1(79018.111、BD systems)CXCR4(2B11、BD Pharmingen)。
組織をOCT中にて切片化し、アセトンで後固定した。洗浄は、0.1%BSA/PBSを用いて行い、非特異的抗体をアビジンおよびビオチン(Vector Laboratories)でブロッキングした。第1の一次抗体(上で詳述した通り)を4℃で一晩インキュベートした。種特異的なビオチン化二次抗体(Vectastain ABC Kit, Vector)を室温で30分間インキュベートした。続いてテキサスレッドアビジンDまたはフルオレセインアビジンD(Vector)を30分間インキュベートした。この工程を第2の一次抗体についても繰り返した。切片をDAPI(Vectashield, Vector)を用いて蛍光封入剤にマウントし、以上のようにして描出した。
Rosa-26マウスに、第0、4および8日にアデノ-VEGF165(AdVEGF)を投与した(Avecilla et al., "Chemokine-mediated Interaction of Hematopoietic Progenitors with the Bone Marrow Vascular Niche is Required for Thrombopoiesis," Nat. Med. 10:64-71 (2004)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。第12日にBMを単離し、ビオチン化マウスVEGFR1抗体および抗ビオチン磁気ビーズ(Miltenyi Biotec)で標識して、MACS(Miltenyi Biotec)を用いて分離した。3回の連続継代後のVEGFR1+BMの純度は95%であった。陰性選択集団は非R1細胞に相当した(Hattori et al., "Placental Growth Factor Reconstitutes Hematopoiesis by Recruiting VEGFR1(+) Stem Cells from Bone-marrow Microenvironment," Nat. Med. 8:841-9 (2002)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。WTマウスに放射線を照射し、上記のように選択的BMを移植した。Id3 KO(Id1+/+Id3-/-)マウスに対して、3日毎で合計23日にわたる細胞105個の静脈内注射により、選択的なId3コンピテントVEGFR1+BMを移植した。対照動物には腫瘍を伴わずにVEGFR1+細胞を投与した。
WTマウスに2×107個のLLCまたはB-16細胞を接種した。VEGFR-1の遮断のために、マウスに対して、VEGFR1(mf-1、IgG1、400μg、ImClone)もしくはVEGFR2(DC101、IgG1、800μg、ImClone)に対するラット抗マウス抗体、またはそれらの組み合わせを第7〜22日の間に48時間毎に腹腔内注射し、その後に第24日に屠殺した。VLA-4のα4サブユニットの遮断のためには、マウスに対して、CD49dに対するラット抗マウス抗体(クローンR1-2、IgG2bκ、200μg、BD Biosciences Pharmingen)を第4日、第8日および第12日に静脈内注射した。動物をクラスター形成の評価のために第14日に屠殺した。腫瘍発生の後期にある転移に対するターゲティングのために、抗α4抗体を第6日、10日、14日、18日および22日に注射し、動物を第24日に屠殺した。すべての群を、実験群と同じスケジュールでの投与を受けたラット抗マウスIgG2aκアイソタイプ対照(KLH/G2a1-1、Southern Biotech)と比較した。
C57BL6バックグラウンドを有するマウスをJackson Laboratoryから入手した。
第14日に、BM由来のVEGFR1+細胞を、B16細胞が移植されたマウスから単離した。R1+細胞(5×105個)を赤色蛍光(PKH26-GL, Sigma, St. Louis, MO)で染色し、10%FCSを加えたM199培地中を含む0.2%ゼラチン上で培養して、rhVEGF(10ng/mL, R&D Systems)、抗VEGFR1(10μg/ml、mf-1、ImClone)または抗α4(CD49、PS_2、20μg/ml、Southern Biotec)とともに14時間インキュベートした。同じく、腫瘍細胞との14時間のインキュベーションの前に、VEGFR1+細胞とrhVEGF、抗VEGFR1、抗α4との1時間のインキュベーションを行う試験も行った。R1+細胞をB-16またはLLC腫瘍細胞と共培養し、緑色蛍光(PKH2-GL、Sigma)で標識して(Lee et al., "In Situ Labeling of Adherent Cells with PKH26," In Vitro Cell. Dev. Biol.-Animal. 36:4-6 (2000)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、凝集および増殖に関して分析した。
