JP2008520544A - 癌関連疲労のための処置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌関連疲労(CRF)と診断される、重篤で持続的な疲労を患う癌患者の、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)およびTRHの類似体による治療に関する。CRFの治療方法、およびTRHおよびTRHの類似体のCRFの治療のための医薬の製造への使用方法が提供される。

Description

本発明は、腫瘍性疾患を患い、かつ/またはその治療を受けた患者において重篤かつ持続的な疲労として現れる、代謝的、免疫学的および中枢神経系の障害の治療に関する。
癌関連疲労(CRF)は、癌および癌治療に関連した最も広範囲にわたる有害症状である。最近の研究において、癌患者は、疲労がその癌および癌治療と関連する最も辛い症状であると報告されている(リチャードソンら(Richardson et al)、1995)。CRFは多因的、多次元的、かつ複雑な障害であり、それゆえに患者、その家族、さらには医療提供者にさえ説明するのが困難である(ポルテノイら(Portenoy et al)、1999)。これらの複雑さおよび困難にもかかわらず、CRFを健康な個人が経験し得る他の形態の疲労との差別化において顕著な進歩がなされた(ストーンら(Stone et al)、2000)。CRFは、癌および癌治療に伴って生じ得る、異常で持続的な疲労感として最もよく定義することができる(アトキンソンら(Atkinson et al)、2000)。CRFは、肉体的および精神的能力のいずれにも影響を及ぼす可能性があり、休息によって軽減することはない。それは、他の形態の疲労よりも重篤であり、エネルギー消耗性であり、長く継続し、かつ執拗である(グラウスら(Glaus et al)、1996)。CRFは、通常の機能を妨げ、患者の生活のほとんど全ての面に破壊的な影響を及ぼす。それは、モチべーションに広範な影響を及ぼす。その上、職務に参加し、これを達成することが困難となる。CRFの最も異常な特徴は、それが休息または追加の睡眠によって軽減されないことである(ホリー(Holly)、2000)。大部分の癌患者にとって、CRFは、彼らが以前に経験した何ものとも非常に異なる。医療専門家によって提供される現在の薬理学的および非薬理学的治療のほとんどは、逸話的な証拠に基づくものである。
新しい、より効果的な癌治療によってより長い生存がもたらされ、疲労がより激しく、悲惨なものとなってきているため、CRFおよびCRFに関連した生活の質の問題が注目を集めるようになった(カートら(Curt et al)、2000)。簡易疲労一覧表(BFI)などの、より良質でより高感度のスクリーニングツールが、CRFを同定するために開発された(メンドーサら(Mendoza et al)、1999)。また、多次元疲労一覧表(MFI)などの包括的なツールを現在、CRFの複雑な症状を評価するために利用することができる(スメツら(Smets et al)、1995およびスメツら(Smets et al)、1996)。
乳癌患者の間での疲労の有病率を検討した研究により、99%までが放射線療法および/または化学療法の経過中にいくらかのレベルの疲労を経験し、そして60%より多くが、自らの疲労のレベルを中程度から重度であると評価していることが明らかになった(ストーンら(Stone et al)、1994)。治療を受けている乳癌患者によって経験される疲労の強度および持続期間が、健常対照者よりも有意に大きいことも研究によって示されている(アーヴィンら(Irvine et al)、1994)。特に補助化学療法を受けた患者の間で、疲労が乳癌治療完了の後、複数ヶ月、さらには複数年さえも持続する可能性があることを示唆する証拠が集まりつつある(デ ジョングら(de Jong et al)、2002)。証拠はまた、診断と治療の何年も後に、疲労が乳癌生存者の間で全体的な生活の質へネガティブな影響を及ぼし続け、健常対照者におけるよりも、日常的な機能により大きな影響を引き起こすことを示唆している(ダウら(Dow et al)、1996)。前立腺癌を有する患者は治療の有無にかかわらず、類似した疲労の高い率を報告している(キュンケルら(Kunkel et al)、2000)。
5つの要因が、CRFと高い相関関係を有している:貧血症、甲状腺機能低下症、痛み、睡眠障害および精神的苦痛(モックら(Mock et al)、2001)である。精神的苦痛は、ストレス、小うつ病、および不穏から、大うつ病の基準を満たす症状または同定可能な不安障害まで様々である(バレンタインおよびマイヤーズ(Valentine&Myers)、2001)。研究により、痛み、睡眠障害、およびうつ病が、CRFと正の相関関係を有することが示されている。しかしながら、この関係は因果関係を示唆するものではない。複数の研究が、これらの要因とCRFの発症との間に、有意な因果関係を見出すことができなかった。ビサーおよびスメツ(Visser and Smets)(1998)は、うつ病と疲労との間のそのような関係を放射線療法で治療された患者で見出すことができなかったが、いずれの症状も、低減した生活の質を予見するものであった。バウアーら(Bower et al)によって行われた研究(2000)では、痛み、うつ病および睡眠障害が乳癌生存者において疲労を強く予見させたが、研究は3つの変数のいずれについても因果関係を見出すことができなかった。
これらの知見は、CRFがおそらくは独立したものであり、他の症状の十分な治療の後に、治療に不応性のままである可能性があることを強調するものである。前述の研究の結果は、これらの要因のいくつかが疲労に伴う症状のネットワークにおいて相互に関係づけられており、そして共通の、または重複する生理学的/生化学メカニズムを有する可能性があることを示唆する(デ ジョングら(de Jong et al)、2002)。CRFの基本的メカニズムを2つの主要な成分に任意に分けることができる:エネルギー不均衡をもたらす末梢性メカニズム、ならびに視床下部−下垂体−副腎皮質(HPAおよび)/視床下部−下垂体−甲状腺(HPT)軸、および疲労と覚醒との基礎をなす神経回路の内因性の変化を含む中心メカニズムである(グートシュタイン(Gutstein)、2001)。負のエネルギー均衡をもたらす過程は全く多様である。
最近の研究は、HPA軸の調整不全(特にコルチゾール)、および多くの癌/癌治療において異常に産生された一部の内因性の前炎症性サイトカイン(IL−1、IL−6、IFN、TNF)の役割を示唆している(クルゾック(Kurzock)、2001)。グリーンバーグら(Greenberg et al)(1993)は、放射線療法の急性相において、前立腺癌患者の間で疲労レベルとインターロイキン1(IL−1)βレベルの有意な増加を報告した。バウアーら(Bower et al)(2002)は、乳癌生存者において、炎症活性の選択された高感度のマーカーを検討した。これらのマーカーは、インターロイキン1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)、可溶性腫瘍壊死因子レセプタータイプII(TNF−RII)およびネオプテリンを含むものであった。IL−1raレベルはIL−1レベルと高い相関関係を有し、TNF−RIIレベルはTNFアルファレベルと相関し、TNFアルファ活性を反映する。ネオプテリンは、前炎症活性の主要な給源である活性化マクロファージによって分泌される。疲労を有する乳癌生存者は、疲労を有しない群より有意に高いこれらの前炎症活性のマーカーのレベル、およびより低いコルチゾールの血清レベルを有していた。
HPT軸およびTRH
1969年に、アール・ギルマン(R Guillemin)およびエー・シャリー(A Schally)の率いるグループが独立して、脳下垂体前葉に甲状腺刺激ホルモンを放出させている視床下部物質がL−ピログルタミル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド(pGlu−His−ProNH)であることを発表した。この生物学的活性に基づいて、このトリペプチドは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)として知られている。
Figure 2008520544
