JP2017088584A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】体重の増減、食欲の減退及び性欲の減退等の副作用や、離脱症状の少ない、新規のうつ病の治療に有効な医薬組成物を提供すること。
【解決手段】 筋弛緩剤を含むうつ病治療のための医薬組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、うつ病を治療するための新規の医薬組成物に関する。
近年、日本国内におけるうつ病の罹患数は増えてきている。一説には、うつ病を含む気分障害に罹患した患者数は、1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいの状態であったが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と著しい増加を示している。
うつ病に罹患した患者は、抑うつ状態、興味・喜びの著しい減退、不眠又は過眠、易疲労性、思考力や集中力の減退、体重の減少や増加、反復的な自殺念慮等の症状を示す。重度のうつ病に罹患した患者は、社会生活を送ることが困難となるケースも少なくないため、早期かつ確実な治療方法が望まれる。
近年、うつ病は「脳におけるセロトニンの不足」が主原因であると考えられており、うつ病は「脳の病気」であると考えられている。従って、投薬によるうつ病治療を試みる際には、主に、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下、SSRI)が治療薬として使用される。SSRIは、シナプスにおけるセロトニントランスポーターに結合し、セロトニントランスポーターによるセロトニンの再取り込みを阻害することにより、シナプスにおけるセロトニン濃度の低下を防止する機能を有する。SSRIを開示した文献として、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2004−217650号公報
しかしながら、SSRIを用いたうつ病の治療は、患者の個体差に起因する効果の差が激しく、著しい例では全く効果が見られない場合も少なくない。また、SSRIは、体重の増減、食欲の減退及び性欲の減退等の副作用が報告されている上、SSRIの投薬を終了した後にめまいや頭痛等の離脱症状が生じる場合もある。従って、SSRIのみに頼ることのない、確実且つ安全な治療薬が強く求められている。
本発明者が鋭意検討した結果、セロトニンの不足とは異なるうつ病の原因を突き止め、当該原因を解消するための医薬組成物を見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]
筋弛緩剤を含むうつ病治療のための医薬組成物、
[2]
筋弛緩剤が、中枢性筋弛緩剤及び末梢性筋弛緩剤から選択される1又は2以上の化合物から選択される化合物である、[1]に記載の医薬組成物、
[3]
中枢性筋弛緩剤が、クロルゾキサゾン及びその溶媒和物、トルペリゾン、チザニジン、エペリゾン、バクロフェン、シクロベンザプリン、これらの塩及びこれらの溶媒和物、アフロクアロン、カルバミン酸クロルフェネシン並びにメトカルバモールから選択される1又は2以上の化合物であり、
末梢性筋弛緩剤が、パパベリン、プリジノールメシル酸塩、ヘミコリニウム、テトロドトキシン、プロカイン、アミノグリコシド、d-ツボクラリン、アルクロニウム、ダントリウム、スキサメトニウム、ロクロニウム、これらの塩及びこれらの溶媒和物、臭化パンクロニウム並びに臭化ベクロニウムから選択される1又は2以上の化合物である、
[1]又は[2]に記載の医薬組成物、及び
[4]
筋弛緩剤が、中枢性筋弛緩剤である、[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物、
に関する。
本発明の医薬組成物により、体重の増減、食欲の減退及び性欲の減退等の副作用や離脱症状をもたらすことのないうつ病の治療薬を提供できる。また、本発明の医薬組成物とSSRI等を含む他の医薬組成物とを組み合わせることにより、症状に合わせたより確実なうつ病治療方法を提供できる。
強制水泳法試験結果を表すグラフ
本発明の医薬組成物は、筋弛緩剤及びその他の任意の成分を、製剤形態に適した担体と混合して、製剤化することにより得られる。
1.筋弛緩剤
本発明の医薬組成物において使用される筋弛緩剤は、人体に使用し得る筋弛緩剤のいずれも使用できる。筋弛緩剤は、例えば、中枢性筋弛緩剤及び末梢性筋弛緩剤から選択される。特に中枢性筋弛緩剤を使用することが好ましい。中枢性筋弛緩剤を使用することにより中枢神経に対して効果的に作用し、後述するうつ病の原因を効率よく排除できる。
中枢性筋弛緩剤は、例えば、クロルゾキサゾン及びその溶媒和物、トルペリゾン、チザニジン、エペリゾン、バクロフェン、シクロベンザプリン、これらの塩及びこれらの溶媒和物、アフロクアロン、カルバミン酸クロルフェネシン並びにメトカルバモールが挙げられる。
また、末梢性筋弛緩剤は、例えば、パパベリン、プリジノールメシル酸塩、ヘミコリニウム、テトロドトキシン、プロカイン、アミノグリコシド、d-ツボクラリン、アルクロニウム、ダントリウム、スキサメトニウム、ロクロニウム、これらの塩及びこれらの溶媒和物、臭化パンクロニウム並びに臭化ベクロニウムが挙げられる。本発明の医薬組成物は、これら筋弛緩剤から選択される1又は2以上の筋弛緩剤を含む。
塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩や酸付加塩が挙げられる。
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。適当な酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
溶媒和物は上記列挙した筋弛緩剤を任意の方法で溶媒和物に変換して得られる。溶媒和物は、低毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)の溶媒和物が挙げられる。
本発明者は、うつ病の原因がセロトニンの減少のみにあるのではなく、いくつかの原因が複合していることを突き止めた。本発明者の見いだしたうつ病の原因の一つに、頭蓋骨の内外接面の筋肉等の異常が挙げられる。すなわち、脳の髄膜、頭蓋表筋、前頭筋、後頭筋、側頭筋、帽状腱膜及び咀嚼筋等が異常緊張、収縮又は固着を起こすことにより、うつ病の主な症状である意欲停止、頭痛、疲労感及び頭の締め付け等の症状が発生する。筋弛緩剤を投与することにより、これら頭蓋骨の内外接面の筋肉を弛緩させ、異常緊張、収縮又は固着を緩和することによって、うつ病における上記症状を緩和又は寛解させる。また、筋弛緩剤をあらかじめ投与することにより、頭蓋骨の内外接面の筋肉を弛緩した状態に保てるため、うつ病の発生を予防する効果も期待できる。
上記の通り、うつ病はいくつかの原因が複合して起こる疾病である。うつ病を治療するためには、症状に合わせて投与する医薬組成物を調製することがより好ましい。本発明の医薬組成物は、筋弛緩剤以外の医薬品、例えばSSRIを含むことも出来る。また、原因に合わせた治療計画を達成するために、本発明の医薬組成物は、筋弛緩剤を唯一のうつ病治療薬として含んでもよい。筋弛緩剤を唯一のうつ病治療薬として含むことにより、例えば、頭蓋骨の内外接面の筋肉異常のみを原因とするうつ病は本発明の医薬組成物単体で治療し、複合原因(例えば、頭蓋骨の内外接面の筋肉異常とセロトニン不足の両方)によるうつ病は本発明の医薬組成物と従来から使用されているSSRIとを併用すると言うように、フレキシブルな治療方法の選択が可能となる。
本発明の医薬組成物における筋弛緩剤の量は、使用する筋弛緩剤の種類、症状、剤形及び1回の投与により必要とされる投与量等により適宜変更可能である。一般的な配合量としては、医薬組成物における筋弛緩剤の量を、1〜70質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%とする。
2.その他の任意の成分
本発明の医薬組成物の効果をより高めるためのそのほかの成分を含んでも良い。例えば、筋弛緩剤と共に、抗コリン薬を含むことも出来る。筋肉の緊張は、多量のコリンの存在により生じる場合がある。抗コリン薬は、余剰のコリンを取り除き、筋弛緩剤の効果をより高めることが出来るため、本発明の医薬組成物にとって好ましい成分である。抗コリン薬の具体例としては、アトロピン、スコポラミン、ビペリデン、トリヘキシフェニジル、コントミン、ピロヘプチン、プロフェナミン、マザチコール及びメチキセンが挙げられる。
3.担体
本発明の医薬組成物を製造する際に使用する担体は、医薬組成物を製造する際に採用し得る担体のいずれも特に制限無く採用し得る。これら担体としては、例えば、医薬組成物に通常使用される充填剤、増量剤、結合材、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤、賦形剤等が挙げられる。これら担体は、剤形によって適宜使い分けることが出来る。具体的に使用される担体を、以下に剤形ごとに分けて説明する。
4.本発明の医薬組成物の採用し得る製剤形態
本発明の医薬組成物は、通常採用し得るいかなる製剤形態を採用できる。例えば、本発明の医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤及び顆粒剤等の経口投与のための内服用固形剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤及びエリキシル剤等の内服用液剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤及び注射剤等の非経口のための剤形等を採用し得る。
5.剤形毎に使用できる担体
内服用固形剤においては、例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、非結晶セルロース及びデンプン等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の結合材、繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、グルタミン酸及びアスパラギン酸等の溶解補助剤、並びに安定剤等が挙げられる。製剤化した後に、単一又は複数の層でコーティングしても良い。
内服用液剤においては、例えば、精製水、エタノール又はこれらの混合液等が希釈剤として用いられる。前記希釈剤は、必要に応じて、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤及び緩衝剤から選択される1又は2以上の成分を含んで良い。