B-16またはLLC細胞を18時間培養した無血清培地から、Kessinger et al., "Circulating Factors may be Responsible for Murine Strain-specific Responses to Mobilizing Cytokines," Exp. Hematology. 29:775-778 (2001)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載された通りに、馴化培地を濾過した(0.22μ)。上で詳述した通りに4週間前にRosa-26 BMTを投与されたWTマウスに対して、CM(300μl)を毎日、9日間にわたって腹腔内注射した。組織をフィブロネクチン(TV-1、Chemicon)およびβ-galに関して染色した。腫瘍の再方向付け試験のためには、黒色腫CM(300μl)またはPIGF(300μl、Peprotec)の腹腔内注射をLLC細胞の皮内移植の2日前に開始し、以後21日間にわたって毎日継続した。マッチさせた腫瘍を伴う対照群および伴わない対照群に対して、無血清培地を投与した。腫瘍の再方向付けを阻害するために、MCMを投与されたLLC腫瘍を有する実験群に対して、抗体ターゲティング試験と同様に抗VEGFR1抗体を注射した。組織を第22日に検査した。上に詳述したように、マッチさせた腫瘍を伴う対照群および伴わない対照群に対しては抗体処理と処理無しのそれぞれを行った。
次に、馴化培地に応答したVEGFR1細胞の遊走について試験した。VEGFR1細胞を上記の通りに単離し、無血清培地中に再懸濁させた1×105個の細胞を、孔径5μmのトランスウェル(Costar、Corning Incorporated)の上方区画に入れた。馴化培地または対応する対照培地を用いて細胞を18時間遊走させた上で、細胞を膜の下側および下方区画から剥離し、血球計算器およびトリパンブルーを用いて6時間毎に細胞数の分析による評価を行った。VEGFR1+細胞に対するB16またはLLC腫瘍細胞の遊走は、以前に記載された通りに孔径12μmのトランスウェルを用いて行った(Redmond et al., "Endothelial Cells Inhibit Flow-induced Smooth Muscle Cell Migration: Role of Plasminogen Activator Inhibitor-1," Circulation 103:597-603 (2001)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。蛍光標識した腫瘍細胞(PKH2-GL、Sigma)を1×105個として上方チャンバーに播き、1×105個のVEGFR1細胞を、無血清培地の入った下方チャンバーにプレーティングした。上方チャンバーと下方チャンバーとの間に濃度勾配はなかった。分析は、直接的な観察、および倒置蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse TE 2000-U)を用いた手作業による200倍視野当たりの細胞数算定により、6時間毎に行った。
以前の記載の通りに(Hashimoto et al., "Bone Marrow-derived Progenitor Cells in Pulmonary Fibrosis." The Journal of Clinical Investigation 113:243-252 (2004)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、肺組織をTriZol中にて組織ホモジナイザーでホモジネート化し、RNAを抽出した。フィブロネクチン遺伝子の発現を定量し、以前の記載の通りに(Jensen et al., "The Human Herpes Virus 8-encoded Chemokine Receptor is Required for Angioproliferation in a Murineモデルof Kaposi's Sarcoma," Journal of Immunoiogy 174:3686-94 (2005)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、TaqMan遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems)を用いてGAPDHに対して標準化した。
馴化培地および無血清培地ならびに腫瘍由来の血漿を、ELISA(Quantikine、R&D Systems)により、製造元の指示に従って、VEGFおよびPIGF濃度に関して分析した。腫瘍由来血漿はLLCまたはB16腫瘍細胞の14日後にマウスから入手した。
以前に記載された通りに(Gill et al., "Vascular Trauma Induces Rapid But Transient Mobilization of VEGFR2+AC133+ Endothelial Precursor Cells," Circulation Research 88:167-174 (2001)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、末梢血単核細胞を、蛍光結合モノクローナル抗体CD11b(M1/70、PE抗マウス、BD Pharmingen)、Sca-1(E13-161.7、PEおよびFITC抗マウスLy-6A/E、Becton Dickinson)およびVEGFR1(クローンmf-1、FITC、ImClone Systems)とともにインキュベートした。フローサイトメトリーは、以前に記載された通りに、右心室からの注入を介したPBSによる肺の灌流後の右肺全体を小片に刻んで100μmおよび40μmのフィルター(BD Biosciences)に通して単細胞懸濁液としたものに対しても行った。cKitフロー分析については、単細胞懸濁液を入手した後に、細胞をperCP cKitで直接に染色し、その後に固定せずにPBS中に入れ、Coulter FC500細胞計算器で分析した。