PubMedデータベースだけでもTRHに関する刊行物が14,000近くあり、広範な生理学的知見が報告されている。これらの報告の幅と範囲は、注目に値すると共に複雑である。実験動物へのTRHの投与は、全く予想外の範囲の視床下部外の(extrahypothalamic)生物学的効果をもたらす。おそらく、TRHの最も独特の効果は、アルコール、全身麻酔薬および他の精神作用薬を含む実質的に全ての種類の薬物の鎮静および行動抑制効果を相殺する、その「興奮」作用にある。TRHは冬眠中の動物を起こしさえする。反対に、TRHは、抗痙攣および抗不安活性を含む、これらの覚醒、警戒効果とは逆方向の作用を有する。そして興味深いことに、TRHは、通常の実験動物で証明できる活性をほとんど有しない。TRHは、単極性大うつ病患者において、短いが明確な抗うつ効果を有することが見出された。全てではないが、多くの研究者によって確認されたこれらの知見は、他の何ものよりTRHの基礎および臨床神経薬理学の両方に対するその後の関心の土台を提供した。
これらの多様な知見のための1つの提案される統一的な仮説は、TRHが、CNSの覚醒および警戒を立ち上げ、維持するための、内因性の「エネルギー消費的(ergotropic)」物質として機能することを示唆した。TRHは警戒、覚醒および興奮特性を有するが、この仮説はTRHの外見上の状態依存効果を説明することができなかった。このように、TRHは正常対象ではほとんど効果を有さず、また、ある状況において、TRHはCNSの興奮性を低減するトロポトロフィック(tropotrophic)効果を奏することがある。TRHの全ての特性を説明するために、TRHの主な機能がCNS活性および自律神経系活性の状態依存的な正常化によってホメオスタシスを促進することであるということが最近提唱された。前述の点およびそれに関連した所見は、ゲイリーら(Gary et.al.)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)ホメオスタシス調整の仮説:TRHに基づく治療剤への影響(The thyrotropin−releasing hormone (TRH) hypothesis of homeostatic regulation:implications for TRH−based therapeutics)、J Pharmacol Exp Ther.2003年5月、第305巻第2号、410〜6ページ(Epub 2003年2月20日)に詳述されている。この仮説は、甲状腺系に対するその影響を通じた代謝ホメオスタシスの調整役としてのTRHの伝統的な役割と合致している。
TRH自体は全てのペプチドのように吸収されにくく、ペプチダーゼによって迅速に分解し、およそ5分の血漿中半減期を有するため、貧弱な薬物候補である。その短い半減期は、ネガティブな結果を解釈することを難しくする。したがって、末梢に投与されたTRHは、中枢神経系に到達し、その行動的効果をもたらす能力が制限されている。それにもかかわらず、TRH、ならびに代謝的に安定なTRH類似体およびそのプロドラッグが多数のCNS疾患に有用であることを記載した多くの報告がある。
報告された進展
時折、臨床医は容易に利用できる治療(たとえば貧血症に関連した疲労のためのエリスロポイエチン)がある、疲労の改善可能な原因を同定することがある。貧血症、甲状腺機能低下症、電解質異常(低マグネシウム血症、低カリウム血症)は、CRFの医学的に改善可能な原因の一部である(モック(Mock)、2001)。CRFのこれらの主な医学的に改善可能な原因は、CRFを経験しているほぼ50%の患者で確認され得る(デメトリら(Demetri et al)、1998)。しかしながら、患者の残りの50%において、包括的なワークアップにもかかわらず病因論が不明のままであるという事実に変わりはない。以下で「特発性CRF」と称する、かかる症例における病因論および/または病態生理学は、おそらくより複雑で、未確認の中枢主導のメカニズムに関連している。
今日、上市されている薬物の1つのみ、モダフィニル(プロビジル)が、特発性CRFの治療に役立つようである。しかしながら、モダフィニルは精神刺激薬であり、したがって、その中毒可能性のためにFDAによってスケジュールIV薬物に分類されている。
TRH(および一部のTRH類似体)は、うつ病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、血管痴呆、「意識障害」、新生児呼吸窮迫、特定の稀なてんかん、脳卒中、脊髄筋肉萎縮症および脊髄小脳変性疾患で試験されている。これらの取り組みの各々は、TRHの幅広い薬理作用の異なる面に基づいている。ほとんどの場合、ポジティブな結果とネガティブな結果の両方が観察された。我々の知る限りでは、病因論または症状がTRHの特異的な欠乏の直接的な結果であることが知られている、神経学的もしくは精神医学的障害は存在しない。したがって、このような多様で多義的な知見は、しばしばTRHに基づく薬物の有用性について否定的な見方をもたらした。それにもかかわらず、TRHおよび多くのTRH類似体を種々の神経疾患に用いることが提案された。
TRH類似体、たとえばタルチレリンは、いずれも田辺製薬株式会社に譲渡された米国特許第4,711,878号明細書および第4,563,306号明細書に開示されている(意識障害、集中力不足、言語障害、意欲減退、レンノックス症候群、老人性痴呆、催眠中毒、自閉症、運動亢進症、精神分裂症、うつ病およびパーキンソン病の治療に有用)。
他のTRH類似体、たとえばMK−771は、メルク社(Merck&Co,Inc.)に譲渡された米国特許第3,959,248号明細書に開示されている(中枢神経系のうつ病および/または甲状腺刺激ホルモン放出の活性化が必要な患者の治療に有用)。
TRHのヒスチジルペプチド誘導体、たとえばJTP−2942は、日本たばこ産業株式会社および吉富製薬株式会社に譲渡された米国特許第5,151,497号明細書に開示されている(障害のある意識、うつ病、記憶減退などの中枢神経障害、精神分裂症、うつ病、老人性痴呆、脳血管障害の後遺症、頭部外傷、てんかんおよび脊髄小脳変性症を伴う同様の障害の治療に有用)。
CNS活性を有する置換アゼチジノンTRH類似体化合物、たとえばYM−14637(アゼチレリン)は、いずれも山之内製薬株式会社に譲渡された米国特許第4,636,567号明細書、第4,610,821号明細書、第4,564,609号明細書および第4,719,207号明細書に開示されている(精神分裂症、神経衰弱、脳血管障害の後遺症、頭部外傷、老人性痴呆、てんかん等における意識障害の改善、または意欲減退、うつ病症候群および記憶喪失の改善に有用)。
中枢神経系の障害の治療に有用な、RGH−2022(ポジチレリン(positirelin))に関するTRH類似体は、パテントビューロー ダヌビア(Patentbureau DANUBIA)に譲渡された米国特許第4,368,073号明細書およびリヒター ジェデオン(Richter Gedeon)に譲渡された米国特許第4,299,821号明細書に開示されている。
TRHのヨード化類似体は、米国保健省に譲渡された米国特許第5,244,884号明細書に開示されている(うつ病、循環性ショック、ALS、脊髄損傷および高血圧の治療に有用)。
CG−3703(モンチレリン)に関するヒスチジルプロリンアミドTRH誘導体は、日本新薬株式会社に譲渡された米国特許第4,877,784号明細書に開示されている(てんかんの治療に有用)。ヒスチジル置換TRH類似体は、米国特許第6,475,989号明細書(神経学的および神経行動学的障害の治療に有用)およびジョージタウン大学に譲渡された米国特許第5,686,420号明細書に開示されている(中枢神経系外傷により生じた脳および脊髄の損傷、ならびに移植過程と関連する二次的な外傷による損傷を軽減することによる組織移植を受けている患者の治療に用いられる)。