軟膏剤で使用し得る担体としては、例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
ゲル剤で使用し得る担体としては、例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
クリーム剤で使用し得る担体としては、例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
湿布剤で使用し得る担体としては、例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる
貼付剤で使用し得る担体としては、例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
リニメント剤で使用し得る担体としては、例えば、水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤において使用し得る担体としては、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤が挙げられる。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および使用時に溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤等が挙げられる。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤、または吸入用液剤が挙げられ、当該吸入用液剤は使用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カルボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
6.医薬組成物の製造方法
本発明の医薬組成物は、従来から存在する医薬組成物の製造方法により製造できる。例えば、剤形として錠剤を採用する場合には、前記例示した担体に、前記筋弛緩剤を添加して混合し、得られた混合物を圧縮等して任意の大きさの錠剤を得ることが出来る。
7.本発明の医薬組成物のうつ病のための使用
前記の通り、本発明の医薬組成物を、うつ病の治療のために使用できる。前記本発明の医薬組成物と合わせて、従来からうつ病の治療のために使用されているSSRI等他のうつ病治療薬を併用しても良い。
うつ病を治療する際の本発明の医薬組成物の投与量は、医薬組成物に含まれた筋弛緩剤の種類及び量、患者の年齢、体重、症状、治療効果並びに投与方法等により異なり得る。以下に示す投与量は、いずれも、体重60kgの成人1人1日当たりの投与量で表される。前記の通り、以下の投与量は1日当たりの投与量であり、必要に応じて、以下の1日投与量を1回で投与することも、複数回(例えば2〜6回)に分けて投与することも可能である。
筋弛緩剤としてトルペリゾン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、100〜2400mg、好ましくは300〜2200mg、より好ましくは900〜2000mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてチザニジン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、1〜24mg、好ましくは3〜18mg、より好ましくは6〜12mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてアフロクアロンを使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、10〜90mg、好ましくは50〜80mg、より好ましくは60〜70mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてカルバミン酸クロルフェネシンを使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、200〜1000mg、好ましくは500〜900mg、より好ましくは700〜800mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてエペリゾン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、10〜400mg、好ましくは50〜250mg、より好ましくは100〜200mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてバクロフェン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、10〜60mg、好ましくは20〜50mg、より好ましくは30〜40mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてシクロベンザプリン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、5〜60mg、好ましくは10〜40mg、より好ましくは20〜30mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてクロルゾキサゾン又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