ヒト標本には、腫瘍、隣接正常部(腫瘍境界域を越えたところ)、遠隔正常部およびリンパ節が含まれる。上記の通りに組織をパラフィン中に包埋して凍結固定し、VEGFR1(FB5、ImClone Systems)およびFlt-1、Calbiochemに対する抗体で染色した。組織試料は承認されたIRB申請書に従って入手し、取り扱った。
IP LabおよびAdobe Photoshop 7.0の両方を利用して、ランダムな100倍視野を入手し、β-galまたは免疫組織化学染色に関する標準化された色調範囲を選択することによって分析した。ひとたびこの境界が描写されたところで、ピクしレーションヒストグラム下面積を計算し、総染色面積を総組織面積と比較した。
結果は、平均±標準誤差として表現される。データは、Graphpad Prism統計プログラムを用いたstudent検定および分散分析によって分析した。P値<0.05を有意とした。エラーバーは平均の標準誤差を表す。
腫瘍細胞到達の時期をさらに明確にするために、GFP+骨髄由来細胞および赤色蛍光標識した腫瘍細胞の存在を判定するためのフローサイトメトリー試験に着手した。第8日の前には、肺にはごくわずかなGFP+BM由来細胞が観察される(図1C 左パネルおよび表)。第12日から以後は、BM由来細胞の肺内への遊走がみられ、これはBM由来クラスターの顕微鏡下での観察と時を同じくする(図1C)。これらの細胞の数は増加し、その後、第18日までには腫瘍細胞と合流する(図1C)。第16日以前には、顕微鏡検査およびフローサイトメトリーのいずれによっても肺内に腫瘍細胞は検出されなかった。時間経過とともに、フローサイトメトリーによって肺内で同定される腫瘍細胞の数は増加し、これは顕微鏡画像で見られるように、確立した骨髄由来クラスターの部位での腫瘍細胞の付着および増殖に対応する(図1Bおよび1C)。腫瘍細胞がGFP+BM由来クラスターとともにクラスターを形成する頻度は95%を上回ることが明らかにされた(97%±1.1、図1B、右パネル)。この方法を用いて少数の腫瘍細胞が見逃された可能性はあるものの、培養下にあるB16黒色腫細胞によって馴化された培地を投与されたマウスを用いたさらなる実験では、馴化培地のみで骨髄由来細胞の動員および前転移性ニッチの形成を引き起こしうることが例証されている。転移の尾静脈モデルを用いたところ、馴化培地による刺激後の腫瘍細胞の導入(図1D)は、培地のみ(図1D)と比較して、注射1日後の肺内の腫瘍細胞の数を増加させる(図1D、141.3±10.2個の腫瘍細胞に対して、2.7±0.6個の腫瘍細胞/肺断面、p<0.01、Studentのt検定による)。腫瘍細胞の静脈内注射の4日後までには、転移性の節の頻度ならびにサイズが増大した(207±5.6個の腫瘍細胞/肺断面に比して、14±1.7個の腫瘍細胞/肺断面、p<0.01、Studentのt検定による)。赤色蛍光性腫瘍細胞のGFP+クラスターに対する同時局在分析は、どちらの時点でも93%を上回り、このことはこれらのBM由来細胞が腫瘍細胞の接着および増殖を補助することを示している。したがって、原発性腫瘍によって放出される因子の影響の下で、BM由来細胞は血流中に入り、遠隔性ではあるが特異的な前転移性部位へと動員される。
腫瘍細胞種が体内の特異的な前転移性部位へのBMクラスターの分布を指示するか否かについて調べた(図1E)。LLC腫瘍細胞の皮内注射は、この腫瘍細胞種の転移特異性が原因で、肺(47.5±2.6/100倍視野)および肝臓(10.8±1.1)のみに限定されるBMクラスターの形成をもたらし、精巣、脾臓および腎臓ではクラスターは全く観察されなかった。これに対して、B16黒色腫腫瘍細胞は、この腫瘍が転移する頻度の高い臓器に対応して、肺(103.8±6.9)、肝臓(41.8±2.4)、精巣(36.6±3.1)、脾臓(25±3.2)および腎臓(20.6±1.8)などの多数の臓器でBMクラスターの形成を誘導した(図1E)。さらに、B16黒色腫細胞は、その転移性がより強いことに一致して、LLC腫瘍細胞よりも有意に多くのクラスターを誘導した(p<0.01、Studentのt検定による)。
次にBM由来クラスターの細胞組成の特性を決定した。いずれの腫瘍細胞種によって誘導されたクラスターもVEGFR1を発現した(図1F、野生型よりも3.9±0.2の増加)。GFP+BM由来のクラスターはVEGFR1を共発現し(図1F)、これに対して照射のみの後の肺実質ではVEGFR1はほとんど発現されなかった(図1F)。これらの細胞クラスターのさらなる特性決定により、VEGFR1+であるBM由来細胞の大半がCD133(図1G)、CD34(図1G)およびCD117(cKit)を共発現することが判明し(図1Gおよび図1H)、このことからこれらの細胞のサブセットが始原造血細胞起原であることが示唆された。また、骨髄単球性マーカーはCD11b特定の細胞に存在したことから、BM由来クラスターには、ある程度の成熟上の不均一性もみられた。原発性腫瘍移植後の肺内の前駆細胞の分析では、以前に提示された経時推移試験が再現された。フローサイトメトリーによって認められたように、CD117+細胞は、GFP標識された腫瘍細胞よりも前に肺に到達した(図1H)。この初期のVEGFR1+BMクラスターではVEGFR2(図5A)およびCD31(図5A)の発現はみられなかった。さらなる動態試験により、VEGFR2+CEPが、腫瘍細胞の到達と時を同じくしてBM由来クラスターへと遊走することが判明した(図5B)。十分に形成された前転移性ニッチは、骨髄由来VEGFR2+内皮前駆細胞を含む(図5)。これらの所見は、BM由来のVEGFR1+造血細胞が前転移性ニッチを惹起して維持させ、腫瘍転移の惹起および維持のための許容性微小環境をもたらすことを立証するものである。