TRHペプチド模倣薬および関連する環状ヘキサペプチドは、ペンシルバニア大学に譲渡された米国特許第5,811,512号明細書に開示されている(サブスタンスPアンタゴニストとして、不安症、精神病および精神分裂症、アルツハイマー型老人性痴呆、アルツハイマー病およびダウン症などの神経変性疾患、気管支痙攣および喘息などの呼吸器疾患、炎症性腸疾患、骨関節炎および慢性関節リウマチなどの炎症性疾患、移植組織拒絶などの有害な免疫反応、内臓の神経調節に関連した疾患、たとえば、潰瘍性大腸炎、クローン病および失禁などの胃腸(GI)疾患および消化管の疾患、血管拡張に起因する血流の障害、ならびに、痛みまたは侵害受容の制御および/または治療に用いられる)。神経疾患の治療に有用な、N末端部分が5つの異なる環構造のうちの1つからなり、そして、ヒスチジル部分が、CF3、NO2またはハロゲンで置換されているTRH類似体は、エーアイ ファーデン(AI Faden)に譲渡された米国特許第5,686,420号明細書に開示されている。ペプチドpGLU−GLU−PRO−NH2を、単独でまたはニトロンと組み合わせて対象に投与することによる、脳、脊髄および網膜の疾患および損傷を治療および予防する方法は、ジェイエル マイヤーホフら(JL Meyerhoff et.al.)に譲渡された米国特許第6,815,425号明細書に開示されている。TRHより高い親油性を有し、TRH不活化酵素による分解に対して高い耐性を有することを特徴とするTRHのプロドラッグは、エイチ ブンドガード(H Bundgaard)およびジェイ モス(J Moss)に譲渡された米国特許第5,405,834号明細書に開示されている。
TRH分解酵素(TRH−DE)の阻害剤に関するペプチド誘導体化合物は、米国特許出願公開第20030166944号明細書に開示されている。米国特許出願公開第20030232966号明細書(フロリダ大学のエル プロカイ(L Prokai))は、TRHのピリジニウム類似体が、疲労、うつ病、精神分裂症、循環性ショック、筋萎縮性側索硬化症および高血圧などの種々の身体的および神経学的症状、うつ病、痴呆症および精神分裂症を含む精神障害、いわゆる慢性疲労症候群を含む脳脊髄炎、ロイコジストロフィー、アドレノロイコジストロフィー、片頭痛、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳性麻痺およびハンチントン病を含む脳疾患、脳または脊髄外傷(すなわち脳卒中、脳低酸素症)、ならびに、トゥレット症候群を含む運動神経疾患/障害の治療に有用であることを開示している。
TRH類似体が有用なものとして開示されているさらなる症状を開示する先行技術は以下のものを含む:グルエンタール社(Gruenthal GmbH)に譲渡された、睡眠時無呼吸症を抑制するための米国特許第5,968,932号明細書、日本新薬株式会社に譲渡された、老人性痴呆症を治療するための向知性剤としての米国特許第4,956,364号明細書、グルエンタール社(Gruenthal GmbH)に譲渡された、外傷後の神経損傷を治療するための米国特許第4,906,614号明細書、および、グルエンタール社(Gruenthal GmbH)に譲渡された、筋萎縮性側索硬化症を治療するための米国特許第4,788,179号明細書。
ペプチド模倣薬、タルチレリンは広範囲に研究されており、強力なCNS効果を有する、代謝的に安定なTRH類似体であることが証明されている。ヤマムラら(Yamamura et al.)(1997)は、基礎科学研究においてタルチレリンの作用を見直し、タルチレリンの効果がTRHの作用と平行して起こることを示した。タルチレリンは、脊髄小脳変性症(SCD)の治療において、この重篤な神経疾患の進行を減速するという、いくらかの有効性を有することがすでに示されており、2000年から承認され、日本でSCDの治療のために市販されている。第3相臨床試験、および日本での市販後の監視において、2001年のその発売以来、タルチレリンは優れた安全性の記録と極めて有利な副作用プロフィールを有することが示された。タルチレリンは、これらの患者の運動失調症を軽減し、病院への必要とされた通院を減少させ、その全体的な生活の質を改善することが報告されている。この薬物はまた、他の「未認可」の神経学的適応症、たとえば一部の小児てんかん、および脊髄筋萎縮症患者の管理における有用性が見出されている。これまでに開発された他のこのような代謝的に安定したTRH類似体と同様に、タルチレリンのCNS効果は、その一時的なTSH放出性内分泌効果をはるかに上回る。
別のTRH類似体は、グリュネンタール社(Gruenenthal,BRD)から入手可能なモンチレリンである。モンチレリンは、抗うつ作用およびCNS刺激作用を有する長時間作用性のTRH類似体であり、見込みのある向知性剤および精神刺激薬として有用であることが報告されている。WHO Drug Information 1(3)、184、1987、WHO Drug Information 2(3)、166、1988、チョルヴァ アールジェイ(Chorvat RJ)、アール アールエー(Earl RA)、ザクヴェック アール(Zacvek R):アセチルコリン放出促進剤:アルツハイマー病のための潜在的治療薬(Acetylcholine release enhancing agents:potential therapeutics for Alzheimer’s disease)、Drugs Future 20/11、1145〜1162ページ、1995年。モンチレリンの化学名は、(6−メチル−5−オキソ−3−チオモルフォリニル)カルボニル−ヒスチジルプロリンアミド、または、N−[[(3R,6R)−6−メチル−5−オキソ−3−チオモルフォリニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミドである。
ゲイリーら(Gary et.al.)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)ホメオスタシス調節の仮説:TRHに基づく治療剤への影響(The thyrotropin−releasing hormone (TRH) hypothesis of homeostatic regulation:implications for TRH−based therapeutics)、J Pharmacol Exp Ther.2003年5月、第305巻第2号、410〜6ページ(Epub 2003年2月20日)で、著者らは、TRHの主な神経生物学的機能がホメオスタシスを促進することであると報告し、TRHおよびTRH類似体が、とりわけ、うつ病、慢性疲労症候群、ナルコレプシー、および、薬物、化学療法または放射線療法に続発する鎮静を含む、種々の治療適応症に有用である可能性があることを示唆している。
前述の先行技術文献のいずれも、TRHまたは任意のTRH類似体が、癌患者のみが経験し、特発性CRFと診断される持続的で重篤な疲労を治療するのに有用であることを示唆しない。本来的に持続的で重篤な、癌関連疲労、特に特発性癌関連疲労を患う患者は、現在効果的な治療がない状態にある。本発明は、これらの患者を救済することを意図するものである。
本発明は、腫瘍性疾患を患うヒト患者における癌関連疲労(CRF)の治療に関する。
本発明は、患者に、治療的に有効な癌関連疲労を緩和する量のTRHもしくはTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグを投与する工程を備える、CRFを治療する方法を提供する。より具体的には、好ましい観点において、本発明は、重篤かつ持続的な疲労を呈する患者において、該患者に、疲労を緩和する有効量のTRHもしくは代謝的に安定なTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、特発性癌関連疲労を治療する方法を提供する。
本発明はまた、TRHもしくはTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグの、癌関連疲労の予防または治療のための医薬の製造への使用方法を提供する。より具体的には、好ましい観点において、本発明は、TRHもしくは代謝的に安定なTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグの、重篤かつ持続的な疲労を呈する患者における特発性癌関連疲労を治療するための医薬の製造への使用方法を提供する。
本発明に用いられる好ましいTRH類似体は、TRH類似体、タルチレリン、その水和物、プロドラッグ、およびその医薬的に許容し得る塩である。
用語「癌関連疲労を緩和する量」は、医師または他の臨床医が求める、ヒトの生物学的または医学的応答を誘発する、薬物または薬剤の量を意味する。特に癌関連疲労の治療に関して「緩和する量」は、求められている疲労緩和応答をもたらすTRHもしくはTRH類似体またはTRHもしくはTRH類似体のプロドラッグの有効量を意味する。