、100〜2000mg、好ましくは500〜1400mg、より好ましくは1000〜1200mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてメトカルバモールを使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、0.5〜3.5g、好ましくは1.0〜3.0g、より好ましくは1.5〜2.5g投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてパパベリン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、50〜400mg、好ましくは150〜300mg、より好ましくは200〜250mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤として臭化パンクロニウムを使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、3.6〜7.2mg、好ましくは4.2〜6.6mg、より好ましくは4.8〜6.0mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤として臭化ベクロニウムを使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、3.6〜8.4mg、好ましくは4.2〜7.2mg、より好ましくは4.8〜6.0mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてプリジノールメシル酸塩、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、4〜20mg、好ましくは8〜15mg、より好ましくは11〜13mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてプロカイン、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、0.5〜2.5g、好ましくは1〜2.5g、より好ましくは1〜2g投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてアミノグリコシド、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、300〜1800mg、好ましくは600〜1500mg、より好ましくは900〜1200mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてダントリウム、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、50〜300mg、好ましくは50〜250mg、より好ましくは100〜200mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてスキサメトニウム、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、10〜60mg、好ましくは20〜50mg、より好ましくは30〜40mg投与することが好ましい。
筋弛緩剤としてロクロニウム、その塩又はその溶媒和物を使用する場合には、当該医薬組成物に含まれる筋弛緩剤の量として、例えば、24〜54mg、好ましくは30〜54mg、より好ましくは36〜48mg投与することが好ましい。
また、うつ病の治療において、本発明の医薬組成物を使用する際には、別途調製した抗コリン薬を含む医薬組成物を同時に又は別々に患者に対して投与できる。抗コリン薬を含む医薬組成物は、例えば、抗コリン薬を、前述の担体と混合し製剤化することにより得られる。抗コリン薬の具体例としては、アトロピン、スコポラミン、ビペリデン、トリヘキシフェニジル、コントミン、ピロヘプチン、プロフェナミン、マザチコール及びメチキセンが挙げられる。
以下、実施例により、本発明の医薬組成物をより詳細に説明する。なお、実施例が本発明の範囲に影響を与えないことは言うまでも無い。
いわゆるマウスの強制水泳法を用いて、試験物質の抗うつ作用を評価した。マウスの強制水泳法は、ポーソルトによって提案された抗うつ作用を確認する動物実験方法である(Arch.int,pharmacoydn。229.327-336 (1977)参照)。プールに入れられたマウスは、活動状態と無動状態を示す。本試験では、マウスの無動状態の短縮を指標として、医薬組成物の抗うつ作用を検出する。
1.強制水泳用プール
高さ30cm、内径16cmのガラス製円柱容器に、水深が20cmとなるように25℃の水を入れ、強制水泳用プールとして使用した。
2.試験動物
動物種 :マウス
系統 :S1c:ICR
性別 :雄
供給源 :日本エスエルシー株式会社
微生物学的グレード :SPF
入荷時週齢 :6週齢
試験開始時週齢 :7週齢
個体識別 :試験番号、ケージ番号及び個体識別番号を記載したラベルを ケージに設置し、動物の尾にマジックで個体識別番号を記載した。
3.ネズミに対する医薬品投与量の検討
抗うつ病薬として知られているイミプラミンをマウスに対して投与し、治療効果が現れる量を確認した。異なる量のイミプラミンを投与したマウスに対して、以下5にて説明する強制水泳試験を行ったところ、5mg/kg以上のイミプラミンを投与したマウスにて、抗うつ作用における有意差が確認された。