移植された腫瘍に関する所見を、自然発生腫瘍モデルを用いたものと比較した。c-Mycを過剰発現するトランスジェニックマウスを選んだが、これはその早期発現およびリンパ系全体にわたる高悪性度の腫瘍拡散が理由である。生後40日までに、顕著なVEGFR1+クラスターが腫瘍の発現前にリンパ節内に検出され(145.1±16.4個のクラスター/100倍視野、図1I、中央パネルおよび挿入図)、これに対して、野生型同腹子ではクラスターが欠如していることが観察された(0.4±0.3個のクラスター/100倍視野、図1I、左パネル、p<0.001、Studentのt検定による)。これらのクラスターは、肺および肝臓などの他の臓器では観察されなかった。生後4カ月までには、VEGFR1+クラスターは確立したリンパ腫の全体に存続していたが、前転移性状態におけるよりもその程度は小さかった(c-Mycマウスにおける67.8±9.5個のクラスター/100倍視野に対して、同腹子では0.7±0.5個のクラスター/100倍視野、図1I、右パネルおよび挿入図、p<0.001、Studentのt検定による)。VEGFR1+細胞クラスターの周囲のリンパ腫細胞は明らかにVEGFR1を発現しなかった(図1I、右パネル挿入図)。
マウスモデルで得られた、VEGFR1+細胞クラスターの腫瘍特異的形成を例証するデータを検証するために、原発性固形腫瘍を有する患者からのヒト組織を分析した。VEGFR1+クラスターはヒトの原発性腫瘍および転移組織の両方で観察された(図6A;乳癌-腋窩リンパ節、図6C;肺癌、図6E;食道癌)。転移の頻度の高い部位では腫瘍拡散の前に細胞クラスターの増加がみられ、このことからこの組織が悪性化する潜在能力が示唆された(図6、クラスター数/100倍視野;図6B;腋窩リンパ節21±5、図6D;肺19±4、図6F;GE接合部25±4)。悪性腫瘍を有しない患者から入手した正常なヒトリンパ節および肺組織は、VEGFR1+クラスターの形成を示さなかった(図6B、6D挿入図)。
精製されたVEGFR1+BM細胞が前転移性クラスターを惹起する潜在能力を、これらの前駆細胞を照射マウスに選択的に移植することによって評価した。LLC移植から24日後までに、無傷BMを移植された対照マウス(WT)は顕著な肺転移を示し(図2A、左パネル)、十分に確立した血管を伴っていた(図2A、左パネル挿入図)。しかし、VEGFR1+BMの精製された集団を移植されたマウスでは、少数の腫瘍細胞から構成される多数の微小転移が肺全体に形成され(図2A、中央パネル矢印および表、25±9個の微小転移/100倍視野)、異常な血管系がみられた(図2A、中央パネル挿入図)。この結果は、VEGFR1+HPCが前転移性クラスターを惹起することができ、それが小さな転移を形成する腫瘍細胞を引きつけうることを示唆する。これに対して、VEGFR1+細胞を除去したBMは前転移性クラスターを生成することができなかった(図2A右パネルおよび表、p<0.01、一元配置ANOVAによる)。
次に、遊走性HPCが前転移性微小環境との相互作用の結果として細胞クラスターを形成する細胞上および分子上の機序について調べた。インテグリンα4β1(VLA-4)とそのリガンドであるフィブロネクチンとの相互作用は、骨髄ストロマ内部の初期造血細胞(Burger et al., "CXCR4 Chemokine Receptors (CD 184) and α4β1 Integrins Mediate Spontaneous Migration of Human CD34+ Progenitors and Acute Myeloid Leukaemia Cells Beneath Marrow Stromal Cells (pseudoemperipolesis),", British Journal of Haematology 122:579-589 (2003)およびScott et al., "Deletion of α4 Integrins from Adult Hematopoietic Cells Reveals Roles in Homeostasis, Regeneration, and Homing," Molecular and Cellular Biology 23:9349-9360 (2003)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)および循環下にある成熟白血球(Neeson et al., "Lymphocyte-Facilitated Tumour Cell Adhesion to Endothelial Cells: The Role of High Affinity Leukocyte Integrins," Pathology 35:50-55 (2003)およびJonjic et al., "Molecules Involved in the Adhesion and Cytotoxicity of Activated Monocytes on Endothelial Cells," The Journal of Immunology 148:2080-2083 (1992)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)の遊走のために必須である。このため、VEGFR1+細胞がインテグリンも発現し、それによってこの細胞種と前転移性ニッチとの相互作用を促進しうるか否かについて評価した。前転移性クラスターにあるVEGFR1+HPCはVLA-4(図3Aおよび挿入図、VEGFR1の共発現)を発現するものの、インテグリンに関しては陰性であることが見いだされた。このことは、これらの細胞上でのVLA-4の発現が、BM由来細胞の前転移性ニッチとの接着を可能にすることを示唆する。