用語「医薬的に許容し得る塩」は、患者へ投与した際にTRHもしくはTRH類似体を与える、TRHもしくはTRH類似体の任意の医薬的に許容し得る形態(すなわち、エステル、一、二、もしくは三リン酸エステル、エステルの塩または関連する群)を表す。医薬的に許容し得る塩は、医薬的に許容し得る無機もしくは有機塩基および酸に由来するものを含む。好適な塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフタレートなどの有機成分、ならびに、グループI(すなわち、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属塩)、グループII(カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩)、アンモニウムおよびプロタミン、亜鉛などの無機成分に由来するもの、塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩などの対イオンを有する鉄と共に、医薬分野でよく知られている多数の他の酸を含む。
用語「プロドラッグ」は、活性化合物の薬理活性を発揮することができない分子を意味する。活性化合物は、それが一時的な修飾形態から生体内活性化(すなわち、ジヒドロピリジンのピリジニウムへの酸化またはカルボン酸を提供するエステル部分の加水分解)した後に、その治療的な効果を発揮する。プロドラッグを生体内活性化するための方法の非限定例は、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化および脱リン酸化を含む。TRHもしくはTRH類似体のプロドラッグは、内因性の酵素によって生体内で生物学的に活性な、治療的な化合物に変換されてもよい。TRHもしくはTRH類似体のプロドラッグ形態は、TRHおよびその伝統的な類似体に存在する、安定性、水への溶解度、毒性、特異性の欠如または限られた生体利用性に伴う問題を解決することができる。TRHもしくはTRH類似体のプロドラッグは、TRHおよび伝統的なTRH類似体と比較して、改善された血液脳関門侵入性を示すことができる。
用語「治療する」は、用語「治療する」が適用される疾患または状態(かかる疾患または状態の1つまたはそれ以上の症状を含む)を和らげることを意味する。本明細書で用いる場合、関連する用語「治療」は、疾患、症状または状態を治療する行為を意味し、用語「治療する」は上記に定義したとおりである。
本発明に係る治療方法は、治療を提供するための、TRHまたは少なくとも1種もしくはそれ以上のTRH類似体の有効量の患者への制御された投与を含む。TRHまたはTRH類似体の患者への投与は、1日あたり1回から数回までの経口投与(たとえば、B.I.DまたはQ.I.D.)、静脈内(ボーラスまたは連続的点滴静注)および筋肉内、局所、皮下、経皮(浸透剤を含んでもよい)、口腔および坐薬投与を含む、非経口投与と共に、その他の投与経路を含むことができる。本発明は、TRHもしくはTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物またはプロドラッグの、これらの方法による投与のための、CRFの治療または予防用の医薬の製造への使用方法を提供する。
TRHもしくはTRH類似体、その医薬的に許容し得る塩またはプロドラッグの治療用量は、投与経路、患者の年齢、体重および状態、ならびに、治療すべき具体的な疾患に依存する。しかしながら一般的に、経口投与の場合は、0.0005から5mg/kg/日の用量、特に0.01から2mg/kg/日の用量で、または、非経口投与(たとえば静脈内、筋肉内、皮下)の場合は、0.001から0.1mg/kg/日の用量で、これを使用することができる。本発明は、TRHもしくはTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物またはプロドラッグの、これらの用量での投与のための、CRFの治療または予防用の医薬の製造への使用方法を提供する。
CRFを経験している患者は、1日1回から3回までの約5mgから約30mgまでの量、好ましくは約5mg/日から約20mg/日まで、そして最も好ましくは約5mg/日から約15mg/日までの量の、TRHもしくはTRH類似体の有効な疲労緩和量で、約1から約4週間までの期間、または患者が疲労レベルの顕著な低下を報告するまで治療してもよい。本発明の好ましい実施形態は、約1から約4週間の、約5から約10mg/日の投与からなる。治療中に、疲労評価が顕著に低減した患者には、典型的には、1から2週間の減量投与計画を適用する。本発明は、TRHもしくはTRH類似体、またはTRHもしくはTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物またはプロドラッグの、これらの治療レジメンで使用する医薬の製造への使用方法を提供する。
本発明から最も利益を得ている患者集団は、化学療法、放射線、免疫療法剤、および/または手術による治療の後約1週を超える持続的で重篤な特発性疲労を示す癌患者を含む。我々は、かかる患者が以下に記す評価基準に従って、そして同様に、特発性CRFの根底にある病態生理学に特有の重要な免疫性、および、HPA軸「マーカー」によって同定できると考えている。以下の研究に関する記載は、かかる患者集団の選択、および特発性癌関連疲労を治療するためのプロトコルの好ましい実施形態の例である。
実施例−選択および治療研究−TRH
患者の選択。本研究において、癌、乳癌または前立腺癌の診断を受けた患者を、腫瘍臨床設定の簡易疲労一覧表(BFI)を用いてCRFに関してスクリーニングする。BFIは単純な9項目の自己記入尺度であり、完了するのに約5〜10分を要する。重篤なレベルの疲労(BFI≧7)を経験している患者を、このスクリーニングに基づいて同定する。これらの患者は、その後、医学的に改善可能なまたは他の治療可能な疲労の原因(すなわち貧血症、甲状腺機能低下症、電解質異常、CRFの症状より優勢な顕著な痛み)を有する患者を同定および除外するために、総合的な面接および臨床検査(ヘモグロビン、ヘマトクリット、甲状腺刺激ホルモン濃度および電解質)によるさらなるスクリーニングを受ける。重篤なCRFを有し、かつ医学的に改善可能なまたは他の治療可能なCRFの原因を有しない合計20人の患者が、初期スクリーニング過程に基づいて同定される。医学的に改善可能なまたは他の治療可能なCRFの原因は、50%もの癌患者および/または癌治療を受けている患者に存在するとみられる。(デメトリら(Demetri et al)、1998)。したがって、特発性CRFを有する20人の患者を同定するために、乳癌または前立腺癌の診断を受けた約40人の患者をスクリーニングする。
選択された患者は、疲労の様々な面を調査するために、総合的な評価を受ける。この評価は、多次元的疲労目録(MFI)(スメツら(Smets et al)、1995およびスメツら(Smets et al)、1996)、および生活の質の質問表である36項目の短文式調査(SF−36)(ウェアおよびシャーバーン(Ware and Sherbourne)、1992)から構成される。患者は、頻繁にCRFと共に発症する2つの主要な精神疾患である、うつ病性疾患および不安症について評価する。これは、病院不安およびうつ尺度(HADS)を用いて行う。HADSは、14項目のスクリーニングツールである。それは、不安(HADA)およびうつ(HADD)のために別々の尺度から構成される。その有効性は、併存する身体的疾患の存在に比較的影響を受けない(ジグモンドおよびスナイス(Zigmond and Snaith)、1983)。さらに、患者は、免疫およびHPA軸機能に関連した特定の臨床検査を受ける。