ヒトに対するイミプラミンの通常の一日投与量が25〜75mgであり、症状に合わせて200mgまで暫時増量することとされている(例えば、http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00001871.pdf参照)。通常の一日投与量である75mgの2倍量である150mgを、ヒトの治療に必要な1日分の投与量(以下、「1日量」と言う)に設定した。ついで、1日量の半分(以下、半日量とする)である75mgを、1回の投与量として想定した。ヒトに対する半日量である75mgの数字「75」を、マウスで有意差が見られた投与量である5mg/kgの数字「5」で割ると、「15」となる。従って、マウスに対する動物実験を行う際に投与すべき医薬品の量を計算する際の換算係数を、ヒトに対する半日量の15分の1と決定した。
4.試験に使用する物質と試験で用いる医薬組成物の調製
本発明を説明するための実施例において、筋弛緩剤であるトルペリゾン塩酸塩を使用した。一方、本発明と比較するための比較例において、抗不安剤としてうつ病の治療に一般的に使用されているエチゾラムを使用した。
トルペリゾンのヒトに対する治療効果があると考えられる半日量が900mgであったため、実験におけるマウスに対する投与量を、「900」の15分の1の量である60mg/kgに設定した。また、比較例であるエチゾラムの半日投与量が0.25mgであったため、実験におけるマウスに対する投与量を、「0.25」の15分の1の量である0.017mg/kgに設定した。トルペリゾン塩酸塩を蒸留水に溶解させて、実施例の医薬組成物を調製した。また、エチゾラムを蒸留水に溶解させて、比較例の医薬組成物を調製した。
5.強制水泳試験
(1)実施例
試験を行う1時間前に、マウスに対して上記調製したトルペリゾン塩酸塩水溶液を10ml/kg1回のみ投与した(トルペリゾン塩酸塩換算で56mg/kg)。投与経路は強制経口投与であり、テルモ株式会社製注射用シリンジに、有限会社フチガミ器械製のマウス用経口投与ゾンデを取り付けたものを使用して、無麻酔下で行った。強制投与の1時間後、マウスを前記強制水泳用プールに入れて10分間放置した。入れた後の最初の3分は馴化時間として放置し、残りの7分間における無動時間を計測した。「無動」とは、マウスが前肢及び後肢を動かさず、首から上を水面に出して浮かんでいる状態を指す。「無動時間」とは、「無動」の状態が持続している時間を合計した時間を意味する。上記試験を別々のマウスに対して10回繰り返し、平均値を算出した。
(2)比較例
トルペリゾン塩酸塩水溶液の代わりに、エチゾラム水溶液を使用し、エチゾラム換算での投与量が0.017mg/kgであった以外は、上記(1)と同様の試験を行った。
(3)媒体対照
トルペリゾン塩酸塩水溶液の代わりに、医薬品を含まない蒸留水を使用した以外は、上記(1)と同様の試験を行った。
6.結果
マウスの無動時間を測定して、媒体対照群と実施例及び比較例の平均値(n=10)を比較した。各平均値を比較したグラフを図1に示している。
媒体対照群の無動時間が219.7秒、比較例の無動時間が182.0秒であり、媒体対照群と比較例とを比較した場合、有意な無動時間の低下は確認されなかった(P=0.2264)。これに対して、実施例の無動時間は70.1秒であり、実施例と媒体対照群との比較(P=0.00014)及び実施例と比較例との比較(P=0.00200)において、顕著な無動時間の低下が確認された。上記の結果により、実施例で使用したトルペリゾン塩酸塩が、比較例で使用したエチゾラムと比較して高い抗うつ作用を有することが明らかである。
本発明の医薬組成物により、これまでSSRI等による治療で効果が得られなかった患者に対して、有効なうつ病治療及び/又は予防方法を提供できる。また、うつ病だけでなく、双極性障害及び慢性疲労症候群等の気分障害に対する治療効果も期待できる。

Claims (4)

  1. 筋弛緩剤を含むうつ病治療のための医薬組成物。
  2. 筋弛緩剤が、中枢性筋弛緩剤及び末梢性筋弛緩剤から選択される1又は2以上の化合物から選択される化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 中枢性筋弛緩剤が、クロルゾキサゾン及びその溶媒和物、トルペリゾン、チザニジン、エペリゾン、バクロフェン、シクロベンザプリン、これらの塩及びこれらの溶媒和物、アフロクアロン、カルバミン酸クロルフェネシン並びにメトカルバモールから選択される1又は2以上の化合物であり、
    末梢性筋弛緩剤が、パパベリン、プリジノールメシル酸塩、ヘミコリニウム、テトロドトキシン、プロカイン、アミノグリコシド、d-ツボクラリン、アルクロニウム、ダントリウム、スキサメトニウム、ロクロニウム、これらの塩及びこれらの溶媒和物、臭化パンクロニウム並びに臭化ベクロニウムから選択される1又は2以上の化合物である、
    請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 筋弛緩剤が、中枢性筋弛緩剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。

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