クラスター形成の後には、α4β7インテグリンならびにα6β4も骨髄細胞の内部で重要であり、それに付随するストロマは転移ニッチ内部でびまん性に顕著にみられる。造血細胞によって産生されるマトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP-9)などのプロテイナーゼは、cKitを発現する新たに導入された細胞を支えるために可溶性Kit-リガンドおよびVEGF-Aを放出することによって、基底膜を分解させ、局所微小環境を変化させるのに役立つ可能性がある(Hessig et al., "Recruitment of Stem and Progenitor Cells from the Bone Marrow Niche Requires MMP-9 Mediated Release of Kit-ligand," Cell 109:625-37 (2002)およびBergers et al., "Matrix Metalloproteinase-9 Triggers the Angiogenic Switch During Carcinogenesis," Nat Cell Biol 2:737-744 (2000)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。さらに、フィブロネクチン結合に起因するα4β1シグナル伝達を通じてメタロプロテイナーゼ発現を増強することもできる(Huhtala et al., "Cooperative Signalling by alpha 5 beta 1 and alpha 4 beta I Integrins Regulates Metalloproteinase Gene Expression in Fibroblasts Adhering to Fibronectin," Journal of Cell Biology 129:867-879 (1995)およびYakubenko et al., "Differential Induction of Gelatinase B (MMP-9) and Gelatinase A (MMP-2) in T Lymphocytes Upon alpha(4)beta(1)-mediated Adhesion to VCAM-1 and the CS-1 Peptide of Fibronectin," Exp. Cell Res. 260:3-84 (2000)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。MMP-9の発現は、前転移性クラスターにおいてVLA-4分布とともに観察され、このことはMMP-9産生がこれらのVEGFR1+HPCにおけるインテグリン結合および活性化の結果である可能性を示唆する(図3A)。これらの所見は、前転移性肺におけるVEGFR1を介したMMP-9発現を示したHiratsukaらの以前の研究に一致し、それを拡張するものである(Hiratsuka et al., "MMP9 Induction by Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-1 is Involved in Lung-specific Metastasis," Cancer Cell. 2:289-300 (2002)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
次に、組織特異的リガンドの発現がこれらのBMクラスターの接着および形成を媒介しうるか否かを明らかにするために、原発性腫瘍の注射後かつBM由来のVLA-4+VEGFR1+細胞のホーミングの前に、組織実質を調べた。実際に、LLC注射の後には、免疫組織化学分析および定量的PCRの両方により、肺における将来の転移ニッチの付近で、WT肺におけるベースラインのフィブロネクチン発現と比較してフィブロネクチン発現の増加が第3日から第14日にかけて時間経過に伴って観察された(図3Cおよび3E)。さらに、原発性腫瘍に応答して増殖する(図3)間質細胞のような定在性の線維芽細胞(図3)は、局在性フィブロネクチンに寄与する可能性がある。B16が移植されたマウスに関しては、肺におけるフィブロネクチン発現が、LLCを接種されたマウスと類似した分布で観察された(図3D)。さらに、フィブロネクチンはVEGFR1+クラスターにおいて発現されるように思われる(図3D)。フィブロネクチン発現の増加は、腸および卵管といった、黒色腫馴化培地に曝露された多数の組織では認められず、このことはこれらの部位に対するB16腫瘍の転移性がより高度であることに一致する(p<0.05は、MCMを投与されたマウスからの卵管における、第3〜5日に関するフィブロネクチン発現について、p<0.001は第7〜9日に関して、一元配置ANOVAによるLCM投与またはWT組織との比較、ならびにp<0.001は、MCMを投与されたマウスからの腸組織における第7〜9日のフィブロネクチン発現について、一元配置ANOVAによるLCM投与またはWT組織との比較、図7Aおよび7B)。