研究の介入相において、患者は1週間間隔で4週間、TRH(0.5mgもしくは1.5mg)またはプラセボとしての生理食塩水の注入を受ける。TRHまたは生理食塩水の割当ては、二重盲検で、ABBA形式に従って無作為化する。TRH注入に関して、各対象は、第1の活性薬物注入試行の際に0.5mg、第2の活性薬物注入試行の際に1.5mgの用量のTRHを受ける。患者は毎週注入の日に、GCRCで、BFIおよびMFIにより疲労評価を受け、そして、その後の2日間、患者は自宅から評価尺度を完成させる。患者はまた、HADSによるうつ病および不安症の評価、およびSF−36による生活の質の評価を、無作為化時、および介入相の終わりに受ける。患者は、重症度の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−S)により、無作為化時、および4週間の介入相の間毎週、その全体的な状態について評価を受ける。患者は、ベースライン時および介入相の間に毎週、以下に記載する免疫因子およびHPA軸マーカーについて再度臨床検査を受ける。
患者の選択−採用/除外基準
初期スクリーニング相に入るための採用基準:
1.全ての研究関連の手順の開始の前に、同意書を提出すること。
2.18才以上の男性または女性で、乳癌または前立腺癌の診断を受けていること。
3.研究に必要な事項を理解し、これに応じられること。
初期スクリーニング相に登録するための除外基準:
1.DSM−IV基準により定義される、評価前6ヶ月以内の物質濫用または依存症の特定可能な診断を受けた患者(完全な寛解状態にある場合、およびカフェインまたはニコチン依存症を除く)。
2.調査者が判断した、CRFの評価を混乱させる、不安定なまたは不適切な治療を受けた併存する任意の顕著な病状(たとえば糖尿病、CHF、他の癌の病歴)を有する患者。
3.調査者が判断した、CRFの適切な評価を混乱させる、不安定なまたは不適切な治療を受けた任意の顕著な精神疾患(うつ病および/または不安症を除く)を有する患者。
4.複数の向精神薬を投薬されている患者。
5.免疫学的に関連した疾患または免疫系に影響を及ぼし得る疾患の病歴を有する患者。
6.定期的に免疫抑制薬を使用している患者。
7.視床下部−下垂体−副腎皮質(HPA)軸機能に明らかに影響を及ぼす疾患を有する患者、または、HPA軸に影響するホルモン治療を受けている患者。
8.調査者の見解において、患者の登録が不適切となるか、または研究への患者の参加を妨げる可能性のある任意の他の状態。
第2の総合的な評価相に入るための追加の除外基準:
以下の全てを、本研究の、第2の総合的な疲労評価相(初期スクリーニングおよび臨床検査に基づく)に入ることから除外する基準とする:
1.貧血症、甲状腺機能低下症および電解質異常などの、CRFの医学的に改善可能な原因を有する患者。
2.CRFと因果関係を有し得る、痛みなどの、CRFのシナリオより優勢な、潜在的で治療可能な関連症状を有する患者。
中断のための基準:
患者は、いつでも本研究の治療および評価を中断することができる。患者が本研究を中断するための具体的な理由は、以下のとおりである:
1.患者による自発的な中断(患者は、いつでも自由に本研究への参加を中断することができる)。
2.調査者が判断したプロトコルへの重大なノンコンプライアンス。
3.誤った登録。
4.研究期間中の、任意の状態に起因する患者の入院。
研究デザイン:
本研究には、二重盲検プラセボ対照クロスオーバーデザインを用いる。4週期間にわたり、1週間間隔で、患者は、ジョンデンプシー病院(John Dempsey Hospital)の一般臨床研究ユニット(General Clinical Research Unit)(GCRC)で評価され、ABBAクロスオーバーデザインに従った無作為な順番で、TRH(第1の活性薬物試行については0.5mg、第2の活性薬物試行については1.5mg)または生理食塩水の静脈内注入を受ける。
初期スクリーニング相。最初の選択および除外基準を満たす、乳癌または前立腺癌の診断を受けた患者は、腫瘍臨床設定の簡易疲労一覧表(BFI)による初期スクリーニングを受ける。重篤なレベルの疲労(BFI≧7)を経験している患者を、このスクリーニングに基づいて同定する。これらの患者は、その後、医学的に改善可能なまたは他の治療可能な疲労の原因(すなわち貧血症、甲状腺機能低下症、電解質異常、CRFのシナリオより優勢な顕著な痛み)を有する患者を同定および除外するために、総合的な面接および臨床検査(ヘモグロビン、ヘマトクリット、甲状腺刺激ホルモン濃度および電解質)によるさらなるスクリーニングを受ける。重篤なCRFを有し、かつ医学的に改善可能なまたは他の治療可能なCRFの原因を有しない合計20人の患者が、初期スクリーニング過程に基づいて同定される。
選択された患者は、疲労および生活の質の様々な面を調査するために、総合的な評価を受ける。この評価は、多次元的疲労目録(MFI)、および生活の質の質問表である36項目の短文式調査(SF−36)から構成される。患者はまた、うつ病性疾患および不安症について、病院不安およびうつ尺度(HADS)により評価される。患者は、重症度の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−S)および改善の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−I)により、無作為化時、および4週間の介入相の間毎週、その全体的な状態について評価を受ける。さらに、患者は、免疫およびHPA軸に関する特定の臨床検査を受ける。これらの臨床検査は、炎症活性についての選択された血清マーカーおよびHPA軸についてのマーカーを含む。免疫マーカーは、インターロイキン1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)、可溶性腫瘍壊死因子レセプタータイプII(sTNF−RII)およびネオプテリンを含む。血清コルチゾールレベルは、HPA軸のマーカーとして用いる。これらのマーカーの1つまたはそれ以上の上昇したレベルは、CRFの根底にある病態生理学的メカニズムに関連があると思われ、その低減は治療的介入の効果を反映する。
評価。患者は、ベースライン時および4週間の研究期間の間毎週、BFIおよびMFIによる疲労評価を受ける。患者はまた、SF−36、HADSおよびCGI−Sによる評価を、無作為化時、および4週間の介入相の間毎週受ける。CGI−Iは、4週間の介入相の間、1週間間隔で行う。ベースライン時および4週間の治療介入相の間毎週、患者は上述の免疫因子およびHPA軸マーカーに関する臨床検査を受ける。
分析:
0.5mgまたは1.5mgでの甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの投与は、4週間の治療介入相の間の各比較点におけるBFIおよびMFIにより評価した平均疲労スコアのベースラインからの変化により評価されるとおり、癌関連疲労の改善においてプラセボよりも優れている。
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(0.5mgまたは1.5mg)は、6週間の治療後にSF−36により評価した生活の質の平均スコアのベースラインからの変化により評価されるとおり、生活の質の改善においてプラセボよりも優れている。
有効性を評価するために検討する他の変数は、(1)CGIおよびCGI−Sスコアの平均値のベースラインからの変化、および(2)免疫およびHPA軸機能へのTRHの効果を評価するためのIL−1ra、TNF−RII、ネオプテリンおよびコルチゾールレベルの評価により測定される免疫およびHPA軸機能のマーカーを含む。
安全性分析のための変数:
安全性と耐容性は、本研究中に採取した以下のデータの統計学的分析および臨床的検討によって評価する:有害事象(Ae’s)、AE’sによる中断の理由、臨床検査数値、ECG、身体検査およびバイタルサイン。
分析手法:
有効性分析に用いた基礎研究対象集団(primary study population)は、最大の解析対象集団(FAS)である。FASは、被験薬物を受け、かつ少なくとも1つの無作為化後の評価を受けた全ての患者を含む。任意の中断例に対応するためにlast observation carried forward(LOCF)分析を行う。有効性の1次解析を共分散分析によって行う。
実施例−選択および治療研究−TRH類似体