VEGFR1+前駆細胞が腫瘍細胞の化学誘引および接着を促進することを確かめるために、腫瘍が移植されたマウスからVEGFR1+細胞を単離して、赤色蛍光(PKH26-G1)で標識した(図8)。緑色蛍光(PKH2-GL)で標識されたB16またはLLC細胞とのインビトロ同時インキュベーションで1時間以内に、造血前駆細胞が凝集して増殖し(150%の増加)、腫瘍細胞の接着および増殖を促進した。これに対して、抗VEGFR1抗体または抗VLA-4抗体のいずれかの存在下であらかじめ培養しておいたVEGFR1+HPCは、この結合親和性および拡大を阻止した(図8A)。さらに、トランスウェル遊走アッセイを行ったところ、骨髄由来VEGFR1+細胞に応答した蛍光標識腫瘍細胞の移動性(29.6±1.4個の腫瘍細胞/200×)は、非VEGFR1細胞(11.2±0.4)および培地のみ(9.9±0.9)よりも増強していた(図8B、p<0.001、一元配置ANOVAによる)。SDF-1/CXCR4軸は、骨髄内の特定のニッチに対するBM前駆細胞のホーミングおよび保持において顕著な役割を果たすことが知られている(Ratajczak et al., "Stem Cell Plasticity Revisted: CXCR4-positive Cells Expressing mRNA for Early Muscle, Liver and Neural Cells 'Hide Out' in the Bone Marrow," Leukemia. 18:29-40 (2004)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。この軸を利用する多くの生理的プロセスにおける骨髄からの造血幹細胞および前駆細胞の移動と同様に、CXCR4を発現する特定の腫瘍細胞種も、局所ケモカイン勾配に応答してこの様式で遊走しうる(Lapidot et al., "Current Understanding of Stem Cell Mobilization: The Roles of Chemokines, Proteolytic Enzymes, Adhesion Molecules, Cytokines and Stromal Cells," Experimental Hematology. 30:973-981 (2002)、Balkwill、F., "The Significance of Cancer Cell Expression of the Chemokine Receptor CXCR4," Seminars in Cancer Biology. 14:171-179 (2004)およびMuller et al., "Involvement of Chemokine Receptors in Breast Cancer Metastasis," Nature. 410:50-56 (2001)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。VEGFR1+細胞、線維芽細胞およびフィブロネクチンを含む、十分に形成された前転移性クラスターの内部では(図1A、左パネルに見られるように)、SDF-1(CXCL12)が高発現されるようになった(図8C)。CXCR4は、確立した原発性黒色腫の全体にわたってびまん性パターンで同定されたが、LLCについては「生存性」縁での局在領域であった(図8D)。前転移性ニッチに起原を発するケモカイン勾配の存在は、CXCR4+腫瘍細胞を誘引するのに役立つ可能性がある。これらの所見は、腫瘍タイプによって指示されるフィブロネクチンのアップレギュレーションが、前転移性ニッチの形成のために必要なVLA-4+VEGFR1+造血クラスターの結合を可能にすることを示唆する。さらに、VEGFR1およびVLA-4ならびにSDF-1およびCXCR4の発現を介した、これらのクラスターと腫瘍細胞との間の相互作用は、前転移性ニッチの転移への進行を支える。
LLCおよびB16細胞の選択的な転移能力についてさらに調べるために、培養下にある両方の腫瘍細胞種から馴化培地を入手した。LLC-馴化培地(LCM)の腹腔内注射は、培地のみ(図4)と比較して、定在性線維芽細胞からと思われるフィブロネクチンの発現を生じさせ、原発性皮内LLCと類似した様式ではあるがより急速に、BM由来のクラスター形成も生じさせた(図4A)。皮内B16腫瘍の影響と同等ではあるがより加速された形で;黒色腫馴化培地(MCM)は、LCMよりも大きな程度で、肝臓におけるフィブロネクチン発現を指示した(図4B)。MCMはまた、培地のみ(図4B)と比較して、腸(図4Bならびに図7Aおよび7B)で観察されたように、広範囲にわたる臓器において、クラスター形成を伴う線維芽細胞増殖およびフィブロネクチン発現の増強を引き起こす。これは、LLCを有するそれと比較して、B16腫瘍を有する動物において観察されたクラスターの増加と同時並行的に起こる(図1)。MCMがLCMよりも偏在的な様式でクラスター形成を促進すると考えて、続いて、増殖因子がこれらの2つの馴化培地間の転移能力およびプロフィールを説明する一助となるように変化するか否かを調べた(図4C)。腫瘍を有する動物からの血漿よりも高い、高レベルのVEGFが両方の馴化培地群で認められた。しかし、VEGFR1のみを介してシグナルを伝達する胎盤増殖因子(PIGF)のレベルに関しては、2つの馴化培地間で明らかな違いが検出された。MCMおよび黒色腫由来の血漿は、PIGFがほとんどまたは全く認められなかったLCMおよびLLC由来血漿と比較して、有意に高いレベルのPIGFを含む(図4C)。さらに、転移性の低い変異LLCにおいては、悪性度の高い対応物と比較して、馴化培地および血漿についてVEGFおよびPIGFの両方がはるかに低かった。トランスウェルアッセイにおいて、LCMおよびMCMは、他の増殖因子条件と比較してVEGFR1+骨髄由来細胞の遊走を最も効果的に増強した(LCM 55%±0.4、MCM 68.1%±5、培地10.8%±1.7、図4D、p<0.001、一元配置ANOVAによる)。これらの結果を考慮して、MCM中のPIGFなどのサイトカインが、LLC転移を通常ではない転移部位に再方向付けしうるか否かを問いただした。LLC皮内腫瘍移植の前にMCMを腹腔注射によって投与し、以後毎日投与したところ、肝臓および肺から、B16黒色腫が高い頻度で観察される腎臓、脾臓、腸および卵管などの部位へのLLC転移の再方向付けがもたらされた(図4E)。LLC腫瘍移植およびMCM注射を受けたマウスでは、VEGFR1抗体はクラスター形成を阻止し、LLC転移の再方向付けを防止した。これらの結果は、VEGFR1細胞クラスターを伴う馴化培地中に存在する腫瘍特異的ケモカインおよび/またはサイトカインが、転移拡散の基礎をなす複雑で多次元的な生化学的プログラムおよび細胞プログラムにおけるもう1つの決定因子であることを示している。
Claims (56)
- 以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害する方法であって、以下の段階を含む方法:
癌患者に対して、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での癌患者における腫瘍形成を阻害するのに有効な条件下で、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質を投与する段階。 - 投与が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が刺激される時に対応する時期に行われる、請求項1記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が、化学療法、ストレス、外科手術、炎症、照射または増殖因子によって刺激される、請求項2記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が化学療法によって刺激される、請求項3記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員がストレスによって刺激される、請求項3記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が外科手術によって刺激される、請求項3記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が炎症細胞の動員によって刺激される、請求項3記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が照射によって刺激される、請求項3記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が増殖因子によって刺激される、請求項3記載の方法。
- 増殖因子が、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、および、骨髄細胞の増殖を刺激する成長ホルモンからなる群より選択される、請求項9記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞と結合する、請求項1記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の形成を防止または低減する、請求項1記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞に特異的な抗体またはその結合部分である、請求項1記載の方法。
- ポリクローナル抗体が投与される、請求項13記載の方法。
- モノクローナル抗体が投与される、請求項13記載の方法。
- 抗体の結合部分が投与される、請求項13記載の方法。
- 阻害物質が、VLA-4(α4β1)インテグリンと結合できる抗体である、請求項13記載の方法。
- 投与がアジュバント治療レジメンの一部である、請求項1記載の方法。
- 癌患者における転移を予防する方法であって、以下の段階を含む方法:
癌患者に対して、患者における転移を予防するのに有効な条件下で、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質を投与する段階。 - 投与が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が刺激される時に対応する時期に行われる、請求項19記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が、化学療法、ストレス、外科手術、炎症、照射または増殖因子によって刺激される、請求項20記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が化学療法によって刺激される、請求項21記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員がストレスによって刺激される、請求項21記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が外科手術によって刺激される、請求項21記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が炎症細胞の動員によって刺激される、請求項21記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が照射によって刺激される、請求項21記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が増殖因子によって刺激される、請求項21記載の方法。