患者の選択。本研究において、癌、乳癌または前立腺癌の診断を受けた患者を、腫瘍臨床設定の簡易疲労一覧表(BFI)を用いてCRFに関してスクリーニングする。BFIは単純な9項目の自己記入尺度であり、完了するのに約5〜10分を要する。重篤なレベルの疲労(BFI≧7)を経験している患者を、このスクリーニングに基づいて同定する。これらの患者は、その後、医学的に改善可能なまたは他の治療可能な疲労の原因(すなわち貧血症、甲状腺機能低下症、電解質異常、CRFの症状より優勢な顕著な痛み)を有する患者を同定および除外するために、総合的な面接および臨床検査(ヘモグロビン、ヘマトクリット、甲状腺刺激ホルモン濃度および電解質)によるさらなるスクリーニングを受ける。重篤なCRFを有し、かつ医学的に改善可能なまたは他の治療可能なCRFの原因を有しない合計40人の患者が、初期スクリーニング過程に基づいて同定される。医学的に改善可能なまたは他の治療可能なCRFの原因は、50%もの癌患者および/または癌治療を受けている患者に存在するとみられる。(デメトリら(Demetri et al)、1998)。したがって、特発性CRFを有する40人の患者を同定するために、乳癌または前立腺癌の診断を受けた約60〜70人の患者をスクリーニングする。同定した患者は、各20人の2つの群、すなわち被験薬物群およびプラセボ群に無作為化する。
いずれの群も、疲労の様々な面を調査するために総合的な評価を受ける。この評価は、20項目の尺度の多次元的疲労目録(MFI)(スメツら(Smets et al)、1995およびスメツら(Smets et al)、1996)、および生活の質の質問表である36項目の短文式調査(SF−36)(ウェアおよびシャーバーン(Ware and Sherbourne)、1992)から構成される。患者は、頻繁にCRFと共に発症する2つの主要な精神疾患である、うつ病性疾患および不安症についても評価する。これは、病院不安およびうつ尺度(HADS)を用いて行う。HADSは、14項目のスクリーニングツールである。それは、不安(HADA)およびうつ(HADD)のために別々の尺度から構成される。その有効性は、併存する身体的疾患の存在に比較的影響を受けない(ジグモンドおよびスナイス(Zigmond and Snaith)、1983)。さらに、両方の群からの患者は、免疫およびHPA軸機能に関連した特定の臨床検査を受ける。
研究の介入相において、患者は割り当てられた群に基づき、被験薬物またはプラセボを受ける。患者は、介入相の間毎週、BFIおよびMFIによる疲労評価を受ける。患者はまた、HADSによるうつ病および不安症の評価、およびSF−36による生活の質の評価を、無作為化時、第4週および介入相の終わりに受ける。患者は、無作為化時、第4週および介入相の終わりに、重症度の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−S)を用いて、その全体的な状態について評価する。患者はまた、第4週および介入相の終わりに、改善の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−I)を用いてあらゆる全般的な改善について評価する。介入相の終わりに、患者は、初期スクリーニング後に行うのと同じ免疫およびHPA軸マーカーについて再度臨床検査を受ける。
患者の選択−採用/除外基準
初期スクリーニング相に入るための採用基準:
1.全ての研究関連の手順の開始の前に、同意書を提出すること。
2.18才以上の男性または女性で、乳癌または前立腺癌の診断を受けていること。
3.研究に必要な事項を理解し、これに応じられること。
初期スクリーニング相に登録するための除外基準:
1.現在、任意の癌治療(手術、化学療法、放射線療法)の急性期(<3ヶ月)にある患者。
2.DSM−IV基準により定義される、評価前6ヶ月以内の物質濫用または依存症の特定可能な診断を受けた患者(完全な寛解状態にある場合、およびカフェインまたはニコチン依存症を除く)。
3.調査者が判断した、CRFの評価を混乱させる、不安定なまたは不適切な治療を受けた併存する任意の顕著な病状(たとえば糖尿病、CHF、他の癌の病歴)を有する患者。
4.調査者が判断した、CRFの適切な評価を混乱させる、不安定なまたは不適切な治療を受けた任意の顕著な精神疾患(うつ病および/または不安症を除く)を有する患者。
5.複数の向精神薬を投薬されている患者。
6.免疫学的に関連した疾患または免疫系に影響を及ぼし得る疾患の病歴を有する患者。
7.定期的に免疫抑制薬を使用している患者。
8.視床下部−下垂体−副腎皮質(HPA)軸機能に明らかに影響を及ぼす疾患を有する患者、または、HPA軸に影響するホルモン治療を受けている患者。
9.調査者の見解において、患者の登録が不適切となるか、または研究への患者の参加を妨げる可能性のある任意の他の状態。
第2の総合的な評価相に入るための追加の除外基準:
以下の全てを、本研究の、第2の総合的な疲労評価相(初期スクリーニングおよび臨床検査に基づく)に入ることから除外する基準とする:
1.貧血症、甲状腺機能低下症および電解質異常などの、CRFの医学的に改善可能な原因を有する患者。
2.CRFと因果関係を有し得る、痛みなどの、CRFのシナリオより優勢な、潜在的で治療可能な関連症状を有する患者。
中断のための基準:
患者は、いつでも本研究の治療および評価を中断することができる。患者が本研究を中断するための具体的な理由は、以下のとおりである:
1.患者による自発的な中断(患者は、いつでも自由に本研究への参加を中断することができる)。
2.調査者が判断したプロトコルへの重大なノンコンプライアンス。
3.誤った登録。
4.研究期間中の、任意の状態による患者の入院。
5.1週間続く単純盲検プラセボランイン相中のMFTにおける疲労スコアの20%を超える改善。
研究デザイン:
本研究は、標準的な無作為化二重盲検プラセボ対照デザイン形式で行う。これは4相からなる:初期スクリーニング相、1週間続く単純盲検プラセボランイン相、6週間のタルチレリンによる二重盲検プラセボ対照治療相、および1週間の漸減および終了相。
初期スクリーニング相。最初の選択および除外基準を満たす、乳癌または前立腺癌の診断を受けた患者は、腫瘍臨床設定の簡易疲労一覧表(BFI)による初期スクリーニングを受ける。重篤なレベルの疲労(BFI≧7)を経験している患者を、このスクリーニングに基づいて同定する。これらの患者は、その後、医学的に改善可能なまたは他の治療可能な疲労の原因(すなわち貧血症、甲状腺機能低下症、電解質異常、CRFのシナリオより優勢な顕著な痛み)を有する患者を同定および除外するために、総合的な面接および臨床検査(ヘモグロビン、ヘマトクリット、甲状腺刺激ホルモン濃度および電解質)によるさらなるスクリーニングを受ける。重篤なCRFを有し、かつ医学的に改善可能なCRFの原因を有しない合計40人の患者が、初期スクリーニング過程に基づいて同定される。同定した患者は、各20人の2つの群、すなわち被験薬物群およびプラセボ群に無作為化する。
両方の群は、疲労および生活の質の様々な面を調査するために、総合的な評価を受ける。この評価は、多次元的疲労目録(MFI)、および生活の質の質問表である36項目の短文式調査(SF−36)から構成される。患者はまた、うつ病性疾患および不安症について、病院不安およびうつ尺度(HADS)により評価する。患者は、重症度の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−S)および改善の臨床における全般的印象評価尺度(CGI−I)により、無作為化時および介入相の間4週間ごとに、その全体的な状態について評価を受ける。さらに、両方の群からの患者は、免疫およびHPA軸に関する特定の臨床検査を受ける。これらの臨床検査は、炎症活性についての選択された血清マーカーおよびHPA軸についてのマーカーを含む。免疫マーカーは、インターロイキン1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)、可溶性腫瘍壊死因子レセプタータイプII(sTNF−RII)およびネオプテリンを含む。血清コルチゾールレベルは、HPA軸のマーカーとして用いる。これらのマーカーの1つまたはそれ以上の上昇したレベルは、CRFの根底にある病態生理学的メカニズムに関連があると思われ、その低減は治療的介入の効果を反映する。
ランイン相。ベースライン評価の後、全ての対象は、1週間の単純盲検プラセボランイン相のため、プラセボ錠剤から開始する。MFIにおける疲労スコアの20%を超える改善を示す対象は、さらなる研究への参加資格を失う。
治療相。残りの対象は、6週間の二重盲検治療相に入る。この相の第1および第2週にわたり、対象は0800時にタルチレリンの5mg錠または同一外観のプラセボ錠を受ける。第3週から第6週にわたり、全ての対象は0800時および01300時にタルチレリン5mgまたはプラセボを受ける。