- 増殖因子が、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、および、骨髄細胞の増殖を刺激する成長ホルモンからなる群より選択される、請求項27記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞と結合する、請求項19記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の形成を防止または低減する、請求項19記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞に特異的な抗体またはその結合部分である、請求項19記載の方法。
- ポリクローナル抗体が投与される、請求項31記載の方法。
- モノクローナル抗体が投与される、請求項31記載の方法。
- 抗体の結合部分が投与される、請求項31記載の方法。
- 阻害物質が、VLA-4(α4β1)インテグリンと結合できる抗体である、請求項31記載の方法。
- 投与がアジュバント治療レジメンの一部である、請求項19記載の方法。
- 癌患者における腫瘍形成の阻害または転移の予防に有用な候補化合物を同定する方法であって、以下の段階を含む方法:
被験化合物を提供する段階;
被験化合物を血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞とともにインキュベートする段階;および
血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞と結合する被験化合物を、癌患者における腫瘍形成の阻害または転移の予防に有用な候補化合物として同定する段階。 - 癌患者における転移をモニタリングする方法であって、以下の段階を含む方法:
患者試料を血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルに関して評価する段階;および
血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルを血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の別のレベルと比較し、それによって癌患者における転移をモニタリングする段階。 - 他のレベルが癌患者における血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の以前のレベルであって、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルの上昇によって将来の転移が示される、請求項38記載の方法。
- 他のレベルが標準的または正常なレベルであって、標準的または正常なレベルを上回る血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルによって転移が示される、請求項38記載の方法。
- 患者試料が組織試料である、請求項38記載の方法。
- 患者試料が血液試料である、請求項38記載の方法。
- 以下の段階をさらに含む、請求項38記載の方法:
血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルと血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の他のレベルとの比較に基づいて治療薬を投与する段階。 - 投与がアジュバント治療レジメンを含む、請求項43記載の方法。
- 治療薬が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞のレベルを血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の他のレベルと比較することに基づいてその強度が選択された化学療法薬である、請求項43記載の方法。
- インビトロで行われる、請求項38記載の方法。
- インビボで行われる、請求項38記載の方法。
- 評価および比較が、癌患者における領域の画像化を含む、請求項47記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞に特異的な標識物質を用いて行われる、請求項48記載の方法。
- 癌患者に導入された、標識された血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞を用いて行われる、請求項48記載の方法。
- 以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での対象におけるフィブロネクチン発現を阻害する方法であって、以下の段階を含む方法:
対象に対して、以前の腫瘍形成の部位から離れた部位での対象におけるフィブロネクチン発現を阻害するのに有効な条件下で、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質を投与する段階。 - 投与が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の動員が刺激される時に対応する時期に行われる、請求項51記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞と結合する、請求項51記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の形成を防止または低減する、請求項51記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞の阻害物質が、血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞に特異的な抗体またはその結合部分である、請求項54記載の方法。
- 血管内皮増殖因子受容体1+骨髄由来細胞に対する抗体。
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