漸減相。最後に、1週間の漸減および終了相の間、対象は、4日間、0800時にタルチレリン5mgまたはプラセボを受け、その後、全ての対象は、最終的な研究評価の前に、3日間プラセボ錠を受ける。患者は、研究期間中、毎週、BFIおよびMFIによる疲労評価を受ける。患者はまた、無作為化時、第4週および介入相の終わり(第8週)に、SF−36、HADSおよびCGI−Sによる評価を受ける。CGI−Iは、第4週、および介入相の終わりに行う。介入相の終わりに、患者は、無作為化時に行うのと同じ免疫およびHPA軸マーカーについて再度臨床検査を受ける。
分析:
10mgのTRH類似体は、6週間の治療後にBFIおよびMFIにより評価した平均疲労スコアのベースラインからの変化により評価されるとおり、癌関連疲労の改善においてプラセボよりも優れている。
10mgのTRH類似体は、治療の6週間後にSF−36により評価した生活の質の平均スコアのベースラインからの変化により評価されるとおり、生活の質の改善においてプラセボよりも優れている。
有効性を評価するために、(1)CGIおよびCGI−Sスコアの平均値のベースラインからの変化、および(2)免疫およびHPA軸機能へのTRH類似体の効果を評価するための、IL−1ra、TNF−RII、ネオプテリンおよびコルチゾールレベルの評価により測定される免疫およびHPA軸機能のマーカーを含む他の変数を検討する。
第6週(治療の終わり)が重要であるが、タルチレリンによる治療の経時変化を評価するために他の時点も検討する。
本願中で「TRH類似体」と称する、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の類似体は、先行技術に開示されている一群の代謝的に安定なペプチド模倣化合物を含む。特に、本発明に有用なTRH類似体は以下の先行技術文献に開示された類似体とそのプロドラッグとを含む:米国特許第4,711,878号明細書、米国特許第4,563,306号明細書、米国特許第3,959,248号明細書、米国特許第5,151,497号明細書、米国特許第4,636,567号明細書、米国特許第4,610,821号、米国特許第4,564,609号、米国特許第4,719,207号明細書、米国特許第4,368,073号明細書、米国特許第4,299,821号明細書、米国特許第5,244,884号明細書、米国特許第4,877,784号明細書、米国特許第6,475,989号明細書、米国特許第5,686,420号明細書、米国特許第5,811,512号明細書、米国特許出願公開第20030166944号明細書、米国特許出願公開第20030232966号明細書、米国特許第5,968,932号明細書、米国特許第4,956,364号明細書、米国特許第4,906,614号明細書、および米国特許第4,788,179号明細書。TRH類似体およびそのプロドラッグのこれら全ての開示を本願に援用する。
最も好ましいTRH類似体はタルチレリン、MK−771、JTP−2942、アゼチレリン(M−14637)、ポジチレリン(positirelin)(RGH−2022)およびモンチレリン(CG−3703)を含む化合物群を含み、これらのいずれも上記に引用した1つまたはそれ以上の米国特許に記載されている。本発明に有用な最も好ましいTRH類似体はタルチレリンおよびモンチレリンであり、それぞれ以下の式で表される。
Figure 2008520544
Figure 2008520544
TRHもしくはプロドラッグまたはTRH類似体またはプロドラッグは、遊離塩基として、または水和物として、または、医薬的に許容し得る塩の形で使用されてもよい。TRHおよびTRHのプロドラッグおよびTRH類似体およびTRH類似体のプロドラッグは、単独でまたは薬理学的に許容し得る担体、添加物または賦形剤と組み合わせて使用することができ、その割合は、化合物の溶解性および化学的性質、選択された投与経路、および標準的な医療行為によって決定される。
本発明の一実施態様において、医薬組成物は、癌関連疲労を治療および/または予防するための医薬投与形態の任意の1種またはそれ以上のTRHおよびTRHのプロドラッグおよびTRH類似体およびTRH類似体のプロドラッグの治療有効量を含む。治療有効量は、TRH自体またはTRHのプロドラッグを使用する場合には、使用する特定のTRH類似体またはプロドラッグ、使用される剤の薬物動態、疲労の重篤度、および治療する患者によって変わる。
本発明によって使用されるTRHおよびTRHのプロドラッグおよびTRH類似体およびTRH類似体のプロドラッグは、別々に投与されるか、または本発明の医薬組成物として投与されるかにかかわらず、医薬的に有用な組成物を調製するための機知の方法に従って製剤することができる。
TRHまたはこれらのTRH類似体に基づく医薬組成物は、種々の投与経路用に製剤することができ、これは、たとえば錠剤、カプセルなどの経口投与可能な形態、非経口、静脈内、筋肉内、経皮、口腔内、皮下、坐薬またはその他の経路を含む。特定の医薬投与形態において、存在する特定のTRH類似体が、投与経路および患者内の標的部位に応じて、他の化合物より適切であり得る。本発明の組成物は、当該技術分野で知られた手順を利用して、患者への投与後に、有効成分の迅速な、持続的なまたは遅延した放出をもたらすように製剤することができる。剤形は、当業者によく知られ、容易に利用できる複数のソースに記載されている。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Science(マーチン イー ダブリュー(Martin E W)[1995年]イーストン ペンシルバニア州(Easton Pa.)、マック パブリッシング社(Mack Publishing Company)、第19版)には、本発明に関連して使用できる剤形が記載されている。
TRHもしくはTRH類似体は、TRHもしくはTRH類似体またはTRHもしくはTRH類似体のプロドラッグを、医薬的に許容し得る担体と組み合わせて含む医薬組成物にて投与することができる。
用語「医薬的に許容し得る担体」は、たとえば、以下のような医薬的に許容し得る担体を含む:ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、白土、スクロース、タルク、ステアリン酸、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア等の固体担体、および、植物油、落花生油および無菌水等の液体など。しかしながら、この医薬的に許容し得る担体のリストは、限定的なものと解釈すべきではない。
本発明による経口投与形態の医薬組成物を調製する際には、任意の1種またはそれ以上の通常の製剤媒体(pharmaceutical media)を用いることができる。したがって、懸濁液、エリキシルおよび液剤などの液体経口製剤に関して、水、グリコール、油、アルコール類、香料、防腐剤、色素などを含む好適な担体および添加物を用いることができる。粉末、錠剤、カプセルなどの固形経口製剤、および坐剤などの固形製剤に関して、澱粉、糖担体、たとえばブドウ糖、マンニトール、ラクトースおよび関連担体、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などを含む好適な担体および添加物を用いることができる。必要に応じて、錠剤またはカプセルは、腸溶性であっても、標準的な技法により徐放性であってもよい。
必要に応じて、経口投与のための用量単位製剤は、マイクロカプセル化されていてもよい。製剤はまた、たとえば、ポリマー、ワックスなどの状態の粒子材料を被覆するかまたは埋め込むことにより、放出を延長または持続させるように調製することもできる。
非経口投与に適した剤形は、たとえば抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含んでもよい水性無菌注射液、ならびに、懸濁化剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性無菌懸濁液を含む。製剤は、単位用量または多用量容器、たとえば密封アンプルおよびバイアルにて提供してもよく、また、使用の前に、たとえば注射用水などの無菌液体担体の調整のみが必要なフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管してもよい。用事調製の注射液および懸濁液は、無菌粉末、顆粒、錠剤などから調製してもよい。上記で特に言及されている成分に加えて、本発明の製剤は、対象となる剤形の種類を考慮した、当該技術分野において慣用の他の剤を含むことができると理解されるべきである。
局所医薬組成物は、皮膚への適用に適合した溶液、クリーム、軟膏、ムース、ジェル、ローション、パウダーまたはエアゾール製剤の形態であってもよい。TRHもしくはTRHのプロドラッグまたはTRH類似体もしくはTRH類似体のプロドラッグを含有する本対象発明の局所製剤は、当該技術分野においてよく知られている種々の担体材料または医薬的に許容し得る賦形剤と混合されていてもよい。賦形剤が希釈液として用いられる場合、それは、有効成分にとってビヒクル、担体または媒体として作用する固体、半固体または液体であってもよい。したがって、組成物は、パウダー、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、アルコール溶液、軟膏、局所洗浄剤、クレンジングクリーム、スキンジェル、スキンローション、ムース、ロールオン、クリームまたはゲル製剤におけるエアゾールまたはノンエアゾールスプレー、およびソフトゼラチンカプセルの形態であってもよい。
非経口製剤に関して、担体は、無菌水または塩化ナトリウム水溶液を、エタノールなどの分散を補助する他の成分、および他の医薬的に許容し得る溶媒と組み合わせて含んでもよい。もちろん、溶液を無菌状態で使用および維持すべき場合は、組成物および担体も滅菌しなければならない。注射用懸濁液も調製することができ、その場合には、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いることができる。
実施例1.経口錠剤
重量部で表示した以下の成分からなる錠剤を調製する。
タルチレリン水和物 10部
ラクトース一水和物 64部
トウモロコシ澱粉 20部
ポリビニルピロリドン(ポリビドン K 30) 5部
ステアリン酸マグネシウム 1部
活性化合物、ラクトース一水和物およびトウモロコシ澱粉を、0.63mmのふるいによって篩別し、キューブブレンダーで10分間混合し、水中のポリビニルピロリドン水溶液(200mlの水に50g)で造粒して乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと共に0.8mmのふるいで大きさをそろえて混合、コルシュ(Korsch)EK 0偏心プレスなどの慣用の錠剤成形機を使用して、直径6mm、平均重量100mgの錠剤にプレスする。
実施例2.経口液体製剤
重量部で表示した以下の成分からなる経口投与用液体製剤を調製する。
タルチレリン水和物 10部
ソルビン酸カリウム 10部
クエン酸ナトリウム 6部
クエン酸 2部
塩化ナトリウム 2部
スクロース 200部
溶液1リットルあたりタルチレリン水和物10gを含有する溶液体積に十分な水。固形成分を全て水に溶解し、0.23ミクロンの膜を通してろ過してボトルに充填した。得られた溶液の1mlは、10mgのタルチレリンを含んだ。個々の投薬は、患者に、溶液の個々の体積を投与することによって達成することができる。
実施例3.経鼻スプレー
重量部で表示した以下の成分からなる経鼻スプレー製剤を調製する。
TRHまたはタルチレリン水和物 80部
塩化ベンザルコニウム 1部
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80) 80部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(Tylose(商標)C 30) 80部
リン酸水素二ナトリウム 72部
リン酸二水素ナトリウム 32部
デキストロース 240部
溶液1リットルあたりタルチレリン水和物10gを含有する体積の精製水。固形成分を全て水に溶解し、0.5ミクロンの膜を通してろ過し、経鼻投与のための100マイクロリットルの定量投薬チャンバーを備えたスプレーポンプを上部に有するボトルに充填した。
TRHもしくはTRHのプロドラッグまたはTRH類似体もしくはTRH類似体のプロドラッグを含有する坐薬は、市販の坐剤基剤の95gを約40から45℃で融解し、3gのサリチル酸またはマンデル酸を添加し、その後、撹拌しながら2gのAPI成分を添加し、混合物を型に注ぐことにより調製することができる。
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Claims (19)

  1. 腫瘍性疾患を患う患者における癌関連疲労の治療のための方法であって、前記患者に、癌関連疲労を緩和する量のTRHもしくはTRH類似体またはその医薬的に許容し得る塩またはその水和物またはそのプロドラッグを投与する工程を備える方法。
  2. 前記患者が、休息によって軽減されない、重篤で持続的な疲労を患っている請求項1に記載の方法。
  3. 治療的に有効な癌関連疲労を緩和する量のTRHまたは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンのペプチド模倣類似体を投与する工程を備える、腫瘍性疾患を患い、そのための治療を受けた対象における癌関連疲労の緩和のための方法。
  4. 前記患者が、手術、放射線治療を受け、かつ/または化学療法剤および/または免疫療法剤で治療されている請求項1に記載の方法。
  5. 前記対象がHPA軸機能不全および前炎症活性を示す請求項3に記載の方法。
  6. 前記ペプチド模倣薬が下式で表される化合物である請求項3に記載の方法。
    Figure 2008520544
  7. 約0.01mg/kgから約2mg/kgの前記ペプチド模倣薬が1日1回から3回投与される請求項3に記載の方法。
  8. 約5mgから約30mgの前記ペプチド模倣薬が1日1回から3回投与される請求項3に記載の方法。
  9. TRHまたは前記ペプチド模倣薬が、経口的に、経皮的に、吸入により、注射により、経鼻的に、経直腸的に、または徐放製剤により投与される請求項3に記載の方法。
  10. TRHまたは前記TRH類似体が、前記患者に前記癌関連疲労を緩和する期間投与され、その後の期間は薬物なしのホメオスタシスを得るために漸減用量で治療される請求項3に記載の方法。
  11. 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRH類似体、TRHおよびTRH類似体の医薬的に許容し得る塩、水和物およびプロドラッグから選択される薬物の、腫瘍性疾患を患うヒト患者における癌関連疲労の治療または予防のための医薬の製造への使用方法。
  12. 休息によって軽減されない、重篤で持続的な疲労の治療または予防のための医薬の製造への請求項11に記載の使用方法。
  13. 薬物がTRHまたはTRHのペプチド模倣類似体である請求項11または請求項12に記載の使用方法。
  14. 手術、放射線治療、化学療法剤による治療および免疫療法剤による治療の少なくとも1つを受けた患者の治療に適した医薬の製造への請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の使用方法。
  15. HPA軸機能不全および/または前炎症活性を示す対象に用いるのに適した医薬の製造への請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の使用方法。
  16. TRHのペプチド模倣類似体が下式で表される請求項13に記載の使用方法。
    Figure 2008520544
  17. 経口的な、経皮的な、吸入による、注射による、経鼻的な、または経直腸的な投与のための医薬の製造への請求項11から請求項16のいずれか一項に記載の使用方法。
  18. 1日あたり約0.01mg/kgから約2mg/kgまでのTRHのペプチド模倣類似体を与えるように、1日1回から3回経口投与するための投薬形態の医薬の製造への請求項17に記載の使用方法。
  19. 約5mgから約30mgまでのTRHのペプチド模倣類似体を含む投薬形態の医薬の製造への請求項11から請求項18のいずれか一項に記載の使用方法。
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